JP5386067B2 - ヘキサヒドロジベンゾフラン誘導体類 - Google Patents

ヘキサヒドロジベンゾフラン誘導体類 Download PDF

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Description

本発明はヘキサヒドロジベンゾフラン誘導体類、それの調製、これらの誘導体類を含む液晶媒体、およびこれらの液晶媒体を備える電気光学的ディスプレイ素子に関する。特に、本発明は負の誘電異方性を有するヘキサヒドロジベンゾフラン誘導体類に関する。
約30年前に商業的に利用可能な液晶化合物が最初に発見されて以来、多岐に渡る液晶の用途が発見されてきた。公知の用途分野は、特に、時計およびポケット電卓のディスプレイ、および鉄道の駅、空港および運動競技場で使用されるような大型の表示板である。更なる用途分野は、携帯用計算器およびナビゲーション・システムおよびビデオ用の用途におけるディスプレイである。特に最後に述べた用途においては、応答時間および画像のコントラストに対する要求が高い。
液晶中の分子の空間的配列により、液晶の多くの物性が方向に依存するという効果を生じる。中でも液晶ディスプレイで使用する際に特に重要なことは、光学的、誘電的および弾性機械的な異方性である。分子の長軸がキャパシタの2枚の板に対して垂直または平行に配向しているかに依存して、キャパシタは異なる容量を有する。換言すれば、2つの配向によって、液晶媒体の誘電定数εが異なる値となる。分子の長軸がキャパシタ板に対して平行に配向している場合よりも垂直に配向している場合の方が誘電定数が大きいとき、その材料は誘電的に正とされる。換言すれば、分子の長軸に平行な誘電定数εの方が分子の長軸に垂直な誘電定数εより大きい場合であり、誘電異方性Δε=ε−εが正の場合である。従来のディスプレイで使用されている殆どの液晶は、これに分類される。
分子の分極性および永久双極子モーメントの両者が誘電異方性に影響する。ディスプレイに電圧を印加すると、大きい方の誘電定数が実効的となるよう、分子の長軸はそれ自身を配向する。電界による影響の強さは、2つの定数の差に依存する。差が小さい場合、差が大きい場合よりも高い切替電圧が必要となる。例えばニトリル基またはフッ素のような適当な極性基を液晶分子中に導入することで、広範囲の稼動電圧を実現できる。
従来の液晶ディスプレイで使用されている液晶分子の場合、分子の長軸に沿う方向の双極子モーメントの方が、分子の長軸に垂直な方向の双極子モーメントより大きい。最も普及しているTN(「twisted nematic」)セルの場合、液晶層は2枚の平面で平行なガラス板の間で僅か約5〜10μmの厚みで配置されており、それぞれのガラス板には、酸化スズまたはインジウムスズ酸化物(ITO)の導電性で透明な層が電極として蒸着されている。これらの膜および液晶層の間には、同様に透明な配向層があり、普通は樹脂(例えばポリイミド)でできている。この配向層は付近にある液晶分子の長軸を表面力により所望の方向に向かせる働きをしており、電圧がかかっていない状態ではディスプレイの内表面上において分子が同一の方向または同一の微小なチルト角で一様に存在するようにしている。直線偏光のみを入射および出射させる2枚の偏光膜が、ディスプレイの外表面に所定の配列で形成されている。
大きい方の双極子モーメントが分子の長軸に平行に配向している液晶を用いて、極めて高性能のディスプレイが既に開発されてきた。この際、十分に広い中間相の温度範囲および短い応答時間および低い閾電圧を実現するために、多くの場合、5〜20種類の成分の混合物が使用されている。しかしながら、例えばノート型パソコンで使用されているような液晶ディスプレイにおいて、視野角への依存性が強いことに起因する問題が依然ある。見る人の視覚方向に対してディスプレイの表面が垂直な場合、最も高品位の画像を実現できる。見る方向に対してディスプレイが傾いていると、ある状況では、画像の品位が著しく劣化する。より優れた快適性のために、画像の品位を大きく低下させることなく見る人の視覚方向からディスプレイを傾けることができる角度を最大とする試みがなされている。分子の長軸に垂直な方向の双極子モーメントが分子の長軸に平行なそれより大きい液晶化合物を使用して、視野角への依存性を改良する試みが最近なされてきた。誘電異方性Δεは負である。場が印加されていない場合、これらの分子は、長軸がディスプレイのガラス表面に垂直になるよう配向する。電場を印加すると、分子は自分自身でガラス表面に事実上平行に配向する。このようにして、視野角依存性の改良を実現できるようになってきた。この型のディスプレイはVA−TFT(「vertically aligned」)ディスプレイとして公知である。
液晶材料の分野における開発は、完成からは依然として、ほど遠い。液晶ディスプレイ素子の物性を改良するために、ディスプレイを最適とできる新規化合物の開発が継続的に試みられている。
特許文献1には、3−モノ置換かつ3−,7−ジ置換4,6−ジフルオロジベンゾフラン類およびチオフェン類が特に開示されているが、物理的または電気光学的特性の精密な詳細は与えられていない。
国際公開第02/055463A1号パンフレット
したがって、本発明の目的は、液晶媒体中での使用に対して優れた物性を有する化合物を提供することである。特に、これらの化合物は負の誘電異方性を有しており、そのため、これらの化合物はVAディスプレイ用の液晶媒体中での使用に特に適する。ディスプレイの型に対応する誘電異方性に関係なく、用途において好ましいパラメータの組み合わせを有する化合物が好ましい。同時に最適化されるべきこれらのパラメータの中でも、特に言及されなければならないものは、高い透明点、低い回転粘度、使用範囲内の光学異方性、および広い温度範囲に渡って所望の液晶相を有する混合物を実現するのに役立つ特性である。
この目的は、一般式Iの化合物による本発明によって達成される。
Figure 0005386067
式中、mおよびnは、それぞれ互いに独立に、0、1または2であり;
、XおよびXは、それぞれ互いに独立に、H、ハロゲン、CNまたはCFを表し、好ましくは、H、F、Cl、CNまたはCFであり;
およびAは、それぞれ互いに独立に、1つまたは2つの=CH−が=N−に置き換えられてもよく、無置換またはそれぞれ互いに独立に−CN、−F、−Cl、−Br、−Iで1〜4置換されてもよい1,4−フェニレン、無置換またはフッ素および/または塩素により1置換または多置換されている炭素数1〜6個のアルカニル、無置換またはフッ素および/または塩素により1置換または多置換されている炭素数1〜6個のアルコキシ、ヘテロ原子が直接結合しないように1つまたは2つの−CH−がそれぞれ互いに独立に−O−または−S−で置換されてもよく、無置換または−Fおよび/または−Clにより1置換または多置換されてもよい1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレンまたは1,4−シクロヘキサジエニレン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルを表し;
およびZは、それぞれ互いに独立に、単結合、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CFCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CHF−CHF−、−(CO)O−、−O(CO)−、−CHO−、−OCH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−CH=CH−または−C≡C−を表し;
およびRは、それぞれ互いに独立に、水素、無置換であるか−CNまたは−CFによって1置換または−F、−Cl、−Brおよび/または−Iで1置換または多置換されていてもよく、また鎖中のヘテロ原子が直接結合しないように基の中の1個以上のCH基がそれぞれ互いに独立に−O−、−S−、−SO−、−CO−、−(CO)O−、−O(CO)−または−O−CO−O−で置き換えられてもよい1〜15個または2〜15個の炭素原子をそれぞれ有するアルカニル、アルコキシ、アルケニルまたはアルキニル基、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−SCN、−NCSまたは−SFを表し;
ただし、mまたはnがそれぞれ1より大きい場合は、A、A、ZおよびZは互いに同一でも、または異なっていてもよく;および
ただし、n=0、m=0で、同時にX、XおよびXがFでない場合、RおよびRは同時にはHを意味しない。
これらの化合物は主に負のΔεを有しているため、特に、VA−TFTディスプレイでの使用に適している。好ましくは、本発明の化合物は−2より小さいΔεを有しており、特に好ましくは−4より小さいΔεである。これらの化合物は、ディスプレイ用の液晶混合物で使用される一般の材料に対して良好な相溶性を示す。
更に、本発明の式Iの化合物は、VA−TFTディスプレイでの使用に特に適する値の光学異方性Δnを有している。好ましくは、本発明の化合物は、0.05より大きく0.40より小さいΔnを有する。
本発明の化合物の他の物性、即ち、物理化学的または電気光学的なパラメータも、液晶媒体中の化合物として使用するのに有利なものである。これらの化合物またはこれらの化合物を含む液晶媒体は、特に、十分広い範囲でネマチック相を示し、低温および長期に渡って良好な安定性を示すのみならず、十分に高い透明点を有する。これらの化合物は、特にmおよびnの和が0のとき、回転粘度が優位に低い。
さらに、基X、XおよびXの1つまたは2つがClまたはFを意味することが好ましく、特にフッ素である。特に、XおよびXはHを表し、Xは水素を意味しないことが好ましい。あるいは、Xは好ましくはHであり、置換基XおよびXの少なくともいずれか一方は水素ではない。特に好ましくは、X、XおよびXは、互いに独立に、HまたはFである。特に好ましい実施形態においては、Xはフッ素で、XおよびXは水素である。あるいは、XがHで、XはFで、XはHまたはFであることが特に好ましい。
基Rがフッ素原子またはフッ化アルキルを意味する場合、特にmが同時に0を意味する場合は、式Iは、全体として誘電異方性が正となり得る化合物も包含することとなる。その様な化合物は、例えばTN−TFTまたはIPS(「in−plane switching」)型のようなディスプレイで使用される誘電的に正の液晶混合物に適する。例えば、粘度のような他の物理的パラメータに対する要求は、実質的に殆どの用途に適合する。これらの化合物は、回転粘度やΔnなどのパラメータで好ましい値を有しているため、これらの目的に同等に適しており、液晶混合物の調製に適する。
好ましくは、AおよびAは、それぞれ互いに独立に、置換されていてもよい1,4−フェニレン、置換されていてもよい1,4−シクロヘキシレンであり、1つまたは2つの−CH−が−O−で置き換えられていてもよく、または置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレンである。nまたはmが2の場合、環AおよびAは同一でも異なった意味でも構わない。
特に好ましくは、AおよびAは、それぞれ互いに独立に、以下の式を意味する
Figure 0005386067
およびAは、非常に特に好ましくは、1,4−シクロヘキシレン環類および/またはフッ素で置換されていてもよい1,4−フェニレン環類である。
およびZは、好ましくは、それぞれ互いに独立に、単結合、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−または−CF=CF−で、特に好ましくは、それぞれ互いに独立に、単結合、−CFO−、−OCF−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−または−CF=CF−である。非常に特に好ましくは、ZおよびZは、それぞれ互いに独立に、単結合、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−または−CF=CF−で、特に単結合である。
式IのRおよびRが、それぞれ互いに独立に、1〜15個の炭素原子を有するアルカニル基および/またはアルコキシ基(アルキルオキシ基)を表す場合、これらは直鎖または分岐している。好ましくは、これらの基のそれぞれは直鎖で、1、2、3、4、5、6または7個の炭素原子を有しており、よって好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシまたはヘプチルオキシである。
また、式IのRおよびRは、それぞれ互いに独立に、オキサアルキル、即ち、末端ではないCH基の1個が−O−で置き換えられているアルカニル基でもよく、好ましくは直鎖の2−オキサ−プロピル(即ちメトキシメチル)、2−(即ちエトキシメチル)または3−オキサブチル(即ちメトキシエチル)、2−、3−または4−オキサペンチル、2−、3−、4−または5−オキサヘキシル、または2−、3−、4−、5−または6−オキサヘプチルである。またこれに対応する様式にて、式IのRおよびRは、それぞれ互いに独立に、チオアルカニルまたはスルホンアルカニル基、即ち、1個のCH基が−S−またはSO−で置き換えられているアルカニル基でもよい。
更に、式IのRおよびRは、それぞれ互いに独立に、直鎖または分岐しており少なくとも1個のC−C二重結合を有し2〜15個の炭素原子を有しているアルケニル基でもよい。好ましくは直鎖で2〜7個の炭素原子を有するものである。よって、ビニル、プロパ−1−または2−エチル、ブタ−1−、−2−または−3−エニル、ペンタ−1−、−2−、−3−または−4−エニル、ヘキサ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−エニル、またはヘプタ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−エニルが好ましい。C−C二重結合の2つの炭素原子が置換されている場合、アルケニル基はEおよび/またはZ異性体(トランス/シス)の何れの形式でも構わない。一般に、それぞれのE異性体が好ましい。
また、アルカニル基の場合と同様に、アルケニル基中の少なくとも1つのCH基が酸素、硫黄または−SO−で置き換えられても構わない。−O−で置き換えられている場合、アルケニルオキシ基(末端に酸素を有する)またはオキサアルケニル基(末端ではないところに酸素を有する)である。
また、式IのRおよびRは、それぞれ互いに独立に、直鎖または分岐しており少なくとも1個のC−C三重結合を有し2〜15個の炭素原子を有しているアルキニル基でもよい。
式IのRおよびRは、それぞれ互いに独立に、1個のCH基が−O−によって置き換えられており1個は−CO−によって置き換えられており、好ましくはこれらは隣接している1〜15個の炭素原子を有するアルカニル基でもよい。よって、これはアシロキシ基−CO−O−またはオキシカルボニル基−O−CO−を含む。この基は好ましくは直鎖で2〜6個の炭素原子を有する。ここで、次の基が好ましい:アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2−アセトキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、3−アセトキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、4−アセトキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メトキシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニル)プロピルおよび4−(メトキシカルボニル)ブチル。更に、アルカニル基は−O−CO−O−単位を有する場合もある。CH基の1個のみが−CO−基(カルボニル官能性)で置き換えられることも可能である。
式IのRおよびRは、それぞれ互いに独立に、好ましくは無置換または置換された−C=C−単位に隣接するCH基が、−CO−、CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−によって置き換えられた2〜15個の炭素原子を有するアルケニル基でもよく、但し、この基は直鎖でも分岐していてもよい。この基は好ましくは直鎖で4〜13個の炭素原子を有する。ここで、アクリロイルオキシメチル、2−アクリロイルオキシエチル、3−アクリロイルオキシプロピル、4−アクリロイルオキシブチル、5−アクリロイルオキシペンチル、6−アクリロイルオキシヘキシル、7−アクリロイルオキシヘプチル、8−アクリロイルオキシオクチル、9−アクリロイルオキシノニル、メタアクリロイルオキシメチル、2−メタアクリロイルオキシエチル、3−メタアクリロイルオキシプロピル、4−メタアクリロイルオキシブチル、5−メタアクリロイルオキシペンチル、6−メタアクリロイルオキシヘキシル、7−メタアクリロイルオキシヘプチルおよび8−メタアクリロイルオキシオクチルが好ましい。対応して、アルキニル基中の−C≡C−単位に隣接するCH基も、−CO−、−CO−O−、−O−CO−またはO−CO−O−によって置き換えられてもよい。
式IのRおよびRは、それぞれ互いに独立に、−CNまたはCFによってそれぞれ1置換された1〜15個の炭素原子を有するアルカニル基またはアルコキシ基または2〜15個の炭素原子を有するアルケニル基またはアルキニル基でもよく、但し、これらは好ましくは直鎖である。−CNまたは−CFによる置換は、何れの所望の位置でも可能である。
式IのRおよびRは、それぞれ互いに独立に、2個以上のCH基が−O−および/または−CO−O−によって置き換えられたアルカニル基でもよく、但し、直鎖でも分岐していても構わない。好ましくは、分岐しており3〜12個の炭素原子を有する。
式IのRおよびRは、それぞれ互いに独立に、F、Cl、Brおよび/またはIによって1置換または多置換された1〜15個の炭素原子を有するアルカニル基またはアルコキシ基または2〜15個の炭素原子を有するアルケニル基またはアルキニル基でもよく、但し、これらは好ましくは直鎖であり、ハロゲンは好ましくは−Fおよび/または−Clである。多置換の場合、ハロゲンは好ましくは−Fである。得られる基は、−CFのようなペルフルオロ化された基も含む。1置換の場合、フッ素または塩素置換は何れの所望の箇所でも構わないが、好ましくはω位である。
式IのRおよびRは、それぞれ互いに独立に、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−SCN、−NCSまたはSFでもよい。この場合、誘電異方性は更に正の値に増加する。非常に特に強い負の誘電異方性のためには、これらの置換は選択されるべきではない。しかしながら、高いΔεのためには好ましい。
特に好ましくは、一般式IのRおよびRは、それぞれ互いに独立に、水素、またはそれぞれ1〜7個の炭素原子または2〜7個の炭素原子を有するアルカニル基、アルコキシ基またはアルケニル基で、好ましくは、これらの基はそれぞれ置換されていないか、ハロゲンによって1置換または多置換されている。
非常に特に好ましくは、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、水素、またはそれぞれ1〜7個の炭素原子または2〜7個の炭素原子を有するアルカニル基、アルコキシ基またはアルケニル基で、好ましくは、これらの基はそれぞれ置換されていない。
m=0の場合、Rは、好ましくはアルキルまたはアルコキシ基、HまたはFであり、特に好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基である。
前記の置換基RおよびRに対しては、mおよびnが0で、X、XおよびXがFと等しくない場合、最初に述べられた制限が適用される。更に、特にmおよびnが0の場合、RおよびRは、好ましくは、同時にはHを意味しない。
本発明において、ハロゲンはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表し、特にフッ素または塩素である。
本発明において、「アルキル」との語は、明細書または特許請求の範囲で他に定義していない場合、1〜15個(即ち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個)の炭素原子を有する直鎖または枝分れした脂肪族炭化水素基を意味する。この基は無置換またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、ニトロ、−NH、−N(アルカニル)および/またはシアノで1置換または多置換されており、但し、多置換は同一または異なる置換基で行うことができる。このアルキル基が飽和している基の場合、「アルカニル」とも呼ばれる。更に、「アルキル」との語は、置換されていないかまたは対応して同一または異なる置換基、特に−F、−Cl、−Br、−Iおよび/または−CNまたは−CFによって1置換または多置換された炭化水素基も含み、1個以上のCH基は、鎖中のヘテロ原子(OまたはS)が互いに直接結合しないように、−O−(「アルコキシ」、「オキサアルキル」)、−S−(「チオアルキル」)、−SO−、−CH=CH−(「アルケニル」)、−C≡C−(「アルキニル」)、−CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−で置き換えられていてもよい。
一般式Iの好ましい化合物は、全体で0、1、2または3個の単位−Z−A−および/または−Z−A−を有し、即ち、n+m=0、1、2または3で、但しnおよびmはそれぞれ0、1、2または3である。単位−Z−A−および/または−Z−A−が2または3個ある場合、これらは分子の片側のみ(即ち、mは2または3およびnが0か、nは2または3およびmが0)に結合してもよいし、分子の両側に結合してもよい。好ましくはmまたはnは0である。特に好ましくは、n+m=0、1または2で、非常に特には0または1である。
m+n=0である式Iの好ましい化合物は以下の式で表される。
Figure 0005386067

式中、R、R、X、XおよびXは、式Iにおいて上で定義されたものと同一の意味および同一の好ましい意味を有する。
が水素の場合、好ましくはX、XおよびXの少なくとも1つはフッ素置換基で、特にXである。
m+n=1である式Iの好ましい化合物は以下の式で表される。
Figure 0005386067
式中、R、R、A、A、X、X、X、ZおよびZは、式Iにおいて上で定義されたものと同一の意味および同一の好ましい意味を有する。
m+n=2である式Iの好ましい化合物は以下の式で表される。
Figure 0005386067
式中、R、R、A、A、X、X、X、ZおよびZは、式Iにおいて上で定義されたものと同一の意味および同一の好ましい意味を有する。
式IeおよびIf中においてA、A、ZまたはZが2回ある場合、それぞれの場合で、それらは同一の意味でも異なる意味でも構わない。
m+n=3である式Iの好ましい化合物は以下の式で表される。
Figure 0005386067
式中、R、R、A、A、X、X、X、Z、ZおよびYは、式Iにおいて上で定義されたものと同一の意味および同一の好ましい意味を有する。
式Ig〜Ij中においてA、A、ZまたはZが2回以上ある場合、それぞれの場合で、それらは同一の意味でも異なる意味でも構わない。
本発明においては、式Ia、Ib、Ic、Id、IeおよびIfの化合物が好ましく、特にIa、IbおよびIcが好ましい。
式Iaの非常に好ましい化合物は以下の通りである。
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
式中、R11およびR22は、8個以下の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
11が環に直接結合している場合は、以下の化合物のように、好ましくは、R11はFを意味してもよい。
Figure 0005386067
Figure 0005386067
式Ia−1〜Ia−12の化合物の中でも式Ia−1〜Ia−4の化合物が更に好ましく、特に式Ia−1およびIa−3である。
本発明の式Ibの化合物の中で、特に好ましいものは以下の通りである。
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
式中、pは、それぞれ互いに独立に、0〜4であり、好ましくは0、1または2であり、R11およびR22は上で定義されるものと同じ意味を有する。
化合物Ibの中でも、シクロヘキシル環を有するものが特に好ましい。
以上および以下において、下位の式中の部分構造:
Figure 0005386067

は、好ましくは、以下の部分構造:
Figure 0005386067
を意味する。
式中にpが2個以上ある場合、それぞれの場合で、それらは同一の意味でも異なる意味でも構わない。
本発明の式Icの化合物の中で、特に好ましいものは以下の通りである。
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
式中、R11、R22およびpは、上で定義されるものと同じ意味を有する。
式Ic−1〜Ic−24の化合物の中でも、置換されていないかまたは置換されている1,4−フェニレン環を有するものが特に好ましく、化合物Ic−13が最も好ましい。
本発明の式Idの化合物の中で、特に好ましいものは以下の通りである。
Figure 0005386067
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式中、R11、R22およびpは、上で定義されるものと同じ意味を有する。
式中にpが2個以上ある場合、それぞれの場合で、それらは同一の意味でも異なる意味でも構わない。
式Id−1〜Id−84の化合物のうち、親構造が左側でアリール基で置換されているか、および/または親構造が右側でシクロヘキシル基に結合している式の化合物が好ましく、即ち、式Id−1〜Id−18、Id−31〜Id−54およびId−67〜Id−72の化合物が好ましい。全体として、式Id−1〜Id−13およびId−67〜Id−72の化合物が特に好ましく、更にはId−13〜Id−18、Id−31〜Id−38およびId−73〜Id−84であり、特に好ましくは、式Id−1、Id−2、Id−3、Id−4、Id−67およびId−68である。
本発明の式Ieの化合物の中で、特に好ましいものは以下の通りである。
Figure 0005386067
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式中、R11、R22およびpは、上で定義されるものと同じ意味を有する。
式中にpが2個以上ある場合、それぞれの場合で、それらは同一の意味でも異なる意味でも構わない。
式Ie−1〜Ie−42の化合物の中でも、置換されていないかまたは置換されている1,4−フェニレン環を有するものが最も好ましい。
本発明の式Ifの化合物の中で、特に好ましいものは以下の通りである。
Figure 0005386067
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式中、R11、R22およびpは、上で定義されるものと同じ意味を有する。
式中にpが2個以上ある場合、それぞれの場合で、それらは同一の意味でも異なる意味でも構わない。
式If−1〜If−82の化合物の中でも、少なくとも1つの1,4−シクロヘキシレン環を有する式の化合物が最も好ましく、特に、2つのシクロヘキシレン環を有する(If−61〜If−71)か、親構造上に直接1つのシクロヘキシレン環を有する(If−26〜If−49)ものである。式If−61の化合物が特に好ましい。
式Ia〜Ihの下位式中で、部分構造:
Figure 0005386067
は、好ましくは、以下の部分構造:
Figure 0005386067
を意味する。
本発明の化合物の基もしくは置換基または本発明の化合物自身が、例えば不斉中心を有することにより、光学活性または立体異性な基、置換基または化合物としてそれぞれ存在し得る場合、これらも本発明に含まれる。ここで、本発明の一般式Iの化合物が、異性体的に純粋な状態、例えば、純粋な鏡像異性体、ジアステレオマー、EまたはZ異性体、トランスまたはシス異性体、または任意の所望の比率の異性体の混合物、例えば、ラセミ体、E/Z異性体混合物またはシス/トランス異性体混合物で存在しうることは言うまでもない。
本発明の化合物および液晶媒体中の他の化合物中の以下の式の1,4−置換シクロヘキシル環
Figure 0005386067
は、好ましくはトランス配置を有しており、熱力学的に好ましい椅子型配置において2つの置換基の両方がエカトリアル配置にある。
化合物の合成:
一般式Iの化合物は、文献(例えば、標準的な方法として、Houben−Weyl編、Methoden der organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry]、Georg−Thieme−Verlag社、Stuttgart市)に記載されているように、正確には公知でその反応に適する反応条件により、それ自身は公知の方法により調製される。ここで、それ自身公知で、ここで非常に詳細には述べていない変法も利用できる。
所望により、出発材料を反応混合物より単離することなく、その場で作製し、直ちに一般式Iの化合物に変換することもできる。
本発明の一般式Iの多種の化合物の合成については、例により記載される。出発物質は一般に入手可能な文献による方法で入手するかまたは商業的に入手可能である。記載される反応の型は、文献より公知のものに関する。
式Iの化合物は、以下の一般式の環系の3、4aおよび9b位に関してヘキサヒドロベンゾフラン環の可能な配置による8つの全ての立体異性体を含む。
Figure 0005386067

特に好ましい立体異性体は、シクロヘキサン環へのO−複素環系の結合がトランスで、同時にC−3上の置換基がC−9b上の置換基に対してトランスの配置(ここで、フラン環はシクロヘキサン環の置換基に対してである)のものである。この配置は、相対(3R,4aR,9bS)−配置を有する立体異性体に適用されることが好ましい。星印は相対配置を表し、2つの鏡像体、即ち絶対配置では同じ意味である。
この立体化学のために、環系は平らな幾何学的配置をとり、分子全体は更に引き伸ばされた形状をとる。
本発明の一部分の態様は、本発明の式Iの化合物の調製方法に関する。この方法は一般的な合成計画の範疇であり、以下に説明される。
式Iの化合物の類似体である型1の化合物の好ましい調製方法を、スキーム1に示す。この合成方法は、適当な出発材料3および4を選択した場合のそれぞれについて望ましい式Iの化合物に合致する。これらの出発材料は商業的に入手できるか、すでに刊行された以下方法に従って入手できる。
Figure 0005386067
化合物3の有機リチウム誘導体を、シクロヘキシルケトン4に添加する。P.Kirschら、Angew.Chem.Int.Ed.(1998年)、第37巻、第484〜489頁と同様に、得られるアルコールはp−TsOHで処理することで容易に脱水され、シクロヘキセン5を得る。BH/THF錯体を使用して二重結合をヒドロホウ素化酸化し、2級アルコール6を得る。化合物6のアルコキシドを、示された反応条件下で環化し、目的化合物1を得る。従来の実験室で行なわれている分離および精製方法により、式1の化合物の特に好ましい(3R,4aR,9bS)−配置の立体異性体を得る。
化合物11を以下の異なる方法において官能化できるため、同様に、ケト中間体11を経る合成方法も好ましい。同様に、ケトン11の合成は、1,4−シクロヘキサンジオン モノエチレン ケタール7を出発材料として使用し(スキーム2参照)、スキーム1で示される反応列に行われる。式10の化合物を得る閉環反応後、酸性媒体中でケタール保護基を切断する(Kirschらの文献参照)。
Figure 0005386067

化合物11を、種々の方法で更に官能化できる(スキーム3およびスキーム4参照)。
Figure 0005386067
化合物11を適当なグリニャール試薬(スキーム3参照)または有機リチウム化合物と反応させ、得られるアルコールを脱水し、最後に接触水素化により目的化合物12を得る。従来の実験室で行なわれている分離方法により、式12の化合物の好ましい(3R,4aR,9bS)−配置の立体異性体を得る。
さらに、ウィッティッヒのオレフィン形成反応が誘導化に適している(スキーム4参照)。ウィッティッヒ試薬との反応および引き続いて生成された二重結合を水素化後、目的化合物13の分離可能な異性体の混合物を再び得る。
Figure 0005386067

また、中間体14を経る官能化も、特に好ましく、化合物11から3つの工程によりジアステレオ異性的に純粋な形態に到達可能である(スキーム5)。
Figure 0005386067
今度は、化合物14から出発して、グリニャール化合物を添加するか、ウィッティッヒ試薬を使用してオレフィンを形成することにより、鎖の伸長を開始できる(スキーム6参照)。
Figure 0005386067
以上で示した反応スキームは、模式的なものに過ぎない。当業者は提示された合成方法の対応する変法を行なうことができ、式Iの化合物を得るために他の適当な合成経路を行なうこともできる。よって、例えば、式7の化合物は、式>C(O−アルキル)または>C(シクロ−OCHCHCHO)の異なるアセタール保護基を有することができる。
従って、式Iの化合物を調製する方法の一般的な特徴は、フルオロベンゼンをオルト位でシクロヘキサノン化合物と縮合する工程を含むことである。具体的には、この化合物は、上の一般的な定義に従い、式3(スキーム1および2)のフルオロベンゼン化合物または式4または7のシクロヘキサノン化合物である。この工程において、同様に、式Iの前駆体を既述の工程で扱うことができ、後で変更可能な、環の置換基を唯一誘導できる。さらに、この工程は、1−(2−ハロフェニル)シクロヘキセン化合物をシクロヘキセンの二重結合上でヒドロボレート化する工程を含むという事実により特徴付けられる。これらの化合物は、好ましくは、式5または8の化合物で、式8のアセタール基を式7のように変化させることもできる。さらに、この工程は、生成された2−(2−ハロフェニル)シクロヘキサノール化合物を環化し、テトラヒドロジベンゾフラン誘導体を得る工程を含む。環化は塩基の作用で行なわれ、好ましくは、例えば、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムのような強塩基による。溶媒および反応速度に依存して、反応は20および140℃の間で行なわれる。
工程の更なる詳細は例の中で明らかにされ、パラメータは本発明の工程を代表するものである。当業者はそれぞれの反応条件を一般化でき、それぞれの場合に適用できる。
出発物質は、好ましくは、2−フルオロベンゼン誘導体、特に好ましくは、2,3−ジフルオロ誘導体である。所望の液晶またはメソゲン化合物を得るために、直接的な工程の生成物を必要に応じて更に誘導する。
既に述べた通り、一般式Iの化合物は液晶媒体中で使用できる。
従って、本発明は、一般式Iの化合物を少なくとも1種類含み、少なくとも2種類の液晶化合物を含む液晶媒体にも関する。
また、1種類以上の本発明による式Iの化合物に加え、更なる構成材料として2〜40種類、好ましくは4〜30種類の成分を含む液晶媒体にも、本発明は関する。特に好ましくは、これらの媒体は、1種類以上の本発明による式Iの化合物に加え、7〜25種類の成分を含む。これらの更なる構成材料は、好ましくはネマチックまたはネマトジェニック(モノトロピックまたはアイソトロピック)の物質、特に好ましくはアゾキシベンゼン類、ベンジリデンアニリン類、ビフェニル類、ターフェニル類、1,3−ジオキサン類、2,5−テトラヒドロピラン類、フェニルまたはシクロヘキシル安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル類、シクロヘキシル安息香酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル類、シクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のフェニルまたはシクロヘキシルエステル類、安息香酸の、シクロヘキサンカルボン酸またはシクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のシクロヘキシルフェニルエステル類、フェニルシクロヘキサン類、シクロヘキシルビフェニル類、フェニルシクロヘキシルシクロヘキサン類、シクロヘキシルシクロヘキサン類、シクロヘキシルシクロヘキシルシクロヘキセン類、1,4−ビスシクロヘキシルベンゼン類、4’,4’−ビスシクロヘキシルビフェニル類、フェニル−またはシクロヘキシルピリミジン類、フェニル−またはシクロヘキシルピリジン類、フェニル−またはシクロヘキシルジオキサン類、フェニル−またはシクロヘキシル−1,3−ジチアン類、1,2−ジフェニルエタン類、1,2−ジシクロヘキシルエタン類、1−フェニル−2−シクロヘキシルエタン類、1−シクロヘキシル−2−(4−フェニルシクロヘキシル)エタン類、1−シクロヘキシル−2−ビフェニルエタン類、1−フェニル−2−シクロヘキシルフェニルエタン類、随意的にハロゲン化されたスチルベン類、ベンジルフェニルエーテル類、トラン類および置換桂皮酸類の類より選ばれる。また、これらの化合物中の1,4−フェニレン基は、1個または複数のフッ素でフッ素化されていてもよい。
本発明による媒体の更なる構成材料として適当な最も重要な化合物は、式(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)で特徴付けることができる。
R’−L−E−R” (II)
R’−L−COO−E−R” (III)
R’−L−OOC−E−R” (IV)
R’−L−CHCH−E−R” (V)
R’−L−CFO−E−R” (VI)
式(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)で、LおよびEは同一でも異なっていてもよく、それぞれ互いに独立に、−Phe−、−Cyc−、−Phe−Phe−、−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−Pyr−、−Dio−、−Thp−、−G−Phe−およびG−Cyc−およびそれらの鏡像体よりなる群からの二価の基を意味する。但し、Pheは無置換またはフッ素置換された1,4−フェニレンを表し、Cycはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−シクロヘキセニレンを表し、Pyrはピリミジン−2,5−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルを表し、Dioは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルを表し、Thpはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルを表し、Gは2−(トランス−1,4−シクロヘキシル)エチル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルを意味する。
好ましくは、基LおよびEの一方はCycまたはPheである。好ましくは、EはCyc、PheまたはPhe−Cycである。好ましくは、本発明による媒体は、LおよびEがCycおよびPheからなる群より選ばれている式(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物より選ばれる1種類以上の成分を含み、同時に基LおよびEの一方がCycおよびPheからなる群より選ばれ他の基が−Phe−Phe−、−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−G−Phe−およびG−Cyc−からなる群より選ばれている式(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物より選ばれる1種類以上の成分を含み、随意的に基LおよびEが−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−G−Phe−およびG−Cyc−からなる群より選ばれている式(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物より選ばれる1種類以上の成分を含む。
式(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物のより小さな下位の群では、R’およびR”は、それぞれ互いに独立に、8個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル(オキサアルキル)、アルケニルオキシまたはアルカノイルオキシを意味する。以下では、このより小さな下位の群を群Aと呼び、化合物を下位式(IIa)、(IIIa)、(IVa)、(Va)および(VIa)と呼ぶ。これらの化合物の殆どではR’およびR”は互いに異なっており、普通これらの基の1つはアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルコキシアルキル(オキサアルキル)である。
群Bとして知られている式(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物の他の小さな下位の群では、Eは以下を意味する。
Figure 0005386067
下位式(IIb)、(IIIb)、(IVb)、(Vb)および(VIb)で参照される群Bの化合物において、R’およびR”は下位式(IIa)〜(VIa)の化合物で示した意味を有し、好ましくはアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルコキシアルキル(オキサアルキル)である。
式(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物のより小さな下位の更なる群では、R”が−CNを意味する。以下では、この下位の群を群Cと呼び、この下位の群の化合物を対応して下位式(IIc)、(IIIc)、(IVc)、(Vc)および(Vc)と記載する。下位式(IIc)、(IIIc)、(IVc)、(Vc)および(VIc)の化合物では、R’は下位式(IIa)〜(VIa)の化合物で示した意味を有し、好ましくはアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルコキシアルキル(オキサアルキル)である。
群A、BおよびCの好ましい化合物に加え、提案された置換基の他の変形したものを有する式(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の他の化合物も、通常、使われる。これらの化合物は、全て、文献からの公知の方法およびそれと類似の方法で入手できる。
本発明による一般式Iの化合物に加え、好ましくは、本発明による媒体は、群A、Bおよび/またはCからの1種類以上の化合物を含む。本発明による媒体中において、3つの群からの化合物の重量による割合は:
群A:0〜90%、好ましくは20〜90%、特に30〜90%
群B:0〜80%、好ましくは10〜80%、特に10〜70%
群C:0〜80%、好ましくは5〜80%、特に5〜50%
である。
好ましくは、本発明による媒体は、本発明による式Iの化合物を1〜40%含み、特に好ましくは5〜30%含む。更に、媒体が本発明による式Iの化合物を40%より多く含んでいても好ましく、特に、45〜90%である。好ましくは、媒体が、本発明による式Iの化合物を1、2、3、4または5種類含む。
式(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物の例は、以下に列記されたものである。
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
但し、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、−C2p+1またはOC2p+1で、pは1、2、3、4、5、6、7または8で、LおよびLは、それぞれ互いに独立に、−Hまたは−Fである。
Figure 0005386067
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但し、mおよびnは、それぞれ互いに独立に、1、2、3、4、5、6、7または8である。
本発明による媒体は、それ自体は従来の方法で調製される。一般的に、成分は互いに、好ましくは加温されて溶解される。適当な添加剤により、これまで開示されてきた全ての型の液晶ディスプレイ素子に使用できるように、本発明の液晶相を修正できる。この型の添加剤は当業者には知られており、文献に詳細に記載されている(H.KelkerおよびR.Hatz著、Handbook of Liquid Crystals、Verlag Chemie社、Weinheim市、1980年刊)。例えば、有色のゲスト−ホスト系を作製するために多色性色素を使用でき、または、誘電異方性、粘度および/またはネマチック相の配置構造を修正するために、物質を添加することもできる。
化合物が負のΔεを有しているため、式Iの化合物はVA−TFTディスプレイでの使用に特に適している。
従って、本発明は、本発明による液晶媒体を含有する電気光学的液晶ディスプレイ素子にも関する。
以下、実施例を参考にして本発明を非常に詳細に説明するが、これによって、本発明は何ら限定されるものではない。
一般的に使用され公知の略称に加え、以下の略称を使用する。C:結晶相;N:ネマチック相;Sm:スメクティック相;I:等方相。これらの記号間の数値は物質が起こす相転移温度を表す。他に示さない限り、温度のデータは℃である。
物理的、物理化学的または電気光学的特性は一般に公知の方法、特に冊子「メルク液晶−Licristal(登録商標)−液晶の物理的物性−測定方法の記載、1998年刊、Merck KGaA社、Darmstadt市」に記載されるようにして決定できる。
以上および以下において、Δnは光学異方性(589nm、20℃)を表わし、Δεは誘電異方性(1kHz、20℃)を表す。誘電異方性Δεは、20℃および1kHzで決定される。光学異方性Δnは20℃および波長589.3nmで決定される。
本発明の化合物のΔεおよびΔnの値、透明点(cl.p.)および回転粘度(γ)は、5〜10%の本発明の個別の化合物と、90〜95%の商業的に入手可能な液晶混合物ZLI−2857(Δε用)またはZLI−4792(Δn、ci.p.、γ用)(Merck KGaA社、Darmstadt市)とよりなる液晶混合物より、直線外挿して得られる。
略称は、以下の意味を有する。。
MTBE メチルt−ブチルエーテル
THF テトラヒドロフラン
DMF ジメチルホルムアミド
i.vac. 真空(約10−2bar)
sat. 飽和した
n−BuLi n−ブチルリチウムのヘキサン溶液
出発物質は、一般に入手可能な文献による方法により得ることができるか、または商業的に入手可能である。記載されている反応は、文献により公知である。
<1>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−プロピル−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
<1.1>
8−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−オール
Figure 0005386067
270.2g(1.70mol)の2,3−ジフルオロエトキシベンゼンを最初に1200mlのTHFに投入し、1100ml(1.75mol)のn−BuLi(15%ヘキサン溶液)を−70℃で添加する。この温度で1時間後、800mlのTHF中の1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール270.2g(1.70mol)を量り取って投入し、反応物を1時間攪拌する。反応混合物を0℃まで暖め、4NのHClで加水分解する。溶液をMTBEで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下で溶媒を除去した後に残っている粗生成物(609.8gの赤褐色の油分)を、そのまま次の反応で使用する。
<1.2>
8−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン
Figure 0005386067
2000mlのトルエン中の粗8−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−オール609g(約1.94mol)を、36.1g(0.19mol)のp−トルエンスルホン酸一水和物が加えられた220ml(3.93mol)のエチレングリコールと共に水分離器上で2時間加熱する。冷却後、反応物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で引き続いて洗浄する。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮する。粗生成物(507gのオレンジ色の油分)をエタノールより−20℃で結晶化させ、黄色の固体として、8−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エンを得る。
<1.3>
8−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−オール
Figure 0005386067
1400ml(1.40mol)のボラン/THF錯体(1M溶液)を、3000mlのTHF中の8−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン320.0g(1.08mol)の溶液に、−7℃で添加し、反応混合物を室温で3時間攪拌する。内部温度が47℃を超えないようにしながら(氷浴上)、262ml(4.50mol)エタノール、650ml(2.6mol)の水酸化ナトリウム水溶液(4M)および360ml(4.11mol)の過酸化水素水(35%)を反応物に引き続き添加する。添加終了後、2時間還流させ、溶液を冷却し、水に加えて、激しく攪拌する。有機相を分離し、水相をMTBEで抽出する。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶液を乾燥するまで濃縮し、粗生成物(336gの黄色の油分)をカラムクロマトグラフィー(SiO、ジクロルメタン:MTBEが8:2)で精製し、薄い黄色の油分として、8−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−オールを得る。
<1.4>
(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−スピロ−[ジベンゾ[b,d]フラン−3,2’−1,3−ジオキソラン]
Figure 0005386067

50.0g(1.25mol)の水素化ナトリウム(鉱油中の60%懸濁液)をn−ペンタンにより繰り返し洗浄し、3000mlのトルエン中に懸濁する。懸濁液を90℃まで加熱し、700mlのDMF中の8−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−オール145.0g(0.46mol)溶液を量り取り、ゆっくりと加える。反応物を90℃で30時間攪拌し、冷却し、水を用いて加水分解する。2Nの塩酸を加えて混合物を中和し、有機相を分離する。水相をトルエンで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水により洗浄する。硫酸ナトリウムを使用して溶液を乾燥し、乾燥するまで減圧下で濃縮する。得られる粗生成物をエタノールより5℃で再結晶し、無色の固体として(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−スピロ−[ジベンゾ[b,d]フラン−3,2’−1,3−ジオキソラン]を得る。
<1.5>
(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾフラン−3−オン
Figure 0005386067
135.0g(459mmol)の(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−スピロ[ジベンゾ[b,d]フラン−3,2’−1,3−ジオキソラン]を1800mlのトルエンに溶解し、10.0ml(0.56mol)の水を加えたギ酸550ml(14.6mol)と共に激しく攪拌する。18時間後、有機相を分離し、ギ酸をトルエンで抽出する。合わせた有機相を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で引き続いて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を除去した後に残る粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、トルエン:酢酸エチルが4:1)で精製し、無色の固体として、(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾフラン−3−オンを得る。
<1.6>
(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−[1−メトキシメチリデン]−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
Figure 0005386067

58.3g(170mmol)のメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリドを最初に500mlのTHFに導入し、200mlのTHF中のカリウムtert−ブトキシド19.1g(170mmol)の溶液を0℃で加える。この温度で30分後、THFの300mlの溶液として、7−エトキシ−6−フルオロ−1,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾフラン−3−オンを加え、反応物を室温で17時間攪拌する。0℃で水を加え、2Nの塩酸を使用して混合物を酸性とする。反応物をMTBEで抽出し、合わせた抽出物を飽和食塩水で洗浄する。硫酸ナトリウムを使用して溶液を乾燥し、乾燥するまで濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、トルエン)で精製し、無色の固体として、(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−[1−メトキシメチリデン]−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを得る。
<1.7>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−カルバルデヒドおよび(±)−(3S,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−カルバルデヒド
Figure 0005386067
8.0g(28.7mmol)の(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−[1−メトキシメチリデン]−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを200mlのトルエンに溶解し、30ml(0.80mol)のギ酸および0.5ml(27.8mmol)の水と共に室温で18時間激しく攪拌する。有機相を分離し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で引き続いて洗浄する。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO、トルエン:酢酸エチルが99:1)で精製し、(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−カルバルデヒドおよび(±)−(3S,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−カルバルデヒドの混合物(64:36)を得る。
<1.8>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−カルバルデヒドへの異性化
Figure 0005386067
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−カルバルデヒドおよび(±)−(3S,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−カルバルデヒドの混合物(64:36)の6.70g(25.2mmol)を170mlのメタノール/THF混合物(5:2)に溶解し、0.37ml(2.50mmol)の水酸化ナトリウム水溶液(20%)を滴下により加える。室温で1時間後、溶液を水に加え、2Nの塩酸で酸性とする。反応物をMTBEで抽出し、合わせた抽出物を飽和食塩水で洗浄する。硫酸ナトリウムを使用して溶液を乾燥し、乾燥するまで濃縮する。この反応からの粗生成物を、直接、以下の工程で使用する。
<1.9>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−プロペニル−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
Figure 0005386067
10.0g(27.0mmol)のエチルトリフェニルホスホニウムブロミドを最初に100mlのTHFに導入し、40mlのTHF中のカリウムtert−ブトキシド2.98g(26.0mmol)の溶液を−5℃で加える。この温度で1時間後、THFの60mlの溶液として、(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−カルバルデヒド6.50g(24.6mmol)を滴下により加え、反応物を室温で2時間攪拌する。水により反応溶液を加水分解し、2Nの塩酸を使用して酸性とする。反応物をMTBEで抽出し、硫酸ナトリウムを使用して合わせた有機相を乾燥する。溶媒を除去した後に残る粗生成物を吸着濾過(SiO、トルエン)し、濾液を乾燥するまで濃縮する。残渣をメタノールより再結晶し、E/Z異性体混合物として、(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−プロペニル−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを得る。
<1.10>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−プロピル−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
Figure 0005386067
THF中の3.50g(12.7mmol)の(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−プロペニル−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを、1.8gのPd/Cを添加して水素雰囲気下で23時間水素添加する。水素の取り込みが完了後、反応溶液を濾過し、乾燥するまで濃縮する。残渣を吸着濾過(SiO、トルエン:n−ヘプタンが1:1)し、得られるベージュ色の固体を室温でイソプロパノールから数回再結晶し、無色の固体(融点128℃)として、(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−プロピル−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを得る。
C 128 I
Δε=−6.0
Δn=0.102
γ=127mPa・s
Figure 0005386067
H−NMR(500MHz、CHCl):δ=6.73(d、1H、J=8.0Hz、9−H)、6.45(dd、1H、J=8.0Hz、J=6.8Hz、8−H)、4.06(dq、2H、J=7.0Hz、J=1.5Hz、OCH CH)、3.95(ddd、1H、J=12.6Hz、J=11.5Hz、J=3.5Hz、4a−H)、2.74(ddd、1H、J=12.6Hz、J=12.6Hz、J=2.8Hz、9b−H)、2.41〜2.37(m、1H、4−H)、2.30〜2.26(m、1H、1−H)、1.89(dd、1H、J=13.8Hz、J=2.7Hz、2−H)、1.58〜1.45(m、2H、1−H、3−H)、1.42(t、3H、J=7.0Hz、OCH CH )、1.39〜1.29(m、5H、4−H、CH CH CH)、1.06(ddd、1H、J=13.8Hz、J=12.9Hz、J=4.0Hz、2−H)、0.91(t、3H、J=6.9Hz、CHCH CH )。
19F−NMR(235MHz、CHCl):δ=−157.9(d、1F、J=6.8Hz)。
MS:m/e(%)=278(100、M)、235([M−Pr]、49)。
<2>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−3−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
<2.1>
(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−3−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−オール
Figure 0005386067
7.94g(50.2mmol)の2,3−ジフルオロエトキシベンゼンを最初に50mlのTHFに導入し、30.5ml(48.8mol)のn−BuLi(15%ヘキサン溶液)を−70℃で添加する。この温度で1時間後、150mlのTHF中の(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ジベンゾフラン−3−オン10.0g(40.0mmol)を量り取り、投入する。4時間後、水を用いて反応物を加水分解し、4NのHClを用いて酸性とする。溶液をMTBEで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを使用して乾燥する。溶媒を除去した後に残る粗生成物を、減圧下、40℃で、500mlのエタノールに取り込ませる。濾過後、無色の固体として、(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−3−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−オールを得る。
<2.2>
(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−3−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−1,2,4a,9b−テトラヒドロジベンゾフランおよび(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−3−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−1,4,4a,9b−テトラヒドロジベンゾフラン
Figure 0005386067


200mlのトルエン中の(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−3−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−オール8.5g(20.8mol)を、396mg(2.08mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物と共に水分離器上で30分加熱する。冷却後、反応物を吸着濾過(SiO、酢酸エチル:n−ヘプタン=4:1)し、濾液を乾燥するまで濃縮する。このようにして得られる生成混合物は、このまま次ぎの反応に使用できる。
<2.3>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−3−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
Figure 0005386067

160mlの酢酸エチル/エタノール(3:1)混合物中の(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−3−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−1,2,4a,9b−テトラヒドロジベンゾフランおよび(±)−(4aR,9bS)−7−エトキシ−3−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−1,4,4a,9b−テトラヒドロジベンゾフランの混合物7.4g(約19.0mmol)を、3.70gのラネーニッケルおよび1.50gのイオン交換剤(弱H−酸性)存在下、水素加圧(4.4bar)状態により、80℃で、水素添加する。18時間後、触媒を濾別し、濾液を乾燥するまで濃縮する。粗生成物を、引き続いて、イソプロパノール、n−ヘプタンおよびエタノールから再結晶し、無色の固体(融点126℃)として、(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−3−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを得る。
C 126 N (99) I
Δε=−12.0
Δn=0.138
Figure 0005386067

H−NMR(250MHz、CHCl):δ=6.94〜6.87(m、1H、Harom.)、6.78(dm、1H、J=8.0Hz、Harom.)、6.75〜6.67(m、1H、Harom.)、6.49(dd、1H、J=8.0Hz、J=7.0Hz、Harom.)、4.17〜4.04(m、5H、OCH CH、4a−H、OCH CH)、3.11〜2.86(m、2H、9b−H、3−H)、2.54〜2.37(m、2H、Haliph.)、2.20〜1.96(m、2H、Haliph.)、1.63〜1.55(m、2H、Haliph.)、1.44(t、3H、J=7.0Hz、OCH CH )、1.43(t、3H、J=7.0Hz、OCH CH )。
19F−NMR(235MHz、CHCl):δ=−142.9(ddd、1F、J=13.5Hz、J=7.4Hz、J=1.2Hz)、−159.2(ddd、1F、J=13.5Hz、J=7.4Hz、J=1.2Hz)、−159.8(d、1F、J=6.8Hz)。
MS(EI):m/e(%)=392(39、M)、234(100)。
<3>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−ビニル−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
Figure 0005386067
5.0g(14.0mmol)のメチルトリフェニルホスホニウムブロミドを最初に50mlのTHFに導入し、20mlのTHF中のカリウムtert−ブトキシド1.60g(14.3mmol)の溶液を−5℃で加える。この温度で1時間後、THFの30mlの溶液として、(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−カルバルデヒド3.40g(12.9mmol)を滴下により加え、反応物を室温で16時間攪拌する。水により反応溶液を加水分解し、2Nの塩酸を使用して酸性とする。混合物をMTBEで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを使用して乾燥する。溶媒を除去した後に残る粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、トルエン)で精製する。イソプロパノールからの再結晶を繰り返して更に精製し、無色の固体(融点141℃)として、(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−ビニル−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを得る。
C 141 I
Figure 0005386067
H−NMR(250MHz、CHCl):δ=6.75(dm、1H、J=8.0Hz、9−H)、6.46(dd、1H、J=8.0Hz、J=7.0Hz、8−H)、5.92〜5.78(m、1H、Hvinyl)、5.11〜4.97(m、2H、Hvinyl)、4.07(d、2H、J=7.0Hz、OCH CH)、4.05〜3.95(m、1H、4a−H)、2.83〜2.72(m、1H、9b−H)、2.47〜2.18(m、3H、Haliph.)、1.97〜1.87(m、1H、Haliph.)、1.80〜1.67(m、1H、Haliph.)、1.53〜1.18(m、5H、J=7.0Hz、Haliph.、OCH CH )。
19F−NMR(235MHz、CHCl):δ=−157.6(d、1F、J=6.8Hz)。
MS(EI):m/e(%)=262(81、M)、206(100、[M−Et−Vn])。
<4>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−((E)−プロペニル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
<4.1>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−((E)−プロペニル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランへの異性化
Figure 0005386067

6.0g(約21.7mmol)の(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−プロペニル−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン(1.9参照)の(E/Z)異性体混合物を、1.15g(7.0mmol)のベンゼンスルフィン酸ナトリウム塩および21.4mlの1N塩酸と共に、60mlのトルエン中で還流する。1時間後、混合物を水に加え、有機相を分離する。水相をMTBEで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄する。溶液を硫酸ナトリウムを使用して乾燥し、乾燥するまで濃縮する。イソプロパノールからの結晶化を繰り返し、無色の固体(融点145℃)として、(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−((E)−プロペニル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを得る。
C 145 I
Δε=−6.0
Δn=0.110
Figure 0005386067
H−NMR(250MHz、CHCl):δ=6.74(dm、1H、J=8.0Hz、9−H)、6.46(dd、1H、J=8.0Hz、J=7.0Hz、8−H)、5.54〜5.38(m、2H、Hvinyl)、4.07(q、2H、J=7.0Hz、OCH CH)、4.04〜3.92(m、1H、4a−H)、2.81〜2.70(m、1H、9b−H)、2.42〜2.11(m、3H、Haliph.)、1.91〜1.82(m、1H、Haliph.)、1.76〜1.62(m、4H、J=4.8Hz、Haliph.、CH=CHCH )、1.52〜1.14(m、5H、J=7.0Hz、Haliph.、OCH CH )。
19F−NMR(235MHz、CHCl):δ=−159.1(d、1F、J=6.8Hz)。
MS(EI):m/e(%)=276(72、M)、206(100、[M−Et−C)。
<5>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−ペンチル−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
<5.1>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−((E)−ペンタ−1−エニル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランおよび(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−((Z)−ペンタ−1−エニル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
Figure 0005386067


8.98g(22.5mmol)のブチルトリフェニルホスホニウムブロミドを最初に100mlのTHFに導入し、40mlのTHF中のカリウムtert−ブトキシド2.58g(23.0mmol)の溶液を−5℃で加える。この温度で1時間後、THFの60mlの溶液として、(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−カルバルデヒド5.50g(20.8mmol)を滴下により加え、反応物を室温で2時間攪拌する。水により反応溶液を加水分解し、2NのHClを使用して酸性とする。混合物をMTBEで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを使用して乾燥する。溶媒を除去した後に残る粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、トルエン)で精製する。このようにして得られるE/Z異性体混合物は、このまま次ぎの反応に使用できる。
<5.2>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−ペンチル−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
Figure 0005386067
50mlのTHF中の(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−ペンタ−1−エニル−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランの(E/Z)異性体混合物5.1g(約10.7mmol)を、水素雰囲気下で5.0gのPd/C(5%Pd)を添加して、水素添加する。水素の取り込みが完了(37時間)後、反応溶液を濾過し、乾燥するまで濃縮する。残渣を吸着濾過(SiO、トルエン)し、得られるベージュ色の固体を室温でイソプロパノールより繰り返し再結晶して、無色の固体(融点118℃)として、(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−ペンチル−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを得る。
C 118 I
Δε=−5.4
Δn=0.104
γ=172mPa・s
Figure 0005386067


H−NMR(250MHz、CHCl):δ=6.74(dm、1H、J=8.0Hz、9−H)、6.45(dd、1H、J=8.0Hz、J=7.0Hz、8−H)、4.07(q、2H、J=7.0Hz、OCH CH)、4.01〜3.90(m、1H、4a−H)、2.80〜2.69(m、1H、9b−H)、2.43〜2.36(m、1H、Haliph.)、2.29(dm、1H、J=12.5Hz、Haliph.)、1.90(dd、1H、J=13.1Hz、J=2.7Hz、Haliph.)、1.50〜1.20(m、14 H、Haliph.)、1.16〜0.98(m、1H、Haliph.)、0.90(t、3H、J=7.0Hz、OCH CH )。
19F−NMR(235MHz、CHCl):δ=−160.1(d、1F、J=7.1Hz)。
MS(EI):m/e(%)=306(100、M)、235(100、[M−C11)。
<6>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−ブトキシ−6−フルオロ−3−(4−プロピルシクロヘキシル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
<6.1>
4−(4−ブトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4’−プロピルビシクロヘキシル−4−オール
Figure 0005386067
31.0g(0.17mol)の1−ブトキシ−2,3−ジフルオロベンゼンを最初に200mlのTHFに導入し、100ml(0.16mol)のn−BuLi(15%ヘキサン溶液)を−70℃で加える。この温度で2時間後、200mlのTHF中の4’−プロピルビシクロヘキシル−4−オン35.6g(0.16mol)の溶液を量り取って投入し、反応物を2.5時間攪拌する。氷冷水により反応混合物を加水分解し、2NのHClで酸性とする。溶液をMTBEで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを使用して乾燥する。溶液を乾燥するまで濃縮し、粗生成物(66.3gの黄色い固体)を、そのまま次の反応で使用する。
<6.2>
4−(4−ブトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4’−プロピルビシクロヘキシル−3−エン
Figure 0005386067

200mlのトルエン中の粗4−(4−ブトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4’−プロピルビシクロヘキシル−4−オール66.3g(約0.16mol)を、3.04g(16.0mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物と共に水分離器上で2時間加熱する。冷却後、反応物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で引き続いて洗浄する。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮する。粗生成物(60.7gのオレンジ色の油分)をエタノールより結晶化させ、黄色い固体として、4−(4−ブトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4’−プロピルビシクロヘキシル−3−エンを得る。
<6.3>
4−(4−ブトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4’−プロピルビシクロヘキシル−3−オール
Figure 0005386067
110ml(0.11mol)のボラン/THF錯体(1M溶液)を、320mlのTHF中の4−(4−ブトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4’−プロピルビシクロヘキシル−3−エン31.4g(80.4mol)の溶液に、−5℃で添加し、反応混合物を室温で3時間攪拌する。内部温度が47℃を超えない(氷上)ようにしながら、20ml(0.35mol)エタノール、50ml(0.2mol)の水酸化ナトリウム水溶液(4M)および28ml(0.32mol)の過酸化水素水(35%)を反応物に引き続き添加する。添加終了後、2時間還流させ、溶液を冷却し、水に加えて、激しく攪拌する。有機相を取り除き、水相をMTBEで抽出する。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶液を乾燥するまで濃縮し、粗生成物(32g)をカラムクロマトグラフィー(SiO、トルエン→トルエン:酢酸エチル=8:2)で精製し、無色の固体として、4−(4−ブトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4’−プロピルビシクロヘキシル−3−オールを得る。
<6.4>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−ブトキシ−6−フルオロ−3−(4−プロピルシクロヘキシル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
Figure 0005386067
5.40g(135mmol)の水素化ナトリウム(鉱油中の60%懸濁液)をn−ペンタンにより繰り返し洗浄し、400mlのトルエン中に懸濁する。懸濁液を90℃まで加熱し、100mlのDMF中の4−(4−ブトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4’−プロピルビシクロヘキシル−3−オール17.5g(42.8mmol)溶液を量り取り、ゆっくりと加える。反応物を90℃で20時間攪拌し、冷却し、水を利用して加水分解する。2Nの塩酸を加えて混合物を中和し、有機相を分離する。水相をトルエンで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水により洗浄する。硫酸ナトリウムを使用して溶液を乾燥し、乾燥するまで減圧下で濃縮する。得られる粗生成物をエタノールより5℃で再結晶し、無色の固体(融点105℃)として、(±)−(3R,4aR,9bS)−7−ブトキシ−6−フルオロ−3−(4−プロピルシクロヘキシル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを得る。
C 105 Sm 154 N 166 I
Δε=−5.6
Δn=0.114
γ=974mPa・s
Figure 0005386067


H−NMR(250MHz、CHCl):δ=6.73(dm、1H、J=8.0Hz、9−H)、6.45(dd、1H、J=8.0Hz、J=7.0Hz、8−H)、3.99(t、3H、J=6.9Hz、OCH CH)、3.98〜3.88(m、1H、4a−H)、2.77〜2.66(m、1H、Haliph.)、2.40〜2.26(m、2H、Haliph.)、1.90〜1.69(m、9H、Haliph.)、1.65〜1.02(m、13H、Haliph.)、0.96(t、3H、J=7.4Hz、Me)、0.88(t、3H、J=7.2Hz、Me)。
19F−NMR(235MHz、CHCl):δ=158.2(d、1F、J=6.8Hz)。
MS(EI):m/e(%)=388(100、M)。
<7>
(±)−(3R,4aR,9bS)−(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−(4−ビニルシクロヘキシル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
<7.1>
4−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イル)−1−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)シクロヘキサノール
Figure 0005386067
99.5g(0.63mol)の2,3−ジフルオロエトキシベンゼンを最初に800mlのTHFに投入し、384ml(0.63mol)のn−BuLi(15%ヘキサン溶液)を−70℃で添加する。この温度で30分後、700mlのTHF中の4−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イル)シクロヘキサノン150g(0.63mol)を量り取って投入し、反応物を30分攪拌する。反応混合物を0℃まで暖め、2NのHClで加水分解する。溶液をMTBEで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下で溶媒を除去した後に残っている粗生成物を、そのまま次の反応で使用する。
<7.2>
8−[4−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)シクロヘキサ−3−エニル]−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン
Figure 0005386067

1000mlのトルエン中の粗4−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イル)−1−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)シクロヘキサノール250gを、12.0g(0.06mol)のp−トルエンスルホン酸一水和物が加えられた80.0ml(1.43mol)のエチレングリコールと共に水分離器上で3時間加熱する。冷却後、反応物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で引き続いて洗浄する。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮する。粗生成物をアセトニトリルより結晶化させ、無色の固体として、8−[4−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)シクロヘキサ−3−エニル]−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカンを得る。
<7.3>
5−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イル)−2−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)シクロヘキサノール
Figure 0005386067
550ml(0.55mol)のボラン/THF錯体(1M溶液)を、1500mlのTHF中の8−[4−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−シクロヘキサ−3−エニル]−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン154.0g(0.41mol)の溶液に、−5℃で添加し、反応混合物を室温で3時間攪拌する。内部温度が46℃を超えない(氷上)ようにしながら、99ml(1.7mol)エタノール、250ml(1.0mol)の水酸化ナトリウム水溶液(16%)および140ml(1.6mol)の過酸化水素水(35%)を反応物に引き続き添加する。添加終了後、2時間還流させ、溶液を冷却し、水に加えて、激しく攪拌する。有機相を取り除き、水相をMTBEで抽出する。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶液を乾燥するまで濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、トルエン:酢酸エチルが8:2)で精製し、無色の粘稠な油分として、5−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イル)−2−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)シクロヘキサノールを得る。
<7.4>
(±)−(3R,4aR,9bS)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イル)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
Figure 0005386067

30.0g(0.75mol)の水素化ナトリウム(鉱油中の60%懸濁液)をn−ペンタンにより繰り返し洗浄し、2500mlのトルエン中に懸濁する。懸濁液を90℃まで加熱し、500mlのDMF中の5−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イル)−2−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)シクロヘキサノール101.5g(0.26mol)溶液を量り取り、ゆっくりと加える。反応物を90℃で20時間攪拌し、冷却し、水を用いて加水分解する。2Nの塩酸を加えて混合物を中和し、有機相を分離する。水相をトルエンで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水により洗浄する。硫酸ナトリウムを使用して溶液を乾燥し、乾燥するまで減圧下で濃縮する。得られる粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、トルエン:酢酸エチルが8:2)で先ず精製し、そしてトルエンおよびトルエン:エタノール(3:1)より引き続いて再結晶し、無色の結晶性固体として、(±)−(3R,4aR,9bS)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イル)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを得る。
<7.5>
(±)−4−((3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−イル)シクロヘキサノン
Figure 0005386067
13.3g(35.3mmol)の(±)−(3R,4aR,9bS)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イル)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを200mlのトルエンに溶解し、1.0ml(55.6mmol)の水を加えたギ酸40ml(1.06mol)と共に激しく攪拌する。18時間後、有機相を分離し、ギ酸をトルエンで抽出する。合わせた有機相を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で引き続いて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を除去した後に残る粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、トルエン:酢酸エチルが4:1)で精製し、無色の固体として、(±)−4−((3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−イル)シクロヘキサノンを得る。
<7.6>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−(4−メトキシメチレン−シクロヘキシル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
Figure 0005386067
14.1g(41.3mmol)のメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリドを最初に250mlのTHFに導入し、100mlのTHF中のカリウムtert−ブトキシド4.6g(41.0mmol)の溶液を0℃で加える。この温度で30分後、THFの150mlの溶液として、(±)−4−((3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−イル)シクロヘキサノンを加え、反応物を室温で17時間攪拌する。混合物を0℃の水で処理し、2Nの塩酸を使用して混合物を酸性とする。反応物をMTBEで抽出し、合わせた抽出物を飽和食塩水で洗浄する。硫酸ナトリウムを使用して溶液を乾燥し、乾燥するまで濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、トルエン:酢酸エチルが95:5)で精製し、無色の固体として、(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−(4−メトキシメチレン−シクロヘキシル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを得る。
<7.7>
(±)−4−((3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−イル)シクロヘキサンカルバルデヒド
Figure 0005386067
10.0g(27.7mmol)の(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−(4−メトキシメチレンシクロヘキシル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを400mlのトルエンに溶解し、30ml(0.80mol)のギ酸および1.0ml(55.6mmol)の水と共に室温で18時間激しく攪拌する。有機相を分離し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で引き続いて洗浄する。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮する。
残渣を250mlのメタノール/THF混合物(5:2)に溶解し、0.44ml(3.0mmol)の水酸化ナトリウム水溶液(20%)を滴下により加える。室温で3時間後、溶液を水に加え、2Nの塩酸で酸性とする。反応物をMTBEで抽出し、合わせた抽出物を飽和食塩水で洗浄する。硫酸ナトリウムを使用して溶液を乾燥し、乾燥するまで濃縮する。この反応からの粗生成物を、直接、以下の工程で使用する。
<7.8>
(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−(4−ビニルシクロヘキシル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン
Figure 0005386067


9.65g(27.0mmol)のメチルトリフェニルホスホニウムブロミドを最初に100mlのTHFに導入し、60mlのTHF中のカリウムtert−ブトキシド3.09g(27.0mmol)の溶液を−5℃で加える。この温度で1時間後、THFの90mlの溶液として、粗(±)−4−((3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフラン−3−イル)シクロヘキサンカルバルデヒド8.40g(約24mmol)を滴下により加え、反応物を室温で3時間攪拌する。水により反応溶液を加水分解し、2NのHClを使用して酸性とする。混合物をMTBEで抽出し、硫酸ナトリウムを使用して合わせた有機相を乾燥する。溶媒を除去した後に残る粗生成物を吸着濾過(SiO、トルエン)し、濾液を乾燥するまで濃縮する。残渣をメタノールより再結晶し、無色の固体(融点132℃)として、(±)−(3R,4aR,9bS)−7−エトキシ−6−フルオロ−3−(4−ビニルシクロヘキシル)−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロジベンゾフランを得る。
C 132 N 157 I
Δε=−6.7
Δn=0.121
γ=911mPa・s
Figure 0005386067
H−NMR(250MHz、CHCl):δ=6.74(dm、1H、J=7.8Hz、9−H)、6.45(dd、1H、J=8.0Hz、J=7.0Hz、8−H)、5.84〜5.71(m、1H、Hvinyl.)、5.00〜4.86(m、2H、Hvinyl.)、4.07(q、2H、J=7.0Hz、OCH CH)、4.00〜3.89(m、1H、4a−H)、2.78〜2.67(m、1H、Haliph.)、2.41〜2.27(m、2H、Haliph.)、1.91〜1.74(m、7H、Haliph.)、1.67〜1.63(m、1H、Haliph.)、1.42(t、3H、J=7.0Hz、OCH CH )、1.36〜1.06(m、7H、Haliph.)。
MS(EI):m/e(%)=344(100、M)。
対応する前駆体を使用し、以上で示した例と同様にして、以下の化合物を得る(例1〜1014;表1〜4、データは表5)。
例1に類似:例8〜62:
Figure 0005386067

例1に類似:例63〜117:
Figure 0005386067
例3、4および5に類似:例118〜173:
Figure 0005386067
例3、4および5に類似:例173〜227:
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
例2に類似:例228〜282:
Figure 0005386067
例2に類似:例283〜337:
Figure 0005386067
例2に類似:例338〜392:
Figure 0005386067
例2に類似:例393〜447:
Figure 0005386067
例2に類似:例448〜502:
Figure 0005386067
例2に類似:例503〜557:
Figure 0005386067
例2に類似:例558〜612:
Figure 0005386067
例2に類似:例613〜667:
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067

例2に類似:例668〜715:
Figure 0005386067
例2に類似:例716〜767:
Figure 0005386067
例2に類似:例768〜815:
Figure 0005386067
例2に類似:例816〜863:
Figure 0005386067
例2に類似:例864〜911:
Figure 0005386067
例2に類似:例912〜959:
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067

例6に類似:例960〜1014:
Figure 0005386067
例6に類似:例1015〜1069:
Figure 0005386067

例7に類似:例1070〜1124:
Figure 0005386067
例7に類似:例1125〜1179:
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
Figure 0005386067
表1〜4の全てのそれぞれの化合物の物性値を示す。
Figure 0005386067

Claims (9)

  1. 一般式Iの化合物。
    Figure 0005386067
    (式中、mは0であり、nは、0、1または2であり;
    はFを表し;
    およびX はHを表し;
    は、1つまたは2つの=CH−が=N−に置き換えられてもよく、無置換またはそれぞれ互いに独立に−CN、−F、−Cl、−Br、−Iで1〜4置換されてもよい1,4−フェニレン、無置換またはフッ素および/または塩素により1置換または多置換されている炭素数1〜6個のアルカニル、無置換またはフッ素および/または塩素により1置換または多置換されている炭素数1〜6個のアルコキシ、ヘテロ原子が直接結合しないように1つまたは2つの−CH−がそれぞれ互いに独立に−O−または−S−で置換されてもよく、無置換または−Fおよび/または−Clにより1置換または多置換されてもよい1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレンまたは1,4−シクロヘキサジエニレン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルを表し;
    は、単結合、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CFCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CHF−CHF−、−(CO)O−、−O(CO)−、−CHO−、−OCH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−CH=CH−または−C≡C−を表し;
    は、1〜15個の炭素原子をそれぞれ有するアルカニルまたはアルコキシ基を表し;
    は、水素、無置換であるか−CNまたは−CFによって1置換または−F、−Cl、−Brおよび/または−Iで1置換または多置換されているか、また鎖中のヘテロ原子が直接結合しないように基の中の1個以上のCH基がそれぞれ互いに独立に−O−、−S−、−SO−、−CO−、−(CO)O−、−O(CO)−または−O−CO−O−で置き換えられてもよい1〜15個または2〜15個の炭素原子をそれぞれ有するアルカニル、アルコキシ、アルケニルまたはアルキニル基、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−SCN、−NCSまたは−SFを表し;
    ただし、nが1より大きい場合は、AおよびZは互いに同一でも、または異なっていてもよ。)
  2. は、単結合、−CFO−、−OCF−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−または−CF=CF−を意味する請求項1記載の化合物。
  3. は、以下の式の環を意味する請求項1または2に記載の化合物。
    Figure 0005386067
  4. 記R は、それぞれ互いに独立に、1〜7個または2〜7個の炭素原子をそれぞれ有するアルカニル基、アルコキシ基またはアルケニル基を表し、該基のそれぞれは無置換またはハロゲンによって1置換または多置換されているか、またはフッ素または水素を意味する請求項1ないしいずれか記載の化合物。
  5. 前記nは0であり、および前記R は、それぞれ互いに独立に、1〜7個または2〜7個の炭素原子をそれぞれ有する枝分かれしていないアルカニル基、アルコキシ基またはアルケニル基を意味する請求項1ないしいずれか記載の化合物。
  6. n=1であり、および、Aは以下を意味する請求項1ないしいずれか記載の化合物。
    Figure 0005386067
  7. 少なくとも2種類の化合物を含む液晶媒体であって、請求項1ないしいずれか記載の化合物の少なくとも1種類を含む液晶媒体。
  8. 請求項記載の液晶媒体を含有する電気光学的ディスプレイ素子。
  9. 置換された2−(2−ハロフェニル)シクロヘキサノール化合物を環化し、テトラヒドロジベンゾフラン誘導体を得る工程を含む請求項1ないしいずれか記載の化合物の調製方法。
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