JP2008539229A - 抗ウイルスペプチド - Google Patents
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Abstract
本発明は、ウイルス感染しやすい又は感染しているヒト又は動物個体に、1種又は複数種のカゼインリン酸化ペプチド(CPP)を有効量投与することを含む、ウイルス感染予防又は治療方法を提供する。本発明はまた、かかるカゼインペプチドを含有し、さらにはビタミンC及び/又は栄養成分などの物質を含有する、ウイルス感染治療又は予防に使用する組成物を提供する。
Description
本発明は、ウイルス感染の治療又は予防のためのペプチドの使用、並びに、かかる治療又は予防に使用される化合物に関する。
インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因の伝染病である。この疾患は、気管支炎及び顕著な筋肉痛を特徴とする急性熱性疾患、頭痛の突然発症、寒気、痰を伴わない咳、くしゃみ、鼻漏、並びに鼻閉塞などの呼吸器症状及び全身症状を伴う急性感染症であることを特徴とする。ほとんどの健常人が合併症を発症することなくインフルエンザから回復する一方で、老人、幼児及び一定の健康状態にある人など一部の人は、インフルエンザにより深刻な合併症を発症する危険性が高く、死に至る危険性も高い。インフルエンザの流行は通常冬季に発生し、1990年から1999年までの期間の米国における1年当たりのインフルエンザ流行を原因とする死者数は、平均約36000人に上った。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因の伝染病である。この疾患は、気管支炎及び顕著な筋肉痛を特徴とする急性熱性疾患、頭痛の突然発症、寒気、痰を伴わない咳、くしゃみ、鼻漏、並びに鼻閉塞などの呼吸器症状及び全身症状を伴う急性感染症であることを特徴とする。ほとんどの健常人が合併症を発症することなくインフルエンザから回復する一方で、老人、幼児及び一定の健康状態にある人など一部の人は、インフルエンザにより深刻な合併症を発症する危険性が高く、死に至る危険性も高い。インフルエンザの流行は通常冬季に発生し、1990年から1999年までの期間の米国における1年当たりのインフルエンザ流行を原因とする死者数は、平均約36000人に上った。
インフルエンザウイルスは多形性であり、オルトミクソウイルス科に属する。この科には、A型、B型及びC型インフルエンザウイルスが含まれる。これらのウイルスは、エンベロープを有する球形粒子である。フィラメント状の形態をとることもある。内部抗原であるM1抗原及び核タンパク抗原は、型特異的タンパク質であり、ある特定のウイルスがA型、B型又はC型のいずれであるのかを決定するために用いられる。外部抗原である血球凝集素及びノイラミニダーゼは、より多くの変異を示し、亜型の株特異的抗原である。これらのタンパク質は、8つのRNA鎖によりコードされている。
A型ウイルスは、トリ、ブタ及びヒトなど多くの動物種に見出される。A型インフルエンザウイルスは、1918年、1957年及び1968年のインフルエンザ大流行の原因であるとされている。B型ウイルスは、ヒトに広く見られる。C型は、ヒト、ブタ及びイヌに見出され、軽度の呼吸器感染症の原因であるが、流行を引き起こすとは知られていない。インフルエンザウイルスは、気道内に侵入しうる小粒子エアロゾルによって宿主から宿主へと広まる。
インフルエンザウイルスが多形性であるのは、抗原連続変異及び抗原不連続変異によって絶えず変異するためである。目下流行している株とある程度の血清学的関連性を保つ株を生み出す、血球凝集素及びノイラミニダーゼの連続的な小規模の抗原変化を、抗原連続変異と呼ぶ。目下流行している株の抗原と血清学的関連性を示さない抗原を生み出す、血球凝集素及び/又はノイラミニダーゼの大規模な変化を、抗原不連続変異と呼ぶ。上述のインフルエンザ大流行には、抗原不連続変異が関係していた。
インフルエンザからの回復に関与する免疫機構は、明確には同定されていない。気道は、ムチン層、繊毛作用、並びに実効的な細胞への侵入及びウイルスの脱穀を防ぐと考えられるプロテアーゼ阻害因子など、インフルエンザ感染を防ぐ一連の防御機構を有している。上皮細胞が感染した場合、炎症性サイトカイン、良く知られているところではインターロイキン‐6やIFN‐αが誘導され、感染した細胞から放出される。IL‐8やTNF‐αなど他のサイトカインは、後になって現れる。I型インターフェロン(IFN‐α及び‐β)は抗ウイルス宿主防御の主要な要素である。ウイルス感染後数時間で産生し、IFN‐α/βは非感染細胞において抗ウイルス状態を誘導し、ウイルスの拡散を阻止するのに寄与する。IFN‐α/βはまた、ナチュラルキラー(NK)細胞及びマクロファージを活性化させる。
目下のウイルス対策には、主に以下の3つの方策がある。(i)ワクチン接種、(ii)化学療法(すなわち、抗ウイルス薬)及び(iii)COLD‐FX(R)(北米ニンジン(Panax quinquefolium)の根から単離された特許抽出物)、亜鉛、ビタミンC及びエキナシアなどの自然産物。
ワクチンの防御効果は短期的である。このように防御が短期的であるという性質ゆえに、またそれだけでなく、ワクチンが最も効果を発揮する株が、流行するインフルエンザ株の抗原連続変異又は抗原不連続変異によって変化するがゆえに、ワクチンを毎年投与する必要がある。
抗ウイルス薬には通常、副作用が伴う。例えば、オセルタミビルで最も一般的な副作用は、吐き気と嘔吐からなる。リマンタジン及びアマンタジンは、頭痛、眩暈、不眠、興奮性、注意散漫及び不安感などを伴うと考えられる。
WO95/32727号は、特殊調整粉乳に加水分解したヒトβ‐カゼイン又はその組換え型を任意に用いた、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染の阻害を記載している。ヒト乳製品が工業規模に容易には馴染まない一方で、組み換え産物は多くの場合、非自然的であるとして望まれない。
WO97/26320号は、組換えリン酸化ヒトβ‐カゼインを含有する、細菌ヘモフィラス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)のヒト細胞への接着を阻害する栄養製品を開示している。しかし、細菌の接着はウイルス感染と無関係であり、さらに、H.インフルエンザによる疾患(髄膜炎)は、インフルエンザ等の典型的なウイルス感染と無関係である。この点に関して、Aniansson et al.(Microbial Pathogenesis1990, 8, 315-323)は、ウシ乳由来のカゼイン及びホエイ画分は、ヒト類似体と異なり、細菌ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptocucus pneumoniae)やH.インフルエンザの接着阻害について不活性であったと示している。
したがって、広範なインフルエンザ及び他のウイルスに対して有効であり、副作用が無いか許容可能な範囲である、自然産物に基づく新規の抗ウイルス薬の開発が急務である。特に望まれるのは、自己治療によって、すなわち義務付けられた処方箋無しに、インフルエンザや感冒などのウイルス感染に対して有効に用いられうる組成物を提供することである。
WO95/32727号
WO97/26320号
Aniansson et al.(Microbial Pathogenesis 1990, 8, 315-323)
本発明では、ある種のカゼイン由来ペプチドが、ウイルス感染の予防及び治療に有効であることが見出された。本発明は、ウイルス感染予防又は治療用の栄養学的又は薬学的組成物調製のための、カゼインペプチド、特にカゼインリン酸化ペプチド(casein phosphopeptide、CPP)の使用に関わる。本発明はまた、ウイルスに感染しやすい又は感染している、ヒト、家畜(ウマ、ブタ等)、家禽などの動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトに、1種又は複数種のカゼインペプチドを有効量投与することを含む、ウイルス感染予防方法又は治療方法に関わる。
カゼインリン酸化ペプチド
本発明で使用されるカゼインペプチドは、カゼイン由来のペプチドであり、好ましくは非ヒトカゼイン、特に有蹄動物由来カゼイン、とりわけ反芻動物、なかでもウシ科動物カゼイン由来である。ウシ科には、ウシとその同類(ウシ亜科)及びヤギとその同類(ヤギ亜科)が含まれる。好ましいウシ亜科の種には、ウシ、ヤク、バッファロー及びスイギュウが含まれる。好ましいヤギ亜科の種には、ヒツジ及びヤギが含まれる。最も好ましくは、カゼインはウシ、ヒツジ、ヤギ又はヤクカゼインであり、特にウシカゼインである。カゼインペプチドは、少なくとも2から最大約50のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を含む。特に有用なペプチドは、3〜約25のアミノ酸残基を含む。特に好ましくはカゼインリン酸化ペプチド(CPP)であり、それは本発明において、1ペプチド分子当たり少なくとも1つのホスホセリン残基を有するカゼイン由来ペプチドと定義される。好ましくは、CPPは平均して、20アミノ酸残基当たり少なくとも1ホスホセリン(SerP)残基を含み、より好ましくは、10アミノ酸残基当たり少なくとも1SerP残基を含み、また7アミノ酸残基当たり少なくとも1SerP残基でもよく、例えば7アミノ酸残基当たり少なくとも3SerP残基でもよい。SerPに加えて、或いはSerPに代わって、ホスホトレオニン(ThrP)又はホスホチロシン(TyrP)などの他のリン酸化アミノ酸が存在していてもよい。CPPのリン含有量は、好ましくは0.6〜4.8重量%であり、より好ましくは2.5〜4.5重量%である。リンに対する窒素の重量比は、好ましくは2.2〜20であり、より好ましくは2.4〜4.3である。好適なCPPのリン含有量は0.6〜1.5重量%、特に0.7〜1.3重量%であり、その際の窒素/リン比は10〜20、特に13〜17である。これらのCPPはCPP1と呼称されることもある。リン含有量が2.5〜4.5重量%である高リンCPPは、CPP 3型のCPPと呼称される。
本発明で使用されるカゼインペプチドは、カゼイン由来のペプチドであり、好ましくは非ヒトカゼイン、特に有蹄動物由来カゼイン、とりわけ反芻動物、なかでもウシ科動物カゼイン由来である。ウシ科には、ウシとその同類(ウシ亜科)及びヤギとその同類(ヤギ亜科)が含まれる。好ましいウシ亜科の種には、ウシ、ヤク、バッファロー及びスイギュウが含まれる。好ましいヤギ亜科の種には、ヒツジ及びヤギが含まれる。最も好ましくは、カゼインはウシ、ヒツジ、ヤギ又はヤクカゼインであり、特にウシカゼインである。カゼインペプチドは、少なくとも2から最大約50のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を含む。特に有用なペプチドは、3〜約25のアミノ酸残基を含む。特に好ましくはカゼインリン酸化ペプチド(CPP)であり、それは本発明において、1ペプチド分子当たり少なくとも1つのホスホセリン残基を有するカゼイン由来ペプチドと定義される。好ましくは、CPPは平均して、20アミノ酸残基当たり少なくとも1ホスホセリン(SerP)残基を含み、より好ましくは、10アミノ酸残基当たり少なくとも1SerP残基を含み、また7アミノ酸残基当たり少なくとも1SerP残基でもよく、例えば7アミノ酸残基当たり少なくとも3SerP残基でもよい。SerPに加えて、或いはSerPに代わって、ホスホトレオニン(ThrP)又はホスホチロシン(TyrP)などの他のリン酸化アミノ酸が存在していてもよい。CPPのリン含有量は、好ましくは0.6〜4.8重量%であり、より好ましくは2.5〜4.5重量%である。リンに対する窒素の重量比は、好ましくは2.2〜20であり、より好ましくは2.4〜4.3である。好適なCPPのリン含有量は0.6〜1.5重量%、特に0.7〜1.3重量%であり、その際の窒素/リン比は10〜20、特に13〜17である。これらのCPPはCPP1と呼称されることもある。リン含有量が2.5〜4.5重量%である高リンCPPは、CPP 3型のCPPと呼称される。
好ましいCPPの例として挙げられるのは、ウシαS1‐カゼインアミノ酸配列43〜58、59〜79及び106〜119、αS2‐配列2〜21、47〜70、126〜137及び138〜149、或いはβ‐カゼイン配列2〜25、或いは少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのSerP残基を含むこれらの配列の一部である。
好適なCPPは、カゼイン又はカゼイン塩、特にあらゆるカゼイン、α‐カゼイン、κ‐カゼイン又はβカゼインを、例えばトリプシン、ペプシン、キモトリプシン、パンクレアチン、又は細菌(バチルス属(Bacillus))、菌類若しくは植物エキソプロテアーセ、又はこれらの混合物を用いて、酵素加水分解することで調製される。好ましい加水分解の程度は1〜60%であり、より好ましくは5〜40%であり、最も好ましくは10〜25%であり、それぞれ平均ペプチド長が100〜3アミノ酸、好ましくは40〜5アミノ酸、より好ましくは25〜8アミノ酸となる。最も好ましい平均ペプチド長は、12〜4アミノ酸である。さらなる分別なしに、このように製造されたペプチド混合物は15〜30%のCPPを含み、こうした混合物をそれ自体、本発明に従って適切に用いることができる。分別されたCPPは、一般にCPP1と呼称される。
しかし、少なくとも50%のCPPを含有し、例えば90%まで、或いは100%までものCPPを含有するよう、CPPを濃縮したペプチド混合物を用いることが好ましい。ペプチド混合物のCPP含有量を増加させる方法は、陰イオン交換クロマトグラフィー(例えば、陽イオンSepharose(R)を用いる)、カルシウム又はバリウム沈殿、限外濾過/透析濾過等、当技術分野において既知である。CPPの製造と分別は、例えばWO94/06822に記載されている。こうした精製CPPは一般にCPP 3と呼ばれる。CPP3型のペプチドは、CPP 1型産物として特定される平均ペプチド長のペプチド又はペプチド混合物を含んでもよい。
カゼインペプチド又はカゼインリン酸化ペプチドは、他のタンパク質を含んだ混合物の一部であってもよく、この混合物中の他のタンパク質は加水分解されていても、無傷でもよい。これらの他のタンパク質は、異なる性質のCPP又は他のリン含有ペプチド又はその他のペプチドでもよい。
CPP類似体、例えばカゼイン由来ペプチドを化学修飾又は遺伝子組換えすることで得られる、或いは、その他のペプチドから、好ましくは必要なリン含有量と鎖長を有するホスホビチン又は植物リン酸化ペプチド等の天然リン酸化ペプチドから得られるCPP類似体を、上記CPPの代わりに、或いは上記CPPに加えて用いることもできる。さらに、SerP残基を含有する合成ペプチドを用いてもよい。
本発明で用いられるCPPは、好ましくはカルシウム含有量が低い、すなわち、リン酸基は好ましくは基本的に多価陽イオンを含まない。特に、カルシウム含有量は1タンパク質/ペプチド基準で1.0重量%よりも低く、より好ましくは0.1重量%よりも低く、さらに好ましくは0.05%よりも低い。好ましくは、CPPのCa/P比(重量/重量)は0.3より小さく、より好ましくは0.1より小さく、最も好ましくは0.03よりも小さい。
その他の成分
本発明で投与される組成物は、CPPに加えて、他の有効成分、栄養成分、賦形剤、香味料、着色料、安定剤及び栄養学的若しくは薬学的組成物に標準的な他の成分を含有していてもよい。
本発明で投与される組成物は、CPPに加えて、他の有効成分、栄養成分、賦形剤、香味料、着色料、安定剤及び栄養学的若しくは薬学的組成物に標準的な他の成分を含有していてもよい。
CPPと組み合わされてもよい他の有効成分は、ビタミン、特にビタミンC、ラクトフェリン若しくはトランスフェリン、グリコマクロペプチド、エキナシア等の、天然産物又は天然由来産物を特に含む。好ましくは、CPPと他の成分との重量比は少なくとも0.25:1であり、例えば1;1〜9:1である。
CPP含有組成物は、経口薬学的又は栄養学的組成物に標準的な方法で処方されていてもよい。投与される組成物が栄養学的組成物である場合、それは補助食品、バー、飲料、ヨーグルト、菓子、ガム等として投与されてもよい。こうした食料品は、炭水化物及び/又はタンパク質を含有し、他に脂肪、繊維、ビタミン、ミネラル等の食品成分、及び、香味料、甘味料、安定剤等の添加物を任意に伴っていてもよい。好ましくは、CPPと炭水化物及び/又はタンパク質との重量比は1:2〜1:50であり、より好ましくは1:5〜1:20である。
組成物が薬学的組成物である場合、それは経口、経鼻、その他の投与法に適切な形で投与されてよい。例えばそれは、水、澱粉若しくは澱粉画分、微結晶性セルロース若しくはセルロース誘導体、ペクチン、その他の多糖、乳糖、その他の糖などの標準的な賦形剤又は担体を含有する、錠剤、顆粒、粉末、シロップ、カプセル、液剤、ゲル、トローチ、吸入スプレー、鼻腔用スプレー等でもよい。固形剤はまた、腸溶性コーティングで被膜されていてもよい。
投与
投与量は、年齢、体調、栄養状態及びウイルスの性質等の様々な個別要因に依存する。典型的な投与量は、1人当たり1日CPP100mg〜10gの範囲であり、好ましくは1人当たり1日200mg〜5gである。体重との関連で言えば、投与量は概して1日に1kg当たりCPP1〜1000mgであり、好ましくは1日に1kg当たり5〜750mgである。1日の投与量は単回投与単位でよく、また好ましくは1日に複数回投与、例えば1日に2〜4回投与してもよい。
投与量は、年齢、体調、栄養状態及びウイルスの性質等の様々な個別要因に依存する。典型的な投与量は、1人当たり1日CPP100mg〜10gの範囲であり、好ましくは1人当たり1日200mg〜5gである。体重との関連で言えば、投与量は概して1日に1kg当たりCPP1〜1000mgであり、好ましくは1日に1kg当たり5〜750mgである。1日の投与量は単回投与単位でよく、また好ましくは1日に複数回投与、例えば1日に2〜4回投与してもよい。
ウイルス
予防又は治療用途において、CPPは、オルトミクソウイルス科(インフルエンザウイルスA型、B型及びC型からなる)に加え、ライノウイルス、ピコルナウイルス、エンテロウイルス、パラミクソウイルス科、アデノウイルス、ロタウイルス、アストロウイルス、ノーウォークウイルス、コロナウイルス、及びノロウイルスなど、広範なウイルスに対して有効である。したがって、CPPをインフルエンザ、普通感冒、及びその他の気道感染症などのウイルス疾患の予防及び治療のために用
いることができる。
予防又は治療用途において、CPPは、オルトミクソウイルス科(インフルエンザウイルスA型、B型及びC型からなる)に加え、ライノウイルス、ピコルナウイルス、エンテロウイルス、パラミクソウイルス科、アデノウイルス、ロタウイルス、アストロウイルス、ノーウォークウイルス、コロナウイルス、及びノロウイルスなど、広範なウイルスに対して有効である。したがって、CPPをインフルエンザ、普通感冒、及びその他の気道感染症などのウイルス疾患の予防及び治療のために用
いることができる。
CPPの調製と分別
カゼイン酸ナトリウム(5%水溶液)を、pH8.0及び37℃で約3時間、トリプシンを用いて加水分解した。酵素はその後、熱的に不活性化された。CPP産物を得るために、このカゼイン塩加水分解物を活性炭素で処理し、濾過して乾燥させた。この産物は、以下の特徴を有する:乾燥物95.3%;タンパク質87.3%;総窒素(N)量13.68%;総リン(P)量0.92%;N/P14.9;CPP21%;CPP1と呼称される。同等の産物が市販されている:CE 90 CPP;DMV International。
カゼイン酸ナトリウム(5%水溶液)を、pH8.0及び37℃で約3時間、トリプシンを用いて加水分解した。酵素はその後、熱的に不活性化された。CPP産物を得るために、このカゼイン塩加水分解物を活性炭素で処理し、濾過して乾燥させた。この産物は、以下の特徴を有する:乾燥物95.3%;タンパク質87.3%;総窒素(N)量13.68%;総リン(P)量0.92%;N/P14.9;CPP21%;CPP1と呼称される。同等の産物が市販されている:CE 90 CPP;DMV International。
かかるカゼイン塩加水分解物16kgを1%水溶液として、セファロース・ファースト・フロー・カラム(Sepharose Fast Flow column)にかけ、pH5.5の0.7MNaCl溶液で溶出した。溶出物を、AFC‐30ポリアミド膜を用いて15〜18バールの圧力で濃縮、脱乳糖及び脱塩した。細菌学的浄化(精密濾過)の後、この産物を噴霧乾燥によって乾燥させた。この産物は、以下の特徴を有する:乾燥物93.8%;タンパク質87.3%;総窒素量10.8%;総リン量3.7%;N/P2.9;カルシウム含有量0.015%;タンパク質基準でCPP90.5%(産物総量基準で83%)。この産物は、CPP3と呼称される。
インビトロデータCPP研究:ウイルスプラークアッセイ
6ウェル組織培養プレート中のMDCK細胞の融合性単層に、無血清MEM.で希釈されたヒトインフルエンザウイルス株(A/Sydney/97(H3N2)、A/Beijing/262/95(H1N1)及びB/Harbin/07/94)を接種した。接種前に培養液をデカントし、予熱したリン酸緩衝食塩水(PBS)で細胞を2回洗浄した。室温での吸着後、アガロースを0.8%含有する既知の細胞培養液で細胞単層を重層した。CPP及びCPP3は、10〜1000μg/mlの濃度で二重試験した。BSAを対照として用いた。
6ウェル組織培養プレート中のMDCK細胞の融合性単層に、無血清MEM.で希釈されたヒトインフルエンザウイルス株(A/Sydney/97(H3N2)、A/Beijing/262/95(H1N1)及びB/Harbin/07/94)を接種した。接種前に培養液をデカントし、予熱したリン酸緩衝食塩水(PBS)で細胞を2回洗浄した。室温での吸着後、アガロースを0.8%含有する既知の細胞培養液で細胞単層を重層した。CPP及びCPP3は、10〜1000μg/mlの濃度で二重試験した。BSAを対照として用いた。
以下の3つの曝露法を検討した。すなわち、MDCK細胞を1時間、感染の前(曝露前)又は後(感染後)にCPPに曝露し、或いは、MDCK細胞及びウイルスを別個に1時間、感染の前(培養前)にCPPに曝露した。産物の非存在下で形成されるプラーク数を測定できるよう、それぞれのプレートの2つのウェルを培養液のみで重層した。重層の後、プレートを5%CO2中37℃で培養した。36〜45時間(使用されるウイルス株による)後、プレートを3.7%ホルムアルデヒドで固定し、クリスタルバイオレットで染色した。プラーク数を測定し、それぞれの希釈の産物についてプラーク減少率を測定した。結果をウイルス生存率として以下の通り表現した。
ウイルス生存率(%)=
100−[分子無しでのPFU−分子有りでのPFU]×100
分子無しでのPFU
(PFU=プラーク形成単位)
CPP又はCPP3の代わりに同量のBSA(対照)を用いた同じ実験では、ウイルス生存率は100%となる。
ウイルス生存率(%)=
100−[分子無しでのPFU−分子有りでのPFU]×100
分子無しでのPFU
(PFU=プラーク形成単位)
CPP又はCPP3の代わりに同量のBSA(対照)を用いた同じ実験では、ウイルス生存率は100%となる。
CPP及びCPP3の抗ウイルス効果(すなわち、低いウイルス生存率)を表1〜3に示す。
インビトロデータCPP研究:NK細胞活性試験
NK‐92細胞をエフェクター細胞、K562細胞(ATCC)を標的細胞として、NK細胞活性アッセイを実施した。標的細胞の特異的溶解を、細胞毒性検出キット(Roche)を用いて乳酸脱水素酵素(lactate dehydrogenase, LDH)放出アッセイにより測定した。5×104NK細胞及び1×104K562細胞200μLが入ったマイクロタイタープレートを、5%CO2大気中37℃で4時間培養した。LDHの自然放出を、培養液のみで細胞を培養して測定した。NK細胞の細胞毒性活性に与えるBSA、CPP及びCPP3の影響を、培養液中にこれら産物を異なる濃度(1、10、25又は100μg/mL)で添加して測定した。1%TritonX‐100を含有した培養液中でK細胞(1×104)を培養することで、最大LDH放出が得られた。それぞれの産物を三重評価した。データを細胞毒性調節率で以下の通り表現した。
NK‐92細胞をエフェクター細胞、K562細胞(ATCC)を標的細胞として、NK細胞活性アッセイを実施した。標的細胞の特異的溶解を、細胞毒性検出キット(Roche)を用いて乳酸脱水素酵素(lactate dehydrogenase, LDH)放出アッセイにより測定した。5×104NK細胞及び1×104K562細胞200μLが入ったマイクロタイタープレートを、5%CO2大気中37℃で4時間培養した。LDHの自然放出を、培養液のみで細胞を培養して測定した。NK細胞の細胞毒性活性に与えるBSA、CPP及びCPP3の影響を、培養液中にこれら産物を異なる濃度(1、10、25又は100μg/mL)で添加して測定した。1%TritonX‐100を含有した培養液中でK細胞(1×104)を培養することで、最大LDH放出が得られた。それぞれの産物を三重評価した。データを細胞毒性調節率で以下の通り表現した。
結果:BSA(対照)では細胞毒性は変化せず、CPP及びCPP3はNK細胞の細胞毒性を強化した(表4)。
動物研究1
効能試験は以下の工程から成る。
a)体重を基準としてBALB/cマウスを無作為に3群に分ける(1群当たりの個体数n=8)。
b)感染前5日間に渡って成分の1日投与量を単回経口投与する。
c)感染させる(103PFUのインフルエンザウイルスを投与する)。
d)感染後5日間に渡って成分の1日投与量を単回経口投与する。
e)感染後14日まで感染後の変化(症状及び体重変化)を観察する。
効能試験は以下の工程から成る。
a)体重を基準としてBALB/cマウスを無作為に3群に分ける(1群当たりの個体数n=8)。
b)感染前5日間に渡って成分の1日投与量を単回経口投与する。
c)感染させる(103PFUのインフルエンザウイルスを投与する)。
d)感染後5日間に渡って成分の1日投与量を単回経口投与する。
e)感染後14日まで感染後の変化(症状及び体重変化)を観察する。
5日間に渡って、マウスに1日投与量のPBS(対照、0.5mL)、CPP3(PBS0.3mL中0.05mg/g体重)又はエキナシア(Echilin、Factors R&D Technology、PBS0.3mL中0.05mg/g体重)を経管投与した。その後、マウスに軽度イソフルラン麻酔下でインフルエンザウイルス株A/WSN/33(103PFU、PBS40μL)を鼻内感染させた。その後さらに5日間、試験産物を経管投与した。体重が20%減少したマウスは殺処分した。
結果:
・感染14日後、CPP3投与群で1匹のマウス(1/8)が死に、エキナシア群で2匹のマウス(2/8)が死に、PBS群で3匹のマウス(3/8)が死んだことが示された。
・さらに、それぞれの群の体重変化を比較し、CPP3で処置されたマウスは、エキナシアを投与された動物及び対照動物と比較して、感染後第9日まで体重減少率が有意に低かったことが示され、CPP3処置マウスの健康状態が比較的良かったことが示唆された。
・感染14日後、CPP3投与群で1匹のマウス(1/8)が死に、エキナシア群で2匹のマウス(2/8)が死に、PBS群で3匹のマウス(3/8)が死んだことが示された。
・さらに、それぞれの群の体重変化を比較し、CPP3で処置されたマウスは、エキナシアを投与された動物及び対照動物と比較して、感染後第9日まで体重減少率が有意に低かったことが示され、CPP3処置マウスの健康状態が比較的良かったことが示唆された。
動物研究2
効能試験は以下の工程から成る。
a)体重を基準としてBALB/cマウスを無作為に2群に分ける(1群当たりの個体数n=12)。
b)感染前5日間に渡って成分の1日投与量を単回経口投与する。
c)第0日(D0)に感染させる(104PFUのインフルエンザウイルスを投与する)。
d)感染後5日間に渡って成分の1日投与量を単回経口投与する。
e)感染後14日まで感染後の変化(症状及び体重変化)を観察する。
効能試験は以下の工程から成る。
a)体重を基準としてBALB/cマウスを無作為に2群に分ける(1群当たりの個体数n=12)。
b)感染前5日間に渡って成分の1日投与量を単回経口投与する。
c)第0日(D0)に感染させる(104PFUのインフルエンザウイルスを投与する)。
d)感染後5日間に渡って成分の1日投与量を単回経口投与する。
e)感染後14日まで感染後の変化(症状及び体重変化)を観察する。
5日間に渡って、マウスに1日投与量のCPP3(PBS0.3mL中0.05mg/g体重)又はエキナシア(Echilin、Factors R&D Technology、PBS0.3mL中0.05mg/g体重)を経管投与した。その後、マウスに軽度イソフルラン麻酔下でインフルエンザウイルス株A/WSN/33(104PFU、40μL PBS)を鼻内感染させた。その後さらに5日間、試験産物を経管投与した。体重が20%減少したマウスは殺処分した。
結果:
エキナシア群のマウスは本実験の第6日までに全て死んだが、CPP3群のマウスは第6日にも生存し、CPP3群は実験を通して生存した(表5)。
エキナシア群のマウスは本実験の第6日までに全て死んだが、CPP3群のマウスは第6日にも生存し、CPP3群は実験を通して生存した(表5)。
表6は体重データ(第0日及び第4日)の要約であり、両群の平均死亡日(MDD)を示している。第0日には両群は同等の平均体重を有している。CPP3群マウスは、エキナシア処置マウスと比較して、MDDや第4日での体重減少に関して(SDを考慮すると)有意差が無かった。しかし、CPP3群マウスはエキナシア投与マウスと比較して、体重減少率が低く、平均死亡日の値が大きい。
動物研究3
効能試験は以下の工程から成る。
a)体重を基準としてBALB/cマウスを無作為に2群に分ける(1群当たりの個体数n=15)。
b)感染前5日間に渡って成分の1日投与量を単回経口投与する。
c)第0日(D0)に感染させる(3*103PFUのインフルエンザウイルスを投与する)。
d)感染後5日間に渡って成分の1日投与量を単回経口投与する。
e)感染後14日まで感染後の変化(症状及び体重変化)を観察する。
効能試験は以下の工程から成る。
a)体重を基準としてBALB/cマウスを無作為に2群に分ける(1群当たりの個体数n=15)。
b)感染前5日間に渡って成分の1日投与量を単回経口投与する。
c)第0日(D0)に感染させる(3*103PFUのインフルエンザウイルスを投与する)。
d)感染後5日間に渡って成分の1日投与量を単回経口投与する。
e)感染後14日まで感染後の変化(症状及び体重変化)を観察する。
5日間に渡って、マウスに1日投与量のCPP3(PBS0.3mL中0.05mg/g体重)又はエキナシア(Echilin、Factors R&D Technology、PBS0.3mL中0.05mg/g体重)を経管投与した。その後、マウスに軽度イソフルラン麻酔下でインフルエンザウイルス株A/WSN/33(3*103PFU、40μL PBS)を鼻内感染させた。その後さらに5日間、試験産物を経管投与した。体重が20%減少したマウスは殺処分した。
結果:
・結果は表7に要約されている。
・結果は表7に要約されている。
表7は、エキナシア群と比較してCPP3群の生存率が高く、平均死亡日の値が小さいことを示している。感染6日後、CPP3投与マウスの体重減少率は、エキナシア投与動物と比較して低い。
Claims (12)
- ウイルス感染予防又は治療用の栄養学的又は薬学的組成物の調製のための、非ヒトカゼインペプチドの使用。
- カゼインペプチドがカゼインリン酸化ペプチド(CPP)であることを特徴とする、請求項1記載の使用。
- カゼインペプチドが少なくとも2個、最大約50個までのアミノ酸残基を有するアミノ酸配列を有することを特徴とする、請求項1又は2記載の使用。
- カゼインペプチドが3〜約25個のアミノ酸残基を有することを特徴とする、請求項1又は2記載の使用。
- カゼインペプチドが平均して、20アミノ酸残基当たり少なくとも1個のホスホセリン残基、より好ましくは10アミノ酸残基当たり少なくとも1個のホスホセリン残基を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか記載の使用。
- カゼインペプチドがカゼインのトリプシン加水分解によって得られた加水分解物の一部であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか記載の使用。
- カゼインペプチドが1日に体重1kg当たり1〜1000mgの量、好ましくは1日投与単位当たり5〜750mg/kgで使用されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか記載の使用。
- 組成物がさらにラクトフェリン又はトランスフェリンを含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか記載の使用。
- ウイルスがインフルエンザウイルス又は感冒ウイルスであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか記載の使用。
- カゼインがウシ科カゼイン、好ましくはウシ、ヒツジ、ヤギ又はヤク由来カゼイン、最も好ましくはウシカゼインであることを特徴とする、請求項1〜9記載のいずれか記載の使用。
- ウイルス感染しやすい又は感染しているヒト又は動物に、1種又は複数種の非ヒトカゼインペプチドを有効量投与することを含む、ウイルス感染の予防又は治療方法。
- 2〜50個のアミノ酸残基を含むカゼインペプチドを、非カゼインタンパク質及び/又は炭水化物と共に含有し、カゼインペプチドと炭水化物及び/又はタンパク質との重量比が1:2〜1:50である、並びに/或いは、ビタミンC、ラクトフェリン、トランスフェリン、グリコマクロペプチド及びエキナシアから選択される少なくとも一つの成分をさらに含有することを特徴とする、栄養学的又は薬学的組成物。
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