JP2008543307A - 懸濁培養用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗練されたコントロールタワー及び関連するプローブを使用することなく、大ボリュームでの細胞の培養が可能となり、また使い捨て可能、又はオートクレーブ可能な、小ボリュームのシェーカベースの懸濁培養システム。
【解決手段】本発明は、逆円錐台形の底部を有するワイドボディの培養容器を特徴とする。従来の平底バイオリアクター容器と比較し、本発明の容器では、O取り込み及びCO除去のための有意に大きい培地表面積が得られる。逆円錐台形の底部を有することにより、細胞培養工程の開始時における種培養液量を顕著に減少させることが可能となる。逆円錐台形の底部を有することにより、低い位置からの空気の散布が可能となり、気泡が移動する時間を長時間化することにつながる。一方、旋回式の振とうを行うことにより、培地を容器の壁を上方に用意に移動させることができ、またせん断力及び水応力が発生しない。
【選択図】なし

Description

(関連出願)
本件特許出願は、2005年6月15日に出願された発明の名称:「懸濁液培養容器」に係る米国仮特許出願第60/690587号の優先権を主張し、その全開示内容を本発明に援用する。
(技術分野)
本発明は、種ボリュームが少なく、かつ水応力(hydro−mechanical stress)が少なく通気量の多い、より良好な混合のための、逆円錐台形若しくは逆錐形の底部を有するワイドボディの哺乳動物細胞の培養容器に関する。
哺乳動物細胞の高密度懸濁液培養は、タンパク質医薬又はワクチン開発のための有用な手段である。動物実験材料の生産には小規模な細胞培養容器が、また臨床試験材料の生産には大規模な細胞培養容器が必要となる。すなわち多くの生物学者にとっては単純で小体積の細胞懸濁培養装置が好ましく、一方スケールアップの専門家にとっては「最適化が容易」な大体積の細胞培養システムが好ましい。
現在のバイオリアクター培養容器及びスピナーボトルが有する典型的な形状は高さのあるシリンダー形状である。かかる容器又はボトルの高さ:直径の比率は、ワーキング体積において1/1より大きい比率である。その場合には容器中の培地の表面は有効なO取り込みには充分でなくなる。この問題に対処するため、エアー又はOの分散供給を行う。しかしながら、エアーの過剰供給によって、発泡及び泡崩壊による細胞への傷害がしばしば生じる。また、純酸素の過剰供給は細胞にとり有毒である。ゆえに、エアー又は純酸素をモニターし、制御するための、熟練したコントロールタワー(control tower)及び関連する溶存酸素(DO)プローブが必要となる。しかしながら、それは退屈であるのと同時に、コントロールタワー又はプローブの最適配置は高コスト化につながる。ゆえに、コントロールタワー及び関連するDOプローブを有さず、大体積培養容器への「最適化が容易」な、小体積培養容器(特に使い捨て容器)に対するニーズが存在する。
本発明におけるこの設計により、洗練されたコントロールタワー及び関連のプローブを使用することなく、大ボリュームでの細胞の培養が可能となり、また使い捨て可能、又はオートクレーブ可能な、小ボリュームのシェーカベースの懸濁培養システムを開発するに至った。更に、「最適化が容易」な、インペラーをベースとする、産業的規模における逆円錐台形のバイオリアクターシステムのプロトタイプに関する検討を行った。
本発明は、逆円錐台形の底部を有するワイドボディの培養容器を特徴とする。従来の平底バイオリアクター容器と比較し、本発明の容器では、O取り込み及びCO除去のための有意に大きい培地表面積が得られる。逆円錐台形の底部を有することにより、細胞培養工程の開始時における種培養液量を顕著に減少させることが可能となる。逆円錐台形の底部を有することにより、低い位置からの空気の散布が可能となり、気泡が移動する時間を長時間化することにつながる。一方、旋回式の振とうを行うことにより、培地が容器の壁を上方に用意に移動することができ、またせん断力及び水応力が発生しない。これにより幅広く薄い培地層が形成され、また通気及び混合が良好なものとなる。この設計を用いることにより、洗練されたコントロールタワー及び関連するプローブを要しない、プラスチック「単回使用」又はオートクレーブ可能な小体積のシェーカーに基づく懸濁培養システムを提供するに至った。更に、「最適化が容易」なインペラーベースの産業的な大規模体積でのバイオリアクターシステムの原型に関しても検討を行った。
本発明の少なくとも一部は、洗練されたコントロールタワー及び関連するDO及びpHプローブを使用せずとも、培地表面積/培地体積が0.14cm/cm超であるときに懸濁液中に調製された哺乳動物細胞が良好に増殖するという発見に基づく。この培養組織は、底部の空気を散布部又は上部の純酸素供給装置を有するシェーカボトルにおいて、20〜25mMのHEPESを添加した無血清懸濁培地を使用し、37℃で実施した。上記の発見により、ワイドボディの培養容器が従来の高いシリンダー撹拌タンク培養容器よりも培地の表層通気において効果的であることが示された。
多くの強固な哺乳類の細胞系を、無血清及び動物性成分フリーの懸濁液培養組織のために開発した。これらにはCHOD(B11及びDG44)、CHOK及びNS0細胞(無血清に適用)が包含される。また、強力な動物性成分フリーの懸濁培養用培地(基本増殖用及びフィード用)も開発した。CO非依存性のバッファ(20mMのHEPESバッファなど)を添加し、充分な表面通気を行なえば、広いボディの培養容器を使用したときに、精巧なコントロールタワー、並びに関連する溶存酸素(DO)及びpHプローブは小規模なボリュームの懸濁培養にとって重要にならなくなる。上記の技術進歩により、哺乳動物細胞の無血清懸濁液培養組織のための単純化された、及び「最適化が容易」なバイオリアクター容器を自由に試験し、開発することが可能となった。
一実施態様では、3L(図1a、b)及び150ml(図2)のワークボリュームの、逆円錐台形の底部を有するワイドボディの培養容器を設計し、作製した。これらの容器を最初に、哺乳動物細胞培養用のシェーカー培養容器として用いた。それらは驚くべきことに、同程度の体積を有する従来のApplikon平底バイオリアクター容器と比較し細胞密度、組換えタンパク質生産性、信頼性及びユーザーの使い勝手が飛躍的に向上した。旋回式の振とう、逆円錐台形の形状の底部、幅広なボディ及びpH安定な培地の組合せにより、哺乳動物細胞の培養及び組換えタンパク質の生産効率が顕著に向上した。
本発明の第1の態様は、生産細胞系候補の耐久性スクリーニングを目的とする、逆円錐台形の底部を有する小規模(150ml)のワイドボディのシェーカボトルに関する。細胞培養工程の開始時に用いる種培養液の体積を減少させるために採用した逆円錐台形の底部は、この態様において重要な発明といえる。
最初に、逆円錐台形の底部を有するワイドボディの容器(図2)と、「シャープな先端」の円錐底部を有するワイドボディのシェーカー容器(Corning社、Cat#431123)とで並行して検討を行った。各容器は、500mlの総容積及び指定された150mlのワーキングボリュームを有する。組換えタンパク質VEGFR1−Fc−IL−1raを発現するCHO細胞をこの検討に用いた。表1のフェドバッチ培養の結果は、これらの150mlのシェーカー容器が小規模の懸濁フェドバッチ培養の試験において良好であることを示す。細胞培養工程の開始において、7.5〜15ml(150mlのワーキングボリュームに対して1/20〜1/10)の少量の種培養液の体積で良好な結果が得られた。「シャープな先端」の円錐底部を有するシェーカー容器では底部の先端に細胞の沈殿、特に細胞集塊が生じ(表1)、この領域での混合が不十分であることを示すものである。すなわちそれは不適切である。
本発明の第2の態様は、円錐底部を有する培養容器の有効な円錐角度に関する。旋回式振とうにおける円錐角度、培地の混合及び種培養液の体積の影響を、様々な円錐角度を有するプラスチック円錐遠心分離管を用いて検討した(表2)。角度が狭すぎる(例えば<30°)場合、若しくは広すぎる(例えば>70°)場合、旋回式の振とうにより壁を伝って上方に培地を移動させることが不可能となる。
本発明の第3の態様は、洗練されたコントロールタワー及び関連するDO、pHプローブを有さない3L懸濁培養容器に関する。通気は、逆円錐台形の底部から空気を供給して気泡の移動時間を長時間化してもよく、又は培地の表面領域を純粋な酸素で覆ってもよい。
第一に、旋回式の振とうにより、培地を培養容器の壁を伝って上に容易に移動させることが可能となり、それにより低い水応力、広い表面、より良好な通気及び混合を可能にする広く薄い培地の層が形成される。
この検討において、逆円錐台形の底部を有する3Lのワイドボディのシェーカー容器(図1a、b)を、コントロールタワー又は関連するDOプローブなしで構成し、試験した。ポンプを使用し、このシェーカー容器に、顕著な細胞傷害を生じさせない程の低い流速で濾過空気(約21%のOを含む)を注入し、分散させた。あるいは、容器の底部からチューブを使用して純酸素を超低流速で供給して、大きい気泡を生成(流速モニターとして役立つ)させてもよく、又は直接Oで上から覆ってもよい
TNFR1−Fc−IL−1ra、IL−18bp−Fc−IL−1ra、VEGFR1−Fc−IL−1ra及びTie2−Fc−IL−1raを発現するCHO細胞をこの検討に用いた。Applikon社製の2Lの平底撹拌タンクバイオリアクター(図1bの背後)と20Lのcoy−boy容器を平底シェーカボトルとして用いた。各々に3Lのワーキング体積の培養液を含有させ、コントロールとして用いた。表3、4、5には、Applikonバイオリアクター容器及び平底シェーカー容器から得られた結果と比較した、逆円錐台形の容器の結果を要約する。
驚くべきことに、ワイドボディのシェーカー容器(表3)では、平底のApplikon撹拌タンク(表4)及び平底シェーカー容器(表5)よりも良好に機能した。明らかに、旋回式の振とうでは、剪断力及び水応力を発生させることなく、容易に容器の壁を伝って上に培地を押し上げ、幅広く薄い培地の層を形成し、より良好な通気が可能となった。
本発明の最後の態様は、逆円錐台形の底部を有する大容量のインペラーベースの産業的に使用される撹拌タンク型のワイドボディのバイオリアクターの原型の設計、分析及び検討に関する。逆円錐台形の底部のアプリケーションにより、著しく種培養液の体積が減少し、並びに水応力及び剪断力を生じさせることのない良好な混合が可能となる(図3)。更に、設計上での大きい表面積は、より良好な通気及びより有効なCO除去を確実にする(図4a、b)。本発明の目的は、より大きな産業的バイオリアクターを安定化し、最適化を容易にし、種培養液の体積を著しく減少させることである。図4aは、混合、剪断力、水応力、通気及びCO除去に関するスケールアップの最適化において悪影響を及ぼす問題及び要因を示す。これらの因子の存在により、特に大きな体積の産業的なバイオリアクターのスケールアップの最適化が困難となる。分析の後、少なくとも理論的には、円錐底部を有するワイドボディの容器により、スケールアップの最適化(例えば水応力を減少させ、生じうる剪断力が少ないより良好な混合)(図4b)のみならず、インペラー駆動による撹拌タンクのバイオリアクター容器(図3)へのフィードボリュームの減少も可能となる。一定の撹拌速度における、容器における逆円錐台形の底部及び表面積の増加は共に、スケールアップの最適化プロセスを向上させる。
<実施例1>逆円錐台形の底部を有する150mlのワイドボディのシェーカー容器の試験:
候補となるCHO生産細胞系のフェドバッチ培養の際に小規模シェーカー容器を使用することにより、耐久性及び高い生産性を有する細胞系のスクリーニングにおける重要なアプローチとなる。この試験では、逆円錐台形の底部(図2)を有する150mlのワイドボディの容器と、それに並べて設置した「シャープな先端」の逆円錐底部(コーニング社製、Cat#431123)を有するワイドボディのシェーカボトルで試験を行った。フェドバッチによる結果(表1)から、これらの150mlのシェーカボトルが小規模の懸濁フェドバッチ試験に適することが示された。少ない種培養液量(ワーキングボリュームの1/20)を添加した。発現タイターは2Lのバイオリアクターと同等であった。「シャープな先端」の逆円錐底部を有するシェーカー容器では明瞭に細胞の沈殿、特に大きなサイズの細胞集塊が生じ、すなわち底部の先端領域では混合が不十分であることを示している。この理由から、「シャープな先端」の逆円錐底部の使用を断念し、逆円錐台形の底部の最適化を行った。
表1:培養容器を、100回転/分の高速で回転するシェーカープラットフォームに配置した。バッチ培養量が2日間で90mlに達したとき(7日目)に供給(4.5ml)を開始した。
Figure 2008543307
<実施例2>逆円錐底部を有する培養容器の、異なる円錐角度による試験:
円錐底部の円錐角度の違いによる、旋回式の振とうにおける培地の混合及び種ボリュームに対する影響を、シェーカープラットフォーム(表2)上の、様々な円錐角度を有するプラスチック遠心分離管を用いて試験した。角度が狭すぎる場合、若しくは広すぎる場合、旋回式の振とうにより壁を伝って上方に培地を移動させることが不可能となり、薄く広がる培地表面が形成されなくなる。例えば、角度が過度に広い(例えば>70°)場合は、平底容器と顕著な相違が見られなかった。角度が過度に狭い(例えば<30°)場合も、平底容器と顕著な相違が見られなかった。表3の結果は、シリンダー壁に対して30°の角度がおそらく有効な旋回式振とう及び混合における最小限の角度であることを示唆するものである。計算結果から、円錐角度が>70°では通常の円形の下部を有する培養容器と比較し種ボリュームの顕著な減少効果が見られなかったため、以降除外した。
表2:効果的な旋回式振とう、混合及び種ボリュームに与える、異なる角度を有する円錐底部の容器の試験:(TNFR2−Fc−IL−1raを発現するCHO細胞をこの試験に使用した。)
Figure 2008543307
<実施例3>逆円錐台形の底部を有する3Lのワイドボディのシェーカー容器の試験:
エアー散布装置又はOバブリングチューブを備えた逆円錐台形の底部を有する3Lのワイドボディのシェーカー容器を組み立てた(図1a、b)。ワーキングボリュームの培地は、培地に対するO取り込みに適する広い表面積(培地の体積cmあたり>0.143cm表面積)を有した。逆円錐台形の底部は、低い位置にエアー散布装置を設置し、それによりエアー(約21%のOを含む)の移動時間の長時間化(図1a、b)が可能となる。底部のOバブリングチューブ装置は、培地表面への純酸素供給の超低速度供給のための低流量計モニターとして役立つ。旋回振とう運動により円錐の底部から壁上を伝って培養液を容易に移動させることが可能となり、またより良好な通気のための広い表面積及び薄く広い培地表層の形成が可能となる。
動物実験材料の生産において、通常TNFR1−Fc−IL−1ra、IL−18bp−Fc−IL−1ra、VEGFR1−Fc−IL−1ra及びTie2−Fc−IL−1raを発現するCHO細胞系を使用している。逆円錐台形の底部を有する3L超のワイドボディのシェーカー容器、Applikon社製の2L平底撹拌タンクバイオリアクター、及び20Lシェーカベースのcoy−boy培養容器を用い、通常の製造を行った。平底のApplikonバイオリアクター容器及び平底シェーカー容器の結果と比較した、逆円錐台形の底部を有する容器の結果を表3、4、5に示す。
驚くべきことに、逆円錐台形の底部を有するワイドボディのシェーカー容器(表3)は、平底のApplikon社製撹拌タンク(表4)及びシェーカー容器(表5)と比較し顕著に良好な結果を示した。明らかに、旋回振とう運動により、剪断力及び低い水応力を生じさせずに、培地を容易に容器の壁を伝って上方に移動させ、更により効率的な通気のための広く薄い培地表層を形成することが可能となる。
逆円錐台形の底部を有するワイドボディのシェーカー培養容器は、最近開発された「波型」プラスチックバック製バイオリアクターよりも良好な設計を有する。本発明の試験において、O取り込み及びCO除去のための広い表面積を有する「波型」構造の場合と類似していることが示された。しかしながら、円錐台形の底部を有する容器による旋回式の振とうにより、培地を容易に容器の壁を伝って上方に移動させ、更により効率的な通気のための広く薄い培地表層を形成することが可能となる。これは「波型」と同様、「単回使用」用のプラスチック容器であるが、所定の細胞培養工程を開始する際に必要となる種ボリュームが顕著に少ない点で、「波型」より良好である。また、エアーの散布装置を円錐台形の底部に配置することにより、気泡の滞留時間を長時間化することが可能となる点でも、「波型」より優れているといえる。本発明では細胞密度、費用効果及びユーザーの使い勝手に関して直接「波型」と逆円錐台形の底部を有するワイドボディの培養容器と比較しなかったが、逆円錐台形の底部を有するワイドボディの培養容器が、上記の全ての態様において「波型」より非常に良好であることが、上記の全データから間接的に示されている。
表3:エアー散布装置又はOバブリングチューブを備えた逆円錐台形の底部を有する3Lのワイドボディのシェーカー容器中で、TNFR1−Fc−IL−1ra、IL−18bp−Fc−IL−1ra、VEGFR1−Fc−IL−1ra及びTie2−Fc−IL−1raを発現するCHO細胞系を用いて、動物実験材料を常法に従いフェドバッチ生産した。
Figure 2008543307
表4:Applikon社製の2Lの平底撹拌タンクバイオリアクター容器中で、TNFR1−Fc−IL−1ra、IL−18bp−Fc−IL−1ra、VEGFR1−Fc−IL−1ra及びTie2−Fc−IL−1raを発現するCHO細胞系を用いて、動物実験材料を常法に従いフェドバッチ生産した。
対照として、幾つかの結果を以下の表に示す。
Figure 2008543307
表5:散布装置又はOバブリングチューブを備えた20Lシェーカベースのcoy−boy培養容器中で、TNFR1−Fc−IL−1ra、IL−18bp−Fc−IL−1ra、VEGFR1−Fc−IL−1ra及びTie2−Fc−IL−1raを発現するCHO細胞系を用いて、動物実験材料をルーチン的な常法に従いフェドバッチ生産した。
対照として、幾つかの結果を以下の表に示す。
Figure 2008543307
<実施例4>逆円錐台形の底部を有するワイドボディの3Lシェーカー容器、及び2LのApplikon平底バイオリアクタにおける、TNFR1−Fc−IL−1raのフェドバッチ培養を行った際の2つの詳細な例:
バブリングチューブ装置を備えた逆円錐台形の底部を有するワイドボディの3Lシェーカー容器と、Applikon社製の2Lの平底バイオリアクターを用いて、血清懸濁培地におけるTNFR1−Fc−IL−1raの産生を解析した。フェドバッチ形式を採用した。表6にその結果を示す。
※2%pcv=9.6×10−6細胞/ml。
逆円錐台形の底部を有する3Lのワイドボディのシェーカー容器の、2LのApplikon平底バイオリアクターと比較した顕著な長所が示された。
表6:Oバブリングチューブ装置を備えた逆円錐台形の底部を有するワイドボディの3Lシェーカー容器と、Applikon社製の2Lの平底バイオリアクターを用いて、血清を懸濁させた培地におけるTNFR1−Fc−IL−1raの産生を解析した。
Figure 2008543307
フェドバッチ形式を採用した。表6にその結果を示す。
※2%pcv=9.6×10−6細胞/ml。
逆円錐台形の底部を有する3Lのワイドボディのシェーカー容器の、2LのApplikon平底バイオリアクターと比較した顕著な長所が示された。
逆円錐台形の底部を有する3Lのワイドボディの容器の図面を示す。ワークボリューム=3L、培地表面積/培地体積>0.143cm/cm、最低播種体積=150ml(マークを付されている3Lワークボリュームの1/20)。 逆円錐台形の底部を有する3Lのワイドボディのシェーカー容器、及び従来の平底Applikonバイオリアクター容器(背後)の写真を示す。 逆円錐台形の底部を有する150mlのワイドボディのシェーカボトルの写真を示す。ワークボリューム=150ml培地、フリーのエアーの全体積=500ml、最低播種体積=7.5ml(マークを付されている3Lワークボリュームの1/20)。シェーカーのプラットフォーム、流量計、低部に配置された気泡発生装置及び空気ポンプが、このシステムの構築に必要となる。このシステムは主に、生産細胞系候補のスクリーニング(その耐久性及び生産性、並びに種のスケールアップ)のための設計である。 逆円錐台形の底部を有するワイドボディの懸濁培養容器のシリーズによる種培養のスケールアップを示す簡略図である。 産業上使用される高いシリンダーによる撹拌タンクバイオリアクターにおける、混合、剪断力、水応力、通気及びCO除去に関連する、スケールアップ最適化に悪影響を与える問題点及び要因を示す線図である。 産業的な大規模細胞培養用の、逆円錐台形の底部を有するワイドボディのバイオリアクター容器による効果を示す線図である。

Claims (19)

  1. 逆円錐台形の底部を有するか、又は丸型の下部セクションを有する円錐形チャンバーを画定するハウジングを含んでなる細胞培養容器であって、当該チャンバーが垂直軸を有する容器。
  2. 前記下部セクションから伸びる上部セクションを更に含んでなり、前記上部セクションが前記下部セクションの軸と実質的に一致する軸を有する、請求項1記載の容器。
  3. 前記下部セクション及び上部セクションが同心円状である、請求項1記載の容器。
  4. 逆円錐台形の底部、又は丸型の底部を有する円錐の下部セクションにより、剪断力が低いか若しくは存在せず、かつ振とう運動又はインペラー動作による水応力が存在しない態様で培地の混合が行われる、請求項1記載の容器。
  5. 細胞の播種又はサンプリングための第1ポートを更に含んでなる、請求項1記載の容器。
  6. チャンバーの軸に対して水平方向の循環運動を液体培地に行わせるための手段を更に含んでなる、請求項1記載の容器。
  7. 前記手段が、剪断力を生じさせず、水応力の発生が少ない混合用シェーカープラットフォームの使用、又は底部インペラーの使用を含んでなる、請求項6に記載の容器。
  8. チャンバーへのエアー導入手段を更に含んでなる、請求項1記載の容器。
  9. 前記エアー導入手段が底部に配置される、請求項8記載の容器。
  10. 前記エアー導入手段がエアー散布装置である、請求項8記載の容器。
  11. チャンバーへの純酸素導入手段を更に含んでなる、請求項1記載の容器。
  12. 前記純酸素導入手段が底部に配置されるか又は上部に配置される、請求項11記載の容器。
  13. 前記純酸素導入手段が底部配置用の流速モニターとして機能するチューブ状のバブリング装置であるか、又は上部配置用の被覆チューブである、請求項11記載の容器。
  14. 逆円錐台形の底部、又は丸型の底部を有する逆円錐形の下部セクションの内壁が水平位置から30°〜70°の角度である、請求項1記載の容器。
  15. 前記容器が金属性若しくはプラスチック製であり、使い捨て若しくはオートクレーブ可能である、請求項1記載の容器。
  16. 請求項1記載の容器、旋回振とう用プラットフォーム又はインペラーを含んでなる細胞培養システム。
  17. 生細胞の培養方法であって、
    (a)請求項1記載の容器を準備する工程と、
    (b)前記容器にワーキング液体培地を添加する工程を、
    (c)前記容器に目的の細胞を含んでなる種培養液を添加する工程と、
    (d)適切な条件下で細胞を培養する工程を含んでなり、
    呼吸領域/培地体積比が0.14cm/cmである方法。
  18. ワーキング液体培地体積/種培養液堆積の比率が1/10以下である、請求項17記載の方法。
  19. 前記ワーキング液体培地が、培養液のpHを安定化させる目的で、CO−非依存性の20mM HEPES又はその均等物を含む無血清培地を含んでなる、請求項17記載の方法。
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