JP2008543787A - 糖尿病の診断及び予後 - Google Patents
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Abstract
簡単な低侵襲的検査で、被験体であるヒト又は実験動物における膵臓β細胞代償の適合性及び/又は組織インスリン抵抗性の存在を同時に決定するための方法を提供する。本方法は、2型糖尿病(DM2)の発症又はDM2のより悪化した形態への進行に対する被験者若しくは実験動物の感受性を決定することができる。他の用途で、本方法は、治療介入に関する決定のために被験体の診断的分類;1型DMとDM2との間の臨床的識別;非糖尿病被験体におけるDM2発症リスクの減少を目的とした治療の臨床的モニタリング;既存のDM2の改善及びDM2の進行の抑制を目的とした作用剤の臨床モニタリング;DM2への進行又は既存のDM2の病気の進行を抑制する新しい化合物、候補剤、又は候補療法の臨床開発及び臨床試験;そして、インスリン感受性性質、膵臓刺激若しくは再生の性質又はその他の望ましい作用を有する作用剤を同定し、特徴付けするための実験動物における候補剤又は候補療法の前臨床的スクリーニングを可能にする。
【選択図】 図1
【選択図】 図1
Description
関連出願への相互参照
本出願は、2005年6月10日に出願された米国仮出願第60/689,612号の利益を主張する。当該仮出願は、参照によりその全てを本明細書に援用する。
本出願は、2005年6月10日に出願された米国仮出願第60/689,612号の利益を主張する。当該仮出願は、参照によりその全てを本明細書に援用する。
本発明は、糖尿病(diabetes mellitus:DM)の分野に関する。特に、簡単な低侵襲的検査で、個体における組織インスリン抵抗性の存在及び/又は膵臓β細胞の反応若しくは代償の適合性を別個に又は同時に決定するための方法、並びに、それによって2型DM(DM2)の発症又はDM2のより進んだ進行に対する個体の感受性を決定するための方法が記載されている。
2型糖尿病(DM2)の近年の発症モデルは、二段構えのプロセスを敷いている。すなわち、(1)インスリン抵抗性(すなわち、インスリン作用に対する組織の感受性の減少)、及び(2)膵臓β細胞不全(すなわち、インスリン抵抗性を代償する上でのインスリンの不十分な分泌)である。本モデルは、DM分野における以下を含む多くの経験的観察を説明する。
a)妊娠糖尿病(GDM)の高い予測力と、それに続く永続的なDM2。妊婦は、全ての女性でインシュリン抵抗性を生じている(高レベルのプロゲステロンによる)。インスリン抵抗性を補うために3ヶ月間膵臓インスリン分泌を増加させることはできないことが、それに続くGDMの発症から明らかとなっており、それ故、長期にわたるインスリン抵抗性が肥満、加齢、及び運動の少ない生活と関連して生じた場合に、膵臓の代償不全と最終的なDM2の発症が予測される。
b)肥満(インスリン抵抗性)の25〜30%の人々のみがDM2を発症するという知見。残りの人々は、代償(高インスリン血症の)インスリン抵抗性を維持し、DM2を発症しない。したがって、2つの障害(インスリン抵抗性と膵臓の機能不全)がDM2の発症に必要である。
c)肥満からDM2への進行における血液インスリン濃度の自然経過。インスリン濃度は、最初は正常レベルを超えて上昇し、その後DM2発症時に正常若しくはそれよりも低いレベルに降下する。
d)インスリン感受性介入が前糖尿病状態から糖尿病への進行を抑制できるという知見。運動又はメトホルミン療法によるインスリン抵抗性の減少が、膵臓のインスリン分泌の改善、及びDM2への進行の抑制を示した。
e)長期にわたるDM2の進行が、例えば、主にβ細胞の機能悪化に関与するが、インスリン抵抗性悪化には関与しないという、United Kingdom Prospective Diabetes Study (UKPDS)における知見。この研究は、長期にわたりDM2を呈する患者は、インスリン抵抗性を変えるためではなく、主として悪化しているインスリン分泌のために、時間経過と共に良好な糖尿病制御を維持する上でますます薬剤を必要とすることを示した。
診断のモニタリングと薬物検査への影響
したがって、DM2に対する感受性又はDM2への経路に沿った進行の完全な特徴付けには、DM2の発症に関与するこれら2つの要素又は要因(インスリン抵抗性及び膵臓β細胞代償性)に関する情報が必要となる。
したがって、DM2に対する感受性又はDM2への経路に沿った進行の完全な特徴付けには、DM2の発症に関与するこれら2つの要素又は要因(インスリン抵抗性及び膵臓β細胞代償性)に関する情報が必要となる。
Bergmanらは、両要因を評価するための検査を提唱した。頻回抽出IVグルコース負荷試験(Frequently Sampled IV Glucose Tolerance Test:FS IVGTT)は、インスリン感受性指数(insulin sensitivity index:ISI)及びグルコースに対する急性インスリン反応(acute insulin response to glucose:AIRG)を測定し、またこれら2つの測定されたパラメータからβ細胞反応の適合度を算出する。この方法は、糖尿病発症のリスクがあるヒトで広く使用され、図1で示すモデル(Kahnら, Wyethら, 下記参考文献参照)を支持した。その主要概念は組織インスリン抵抗性と膵臓インスリン分泌間に双曲線形相関があると言うことである。インスリン抵抗性(ISI)が降下するとき、ISI×AIRGの積値(ディスポジション指数:disposition index又はDIと呼ばれる)が一定となるように、AIRGは上昇するはずである(図1、黒線)。それ故、DIはインスリン抵抗性に対する膵臓代償の適合性の算出尺度、又はインスリン抵抗性に直面したβ細胞の充足性の直接尺度を示す。したがって、ISIが降下したときに、DIの一定性を維持できない個体(図1の灰色線)(つまり、ISI対AIRG(図1の黒線)の予想される双曲線上に落ちない)は、膵臓β細胞機能不全の証拠を示していると見なされる。
研究者らは、ISIの減少に直面した際にDIが維持されない前記個体で、実際に、DM2を発症するリスクが高いと思われることを示した。さらに、一定のDIを維持できないのは、DM2の様々なリスクにおいて、家族内の遺伝形質である。したがって、DIは、DMの発症に対する感受性の高いこれらのインスリン抵抗性個体を同定する手段として提唱された。
しかし、FS IVGTTは、以下の理由により検査として問題があり、臨床検査薬に使用するにはあまりに侵襲的、かつ複雑である。すなわち、(1)静脈路の留置が必要である、(2)正確に時間計測されたプロトコルに従った複数回の採血が必要である(例えば、1〜2分毎に20分間、その後2時間のフォローアップ)、(3)無菌のグルコース静脈注射をしなければならない、(4)薬物(トルブタミド)をグルコース静注後、正確に20分間で静脈注射しなければならない(あるリスクと医師の指示の必要性を伴う)、(5)グルコース濃度とインスリン濃度に関する多数の臨床検査を発送しなければならない、そして、(6)生じたデータをコンピュータによって計算しなければならない等である。したがって、FS IVGTTは、大変な手間がかかり、侵襲的であり、高価であり、解釈が難しく、またある程度リスキーな方法である。
他の方法が、インスリン抵抗性を評価し又は測定するのに利用できる。これらの方法は、高インスリン血症グルコースクランプ(インスリン抵抗性の「理想的基準:gold standard」とみなされている)、及び類似の定常状態血漿グルコース(steady-state plasma glucose:SSPG)法、恒常モデル評価法(homeostatic model assessment:HOMA)、並びに単なる血漿インスリン濃度の測定を含む。しかしながら、これらの方法は、膵臓β細胞の機能又はインスリン抵抗性に対するβ細胞の代償の適合性に関する情報を何ら提供しない。実際、グルコースクランプやSSPG法は、明らかに血液インスリンを制御して、膵臓インスリン分泌を悪化させる影響の可能性を除去している。現在のところ、インスリン抵抗性に応答する膵臓β細胞の適合性を測定し又は評価するための実質的に有効な検査はない。
インスリン抵抗性を呈し、かつ膵臓β細胞応答不全を示す(それ故、糖尿病を発症する又は既存の糖尿病を悪化させる高い感受性を有する)個体を同定するための簡便で、実質的に有効な検査がないことが、糖尿病の分野で大きな制限となっていることが明らかになるはずである。膵臓β細胞の増殖と機能を増加することのできる作用剤についての糖尿病治療研究において、β細胞の適切な機能に関する測定結果がないことは、特に重大である。
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、一以上の以下の知見を利用する。すなわち、
a) 重水素化グルコースからの重水素化水の産生(以下、「重水素化水産生」と呼ぶ)は、いくつかのインスリン抵抗性モデル(例えば、ラットにおける急性高脂肪給餌、Zucker diabetic fattyラット、リポジストロフィーに罹患したヒト、及び何人かの肥満性高インスリン血症の被験者)で顕著に減少した。また、重水素化水産生は、インスリン感受性治療薬(例えば、チアゾリジンジオン、メトホルミン)の投与に応答して増加したが、インスリン抵抗性の全てのモデルで減少しなかった。実際、インスリン抵抗性のいくつかの慢性モデル(Zucker fatty non-diabeticラット、ob/obマウス、何人かの肥満性高インスリン血症の被験者)は、正常若しくは正常に近い重水素化水産生を示した(図10)。
a) 重水素化グルコースからの重水素化水の産生(以下、「重水素化水産生」と呼ぶ)は、いくつかのインスリン抵抗性モデル(例えば、ラットにおける急性高脂肪給餌、Zucker diabetic fattyラット、リポジストロフィーに罹患したヒト、及び何人かの肥満性高インスリン血症の被験者)で顕著に減少した。また、重水素化水産生は、インスリン感受性治療薬(例えば、チアゾリジンジオン、メトホルミン)の投与に応答して増加したが、インスリン抵抗性の全てのモデルで減少しなかった。実際、インスリン抵抗性のいくつかの慢性モデル(Zucker fatty non-diabeticラット、ob/obマウス、何人かの肥満性高インスリン血症の被験者)は、正常若しくは正常に近い重水素化水産生を示した(図10)。
b)一方、重水素化グルコースの投与後の周囲血清インスリン濃度についての重水素化水産生の補正は、検査したインスリン抵抗性の全てのモデル(図11)で明白な組織インスリン感受性若しくは抵抗性の尺度をもたらし、またインスリン感受性治療に応答して増加した。その結果、インスリン濃度下面積で除した重水素化水産生(2H2O/INS AUC)は、血中インスリンに対する組織の反応性を反映し、かつインスリン感受性の減少の存在を明らかにする。
c)インスリン補正重水素化水産生(2H2O/INS AUC)は、インスリン抵抗性を測定するための「理想的基準」(高インスリン血症グルコースクランプ)と、正常及び肥満のヒトで非常によく相関した(図12)。したがって、2H2O/INS AUC測定は、組織インスリン感受性又は抵抗性の非常に正確な測定法として確認された。
d)インスリン抵抗性の動物モデルであって、低補正重水素化水産生(2H2O/INS AUC)だが、正常若しくは正常に近い絶対重水素化水産生を示したものは、DM2に対して低感受性を有する株であった(Zucker fat non-diabeticラット、及びいくつかの高脂肪給餌したマウス株)。一方、低2H2O/INS AUCかつ低絶対重水素化水産生を示す動物モデルは、DM2状態になろうとしている、又は既になっている株であった(Zucker diabetic fattyラット、及び他の高脂肪給餌したマウス株)。したがって、インスリン抵抗性直面時における正常な絶対重水産生の維持が非常に有益であった―この環境下で「正常」重水産生はインスリン抵抗の存在に対する膵臓β細胞応答の充足性(適合性)を示した。一方、2H2O/INS AUCの減少(インスリン抵抗性)に直面した正常重水産生下では、膵臓β細胞代償の不全性(不適合性)が明らかとなった。
e)したがって、これらの知見は、DM2発症モデルの両要因―インスリン感受性/抵抗性及び膵臓β細胞反応の適合性/不適合性―を本明細書で記載されたようなたった1つの試験を通して、インスリン濃度を含めて、測定することができることを示している。それにより、DM2感受性及び進行の全特徴付けが、簡単で、容易に実行でき、かつ広範囲に使用可能な試験を通して可能となる。
一の態様において、本明細書で説明されるのは、膵臓β細胞充足性を決定するための方法であって、以下のステップ、すなわち、a)被験体に標識された及び非標識された水に代謝される同位体標識された糖(例えば、2H標識された糖)を投与するステップ、b)一以上の生物学的サンプル(例えば、血液)を一以上の時点で被験体から採取するステップ(少なくとも一のサンプルは同位体標識された糖の投与後に採取される)、c)生物学的サンプル中の水の同位体含有量を測定し、サンプル中の同位体標識された水の分散量を決定するステップ、d)被験体の水の総量を決定するステップ、及びe)サンプル中の同位体標識された水の分散量に被験体の水の総量を乗じて、被験体の同位体標識された水の総量を決定し、かつ被験体のβ細胞充足性を決定するステップを有する。
他の態様において、本明細書は、膵臓β細胞充足性及びインスリン感受性を決定するための方法であって、以下のステップ、すなわち、a)記載のように、被験体の同位体標識された水の総量を決定するステップ;b)採取された生物学的サンプルにおけるインスリン量を測定し、インスリンへの被験体組織の総曝露量を決定する又は被験体のインスリン産生レベルを決定するステップ;及びc)被験体における同位体標識された水の総量を、インスリンへの被験体の組織の総曝露量又は被験体のインスリン産生レベルで割り、被験体のインスリン抵抗性を決定するステップを有する方法を説明する。
他の態様において、インスリンに対する被験体の組織の総曝露量又は被験体のインスリン産生レベルはインスリン曲線下面積(INS AUC)として算出される。
他の態様において、本明細書で開示された方法に用いる同位体標識された糖は、同位体標識されたグルコース、フルクトース及び/又はガラクトースである。
糖は、[6,6-2H2]グルコース、[1-2H]グルコース、及び/又は[1,2,3,4,5,6,7-2H7]グルコースであってもよい。
さらなる他の態様において、本明細書で開示された方法に用いる同位体標識された糖は、経口的に、経管栄養補給により、腹腔内に、静脈内に及び/又は皮下に投与することができる。
他の態様において、DM発症の2要因(すなわち、インスリン感受性と膵臓β細胞反応の適合性)を示すグラフ内に被験体をプロットする追加ステップが行われる。被験体が落とされる象限により、その被験体の臨床状態が明らかとなる(具体的には:正常範囲、右上象限;補償されたインスリン抵抗性、左上象限;初期膵臓不全(例えば、DM1)、右下象限;及びβ細胞不全/DM2高感受性、左下象限:図2参照)。
さらなる他の態様において、被験体は、本明細書で開示された方法による一以上の反復測定を長期に渡って行うことを通してモニターされる。疾患発症の一部として象限内又は象限間の動き(図3)をモニターすることができる。DM発症の2要因における変化の他の態様も、モニターすることができる(図4)。DM2への進行、既存のDM2の進行、治療に対する応答、及び他の時間に依存した変化が、この方法でモニターされる。
さらに他の態様において、糖尿病、肥満若しくは関連状態の動物モデルが、本明細書に記載されたように、膵臓β細胞充足性及びインスリン感受性を測定する方法を用いて特徴付けられる。
他の態様において、DM発症の2要因(すなわち、インスリン感受性と膵臓β細胞反応の充足性)を示すグラフ中に一以上の動物をプロットする追加ステップが行われる。動物が落とされる象限により、その動物の状態が明らかとなる(具体的には:正常範囲、右上象限;補償されたインスリン抵抗性、左上象限;初期膵臓不全(例えば、DM)、右下象限;及びβ細胞不全/DM高感受性、左下象限:図2参照)。
さらなる態様において、一以上の動物は、本明細書で開示された方法による一以上の反復測定を長期に渡って行うことを通してモニターされる。疾患発症の一部として象限内又は象限間の動き(図5において矢印で示す)がモニターされる。又は、DM発症の2要因における変化の他の態様がモニターされる。DM2への進行、既存のDM2の進行、治療に対する応答、及び他の時間に依存した変化が、この方法でモニターされる。
さらなる他の態様において、ヒト又は動物被験体は、DM2の開始若しくは進行を遅め、食い止め又は逆転させるための候補剤の能力、インスリン抵抗性の開始若しくは進行、又は糖尿病発症の両要因に影響を及ぼす他のものを評価するため、該候補剤での処理前後でモニターされる。
イントロダクション
被験体におけるDM発症の2つ要因の状態(インスリン感受性/抵抗性、及び/又は膵臓β細胞応答の適合性/不適合性)を同時に測定する方法が、本明細書に記載されている。
被験体におけるDM発症の2つ要因の状態(インスリン感受性/抵抗性、及び/又は膵臓β細胞応答の適合性/不適合性)を同時に測定する方法が、本明細書に記載されている。
一の態様で、本明細書で開示された方法は、被験体における組織インスリン抵抗性の信頼性のある測定(同位体標識された代謝産物/INS AUC)を、膵臓β細胞応答の適切性の信頼性のある測定(同位体標識された絶対代謝産物産生)と同時に示す。
他の態様で、本明細書で開示された方法は、実験動物における組織インスリン抵抗性の信頼性のある測定を、実験動物における膵臓β細胞応答の適切性の信頼性のある測定と同時に示す。
一般的技術
本方法の実施は、特に示されていない場合は、静脈切開術、医学、臨床化学、有機化学、分析化学、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、及び免疫学の従来技術を当該分野の技術範囲内で使用することができる。このような技術は、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, second edition (Sambrook et al., 1989) Cold Spring Harbor Press; Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait, ed., 1984); Methods in Molecular Biology, Humana Press; Cell Biology: A Laboratory Notebook (J.E. Cellis, ed., 1998) Academic Press; Animal Cell Culture (R.I. Freshney, ed., 1987); Introduction to Cell and Tissue Culture ( J.P. Mather and P.E. Roberts, 1998) Plenum Press; Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures (A. Doyle, J.B. Griffiths, and D.G. Newell, eds., 1993-8); J. Wiley and Sons; Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.); Handbook of Experimental Immunology (D.M. Weir and C.C. Blackwell, eds.); Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J.M. Miller and M.P. Calos, eds., 1987); Current Protocols in Molecular Biology (F.M. Ausubel et al., eds., 1987); PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullis et al., eds., 1994); Current Protocols in Immunology (J.E. Coligan et al., eds., 1991); Short Protocols in Molecular Biology (Wiley and Sons, 1999);及びMass isotopomer distribution analysis at eight years: theoretical, analytic and experimental considerations by Hellerstein and Neese (Am J Physiol 276 (Endocrinol Metab. 39) E1146-E1162, 1999)のような文献中で全て説明されている。さらに、米国特許出願公開第2004/0115131 A1号(発明者としてMarc Hellersteinの名前が挙げられている)で開示された方法も使用することができる。さらに、市販のアッセイキットや試薬を使用する方法は、特に断りのない限り、通常、製造業者が定めたプロトコルにしたがって使用されるであろう。これらの文献は、ここで参照によりその全てを本明細書に組み込む。
本方法の実施は、特に示されていない場合は、静脈切開術、医学、臨床化学、有機化学、分析化学、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、及び免疫学の従来技術を当該分野の技術範囲内で使用することができる。このような技術は、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, second edition (Sambrook et al., 1989) Cold Spring Harbor Press; Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait, ed., 1984); Methods in Molecular Biology, Humana Press; Cell Biology: A Laboratory Notebook (J.E. Cellis, ed., 1998) Academic Press; Animal Cell Culture (R.I. Freshney, ed., 1987); Introduction to Cell and Tissue Culture ( J.P. Mather and P.E. Roberts, 1998) Plenum Press; Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures (A. Doyle, J.B. Griffiths, and D.G. Newell, eds., 1993-8); J. Wiley and Sons; Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.); Handbook of Experimental Immunology (D.M. Weir and C.C. Blackwell, eds.); Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J.M. Miller and M.P. Calos, eds., 1987); Current Protocols in Molecular Biology (F.M. Ausubel et al., eds., 1987); PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullis et al., eds., 1994); Current Protocols in Immunology (J.E. Coligan et al., eds., 1991); Short Protocols in Molecular Biology (Wiley and Sons, 1999);及びMass isotopomer distribution analysis at eight years: theoretical, analytic and experimental considerations by Hellerstein and Neese (Am J Physiol 276 (Endocrinol Metab. 39) E1146-E1162, 1999)のような文献中で全て説明されている。さらに、米国特許出願公開第2004/0115131 A1号(発明者としてMarc Hellersteinの名前が挙げられている)で開示された方法も使用することができる。さらに、市販のアッセイキットや試薬を使用する方法は、特に断りのない限り、通常、製造業者が定めたプロトコルにしたがって使用されるであろう。これらの文献は、ここで参照によりその全てを本明細書に組み込む。
定義
特に明示のない限り、本明細書で使用される全ての専門用語、表記、及び他の科学的専門用語は、本明細書に記載された方法に関連する当業者によって通常理解される意味を有することを意図している。いくつかのケースで、通常理解されている意味を持つ用語を、明確にするため、及び/又はすぐに参照できるようにするため本明細書で定義する。また、本明細書におけるこのような定義の介在は、必ずしも当該分野で一般に理解されているものを超える実質的な違いを示すためのものと解釈されるべきではない。本明細書に記載された又は参照された技術及び方法は、通常、当業者には十分に理解されており、かつ例えば、Mass isotopomer distribution analysis at eight years、すなわちHellerstein及びNeeseによる理論的、分析的、かつ実験的考察のような、従来の方法論を用いて当業者により一般的に使用されている。 (Am J Physiol 276 (Endocrinol Metab. 39) E1146-E1162, 1999)。必要に応じて、市販のキットや試薬の使用を伴う方法が、特に断りのない限り、製造業者により定められたプロトコル及び/又はパラメータに従って行われる。
特に明示のない限り、本明細書で使用される全ての専門用語、表記、及び他の科学的専門用語は、本明細書に記載された方法に関連する当業者によって通常理解される意味を有することを意図している。いくつかのケースで、通常理解されている意味を持つ用語を、明確にするため、及び/又はすぐに参照できるようにするため本明細書で定義する。また、本明細書におけるこのような定義の介在は、必ずしも当該分野で一般に理解されているものを超える実質的な違いを示すためのものと解釈されるべきではない。本明細書に記載された又は参照された技術及び方法は、通常、当業者には十分に理解されており、かつ例えば、Mass isotopomer distribution analysis at eight years、すなわちHellerstein及びNeeseによる理論的、分析的、かつ実験的考察のような、従来の方法論を用いて当業者により一般的に使用されている。 (Am J Physiol 276 (Endocrinol Metab. 39) E1146-E1162, 1999)。必要に応じて、市販のキットや試薬の使用を伴う方法が、特に断りのない限り、製造業者により定められたプロトコル及び/又はパラメータに従って行われる。
「分子流動速度」とは、細胞、組織若しくは生物内の分子の合成及び/又は破壊の動的な流れ若しくは速度を言う。「分子流動速度」はまた、分子プール内への分子の投入又は分子プール内からの分子の除去を言う、つまり、前記分子プールへの流入及び当該分子プールからの流出と同義である。
「代謝経路」とは、生物システムにおける二以上の生化学的ステップ(すなわち生化学的工程)のあらゆる連結された系をいい、その最終結果は、分子の生化学的、空間的、又は物理的変化である。代謝経路は、経路を含む生化学的ステップを介した分子の方向及び流れによって定義される。代謝経路内の分子は、いずれの生化学的クラス(例えば、限定はしないが、脂質、タンパク質、アミノ酸、炭水化物、核酸、ポリヌクレオチド、ポルフィリン、グルコサミノグリカン、糖脂質、中間代謝産物、無機ミネラル、イオン等を含む)にも属することができる。
「代謝経路を介した流動速度」とは、定義した代謝経路を介した分子変化の速度を言う。経路を介する流動速度の単位は、時間あたりの化学質量(例えば、分あたりのモル数、時間あたりのグラム数)である。経路を介した流動速度は、好ましくは明確に定められた生化学的起点から明確に定められた終点までの変化率をいい、これは目的の定められた代謝経路間における全てのステージを含んでいる。
「同位体」とは、同一の陽子数を有する原子を言い、それ故同一元素ではあるが、中性子の数が異なる(例えば、1H対2H若しくはD)。
「アイソトポログ」とは、同位体相同体又は同一元素及び同一化学組成を有するが、同位体の量が異なる分子種をいう(例えば、上記例におけるCH3NH2対CH3NHD)。アイソトポログは、それらの同位体の組成によって定義される。したがって、各アイソトポログは、特有の正確な質量を有するが、特有の構造を有し得ない。アイソトポログは、一般に同位体異性体(アイソトポマー)(分子上での同位体の位置が異なる。例えば、CH3NHDとCH2DNH2は同一アイソトポログであるが、異なるアイソトポマーである。)のファミリーからなる。「同位体標識された水」は、水素若しくは酸素のいずれかの一以上の特定の重同位体で標識された水を含む。同位体標識された水の具体例として、2H2O、3H2O及びH2 18Oが含まれる。
「食品添加物」とは、限定はしないが、官能剤(すなわち、風味、質感、芳香、及び色を与える作用剤)、ニトロソアミン、ニトロソアミド、N-ニトロソ物質等のような保存料、凝固剤、乳化剤、分散剤、燻蒸剤、湿潤剤、酸化還元剤、噴霧剤、捕捉剤、溶剤、界面活性剤、表面処理剤、共力剤、殺虫剤、有機塩素化合物、食用動物により摂取された若しくは食用植物により取り込まれたあらゆる化学物質、及び包装物質から食物若しくは飲料物中に染み出る(さもなくば、入り込む)あらゆる化学物質を含む。本用語は、製造工程若しくは包装工程におけるある段階で食品産物若しくは飲料産物中に添加される、あるいは食用動物による注射によって若しくは食用植物の吸収によって、又は内毒素(エンドトキシン)や外毒素(エクソトキシン)(ボツリヌストキシンやアフラトキシンのような予め形成されている毒素)のような微生物の副産物を介して、又は調理過程(例えば、2-アミノ-3-メチルリミダゾ[4、5-f]キノロンといった複素環アミンのように)を介して、又は製造、包装、保存及び操作活動中に包装材料からの浸出若しくは他のいくつかの工程によって、食物中に含まれる化学物質を包含することを意味する。
「工業用化学物質」は、限定はしないが、揮発性有機化合物、半揮発性有機化合物、洗浄剤、溶剤、シンナー、ミキサー、金属化合物、金属、有機金属、半金属、ヘキサンのような置換及び非置換性脂肪族非環式炭化水素、ベンゼン及びスチレンのような置換及び非置換芳香族炭化水素、塩化ビニルのようなハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼンのようなアミノ誘導体及びニトロ誘導体、プロピレン・グリコールのようなグリコール及び誘導体、シクロヘキサノンのようなケトン、フルフラールのようなアルデヒド、アクリルアミドのようなアミド及び無水物、フェノール、シアン化物及びニトリル、イソシアネート、並びに殺虫剤、除草剤、殺鼠剤及び殺菌剤を含む。
「環境汚染物質」とは、自然界に見られないあらゆる化学物質、又は自然界で見られるものの自然界で見られる(少なくとも自然界で到達できる媒体で見られる)レベルを超えて人工的に濃縮されたものを含む。したがって、例えば、環境汚染物質は、職業的若しくは工業的化学物質として同定されたあらゆる非天然化学物質、さらには公園、学校又は運動場のような非職業的又は非工業的環境で見られるあらゆる非天然化学物質を含むことができる。あるいは、環境汚染物質は、天然化学物質ではあるが、鉛のように少なくともバックグラウンドを超えるレベル(例えば、自動車の加鉛ガソリンの燃焼に由来する排気によって堆積したハイウェイに沿った土中に見られる鉛)のものであってもよい。環境汚染物質は、工場の煙突、又は地表若しくは地下水中に移行した工業排液のような地点源由来のもの若しくはハイウェイに沿って移動中の車からの排気、都市の通りに沿って移動するバスからのディーゼル排気(及び、それが包含する全てのもの)のような非地点源由来のもの、あるいは農地を源とする浮遊粉塵に由来する土中に堆積した殺虫剤であってもよい。本明細書で使用される場合、「環境汚染物」は、「環境汚染物質」と同義である。
「正確な質量」とは、分子の化学式における全ての同位体の正確な質量を合計することによって算出される質量を言う(例えば、CH3NHDについては32.04847)。
「見かけの質量」とは、分子の正確な質量を四捨五入することで得られた整数質量を言う。
「質量アイソトポマー」とは、同位体組成というよりもむしろ見かけの質量に基づいて分類された同位体異性体のファミリーをいう。質量アイソトポマーは、アイソトポログとは違って、異なる同位体組成の分子を含んでいてもよい(例えば、CH3NHD、13CH3NH2、CH3 15NH2は同一の質量アイソトポマーの一部であるが、異なるアイソトポログである)。操作上の用語で、質量アイソトポマーとは、質量分析計によって解明されていないアイソトポログのファミリーである。四重極質量分析計では、通常、質量アイソトポマーは、見かけの質量を共有するアイソトポログのファミリーであることを意味している。したがって、アイソトポログCH3NH2とCH3NHDは、見かけの質量において異なり、異なる質量アイソトポマーとして区別される。しかし、アイソトポログCH3NHD、CH2DNH2、13CH3NH2及びCH3 15NH2は全て同一の見かけの質量である故に、同一質量アイソトポマーである。したがって、各質量アイソトポマーは、通常2以上のアイソトポログからなり、2以上の正確な質量を有する。アイソトポログと質量アイソトポマー間の区別は、実施において役立つ。なぜなら、個々のアイソトポログの全ては、四重極質量分析計を使用しても解明されないからであり、また質量分析データからの計算がアイソトポログというよりむしろ質量アイソトポマーの存在量で行われる必要があるように、個々のアイソトポログの全ては、より高い質量分解能を実現する質量分析計を用いてさえも解明することができないからである。質量の最も低い質量アイソトポマーは、M0として表される。ほとんどの有機分子で、これは12C、1H、16O、14N等の全てを含む種である。他の質量アイソトポマーは、M0(M1,M2等)との質量差によって区別される。所与の質量アイソトポマーに関して、分子内の同位体の場所と位置は特定されず、また変り得る(すなわち、「位置的アイソトポマー」は区別されない)。
「質量アイソトポマーエンベロープ」とは、モニターされる各分子又はイオン断片に関連するファミリーを含む一連の質量アイソトポマーを言う。
「質量アイソトポマーパターン」とは、分子の質量アイソトポマーの存在量のヒストグラムをいう。本パターンは、伝統的には、全ての存在量を最も豊富な質量アイソトポマーに正規化する相対的存在量率として表される。つまり、最も豊富な質量アイソトポマーが100%となる。しかし、質量アイソトポマー分布解析(mass isotopomer distribution analysis:MIDA)のような確率分析に関連する利用に好ましい形は、割合又はそれぞれの種が全存在量に寄与している分画が用いられる分散存在量である。「同位体パターン」という用語は、「質量アイソトポマーパターン」という用語と同義で使用することができる。
「モノ同位体質量」とは、全ての1H、12C、14N、16O、32S等を含む分子種の正確な質量を言う。C、H、N、O、P、S、F、Cl、Br及びIからなるアイソトポログについては、これらの元素の最も豊富な同位体が最も低い質量でもあるので、最も低い質量をもつアイソトポログの同位体組成は、特有かつ一義的である。モノ同位体質量は、m0という形で省略され、他の質量アイソトポマーの質量は、m0 (m1、m2等)とそれらの質量の違いによって、同定される。
本方法に照らすと「誘導体化する」、「誘導体化」、「誘導体化」、「加水分解および誘導体化」とは、GC/MS分析用サンプルを調製する工程を意味する。この調製は、単離された生物分子、細胞、複合体サンプル又は他のサンプル若しくは分子で実行することができる。また、具体的な工程は、解析される経路によって変化する。このような調製には複数の手順が関与しており、それぞれの手順は多数のステップを有し、通常「誘導体化」手順で終了する。用語自体としては、誘導体化が最終手順の場合であれば、時々サンプル調製の拡張した工程にも、これらの用語で示すことができる。本文中で、本用語はまた、この最終工程だけを示すこともできる。
「同位体的に摂動された」とは、天然にあまり豊富でない同位体が過剰に(濃縮されて)存在しようが、不足して(枯渇して)存在していようが、自然界で最も普通に見られる分布とは異なる同位体分布を有する元素又は分子の明らかな取り込みで生じた元素又は分子の状態を言う。
「目的の分子」とは、限定はしないが、生物システム内の代謝経路中に存在するアミノ酸、炭水化物、脂肪酸、ペプチド、糖、脂質、核酸、ポリヌクレオチド、グルコサミノグリカン、ポリペプチド、又はタンパク質を含むあらゆる分子(ポリマー及び/又はモノマー)を意味する。本方法の下では、「目的の分子」は、疾患の「バイオマーカー」であってもよい。またその流動速度は、曝露されていない被験体かあるいは健康な被験体(すなわち、コントロール被験体)の流動速度と比較することで、目的の被験者の臨床的には観察できない又は捉えにくい病態生理学的発生を示すことができる。これによって、目的の被験体の将来的な疾患若しくは障害を予測できる。この方法で、目的の被験体の一以上の目的のバイオマーカーの流動速度をコントロールの被験体の一以上の目的のバイオマーカーの流動速度と比較することで、目的の疾患を呈する被験体の診断するのに、又は目的の疾患の獲得における目的の被験体のリスクの評価若しくは定量するのに、使用できるであろう。さらに、前記情報は、目的の疾患を有する目的の被験体についての予後を定めるのに、目的の被験体の目的の疾患の進行をモニターするのに、又は目的の疾患を有する目的の被験体における治療計画の治療効果を評価するのに、使用できるであろう。
「モノマー」とは、ポリマーの合成中に結合し、ポリマー内に2回以上存在する化学単位を言う。
「ポリマー」とは、モノマーの二以上の繰り返しから合成され、かつ二以上の繰り返しを含んでいる分子を言う。「生体高分子」は、生物システムによって、又は生物システム中で合成される、あるいは生物システムと関連するポリマーである。
「炭水化物」とは、少なくとも3つの炭素原子を含む直鎖ポリヒドロキシルアルコールのアルデヒド又はケトン誘導体を意味する。ポリヒドロキシルアルコールは、主として(それだけではないが)五水酸基、及び六水酸基アルコール種に属する。炭水化物は、水素と酸素が、通常その比率において一般式Cn(H2O)nで水を形成できるので、そう命名された。最も重要な炭水化物はスターチ、糖、セルロース、及びゴムである。それらは、単糖類、二糖類、三糖類及び多糖類及び異糖類に分類される。最も小さいものは、グルコースのような単糖類である。一方、スターチ、セルロース、又はグリコーゲンのような多糖類は、大きくかつ不定長である。
「糖」は、多価アルコールのアルデヒド又はケトン誘導体であるあらゆる結晶性単炭水化物に関する共通の名前を意味する。糖は、甘くてもよいが、甘い必要はない。糖は、主としてショ糖のような二糖類、及びフルクトース又はグルコースのような単糖類である。本用語は、単糖類、二糖類、三糖類、異糖類又は多糖類(単糖類残基からなる)を包含する。単糖類は、グルコース(D-グルコース、及びL-グルコースの両方)、マンノース、フルクトース、ガラクトース、及び糖誘導体(限定はしないが、N-アセチルムラミン酸、N-アセチルノイラミン酸、及び他のシアル酸、N-アセチルマンノサミン、グルクロン酸、グルコサミン等を含む)を含む。多糖類は、ショ糖、マルトース及びラクトースのような二糖類、並びにスターチ、グリコーゲン、セルロース、キチン等の長鎖糖分子を含む。
「オリゴ糖」とは、2、3の共有結合によって連結された単糖類モノマーからなる分子を意味する。
「同位体標識された基質」は、生物システムにおいて目的の分子中に取り込まれ得るあらゆる同位体標識された前駆分子を含む。同位体標識された基質の例は、限定はしないが、2H2O、3H2O、2H-グルコース、2H-標識された有機分子、13C-標識された有機分子、及び14C-標識された有機分子を含む。
「標識された糖」とは、一以上の2H同位体のような安定同位体標識を取り込んでいる糖を言う。
「重水素化水」とは、一以上の2H同位体のような安定同位体標識を取り込んでいる水を言う。
「標識されたグルコース」とは、一以上の2H同位体で標識されたグルコースを言う。標識されたグルコース又は2H標識されたグルコースの具体的な例は、[6,6-2H2]グルコース、[1-2H1]グルコース、及び[1,2,3,4,5,6-2H7]グルコースを含む。
化学物質のような化合物に生物システムを「曝露すること」とは、限定はしないが、動物又は他の高等生物における局所適用、経口摂取、吸入、皮下注射、腹腔内注射、静脈注射、及び動脈内注射に由来し得る。
「治療作用」とは、生化学的又は分子的工程(すなわち、代謝経路又はネットワークを介した分子の流れ)における効果を意味する。当該効果は、開始、進行、重症度、病状、攻撃性、悪性度、活性、能力的障害、死亡率、罹患率、疾患下位分類、又は一以上の疾患の他の潜在的な病原的若しくは病理学的特徴の原因となる様態に関与する、又は貢献すると考えられている。ここで、前記効果は、健康にとって有益なものであるか、さもなくば望ましい結果(例えば、望ましい臨床的結果)に貢献する。
「作用」とは、薬剤の投与のような診療行為の具体的な及び直接的な結果を意味する。
「効果」とは、化合物を用いた医療的介入の二次的な若しくは関係のない結果のみならず、天然で発現された又は抑制された際に遺伝子が発揮する効果のような自然発生的な結果を含んだ、あらゆる結果を言う。
「毒性効果」とは、化合物又はその組合わせ若しくは混合物に曝露された生物システムによる反対反応を意味する。毒性効果は、例えば、末端器官の毒性を含み得る。
「個体」とは、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトである。
「哺乳動物」とは、哺乳動物網のあらゆる一員であって、限定はしないが、ヒト及びヒト以外の霊長類(例えば、チンパンジー及び他の類人猿並びに猿の類);家畜(例えば、牛、羊、ブタ、ヤギ、及び馬)、愛玩動物(例えば、イヌ及びネコ);実験動物(例えば、マウス、ラット及びモルモット等のげっ歯類を含む)を含む。本用語は、特定の年齢や性別を意味しない。したがって、成人(成獣)及び新生児の被験体並びに胎児が、雌雄に関わらず、カバーされることを目的としている。
薬物の発見及び開発の下で「少なくとも部分的に同定された」とは、少なくとも一つの臨床的に関連性のある薬剤(すなわち「化合物」)の薬理学的特徴が本明細書に記載された一以上の方法を用いて同定されたことを意味する。この特徴は、例えば、疾患プロセスに寄与する代謝経路を介した分子の流動速度の増加又は減少、疾患に関連する代謝経路の活性を変えるシグナル伝達経路又は細胞表面受容体の変更、酵素の活性の抑制等の望ましい特徴とすることができる。あるいは、薬剤の薬理学的特徴は、例えば、一以上の毒性効果の産生といった望ましくない特徴であってもよい。当業者に周知である薬剤の望ましい又は望ましくない特徴は、数多くあり、各特徴は、開発される特定の薬剤及び標的疾患との関連で評価されるであろう。薬剤は、例えば、薬剤開発経路に沿った特定の節目となる決定点を支持するのに十分ないくつかの(好ましい若しくは好ましくない又はその両方の)特徴が同定された場合に、少なくとも部分的には十分に同定され得る。前記節目は、限定はしないが、インビトロからインビボへの移行のための前臨床決定、治験薬注入決行/中止決定、フェイズI(第1相)からフェイズII(第2相)への移行、フェイズIIからフェイズIII(第3相)への移行、新薬申請、及び米国食品医薬品局(FDA)の認可が含まれる。したがって、「少なくとも部分的に」同定されたとは、薬剤発見/薬剤開発工程で薬剤を評価するのに有用な一以上の薬理学的特徴の同定を含む。薬学者若しくは医師又は他の研究者は、同定された薬剤の望ましい若しくは望ましくない特徴の全て又は一部を評価して治療指数を規定することができる。これは、当該分野で周知の方法を用いて達成することができる。
本明細書に記載した方法の下で「薬剤を製造すること」は、薬剤製品を作るために使用される当業者に周知のあらゆる手段を含む。製造工程は、限定しないが、薬剤化学合成(すなわち、合成有機化学)、コンビナトリアル(組み合わせ)化学、ハイブリドーマモノクローナル抗体産生のようなバイオテクノロジー法、及び当業者に周知の他の技術を含む。前記製品は、治療的使用のために市販される最終薬剤、治療的使用のために市販される配合製品の成分、又は配合製品の一部としてであろうが単一製品としてであろうが最終薬剤製品の開発に使用されるいかなる中間産物であってもよい。「薬剤を製造すること」は、「化合物を製造すること」と同義である。
「真正バイオマーカー」とは、生物由来の、又は生物における身体的な、生化学的な若しくは生理的な測定を意味する。それは、開始、進行、重症度、病状、攻撃性、悪性度、活性、能力的障害、死亡率、罹患率、疾患下位分類又は一以上の他の潜在的な病原性の特徴若しくは病理学的特徴に対する原因となる様態に関与する、あるいは寄与すると考えられる、化合物の真の若しくは目的の機械的標的又は機械的事象を示す。バイオマーカーは、治療介入の結果をモニターするための標的(すなわち、薬剤の機能的又は構造的な標的)であってもよい。本明細書で定義したように、「真正バイオマーカー」及び「バイオマーカー」は、本明細書では互換的に用いられ、疾患若しくは障害の原因又は進行に関与する、あるいは関与すると考えられている生化学工程をいう。生化学的工程(すなわち、標的とされる代謝経路又はネットワークを介した分子の流れ)は、それが疾患又は障害の治療又は診断モニターの重要な又は真の標的であり得る生化学工程の基礎的な変化(すなわち、分子流動速度)であるため、(本明細書で開示されるような)解析の焦点となる。
「代理バイオマーカー」とは、死亡率、休業日数、罹患率等のような「困難な」臨床結果とは独立した、それ自体で十分な治療標的となるような、しばしば行政機関(例えば、FDA)又は医学的所見によって許可される生物由来の若しくは生物における身体的な生化学的な又は生理的な測定を意味する。米国において承認された代理バイオマーカーは比較的少なく、血圧及び血糖値が含まれる。このような代理バイオマーカーは、本明細書に記載した方法の対象ではない。
本明細書に記載の方法の下で「評価する」又は「評価」又は「評価すること」とは、通常、確立された基準及び/又は条件に対する実験的結果を含むことによって、活性、毒性、相体力、治癒的価値の可能性及び/若しくは効力、重要性、又は化学物質、生物学的因子、化学物質の組み合わせ、若しくは生物学的因子の組み合わせを決定する工程を意味する。本用語は、薬物開発工程をさらに進めるため、化学物質又は生物学的因子(又は化学物質の組み合わせ又は生物学的因子の組み合わせ)に関する決行/中止決定をする意思決定者に十分な情報を提供する概念を包含する。決行/中止決定は、限定はしないが、前臨床開発、前臨床治験薬(Investigational New Drug:IND)ステージ、フェイズIからフェイズIIステージ、フェイズIIからフェイズII内のさらに上のフェイズ(例えば、フェイズIIb)、フェイズIIからフェイズIIIステージ、フェイズIIIから新薬申請(New Drug Application:NDA)若しくは生物学的製剤承認申請(Biologics License Application:BLA)ステージ、又はそれを超えるステージ(例えば、フェイズIV、又は他のNDA後若しくはBLA後のステージ)含む薬物開発工程中のあらゆるポイント又は節目でなされる。本用語は、化合物(化学物質、生物製剤)の分野の中で「種内で最善なもの」(又は「種で最善のもの」)を選択する十分な情報を提供する概念も包含する。
本明細書に記載の方法の下で「特徴付ける」、「特徴付けすること」又は「特徴付け」とは、化学物質若しくは化学物質の組み合わせの特徴又は質を説明する試みを意味する。本明細書で使用されるように、本用語は、「評価する」こととほとんど同義である。しかし、薬物を「評価する」ことが、薬物開発工程を通して薬物又は化学物質の続行において(治癒的価値の評価に基づいて)決行/中止決定をする能力を含む「評価する」のような、より洗練された態様を欠いている。
「状態」又は「医学的状態」とは、全身の又はその一部の身体的状態を意味する。本用語は、通常、以前の身体的若しくは精神的状態からの変化、又は医学専門家によって疾患又は障害として認められない異常性を示すのに用いられる。「状態」又は「医学的状態」の例は、肥満及び妊娠を含んでいる。
「候補療法」とは、本明細書で概説したような有効性をスクリーニングすることが可能な、疾患を治療することができるあらゆる工程を意味する。候補療法は、行動療法、運動療法、又は食事療法を含み得る。候補療法は、医療装置を用いた治療、又は医療装置の移植を含むこともできる。候補療法は、「候補剤」又は「候補薬物」(以下参照)を用いた療法も含むことができる。
候補療法は、候補療法の組み合わせを含むことができる。このような組み合わせは、二つの異なる候補剤であってもよい。組み合わせはまた、候補剤と食事療法であってもよい。組み合わせはまた、運動療法と食事療法であってもよい。組み合わせはまた、運動療法及び食事療法及び候補剤であってもよい。組み合わせはまた、候補剤の組み合わせ、あるいは運動若しくは食事療法又はその両方のような他の候補療法と一体になった候補剤の組み合わせであってもよい。したがって、組み合わせは、同一被験体に施される二以上の療法である。
候補療法は、規制機関(例えば、米国食品医薬品局、又は外国の同等機関)によってヒトへの使用が既に承認されていてもよい。候補療法は、アテローム発生、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、又は他のコレステロール関連疾患の治療又は予防に関してヒトへの使用が既に承認されていてもよい。
「候補剤」又は「候補薬物」は、あらゆる化合物、分子、ポリマー、巨大分子、又は分子複合体(例えば、抗体及び酵素のような生物治療剤を含むタンパク質、公知の薬物及び薬物候補を含む有機小分子、小分子の他のタイプ、多糖類、脂肪酸、ワクチン、核酸等)を意味する。これらは、本明細書で概説したような活性についてスクリーニングすることができる。候補剤は、コレステロール代謝や転送に影響を及ぼす可能性のある治療薬を発見するために本明細書に記載された方法で評価される。
候補剤は、多くの化学的分類を包含する。一の実施形態で、候補剤は、有機分子、好ましくは100以上で約2500ダルトン未満の分子量を有する小有機化合物である。とりわけ好ましいのは、100以上、約2000ダルトン未満、より好ましいのは約1500ダルトン未満、より好ましいのは約1000ダルトン未満、及びさらに一層好ましいのは500ダルトン未満の分子量を有する小有機化合物である。候補剤は、タンパク質又は他の宿主分子との構造的相互作用に必要な官能基を含み、特に水素結合、及び通常はアミン基、カルボニル基、ヒドロキシル基若しくはカルボキシル基の少なくとも一つ、好ましくは化学官能基の少なくとも2つを含む。候補剤は、しばしば一以上の上記官能基で置換された環式炭素構造若しくは複素環式構造及び/又は芳香族構造若しくは多環芳香族構造を含む。候補剤はまた、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン類、誘導体、それらの構造的類似体若しくは組合わせを含む生物分子の間で見出される。
候補剤は、「公知薬物」、又は「公知薬剤」、又は「既に承認された薬物」(この用語は、米国又は他国の管轄においてヒト若しくは動物における薬物としての治療上の使用を承認された薬物を言う)を含む。公知薬物は、限定はしないが、あらゆる化学物質又は組成物(例えば、the 13th Edition of The Merck Index (a U.S. publication, Whitehouse Station, N.J., USA) で開示された組成物:本文献は、参照によってその全てを本明細書に組み込まれる)も含む。
候補剤は、合成又は天然化合物のライブラリーを含む様々なソースから得られる。例えば、様々な有機化合物及び生物分子のランダムな及び方向性のある合成のため、当該分野で周知の非常に多くの手段を利用できる。当該手段は、ランダムオリゴヌクレオチド及びランダムペプチドの発現並びに/又は合成を含んでいる。あるいは、細菌、菌類、植物、及び動物抽出物の形での天然化合物のライブラリーが利用でき、又は容易に作製される。さらに、天然のライブラリー又は合成的に作製されたライブラリー及び化合物は、従来の化学的、物理的及び生化学的手段を介して容易に改変される。公知の薬剤は、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化のような方向性のある化学改変又はランダムな化学改変を受けて、構造的類似体を作製することができ、それによって、それらを異なる候補剤の状態にすることができる。
候補剤は、タンパク質であってもよい。本明細書で「タンパク質」とは、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、及びペプチドを含む、少なくも2つの共有結合的に取り付けられたアミノ酸を意味する。タンパク質は、天然のアミノ酸及びペプチド結合、又は合成ペプチド模倣構造で構成されていてもよい。したがって、「アミノ酸」又は「ペプチド残基」は、本明細書で使用するとき、天然及び合成アミノ酸の双方を意味する。例えば、ホモフェニルアラニン、シトルリン、及びノルロイシンは、本明細書に記載された方法の目的に関してはアミノ酸とみなされる。「アミノ酸」はまた、プロリン及びヒドロキシプロリンのようなイミノ酸残基を含む。側鎖は、(R)又は(S)構造のいずれかに存在することができる。非天然側鎖が使用される場合、非アミノ酸置換を(例えば、インビボ分解を妨げる又は遅延させるために)利用することができる。酵素のペプチドインヒビターによって特定の利用がわかる。
候補剤は、天然タンパク質又は天然タンパク質の断片であってもよい。したがって、例えば、タンパク質を含む細胞抽出物、又はランダムに若しくは方向性を持つタンパク質性の分解物を使用することができる。このようにして、原核生物及び真核生物のタンパク質のライブラリーを、本明細書で記載したシステムにおいてスクリーニング用に作製することができる。本実施形態において特に好ましいものは、細菌、菌類、ウイルス、及び哺乳動物のタンパク質のライブラリーである。後者が好まれ、ヒトタンパク質は、特に好ましい。
候補剤は、タンパク質の部類である、抗体であってもよい。「抗体」と言う用語は、全長抗体又は抗体断片を含み、当該分野で公知のような、Fab、Fab2、1本鎖抗体(例えばFv)、キメラ抗体、ヒト化及びヒト抗体等、抗体全体の改変によってもたらされるか組換えDNA技術を用いて新たに合成されたいずれかの抗体、及びそれらの誘導体を含む。
候補剤は、核酸であってもよい。「核酸」若しくは「オリゴヌクレオチド」又は本明細書において文法的に同等のものは、お互いが共有結合的に連結した少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。本明細書で記載した方法の核酸は、通常、ホスホジエステル結合を含んでいる。しかし、いくつかのケースでは、下記で述べるように、別のバックボーンを有し得る核酸類似体が含まれる。核酸類似体は、例えば、ホスホルアミド(Beaucageら, Tetrahedron, 49(10):1925 (1993)及びその中で引用されたもの;Letsinger, J. Org. Chem., 35:3800 (1970); Sprinzlら., Eur. J. Biochem., 81:579 (1977); Letsingerら.,Nucl. Acids Res., 14:3487 (1986);Sawaiら., Chem. Lett., 805 (1984), Letsingerら, J. Am. Chem. Soc., 110:4470 (1988);及びPauwelsら, Chemica Scripta, 26:141 (1986))、ホスホロチオエート(Magら, Nucleic Acids Res., 19:1437 (1991);及び米国特許第5,644,048号)、ホスホロジチオエート(Briuら, J. Am. Chem. Soc., 111:2321 (1989))、O-メチルホスホロアミダイト連結(Eckstein, Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach, Oxford University Press参照)、並びにペプチド核酸バックボーン及び連結(Egholm, J. Am. Chem. Soc., 114:1895 (1992);Meierら, Chem. Int. Ed. Engl., 31:1008 (1992);Nielsen, Nature, 365:566 (1993);Carlssonら, Nature, 380:207 (1996)を参照されたい。これらは全て参照によって取り込まれる)を含んでいる。他のアナログ核酸は、ポジティブバックボーン(Denpcyら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 92:6097 (1995))、非イオン型バックボーン(米国特許第5,386,023号;5,637,684号;5,602,240号;5,216,141号;及び4,469,863号; Kiedrowshiら, Angew. Chem. Intl. Ed. English, 30:423 (1991); Letsingerら, J. Am. Chem. Soc., 110:4470 (1988); Letsingerら, Nucleoside & Nucleotide, 13:1597 (1994);Chapters 2 and 3, ASC Symposium Series 580, “Carbohydrate Modifications in Antisense Research”, Ed. Y.S. Sanghui and P. Dan Cook; Mesmaekerら., Bioorganic & Medicinal Chem. Lett., 4:395 (1994); Jeffsら, J. Biomolecular NMR, 34:17 (1994); Tetrahedron Lett., 37:743 (1996))、及び非リボースバックボーン(米国特許第5,235,033号及び5,034,506号並びにChapters 6 and 7, ASC Symposium Series 580, “Carbohydrate Modifications in Antisense Research”, Ed. Y.S. Sanghui and P. Dan Cookで記載されたものを含む)並びにペプチド核酸をもつものを含む。一以上の炭素環式糖を含む核酸も、核酸の定義中に含まれる(Jenkinsら., Chem. Soc. Rev., (1995) pp. 169-176を参照されたい)。いくつかの核酸類似体が、Rawls, C & E News, June 2, 1997, page 35.の中で記載されている。上記文献の全ては、参照によって明示的に取り込まれる。リボースリン酸バックボーンの改変を行い、標識のような付加的な部分の付加を促進させたり、又は生理環境における前記分子の安定化及び半減期を増加させることができる。さらに、天然の核酸及び類似体の混合体を作ることができる。あるいは、異なる核酸類似体の混合物並びに天然の核酸及び類似体の混合体を作ることができる。核酸は、1本鎖若しくは2本鎖、又は、特定の時に二本鎖若しくは一本鎖配列の両方の部分を含むことができる。核酸は、DNA、ゲノム及びcDNAの両方、RNA、又はハイブリッドであってもよい。ここで、核酸は、デオキシリボ及びリボヌクレオチドのあらゆる組み合わせ、そしてウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キササニン(xathanine)、ヒポキササニン(hypoxathanine)、イソシトシン、イソグアニン、4-アセチルシトシン、8-ヒドロキシ-N6-メチルアデノシン、アジリジニルシトシン、シュードイソシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウラシル、5-カルボキシメチル-アミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルアデニン、1-メチルシュードウラシル、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-メチルアデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メソキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン、5-メソキシカルボニルメチルウラシル、5-メソキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、オキシブトキソシン、シュードウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、N-ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、シュードウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、及び2,6-ジアミノプリン等のあらゆる塩基の組み合わせを含む。
上記のように、通常、タンパク質に関しては、核酸候補剤を、天然の核酸、ランダム及び/又は合成核酸とすることができる。例えば、原核生物若しくは真核生物ゲノムの分解は、タンパク質について上記で概説したように使用することができる。さらに、RNA干渉配列(RNAi’s)が、本明細書に含まれる。
さらに、候補剤は、化学物質、薬物リード、公知薬、生物学的因子又は化合物(これら全ては、以下で定義される)を含む。
「化学物質」は、新しいか公知かにかかわらず、可能性のある治療薬(薬物又は薬物候補又は薬物リード)を発見するという、又は毒性効果(工業用化学薬品、殺虫剤、除草剤、食品添加剤、化粧品等)を明らかにするという、目標に向かって生物学的又は生化学的活性に関してそれをスクリーニングする目的で生物システムに投与されるあらゆる化学薬品を含む。
「薬物リード」又は「薬物候補」は、本明細書では、可能性のある治療薬(薬物)として評価されている化学物質又は生物学的分子として定義される。「薬剤」又は「作用剤」は、本明細書では同義的に使用され、可能性ある治療剤として投与され、認可され若しくは治験中である、又は公知治療剤である、あらゆる物質の組成物(例えば、化学物質、又は生物学的因子)を表している。
「公知の薬物」又は「公知の薬剤」又は「既に承認された薬物」とは、ヒト若しくは動物において薬としての治療上の使用が米国又は他国の管轄において承認された化合物(すなわち、化学物質又は生物学的因子)を言う。本明細書に記載された方法の下で、用語「既に認可された薬物」とは、本明細書で開示された方法を用いて試験された適応とは異なった適応についての承認を有する薬物を意味する。乾癬及びフルオキセチンを例として用いると、本明細書で記載の方法は、FDA(及び他国の管轄)によりうつ病の治療用に承認された薬物であるフルオキセチンを乾癬のバイオマーカー(例えば角化細胞の増殖、又はケラチン合成)に対する効果用に試験することが可能である。つまり、フルオキセチンで乾癬を治療することは、FDAや他の管轄によって承認された適用ではない。このように、既に承認された薬物(本例ではフルオキセチン)に関する新しい用途(本例では、抗乾癬効果)を見つけることができる。
「生物学的因子」とは、生物学的又は生理学的活性(例えば、予防効果、治療効果、及び/又は毒性効果)をもった生物によって作られる化合物を言う。生物学的因子の例は、限定はしないが、ワクチン、ポリクローナル若しくはモノクローナル抗体、組換えタンパク質、単離されたタンパク質、可溶性受容体、遺伝子治療産物、環境有害物質等を含む。本明細書で使用する場合、用語「生物製剤」は「生物学的因子」と同義である。
本開示の下で「組成物」とは、あらゆる新しい化学物質、化学物質、薬物リード、薬物候補、薬物、薬剤、作用剤、公知の薬物、公知の薬剤、既に承認された薬物、生物製剤、又は生物学的因子、食品添加物、工業用化学物質、環境汚染物質等を意味する。本用語は、全ての化学分子及び生物学的分子を包含することを意味する。
「被験体」とは、記載した実験又は方法若しくは工程の生きている対象(生体)を意味する。全ての被験体は、生物システムである。一の実施形態で、被験体はヒトであってもよい。他の実施形態で、被験体はウサギ又はげっ歯類又はヒト以外の霊長類であってもよい。あるいは、用語「被験体」は、あらゆる他の生物システムをも包含する。
「生物システム」は、本明細書では、細胞、細胞株、組織、器官又は生物を含むあらゆる生きている実在物を意味する。生物の例は、あらゆる動物、好ましくは脊椎動物、より好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを含む。哺乳動物の例は、ヒト以外の霊長類、家畜、愛玩動物(例えば、ネコやイヌ)、及び研究動物(例えば、マウス、ラット、及びヒト)を含む。
「生物学的サンプル」は、生物システム又は被験体から得られるあらゆるサンプルを包含する。本定義は、血液、組織、及び生物システム又は被験体から採取することができる生物起源の他のサンプルを包含する。好ましくは、生物学的サンプルは、低侵襲的又は非侵襲的アプローチ(例えば、採尿、便採取、採血、針吸引、及び最小限のリスク、不快若しくは努力を伴う他の方法)によるサンプリングを通して得られる。生物学的サンプルは、気体(例えば呼気)とすることができる。生物学的サンプルは、しばしば液体(時々、「生体液」と呼ばれる)である。液体生物学的サンプルは、限定はしないが、尿、血液、間質液、浮腫液、唾液、涙液、炎症性滲出液、滑液、膿瘍、蓄膿若しくは他の感染液、脳脊髄液、汗、肺の分泌物(痰)、精液、糞便、胆汁、腸分泌液及びその他のものを含む。生物学的サンプルは、採取後にいくつかの方法(例えば、タンパク質又はポリヌクレオチドのようないくつかの成分についての試薬による処理、可溶化、又は濃縮)で操作されたサンプルを含む。用語「生物学的サンプル」はまた、血清、血漿、他の体液、又は組織サンプルのような臨床サンプルを包含し、かつ培養細胞、細胞上清、及び細胞溶解物も含む。
方法
本明細書に記載された方法は、膵臓β細胞充足性を決定するのに有用である。膵臓β細胞充足性は、インスリン抵抗性を補償する被験体の能力を示す。さらに、本方法は、インスリン抵抗性のレベルを決定するのにも有用である。インスリン抵抗性は、インスリンの作用に対する組織の感受性の減少を示す。まとめて捉えると、膵臓β細胞充足性とインスリン抵抗性は、2型糖尿病発症の感受性、又はより悪化したDM2への進行の可能性を高度に予測する。膵臓β細胞充足性及び/又はインスリン抵抗性の決定は、本明細書に記載したような非常に多くの他の利用も有し得る。
本明細書に記載された方法は、膵臓β細胞充足性を決定するのに有用である。膵臓β細胞充足性は、インスリン抵抗性を補償する被験体の能力を示す。さらに、本方法は、インスリン抵抗性のレベルを決定するのにも有用である。インスリン抵抗性は、インスリンの作用に対する組織の感受性の減少を示す。まとめて捉えると、膵臓β細胞充足性とインスリン抵抗性は、2型糖尿病発症の感受性、又はより悪化したDM2への進行の可能性を高度に予測する。膵臓β細胞充足性及び/又はインスリン抵抗性の決定は、本明細書に記載したような非常に多くの他の利用も有し得る。
A.同位体標識した前駆体の投与
1.糖を含む組成物(糖組成物)
糖を含む組成物は、単糖類、多糖類、又は単糖類若しくは多糖類に結合した他の化合物を含み得る。同位体標識された糖組成物を単糖類として又は単糖残基を含む高分子として被験体に投与することができる。同位体標識された糖組成物は、2H、3H、18O、14C、13C、又は他の同位体で標識することができる。同位体標識された糖組成物を単糖類として、又は単糖残基からなる高分子として被験体に投与することができる。同位体標識された単糖類は、市販のものを容易に入手することができる(例えば、Cambridge Isotopes, Massachusetts)。投与には比較的低量の同位体標識された糖組成物が必要である。量は、ミリグラムのオーダー、101 mg、102 mg、103 mg、104 mg、105 mg又は106 mgとすることができる。同位体標識された糖の富化状態(enrichment)は、週若しくは月の期間、ヒトの中で及び動物の中で、なんら毒性の徴候もなしに維持することができる。市販の同位体標識された単糖が低額なこと、及び投与に必要な量が低量であることにより、低額で富化状態を維持することができる。
1.糖を含む組成物(糖組成物)
糖を含む組成物は、単糖類、多糖類、又は単糖類若しくは多糖類に結合した他の化合物を含み得る。同位体標識された糖組成物を単糖類として又は単糖残基を含む高分子として被験体に投与することができる。同位体標識された糖組成物は、2H、3H、18O、14C、13C、又は他の同位体で標識することができる。同位体標識された糖組成物を単糖類として、又は単糖残基からなる高分子として被験体に投与することができる。同位体標識された単糖類は、市販のものを容易に入手することができる(例えば、Cambridge Isotopes, Massachusetts)。投与には比較的低量の同位体標識された糖組成物が必要である。量は、ミリグラムのオーダー、101 mg、102 mg、103 mg、104 mg、105 mg又は106 mgとすることができる。同位体標識された糖の富化状態(enrichment)は、週若しくは月の期間、ヒトの中で及び動物の中で、なんら毒性の徴候もなしに維持することができる。市販の同位体標識された単糖が低額なこと、及び投与に必要な量が低量であることにより、低額で富化状態を維持することができる。
一の具体的なバリエーションにおいて、同位体標識された糖組成物は、2H-グルコースである。図6は、2H標識されたグルコースの運命を示している。グルコースは、解糖系及びクエン酸回路で代謝される。解糖系は、グルコースのC-H結合からほとんどのH原子を遊離させ、クエン酸回路を介した酸化は、全H原子をH2Oに確実に引き渡す。グルコースによる3H-又は2H-標識の喪失は、グルコースの細胞内代謝経路である解糖系を評価するのに用いられてきた(Katz, J., and R. Rognstad. Futile cycles in the metabolism of glucose. In: Current Topics in Cellular Regulation. Vol 10, edited by B. Horecker and E. Stadman. New York: Academic Press, 1976, p. 238-239.)。何人かの研究者らは、解糖系の測定として静脈内投与した3Hグルコースから3H2O内への3Hの放出を用いた(Rossetti L, Lee YT, Ruiz J, Aldridge SC, Shamoon H, Boden G. Quantitation of glycolysis and skeletal muscle glycogen synthesis in humans. Am J Physiol 265:E761-9, 1993)。本開示前に、2H-グルコースから2H2O中への放出は、これまで使用されていなかった。なぜなら、標識されたグルコースの2H投与に対して体内水分のプールは非常に多量であり、測定可能な2H2Oレベルを達成することが期待できないためである。さらなるバリエーションにおいて、標識されたグルコースは、[6,6-2H2]グルコース、[1-2H1]グルコース、及び[1,2,3,4,5,6-2H7]グルコースであってもよい。
他のバリエーションにおいて、同位体標識された糖組成物は、フルクトース又はガラクトースを含むことができる。フルクトースは、フルクトース一リン酸経路を介して、及び二次的にへキソキナーゼによるフルクトース6リン酸のリン酸化を通して解糖系に入る。ガラクトースは、ガラクトース−グルコース相互変換経路を介して解糖系に入る。
使用できる他の単糖類は、限定はしないが、トリオース、ペントース、ヘキソース、及びより高次の単糖を含む。さらに単糖類は、限定はしないが、アルドースやケトンを含む。
他のバリエーションにおいて、同位体標識された糖組成物は、ポリマーを含んでいてもよい。ポリマーは、多糖類を含むことができる。例えば、多糖類である標識されたグリコーゲンは、グルコース残基を含んでいる。他のバリエーションで、標識された多糖類は導入されてもよい。さらなるバリエーションとして、標識された糖単量体がスクロース(グルコースα-(1,2)-フルクトース)、ラクトース(ガラクトースβ-(1,4)-グルコース)、マルトース(グルコースα-(1,4)-グルコース)、スターチ(グルコース多量体)、又は他の多量体の成分として投与することができる。
一のバリエーションにおいて、糖組成物は、同位体標識された糖組成物及び標識されていない糖組成物の混合物である。
一のバリエーションにおいて、同位体標識された糖組成物は、水溶液中に溶解され、かつヒト被験体に経口投与される35グラムの非標識グルコースと混合した15グラムの6,6,-2H2-グルコースである。他のバリエーションでは、糖組成物は、水溶液中に溶解され、かつヒト被験体に経口投与される60グラムの非標識グルコースと混合した15グラムの6,6,-2H2-グルコースである。他のバリエーションにおいて、水溶液は、風味付け若しくは色づけ、又はその両方がされている。
一のバリエーションにおいて、同位体標識された糖組成物は、経口チューブによって動物被験体に投与される6,6,-2H2-グルコースである。また、投与される量は、被験体の体重に基づいて決定される。
一のバリエーションにおいて、標識された糖は、経口的に、経管栄養補給により、腹腔内に、静脈内に、皮下に、又は他の身体経路で投与することができる。他のバリエーションで、糖は、被験体に経口で、任意により食物や飲料の一部として投与することができる。他のバリエーションにおいて、糖は他の経路によって投与される。
一のバリエーションにおいて、被験体は、哺乳動物であってもよい。他のバリエーションにおいて、被験体は、げっ歯類、霊長類、ハムスター、モルモット、イヌ、又はブタであってもよい。被験体は、実験動物であってもよい。他のバリエーションで、被験体は、ヒトであってもよい。
B.被験体からの一以上の生物学的サンプルの採取
生物学的サンプル(例えば、上記で定義したような)が、被験体から採取される。生物学的サンプルを採取する具体的な方法は、当該分野において周知である。一のバリエーションにおいて、水をサンプルから部分的に精製することができる。他のバリエーションにおいて、水をサンプルから単離することができる。
生物学的サンプル(例えば、上記で定義したような)が、被験体から採取される。生物学的サンプルを採取する具体的な方法は、当該分野において周知である。一のバリエーションにおいて、水をサンプルから部分的に精製することができる。他のバリエーションにおいて、水をサンプルから単離することができる。
一のバリエーションにおいて、一以上の生物学的サンプルを一定期間後に採取することができる。他のバリエーションにおいて、一以上の生物学的サンプルを複数回採取することができる。一以上の生物学的サンプルは、標識された糖組成物の投与前に採取されてもよい。
C.糖代謝産物の同位体量の測定
いくつかの実施形態において、糖代謝産物内の同位体標識の検出は、インビボで行うことができる。他の実施形態で、当該検出はインビトロで行われる。
いくつかの実施形態において、糖代謝産物内の同位体標識の検出は、インビボで行うことができる。他の実施形態で、当該検出はインビトロで行われる。
あらゆる糖代謝産物を、本明細書に記載された方法を用いて見つけることができる。一の実施形態で、糖代謝産物は水である。他の実施形態で、糖代謝産物を、乳酸、ピルビン酸又はNADHとすることができる。
1.質量分析計
同位体標識か、あるいは標識された化学組成物は、質量分析計、特にガスクロマトグラフィー質量分析計(gas chromatography-mass spectrometry:GC-MS)のような様々な方法によって測定することができる。化学組成物中への標識された同位体の取り込みは、直接測定することができる。あるいは、標識された同位体の取り込みは、化学組成物の一以上の加水分解産物又は分解産物中への標識された同位体の取り込みを測定することによって決定することができる。加水分解産物又は分解産物は、任意で、前述したような、あらゆる公知の分離方法による部分的精製又は単離の後に測定することができる。
同位体標識か、あるいは標識された化学組成物は、質量分析計、特にガスクロマトグラフィー質量分析計(gas chromatography-mass spectrometry:GC-MS)のような様々な方法によって測定することができる。化学組成物中への標識された同位体の取り込みは、直接測定することができる。あるいは、標識された同位体の取り込みは、化学組成物の一以上の加水分解産物又は分解産物中への標識された同位体の取り込みを測定することによって決定することができる。加水分解産物又は分解産物は、任意で、前述したような、あらゆる公知の分離方法による部分的精製又は単離の後に測定することができる。
質量分析計は、サンプルの成分を直ちに移動性気体イオンに変換し、それらをその質量電荷比に基づいて分離する。イオンの同位体若しくはアイソトポログ、又はイオン断片の分布を使用して、一以上の化学組成物、又は化学若しくは生化学的分解産物における同位体の富化を測定することができる。
一般に、質量分析計は、イオン化手段と質量分析部を含む。多くの異なるタイプの質量分析計が、当該分野で知られている。これらは、限定はしないが、磁場型分析計、静電気分析計、四重極、イオントラップ、飛行時間質量分析計、及びフーリエ変換分析計を含む。さらに、2以上の質量分析計を結合して(MS/MS)、最初に前駆体イオンを分離し、次に気相イオン断片を分離し、かつ測定することができる。
質量分析計はまた、多数の異なるイオン化方法を含んでいてもよい。これらは、限定はしないが、電子衝撃、化学イオン化、及び電解イオン化のような気相イオン化源、並びに電解脱離、高速原子衝撃、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化、及び表面増強レーザー脱離/イオン化のような脱離源を含む。
さらに、質量分析計は、ガスクロマトグラフィー(GC)及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のような分離手段と結合することができる。ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC/MS)では、ガスクロマトグラフからのキャピラリーカラムが、直接質量分析計に結合されており、任意でジェットセパレーターを用いている。このようなアプリケーションにおいて、ガスクロマトグラフィー(GC)カラムは、サンプル成分をサンプルガス混合物から分離し、分離された成分は質量分析計でイオン化され、そして化学的に分析される。
質量分析計の多くのタイプを本明細書に記載の方法で使用して、必要な測定をすることができる。質量分析計は、熱分解部、燃焼部、GC部、又はそれらの組み合わせと一体化することができる同位体比率質量分析計であってもよい。質量分析計は、サイクロイド質量分析計であってもよい。質量分析計は、上記で論じた又は当該分野で公知のいずれかのタイプの質量分析計であってもよい。測定は、生物学的サンプルで直接行うことができる。あるいは分析前にさらに処理してもよい。処理は、水の共有結合修飾、水からの水素若しくは重水素の抽出、又は化学修飾の他のタイプを含むことができる。当該処理は、生物学的サンプル全体、生物学的サンプルの分画、又は生物学的サンプルの精製された成分で行うことができる。
一般に、本明細書で想定される測定は、異なる量で処理された多様なサンプルタイプにおいて、多様な様式で作動する様々な機器のタイプを用いて実行することができる。上記に限定はされない。
さらに、同位体が放射性である場合、同位体含有量又は同位体パターン若しくは存在量を、放射性同位体測定用の当該分野で公知の技術を用いて測定することができる。当該技術は、限定はしないが、液体シンチレーション計測、ガイガー計測、CCDベースの検出、フィルムベースの検出等を含んでいる。
実際の同位体含有量又は同位体パターンは、上記のようにして得られたデータから計算することができる。これらの計算は、利用可能な過去の若しくは基礎的データ、実施する者の好み、所望の精度若しくは測定の正確さ、分析に使用される機器のタイプ、及び他の要因によって様々な形態をとり得る。計算例を、以下に示す。
2.相対及び絶対質量アイソトポマー存在量の計算
質量分析計は、サンプル中の異なる質量分子若しくは原子の相対量を測定する。これらの量は、しばしば存在量と言われる。測定された質量スペクトルピークの高さか、あるいはピーク下面積は、親(ゼロ質量同位体)アイソトポマーに対する比率として表すことができる。当然ながら、サンプル中のアイソトポマーの存在量についての相対値及び絶対値を提供するあらゆる計算手段を、本明細書で記載した方法の目的のために前記データの説明に利用することができる。一の実施形態において、異なる質量アイソトポマーの相対存在量は、GC/MSで測定され、所与のアイソトポマーの過剰モル率(molar percent excess:MPE)が算出される。他の実施形態で、異なる同位体の相対的存在量がGC-燃焼同位元素比率質量分析計(GCC-IRMS)、又はGC-熱分解同位元素比率質量分析(GCP-IRMS)によって原子レベルで測定され、所与のアイソトポマーの過剰原子率(atom percent excess)が算出される。
質量分析計は、サンプル中の異なる質量分子若しくは原子の相対量を測定する。これらの量は、しばしば存在量と言われる。測定された質量スペクトルピークの高さか、あるいはピーク下面積は、親(ゼロ質量同位体)アイソトポマーに対する比率として表すことができる。当然ながら、サンプル中のアイソトポマーの存在量についての相対値及び絶対値を提供するあらゆる計算手段を、本明細書で記載した方法の目的のために前記データの説明に利用することができる。一の実施形態において、異なる質量アイソトポマーの相対存在量は、GC/MSで測定され、所与のアイソトポマーの過剰モル率(molar percent excess:MPE)が算出される。他の実施形態で、異なる同位体の相対的存在量がGC-燃焼同位元素比率質量分析計(GCC-IRMS)、又はGC-熱分解同位元素比率質量分析(GCP-IRMS)によって原子レベルで測定され、所与のアイソトポマーの過剰原子率(atom percent excess)が算出される。
a.同位体含有量又は同位体パターンの計算
I.過剰モル率(MPE)
同位体含有量又は同位体パターンは、上記のようにして集められた存在量データから算出することができる。一の実施形態で、同位体含有量又は同位体パターンは、過剰モル率(MPE)として表される。MPEを測定するために、実施者は、まず目的の分子(通常、目的の分子は、安定同位体標識された糖の安定同位体標識された代謝産物である)のアイソトポマーの分散存在量を測定する。これは、GC/MS由来の存在量データのような存在量データから、質量アイソトポマーMxの分散存在量の測定用の一般的形である以下の方程式を用いて、算出することができる。
I.過剰モル率(MPE)
同位体含有量又は同位体パターンは、上記のようにして集められた存在量データから算出することができる。一の実施形態で、同位体含有量又は同位体パターンは、過剰モル率(MPE)として表される。MPEを測定するために、実施者は、まず目的の分子(通常、目的の分子は、安定同位体標識された糖の安定同位体標識された代謝産物である)のアイソトポマーの分散存在量を測定する。これは、GC/MS由来の存在量データのような存在量データから、質量アイソトポマーMxの分散存在量の測定用の一般的形である以下の方程式を用いて、算出することができる。
[式中、0〜nは、存在量が生じる最低質量(M0)質量アイソトポマーに対する見かけの質量の範囲である]。
一旦、分散存在量が決定されれば、ベースライン、過去のベースライン、理論上のベースライン、又は他の前記参照値(上記のようにして得られた)と比較され、MPEが測定される。MPEは、以下の方程式を使用することで計算される。
[式中、下付き文字eは富化(enrichment)されたことを表し、及びbはベースライン又は自然存在量を表す]。
一旦、MPEが決定されると、安定同位体標識された糖に由来する分子の分散、又は内因性分子による希釈度を決定することができる。両ケースで、MPEは、最大可能過剰モル率を表す値と比較される。目的の分子が同位体標識された糖の代謝によって生じる場合(例えば、2H2グルコースからの2H2Oの産生)、前駆体のMPEを測定し、直接的に又は最大可能MPEの算出用のベースとして利用することができる。最大可能MPEは、過去のデータから、投与した同位体標識された糖の量に基づく計算から、被験体の特性(例えば、体重、身体組成)を考慮に入れた同様の計算から、純粋に理論的計算から、並びに評価、測定及び既往のデータ分析の他の組み合わせから決定することもできる。最大可能MPEは、完全に標識された目的の分子を含むことがわかっている別の生物学的サンプルのMPEを測定することによって決定してもよい。標識の希釈については、最大可能MPEは、投与された同位体標識された糖組成物のMPEに基づく。
出願人は、同位体標識の取り込み及びアイソトポマー分布の分野ではかなりの経験を有しており、かつ同位体含有量又は同位体パターンの計算や分析に関連する多くの技術及び計算法を開発してきた。これらは、質量アイソトポマー分布解析(MIDA)を含み、また、米国特許第5,338,686号、5,910,403号、及び6,010,846号の中で広範囲にわたり、具体的に記載されている。これらは、参照によりその全てを本明細書に組み込む。MIDAのバリエーション及び他の関連する技術は、さらに、多くの当業者に公知の異なる文献に記載されている。例えば、Hellerstein and Neese (1999)、並びにChinkesら. (1996)、及びKelleher and Masterson (1992)、米国特許出願第10/279,399号、及び米国特許出願第10/701,990号が含まれる。これら全ては、参照によりその全てを本明細書に組み込む。
上記引用文献に加えて、本方法を実行する計算ソフトウェアをカリフォルニア大バークレー校のMarc Hellerstein教授から公的に入手することができる。
II.原子過剰率(APE)
同位体含有量又は同位体パターンは、上記のようにして集められた存在量データから算出することができる。一の実施形態において、同位体含有量又は同位体パターンは、原子過剰率(APE)として表される。APEを決定するために、実施者は、まず、目的の分子中の目的の同位体の分散存在量(通常、目的の分子は、安定同位体標識された糖の安定同位体標識された代謝産物である)を決定する。これは、以下の方程式を用いてGCC-IRMS又はGCP-IRMSに由来するような存在量データから算出することができる。この方程式は、同位体IXの分散存在量の測定の一般的な形である。
同位体含有量又は同位体パターンは、上記のようにして集められた存在量データから算出することができる。一の実施形態において、同位体含有量又は同位体パターンは、原子過剰率(APE)として表される。APEを決定するために、実施者は、まず、目的の分子中の目的の同位体の分散存在量(通常、目的の分子は、安定同位体標識された糖の安定同位体標識された代謝産物である)を決定する。これは、以下の方程式を用いてGCC-IRMS又はGCP-IRMSに由来するような存在量データから算出することができる。この方程式は、同位体IXの分散存在量の測定の一般的な形である。
[式中、0〜nは、存在量を測定する選択された原子の同位体の可能性のある範囲である]。
一旦、分散存在量が決定されると、その存在量は、ベースライン、過去のベースライン、理論上のベースライン、又は他の前記参照値(上記のようにして得られたもの)と比較され、原子過剰率(Atom Percent Excess: APE)が決定される。これは、以下の方程式を用いて算出される。
[式中、下付き文字eは、富化(enrichment)されたことを意味し、及びbはベースライン又は自然存在量を意味する]。
一旦、APEが決定されると、安定同位体標識された糖に由来する分子の分散、又は内因性分子による希釈度を決定することができる。これは、上記のようにして実行されるが、理論上の最大APEの場合には、さらなる計算を必要としてもよい。このような計算は、当業者に知られている。
III.原子過剰率(APE)
記載された本方法において、同位体含有量若しくは同位体パターンは、しばしばMPEで、又はAPEで表される。過剰モル率は、時々EMXとして表記され、所与の質量の過剰モル率(ベースラインサンプル、過去のベースラインデータ、又は予測されたベースラインと比較したときの解析されている分子の質量の可能性のある全てに関して)と呼ばれる。投与された同位体標識された糖若しくは糖組成物と同位体標識された代謝産物の多くの組み合わせが、想定されている。
記載された本方法において、同位体含有量若しくは同位体パターンは、しばしばMPEで、又はAPEで表される。過剰モル率は、時々EMXとして表記され、所与の質量の過剰モル率(ベースラインサンプル、過去のベースラインデータ、又は予測されたベースラインと比較したときの解析されている分子の質量の可能性のある全てに関して)と呼ばれる。投与された同位体標識された糖若しくは糖組成物と同位体標識された代謝産物の多くの組み合わせが、想定されている。
3.代謝
極めて低量の同位体で標識された代謝産物を検出することができる。同位体標識された代謝産物は、水であってもよい。一の実施形態で、1/103の同位体標識された代謝産物を同定することができる。他の実施形態で、1/104の同位体標識された代謝産物を同定することができる。他の実施形態で、1/105の同位体標識された代謝産物を同定することができる。他の実施形態で、1/106の同位体標識された代謝産物を同定することができる。他の実施形態で、1/107の同位体標識された代謝産物を同定することができる。
極めて低量の同位体で標識された代謝産物を検出することができる。同位体標識された代謝産物は、水であってもよい。一の実施形態で、1/103の同位体標識された代謝産物を同定することができる。他の実施形態で、1/104の同位体標識された代謝産物を同定することができる。他の実施形態で、1/105の同位体標識された代謝産物を同定することができる。他の実施形態で、1/106の同位体標識された代謝産物を同定することができる。他の実施形態で、1/107の同位体標識された代謝産物を同定することができる。
4.糖代謝後の同位体標識された代謝産物の検出
糖摂取の結果を測定する方法は、糖代謝産物を測定することによって達成することができる。同位体標識された糖を含む化合物が僅かな量で投与された場合、燃料(糖を含む)の酸化に由来する同位体標識された代謝産物の生産率は、同位体標識された代謝産物を比較的高いレベルに十分に到達させる。
糖摂取の結果を測定する方法は、糖代謝産物を測定することによって達成することができる。同位体標識された糖を含む化合物が僅かな量で投与された場合、燃料(糖を含む)の酸化に由来する同位体標識された代謝産物の生産率は、同位体標識された代謝産物を比較的高いレベルに十分に到達させる。
あるいは、同位体標識された糖を重合して、標識されたグリコーゲンを形成することができる。その後、当該標識されたグリコーゲンを測定してもよい。
同位体標識された水又は同位体標識された代謝産物生産は、ベースライン値用に補正してもよい。
D.生物学的サンプル中のインスリン濃度の測定
生物学的サンプル中のインスリン濃度を測定する多くの技術が利用できる。例えば、酵素固定化免疫測定法(ELISA)若しくはラジオイムノアッセイ法(RIA)キットを購入し(このようなキットの多くのメーカーが存在する。例えば、Crystal Chem, Inc, Downer’s Grove, ILである)、添付の説明書に従って使用して、生物学的サンプル中のインスリン濃度を測定することができる。あるいは、サンプルを分析のために、出来高ベースで前記分析を行う商業ラボに送ることができる(例えば、Linco Research, St Charles, MO)。
生物学的サンプル中のインスリン濃度を測定する多くの技術が利用できる。例えば、酵素固定化免疫測定法(ELISA)若しくはラジオイムノアッセイ法(RIA)キットを購入し(このようなキットの多くのメーカーが存在する。例えば、Crystal Chem, Inc, Downer’s Grove, ILである)、添付の説明書に従って使用して、生物学的サンプル中のインスリン濃度を測定することができる。あるいは、サンプルを分析のために、出来高ベースで前記分析を行う商業ラボに送ることができる(例えば、Linco Research, St Charles, MO)。
E.インスリンAUC (INS AUC)の算出、及び発症要因の算出
投与された糖組成物から糖代謝産物への同位体標識の取り込みが測定され、インスリンレベルが決定された後、データをDM2に関連する2つのパラメータ、すなわち、膵臓応答の充足性(生成された標識された代謝産物のモル数、又は使用されたグルコースのモル数、例えば、生成された2H2Oモル数)、及び組織におけるインスリン抵抗性のレベル(INS AUCで割った生成された標識代謝産物のモル数、又はINS AUCで割った利用された糖のモル数、例えば2H2Oモル/INS AUC)を計算するために分析することができる。
投与された糖組成物から糖代謝産物への同位体標識の取り込みが測定され、インスリンレベルが決定された後、データをDM2に関連する2つのパラメータ、すなわち、膵臓応答の充足性(生成された標識された代謝産物のモル数、又は使用されたグルコースのモル数、例えば、生成された2H2Oモル数)、及び組織におけるインスリン抵抗性のレベル(INS AUCで割った生成された標識代謝産物のモル数、又はINS AUCで割った利用された糖のモル数、例えば2H2Oモル/INS AUC)を計算するために分析することができる。
1.同位体標識された代謝産物の生成量の算出
生成される同位体標識された代謝産物量は、被験体の全身の水分を決定することによって決定される。その後、同位体標識された代謝産物を測定濃度倍で代謝産物が希釈される被験体の全プールの容量に乗じる。同位体標識された水以外の同位体標識された代謝産物(例えば、乳酸、ピルビン酸、NADH等)を利用した実施形態では、利用される代謝産物の全身プールが決定される。
生成される同位体標識された代謝産物量は、被験体の全身の水分を決定することによって決定される。その後、同位体標識された代謝産物を測定濃度倍で代謝産物が希釈される被験体の全プールの容量に乗じる。同位体標識された水以外の同位体標識された代謝産物(例えば、乳酸、ピルビン酸、NADH等)を利用した実施形態では、利用される代謝産物の全身プールが決定される。
もし、同位体標識された代謝産物が水であるのなら、全身の水分が測定される。これは、当該分野で公知の技術を用いて行われ、被験体の除脂肪体重を測定すること(例えば、生体電気インピーダンステストによって)を含んでいてもよく、その後、被験体の水分総量を測定するために正規方程式を適用する。あるいは、H2 18Oの既知の量を被験体に同位体標識された糖組成物と同時に、又は糖組成物の投与に前後した、ある時点で投与することができ、かつ一定期間後に生物学的サンプルが採取される(サンプルは、インスリン若しくは同位体標識された代謝産物測定のために回収されてもよく、又は異なるサンプルであってもよい)。サンプル中の18O APEが、その後、上記のように決定され、それから全身の水分プールのサイズが下記で詳述する希釈法によって決定される。
一の実施形態において、2H標識された糖組成物の投与後3時間のヒト被験体から採取された血液サンプルは、.000026(すなわち、体水分の0.0026%が2H2Oである - 2HのAPEが.0026%である)の分散血液2H2Oレベルを有する。本被験体は、生体インピーダンスにより、全身水分プールが45リットルであることがわかっている。2H2O率は、2H2Oのmlで与えられる全容積倍を乗じたものである。
水の密度は1とされているので、2H2Oの1.17 mlは、1.17グラムの2H2Oが生成されることを意味する。生成される2H2Oモルを得るために、2H2Oの質量が2H2Oの分子量(20グラム/モル)で割られる:
1.17グラム/ (20グラム/モル)=.0585モル=58.5ミリモル
1.17グラム/ (20グラム/モル)=.0585モル=58.5ミリモル
生成される同位体標識された代謝産物の量(例えば、2H2Oモル)は、インスリン分泌の充足性を示す膵臓β細胞充足性を提供する。しかし、生成される同位体標識された代謝産物の量だけでは、被験体が健康で正常な範囲にあるのか、あるいは被験体が代償されたインスリン抵抗性を示している場合であるのか十分に解明することができない。図3.DM2の発症、又はDM2のより進んだ形態への進行に対する被験体の感受性のより詳細な測定については、被験体のインスリン抵抗性値の測定が特に有用である。
生成される同位体標識された代謝産物の量も、インスリン産生の決定と共に使用し、上記のようにインスリン抵抗性値を決定することができる。
2.インスリンAUCの算出
インスリン曲線下面積(INS AUC又はAUC)は、実験期間を通して、インスリンに対する組織の全曝露を反映している。これは、当該分野で公知の技術を用いて(例えば、「台形」法によって)、糖組成物の投与後に様々な時点で採取された生物学的サンプルで測定されたインスリンレベルを用いることで算出される。ベースライン値も、糖組成物投与前に採取したサンプルから測定することができる。糖組成物投与後の一時点のみを用いてもよいし、又は多数の時点を用いてもよい。異なる時点で採取された少なくとも2つの測定値が、インスリンAUCを決定するのに利用されるはずである。インスリンAUCは、以下の単位で表される:
(濃度)×(時間)
例えば、
(pM/L)×(時間:h)
インスリン曲線下面積(INS AUC又はAUC)は、実験期間を通して、インスリンに対する組織の全曝露を反映している。これは、当該分野で公知の技術を用いて(例えば、「台形」法によって)、糖組成物の投与後に様々な時点で採取された生物学的サンプルで測定されたインスリンレベルを用いることで算出される。ベースライン値も、糖組成物投与前に採取したサンプルから測定することができる。糖組成物投与後の一時点のみを用いてもよいし、又は多数の時点を用いてもよい。異なる時点で採取された少なくとも2つの測定値が、インスリンAUCを決定するのに利用されるはずである。インスリンAUCは、以下の単位で表される:
(濃度)×(時間)
例えば、
(pM/L)×(時間:h)
上記と他のAUC手法の考察については、例えば、Applied Biopharmaceutics and Pharmacokinetics, L. Shargel and A. Yu, authors, 4th edition, McGraw Hill, Medical Publishing Division中で見ることができる。当該文献は、参照によりAUC手法の説明目的に関してその全てを本明細書に組み込む。
あるいは、インスリン産生の他の測定を用いて、被験体のインスリンレベルを評価することができる。例えば、インスリンの最大濃度が測定されてもよく、又は所与の時間における所与の生物学的サンプルのタイプ中のインスリンの濃度が測定されてもよい。一の実施形態において、インスリン産生は、c‐ペプチド・ダイアウェイ曲線を介して測定される。通常、AUCは所与の被験体について計算されるが、単一時点濃度又は他のインスリン測定が、AUCに代わって使用されてもよい。
3.糖尿病発症要因の評価
糖尿病発症の二つの要因が、上記のようにして、各被験体について評価される。一の実施形態において、第1要因であるインスリン感受性若しくは抵抗性は、生成された同位体標識された糖代謝産物のモル数、又はINS AUCで除された生成された糖代謝産物の絶対モル数(例えば、INS AUCで除された生成された2H2Oモル数)で表される。同位体標識された代謝産物/AUCインスリン パラメータの単位は、明確にするために割愛されてもよく(例えば、このパラメータは「単位なし」とみなすことができる)、又は含まれてもよい。別の実施形態において、インスリン感受性若しくは抵抗性は、生成された同位体標識された糖代謝産物のモル数、又はインスリン産生の非INS AUC量で除された生成された糖代謝産物の絶対モル数で表される。第2の要因である膵臓β細胞反応は、生成された標識された代謝産物の絶対モル数(例えば、生成された2H2Oの絶対モル数)又は利用した糖の絶対モル数で表される。各被験体について、これらのパラメータが決定され、その後被験体は、他の被験体、参照値、同様の被験体から得られた過去のデータ、又は同一被験体の以前の測定で得られたデータと比較される。もし、測定が薬物開発の関連で行われるのであれば、測定された発症の要因を、処理若しくは未処理のグループと比較してもよく、処理の開始前に同一被験体から得た測定値と比較してもよい。
糖尿病発症の二つの要因が、上記のようにして、各被験体について評価される。一の実施形態において、第1要因であるインスリン感受性若しくは抵抗性は、生成された同位体標識された糖代謝産物のモル数、又はINS AUCで除された生成された糖代謝産物の絶対モル数(例えば、INS AUCで除された生成された2H2Oモル数)で表される。同位体標識された代謝産物/AUCインスリン パラメータの単位は、明確にするために割愛されてもよく(例えば、このパラメータは「単位なし」とみなすことができる)、又は含まれてもよい。別の実施形態において、インスリン感受性若しくは抵抗性は、生成された同位体標識された糖代謝産物のモル数、又はインスリン産生の非INS AUC量で除された生成された糖代謝産物の絶対モル数で表される。第2の要因である膵臓β細胞反応は、生成された標識された代謝産物の絶対モル数(例えば、生成された2H2Oの絶対モル数)又は利用した糖の絶対モル数で表される。各被験体について、これらのパラメータが決定され、その後被験体は、他の被験体、参照値、同様の被験体から得られた過去のデータ、又は同一被験体の以前の測定で得られたデータと比較される。もし、測定が薬物開発の関連で行われるのであれば、測定された発症の要因を、処理若しくは未処理のグループと比較してもよく、処理の開始前に同一被験体から得た測定値と比較してもよい。
二つのパラメータは、図2で示したように図表でグラフ的に示すことができる。
4.EGP補正
所望であれば、内因性糖産生(endogenous glucose production:EGP)についての補正を希釈法によって行うことができる。数人の患者では、EPG(例えば、グリコーゲン貯蔵からの肝臓でのグルコース産生)が全グルコースの荷重に寄与し得るため、インビボにおける同位体標識された糖組成物を希釈する可能性がある。その結果、上記測定値の結果を歪曲してしまう。このようなシナリオでは、生物学的サンプル(例えば、血液)を安定同位体標識された糖存在量について質量分析で解析することができる。例えば、ヒト被験体が75グラムのグルコース(うち15グラムが6,6-2H2グルコースである)を投与された場合、その後、もしEGPが生じないならば、血液中の2H2グルコースの過剰モル率(EM2)は20%となるであろう。例えば、もし2H2グルコースの過剰モル率が15%しか見られなかった場合、これは25グラムのグルコースが内因的に生成されたことを意味する。これらの計算に関する詳細な考察については、Robert R. Wolfe, Radioactive and Stable Isotope Tracers in Biomedicine (Wiley-Liss 1992)を参照されたい。
所望であれば、内因性糖産生(endogenous glucose production:EGP)についての補正を希釈法によって行うことができる。数人の患者では、EPG(例えば、グリコーゲン貯蔵からの肝臓でのグルコース産生)が全グルコースの荷重に寄与し得るため、インビボにおける同位体標識された糖組成物を希釈する可能性がある。その結果、上記測定値の結果を歪曲してしまう。このようなシナリオでは、生物学的サンプル(例えば、血液)を安定同位体標識された糖存在量について質量分析で解析することができる。例えば、ヒト被験体が75グラムのグルコース(うち15グラムが6,6-2H2グルコースである)を投与された場合、その後、もしEGPが生じないならば、血液中の2H2グルコースの過剰モル率(EM2)は20%となるであろう。例えば、もし2H2グルコースの過剰モル率が15%しか見られなかった場合、これは25グラムのグルコースが内因的に生成されたことを意味する。これらの計算に関する詳細な考察については、Robert R. Wolfe, Radioactive and Stable Isotope Tracers in Biomedicine (Wiley-Liss 1992)を参照されたい。
F.手法及び組成物
一以上の化学組成物が、生物学的サンプルから当該分野で公知の標準的な生化学方法を用いて得られ、かつ任意で部分的に精製又は単離することができる。化学組成物は、限定はしないが、グルコース、グリコーゲン、又は上記のようなその他の単糖若しくは多糖を含む。任意で、組成物の断片を得てもよい。生物学的サンプリングの頻度は、様々な要因によって変わり得る。前記要因は、限定はしないが、試験される化学組成物の性質、サンプリングの容易さ、及び治療に用いた薬物の半減期(もしそれが治療に対する応答をモニターしているのであれば)を含む。
一以上の化学組成物が、生物学的サンプルから当該分野で公知の標準的な生化学方法を用いて得られ、かつ任意で部分的に精製又は単離することができる。化学組成物は、限定はしないが、グルコース、グリコーゲン、又は上記のようなその他の単糖若しくは多糖を含む。任意で、組成物の断片を得てもよい。生物学的サンプリングの頻度は、様々な要因によって変わり得る。前記要因は、限定はしないが、試験される化学組成物の性質、サンプリングの容易さ、及び治療に用いた薬物の半減期(もしそれが治療に対する応答をモニターしているのであれば)を含む。
一のバリエーションにおいて、一以上の化学組成物はグルコースであってもよい。さらなるバリエーションで、血漿グルコース荷重における経口投与された標識された糖(例えば、2Hグルコース)の希釈は、内因性グルコース産生(EGP、図6)を明らかにする。このアプローチ法を用いることで、身体のグルコース利用及び合成経路についてのかなりの情報を得ることができる。図6は、重水素標識されたグルコースを含むグルコース代謝経路を表している。被験体によって摂取されたグルコースは、組織に送達され、任意でグリコーゲンとして貯蔵され、又は解糖系とクエン酸回路を介して水と二酸化炭素に変換される。標識された水、特に2H2Oは、その後、血流に戻され、そして体液中に取り込まれ、それから生合成産物内に取り込まれ得る。さらなるバリエーションにおいて、グルコースの割合を用いて、解糖系で処理される投与された2H標識されたグルコースの割合を同定することができる。
他のバリエーションにおいて、一以上の化学組成物はグリコーゲンであってもよい。
本方法の使用
本明細書で開示された方法は、治療的介入(例えば、インスリン感受性剤及び膵臓β細胞刺激剤)に関する決定についての患者の診断的分類を可能にする。すなわち、1型DMと2型DM(DM2)の臨床的識別、非糖尿病被験体におけるDM2発症リスクの減少を目的とした治療モニタリング(例えば、インスリン感受性剤及び膵臓β細胞刺激剤);既存のDM2の改善及びDM2の進行の抑制を目的とした作用剤(例えば、インスリン感受性剤及び膵臓β細胞刺激剤)の臨床モニタリング;DM2への進行又は既存のDM2の病気の悪化を抑制する新しい組成物及び候補剤(例えば、インスリン感受性剤及び膵臓β細胞刺激剤)の臨床開発及び臨床試験;DMへの進行又は既存のDM2の病気の悪化を抑制する目的とした、FDAの薬のフェイズII〜IV治験における終点バイオマーカーとしての臨床的使用(例えば、インスリン感受性剤及び膵臓β細胞刺激剤);並びにインスリン抵抗性、膵臓応答、及びDM2に対する感受性と関連する遺伝子の同定である。
本明細書で開示された方法は、治療的介入(例えば、インスリン感受性剤及び膵臓β細胞刺激剤)に関する決定についての患者の診断的分類を可能にする。すなわち、1型DMと2型DM(DM2)の臨床的識別、非糖尿病被験体におけるDM2発症リスクの減少を目的とした治療モニタリング(例えば、インスリン感受性剤及び膵臓β細胞刺激剤);既存のDM2の改善及びDM2の進行の抑制を目的とした作用剤(例えば、インスリン感受性剤及び膵臓β細胞刺激剤)の臨床モニタリング;DM2への進行又は既存のDM2の病気の悪化を抑制する新しい組成物及び候補剤(例えば、インスリン感受性剤及び膵臓β細胞刺激剤)の臨床開発及び臨床試験;DMへの進行又は既存のDM2の病気の悪化を抑制する目的とした、FDAの薬のフェイズII〜IV治験における終点バイオマーカーとしての臨床的使用(例えば、インスリン感受性剤及び膵臓β細胞刺激剤);並びにインスリン抵抗性、膵臓応答、及びDM2に対する感受性と関連する遺伝子の同定である。
本明細書で開示された方法はまた、実験動物における組織インスリン抵抗性の信用できる測定を、実験動物での膵臓β細胞反応の適合性の信用できる測定と共に可能にする。
本明細書で開示された方法はまた、糖尿病研究で役に立つ動物モデルの特徴解析を可能にする。すなわち、DMの前臨床モデルにおける新しい組成物又は候補剤の試験(例えば、インスリン感受性剤及び膵臓β細胞刺激剤);DMの治療用候補剤(例えば、インスリン感受性剤及び膵臓β細胞刺激剤)の選択のための有効性の比較、投与経路、クラス内の同族体等;並びにインスリン抵抗性、膵臓応答、及びDM2に対する感受性と関連する遺伝子の同定である。
キット
また、組織インスリン抵抗性及び膵臓β細胞反応の充足性を決定するためのキットが提供される。本キットは、同位体標識された前駆体分子を含んでいてもよく、付加的に、タンパク質の分離、精製、若しくは単離用の当該分野で公知の化学組成物、及び/又は組織サンプルを採取するのに必要な化学物質、コンビナトリアル解析用の自動計算ソフトウェア、並びにキットの使用説明書を含んでいてもよい。
また、組織インスリン抵抗性及び膵臓β細胞反応の充足性を決定するためのキットが提供される。本キットは、同位体標識された前駆体分子を含んでいてもよく、付加的に、タンパク質の分離、精製、若しくは単離用の当該分野で公知の化学組成物、及び/又は組織サンプルを採取するのに必要な化学物質、コンビナトリアル解析用の自動計算ソフトウェア、並びにキットの使用説明書を含んでいてもよい。
水の投与用の道具(例えば、メジャーカップ、針シリンジ、ピペット、IVチュービング)のような他のキット構成物を、任意でキット内に提供することができる。同様に、細胞、組織、又は生物からサンプルを採取するための器具(例えば、標本カップ、針、シリンジ及び組織サンプリング装置)を任意で提供することもできる。
情報記憶装置
また、ペーパーレポートのような情報記憶装置、又は本明細書に記載された方法で集められたデータを含むデータ記憶装置が提供される。情報記憶装置は、限定はしないが、紙若しくは同様の有形メディアに書かれたレポート、プラスチック透明シート若しくはマイクロフィッシュ上に書かれたレポート、及び光学若しくは磁気メディア(例えば、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、光ディスク、磁気ディスク等)上に記憶されたデータ、あるいは一過的若しくは恒久的にかかわらず情報を保管しているコンピュータを含む。データは、少なくとも一部がコンピュータ内に含まれていてもよく、電子メールメッセージの形態又は分離した電子ファイルとして電子メールメッセージに添付された形態であってもよい。情報記憶装置内のデータは「raw(生)」(すなわち、回収されたが未解析のもの)、部分的に分析されたもの、又は完全に分析されたものであってもよい。データ分析は、コンピュータ若しくはいくつかの他の自動装置の方法によって行うことができ、又は手動で行うこともできる。情報記憶装置を使用して、別のデータ記憶システム(例えば、コンピュータ、携帯コンピュータ等)の中にデータをさらなる解析のため、表示のため又はその両方のために、ダウンロードすることができる。あるいは、情報記憶装置内のデータを、紙上、プラスチック透明シート又は他の類似の有形メディア上に、さらなる解析のため、表示のため又はその両方のために印刷することができる。
また、ペーパーレポートのような情報記憶装置、又は本明細書に記載された方法で集められたデータを含むデータ記憶装置が提供される。情報記憶装置は、限定はしないが、紙若しくは同様の有形メディアに書かれたレポート、プラスチック透明シート若しくはマイクロフィッシュ上に書かれたレポート、及び光学若しくは磁気メディア(例えば、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、光ディスク、磁気ディスク等)上に記憶されたデータ、あるいは一過的若しくは恒久的にかかわらず情報を保管しているコンピュータを含む。データは、少なくとも一部がコンピュータ内に含まれていてもよく、電子メールメッセージの形態又は分離した電子ファイルとして電子メールメッセージに添付された形態であってもよい。情報記憶装置内のデータは「raw(生)」(すなわち、回収されたが未解析のもの)、部分的に分析されたもの、又は完全に分析されたものであってもよい。データ分析は、コンピュータ若しくはいくつかの他の自動装置の方法によって行うことができ、又は手動で行うこともできる。情報記憶装置を使用して、別のデータ記憶システム(例えば、コンピュータ、携帯コンピュータ等)の中にデータをさらなる解析のため、表示のため又はその両方のために、ダウンロードすることができる。あるいは、情報記憶装置内のデータを、紙上、プラスチック透明シート又は他の類似の有形メディア上に、さらなる解析のため、表示のため又はその両方のために印刷することができる。
以下の非限定的実施例により、本明細書で開示された方法をさらに説明する。
実施例1:ヒト被験体のモニタリング
ヒト被験体は、本明細書で開示された方法によって試験することができる。一晩絶食した被験者は、病院で採血され(0時間時点)、その後75グラムのグルコースを含む溶液を受け取る。グルコース75グラム中15グラムは、6,62H2-グルコースである。被験者は、グルコース溶液を飲む。その後、被験者は、溶液を飲んだ後1、2、3及び4時間後に追加採血される(1、2、3及び4時間時点)。
ヒト被験体は、本明細書で開示された方法によって試験することができる。一晩絶食した被験者は、病院で採血され(0時間時点)、その後75グラムのグルコースを含む溶液を受け取る。グルコース75グラム中15グラムは、6,62H2-グルコースである。被験者は、グルコース溶液を飲む。その後、被験者は、溶液を飲んだ後1、2、3及び4時間後に追加採血される(1、2、3及び4時間時点)。
全部で5つの時点から得た血液の一部を、上記インスリン測定のために発送する。インスリンAUCは、上記のように測定される。
4時間時点から得た血液の一部を2H2O分析で処理する。具体的には、100μlの血液が2mlポリプロピレンスクリューキャップバイアルの逆さまにしたキャップに移され、バイアルがキャップの上にねじ込まれ、逆さまにしたバイアルが摂氏70度のグラスビーズを充填したヒートブロックの中に一晩置かれる。その後、凝縮蒸気が逆さまにしたバイアルの頂部に遠心分離によって集められ、熱分解部を備えた同位体比率質量分析計(P/IRMS)で分析される。サンプル中の2H2O APEを測定データが、既知2H2O APEのサンプルで作られた標準曲線と比較することによって測定される。糖組成物投与後4時間で生成された2H2Oの絶対モルが、上述のように算出される。
さらに、被験者の疾患状態は、生成された2H2Oモル数、及びAUCインスリンで割った生成された2H2Oのモル数をプロットすることにより、並びに図2で示されたものと同様の図表における象限の一つに個々を配置することにより評価される。
実施例2:肥満非DM個体の長期的モニタリング
肥満非DM被験体を本明細書で開示された方法で試験した。絶対重水産生は、45 mMoles(重水素化されたグルコースで投与された83mMolesのうち)であった。正常値は、>40〜50 mMoles(図7)である。インスリンAUC (INS AUC)は、1.8nM−時間/リットルであった。2H2O/INS AUCは、45/1.8 =25であった。正常値は50以上である(図7)。2要因グラフ上にプロットされた被験者は、補償されたインスリン抵抗性(左上)の象限に落ちる(図7)。被験者は、1年後に再び試験される。以下のシナリオを観察することができる。
肥満非DM被験体を本明細書で開示された方法で試験した。絶対重水産生は、45 mMoles(重水素化されたグルコースで投与された83mMolesのうち)であった。正常値は、>40〜50 mMoles(図7)である。インスリンAUC (INS AUC)は、1.8nM−時間/リットルであった。2H2O/INS AUCは、45/1.8 =25であった。正常値は50以上である(図7)。2要因グラフ上にプロットされた被験者は、補償されたインスリン抵抗性(左上)の象限に落ちる(図7)。被験者は、1年後に再び試験される。以下のシナリオを観察することができる。
a)2H2O/INS AUCは、12に減少する。一方、絶対重水産生は45nMolesで安定して残る(矢印#1、図7)。本解釈としては、この人は悪化したインスリン抵抗性を呈するが、膵臓は高い状態で維持されており、β細胞代償は適切であろうということである。
b)2H2O/INS AUCは22に減少したが、絶対重水産生は30 mMoles(矢印#2、図7)に下がっている。この結論は、インスリン抵抗性が僅かに進行したが、β細胞不全(不十分なβ細胞反応)が見られるということである。この被験者は、DM2を発症するリスクが高く、深刻な医学的問題を抱えている。本被験者は、その後、治療剤を投与され、6ヶ月間繰り返し試験される。
c)2H2O/INS AUCは、治療後に25で安定したままであるが、絶対重水産生は55 mMolesに増加する(矢印#3、図7)。この結論は、被験者の膵臓機能は改善したが、インスリン抵抗性は改善していないということである。これによって、本被験者に投与された薬物の作用が特徴付けられる。
実施例3:1型及び2型糖尿病間の区別
標準体重の29歳の被験者が糖尿病と診断されている。DM1なのかDM2なのかが、明らかでない。本明細書で開示された試験が実行される。その結果、2H2O/INS AUCは正常範囲(75)である。しかるに、図7の右下の象限に被験者がプロットされており絶対重水産生は低い(25 mMoles)。結論として、この被験者は、インスリン抵抗性はないが、初期膵臓不全を呈しており、DM1に相当する。
標準体重の29歳の被験者が糖尿病と診断されている。DM1なのかDM2なのかが、明らかでない。本明細書で開示された試験が実行される。その結果、2H2O/INS AUCは正常範囲(75)である。しかるに、図7の右下の象限に被験者がプロットされており絶対重水産生は低い(25 mMoles)。結論として、この被験者は、インスリン抵抗性はないが、初期膵臓不全を呈しており、DM1に相当する。
実施例4:候補療法の評価
方法:2型糖尿病患者の境界のグループが、本明細書で開示された方法を用いて特徴づけされ、図8に示すようにプロットされた。その後、被験者は3つのグループに分けられた。1のグループは、標準的なインスリン感受性治療を受けており(グループA)、もう一つのグループは、膵臓再生因子からなる候補療法を受けており(グループB)、3番目のグループは、両方の治療を受けている(グループC)。治療6ヶ月後、患者が本明細書で開示された方法を用いて再評価された。
方法:2型糖尿病患者の境界のグループが、本明細書で開示された方法を用いて特徴づけされ、図8に示すようにプロットされた。その後、被験者は3つのグループに分けられた。1のグループは、標準的なインスリン感受性治療を受けており(グループA)、もう一つのグループは、膵臓再生因子からなる候補療法を受けており(グループB)、3番目のグループは、両方の治療を受けている(グループC)。治療6ヶ月後、患者が本明細書で開示された方法を用いて再評価された。
結果(図8):予測通り、グループAでは、インスリン感受性の改善及び膵臓応答で僅かな改善が見られた。実験的治療から、グループBは膵臓機能の改善がうまくいったことがわかるが、中程度の量であった。しかし、グループCの併用療法は、相乗効果を発揮し、結果的に劇的な改善を疾患状態にもたらした。
実施例5:前臨床動物モデルにおける薬物開発
Zucker diabetic fattyラットを本明細書で開示された方法により及び米国特許出願第11/064,197号(本明細書に参照によってその全てを援用する)に記載されたように試験した。第6週齢で、D2O/INS AUCが減少したが、絶対重水産生は正常に近かった。いくつかの動物には、ロジグリタゾンが食餌に4週間与えられ、他の個体には与えられなかった。本明細書で開示された方法による反復試験が行われた。
Zucker diabetic fattyラットを本明細書で開示された方法により及び米国特許出願第11/064,197号(本明細書に参照によってその全てを援用する)に記載されたように試験した。第6週齢で、D2O/INS AUCが減少したが、絶対重水産生は正常に近かった。いくつかの動物には、ロジグリタゾンが食餌に4週間与えられ、他の個体には与えられなかった。本明細書で開示された方法による反復試験が行われた。
ロジグリタゾン処理した動物は、表示したインスリン感受性の改善を示した。一方、未処理の動物は、インスリン抵抗性の結果として膵臓代償の減少を示した(図9)。
参考文献
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本明細書に記載した全ての刊行物は、参照により、刊行物中に記載され、かつ現在記載されている方法と関連して用いることができる装置、処方及び方法論を限定することなく、記載及び開示をする目的で援用する。
Claims (16)
- 被験体における膵臓β細胞の充足性を決定する方法であって、
a)一以上の同位体標識された糖を被験体に投与するステップ;ここで、前記一以上の同位体標識された糖は、標識された及び/又は非標識されたH2Oに代謝される、
b)前記一以上の同位体標識された糖の投与前、投与中、又は投与後に、一以上の生物学的サンプルを前記被験体から採取するステップ;ここで、少なくとも一の生物学的サンプルは、前記一以上の同位体標識された糖の投与後に採取される、
c)前記一以上の生物学的サンプルにおけるH2Oの同位体含有量を測定して、前記一以上の生物学的サンプルにおける同位体標識されたH2Oの分散量を決定するステップ、
d)前記被験体におけるH2Oの総量を前記一以上の同位体標識された糖の投与前、投与中、又は投与後に決定するステップ、
e)前記一以上の生物学的サンプルにおける前記同位体標識されたH2Oの分散量に前記被験体の前記H2Oの総量を乗じて、前記被験体における同位体標識されたH2Oの総量を決定し、それによって前記被験体における膵臓β細胞の充足性を決定するステップ、
を含む、前記方法。 - 被験体におけるインスリン抵抗性を決定する方法であって、
(i)請求項1に記載の方法によってβ細胞の充足性を決定するステップ、
(ii)前記一以上の生物学的サンプルにおけるインスリン量を測定するステップ、及び
(iii)請求項1に記載のステップe)の前記被験体における同位体標識されたH2Oの総量をステップ(ii)で測定された前記インスリン量で割り、前記被験体におけるインスリン抵抗性を決定するステップ、
を含む、前記方法。 - ステップ(ii)で測定された前記インスリン量がインスリンに対する前記被験体の組織の総曝露の決定値、又は前記被験体におけるインスリン産生レベルの測定値である、請求項2に記載の方法。
- 前記一以上の生物学的サンプルが異なる時点で採取された二以上の生物学的サンプルであり、かつ、ステップ(ii)で測定された前記インスリン量が前記被験体についてのインスリンの曲線下面積として提供される、請求項2に記載の方法。
- 前記一以上の同位体標識された糖が同位体標識されたグルコース、同位体標識されたフルクトース及び同位体標識されたガラクトースからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記一以上の同位体標識された糖が同位体標識されたグルコースである、請求項5に記載の方法。
- 前記同位体標識されたグルコースが[6,6-2H2]グルコース、[1-2H]グルコース、及び[1,2,3,4,5,6,7-2H7]グルコースからなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
- 前記一以上の同位体標識された糖が経口による、経管栄養補給による、腹腔内への、静脈内への及び皮下への投与からなる群より選択される方法によって投与される、請求項1に記載の方法。
- 前記被験体がヒトである、請求項1に記載の方法。
- 前記被験体が実験動物である、請求項1に記載の方法。
- 前記実験動物がインスリン抵抗性又は糖尿病の動物モデルである、請求項10に記載の方法。
- 被験体におけるインスリン抵抗性及び膵臓の充足性を決定するためのキットであって、
a)一以上の標識された糖、
b)キットを用いるための説明書、
を含んでなり、
前記被験体におけるインスリン抵抗性及び膵臓の充足性を決定するために用いられる、前記キット。 - 請求項2に記載の方法により前記被験体におけるインスリン抵抗性及び膵臓充足性を決定することを含む、被験体における2型糖尿病の感受性又は進行を測定する方法。
- 請求項2に記載の方法により前記被験体におけるインスリン抵抗性及び膵臓充足性を決定することを含む、インスリン感受性治療に対する反応を同定するための方法。
- 請求項2に記載の方法により前記被験体におけるインスリン抵抗性及び膵臓充足性を決定することを含む、膵臓β細胞刺激治療に対する反応を同定するための方法。
- 請求項2に記載の方法により前記被験体におけるインスリン抵抗性及び膵臓充足性を決定することを含む、被験体における1型糖尿病と2型糖尿病とを識別するための方法。
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