JP2008541718A - スモール熱ショックタンパク質を用いた目的タンパク質の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、プロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するために有効量のsHSPsを添加することを特徴とする目的タンパク質の分離・精製方法、目的タンパク質の製造方法及び全体細胞酵素または部分精製された酵素を用いた生物変換方法に関する。
本発明によれば、目的タンパク質の製造のための培養工程及び分離・精製工程にsHSPsを添加する場合、プロテアーゼによるタンパク質損失を防止することにより、高収率の目的タンパク質を得ることができる。また、全体細胞酵素または部分精製された酵素を用いる反応工程にsHSPsを添加する場合、プロテアーゼによる酵素の損失を防止することにより、酵素を用いた生物変換の収率を高めることができる。

Description

本発明は、プロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するために有効量のスモール熱ショックタンパク質(sHSPs)を添加することを特徴とする目的タンパク質の分離・精製方法、目的タンパク質の製造方法及び全体細胞(whole cell)酵素または部分精製された酵素を用いた生物変換(bioconversion)方法に関する。
組換えDNA技術の眩しい発展のお陰で、自然状態では微量のみが得られていた医薬用・産業用有用タンパク質を大腸菌、酵母、かび、動・植物及び昆虫細胞から大量に生産することが可能になった。例えば、インターフェロン(interferon)、インターロイキン2(interleukin2)、コロニー刺激因子(colony-stimulating factors)、成長ホルモン(growth hormone)、インスリン様成長因子(insulin-like growth factors)、ヒト血清アルブミン(human serum albumin)のようなタンパク質が組換え大腸菌を用いて成功的に生産されてきた(Lee,SY,Trends Biotechnol.,14:98、1996)。特に、大腸菌の高密度細胞培養(high cell-density culture)技術が確立されており、これにより目的タンパク質を高い生産性で量産することができて、目的タンパク質の生産コストを削減することができる。しかし、効率的な発現ベクターシステムによって有用なタンパク質を大量生産するとしても、タンパク質の分離及び精製システムが確立できなければ、最終的に得られるタンパク質の収率(yields)が急激に減少してしまう。このような分離及び精製段階は、タンパク質の合成が困難で手間がかかる場合や生産量自体が少ない場合こそ一層重要である。
タンパク質の分離及び精製段階は、一般に次のような過程を経る。(1)細胞分画:細胞や組職をガラスホモジナイザー(glass homogenizer)、ミキサー(mixer)、ポリトロン(polytron)、ソニケーター(sonicator)などを用いて破砕し、遠心分離法により分離する。(2)可溶化:不溶性タンパク質を分離・精製する場合、先ずそれを可溶化しなければならない。生体膜タンパク質の可溶化剤として各種界面活性剤(SDS,Triton X−100,NonidetP−40,CHAPSなど)が用いられる。(3)タンパク質の分離、濃縮及び透析:タンパク質試料の本格的な精製に先立って、タンパク質溶解度による硫酸アンモニウム(ammonium sulfate)沈殿法、タンパク質分子量の差による分画分子量(molecular weight cut off)法、多孔性セルロース膜(porous cellulose membrane)による透析法(dialysis)などを用いる。(4)最終タンパク質の精製:タンパク質の精製方法は、表1に示すように多様であるので、各実験の目的と材料の種類によってこれらの方法を組み合わせて行う必要がある。通常、初期段階では、分離能力(separation activity)が多少低くても高い処理能力(process capacity)を有する方法を選択し、最終段階に行くほど高い分離能力を有する方法を用いる。
プロテアーゼ(protease)によるタンパク質の分解を防止するため、プロテアーゼ抑制剤(protease inhibitor)を混合して用いることができるが、中性セリン・プロテアーゼ(serine protease)に対しては0.4〜4.0mMのペファブロックSC(Pefabloc SC)、0.1〜1.0mMのフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF:phenylmethyl-sulfonyl fluoride)、5〜50mMのロイペプチン(Leupeptin)などを用い、中性メタロプロテアーゼ(metalloprotease)に対しては0.5〜5mM EDTAを用い、システイン・プロテアーゼ(cysteine protease)に対しては0.1〜30mM E−64を、アスパラギン酸プロテアーゼ(aspartic acid protease)に対しては1mMのペプスタチン(Pepstatin)を用いる。また、各種抑制剤(inhibitor)を混合したカクテル(cocktail)も汎用されている。
しかし、プロテアーゼ抑制剤を用いるとしても目的タンパク質の分解(proteolysis)を完全に抑制させることはできない。特に、プロテアーゼが多く存在する植物抽出物、または動物の膵臓(pancreas)、胃(stomach)、肝臓(liver)、脾臓(spleen)などで目的タンパク質が分離及び精製されるか、あるいは目的タンパク質自体がプロテアーゼによって攻撃され易くなった場合には、タンパク質損失が一層大きくなる。
一方、スモール熱ショックタンパク質(sHSPs)は、小分子量(12−43kDa)を有する熱ショックタンパク質(heat shock proteins:HSPs)であって、熱ショックや特定タンパク質の過剰生産のようなストレスによって誘導される。sHSPsは、真核生物(eukaryotes)から原核生物(prokaryotes)に至るまで全ての生物に1つ以上ずつ存在し、今まで明かにされているsHSPsは下記表2に示す通りである。
ATP非依存性sHSPsは、熱ストレス(heat stress)下で変性されたタンパク質と結合して、不可逆的にタンパク質の凝集(aggregation)を防ぐ機能を行い、ATP依存性熱ショックタンパク質(heat shock proteins)と協力して、変性されたタンパク質を正確にリフォールディング(refolding)することにより、変性されたタンパク質を元の状態に戻す。例えば、大腸菌由来のIbpAとIbpBは熱や酸化剤(oxidant)によるクエン酸シンターゼ(citrate synthase)の不活性化を防止すると報告されており(Kitagawa et al., Eur. J. Biochem., 269:2907, 2002)、豆(pea)由来のHSP18.1は熱ストレス下でリンゴ酸脱水素酵素(malate dehydrogenase:MDH)、グリセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(glyceraldehydes-3-phosphate dehydrogenase)などのようなタンパク質の凝集を防止する役目を果たすと報告されている(Lee et al., EMBO J., 16:659, 1997)。ヒト(human)由来のαクリスタリン(α-crystallin)は、変性された目的タンパク質の透析(dialysis)過程におけるタンパク質の凝集を防止して、目的タンパク質の正確なリフォールディング(correct refolding)を助けると報告されている(Horwitz et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:10449, 1992)。ブラディリゾビウム・ジャポニカム(Bradyrbizobium japonicum)由来のsHSPは、熱によるクエン酸シンターゼ(citrate synthase)の凝集を防止すると報告されている(Studer and Narberhaus, J. Biol. Chem., 275:37212, 2000)。熱に安定な有機体(organism)で精製したPfu−sHSPは、熱ストレス(heat stress)下で細胞のタンパク質を保護するから、PCRの遂行時に高温でTaq polymerase及び他の酵素を安定化させると報告されている(WO/01/79250A1)。また、マウス(Murine)由来のsHSP25は、診断分析(diagnostic assay)において不安定なタンパク質やペプチドを安定化させると報告されている(Ehrnsperger et al., Anal. Biochem., 259:218. 1998)。
このようなsHSPsタンパク質は、進化過程で保存された区域(conserved region)を有するため、ほとんど類似の機能を行っている。本発明者らは、sHSPsを含むタンパク質の分解防止用組成物及びこれを用いた2次元ゲル電気泳動法に対する特許を出願したことがある(PCT/KR03/02539)。しかし、目的タンパク質を製造する培養工程、目的タンパク質の分離・精製及び全体細胞酵素または部分精製された酵素を用いた反応工程における、プロテアーゼによる目的タンパク質の分解を効率的に防止することについてはまだ報告の例がない。
したがって、本発明者らは、目的タンパク質を製造する培養工程と分離・精製工程、及び目的タンパク質を生体触媒(biocatalyst)として用いる酵素反応において、プロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するための方法を開発するために鋭意努力した結果 、sHSPsを用いると、プロテアーゼによる目的タンパク質の損失を防止することができるということを確認し、本発明を完成するに至った。
発明の詳細な説明
本発明の主な目的は、プロテアーゼによって目的タンパク質の分解が発生する分離・精製過程に有効量のsHSPsを添加することを特徴とする目的タンパク質の分離・精製方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、プロテアーゼによって目的タンパク質の分解が発生する培養過程に有効量のsHSPsを添加することを特徴とする目的タンパク質の製造方法を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、sHSPsの遺伝子を含む組換え微生物を培養することを特徴とする目的タンパク質の製造方法を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、有効量のsHSPsを添加することを特徴とする全体細胞(whole cell)酵素または部分精製された酵素を用いた生物変換方法を提供することにある。
技術的解決方法
上記目的を達成するために、本発明は、目的タンパク質が発現された細胞またはその培養液から目的タンパク質を分離・精製する方法において、プロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するために分離・精製過程に有効量のsHSPsを添加することを特徴とする目的タンパク質の分離・精製方法を提供する。
また、本発明は、細胞培養による目的タンパク質の製造方法において、プロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するために培養過程に有効量のsHSPsを添加することを特徴とする目的タンパク質の製造方法を提供する。
また、本発明は、細胞培養による目的タンパク質の製造方法において、培養過程でプロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するためにsHSPsの遺伝子で組換えられた細胞を用いることを特徴とする目的タンパク質の製造方法を提供する。
本発明において、前記sHSPsの遺伝子で組換えられた細胞は、染色体にsHSPsの遺伝子が挿入されるか、sHSPsの遺伝子を含む組換えベクターで形質転換された細胞であることを特徴とし、また、sHSPsの遺伝子と目的タンパク質の遺伝子が融合タンパク質(fusion protein)の形として発現されるように組換えられた細胞であることを特徴とすることができる。
また、本発明は、目的タンパク質が発現された細胞またはその培養液からクロマトグラフィーを用いて目的タンパク質を分離・精製する方法において、プロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するためにそのレジン(resin)やビーズ(bead)に有効量のsHSPsが固定されているクロマトグラフィーを用いることを特徴とする目的タンパク質の分離・精製方法を提供する。
また、本発明は、全体細胞酵素又は部分精製された酵素を用いた反応によって基質から目的物質を製造する方法において、プロテアーゼによる前記酵素の分解を防止するために酵素反応過程に有効量のsHSPsを添加することを特徴とする目的物質の製造方法を提供する。
また、本発明は、プロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するために目的タンパク質の処理過程にsHSPsを用いる方法を提供する。
本発明において、sHSPsは、好ましくは、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)由来のIbpA、アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)由来のsHSPs、ブラディリゾビウム・ジャポニカム(Bradyrbizobium japonicum)由来のHSPB、HSPH、HSPC、HSPF、ブルセラ・スイス(Brucella suis)由来のIbpA、ブルクネラ・アフィディコラ(Bruchnera aphidicola)由来のsHSPs、ブルクネラ・アフィド(アシルソ・シフォン・ピサム)(Bruchnera aphid(Acyrthosiphon pisum))由来のIbpA、シトラス・トリステザ・ウイルス(Citrus tristeza virus)由来のsHSPs、大腸菌(E.coli)由来のIbpA、IbpB、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)由来のIbpB、ヒト(Human)由来のHSP27、α,β-クリスタリン(α,β-crystallin)、メサノコッカス・ジャナシィ(Methanococcus jannaschii)由来のHSP16.5、メタノピラス・カンドレリ(Methanopyrus kandler)由来のIbpA、マウス(Murine)由来のHSP25、マイコバクテリウム・レプラエ(Mycobacterium leprae)由来のsHSPs、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)由来のHSP16.3、ピレルラ種(Pirellula sp.)由来のIbpB、ピサム・サチバム(エンドウ豆)(Pisum sativum(pea))由来のHSP18.1、プラスモジウム・ファルシパラム(Plasmodium falciparum)由来のsHSPs、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP26、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ・セロバー・タイフィ(Salmonella enterica subsp. enterica serovar Typhi)由来のIbpA、IbpB、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)由来のIbpA、、IbpB、シェワネラ・オンエイデンシス(Shewanella oneidensis)由来のIbpA、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)由来のIbpA、IbpB、、シノリゾビウム・メリロティ(Sinorhizobium meliloti)由来のIbpA、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streotocuccus pyogenes)由来のIbpA、ストレプトミセス・コエリコロール(Streptomyces coelicolor)由来のsHSPs、スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus solfataricus)由来のsHSPs、シネココッカス・ブルカヌス(Synechococcus vulcanus)由来のHSP16、サーモアナエロバクター・テングコンジェンシス(Thermoanaerobacter tengcongensis)由来のIbpA、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermoplasma acidophilum)由来のIbpA、、エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis)由来のIbpA、IbpBよりなる群から選ばれた少なくとも一つ以上であることを特徴とし、より好ましくは、大腸菌由来のIbpA、IbpB及びIbpABとシュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA及びサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP26よりなる群から選ばれた少なくとも一つ以上であることを特徴とすることができる。
本発明において、プロテアーゼによるタンパク質の分解防止のために添加されるsHSPsの量は、全体タンパク質100重量部に対して好ましくは0.1乃至50重量部であり、より好ましくは0.5乃至20重量部である。0.1以下の重量部である場合、タンパク質の分解防止用として絶対量が不足し、20以上の重量部の場合、過量のsHSPsが目的タンパク質の分離・精製を妨げるか、sHSPsのコスト面で逆効果をもたらす。
プラスミドpTac99IbpAHの遺伝子地図である。 プラスミドpTac99IbpBHの遺伝子地図である。 プラスミドpTac99ppIbpAHの遺伝子地図である。 プラスミドpTac99HSP26Hの遺伝子地図である。 組換えプラスミドpTac99IbpAH、pTac99IbpBH、pTac99ppIbpAH及びpTac99HSP26Hでそれぞれ形質転換された組換え大腸菌XL1−Blueから発現されたIbpA、IbpB、ppIbpAまたはHSP26タンパク質を精製した電気泳動写真である。(A)において、レーンMはタンパク質標準分子量を示し、レーン1と2は精製されたIbpAを、レーン3と4は精製されたIbpBを、レーン5と6は精製されたppIbpAをそれぞれ示す。(B)において、レーンMはタンパク質標準分子量を示し、レーン1乃至3は精製されたHSP26を示す。 ヒト血清アルブミン(human serum albumin)が添加された溶解溶液(lysis solution)におけるsHSPによるプロテアーゼ抑制効果を示す電気泳動写真である。(A)は対照群としてsHSPsが添加されない溶解溶液であって、レーンMはタンパク質標準分子量を示し、レーン1は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンのみが添加された溶解溶液を、レーン2は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.05μg/μlのトリプシンが添加された溶液を、レーン3は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.025μg/μlのトリプシンが添加された溶液を、レーン4は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.017μg/μlのトリプシンが添加された溶液を、レーン5は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.01μg/μlのトリプシンが添加された溶液をそれぞれ示す。(B)、(C)及び(D)はそれぞれIbpA、IbpB及びHSP26が添加された溶解溶液であって、レーンMはタンパク質標準分子量を示し、レーン1は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.005ug/ulsHSPsのみが添加された溶解溶液を、レーン2は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.05μg/μlのトリプシンと0.005μg/μlのsHSPsが添加された溶液を、レーン3は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.025μg/μlのトリプシンと0.005μg/μlのsHSPsが添加された溶液を、レーン4は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.017μg/μlのトリプシンと0.005μg/μlのsHSPsが添加された溶液を、レーン5は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.01μg/μlのトリプシンと0.005μg/μlのsHSPsが添加された溶液をそれぞれ示す。(E)は様々なプロテアーゼ抑制剤(protease inhibitor)が添加された溶解溶液であって、レーンMはタンパク質標準分子量を示し、レーン1は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンのみが添加された溶解溶液を、レーン2は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.05μg/μlのトリプシンが添加された溶液を、レーン3は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.025μg/μlのトリプシンが添加された溶液を、レーン4は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.05μg/μlのトリプシンと1mMのPMSFが添加された溶液を、レーン5は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.025μg/μlのトリプシンと1mMのPMSFが添加された溶液を、レーン6は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.05μg/μlのトリプシンと4mMのペファブロックSCが添加された溶液を、レーン7は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.025μg/μlのトリプシンと4mMのぺファブロックSCが添加された溶液を、レーン8は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.05μg/μlのトリプシンとカクテル抑制剤(cocktail inhibitor)(7ml/tablet)が添加された溶液を、レーン9は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.025μg/μlのトリプシンとカクテル抑制剤(7ml/tablet)が添加された溶液を、レーン10は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.05μg/μlのトリプシンと1mMのEDTAが添加された溶液を、レーン11は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.025μg/μlのトリプシンと1mM EDTAが添加された溶液をそれぞれ示す。矢印はヒト血清アルブミンを示す。 ヒト血清アルブミンが添加された溶解溶液におけるsHSPsによるプロテアーゼ抑制効果を示す電気泳動写真である。(A)は対照群としてsHSPsが添加されない溶解溶液であって、レーンMはタンパク質標準分子量を示し、レーン1は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンのみが添加された溶解溶液を、レーン2は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに1.5×10-3μg/μlのプロテイナーゼKが添加された溶液を、レーン3は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.5×10−3μg/μlのプロテイナーゼKが添加された溶液を、レーン4は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに1.5×10−4μg/μlのプロテイナーゼKが添加された溶液を、レーン5は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.5×10−4μg/μlのプロテイナーゼKが添加された溶液をそれぞれ示す。(B)、(C)及び(D)はそれぞれIbpA、IbpB及びHSP26が添加された溶解溶液であって、レーンMはタンパク質標準分子量を示し、レーン1は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.005μg/μlのsHSPsのみが添加された溶解溶液を、レーン2は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに1.5×10−3μg/μlのプロテイナーゼKと0.005μg/μlのsHSPsが添加された溶液を、レーン3は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.5×10−3μg/μlのプロテイナーゼKと0.005μg/μlのsHSPsが添加された溶液を、レーン4は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに1.5×10−4μg/μlのプロテイナーゼKと0.005μg/μlのsHSPsが添加された溶液を、レーン5は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.5×10−4μg/μlのプロテイナーゼKと0.005μg/μlのsHSPsが添加された溶液をそれぞれ示す。矢印はヒト血清アルブミンを示す。(E)は様々なプロテアーゼ抑制剤(protease inhibitor)が添加された溶解溶液であって、レーンMはタンパク質標準分子量を示し、レーン1は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンのみが添加された溶解溶液を、レーン2は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.5×10−3μg/μlのプロテイナーゼKと4mMのぺファブロックSCが添加された溶液を、レーン3は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに1.5×10−4μg/μlのプロテイナーゼKと4mMのペファブロックSCが添加された溶液を、レーン4は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.5×10−3μg/μlのプロテイナーゼKとカクテル抑制剤(7ml/tablet)が添加された溶液を、レーン5は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに1.5×10−4μg/μlのプロテイナーゼKとカクテル抑制剤(7ml/tablet)が添加された溶液を、レーン6は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに0.5×10−3μg/μlのプロテイナーゼKと1mM EDTAが添加された溶液を、レーン7は0.5μg/μlのヒト血清アルブミンに1.5×10−4μg/μlのプロテイナーゼKと1mM EDTAが添加された溶液をそれぞれ示す。矢印はヒト血清アルブミンを示す。 生物分離・精製工程におけるsHSPsによる目的タンパク質の分解防止を示す概路図である。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。但し、これらの実施例は単に本発明を一層詳しく説明するためのものであり、本発明の要旨により本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではないということは、当業界における通常の知識を有する者にとって明らかである。
特に、下記実施例では、sHSPsとして大腸菌由来のIbpAとIbpB、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA及びサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP26を例示したが、表2に記載のsHSPsなども限定せずに適用可能である。
実施例1:ibpA、ibpBまたはHSP26遺伝子を含む組換えプラスミドの製造
大腸菌W3110(ATCC39936)の染色体DNA、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)KT2440(ATCC47054)の染色体DNA及びサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)の染色体DNAを、サムブルーク(Sambrook)等の方法により分離・精製した(Sambrook et al., Molecular Cloning, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY, 1989)。
大腸菌W3110、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)KT2440及びサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)を500mLのLB培地(Luria-Bertani medium)で24時間培養した。それぞれの菌株が初期の指数関数的増殖期(exponential growth phase)であるとき、遠心分離によって菌体を回収した後、10mg/mLのリゾチーム(lysozyme, Sigma Co., USA)が含まれているTE溶液(10mM Tris、1mM EDTA;pH7.6)50mLに懸濁した。前記菌株の懸濁液を24時間にかけて徐々に撹拌しつつ常温において培養した。
菌株の破砕とタンパク質の除去のために、前記培養液に10%のSDS(sodium dodecyl sulfate)溶液16mLと、20mg/mLのプロテイナーゼK(, Sigma Co., USA)570μlを加え、37℃で1時間反応させた。
次いで、5M塩化ナトリウム溶液14mLと、0.7M塩化ナトリウム溶液に溶解されている10%CTAB(cetyltrimethylammoniumbromide, Sigma Co., USA)10.66mLを加えた後、65℃で10分間反応させた。その後、前記反応液と同じ体積を有するクロロホルム:イソアミルアルコール(chloroform:isoamylalcohol)=24:1の混合液を加え、常温で2時間にかけて注意しながら混合した。前記混合液を6,000rpmで10分間遠心分離し、上清をビーカに移し、2倍量の冷却エタノールをゆっくり加えて染色体DNAを沈殿させた後、ガラス棒でDNAを巻き上げた。前記ガラス棒を自然乾燥させてエタノールを取り除去した後、1mLのTE溶液にDNAを溶解させた。
前記DNA溶液にRNase(Sigma Co., USA)を最終濃度が50μg/mLになるように加え、37℃で1時間反応させた。反応の完了後、再び前記反応液と同じ体積のクロロホルム:イソアミルアルコール(chloroform:isoamylalcohol)=24:1のを混合液を加え、常温で2時間かけて注意しながら混合した。
前記混合液を6,000rpmで10分間遠心分離して、上清をビーカに移し、2倍量の冷却エタノールをゆっくり加えて染色体DNAを沈殿させた後、ガラス棒でDNAを巻き上げた。前記ガラス棒を自然乾燥させてエタノールを取り除去した後、最終的に、1mLのTE溶液に精製された大腸菌W3110、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)KT2440及びサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)の染色体DNAを溶解させた。
IbpA、IbpB、ppIbpAまたはHSP26タンパク質の発現と精製を容易に行うために、下記のように組換えプラスミドである、pTac99IbpAH、pTac99IbpBH、pTac99ppIbpAH及びpTac99HSP26Hをそれぞれ製作した。
大腸菌W3110の染色体DNAを鋳型とし、それぞれ配列番号1と2、及び配列番号3と4のプライマーを用いてPCRを行い、大腸菌由来のibpA−6his及びibpB−6his遺伝子を得た。
また、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)KT2440の染色体DNAを鋳型とし、配列番号5と6のプライマーを用いてPCRを行い、シュードモナス由来のppibpA−6his遺伝子得た。シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)KT2440ゲノム(genome)では、ibpB遺伝子について、まだ明らかになっていない。
サッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)の染色体DNAを鋳型とし、配列番号7と8のプライマーを用いてPCRを行い、サッカロマイセス・セレヴィシエ由来のHSP26−6his遺伝子を得た。
PCRにおいて、最初の変性(denaturation)は95℃で5分間1回行い、2回目の変性は95℃で50秒間、アニール(annealing)は55℃で1分間、そして伸長(extention)は72℃で1分30秒間行った。また、これらの過程を30回繰り返した後、72℃で5分間、最後の伸長を1回行った。
得られたibpA−6his、ibpB−6his、ppibpA−6his及びHSP26−6his遺伝子をそれぞれ、EcoRIとHindIIIによって切断された組換えプラスミドであるpTac99Aに挿入し、プラスミドpTac99IbpAH、pTac99IbpBH、pTac99ppIbpAH及びpTac99HSP26Hをそれぞれ製作した (図1、図2、図3及び図4参照)。
前記組換えプラスミドであるpTac99Aは、pTrc99A(Pharmacia Biotech., Uppsala, Sweden)のtrcプローモータがpKK223−3(Pharmacia Biotech., Uppsala, Sweden)のtacプローモータに値き換えられたプラスミドであって、pKK223−3のtacプローモータを制限酵素PvuIIおよびEcoRIで処理して得た後、tacプローモータ遺伝子の切片(gene fragment)を同じ制限酵素によって切断されたpTrc99Aに挿入することにより製作した。
配列番号1: 5'-ggaattcatgcgtaactttgatttatccccg-3'
配列番号2: 5'-cccaagcttttaatggtgatgatggtgatggttgatttcgatacggcgcgg-3'
配列番号3: 5'-ggaattcatgcgtaacttcgatttatccccactg-3'
配列番号4: 5'-cccaagcttttaatggtgatgatggtgatggctatttaacgcgggacgttcgct-3'
配列番号5: 5'-ggaattcatgaccatgactactgctttc-3'
配列番号6: 5'-cccaagcttttaatggtgatgatggtgatggttcagcgctggttttt-3'
配列番号7: 5'-ggaattcatgtcatttaacagtccatttt-3'
配列番号8: 5'-cccaagcttttaatggtgatgatggtgatggttaccccacgattcttgaga-3'
実施例2:IbpA、IbpB及びHSP26タンパク質の精製
前記実施例1に従い製作されたIbpA、IbpBまたはHSP26タンパク質をコードする遺伝子を含む組換えプラスミドである、pTac99IbpAH、pTac99IbpBH、pTac99ppIbpAH及びpTac99HSP26Hによってそれぞれ形質転換された組換え大腸菌XL1−Blue(Stratagene, USA)を、抗生剤であるアンピシリン(ampicillin)50mg/Lの添加されたLB培地(酵母抽出液5g/L、トリプトファン10g/L、塩化ナトリウム10g/L)で培養した。
IbpA、IbpB、ppbpA及びHSP26タンパク質の発現を誘導するために、分光光度計により600nm波長で測定した光学密度(O.D.)が0.7であるとき、1mMのIPTG(isopropyl-b-thiogalactoside)を添加した。前記IPTG添加後、4時間が経過してから培養液を1mLずつ取り、4℃、6,000rpmで5分間遠心分離し、得られた沈殿物を0.5mLのTE溶液(10mM Tris−HCl、1mM EDTA;pH8.0)で1回洗浄した後、再び4℃、6,000rpmで5分間遠心分離して、沈殿物を得た。前記得られた沈殿物を0.2mLの平衡溶液(equilibrium solution)(8M Urea、100mM NaH2PO4、10mM Tris;pH8.0)に懸濁させ、超音波で破砕して分画した。
前記懸濁溶液を4℃、10,000rpmで10分間遠心分離し、上清を取り、予め平衡溶液によって平衡化されたNi−NTAスピンカラム(Qiagen, USA)に通過させた後、2,000rpmで2分間遠心分離した。600μlの洗浄溶液(8M Urea、100mM NaHPO、10mM Tris;pH6.3)をカラムに2回通過させ、200μlの溶離溶液(eluant)(8M Urea、100mM NaHPO、10mM Tris;pH4.5)をカラムに入れて、IbpA、IbpB及びHSP26タンパク質を精製した。
前記精製されたIbpA、IbpB及びHSP26タンパク質を含有した溶液を200μlずつ取り、これらをSDS−PAGEサンプル溶液(25%のグリセロール、2%のSDS、14.4mMの2−メルカプトエタノール、0.1%のブロモフェノールブルー(bromophenol blue)、60mM Tris−HCl)50μlと混合し、10分間沸騰させた後、これを12%分離用ゲル(separating gel)でSDS−PAGEゲル電気泳動を行った。次いで、ゲルを染色溶液(メタノール40%、アセト酸10%、0.25g/LのクマシーブリリアントブルーR(Coomassie brilliant blue R))に2時間以上浸漬して染色させ、さらに脱色溶液(40%のメタノール、7%のアセト酸)に2時間以上、ずつ2回かけて浸漬して脱色させた。
図5は、組換えプラスミドであるpTac99IbpAH、pTac99IbpBH、pTac99ppIbpAH及びpTac99HSP26Hによってそれぞれ形質転換された組換え大腸菌XL1−Blueから発現されたIbpA、IbpB、ppbpA及びHSP26タンパク質を精製した結果を示す電気泳動写真である。図5に示すように、精製されたIbpA、IbpB、ppbpA及びHSP26タンパク質の純度(purity)はほとんど100%であることがわかる。
実施例3:トリプシンによる目的タンパク質の分解におけるsHSPsの影響
目的タンパク質は細胞の溶解溶液(lysis solution)内でプロテアーゼに攻撃されやすいため、多くの損失が発生する。本実施例では、目的タンパク質としてのヒト血清アルブミンを溶解溶液で希釈し、2時間にかけて常温でプロテアーゼであるトリプシン(trypsin)を多様な濃度で共に培養した。プロテアーゼの濃度は、目的タンパク質に対して、0、1/10、1/20、1/30、1/50に変化させた。sHSPsは、大腸菌由来のIbpAとIbpB、サッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP26を用いた。
図6は、ヒト血清アルブミンが添加された溶解溶液におけるsHSPによるプロテアーゼ抑制効果を示す電気泳動写真である。図6に示すように、sHSPsが添加された溶液では目的タンパク質としてのヒト血清アルブミンがほとんど分解されないのに対し、対照群ではヒト血清アルブミンがプロテアーゼの攻撃によってほとんど分解された。図6(A)−図6(D)のレーン2を比較すると、特に、ヒト血清アルブミンはトリプシンによって完全に分解されるのに対し、少量のsHSPを添加した場合にはほとんど分解されなかった。また、図6(B)−図6(D)のレーン2及び3と図6(E)のレーン4乃至11を比較すると、従来のプロテアーゼ抑制剤よりも、sHSPsが格段に効果的にプロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するということがわかる。
実施例4:プロテイナーゼKによる目的タンパク質の分解におけるsHSPsの影響
本実施例では、他のプロテアーゼとしてのプロテイナーゼKを用いて、上記と同じ実験を行った。目的タンパク質としてのヒト血清アルブミンを溶解溶液で希釈し、2時間にかけて常温で多様な濃度のプロテイナーゼKと共に培養した。プロテアーゼの濃度は、目的タンパク質に対して、0、1/300、1/1000、1/3000、1/10000に変化させた。sHSPとしては、大腸菌由来のIbpAとIbpB、サッカロマイセス・セレヴィシエ由来のHSP26を用いた。
図7は、ヒト血清アルブミンが添加された溶解溶液におけるsHSPsによるプロテアーゼ抑制効果を示す電気泳動写真である。図7に示すように、sHSPsが添加された溶液では目的タンパク質としてのヒト血清アルブミンがほとんど分解されないの対し、対照群ではヒト血清アルブミンがプロテアーゼの攻撃によってほとんど分解された。図7(A)−図7(D)のレーン3とレーン4をそれぞれ比較すると、特に、ヒト血清アルブミンはプロテイナーゼKによってほとんど分解されるのに対し、少量のsHSPを添加した場合にはほとんど分解されなかった。また、図7(B)−図7(D)のレーン3と図7(E)のレーン2、レーン4及びレーン6を比較すると、sHSPsは、従来のプロテアーゼ抑制剤よりも、格段に効果的にプロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するということがわかる。
間接実施例
以上の実施例では、目的タンパク質の分離・精製工程におけるsHSPsを添加した場合、sHSPsがプロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するということを例示した。しかし、ほとんどの微生物培養の際、プロテアーゼが生成されることを勘案すると、目的タンパク質を製造する培養過程にsHSPsを添加するか、目的タンパク質製造用細胞をsHSPsの遺伝子で形質転換し、培養させて、目的タンパク質とsHSPsを同時に発現させる場合、プロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止することができるということは、当業者にとって明らかなことである。
したがって、本発明は、生物分離・精製工程での目的タンパク質の分解を最小化するために、図8の概路図を示した。図8に示すように、精製されたsHSPsを目的タンパク質分離・精製の各段階に添加するか、または、最初の段階から細胞内(in vivo)でsHSPsを目的タンパク質と共に発現させる方法を含む。細胞内でsHSPsを目的タンパク質と共に発現させるときには、sHSPsを、細胞の染色体に挿入するか、プラスミドの形で挿入して、発現させることができ、又は直接連結ペプチド(direct linker peptide)を用いて目的タンパク質との融合タンパク質(fusion protein)の形で製造して発現させることもできる。
また、全体細胞酵素または部分精製された酵素にもプロテアーゼが含まれているため、全体細胞酵素または部分精製された酵素を用いる反応工程にsHSPsを添加する場合、プロテアーゼによる目的酵素の分解を防止することができるということも、当業者にとって明らかなことである。
以上、本発明の内容の特定の部分を詳細に記述したが、当業界における通常の知識を有する者にとって、このような具体的な記述は単なる好適な実施様態に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されるものではないということは明らかである。よって、本発明の実質的な範囲は、特許請求の範囲とこれらの等価物によって定義される筈である。
本発明は、目的タンパク質を製造するための培養、分離及び精製工程と、目的タンパク質を生体触媒(biocatalyst)として用いる酵素反応工程とにsHSPsを用いることを特徴とするプロテアーゼによる目的タンパク質の分解防止方法を提供する効果がある。本発明によるIbpA、IbpB、IbpAB、HSP26などのsHSPsを用いた生物分離・精製工程によれば、プロテアーゼによる目的タンパク質の損失を防止することができ、sHSPsは、従来の高いプロテアーゼ抑制剤を用いる場合よりも、格段に効果的にプロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止することができる。よって、本発明は、目的タンパク質の製造方法及び利用方法を効果的に改善するのに有用であろうと期待される。

Claims (20)

  1. 目的タンパク質が発現された細胞またはその培養液から目的タンパク質を分離・精製する方法において、プロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するために分離・精製過程に有効量のスモール熱ショックタンパク質(sHSPs)を添加することを特徴とする、目的タンパク質の分離・精製方法。
  2. 前記sHSPsはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)由来のIbpA、アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)由来のsHSPs、ブラディリゾビウム・ジャポニカム(Bradyrbizobium japonicum)由来のHSPB、HSPH、HSPC、HSPF、ブルセラ・スイス(Brucella suis)由来のIbpA、ブルクネラ・アフィディコラ(Bruchnera aphidicola)由来のsHSPs、ブルクネラ・アフィド(アシルソ・シフォン・ピサム)(Bruchnera aphid(Acyrthosiphon pi sum))由来のIbpA、シトラス・トリステザ・ウイルス(Citrus tristeza virus)由来のsHSPs、大腸菌(E.coli)由来のIbpA、IbpB、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)由来のIbpB、ヒト(Human)由来のHSP27、α,β-クリスタリン(α,β-crystallin)、メサノコッカス・ジャナシィ(Methanococcus jannaschii)由来のHSP16.5、メタノピラス・カンドレリ(Methanopyrus kandleri)由来のIbpA、マウス(Murine)由来のHSP25、マイコバクテリウム・レプラエ(Mycobacterium leprae)由来のsHSPs、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)由来のHSP16.3、ピレルラ種(Pirellula sp. )由来のIbpB、ピサム・サチバム(エンドウ豆)(Pisum sativum(pea))由来のHSP18.1、プラスモジウム・ファルシパラム(Plasmodium falciparum)由来のsHSPs、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP26、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ・セロバー・タイフィ)Salmonella enterica subsp. enterica serovar Typhi)由来のIbpA、IbpB、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)由来のIbpA、IbpB、シェワネラ・オンエイデンシス(Shewanella oneidensis)由来のIbpA、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)由来のIbpA、IbpB、シノリゾビウム・メリロティ(Sinorhizobium meliloti)由来のIbpA、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streotocuccus pyogenes)由来のIbpA、ストレプトミセス・コエリコロール(Streptomyces coelicolor)由来のsHSPs、スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus solfataricus)由来のsHSPs、シネココッカス・ブルカヌス(Synechococcus vulcanus)由来のHSP16、サーモアナエロバクター・テングコンジェンシス(Thermoanaerobacter tengcongensis)由来のIbpA、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermoplasma acidophilum)由来のIbpA、エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis)由来のIbpA、IbpBよりなる群から選ばれた、少なくとも一つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の目的タンパク質の分離・精製方法。
  3. 前記sHSPsは大腸菌由来のIbpA、大腸菌由来のIbpB、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA及びサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP2よりなる群から選ばれた、少なくとも一つ以上であることを特徴とする、請求項2に記載の目的タンパク質の分離・精製方法。
  4. 細胞培養による目的タンパク質の製造方法において、プロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するために培養過程に有効量のsHSPsを添加することを特徴とする、目的タンパク質の製造方法。
  5. 前記sHSPsはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)由来のIbpA、アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)由来のsHSPs、ブラディリゾビウム・ジャポニカム(Bradyrbizobium japonicum)由来のHSPB、HSPH、HSPC、HSPF、ブルセラ・スイス(Brucella suis)由来のIbpA、ブルクネラ・アフィディコラ(Bruchnera aphidicola)由来のsHSPs、ブルクネラ・アフィド(アシルソ・シフォン・ピサム)(Bruchnera aphid(Acyrthosiphon pi sum))由来のIbpA、シトラス・トリステザ・ウイルス(Citrus tristeza virus)由来のsHSPs、大腸菌(E.coli)由来のIbpA、IbpB、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)由来のIbpB、ヒト(Human)由来のHSP27、α,β-クリスタリン(α,β-crystallin)、メサノコッカス・ジャナシィ(Methanococcus jannaschii)由来のHSP16.5、メタノピラス・カンドレリ(Methanopyrus kandleri)由来のIbpA、マウス(Murine)由来のHSP25、マイコバクテリウム・レプラエ(Mycobacterium leprae)由来のsHSPs、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)由来のHSP16.3、ピレルラ種(Pirellula sp. )由来のIbpB、ピサム・サチバム(エンドウ豆)(Pisum sativum(pea))由来のHSP18.1、プラスモジウム・ファルシパラム(Plasmodium falciparum)由来のsHSPs、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP26、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ・セロバー・タイフィ)Salmonella enterica subsp. enterica serovar Typhi)由来のIbpA、IbpB、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)由来のIbpA、IbpB、シェワネラ・オンエイデンシス(Shewanella oneidensis)由来のIbpA、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)由来のIbpA、IbpB、シノリゾビウム・メリロティ(Sinorhizobium meliloti)由来のIbpA、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streotocuccus pyogenes)由来のIbpA、ストレプトミセス・コエリコロール(Streptomyces coelicolor)由来のsHSPs、スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus solfataricus)由来のsHSPs、シネココッカス・ブルカヌス(Synechococcus vulcanus)由来のHSP16、サーモアナエロバクター・テングコンジェンシス(Thermoanaerobacter tengcongensis)由来のIbpA、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermoplasma acidophilum)由来のIbpA、エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis)由来のIbpA、IbpBよりなる群から選ばれた、少なくとも一つ以上であることを特徴とする、請求項4に記載の目的タンパク質の製造方法。
  6. 前記sHSPsは大腸菌由来のIbpA、大腸菌由来のIbpB、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA及びサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP2よりなる群から選ばれた、少なくとも一つ以上であることを特徴とする、請求項5に記載の目的タンパク質の製造方法。
  7. 細胞培養による目的タンパク質の製造方法において、培養過程でプロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するためにsHSPsの遺伝子で組換えられた細胞を用いることを特徴とする、目的タンパク質の製造方法。
  8. 前記sHSPsの遺伝子で組換えられた細胞は、染色体にsHSPsの遺伝子が挿入された細胞、又はsHSPsの遺伝子を含む組換えベクターで形質転換された細胞であることを特徴とする、請求項7に記載の目的タンパク質の製造方法。
  9. 前記sHSPsの遺伝子で組換えられた細胞は、sHSPsの遺伝子と目的タンパク質の遺伝子が融合タンパク質(fusion protein)の形として発現されるように組換えられた細胞であることを特徴とする、請求項7に記載の目的タンパク質の製造方法。
  10. 前記sHSPsはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)由来のIbpA、アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)由来のsHSPs、ブラディリゾビウム・ジャポニカム(Bradyrbizobium japonicum)由来のHSPB、HSPH、HSPC、HSPF、ブルセラ・スイス(Brucella suis)由来のIbpA、ブルクネラ・アフィディコラ(Bruchnera aphidicola)由来のsHSPs、ブルクネラ・アフィド(アシルソ・シフォン・ピサム)(Bruchnera aphid(Acyrthosiphon pi sum))由来のIbpA、シトラス・トリステザ・ウイルス(Citrus tristeza virus)由来のsHSPs、大腸菌(E.coli)由来のIbpA、IbpB、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)由来のIbpB、ヒト(Human)由来のHSP27、α,β-クリスタリン(α,β-crystallin)、メサノコッカス・ジャナシィ(Methanococcus jannaschii)由来のHSP16.5、メタノピラス・カンドレリ(Methanopyrus kandleri)由来のIbpA、マウス(Murine)由来のHSP25、マイコバクテリウム・レプラエ(Mycobacterium leprae)由来のsHSPs、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)由来のHSP16.3、ピレルラ種(Pirellula sp.)由来のIbpB、ピサム・サチバム(エンドウ豆)(Pisum sativum(pea))由来のHSP18.1、プラスモジウム・ファルシパラム(Plasmodium falciparum)由来のsHSPs、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP26、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ・セロバー・タイフィ)Salmonella enterica subsp. enterica serovar Typhi)由来のIbpA、IbpB、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)由来のIbpA、IbpB、シェワネラ・オンエイデンシス(Shewanella oneidensis)由来のIbpA、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)由来のIbpA、IbpB、シノリゾビウム・メリロティ(Sinorhizobium meliloti)由来のIbpA、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streotocuccus pyogenes)由来のIbpA、ストレプトミセス・コエリコロール(Streptomyces coelicolor)由来のsHSPs、スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus solfataricus)由来のsHSPs、シネココッカス・ブルカヌス(Synechococcus vulcanus)由来のHSP16、サーモアナエロバクター・テングコンジェンシス(Thermoanaerobacter tengcongensis)由来のIbpA、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermoplasma acidophilum)由来のIbpA、エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis)由来のIbpA、IbpBよりなる群から選ばれた、少なくとも一つ以上であることを特徴とする、請求項7に記載の目的タンパク質の製造方法。
  11. 前記sHSPsは大腸菌由来のIbpA、大腸菌由来のIbpB、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA及びサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP2よりなる群から選ばれた、少なくとも一つ以上であることを特徴とする、請求項10に記載の目的タンパク質の製造方法。
  12. 目的タンパク質が発現された細胞またはその培養液からクロマトグラフィーを用いて目的タンパク質を分離・精製する方法において、プロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するためにそのレジン(resin)又はビーズ(bead)に有効量のsHSPsが固定されているクロマトグラフィーを用いることを特徴とする、目的タンパク質の分離・精製方法。
  13. 前記sHSPsはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)由来のIbpA、アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)由来のsHSPs、ブラディリゾビウム・ジャポニカム(Bradyrbizobium japonicum)由来のHSPB、HSPH、HSPC、HSPF、ブルセラ・スイス(Brucella suis)由来のIbpA、ブルクネラ・アフィディコラ(Bruchnera aphidicola)由来のsHSPs、ブルクネラ・アフィド(アシルソ・シフォン・ピサム)(Bruchnera aphid(Acyrthosiphon pi sum))由来のIbpA、シトラス・トリステザ・ウイルス(Citrus tristeza virus)由来のsHSPs、大腸菌(E.coli)由来のIbpA、IbpB、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)由来のIbpB、ヒト(Human)由来のHSP27、α,β-クリスタリン(α,β-crystallin)、メサノコッカス・ジャナシィ(Methanococcus jannaschii)由来のHSP16.5、メタノピラス・カンドレリ(Methanopyrus kandleri)由来のIbpA、マウス(Murine)由来のHSP25、マイコバクテリウム・レプラエ(Mycobacterium leprae)由来のsHSPs、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)由来のHSP16.3、ピレルラ種(Pirellula sp.)由来のIbpB、ピサム・サチバム(エンドウ豆)(Pisum sativum(pea))由来のHSP18.1、プラスモジウム・ファルシパラム(Plasmodium falciparum)由来のsHSPs、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP26、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ・セロバー・タイフィ)Salmonella enterica subsp. enterica serovar Typhi)由来のIbpA、IbpB、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)由来のIbpA、IbpB、シェワネラ・オンエイデンシス(Shewanella oneidensis)由来のIbpA、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)由来のIbpA、IbpB、シノリゾビウム・メリロティ(Sinorhizobium meliloti)由来のIbpA、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streotocuccus pyogenes)由来のIbpA、ストレプトミセス・コエリコロール(Streptomyces coelicolor)由来のsHSPs、スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus solfataricus)由来のsHSPs、シネココッカス・ブルカヌス(Synechococcus vulcanus)由来のHSP16、サーモアナエロバクター・テングコンジェンシス(Thermoanaerobacter tengcongensis)由来のIbpA、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermoplasma acidophilum)由来のIbpA、エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis)由来のIbpA、IbpBよりなる群から選ばれた、少なくとも一つ以上であることを特徴とする、請求項12に記載の目的タンパク質の分離・精製方法。
  14. 前記sHSPsは大腸菌由来のIbpA、大腸菌由来のIbpB、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA及びサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP2よりなる群から選ばれた、少なくとも一つ以上であることを特徴とする、請求項13に記載の目的タンパク質の分離・精製方法。
  15. 全体細胞酵素又は部分精製された酵素を用いた反応によって基質から目的物質を製造する方法において、プロテアーゼによる前記酵素の分解を防止するために酵素反応過程に有効量のsHSPsを添加することを特徴とする、目的物質の製造方法。
  16. 前記sHSPsはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)由来のIbpA、アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)由来のsHSPs、ブラディリゾビウム・ジャポニカム(Bradyrbizobium japonicum)由来のHSPB、HSPH、HSPC、HSPF、ブルセラ・スイス(Brucella suis)由来のIbpA、ブルクネラ・アフィディコラ(Bruchnera aphidicola)由来のsHSPs、ブルクネラ・アフィド(アシルソ・シフォン・ピサム)(Bruchnera aphid(Acyrthosiphon pi sum))由来のIbpA、シトラス・トリステザ・ウイルス(Citrus tristeza virus)由来のsHSPs、大腸菌(E.coli)由来のIbpA、IbpB、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)由来のIbpB、ヒト(Human)由来のHSP27、α,β-クリスタリン(α,β-crystallin)、メサノコッカス・ジャナシィ(Methanococcus jannaschii)由来のHSP16.5、メタノピラス・カンドレリ(Methanopyrus kandleri)由来のIbpA、マウス(Murine)由来のHSP25、マイコバクテリウム・レプラエ(Mycobacterium leprae)由来のsHSPs、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)由来のHSP16.3、ピレルラ種(Pirellula sp. )由来のIbpB、ピサム・サチバム(エンドウ豆)(Pisum sativum(pea))由来のHSP18.1、プラスモジウム・ファルシパラム(Plasmodium falciparum)由来のsHSPs、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP26、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ・セロバー・タイフィ)Salmonella enterica subsp. enterica serovar Typhi)由来のIbpA、IbpB、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)由来のIbpA、IbpB、シェワネラ・オンエイデンシス(Shewanella oneidensis)由来のIbpA、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)由来のIbpA、IbpB、シノリゾビウム・メリロティ(Sinorhizobium meliloti)由来のIbpA、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streotocuccus pyogenes)由来のIbpA、ストレプトミセス・コエリコロール(Streptomyces coelicolor)由来のsHSPs、スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus solfataricus)由来のsHSPs、シネココッカス・ブルカヌス(Synechococcus vulcanus)由来のHSP16、サーモアナエロバクター・テングコンジェンシス(Thermoanaerobacter tengcongensis)由来のIbpA、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermoplasma acidophilum)由来のIbpA、エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis)由来のIbpA、IbpBよりなる群から選ばれた、少なくとも一つ以上であることを特徴とする、請求項15に記載の目的物質の製造方法。
  17. 前記sHSPsは大腸菌由来のIbpA、大腸菌由来のIbpB、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA及びサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP2よりなる群から選ばれた、少なくとも一つ以上であることを特徴とする、請求項16に記載の目的物質の製造方法。
  18. プロテアーゼによる目的タンパク質の分解を防止するために前記目的タンパク質の処理過程にsHSPsを用いる方法。
  19. 前記sHSPsはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)由来のIbpA、アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)由来のsHSPs、ブラディリゾビウム・ジャポニカム(Bradyrbizobium japonicum)由来のHSPB、HSPH、HSPC、HSPF、ブルセラ・スイス(Brucella suis)由来のIbpA、ブルクネラ・アフィディコラ(Bruchnera aphidicola)由来のsHSPs、ブルクネラ・アフィド(アシルソ・シフォン・ピサム)(Bruchnera aphid(Acyrthosiphon pi sum))由来のIbpA、シトラス・トリステザ・ウイルス(Citrus tristeza virus)由来のsHSPs、大腸菌(E.coli)由来のIbpA、IbpB、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)由来のIbpB、ヒト(Human)由来のHSP27、α,β-クリスタリン(α,β-crystallin)、メサノコッカス・ジャナシィ(Methanococcus jannaschii)由来のHSP16.5、メタノピラス・カンドレリ(Methanopyrus kandleri)由来のIbpA、マウス(Murine)由来のHSP25、マイコバクテリウム・レプラエ(Mycobacterium leprae)由来のsHSPs、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)由来のHSP16.3、ピレルラ種(Pirellula sp. )由来のIbpB、ピサム・サチバム(エンドウ豆)(Pisum sativum(pea))由来のHSP18.1、プラスモジウム・ファルシパラム(Plasmodium falciparum)由来のsHSPs、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP26、サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ・セロバー・タイフィ)Salmonella enterica subsp. enterica serovar Typhi)由来のIbpA、IbpB、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)由来のIbpA、IbpB、シェワネラ・オンエイデンシス(Shewanella oneidensis)由来のIbpA、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)由来のIbpA、IbpB、シノリゾビウム・メリロティ(Sinorhizobium meliloti)由来のIbpA、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streotocuccus pyogenes)由来のIbpA、ストレプトミセス・コエリコロール(Streptomyces coelicolor)由来のsHSPs、スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus solfataricus)由来のsHSPs、シネココッカス・ブルカヌス(Synechococcus vulcanus)由来のHSP16、サーモアナエロバクター・テングコンジェンシス(Thermoanaerobacter tengcongensis)由来のIbpA、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermoplasma acidophilum)由来のIbpA、エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis)由来のIbpA、IbpBよりなる群から選ばれた、少なくとも一つ以上であることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  20. 前記sHSPsは大腸菌由来のIbpA、大腸菌由来のIbpB、シュードモナス(Pseudomonas)属由来のIbpA及びサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のHSP2よりなる群から選ばれた、少なくとも一つ以上であることを特徴とする、請求項19に記載の目的物質の製造方法。
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