本発明は各種病気及び健康状態を処理するためのペプチド及び担持されたペプチドを提供する。特に好ましい態様において、本発明はパーソナルケア組成物及びその使用方法を提供する。幾つかの態様において、本発明は化粧品のほかに、スキンケア及び/ヘアケアに用いる組成物を提供する。代替的に好ましい態様において、本発明は酒渣等の皮膚の病気を治療するためのペプチド及び担持されたペプチドを提供する。幾つかの好ましい態様において、本発明の担持されたペプチドは抗VGEFペプチドである。代替的な特に好ましい態様において、前記担持スキャフォールドはBBIを含む。
血管新生は組織の所与のエリアへの血液供給を進行させる。血管新生は正常な発育の一部であり、炎症又は腫瘍細胞による血管成長の促進のほかに損傷部位の再血管形成でもある。血管新生は腫瘍又は悪性条件下で毛細血管の形成を通じて、血液を供給するプロセスである。
血管新生は標的組織において、及びはなれた部位において生産される。血管新生促進及び血管新生抑制因子のバランスにより正常及び腫瘍細胞において制御されている(Fidler et al, [1998]; and McNamara et al, [1998]参照)。
血管(成長)因子-A(VGEF、血管浸透性因子「VPF」としても知られている)は血管新生の主要な刺激因子である。VGEFは低酸素症及び発癌突然変異により誘発され、幅広い組織において生産される(Kerbel et al, [1998]; and Mazure et al, [1996]参照)。抗VGEFレセプターの抑制、可用性レセプターの構築、アンチセンスストラテジー、VGEFに対するRNAアプタマー及び低分子量VGEFレセプターチロシキナーゼ(RTK)インヒビターはVGEFシグナリングを阻害するために提案されている(Siemeister et al, [1998]参照)。実際に、VGEFに対するモノクローナル抗体は、ヒト腫瘍異種移植片の成長及びマウスにおいて腹水の形成を抑制する(Kim et al, [1993]; Asano et al, [1998]; Mesiano et al, [1998]; Luo et al, [1998a] and [1998b]; and Borgstrom et al, [1996] and [1998]参照)。
RTKは幅広い生物活性を有するポリマーペプチド成長因子に対する膜貫通受容体のラージファミリーを含む。RTK固有の機能はレセプター及び複数の細胞基質のリン酸化を引き起こし、その後各種細胞反応を引き起こす、リガンド結合を活性化することである(Ullrich & Schlessinger, Cell 61:203-212 [1990]参照)。
異なる生理的システムに影響している多くの他の疾病又は状況は、関節炎とアテローム斑(骨と靭帯)、糖尿病性網膜症、新生血管緑内障、黄斑変性、視覚のヘルペス、トラコーマ、及び角膜移植血管新生(目)、乾癬、強皮症、酒さ、血管腫、及び肥大性瘢痕化 (皮)、導管付着及び血管線維腫(血液系)等の血管新生に依存しているので、VEFG及びRTKを含む血管新生は癌の進行においてのみ含まれるものではない。
VEGFは皮膚における脈管化の主要な血管新生因子である(Detmar [2000])。VEGF 発現は乾癬において、傷の治癒において、及び高度な血管形成により特徴付けられる他の皮膚の病気において、表皮の過形成を促進する(Detmar and Yeo et al. [1995]) (Detmar [2000]上記)。標的とされるトランスジェニックマウスの表皮におけるVEGFの過剰発現は、同じくらいの屈曲及び漏れのある血管を含む血管新生を促進することが報告されている(参照 Brown et al. [1998])。マウスの皮膚において長期間のVGEF合成は、VGEFに特異性を有する因子の」結合により可逆的となりうるヒト乾癬に対する最初の免疫組織学的に等しいネズミ科のモデルをもたらした(Xia et al. [2003])。
プロテアーゼは多種多様な生物学的プロセスに関係している。プロテアーゼとプロテアーゼ抑制剤の間のバランスの分裂はしばしば病理学的組織破壊と関連する。実際、様々な研究は組織損傷におけるプロテアーゼの役割に集中し、組織完全性を維持することについて、プロテアーゼとプロテアーゼ抑制因子の間のバランスが主要な決定要素であると考えられている。好中球を含む炎症細胞からのセリンプロテアーゼは肺気腫、関節炎、アトピー性皮膚炎、及び乾癬などの様々な炎症性の障害に関係している。
プロテアーゼはまた、一定の癌のまん延において機能するようである。細胞外マトリックス(ECM)と呼ばれる複雑なタンパク質ネットワークと連携しながら正常細胞は存在している。ECMは細胞運動への障害であり、癌細胞が転移するためには、それらのアタッチメントを壊し、分解し、ECMを通過して動くことにより、転移しなければならない。プロテアーゼは、他のタンパク質を分解する酵素であり、ずっと、ECMを崩壊して、腫瘍細胞をそれらのオリジナルの位置から遊離を助ける作用をすると考えられている。最近の研究は、それらがプロテアーゼactiveted Receptre-2(PAR2)と呼ばれる腫瘍細胞膜の中のタンパク質の活性化を通してセル形変化と運動性を促進することができることを示唆した。これは、細胞の運動性装置を作動させる細胞内の反応のカスケードを引き起こしている。従って、腫瘍転移における最初のステップの1つは、移動方向に向いている1つのエッジにおいて、それが別個の突出部を成形するように、セル形を再編することであることが仮定されている。細胞はその後、血管壁を通って移動し、転移性腫瘍を再付着させ、及び成形して、末梢部の位置に移動する。例えば、人の前立腺の上皮細胞は構造的に、精漿の正常なコンポーネントである前立腺固有の抗原(PSA)(カリクレイン様セリンプロテアーゼ)を分泌する。このプロテアーゼは、細胞外マトリックスを低下させて、癌細胞への侵略を容易にするために、作用する。
合成及び天然プロテアーゼ抑制因子は、in vivo 及び in vitroで腫瘍プロモーションを抑制することが証明されている。前の調査は、セリンプロテアーゼ・インヒビターまたはSERPINSとして分類された構造上関連のタンパク質のファミリーに付属している一定のプロテアーゼ抑制因子が、好中球エラスターゼと同様にトリプシン、カテプシンG、トロンビン、及び組織カリクレインを含むいくつかのプロテアーゼを抑制すると知られていることを示した。SERPINSは、in vivoでの癌誘発性軽質転換及び動物モデルシステムにおける発癌を防止/抑制するに極めて効果的である。精製されたプロテアーゼ抑制因子の全身系投与は明らかにその上、関節炎症と軟骨及び骨の破壊を減らす。
プロテアーゼ抑制因子の局部的での管理はアトピー性皮膚炎(皮膚の炎症の共通のフォーム)のような症状において使用を発見する(それは少しのパッチに制限されるか、体の大部分を含むかもしれない)。プロテアーゼ抑制因子の脱色素化作用と紫外線によって誘発される色素沈着を防止する機能はin vitor及びin vivoにおいて証明されている(例えば、Paine et al, J. Invest. Dermatol., 116:587-595 [2001]参照)。プロテアーゼ抑制因子はまた、損傷治癒を容易にすることが報告されている。例えば、分泌性白血球プロテアーゼ抑制因子は、組織破壊をリバースし、局部的に適用される時に損傷の立ち直りを促進することが示された。さらに、セリンプロテアーゼ・インヒビターは、紅斑性狼瘡患者中で苦痛を減らすことに役立つこともできる(例えば、US Patent No. 6537968参照)。Bowman-Birkプロテアーゼ抑制因子(BBI)は大豆及び各種種、主にマメ科及び植物質中に見られる安定性のある、低い分子量トリプシンとキモトリプシン酵素抑制因子のファミリーである。BBIは、約8 kDの分子量のジスルフィド結合タンパク質のファミリーから含む(例えば、Chou et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 71: 1748-1752 [1974] ; Yavelow et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:5395-5399 [1985]; and Yavelow et al, Cancer Res. (前記) 43:2454s-2459s [1983]参照)。BBIは独立なネイティブのバインドループ(トリプシンとキモトリプシンの両方のために結合部を含んでいるネイティブのループ)をそれぞれ含んでいる2つの3環ドメインの見かけ上対称の構造を持っている(Liener, in Summerfield and Bunting (eds), Advances in Legume Science, Royal Bot. Gardens, Kew, England参照)。これらの結合部はそれぞれ正規ループ構造を持っている(それはさまざまなセリンプロティナーゼ阻害因子の中で発見されたモチーフである) (Bode and Huber, Eur. J. Biochem., 204:433-451 [1992]) 。一般的に、大豆抑制因子の1つにおいてそうであるように、ネイティブのループの1つはトリプシンを抑制し、他はキモトリプシンを抑制する(Chen et al, J. Biol. Chem., 267:1990-1994 [1992]; Werner & Wemmer, Biochem., 31:999-1010 [1992]; Lin et al, Eur. J. Biochem., 212:549-555 [1993]; and Voss et al, Eur. J. Biochem., 242:122-131 [1996]参照)。他の有機体(例えばシロイヌナズナ)においては、両方のループはトリプシンに特異的である。STIは安定した化学量論的なコンプレックスを形成することによってトリプシンの蛋白分解の活動を抑制する(例えば、Liu, Chemistry and Nutritional Value of Soybean Components, In: Soybeans, Chemistry, Technology and Utilization, pp. 32-35, Aspen Publishers, Inc., Gaithersburg, Md., [1999] 参照)。STIは2つのジスルフィド架橋と181個のアミノ酸残渣から成り、おおよそ球状に形づくられている。トリプシン抑制ループは第一ジスルフィド架橋の中に位置する。Kunitzタイプダイズトリプシン阻害因子(STI)は、プロテイナーゼ阻害因子の作用の標準的メカニズムの定義づけをした生化学及び動態作用における主要な基質として使われてプロテイナーゼの初期の研究について重要な役割を果たした。
Eglin Cは、セリンプロテアーゼ・インヒビターのジャガイモキモトリプシン抑制因子に属している小さな単量体のタンパク質である。このファミリーに属しているタンパク質は通常小さく(60-90個のアミノ酸残基の長さ)、ジスルフィド結合を含んでいない。しかし、Eglin Cは、その三次構造を安定させるのを手助けするジスルフィド結合がないのもかかわらず、酸化または熱による変性に非常に耐性がある。このタンパク質は自然において、ヒル、ヒロウドメディシナシル(Hirudo medicinalis)中に存在している。
すでに言及したように、プロテアーゼ抑制因子はプロテアーゼの作用を妨げる。天然のプロテアーゼ抑制因子は穀物(オート麦、大麦、及びトウモロコシ)、芽キャベツ、タマネギ、テンサイの根、小麦、シコクビエ(finger millet)、及びピーナッツなどのさまざまな食物の中に見ることができる。1つの重要なソースは大豆である。大豆に存在するプロテアーゼ抑制因子の平均的なレベルはKunitzとボウマンブリック(Bowman-Birk )(最も重要なプロテアーゼ抑制因子の2つ)について、それぞれ、1.4パーセントと0.6パーセント程度である。このような著しく低いレベルは、臨床と他のアプリケーションのために天然プロテアーゼ抑制因子を分離することを非現実的にする。すなわち、パーソナルケアエリアにおける多くの研究にもかかわらず、タンパク質の好ましくない化学修飾を用いずに所望の性質を有するパーソナルケア組成物についてのニーズが当業界において存在する。また、使用可能な形態で効果的にタンパク質を輸送できるようにタンパク質をパーソナルケア混合物の中に提供する方法についてのニーズが当業界にある。
発明の概要
様々な病気と健康状況を治療するために、本発明はペプチド及び担持されたペプチドを提供する。特に好適な実施例の中で、本発明はパーソナルケアのための組成物及び方法を提供する。いくつかの態様において、本発明は美容組成物のほかに皮膚、及び/またはヘア・ケアにおいて使用する組成物を提供する。代替的な特に好適な態様において、酒さなどの皮膚の病気を治療するために、本発明はペプチドと担持されたペプチドを提供する。いくつかの特に好適な実施例において、本発明の担持されたペプチドは抗-VEGFペプチドである。代替的に特に好適な実施態様中で、抗-VEGFペプチドはスキャフォールド蛋白質の上で発現される。いくつかのほとんどの好適な実施態様において、スキャフォールド蛋白質はBBIを含む。
幾つかの好適な態様において、本発明は、皮の外観をよくすることに好適な化粧品組成物及び/または医薬品組成物を提供する。本発明はさらに、タンパク質の結合をブロックするペプチドを提供する。いくつかの好適な実施態様において、タンパク質はVEGFである。いくつかの特に好適な実施態様において、ペプチドはプロテアーゼ耐性スキャフォールド中に表現される。いくつかの特に好適な実施態様において、前記スキャフォールドはプロテアーゼ抑制剤(例えばBBI、STI、またはEglinキモトリプシン抑制因子)である。いくつかのほとんどの好適な実施態様の中で、プロテアーゼ抑制因子はBBIである。
本発明はスキャフォールドを含むパーソナルケア混合物を提供する。前記スキャフォールドは配列番号1-17から成るグループから選ばれた少なくとも1つのプロテアーゼ抑制因子及び少なくとも1つのペプチドを含む。代替的な態様において、ここに提供された任意のペプチド配列が本発明に用いられる。さらなる態様において、配列番号20-25、31、32-34、43、及び238を含む追加的な配列が本発明において用いられる。更なる態様において、YNLYGWT(配列番号1)、KYYLYWW(配列番号239)、WYTLYKW(配列番号240)、TYRLYWW(配列番号241)、RYSLYYW(配列番号242)、YYLYYWK (配列番号243)、NYQLYGW(配列番号244)、TLWKSYW(配列番号245)、TKWPSYW(配列番号246)、PLWPSYW(配列番号247)、RLWPSYW(配列番号248)、TLWPKYW(配列番号249)、KYDLYWW(配列番号33)、RYDLYWW(配列番号250)、DYRLYWW(配列番号251)、DYKLYWW(配列番号34)、EYKLYWW(配列番号252)、及びRYPLYWW(配列番号253)ならなる群より少なくとも1つのペプチドが選択される。いくつかの特に好適な実施態様において、ペプチドシーケンスは配列番号31に定義されたモチーフを含む。更なる態様において、スキャフォールドは配列番号22-25から成るグループから選ばれたアミノ酸シーケンスを含む。
更なる態様において、プロテアーゼ抑制因子はボーマン-バークインヒビター、ダイズトリプシン阻害因子、及びエルジンのキモトリプシン抑制因子から成るグループから選ばれる。いくつかの特に好適な態様において、ボーマン-バークインヒビターは修飾されたボーマン-バークインヒビターである。
さらなる態様において、スキャフォールドはパーソナルケア組成物中、約0.001重量パーセントから約5重量パーセント含まれる。代替的な態様において、前記スキャフォールドはパーソナルケア組成物中、約0.01重量パーセントから約2.0重量パーセント含まれる。更なる追加的な態様において、前記スキャフォールドはパーソナルケア構成の約0.01重量パーセントから約1重量パーセント含まれる。
本発明はまたスキンケア組成物を含むパーソナルケア組成物を提供する。いくつかの好適な態様において、前記スキンケア組成物はスキンクリーム、ローション、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、泡、噴霧器、液体、ゲル、美容液及び固体から成るグループから選ばれる。追加的な態様において、前記スキンケア組成物は、保湿性ボディーウォシュ、ボディーウォシュ、抗菌性クレンザー、皮膚保護クリーム、ボディローション、顔用クリーム、保湿クリーム、顔用洗浄乳液、顔用ゲル、顔用美容液、界面活性剤ベースの顔洗剤、反にきび治療、顔のトナー、剥脱のクリーム、顔のマスク、アフターシェーブバーム、プレシェーブバーム、タンニング、皮膚をの色を明るくする組成物、皮膚の赤味を押さえる組成物、日焼け止め、脱毛剤、毛成長抑制剤、及び無線防護物を含む。追加的な態様において、前記スキンケア組成物は局所的に適用される店頭売りの組成物、抗菌の治療、にきび予防治療、皮保護剤、日焼け止め剤、防臭剤、及び発汗抑制剤を含む。
いくつかの好適な態様において、前記スキンケア組成物は皮膚のトーンを明るくすることが可能である、その一方で、スキンケア組成物は前記皮膚のトーンにおいて赤色を減らすことが可能なである。更なる態様において、前記スキンケア組成物は、皮膚のトーンを暗くすることを防止することが可能であり、前記スキンケア組成物は、皮膚の色の発展を防止することが可能であり、幾つかの好適な態様において、前記スキンケア組成物は放射線防護である。代替的な態様において、前記スキンケア組成物は少なくとも1つの無線防護物を含む。幾つかの特に好適な態様において、無線防護物は日焼け止め剤を含むグループから選ばれる。幾つかの好適な態様において、前記日焼け止めは、耐水性でない日焼け止め剤、耐水日焼け止め剤、及びシリコン中水型日焼け止め剤から選ばれる。
本発明はまた、毛成長を防止することが可能なパーソナルケア組成物を提供する。いくつかの態様において、前記毛は顔の毛、足毛、腕の毛、及び胴毛から成るグループから選ばれる。
本発明はまた、ヘアケア混合物であるパーソナルケア混合物を提供する。いくつかの態様において、ヘアケア構成はシャンプー、コンディショナー、毛をデザインする混合物、毛着色剤、パーマネントウェーブ製剤、クリーム、ゲル、ムース、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、液体、泡、及び固体から成るグループから選ばれる。さらなる態様において、ヘアケア混合物は少なくとも1つの放射線防護体から成っている。いくつかの好適な実施態様の中で、放射線防護体は非耐水性日焼け止め剤、高耐水性の日焼け止め剤、及びシリコン中水形日焼け止め剤から選ばれた日焼け止め剤である。いくつかの態様において、ヘアケア構成は放射線防護である。
本発明はさらに、口腔ケア組成物であるパーソナルケア組成物を提供する。いくつかの好適な態様において、前記口腔ケア組成物はねり歯みがき、歯用ゲル、口腔用すすぎ剤、うがい薬、抗虫歯組成物、歯漂白組成物、咀嚼ゴム、入れ歯接着剤、及び口腔フレッシュナーから成るグループから選ばれる。
本発明はまた、化粧用組成物であるパーソナルケア組成物を提供する。いくつかの好適な態様において、前記化粧用組成物は目元ゲル、アイシャドー、高融点口紅、口紅、リップグロス、リップ・クリーム、マスカラ、アイライナー、固形パウダー製剤、及びファンデーションから選ばれる。いくつかの好適な実施態様の中に、前記メイクアップ組成物は少なくとも1つの顔料を含む。
いくつかの好適な態様において、前記少なくとも1つの顔料を含むメイクアップ組成物は非防水性マスカラ、ウォータープルーフ・マスカラ、ボリューミングマスカラ、エクステンションマスカラ、カーリングマスカラ、無水ウォータープルーフ・マスカラ、水性マスカラ、及びまつ毛用または眉用トリートメントから選択されるマスカラである。
更なる追加的な態様において、前記メイクアップ組成物はルースパウダー、チーク、アイシャドー、及びブロンズパウダーから選択された固形パウダー製剤である。
更なる態様において、前記メイクアップ組成物はオイル中水型ファンデーション、シリコン中水型ファンデーション、オイル中水型ファンデーション、無水メイクアップスティック、及びクリーム-粉ファンデーションから選択されたファンデーションである。
発明はさらにスキャフォールドを有するパーソナルケア組成物を提供する。スキャフォールドが配列番号19に記述されたアミノ酸シーケンスを含む。追加的な態様において、前記スキャフォールドは配列番号20、及び/または21で定義されたアミノ酸シーケンスをさらに含む。代替的な態様において、前記アミノ酸シーケンスは配列番号20、及び/または21で定義するは、配列番号1-17を含むグループから選ばれたアミノ酸シーケンスを有する少なくとも1つのペプチドにより置換される。代替的な態様において、ここに提供されたペプチド配列は配列番号S20、及び/または21のいずれとも置換して用いることができる。代替的な態様において、ここに提供されたいずれのペプチド配列も本発明に用いることができる。さらなる態様において、配列番号20-25、31、32-34、43、及び238を含む追加の配列を本発明において用いることができる。
更なる態様において、前記少なくとも1つのペプチド配列はYNLYGWT(配列番号1)、KYYLYWW(配列番号239)、WYTLYKW(配列番号240)、TYRLYWW(配列番号241)、 RYSLYYW(配列番号242)、YYLYYWK(配列番号243)、NYQLYGW(配列番号244)、TLWKSYW(配列番号245)、TKWPSYW(配列番号246)、PLWPSYW(配列番号247)、RLWPSYW(配列番号248)、TLWPKYW(配列番号249)、KYDLYWW(配列番号33)、RYDLYWW(配列番号250)、DYRLYWW(配列番号251)、DYKLYWW(配列番号34)、EYKLYWW(配列番号252)、及びRYPLYWW(配列番号253)から成る群より選択される。いくつかの、特に好適な実施態様において、前記ペプチドシーケンスは配列番号31で定義されたモチーフを含む。更なる態様において、前記スキャフォールドは配列番号22-25から成るグループから選ばれたアミノ酸シーケンスを含む。
本発明はまた、本発明のパーソナルケア組成物を製造するための方法を提供する。前記方法は効果的な量のスキャフォールドと少なくとも1つの生理的に容認できるキャリアまたは付形剤とを結合する工程を含む。
本発明はさらに、
i)パーソナルケア組成物を含む組成物を提供する工程、
ii)処理される個体を提供する工程、及び
iii)所望のスキントーンになるように前記固体の一部分に前記パーソナルケア組成物を適用する工程を含む、個体の皮膚のトーンを修正するための方法を提供する。いくつかの態様において、前記皮膚のトーンの修正は個体の皮膚のトーンを明るくすることを含む。いくつかの代替的な態様において、皮膚トーンの部分修正は個体の皮膚トーンにおいて赤味を減少することを含む。更なる追加的な態様において、前記方法は配列番号19で定義されるアミノ酸配列を含むパーソナルケア組成物を含む。前記方法の代替的な態様において、前記パーソナルケア組成物は配列番号20、及び/または21で定義されたアミノ酸シーケンスをさらに含む。代替的な態様において、前記アミノ酸シーケンスは配列番号20、及び/または21で定義する、又は配列番号-17を含むグループから選ばれたアミノ酸シーケンスを有する少なくとも1つのペプチドにより置換される。代替的な態様において、ここに提供されたペプチド配列は配列番号20、及び/または21のいずれとも置換して用いることができる。代替的な態様において、ここに提供されたいずれのペプチド配列も本発明に用いることができる。さらなる態様において、配列番号20-25、31、32-34、43、及び238を含む追加の配列を本発明において用いることができる。更なる態様において、前記少なくとも1つのペプチド配列はYNLYGWT(配列番号1)、KYYLYWW(配列番号239)、WYTLYKW(配列番号240)、TYRLYWW(配列番号241)、RYSLYYW(配列番号242)、YYLYYWK(配列番号243)、NYQLYGW(配列番号244)、TLWKSYW(配列番号245)、TKWPSYW(配列番号246)、PLWPSYW(配列番号247)、RLWPSYW(配列番号248)、TLWPKYW(配列番号249)、KYDLYWW(配列番号33)、RYDLYWW(配列番号250)、DYRLYWW(配列番号251)、DYKLYWW(配列番号34)、EYKLYWW(配列番号252)、及びRYPLYWW(配列番号253)から成る群より選択される。いくつか、特に好適な実施態様において、前記ペプチドシーケンスは配列番号31で定義されたモチーフを含む。更なる態様において、前記スキャフォールドは配列番号22-25から成るグループから選ばれたアミノ酸シーケンスを含む。
本発明は、
i)前記パーソナルケア組成物を提供する工程、
ii)処理される個体を提供する工程、及び
iii)前記組成物を所望の育毛成長が得られるように個体の一部に適用する工程を含む、固体の育毛を修飾する方法を提供する。前記育毛成長の修飾は前記固体の毛の成長を抑制することを特徴とし、抑制される育毛が、顔の毛、わきのしたの毛、足の毛、うでの毛、頭の毛からなる群より選択される。更なる追加的な態様において、前記方法は配列番号19で定義されるアミノ酸配列を含むパーソナルケア組成物を含む。前記方法の代替的な態様において、前記パーソナルケア組成物は配列番号20、及び/または21で定義されたアミノ酸シーケンスをさらに含む。代替的な態様において、前記アミノ酸シーケンスは配列番号20、及び/または21で定義するは、配列番号1-17を含むグループから選ばれたアミノ酸シーケンスを有する少なくとも1つのペプチドにより置換される。代替的な態様において、ここに提供されたペプチド配列は配列番号20、及び/または21のいずれとも置換して用いることができる。代替的な態様において、ここに提供されたいずれのペプチド配列も本発明に用いることができる。さらなる態様において、配列番号20-25、31、32-34、43、及び238を含む追加の配列を本発明において用いることができる。更なる態様において、前記少なくとも1つのペプチド配列はYNLYGWT(配列番号1)、KYYLYWW(配列番号239)、WYTLYKW(配列番号240)、TYRLYWW(配列番号241)、RYSLYYW(配列番号242)、YYLYYWK(配列番号243)、NYQLYGW(配列番号244)、TLWKSYW(配列番号245)、TKWPSYW(配列番号246)、PLWPSYW(配列番号247)、RLWPSYW(配列番号248)、TLWPKYW(配列番号249)、KYDLYWW (配列番号33)、RYDLYWW(配列番号250)、DYRLYWW(配列番号251)、DYKLYWW(配列番号34)、EYKLYWW(配列番号252)、及び RYPLYWW(配列番号253)から成る群より選択される。いくつか、特に好適な実施態様において、前記ペプチドシーケンスは配列番号31で定義されたモチーフを含む。更なる態様において、前記スキャフォールドは配列番号22-25から成るグループから選ばれたアミノ酸シーケンスを含む。
いくつかの態様において、少なくとも1つのポリペプチドまたはペプチドから成っている皮膚の外観をよくするために、本発明は化粧用及び/または医薬品組成物を提供する。いくつかの好適な態様において、ポリペプチドまたはペプチドはVEGFに結合する。代替的な態様において、VEGFへのポリペプチドまたはペプチドの結合はVEGFの下流の活動を妨げる。いくつかの態様において、前記組成物は少なくとも1つのペプチドを含み、他の態様において、前記組成物は少なくとも1つのポリペプチドを含む。いくつかの好適な態様において、ペプチドは配列番号1-17から成るグループから選ばれたアミノ酸配列を有する。更なる態様において、前記ペプチドはKYDLYWW(配列番号33)とDYKLYWW(配列番号34から成るグループから選ばれたアミノ酸配列を有する。追加の好適な態様において、前記ペプチドはXXLWPXWC(配列番号15)である保存結合配列を有する。
いくつかの好適な実施態様の中に、連続は配列番号15を含む。さらなる態様において、前記配列は配列番号1-17をから成るグループから選ばれたアミノ酸配列を含む。さらなる態様において、前記配列は配列番号22-25から成るグループから選択されたアミノ酸配列を含む。代替的な好適な態様において、前記化合物は、本明細書に記載の配列と少なくとも70%、好ましくは80%、さらに好ましくは、90%、及び最も好ましくは95%の相同である前記配列含む。いくつかの好適な態様において、ポリペプチドは、好ましくは500のダルトン乃至30,000ダルトン、好ましくは1000ダルトン乃至10,000ダルトン、そして最もできれば1500ダルトン乃至8,000ダルトンの分子量を有する。
いくつかの好適な態様において、前記化合物は皮膚病を持つ有機体(すなわち個体)の皮膚を改良するために用いられる。いくつかの好適な態様において、前記皮膚病は血管由来の皮膚病である。追加の好適な態様において、前記皮膚病は乾癬、静脈性潰瘍、にきび、酒さ、いぼ、湿疹、血管腫、及びリンパ管新生などから成るグループから選ばれた少なくとも1つである。いくつかの特に態様において、皮膚病は酒さである。
幾つかの好適な態様において、本発明は、皮の外観をよくすることに好適な化粧品組成物及び/または医薬品組成物を提供する。好適な態様において、前記化合物は少なくとも1つのペプチド又はポリペプチド及び少なくとも1つのスキャホールドを含む。前記少なくとも1つのペプチド又はポリペプチドは少なくとも1つのスキャフォールド中で発現される。幾つかの特に好適な態様において、前記少なくとも1つのペプチド又はポリペプチドはループである。他の特に好適な態様において、前記ループはジスルフィド結合により閉じられている。幾つかの好適な態様において、前記ポリペプチド又はペプチドはVGEFに結合する。代替的な態様において、前記ポリペプチド又はペプチドのVGEFへの結合は、VGEFの下流活性をブロックする。幾つかの好適な態様において、前記ペプチドはプロテアーゼ耐性スキャフォールドにおいて発現される。幾つかの特に好適な態様において、前記スキャフォールドはプロテアーゼインヒビター(例えばBBI、STI、またはEglinキモトリプシン抑制因子)である。いくつかのほとんどの好適な実施態様の中で、プロテアーゼ抑制因子はBBIである。
幾つかの好適な態様において、前記化合物は更に少なくとも1つのペプチドを含む。好ましくは、前記ペプチドは配列番号1乃至17からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する。最も好ましくは、前記化合物は配列番号22乃至25からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの好ましい態様において、前記ペプチドは保存される結合配列を有する。前記ペプチドはXXLWPXWC(配列番号 15)である保存結合配列を有する。幾つかの好ましい態様において、前記化合物は、本明細書に記載の配列と少なくとも70%、好ましくは80%、より好ましくは90%、及び最も好ましくは95%同一性を有する配列を有する。前記ペプチド分子量は好ましくは500ダルトン乃至45000ダルトン、より好ましくは1000ダルトン乃至12,000ダルトン、最も好ましくは1500乃至10,000ダルトンである。幾つかの好ましい態様において、前記化合物は少なくとも1つのポリペプチドを含む。
本発明は、配列番号1乃至17からなる群より選択される少なくとも1つのペプチドを含む組成物を提供する。前記ペプチドは血管表皮成長因子に結合する。幾つかの好適な態様において、前記ペプチドはプロテアーゼ耐性スキャフォールドにおいて発現される。代替的な好ましい態様において、前記スキャフォールドはプロテアーゼインヒビターを含む。幾つかの好適な態様において、前記プロテアーゼインヒビターはボウマンブリックインヒビター、ダイズトリプシンインヒビター、及びEglinキモトリプシンインヒビターからなる群より選択される。幾つかの最も好適な態様において、前記スキャフォールドはボウマンブリックインヒビターである。更なる態様において、前記プロテアーゼ耐性スキャフォールド及び前記ペプチドは融合タンパク質を含む。幾つかの好適な態様において、前記組成物は配列番号22乃至25からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。更なる態様において、前記スキャフォールドはスキャフォールド配列番号20及び21で定義されるアミノ酸配列を含む。更なる追加的な態様において前記配列番号20及び21で定義されるアミノ酸配列の少なくとも1つは、配列番号1乃至17からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドで置換される。
本発明は血管表皮成長因子の結合する少なくとも1つのペプチドを含む化粧品及び/又は医薬品組成物を提供する。幾つかの態様において、前記組成物は血管新生を調節する。更なる態様において、前記組成物は更にプロテアーゼインヒビターを含むスキャフォールドを含む。幾つかの好ましい態様において、前記プロテアーゼインヒビターはボウマンブリックインヒビター、ダイズトリプシンインヒビター、及びEglinキモトリプシンインヒビターからなる群より選択される。幾つかの最も好適な態様において、前記スキャフォールドはボウマンブリックインヒビターである。幾つかの特に好適な態様において、前記スキャフォールドは配列番号19で定義されるアミノ酸配列を含む。幾つかの代替的な態様において、前記スキャフォールドは配列番号20及び21で定義される少なくとも1つのアミノ酸配列を含む。更なる追加的な態様において前記配列番号20及び21で定義されるアミノ酸配列の少なくとも1つは、配列番号1乃至17からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドで置換される。
本発明はi)スキャフォールド内に包含されたペプチドを含む組成物を含む組成物を提供する工程、
ii)処理される個体を提供する工程、及び
iii)前記固体の一部分に前記組成物を適用して所望の血管新生にする工程を含む、血管新生を調節するための方法を提供する。幾つかの態様において、前記ペプチドは血管表皮成長因子(VGEF)に結合する。幾つかの好適な態様において、前記血管表皮成長因子(VGEF)はVGEF-Aである。更なる好ましい態様において、前記スキャフォールドはボウマンブリックインヒビター、ダイズトリプシンインヒビター、及びEglinキモトリプシンインヒビターからなる群より選択される。幾つかの最も好適な態様において、前記スキャフォールドはボウマンブリックインヒビターである。幾つかの特に好適な態様において、前記スキャフォールドは配列番号19で定義されるアミノ酸配列を含む。幾つかの代替的な態様において、前記スキャフォールドは配列番号20及び21で定義される少なくとも1つのアミノ酸配列を含む。更なる追加的な態様において前記配列番号20及び21で定義されるアミノ酸配列の少なくとも1つは、配列番号1乃至17からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドで置換される。更なる特に好適な態様において、前記スキャフォールド及びペプチドは配列番号22乃至25からなる群より選択されるアミノ酸配列によりコードされる。
本発明は、i)個体を提供する工程及びii)前記血管表皮成長因子の活性が低められる条件下において、前記個体に前記血管表皮成長因子に結合する少なくとも1つのペプチドを含む組成物を投与する工程を含む血管表皮成長因子の活性を減少させる方法も提供する。幾つかの好適な態様において、前記血管表皮成長因子(VGEF)はVGEF-Aである。幾つかの好適な態様において、前記組成物は配列番号22乃至25からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
幾つかの追加的な好適な態様において、前記組成物は皮膚病を持つ有機体(すなわち個体)の皮膚を改良するために用いられる。追加の好適な態様において、前記皮膚病は乾癬、静脈性潰瘍、にきび、酒さ、いぼ、湿疹、血管腫、及びリンパ管新生などから成るグループから選ばれた少なくとも1つである。いくつかの特に態様において、皮膚病は酒さである。
更なる態様において、本発明は、本明細書で定義される少なくとも1つのポリペプチド又はペプチド及び生理的に許容なキャリア又は賦形剤を含む化粧用及び/又は医薬品組成物を提供する。好ましくは、前記化合物は前記組成物の重量に基づいて、約0.0001%乃至約5%の量で存在する。好ましくは、前記化合物は前記組成物の重量に基づいて、約0.001%乃至約0.5%の量で存在する。前記組成物は栄養クリームまたはローション、安定化ゲルまたは拡散システム、トリートメント美容液、リポソームデリバリーシステム、局所的パックまたはマスク等の乳化媒体形態、シャンプーまたはボディウォシュ等の、界面活性剤ベースの浄化システム、エアロゾル又はスプレー拡散又は乳液、毛または皮膚コンディショナー、スタイリング剤、またはメイクアップ等着色製品、並びに他の適当なメイクアップ及び化粧用組成物でもよい。いくつかの態様において、キャリアは水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリセリン、ブチレングリコール、及びポリエチレングリコールから成るグループから選ばれた少なくとも1つである。
更なる態様において、本発明は、VEGF活性、及び/またはレベルを減少させるための方法を提供する。いくつかの好適な態様において、前記VEGF活性及び/またはレベルは表皮において活性が衰える。いくつかの態様において、前記方法は本明細書で説明する化合物の少なくとも1つの有効量を必要に応じて個体に適用する工程を含む方法である。
追加的な態様において、本発明は増殖性疾病を治療する製品のほかに、髪及び/又は皮膚のための製品を提供する。従って、本発明はヒト及び他の動物に適用するのに好適な組成物及び方法を提供する。
発明の概要
本発明は、各種疾病及び各種健康状況を治療するためのペプチド及び担持されたペプチドを提供する。特に好適な態様において、本発明は、化粧品のほかに皮膚及び/又はヘアケア製品にモノマーチル組成物を提供する。代替的な好ましい態様において、本発明は酒さ等の皮膚の病気にを治療するためのペプチド及び担持されたペプチドを提供する。いくつかの特に好適な態様において、本発明の前記担持されたペプチドは抗-VEGFペプチドである。代替的な特に好ましい態様において、前記抗-VEGFはスキャフォールドタンパク質上で発現される。幾つかの好適な態様において、前記スキャフォールドタンパク質はBBIを含む。
本明細書で詳細に述べるように、本発明は化粧品(例えば、メイクアップ)のほかに髪及び皮膚を含むがこれらに限定されない多くのパーソナルケア製品に用いる組成物を提供する。例えば、本発明は日常的なパーソナルケア、スキンケア、及びサンケア(例えば、タナーのほかサンスクリーン)、ヘアケア(例えば、シャンプー、洗い流さないタイプ及び洗い流すタイプのコンディショナー、ヘアトニック、ヘアスプレイ、ゲル、ムース、セット製品、ヘア染色剤、パーマネント製剤、他のスタイリング及びクリーニング製品等)、日焼け後皮膚、ヘア及び皮膚、口腔ケア(例えば、歯磨きペースト、及びゲル、マウスウォッシュ、リンス等)、入浴用品(洗浄剤、シャワーソープ、バスソープ、バスソルト、パール(pearls)等)、スキンライトナー(skin lighters)、各種皮膚状況のクレンジントリートメント(例えば、吹出物、にきび、化粧水等)、脱毛剤、お手拭(ウェットティシュ)、体臭防止剤、制汗剤、フェイシャルマスク、シェービング用品(例えば、シェービングクリーム、ゲル等)、アフターシェービング用品、スキンピーリング用品(例えば、角質除去剤)、衛生用品(例えば、女性用衛生用品)、パーソナルフレッシュナー、及びフットケアに用いることができる組成物を提供する。本発明は化粧品(例えば、ファンデーション、マスカラ、アイシャドー、アイライン、リップスティッグ、リップグロス、ほお紅等)に用いる組成物も提供する。本発明の組成物は、固形、液体、コロイドゲル、懸濁液、エマルジョン、オイル、ゲル、エアロゾル、泡、粉、ポンプスポレー等を含むがこれらに限定されない各種形態、及びウェットティシュ等の製品と一緒に用いることができる。すなわち、本発明はあらゆる使用形態で使用することができる。
違った形で定義しない限り、本発明の実施において、生物学、微生物学、及び組み換えDNAの分野において通常用いられている技術が用いられる。そのような技術は、当業者に知られており、多くの文献に記載されている(Sambrook et al., "Molecular Cloning: A Laboratory Manual", Second Edition (Cold Spring Harbor), [1989]); and Ausubel et al., "Current Protocols in Molecular Biology" [1987])。本発明で述べる、全ての特許、広報、製品、刊行物は参照より本明細書に援用する。
他に定義しない限り、本明細書で用いる全ての技術的及び科学用語は本発明の属する分野の当業者において理解されている意味と同様の意味を有する。例えば、Singleton and Sainsbury, Dictionary of Microbiology and Molecular Biology, 2d Ed., John Wiley and Sons, NY (1994); and Hale and Marham, The Harper Collins Dictionary of Biology, Harper Perennial, NY (1991)は本発明において用いられる多くの用語に一般的な辞書を提供する。本明細書において開示されている方法及び物質と等しい任意の方法及び物質は本発明の実施に用いることができるが、本明細書においては好適な態様を開示する。従って、以下で定義される用語は、本明細書全体を参照することにより十分に定義づけがされるものである。本明細書において用いる「1つの(a,an)」及び「この(the)」は、文章中に特定されていないかぎり、複数を含ことを意図する。数値範囲は定義に用いた数値を含むことを意図する。別に定義しない限り、核酸は左から右に向かって、5’から3’方向へ表記する。アミノ酸配列は左から右に向かって、アミノ末端からカルボキシ末端へ表記する。本発明は開示された特定の方法、プロトコル、及び試薬、に限定することを意図しない。これらが変更されるであろう時に、文脈に依存して、それらは当業者に使用されるであろうことは理解されるであろう。
定義
本明細書において、「スキャフォールド」の語は、プロテアーゼインヒビターを意味する。前記プロテアーゼインヒビターは異性体及び/又は異性体に取り込まれる修飾ペプチド配列を有する。好ましい態様において、前記スキャフォールドは、変異体配列が導入される異性体タンパク質配列を意味する。幾つかの態様において、前記スキャフォールドは異種配列と置換される部分(例えば、両ループの一部又は全部)を意味する。例えば、本明細書において提供されるように取り込まれる抗VERG(AV)配列を有するBBI配列はスキャフォールドとして使用することができる。すなわち、本発明は野生型BBIとは異なる構造を有するBBIに基づく配列を包含する。
本明細書において、「血管表皮成長因子(VGEF)は血管の成長を刺激する能力を有するタンパク質を意味し、当分野において知られているVGEFを含む。
抗VGEF(「VGEF」及び「AV」)は、VGEFを認識し(例えば、結合する)ペプチド及びその他の組成物を意味する。好ましい態様において、これらのペプチド/組成物はVGEF活性を調節する。
「血管新生」の語は、有機体において血管の成長を導く及び/又は組織の血管成長(vascularity)を高める生物学的プロセスを意味する。特定の態様において、この語は腫瘍又は他の急速に増殖する組織が、毛細血管の成長により血液を提供するプロセスを意味する。
「血管性疾病」、「血管性障害」、及び「血管性皮膚疾病」の語は、連続的な血管形成又は組織における血管形成が高まるような、疾病、通常皮膚障害、又は関連疾病を意味する。血管由来の病気の原因は未知である。しかしながら、血管新生が実際に疾病を引き起こすか又は単なる疾病の1つの状態であるかは重要ではない。しかしながら、疾病又は健康状態の処置において血管新生の抑制は本発明の重要な側面である。従って、本発明を特定の作用機作に限定することは意図しない。本発明の組成物を用いて処理をすることが適している血管新生性皮膚疾病の例は、乾癬、にきび、酒さ、いぼ、湿疹、血管腫、及びリンパ管新生、スタージ-ウェーバー症候群、神経線維腫症、結節性硬化、慢性の炎症性疾患、及び関節炎を含むがこれらに限定されない。血管形成が主な特徴である又は二次的な特徴であるあらゆる皮膚障害は本明細書における血管新生性皮膚疾病として意図される。従って、本発明により提供される組成物は幅広い疾病及び/又は健康状態に持ちいうことができる。
「酒さ」の語は、にきび、酒さ、及び通常鼻から頬につながる部分における血管及び濾胞拡張により特徴付けられる紅斑を意味する。酒さは非常に穏やかであるけれども持続的な紅斑から根深い吹き出物と膿疱を有する脂線の広範な過形成まで変化しうるものであり、影響された紅斑部分における血管拡張を伴う場合もある。この状態は、条件の深刻さに依存して、また「肥大性酒さ」または「鼻瘤」と称される。この語は酒さの各種状態を包含することを意図する。
「いぼ」の語は、皮の上の小さく、通常成長しない皮膚の上のちいなさ塊を説明するために使われる。また、「いぼ(verruca)」としても知られていて、いぼは、表皮のmalpighian、顆粒化、及びケラチン相の蓄積を伴う真皮の柔軟小突起の限局性異常肥大によって特徴付けられている皮の肌色の成長物である。Verucca vulgaris (いぼまたはいぼのサブセット)はヒトパピローマウイルスによってケラチノサイトの感染によって特徴付けられている。
「乾癬」の語は、局限的で、不連続で、融合性で、赤味がかり、銀色の鱗屑を伴った斑丘疹の発疹によって特徴付けられている皮膚状態を意味する。本発明を特定の体の部位に限定することは意図しないけれども、乾癬部位は通常、ひじ、ひざ、頭皮、及び胴体に発生する。微視的に、これらの傷害は乳頭間隆起の独特な錯角化と伸長を示す。
「にきび」の語は、脂肪を分泌する機構に関係している炎症性甲状腺濾胞腺癌、丘疹、及び膿疹によって特徴付けられている皮の状態を説明するために使われる。
にきびには多くの形態があるけれども、最も一般的なフォームは、単なるにきびまたは顔、上背、及び胸の発疹によって特徴付けられていて、第一に炎症性ベースの上のにきび、包嚢、吹き出物、及び膿疱から成っている通常のにきびとして知られている。
ホルモンの働きによって影響されると信じられる脂肪分泌の過活性に依存するため、このような状況はは主として思春期と青年期の間に起こる。
「湿疹」の語は、皮の急性又は慢性の炎症状態を説明するために使われる総称であり、一般に紅斑、浮腫、丘疹であり、小嚢状で、及び/または硬化性である。
これらの状態の後に、苔癬化、落屑が起こり、時々、紅斑の暗化、及び稀に色素沈着が起こる。湿疹は、しばしば、かゆく、かっかする感覚を伴う。湿疹水泡は表皮内の海綿状態のため形を成す。
湿疹は「皮疹」、「乾燥した皮疹」、及び「うろこ状の皮疹」としていわれることがある。
湿疹のたくさんのサブカテゴリーがある(それのすべては本発明の化合物の1つ以上によって治療されうる)。
本明細書において、「CK」に続く数値は特定のペプチドを意味する。本発明に用いることができる各種ペプチド配列を本明細書において提供する(例えば、図1参照)。例としては、CK37281はYNLYGWT (配列番号1)を含み、他の配列にも含まれる(例えば、"ACYNLYGWTCGGG"(配列番号238)。
「有機体」は、本明細書を通じて、本発明により提供される組成物を用いて、予防治療を含む、治療を受ける動物、好ましくはヒトを意味する。ヒト患者等の特定の動物の感染性、健康状態、又は疾病の治療において、この語は特定の動物を意味する。
本発明において用いる「宿主細胞」の語は、所望の発現ベクター及び/又は遺伝子を含む原核及び真核宿主細胞を意味する。宿主細胞は組換えDNA技術を用いて構築されたベクターで、軽質転換又は形質移植される。そのような形質転換された宿主細胞がタンパク質変異体をコードするベクターを複製するか、又は所望のタンパク質変異体を発現することができる。タンパク質変異体のプレ型又はプレプロ型をコードするベクターの場合、そのような変異体が発現されると、それは通常宿主細胞から宿主細胞の培地に分泌される。
本明細書を通じて用いられる「有効量」の語は、その変化が毛成長の毛成長または防止であるかどうかにかかわらず、治療される疾病又は健康状態において好ましい変化をもたらすために用いられる本発明の化合物の濃度又は量を意味する。
本明細書で用いる「活性」(及び「活性」(複数))の語は、処理される個体に利益を与える組成物を意味する。例えば、好適な態様において、発明はBBI-AV、適用されるエリアに利益を提供するように機能する「一次活性」を含むパーソナルケア組成物を提供する。従って、幾つかの態様において、BBI-AVはスキンケア製品中に存在し、適用される個体のスキントーンを修飾(変更)する。本発明の利益を付与するパーソナルケア組成物には、他の追加的な成分も存在することから、この語をBBI-AVに限定することは意図しない。幾つかの好適な態様において、これらの追加的な組成物は二次的活性を意図して包含される。一次的及び二次的活性は「活性」と包括的に表現される。
本明細書において、「ビタミンB
3化合物」は以下の式を有する化合物を意味する。
式中、Rは-CONH2(すなわち、ナイアシンアミド)、-COOH(すなわち、ニコチン酸)、又は-CH2OH(すなわち、ニコチンアルコール)、それらの誘導体、及びこれらのいずれかの塩である。
本明細書で用いる「血管を拡張させない」は、エステルが一般的に個体に組成物を適用した後に、視認しうるほてり反応を産出しないことを意味している。そのような化合物は肉眼に見えない血管拡張を起こすかもしれないけれども、一般の集団の大多数が可視のほてり反応を経験しないであろうということは熟考される。
本明細書において「レチノイド」の語は、ビタミンA及び/又は皮膚中又は皮膚上でビタミンAの活性を有する天然及び/又は合成アナログ、並びにこれらの化合物のゲノム異性体又はステレオ異性体を含む。しかし、前記用語はビタミンAアルコール(レチノール)とビタミンAアルデヒド(レチナール)、ビタミンA酸(レチノイン酸)、及びビタミンAエステル(例えばレチニルl酢酸塩、レチニルプロピオン酸塩、及びレチニルlパルミチン酸塩)等のその誘導体を含んでいることから、前記用語がこれらの化合物に制限されることは意図されていない。前記用語がレチノイン酸すべての横断酸と13-cisレチノイン酸酸を含んでいることはさらに意図されている。前記用語が、様々なフォームにおける使用のために提供されるだけでなくカプセル化する混合物を含んでいることはまた意図されている。用語「レチノール」と「レチナール」はできればすべてのトランス化合物を含む。本発明の製剤に用いられるレチノイドは、一般に本明細書において「レチノール」と称されるすべてのトランスレチノールである。
本明細書において、「カロテノイド」は、β-カロチン、リコペン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、シトランキサンチン、カンタキサンチン、ビキシン、β-アポ-4-カロテナール、β-アポ-8-カロテナール、β-アポ-8-カロチンエステル、単独並びにこれらの組合せに関連して使われる。
使用するのに好適なカロテノイドはβカロチン、リコペン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、シトラナキサンチン(citranaxanthin)、及びカンタキサンチンである。幾つかの態様において、カロテノイドは、乾燥粉末(見(例えば、EP 0 065 193において説明されるような乾燥粉末);参照によって本明細書に援用される)も含めて、製剤の中だけでなく結晶形態で利用される。
幾つかの態様において、リコペン、アスタキサンチン、カンタキサンチンの場合、粉末形態で用いるのが好ましい、例えば、LYCOVIT(商標) , LUCANTIN(商標)Pink及びLUCANTIN(商標)Red (BASF AG, Ludwigshafen, Germanyより入手可能なリコペン、アスタキサンチン、及びカンタキサンチンの10%乾燥粉末)。
本明細書において用いる、「生物活性」の語は、組成物と生物システムの間の原因と結果の関係を意味する。従って、この語はバイオテクノロジー及び生物科学における当業者には、分子組成物と生体における生物学的現象(例えば、組織、細胞等)の間の原因と結果の関係を説明するフレーズであると理解されている。
本明細書で用いる、「生物活性の」の語は、生体(例えば、組織、細胞等)に投与したときに生物活性を有する組成物を意味する。この語は「生体活性化合物」の語と互換的に使用される。
本明細書において、「シリコンゴム」の語は、約200,000及び好ましくは約200,000乃至約4,000,000の平均分子量を有する高分子量のシリコンを意味する。この定義は不揮発性のポリアルキル及びポリアリルシロキサンゴムを含むことを意図する。
本明細書において、「ポリペプチド」の語は、ペプチド結合により結合されている一本鎖アミノ酸残基からなる化合物を意味する。本明細書において、「タンパク質」の語は、「ポリペプチド」の語と同義であるか、又は沙更に2つ以上のポリペプチドの複合体を意味する。これらの語の正確な意味は当業者によく理解されている。
本明細書で用いる、「発現カセット」及び「発現ベクター」の語は、標的細胞の中で特定の核酸を転写させる一連の特定の核酸エレメントであり、組換え又は合成により生成された核酸構築体を意味する。組換え発現カセットは、プラスミド、染色体、ミトコンドリアDNA、色素体DNA、ウイスル又は核酸フラグメントに取り込ませることができる。通常、発現ベクターの組換え発現カセット部分には、転写される核酸配列及びプロモーターが含まれる。「発現カセット」の語は、本明細書において、「DNA構築体」及びこの等価物を指す場合に互換的に使用される。
本明細書において、「ベクター」及び「クローニングベクター」の語は細胞内へ核酸配列を輸送することを意図する核酸構築体を意味する。
本明細書において、「発現ベクター」の語は、異種細胞の中で異種DNAフラグメントを取り込み発現することができるベクターを意味する。多くの真核及び原核生物の発現ベクターが市販されている。適切な発現ベクターを選択することは当業者の知識の範囲内である。
本明細書において、「プラスミド」の語は、クローニングベクターとして用いる環状二本鎖(ds)DNA構築体であり、種々の原核及び真核生物内で染色体外自己複製遺伝子要素を形成し、又は他の宿主細胞に組み込むことができるものを意味する。
本明細書において、「発現」という語は、ポリペプチドが遺伝子又は化学的に合成されたペプチドの核酸配列に基づいて生成される工程をいう。この工程には、ポリペプチド/タンパク質を生成するための転写及び翻訳の両方が含まれる。
本明細書において、「遺伝子」の語はポリぺプチド鎖の生成に関するDNAセグメントを意味し、コード領域に先行または後に続く領域を含むか、又は含んでいなくてもよい。
本明細書において、「核酸分子」及び「核酸配列」の語は、RNA、DNA、及びcDNA分子を含むがこれらに限定されない、任意の核酸の形態が含まれる。遺伝子コードの縮退の結果として、変異体タンパク質を含む所定のタンパク質をコード化する多数のヌクレオチド配列が生産され得ることは当該技術分野において理解されている。
「コドン」の語は、特定のアミノ酸をポリペプチド鎖に取り込むための指示を表しているDNA及びRNA分子中の3つの核酸の配列を意味する。
本明細書において、「ジスルフィド架橋」又は「ジスルフィド結合」の語は、ポリペプチド又はタンパク質中のシステイン残基の硫黄原子の間に形成される結合を意味する。本発明において、ジスルフィド架橋又はジスルフィド結合は、天然に発生いないものでよく、タンパク質の変異を経て誘導されるものでよい。
本明細書において「塩橋」の語は、ポリペプチド又はタンパク質中で反対に荷電した残基、アミノ酸の間に形成される結合を意味する。本発明において、塩橋は天然に発生いないものでよく、タンパク質の変異を経て誘導されるものでよい。
本明細書において「酵素」の語は、少なくとも1つの化学反応を促進するタンパク質又はポリペプチドを意味する。
本明細書において「活性」の語はプロテアーゼが有する酵素活性のように、特定タンパク質が有する活性を意味する。幾つかの態様において、前記活性は生物活性である。更なる態様において、活性は測定可能な下方調節を導く、タンパク質のレセプターへの結合を包含する(例えば、関連するレセプターへのVGEF結合)。「生物活性」は前記タンパク質が寄与する任意の活性を意味すると当業者に理解されている。
本明細書において「プロテアーゼ」の語は、ペプチド結合を分解する酵素を意味する。
本明細書において、「ペプチド結合」の語は、1つのアミノ酸のカルボニル基と他のアミノ酸の網アミノ基の間の化学結合を意味する。
本明細書において、「野生型」の語は天然又は自然発生する配列又はタンパク質を意味する。
本明細書において、「点突然変異」の語は、一本鎖DNAにおける変化を意味し、特にタンパク質における配列の変化を導く変化を意味する。
本明細書において、「変異体」の語は、有機体又はタンパク質の野生型以外のバージョンを意味する。この変化は、結果として生じたタンパク質が突然変異体と称されるかもしれないポイント変異によって、例えば当業者によく知られている方法によってもたらされるかもしれない。
本明細書において「変異誘発」の語は、野生型組成物(例えば、タンパク質)から変異体組成物(例えば、タンパク質)への組成物の変化の過程を意味する。
本明細書において「置換された」又は「置換」の語は、親配列中のアミノ酸残基又は核酸ベースの置き換えを意味する。幾つかの態様において、置換は自然発生残基又はベースの置き換えを意味する。
本明細書において、「修飾」及び「修飾する」の語はアミノ酸又は核酸配列の任意の変化を意味し、欠失、挿入、阻害、及び置換を含むがこれらに限定されない。幾つかの態様において、前記修飾は自然発生残基又はベースの置き換えを含む。
本明細書において「分泌されたポリペプチドの機能部分」及びこれと文法上等しい表現は、切り離された形状をしていても、正常な構造に折りたたまれる能力を有する切断された分泌ポリペプチドを意味する。幾つかの態様において、所望のポリペプチドに付着しているものとは関係なく、ポリペプチドが正規構造にホールドされるためには分泌ポリペプチドドメイン残渣の十分量が必要となる。しかしながら、大部分のケースにおいて、分泌ポリペプチドの一部のみでも正しく折りたたまれ、分泌ポリペプチドドメイン残渣欠失体と比較して、分泌が高まることが知られている。同様に、大部分の場合において、分泌ポリペプチドの切断体は生物学的機能を保持する機能部分を有する。他の機能的なドメイン(例えば、基質結合ドメイン)も用いることができるけれども、本発明には分泌ポリペプチドの触媒ドメインを用いることが好ましい。加えて、好ましい態様において、触媒ドメイン及び全リンカー領域又は一部のリンカー領域が用いられる。
本明細書において、「ループ」の語は、タンパク質の構造エレメントを結合するアミノ酸の配列、例えば、3乃至20アミノ酸、より好ましくは5乃至15アミノ酸、より好ましくは5乃至15アミノ酸、及び最も好ましくは7乃至9アミノ酸の配列を意味する。そのようなエレメントは、ベータシート、ヘリックス構造、及びリカルエレメントとベータヘアピンの接続ループを含むがこれらに限定されない。幾つかの態様において、前記ループは更に共有結合により安定化される。幾つかの好適な態様において、前記共有結合は、特に本明細書で定義するジスルフィド結合を含む。代替的な態様において、前記ループはアミド、水素結合、及び/又は塩橋を含むがこれらに限定されないほかの手段により安定化される。大部分の態様において、前記ループはタンパク質の表面に位置し、本明細書に定義されるように修飾され、所望のタンパク質に追加的な(例えば、好ましい)性質を付与する。
本明細書において、「オリゴヌクレオチド」の語は、例えば、変異体タンパク質を生成するための反応にプライマーとして用いられる、短い核酸配列を意味する。
本明細書において、「遺伝子をコードする核酸配列を有するオリゴヌクレオチド」及び「遺伝子をコードする核酸配列を有するポリヌクレオチド」の語は、遺伝子のコード領域を含んでいる核酸配列、別の言葉でいえば、遺伝子生成物をコードする核酸配列を意味する。前記コード領域は、cDNA、ゲノムDNA、又はRNA形態のいずれかの中に存在する。DNA形態中に存在する場合、前記オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドは1本鎖(即ち、センス鎖)又は2本鎖である。好適な翻訳の開始及び/又正確な一次RNA転写のために必要であれば、エンハンサー/プロモーター、スプライスジャンクション、ポリアデニレーションシグナル等の好適な制御エレメントを遺伝子のコード領域に近い位置に置くことができる。代替的に、本発明の発現カセットに用いる前記コード領域は、内性のエンハンサー/プロモーター、スプライスジェヤンクション、ポリアデニレーションシグナル、等を含むか、あるいは内性又は外性の制御エレメントの組合せを含む。
本明細書において、「プライマー」の語は、合成されたものか又は精製制限消化物におけるように自然発生したものかどうかに関わりなく、核酸ストランドと相補的なプライマー伸長生成物の合成が誘発されるような条件下において(すなわち、ヌクレオチド及び誘導剤(例えば、DNAポリメラーゼ)の存在下で、適切な温度及びpHにおいて)当該合成を開始させる働きをし得るオリゴヌクレオチドについて用いられる。当該プライマーは、最大限効率的な増幅のために1本鎖であることが好ましいが、2本鎖であることもできる。2本鎖の場合には、当該プライマーは、伸長生成物の生成に用いられる前に、まず、2本鎖を分離するために処理される。好ましくは、当該プライマーは、オリゴデオキシリボヌクレオチドである。誘導剤の存在下において伸長生成物の合成を開始するために十分な長さである必要がある。プライマーの的確な長さは、多くの因子、例えば、温度、プライマー源、及び用いる方法に依存する。
本明細書において、「プローブ」という語は、合成により、組換え技術により、又はPCR増幅により生成されたものか、或いは精製制限消化物におけるように自然発生したものかどうかに関わりなく、別の対象オリゴヌクレオチドとハイブリッド形成し得るオリゴヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチド配列)について用いられる。プローブは、1本鎖でも2本鎖でもよい。プローブは、特性の遺伝子配列の検出、同定、及び単離において有用である。本発明で用いられるプローブは、任意の“レポーター分子”で標識化することができ、それによって、例えば、酵素、蛍光、放射線、及びりん光等を用いる任意の検出システム(例えば、ELISA、及び酵素を用いる組織化学的アッセイ)において検出することができるようになる(ただし、これらに限定されるものではない)。
本明細書において、「標的」という語は、ポリメラーゼ連鎖反応に関して用いられる場合、ポリメラーゼ連鎖反応に用いられるプライマーによって境界される核酸領域を意味する。従って、「標的」は、他の核酸から選別される。「セグメント」は、標的配列中の核酸領域として定義される。
本明細書において、「ポリメラーゼ連鎖反応」(“PCR”)という語は、米国特許第4,683,195号、4,683,202号、及び4,965,188号における方法について用いられる(これらは引用により本明細書中に取り込まれる)。これには、クローニングや精製を行うことなしに、ゲノムDNA混合物における標的配列のセグメントの濃度を増大させる方法が含まれる。標的配列を増幅する当該方法は、所望の標的配列を含有するDNA混合物に大過剰の2種のオリゴヌクレオチドプライマーを導入する工程、その後、DNAポリメラーゼの存在下において正確な順序で熱サイクルを行う工程よりなる。当該2種のプライマーは、2本鎖標的配列のそれぞれのストランドと相補的である。効果的な増幅のために、混合物を変性させた後、標的分子内の相補的配列にプライマーをアニールする。アニーリングの後、新しい相補的ストランドのペアを産出するために、プライマーはポリメラーゼによって伸長される。当該変性、プライマーのアニーリング、及びポリメラーゼ伸長は、何回も繰り返される(すなわち、変性、アニーリング、及び伸長は、1つの「サイクル」を構成し、多数の“サイクル”が存在し得る)。これにより、所望の標的配列のセグメントが高濃度で増幅される。所望の標的配列の増幅されたセグメントの長さは、それぞれのプライマーの相対的な位置によって決定されるので、その長さは調節可能なパラメータである。当該方法は繰り返し実施されるので、“ポリメラーゼ連鎖反応”(以下、「PCR」)と呼ばれる。標的配列の所望の増幅セグメントは、混合物中における(濃度の点で)主要な配列になるので、それを“PCR増幅”と呼ばれる。
本明細書において、「PCR生成物」、「PCR断片」、及び「増幅生成物」という語は、変性、アニーリング、及び伸長からなるPCR工程の2以上のサイクルが完了した後に得られる化合物の混合物について用いられる。これらの用語は、当該増幅が1以上の標的配列の1以上のセグメントについて行われた場合も包含する。
本明細書において、「増幅試薬」は、プライマー、核酸鋳型、及び増幅酵素以外の、増幅に必要な試薬(デオキシリボヌクレオチド三リン酸、バッファー等)について用いられる。典型的には、増幅試薬は、その他の反応成分と共に、反応容器中(試験管、マイクロウェル等)に存在する。
本明細書において、「RT-PCR」という語は、RNA配列の複製及び増幅について用いられる。この方法では、PCRに逆転写が結合され、ほとんどの場合、熱安定性ポリメラーゼを用いる1の酵素手順が用いられる。これは、米国特許第5,322,770号に説明されている(これは引用により本明細書中に取り込まれる)。RT-PCRでは、RNA鋳型は、ポリメラーゼの逆転写活性によってcDNAに転化され、その後、当該ポリメラーゼの重合活性を用いて(すなわち、その他のPCR法と同様に)増幅される。
ここで用いる「ハイブリダイゼーション」の語は当業者に公知の塩基対合により、核酸鎖を相補鎖と接合させるプロセスをいう。
「最大ストリンジェンシー」は通常約Tm-5℃(プローブのTmより5°低い)で起こり、「高ストリンジェンシー」はTmより約5〜10℃低く;「中間ストリンジェンシー」はプローブのTmより約10〜20℃低く;及び“低ストリンジェンシー”はTmより約20〜25℃低い。機能上、最大ストリンジェンシー条件はハイブリダイゼーションプローブと厳密な同一性またはほぼ厳密な同一性を有する配列を同定するために用いることができ、一方、中間または低ストリンジェンシーハイブリダイゼーションはポリヌクレオチド配列相同体を同定または検出するために用いることができる。
2つの核酸又はペプチドが「実質的に同様」又は「実質的に同一」であるとは、対照配列と比較した場合、少なくとも75%配列相同性、好ましくは少なくとも80%の配列相同性、より好ましくは90%の配列相同性、更に好ましくは95%の配列相同性、最も好ましくは97%、さらには98%、及び995の配列相同性を有する配列を有する配列を意味する。配列相同性は標準的なパラメータを用いたBLAST、ALIGN、及びCLUSTAL等のプログラムを用いて決定することができる(例えば、Altschul, et al, J. MoI. Biol. 215:403-410 [1990]; Henikoff et al, Proc. Natl. Acad Sci. USA 89:10915 [1989]; Karin et al, Proc. Natl Acad. Sci USA 90:5873 [1993]; and Higgins et al, Gene 73:237 - 244 [1988]参照)。BLAST解析を行うためのソフトウェアは全米バイオテクノロジー情報センター(the National Center for Biotechnology Information)から入手可能である。FASTAを用いてもデータベースを検索することができる(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444-2448 [1988])。
本明細書において、「等しい残基」の語は、本明細書で用いる「等しい残基」の語は、特定のアミノ酸残基を共有するタンパク質を言う。例えば、等しい残基は、X線結晶化学によって同定される三次構造を有するあるタンパク質(例えばVGEF)の三次構造のホモロジーレベルを検出することによって同定される。等しい残基は、前駆体タンパク質の特定のアミノ酸残基の2個以上の主鎖原子の原子座標(N対N、CA対CA、C対C及びO対O)が位置合わせ後に0.13nm、好ましくは0.1nm以内であるものと定義される。位置合わせは、対象とする非水素タンパク質原子の原子座標について最大の重複を生じるように最良のモデルが配向、配置された後に達成される。この最良のモデルは、結晶学及びタンパク質の特徴付け/解析の分野において当業者に知られている方法を用いて検出され、利用できる最高の解像度において回折実験データの最低のRファクターが得られる結晶学的なモデルである。
いくつかの態様において、修飾には、好ましくは、前駆体酵素のアミノ酸配列をコードする「前駆体DNA配列」を用いるが、前駆体タンパク質の操作によってでも行うことができる。保存されない残基の場合には、1以上のアミノ酸の置換は、自然界に見られるものに対応しないアミノ酸配列を有する変異体を生産する置換に限定される。保存残基の場合、そのような置換は自然発生的する配列にはならない。本発明によって提供される誘導体は、タンパク質の特徴を変える化学修飾も含む。
一部の好ましい態様として、タンパク質遺伝子は、適切な発現プラスミドに結合される。次いで、このクローン化したタンパク質遺伝子は、タンパク質遺伝子を発現するための形質転換または形質移入に用いられる。このプラスミドは、プラスミド複製に必要なよく知られたエレメントを含有するように宿主内で複製可能なように設計されるか又は宿主染色体中に組み込まれるように設計することができる。必要なエレメントは、効率的な遺伝子発現のために提供される(例えば、目的の遺伝子に作動可能なように結合したプロモータ)。いくつかの実施態様として、必要なエレメントは、もしそれが、外因性である又はタンパク質遺伝子の内性ターミネーター領域により提供される転写ターミネーター(真核宿主細胞のポリアデニル化領域)を認識するならば遺伝子自身の相同プロモーター (即ち、その宿主細胞により転写される)として与えられる。いくつかの態様として、プラスミド感染宿主細胞の連続的な培養維持を可能にする抗生物質抵抗性遺伝子のような選択遺伝子も含まれる。
本明細書で用いる「制限エンドヌクレアーゼ」及び「制限酵素」の語はそれぞれ特定のヌクレオチド配列で、またはその近くで2本鎖DNAを切断する細菌性酵素をいう。
本明細書で用いる「組換えDNA分子」の語は、分子生物学的手法によって、互いに結合されたDNAセグメントを含むDNA分子を言う。
本明細書で用いる「組換えタンパク質」又は「組換えポリペプチド」の語は、組換えDNA分子から発現されたタンパク質分子を意味する。
本明細書で用いる「天然タンパク質」の語は、ベクター配列によりコードされたアミノ酸を含んでいないタンパク質を意味する。すなわち、天然タンパク質は天然に自然発生するタンパク質において見られるアミノ酸のみを含む。天然タンパク質は組換え技術により生成されるか、自然界に発生する源から単離される。
本明細書で用いる(所与のタンパク質の一部にみられる)「タンパク質」の語は、タンパク質のフラグメントを意味する。このフラグメントは4つのアミノ酸残基乃至完全アミノ酸長から1つのアミノ酸を差し引いた配列まで変化し得る。
本明細書において用いる、「融合タンパク質」の語は、外性タンパク質フラグメント(この融合パートナーは非VGEFタンパク質からなる)に結合された所望のタンパク質(即ち、VGEF及びそれらのフラグメント)を含むキメラタンパク質を意味する。幾つかの態様において、この融合体は、宿主細胞内で発現された時に、VGEFタンパク質の融解性を高めるか、又は宿主細胞又は培地上清又は両方からこの組換え融合タンパク質を精製するための親和性タグを提供する。必要な場合には、この融合タンパク質は、各種酵素的又は化学的手法を用いて所望のタンパク質(即ち、VGEF及び/又はそのフラグメント)から分離される。
本明細書において用いる、「作動可能な組合せ」、「作動可能な順序」、「作動可能に結合」の語は核酸配列が直接所与の遺伝子の転写を指示できるように、及び/又は所望のタンパク質分子が合成されるように結合された核酸配列を意味する。この語は、機能タンパク質が生成されるように結合されたアミノ酸配列も意味する。
本明細書で用いる、構造遺伝子について用いられる「コード領域」の語は、mRNA分子の転写の結果として生じたポリペプチドにおいて見られるアミノ酸をコードしている核酸配列を意味する。このコード領域は真核生物において、5’側の開始メチオニンをコードする核酸トリプレット「AGT」及び3’側の3つのタイプのストップコドン(即ち、TAA、TAG、TGA)において結合されている。
本明細書において、「構造遺伝子」の語は、RNA又はタンパク質をコードしているDNA配列を意味する。対照的に、「調節遺伝子」の語は、他の遺伝子(例えば、転写因子)の発現をコントロールする生成物をコードする構造遺伝子である。
本明細書において、「精製された」又は「精製する」の語はサンプルから汚染物質を除去することを意味する。例えば、VGEF又はVGEFポリペプチドは宿主細胞中で発現され、このポリペプチドは宿主細胞のタンパク質を除去して精製される。組換えVGEF又はVGEFポリペプチドのパーセントはそれゆえサンプル中で高くなる。
本明細書で用いる、本発明のタンパク質又はフラグメントについて用いられる「実質的に純粋な」の語は、タンパク質は実用的で、それらの用途に適切な範囲まで本質的に他の物質がないことを意味する。特に、このタンパク質は実質的に純粋で、例えば、タンパク質の配列決定及び/又は医薬品に用いることができる程度まで、宿主細胞の生物学的成分を含んでいないことを意味する。
本明細書で用いる「標的タンパク質」の語は、本明細書で提供される各種インヒビターに結合によりその作用が阻害されるタンパク質(例えば、酵素、ホルモン等)を意味する。
本明細書で用いる、「変異体配列」の語は、野生型プロテアーゼインヒビターの結合ループを置換する短いポリペプチド配列を意味する。この変異体配列は野生型プロテアーゼインヒビターにおいて置換される結合ループの長さと同じ長さである必要はない。
「単離されたオリゴヌクレオチド」又は「単離されたポリヌクレオチド」のような、核酸について用いる「単離された」の語は、、天然の源において関係のある少なくとも1つの余分な核酸から同定及び分離された核酸配列を意味する。単離された核酸は、天然において見られる形態とは異なる形態又は配列ど存在している。対照的に、非単離核酸は天然二存在する形態のDNA又はRNA等の核酸である。例えば、所与のDNA配列(例えば、遺伝子)は近隣の遺伝子に隣接している宿主細胞の染色体上で見られる。特定のタンパク質をコードする特定のmRNA等のRNA配列はタンパク質の多くをコードする他の多くのmRNAとの混合物として細胞内に見られる。しかしながら、VGEFをコードしている単離された核酸は、例として、天然において見られるのとは異なる染色体位置にあるか、又は天然に見られるものとは異なる核酸に隣接しているVEFGタンパク質を通常発現している細胞内においてそのような核酸を含む。この単離された核酸、オリゴヌクレオチド、又はポリヌクレオチドは1本鎖又は2本さ形態中に存在する。単離されて核酸、折具ヌクレオチド、又はポリヌクレオチドがタンパク質の発現に用いられる場合、このオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドは最小のセンス又はコードストランドを含む(即ち、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドは一本鎖である)がセンス鎖とアンチセンス鎖の両方を含む(即ち、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドは2本鎖である)。
本明細書において「所与のポリヌクレオチド配列を含んでいる組成物」の語は、広くは、所与のポリヌクレオチド配列を含むあらゆる組成物を意味する。この組成物はあらゆる形態でよく、投与に好適な形態であることが好ましい。
本明細書において、「投与に好適な形態の語は、前記組成物がヒト又は他の動物に意図とするあらゆる経路において(例えば、局所、経口等)投与される場合に用いる。
本明細書において、「安全且つ効果的な量」の語は、物質を適用したエリアに好適な修飾を誘発させ、且つ重篤な副作用を起こさない物質の量を意味する(合理的なリスク/利益比率)。
この物質の安全且つ効果的な量は処理される特定の皮膚又は体の部分、処理を受ける固体の年齢、処理される状況の程度、用いられる担体等により変化する。当業者は前記パーソナルケア組成物の濃度を調節して、意図する組成物の製品を提供することができる。
本明細書において、「パーソナルケア組成物」の語は皮膚、髪、爪、口腔、及び改良、洗浄、美容、トリートメント及び/又はケアの目的で適用される関係する膜を意味する。
幾つかの態様において、前記パーソナルケア組成物は栄養クリーム、又はローション等の乳化された媒体、安定化ゲル、又は皮膚軟化剤、栄養乳液、栄養クリーム、マッサージクリーム、トリートメントクリーム、トリートメント美容液、リポソームデリバリーシステム、局所的な顔用パック、又はマスク等の分散システム、シャンプー、又はボディウォシュ等の界面活性剤ベースクレンジングシステム、エアロゾル又はスプレータイプの分散又は乳液システム、ヘア又はスキンコンディショナー、スタイリング剤、又は液体、クリーム、固形、無水物、又はペンシル形態のメイクアップ等に用いる顔料含有製品の形態で存在する。しかしながら、本発明を特定の形態に限定することは意図しない。各種形態は本発明に用いることができる。
パーソナルケア製品は、化粧品又は医師の処方箋のいらない化合物(OTC)に分類することができる(例えば、化粧品、スキンケア、オーラルケア、ヘアケア、ネイルケア)。幾つかの態様において、繰り返し配列タンパク質ポリマーはヘアケア組成物、スキンケア組成物、ネイルケア組成物、化粧品組成物又はそれあの任意の組合せに添加される。
本明細書で用いる、「化粧品組成物」の語は化粧品に用いられる組成物を意味する。連邦食品医薬品化粧品法(FD&C 法)定義はここに使われる。従って、化粧品はそれらの意図する使用により、クレンジング、美容、及び魅力促進、又は概観を変更するために人体に、摺りこむ、注ぐ、すりかける、吹きかける、又は他の方法で導入される製品であると定義される。これらの組成物は治療効果は提供せず、医薬品として製剤化されていない。しかしながら、幾つかの状況において、化粧品組成物は化粧品の利益を提供するために医薬品内に取り込まれる(例えば、皮膚又は髪の病気の治療するが、色味又の利益のための組成物ではない)。本発明は化粧品のヒト意外の動物への使用も意図する。
本明細書において、「医薬品組成物」及び「治療用組成物」の語は単なる化粧品の利益よりもむしろ、医薬品の利益を提供する薬物等の組成物を意味する。米国では、調剤、及び治療用組成物は特定の条件における取り扱い、及び/または防止のために食品医薬品局によって承認される。
本明細書において、「薬物」の語は、FD&CActの定義による。従って、薬物は、
病気の診断、治癒、緩和、治療、又は予防に用いることを意図した製品、及びヒト又は他の動物の体の構図又は機能に影響を与えることを意図した(食品以外)の製品であると定義される。
本明細書において、「洗い流さない(leave-on)」の語は、個体に適用して、組成物を適用した場所を洗浄する前の数時間(例えば、4乃至12時間)の間、組成物を除去(例えば、洗浄又はすすぎ等による除去)しないように使用する組成物を意味する。
本明細書において「リンスオフ」(洗い流すタイプの)組成物は、適用した後直ちに(通常、30分以内)に洗浄(例えば、洗浄又はすすぎ等による除去)される組成物を意味する。幾つかの好適な態様において、洗い流すタイプの組成物は適用されるエリアにおいて効果的な量が付着するように製剤化される。
本明細書において、「化粧的利益」の語は、パーソナルケア組成物の投与の結果生じた意図する化粧的変化を意味する。化粧的利益は、皮膚、髪、爪及び口腔の改善することを含むがこれらに限定されない。好適な態様において、少なくとも1つの化粧的利益が本発明のスキンケア、ヘアケア、ネイルケア及びメイクアップ組成物により提供される。
本明細書で用いる、「化粧品に使用可能な」の語は、、過度の毒性、非互換性、不安定さ、刺激、アレルギー反応等を示さずに、合理的な利点/リスク比率を有し、ヒト及び/または他の動物の組織との接触において適している素材を意味する。
本明細書で用いる、「スキンケア組成物」の語は、皮膚に適用して、しわの最小化、しわの除去、脱色、染色、皮膚の軟化、皮膚の補整、脱毛、クレンジング等を含むがこれらに限定されない利益を提供する組成物を意味する。幾つかの好適な態様において、本発明は皮膚の色調を改善する組成物を提供する。これらの態様において、前記改善はしわの減少、皮膚のきめの補整、皮膚の色味の変更、及び他の所望の利益を含む。更なる態様において、前記スキンケア組成物は、ボディウォッシュ、保湿性ボディウォッシュ、デオドラントボディウォッシュ、抗菌クリーナー、スキン保護トリートメント、ボディローション、顔用クリーム、保湿性クリーム、顔用クレンジング乳液、界面活性剤ベース顔用クリーナー、顔用角質除去ゲル、顔用化粧水、角質除去クリーム、顔用マスク、アフターシェーブローション、バーム、及び/又は放射線保護組成物(例えば、サンスクリーン)からなる群より選択される。
本明細書において、「皮膚の外観の改善」の語は本発明のパーソナルケア組成物の使用により達成されるあらゆる利益を意味する。前記利益の例は、毛穴の外観上の減少(例えば、毛穴のサイズの減少)、皮膚の過剰に色素沈着した領域の皮膚の色を明るくすること及び/又は皮膚の色素沈着の衰退を含む皮膚の色における欠陥、及び/又はシミの低減、乾燥状態を緩和する、肌荒れの排除、皮膚の保湿能及び/又は環境ストレスからの保護能、現れている線及びしわの低減、皮膚の外観及び色調の改善、皮膚の硬さ及び/又は柔軟性を高める、皮膚のたるみの低減、皮膚のツヤ及び透明性の促進、皮膚の再生プロセスの促進、及び/又はうぶ毛の除去を含むがこれらに限定されない。皮膚の外観の改善は、しわ、衰えを調節すること、皮膚の色を明るくすること、皮膚の色を暗くすること、及び皮膚のきめと整えること、及び/又は毛穴の視認しうるサイズを減らすことをも含む。
本明細書において、「スキントーンの修飾」の語は皮膚の色を、暗く又は明るく変えることを意味する。しかしながら、他の文脈において、この語は、皮膚の筋肉及び結合組織の健康状態を修飾する意味に用いられる(即ち、皮膚の色に関係なく、皮膚の硬さに関して用いられる)。
本明細書において、「皮膚の色調を明るくする」及び「色調が明るい皮膚」の語は、肉眼及び/又は機械的手段により決定される皮膚の暗さが低減することを意味する。この語は、あらゆる範囲の皮膚の色調の観察可能な明化(即ち、白化)を含む。幾つかの態様において、この語は、しみ、黒皮症、肝斑、そばかす、炎症後の過度な色素沈着及び/または皮膚誘発性の過度な色素沈着の存在に依存している過度の色素沈着を有する領域を含む、皮膚中に存在するメラニンの濃度を低くすることを包含する。
本明細書において、「過度の色素沈着領域」の語は、特定の個人における本来の皮膚の色調と比較して、局部的に暗い皮膚の色調である領域を意味する。例えば、好適な態様において、過度の色素沈着領はメラニンが局在的に多い領域である。
本明細書において、「皮膚の暗化を避ける」、「皮膚の色調の暗化を回避する」、「皮膚の色調が暗くなることを防ぐ」、「皮膚の色の進行を防ぐ」及び皮膚の色調に関して用いるこれらと同等のフレーズは、UV照射及び/又は日焼けの後において見処理の皮膚を比較した皮膚の色素沈着又は暗化が少ないことを意味する。この語は、暗化を防ぐ処理をして日焼けした皮膚と保護しないで日焼けした皮膚との間に観察されるあらゆる違いを包含することを意図する。
本明細書において、「皮膚の色調の衰退」の語は化粧品を適用したエリアにおける皮膚の色の衰退を意味する。好適な態様おいて、このフレーズは1つ以上の皮膚領域において皮膚の色を同じにするため、又は皮膚のコントラストを減らすための本発明の使用、を意味する。
本明細書において、「皮膚の色調における赤味を減らす」の語は、視覚的又の手段により測定されうる皮膚における赤色を低減することを意味する。
本明細書において、「ヘア成長を抑制する」、及び「ヘア成長の抑制」の語は、ヘアの長さ及び/又は密度が見かけ上低減されていることを意味する。従って、幾つかの好適な態様において、本発明のパーソナルケア組成物の製品は本発明のパーソナルケア組成物が適用されていない領域と比較して、ヘアの長さ及び/又は密度が低減されることによる利益を提供する。幾つかの態様において、前記観察されたヘア成長及び/又は密度の減少は、未処理の領域と比較して1%未満乃至99%以上、他の態様において、観察された減少は約100%乃至約90%、約90%乃至約80%、約805乃至約70%、約70%乃至約60%、約60%乃至約50%、約50%乃至約40%、約40%乃至約30%、約30%乃至約20%、約20%乃至約10%、約10%乃至約1%である。即ち、減少が視覚的(即ち、肉眼)又の手段により観察されている限り、本発明を特定の範囲の減少のパセンテージに限定することは意図しない。「ヘア成長の抑制」の語は、上で述べたあらゆる程度を包含することも意図する。この語を完全なヘア成長の抑制(即ち、ヘア成長が観察されない)に限定することは意図しない。
本明細書で用いる、「ヘアケア組成物」の語は、ヘアを濃くする、ヘアを薄くする、染色する、脱色する、クレンジングする、コンディショニングする、軟化する、元気にする等の有利な性質を提供するためにヘアに適用する組成物を意味する。幾つかの好適な態様において、このヘアケア組成物はシャンプー、コンディショナー、ふけ用トリートメント、スタイリング剤、スタイリングコンディショナー、ヘアリペア又はトリートメント美容液、ローション、クリーム、ポマード、及び化学トリートメントからなる群より選択される。他の態様において、前記スタイリング剤はスプレー、ムース、リンス、ゲル、フォーム(泡)、及びこれらの組合せから選択される。更なる態様において、前記化学トリートメントはパーマネントウェーブ、リラックス(relaxes)及びパーマネント、セミ-パーマネント、テンポラリーカラートリートメント、及びこれらの組合せから選択される。
本明細書において、「メイクアップ組成物」の語はヒト又の動物の外観を、美しく、ケアのために、維持するために、又は補整するために用いる化粧品を意味する。「メイクアップ組成物」の語はますから、リップスティック、リップライナー、アイシャドー、アイライナー、ルージュ、フェイスパウダー、ファンデーション、頬紅、及びマニキュア等の色のついた化粧品に限定されない。幾つかの態様において、本発明の前記コスメティック組成物は、アイゲル、アイシャドー、高融点リップスティック、リップスティック、リップグロス、リップバーム、マスカラ、眉ライナー、アイライナー、固形パウダーファンデション、タンパク質でコートされた顔料、及びこれらの組合せからなる群より選択される。更なる態様において、このコスメティック組成物はメイクアップ組成物を含む。更なる態様において、前記ネイルケア組成物はネイルエナメル、キューティクルトリートメント、ネイルポリッシュ、ネイルトリートメント、及びポリッシュ除去剤からなる群より選択される。
本明細書において、「口腔ケア組成物」の語は、歯磨きペースト、歯磨きゲル、マウスリンス、ブレスリフレッシュナー、ホワイトニングトリートメント、及び不活性担体基質から成る群より選択されるものを含むがこれらに限定されない、口腔において使用されるパーソナルケア組成物を意味する。
本明細書において、「分散相」の語は、乳化技術における当業者において、連続する相内に懸濁されている小さな粒子又は液滴が存在する相であると理解されている。この分散相が「内部」又は「不連続」相としても知られている。
本明細書において、「浸透促進剤」の語は、表面の角質層バリアから皮膚の深部までの浸透を促進する組成物を意味する。浸透促進剤の例は、プロピレングリコール、azone、エトキシジクグリコール、ジメチルイソソルビド、尿素、エタノール、ジメチルスルホキシド、ミクロエマルジョン、リポソーム、及びナノエマルジョンを含むがこれらに限定されない。
本明細書において、「乳化剤」及び「界面活性剤」の語は物質の連続相内に分散相を分散又は懸濁させる化合物を意味する。界面活性剤は特に皮膚及び/又はヘアクリーニングのために意図される製品に用いられる。特に好適な態様において、「界面活性剤」の語は、乳液として用いられる表面活性因子、又は皮膚の洗浄等の目的で用いる他の界面活性剤について用いられる。
各種態様において、本発明は、UV吸収(例えば、オクチルメトキシ桂皮酸、ベンゾフェノン-3、二酸化チタン、及びオクチルザリシレート);フィルム形成剤(例えば、VP/エイコセンコポリマー);化粧品に用いる成分(例えば、ペプチド及びタンパク質、アルファヒドロキシ酸、及びレチノール、及びレチノール酸誘導体);抗酸化剤(例えば、トコフェロール及びそれらの誘導体、及びアスコルビン酸及びその誘導体);ビタミン(例えば、B、D、K、及びそれらの誘導体);制汗活性剤(例えば、水酸化アルミニウム及び水酸化ジルコニウム);脱毛剤(例えば、チオグリコール塩)、;抗―にきび剤(例えば、サリチル酸及び過酸化ベンゾイル);研磨剤及び剥離剤(例えば、シリケート、軽石、及びポリエチレン);及び植物、フルーツ、野菜及び/又は海洋性の素材の抽出物等の保護剤も含む。
従って、幾つかの態様において、本発明は以下を含むがこれらに限定されない任意の有機UV-A及びUV-Bフィルターを含む組成物を提供する。
幾つかの態様において、本発明は、酸化亜鉛(ZnO)、チタニウム(TiO)、鉄(例えば、Fe2O3)ジルコニウム(ZrO2)、シリカ(SiO2)、マグネシウム(MnO)、アルミニウム(Al2O3)、ロウ(例えば、Ce2O3)、及びこれらの酸化物の混合組成物及びそれらのブレンド等の金属酸化物、及び/又は水溶性又は非水溶性金属化合物に基づく無機顔料を含むがこれらに限定されない、顔料を含む組成物を提供する。幾つかの好適な態様において、前記金属酸化物は微細な粉末であり、代替的な好ましい態様において、前記金属酸化物は顔料グレードのものである。更なる追加的な態様において、前記顔料は表面処理によりコートされている。幾つかの好適な態様において、前記コート組成物は薄い、疎水性フィルム層であり、他の態様において、前記コート組成物は薄い親水性フィルム層を含む。
更なる態様において、パプリカ抽出物、βカロテン、又はコチニール等の油溶性天然ダイも本発明に用いることができる。
更なる追加的な態様において、本発明のゲルクリーム組成物は真珠光沢を有する顔料を含む。幾つかの好適な態様において、「天然真珠光沢顔料」(例えば、「パールエッセンス」[グアニジン/ハイポキサンチンを魚の骨由来の結晶と混合したもの]、「マザーオブパール」(mother of pearl)[二枚貝を粉末にしたもの]、及び「単一結晶パールセントセグメント」(例えば、ビスマスオキシクロライド[BiOCl])、及び「層状基質顔料」(例えば、マイカ/酸化金属)様々な真珠光沢を有する顔料が本発明に用いられる。
パールセント顔料の基質は、粉末顔料、ビスマスオキシクロライド及び/又は二酸化チタンのカストロールオイル分散体、マイカ上のビスマスオキシクロライド及び/又は二酸化チタンを含むがこれらに限定されない。例えば、CIN77163に列挙されている光沢顔料も有効である。
本発明に用いるマイカ/酸化金属に基づくパールセント顔料の追加的なグループを以下に示す。
好適な態様において、Timiron、Colorona、又はDichronaの商標でMerkから販売されているパールセント顔料も本発明に用いることができる。しかしながら、本発明を本明細書に開示されている特定の顔料に限定することは意図しない。即ち、本発明に用いるパールセント顔料は、多くの源から入手可能である。例えば、マイカとは違う基質にも例えば、シリカ等にも更なる金属酸化物をコートすることができる。例えば、TiO2及びFe2O3(「ronaspheres」)でコートされたSiO2粒子はメルクから市販されており、本発明に用いられる細いラインを光学的に減退するのに有効である(しわを消すのによい)。追加的にgoniochromatic effectを有する顔料は例えば、BASFよりSicopearl Fantasticoの商標で販売されている。
更なる態様において、二酸化チタンでコートしたカルシウムナトリウムホウケイ酸塩を基にしたEngelhard/Mearlから得られた顔料も用いることができる。これらはReflecksの商標で販売されている。40nm乃至180nmの粒子サイズのものは色に加えて、ツヤを出すことができる。
更なる態様において、Flora Techより販売されているMetasomes Standersd/Glitterの各色(イエロー、レッド、グリーン、ブルー)も本発明に用いることができる。このグリッター粒子は各種補助剤及びダイとの混合されている(例えば、CIN19140、77007、77289、77491を有するダイとの混合物)。
幾つかの態様において、前記ダイ及び顔料は独立して、又は混合物として存在する。代替的な態様において、これらは異なる色彩効果を提供するために、異なる層厚でお互いにコートされていてもよい。幾つかの態様において、ダイ及び顔料の総量は各種濃度の範囲から選択される(例えば、約0.1重量%乃至約30重量%、好ましくは約0.5重量%乃至約15重量%、及び最も好ましくは約1.0乃至約10重量%、重量%は製品の総重量に基づく)。
更なる態様において、本発明は本発明の組成物を製造する方法を提供する。幾つかの態様において、これらの方法はオイル相及び水相の成分を別々に結合し及び過熱し、その後これらを一緒にして撹拌する工程を含む。幾つかの好適な態様において、これらの相はホモジナイズされる。幾つかの特に好適な態様において、前記組成物は中程度から高程度のエネルギーを用いて、有利には、回転数が10000rpm(好ましくは2500乃至7700rpm)までのギアリム分散器を用いて撹拌される。
本発明の組成物を含む化粧品製剤
本発明は数多くのパーソナルケア組成物に用いることを意図する。本発明を特定のタイプの組成物に限定することは意図しない。以下の説明は例を説明するものであり、本発明の組成物をこれらに限定するものではない。
乳液は通常、一般的に使用される化粧品の一つである。「乳液」の語は、用語「乳液」は、一般に、互いによって制限された範囲までだけ混和しないか、混合可能な二液体の不均一系への関連に対して使われる(それは通常「相」と称される)。一方の相が一般に、小滴(すなわち「拡散する」、「断続的な」または「内部の」相)という形である一方、他の液体は継続的な(すなわち「首尾一貫」または「外部」)相を成形する。より一般的でない形態は、多層乳剤(すなわち、分散した[または断続的]小滴の相それらは水/オイル/水[W/O/W]乳液とオイル/水/オイル[O/W/O]乳液などのさらなる分散相部分的を含む)を含む。
オイル相が水相中に分散されている場合、この乳液は水中油型乳液(O/W乳液;例えば、ミルク)である。O/W乳液の基本的な性質は水によって決まる。これらの乳液は皮膚においてさっぱりしており、W/O乳液(油中水型乳液)よりも皮膚に早く吸収される。
当業者は化粧品及び/又は皮膚科において使用される、室温乃至皮膚温度において塗り広げることが可能で、あるか又はこれらの温度範囲において流動性を有する好適なW/O乳液製品を製剤化するための多くのオプションに精通している。
乳液の安定性はそれらの粘度、特に外部の相の粘度に依存している。相対的に大きな集合体を成形するために、よく拡散した粒子が互いに凝縮する時に、乳液は不安定になり、接触している小滴が融合する。このプロセスは「融合」と称される。乳液の外部の相がより粘性であるほど融合のプロセスはより遅い。「液体」(=流動体)の乳液は各種化粧品に用いられている(例えば、スキンケアローション、クレンジングローション、フェイスローション、ハンドローション等)。これらの組成物は通常、約2000mPa・s乃至約10,000mmPa・sの粘度を有する。粒子のかなりより大きな可動性がより急速な融合を促進するので、流出可能な乳液の安定性は特別に注意を要する。液状乳液は、通常、濃厚剤を用いており、高い電解質濃度において不安定であることが知られている。このことは、組成物の相分離において明示されている。しかしながら、幾つかの態様において、それらの使用における物理的、化学的、及び生物学的性質に合致させるために特定の電解質(例えば、水溶性UVフィルター)を用いることは好ましい。多くの場合において、乳液系の好適な選択は、しばしば他の側面における不利益を幾分か伴うことがある。
例えば、多くの化学的基質を用いた乳液における不利益は、使用者においてアレルギー反応又は過敏症(即ち、過感作)に基づく反応の引き金となることがある。何人かの個人にとって、「低刺激性」化合物は必要で、及び/または好まれるけれども、通常、美容乳液の使用は一般に完全にリスクを排除している。即ち、何人かの敏感な個人において、特定の乳液を用いて太陽光にさらされることにより特定の皮膚病が引き起こされる。従って、本分野において知られているように、幾つかの組成物において、特定の乳化剤は好ましくない及び/又は使用してはいけない。
乳化剤を含まない製剤を調製することは可能である。例えば、幾つかの製剤は分散された水滴を含む相のみを有する(即ち、W/O乳液に似ている)。そのような系は分散相及び連続相により「水系」又は「オレオ懸濁液(oleodispersions)」と言われている。
化粧品技術において、特定のマイルドな乳化剤があることから、乳化剤を乳化剤を省くことは必要でなく、可能でもない。しかしながら、近年使用されている乳化剤は選択の幅が広くない。従って、当業者に認容されているマイルドな化粧品製剤に対応する製品の範囲は狭い。
幾つかの乳化剤の有害な効果に加えて、他のファクターへの露出は、皮と毛を傷つけると知られている。例えば、皮膚における太陽光の紫外線部分の有害な影響は、一般的に知られている。290nm未満(即ち、UVC領域)の波長を有する光線は大気中のオゾン層に吸収されるけれども、290nm乃至320nm(即ち、UVB領域)の範囲の光線は紅斑、簡単な日焼け、または深刻さを変える火傷さえ起こす。日光の最大紅斑活性は約308nm付近の相対的に狭い範囲で起こる。
有害なUVB光線に対して保護を提供する多くの物質が知られている。最も一般的なものは、3-benzylidenecamphorの、4-アミノ安息香酸の、桂皮酸の、サルチル酸の、ベンゾフェノンの、そして2-フェニル-ベンズイミダゾールの誘導体である。
UVAもダメージを引き起こすことから、約320nm乃至約400nmの間のUVA領域の範囲の利用可能なフィルター基質を有することも重要である。長い間、320nmと400nmの間の波長を持っている長波のUV-A光線が取るに足りない生物学の行動だけを有していて、それに応じて、UV-B光線がヒトの皮膚において最も光損傷を生じていることがに間違って仮定されていた。しかしながら、近年の数多くの研究がUV-A光線は、皮膚における、光学動態、特に光学毒性、反応及び染色体損傷のトリガーの観点からUV-Bよりも有害であることを証明した。更に、UV-B光線の有害な影響はUV-A光線に曝すことにより増強される。
UV-A光線自体による及び日常的な状況下でのUV-A光線は、支持体内における、皮膚の構造及び伸びに重要な成分であるコラーゲン及びエラスチン繊維に十分ダメージを与えることが示されている。このことは、皮膚において、時期早尚な「加齢」となる、慢性的な光誘発性の変化を誘発する。通常光より誘発される皮膚の加齢の臨床的態様は、しわ及び線の増加させ、引き続いて不規則なしわが生じる。更に、皮膚は光誘発性皮膚の加齢により影響を受け、不規則な色素沈着を引き起こす。場合によっては、ブラウン・パッチ、角化上皮、癌、または悪性黒色腫が生じる。毎日のUV露出の結果による時期早尚な皮膚の加齢現象はランゲルハンス細胞の活動低下及びわずかではあるが慢性の炎症有することにより特徴付けられる。
地球に届く紫外線の約90%はUV-Aである。地球に届くUV-B光線の量は多くのファクターに依存している(例えば、年月日及び/又は緯度)が、地球に届くUV-A光線のレベルは日時及び地理的条件にかかわりなく毎日ほぼ一定している。更に、UV-A光線の大部分は生物の表皮を突き抜けるのに対して、UV-B光線の約70%は角質層に保持される。例えば、光保護フィルター基質を化粧品又は皮膚科の製剤に適用することによるUV-A光線を妨げる保護は基本的に重要である。
一般的に光を妨げる基質の光吸収性質は、良く知られており、記録されている。その大部分は、これらの物質を取り込んだ各製品に付随するドキュメントおける厳しい規格を与えあられていいながら、そのような物質の使用において、好適な事例を挙げている大部分の工業的国々において記録されている。最終製中の基質の濃度についてに、皮膚自身中または皮膚表面と物質との相互作用はしばしば、どれほどよく組成物が各個人に機能するかついてに影響を与えるかもしれない変数を示すので、吸光度値はガイドを提供する。
しかし、均一に、厚く、フィルタ物質が皮膚の角質層中、及びその上で分散される態様において、このことを前もって評価することは通常難しい。
UV-A保護性能を試験するために、通常当業者に知られているIPDの方法(EPD 5 immediate pigment darkening)が利用される。この方法は日焼け防止指数の決意に類似していて、生じた色素沈着が無防備の皮膚のために生産されたそれと同じになる前に、どのくらい長波長のUV-A光線によって光をあてられることができるかを光線保護組成物による保護を利用して示す方法を提供する。
ヨーロッパを通じて確立された他の試験方法は、オーストラリア規格AS/NZS2604:1997である。この方において、UV-A領域における製剤の吸収が測定される。この条件を満たすために、製剤は320乃至360nmの領域のUV-A光線を少なくとも90%吸収しなければならない。
また、UV-A領域で高いフィルタ作用を有する既知の光保護フィルタ物質の使用濃度は、しばしば、それらが、固体形態の他の物質と結合されるという現実の事実によって制限されることは日焼け止め組成物の製剤化において興味深い。従って、相対的に高いサンプロテクト効果とUV-Aプロテクション効果を達成することに関しての困難性が存在する。しかしながら、これらの困難性を克服し及び/又は埋め合わせるための手段を知っている。
光保護フィルター物質は通常、高価であり、幾つかの光保護フィルター物質は更に化粧品及び/又は皮膚科製品中に比較的高濃度で組み込むことが困難であるため、本発明のいくつかの態様は、従来のUV-A光線保護フィルター物質を低い濃度で含むにも関わらず、高いUV-A保護性能を達成することができる、単純でコスト効果のよい製剤を意図している。
しかしながら、当分野において知られているように、UV光線は皮膚の代謝を阻害する生成物を生産する光化学反応を誘導する。これらの光化学反応生成物は、主にフリーラジカル化合物(例えば、ヒドロキシラジカル)である。フリーラジカルに定義されていない皮膚の中で形成される光化学反応生成物は高い活性を有する制御不可能な二次反応を誘発する。しかしながら、短命なエポキシドと多くの他が生じるときに、一重項酸素(酸素分子の非自由基励起状態)がUV照射の間に生じる。例えば、一重項酸素はその増大した反応性のため標準の三重項酸素(フリー・ラジカル基底状態)と異なる。しかしながら、励起した、活性のある「フリー・ラジカル」三重項状態はも存在する。従って、これらの反応を防止するために、抗酸化剤、及び/または自由ラジカルスカベンジャーは化粧品、及び/または皮膚科学的製剤において用いることができる。
光保護用の化粧品及び/又は皮膚科学的製剤に用いられる光保護剤としての化合物は、通常、光保護性能が良い。しかしながら、それらは、満足なやり方で意図する製剤中にそれらを取り込むことにおいて困難伴うという不利益も有する。
上で示したように、太陽光線保護指数(SPF)は光保護組成物により保護されている皮膚が未処理の皮膚と同じ紅斑反応が生じる前にどれくらい長く光照射を受けられるかを示す(即ち、未保護皮膚を比較して10倍長く光を当てることができる場合をSPF=10)。消費者は「SPF」の意味をよく理解しており、製品上のSPFの値に基づきスキンケア及び/又はヘアケア製品を選択する。消費者は、早期老化と同様に主として過剰な太陽照射と皮膚癌の間の関連の増大した一般の人々の認識による日焼け防止指数について製造業者から信頼できる情報を受け取ることを期待している。更に、世界の幾つかの部分では、オゾン層の破壊は主要な懸念事項である。皮膚タイプと予測される太陽照射に依存して、消費者は下のまたはより高いSPFと製品を選ぶ。しかしながら、しかし、特に、子供と色白皮膚を持つヒトに適用される製品において、消費者は比較的高いSPF指数を選ぶ傾向があるように思われる。幾つかの態様において、本発明の発明は従来の光保護フィルター物質を相対的に低い濃度で含むが、消費者に許容されうる程度のSPF値を有する組成物を提供する。
幾つかの好適な態様において、本発明により提供される日焼け止め製剤の主要な成分は水又は水性液体; 水性エタノール液体;天然オイル及び/又は天然オイルを化学修飾したオイル及び/又は合成オイル ;脂肪、ワックス、及び他の天然及び合成脂肪基質、好ましくは脂肪酸と少ない炭素数を有するアルコール{例えば、イソプロパノール、プロピレングリコール、又はグリセロール}とのエステル、又は脂肪アルコールと少ない炭素数を有するアルカン酸又は脂肪酸とのエステル; アルコール; 少ない炭素数のジオール又はポリオール及びそれらのエステル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル又はモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチル又はモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル又はモノエチルエーテル、及び類似体である。代替的な好適な態様において、これらの成分の2つ以上の混合物も本発明の発明に用いることができる。
「脂質」の語は、脂肪、オイル、ワックス等を意味する一般的な語として用いられる。更に、「オイル相」及び「脂質相」の語も互換的に使用される。しかしながら、オイルと脂肪は極性においてお互いに異なるこのであり、それらは定義しずらい。水への界面張力をオイルのまたは油性の相の極性インデックスの測定に採用することが提案されている。従って、界面張力は所与のオイル組成物の極性の測定に適していると思われる。「界面張力」は、2つの相の間の界面の中の長さにおいて想像線に1メートル作用する力である。この計測において油性の相と水の間の界面張力がより低いほど分析されている油性相の極性はより大きい。この界面張力のための物理単位は力/長さの関係から慣例的に計算することができ、mN/m(計器によって分割されたミリニュートン)と通常表現される。それが、界面を減らすことに作用するならば、それは陽性である。逆の場合に、それは陰性である。本明細書においては、水への界面張力が30mN/mより少ないならば、脂質は「極性」とみなされている。
「極性オイル」はレシチン及び脂肪酸トリグリセリド、即ち、8乃至24、特に12乃至18炭素原子の鎖長を有する、分岐及び/又は非分岐、飽和及び/又は不飽和のトリグリセリドエステルの群からのいずれかを含む。いくつかの態様において、前記脂肪酸トリグリセリドは合成、準合成、及び天然オイル(即ち、オリーブオイル、サンフラワーオイル、大豆オイル、菜種オイル、アーモンドオイル、ヤシ油、ココナツオイル、ヒマシ油、コムギオイル、グレープシードオイル、アザミオイル、オオマツヨイグサオイル、マカデミアナッツオイル等)からなる群より選択される。しかしながら、本発明の発明の特定の極性を含む組成物に限定することは意図しない。本発明に用いることができる極性オイルの追加的な例は、3乃至30炭素原子の鎖長を有する、飽和及び/又は不飽和、分岐及び/又は非分岐アルコールのエステルからなる群、並びに芳香族カルボン酸及び3乃至30炭素原子の鎖長を有する、飽和及び/又は不飽和、分岐及び/又は非分岐のアルコールのエステルからなる群より選択される。いくつかの態様において、そのようなエステルオイルは、イソプロピルミリスチレート、イソプロピルパルミチテート、イソプロピルステアレート、イソプロピルオレエート、n-ブチルステアレート、n-ヘキシルラウリレート、n-デシルオレエート、イソオクチルステアレート、イソノニルステアレート、イソノニルイソノナネート、2-エチルヘキシルパルミチエート、2-エチルヘキシルラウリレート、2-ヘキシルデシルステアレート、2-オクチルドデシルパルミテート、オレイルオレエート、オレイルエルケート、エルキルオレエート、エルキルエルケート、及びこれらのエステルの合成、準合成及び天然物の混合物(例えば、ホホバ油)からなる群から選択される。
更に、幾つかの態様にいて、前記オイル相は飽和又は不飽和、分岐又は非分岐アルコールのほかにジアルキルエステルからなる群より選択される。幾つかの特に好適な態様において、組成物の前記オイル相は、C12-15アルキルベンゾエートも含む。他の態様において、好適な態様は後者のみを含む。更なる態様において、前記オイル相はGuerbet アルコール(即ち、か最初にそれらの調製を説明したマルセルGuerbetにちなんで名付けられたアルコールのグループ)らなる群より選択される。これらのアルコールは、以下の式により特徴付けられる:
式1
アルコールからアルデヒドへの酸化により、アルデヒドのアルドール濃縮により、アルドールから水が排除され、アリルアルデヒドの水素付加が起こる。Guerbet アルコールは低温においても液状であり、皮膚に対して炎症を生じない。従って、これらはスキンケア及びヘアケア組成物においてfatting、及びsuperfatting、及びrefatting成分として用いることができる。即ち、Guerbet アルコールの使用は、当業者に知られている。これらの適用において、これらの物質は以下の構造式を有することにより特徴付けられる:
式中、R1及びR2は通常、非分岐アルキルラジカルである。本発明の幾つかの好適な態様において、R1がプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、又はオクチルであり、及び/又はR2がヘキシル、フェニル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、又はテトラデシルであるGuerbet アルコールを本発明に用いることができる。更なる態様において、好適なGuerbet アルコールは例えば、ISOFOL(商標)12(Condea Chemie GmbH)の名称で販売されている、以下の構造式を有する2-ブチルオクタノール:
及び、ISOFOL(商標)16(Condea Chemie GmbH)の名称で販売されている、以下の構造式を有する2-ヘキシルデカノールを有する。
追加的な態様において、例えば、Guerbet アルコールの混合物も本発明の組成物に用いることができる。例えば、2-ブチルオクタノール及び2-ヘキシルデカノールの混合物は幾つかの態様に用いることができる。最終化粧品又は皮膚科用製剤中のGuerbetアルコールの総量は最終製品の重量に対して約0.25%まで、好ましくは約0.5乃至15.0%の範囲から選択される。しかしながら、当業者は所望の組成物及びそれらの用途により、好適な濃度を有する組成物を調製するほうを知っていることから、本発明を特定の濃度及び濃度の範囲に限定することは意図しない。更に、オイル及び/又はワックス化合物の任意の組合せを本発明に用いることができる。例えば、幾つかの態様において、ワッスク(例えば、セチルパルミテート)はオイル相の固形脂質化合物として用いることができる。更なる態様において、非極性オイル(例えば、分岐及び非分岐炭化水素、及び炭化水素ワックスから選択されるもの)、特にVASELINE(商標)(即ち、ホワイト油)、パラフィンオイル、スクアランとスクアレン、ポリオレフィン、及び水素処理したポリイソブテンは本発明に用いることができる。ポリオレフィンを含むいくつかの態様において、ポリデセンが好ましい。
本発明の態様に用いることができる脂肪及び/又はワックス化合物はベジタブルワックス、アニマルワックス、ミネラルワックス、及び鉱物ワックスを含むがこれらに限定されない。特に好適なワックスの例は、カンデリラワッスク、カルナウバワックス、うるしワックス、アフリカハネガヤワックス、コルクワックス、グアルマワックス、イネ胚芽オイルワックス、糖きびワックス、ベリーワックス、オウリキュリーワックス、モンタンワッスク、ホホバワックス、シアバター、蜜蝋、シェラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛脂)、尾羽グリース、セレシン、オゾケライト(地蝋)、パラフィンワックス、及びミクロ結晶ワックスを含む。
本発明の態様に用いることができる追加的な脂肪及び/又はワックス化合物は化学的に修飾されたワックス及び/又は合成ワックス(例えば、CRODA GmbHより販売されているSYNCROWAX(商標)HRC [グリセリルトリベヘネート] 及びSYNSCROWAX(商標)AW 1C [C18-C36脂肪酸])、及びモンタンエステルワッスク、Sasolワックス、水素化ホホバワックス、合成又は修飾蜜蝋(例えば、ジメチコーンコポリオールワックス及び/又はC30-50アルキル蜜蝋)、ポリアルキレンワックス、ポリエチレングリコールワックス、並びに化学修飾された脂肪(例えば、水素化ヒマシ油及び/又は水素化ココナッツ脂肪グリセリド等の水素化ベジタブルオイル)、トリグリセリド(例えば、トリヒドロキシステアリン、脂肪酸、脂肪酸エステル、及びC20-40アルキルステアレート、C20-40アルキルヒドロキシステアロイルステアレート、及び/又はグリコールモンタネート等のグリコールエステル)を含む。更なる態様において、本発明は特定の脂肪及び/又はワックス化合物と同様の物理的性質を有する特定の有機シリコン化合物を含む(例えば、ステアロキシトリメチルシラン)。追加的な態様において、前記脂肪及び/又はワックス化合物は別々に提供される。他の態様においては、これらは混合物として提供される。すなわち、そのようなオイル/ワックス化合物のあらゆる所望の混合物が本発明の各種態様に用いることができる。
幾つかの態様において、前記オイル相は2-エチルヘキシルイソステアレート、オクチルドデカノール、イソトリデシルイソノナノエート、イソエイコサン、2-エチルヘキシルココエート、C12-15-アルキルベンゾエート、パプリイック/カプリックトリグリセリド、及びジカプリルイルエーテルからなる群より選択される。代替的な態様において、オクチルドデカノール、パプリイック/カプリックトリグリセリド、ジカプリルイルエーテル、C12-15アルキルベンゾエート、2-エチルヘキシルイソステアレート、イソトリデシルイソノナエートの1つ以上を含む混合物を含むがこれらに限定されない、各種オイル相の混合物が提供される。以下の表は本発明の各種態様に、単独で又は他の資質と組み合わせて用いることができる脂質のリストを提供する。対応する水への界面張力は最後のカラム中に記載している。より高い又は低い極性を有する化合物の混合物を含む他の化合物も本発明の各種態様に用いることができることから、本発明をこれらの列挙された化合物に限定することは意図しない。
幾つかの態様において、製剤のオイル相の幾つか又は全部は、しばしは「シリコンオイル」とも言われる環状及び/又は直鎖シリコンからなる群より選択される。幾つかの態様において、これらのシリコン又はシリコンイエロー折るは以下の構造エレメントにより特徴付けられるモノマーとして存在している:
本発明の幾つかの態様に用いられる2つ以上のシロキシル単位を有するシリコンは通常、以下の構造エレメントにより特徴付けられる:
式中、シリコン分子は、R1乃至R4で示す同一の又は異なるアルキルラジカル及び/又はアリルラジカルにより置換されていてもよい。異なるラジカルの数は4である必要はなく、2乃至200,000の値である。
本発明に有利に用いることができる環状シリコンは以下の構造エレメントにより特徴付けられる:
式中、シリコン分子は、R1乃至R4で示す同一の又は異なるアルキルラジカル及び/又はアリルラジカルにより置換されていてもよい。異なるラジカルの数は4である必要はなく、nは3/2乃至20である。「n」についての分数の値は、奇数のシロキシル基が環の中に存在する場合を考慮したものである。
幾つかの態様において、フェニルトリメチコーンがシリコンオイルとして選択される。本発明の各種態様に用いるのに適した他のシリコンオイルは、ジメチコーン、フェニルジメチコーン、シクロメチコーン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、セチルジメチコーン、及びベヘノキシジメチコーンを含むがこれらに限定されない。代替的な態様において、シクロメチコーン及びイソトリデシルイソノナノエートの混合物、並びにシクロメチコーン及び2-エチルヘキシルイソステアレートの混合物を含むがこれらに限定されない、これらの化合物の混合物も本発明に用いることができる。更なる追加的な態様において、前記化合物の有機側鎖が誘導体化された化合物(例えば、ポリエトキシ化及び/又はポリプロポキシル化)等の類似の化合物のシリコンオイルも本発明に用いることができる。これらは、セチルジメチコーンコポリオール(即ち、スェチルジメチコーンコポリオール(及び)ポリグリセリル-4-イソステアレート(及び)ヘキシルラウレート)等のポリシロキサン-ポリアルキル-ポリエーテル-コポリマー等の化合物を含むがこれらに限定されない。即ち、本発明の各種態様には各種オイルを用いることができることから、本発明を特定のシリコンオイル又はシリコンオイルの混合物に限定することを意図しない。
追加的な態様において、油中水(W/O)型乳液は本発明に用いることができる。幾つかの態様において、W/O乳液は追加的な共乳化剤と一緒に又はこれを用いずに使用することができる。更なる態様において、W/O乳液は更に、レシチン、ラノリン、パラフィン油(Paraffinum liquidum)を含む混合物の中のミクロ結晶ワックス(ミクロ結晶蜜蝋) オゾケライト、水素化ヒマシ油、ポリグリセリル-3オレエート、ウールワックス酸混合物、ウールワックスアルコール混合物、ペンタエリトリチルイソステアレート、ポリグリセリル-3ジイソステアレート、蜜蝋(Cera alba)及びステアリン酸、イソプロピルヒドロキシエーテルを含む混合物中のとソディウムジヒドロキシセチルフォフェート、メチルグルコースジオレエート、ヒドロキシステアレート及び蜜蝋を含む混合物中のメチルグルコースジオレエート、ワセリンとオゾケライトとグリセリルオレエートとラノリンアルコールを含む混合物中のミネラルオイル、オゾケライトと水素化ヒマシ油とグリセリルイソステアレートとポリグリセリル-3オレエートを含む混合物中のワセリン、PEG-7水素化ヒマシ油、オゾケライト及び水素化ヒマシ油、ポリグリセリル-4イソステアレート、セチルジメチコーンコポリオール及びヘキシルラウレートを含む混合物中のポリグリセリル-4イソステアレート、ラウリルメチコーンコポリオール、セチルジメチコーンコポリオール、アクリレート/C10-C30-アルキルアクリレートクロスポリマー、Poloxamer 101、ポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-3ジイソステアレート、ポリグリセリル-4ジポリヒドロキシステアレート、PEG-30ジポリヒドロキシステアレート、ジイソステアロイル-3ジイソステアレート、ポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-3ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-4ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-3ジオレートの中の1つ以上の化合物を含むがこれらに限定されない、1つ以上の乳化剤を含む。
本発明の更なる態様において、本発明のW/O乳液は、セテアレス-20を有する混合物中のグリセリルステアレート、セテアレスー25、捨てアリルアルコールを含む混合物中のセテアレス-6、PEG-40ヒマシ油とソディウムセチルステアリルスルフェートを含む混合物中のセチルステアリルアルコール、トリセテアレス-4フォスフェート、ソディウムセチルステアリルスルフェート、レシチントリラウレス-4フォスフェート、ラウレス-4フォスフェート、ステアリン酸、プロピレングリコールステアレートSE、PEG-25水素化ヒマシ油、PEG-54水素化ヒマシ油、PEG-6カプリイック/カプリックグリセリド、プロピレングリコールを含む混合物中のグリセロールオレエート、セテス-2、セテス-20、ポリソルベート60、PEG-100ステアレートを含む混合物中のグリセリルステアレート、ラウレス-4、セテアレス-3、イソステアリルグリセリルエーテル、ソディウムセチルステアリルスルフェートを含む混合物中のセチルステアリルアルコール、ラウレス-23、ステアレス-2、PEG-30ステアレートを含む混合物中のグリセリルステアレート、PEG-40ステアレート、グリコールジステアレート、PEG-22ドデシルグリコールコポリマー、ポリグリセリル-2PEG-4ステアレート、セテアレス-20、メチルグルコースセスクイステアレート、ステアレス-10、PEG-2ステアレート、PEG-8ジステアレートを含む混合物中のステアレス-2、ステアレス-21、ステアレス-20、イソステアレス-20、PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー、メトキシ-PEG-22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG-20グリセリルステアレート、PEG-8蜜蝋、ポリグリセリル-2ラウレート、イソステアリルジグリセリルスクシネート、ステアラミドプロピルPGジモニウムクロライドフォスフェート、グリセリルステアレートSE、セテス-20、トリエチルシトレート、PEG-20メチルグルコースセクイステアレート、セテアレス-12、グリセリルステアレートシトレート、セチルフォスフェート、トリセテアレス-4フォスフェート、トリラウレス-4フォスフェート、ポリグリセリルメチルグルコースジステアレート、ポタシウムセチルフォスフェート、イソステアレス-10、ポリグリセリル-2セクイイソステアレート、セテス-10、オレス-20、イソセテス-20、セテアレス-20を含む混合物中のグリセリルステアレート、セテアレス-12、セチルステアリルアルコール及びセチルパルミテート、PEG-20ステアレートを含む混合物中のセチルステアリルアルコール、PEG-30ステアレート、、PEG-40ステアレート、及びPEG100ステアレート、を含むがこれらに限定されない1つ以上の共乳化剤を含む。
更なる態様において、シリコンオイルを少なくとも一部に含む製剤のオイル相において、シリコン乳化剤を用いることができる。幾つかの態様において、このシリコン乳化剤は、アルキルメチコーンコポリオール、及び/又はアルキルジメチコーンコポリオールの界面活性作用を有する群から選択される。特に、以下の構造式により特徴付けられる化合物の群より選択される。
式中、X及びYは、それぞれ独立して、H基、並びに1乃至24炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキル基、アシル基、及びアルコキシ基から選択され、pは0乃至200の数であり、qは1乃至40の数であり、rは1乃至100の数である。本発明に用いることができるシリコン乳化剤の幾つかの例は、ジメチコーンポリオール(例えば、ABIL(商標)B 8842、ABIL(商標)B 8843、ABIL(商標)B 8847、ABIL(商標)B 8851、ABIL(商標)B 8852、ABEL(商標) B 8863、ABIL(商標)B 8873、及びABIL(商標)B 88183:これらは Th.Goldschmidt AGより入手可能である)。本発明に用いることができる追加的な界面活性作用のある物質の例はセチルジメチコーンコポリオール(ABIL(商標)EM90)並びにシクロメチコーンジメチコーンコポリオール(ABIL(商標)EM97)を含む。両者は、Th. Goldschmidt AGより入手可能である。
本発明の乳化剤の用いることができることが証明されている化合物は、Dow Corning Ltd.より販売されているラウレスメチコーンコポリマー(Dow Corning(商標)5200 Formulation Aid)である。
本発明の好適な態様において、パーソナルケア組成物中(例えば、化粧品又は皮膚用製剤)に用いられる乳化剤の量は製剤の総重量に基づいて、約0.1乃至約10.0%、好ましくは約0.5乃至約5.0%である。しかしながら、本発明の各種態様は異なる好適な濃度及び/又は濃度範囲を有することから、本発明を特定の乳化剤及び/又は共乳化剤の濃度に限定することは意図しない。
幾つかの態様において、本発明は皮膚保護クリーム、スキンローション、化粧乳液、日焼け止めクリーム、及び日焼け止め乳液を含む各種形態で、乳液を提供する。幾つかの好適な態様において、これらの組成物は、脂肪、オイル、ワックス、及び/又は他の脂肪基質、並びに水を含み、慣習的にもちいられる場合には、1つ以上の乳化剤を含も含む。
本発明の化粧用クレンジングローション及び/又はクレンジングクリームの液体及び幾分固形状の乳液に加えて、本発明はメイクアップを除去するため又はマイルドなクレンジングローションとして使われる、吹付けることができるクレンジング用製剤(「クレンジングスプレー」)も提供する。更に、これらのクレンジングスプレーは、傷[染み・汚れ・欠点・汚点・欠陥]のある皮膚の治療に用いることができる。これらのクレンジング製剤は「リンスオフ(洗い流すタイプの)製剤」(即ち、適用した後に皮膚から洗い流される)と定義される。
上記化粧品に加えて、本発明の各種態様は、賦形剤(bodying agent)、充填剤、香料、ダイ、乳化剤、追加的な成分(例えば、ビタミン及びタンパク質)、光保護剤、安定化剤、防虫剤、アルコール、セルフタンニング基質、水、塩、抗生物質、プロテアーゼ、及び/又はケラチン等を含むがこれらに限定されない、助剤と添加剤等の追加的な成分を含む。即ち、スキャフォールド及びペプチドを含む活性化合物が含まれている限り、本発明を特定の成分に限定することは意図しない。更に、本発明は数多くの様々な医療用製剤に用いられる。
幾つかの好適な態様において、本発明は、クレンジングミルク、サンスクリーンローション、栄養クリーム、デイクリーム、ナイトクリーム等として用いられるのに適した化粧品及び/又は皮膚用製剤を提供する。幾つかの態様において、本発明は、薬物(例えば、医薬品)組成物の化合物に用いられる。幾つかの態様において、本発明は装飾的化粧品(例えば、メイクアップ製剤)に用いられる。
幾つかの特に好適な態様において、本発明は化粧品及び/又は皮膚用製剤に有用な日焼け止めを提供する。本発明の態様に用いられる活性成分に加えて、幾つかの態様において、これらの製剤は好ましくは少なくとも1つの幅広い波長フィルター及び/又は少なくとも1つのUVAフィルター基質及び/又は少なくとも1つのUVBフィルター基質及び/又は少なくとも1つの無機顔料を追加的に含んでいる。
更なる態様において、本発明はUV保護化合物を含むが、主に日焼け止めとしては用いられないパーソナルケア組成物を提供する。例えば、幾つかの態様において、UV-A及び/又はUV-Bフィルター基質はデイクリーム又はヘアクリーム組成物中に取り込まれる。
追加的な態様において、本発明のパーソナルケア組成物は慣習的に使用されている場合には、化粧品として有用な成分、助剤、及び/又は添加剤(例えば、抗酸化剤、保存料、抗酸化剤、防腐剤、殺菌剤、香水、消泡剤、色素、色づけ作用を有する色素、増粘剤、表面活性物質、乳化剤、皮膚軟化薬、加湿器、及び/または湿潤剤、脂肪、オイル、ワックス、またはアルコール、ポリオ-ル、重合体、泡安定剤、電解液、有機溶媒、またはシリコン誘導体などの化粧品又は皮膚科用製剤に通常使用されている成分)を含む。即ち、製品及び使用者に適している限り、各種成分が本発明の各種態様に用いられる。更なる態様において、食品及び試料に用いる保存料は本発明の各種組成物に用いることができる。以下の表において、そのような化合物及びそれらのEナンバーを列挙する。しかしながら、本発明の各種態様には追加的な保存料も用いることができることから、本発明をこれらの特定の保存料に限定することは意図しない。
各種態様に用いることができる追加的な保存料は、ジブロモシアノブタン(2-ブロモ-2-ブロモメチルグルタロジニトリル)、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、イミダゾールジニルウレア、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾール-3-オン、2-クロロアセトアミド、ベンズアルコニウムクロライド、ベンジルアルコール、及びホルムアルデヒド供与体を含むがこれらに限定されない。本発明の各種態様に用いることができる更なる保存料は、フェニルヒドロキシアリルエーテル、特に多くの微生物に対して抗バクテリア及び抗菌作用を示す「フェノキシエタノール」として知られているものを含む。
2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(即ち、IRGASAN(商標))、1,6-ジ(4-クロロフェニルビグアニド)ヘキサン(即ち、CHLORHEXIDIN)、3,4,4’-トリクロロカルバニリド、四級アンモニウム化合物、小球根のオイル、ミントオイル、タイムオイル、トリエチルシトレート、FARNESOL(商標)(3,7,11-トリエチル- 2,6,10-ドデカトリエン-l-オール)、を含むがこれらに限定されない他の抗菌剤、並びに参照により本明細書に援用されるDE-3740186、DE-3938140、DE-4204321、DE-4229707、DE-4309372、DE-4411664、DE-19541967、DE-19543695、DE-19543696、DE-19547160、DE-19602108、DE-19602110、DE-19602111、DE-19631003、DE-19631004、DE-19634019、DE-4229737、DE-4237081、DE-4324219、DE-4429467、DE-4423410、及びDE-19516705に記載の活性成分及び/又は活性成分の組合せも同様に本発明の各種態様に用いることができる。更なる態様において、ソディウムハイドロゲネートカーボンも本発明の幾つかの組成物に取り込まれる。しかしながら、同様の効果を有する各種化合物は本発明の各種態様に用いることができることから、本発明の特定の抗菌剤又は抗菌剤の組合せに限定することを意図しない。
本発明のパーソナルケア組成物の追加的な態様において、抗刺激及び/又は抗炎症作用を有する化合物が含まれる。幾つかの態様において、バチルアルコール(オクタデシルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(9-オクタデセニルグリセリルエーテル)、チミルアルコール(ヘキサデシルグリセリルエーテル)、ビサボロール及び/又はパンテノールが含まれる。しかしながら、本発明における製品において好適な抗刺激及び/又は抗炎症作用を有する各種化合物が本発明の発明に用いられることから、本発明を特定の抗刺激及び/又は抗炎症作用を有する化合物に限定することを意図しない。
本発明の更なる態様において、抗酸化剤がパーソナルケア組成物に取り込まれる。あらゆる適した抗酸化剤は本発明の発明のパーソナルケア組成物に用いることができる。適した抗酸化剤はアミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、トリプシン又はトリプトファン)、及びそれらの誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)及びそれらの誘導体、ペプチド(例えば、D,L-カルノシン、D-カルノシン、及びL-カルノシン)及びそれらの誘導体(例えば、アンセリン)、カロテノイド、カロテン類(例えば、α-カロテン、β-カロテン、及びγ-リコペン)及びそれらの誘導体、クロゲン酸及びそれらの誘導体、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えば、チオオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、及びグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、及びラウリル、パルミトイル、オレイル、g-リノレイル、コレステイル及びこれらのグリセリルエーテル)及びそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びそれらの誘導体(例えば、エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、及び塩)及びスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、及びヘプタチオニンスルホキシイミン)、僅かな耐量(例えば、通常、pmol乃至mmol/kg)、ケラチン化因子(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、及びラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、酪酸、マレイン酸)、それのフミン酸、胆汁酸、胆液抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA、及びそれらの誘導体、不飽和脂肪酸及びそれらの誘導体(例えばリノレン酸、リノール酸の酸の油酸)、葉酸及びそれらの誘導体、furfurylidenesorbitol及びそれらの誘導体、ユビキノンとユビキノールとそれらの誘導体、ビタミンC及びそれらの誘導体(例えばナトリウムアスコルビン酸リン酸、アスコルビン酸パルミテート、Mgアスコルビン酸リン酸、及びアスコルビン酸酢酸)、トコフェロールと誘導体(例えばビタミンE酢酸塩)、ベンゾイン樹脂のconiferyl安息香酸エステル
、フェルラ酸、furfurylideneglucitol、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、nordihydroguaiacic酸、ノルジヒドログアヤレト酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及び誘導体、マンノース及びその誘導体、亜鉛及びそれらの誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレニウム及びその誘導体(例えば、セレレノモチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えば、酸化スチルベン、トランス酸化スチルベン)、及びそれらの誘導体(例えば、塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、及び脂質)である。
幾つかの態様において、本発明の組成物中の1つ以上の抗酸化剤は製品の総重量に基づいて、約0.01%乃至約30%、好ましくは約0.05%乃至約20%、より好ましくは約1乃至約10%の範囲で含まれる。追加的な態様において、ビタミンE及び/又はその誘導体は抗酸化剤として用いられる。好適な含量の範囲は、製剤の総重量に基づいて約0.001乃至約10%である。しかしながら、様々な濃度が本発明の組成物に用いることができるので、本発明を特定の抗酸化剤の濃度に限定することは意図しない。
更なる態様において、本発明は体臭防止剤(デオドラント)及び/又は制汗剤として用いるのに適した製剤を提供する。これらの製剤において従来使用されている任意の活性成分も本発明の各種態様に用いることができる。そのような製剤において従来使用されている追加的な成分も本発明の各種態様に用いることができる。そのような活性成分及び不活性成分の例は、臭気遮へい物 (例えば、香料)、臭気吸着剤 (例えば、DE-P 40 09 347に記載のフィロシリケート並びにモントモリロナイト、カオリナイト、イライト、ベイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト、スメクタイト、及びリシノール酸の亜鉛塩)を含むがこれらに限定されない。本発明の幾つかの態様において、そのような製剤における活性成分(即ち、1つ以上の成分)は重量に基づいて約0.001%乃至約30%、より好ましくは約0.05%乃至約20%、最も具体的な範囲は製剤の総重量に基づいて約1%乃至約10%である。
本発明の幾つかの態様において、有効量の化合物及び溶媒に添加されるゲル相を有する水相は、好ましくは、水、有機及び/又は無機増粘剤及び/又はハイドロコロイドを含む。
幾つかの態様において、無機増粘剤は、修飾、未就職、自然発生、及び合成フィロシリケートの群から選択される。一般的に純粋な物質を使用することが好ましいとされているが、幾つかの態様において、異なる修飾及び/又は未修飾フィロシリケートの混合物も本発明の各種組成物に用いることができる。本分野において知られているように、フィロシリケートは3つのSi-O-又はAl-O-結合を介してお互いに結合しているシリケート又はアルミネート単位を有する、シリケート及びアルミネートであり、波状シート又は層状構造を有する。4番目のSi-O-またはAl-O-の価数はカチオンにより飽和される、各層の間には比較的弱い荷電状態の相互作用が存在する。この層の構造は広義には(強い)共有結合であると定義されている。この層状シリケートについては(Si2O5 2-)、アルミノシリケートについては(AlmSi2- mO5 (2+m)-)である。式中、「m」はゼロより大きく2より小さい。純粋なシリケートの不存在下におけるアルミノシリケートが存在する幾つかの態様において、Al3+に置換されるSi4-は電のバランスをとるために1+カチオンを必要とする。このチャージバランスは好ましくはH+、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンにより達成することが好ましい。代替的な態様において、アルミニウムは対イオンとして使用される。アルミシリケートとは対照的に、これらの化合物は「アルミニウムシリケート」と言われる。アルミニウムがシリケートネットワーク上に存在し、対イオンとしても存在する「アルミニウムアルミノシリケート」も本発明の幾つかの態様に用いることができる。
フィロシリケートは当分野においてよく知られている(例えば、Hollemann et al., Lehrbuch der Anorganischen Chemie [Textbook of Inorganic Chemistry], 91st-100th Ed., Walter de Gruyter - Verlag [1985]; Remy, Lehrbuch der Anorganischen Chemie, 12th Ed., Akademische Verlagsgesellschaft, Leipzig [1965]参照)。モントモリロナイトの層状構造も知られている(Rδmpps Chemie-Lexikon, Franckh'sche Verlagshandlung, W. Keller & Co., Stuttgart, 8"1 Ed., [1985], p.2668 f参照)。フィロシリケートの例は以下を含む(モントモリロナイトは天然のベントナイトを含む主要鉱物である);
モントモリロナイト Na0.33((Al1.67Mg0.33)(OH)2(Si4O10))
しばしば簡略化される: Al2O3*4Si O 2*H2O*nH2 O 又はAl2[(OH)2/Si4Oi0] ・nH2O
カオリナイト;Al2(OH)4(Si2O5)
イライト; (K,H3O)y(Mg3(OH)2(Si4.yALO10)) 又は(K,H3O)y(Al2(OH)2(Si4.yAlyO10))
式中y=0.7 - 0.9
ベリデライト; (Ca5Na)0.3(Al2(OH)2(AI0.5Si3.5O10))
ノントロナイト;Na0.33(Fe2(OH)2(Al0.33Si3.67 O10))
サポナイト; (Ca,Na)0.33((Mg,Fe)3(OH)2(Al0.33 Si3.67 O10))
ヘクチライト; Na0.33(KMg1Li)3(OH,F)2(Si4O10)。
幾つかの好適な態様において、無機ゲル形態はモントモリロナイト(ベントナイト、ヘクトライト、並びにクアテリウム-18ベントナイト、ステアラルコニウムベントナイト、及びステアラルコニウムヘクトライト等のこれらの誘導体)等のアルミニウムシリケートを含むがこれらに限定されない。マグネシウム-アルミニウムシリケート(VEEGUM(商標)グレード)、及びナトリウム-マグネシウムシリケート(LAPONITE(商標))も本発明に用いることができる。
モンモリロナイトは、複八面体スメクタイトのタイプで、水の中で質量が膨張する粘土鉱物であるが、可塑性を有してはいない。モントモリロナイトの3層層状構造における層パケットは水(2乃至7倍量)、及び例えば、アルコール、ピリジン、ピコリン、アンモニウム化合物、ヒドロキシアルミノシリケートイオン等の他の物質の取り込みの結果、膨潤さえることができる。モントモリロナイトは大容量のイオン交換能を有しているので。前記化学式は単に近時的なものをあらわしている。例えば、AlはMg、Fe2+、Fe3+、Zn、Pb (例えば、 下水中の有害物質), Cr, Cu 及び他の元素に置き換えることができる。中間膜位置における特定のNa+(すなわちナトリウムモンモリロナイト)とCa2+(即ち、、カルシウムモンモリロナイト、膨潤性が非常に小さい化合物)において、八面体層の結果として生じている陰電荷は正イオンの存在によって補われる。
代替的な態様において、OPTIGEL(商標)(Sud-Chem)として販売されているがこれらに限定されない、合成マグネシウムシリケート及び/又はベントナイトも本発明に用いることができる。上で示したように、幾つかの態様において、VEEGUM(商標) (R.T. Vanderbilt Comp., Inc) として販売されているアルミノシリケートも本発明に用いることができる。各種グレードのVEEGUM(商標)も本発明に用いることができる。
上記生成物は、水で膨潤してアルカリ反応を有する粘性のゲルになる。これらの製品は、水中でアルカリ性反応を生起し、膨潤して粘性のゲルを形成する。モンモリロナイト又はベントナイトの有機親和性化(organophilization)(中間層カチオンの4級アンモニウムイオンとの交換)により、有機溶媒及び油、脂肪、軟膏、インク、表面塗装中の分散液として、また、界面活性剤中の分散液として使用するのに好ましい生成物(ベントン)を生成する。Bentone(登録商標)は、長鎖有機アンモニウム塩と特定の型のモンモリロナイトから成る種々の中性の化学的に不活性なゲル化剤の商品名である。ベントンは、有機媒体中で膨潤することで有機媒体を膨張させる。得られたゲルは希酸及び希アルカリに対して耐性を有するが、強酸及び強アルカリと長時間接触するとゲル化特性を部分的に消失する。ベントンは有機親和性を有するので、水に対してはかろうじて湿るのみである。以下に示すBentone(登録商標)グレードが、例えば、KronosTitanにより販売されている。Bentone(登録商標)27(有機的に変性されたモンモリロナイト)、Bentone(登録商標)34(ジメチルジオクチルアンモニウムベントナイト;これは、米国特許第2531427号に従って製造されたものであり、親油性基を有するため水よりも親油性媒体中で容易に膨潤する)、Bentone(登録商標)38(有機的に変性されたモンモリロナイト;淡黄色から白色の粉末)、Bentone(登録商標)LT(精製した粘度鉱物)、Bentone(登録商標)Gel MIO(有機的に変性されたモンモリロナイトであり、鉱油中の微細分散液(SUS-71)(10%ベントナイト、86.7%鉱油、及び3.3%湿潤剤)として供給される)、Bentone(登録商標)Gel IPM(有機的に変性されたベントナイトであり、これはミリスチン酸イソプロピル中に懸濁している(10%ベントナイト、86.7%ミリスチン酸イソプロピル、3.3%湿潤剤))、Bentone(登録商標)Gel CAO(有機的に変性されたモンモリロナイトであり、これはひまし油中に含まれている(10%ベントナイト、86.7%ひまし油、及び3.3%湿潤剤)、Bentone(登録商標)Gel Lantrol(有機的に変性されたモンモリロナイトであり、これはさらなる加工、特に化粧品組成物の製造のために意図されたペースト形態である;10%ベントナイト、64.9%Lantrol(羊毛脂油)、22.0%ミリスチン酸イソプロピル、3.0%湿潤剤、及び0.1%p-ヒドロキシ安息香酸プロピル)、Bentone(登録商標)Gel Lan I(羊毛脂USPとパルミチン酸イソプロピルの混合物中の10%濃度のBentone(登録商標)27ペースト)、Bentone(登録商標)Gel Lan II(純粋な液状羊毛脂中のベントナイトペースト)、Bentone(登録商標)Gel NV(フタル酸ジブチル中の15%濃度のBentone(登録商標)27のペースト)、Bentone(登録商標)Gel OMS(Shellsol T.中のベントナイトペースト)、Bentone(登録商標)Gel OMS 25(イソパラフィン系炭化水素(Idopar(登録商標)H)中のベントナイトペースト)、Bentone(登録商標)Gel IPP(パルミチン酸イソプロピル中のベントナイトペースト)。
「ヒドロコロイド(hydrocolloid)」は、より正確な名称「親水コロイド(hydrophilic colloid)」の技術的略語である。ヒドロコロイドは概ね直鎖構造を有する巨大分子であって、個々の分子間の側原子価結合及び主原子価結合を可能にし、それによって網状構造(recticular structure)の形成を可能にする分子間力の相互作用を有する。幾つかの種類のヒドロコロイドは、水性系中でゲル又は高粘性溶液を形成する水溶性の天然高分子又は合成高分子である。ヒドロコロイドは、水分子と結合(水和)するか、あるいは織り込まれた巨大分子の中に水分子を吸収して包み込み、同時に水分子の運動を制限することで、水の粘性を増大させる。上記の様な水溶性高分子は、水又は水性媒体に溶解し得るという共通の性質を有する、化学的に極めて多種多様な天然高分子及び合成高分子の大きな群を表す。水溶性であるためには、これらの高分子は、水に可溶性となるのに充分な数の親水性基を有すると共に架橋の程度がそれほど大きくないことが要求される。当該親水性基は、実際、例えば以下に示す様な、非イオン性、アニオン性又はカチオン性の基であり得る。
化粧品用として又は皮膚科学的に適切なヒドロコロイドの群は、以下に示す様に分類される;有機天然化合物、例えば、寒天、カラギーン、トラガカントゴム、アラビアゴム、アルギネート類、ペクチン類、ポリオース類(polyoses)、グアー粉、イナゴマメ粉、デンプン、デキストリン類、ゼラチン、及びカゼイン等;有機変性天然物質、例えば、カルボキシメチルセルロース及びその他のセルロースエーテル類、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及び微結晶性セルロース等;有機完全合成化合物、例えば、ポリアクリル酸化合物、ポリメタクリル酸化合物、ビニルポリマー類、ポリカルボン酸類、ポリエーテル類、ポリイミン類、ポリアミド類、及びポリウレタン類等; 無機化合物、例えば、ポリケイ酸類、及び粘土鉱物(例えば、モンモリロナイト、ゼオライト及びシリカ)等。
代替的な態様において、有利な安定剤はエチルセルロースである。エチルセルロースは、下記構造により特徴づけられる。上記式中、Rはエチル基又は水素原子のいずれかであり得る。
幾つかの好適な態様において、上記エチルセルロース中のエチル化の程度は、有利には2.0〜3.0であり、これは40〜55%に相当する。エチル化の程度は、好ましくは、48.0〜49.5%である。平均分子質量は、好ましくは、25℃で測定したトルエン80部とエタノール20部から成る混合物中の5%濃度の溶液の粘度が3〜110mPas、好ましくは、9〜11mPasとなるように選択される。特に有利には、平均分子質量は100,000〜400,000g/molである。本発明の調製物中のエチルセルロースの含有量は、調製物の総重量を基準にして0.1〜10重量%であるのが好ましい。その様な製品は、例えば、ETHOCEL(登録商標)Standard 10 Premium(Dow Chemicals)の商品名のものが入手可能である。
更なる追加的な態様において、微結晶性セルロースは本発明の目的において有利なヒドロコロイドである。例えば、AVICEL(商標)、AVICEL(商標)RC-591、AVICEL(商標)RC/CL、AVICEL(商標)CE-1、及AVICEL(商標)500;FMC(Corporation Food and Pharmaceutical Products)を含むがこれらに限定されない各種微結晶性セルロースを本発明に用いることができる。本発明の目的において特に有利な製品は、グレードAvicel(登録商標)RC-591であり、これは、89%の微結晶性セルロースと11%のナトリウムカルボキシメチルセルロースから成る変性微結晶性セルロースである。
有利に使用される別のヒドロコロイドは、例えば、メチルセルロースである。メチルセルロースは、セルロースのメチルエーテル類の呼称である。メチルセルロースは、下記構造のより特徴付けられる;
式中、Rは水素原子又はメチル基であり得る。
本発明の目的において特に有利なものは、一般に同じ様にメチルセルロースと称されるセルロースの混合エーテルである。これは、最も多いメチル基に加えて、2-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシプロピル基、又は2-ヒドロキシブチル基を有する。特に好ましいのは、(ヒドロキシプロピル)メチルセルロースであり、例えば、Dow Chemical Comp.からMethocel(登録商標)E4Mの商品名のものが入手可能である。
更なる態様において、ナトリウムカルボキシメチルセルロースもまた、本発明において有利である。ナトリウムカルボキシメチルセルロースはセルロースのグリコール酸エーテルのナトリウム塩であって、上記構造式中のRが水素及び/又はCH2‐COONaである。特に好ましいナトリウムカルボキシメチルセルロースは、Natrosol(登録商標)Plus330CSの商品名でAqualonから入手可能で、別名セルロースガムとも呼ばれるものである。
本発明の目的において好ましい別のものは、キサンタンガムとも称されるキサンタン(CAS No.11138-66-2)である。キサンタンは、一般にトウモロコシ糖の発酵により形成され、そしてカリウム塩として単離されるアニオン性のヘテロ多糖である。キサンタンは、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)及び別の幾つかの種により好気的条件下において生成され、2×106〜24×106の分子量を有する。キサンタンは、側鎖をもつβ-1,4結合グルコース(セルロース)を有する鎖から形成される。キサンタンのサブグループの構造は、グルコース、マンノース、グルクロン酸、アセテート及びピルベートから成る。キサンタンの粘度は、ピルベート単位の数により決まる。
更なる態様において、カラギーンもまた本発明の目的においてさらに有利なゲル形成因子である。カラギーンは、真正紅藻類(Florideae)に属する北大西洋紅藻類(North Atlantic red algae)(コンドルス・クリスプス(Chondrus crispus)及びギカルティナ・ステラータ(Gigartina stellata))のゲル形成抽出物であって、寒天に似た構造を有する。用語「カラギーン(carrageen)」は、しばしば、藻類の乾燥生成物に対して使用され、「カラギーナン(carrageenan)」はその抽出物に対して使用される。藻類の熱水抽出物から沈殿したカラギーンは、100,000〜800,000の分子量を有し、スルフェート含有量約25%の、無色から砂色の粉末である。カラギーンは温水に極めて容易に溶解し、たとえ含水量が95〜98%であっても、冷却するとチキソトロピーゲルを形成する。その様なゲルの堅さは、カラギーンの二重螺旋構造によりもたらされる。
カラギーナンの場合は、本質的な3種の構成要素が区別される。ゲル形成性κ画分は、D-ガラクトース4-硫酸と3,6-アンヒドロ-α-D-ガラクトースから成り、1,3-位及び1,4-位に交互グリコシド結合を有する(それに対して、寒天は3,6-アンヒドロ-α-L-ガラクトースを含有する)。非ゲル化λ画分は、1,3-グリコシド結合D-ガラクトース2-硫酸基と1,4-結合D-ガラクトース-2,6-二硫酸基から構成され、冷水に容易に溶解する。τ-カラギーナンは、1,3結合のD-ガラクトース4-硫酸と1,4結合の3,6-アンヒドロ-α-D-ガラクトース2-硫酸から構成され、水溶性であると同時にゲル形成性でもある。存在するカチオンの種類(K+,NH4+,Na+,Mg2+,Ca2+)もカラギーンの溶解性に影響する。
更なる態様において、キトサン(即ち、部分的に脱アシル化されたキチン)を本発明に用いることができる。部分的に化粧用製剤でのキトサンの使用はそれ自体公知である。この生体ポリマーは、特に薄膜形成性を有し、皮膚でのシルク的感触を特徴とする。しかしながら欠点として、特に使用時に、一時的ではあるが生じる皮膚での強い粘着性がある。個々の場合において、消費者にとって許容できないものであったり、ないしは良くない評価を受けることから、相当する製剤は市販できるものではない。周知のように、キトサンは例えばヘアケアで使用される。それは、元になるキチンと比べて、増粘剤や安定剤としては好適度が高く、ポリマー薄膜の接着性及び耐水性が改善される。先行技術に関する非常に多くの文献の代表的なものには、フィードラーの著作がある(H.P.Fiedler,”Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie, Kosmetik und angrenzende Gebiete”[薬学、化粧品及び関連分野用補助剤のレキシコン(Lexikon)], third edition 1989, Editio Cantor, Aulendorf, p.293)。キトサンは、下記の構造式を特徴とする。
上記式において、nは約10000以下の値を取り;Xはアセチル基または水素である。キトサンは、下記の構造式を特徴とするキチンの脱アセチル化及び部分脱重合(加水分解)によって生成する。
キチンは、節足動物(例:昆虫、カニ、クモ)の外骨格の必須構成要素であり、他の生物(例:軟体類、藻類、真菌)の支持組織でも認められる。約pH<6の領域では、キトサンは正電荷を有し、その範囲では水系に可溶でもある。それはアニオン性原料とは不適合である。そのため、キトサン含有水中油型エマルションを得るためには、ノニオン系乳化剤を使用することが適切である(EP-A776657参照)。幾つかの好適な態様において、本発明に用いる組成物は、少なくとも1つの、脱アセチル化度>25%、より好ましくは>55〜99%の範囲の[1H-NMRによって決定]、脱アシル化されたキトサン類が好ましい。幾つかの態様において、分子量10,000〜1,000,000のキトサン、特には分子量100,000〜1,000,000のもの[ゲル透過クロマトグラフィーによって測定]も本発明に用いることができる。
ポリアクリレート類も同様に、本発明に関して好ましく使用されるゲル化剤である。本発明により有利なポリアクリレート類は、アクリレート-アルキルアクリレートコポリマー類、特にはカルボマー類またはカルボポール類(carbopols)の群(カルボポール(登録商標)は実際には、グッドリッチ社(B. F. Goodrich Company)の登録商標である)から選択されるものである。特に、本発明により有利なアクリレート-アルキルアクリレートコポリマーは下記の構造を特徴とする。
式中、R′は長鎖アルキル基であり;x及びyは、各コモノマーの個々の化学量論的割合を記号化した数字を表す。
幾つかの態様において、グッドリッチ社から商品名カルボポール(登録商標)1382、カルボポール(登録商標)981及びカルボポール(登録商標)5984で入手可能なアクリレートコポリマー類及び/またはアクリレート-アルキルアクリレートコポリマー類も本発明の幾つかの組成物に用いることができる。非常に好ましいものは、カルボポール類980、981、1382、2984、5984及びカルボマー2001の群からのポリアクリレート類である。アクリル酸C10-30アルキル及び1以上のアクリル酸モノマー類のコポリマー、ショ糖のアリルエーテルまたはペンタエリスリトールのアリルエーテルと架橋したメタクリル酸またはそれのエステル類のコポリマーも有利である。
INCI名「Acrylates/Cio-30 Alkyl Acrylate Crosspolymer」を有する化合物も本発明の幾つかの組成物に用いることができる。特に有利なものは、グッドリッチ社から商品名ペムレン(Pemulen;登録商標)TR1及びペムレン(登録商標)TR2で入手可能なポリマー類である。しかしながら、本発明を特定のアクリレート化合物に限定することは意図しない。
更なる態様において、INCI名「ammonium acryloyldimethyltaurates/vinylpyrrolidone copolymers」有する化合物を本発明に用いることができる。
これらのアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/ビニルピロリジンコポリマー(ammonium acryloyldimethyltaurates/vinylpyrrolidone copolymers)類は、経験式[C
7H
16N
2SO
4]
n[C
6H
9NO]
mを有し、それは下記の構造に相当する。
本発明に関して好ましい化学種は、ケミカル・アブストラクツに列挙されている登録番号58374-69-9、13162-05-5及び88-12-0であり、クラリアント社(Clariant GmbH)から商品名アリストフレックス(登録商標)で入手可能である。しかしながら、本発明をこれらの種に限定することを意図しない。例えばセピック社(Seppic S.A.)からのシムゲル(Simugel;登録商標)EGまたはシムゲル(登録商標)EGなどのアクリロイルジメチルタウレート(Taurate)を含むコポリマー類/橋かけポリマー類も本発明の幾つかの組成物に用いることができる。
本発明によって使用されるさらに別の完全に合成のヒドロコロイド類は水に可溶または分散可能であって、有利には下記のものから得ることができるアニオン系ポリウレタン類を含むがこれらに限定されない。
Aa)1分子当たり2個以上の活性水素原子を有する少なくとも1種類の化合物;
Ab)酸または塩の基を有する少なくとも1種類のジオール;及び
Ac)少なくとも1種類のジイソシアネート。
幾つかの態様において、成分Aa)は特には、各場合で数平均分子量が3000以下であるジオール、アミノアルコール、ジアミン、ポリエステロール、ポリエーテロールまたはそれらの混合物であり、その化合物の3モル%以下がトリオール類またはトリアミン類で置き換わっていても良い。好ましいものは、ジオール類及びポリエステルジオール類である。特に、成分Aa)は、成分Aa)の総重量基準で少なくとも50重量%のポリエステルジオールを有する。好適なポリエステルジオール類は、ポリウレタン類の製造に通常使用されるもの全てであり、詳細には、フタル酸とジエチレングリコール、イソフタル酸と1,4-ブタンジオール、イソフタル酸/アジピン酸と1,6-ヘキサンジオール、ならびにアジピン酸とエチレングリコールまたは5-NaSO3-イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸と1,6-ヘキサンジオールの反応生成物である。
使用可能なジオール類の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエーテロール類があり、例えば分子量3000以下のポリエチレングリコール類、数平均分子量3000以下のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロックコポリマー類、あるいはランダムに分散した、あるいはブロックの形でのコポリマー化アルキレンオキサイド単位を有するエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドのブロックコポリマー類がある。好ましいものは、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-またはヘキサエチレングリコールである。使用可能な他のジオール類は、ポリ(α-ヒドロキシカルボン酸)ジオール類である。
好適なアミノアルコール類は、例えば2-アミノエタノール、2-(N-メチルアミノ)エタノール、3-アミノプロパノールまたは4-アミノブタノールである。
好適なジアミン類の例は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4-ジアミノブタン及び1,6-ジアミノヘキサン、ならびにポリアルキレンオキサイド類のアンモニアによるアミノ化によって製造可能なα,ω-ジアミン類である。
成分Ab)は特には、ジメチロールプロパン酸または下記式の化合物である。
式中、RRは各場合において、C
2〜C
18アルキレン基であり、MeはNaまたはKである。
成分Ac)は特には、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルジフェニルイソシアネート(MDI)及び/またはトリレンジイソシアネートである。
幾つかの態様において、上記ポリウレタン類は、群Aa)及びAb)の化合物を、70〜130℃の温度で不活性溶媒中、不活性ガス雰囲気下にて、群Ac)の化合物と反応させることで得ることができる。この反応は適宜に、鎖延長剤存在下に実施して、比較的高い分子量のポリウレタン類を製造することができる。ポリウレタン類の製造で通常行われるように、成分[(Aa)+(Ab)]:Acは有利には、0.8〜1.1:1のモル比で用いられる。上記ポリウレタン類の酸価は、組成及び成分(Aa)及び(Ab)混合物中の成分(Ab)の化合物の濃度によって決まる。
幾つかの態様において、上記ポリウレタン類は、フィケンチャー(H. Fikentscher)によるK値(25℃及びpH7でのN-メチルピロリドン中、濃度0.1重量%で測定)として15〜100、好ましくは25〜50を有する。固有粘度とも称されるK値は、ポリマー溶液の粘度測定によって測定することが容易なパラメータであることから、ポリマーの特性決定用に工業的に非常に多くの場合で使用される。酸基を有するポリウレタン類は、中和(部分的または完全)後に、水溶性であるか、乳化剤を用いなくとも分散可能である。そのポリウレタンの塩類は通常、未中和ポリウレタン類と比較して、水での溶解度や分散性が高い。上記ポリウレタン類の中和に使用可能な塩基は、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、ソーダ、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属塩基、及び水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウムまたは炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩基、ならびにアンモニア及びアミン類である。2-アミノ-2-メチルプロパノール、ジエチルアミノプロピルアミン及びトリイソプロパノールアミンは、酸基を有するポリウレタン類の中和に特に有用であることが明らかになっている。酸基を有するポリウレタン類の中和は、2種類以上の塩基の混合物、例えば水酸化ナトリウムとトリイソプロパノールアミンの混合物を用いて行うこともできる。所期の用途に応じて、中和は例えば20〜40%という部分的なものとすることができるか、完全なもの、すなわち100%とすることができる。これらのポリマー類及びそれの製造については、DE-A-4225045(これにより、全範囲を参照したものとする)に、より詳細に記載されている。
B.下記の水溶性または水分散性カチオン系ポリウレタン類及びポリ尿素類。
Ba)予め1分子当たり2個以上の活性水素原子を有する1以上の化合物と反応させておくことができる少なくとも1種類のジイソシアネート;及び
Bb)少なくとも1種類のジオール、1級もしくは2級アミノアルコール、1級もしくは2級ジアミン、あるいは1以上の3級、4級またはプロトン化3級アミノ窒素原子を有する1級もしくは2級トリアミン。
好ましいジイソシアネート類は、A)で前述したものである。2個以上の活性水素原子を有する化合物は、ジオール類、アミノアルコール類、ジアミン類、ポリエステロール類、ポリアミドジアミン類及びポリエーテロール類である。この種の好適な化合物は、A)で前述したものである。
ポリウレタン類は、A)で前述した方法に従って製造される。例えば乳酸などのカルボン酸を用いたプロトン化、あるいは例えばハロゲン化もしくは硫酸C1〜C4アルキルなどのアルキル化剤を用いた4級化によって、存在する3級アミノ窒素原子から、ポリ尿素において、電荷を有するカチオン性基を得ることができる。そのようなアルキル化剤の例としては、塩化エチル、臭化エチル、塩化メチル、臭化メチル、硫酸ジメチル及び硫酸ジエチルがある。これらのポリマー類及びそれの製造については、DE-A-4241118(参照により本明細書に援用する)に、より詳細に記載されている。
C.下記のカルボキシレート基を有する直鎖ポルウレタン類。
Ca)下記式の2,2-ヒドロキシメチル-置換カルボン酸:
上記式中、RR′は水素原子またはC
1〜C
20アルキル基であり、それはポリウレタン1g当たりカルボキシル基が0.35〜2.25ミリ当量でポリウレタン中に存在するという条件を満足する量で使用される。
Cb)ポリウレタン重量に基づいて10〜90重量%の2個以下の活性水素原子を有する1種類以上の有機化合物;ならびに、
Cc)1種類以上の有機ジイソシアネート。
ポリウレタンに存在するカルボキシル基は最終的には、少なくとも部分的に好適な塩基によって中和される。これらのポリマー類及びそれの製造については、EP-A-619111(参照により本明細書に援用する)に記載されている。
D.トリ-もしくはテトラカルボン酸類の無水物とジオール類、ジアミン類もしくはアミノアルコール類のカルボキシル含有重縮合生成物(ポリエステル類、ポリアミド類またはポリエステルアミド類)。これらのポリマー類及びそれの製造については、DE-A-4224761(参照により本明細書に援用する)に、より詳細に記載されている。
E.参照により本明細書に援用するDE-A-4314305、3627970及び29-17-504に記載のポリアクリレート類及びポリメタクリレート類。
本発明により使用されるポリマーは好ましくは、15〜100、好ましくは25〜50のK値を有する。そのポリマーは、本発明による組成物中、組成物の総重量基準で、0.2〜20重量%の範囲の量で存在する。塩は、ポリマーの交換性を高める上で有効な量で使用する。塩は通常は、組成物の総重量基準で、0.02〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、特には0.1〜3重量%の量で使用する。
最終の化粧用製剤または皮膚用製剤中での1以上のヒドロコロイドの総量は、製剤の総重量基準で、有利には5重量%未満、好ましくは0.05〜3.0重量%、特に好ましくは0.1〜1.0重量%となるように選択される。
幾つかの追加的な態様において、本発明のパーソナルケア組成物は、例えば特に4級界面活性剤などのカチオン性乳化剤のような界面活性剤または表面活性剤を含む。
4級界面活性剤は、4個のアルキル基もしくはアリール基に共有結合した少なくとも1個のN原子を有する。それによって、pHとは無関係に正電荷が生じる。アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン及びアルキルアミドプロピルヒドロキシサルタイン(sultaine)が本発明の幾つかの態様に用いることができる4級界面活性剤である。
カチオン系界面活性剤も好ましくは、4級アンモニウム化合物の群から選択することができ、特には例えばベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライドなどのベンジルトリアルキルアンモニウムクロライドもしくはブロマイド類、そして例えばセチルトリメチルアンモニウムクロライドもしくはブロマイドなどのアルキルトリアルキルアンモニウム塩類、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライドもしくはブロマイド類、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライドもしくはブロマイド類、アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルサルフェート類、塩化ラウリル-もしくはセチルピリミジニウムなどのアルキルピリジニウム塩類、イミダゾリン誘導体、ならびにアルキルジメチルアミンオキサイド類もしくはアルキルアミノエチルジメチルアミンオキサイド類のようなアミンオキサイドなどのカチオン性を有する化合物がある。特には、セチルトリメチルアンモニウム塩類を含むがこれらに限定されない界面活性剤を用いることができる。
追加的な態様において、カチオン性ポリマー類(例:ジャグアー(登録商標)C162[ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド]または修飾マグネシウムアルミニウムシリケート類(例:例えばレオックス(Rheox)から商品名ベントン(Bentone;登録商標)38で入手可能なクオタニウム(quaternium)-18-ヘクトライトまたは例えばヒュルス社(Huls AG)から商品名ソフチザン(Softisan;登録商標)ゲルで入手可能なステアラルコニウムヘクトライト)も本発明のいくつかのパーソナルケア組成物に用いることができる。しかしながら、本発明をこれらの特定のカチオンポリマー又はに限定することは意図しない。
本発明による製剤には有利には、オイル系増粘剤を含有させて、エマルションの感触特性を改善することもできる。本発明に関して有利なオイル系増粘剤は、例えばデグッサ社から入手可能なエアロジル(登録商標)類の疎水性酸化ケイ素類などの他の固体がある。有利なエアロジル(登録商標)類の例としては、例えばエアロジル(登録商標)OX50、エアロジル(登録商標)130、エアロジル(登録商標)150、エアロジル(登録商標)200、エアロジル(登録商標)300、エアロジル(登録商標)380、エアロジル(登録商標)MOX80、エアロジル(登録商標)MOX170、エアロジル(登録商標)COK84、エアロジル(登録商標)R202、エアロジル(登録商標)R805、エアロジル(登録商標)R812、エアロジル(登録商標)R972、エアロジル(登録商標)R974及び/またはエアロジル(登録商標)R976がある。
幾つかの追加的な態様において、本発明の幾つかのパーソナルケア組成物は、「金属石鹸」(すなわち、アルカリ金属塩を除く高級脂肪酸の塩)も、オイル系増粘剤として用いることができる。例としては、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛及び/またはステアリン酸マグネシウムなどがある。
幾つかの更なる態様において、本発明のパーソナルケア組成物は少なくとも1つの両性または両性イオン性界面活性剤(例:コカミドプロピルベタイン)及び保湿剤(例:ベタイン)を含む。有利に使用される両性界面活性剤の例としては、アシルアンフォ酢酸ナトリウム、アシルアンフォジプロピオン酸ジナトリウム、アルキルアンフォジ酢酸ジナトリウム、アシルアンフォヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、アシルアンフォ酢酸ジナトリウム及びアシルアンフォプロピオン酸ナトリウムなどのアシル/ジアルキルエチレンジアミン;例えばアミノプロピルアルキルグルタミド、アルキルアミノプロピオン酸、アルキルイミドジプロピオン酸ナトリウム及びラウロアンフォカルボキシグリシネートなどのN-アルキルアミノ酸類がある。
本発明の組成物における表面活性物質または界面活性物質(1以上の化合物)の量は、製剤の総重量基準で、好ましくは0.001〜30重量%、特に好ましくは0.05〜20重量%、特には1〜10重量%である。
幾つかの更なる態様において、前記有効成分(1以上の化合物)は少なくとも1つの親水性有効成分を含む。幾つかの態様において、前記親水性有効成分はアセチルサリチル酸、アトロピン、アズレン、ハイドロコルチゾン及びハイドロコルチゾン-17-バレレートなどのそれの誘導体、B群及びD群などのビタミン類、非常に好ましくはビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンD1、そしてビサボロール、不飽和脂肪酸類、すなわち必須脂肪酸(ビタミンFと称される場合も多い)、特にはγ-リノレン酸、オレイン酸、エイコサペンテン酸、ドコサヘキセン酸及びそれの誘導体、クロラムフェニコール、カフェイン、プロスタグランジン類、チモール、カンファー、植物及び動物起源の抽出物その他の産生物、例えばオオマツヨイグサオイル、ボレッジ(borrage)オイルまたはスグリ種子オイル、魚オイル類、タラ肝油、そしてセラミド類及びセラミド様化合物等から選択される。
幾つかの態様において、前記有効成分は、再脂肪化(refatting)物質である(例えばプルセリン(purcellin)オイル、ユーセリット(登録商標)及びネオセリット(登録商標)等)。
幾つかの更なる態様において、前記有効成分は、NOシンターゼ阻害薬を含む。これらの態様は特に、内因性及び/または外因性皮膚老化の症状の治療及び予防に、そして皮膚に対する紫外線の有害効果の治療及び予防に用いられる。幾つかの態様において、好ましいNOシンターゼ阻害薬はニトロアルギニンである。
更なる幾つかの追加的な態様において、前記有効成分は、さらに有利には、カテキン類及びカテキン類の胆汁酸エステル類ツバキ科植物の葉、特にCamellia sinensis種(緑茶)の葉などのカテキン類またはカテキン類の胆汁酸エステルを含有する植物または植物の部分からの水抽出物もしくは有機抽出物を含む群から選択される。それらの代表的な成分(例えば、ポリフェノール類もしくはカテキン類、カフェイン、ビタミン類、糖類、ミネラル類、アミノ酸類、脂質類)を含む。
幾つかの態様において、水素化フラボン類またはアントシアニジン類と見なされ、「カテキン」の誘導体(カテコール、3,3′,4′,5,7-フラバンペントール、2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール)である化合物群である。エピカテキン((2R,3R)-3,3′,4′,5,7-フラバンペントール)も、本発明に関して有利なカテキン類である。
追加的な態様において、カテキンを含有する植物抽出物、特には例えばカメリア種の植物の葉などの緑茶の抽出物、特に詳細には茶であるCamellia sinenis、C. assamica、C. taliensis及びC. irrawadiensisならびに例えばCamellia japonicaとこれらの交配種からの抽出物も有利である。
更なる態様において、好ましい有効成分には、ポリフェノール類及び(-)-カテキン、(+)-カテキン、没食子酸(-)-カテキン、没食子酸(-)-ガロカテキン、(+)-エピカテキン、(-)-エピカテキン、没食子酸(-)-エピカテキン、(-)-エピガロカテキン、没食子酸(-)-エピガロカテキンの群からのカテキン類もある。
幾つかの追加的な態様において、フラボン及びそれの誘導体(総称して「フラボン類」と称することも多い)も、本発明に関して有利な有効成分である。それは、下記の基本構造を特徴とする(置換位置を示してある)。
本発明によるパーソナルケア組成物において好ましく使用可能な比較的重要なフラボン類の一部を下記の表に示す。
実際にはフラボン類は、グリコシル化型であるのが普通である。
幾つかの態様において、本発明のパーソナルケア組成物は、少なくとも1つの下記一般構造式を有するフラボノイドを含む。
式中、Z
1〜Z
7は互いに独立に、H、OH、アルコキシ及びヒドロキシアルコキシからなる群から選択され、そのアルコキシ及びヒドロキシアルコキシ基は分岐または未分岐であることができ、炭素原子1〜18個を有し;Glyはモノ及びオリゴグリコシド基の群から選択される。
幾つかの代替的な態様において、本発明のパーソナルケア組成物は、少なくとも1つの下記一般構造式を有するフラボノイドを含む。
式中、Z
1〜Z
6は互いに独立に、H、OH、アルコキシ及びヒドロキシアルコキシからなる群から選択され、そのアルコキシ及びヒドロキシアルコキシ基は分岐または未分岐であることができ、炭素原子1〜18個を有し;Glyはモノ及びオリゴグリコシド基の群から選択される。
幾つかの態様において、前記組成物は以下の一般式を有する:
式中、Gly
1、Gly
2及びGly
3は互いに独立に、モノグリコシド基である。Gly
2及びGly
3はさらに、個別または一体となって、水素原子による飽和を表すこともできる。好ましくは、Gly
1、Gly
2及びGly
3は互いに独立に、ヘキソシル基、特にはラムノシル基及びグルコシル基の群から選択される。しかしながら、ヘキソシル基、例えばアロシル、アルトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マンノシル及びタロシルも、状況によっては有利に使用可能なこともある。ペントシル基を用いることが本発明により有利である場合もある。
幾つかの態様において、Z
1〜Z
5は互いに独立に、有利にはH、OH、メトキシ、エトキシ及び2-ヒドロキシエトキシからなる群から選択され;フラボングリコシド類は下記の構造を有する。
幾つかの態様において、前記フラボングリコシド類は下記構造によって与えられる基から選択される。
式中、Gly
1、Gly
2及びGly
3は互いに独立に、モノグリコシド基である。Gly
2及びGly
3はさらに、個別または一体となって、水素原子による飽和を表すこともできる。好ましくは、Gly
1、Gly
2及びGly
3は互いに独立に、ヘキソシル基、特にはラムノシル基及びグルコシル基の群から選択される。しかしながら、他のヘキソシル基、例えばアロシル、アルトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マンノシル及びタロシルも、状況によっては有利に使用可能なこともある。ペントシル基を用いることが本発明により有利である場合もある。本発明に関して、α-グルコシルルチン、α-グルコシルミリセチン、α-グルコシルイソケルシトリン、α-グルコシルイソケルセチン及びα-グルコシルケルシトリンからなる群からのフラボングリコシドを選択することが特に有利である。特に好ましいものは、α-グルコシルルチンである。
更なる幾つかの追加的な態様において、本発明のパーソナルケア組成物は、少なくとも1つのナリンギン(アウランチン(aurantin)、ナリンゲニン-7-ラムノ-グルコシド)、ヘスペリジン3′,5,7-トリヒドロキシ-4′-メトキシフラバノン-7-ルチノシド、ヘスペリドシド、ヘスペレチン-7-O-ルチノシド)、ルチン(3,3′,4′,5,7-ペンタヒドロキシフラボン-3-ルチノシド、ケルセチン-3-ルチノシド、ソフォリン(sophorin)、ビルタン(birutan)、ルタビオン(rutabion)、タウルチン、フィトメリン(phytomelin)、メリン)、トロキセルチン(3,5-ジヒドロキシ-3′,4′,7-トリス(2-ヒドロキシエトキシ)フラボン-3-(6-O-(6-デオキシ-α-L-マンノピラノシル)-β-D-グルコピラノシド))、モノオキセルチン(3、3′,4′,5-テトラヒドロキシ-7-(2-ヒドロキシエトキシ)フラボン-3-(6-O-(6-デオキシ-α-L-マンノピラノシル)-β-D-グルコピラノシド))、ジヒドロロビネチン(dihydrorobinetin)(3,3′,4′,5′,7-ペンタヒドロキシフラバノン)、タキシフォリン(taxifolin)(3,3′,4′,5′,7-ペンタヒドロキシフラバノン)、エリオジクチオール-7-グルコシド(3′,4′,5,7-テトラヒドロキシフラバノン-7-グルコシド)、フラバノマレイン(flavanomarein)(3′,4′,7,8-テトラヒドロキシフラバノン-7-グルコシド)及びイソケルセチン(3,3′,4′,5,7-ペンタヒドロキシフラバノン-3-(β-D-グルコピラノシド)を含む。ユビキノン類及びプラストキノン類から有効成分を選択することも有利である。ユビキノン類は、下記構造式により特徴付けられる。
ユビキノン類は、非常に広く分布することから、最も研究の行われている生体キノン類である。ユビキノン類は、Q-1、Q-2、Q-3などのように側鎖に連結したイソプレン単位数に応じて呼ばれたり、あるいはU-5、U-10、U-15のように炭素原子数に応じて呼ばれる。それらは好ましくは、一定の鎖長で生じるものであり、例えば一部の微生物及び酵母ではn=6である。ヒトを含むほとんどの哺乳動物では、Q10が支配的である補酵素Q10が特に有利であり、それは下記構造式を特徴とする。
プラストキノン類は下記一般構造式を有する。
プラストキノン類は、イソプレン基の数nにおいて異なり、それに従って例えばPQ-9(n=9)と称する。さらに、キノン環上の置換基が異なる他のプラストキノン類が存在する。
幾つかの更なる態様において、本発明は少なくとも1つのクレアチン及び/またはクレアチン誘導体を含む。クレアチンは、下記の構造を特徴とする。
本発明のパーソナルケア組成物の幾つかの好適な態様において、リン酸クレアチン及び硫酸クレアチン、酢酸クレアチン、アスコルビン酸クレアチンならびに1価もしくは多価アルコールでカルボキシル基がエステル化された誘導体も用いることができる。
幾つかの追加的な態様において、本発明のパーソナルケア組成物はL-カルニチン[3-ヒドロキシ-4-(トリメチルアンモニオ)ブチロベタイン]を含む。アシルカルニチンは以下の構造式を有する。
式中、Rは炭素原子数10以下の分岐及び未分岐アルキル基の群から選択される。幾つかの好適な態様において、ポリピオニルカルニチン及び/又はアセチルカルニチンが用いられる。D体及びL体のラセミ体などのエナンチオマー混合物、及び両方のエナンチオマー(D型及びL型)とも、本発明のパーソナルケア組成物に用いることができる。
さらに別の有利な有効成分は、セリコシド(sericoside)、ピリドキソール、ビタミンK及びビオチンならびに芳香物質である。当然のことながら、本発明による製剤で使用することができる前記有効成分及び有効成分の組み合わせのリストは限定的なものではない。有効成分は、個別にまたは互いとの組み合わせで用いることができる。本発明による製剤におけるそのような有効成分(1以上の化合物)の量は、製剤の総重量基準で、好ましくは0.001〜30重量%、特に好ましくは0.05〜20重量%、特には0.1〜10重量%である。当業者は意図する組成物に応じて好適な有効成分の量を有する組成物を製剤化することができる。
発明の詳細な説明
様々な病気と健康状況を治療するために、本発明はペプチド及び担持されたペプチドを提供する。特に好適な実施態様の中で、本発明はパーソナルケアのための組成物及び方法を提供する。いくつかの態様において、本発明は美容組成物のほかに皮膚、及び/またはヘアケアにおいて使用する組成物を提供する。代替的な特に好適な態様において、酒さなどの皮膚の病気を治療するために、本発明はペプチドと担持されたペプチドを提供する。いくつかの特に好適な実施態様において、本発明の担持されたペプチドは抗-VEGFペプチドである。代替的に特に好適な実施態様中で、抗-VEGFペプチドはスキャフォールド蛋白質の上で発現される。いくつかのほとんどの好適な実施態様において、スキャフォールド蛋白質はBBIを含む。
幾つかの好適な態様において、本発明は、皮の外観をよくすることに好適な化粧品組成物及び/または医薬品組成物を提供する。本発明はさらに、タンパク質の結合をブロックするペプチドを提供する。いくつかの好適な実施態様において、タンパク質はVEGFである。いくつかの特に好適な実施態様において、ペプチドはプロテアーゼ耐性スキャフォールド中に表現される。いくつかの特に好適な実施態様において、前記スキャフォールドはプロテアーゼ抑制剤(例えばBBI、STI、またはEglinキモトリプシン抑制因子)である。いくつかのほとんどの好適な実施態様の中で、プロテアーゼ抑制因子はBBIである。
上で説明したように、Kunitzタイプトリプシンインヒビター(ダイズトリプシンインヒビター:STI) 及びボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBI)の、2つの主要なプロテアーゼインヒビターが大豆から単離された(例えば、Birk, Int. J. Pept. Protein Res., 25:113-131 [1985]; and Kennedy, Am. J. Clin. Neutr., 68:1406S-1412S [1998]参照)。これらのインヒビターは変異体配列のスキャフォールドとして提供され、この配列内(例えば、BBI-AV又はSTI-AV)で修飾及び/又は置換される少なくとも1つのペプチド配列と組み合わせてプロテアーゼインヒビターが生成される。変異体配列を含むスキャフォールドに置ける修飾に加えて、本明細書において用いられる他のタンパク質はC末端に追加的な6つのヒスチジン残基を含む(図1及び図2参照)。
ダイズトリプシンインヒビター(STI)
STIは、適切な化学量論的複合体を形成することによりトリプシンのタンパク質分解活性を抑制する(Liu, Chemistry and Nutritional Value of Soybean Components, In : Soybeans, Chemistry. Technology and Utilization, pp. 32-35, Aspen Publishers, Inc., Gaithersburg, Md., [1999] 参照のこと)。STI は2のジスルフィド結合を有する181アミノ酸残渣からなり、荒い球形をしている(Song et al., J. Mol. Biol., 275: 347-63 [1998] 参照のこと)。トリプシン抑制ループは第一ジスルフィド結合の中に存在する。クニッツ(Kunitz)タイプのダイズトリプシンインヒビター(STI)は、プロテイナーゼインヒビターの活性の標準的メカニズムの定義を導く生化学及び動態研究における主要な物質として用いられ、プロテイナーゼの初期の研究に重要な役割を果たしてきた。
ボウマン-ブリック(Bowman-Birk)インヒビター(BBI)
ボウマン-ブリック(Bowman-Birk)インヒビター(BBI)タンパク質は、豆科の種及び各種草を含む他の植物から単離された、動態学的及び構造学的によく知られているスモールタンパク質(60-90残渣)のファミリーである。それらは、通常、それぞれ独立に結合ループを含んでいる2の三環式ドメインを含む左右対称構造をしている。しかしながら、1のドメインを有するもの、及び2以上のドメインを有するものもある。主に、ダイズから単離された8 kDa以下のボウマン-ブリック(Bowman-Birk)インヒビター(BBI)は、2の分離した活性サイトループを有する。ループIはトリプシン様特異性を有するプロテアーゼを抑制し、ループIIは、キモトリプシン様特異性を有するプロテアーゼを抑制する(Chen etal., J. Biol. Chem., 267:1990 1994 [1992]、Wernerand Wemmer, Biochem., 31: 999-1010 [1992]、Lin et al., Eur. J. Biochem., 212: 549-555 [1993]、Voss etal., Eur. J. Biochem. , 242: 122-131 [1996]及びBillings et al., Pro. Natl. Acad. Sci., 89: 3120-3124 [1992] 参照のこと)。これらの結合領域はそれぞれ、各種セリンプロテイナーゼインヒビターに見られる構造である「カノニカル(canonical loop)」構造を含む(Bode and Huber, Eur. J. Biochem., 204: 433-451 [1992])。STI及びBBIはダイズの種の中のみに見られ、他の植物の中には見られない(Birk, Int. J. Pept.Protein Res., 25: 113-131 [1985] 参照のこと)。
多くのBBIのイソ型が特徴付けられているけれども、配列番号47は、約71アミノ鎖残渣を含むBBI主鎖のアミノ酸配列を示す(実施例16を参照のこと)。
ダイズにおいて、BBIは19アミノ酸長のN末端プロペプチドを有するプロタンパク質として生産される。従って、幾つかの態様において、BBIは、完全なプロペプチド又は少なくともプロペプチドの1部を用いて生産される。幾つかの態様において、BBIはN-又はC-末端のいずれかから除去される10アミノ残渣に切断される。例えば、種子を乾燥するときに、幾つかのBBI分子は、9又は10アミノ酸残渣が取り除かれたC末端を有する。従って、タンパク質分解耐性は、通常、最初のジスルフィド結合の前及び最後のジスルフィド結合の直後が高くなる。この影響は標的タンパク質への結合では検出することができない。しかしながら、異性体又は切断形態のいずれか1が本発明の各種態様で使用されることは評価されるであろう。
プロテアーゼインヒビター変異体
上で説明するように、STI及びBBIプロテアーゼインヒビターはプロテアーゼを抑制する結合ループを有する。本発明は、1以上の活性部位が修飾されている(例えば、BBIのループI及び/又はループII)プロテアーゼインヒビター変異体を提供する。幾つかの好ましい態様において、標的タンパク質と相互作用する配列でこのループを置換する。
例えば、幾つかの態様において、このループは、VEGF結合タンパク質、C2、C3、C4及びC5インヒビター等の補体経路のインヒビター、コンプスタチン(Compstatin)、サイトカイン、他の所望のタンパク質等に由来する配列で置換される。すなわち、任意の適切な配列を本発明に用いることから、本発明はこれらのループのいずれかの中で置換された特定の配列に限定することは意図していない。
幾つかの態様において、変異体配列は、ファージディスプレイ法及び他の適切な方法を含むがこれらに限定されない本技術分野で知られた各種方法により選択される。例えば、ランダムペプチド遺伝子ライブラリーは、ファージPIII遺伝子で融合され、このペプチドライブラリーは、ファージの表面に提示される。引き続き、このファージディスプレイライブラリーは、標的タンパク質に曝され、非特異結合を除去するために緩衝液で洗浄される(この工程はパニングと称される)。最終的に、結合しているファージ及びこのペプチドをコードするDNA配列のPCR産物が単離される。
幾つかの態様において、このループの1は、変異体配列で置換される(すなわち、ペプチド、3から14のアミノ酸長、5から10のアミノ酸長が好ましい)。それらが所望の結合及び/又は抑制を示す限り、より長い配列を本発明に用いることができる。加えて、結合ループの置換に適したペプチドが固定ループ内(すなわち、2のシステイン残渣の間のジスルフィド結合の存在により形成されいているループ)に含まれる場合には、機能的な構造を採用することが好ましい。幾つかの態様において、このペプチドは7から9アミノ酸長である。これらの置き換え配列もまたプロテアーゼインヒビター又は標的配列への結合も提供する。幾つかの態様において、1のアミノ酸が置換されていることが好ましい。
融合タンパク質
好ましい態様において、各プロテインインヒビター又はそれらの変異体は宿主バクテリア細胞により融合タンパク質として発現される。所望のタンパク質を遊離するために融合タンパク質を切断することは有用であるが、必要ではない。融合タンパク質として発現及び分泌されたプロテアーゼインヒビター及びそれらの変異体は、驚くべきことにそれらの機能を保持している。
対応するアミノ配列をコードする上で定義するDNA配列は「融合DNA配列」形態に結合される。そのようなDNA配列は、第一、第二、第三及び第四DNA配列の順で、5’末端から3’末端に向けて固有のリーディングフレーム中に構築される。そのように構築されるので、このDNA配列は、バクテリア種の中で分泌配列として機能するシグナルペプチド、バクテリア種から通常分泌される分泌ポリペプチド又はそれらの一部、切断リンカーペプチド及び所望のタンパク質(例えば、プロテアーゼインヒビター及びそれらの変異体)をコードしている「融合ポリペプチド」をコードする。融合タンパク質を生産するための各種方法は本技術分野で知られている(米国特許5,411,873、5,429,950及び5,679,543参照のこと。これらの文献を参照により本明細書に援用する)。従って、任意の適切な方法を本発明に用いることができる。
組換えプロテアーゼインヒビターの発現
本発明は融合タンパク質の生産に依存しているので、本発明を実施するには組み換え遺伝子の分野の既存技術を用いる。本発明に用いる一般的方法が開示されている基本テキストには、Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual (2nd ed. 1989);Kriegler, Gene Transfer and Expression : A Laboratory Manual (1990); 及びAusubel et al., eds., Current Protocols in Molecular Biology(1994)がある。
本発明は、プロテアーゼインヒビターをコードする核酸配列を含む発現ベクターで形質導入、形質転換又は形質感染させたバクテリア宿主細胞を提供する。温度、pH等の培養条件は親細胞の形質導入、形質転換、又は形質感染に用いられるものと同様であり、当業者にとって自明な事項である。
基本的に、融合タンパク質をコードしているヌクレオチド配列は宿主細胞の中で機能するプロモーター配列に作動可能に結合している。このプロモーター遺伝子単位は、複製及び/又は発現のために宿主細胞の中で形質転換する前に仲介ベクター内でクローンされる。これらの仲介ベクターは、通常原核細胞ベクター(例えば、プラスミド、又はシャトルベクター)である。しかしながら、この工程は幾つかの好ましい態様では省略することができるので、本発明は仲介ベクターを使用する方法に限定されない。
一のアプローチにおいて、プロテアーゼをこの細胞の中で発現させるために、プロテアーゼインヒビターをコードする核酸配列に作動可能に結合する、プロモーター、生物学的に活性なプロモーターフラグメント、又は宿主細胞の中で機能する1以上の(例えば、連続する)エンハンサーを有する発現ベクターによりバクテリア培地を形質転換する。幾つかの好ましい態様において、このDNA配列はプロテアーゼインヒビター又はそれらの変異体をコードする。他の好ましい態様において、プロモーターは調節可能なものである。
核酸構築体/発現ベクター
プロテアーゼインヒビター(すなわち、「PI-コード核酸配列」)をコードしている天然又は合成のポリヌクレオチドフラグメントは、異種の核酸構築体又はベクターに取り込まれ、バクテリア細胞の中に導入され、複製される。本明細書で開示するベクター及び方法は、プロテアーゼインヒビター及びそれらの変異体を発現させる各種宿主細胞に用いるのに適している。導入された細胞内で複製され、利用可能である限り、どのようなベクターでも用いることができる。本技術分野において数多くの適したベクター及びプロモーターが知られており、市販されている。適したクローニング及び発現ベクターは、本技術分野においてよく知られている文献に記載されている(上記のSambrook et al.,及びAusbel et al.,を参照のこと。これらの文献を参照により本明細書に援用する)。適切なDNA配列は適切な方法を用いてプラスミド又はベクター(これらを集合的に「ベクター等」と言う)内に挿入される。一般的にDNA配列は当該技術分野分野において既知の方法を用いて適した制限エンドヌクレアーゼ内に挿入される。
適切なベクターは、通常、選択マーカーコード核酸配列、挿入部位、及び転写終了配列等の適切な制御エレメントを備えている。幾つかの態様において、ベクターは例えば、コード配列に作動可能に結合している宿主細胞の中の(及び/又は修飾された可溶性タンパク質コード配列が通常発現しないベクター又は宿主細胞の環境内で)コード配列の発現に効果的な制御エレメント(すなわち、プロモーター及びターミネーターエレメント又は5’及び/又は3’非翻訳領域)を含む調節配列を含む。数多くの適切なベクター及びプロモーターは本発明の技術分野において知られており、それらの多くは市販されている。
典型的なプロモーターは、構造プロモーター及び誘導プロモーターの両方を含む。そのようなプロモーターは、当該技術分野で知られている。当業者は、天然のプロモーターが有する機能を変えることなく1以上のヌクレオチドの交換、置換、付加又は排除により修飾することができることを知っている。本発明はプロモーターに対するそのような変更を包含するけれども、このことに限定されるものではない。遺伝子構築体に用いるプロモーターの選択は当業者の知識の範囲内である。
適正な選択マーカーを選択することは宿主細胞に依存している。異なる宿主細胞に対して適切な選択マーカーを選択することは当業者の知識の範囲内である。典型的な選択マーカー遺伝子は(a)抗生物質又は他の毒性(例えば、アンピリシン、メトキサレート、テトラサイクリン、ネオマイシン マイコフェノール酸、ピューロマイシン、ゼノマイシン又はヒドロマイシン)に対する耐性を付与するタンパク質、又は(b)宿主細胞における栄養素要求性変異又は自然発生栄養欠失を補うタンパク質をコードする。
幾つかの態様において、選択されたPIコード配列は良く知られた技術に従って適切なベクター内に挿入され、PI発現が可能な細胞系統を用いた形質転換に用いられる。遺伝子コード固有の退縮により、実質的に同じ又は機能的に等しいアミノ酸配列をコードする他の核酸配列はクローニングに用いられ、及び上で詳述するしたように特定のプロテアーゼインヒビターを発現する。それゆえ、本発明でカバーされる配列変異体に含まれるコード領域において、そのような置換をすることは評価される。これらの配列変異体のいずれか及びすべては、親PIコード核酸配列に対するのと同じ方法で本発明に用いることができる。当業者は異なるPIは異なった核酸配列によりコードされることを認識している。
幾つかの態様において、プロテアーゼインヒビター核酸配列の所望の形態、相同体、変異体又はそれらのフラグメントが一旦形成されると、多くの方法により修飾される。非コードフランキング領域を含む配列の場合、このフランキング領域は、切除、変異等を受ける。従って、塩基転位、塩基転移、欠失及び挿入が天然配列上で起こる。
幾つかの好ましい態様において、異種核酸構築体は少なくとも1のプロテアーゼインヒビター、又はそれらの変異体、フラグメント、又はスプライス変異体の少なくとも1の配列のコードを、(i)単独で、(ii)PIコード配列が主なコード配列である場には、合融合タンパク質又はシグナルペプチドコード配列のような追加的なコード配列と組み合わせて、(iii)適切な宿主細胞におけるコード配列の発現に有効な、プロモーター及び終了エレメント又は5’及び/又は3’非翻訳領域等の調節エレメントのような非コード配列と組み合わせて、及び/又は(iv)PIコード配列が異種の遺伝子となるようなベクター又は宿主細胞環境化に含んでいる。
幾つかの態様において、適切なプロモーター及び制御配列と一緒に適切な核酸コード配列を含む異種の核酸は、少なくとも1のプロテアーゼインヒビター又はそれらの変異体を発現させるためにバクテリア宿主細胞内へ導入される。
本発明の幾つかの態様において、異種の核酸構築体はインビトロ(in vitro)において細胞内へPIコード核酸配列を輸送するために用いられる。幾つかの好ましい態様において、この宿主細胞は本発明の核酸配列を安定に組み込む。従って、安定な形質転換体を効果的に生成するための任意の適切な方法を本発明に用いる。
本発明の追加的な態様において、第一及び第二発現カセットは単一ベクター上に存在する。一方、他の態様においては、これらのカセットは分離したベクター上に存在する。
幾つかの好ましい態様において、プロモーター配列に加えて、効果的な転写終了を提供するために、発現カセットは構造遺伝子組成物の下流に転写終了領域を含む。幾つかの態様において、転写終了領域は、プロモーター配列と同じ遺伝子から得られるが、他の態様においては、他の遺伝子から得られる。適切な転写終了シグナルの選択は当該技術分野においてよく知られている。
更に、任意の適切な発現ベクターを本発明に用いることができる。すなわち、原核又は真核生物の細胞中の発現に用いる各種簡便なベクターが適しており、本発明に用いることができる。標準的なバクテリア発現ベクターは、pBR322ベースプラスミド、pSKF、pET23D等のプラスミド及びMBP、GST及びLacZ等の融合発現システムだけでなくバクテリオファージλ及びM13も含む。更なる態様において、単離を簡便にする目的でエピトープタグが組換えタンパク質に添加される(例えばc-myc)。
発現ベクターに通常含まれる追加的なエレメントは、レプリコン、組換えプラスミドを有するバクテリアを選択するのための抗生物質耐性をコードする遺伝子、及び異種配列を挿入するためのプラスミドの非必須領域における特徴的な制限部位である。
宿主細胞へのプロテアーゼインヒビターコード核酸配列の導入
幾つかの好ましい態様において、本発明の方法は、安定に組み込まれた所望の配列(すなわち、PIコード核酸)を含む宿主細胞を提供する。しかしながら、代替的な態様において、本発明の方法は、自己複製染色体外形質転換ベクターの維持も提供する。
本発明は、外部から提供されたPIコード核酸配列を包含させるために遺伝的に修飾された細胞及び細胞組成物を提供する。幾つかの態様において、親宿主細胞は、発現ベクターで遺伝的に修飾されている。幾つかの態様において、このベクターはプラスミドであり、他の態様においてはこのベクターはウイス粒子、ファージ、ネイキッドDNA等である。従って、各種ベクターを本発明に用いることができるので、ベクターの形態を特定のベクターに限定することは意図しない。
インビトロ(in vitro)において発現ベクターの輸送のために各種方法が用いられる。異種核酸配列の発現のために細胞内へ核酸を導入する方法は、当業者に知られており、エレクトロポレーション、細胞感染によるプロトプラスト融合、形質感染、DNAコート-マイクロプロジェクタイル法を用いた高速照射、修飾ウイスル(例えばファージ)核酸を用いた感染、化学媒介形質転換、コンピテンス等を含むがこれらに限定されない。更に、幾つかの態様において、PIコード核酸を含む異種核酸構築体は、インビトロ(in vivo)で転写され、得られたRNAは宿主細胞内へ本技術分野でよく知られた方法を用いて導入される。
プロテアーゼインヒビターのコード配列を含む異種核酸構築体の導入に続いて、遺伝的に修飾された細胞は、プロモーターの活性化、形質転換体の選択及び/又はPIコード核酸配列の発現の増幅のために適切に調整された栄養培地中で培養される。温度、pH等の培養条件は発現のために選択された宿主細胞に対して用いている条件と同じであり、当業者に明らかである。
このようにして異種核酸構築体が導入された細胞の子孫は、異種核酸構築体の中に存在したPIコード核酸配列を含むと考えられる。
バクテリア宿主細胞及び発現
適切な宿主細胞は任意のバクテリア種を含む。幾つかの態様において、バクテリア宿主細胞は発現宿主細胞及び第一及び第二核酸の供給源として機能する。本発明の方法及び宿主細胞を用いて、驚くべきレベルの発現を得ることができる。本明細書で用いるシステムを用いて達成されるプロテアーゼインヒビターの発現及び分泌レベルは0.5 g/l以上である。
発現ベクターが宿主細胞に導入された後で、形質転換された宿主細胞は、所望のタンパク質をコードする遺伝子の発現に好ましい環境下で培養される。形質転換細胞の大容量バッチを上で述べたように培養することができる。最終的に、生産物は当該技術分野において既知の方法により回収される。
チオールジスルフィド酸化還元酵素又はシャペロンのような補足タンパク質は分泌されたタンパク質を活性構造へと折りたたむことを助けることから、本発明の幾つかの態様にこれらの補足的なタンパク質を用いることができる。チオールジスルフィド酸化還元酵素及びタンパク質ジスルフィドイソメラーゼは、タンパク質の中の正確なジスルフィド結合の形成を促進する。バチルススブチルス(B. subtilis)の中のbdbDCオペロンの過剰発現は、ジスルフィド結合を有するタンパク質の生成に有用であることが証明されている(Meima etal., J. Biol. Chem., 277: 6994-7001, [2002] 参照のこと)。シャペロンは、折りたたまれていない状態中の、曝されている疎水性の領域に結合することによって、分泌タンパク質が折りたたまれるのを助け、好ましくない相互作用を防ぎ、プロピル-ペプチドイル シス-トランス イソメメラーゼはプロリン残渣に隣接するペプチド鎖の適正な立体構造の形成を補助する。
本発明の幾つかの態様において、宿主細胞は少なくとも1のチオールジスルフィド酸化還元酵素又はシャペロンをコードする発現ベクターで形質転換される。本発明は特定のチオールジスルフィド酸化還元酵素又はシャペロンに限定することを意図していないので、本発明の技術分野で知られている任意の適切なチオールジスルフィド酸化還元酵素又はシャペロンが本発明に用いられる。
本発明の幾つかの態様において、適切に折りたたまれた分泌タンパク質の分画は、成長培地にジスルフィド結合を酸化及び/又は還元する試薬、及び/又は通常の酸化還元電位を変更する試薬、及び/又は溶媒の性質を変更し、タンパク質の構造及び凝集に影響を与える薬品を添加することにより増やすことができる。特に好ましい態様において、2-メルカプトエタノールのようなジスルフィド結合を還元する試薬は、適切に折りたたまれたタンパク質の分画を高めるために好ましい。しかしながら、他の態様及び使用する培地によっては、他のジスルフィド還元及び酸化試薬(例えば、DTT、TCEP、酸化及び還元型グルタチオン, システイン、シスチン、システアミン、チオグリコレート、S2O3 2-、S2O4 2-、S2O5 2-、SO3 2-、S2O7 2-、Cu+等)を単独で、又は組み合わせて本発明に用いることがきでる。単独で、又は、βME等のジスルフィド酸化還元試薬と組み合わせて成長培地に添加する溶媒の性質を変更する他のアジュバンド(例えば、尿素、DMSO、TWEEN(登録商標)-80等)も、適切に折りたたまれた分泌ペプチドの分画を増やし、本発明の各種態様に用いることができる。幾つかの好ましい態様において、βMEは0.5 mM乃至4 mMの濃度の幅で、他の態様においては、0.1 mMから10 mMの濃度で用いられる。すなわち、当業者は、用いるべきチオール酸化還元試薬及び他のアジュバンドの濃度だけでなく、添加するチオール酸化還元試薬及び/又は他のアジュバンドの影響を最適化するための最良の成長培地及び最良の成長条件をどのように選択するかを知っている。本発明は特定のジスルフィド還元/酸化試薬又はアジュバンドに限定することを意図していないので、本発明の技術分野において知られている任意の適切な試薬を本発明に用いることができる。
発酵指標
本発明は培養されたバクテリア種に対する発酵方法に関係する。バクテリア種による異種タンパク質の生産に対する発酵方法は当該技術分野でよく知られている。培養は、水溶性ミネラル塩、培地、有機成長因子、炭素源及び栄養源となる物質、酸素分子(好気性及び嫌気性バクテリアに対する)を含み、用いられる1以上の特定の微生物種の開始接種をした培地中で行われる。
適切な微生物の成長を確実にし、この微生物の転化工程における細胞による炭素及びエネルギー源の同化を最大限にし、発酵培地の中で最大細胞濃度で、最大細胞生産を達成するために、炭素及び栄養源、同化窒素並びに微生物の摂取に加えて、適切な割合のミネラルを適切な量供給することが必要である。
当該技術分野で知られているように、各種培養培地を本発明に用いることができる。しかしながら、標準的なバクテリア培養培地も本発明に用いられる。幾つかの好ましい態様において、培地は、窒素に加えて、適切な量のリン酸、マグネシウム、カルシウム、カリウム、硫黄、及びナトリウムを適切な可溶性同化イオン及び結合状態で含み、銅、マンガン、モリブデン、亜鉛、鉄、ホウ素、及びヨウ素等の微量元素も、適切な可溶性同化形態で培地中に含まれる。
幾つかの態様において、発酵反応は、微生物を成長させるための同化に有効な適切な酸素分圧力において、発酵管にコンスタントに維持される空気、酸素高含量空気、又は実質的に純粋な酸素分子等の酸素分子含有ガスにより供給される酸素分子を必要とする好気プロセスを含む。実際には、酸素化炭化水素基質を用いることにより、微生物の成長に必要な酸素を減らすことができる。しなしながら、好気性微生物及び少数の嫌気性微生物の生長為に酸素分子の供給は必要である。
通気割合は考えられる範囲を超えても変動させることができが、通常の通気速度は、一分間に発酵槽中の液体当たりに供給される酸素含有気体の容量は、(採用圧力及び25℃において)約0.5乃至10容量、好ましくは約0.5乃至7容量である。この量は反応器に供給される通常の酸素含量の空気に基づいている、そして、精製酸素に換算すると、前記割合は、(採用された圧力及び25℃の温度において)1分間に発酵槽の中の液体当たりに供給される酸素は約0.1乃至1.0容量又は好ましくは0.1乃至1.3容量である。
微生物転化プロセスに対して用いられる圧力は幅広く変動する。通常の圧力は、装置及び操作コストに対して達成される溶存酸素の理由から、0乃至50 psig、好ましくは0乃至30 psig、より好ましくは少なくとも大気圧よりわずかに高い圧力である。水性発酵槽内の溶存酸素を増やすことで、細胞の成長速度を高めることから大気圧より高い圧力は有効である。同時に、高い圧力は装置及び操作のコストを高めるという事実からも、このような圧力を採用することが好ましい。
発酵温度は若干変動させることができるが、大部分のバクテリア種に対する温度と同じ温度を本発明に用いる。この温度は、本発明の技術分野において知られているように、バクテリア種にもよるけれども、通常20 ℃乃至40 ℃、一般的に好まれている温度は、28 ℃乃至37 ℃である。
微生物は、同化窒素源も必要とする。同化窒素の源は、微生物による代謝の利用に適した形態で窒素を放出することができる任意の窒素含有化合物である。タンパク質の加水分解物等の各種有機窒素化合物を用いることができるけれども、通常、アンモニア、水酸化アンモニウム、尿素、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、塩化アンモニウム等の各種アンモニウム塩、又は、安価な他の各種アンモニウム化合物を用いることができる。アンモニアガスは大規模操作に対して便利であり、、水性発酵槽(発酵培地)中への通気により適切な量を用いることができる。同時に、そのようなアンモニアはpH調節にも用いることができる。
水溶性微生物発酵物(発酵混合物)の中のこのpHの幅は、約2.0乃至8.0の典型的な幅である。しかしながら、特定の微生物に対して適したpH幅は、微生物だけでなく、用いる培地にも依存する。従って、当該技術分野で知られているように、培地組成によりpHを幾分変更することも可能である。発酵槽内での発酵混合物の平均滞留時間は、本発明の技術分野で知られているように、発酵温度及び用いられる培地に部分的に依存して変動する。
幾つかの態様において、発酵は、炭素含有基質が制限因子として制御でき、それゆえ、良い炭素含有基質の転化が提供され、転化されない基質による細胞の汚染を避けるような方法が好ましい。残留微量元素は容易に取り除くことができるので、汚染は水溶性基質では問題とならない。しかしながら、非水溶性基質の場合には問題となるので、適切な洗浄工程等の追加的な生産工程が必要とされる。この限られた基質レベルを達成するために必要な時間は、重要ではなく、実施される特定の微生物及び発酵工程により変動する。しかしながら、発酵培地の中の炭素源濃度の検出方法及び望ましい炭素源レベルの評価方法は本発明の技術分野において知られている。
幾つかの態様において、発酵はバッチ又は連続操作で実施されるけれども、フェドバッチ操作が容易で、生成物の質が均一であり、全装置の使用が経済的であることから好ましい。
必要ならば、炭素及び栄養源物質の一部又は全部及び/又はアンモニア等の同化窒素源は発酵層内に水溶性ミネラル培地を供給する前に添加することができる。すなわち、反応器に導入される原材料流れの各々は、予め決められた速度で、又は発酵槽から出てくるオフガス中の炭素源及びエネルギー基質、pH、溶存酸素、酸素又は二酸化炭素、光透過度により測定される細胞密度等のモニタリングで決定される必要性に応じて制御される。各種物質の供給速度は、チャージされた基質に対してできる限り高い微生物細胞の産生を達成し、効果的な炭素及びエネルギー源の利用と矛盾しないようにできるだけ早い細胞成長を得るために変動させることができる、しかし、最も重要なのは、容量単位当たり最も多い生成物を得ることである。
各バッチにおいて、好ましくはフェドバッチ操作において、全部の装置、反応器、又は発酵手段、発酵管又はコンテナ、配管、付属の循環又は冷却装置等は、初めに通常約121℃で約15分間蒸気に曝すことにより滅菌される。滅菌された反応器では、酸素を含む必要な全ての栄養素及び炭素含有基質の存在下で選択された微生物を培地に接種する。用いられる発酵槽のタイプは、重要ではないが、幾つかの態様において、15Lのバイオラフィッテ(Biolafitte)(Saint-Germain-en-Laye、France)が好ましい。
タンパク質の分離
好ましい態様において、一旦所望のタンパク質が発現すると、分泌タンパク質が分離される。本発明はその融合類似体から所望のタンパク質を分離する方法を提供する。本明細書で述べる方法はプロテアーゼインヒビター及びその変異体を融合類似体から分離することに用いることができる。
発酵ブロスから所望のタンパク質を収集及び精製することは、本発明の技術分野で知られている方法を用いて行うことができる。発酵ブロスは通常、所望のタンパク様物質のほかに、細胞を含む細胞の破片、各種懸濁された固形物、及び他の生物汚染物質を含む。これらは、本発明の分野で既知の方法により発酵ブロスから除去することが望ましい。そのような除去に適した工程は、細胞を含まないろ液を生産するための従来の固体-液体分離技術である(例えば、遠心分離、ろ過、透析、精密ろ過、ロータリー吸引ろ過、又は他の既知の方法)。幾つかの態様において、発酵ブロス又は他の無細胞ろ液を精製及び/又は結晶化工程に用いる前に、精密ろ過、エバポレーション、及び/又は透析を用いて、更に濃縮することが好ましい。
上清中のタンパク様成分の沈殿又はろ過は、塩(例えば、硫酸アンモニウム)又は低いpH(通常3未満)を用いて行い、次いで、各種クロマトグラフ手段(例えば、イオン交換クロマトグラフィー、親和クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、疎水電化誘導クロマトグラフィー(hydrophobic charge induction chromatography)等)又はこれと同様の方法による精製が続く。本発明は特定の分離方法に限定されないので、任意の分離方法を本発明に用いることができる。
特に好ましい態様において、発現された所望のポリペプチドがバクテリア細胞から分泌されると、このポリペプチドは成長培地から分離される。好ましい態様において、発現宿主細胞はこのポリペプチドの精製(例えば、遠心分離)の前に、培地から除去される。
発現された所望の組換えペプチドが宿主細胞から分泌されない場合には、宿主細胞を崩壊させ、及び水相に放出されたポリペプチドを「抽出」することが精製の第一工程となることが好ましい。この場合、発現宿主細胞は、細胞を崩壊させる前に培地から集められることが好ましい(例えば、遠心分離)。細胞破壊は、リゾチーム、又はベータグルカナーゼ消化により、又は、細胞を高圧で処理すること等の本発明の技術分野で知られている方法を用いて行われる(Scobes, Protein Purification. Second edition, Springer-Verlag参照のこと)。
幾つかの態様において、6のヒスチジン残渣(すなわちヒスタグ)をC末端に付加することは所望のタンパク質及びその融合アナログの精製において便利である。精製の補助としてのヒスタグの使用は、当該技術分野においてよく知られている(Hengen,TIBS 20: 285-286 [1995] 参照のこと)。6のヒスタグを付加されたタンパク質は、当該技術分野で知られている固定金属イオン交換クロマトグラフィー(IMAC)を用いて容易に精製することができる。
精製
特定の使用目的のためには、本発明を用いて製造されたプロテアーゼインヒビターは高度に精製されていることが重要となる(例えば、99 %以上の精製度)。精製タンパク質が治療に用いられるときには高度に精製されていることは特に有用であるが、他の使用目的においては重要ではない。本発明の明細書で述べる方法は、実質的に精製された所望のタンパク質を製造する方法である。本明細書で述べる所望のタンパク質は、医薬品及びパーソナルケア製品に有用である。しかしながら、各種精製レベルのタンパク質が本発明の方法を用いて製造され、本発明の方法を用いて精製したタンパク質が特定の精製レベルであることは意図しない。
精製の間のBBIの活性化
本発明の幾つかの態様において、精製工程における育成の後、ジスルフィド結合を酸化及び/又は還元する組成物、及び/又は通常の酸化還元電位を変更する組成物、及び/又は溶媒の性質を変更しタンパク質の構造及び凝集に影響を与える組成物を添加することによりタンパク質の活性が増強される。幾つかの特定の好ましい態様において、2-メルカプトエタノールのようなジスルフィド結合を還元する試薬の添加は、タンパク質の活性を高めるのに使用される。しかしながら、当該技術分野において知られているように、精製度及び緩衝液の組成に依存して、他のジスルフィド還元又は酸化試薬(例えば、DTT、 TCEP、酸化及び還元グルタチオン、システイン、 シスチン、 システアミン、 チオグリコレート、S2O3 2-、S2O4 2-、S2O5 2-、SO3 2-、S2O7 2-、Cu+等)を単独で、又は組み合わせて本発明に用いることができる。単独で、又はβME等のジスルフィド酸化還元試薬と組み合わせて成長培地に添加する溶媒の性質を変更する他のアジュバンド(例えば、尿素、DMSO、TWEEN(登録商標)-80等)も、タンパク質の活性を高めるために本発明に用いることができる。特定の好ましい態様において、部分的に精製されたタンパク質が緩衝液の中に溶解され(特に好ましい態様において、塩基性pHにおけるTWEEN(登録商標)-80を用いた両性イオン緩衝液)bME及びジスルフィド酸化試薬(代替的な好ましい態様は、酸化グルタチオン又は硫酸ナトリウム)を用いて活性化される。
更に、必要ならば、タンパク質の最適な活性を決定するための条件が選択される。例えば、各種βME濃度(0.1乃至10 mM)、酸化試薬濃度(βMEの濃度の0乃至1/20乃至20倍)、pH(7.5乃至9.5)、温度(15乃至40 ℃)、希釈倍率(1乃至20)、インキュベーション時間(12乃至72時間)、通気(酸素含有ガスの下で激しく攪拌するための挿入ガス下におけるインキュベーション)、緩衝液タイプ(トリス、CHES、CAPS、トリシン(Tricine)、TAPS、他の両性イオン緩衝液等)、緩衝液濃度(0.1乃至1 M)、及び溶媒の性質を変え、それゆえタンパク質の立体構造に影響を与え、凝集をさせることが知られている各種アジュバンドの添加、が用いられる発現システムの最適な条件を決定するために選択される。本発明は特定の還元/酸化試薬、希釈倍率、温度、pH、緩衝液タイプ、又は組成物、並びにアジュバンドに限定することを意図していないので、当該技術分野で既知の好適な試薬を本発明に用いることができる。
パーソナルケア組成物
幾つかの好適な態様において、本発明は、少なくとも1つのポリペプチド又はペプチドを含む皮膚の外観をよくすることに好適な化粧品組成物及び/または医薬品組成物を提供する。幾つかの態様において、前記ポリペプチド又はペプチドはVEGFに結合する。代替的な態様において、前記ポリペプチド又はペプチドのVEGFへの結合はVEGFの下流活性をブロックする。幾つかの態様において、前記化合物は少なくとも1つのペプチドを含む。他の態様において、前記化合物は少なくとも1つのポリペプチドを含む。幾つかの好適な態様において、前記ペプチドは配列番号1乃至7、16、及び17から選択されるアミノ酸配列を含む。追加的な態様において、前記ペプチドは保存される結合配列を含む。前記配列はXXLWPXWC(配列番号15)である。幾つかの好適な態様において、前記ペプチドは配列番号22乃至24から選択されるアミノ酸配列を含む。代替的な態様において、前記化合物は本明細書で定義される配列と少なくとも70%、好ましくは80%、より好ましくは90%、最も好ましくは95%の配列相同性を有する配列を有する。幾つかの好適な態様において、前記ポリペプチドは好ましくは500乃至30,000ダルトン、より好ましくは1000乃至10,000ダルトン、最も好ましくは1500乃至8000ダルトンの分子量を有する。
幾つかの好適な態様において、前記化合物は皮膚に障害を有する有機体(即ち、固体)における皮膚の改善に用いることができる。幾つかの好適な態様において、前記皮膚の障害は、血管新生性の皮膚障害である。追加的な態様において、前記皮膚障害は、乾癬、静脈性潰瘍、にきび、酒さ、いぼ、湿疹、血管腫、及びリンパ管新生などから成るグループから選ばれた少なくとも1つである。いくつかの特に態様において、皮膚病は酒さである。
本発明を特定の皮膚治療及び健康状態に限定することは意図しない。例えば、皮膚の発色は長い間懸念されてきた。特に、年齢斑、そばかす、及び年齢または他の因子により皮膚の色が部分的に暗くなることによる過度の色素沈着を取り除きたいという願望がある。均一に着色された顔色(即ち、発赤、暗闇、または白のエリアのない)は多くの個人に好まれる。更に、皮膚の色が白いことを好む場合もあるし、日焼けした皮膚の色を好む場合もある。コウジ酸、ヒドロキシキノン、レチノイドを含む各種化合物が色素沈着を除去するために用いられてきた。多くの研究は、光損傷を避けるために放射線の使わないで日焼けした皮膚を生成することに貢献してきた。太陽照射なしで皮膚を日焼けさせることに用いることができる化合物はジヒドロキシアセトンと同様な化学薬品を含む。しかしながら、所望の結果を得るためには、十分且つ正確な適用が必要とされる場合に、これらの製品を用いて得られた結果は十分なものではなかった。加えて、これらのおおくの化合物は皮膚とって刺激性を有するものである。
メラニン生成の化学的及び酵素的根拠が知られている。メラノソームとして知られている分泌果粒を生み出すために、メラノサイトは皮膚の中に胚性神経冠から移動し(それはメラニン形成を経てメラニンを作り出す)。これらの細胞によって作り出されたメラニンはメラノサイト樹状突起経由でケラチノサイトに分配される。メラニン形成の中の重要な酵素はそれは、チロシンをメラニンに変換する反応のカスケードを開始する、重合体であるチロシナーゼである。約40%チロシナーゼとの相同性を有する2つのチロシナーゼ関連のタンパク質(TRP)が知られている。これらのタンパク質(TRP-IとTRP-2)はメラニン形成における調節の役割と同様に触媒活性を持っている。TRP-Iは、メラノサイトの中で最も豊富な糖タンパク質であると報告されている。
メラニン形成の化学的及び酵素的根拠は文書で十分に裏付けられているけれども、細胞のレベルでのその調節は部分的に理解されているだけである。チロシナーゼとTRPのはそれらの構造及び生物学の特質をリソソーム関連した膜タンパク質(LAMP)遺伝子ファミリーと共有する。従って、メラノソーム膜をそれらの標的とすることがそれらの活性化を引き起こすかもしれないことは予測される。これらのタンパク質の細胞質顆粒の末部で起こっているリン酸エステル化/脱リンの反応がメラニン形成の調節に関係することも予測される。プロテインキナーゼ(PKC)ファミリーのベータイソ型は、チロシナーゼ活性化によってヒトのメラニン形成を調節することが示されている。チロシナーゼ、TRP-I、及びTRP-2の遺伝子の発現は調整される。さらに、3つの酵素はみなヒトの表皮の中で表現される。
プロテアーゼ活性レセプター2(PAR-2)は7つの膜内外のGタンパク質で結合されたレセプターであり、それは関連されているけれども、その配列の中のトロンビンレセプター(TRはまたPAR-IとPAR-3といわれる)とは異なる。両方のレセプターは細胞外の領域でアルギニンセリン分割によってタンパク分解性が活性化する。新しく作成されたN末端は、その後、つながれた配位子としてこれらのレセプターを活性化させる。両方のレセプターはトリプシンによって活性化させられるが、TRだけがトロンビンによって活性化させられる。さらに、PAR-2だけがマスト細胞トリプターゼによって活性させられる。加えて、マウスPAR-2活性化ペプチドとして知られている配列SLIGAL(配列番号32)を有するペプチドはヒトレセプター活性化に用いられる。TR機能はよく研究されているが、PAR-2システムの生物学的機能については十分に報告されていない。しかしながら、角質層の成長及び分化を抑制するPAR-2活性の役割が近年報告されている(Derian et al., Cell Growth Different., 8:743-749 [1997])。
他の好適な態様において、本発明は皮膚の外観を改善するか商品及び医薬品化合物を提供する。これらの好適な態様において、前記化合物は少なくとも1つのスキャフォールドの中の少なくとも1つのペプチド又はポリペプチドを含む。前記ペプチド又はポリペプチドは前記スキャフォールド内で発現される。幾つかの特に好適な態様において、少なくとも1つの前記ペプチド又はポリペプチドはループである。他の好適な態様において、前記ループはジスルフィド結合により閉じられている。幾つかの好適な態様において、前記ペプチド又はポリペプチドはVGEFに結合する。代替的な態様において、ポリペプチド又はペプチドのVGEFに対する結合はVGEFの下流活性によりブロックされている。幾つかの好適な態様において、前記ペプチドはプロテアーゼ耐性を有するスキャフォールド内で発現される。幾つかの特に好適な態様において、スキャフォールドはプロテアーゼインヒビターを含む(例えば、BBI、STI、またはEglinキモトリプシンインヒビター)。幾つかの最も好適な態様において、これらのプロテアーゼはBBIを阻害する。
幾つかの好適な態様において、前記化合物は更に少なくとも1つのペプチドを含む。好ましくは、前記ペプチドは配列番号1乃至7、16、及び17から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの代替的な態様において、前記ペプチドは配列番号14から選択される。幾つかの態様において、前記化合物は配列番号22乃至24からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。最も好ましくは、前記化合物は配列番号22を含む。幾つかの好適な態様において、前記ペプチドは保存結合配列を有する。前記配列はXXLWPXWC(配列番号15)である。幾つかの好適な態様において、前記化合物は本明細書で定義する配列と少なくとも70%、好ましくは80%、より好ましくは90%、最も好ましくは95%の配列相同性を有する配列を有する。前記ポリペプチドの分子量は、好ましくは500ダルトン乃至45,000ダルトン、より好ましくは1000ダルトン及び12000ダルトン、及び最も好ましくは1500ダルトン乃至10,000ダルトン。幾つかの好適な態様において、前記化合物は少なくとも1つのポリペプチドを含む。
いくつかの好適な態様において、前記化合物は皮膚障害を有する有機体(即ち、固体)の皮膚を改善するために用いる化合物を提供する。追加的な好ましい態様において、前記皮膚障害は、乾癬、静脈性潰瘍、にきび、酒さ、いぼ、湿疹、血管腫、及びリンパ管新生などから成るグループから選ばれた少なくとも1つである。いくつかの特に態様において、皮膚病は酒さである。
更なる態様において、本発明は本明細書で定義する少なくとも1つのポリペプチド又はペプチド、生理学的に許容されるキャリアー又は賦形剤を含む化粧品及び皮膚用医薬品組成物提供する。好ましくは前記組成物は組成物の総重量に基づいて、0.0001乃至5%含まれる。前記組成物(化合物)は組成物の総重量に基づいて0.001%乃至0.5%の量で含まれることも好ましい。前記組成物は栄養クリーム又はローション等の乳化媒体、、安定化ゲル又は分散システム、トリートメント美容液、リポソームデリバリーシステム、、リポソームデリバリーシステム、局所的パックまたはマスク等の乳化媒体形態、シャンプーまたはボディウォシュ等の、界面活性剤ベースの浄化システム、エアロゾル又はスプレー拡散又は乳液、毛または皮膚コンディショナー、スタイリング剤、またはメイクアップ等着色製品、並びに他の適当なメイクアップ及び化粧用組成物でもよい。いくつかの態様において、キャリアは水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリセリン、ブチレングリコール、及びポリエチレングリコールから成るグループから選ばれた少なくとも1つである。
追加的な態様において、本発明は髪の成長を調節するのに好適な少なくとも1つのポリペプチド又はペプチドを含む化粧品及び/又は医薬品化合物を提供する。幾つかの態様において、前記化合物は少なくとも1つのポリペプチドを含む。
幾つかの好適な態様において、前記調節は髪の喪失を含む少なくとも1つの病気又は健康状態を治療を含む。幾つかの好適な態様において、これらの病気又は健康状態は、炎症性の脱毛症、萎縮性脱毛、硬皮症、マダニ刺傷、扁平苔癬、乾癬、狼瘡、脂漏性皮膚炎、ゆるんだ毛症候群、ヘモクロマトーシス、アンドロゲンの脱毛症、円形脱毛、癌、欠損の毛繊維生産に影響する条件、及び毛生産に影響する環境因子から成る群から選ばれた少なくとも1つである。幾つかの態様において、抑制及び/又は除去は脱毛を含む。
幾つかの好適な態様において、本発明は少なくとも1つのペプチド又はポリペプチド、及び少なくとも1つのスキャフォールドを含むヘア成長を調節するための化粧品及び/又は医薬品化合物を提供する。前記ペプチド又はポリペプチドは前記スキャフォールド内に含まれている。好ましくは前記ペプチド又はポリペプチドはループである、より好ましくは、前記ループはジスルフィド結合により閉じられている。幾つかの好適な態様において、前記スキャフォールドはSTI、Eglin又はBBIを含む。特に好適な態様において、前記スキャフォールドはBBIを含む。更に好適な態様において、前記ペプチド又はポリペプチドは、1つのポリペプチドを含む。
更なる態様において、本発明はVGEF活性及び/又はレベルを減少させるための手段を提供する。幾つかの態様において、前記VGEF活性及び/又はレベルは表皮中で減少する。幾つかの態様において、この方は本明細書で説明する少なくとも1つの化合物有効量を必要とする固体に適用する工程を含む。
追加的な態様において、本発明は傷を治癒する、増殖性の疾病等を治療するための製品のほかに、ヘア及び/又は皮膚のトリートメントのための製品も提供する。従って、本発明はヒト及び他の動物に対して用いる好適な組成物及び/又は方法を提供する。
追加的な好ましい態様において、本発明は少なくとも1つのペプチド又はポリペプチド及び/又は少なくとも1つのループを含む少なくとも1つのプロテアーゼ耐性スキャフォールドに関する。柔軟なネイティブのループはほとんどのタンパク質モジュールの表面の上で見つかり、定義された二次構造の領域を接続するアミノ酸の短いストレッチ(鎖)として存在している。結晶とNMR(核磁気共鳴)の研究は、ネイティブのループが通常αヘリックスとβ-シートよりそれほど明確に定義されないことを示すけれども、それらの立体配座の自由は通常遊離ペプチドに比べて大幅に限定される。その結果、タンパク質の中のネイティブのループの結合活性は対応する線形のアミノ酸配列とはかなり異なる。しかしながら、本発明を特定のメカニズムに限定することは意図しない。
本発明により提供されるループはVGEF(例えば、VGEF―A)等のタンパク質に結合する。タンパク質に結合しているループは、そのタンパク質が標的に結合することを妨げる。従って、結合相互作用は、ループをタンパク質と結合することによって中断させられると考えられる。結果として、生物活性は要求されるように変更することができる。しかしながら、本発明を特定のメカニズムに限定することは意図しない。
本発明は更に前記ループを安定させるプロテアーゼインヒビターを提供する。STI及び/又はBBI天然ループは本発明のポリペプチド及び/又はペプチドで置換される。幾つかの態様において、これらの配列は任意のVGEFにインヒビター又はエンハンサーで置換される。他の態様において、これらの配列はVGEF―Aのインヒビター又はエンハンサーで置換される。代替的な態様において、前記配列はC2、C3、C4、又はC5インヒビター等の補体活性化経路インヒビター及びコンプスタチン(Compstatin)等の他に FGF-5、TGFB-I 及びTGFB-2にインヒビターで置換される。追加的な態様において、SYI及び/又はBBI天然ループは、本明細書で述べるVGEF結合タンパク質等の当該分野においてよく知られた方法(例えば、ファージディスプレイ法)を用いて単離された配列で置換される。
いくつかの態様において、天然ループは3乃至20、好ましくは5乃至15、より好ましくは5乃至15のアミノ酸長を有するループで置換される。代替的な態様において、結合及び/又は抑制をすることげできる限りより長い配列も用いることができる。加えて、天然ループに置換に用いるのに適したペプチドはコンストレイントループ(constrained loop)(即ち、2つのシステイン残渣の間のジスルフィド結合の存在により形成されたループ)の形態でもよい。幾つかの好適な態様において、このペプチドは7乃至9アミノ酸長である。
ペプチドを配列を安定化するためにスキャフォールドを用いることは幾つかの利点を伴う。幾つかの好適な態様において、ペプチドの生物学的活性はペプチド柔軟性を制限し、生物活性構造にポリペプチドシーケンスを固定するエントロピー効率を下げる結果として、より高く、及び/または、効果的に生物学的機能を調整する。更に、エックス線結晶解析によって得られた構造の情報は親和性成熟を誘導する事に用いることができる。更に、幾つかの態様において、スキャフォールド構造上に存在するタンパク質は、異なる生物学的製品においてタンパク質分解活性に耐性がある。更なる態様において、キこのキメラ構造は工業的製品において低いコストであり大容量の発現システムを提供することができる。
BBIは、タンパク質への結合が標準構造に折りたたまれている天然ループを介しており基質への結合と同様であると考えられている方法で活性部位に結合する、タンパク質スキャフォールドの1クラスである(Laskowski and Kato, Ann. Rev. Biochem., 49:593-626 [1980]; and Bode & Huber,上記)。ネイティブのループは、頻繁に、正しい極限構造の中に構造をロックするために作用するジスルフィド架橋、及び/または広い水素結合ネットワークの存在によって強制される。このループの配列はプロテアーゼの基質に対する特異性を反映する抑制の特異性を決定する。例えば、大部分のトリプシンインヒビターは、P1残渣としてArg又はLysを有する。BBIファミリーの抑制はそれぞれが別個のセリンプロテアーゼ結合部位を含む、2つの3環式ドメイン(Chen et al., supra; Werner and Wemmer, supra; and Liu et ah, supra)の対照構造を形成するのを助ける保存ジスルフィド結合のネットワークを有する。この天然結合ループはシステイン残渣の間に形成されたジスルフィド結合により結合された領域内で含まれる。各ドメイン上のP1に位置のアミノ酸配列の相同性は、セリンプロテアーゼインヒビターの主な決定基である。天然ドメインはトリプシンに対してリジン又はアルギニン、キモトリプシンに対してロイシン又はチロシンを、エラスターゼに対してアラニンを有している(Tsunogae et al., J. Biochem. (Tokyo) 100:243-246 [1986])。更に、セリンはP1位置において、プロリンはP3の位置において高度に保存される。BBIの各天然ループ領域は、本明細書で説明するように、標的に選択的に結合する明らかに同定されたシステインコンストレインドペプチドのタンパク質ループグラフティングに好適である。
BBIの多くの異性体が特徴付けられている。例えば、DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCICALSYPAQCFCVDITDFCYEPCKPSEDDKEN(配列番号25)は、BBIスキャフォールドのアミノ酸配列を提供する。更に、幾つかの態様において、BBIはN末端又はC末端のいずれかから、10アミノ酸程度に切断される。当業者に知られている任意の異性体のほかに本明細書で定義するいかなる異性体も本発明に用いることができる。
本発明は、例えば、キメラ例えば、の生成において幾つかの利点を提供する。完全なタンパク質の輸送は、例えば、所望のタンパク質ドメインが1つ以上の重要な生物活性を有する場合には難しい。1つの活性(例えば、機能的に有意なドメイン相互作用)の維持しつつ他の活性を変更することは、問題が多い。本発明は、本明細書で述べるように、このような制限を克服する。好適な態様において、完全ドメインの代わりにループを輸送する。
更に、幾つかの態様において、本発明の化合物は、上で定義したもののほかに、少なくとも1つの変異を含む。欠失、挿入、置換、代用、転換、変遷、及び逆転等の他の変異も本発明に用いることができる。
幾つかの態様において、本発明の化合物は既存ベースの置換(例えば、塩基対塩基、酸対酸、極性対極性等)として発生する保存置換も含む。追加的態様において、非保存置換の提供される(即ち、1クラスの残渣から、オルニチン、ジアミノブチリリック酸オルニチン、ノルロイシンオルニチン、ピリジルアラニン、チエニルアラニン、ナフチルアラニン、及びフェニルグリシンなどの非天然アミノ酸を含む、他のクラスの残渣への変更)。
幾つかの態様において、この配列は一本鎖を形成し機能的に等しい基質となるアミノ酸残渣の欠失、挿入及び/又は置換も有する。
幾つかの態様において、意図的なアミノ酸の置換は、アミノ酸の性質の類似性(例えば、極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性、及び/又は側鎖の両親媒性)に基づいて行われる。従って、アミノ酸の官能基をグループ分けすることが有効である。しかしながら、変異データを用いることもより有用である。従って、誘導されたアミノ酸のセットは、構造上の理由により保存される。これらのセットはVennダイアグラムといわれる形態で説明することができる(Taylor, J. Theor. Biol., 119:205- 218 [1986])。幾つかの態様において、保存置換は、以下に示すアミノ酸のVennダイアグラムグループにおけるグループ分けに基づいて行われる。
幾つかの態様において、本発明の変異体アミノ酸配列は、グリシン、又はβアラニン残渣等のアミノ酸スペーサーに加えて、メチル、エチル、又はプロピル基等のアルキル基を含んでいる配列の任意の2つのアミノ酸残渣の間に挿入されたスペーサー基も有する。変異体の更なる態様は、ペプチド形態の1つ以上のアミノ酸残渣の存在を含む。
幾つかの態様において、相同性比較は、本発明の本発明に用いることができる相同配列を同定することに用いることができる。ホモロジー比較は目、及びより一般的には配列比較ソフトウェアにより行うことができる。利用可能なコンピュータプログラムは2つ以上の配列間の相同性の割合を計算することができる。加えて、ホモロジーの割合は連続配列前全体にわたり計算することができる(即ち、一方の配列が他の配列と位置合わせされて、同時に一方の配列における各アミノ酸は他の配列の中の対応するアミノ酸と直接比較される)。これは、「無ギャップ(ungapped alignment)」アラインメントと呼ばれている。典型的には、そのような無ギャップアラインメントは、比較的短い残基数にわたって行われるだけである。
これは極めて単純で一貫した方法ではあるが、例えば、それ以外は同一である配列対において、1つの挿入又は欠失によって、後続のアミノ酸残基がアラインメントから排除され、したがって、全体的なアラインメントを実施したときに、%相同性が大きく低下する可能性があることを考慮していない。その結果、ほとんどの配列比較方法は、全体の相同性スコアを不当に減少させずに、起こり得る挿入及び欠失を考慮する最適なアラインメントとなるように設計されている。これは、「ギャップ」を配列アラインメントに挿入して局所的相同性が最大限になるようにすることによって実施される。
しかし、これらのより複雑な方法は、同数の同一アミノ酸に対して、2個の比較配列間の高い関連性を反映して、ギャップができるだけ少ない配列アラインメントが、ギャップが多い配列アラインメントよりも高いスコアが得られるように、アラインメント中に存在する各ギャップに「ギャップペナルティ(gap penalties)」を割り当てる。ギャップの存在に対しては比較的高いコストを課し、ギャップにおける各後続残基に対してはペナルティを減少させる「アフィンギャップコスト」が一般に使用される。これは、最も一般的に使用されているギャップスコアリングシステムである。高いギャップペナルティが、ギャップのより少ない最適なアラインメントを生じることは言うまでもない。ほとんどのアラインメントプログラムは、ギャップペナルティを変更することができる。しかし、このようなソフトウエアを配列比較に用いるときには、デフォルト値を使用することが好ましい。例えば、GCG Wisconsin Bestfitパッケージを使用するときには、アミノ酸配列のデフォルトのギャップペナルティは、ギャップに対しては-12であり、各伸張に対しては-4である。
したがって、最大%相同性を計算するには、まず、ギャップペナルティを考慮して、最適なアラインメントを作成する必要がある。このようなアラインメントを実行するのに適切なコンピュータプログラムは、GCG Wisconsin Bestfitパッケージ(Devereux et al 1984 Nuc. Acids Research 12 p387)である。配列比較を行うことができる他のソフトウエアの例としては、BLASTパッケージ(Ausubel et al 1999 Short Protocols in Molecular Biology, 4th Ed-Chapter 18参照)、FASTA(Altschul et al 1990 J. Mol. Biol. 403-410)GENEWORKS比較ツールスイートなどが挙げられるが、これらだけに限定されない。BLASTとFASTAの両方ともオフライン及びオンライン検索で利用可能である(Ausubel et al 1999, pages 7-58 to 7-60参照)。しかし、一部の適用例では、GCG Bestfitプログラムを使用することが好ましい。BLAST 2 Sequencesと呼ばれる新しいツールは、タンパク質及びヌクレオチド配列を比較することもできる。
最終%相同性は、同一性の面から測定することができるが、アラインメントプロセス自体は、一般に、全か無かの対比較に基づいてはいない。その代わり、化学的類似度又は進化距離に基づいて各対ごとの比較に対してスコアが割り当てられるスケールド類似度スコアマトリックス(scaled similarity score matrix)が一般に使用される。通常使用されるこのようなマトリックスの例は、BLASTプログラムスイートのデフォルトマトリックスであるBLOSUM62マトリックスである。GCG Wisconsinプログラムは、公開デフォルト値、又はもし提供されていれば個別のシンボル比較表(symbol comparison table)を一般に使用する(さらなる詳細については利用者マニュアルを参照されたい)。一部の適用例では、GCGパッケージの場合には公開デフォルト値を、他のソフトウエアの場合には、BLOSUM62などのデフォルトマトリックスを使用することが好ましい。
或いは、相同性百分率は、CLUSTAL(Higgins DG & Sharp PM (1988), Gene 73(1), 237-244, 1988)に類似したアルゴリズムに基づくDNASIS(商標)(HitachiSoftware)の複数のアラインメント機能を用いて計算することができる。
このソフトウエアが最適なアラインメントを作成した後に、%相同性、好ましくは%配列同一性を計算することが可能になる。このソフトウエアは、一般に、配列比較の一部としてこれを実行し、数値結果を生成する。
幾つかの態様において、本発明は本明細書で説明する組成物をコードしている核酸及びそれらの補体も提供する。追加的な態様において、本発明は、本明細書で述べた化合物を含むベクター、前記化合物を含む細胞、及び/又は前記化合物を発現させる方法を提供する。
アミノ酸配列及び核酸配列における変異は当業者に知られいてる多くの技術により行うことができる。特に好適な態様において、好適なプライマーを用いたPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により親配列中に導入される。幾つかの態様において、本明細書に記載の配列を生成するために、前記親酵素はアミノ酸のレベルで修飾されていおり、他の態様において、前記酵素は核酸のレベルで修飾されている。幾つかの好適な態様において、本発明は化合物をコードしている核酸配列中に1つ以上の対応するコドンチェンジを挿入することにより化合物を生成する手段を提供する。上記コドンチェンジは本発明の各種アミノ酸配列に用いることがきでる。例えば、幾つかの態様において、配列チェンジは本明細書で述べる任意の相同配列にあわせて作成される。
上で説明したように、幾つかの態様において、「化合物」は「補体」タンパク質を含む(即ち、天然(又は変異)で生じる完全長を有するタンパク質)。他の態様において、前記「化合物」は、タンパク質の切断部分を含む。従って、本発明の化合物は切断又は「完全長」のタンパク質を含む。更に、幾つかの態様において、切断部分はタンパク質のN末端に存在する。他の態様において切断部分はタンパク質のC末端に存在する。更なる態様において、前記化合物は活性があるかないかにかかわらず、1つ以上の部分(例えば、サブ配列、シングル配列、ドメイン又は部分)を欠いている。
更なる態様において、前記化合物をコードする核酸配列は確立されている標準的な方法を用いて合成により調製することができる(例えば、Beucage et al, Tetrahedr. Lett., 22:1859-1869 [1981]に記載のphosphoroamidite法;又はMatthes et al, EMBO J., 3:801-805 [1984]に記載の方法)。Phosphoroamidite法において、オリゴヌクレオチドが合成される(例えば、自動DNA合成機において)、精製、アニール、結合され、及び/又は好適なベクター内でクローニングされる。
本発明の幾つかの態様において、核酸配列は標準技術を用いて、混合されたゲノム及び合成由来の混合物、合成及びcDNA由来の混合物、又はゲノム及び/cDNA由来の混合物のいずれでもよい。各結合されたフラグメントは核酸配列全体の各部分に対応している。幾つかの態様において、DNA配列は当業者に知られている特定のプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により調製される。
幾つかの態様において、本明細書で説明され並びに本明細書で説明する方法及び組成物に適した核酸配列はそれらの中に合成又は修飾ポリヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドに対する多くの修飾方法が本分野において知られている。これらは、メチルホスホン酸とホスホロチオエートのバックボーン及び/又は分子の3’末端及び/又は5’末端へのアクリジン又はポリリジンの付加を含むがこれらに限定されない。しかしながら、当分野において知られている任意の好適な方法は本発明に用いることができることから、本発明を特定の方法に限定することは意図しない。幾つかの態様において、これらの修飾はin vitroにおける活性及び/又は核酸配列の寿命を高めるために行われる。
幾つかの態様において、本発明は本明細書で述べる核酸配列の誘導体及び/又はフラグメントのほかに、相同な核酸配列及びこれらを用いた方法を提供する。
幾つかの態様において、本発明のポリヌクレオチドはプライマー及び/又はプローブの生成に用いることができる。従って、幾つかの態様において、前記ポリヌクレオチド配列は、PCRプライマーの生成、当分野において知られている増幅方法にためのプライマー、ラベルプローブ、及び/又はクローニング方法に用いることができる。好適な態様において、これらのプライマー、プローブ及び/又は他のフラグメントは少なくとも15、好ましくは少なくとも20、幾つかの好適な態様において少なくとも25、30、又は40のヌクレオチドである。更に、これらのプライマー、プローブ及び/又はフラグメントは「ポリヌクレオチド」の語に包含される。
幾つかの態様において、DNAポリヌクレオチド及び/又はプローブ等のポリヌクレオチドは組換え技術により生成される。他の態様において、それらは合成により生成される。追加的な態様において、これらの配列は標準的な方法を用いてクローン化される。一般的に、プライマーは、1度に所望の核酸配列の1のヌクレオチドを階段的に生成することを含む合成法によって生産される。自動化された技術を用いてこのことを達成することができる方法は本分野において知られている。しかしながら、好適な方法が本発明に用いることができることから、本発明を特定の方法を用いたポリヌクレオチドの生成に限定することは意図しない。
幾つかの態様において、より長いポリヌクレオチドが、例えば、当分野において知られ知恵ループPCRクローニング技術を用いた組換え法により生産される。幾つかの態様において、プライマーは、増幅されたDNAが好適なクローニングベクター内でクローニングされるように、好適な制限酵素認識部位を含むように設計される。好ましくは、変異体配列は、少なくとも本明細書で説明する配列と同じ生物活性を有する。
幾つかの好適な態様において、前記化合物の核酸配列にハイブリダイズすることができる配列に相補的な核酸配列のほかに、前記化合物の核酸配列にハイブリダイズすることができる化合物又は配列に相補的な配列も提供される。幾つかの好適な態様において、中適度から最大に厳しい条件下で本明細書で説明する核酸配列にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチド配列が提供される。
幾つかの好適な態様において、厳しい条件下(例えば、50℃及び2XSSC)で化合物、核酸、又はそれらの補体のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列が提供される。より好ましくは、前記核酸配列は化合物又はそれらの補体に、より厳しい条件下(例えば、65℃及び/又は0.1XSSC)でハイブリダイズすることができる。
幾つかの態様において、化合物を調製するために配列を変異させることが好ましい。従って、幾つかの態様において、変異体は本明細書で提供される化合物から調製することができる。幾つかの態様において、変異体は合成オリゴヌクレオチドを用いて導入される。これらのオリゴヌクレオチドは所望の変異部位に隣接する核酸配列を含む。この態様に用いることができる各種法が本分野において知られている(例えば、Morinaga et at, Biotechnol., 2:646-649 [1984]; Nelson and Long, Anal. Biochem., 180:147-151 [1989]; and Sarkar and Sommer, Biotechn., 8:404-407 [1990]参照)。しかしながら、追加的な方法も本発明に用いることができ、本発明を特定の方法に限定することは意図しない。
幾つかの好適な態様において、本明細書で説明する方法及び組成物に用いることができる配列は組換え配列である(即ち、本分野に知られている任意の好適な方法を用いた組換えDNA技術により調製された配列)。
追加的な態様において、本発明は前記化合物を含んだベクター、前記化合物を含んだ細胞、及び/又は前記化合物の発現方法を提供する。幾つかの態様において、本明細書で説明する方法及び/又は組成物に用いるヌクレオチド配列は、組換え複製ベクターに導入される。幾つかの態様において、前記ベクターは酵素形態で、及び/又はコンピテント細胞形態で前記ヌクレオチド配列の複製及び/又は発現に用いられる。幾つかの態様において、発現は制御配列を用いて制御される(例えば、調節配列)。幾つかの態様において、タンパク質はヌクレオチド配列の発現により宿主細胞で生成されるタンパク質は分泌される(即ち、培地中に分泌される)。他の態様において、タンパク質は宿主細胞内に含まれている。幾つかの態様において、コード配列は、特定の原核又は真核細胞膜を通じてコード配列物質を分泌するように、シグナル配列を含むように設計される。更なる態様において、ポリヌクレオチドは組換え複製ベクターに取り込まれる。追加的な態様において、前記ポリヌクレオチドを含むベクターは好適な宿主細胞内で形質転換される。任意の好適な宿主細胞を本発明に用いることができるけれども、幾つかの態様において、宿主細胞はバクテリア、酵母、昆虫、糸状菌、及び哺乳動物細胞から選択される。
幾つかの態様において、化合物及びそれらのポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドを複製ベクターに購入し、前記ベクターを好適な宿主細胞に導入し、及びベクターが複製することができる条件下で前記宿主細胞を培養することにより発現させる。幾つかの態様において、前記ベクターは前記宿主細胞から回収される。
追加的な態様において、前記化合物の核酸は宿主細胞内で活性のある、転写及び翻訳領域に作動可能に結合される。幾つかの態様において、前記化合物の核酸は少なくとも1つのシグナル配列を含む融合タンパク質もコードする(例えば、Schwanniomyces occidentalis由来のグルコアミラーゼ, Saccharomyces cerevisiae由来のアルファ因子メイティングタイプ(α-factor mating type gene) 及びAspergillus oryzae 由来のTAKA-アミラーゼ)。 更なる代替的な態様において、前記化合物の核酸は膜結合ドメインを含む融合タンパク質をコードしている。
幾つかの好適な態様において、前記化合物は発現ベクターを用いて宿主細胞内で所望のレベルで発現させることができる。選択された宿主細胞内で前記化合物の核酸をコードしている遺伝子を発現することができる化合物の核酸を含む任意の発現ベクターを本発明に用いることができる。ベクターの選択は導入される宿主細胞に依存している。従って、幾つかの態様において、ベクターは自律複製ベクターである(即ち、エピゾームのエンティティとして存在しているベクター(その複製は例えばプラスミド、バクテリオファージ、またはエピゾームの要素、ミニ染色体、または人工染色体などの染色体の複製から独立している)。代替的に、幾つかの態様において、前記ベクターは宿主細胞のゲノムに取り込まれ、染色体を一緒に複製する。
幾つかの好適な態様において、発現ベクターはクローニングベクターの成分を含む。そのような成分は選択された宿主細胞内でベクターが自律的に複製することを可能にし、及び選択の目的のために発現形的に検出可能なマーカーを含むがこれらに限定されない。好適な態様において、前記発現ベクターは更にプロモーター、オペレーター、リボゾーム結合部位、翻訳開始シグナル、及び任意でリプレッサー遺伝子、又は1つ以上の活性遺伝子をコードする制御ヌクレオチド配列を含む。更に、幾つかの態様において、前記発現ベクターは、化合物のターゲットをペルオキシソームなどの宿主細胞細胞器官または特定の宿主細胞コンパートメントとすることが可能なアミノ酸シーケンスをコードしている配列を含む。そのような標的配列は配列SKLを含むがこれらに限定されない。制御配列に向かう発現のために、前記化合物をコードしている核酸配列は発現に好適な制御配列に作動可能に結合している。
幾つかの好適な態様において、ベクター内の前記ポリヌクレオチドは宿主細胞によるコード配列の発現を提供することができる制御配列に作動可能に結合している(即ち、このベクターは発現ベクターである)。幾つかの態様において、前記制御配列は制御配列により指示されてい転写のレベルを転写調節の反応をよくするために、修飾される(例えば、更なる転写調節配列の付加により)。幾つかの好適な態様において、前記制御配列はプロモーターを含む。
ベクターの幾つかの好適な態様において、前記化合物をコードする核酸配列は好適なプロモータ配列に作動可能に結合されている。前記プロモーターは選択された宿主有機体内で転写活性を有する任意のDNA配列でよく、宿主有機体と相同又は非相同遺伝子由来である。バクテリア宿主内において、化合物の核酸等の修飾されたヌクレオチド配列の転写を指示するための好適なプロモーターの例は、E. coliのlac operonのプロモーター、ストレプトマイセスコエリカラーアガラーゼ遺伝子(Streptomyces coelicolor agarase gene )dagAプロモーター、バチルスリケニフォルミス(Bacillus licheniforniis)α-アミラーゼ遺伝子のプロモーター (amyL), バチルススブチリシン(Bacillus subtilis )aprEプロモーター、バチルスステアロセレモフィリス(Bacillus stearothermophilus)マルトジェニックアミラーゼ遺伝子のプロモーター(amyM)、バチルスアミロロケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)αアミラーゼ遺伝子のプロモーター(amyQ)、バチルススブチリス(Bacillus subtilis)xylA 及びxylB遺伝子のプロモーター、 及びP170 プロモーターを含むラクトコッカス属由来のプロモーターを含むがこれらに限定されない。糸状菌における転写の場合、有用なプロモーターの例は、アスペルギウスオリザエ(Aspergillus oryzae) TAKAアミラーゼ、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテアーゼ、アスペルギウスニガー(A. niger)中性αアミラーゼ、アスペルギウスニガー(A. niger)酸耐性αアミラーゼ、アスペルギウスニガー(A. niger)グルコアミラーゼリゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ、アスペルギウスオリザエ(A. oryzae) アルカリプロテアーゼ、アスペルギウスオリザエ(A. oryzae)リン酸トリオオースイソメラーゼ、及びアスペルギウスニヂュランス(A. nidulans)アセトアミダーゼをコードしている遺伝子由来のものである。酵母における発現に好適なプロモーターは、thefサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の Gal 1及びGal 10 プロモーター及びピキア酵母(Pichia pastoris)AOXl又はAOX2プロモーターを含むがこれらに限定されない。
好適なバクテリア宿主有機体の例は、バチルス種(例えば、バチルススブチリス(B. subtilis),バチルスリケニフォルミス(B. licheniformis),バチルスレンタス(B. lentus)、バチルスブレビス(B. brevis)、バチルスステアロデレモフィリス(B. stearothermophilus)、バチルスアカロフィリス(B. alkalophilus)、バチルスアミロリケフェシエンス(B. amyloliquefaciens)、バチルスコアギュランス(B. coagulans)、バチルスレンタス(B. lautus)、バチルスメガテリウム(B. megaterium)及びバチルススリンギエンシス(B. thuringiensis)、ストレプトマイセス種(例えば、ストレプトマイセスムリナス(S. murinus) 及びストレプトマイセスリビダンス(S. lividans)、酪酸バクテリア(例えば、Lactococcus spp. such as Lactococcus lactis; Lactobacillus spp. including Lactobacillus reuteri; Leuconostoc spp.; Pediococcus spp.及び Streptococcus spp)を含むがこれらに限定されない。代替的に、腸内細菌(Enterobacteriaceae)(例えば、 E. coli) 又はシュードモナス(Pseudomonadaceae)のメンバー等のグラム陰性の株も本発明に用いることができる。
幾つかの態様において、好適な酵母宿主微生物は、ピンチア種(Pichia sp.)ハンゼヌラ種(Hansenula sp.)又はKluyveromyces、Yarrowinia、出芽酵母(Saccharomyces)(例えば、Saccharomyces cerevisiae)、分裂酵母(Schizosaccharomyce)(例えば、S. pombe)等の生物学的に有用な酵母種から選択されるが、これらに限定されない。幾つかの好適な態様において、メチロトローフイースト(methylotrophic yeast)種ピチアパントーシス(Pichia pastoris)の株は宿主有機体として使われる。一方、他の態様において、宿主有機体はハンズネラ種(Hansenula species)である。糸状菌の中で好適な宿主有機体は、Aspergillus種(アスペルギウスニガー(A. niger)、アスペルギウスオリザエ(A. oryzae)、アスペルギウスツビゲンシス(A. tubigensis)、アスペルギウスアワモリ(A. awamori)、及びアスペルギウスニヂュランス(Aspergillus nidulans)を含む。代替的にフミコーラ種(Fusarium species)(例えば、フミコーラオキシスポラム(F. oxysporum)及びリゾムコール(Rhizomucor)(例えば、リゾムコールミエヘイ(Rhizomucor miehei)も宿主有機物として用いることができる。追加的な株はセルモマイセス(Thermomyces)及びムコール種(Mucor species)を含むがこれらに限定されない。
幾つかの好適な態様において、ポリヌクレオチドを含む宿主細胞は本明細書で述べる化合物等のポリペプチド、それらのフラグメント、相同体、誘導体を発現するために用いられる。宿主細胞はタンパク質を発現するのに好適な条件下で培養される。幾つかの態様において、ポリペプチドの発現は連続的である(即ち、ペプチドが連続的に生産される)。他の態様において、発現は誘発性である。誘発発現の場合、タンパク質生産は培地に誘発物質(例えば、デキサメタゾン又はIPTG)を添加することにより開始する。ポリペプチドは宿主細胞から酵素的、化学的及び/又は浸透圧溶解及び物理的破壊を含む、当分野で知られている各技術により抽出することができる。即ち、本発明を特定の収穫方法に限定することは意図しない。
代替的な態様において、ポリペプチドはTnl(商標)(Promega)ラビット網状赤血球システム等の市販製品を含む好適な製品を用いてin vitroの無細胞系で組み替えにより生産することができる。
追加的な好ましい態様において、本発明は本明細書で定義する少なくとも1つのポリペプチド又はペプチド及び生理的に許容されうる担体又は賦形剤を含む化粧品及び/又は医薬品組成物を提供する。好ましくは前記化合物は組成物の総重量に基づいて、0.0001%乃至5%の量で存在する。好ましくは、前記化合物は組成物の総重量に基づいて、0.001%乃至0.5%の量で存在する。前記組成物は栄養クリーム又はローション等の乳化媒体、、安定化ゲル又は分散システム、トリートメント美容液、リポソームデリバリーシステム、、リポソームデリバリーシステム、局所的パックまたはマスク等の乳化媒体形態、シャンプーまたはボディウォシュ等の、界面活性剤ベースの浄化システム、エアロゾル又はスプレー拡散又は乳液、毛または皮膚コンディショナー、スタイリング剤、またはメイクアップ等着色製品、並びに他の適当なメイクアップ及び化粧用組成物でもよい。いくつかの態様において、キャリアは水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリセリン、ブチレングリコール、及びポリエチレングリコールから成るグループから選ばれた少なくとも1つである。
幾つかのリポソームの態様において、前記リポソームは水及び1つ以上の機能成分又は活性成分を保持することができる脂質二重層媒体を形成することができる1つ以上の成分を含む。脂質二重層媒体を形成することができる成分の非限定的な例は、リン脂質、水素付加したホスファチジルコリン、レシチン、コレステロール、及びスフィンゴ脂質を含む。好適なしかし非限定的なリポソームはa)リポイドリポソーム0003(水、レクチン、及びグリセリンからなる)、b)リポイドリポソーム0300(水及びホスファチジルコリンから成る)、c)リポイドリポソーム0111(水、イチョウの葉の抽出物、変性アルコール、水素付加レクチン及びコレステロールからなる)、d)抗炎症リポソーム(水、コーラ・アクミナタ(cola acuminata)種抽出物、ビサボロール、及びリン脂質からなる)、e)ビタミンC及びEリポソーム(水、リン脂質、トコフェニルアセテート、及びアスコルビン酸パルミテートからなる)、f)安定リポソーム(水、ブチレングリコール、pyrus malus(りんご)果実抽出物、リン脂質、トコフェニルアセテート、及びカルボマーからなる)、及びg)保湿性リポソーム(水、ナトリウムPCA、トコフェニルアセテート、キサンタンガム、アルギニン、リジン、グリシン、及びプロリンからなる)を含む。
他の態様において、本発明のパーソナルケア組成物はスキャフォールドタンパク質に加えて、更に、少なくとも1つの活性成分を含む。当業者に知られいてる数多くの有効成分は本発明のパーソナルケア組成物に用いることができる。即ち、任意の好適な有効成分又は有効成分の組合せが本発明に用いることができる(例えば、McCutcheon's Functional Materials, North American and International Editions, published by MC Publishing Co. [2003])。例えば、幾つかの態様において、前記パーソナルケア組成物は組成物の重量に基づいて0.0001%乃至20%の範囲でスキンケア有効成分を含むことができる。他の態様において、前記パーソナルケア組成物は組成物の重量に基づいて0.001%乃至5%の範囲でスキンケア有効成分を含むことができる。更なる態様において、、前記パーソナルケア組成物は組成物の重量に基づいて0.01%乃至2%の範囲でスキンケア有効成分を含むことができる。
リポソームを介して提供することができる機能的成分又は有効成分の非限定的な例は、ビタミンとそれらのデリバティブ、酸化防止剤、タンパク質、及びペプチド、角質溶解薬剤、バイオフラボノイド、プラント、テルペノイド、植物化学物質、並びに植物、海洋又は発酵物由来の抽出物を含む。好適な態様において、前記組成物は更なるスキンケア又はヘアケア有効成分を含むことができる。有効成分は当業者に知られている幅広い各種成分を含む(例えば、McCutcheon's Functional Materials, North American and International Editions, (2003), published by MC Publishing Co.参照)。好ましくは、そのような有効成分はトコフェニル及びアスコルビイル(ascrobyl)誘導体等の抗酸化剤、バイオフィラビノイド、テルペノイド、これらの合成及び同種のもの、ビタミン及びビタミン誘導体、ヒドロキシ-及びポリヒドロキシ酸、及びAHA及びBHA等のそれらの誘導体及びそれらの反応性生物、ペプチド及びポリペプチド及びグリコペプチド及び脂質親和性ペプチド等のそれらの誘導体、ヒートショックタンパク質及びサイトカイン、プロテアーゼ、MMPインヒビター、カタラーゼ、グルコースオキシダーゼ、及びスーパーオキシド・ジスムターゼ等の酵素及び酵素抑制物質及びそれらの誘導体、きのこ、藻類、及び海草を含むバクテリア、糸状菌及び酵母発酵生成物及びそれらの誘導体、植物ステロール及び植物及び植物抽出物及びそれらの誘導体、リン脂質及びそれらの誘導体、ピリチオン亜鉛等のふけ取り剤、並びに本明細書で説明する及び/又は当業者に知られている上記の物質を含むでりばりーシステムを含むがこれらに限定されない。
幾つかの好適な態様において、前記スキンケア有効成分はビタミンB3化合物、パンテノール、ビタミンE、ビタミンEアセテート、レチノール、レチニルプロピオネート、レチニルパルミテート、レチノイン酸、ビタミンC、セオブロミン、αヒドロキシ酸、ファルネソール、サリチル酸、パルミチルペプタペプチド-3、及びこれらの混合物から成る群より選択される。幾つかの好適な態様において、前記ビタミンB3化合物は、ナイアシンアミドである。幾つかの態様において、本明細書において提供される組成物は、0.0001%乃至20%、好ましくは0.001%乃至5%、より好ましくは0.01%乃至2%のレベルでスキンケア有効成分を含む。
前記ビタミンB3化合物の典型的な誘導体はニコチン酸の血管拡張作用のないエステル、ニコチイルアミノ酸、カルボン酸のニコチイルアルコールエステル、ニコチン酸N酸化物、及びナイアシンアミドN酸化物等のニコチン酸エステルを含む。ニコチン酸の好適なエステルは、C1-C22、好ましくはC1-C16、より好ましくはC1-C6アルコールのニコチン酸エステルを含む。これらの態様において、前記アルコールは直鎖又は分岐鎖、環状又は非環式、飽和又は不飽和(芳香族を含む)、及び置換又は非置換のものでよい。前記エステルは、血管拡張作用のないものが好ましい。
ニコチン酸の非血管拡張性のエステルは、ニコチン酸トコフェロール及びヘキサニコトン酸イノシトールを含む。ニコチン酸トコフェロールが好ましい。ビタミンB3化合物のいり詳細な説明はWO98/22085に記載されている。好適なビタミンB3化合物はナイアシンアミド及びニコチン酸トコフェロールである。
追加的な態様において、前記スキンケア有効成分は少なくとも1つのレチノイドを含む。このレチノイドは好ましくはレチノール、レチノールエステル(例えば、レチニルパルミテート、レチニルアセテート、レチニルプロピオネートを含むレチノールのC2-C22アルキルエステル)、レチナール、及び/又はレチノイン酸(全てのトランスレチノイン酸及び/又は13シス-レチノイン酸を含む)であり、より好ましくはレチノイン酸以外のレチノイドである。これらの化合物は当分野においてよく知られいており、市販されている(Sigma 及びBoehringer Mannheim)。好適なレチノイドはレチノール、レチニルパルミテート、レチニルアセテート、レチニルプロピオネート、レチナール、レチノイン酸、及びこれらの混合物を含む。レチノール、レチノイックプロピオネート、レチノイン酸、及びレチニールパルミテートがより好ましい。幾つかの態様において、前記レチノイドは実質的に純粋な物質を含む。他の態様においては、天然源(例えば、植物)から好適な物理的及び/又は化学的単離により得られた抽出物として提供される。レチノイドが本発明の組成物に含まれる場合、好ましくは0.005%乃至2%、好ましくは0.1%乃至1%のレチノイドが含まれる。レチノイドは0.01%乃至0.15%の量で用いられるのが好ましく、レチノールエステルは0.01%乃至2%(例えば、1%)の量で用いられる。
いくつかの態様において、本発明の組成物は、必要な物質及び/又は追加的他の物質の公的な量を皮膚又はヘアに適用することを可能にするための、局所適用に好適な皮膚用医薬品として使用可能なキャリアーを安全且つ有効量含む。従って、幾つかの態様において、前記キャリアは希釈、分散、溶媒又はこれらの化合物が選択された標的に好適な濃度で適用又は分散することを確実にさせるために必要な成分として作用する。
更なる態様において、本明細書で述べる1つ以上の有効量の化合物も爪及びヘア等の角質物質に適用するために組成物中に含まれる。前記組成物はヘアスプレー組成物、ヘアスタイリング組成物、ヘアシャンプー及び/又はコンディショニング組成物、ヘア成長を調節するために提供される組成物、及び脂漏症、皮膚炎、及び/またはふけを治療する目的で適用される組成物を含むがこれらに限定されない。
更なる追加的な態様において、本明細書で述べる1つ以上の化合物の有効量は皮膚又はヘアへの局所適用に好適な量で組成物中に含まれる。これらの組成物は任意の好適な形態で提供される。クリーム、ローション、ゲル、懸濁分散体、ミクロエマルジョン、ナノ分散体、ミクロスフィア、ハイドロゲル、エマルジョン(例えば、多相乳液のほか水中油型及び油中水型乳液)、及び多層ゲル及び同種のもの(例えば、参照により本明細書に援用される、Schlossman et al., The Chemistry and Manufacture of Cosmetics, [1998])。幾つかの態様において、前記組成物は水溶液又はシリコン化合物として製剤化される、他の態様において、それらは水性の連続相中に1つ以上の油相を含む乳液(又は油相中に水相を含む乳液)として製剤化される。
本発明に用いられるキャリアのタイプは、組成物の製品形態に依存する。キャリアは個体、準個体、又は液体でよい。好適なキャリアは、液体、準固形(例えば、乳液、ローション、ゲル、スティック、軟膏、及びペースト)、スプレー、及びムースを含む。好適なキャリアは、ローション、クリーム、又はゲルであり、より好ましいものは、十分な密度を有し粒子の沈殿を起こさないようにするものである。幾つかの態様において、前記キャリアは不活性物質である。他の態様において、それは皮膚用医薬品としての利点を有する。幾つかの態様において、前記キャリアは直接皮膚及び/又はヘアに適用される。他の態様において、前記キャリアは織布及び不織布を介して適用される。更なる他の態様において、前記キャリアはパッチ、マスク、又はラップの形態を有する。更なる態様において、前記キャリアはエアロゾル形態であるか、又の他の形態で皮膚及び/又はヘアにスプレーされるか、投入される。選択されたキャリアは本明細書で述べる必須の化合物と物理的及び化学的に相溶性を有し、安定性、効果、又は本発明の組成物を用いることによる他の利益を過度に与えないものである。
好適なキャリアは皮膚用医薬品として使用可能な、親水性の希釈剤である。好適な親水性希釈剤は、水、C2-C10、好ましくはC2-C6、好ましくはC3-C6の1水酸基を有するアルコール等の有機親水性希釈剤、、及びプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、ブチレングリコール、1,2,4-ブタネトリオール、ソルビトールエステル、1,2,6-ヘキサノール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ソルビトールエステル、エトキシル化エーテル、プロポキシル化エーテル等の低分子量のグリコール及びポリオール、並びにこれらの混合物を含む。前記希釈剤は好ましくは脂質である。水は好ましい希釈剤である。前記組成物は好ましくは少なくとも20%の親水性希釈剤を含む。
幾つかの態様において、好適なキャリアは、疎水性相、特に水相と疎水相(例えば、脂質、油、又は油性物質)を含む乳液も含む。当業者に知られているように、前記疎水相は親水相中に分散されているか、逆に疎水相中に親水相が分散して、組成物の成分に応じて、疎水性又は親水性の分散相と連続相を形成している。「分散相」の語は、乳液技術の分野の当業者によく知られており、本明細書において、連続相により形成されている環境中に懸濁されている小さな粒子又は液滴を有する相を意味する。前記分散相は、内部相又は不連続相としても知られている。前記乳液は水中油型乳液又はシリコン中水型乳液等の油中水型乳液であるか、これらを(例えば、三相又は他の多相乳液中に)含む。水中油型乳液は通常、1%乃至60%(好ましくは1%乃至30%)の分散された疎水相と1%乃至99%(好ましくは10%乃至90%)の連続する親水相からなる。他の態様において、油中水型乳液は、1%乃至98%(好ましくは40%乃至90%)の分散された親水相と1%乃至50%(好ましくは1%乃至30%)の連続する疎水相を有する。
幾つかの態様において、前記キャリアは皮膚の角質層を通って基底部への浸透を促進する1つ以上の成分を含む。浸透促進剤の例は、マイクロエマルジョン、リポソーム、及びナノエマルジョンの他に、プロピレングリコール、アゾン、エトキシジグリコール、ジメチルイソソルビトール、尿素、及びジメチルスルホキシドを含むがこれらに限定されない。
幾つかの態様において、本発明の組成物は保湿剤を0.01%乃至10%、好ましくは0.1%乃至15%、好ましくは0.5%乃至10%のレベルで含む。好適な保湿剤はポリヒドリックアルコール、ソルビトール、グリセロール、尿素、ベタイン、D-パンテノール、DL-パンテノール、パントテン酸、カルシウム、ロイヤルゼリー、パンセチン、パントセイン、パンテニルエチルエーテル、パンガミン酸、ピリドキシン、パントイルラクテート、ビタミンB複合体、ナトリウムピロリドン、アルボン酸、ヘキサン-1,2,6-トリオール、グアニジン及びその誘導体、及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。
本発明に好適なポリヒドリックアルコールは、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、(例えば、1,3-ブチレングリコール)、ヘキサントリオール(例えば、1,2,6-ヘキセンチオール)、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、グリセリン、エトキシル化グリセリン、プロパン-1,3-ジオール、プロポキシル化グリセリン、及びこれらの誘導体等のポリアルキレングリコール及び好ましくはアルキレンポリオール及びこれらの誘導体を含むがこれらに限定されない。上記ポリフヒドリックアルコールの任意の誘導体、アルコキシル化誘導体も本発明に好適である。本発明に好適なポリヒドリックアルコールは、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチルグリコール、ヘキシルグリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキサントリオール、エトキシグリセリン、及びプロポキシル化グリセリン及びこれらの混合物から選択される。
幾つかの態様において、保湿剤の少なくとも1部(組成物の重量に基づいて5%まで)は粒子状の架橋された親水性アクリレート又はメタクリレートコポリマーの混合物の形態で本発明の組成物に提供される。前記保湿剤の一部は0.1%乃至10%の量で存在し、水相又は分散相に添加することができる。前記コポリマーは光沢を消し、油をコントロールしする一方で、効果的な保湿作用を提供する。前記コポリマーは参照により本発明に援用されるWO96/03964に記載されている。
幾つかの態様において本発明の水中油型組成物及び油中水型組成物は、0.05%乃至20%、好ましくは1乃至15%、好ましくは2%乃至15%の量で皮膚用医薬品として使用しうる乳液を含む。
乳液は皮膚を潤滑にし、滑らかさ及び柔軟性を高め、及び皮膚を乾燥するのを防ぎ、及び/又は皮膚を保護する。乳液は通常、水に混和しない油性又はワックス性物質であり、局所的に審美的効果を与える。乳液として多くの好適な物質の例を含む多くの好適な乳液が知られていおり(例えば、Sagarin, Cosmetics, Science and Technology, 2nd Edition, Vol. 1, pp. 32-43 [1972]; 及びWO 00/24372参照)本明細書においても説明されている。追加的な乳液は以下のものを含むがこれらに限定されない。
i)ミネラルオイル、ドデセン、スクアラン、コレステロール、水素添加ポリイソブチレン、イソヘキサデセン、イソエイコサン、イソオクタヘキサコネート、及び分岐鎖C7-C40イソパラフィン等の 7乃至40の炭素数を有する直鎖及び分岐鎖炭化水素。本発明に用いる好適な分岐鎖はisopentacontaoctactane、ペテロラクタム及びこれらの混合物から選択される。
ii) C1-C30カルボン酸のC1-C30脂肪酸エステル、C12-15アルキルベンソエート、及びC2-C30カルボン酸のC12-15アルキルベンソエート、例えば、イソノニルイソノナノエート、イソステアリルネオペンタノエート、イソデシルオクタノエート、イソデシルイソノナノエート、トリデシルイソノナノエート、ミリスチルオクタノエート、オクチルペラルゴネート、オクチルイソノナノエート。ミリスチルミリステエート、ミリスチルネオペンタノエート、ミリスチルオクタノエート、イソプロピルミリスチレート、ミリスチルプロピオネート、イソプロピルステアレート、イソプロピルイソステアレート、メチルイソステアレート、ベヘニルベヘネート、ジオクチルマレエート、ジイソプロピルアジペート、及びジイソプロピルジリノレート、及びこれらの混合物の本発明に用いることができる。
iii)糖及び関連物質のC1-C30モノ及びポリエステル。これらはのエステルは、糖又はポリオール及び1つ以上のカルボン酸部分由来である。酸及び糖の成分に依存して、これらのエステルは室温で液体又は固体形態になる。例としては、グルコーステトラオレエート、オレイン酸のガラクトーステトラエステル、ソルビトールテトラオレエート、スクローステトラオテエート、スクロースペンタオレエート、スクロースヘキサオレエート、スクロースヘプタオレエート、スクロースオクタオレエート、ソルビトールヘキサエステルを含む。他の物質はスクロースのコットンシードオイル脂肪酸又は大豆オイル脂肪酸のエステルである。このような物質の他の例は、参照により本明細書に援用されるWO96/16636に記載されている。
iv)ベジタブルオイル又は水素添加ベジタブルオイル。ベジタブルオイル及び水素添加ベジタブルの例は、サフラワーオイル、ゲレープシードオイル、ココナッツオイル、コットンシードオイル、メンハーデンオイル、パーム核油、ポーナッツオイル、ダイズオイル、菜種油、リン種油、ライスオイル、パインオイル、ナッツオイル、ゴマ油、ひまわり種子油、これらの一部又は全部を水素添加したもの、及びこれらの混合物を含む。
v)溶解性又はコロイド溶解性保湿剤。例としてはヒアルロン酸及び硫酸コンドロイチンを含む。
幾つかの態様において、本発明の組成物は、分散相を連続相である水相に分散及び懸濁しやすくするための乳化剤及び/又は界面活性剤を含む。界面活性剤は製品が皮膚又はヘアの洗浄用組成物である場合にも有用である。本明細書においては、「乳化剤」の語は「界面活性剤」の語に包含される。従って、本明細書で用いるように、「界面活性剤」の語は、皮膚の洗浄等の目的に対しての面活性剤のほかに、乳化剤として、表面活性作用を有するものも意味する。従来の界面活性剤を含む既知の界面活性剤も本発明に用いることができる。化学的又は物理的に組成物の必須成分と適合しており、所望の性質を提供するように界面活性剤は選択される(例えば、WO00/24372参照)。好適な界面活性剤は非シリコン誘導体物質、シリコン誘導体物質、及び/又はこれらの混合物から選択される。
更なる態様において、本発明の前記組成物は好ましくは0.05%乃至30%、より好ましくは0.5%乃至15%、及び/又は最も好ましくは1%乃至10%の界面活性剤又は界面活性剤の混合物を含む。界面活性剤及び/又は界面活性剤の混合物は、正確には、組成物のpH、存在する他の成分、及び最終製品の所望の審美性により選択される。
非イオン性界面活性剤の中で本発明に有用なものは、広義には、糖又はデンプンポリマー(例えば、グリコシド)を有する長鎖アルコール(例えば、C8-30アルコール)の濃縮生成物であると定義される。たの有用な非イオン界面活性剤は脂肪酸を有するアルキレンオキシド(即ち、脂肪酸のアルキレンオキシドエステル)の濃縮生成物を含む。これらの物質は、一般式、RCO(X)nOHを有する。式中、RはC10-30アルキル基、Xは-OCH2CH2-(即ち、エチレングリコール又はオキサイド)又は-OCH2CHCH3-(即ち、プロピレングリコール又はオキシドの誘導体)及びnは6乃至200の整数である。他の非イオン界面活性剤は2モル脂肪酸を有するアルキレンオキシドの濃縮生成物である。これらの物質は一般式、RCO(X)nOOCRを有する。式中、RはC10-30アルキル基、Xは-OCH2CH2-(即ち、エチレングリコール又はオキシドの誘導体)又は-OCH2-CHCH3-(即ち、プロピレングリコール又はオキシドの誘導体)及びnは1乃至100の整数である。幾つかの態様において、本明細書における乳化剤は好ましくはソルビタン脂肪酸エステル及びスクロール脂肪酸脂肪酸エステル、特にソルビタンステアレート及び/又はスクロースココエートに基づく脂肪酸エステルの混合物である。更に好適な例は、セテアリルアルコール及び/又はセテアリルグリコールの混合物を含む。しかしながら、各種好適な乳化剤は本分野において知られていることこから、本発明を特定の乳化剤に限定することは意図しない。
追加的な態様において、本発明に有用な親水性界面活性剤は代替的に又は追加的に、等分やにおいて知られいてるカチオン、アニオン、両イオン性及び/又は両性界面活性剤を含む(例えば、McCutcheon's. Emulsifiers and Detergents, North American and International Editions, MC Publishing Co. [2003]; U.S. Patent No. 5,011,681 U.S. Patent No. 4,421,769; and U.S. Patent No. 3,755,560参照)。
各種アニオン界面活性剤は本発明に有用である(例えば、U.S. Patent No. 3,929,678参照)。典型的なアニオン界面活性剤はアルコキシイソチオネート(例えば、C21-C30)、アルキル及びアルキルエーテルサルフェート及びそれらの塩、アルキル及び/又はアルキルエーテルフォスフェート及びそれらの塩、アルキルメチルタウレート(例えば、C12-C30)及び/又は脂肪酸の石鹸(例えば、置換アルキルアミン及びアルカリ金属塩、例えば、ナトリウム又はカリウム塩)を含むがこれらに限定されない。
両イオン性及び両性界面活性剤の本発明に用いることができる。本発明の組成物に用いることができる好適な両イオン性及び両性界面活性剤の例は、広義には、脂肪鎖が直鎖又は分岐鎖であり、1つの脂肪置換基が8乃至22(好ましくはC8-C18)炭素原子を含み、1つの脂肪置換基が陰性の水に可溶な基(例えば、カルボキシ基、スルネート基、フォスフェート基、又はフォスファノエート基)を含む脂肪族二級又は三級アミンの誘導体と定義される。例としては、アルキルイミノアセテート、及び/又はイミノジアルカノエート、及び/又はアミノアルカノエート、イミダゾリニウム及び/又はアンモニウム誘導体を含むがこれらに限定されない。他の好適な両イオン性及び両性界面活性剤はベタイン、スルタイン(sultaine)、ヒドロキシスルタイン(sultaine)及び分岐又は非分岐アルカノイルザルコシネート、及びこれらの混合物からなる群より選択される。
更なる態様において、本発明のいくつかの乳液は乳化剤又は界面活性剤を含むシリコンを含む。各種シリコン乳化剤は本発明に用いることができる。これらのシリコン乳化剤は通常有機的に修飾されたオルガニポリシロキサンであり、シリコン界面活性剤として当業者に知られている。有用な乳化剤はジメチコーンシロキサンを含むがこれらに限定されない。これらの物質はポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、これらの混合物等のポリエーテル側鎖、並びにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの両方の由来部分含むポリエーテル鎖を含むように修飾されたポリジメチルシロキサンである。他の例は、アルキル修飾ジメチコーン(即ち、C2-C30ペンダント側鎖を含む化合物)を含む。更なるジメチコーンコポリマーは各種カチオン、アニオン、両イオン性、及び両性のペンダント部分を含むものである。
幾つかの態様において、本発明の組成物は、少なくとも1つのポリマー性濃厚剤を含む。ポリマー性濃厚剤は20,000より大きい、より好ましくは50,000より大きい、及び最も好ましくは100,000より大きい数平均分子量を有する。幾つかの態様において、本発明の組成物は組成物の重量に基づいて0.01%乃至10%、好ましくは0.1%乃至8%、より好ましくは0.2%乃至5%のポリマー性の濃厚剤を含む。
本発明に用いる好適なポリマー性濃厚剤は非イオン濃厚剤及び/又はアニオン濃厚剤又はこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。好適な非イオン性濃厚剤はポリアクリルアミドポリマー、架橋されたポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリサッカライド、天然又は合成ガム、ポリビニルピロリドン及び/又はポリビニルアルコールを含むがこれらに限定されない。好適なアニオン性濃厚剤はアクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、及びアルキルビニルエーテル及び/又は無水マレイン酸の架橋コポリマーを含むがこれらに限定されない。市販の濃厚剤(例えば、Carbopol;Noveon)はも本発明の幾つかの態様に用いることができる。好適なCarbopolは疎水的に修飾されており、他の好適なレジンはWO98/22085に記載されている。これらの混合物も用いることができる。
幾つかの好適な態様において、本発明は少なくとも1つのシリコンオイル相を含む。シリコンオイル相は、通常、組成物の0.1%乃至20%mコポリマー0.5%乃至10%、より好ましくは0.5%乃至5%である。前記シリコンオイル相は好ましくは、1つ以上のシリコン化合物を含む。
幾つかの態様において、シリコン化合物は直鎖、分岐鎖、及び環状シリコンを含む、流体である。本発明に有用なシリコン流体はポリアルキルシロキサン流体、ポリアリルシロキサン流体、環状及び/又は直鎖ポリアルキルシロキサン、ポリアルコキシル化シリコン、アミノ及び/又は4級アンモニウム修飾シリコン、ポリアルキルアリルシロキサン、又はポリエーテルシロキサンコポリマー、及びこれらの混合物を含むシリコンを含む。揮発性又は不揮発性のシリコン流体も本発明に用いることができる。シリコン流体は、通常、200,000未満の数平均分子量を有する。好適な態様において、好適なシリコン流体は100,000以下、好ましくは5000以下、及びより好ましくは10,000以下の分子量を有する。好ましくは、前記シリコン流体は100乃至50,000及び好ましくは200乃至40,000の範囲の重量平均分子量を有するシリコン流体から選択される。通常、シリコン流体は25℃において、0.65乃至600,000 mm2S-1、好ましくは0.65乃至10,000 mm2S-1の粘度を有する。前記粘度は1970年7月29日発行のDow Corning Corporate Test Method CTM0004に定義されているガラスキャピラリー粘度計により測定することができる。本発明に用いることができる好適なポリジメチルシロキサンは、市場で入手可能な化合物を含む(例えば、General Electric Company 及びDow Corning)。非揮発性のポリアルキルアリルシロキサン、例えば、25℃において0.65乃至30,000mm2s-1の粘度を有するポリメチルフェニルシロキサン(General Electric Company 及びDow Corning)も有用である。本発明に有用な環状ポリジメチルシロキサンは3-7(CH3)2SiO部分、好ましくは5(CH3)2SiOを部分を取り込んでいる環状構造を有するものである。
追加的な態様において、シリコンガムの本発明に用いることができる。幾つかの好適な態様において、シリコンオイル相はシリコンガム又はシリコンガムを含むシリコンの混合物を含む。通常、シリコンガムは25℃において、1,000,000 mm2s-1の粘度を有する。前記シリコンガムは当業者に知られているジメチコーンを含む(例えば、U.S. Pat. No. 4,152,416; 及びNoll, Chemistry and Technology of Silicones, Academic Press, New York [1968]参照)。General Electric Silicone Rubber Product Data Sheets SE 30, SE 33, SE 54 and SE 76に記載されているシリコンガムも本発明に用いることができる。シリコンガムの特定の例は、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニル)(メチルビニルシロキサンコポリマー及び/又はこれらの混合物を含む。本発明に用いることができる好適なシリコンガムは200,000乃至4,000,000の分子量を結うsリポソーム、ジメチコーン、ジメチコーンコポリマー、ジメチコーン及びこれらの混合物から選択される。
幾つかの態様において、シリコン相はシリコンガム流体ブレンドの一部として組成物に取り込まれる。前記シリコンガムがシリコンガム流体ブレンドの一部として取り込まれる場合、前記シリコンガムは前記シリコンガム流体ブレンドの重量により5%乃至40%、特に10%乃至20%含まれる。好適なシリコンガム流体ブレンドは、
i)分子量200,000乃至4,000,000を有し、ジメチコノル、フルオロシリコン、及びジメチコーン及びこれらの混合物から選択されるシリコン及び
ii)0.65mm2s-1乃至100mm2s-1の粘度を有するシリコン流体であるキャリア、
よりなる。i)及びii)の割合は10:90乃至20:80である。前記シリコンガムベース組成物は最終粘度が、100 mm2s-1乃至100,000 mm2s-1であり、好ましくは500mm2s-1乃至10,000mm2s-1である。
本発明のシリコンオイル相に有用な更なるシリコン組成物は、任意で流体キャリア中に分散されている架橋ポリオルガノシロキサンポリマーを含む。通常、キャリアと一緒の架橋ポリオルガノシロキサンポリマーは0.1%乃至20%、好ましくは0.5%乃至10%、より好ましくは0.5%乃至5%、組成物に含まれる。そのようなポリマーは、架橋剤により架橋されたポリオルガノシロキサンポリマーを含む。好適なポリオルガノシロキサンポリマーはメチルビニルジメチコーン、メチルビニルジフェニルジメチコーン、及びメチルビニルフェニルメチルジフェニルジメチコーンを含む。
本発明のシリコンオイル相に有用な更なるシリコン組成物は、少なくとも1つのポリジオルガノシロキサンセグメント及び少なくとも1つのポリオキシアルキレンセグメントを含むポリジオルガノシロキサン-ポリオキシアルキレンコポリマーを含む(例えば、WO98/22085参照)。好適なポリジオルガノシロキサン-ポリオキシアルキレンコポリマーはWacker-Chemie GmbHより販売されているBELSIL(商標)である。本発明に用いることができる特に好適なコポリマー流体はCTFA指定のジメチコーン/ジメチコーンコポリマーを有するDow Corning DC3225Cを含む。
更なる態様において、本発明の組成物は有機サンスクリーンを含む。幾つかの態様において、好適なサンスクリーンは、UVA吸収性質を有し、UVB吸収性質を有するものもある。更にこれらの混合物を有するものもある。サンスクリーン有効成分の好適な量は、所望のUV保護のほかに、組成物の太陽光線保護指数(SPF)に依存する。PSFは同一固体において、保護されていない皮膚において最小の紅斑が生産されるのに必要とされる紫外線エネルギーと、保護された皮膚において同様の最小の紅斑が生成されるのに必要とされる紫外線エネルギーの割合である。用いるサンスクリーンの両は好ましくは2%乃至20%、及びより好ましくは4%乃至40%である。好適なサンスクリーンは、米国、日本、及びヨーロッパで用いられているものを含むがこれらに限定されない。本発明の組成物は2乃至30、より好ましくは4乃至30、より好ましくは4乃至15のSPFwpを有する。
幾つかの態様において、本発明の組成物は1つ以上のUVA(320nm乃至400nm)吸収性日焼け止め有効成分を有する。好適なUVA吸収日焼け止め有効成分はジベンゾイルメタン(例えば、Lowe and Shaath (eds.), Sunscreens: Development, Evaluation, and Regulatory Aspects, Marcel Dekker, Inc参照)、その誘導体、メチルアントラニレート及びホモメチル1-N-アセチルアントラニレート等のアントラニル酸塩、及びそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。前記UVA吸収日焼け止め有効成分は好ましくは、単独で又は組成物中の他の成分と組み合わせて幅広い範囲のUVAスペクトルを吸収するのに有効である範囲の量で組成物中に存在する。
好適なUVA吸収日焼け止め有効成分は、ベンゾイルメタン日焼け止め有効成分、及び/又はそれらの誘導体を含む。それらは、2-メチルジベンゾイルメタン、4-メチルジベンゾイルメタン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、4-タート-ブチルイルジベンゾイルメタン、2,4-ジメチルジベンゾイルメタン、2,5-ジメチルジベンゾイルメタン、4,4’-ジイソプロピルベンソイルメタン、4-(1,1-ジメチルエチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタン、2-メチル-5-ジイソプロピル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、2-メチル-5-tert‐ブチル-4’-メトキシ-ジベンゾイルメタン、2,4-ジメチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、2,6-ジメチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。好適なベンゾイル日焼け止め有効成分は4-(1,1-ジメチルエチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、及びこれらの混合物の中から選択される。好適な日焼け止め有効成分は4-(1,1-ジメチルエチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタンである。
日焼け止め有効成分、4-(1,1-ジメチルエチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタン、はブチルメトキシジベンゾイルメタン又は「アボベンゾン」として知られており、Givaudan Roure (International) よりParsol(商標) 1789 として、及びMerck & Co., Inc よりEusolex(商標) 9020として販売されている。日焼け止め有効成分、4-イソプロピルジベンゾイルメタンもイソプロピルジベンゾイルメタンとして知られており、Eusolex(商標)9020として知られている。
幾つかの態様において、本発明の組成物は更に、290nm乃至320nmの波長を有するUV光線を吸収するUVB日焼け止め有効成分を1つ以上含む。前記UVB吸収日焼け止め有効成分は好ましくは、単独で又は組成物中の他の成分と組み合わせて幅広い範囲のUVBスペクトルを吸収するのに有効である範囲の量で組成物中に存在する。前記組成物は、UVB吸収有機サンスクリーンの重量に基づいて0.1%乃至20%、好ましくは0.1%乃至12%、より好ましくは0.5%乃至8%含まれるか、又は関連する規定に記載されている量で含まれる。
各種UVB日焼け止め有効成分が本発明に用いられる(例えば、U.S. Pat No. 5,087,372; U.S. Pat.No. 5,073,371; U.S. Pat. No. 5,073,372; U.S. Pat. No. 4,937,370; and U.S. Pat. No. 4,999,186参照)。好適なUVBサンスクリーン有効成分は、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,2-エチルヘキシルN、N-ジメチル-p-アミノベンゼン、p-アミノベンゼン酸、オキシベンゾン、ホモメチルザリシレート、オクチルザリシレート、4,4’-メトキシ-t-ブチルジベンゾメタン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、3-ベンジルジエンカンファー、3-(4-メチルベンジルジエン)カンファー、2-フェニル-ベンンジミダゾール-5-スルホン酸(PBSA)、桂皮酸エステル及び2-エチルヘキシル-p-メトキシシナメート等のそれらの誘導体、ザリシレートエステル及びトリエタノールアミンザリシレート、エチルヘキシルザリシレート、オクチルジメチルパラ-アミノ安息香酸等のそれらの誘導体、カンファー誘導体及びそれらの誘導体、及びこれらの混合物から選択される。好適な有機日焼け止め有効成分は、2-メチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、2-フェニル-ベンジミダゾール-5-スルホン酸(PBSA)、オクチル-メトキシシナメート及びこれらの混合物を含む。酸性日焼け止めの塩及び酸中和形態も本発明に有効である。
幾つかの態様において、UV光線に曝すことにより分解する性質を有する成分を含む場合には、本発明に有用な組成物の一つに少なくとも1つの有効成分を添加して、UVAサンスクリーンを安定化して、UVA保護能を維持させることができる。これらの安定化能を有する数多くの物質が報告されており、UVAサンスクリーン及び組成物全体の性能を補うように選択することができる(例えば、U.S. Pat. Nos 5,972,316; 5,968,485; 5,935,556; 5,827,508; and WO 00/06110参照)。安定化剤の好適な例は、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3,3--ジフェニルアクリレート、2-エチルヘキシル-3,3-ジフェニルアクリレート、エチル-3,3-ビス(4-メトキシフェニル)アクリレート、ジエチルヘキシル2,6-ナフタレート、及びこれらの混合物を含む(Symrise Chemical Company )。
幾つかの態様において、少なくとも1つの成分を本発明の組成物に添加して、前記組成物の皮膚における効果を改善する、特に前記組成物が皮膚に適用されたときに水による洗浄又はこすって皮膚から剥離することに対して耐性を付与することができる。そのような成分の例は、アクリレート/C12-22アルキルメタクリレートコポリマー、アクリレート/アクリレートコポリマー、ジメチオニン、ジメチコノール、グラフト-コポリル(ジメチルシロキサン/i-ブチルメタクリレート)、ラウリルジメチコーン、PVP/ヘキサデカンコポリマー、PVP/エイコセンコポリマー、トリコンタニルPVP、及びトリメトキシシロキシシリケートを含むがこれらに限定されない。
有機サンスクリーンに加えて、幾つかの態様において、本発明の組成物は、無機物理的酸ブロックを含む(例えば、TFAInternational Cosmetic Ingredient Dictionary, 6th Edition, pp. 1026-28 and 1103 [1995]; Sayre et al, J. Soc. Cosmet. Chem., 41:103-109 [1990]; and Lowe et al., supra)。好適な無機物理的サンブロックは酸化亜鉛、及び二酸化チタン、及びこれらの混合物を含む。
好適な態様を用いる場合、前記組成物が皮膚に適用されるときに、前記物理的サンブロックは、組成物中に、重量により0.5%乃至20%、好ましくは0.5%乃至10%、及びより好ましくは0.5%乃至5%含まれている。二酸化チタンを用いる場合、前記二酸化チタンはアナターゼ、ルチル、又は非結晶構造を含むことができる。サンスクリーン用にミクロ化されたグレードの二酸化チタン及び酸化亜鉛の生産は、Tayca Corporation, Uniqema, Shinetsu Chemical Corporation, Kerr-McGee, Nanophase, Nanosource, Sachtleben, Elementis, and BASF Corporation 並びにこれらの会社の関連会社により行われているがこれらの会社に限定されない。物理的に太陽光線をブロックする粒子(例えば、酸化チタン及び二酸化亜鉛)は、アミノ酸、アルミナ、アルミニウムステアレート、アルミニウムラウレート等のアルミニウム化合物、カルボン酸及びそれらの塩(例えば、ステアリン酸及びその塩)、レクチン等のリン脂質、有機シリコン化合物、シリカシリケート及びそれらの混合物等の無機シリコン化合物を含むがこれらに限定されない。幾つかの好適な態様において、本発明の組成物は重量により、0,1%乃至15%、好ましくは0.1%乃至7%、より好ましくは0.5%乃至5%、無機サンスクリーンを含む。
幾つかの好適な態様において、本発明の組成物は保存料も含む。そのような保存料はペンチレングリコール、エチレングリコール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びそれらの塩、クロロヘキシジン(及びその2酢酸、ジヒロドクロライド、ジグルコネート誘導体)、1,1,1-トリクロロ-2-メチル-2-プロパノール、パラクロロメタキシレノール、ポリヘキサメチレンビグアミドヒドロクロライド、デヒドロ酢酸、ジアソリジニル尿素、2,4-ジクロロベンジルアルコール、4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン、ホルムアルデヒド(例えば、重合を防ぐために、10-15%のメタノールを含む37%水溶液)、グルタラアルデヒド、ジメチルタントイン(dimethylidantoin)、イミダゾール尿素、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、オルト-フェニルフェノール、4-ヒドロキシ安息香酸エステル(例えば、パラベン)及びそのメチル-、エチル-、イソプロピル-、ブチル-、及びイソブチルエステル、トリクロサン、2-フェノキシエタノール、フェニルメルクリック酢酸、ホウ酸、硝酸、クアテリウム-15、ザリシレート、サリチル及びその塩、カルシウム、カルシウムソルベート、ソルビン酸、及びその塩、ヨードプロパニルブチルカルバニミエートジンクパイチオン(iodopropanyl butylcarbamate zinc pyrithione)、ベンジルアルコール、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-ブロモ―2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、安息香酸及びその塩、亜硫酸エステル、重亜硫酸塩、フェノキシエタノール、クロロキシレノール、ジアゾロジニイル尿素、メチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、イソブチルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、フェノキシエタノールPG、及び塩化ベンザルコニウムを含むがこれらに限定されない。
中和剤、香料及び香料安定剤、着色料等の任意の成分も本発明に用いることができる。追加的な成分は最終製品における皮膚の柔軟性/滑らかさを高めることが好ましい。更に、そのような組成物は製品の審美性を損ねないことも好ましい。
他の追加的な物質は、水溶性及び/又は非水溶性保存料のほかに、角質溶解剤を含む。前記角質溶解剤は0.1%乃至5%(例えば、Germall 115、ヒドロキシ安息抗酸化剤のメチル、エチル、プロピル、及び/又はブチルエステル、ベンジルアルコール、LonzaよりGlydant Plusの商標で販売されているDMDMヒダントインイドプロパニルブチルカルバネート、EDTA、EUXYL(商標)K400、ブロモポル(2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール)及びフェノキシプロパノール)を含む。抗菌剤(例えば、IRGASAN(商標))、及びフェノキシエタノール(好ましくは0.1%乃至5%)、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、及びデンプン挿入ナトリウムポリアクリレート等の可溶性又はコロイド可溶性保湿剤(例えば、Celanese Superabsorbent Materials, Portsmith, VAより販売されている SANWET(商標)IM-IOOO、IM-1500及びIM-2500;例えば、U.S. Pat. No. 4,076,663参照)、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE及びこれらの誘導体及びフィタンチオール等のこれらの構成単位、及びビタミンK及び脂肪酸ドデカトリエノール等のこれらの構成成分、アルファ及びベータヒドロキシ酸、アロエヴェラ、スフィンゴシン及びフィトスフィンゴシン、コレステロール、皮膚白化剤、N-アセチルシステイン、顔料、トリクロサン及びトリクロロカーボンとして知られているTCC/TCS等の抗菌剤、香料及び香料安定剤も追加的な成分として含まれる。アルファヒドロキシ酸の例は、グリコール酸、酪酸、マレイン酸、クエン酸であり、グリコール酸と共に使用されるのは、アンモニウムグリコレート、アルファ-ヒドロキシエタン酸、アルファ-ヒドロキシオクタン酸、アルファヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシカプリル酸、混合フルーツ酸、トリ-アルファフルーツ酸、トリプルフルーツ酸、サトウキビ抽出物、アルファヒドロキシ及び植物、脂肪酸に架橋されている1-アルファヒドロキシ酸グリコマー(例えば、アルファニュートリアム)を含む。アルファヒドロキシ酸の好適な例は、グリコール酸及び酪酸である。アルファヒドロキシ酸のレベルは10%までである。本発明に用いることができる添加剤化合物は天然又は合成物由来かに関わらず好適なものが用いられるので、本発明を特定の添加剤に限定することは意図しない。
他の好適な物質は水溶性又は水可溶性の保存料を含む。前記保存料は0.1%乃至5%(例えば、Germall 115、ヒドロキシ安息抗酸化剤のメチル、エチル、プロピル、及び/又はブチルエステル、ベンジルアルコール、LonzaよりGlydant Plusの商標で販売されているDMDMヒダントインイドプロパニルブチルカルバネート、EDTA、EUXYL(商標)K400、ブロモポル(2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール)及びフェノキシプロパノール)を含む。抗菌剤(例えば、IRGASAN(商標))、及びフェノキシエタノール(好ましくは0.1%乃至5%)、0.1%乃至5%)含まれる。トリクロサン及びトリクロロカーボンとして知られているTCC/TCS等の抗菌剤も追加的な成分として含まれる。
親水性ゲル化剤を含む酸基の中和に用いるのに適した中和剤は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、モネタロアミン(monethanolamin)、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、トリス-緩衝及びトリエタノールアミンを含む。
本発明に用いることができる他の好適な物質は当業者に知られている他の多くの機能成分及び/又は活性成分を含む(例えば、McCutcheon's Functional Materials, North American and International Editions, MC Publishing Co. [2003]参照)。上で説明したように、皮膚限定的な例は、角質層溶解剤;ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸等の可溶性又はコロイド可溶性保湿剤;ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK等のビタミン及びそれらの誘導体及びそれらの構成単位;フィタントリオール;ドデカトリエノール等の脂肪族アルコール;アルファ及びベータヒドロキシ酸;アロエベラ;スフィンゴシン及びフィトスフィンゴシン;コレルテロース;皮膚白化剤;N-アセチルシステイン;顔料を含む。アルファヒドロキシ酸の例は、グリコール酸、酪酸、マレイン酸、クエン酸(合成又は天然由来のいずれでもよく、単独又は組み合わせて用いてもよい)、及びこれらのエステル又は緩衝された組合せでもよい。アルファヒドロキシ酸の他の例は、アルファヒドロキシエタン酸、アルファヒドロキシオクタン酸、アルファヒドロキシカプリル酸、及びヒドロキシカプリル酸を含む。好適なアルファヒドロキシ酸は、グリコール酸及び酪酸を含む。アルファヒドロキシ酸10%までの量で組成物に含むことが好ましい。
任意の好適な物質は、油相に含まれる非水溶性の顔料を含む。本発明の組成物に用いるのに好適な顔料は有機物及び/又は無機物でよい。「顔料」の語は、マット仕上げ剤、光分散剤、及びマイカ、セラサイト、及びカルボネート塩等の製剤化補助剤等の、少ない色味又はすくない光沢を有する物質を含む。好適な顔料の更なる例は、二酸化チタン、酸化鉄、酸化鉄のグルタミン酸塩、酸化亜鉛、塩酸化ビスマス、ウルトラマリンブルー(分散前及び/又はコート前又はそれ以外のいずれでもよい)D&Cダイ及びレーキ、FD&C指定色、カルミン等の天然色素添加剤、及びこれらの混合物を含む。組成物のタイプに依存して、顔料の混合物も本発明の組成物に用いられる。保湿性、皮膚感覚、及び乳液との相溶性の観点から本発明に用いられる顔料が処方される。幾つかの態様において、前記顔料はアミノ酸、シリコン、レクチン、及びエステルオイルを含むがこれらに限定されない化合物と共に処方される。
好適な態様において、本発明の相溶性のpHは3.5乃至10、好ましくは4乃至8、より好ましくは5乃至7である。最終製品中のpHは酸、塩基、又は緩衝塩により、組成物生物の形態及び組成物に必要なpHに基づいて必要に応じて調製される。
本発明の組成物は当分野において知られている好適な技術により調製される。通常、水相及び/又は油相は、任意の順番で、仕切られているそれぞれの相に任意の順番で物質を添加することにより、別々に調整される。もし、最終製品が乳液であれば、2つの相は、内激しい撹拌、又は必要によりホモジナイズして内部相の液滴を小さくすることにより結合される。高い揮発性を有する、又は加水分解又は高温における分解しやすい任意の成分は、緩やかに撹拌しながら、製造工程の最後の方、可能であれば乳化後に添加される。調剤量及び添加量は、製品の性能を基準として決定される。
本発明の幾つかの態様において、VEGF活性を低くする方法が提供される。これらの態様において、この方法は、有機固体に必要に応じて本明細書で定義する組成物の有効量を適用する工程を含む。追加的な態様において、本発明はヒト及び他の動物を含む有機固体を必要に応じて処理する化合物を提供する。
以下の実施例は本発明の特定の好適な態様及び側面を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
以下の実施例において用いる略語を以下に示す:
PI(プロテアイナーゼインヒビター)、BBI(Bowman-Brikインヒビター)、STI (ダイズトリプシンインヒビター)、ppm(100万分の1)、 VEGF 及びVegF (血管内皮成長因子)、M(モルの)、mM(ミリモルの)、μM(マイクロモルの)、nM(ナノモルの)、mol(モル)、 mmol(ミリモル)、μmol(マイクロモル)、nmol(ナノモル)、gm(グラム)、mg(ミリグラム)、μg(マイクログラム)、pg(ピコグラム)、 L(リットル)、ml 及び mL(ミリリットル)、 μl及びμL (マイクロリットル)、cm(センチメートル)、mm(ミリメートル)、μm(マイクロメートル)、nm (ナノメートル)、 U(単位)、V(ボルト)、MW(分子量)、sec(秒)、min(s)(分)、h(s)及びhr(s)(時間)、℃(摂氏)、QS(十分量)、ND(検出不能)、SA(視認可能)、NA(適用不能)、rpm(1分間あたりの回転数)、H2O(水)、dH2O(脱イオン水)、HCl(塩酸)、aa(アミノ酸)、bp(ベースペア)、 kb(キロベースペア)、kD (キロダルトン)、cDNA(転写又は相補DNA)、DNA(デオキシリボ核酸)、ssDNA(一本鎖 DNA)、dsDNA(二本鎖DNA)、dNTP(デオキシリボヌクレオチド三リン酸)、RNA(リボ核酸)、MgCl2 (塩化マグネシウム)、NaCl(塩化ナトリウム)、w/v(容量対重量)、v/v(重量対重量)、g(比重)、OD(光学密度)、A405 (405 nmにおける吸光度)、Vmax(酵素触媒反応における最大速度)、FGFrI(IIIc)(FGF-5レセプター)、ダルベッコリン酸緩衝溶液(DPBS)、SOC(2 % バクト-トリプトン、0.5 % バクトイースト抽出物、10 mM NaCl、2.5 mM KCl),テリフィックブロス(Terrific Broth)(TB;12 g/l バクト-トリプトン, 24 g/lグリセロール、2.31 g/l KH2PO4、及び12.54 g/l K2HPO4) 、OD280(280 nmにおける光学密度) 、OD600(600 nmにおける光学密度) 、PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)、PBS (リン酸緩衝生理食塩水 [150 mM NaCl、10 mM リン酸緩衝液、pH 7.2]) 、PBST(PBS+0.25% TWEEN(登録商標)20)、PEG(ポリエチレングリコール)、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)、RT-PCR(逆転写PCR)、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、bME, BME 及びβME (ベータメルカプトエタノール又は2-メルカプトエタノール)、Tris-HCl(トリス [ヒドロキシメチル]アミノメタン-クロライド)、Tricine(トリシン)(N-[トリス-(ヒドロキシメチル)-メチル]グリシン)、CHES (2-(N-シクロ-ヘキシルアミノ)エタン-スルホン酸)、TAPS(3-{[トリス-(ヒドロキシメチル)-メチル]-アミノ}-プロパンスルホン酸)、CAPS(3- (シクロ-ヘキシルアミノ)-プロパンスルホン酸)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DTT(1,4-ジチオ-DL-トレイトール)、Glut 及び GSH (還元グルタチオン)、GSSG(酸化グルタチオン)、TCEP(トリス[2-カルボキシメチル] ホスフィン)、Tris(トリス (ヒドロキシメチル)アミノメタン)、HEPES(N-[2-ヒドロキシエチル] ピペラジン-N-[2-エタンスルホン酸] )、HBS(HEPES 緩衝生理食塩水)、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、Ci(キューリ)、mCi(ミリキューリ)、μCi(マイクロキューリ)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、O/W(水中油型乳液)、W/O(油中水型乳液)、W/S(シリコン中水型乳液)、ピケリング乳液(固形化合物で安定化させた乳液)、ヒドロ分散液(乳化剤を含まない製剤)、PIT(特定の乳液を作るときに用いる相逆転技術)、スティック(口紅、制汗剤、デオドラントを含むがこれらに限定されない、棒状の形態を有する製剤)、Ts(トシル)、Bn(ベンジル)、Ph(フェニル)、Ms(メシル)、Et(エチル)、Me(メチル)、Klenow(DNA ポリメラーゼ I ラージフラグメント(Klenow(クレノウ))フラグメント )、rpm(一分当たりの回転数)、EGTA(エチレングリコール- ビス(β-アミノメチル エーテル)N, N, N', N'-四酢酸)、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、bla(β-ラクタマーゼ 又は アンピシリン耐性遺伝子)、PDS(成長因子を除去するために透析された、プラズマ由来ウシ血清;繊維質を取り除いたウシ血清の透析は、DMEMに対して4℃で6時間撹拌して行う。培地を交換し、透析を一晩続ける;透析されたPDSを24時間後に収集し、0.2μmフィルターで2回処理して滅菌する)、FCS及びFBS(ウシ胎児血清)、GE Healthcare (GEヘルスケア、チャルフォントストリート、ジャイルズ、UK)、DNA2.0(DNA2.0、メロンパーク、カリフォルニア)、OXOID (オキシドベージングストーク、ハンプシャー、UK)、Megazyme(メガザイム インターナショナル アイルランド社、ブレービジネスパーク、ブレー、ウィックロー、アイルランド)、Coming(コーニングライフサイエンス、コーニング、ニューヨーク)、NEN(NEN ライフサイエンスプロダクツ、ボストン、マサチューセッツ)、Pharma AS(ファルマAS, オスロ、ノルウェイ)、Dynal(ダイナル、オスロ、ノルウェイ)、Bio-Synthesis(バイオ-シンセシス、ルイスビル、テキサス)、ATCC(アメリカンタイプカルチャーコレクション、ロックイビル、メリーランド)、Gibco/BRL(ギブコ/BRL、グランドアイランド、ニューヨーク)、Sigma(シグマケミカル社、セントルイス、ミズリー)、Pharmacia(ファルマシア、ピスカタウェイ、ニュージャージー) 、NCBI(全米バイオテクノロジー情報センター)、Applied Biosystems(アプライドバイオシステム、フォスターシティー、カリフォルニア)、Clontech(クローンテックラボラトリーズ、パロアルト、カリフォルニア)、Difco(ディフコラボラトリーズ、デトロイト、ミシガン) 、Oxoid(オキシド社、オグデンスブルグ、ニューヨーク)、Worthington (オージントンバイオケミカル社、フリーホールド、ニュージャージー) 、GIBCO BRL 又は Gibco BRL (ライフテクノロジー社、ゲーサーズバーグ、メリーランド)、Millipore (ミリポア、ビルリカ、マサチューセッツ)、Bio-Rad(バイオラド、ハーリーキューズ、カリフォルニア)、Invitrogen(インビトロジェン社、サンディエゴ、カリフォルニア)、NEB(ニューイングランドバイオラドズ、ベバリー、マサチューセッツ)、Camberex(カンベレックスバイオプロダクツ、ロックフィールド、イリノイ)、Sigma(シグマケミカル社、セントルイス、ミズリー)、Pierce(ピアスバイオテクノロジー、ロックフォード、イリノイ)、Takara (タカラ・バイオ社、大津、日本)、Roche(ホフマン-ラ・ロッシュ、バーゼル、スイス)、EM Science(エムイーサイエン、ギブスタウン、ニュージャージー)、Qiagen(キアゲン社、バレンシア、カリフォルニア)、Biodesign(バイオデザイン社、ソーコ、メイン)、Biosource(バイオソース、インターナショナル、カマリロ、カリフォルニア)、Aptagen(アプタゲン インク、ヘルドン、バージニア)、Molecular Device(モレキュラーデバイス、コーポレーション、サニービル、カリフォルニア)、R & D Systems(R & D システムズ、ミネアポリ、ミネソタ)、Stratagene(ストラタジェンクローニングシステムズ、ラホーヤ、カリフォルニア)、Marsh (マーシュバイオサイエンス、ロチェスター、ニューヨーク)、Bio-Tek(バイオテック社、ウィヌースキー、 バーモント)、Biacore(ビアコア社、ピスカタウェイ、ニュージャージー)、PeproTech(ペプロテック、ロッキーヒル、ニュージャージー)、SynPep(シンペップ、ダブリン、カリフォルニア)、Chemicon(ケミコン、テクニカ、カリフォルニア)、Clinical Research Laboratories (クリニカルリサーチラボラトリーズ、インク、ピスカタウェイ、ニュージャージー)、及びMicrosoft(マイクロソフト社、レドモンド、ワシントン)。
実施例1
この実施例では、本発明の組成物を含む各種パーソナルケア組成物を以下のように提供する。これらの製剤において、他に定義しない限り、含量のパーセンテージは組成物の総重量に基づいて提供される。以下の製剤において、他で定義しない限り、BBI-AV(「本発明の化合物」と記載する)は、0.01%乃至1.0%の範囲で含まれる。幾つかの製剤において、好適な濃度は0.1%乃至0.2%である。他の製剤において、好適な濃度は、0.05%乃至0.1%である(例えば、いくつかのヘア成長抑制剤の態様において);0.02%乃至0.1%(スキンライトニンング組成物);0.5%乃至1.0%(例えば、いくつかのスキンライトニング組成物)又は0.1%以上(例えば、酒さ治療用組成物)である。当業者は、各製品に好適なBBI-AVの濃度を決定する方法を知っている。以下に提供するいくつかの組成物において、「本発明の化合物」の含量を「SA」と表示する。この表示は、上で説明したように、以下で示す製剤は好適な濃度のBBI-AVを含んでいる、又は特定の製剤に好適濃度のBBI-AVを含んでいるということを示すものである。
更なる態様において、本発明は少なくとも1つの無機顔料を含む。幾つかの好適な態様において、これらの無機顔料は金属酸化物及び/又は水にわずかしか溶けない又は不溶性の金属化合物である。例としては、酸化亜鉛(ZnO)、チタニウム(TiO2)、鉄(例えば、Fe2O3)、ジルコニウム(ZrO2)、シリカ(SiO2)、マンガン(例えば、MnO)、アルミニウム(Al2O3)、ロウ(例えば、Ce2O3)、及びこれらの酸化物の混合物、並びにこれらのブレンドを含む。幾つかの態様において、金属酸化物はマイクロファイングレード(microfine grade)である。一方他の態様では、前記金属酸化物は顔料グレード(pigment grade)である。更なる態様において、これらの金属酸化物は、マイクロファイン及びピグメントグレードの混合物である。
追加的な態様において、これらの無機顔料はコートされている(即ち、それらは表面処理されている)。幾つかの好適な態様において、その表面は薄い疎水性フィルムでコートされている。幾つかの他の好適な態様において、これらの表面は薄い疎水性フィルムでコートされている。更なる態様において、本発明は各種メイクアップ組成物及びメイクアップ成分を提供する。例えば、幾つかの態様において、本発明は各種ダイ及び/又は顔料を提供する。幾つかの態様において、有用な顔料は二酸化チタン、マイカ、酸化鉄(例えば、Fe2O3、Fe3O4、FeO(OH)等)及び/又は酸化ズスを含むがこれらに限定されない。着色剤及び顔料の最も好適な態様は当業者に知られている(例えば、Colour Index Nummern (CIN), Rowe Colour Index, 3rd ed., Society of Dyers and Colourists, Bradford, England [1971]参照)。
追加的な態様において、マイカ/酸化金属に基づく真珠光沢を有する顔料も用いることができる。しかしながら、他の真珠光沢を有する顔料も本発明の各種態様に用いることができることから、本発明を特定の顔料に限定することは意図しない。
以下の製剤は本発明の追加的な態様を示す。
以下に示す製法は、本発明のBBI-AVを含むアフターシェイブ製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI-AVを含むプレシェイブ製品の実施例である。
上に示したアフターシェイブおよびプレシェイブ製品の製法には、目的の効果を得るのに十分な量のBBI-AV(本発明の化合物)が含まれている。ある実施態様では、BBI-AVの濃度は1,000ppmから10,000ppmの間にある。次に示す製法では、BBI-AVの典型的な濃度は、100ppmから1,000ppmの間であるか、または、1,000ppmから10,000ppmの間である。しかしながら、これは、本発明をこの特定の範囲の濃度に限定する趣旨ではなく、本発明の他の実施態様では他の濃度を用いることがでる。
以下に示す製法は、本発明のBBI-AVを含むアフターサン製品の実施例を与える。
以下に示す製法は、本発明のBBI-AVを含むフェイシャル・クレンザー製品の実施例を示す。
以下に示す製法は、本発明のBBI-AVを含むSPF8のデイリー・ケア・ボディー・スプレー製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI-AVを含むSPF28のサン・スクリーン・エマルジョン製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI-AVを含むフット・バーム製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI-AVを含むリフレッシング・フット・ジェル製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI-AVを含むスキン・コンディショニング・ジェル製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI-AVを含むW/O型エマルジョンの実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI-AVを含むO/W型エマルジョン製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI-AVを含む保護用デイ・クリーム製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI-AVを含むヘア・ケア製品の実施例である。
顔料(AS 5811, 5131, 5146, 5126, and 50230; Color Techniques)とプロピルパラベンをSilcare 31 M50 SV (Clariant)中に分散させ、湿り気を帯びるまでかき混ぜる。この混合物を粉砕して、粒子径を10μm未満にする。その後、DC 9011 Elastomer Blend (Dow Corning)およびDC 245 Fluidを最終工程容器で混合し、かき混ぜて均質化する。均質化のためのかき混ぜ行程をゆっくりと行いながら、色素を加える。水を計量して別々の容器に入れ、本発明の化合物をプロペラによるかき混ぜを行いながら徐々に加え、溶解するまでかき混ぜる。メチルパラベンと安息香酸がブチレングリコールに加えられる。混合物は徐々に暖められ、溶解するまでかき混ぜられる。混合物は30℃に冷却され、本発明の化合物を含む溶液に加えられる。素早くかき混ぜながら、水相を油相にゆっくりと加える。加え終わった後、調合液を5分間均質化する。この調合液は、皮膚に塗るメークアップ・ファンデーションとして有用である。
マスカラ製造方法
対照用調合液と2%含有マスカラの成分は以下の通りである。
マスカラ製剤を製造するために、ワックス相8を結合させ、85-90℃でプロペラ混合しながら加熱した。10%化合物溶液をプロペラ混合しながら、水に本発明の化合物を添加することにより調製した。相1の水をステンレススチールビーカー(損失を埋め合わせるために50g超を添加する)。相2のメチルパラベンをブチレングリコールに添加し、溶解するまでラップでふたをして蒸気バスのトップにおいて撹拌した。その後、緩やかに撹拌しながら水を添加した。その後、相4のブラック酸化鉄を添加し、撹拌を続けた。その後、Natrosolをふりかけ、撹拌を続けた、10%KOHを添加し、ビーカーをできるだけきつふたをして85℃になるまで加熱した。その後、Arlace165を添加し、確実に溶解させるために少なくとも5分間混合した。85-89℃において、撹拌しながらワックス相を緩やかに水相に添加した。この温度と撹拌を10分間維持した。このバッチを蒸気バスから取り出し、ビーカー壁の剥離物を均一に混合する間、冷却した。55℃において、水のロスを測定するためにビーカー重量を測定した。混合を再開し水を必要に応じて添加した。45℃において、相9及び10を添加した。冷却水を用いて30℃まで冷却を続けた。この時点で、連続的なビーカー壁の剥離物が必要となる。
この調製において、少量のKOH(相5)を用いてpHをあげることにより、湿潤を遅延させ、凝集を防止するためにグリコキサールを用いてコートされたNatrosolを分散させる。相7において、クエン酸を緩やかに添加してpHを、酸化鉄の等電点以下の~5.5に調整する。相7及び8において、乳化が、両方のフェーズの中の界面活性剤によってより遂行しやすいので製品165は油相及び水相に分割されている。相9において、脱イオン水を化合物の代わりに対照に添加した。乳液を調整している間にこの化合物溶液を調整するので、前記化合物溶液は新鮮である。このように調製することにより本発明に適したカスカラが製造される。
実施例2
スキンライトニング試験
この実施例では、BBI-AVのスキンライトニング能力を評価するために行う試験を説明する。年齢18-65のフィツパトリック(Fitzpatrick)スキンタイプを有する13人が22日間の試験に参加した。フィツパトリック(Fitzpatrick)スキン分類は、冬季に太陽光にさらさずにいた個体をその後に太陽光に初めて30、40、45分間曝した場合に保護されていない皮膚において起こる反応に基づいている。このスキンタイプの分類は以下のようである。
I常に容易に日焼けする;日焼けの色は生じない
II常に容易に日焼けする;日焼けの色は最小限である
III軽度の日焼け;日焼けの色が一層認められる
IV最小限の日焼け;常に日焼け色が認められる
Vまれに日焼けする;日焼けの色は濃い
VI日焼けしない;深い色素沈着を有する
均一な色の5つのテスト部位を各個体の背下部にマークした。0-10スケール(10=非常に深く日焼けしている、0=非常に軽い日焼け)を使って、臨床グレーダーが各サイトで日焼けの程度を評価した。各個体は連続11日の間、1つの濃度の分子A、2つの濃度の分子B、媒体のみの対照溶液、および未処置部位を前処理された。150μLの試験物質(0.1%及び0.9% BBI-AV)及び対照を閉塞パッチで個体の背下部に投与した。Webril(商標)の閉塞パッチ(綿不織布)パッドを細孔を有する低アレルギー性のテープ(例えば、SCANPORE(商標)又は MICROPORE(商標)を用いて固定した。 パッチは臨床医により翌日、取られるまで適応箇所に位置していることになる。この作業を11日間続けた。
12日目に、臨床医がパッチを除去し、残っている試験物質を取り除くために適用箇所を吹いた。臨床グレーダが0-11スケールを用いて(0=日焼け色無し、及び11=深い日焼け色)各部位の日焼け色を評価した。結果を以下の表に示す。この表に示すように、BBI-AVを用いた場合、日焼け色において、対照より、大きな変化が生じていた。
実施例3
皮膚の色素沈着の軽減
この実施例では、UVA暴露により促進された皮膚の色素沈着を軽減することに関してのBBI-AVの能力を試験する。これらの試験は前記フィツパトリック(Fitzpatrick)スキン分類のIII及びIVの皮膚タイプの13人の個体について行った。
1日目に、試験物質を受け取った部分の色に等しい部分において、各個体のminimal persistent pigment darkening dose (MPPD) を各個人の背下部において決定した。前の暴露に対して25%の増加になるように5乃至7のUVA暴露を個体に対して行った。以下のスケールを用いて皮膚の暗化を評価した:
−色素の暗化は観察されない
?疑わし反応;不明確
+照射部位全体がわずかに暗化している
++照射部位全体の暗化
‘+’のスコアを生産しているUVAの最も低い投与量で処理された部位はその個体のMPPDを表す。
2日目、背下部の均一な色の部位をマークした。臨床グレーダが0-10スケールを用いて(0=非常に軽い日焼け色、及び10=非常に深い日焼け色)各部位の日焼け色を評価した。その後、試験物質を(0.1%及び0.9%BBI-AV)及び対照を閉塞のしたに適用した。各パッチには150μLが投与された。この試験に用いた閉塞パッチは実施例2のものと同じものである。実施例2で説明したように、パッチは次の日に臨床医が剥がすまで同じ部位に貼られたままになっている。このパッチ手順を11日間続けた。12-14日目に、前日までに適用されたいたパッチを剥がし、試験物質を除去するために拭いた。臨床グレーダが0-10スケールを用いて(0=非常に軽い日焼け色、及び10=非常に深い日焼け色)各部位の日焼け色を評価した。評価が終了した後で、各部位を、1日目手順を説明する段落において、記載されているように、1.0MPPDのUVAに各部位を暴露した。暴露が終了した後に新たなパッチを適用した。15日目に、パッチを除去し、0-10スケールを用いて(0=非常に軽い日焼け色、及び10=非常に深い日焼け色)各部位の日焼け色を評価した。結果を以下にしめす。
この結果は、UVAが誘発した色素沈着はBBI-AV適用部位では減少していることを示している。タンニンググレードの増加については以下の表に示す。この表において、タンニンググレードは12日目、13日目、及び14日目の結果をしめす。
実施例4
ヘア成長抑制
この試験において、本発明の組成物のヘア成長の抑制能力を評価するために行った。特に、これらの試験は、シェービング、又はクリーム又はワックスを用いての脱毛の後のヘア成長を抑制する能力を評価した。
顔の毛についての試験
これらの試験において、フィツパトリック(Fitzpatrick)スキン分類IIを有するグループ(例えば、5人)の男性の個体について試験を行った。これらの個人は、実験に先立って、顔用のトリートメントを行っていない。1日目、顔の毛の成長を肉眼で評価して写真を撮った。これに続いて、試験される組成物及び/対照を所望の濃度で適用した。2日目のは初めに、シェービングの直後の個体に本発明の組成物を適用した。大部分の場合、この試験を30乃至45日間続けた。この間、3日ごとに顔の毛の成長を視覚的に評価し、写真に記録さした。
脚の毛についての試験
この試験において、フィツパトリック(Fitzpatrick)スキン分類IIを有するグループ(例えば、5人)の女性の個体について試験を行った。各個人の足をマークして、毛の成長を肉眼及び写真で記録した。れに続いて、試験される組成物(即ち、所望の濃度のBBI-AVの濃度を含む化合物)及び/対照を所望の濃度で適用した。幾つかの方法において、各個人に2本のチューブを与えた(1つはBBI-AVを含み、他方は対照)。これらのチューブを「左」と「右」にマークした。試験期間のそれぞれの日に、個体はそれぞれの足に2つのチューブに入っている組成物を適用し。適用7日後、各個人の脚を視覚的に評価し、写真を撮り、両足をシェーブ又の脱毛用品により脱毛し、これまでと同様に脚への組成物の適用を続けた。毛の成長は、2日毎に視覚的に評価され、写真に記録された。幾つかの方法において、実験を3サイクル続け、ヘア成長を肉眼的に評価し、写真を撮った。この実験はさらに8日間続けられた。この試験により、マークした部位における製剤の適用により毛の数、毛の密度、及び/又は毛の長さが減少していることが確認された。
2日目の初めに、個人はシェービングの直後に本発明の組成物を適用した。この試験の間、ほかのプレ又はプロトリートメントは行わなかった。幾つかのケースにおいて、この試験は30乃至45日間続けられた。顔の毛の成長は、この間3日毎に視覚的に評価され、写真に記録された。毛の数、及び毛幹の長さ及び幅をコンピュータイメージ解析により測定した。試験物質の適用により毛の数、密度及び/又は長さが減少していることが確認された。
実施例5
ファージディスプレイペプチドライブラリーのパニング
この実施例において、ファージディスプレイライブラリーの選択を行う試験について説明する。市販のファージペプチドライブラリーPhD C7C (NEB)を取り扱い説明書に従って3ラウンドhVEGF156 (R&D systems)に対して選択する。この手順により図1に記載の配列プロファイルが得られる。個別のクローンをファージELISAを用いて取り扱い説明書に従い、確認した(図2)。
実施例6
VEGF結合ペプチドのBIAcore(商標)結合アッセイ
この実施例は、VEGFに対するペプチドの親和性を評価する試験について説明する。VEGFに対するペプチドの親和性はBIAcore(商標)-3000表面プラスモン共鳴システム(Biacore)を用いて測定される。CM5センサーチップを50 mM NaOH、0.1% HCl、0.1% SDS及び0.08% H3PO4でコンディショニングし、取り扱い説明書(Biacore)に従って、N-メチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジミドヒドロクロライド(EDC)及びN-ヒドロキシスクシニミド(NHS)を用いてVEGFの共有結合に対する活性化した。ヒトVEGF165(Biacore)は5μg/mlの20mM酢酸ナトリウム、pH4.8で希釈し、結合させたタンパク質が1000乃至6000共鳴単位(RU)になるように2μl/分の流量で注入した。TNF-アルファ(ヒトTNF-アルファ、Biosource, Int., Camarillo, CA)を同様に850乃至3500RUでCM5センサーチップに結合させた。1Mエタノールアミンをブロック剤として注入した。幾つかの態様において、EDC及びNHSの追加的な溶液をベースラインを安定にするために注入し、1Mエタノールアミンをブロッキング剤として注入した。残りのレーンはEDC及びNHSを用いて活性化し、エタノールアミンでブロックした。
標準的なFMOCケミストリーを用いて合成され、逆相HPLCで>95%の純度に精製し、DMSO中10mg/mLで貯蔵された。動態測定のために、HBS-EP緩衝液、0.01M HEPESpH7.4、0.15M NaCl、3mM EDTA、0.005%中2倍に連続希釈されたペプチドは25℃で、20μL/分の流量で注入された。2倍に連続希釈されたDMSO及び緩衝液もバックグラウンド除去のために注入された。動態指数はBIAevaluation3.1ソフトウェアを用いて計算した。これらの結果を図3に示す。
実施例7
ペプチド-BLAスキャホールドの構築
この実施例において、抗VEGF-BBI構築体の構築を説明する。プラスミドpCM01(5.1kb)は、pIIIシグナル配列を有するエンテロバクタークロアセア(Enterobacter cloaceae)β-ラクタマーゼ(BLA)のN末端及びC-末端6Xヒスタグに結合している15アミノ酸配列CK37281をコードする(図4)。このプラスミドはクロラムフェニコール耐性遺伝子(CAT)を選択マーカーとして運び、lacプロモーター(Plac)により発現される。プラスミドpCM01はBbslベクター、pCB04から構築されたpME3、を用いて構築された。pCB04をDraIII及びSpeI(NBE)を用いて消化し、2.8kb及び2.1kbフラグメントを得た。挿入するために、NtermStf2-F及びNtermStf2-R(5μL)のオリゴペアを結合し、水で総量を50μLにした。この混合物を、ヒートブロック中で95℃、5分間加熱した。その後このブロックを室温まで冷却した。
オリゴ:スタファーベクター挿入のためのNtermStf2-F及びNtermStf2-R
NtermStf2-F
5'[リン酸]
CTAGTGTCTTCGATCAAGTCGACAACAGCCTGTCTGCAGATCCTGAAGACTGGCGGAGGTGGTC GCGAATACGATTACCCCGCTGATGAAAGCACAGA 3' (配列番号26)
NtermStf2-R
5'[リン酸]
GTGCTTTCATCAGCGGGGTAATCGTATTCGCGACCACCTCCGCCAGTCTTCAGGATCTGCAGAC AGGCTGTTGTCGACTTGATCGAAGACA 3' (配列番号27)。
2.8kbフラグメント及び2.1kbフラグメント及びスタファー挿入(100bp)を10μlのDNA混合物及び10μlのタTakara溶液Iリガーゼを用いて、それぞれ、1:1:5のモル比で16℃で一晩置いて結合させた。結合体をZymo Research DNAクリーンキットを用いて精製し、2×8μlの水で溶出した。その後、5μlの結合混合物を50μlのTop10エレクトロコンピテント細胞(Invitrogen)に移し、250μlSOCを添加し、細胞を37℃で一晩育成させた。この形質転換混合物を1/10に希釈し、LA+5ppmCMPプレート及びLA+5ppmCMP+0.1ppmCTXプレートの両方で37℃で一晩インキュベートすることにより平板培養した。12クローンをCMPプレートから選択し、LB+5ppmCMP中で育成し、DNAを単離し、BbsI酵素(スタファープラスミド中の2つの部位を切る)で消化した。pCB40(WT)を対照として消化した。1つのクローンが正確な配列を有しており、pM22で消化された。
VEGFペプチド−BLA発現プラスミドpCN01をpM22から、BBsl挿入(図5参照)について以下のプライマーを用いて構築した。
オリゴ;ペプチド挿入のためのVegF-F、VegF-5R、VegF-3RP
VegF-F
5'ACTAGTCGTTCCTTTCTATTCTCACTCTGCTTGTACCCTGTGGCCGACCTTCTGGTGCGGTGGA GGTTCGACGCCAGTGTCAGAAAAACAGCTG 3'(配列番号28)
VegF-5R
5' AGCAGAGTGAGAATAGAAAGGAACGAC 3'(配列番号29)
VegF-3RP
5' [Phos]CCGCCAGCTGTTTTTCTGACACTGG 3'(配列番号30)。
BLAペプチド融合タンパク質pCM01及びpCB04及びpCM04ライブラリーは、25℃、40時間で、5ppmCMP及び0.1ppmセフォトキシン抗生物質の存在下で1リットルの振とうフラスコ内のE.coli(TOP10;Invitrogen)内で発現した。3,000xgで10分間遠心分離することにより200mlの細胞培地から細胞ペーストを収穫した。このペーストをその後25mlのB-PER試薬(ピアス)で緩やかに撹拌しながら処理した。この抽出物を20,000xgで20分間遠心分離することにより分離した。全ての液体分画のBLA活性をニトロセフィンを用いて評価し、各分画の融合タンパク質の濃度をWT酵素と同じと仮定して、計算した。融合タンパク質をIMACクロマトグラフィーで精製した。イミダゾール溶出BLA活性分画を集め、DSD-PAGE(図6)のチェックにより95%より高い精製度を有していた。
実施例8
ペプチド-BLAスキャホールドのスクリーニング
この実施例では、ペプチド-BLAスキャホールドをスクリーニングするための試験を説明する。COSTARプレート(69ウェル)を0.5μg(100μL/5μg/mL)hVEGF165(Preprotech)で緩やかに揺らしながらコートし、その後Supreblockブロッキング緩衝液(Pierece)を用いて数時間室温に放置することによりブロッキングを行った。pCM01及びpCM04のHisタグ精製されたサンプルをBLAアッセイ緩衝液中で連続希釈し、100μLタンパク質をVEGFコートウェルで形質転換した。1時間後、プレートをPBS、0.05%TWEEN(商標)-20で6回洗浄し、0.1mg/mlのニトロセフィン(Oxid)を含む200μLのニトロセフィンアッセイ緩衝液を添加してベータラクタマーゼの残余結合活性をAbs490/分で測定した。対照はpCB04ベータラクタマーゼを含む(図7参照)。
実施例9
VEGFペプチドによるHUVE細胞の増殖抑制
この実施例は、HUVEにおけるVEGFペプチドの影響を評価するための試験を説明する。HUVE細胞(ヒト臍帯細胞;Cambrex)を1乃至5回培養し、取り扱い説明書に記載のとおりに維持した。HUVE細胞成長を10ng/mlVEGF165において最高の分化を示す0.03乃至20ng/mlVEGFで刺激した。この濃度は後の試験においても用いる。0.5nM乃至25nMの一連のVEGFペプチド(及び抗-VEGF分子抗体対照(R&D system)をHUVE細胞に添加するのに先立ち、10ng/mLVEGFと混合し、96ウェルプレートで3回試験を行った。細胞増殖は、H3-チミジン取り込みにより測定した(図8参照)。有意な抑制が、0.4μM抗-VEGFで観察された。
実施例10
VEGFペプチド結合体による血管形成の抑制
この実施例は、血管形成の評価を行うための試験を説明する。このin vitro血管新生アッセイはChemiconからのキットを用い、この取り扱い説明書に従い行う。
このアッセイは、外因性のシグナルによる血管形成の誘発又は抑制を観察することができる血管新生の単純なモデルである。培養されたHUVE細胞の表皮細胞懸濁液を、CEM基質(即ち、表皮細胞が整列し環状構造体をその場で提供する、又はそれらが広がるような足場を提供する溶液)を添加する前に、10ng/mlのVEGFを含む異なる濃度の抑制剤と混合した。環状形成は細胞の付着、移動、増殖、及び成長を含む多段階工程である。得られた環状形成物は20x-100x倍率の逆光学顕微鏡で測定した。1μLペプチド以上の濃度で血管形成の有意な抑制が観察された。
実施例11
ファージディスプレイVEGFベースポリペプチドライブラリーの構築
この実施例は、ファージディスプレイライブラリーの構築を説明する。VEGFの選択に用いた親和成熟ライブラリーを本分野において知られているC7C遺伝子IIIファージディスプレイシステムを用いて構築した(Noren and Noren [2001]参照)。オリゴヌクレオチドを合成し、リン酸化した。この折具ヌクレオチドをNNK(N = G, A, T, C 及びK= G又はT)コドンを採用するライブラリーを構築するために用いた。このNNKクローニングスキームは2つの停止コドンの可能性を排除し、20アミノ酸全てをコードする。このランダムペプチドライブラリーは2及び9の位置に固定された2つのシステインを有する9つのランダムなアミノ酸を提示する(XC(X)7CGGGS; 配列番号31、Xは任意のアミノ酸を示す)。CK3782に基づく7つのペプチドライブラリーがランダムライブラリーと同じ方法を用いて作られた。
実施例12
VEGFボウマンブリックインヒビター(BBI VEGF )の構築
この実施例は、抗-VEGF BBI(BBI-AV)の構築体の構築を説明する。トリプシンループ(SacI-EcoRI)及び/又はキモトリプシンループ(EcoRI-SacI)に小さなペプチドコード配列を導入するのに適した制限部位を有する、ボウマンブリックインヒビターをコードしている合成遺伝子(例えば、図9)を、NdeI/Xholクローニング部位を用いて、当該分野で知られいてる手順に従って、pET-22b(Novagen)内でクローンした。得られたベクター、pET BBIを配列CK37281、CK37282をBBIループへダブルスストランドオリゴヌクレオチドとして挿入するためのテンプレートとして用いた。構築体をBL-21(DE3)E.coli内で形質転換し、50μl/mlのアンピシリンを含む培地で平板培養した。各クローン由来のプラスミドDNAを当該分野で知られている方法を用いて単離し、DNA配列決定で挿入が正確であるか確かめた。追加的なペプチドをPS-VA1(1KSAIC-KYYLYWW-CFlV; 配列番号6)及びPS-AV2 (1KSAIC-TLWKSYW-CF1V; 配列番号17)を含む。融合タンパク質及び/又は野生型BBIは14リットルの発酵槽で発現させた。細胞ペーストを収穫し、タンパク質をFoldItスクリーニングテストの変法を用いて、融合体から単離した(図10参照)。
実施例13
BBI-VEGFのBIAcore(商標)結合アッセイ
この実施例は、実施例9で示したように生成された構築体の結合親和性を評価するための試験を説明する。BBI-VEGF構築体のVEGFに対する親和性はBIAcore-3000表面プラスモン共鳴(Biacore)を用いて測定した。CM5センサーチップを50 mM NaOHでコンディショニングし、取り扱い説明書(Biacore)に従って、N-メチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジミドヒドロクロライド(EDC)及びN-ヒドロキシスクシニミド(NHS)を用いてVEGFの共有結合に対する活性化した。ヒトVEGF165(Biacore)は5μg/mlの20mM酢酸ナトリウム、pH4.8で希釈し、結合させたタンパク質が1000乃至6000共鳴単位(RU)になるように2μl/分の流量で注入した。トリプシン及びキモトリプシンを850乃至3500RUで残りのレーン内でCM5センサーチップに、結合させた。1Mエタノールアミンの溶液をブロッキング剤として注入した。リホールドされたBBI-VEGFのVEGFに対する選択的結合親和性を図11に示す。
実施例14
hVEGF抑制ペプチドの活性を試験するためのin vitro細胞増殖アッセイ
この実施例は、抗VEGFペプチドの抗増殖活性を決定するために行う試験を説明する。
VEGF抑制ペプチドの抗増殖活性はヒト最体内皮細胞(HUVEC)を用いて以下のように行った。初期培養(6回未満)のHUVEC細胞96ウェル中に1ウェル当り5000細胞になるように添加し、200μlEBM培地中(Cambrex)で18時間、成長因子を与えずに飢餓状態に置く。その後、0.5%FBSを添加し、5%CO2中37℃で育成する。培地を5%ウシ胎児血清及び1%のDMSOを有するEBM培地を含む180μlの成長培地で置換した。その後、20μlのVEGFを各種ペプチド濃度(全てのウェルの最終DMSO濃度は1%)と共にプレインキュベートを行い、最終濃度が10ng/mlになるようにVEGFを添加する。ヒトVEGF抗体(R&D System)を陽性対照として用いた。0.13乃至20ng/mlの濃度の培地中に単独で存在するVEGFを標準成長曲線の育成に用いた。この細胞を更に48時間インキュベートそ、細胞増殖をMTSアッセイ(CellTiter 96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assay Kit; Promega)を用いて測定した。その後、40μlのMTSテトラゾリウム溶液を各ウェルに添加し、3乃至4時間インキュベートする。このプレートの490nmの波長を測定する。培地単独の吸収の値を全ての測定値より差し引く。結果はVEGF抑制ペプチドCK37281及び/又はCK37283がマイクロモルの範囲のIC50を有することを示した。
実施例15
ヒトの皮膚における抗-VEGFペプチドの反復障害パッチ試験(RIPT)
この実施例は、抗-VEGFペプチドのパッチテストについて説明する。VEGFペプチドCK37281を0.5%(W/V)の濃度で、脱イオン水/ブチレングリコールを含む製剤化した。0.2mLの製剤を臨床リサーチラボラトリーによる反復障害パッチ試験に従い200人の被験者に適用した。この試験の結果、これらの被験者に皮膚に炎症又は感作は見られなかった。
実施例16
バチルススブチルス(B. subtilis)におけるBCE103-BBI融合タンパク質の生産
この実施例では、バチルススブチルス(B. subtilis)中にBCE103-BBI融合タンパク質を生産するために行った試験を説明する。この試験に用いられるC末端にヘキサヒスチジンタグを有するプロ-BBIタンパク質をコードする合成遺伝子(Operon Technologies)のDNA配列は以下である。
AACCTGCGTCTGTCTAAGCTTGGCCTGCTTATGAAATCAGACCATCAGCACAGCAATGACGATGAGAGCTCTAAACCCTGTTGCGATCAATGCGCATGTACGAAATCAAATCCTCCACAGTGTCGGTGTTCCGATATGCGTCTGAATAGCTGTCATAGTGCATGCAAAAGCTGTATCTGCGCCCTGAGTTATCCAGCTCAATGTTTTTGCGTCGACATCACGGACTTCTGCTATGAGCCATGTAAACCAAGCGAGGACGATAAAGAGAACCATCATCACCATCACCAT (配列番号44)。
上記合成遺伝子によりコードされるC末端にヘキサヒスチジンタグを有するプロ-BBIタンパク質配列は以下である。
NLRLSKLGLLMKSDHQHSNDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCICALSYPA QCFCVDITDFCYEPCKPSEDDKENHHHHHH (配列番号45)。
成熟型BBIをコードする合成遺伝子のDNA配列の一部は以下である。
ACGATGAGAGCTCTAAACCCTGTTGCGATCAATGCGCATGTACGAAATCAAATCCTCCACAGTGTCGGTGTTCCGATATGCGTCTGAATAGCTGTCATAGTGCATGCAAAAGCTGTATCTGCGCCCTGAGTTATCCAGCTCAATGTTTTTGCGTCGACATCACGGACTTCTGCTATGAGCCATGTAAACCAAGCGAGGACGATAAAGAGAAC(配列番号46)。
上の合成遺伝子によりコードされる成熟型BBIのタンパク質配列は以下である。
DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCICALSYPAQCFCVDITDFCYEPCKPSEDDKEN(配列番号47)
pJ103ベクター中のBCE103セルラーゼ発現カセットへ融合させるBBI遺伝子の増幅に用いるPCRプライマーは以下である。
BBIfusion_FW: 5'CAGCACGGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCC3'(配列番号48) BBIHindIH_RV:5'CTGCAGAAGCTTAAAAATAAAAAAACGGATTTCCTTCAGGAAATCCGTCCTCTGTTAACTTTTAGTTCTCTTTATCGTCCTCGC 3'(配列番号49)
BBIHIS-Hindffl_RV:5'CTGCAGAAGCTTAAAAATAAAAAAACGGATTTCCTTCAGGAAATCCGTCCTCTGTTAACTTTTAATGGTGATGGTGATGATGGTTCTC3'(配列番号50)。
pJM103組込みベクター内へクローンされるaprE-BCE103-BBI-ヒスタグ発現カセット(EocRI-HindIII)の配列を図14に示す。PJM103BBIヒス発現ベクターのプラスミドマップの概略を図15に示す。
バチルススブチルス(B. subutilis)aprEプロモーター及びシグナル配列に融合されたアルカリセルラーゼ(BCE103)遺伝子(van Soligen、米国特許6,063,611を参照のこと。この文献を参照により本明細書に援用する)は、pUCAPR103(Shaw et al., J. Mol.Biol., 320: 303-309 [2002])をEcoRI-BamHIフラグメントとして(すなわち、BCE103触媒ドメイン及び第一セルロース結合ドメインリンカーのみのコード配列を運搬するフラグメント)pJM103内でクローニングした(Perego, "Integrational vectors for genetic manipulation in Bacillus subtilis"In, Bacillus subtilis and Other Gram-positive Bacteria: Biochemistry, Physiology, and Molecular Genetics, Sonenshein, Hoch, and Losick (eds), American Society for Microbiology, Washington D.C., pp. 615-624 [1993])。C末端にヒスチジンタグ(His-tag)を有するダイズボウマン-ブリック(Bouman-Brik)プロテアーゼインヒビター(BBI)(Swiss-Prot Accession #P01055;Odani and Ikenaka, J. Biochem., 71: 839-848 [1972]参照のこと)は、オペロンテクノロジー(Operon Technologis)(上記DNA配列を参照のこと)により合成された。3’HindIII部位を用いてBBI遺伝子をpJM103ベクター内でクローンさせた後に、BCE103遺伝子を用いる正確なりーディングフレーム中に5’BamHI部位及び3’末端に導入された強力な転写終了因子を生成するプライマーを用いてBBI遺伝子をPCRにより増幅した(全プライマーはMWG Biotech、Oligos Etc.又はOperon Technologiesにより合成された)。
合成BBI遺伝子をテンプレートとして用いて、BBIfusion_FW(配列番号48) 及びBBIHISHindIII_RV (配列番号50)、又はBBIfusion_FW (配列番号48) 及びBBI-HindIII_RV (配列番号49)のプライマーをそれぞれ用いてC末端にHis-Tagを有する、又は有しないPCRフラグメントを生成した。他の方法で示さない限り、製造会社の説明書に従いハイフェデリティープラチナTaqポリメラーゼ(High Fidelity PlatinumTaq polymerase) (Invitrogen)を用いてPCRを30サイクル行った(55℃のアニーリング温度)。aprE-BCE発現カセットを運ぶBamHI-HindIIIフラグメントとして、PCRフラグメントをpJM103内でクローニングした。正確な遺伝子配列をDNA配列決定により確認した。
従って、図15に示すように、CBE103セルラーゼ遺伝子によりコードされる第一CBD(セルロース結合ドメイン)リンカー配列のC末端コード領域に対するフレーム中にBBI遺伝子(His-Tagを有するもの又は有しないもの)の成熟コード領域のN末端を融合した。それゆえ、2のBCE103のCBD(Shaw et al.,上記)は、最終的な発現カセットの中のBBIにより置き換えられ、pJM103BBI又はpJM103BBIhisとなった(図2参照)。このaprEプロモーターはBCE103-BBI遺伝子融合体の発現を制御する(Ferrari et al., J. Bact., 170: 289-295 [1988]及びHenner et al., J. Bact., 170: 296-300 [1988]参照のこと)。
有用なバチルススブチルス(Bacillus subtilis)細胞、BG3934comKを発現プラスミド、pJM103BBI又はpJM103BBIhisで形質転換した。バクテリアは、キシロース誘発プロモーター(Halm et al., Mol. Microbiol., 21: 763-775 [1996])の存在下でcomK遺伝子により誘発させることにより有用にすることができる。形質転換体を、5 μg/mlクロラムフェニコールを含むウリアブロスアガー(Luria Broth agar)(LA)プレート上で選択した。遺伝子増幅での発現を高めるために、コロニーが縞状になり、抗生物質を含む培地における成長率がクロラムフェニコールが欠失している培地における成長率と同じになるまで、25 μg/mlのクロラムフェニコールを用いて、LAプレート上で育成した。BCE-BBI融合タンパク質は、TSB培地(OXOIDより市販されているトリプトンダイズブロス(Tryptone Soya Broth)、30 g/L)又はMOPSベース合成培地中であるMBD培地において、37 ℃の振とうフラスコの中で育成することにより生成された。NH4Cl2、FeSO4、及びCaCl2を培地から除き、3 mMのK2HPO4を用い、60 mMの尿素、75 g/Lのグルコース及び1 %のソイトン(soytone)を供給した以外は、(Neidhardt et al., J. Bacteriol., 119: 736-747 [1974] )に記載されたようにMBD培地を調製した。微量栄養素は、100倍濃度の貯蔵溶液として調製された。この溶液は1リットル中400 mgのFeSO4-7H2O、100 mgのMnSO4-H2O、100 mgのZnSO4-7H2O、50 mgのCuCl2-2H2O、100 mgのCoCl2-6H2O, 100 mgのNaMoO4-2H2O、100 mgのNa2B4O7-1OH2O、10 mlの1M CaCl2、及び 10mlの0.5 M クエン酸ナトリウムを含む。
BCE103-BBI融合タンパク質は、標準的なタンパク質染色方法(例えば、ゲルコードブルー染色試薬(GelCode Blue Stain Reagent)Pierce)を用いて44 kDa付近のSDS-PAGEゲル上の主要なタンパク質バンドとして視認することができる(EMS緩衝液中10 %のSDS-PAGE、製造会社の説明書に従い操作。Invitrogen)。BCE103-BBI融合タンパク質は製造会社の説明書に記載の手順を用いたSDS-PAGEゲルの免役ブロットにより確認された(BM染色体ウエスタンブロットキット(BM Chromogenic Western Blotting Kit)、Roche Applied Science抗ヒスタグ抗体又は抗BCE103セルラーゼポリクローナル抗体を検出に用いた)。
BCE103活性は、LAセルラーゼ指標プレート(0.2 %のコンゴレッド又は0.5 %のアゾ-CMセルロースを用いて染色された1 %のカルボキシメチルセルロース、Megazyme)上でセルラーゼ消化を定性的に評価し、当該技術分野で知られている方法を用いて、合成基質、4-ニトロフェニルβ-D-セロビオース(Sigma)を用いた培養ブロス中のアッセイ緩衝液(Assay Buffre)(100 mMとリスpH 8.6、0.005 % Tween-80)を直接アッセイすることにより定量的に評価された(例えば van Tilbeurgh etal., Meth. Enzymol., 160: 45-59 [1988]参照のこと)。
BBI活性を決定するのアッセイ緩衝液の中でトリプシン抑制アッセイを行った。特に、標準曲線は、2 μg/mlの標準BBI溶液を1:1の連続希釈(100 μL BBI+100 mlアッセイ緩衝液)することにより作製した。疎水性相互作用カラム(POROSHP2、フェニルカラム、Applied Biosystems)を用いて、20 mM MES pH 6.0中1 mg/mlトリプシン-キモトリプシンインヒビター(シグマカタログ#T-9777)からこの標準BBIを精製した。このカラムを20 mM MES pH 6.0で平衡化し、5 mgのインヒビターを負荷し、平衡化に用いた緩衝液で洗浄した、その後、BBIを水で溶出した。抑制アッセイで試験する未知のBBIサンプルを、2以上のデータポイントが標準曲線の範囲内に入るように必要に応じて希釈した(通常、1:10、1:100、1:200、1:1000、1:2000の希釈のサンプルの希釈率が試験され、必要に応じて希釈率を微調整した)。希釈した各標準BBI及びサンプル20 μLに、80 μLの5 ng/mlのウシ脾臓トリプシン(Worthington)(アッセイ緩衝液の中へ、1 mg/mlトリプシンストック溶液を希釈することにより作製された)。便宜上、この標準物質とサンプルを96ウェルマイクロタイタープレート中に整列させた。混合及び25℃15分間のインキュベーションにより反応を行った。インキュベーションの後、0.5 mg/mlのトリプシン基質100 μL(DMSO中100 mg/mlの溶液からアッセイ緩衝液の希釈により調整)、Suc-AAPR-pNA(スクシニル-アラニン-アラインヒビター-プロリン-アルギニン-パラニトロアニリド、Bachem)を添加し、混合し、OD(A405)を15分間モニターした。ペクトラマックス250(Spectra Max250)(Moleculaer Devices)を用いて少なくとも12秒毎に一回記録をとった。記録されたデータのポイントは、各反応に対するVmaxの決定に用いた。標準曲線は、BBI濃度に対するVmaxのプロットにより作製し、4の指標曲線に当てはめた。全てのデータのフィッティングは製造会社(Molecular Devices)が提供するソフトウェアを用いて行われた。未知サンプルのBBI濃度を標準曲線を用いて計算した。代替的に、BBI活性は同じ手順を用いてウシ脾臓キモトリプシン(Worthington)抑制を検出することにより測定された(キモトリプシンは、トリプシンと同じ濃度で用い、キモトリプシン活性は、100 μLの0.4 mg/mlキモトリプシン基質、スクシニル-アラニン-アラニン-プロリン-パラニトロアニリド、(Bachem)の添加により測定された)。
振とうフラスコサンプル(2.8 Lのフェルバッハ6 バッフルフラスコ中 500 mM MBD培地、37 ℃、225 rpm、60時間後に収穫する)の力価が、通常、0.4乃至0.9 mg/ml BCE活性及び40乃至150 μg/ml BBIトリプシン抑制活性になるように培養が行われる。しかしながら、力価はバクテリア系統、培養培地及び育成条件(通気、温度、収穫時間等)の最適化により、更に改善することができる。
野生型BBIに対するBCE103融合に加えて、BBIに対する融合タンパク質変異体及びBCE103及びBBIの間の各種リンカーを有する融合タンパク質は上で概説した方法を用いて、以下の実施例のように製造することができる。更に、融合タンパク質はBBIを精製工程において第一CBDを用いることの助けとなる第二CBDリンカー(BCE-cbdD-BBI;実施例4を参照のこと)に結合させたときにも生成される。
実施例17
BCE103-BBI融合タンパク質としてのBBI反応部位ループのペプチド置換体の生成
この実施例では、BCE103-BBIのようにBBI反応部位へ置換するペプチドを生成するための試験を説明する。これらの試験の各工程に用いるプライマー及び他の配列を以下に記載する。BCE103融合部位(BamIIIの位置)から遺伝子の終わりまでの12BBIck81配列を図3に示す。CK37281ペプチド配列(ACYNLYGWTC(配列番号9))をトリプシン及びキモトリプシン抑制ループの両方に挿入した。
QuikChange(登録商標)部位直接変異誘発(Stratagene)を用いたBBI遺伝子中にEcoRI部位を導入するために用いるプライマーは以下である。
BowBeco-F
5'-GATATGCGTCTGAATTCCTGTCATAGTGCAT (配列番号51)
BowBeco-R
5'-ATGCACTATGACAGGAATTCAGACGCATATC (配列番号52)。
VegF結合ペプチドCK37281でトリプシン抑制部位を置換するためにアニールされ、BBI遺伝子(SacI-EcoRI)の中でクローニングされるDNAオリゴヌクレオチド配列は以下である。
lBBck81+
5'-CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCGCATGTTATAATTTGTATGGGTGGACTT GTCGCTGCAGCGATATGCGTCTG (配列番号53)
lBBck81-
5'-AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACAAGTCCACCCATACAAATTATAACATGCGCATTGATCGCAACAGGGTTTAGAGCT (配列番号54)。
VegF結合ペプチドCK37281でキモトリプシン抑制部位を置換するためにアニールされ、BBI遺伝子(EcoRI-SaclI)の中でクローニングされるDNAオリゴヌクレオチド配列は以下である。
2BBck81+ 5'-AATTCCTGTCATAGTGCCTGCAAAAGCTGCGCATGTTATAACCTGTACGGGTGGACCTGTTTTTGCG (配列番号55)
2BBck81-
5'-TCGACGCAAAAACAGGTCCACCCGTACAGGTTATAACATGCGCAGCTTTTGCAGGCACTATGACAGG (配列番号56)。
合成BBI遺伝子のトリプシン(SacI及びEcoRI制限部位)又はキモトリプシン(EcoRI及びSaII制限部位)反応部位ループに中にペプチドを導入するためのカセットを作るために用いるオリゴヌクレオチドペアのDNA配列を以下に記載する。これらのペプチドコード配列はp2JM103BBI発現ベクター内にSacI-SalIフラグメントとして導入された。
Comstatin (1st ループ)
CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCGCATGTGTTGTTCAGGACTGGGGTCACCACCGTTGTCGCTGCAGCGATATGCGTCTG (配列番号57)
及び
AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACAACGGTGGTGACCCCAGTCCTGAACAACACATGCGC ATTGATCGCAACAGGGTTTAGAGCT (配列番号58)
Comstatin (2nd ループ)
CAAAAGCTGTATCTGCGTTGTTCAGGACTGGGGTCACCACCGTTGTTTTTGCG (配列番号59)
及び
TCGACGCAAAAACAACGGTGGTGACCCCAGTCCTGAACAACGCAGATACAGCTTTTGCATG (配列番号60)
C2c (1stループ)
CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCAGCTGTGGTCGTAAAATCCCGATCCAGTGTCGCTGCAGCGA TATGCGTCTG (配列番号:61)
及び
AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACACTGGATCGGGATTTTACGACCACAGCTGCATTGATC GCAACAGGGTTTAGAGCT (配列番号62)
C3c (1st ループ)
CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCGGTTGTGCTCGTTCTAACCTGGACGAATGTCGCTGCAGCGA TATGCGTCTG (配列番号63)
及び
AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACATTCGTCCAGGTTAGAACGAGCACAACCGCATTGATC GCAACAGGGTTTAGAGCT (配列番号64)
C4c (1st ループ)
CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCGGTTGTCAGCGTGCTCTGCCGATCCTGTGTCGCTGCAGCGA TATGCGTCTG (配列番号65)
及び
AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACACAGGATCGGCAGAGCACGCTGACAACCGCATTGAT CGCAACAGGGTTTAGAGCT (配列番号66)
C5c(1stループ) CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCCAGTGTGGTCGTCTGCACATGAAAACCTGTCGCTGCAGCGATATGCGTCTG (配列番号67)
及び
AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACAGGTTTTCATGTGCAGACGACCACACTGGCATTGATCGCAACAGGGTTTAGAGCT (配列番号68)
XaI (2ndループ)
AATTCCTGTCATAGTGCCTGCAAAAGCTGTATCTGCGCCCGTAGTTTGCCAGCTCAATGTTTTTGCG(配列番号69)
及び
TCGACGCAAAAACATTGAGCTGGCAAACTACGGGCGCAGATACAGCTTTTGCAGGCACTATGACAGG(配列番号70)
hSCCl (1st ループ) CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCAACTGTACGTACTCAACCCCTCCACAGTGTCGCTGCAGCGATATGCGTCTG (配列番号71)
及び
AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACACTGTGGAGGGGTTGAGTACGTACAGTTGCATTGATCGCAACAGGGTTTAGAGCT (配列番号72)。
QuickChange(登録商標)II-XL部位直接変異誘発キット(Stratagene)を用いてトリプシン又はキモトリプシン反応部位へペプチド配列を導入するために用いるオリゴヌクレオチドプライマーペアのDNA配列を以下に記載する。製造会社の説明書及びこの実施例に記載の通りに反応を行った。68 ℃で6分間の伸長を行い、95 ℃で50秒間の変性を行い、55 ℃で50秒間のアニーリングを20サイクル行った。20サイクル終了後、68 ℃で20分間の最終伸長を行った。
IA (2nd ループ) CTGTATCTGCAAACGCTCAAAATCTCGTGGCTGTTTTTGCGTCGACATCAC (配列番号73)
及び
CGCAAAAACAGCCACGAGATTTTGAGCGTTTGCAGATACAGCTTTTGCATG (配列番号74)
2B (2nd ループ)
CTGTATCTGCTGGTATAATCAAATGACAACATGTTTTTGCGTCGACATCAC (配列番号75)
及び
CGCAAAAACATGTTGTCATTTGATTATACCAGCAGATACAGCTTTTGCATG (配列番号76)
4A (2nd ループ)
CTGTATCTGCCATCAACTTGGCCCGAATTCATGTTTTTGCGTCGACATCAC (配列番号77)
及び
CGCAAAAACATGAATTCGGGCCAAGTTGATGGCAGATACAGCTTTTGCATG (配列番号78)
5A (2ndループ)
CTGTATCTGCCATCCGTGGGCACCGTATTCTTGTTTTTGCGTCGACATCAC(配列番号79)
及び
CGCAAAAACAAGAATACGGTGCCCACGGATGGCAGATACAGCTTTTGCATG (配列番号80)
6-1A (2nd ループ) CTGTATCTGCAATCTTCATTATCTTCAACAGTGTTTTTGCGTCGACATCAC (配列番号81)
及び
CGCAAAAACACTGTTGAAGATAATGAAGATTGCAGATACAGCTTTTGCATG (配列番号82)
7A (2nd ループ)
CTGTATCTGCACACCGTCTCTTTATCGCCCGTGTTTTTGCGTCGACATCAC (配列番号83)
及び
CGCAAAAACACGGGCGATAAAGAGACGGTGTGCAGATACAGCTTTTGCATG (配列番号84)
8B (2nd ループ)
CTGTATCTGCCTTACAGATCAATCTAAACCGTGTTTTTGCGTCGACATCAC (配列番号85)
及び
CGCAAAAACACGGTTTAGATTGATCTGTAAGGCAGATACAGCTTTTGCATG (配列番号86)
9A (2nd ループ)
CTGTATCTGCGTTACAACATCAATGGGCATGTGTTTTTGCGTCGACATCAC (配列番号87)
及び
CGCAAAAACACATGCCCATTGATGTTGTAACGCAGATACAGCTTTTGCATG (配列番号88)
10B (2nd ループ)
CTGTATCTGCCGCGCATCACCGTATGATTGGTGTTTTTGCGTCGACATCAC(配列番号89)
及び
CGCAAAAACACCAATCATACGGTGATGCGCGGCAGATACAGCTTTTGCATG(配列番号:90)
11-1 A (2nd ループ)
CTGTATCTGCTCAACACAAAAAATTCCGCAATGTTTTTGCGTCGACATCAC (配列番号91)
及び
CGCAAAAACATTGCGGAATTTTTTGTGTTGAGCAGATACAGCTTTTGCATG (配列番号:92)
12B (2nd ループ)
CTGTATCTGCACACAATTTCGCTCTGCAACATGTTTTTGCGTCGACATCAC (配列番号93)
及び
CGCAAAAACATGTTGCAGAGCGAAATTGTGTGCAGATACAGCTTTTGCATG (配列番号94)
13A (2nd ループ)
CTGTATCTGCCCGGATCATGTTCCGCATCTTTGTTTTTGCGTCGACATCAC (配列番号95)
及び
CGCAAAAACAAAGATGCGGAACATGATCCGGGCAGATACAGCTTTTGCATG (配列番号96)
15-1A (2nd ループ)
CTGTATCTGCTCAGGCTTTCCGCTTTCTACATGTTTTTGCGTCGACATCAC (配列番号97)
及び
CGCAAAAACATGTAGAAAGCGGAAAGCCTGAGCAGATACAGCTTTTGCATG (配列番号98)
1A6 (1st ループ)
TCAATGCGCATGTGAAGAGATCTGGACTATGCTTTGCCGGTGTTCCGATATGCGTC (配列番号99)
及び
CGGAACACCGGCAAAGCATAGTCCAGATCTCTTCACATGCGCATTGATCGCAACAGG (配列番号100)
1A6 (2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCTTGTGAAGAGATCTGGACTATGCTTTGCTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号101)
及び
ACGCAAAAGCAAAGCATAGTCCAGATCTCTTCACAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号102)
1C2 (1st ループ)
TCAATGCGCATGTTGGGCCCTTACTGTCAAAACATGCCGGTGTTCCGATATGCGTC (配列番号103)
及び
CGGAACACCGGCATGTTTTGACAGTAAGGGCCCAACATGCGCATTGATCGCAACAGG (配列番号104)
1C2 (2nd ループ) CAAAAGCTGTGCTTGTTGGGCCCTTACTGTCAAAACATGCTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号105)
及び
ACGCAAAAGCATGTTTTGACAGTAAGGGCCCAACAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号106)
2E2 (1st ループ)
TCAATGCGCATGTCTTACAGTACTGTGGACTACATGCCGGTGTTCCGATATGCGTC (配列番号107)
及びCGGAACACCGGCATGTAGTCCACAGTACTGTAAGACATGCGCATTGATCGCAACAGG (配列番号108)
2E2 (2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCTTGTCTTACAGTACTGTGGACTACATGCTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号109)
及び
ACGCAAAAGCATGTAGTCCACAGTACTGTAAGACAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号110)
2E5 (1st ループ) TCAATGCGCATGTACTCTTTGGAACAGATCTCCTTGCCGGTGTTCCGATATGCGTC (配列番号111)
及び
CGGAACACCGGCAAGGAGATCTGTTCCAAAGAGTACATGCGCATTGATCGCAACAGG (配列番号112)
2E5 (2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCTTGTACTCTTTGGAATCGATCTCCTTGCTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号113)
及び
ACGCAAAAGCAAGGAGATCGATTCCAAAGAGTACAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号114)
FGFns (1st ループ)
TCAATGCGCATGTACAAACATCGATTCTACTCCTTGCCGGTGTTCCGATATGCGTC (配列番号115)
及び
CGGAACACCGGCAAGGAGTAGAATCGATGTTTGTACATGCGCATTGATCGCAACAGG (配列番号116)
FGFns (2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCTTGCACAAACATCGATTCTACTCCTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号117)
及び
ACGCAAAAACAAGGAGTAGAATCGATGTTTGTGCAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号118)
FGFkr (1st ループ)
TCAATGCGCATGTACAAAAATCGATCGTACTCCTTGCCGGTGTTCCGATATGCGTC (配列番号119)
及び
CGGAACACCGGCAAGGAGTACGATCGATTTTTGTACATGCGCATTGATCGCAACAGG (配列番号120)
FGFkr (2nd ループ) CAAAAGCTGTGCTTGCACAAAAATCGATCGTACTCCTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号121)
及び
ACGCAAAAACAAGGAGTACGATCGATTTTTGTGCAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号122)
FGFhI (1st ループ)
TCAATGCGCATGTCACCTGCAGACAACTGAAACATGCCGGTGTTCCGATATGCGTC (配列番号123)
及び
CGGAACACCGGCATGTTTCAGTTGTCTGCAGGTGACATGCGCATTGATCGCAACAGG (配列番号124)
FGFhI (2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCTTGCCACCTGCAGACAACTGAAACATGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号125)
及び
ACGCAAAAACATGTTTCAGTTGTCTGCAGGTGGCAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号126)
FGFgy (1st ループ)
TCAATGCGCATGTGGCTACTTCATCCCATCGATTTGCCGGTGTTCCGATATGCGTC (配列番号127)
及び
CGGAACACCGGCAAATCGATGGGATGAAGTAGCCACATGCGCATTGATCGCAACAGG (配列番号128)
FGFgy (2nd ループ) CAAAAGCTGTGCTTGCGGCTACTTCATCCCATCGATTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号129)
及び
ACGCAAAAACAAATCGATGGGATGAAGTAGCCGCAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号130)
MM005 (1st ループ)
TCAATGCGCATGTTTACGTATCCTTGCTAACAAATGCCGGTGTTCCGATATGCGTC (配列番号131)
及び
CGGAACACCGGCATTTGTTAGCAAGGATACGTAAACATGCGCATTGATCGCAACAGG (配列番号132)
MM005 (2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCTTGCTTACGTATCCTTGCTAACAAATGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号133)
及び
ACGCAAAAACATTTGTTAGCAAGGATACGTAAGCAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号134)
MM007 (1st ループ)
GCGATCAATGCGCCTGCAGAACTCAACCATATCCTTTATGTCGGTGTTCCGATATGCGTC (配列番号135)
及び
GGAACACCGACATAAAGGATATGGTTGAGTTCTGCAGGCGCATTGATCGCAACAGGGTTT (配列番号136)
MM007 (2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCCTGCAGAACACAACCTTACCCACTTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号137)
及び
ACGCAAAAACAAAGTGGGTAAGGTTGTGTTCTGCAGGCACAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号138)
MM009 (2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCCTGCCTGTTAACACCTACTCTTAACTGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号139)
及び
ACGCAAAAACAGTTAAGAGTAGGTGTTAACAGGCAGGCACAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号140)
MM010 (1st ループ)
TCAATGCGCATGCGCTCTTCCAACTCATTCTAACTGTCGGTGTTCCGATATGCGTCT (配列番号141)
及び
CGGAACACCGACAGTTAGAATGAGTTGGAAGAGCGCATGCGCATTGATCGCAACAGG (配列番号142)
MM010 (2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCCTGCGCGCTTCCTACACACTCTAACTGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号143)
及び
ACGCAAAAACAGTTAGAGTGTGTAGGAAGCGCGCAGGCACAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号144)
MM017 (2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCCTGCCCTTTAGGCCTTTGCCCACCTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号145)
及び
ACGCAAAAACAAGGTGGGCAAAGGCCTAAAGGGCAGGCACAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号146)
FGFpsl (2nd ループ)
AAGCTGTATCTGCTGGAACATCGATTCTACACCTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号147)
及び
ACGCAAAAACAAGGTGTAGAATCGATGTTCCAGCAGATACAGCTTTTGCATGCACT (配列番号148)
FGFps2 (1st ループ)
GCGATCAATGCATCTGTACTTGGATTGACAGTACTCCTTGTCGGTGTTCCGATATGCGTC (配列番号149)
及び
GGAACACCGACAAGGAGTACTGTCAATCCAAGTACAGATGCATTGATCGCAACAGGGTTT (配列番号150)
FGFps2 (2nd ループ)
AAGCTGTATCTGCACATGGATCGATAGTACTCCTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号151)
及び
ACGCAAAAACAAGGTGTAGAATCGATCCATGTGCAGATACAGCTTTTGCATGCACT (配列番号152)
FGFpsB (2nd ループ)
AAGCTGTATCTGTACATGGATCGATTGGACACCTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号153)
及び
ACGCAAAAACAAGGTGTCCAATCGATCCATGTACAGATACAGCTTTTGCATGCACT (配列番号154)
1A8 (2nd ループ)
CAAAAGCTGCGCATGTGTTACTACAGATTGGATCGAATGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号155)
及び
ACGCAAAAACATTCGATCCAATCTGTAGTAACACATGCGCAGCTTTTGCATGCACTATG(配列番号156)
1A12 (2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCCTGCCCAACACTTTGGACTCATATGTGTTTTTGCGTCGACATCACGGAC(配列番号157)
及び
ACGCAAAAACACATATGAGTCCAAAGTGTTGGGCAGGCACAGCTTTTGCATGCACTATGAC(配列番号158)
IEl 1 (2nd ループ)
CAAAAGCTGCGCATGTTACTACTCTCAATTCCACCAATGTTTTTGCGTCGACATCACGG (配列番号159)
及び
ACGCAAAAACATTGGTGGAATTGAGAGTAGTAACATGCGCAGCTTTTGCATGCACTATG (配列番号160)
TGFpsl (2nd ループ)
CAAAAGCTGTCTTTGTCCGGAAAACGATAACGTTTCTCCTTGTAATTGCGTCGACATCACGGACTTCTG(配列番号161)
及び
TGTCGACGCAATTACAAGGAGAAACGTTATCGTTTTCCGGACAAAGACAGCTTTTGCATGCACT ATGAC(配列番号162)。
p2JM103-lnk2-BBI発現ベクターのキモトリプシン反応部位ループへMM021ペプチドを導入するためのカセットを作るために用いるオリゴヌクレオチドペアのDNA配列を以下に記載する。このカセットはベクター内のSphI及びSalI制限部位へ結合された。
MM021 (2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCTTGTAAACACAACGTACGTCTTTTATGTTTTTGCG (配列番号163)
及び
TCGACGCAAAAACATAAAAGACGTACGTTGTGTTTACAAGCACAGCTTTTGCATG (配列番号164)
VegT (2nd ループ)
CAAATCTTGCGCGTGCACACTTTGGAAATCTTACTGGTGTTTTTGCG (配列番号165)
及び
TCGACGCAAAAACACCAGTAAGATTTCCAAAGTGTGCACGCGCAAGATTTGCATG (配列番号166)
VegK (2nd ループ)
CAAATCTTGCGCATGTAAATATTACCTTTACTGGTGGTGTTTTTGCG (配列番号167)
及び
TCGACGCAAAAACACCACCAGTAAAGGTAATATTTACATGCGCAAGATTTGCATG (配列番号168)
VegKD (2nd ループ)
CAAATCTTGCATCTGTAAATATGATCTTTACTGGTGGTGTTTTTGCG (配列番号169)
及び
TCGACGCAAAAACACCACCAGTAAAGATCATATTTACAGATGCAAGATTTGCATG (配列番号170)
VegDK (2nd ループ)
CAAATCTTGCATCTGTGATTATAAACTTTACTGGTGGTGTTTTTGCG (配列番号171)
及び
TCGACGCAAAAACACCACCAGTAAAGTTTATAATCACAGATGCAAGATTTGCATG (配列番号172)。
システインコンストレインドペプチド(cysteine constrained peptides)からできているライブラリーは所望の基質に結合するペプチドの選択のための良く知られた試薬(例えば、市販のPhD-C7C ファージディスプレイライブラリーキット、NEB)である。BBIはペプチド結合を選択するために用いられる各種方法で提示されるペプチドループに似た構造を有する2のシステインコンストレインド(cysteine constrained )反応部位ループを有する。従って、一旦システインコンストレインド(cysteine constrained )結合ペプチドが選択されると、BBIは結合反応における ペプチドを提供するためのスキャッフォールドとして使用するのに適している。
DNAオリゴヌクレオチドカセットを用いて、CK37281 ペプチド配列(ACYNLYGWTC)(配列番号43)で、トリプシン、キモトリプシン、又は両方の活性部位ループを置換することによりVegF 結合ペプチド CK37281 (例えば、2003年9月13日に提出された米国継続出願 60/520,403, 参照のこと。該出願を参照により本明細書に援用する。)をBBIの中へ移植した。構築を促進させるために、上で示すBowBeco_F 及びBowBeco_Rプライマーを用いたQuikChange(登録商標)部位直接変異誘発を用いて製造会社の説明書に記載従い、トリプシン及びキモトリプシン反応部位ループの間のBBI遺伝子(Operon Technologiesの合成品 ; 実施例16を参照のこと)のコード領域にEcoRIサイトを導入した (0.5 pmol の各プライマーを QuikChange(登録商標) 反応に用いた。97 ℃で3分間の第一変性工程の後、68 ℃で12分間、95 ℃で30秒間及び55 ℃で1分間のPCRサイクルを18回行い、その後に68 ℃で15分間の最終伸長を行った)。
トリプシン抑制ペプチドループの置換のために、2のDNAオリゴヌクレオチド(1BBCK81+及び1BBCk81-)をアニールし、SacI及びEcoRI反応部位に結合した。同様に、キモトリプシン抑制ループの置換のために、EcoRI及びSalIサイトをオリゴヌクレオチド(2BBck81+及び2BBck81-)のアニーリングにより作られたDNAカセットの挿入に用いた。CK37281ペプチドは、トリプシンループを初めにCK37281ペプチドで置換した後に、オリゴヌクレオチド(2BBck81+及び2BBck81-)を用いてキモトリプシンループの中にCK37281を挿入することにより両ループの中に移植した。トリプシンループ(1BBIck81)の中CK37281を有するBBIをSacI-SphIフラグメントとしてpJM103BB発現カセット内に移動した。キモトリプシンループ(2BBIck81)又は両者のループ(12BBIck81)の中のCK37281を有するBBIを、SacI-SalIフラグメントとしてpJM103BBIの中に挿入した。正確な配列はDNA配列決定を用いて確認した(12BBIck81遺伝子の配列は図16に示す)。得られたベクター、pJK103-1BBIck81、pJK103-2BBIck81又はpJK103-12BBIck81をバチルススブチルス(B. subtilis)BG3934comKの形質転換に用い、上の実施例1に示すように、BCE融合タンパク質の生産を確認した。
無細胞ブロスに存在する主要タンパク質である44kDa付近の融合タンパク質がSDS-PAGEで検出された。幾つかのケースにおいて、BCE触媒コアに対応する34 kDa付近の主要タンパク質バンドの存在により視認することができる有意なBBI部分の退縮(degradation)(50 %まで)(特にMBD倍地中で48時間以上育成した場合)が見られた。このケースにおいて、BCE103セルラーゼの力価は、野生型BBI(実施例16)に融合させて測定したものと同様であるが、BBIの活性は通常の半分以下であった。
育成の間のBBI変異体のタンパク質分解を減らすために(すなわち、融合タンパク質との比較においてSDS-PAGE上に存在するBCE103セルラーぜ触媒コアの量を減らすために)、9のプロテアーゼ遺伝子(degUHY32、oppA、△spoIIE3501、△aprE、△npf E、△epr、△ispA、△bpr、△vpr、△wprA、△mpr-ybiF、△nprB、amyE : : xylRPxylAcomK-phleo)を欠失させたバチルススブチルス(Bacillus subtilis)系統を発現宿主細胞として用いた。育成温度(35 ℃)及び通気量(200 rpm)を減らした。これらの変更により、主要融合タンパク質バンド(〜44 kDa)はBCE触媒コア(〜34 kDa)と思われる分子量で存在するバンドと大差なく、SDS-PAGE上で観察された。
BCE103セルラーゼのC末端に融合させたBBIのトリプシン及び/又はキモトリプシン活性部位ループへの置換を行ったときに、CK37281ペプチドに加えて、多くのシステインコンストレインドペプチド(cysteine constrained peptides)が生産された。特定の例はを以下に示す。
(1) 相補的な抑制因子として設計又は選択されたペプチド、第一又は第二反応部位ループへ導入されたコンプスタチン(compstatin)(Sahu etal., J. Immunol., 157: 884-891, [1996] 参照のこと)、C2c(第一ループ)、C3c(第一ループ)、C4c(第一ループ)、及びC5c(第一ループ)、又は1B、2B、4A、5A、6-1A、7A、8B、9A、10B、11-1A、12B、13A、及び15-1A (全て第二ループ)へ結合する反応においてFactor Bにより選択されたペプチド
(2) プロテアーゼファクターXa、又は角質溶解キモトリプシンXal(第二ループ)又はhSCC1(第一ループ)に結合するためのペプチド
(3) FGF5結合反応により選択されたペプチド; 1A6 (第一又は第二ループ)、1C2 (第一又は第二ループ)、2E2 (第一又は第二ループ)、2E5(第一、第二、又は両ループ), FGFns(第一又は第二ループ)、FGFkr(第一又は第二ループ)、FGFhl(第一又は第二ループ)、FGFgy (第一又は第二ループ)、MM005(第一又は第二ループ)、MM007 (第一、第二、又は両ループ)、MM009 (第二ループ)、MM010(第一、第二、又は両ループ)、MM017 (第二ループ)、FGFps1(第二ループ)、FGFps2(第一、第二、又は両ループ)、及びFGFpsB (第二ループ) 、及び
(4) TGF-1結合反応により選択されたペプチド;1A8(第二ループ)、lA12 (第二ループ), lE11 (第二ループ)、TGFpsl(第二ループ)及びMM021 (第二ループ)。
(5) VEGF結合反応における、VegK(第二ループ)、VegT(第二ループ)、VegKD(第二ループ)、及びVegDK(第二ループ)から選択されるペプチド。
これらのペプチドをトリプシン(第一ループ)又はキモトリプシン(第二ループ)活性部位ループのいずれかへ導入するために用いるオリゴヌクレオチド及びこれらのペプチドをBBIに移植するために用いる方法は上に記載されている。全てのケースにおいて、生産された融合タンパク質をDSD-PAGEゲルにより評価した。CK37281置換ペプチドに対して説明したのと同様に、幾つかの置換ペプチドをもちいて、タンパク質分解を減少させることによりにより無傷の融合タンパク質の生成量が高められた。
実施例18
チオール還元/酸化試薬によるBBIの活性化
育成の後の(トリプシン又はキモトリプシンの抑制による)BBIの活性は、(2の分子が融合タンパク質の中で1:1のモル比で存在する)無細胞上清中で測定されるBCE103セルラーゼの活性から予想されるものよりも通常5乃至20倍低い。BCE103-BBI融合タンパク質中のBBI活性の増加(トリプシン又はキモトリプシン抑制により測定される)は、接種の後、1-4mMの濃度のbMEをMBD成長培地に添加した後14時間育成することにより確実に得ることができる。融合タンパク質中のBBIのトリプシン又はキモトリプシン抑制活性は、結合ペプチド(例えば、VergF結合ペプチドCK37281)をキモトリプシン又はトリプシン反応部位ループにそれぞれ置換したときよりも低くなる。野生型BBIを用いて、bMEで処理することによって、抑制活性は増加させることができる。予想しないことに、これらの試験においてBBI育成の間の活性における他のチオール還元試薬(例えば、システイン、還元グルタチオン、DL-ジチオスレイトール(dithiothreitol)及びトリス[2-カルボキシメチル]フォスフィン)の影響は小さいか、無視できる程度であった。抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸又はDL-α酢酸トコフェロール)、他のアジュバンド(例えば、イソロイシン、ダイズオイル、Tween(登録商標)-80)を培地に添加すること、又は30 ℃における育成も、BCE103:BBI活性の比を改善しなかった。
特に育成の間のBBI活性を決定するために、p2JM103-E3-2BBIcK81(以下実施例19を参照のこと)で形質転換させたバチルススブチルス(B. subtilis)BG6006を含む培地を、250mlの振とうフラスコ内で37 ℃、13時間、40 mlのMBD中で育成した。その後、図17で示すチオール還元試薬を添加し、62時間の育成の後に細胞の上清を収穫した。2-メルカプトエタノール(BME)、システイン(Cys)、還元グルタチオン(Glut)及びDL-ジチオスレイトール(DTT)を図17に提供されているグラフで示す最終濃度になるように成長培地に添加した。5 mM βMEの濃度はより良いBCE103:BBI活性比となったが、通常は、試薬の添加がバクテリア成長を減少させることから、BCE103及びBBI力価は全体的に減少した(図17参照のこと)。BCE103及び2BBIck81の力価は実施例1で説明したアッセイを用いて測定した。
融合タンパク質を作動している振とうタンク又は発酵槽から得られた無細胞ブロスから精製した。このブロスを、ろ過し、5乃至10倍の水で希釈し、pHを7.5乃至8.0に調製した。希釈サンプルはQセファロースレジン(GH healthcare)を充填したカラムに負荷した。このカラムを50 mMトリスpH 7.5で洗浄し、300 mM NaClを含む同じ緩衝液で再度洗浄した。融合タンパク質は、700 mMのNaClで溶出した。
BBIを活性化させるために収集された融合タンパク質分画を10倍のアッセイ緩衝液の中で溶出し、その後、2 mMのβME及び0.2 mMの酸化グルタチオン(GSSG)を添加し24時間室温で、スターラープレート又はロックプラットフォーム上で攪拌を続けることにより処理した。BBIは、BCE103セルラーゼで測定される濃度にもとづき予測されるトリプシン抑制活性の70乃至100%を達成した。上で概説した活性化方法は、通常最良の結果を出すけれども、幾つかのケースにおいて、所与のサンプルの活性を最大化するために96ウェルプレートにおいて、スクリーニングを行った。最初にスクリーニングする典型的な条件は、アッセイ緩衝液による希釈倍率(例えば、2乃至50倍の連続希釈)、βME濃度(例えば、連続する0.5乃至5 mM)及び酸化グルタチオン濃度(例えば、0 mM、1/20乃至1/2 βME濃度)である。
BCE-lnk2-2BBIck81融合タンパク質の活性化を図18に示す。この特定の態様において、Qセファロース精製後の融合タンパク質を0.005 %のTween(登録商標)-80含むダルベッコPBS(Mediatech)を用いて1:10に希釈した。βメルカプトエタノールを3 mMの最終濃度で添加し、振とう機上で室温、一晩インキュベートした。このサンプルは、更に磁気攪拌プレート上で激しく攪拌しながら60時間室温でインキュベートした。(βMEで処置する前後の)BCE103及び2BBIck81の力価を、それぞれ、セルラーゼアッセイ及びトリプシン抑制アッセイにより決定した。
幾つかの態様において、大容量発酵槽のからの無細胞ブロス中のBBI又はその変異体の活性化のような、活性化反応において、希釈及びβME濃度を減少させることが好ましい。このことは、高濃度緩衝液(500 mMトリスpH 6.8)、又はCHES等(CAPS、トリシン、TAPS及び他の適切な両性イオン緩衝液)の両性イオン緩衝液に変更することにより達成できる。例えば、無細胞ブロス(又はイオン交換クロマトグラファイーにより精製された融合タンパク質分画)は375 mMのCHES pH 6.8中、0.005 %のTWEEN(登録商標)-80で希釈し、その後に、1 mMのβME及び10 mMのNa2SO3で活性化し、攪拌しながら室温で24時間インキュベーションする。BCE103セルラーゼ融合変異体等のBBIあるいはこの変異体の力価はこの方法により、(BCE103セルラーゼ活性に基づく)予測値に対して70乃至100 %まで活性化することができる。
実施例19
BCE103-BBI融合タンパク質の切断による遊離BBI/変異体の放出
この実施例は、BCE103-BBI融合タンパク質を切断による遊離BBI又はその変異体の放出について説明する。
培地育成の間にBCE103触媒ドメイン及びBBIの間に切断可能部位を作り出すために、アニールされ、pJM103のBamHI及びSacIサイトへ結合するDNAオリゴヌクレオチドペアの配列を以下に示す。
BCEsubBBI (スブチリシンタイプ感受性ペプチド配列) GATCCAGGTGGAGCTGCTTTAGTTGACGATGAGAGCT(配列番号173)
及び
CTCATCGTCAACTAAAGCAGCTCCACCTG(配列番号174)
BCEcbdLBBI (1st CBD の一部) GATCCAGGTGAACCTGACCCAACTCCTCCATCTGATCCTGGAGAATACCCAGCTTGGGACGATGAGAGCT (配列番号175)
及び
CTCATCGTCCCAAGCTGGGTATTCTCCAGGATCAGATGGAGGAGTTGGGTCAGGTTCACCTG(配列番号176)
BCEproBBI (BBI 完全プロペプチド)
GATCCGGCGAACCTGCGTCTGTCTAAGCTTGGCCTGCTTATGAAATCAGACCATCAGCACAGCAATGACGATGAGAGCT (配列番号177)
及び
CTCATCGTCATTGCTGTGCTGATGGTCTGATTTCATAAGCAGGCCAAGCTTAGACAGACGCAGGTTCGCCG (配列番号178)
BCEshortproBBI (BBIプロペプチドのC末端タンパク質)
GATCCAAAATCAGACCATCAGCACAGCAATGACGATGAGAGCT(配列番号179)
及び
CTCATCGTCATTGCTGTGCTGATGGTCTGATTTTG(配列番号180)。
BCE103セルラーゼの第二CBDリンカーへBBIを融合するために、へアニールされ、p2JM103-BBIのBamHI及びSacI部位へ結合されるDNAオリゴヌクレオチドペアの配列を以下に示す。
BCEcbdDBBI
GATCCAGGAGAACCGGACCCAACGCCCCCAAGTGATCCAGGAGAGTATCCAGCATGGGATTCAAATCAAATTTACACAAATGAAATTGTGTATCATAACGGTCAGTTATGGCAAGCGAAATGGTGGACACAAAATCAAGAGCCAGGTGACCCATACGGTCCGTGGGAACCACTCAAATCTGACCCAGAT TCAGACGATGAGAGCT (配列番号181)
及び
CTCATCGTCTGAATCTGGGTCAGATTTGAGTGGTTCCCACGGACCGTATGGGTCACCTGGCTCTTGATTTTGTGTCCACCATTTCGCTTGCCATAACTGACCGTTATGATACACAATTTCATTTGTGTAAATTTGATTTGAATCCCATGCTGGATACTCTCCTGGATCACTTGGGGGCGTTGGGTCCGGTTCTC CTG (配列番号182)。
アスパラギン酸及びプロリン残渣の間の酸切断をするのに適したペプチド配列を以下に示す。
リンカー1 - WGDPHY (配列番号183)(Lidell et al, J. Biol. Chem. 278:13944-51 [2003])
リンカー2 - DNNDPI (配列番号184)(Segalas et al, FEBS Lett., 371 : 171-175 [1995])
リンカー3 - VVADPN (配列番号185)(Kemperman et al, Appl. Env. Microbiol., 69: 1589-1597 [2003])
QuikChange(登録商標)部位直接変異誘発によりBssHII部位をpJM103BBIへ導入するために用いるオリゴヌクレオチドプライマーを以下に示す。
BCEbss-F
5'-TGGCGTTCAGCAACATGAGCGCGCAGGCTGATGATTA (配列番号186)
BCEbss-R
5'-TAATCATCAGCCTGCGCGCTCATGTTGCTGAACGCCA (配列番号187)。
BBIの停止コドンの後にHIndIII及びXhoI部位を導入し、LATの後にPacI部位を導入し、本来のHindIII部位を除去するためのカセット(SalI-HindIII)としてアニールされるDNAオリゴヌクレオチドの配列を以下に示す。
BCEterm+
5'-GACATCACGGACTTCTGCTATGAGCCATGTAAACCAAGCGAGGACGATAAAGAGAACTAAAAGCTTAACTCGAGGTTAACAGAGGACGGATTTCCTGAAGGAAATCCGTTTTTTTATTTTTAATTAAG (配列番号188)
BCEterm-
5'-AGCTCTTAATTAAAAATAAAAAAACGGATTTCCTTCAGGAAATCCGTCCTCTGTTAACCTCGAGTTAAGCTTTTAGTTCTCTTTATCGTCCTCGCTTGGTTTACATGGCTCATAGC AGAAGTCCGTGATG (配列番号189)。
BCE103触媒ドメイン及びBBIの間に挿入される上で提供される酸ラベルリンカー(すなわち、リンカー1、リンカー2及びリンカー3)を生成するために用いるPCRプライマーを以下に示す。
BCE103coreBssHII_FW
5' -CAGCAACATGAGCGCGCAGGCTG (配列番号190)
リンカーWGDPHY_RV
5'-ATCGTCTGGATCCGGATAGTGGGGGTCTCCCCAAGATGCTGATTCTCTTATTTTTTCCC (配列番号191)
リンカーDNNDP_RV
5'-ATCGTCTGGATCCGGTATGGGATCATTGTTGTCAGATGCTGATTCTCTTATTTTTTCCC (配列番号192)
リンカーVVADPN_RV
5' -ATCGTCTGGATCCGGGTTGGGATCTGCAACTACAGATGCTGATTCTCTTATTTTTTCCC (配列番号193)。
上で説明する第一CBDリンカーに挿入する酸ラベルリンカーを生成するために用いるPCRプライマーを以下に示す。
BCE103corePstI_FW
GCATAAGGAT GAGTCATCTG CAGCG (配列番号194)
LplusWGDPHY_RV
5'-ATCGTCTGGATCCGGATAGTGGGGGTCTCCCCACGGTTCTCCTGGATCAGATGGCGG (配列番号195)
LplusDNNDPI_RV
5'-ATCGTCTGGATCCGGTATGGGATCATTGTTGTCCGGTTCTCCTGGATCAGATGGCGG (配列番号196)
LplusVVADPN_RV
5'-ATCGTCTGGATCCGGGTTGGGATCTGCAACTACCGGTTCTCCTGGATCAGATGGCGG (配列番号197)。
BBI及びBCE103触媒ドメインの間に挿入された酸ラベルリンカーのタンパク質配列を以下に示す。酸ラベルリンカーを太字で示し、第一CBDドメイン配列を下線で示す。
リンカー 1
BCE-WGDPHY-PDP-BBI (配列番号198)
リンカー2
BCE-DNNDPI-PDP-BBI (配列番号199)
リンカー3
BCE-WADPN-PDP-BBI (配列番号200)
リンカープラス1
BCE-IPPSDPTPPSDPGEP-WGDPHY-PDP-BBI (配列番号201)
リンカープラス2
BCE-IPPSDPTPPSDPGEP-DNNDPI-PDP-BBI (配列番号202)
リンカープラス3
BCE-IPPSDPTPPSDPGEP-WADPN-PDP-BBI (配列番号203)。
精製工程の間にBBI及びBCE103触媒ドメインの間に切断可能部位を生成するために、アニールされ、pJM103-BBIのBamHI及びSacIへ結合されるDNAオリゴヌクレオチドペアの配列を以下に示す。
BCEentBBI (エンテロペプチダーゼ切断部位)
GATCCAGGTGGAGACGACGATGACAAAGACGATGAGAGCT (配列番号204)
及び
CTCATCGTCTTTGTCATCGTCGTCTCCACCTG (配列番号205)
BCEgenenlBBI (ゲネナーゼI 切断部位)
GATCCAGGTGCTGCTCATTACGACGATGAGAGCT (配列番号206)
及び
CTCATCGTCGTAATGAGCAGCACCTG (配列番号207)。
精製工程の間にBBI及びBCE103触媒ドメインの間に挿入される切断可能部位を生成するために、へアニールされ、pJM103-lnk2-1BBIck81のBamHI及びSacI結合されるDNAオリゴヌクレオチドペアの配列を以下に示す。
BCEfurinBBI (フリン/ブリステラーゼ切断部位)
GATCCACGTGCTAAAAGAGACGATGAGAGCT (配列番号208)
及び
CTCATCGTCTCTTTTAGCACGTG (配列番号209)
BCEgenen2BBI (ゲネナーゼI 切断部位)
GATCCAGGCGCTGCACACTACAACGACGATGAGAGCT (配列番号210)
及び
CTCATCGTCGTTGTAGTGTGCAGCGCCTG (配列番号211)
BCEfIeBBI (Mpr切断部位)
GATCCATTCCTTGAAGACGATGAGAGCT (配列番号212)
及び
CTCATCGTCTTCAAGGAATG (配列番号213)。
QuikChange部位直接変異誘発(Stratagen)を用いてリンカー2へE及びE3リンカーを導入するために用いるオリゴヌクレオチドプライマーペアの配列を以下に示す。
BCE-Elnk-BBI (Mpr切断部位)
CCCATACCGGAGCCAGACGATGAGAGCTC (配列番号214)
及び
CATCGTCTGGCTCCGGTATGGGATCATTGTTG (配列番号215)。
BCE103触媒ドメイン及びBBIの間のE3リンカーのタンパク質配列はDNNDPIPEP[DDESFNMPIPEP] (配列番号216)である。この配列において、Eリンカーを下線で示し、大腸菌における間違った組換えにより生成された配列を太字([]ので囲む配列)で示す。Mpr(又はV8プロテアーゼ)による切断はE3リンカーの中にある3のグルタミン酸のいずれかの後に引き起こすことができる。従って、この構築体は、BCE-(配列番号216)-BBIとなる。
BBI及びBCE103触媒ドメインの間に挿入されるGenenase I切断可能部位を生成するために、へアニールされ、p2JM103-lnk2-2BBIck81のBamHI及びSacIへ結合されるDNAオリゴヌクレオチドペアの配列を以下に示す。
BCEgenen3BBI
GATCCAGGCGCTGCACACTACAAATCAGACCATCAGCACAGCAATGACGATGAGAGCT (配列番号217)
及び
CTCATCGTCATTGCTGTGCTGATGGTCTGATTTGTAGTGTGCAGCGCCTG (配列番号218)
BCEgenen4BBI
GATCCAGGCGCTGCACACTACGTAGAATTTCAAGACGATGAGAGCT (配列番号219)
及び
CTCATCGTCTTGAAATTCTACGTAGTGTGCAGCGCCTG (配列番号220)。
BDE103触媒ドメイン及びBBIの間に挿入されるGenenase I感受性切断部位(酸感受性及びMpr感受性でもある)のタンパク質配列は、DNNDPIPDP[GAAHYVEFQ] (配列番 221)である。GeneaseI部位(Gen4 リンカーは太字([]ので囲む配列)で(チロシン及びバリンの間に発生する切断)(NEB)、リンカー2は下線で示。Mprによる切断もGen4リンカーの中のバリンの後のグルタミンの後に発生させることができる。本発明で用いられる配列はBCE-(配列番号 221)-BBI である。
BCE103-lnk2-2BBIck81融合タンパク質における切断部位を以下に示す。BCE103触媒ドメイン(下線)のC末端のアミノ酸、リンカー2配列(太字)及び2BBIck81配列を示す。酸/熱に不安定なAsp-Pro結合は塗りつぶし矢印、グルタミン酸の後のMpr感受性結合は線矢印で示した。
遊離BBI又はその変異体を単離するために、BCE103-BBI融合タンパク質からBBI部分を切り離すことが必要になる。幾つかの態様において、バチルススブチルス(B. subtilis)により製造される固有のプロテアーゼを用いてこれは育成の間に行われる。幾つかの代替的な態様において、この切断は育成の後の精製工程(例えば、酸/熱又はタンパク質分解切断)dで行われる。リンカーは育成の間の切断に感受性を有する可能性のあるものが設計され(上記、sub、cbdl、pro、shortpro、及びcbdD)、BamHI-SacIカセットとして、pJM103BBI又はp2JM103BBI発現ベクター内でクローニングされる。融合タンパク質に対するBCE103触媒ドメインの生成は実施例1で説明されるSDS-PAGEゲル上で解析された。
proリンカーを除く、全てのリンカーにおいて、BCE103触媒コアに対応する大きなバンドのほかに、ほぼ完全に切断されていると考えられる融合タンパク質の小さな切断が観察された。不幸なことに、育成の間に切断を行うと無細胞上清中で測定されるBBI活性は無視できるほどとなり、SDS-PAGEゲル上で同定するされるBBIバンドを生じなかった。本発明を特定の方法又は理論に制限することは意図しないけれども、BBIはその不活性形態において、タンパク質分解に影響を受けやすいことが明らかでる。従って、活性化後の精製工程の間に切断することが通常好ましい。
幾つかの態様において、アスパラギン酸及びプロリン残渣の間の結合は、当該技術分野で知られている様に、酸性pHにおける熱処理により切断される(Landon, Meth. Enzymol., 47: 145-149 [1977] )。BCE103セルラーゼの中の第一CBDリンカーは酸/熱処理により切断される可能性のある3のAsp-Proペプチド配列を有する(図1を参照のこと)。しかしながら、これらの部位において、酸/熱処理による切断は効率が悪いことがわかった。特に酸/熱に不安定なタンパク質配列は文献に記載されている。そのような3の配列は、WGDPHY (配列番号 183)、DNNDPI (配列番号 184)、及びWADPN (配列番号 185) (すなわち、リンカー1、2、及び3)である。
これらの酸に不安定なリンカーが、BCE103-BBI発現ベクター、pJM103BBI、へ導入される前に、QuikChange(登録商標)XL(Stratagene)変異誘発部位を用いて(8分間の伸長時間、及び1分間の変性工程を用いる以外は、製造会社の説明書に従い、実施例17で述べた方法を用いて)、BCEbss_F及びBCEbss_R(上記)のオリゴヌクレオチドを用いて、aprEシグナル配列コード領域にaBssHII部位を挿入した。その後、HindIII及びXhoI部位をLATターミネーター(BBI停止コドンの後の)の前に挿入し、SalI及び元のHindII部位へのオリゴヌクレオチドカセット(BCEterm+及びBCEterm-;上記)の挿入により、このターミネーター(LATターミネーターの後のオリジナルHindIII部位)の後にPacI部位を付加した。この新しいベクターを「p2JM103BBI」と称した。
前方向プライマー、BCE103coreBssHII_Fw、リンカーWGDPHY_R、リンカーDNNDPI_RV又はリンカーVVADPN_RV(配列は上記)の各リバースプライマーを用いて、及びpJM103BBIをテンプレートとして用いたPCRにより、酸に不安定なリンカーフラグメントを製造した(PCR手順については実施例16を参照のこと)。970 bpのPCRフラグメントをBanHI及びPstIで消化し、酸リンカーフラグメントをコードしている154 bpのフラグメントを電気泳動の後、アガロースから単離し、BanHI及びPstIで消化ししたpJM103ベクター内へ結合した。最終発現ベクターにおけるリンカー配列、p2LM103lnk-BBI、p2JM103lnk2-BBI及びp2JM103lnk-BBIをDNA配列決定により確認した。
有能なバチルススブチルス(B.subtilis)系統、BG3934comK又はBG6006を、プラスミドを用いて形質転換し、コロニーを5 μg/mlクロラムフェニコールを含むLAプレート上で選択し、実施例1で説明する様に、25 μg/mlクロラムフェニコールを用いて増幅した。
同様に、第一CBDリンカーに挿入した。特に、PCRフラグメントは、前方向プライマー、BCE103corePstI_FW、LplusDNNDPI_RV又はLplusVVADPN_RVのリバースプライマー(配列を上に記載)を用いて、テンプレートをp2JM103BBIとして酸に不安定なリンカーを生成した。150 bpのフラグメントを、BamHI及びPstIを用いて消化し、精製し、BanHI及びPstIを用いて消化したp2JM103BBIに結合した。正確な配列をDNA配列決定法により確認し、上で述べたように、p2JM103plnk-BBI、p2JM103plnk2-BBI及びp2JM103pllnk3-BBIは、バチルススブチルス(B. subtilis)の形質転換に用いた。
MBD培地での育成の後、上で説明した(実施例17を参照のこと)イオン交換クロマトグラフィーにより融合タンパク質を精製した。融合タンパク質は10 %のギ酸中、55 ℃、16時間での処理することにより切断された。BCE103触媒ドメインは、酸処理の間に沈殿し、遠心分離により分離された。上清中の遊離BBIをスピードバク(SpeedVac)で一晩乾燥した。SDS-PAGEゲルに負荷する前に50 mMトリスpH 8の中にサンプルを懸濁した。SDS-PAGEのタンパク質染色解析により、酸切断は、リンカー2がBCE103触媒ドメイン及びBBI(BCE-DNNDPI-PDP-BBI)の間に挿入されている場合には、融合タンパク質において有効であることが観察された。このリンカーは、pH 2、75 ℃、20 mMのグリシン中で数時間処理することで切断されることがわかった。
代替的な態様において、精製工程の間にプロテアーゼで処理することにより融合タンパク質を切断した。グルタミン酸特異プロテアーゼ(例えば、Mpr又はV8プロテアーゼ)、フリン/ブリスターゼ、GenenaseI及びエンテロペプチダーゼ(エンテロキナーゼ)に対する切断部位を用いてリンカーを消化した。リンカーは、BenHI及びSacI部位を用いて、発現ベクター中のBCE103触媒コア及びBBIの間にオリゴヌクレオチドカセットとして(配列は上に記載)導入された。オリジナルの発現ベクター(pJM103BBI)のコード領域において、第一CBDドメインの中及びBBIの中の第三残渣にバチルススブチルス(B. subutilis)Mpr又はV8プロテアーゼ等のグルタミン酸特異プロテアーゼにより切断されやすいと予測されるグルタミン酸残渣がある(図14)。しかしながら、BsMpr又はV8プロテアーゼのいずれもがこれらの部位でBCE-BBI融合タンパク質を切断することが困難であることがわかった。従って、これらのプロテアーゼにより切断されやすい他のリンカーを設計することが必要であった。
上で説明した6の不安定なリンカーの切断をBsMprにより試験した。これらの融合タンパク質は室温で、16 μgのBsMprを用いて16時間処理することにより切断された。切断の後、BCE103触媒ドメインを10 %のギ酸を添加することにで乾燥させた。DSD-PAGEに負荷する前に50 mMトリスpH 8にサンプルを懸濁した。酸切断と同様、BCE-DNNDPI-PDP-BBI(リンカー2)融合タンパク質は、他のリンカーのどれよりもBsMprで効果的に切断された。それゆえ、BBI及びその変異体は、酸/熱処理又はBsMpr等のグルタミン酸特異プロテアーゼを用いたタンパク質分解のいずれかによりBCE-DNNDPD-PDP-BBI融合タンパク質から、効果的に放出されていることがわかった。Mprにより切断されるように設計された幾つかの他のリンカーも試験されたが、リンカー2よりも効果的なこのはなかった(E3リンカーは、Eリンカーを構築するために意図されたQuikChange(登録商標)部位切断変異誘発を用いた形質転換の後に大腸菌内の誤った組換えにより生成された)。上に示す様に、リンカー2の中に、酸/熱に不安定な切断部位と、Mrpにより切断されやすい3の部位がある。
フリン又はブリスターゼ(NBE)(BCEfurinBBI)又は、エンテロペプチダーゼ(エンテロキナーゼ、NEB)(BCEentBBI)による切断のために構築されたリンカーが試験されたが、これらのプロテアーゼより効果的に切断された配列はなかった。4のリンカー(BCEgenen1BBI、BCEgenen2BBI、BCEgenen3BBI、及びBCEgenen4BBI)も消化され、GenenaseI(NEB)による切断について試験された。融合タンパク質の効果的な切断は、Gene4リンカー(BCEgenen4BBI)を用いたときに観察された。BsMprもまた、Gene4リンカーを効果的に切断した。
精製されたBCE-lnk2-2BBIck81融合タンパク質の活性化の後の、BsMprによる切断はSDS-PAGE上では観察されなかった。しかしながら、リンカー2(又はGen4リンカー)を有するBCE-BBI融合タンパク質の活性化の後の切断は、バチルスリケニフォルミス(Bacillus lichenifornais)から単離されたMprプロテアーゼ(BIMpr)を用いて成し遂げることができる。本発明を特定のメカニズムに限定することは意図しないけれども、成熟BBIの中の3番目のアミノ酸の切断はBIMprに対してより感受性があることが明らかである一方で、BBIのC末端から6番目のアミノ酸はBsMpr切断に対してより敏感である。
幾つかの態様において、切断の後、BBIは、上で述べるBCE103触媒ドメインの選択的酸沈殿(pH3以下)により、イオン交換クロマトグラフィー(実施例20を参照のこと)、又は、50mMトリスpH8.0を用いた無水トリプシンアガロースに負荷し、150mMNaClで50mMトリスpH8.0を洗浄し、その後、300mMNaClde,pH2.2 50mMグリシンで結合BBIを溶出することにより、BCE103触媒ドメインから単離精製された。
実施例20
BBIck81のVegFへの結合
本実施例は、BBIcK81のVegFへの結合を評価するために行う試験について述べる。BCE103-lnk2-2BBIck81融合タンパク質は実施例2で述べたように、バチルススブチルス(B. subtilis)を用いて生成された。融合タンパク質を生成し、実施例3に記載されているように、βME及び酸化グルタチオンを用いた処理により、BBIトリプシン抑制活性が増加された。融合タンパク質はBsMprプロテアーゼ(実施例19参照のこと)により切断され、Qセファロースカラムを用いたイオン交換クロマトグラフィーによりBCE103触媒ドメインから2BBIcK81を精製した。
すなわち、切断の後、切断されたサンプルのpHを5.5に調製し、このサンプルをその後、(pH5.5 25mMMESを用いて平衡化した)カラムに負荷した。遊離2BBIck81は、25mM酢酸ナトリウムをカラムに通すことにより洗浄されるが、BCE103触媒コアは樹脂に結合したままであった。2BBIcK81分画は精密ろ過により濃縮され、結合アッセイ(Bio Veris)に基づく、電気化学発光(ECL)分析を用いて解析された。抗-VegF抗体(Santa Cruz)及びVegF(Pepro Tech)は、製造会社(Bio Veris)の説明書に従って電気化学発光ダイ及びビオチンでそれぞれ標識した。全ての材料は0.1 %Tween(登録商標)-80を用いてダルベッコPBS(Mediatech)中に溶解した。抗-VegF抗体の一連の希釈物(125、250、及び500 ng/ml)及びVegFの一連の希釈物(100、150、200及び250 ng/ml)は、強固なECLシグナルを与える濃度を決定するためにアッセイされた。
2BBIck81結合テストのために、50 μLの500 ng/ml ECL標識抗-VerF抗体、50 μLの250ng/mlビオチン標識VegF及び100 μL 2BBIcL81(12.5、15、31.25、62.5、125、250又は500 ng/ml)を振とうしながら、室温で2時間インキュベーションした。その後、50 μLの0.2 mg/mlストレプトアビジンコートビーズを添加し、室温で30分インキュベートした。ECLシグナルは、製造会社(Bio Veris)の説明書に従い、Bio Veris M8/384解析を用いて測定した。図19に示すように、ECLシグナルは2BBIck81濃度が増加する毎に減少した。標識された抗-VegF抗体のより多くが磁気ビースが付着しているVegFに結合したことを示す。
従って、CK37281ペプチドは、BBIキモトリプシン抑制ループ(2BBIcK81)上に移植されたときに、μモルの濃度で抗-VergF抗体とVegFの結合について競合することがわかった。実際には、2BBIck81はVegF結合に対して、合成CK3781ペプチド自身よりも強固に競合することがわかった(図6参照のこと)。CK37281ペプチドは、トリプシン抑制ループ、1BBIc81内に挿入され、Bio Verisアッセイにおいて、抗-VegF抗体と競合した。従って、BBIは各種スクリーニング法により選択される本発明の活性結合ペプチドのスキャッフォールドとして有用である。
実施例21
2BBIck81の生産に対する融合代替パートナーの使用
本実施例は、融合代替パートナーを評価するための試験を説明する。pET-40(+)由来のdsbc遺伝子(大腸菌)を増殖させるのに用いるオリゴヌクレオチドプライマーのDNA配列を以下に示す。このプライマーはp2JM103-Gen4-2BBIck81内へのクローニングのために5’末端にBssHII部位を、3’末端にBanHI部位を生成する。
DsbCBBI-F
AACATGAGCGCGCAGGCTGATGACGCGGCAATTCAACAAACGTTAG(配列番号223)
DsbCBBI-R
TCGTCTGGATCCGGTATGGGATCATTGTTGTCACCAGAACCACTAGTTGATCCTTTACCGCTGGTCATTTTTTGGTG (配列番号224)。
リンカー2を有するBBIへ、シュードモナスメンドセラ(P.mendocina)クチナーゼ遺伝子の融合のためのカセット(Alw44I-BanHI)を作るために共にアニールされるオリゴヌクレオチドのDNA配列を以下に示す。
CutinaseBBI+
TGCACTTCTCTGCTTTGGTCTGTTGAACGCAGAGGTCTTGACAACAATGATCCTATTCCG (配列番号225)
CutinaseBBI-GATCCGGAATAGGATCATTGTTGTCAAGACCTCTGCGTTCAACAGACCAAAGCAGAGAAG (配列番号226)。
BI部分は7個のジスルフィド結合を有することから、BCE103セルロース触媒ドメイン以外の融合タンパク質を用いて、活性BBIの高い力価が得られることが予測される。例えば、幾つかの態様において、チオールジスルフィド酸化還元酵素及び/又はタンパク質ジスルフィドイソメラーゼは正しく折りたたまれたBBIを生産するための融合タンパク質として用いられる。この態様において、追加的な活性化ステップが大部分の環境下において必要とされない。追加的な態様において、バチルススブチルス(B. sbutilis)の中で高い力価で製造される他のタンパク質も融合パートナーとして用いることができる。例えば、フミコーラインソレンス(Humicola insolens)由来の熱安定タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(hiPDI)は、バチスルスブレビス(Bacillus brevis)の中の免役グロブリンの軽鎖(2ジスルフィド)の融合パターンとして用いられている(Kajino et al., Appl. Env. Microbiol. , 66:638-642 [2000])参照のこと。
BBI生産に関して、hiPDIがBCE103よりも良い融合パートナーであるかどうかを決定するために、hiPDI遺伝子を合成し(DNA2.0)、発現ベクター、p2JM103-lnk2-2BBIck81(実施例4を参照のこと)、の中で、BssHII-SacIフラグメントとしてクローニングした。制限部位が導入された又は欠失されている場合を除き、高頻度で、高発現するバチルススブチルス(B. subtilis)遺伝子の発生コドンが合成遺伝子の設計のために選択された。最終濃度において、成熟hiPDI遺伝子のN末端をAprEシグナル配列に融合し、C末端はエンテロペプチダーゼ切断部位を有するリンカーに融合した(Kajino et al., Appl. Env. Microbiol. , 66: 638- 642 [2000])。それらを順番に、2BBIck81(実施例19参照のこと)に融合する。この発現ベクター、p2JM-PDI-EK-2BBIck81はバチルススブチルス(B.subtilis)BG6006を形質転換するために用いた。融合タンパク質の生成はMBD培地中で(実施例16で説明したように)2mMβMEを添加、あるいは無添加した状態で、接種後14時間で評価に用いた。
SDS-PAGEゲルにより評価されるように、PDI-2BBIck81融合タンパク質の生産は、通常同じ条件で育成されたBCE-2BBIck81によりわずかに少ない。PDI-2BBIck81細胞を含まない上清を用いて測定された(トリプシン抑制)BBI力価も又、通常BCE-2BBIck81融合細胞よりもわずかに少なかった。BCE103への融合と同様に、PDIへ融合させたときに測定されるBBI力価は、2mMβME中で育成したときに高くなり、BBI活性はβMEフリー培地中で育成したときの育成の後、細胞フリー上清にβMEを添加することにより高められた(実施例3に記載されているように)。したがって、PDIのチオールジスルフィド酸化還元活性は、融合タンパク質の中の活性か2BBIck81の力価を有意に改善しなようであり、BBI分子を活性化する必要を排除した。
育成の間のBBI力価を改善すると思われる融合タンパク質の還元電位を増加させるために、大腸菌(Escherichia coli)由来のDsbCが2BBIcK81に対する融合パートナーとして用いられた。dsbC遺伝子は、DsbCBBI-F及びDsbCBBI-Rをプライマーとして用いて(配列は上に記載)、pET-40(+)(Novagen)をテンプレートとして用いて、製造会社(Stratagen)の説明書に従い、Herculase Enhanced DNA ポリメラーゼを用いたPCRにより増幅させた。単離されたPCRフラグメントはベクターp2JM103-Gen4-2BBIck81(実施例4を参照のこと)の中で、BssHII-BsmHIフラグメントとして用いてクローニングした。融合遺伝子の正確な配列はDNA配列決定により確認された。このケースにおいて、DSbC-2BBIck81融合タンパク質の力価はSDS-PAGEゲル上で判断した時に、BCE-2BBIck81融合タンパク質よりも有意に低かった。トリプシン抑制により測定される活性2BBIck81力価も又十分に低かった。
バチルススブチルス(B. subutilis)の中で高い力価を伴い生産される他のタンパク質は、BBIの生産に対する融合パートナーとして用いることができる。そのようなタンパク質の一つは、バチルススブチルス(B. subutilis)由来のaprEプロモーターを用いて高力価が発現されるシュードモナスメンドシナ(Pseudomonas mendocina)由来のクチナーゼである(参照により本発明の明細書に援用される米国特許5,429,950参照のこと)。apr-Eクチナーゼ遺伝子融合(体)は、EcoR1-Aln44Iフラグメント(pAK-15由来)として、Alw44I-BamHIリンカーオリゴヌクレオチドカセット(配列は上記)を用いて、EcoRI及びBamHIを用いて切断されたp2JM103-lnk2-2BBIck81(実施例4参照のこと)へ結合した。このクチナーゼ-リンカー2-2BBIcK81発現ベクターは、バチルススブチルスBG6006細胞の形質転換に用いて、融合タンパク質はMBD培地の中で他の融合タンパク質に対して記載したのと同様に生産された(実施例1参照のこと)。このケースにおいて、クチナーゼリンカ−2-2BBIck融合タンパク質はSDS-PAGE上で見られる主要バンドではなく、測定されたリパーゼ力価(米国特許5,429, 950に記載の方法を用いて測定された)及びBBIの力価はBCE-2BBIck81融合タンパク質で見られたものよりも大部低くなっていた(20倍)。クチナーゼ融合タンパク質中のBBI力価は育成培地に、3mMのβMEを添加したときにも改善されなかった。したがって、活性2BBIck81の最高力価はBCE-2BBIck融合タンパク質の活性化により、確実に得られるのである。しかしながら、各種融合タンパク質も本発明に用いることができるだろう。
本明細書中で言及する全ての特許及び文献は本発明の技術分野における出願時の技術常識を示している。全ての特許及び文献が明確かつ別個に示している内容を参照により本発明の明細書に援用する。
本明細書に開示されいてる好ましい態様を用いて、当業者が開示されている態様の変法をなすことができることは明らかであり、そのような変更は発明の範囲内である。
本発明は課題を実行するために最適化されており、本明細書に内在するものだけでなく、目標及び有利な結果を得るために適していることを当業者は容易に理解する。本明細書で開示されている組成物及び方法は好ましい態様の代表例であり、例示であり、本発明を限定するものではない。当業者が本明細書に開示されている発明の各種置換、及び変更を本発明の範囲及び精神から逸脱することなくなしうることは明らかである。
本明細書で例示する発明は、本明細書で特に開示されていない、構成要素、限定を伴わずに実行することができる。採用された文言及び表現は説明のために用い、限定のために用いるものではない。しかしながら、それらが示す、あるいは、それらの一部の特徴を有するあらゆる等価物を含む文言及び表現の使用を意図するものではない。したがって、本発明は好ましい態様を追加的な特徴により構成されるものであり、そのような変更及び変法は明示の請求項により定義される発明の範囲内である。
この発明は、本明細書に幅広く一般的に記載されている。開示されている属のより狭義の又は亜種グループも本発明の一部を構成する。これは、削除された物質がとくに本発明に引用されたかどうかは別として、この属から除去する旨の規定又は負の限定を伴う本発明の包括的な記載を含む。
図1はファージクローン(配列番号1-12)をバインドしているVEGFの配列の要約を提供する。24個のファージクローンは、3回のパニングラウンドの後に配列を行った。配列アラインメントツリーは高度に保存された配列モチーフACXLWPXXWC(配列番号14)を示す。括弧内の数は、3回のパニングラウンドの後に配列決定された24個のクローン内における配列の頻度を表している。
図2はBSAにではなくVEGF特異的なクローンのバインディング評価するためのファージ ELISAの結果を示す。等量のファージを、hVEGFi65へのそれらの相対的な結合を決定するために評価された。クローン番号とランダム化された配列(配列番号1-7及び13)を各シンボルの下に示す。標的結合ファージは抗-M13-HRPを用いて検出された。HRPは30分(n=3)後にA40SmnでABTS基質を用いてモニターした。
図3はペプチドをバインドしているVEGFの分析をバインドしているBIACOREの結果を提供する。実施態様において説明されるように、結合曲線を得た。データは構造変化によって2つの状態の反応モデルに適合したAB複合体を成形するために、分析物(A)は配位子(B)にバインドする。AB複合体は直接A+Bに分解することができないAB*へ変化する。パネルAは、ビオチン標識ペプチドCK37281の結果を示す。kal=2.84e3M-1S-1' kdl=0.0122s-l、ka2=1.5e-3s-1 kd2=3.36e3s-1 KD=1.92e"6M。パネルBはCK37283 (6000RU VGEF、3500U TNFα(基質のみ));kal=1.24e4M-1S-1、kdl=0.318s-1、 ka2=6.34e-3s-1kd2=1.23e-3s-1KD=4.90e-6M。パネルCはv114対照ペプチドの結果を示す(1000RU VEGF、850RU TNFα)。データは1:1ラングミュア結合(Langmuir binding)に適合させた。kal=7.51e5M-1 kdl=0.167s-1 KD=2.23e-7M。
図4は実施例で使われたプラスミドマップを提供する。パネルAはC末端His6Xタグを付けられたベータラクタマーゼの表現のためのpCB04WT表現ファージミドのマップを提供する。パネルBは、Bbsl制限サイトを使って、クローンのためにpME22N末端スタッファーファージミドのマップを提供する。パネルCはpCMOl N末端aVEGF-BLAフュージョン表現ファージミドのマップを提供する。
図5はBbslクローンサイト(配列番号227-237)を用いたN末端フュージョンクローンストラテジーの概要を提供する。
図6はペプチドを有するHis-tag精製されたベータラクタマーゼフュージョンのSDS-PAGEゲルを提供する。IMAC精製されたBLAバージョン及び異なるペプチドを濃縮し、SDSページゲル(4-12%)の上に付加した。レーン1及び10:MWのマーカー;レーン2:pCB04(6Xhisタグを持つ有するWT);レーン3、4、5、6:pCMOl aVEGF- BLA N末端フュージョンタンパク質スキャフォールド;レーン7、8:pCM02 achymotrypsin-BLA N末端フュージョンタンパク質。
図7は、αVEGFペプチドBLAフュージョンが特にVEGFにバインドすることを示しているグラフを提供する。濃縮されたpCMOl(aVEGFペプチドBLAフュージョン)とpCB04(WT)をマイクロタイタプレートのVEGFコートされたウェルに添加した。ニトロセフィンアッセイバッファ(PBS中0.125%のn-オクチルベータDグルコピラノシド)により5回洗浄した後、残りの結合ニトロフェリン活性を測定した。
図8はanti-VEGFペプチド(黒円)にるVEGF誘発性HUVEC増殖の抑制を示しているグラフを提供する。放射性標識された増殖は3Hのチミジン(n=3)の取り込みによりモニターされた。実施例おいて説明されるように、Anti-VEGF抗体(白円)はポジティブなコントロールとして用いた。
図9は、効率的なクローンのためにデザインされたBBI遺伝子とアミノ酸配列(それぞれ配列番号18及び19)を提供する。この配列は大腸菌の中で使われた発現カセットを含む。それはC末端を持つプロBBIタンパク質のためにHisタグをコードし、大腸菌発現ベクターの中へのクローンのために5'と3'末端に追加的な配列を有する。トリプシンループ(CTKSNPPQC;配列番号20)を有するタンパク質シグナル配列はイタリックで示す。キモトリプシンループ(CALSYPAQC;配列番号21)を太字、囲みで示す。
図10は、再ホールドしている抗-VEGFBBIの結果を示すSDS-PAGEゲルを提供する。抗-VEGF BBIはスブチリシンBPN’Y217の存在下、又は不存在下においてリホールドされた。レーン1:ハンプトンフォルドイット(Hampton Foldit)11、リホールディングバッファー(refolding buffer)、スブチリシンマイナス;レーン 2:ハンプトンフォルドイット(Hampton Foldit)11、リホールディングバッファー(refolding buffer)、 スブチリシンプラス;レーン 3:ハンプトンフォルドイット(Hampton Foldit)13、リホールディングバッファー(refolding buffer)、スブチリシンマイナス;レーン4: ハンプトンフォルドイット(Hampton Foldit)13、 リホールディングバッファー(refolding buffer)、スブチリシンプラス;レーン5, 分子量マーカー。
図11はBBI-VEGF1(配列番号22)がVEGFに特異的結合することを示したグラフを提供する。
図12は設計されたペプチドに対するHUVECの結果を示すグラフを提供する。
図13は3つのBBI-VEGFフュージョン、BBI-VEGF1(配列番号22)、BBI-VEGF2(配列番号23)、及びBBI-VEGF12(配列番号24)の配列を提供する。
フュージョンBBI-VEGF1及びBBI-VEGF2は1つの置換された結合ループを有する。フュージョンBBI-VEGF12は置換された両方の結合ループを有する。
図14AはpJM103インテグレーションベクター(配列番号35及び36)内でクローンされたapr.E-BCE103-BBI-Histag発現カセットのDNA及びアミノ酸配列を示す。
図14BはpJM103インテグレーションベクター(配列番号35及び36)内でクローンされたapr.E-BCE103-BBI-Histag発現カセットのDNA及びアミノ酸配列を示す。
図14CはpJM103インテグレーションベクター(配列番号35及び36)内でクローンされたapr.E-BCE103-BBI-Histag発現カセットのDNA及びアミノ酸配列を示す。
図14DはpJM103インテグレーションベクター(配列番号35及び36)内でクローンされたapr.E-BCE103-BBI-Histag発現カセットのDNA及びアミノ酸配列を示す。
図15は pJM103BBIHis発現ベクターのスキームマップを提供する。
図16はBCE301フュージョン部位(BamHI)からこの遺伝子の末端までのDNA及びアミノ酸配列を提供する(配列番号37及び38)。CK37281ペプチド配列(ACYNLYGWTC (配列番号43))はトリプシン及びキモトリプシンインヒビターループ内へ挿入された。
図17はアクティブな(トリプシン抑制によって)不活発な2BBIck81に対する活性2BBIck81対の力価及び培養成長の間に添加された様々なチオール還元剤を持つ2BBck81に対するBCE103セルラーゼ活性の比率を示すグラフを提供する。
図18はイオン交換クロマトグラフィーによる所定の精製の後の、2-メルカプトエタノールを有するBCE-link2-2BBIlck81の活性を示すグラフを提供する。
図19はVegFに結合しているVegF抗体に対する2BBIlck81の競合アッセイの結果を示すグラフを提供する。
図20AはバチルススブチリシンBBI発現ベクター内へ挿入されたフミコーラインソレンスPDI(hiPDI)を輸送する合成DNAフラグメントの配列及びアミノ酸配列を提供する(配列番号39及び40)。
図20BはバチルススブチリシンBBI発現ベクター内へ挿入されたフミコーラインソレンスPDI(hiPDI)を輸送する合成DNAフラグメントの配列及びアミノ酸配列を提供する(配列番号39及び40)。
図20CはバチルススブチリシンBBI発現ベクター内へ挿入されたフミコーラインソレンスPDI(hiPDI)を輸送する合成DNAフラグメントの配列及びアミノ酸配列を提供する(配列番号39及び40)。
図21Aはp2JM103-lnk2-2BBIck81のEcoRl-BaniHl 部位に結合されたαprEクチナーゼ発現カセットのDNA及びアミノ酸配列を提供する(配列番号41及び42)。
図21Bはp2JM103-lnk2-2BBIck81のEcoRl-BaniHl 部位に結合されたαprEクチナーゼ発現カセットのDNA及びアミノ酸配列を提供する(配列番号41及び42)。
図21Cはp2JM103-lnk2-2BBIck81のEcoRl-BaniHl 部位に結合されたαprEクチナーゼ発現カセットのDNA及びアミノ酸配列を提供する(配列番号41及び42)。