JPWO2020009135A1 - インフルエンザの重症化を抑制するための抗インフルエンザウイルス剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ビフィドバクテリウム・ビフィダムを有効成分として含有する、抗インフルエンザウイルス剤に関する。

Description

本発明は、インフルエンザの重症化を抑制するための抗インフルエンザウイルス剤に関する。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染により発症する感染症である。インフルエンザウイルスの感染力は非常に強く、日本では毎年約1,000万人が感染している。また、インフルエンザは流行性があるため、いったん流行が始まると短期間で多くの人に感染が広がる。高齢者や慢性疾患患者はインフルエンザに罹患すると重症化する確率が高く、肺炎等の合併症を引き起こして死に至る危険性も高い。
インフルエンザの治療には、例えば、オセルタミビル(oseltamivir; 商品名タミフル(登録商標))などの抗インフルエンザ薬が一般的に用いられる。オセルタミビルは発症後48時間以内の早期投与が必要であるが、その一方で検査時期が早すぎるとウイルスが検出されずにインフルエンザの診断に至らない場合もあり、適切な時期の投与が難しい。そこで、食品のように手軽に摂取でき、かつ事前に摂取することによりインフルエンザウイルス感染時の重症化を抑制するために使用できる製品の開発が望まれている。
特許文献1は、ビフィドバクテリウム・ラクティスBL-04株が、鼻炎、気管支炎などの呼吸器疾患の治療又は予防に有効であることを開示している。
特許文献2はビフィドバクテリウム・ロンガムNCC2705を含む、感染症、及び感染症を含めた免疫系に関連する障害の治療又は予防用組成物を開示している。
ビフィズス菌であるビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)OLB6378株には、腸内粘膜免疫を高める作用やアレルギー予防・治療効果が確認されている(非特許文献1及び特許文献3)。
しかし、これらの微生物がインフルエンザの重症化を抑制するかどうかは示されていない。
特表2014−517003号公報 特表2012−526752号公報 特開2006−273852号公報
Tanaka K. et al., Nutrients, (2017) 9, 195; doi:10.3390/nu9030195
本発明は、インフルエンザの重症化を抑制するための抗インフルエンザウイルス剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、インフルエンザの重症化を抑制できるビフィドバクテリウム・ビフィダム菌株を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] ビフィドバクテリウム・ビフィダムを有効成分として含有する、抗インフルエンザウイルス剤。
[2] ビフィドバクテリウム・ビフィダムが、呼吸器におけるインフルエンザウイルス増殖抑制作用を有する、上記[1]に記載の抗インフルエンザウイルス剤。
[3] ビフィドバクテリウム・ビフィダムが、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)OLB6378株(受託番号NITE BP-31)である、上記[1]又は[2]に記載の抗インフルエンザウイルス剤。
[4] インフルエンザの重症化を抑制するための、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の抗インフルエンザウイルス剤。
[5] ビフィドバクテリウム・ビフィダムが、ビフィドバクテリウム・ビフィダム菌体の培養物、加熱処理物、乾燥物、及び濃縮物、並びにそれらのうち2つ以上の組合せからなる群から選択される、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の抗インフルエンザウイルス剤。
[6] 上記[1]〜[5]のいずれかに記載の抗インフルエンザウイルス剤を含む、インフルエンザの重症化を抑制するための食品。
[7] 上記[1]〜[5]のいずれかに記載の抗インフルエンザウイルス剤を含む、インフルエンザの重症化を抑制するための医薬。
本発明によれば、インフルエンザウイルスに感染した際の重症化を抑制することができる。
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2018-127101号の開示内容を包含する。
図1は、インフルエンザウイルス下気道感染マウスの生存率に対するOLB6378菌株の効果を示す図である。*p=0.05(水投与群との比較)。n=9。図中、四角はオセルタミビル投与群(陽性対照群)、黒丸はOLB6378投与群、白丸は水投与群の生存率を示す。 図2は、インフルエンザウイルス下気道感染マウスの気管支肺胞洗浄液における感染性ウイルス価に対するOLB6378菌株の効果を示す図である。**p<0.01、***p<0.001(水投与群との比較)。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、好ましくは、呼吸器におけるインフルエンザウイルス増殖抑制作用を有するビフィドバクテリウム・ビフィダムの、抗インフルエンザウイルス剤としての用途に関する。
本発明で使用する「ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)」は、ビフィドバクテリア属の1菌種である。本発明においてビフィドバクテリウム・ビフィダムへの細菌の分類は、通常の分類学上の基準に従って行うことができる。本発明で使用されるビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)の菌株は、特に限定されないが、呼吸器におけるインフルエンザウイルス増殖抑制作用を有することが好ましい。
本発明において、ビフィドバクテリウム・ビフィダムが「呼吸器におけるインフルエンザウイルス増殖抑制作用を有する」とは、呼吸器、すなわち上気道及び/又は下気道で、インフルエンザウイルスの増殖を抑制できる能力を有することを意味する。「上気道」とは、典型的には、鼻腔、咽頭、及び喉頭を指す。「下気道」とは、典型的には、気管、気管支、及び肺を指す。本発明において用いるビフィドバクテリウム・ビフィダムは、呼吸器、例えば鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支、及び肺のうちの少なくとも1つ(例えば、2つ以上)において、インフルエンザウイルスの増殖を抑制できる。
本発明において、呼吸器におけるインフルエンザウイルスの増殖の「抑制」とは、被験物質(ここでは、ビフィドバクテリウム・ビフィダム)を投与した場合に、被験物質の代わりに水を投与した場合と比較して、呼吸器から回収したインフルエンザウイルスの感染性ウイルス価が低下することを示す。そのような感染性ウイルス価の低下は、統計学的に有意な低下であることが好ましく、例えばダネット検定により統計学的に有意差が示された低下であってよい。被験物質を投与した場合のそのような感染性ウイルス価の低下はまた、被験物質の代わりに水を投与した場合と比較して、平均値で30%以上、又は40%以上、例えば50%以上の低下であってよい。
本発明において用いることができるビフィドバクテリウム・ビフィダムの例としては、ビフィドバクテリウム・ビフィダムOLB6378株が挙げられる。ビフィドバクテリウム・ビフィダムOLB6378株は、2004年10月26日(原寄託日)で、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(NPMD)(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室 郵便番号292-0818)に受託番号 NITE P-31として寄託された後、2006年1月18日付で原寄託よりブダペスト条約に基づく寄託に移管され、受託番号がNITE BP-31に変更されている。ビフィドバクテリウム・ビフィダムOLB6378株は、呼吸器におけるインフルエンザウイルス増殖抑制作用を有する。なおビフィドバクテリウム・ビフィダムOLB6378株の現在の寄託者は、株式会社明治である。
本発明は、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、好ましくは、呼吸器におけるインフルエンザウイルス増殖抑制作用を有するビフィドバクテリウム・ビフィダムを有効成分として含有する、抗インフルエンザウイルス剤に関する。本発明に係る抗インフルエンザウイルス剤は、そのようなビフィドバクテリウム・ビフィダムを有効量で含むものであってよい。
本発明に係る抗インフルエンザウイルス剤は、インフルエンザウイルスの増殖抑制、典型的には呼吸器におけるインフルエンザウイルスの増殖抑制のために用いることができる。適用対象となるインフルエンザウイルスは、以下に限定されないが、A型(ソ連型、pdm09型、香港型等)、B型、C型、又は新型であってよい。A型インフルエンザウイルスは、H1N1、H1N2、H2N2、H2N3、H3N2、H5N1、H5N6、H7N7、H7N9、又はH10N8等の亜型であってよいが、これらに限定されない。
本発明において、ビフィドバクテリウム・ビフィダムは、抗インフルエンザウイルス作用、好ましくは、呼吸器におけるインフルエンザウイルス増殖抑制作用や後述のインフルエンザの重症化を抑制する作用を保持する限り、任意の形態で抗インフルエンザウイルス剤、並びに後述の食品及び医薬に用いることができる。一実施形態では、抗インフルエンザウイルス剤、食品及び医薬において用いられるビフィドバクテリウム・ビフィダムは、任意の方法で調製された菌体であってよく、及び/又は、任意の菌体処理物、例えば、ビフィドバクテリウム・ビフィダム菌体の培養物、加熱処理物、乾燥物(例えば、凍結乾燥粉末などの凍結乾燥物)、及び濃縮物、並びにそれらのうち2つ以上の組合せからなる群から選択されるものであってよい。ビフィドバクテリウム・ビフィダムは、死菌体であっても生菌体であってもよい。一実施形態では、ビフィドバクテリウム・ビフィダムは、加熱処理した濃縮菌液又はその凍結乾燥物であってもよい。一実施形態では、ビフィドバクテリウム・ビフィダムの加熱処理は、70〜90℃(例えば、75〜85℃)で行うことができ、例えば、5〜30分間加熱してもよいが、これらの条件に限定されるものではない。
本発明に係る上記のビフィドバクテリウム・ビフィダム、及びそれを含む抗インフルエンザウイルス剤は、インフルエンザの重症化を抑制する作用を有する。本発明において「インフルエンザの重症化」とは、インフルエンザウイルス感染時に、生存率低下を引き起こす可能性がある重い病状となることを指し、そのような重い病状としては、例えば、気管支炎、肺炎、インフルエンザ脳症、脳炎、中耳炎、熱性けいれん等の合併症、高熱、強度の全身倦怠感等が挙げられる。本発明において「インフルエンザの重症化の抑制」とは、インフルエンザウイルス感染時に、そのような重い病状となる確率を低下させること、重い病状となることを阻止又はその重症度を軽減すること、及び重い病状からの早期回復を促進することを包含する。したがって本発明に係る抗インフルエンザウイルス剤は、インフルエンザの重症化を抑制するためのものであり得る。インフルエンザの重症化の抑制は、例えば、インフルエンザウイルス感染後の生存率の改善を指標として判断してもよい。被験物質(ここでは、ビフィドバクテリウム・ビフィダム)を投与した場合の、インフルエンザウイルス感染後の生存率が、被験物質の代わりに水を投与した場合と比較して増加した場合には、その被験物質はインフルエンザの重症化を抑制したと判断することができる。そのような生存率の増加は、統計学的に有意な増加であることが好ましく、例えばKaplan-Meier法によるLog-rank検定により統計学的に有意差が示された増加であってよい。本発明に係る抗インフルエンザウイルス剤(及び上記のビフィドバクテリウム・ビフィダム)は、インフルエンザの重症化を抑制し、それによりインフルエンザの重症化のリスクを低減することができる。
本発明は、本発明に係る抗インフルエンザウイルス剤(又は上記のビフィドバクテリウム・ビフィダム)を含む、食品又は医薬も提供する。本発明に係る抗インフルエンザウイルス剤(又は上記のビフィドバクテリウム・ビフィダム)を含む食品及び医薬は、それを摂取又は投与した対象において、インフルエンザの重症化を抑制することができる。本発明に係る食品及び医薬は、呼吸器におけるインフルエンザウイルスの増殖を抑制することができる。本発明に係る食品及び医薬は、インフルエンザの重症化を抑制するためのものであり得る。本発明に係る食品、及び医薬はまた、インフルエンザの重症化のリスクを低減するためのものであり得る。
本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、及び医薬は、経口摂取用に許容される又は製薬上許容される添加剤を含んでもよい。経口摂取用に許容される又は製薬上許容される添加剤としては、例えば、担体(固体や液体担体など)、賦形剤、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶解補助剤、懸濁化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、保存剤、緩衝剤、pH調整剤、希釈剤、安定化剤、噴射剤、酸化防止剤、増粘剤、甘味料等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの添加剤は、単独でも2種以上を組み合わせても用いることができ、製剤の剤形や食品の種類又は形状に応じて適宜用いることができる。担体としては、例えば、水、経口投与において許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、水溶性デキストリン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、経口投与において許容される界面活性剤等が挙げられる。
本発明における「食品」は、特に限定されないが、飲料、飲料以外の食品及び機能性食品を包含する。本発明における「食品」は食品組成物であってもよい。本発明に係る食品の種類は、特に限定されないが、飲料としては、例えば、発酵乳(ドリンクヨーグルト等)、乳酸菌飲料、乳飲料(コーヒー牛乳、フルーツ牛乳等)、茶系飲料(緑茶、紅茶、烏龍茶等)、果物・野菜系飲料(オレンジ、りんご、ぶどう等の果汁、トマト、ニンジン等の野菜汁を含む飲料)、アルコール性飲料(ビール、発泡酒、ワイン等)、経口補水液、炭酸飲料、清涼飲料、水等が挙げられる。各種の飲料の製造法等については、既存の参考書、例えば「最新・ソフトドリンクス」(2003)(株式会社光琳)等を参考にすることができる。また、食品としては、例えば、発酵乳(セットタイプヨーグルト、ソフトヨーグルト、チーズ等)、乳製品、調製粉乳、菓子(チョコレート、グミ、チューイングガム、ビスケット、クッキー、ゼリー、タブレット、冷菓等)、インスタント食品等が挙げられる。各種の食品の製造法等については、既存の参考書を参考にすることができる。
本発明に係る食品は、機能性食品であってもよい。本発明の「機能性食品」としては、生体に対して一定の機能性を有する食品を意味し、例えば、日本における特定保健用食品(条件付きトクホ[特定保健用食品]を含む)及び栄養機能食品を含む保健機能食品、機能性表示食品、及び特別用途食品、また栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント(例えば、錠剤、被覆錠、糖衣錠、カプセル及び液剤等の各種の剤形のもの)及び美容食品(例えば、ダイエット食品)等の、いわゆる健康食品全般を包含する。また、本発明の機能性食品は、コーデックス(FAO/WHO合同食品規格委員会)の食品規格に基づく健康強調表示(Health claim)が適用される健康食品を包含する。
本発明の機能性食品は、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、カプセル剤等の固形製剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤等の液体製剤、又はジェル剤やペースト剤等であってもよいし、通常の飲食品の形状(例えば、飲料、ヨーグルト、菓子等)であってもよい。
本発明に係る食品は、インフルエンザに罹患しやすいか又は罹患したときにインフルエンザが重症化しやすい対象のためのものであってよい。本発明に係る食品は、新生児(特に生後間もない新生児、健常新生児、未熟児、早産児、低体重児等を含む)、乳児、幼児、小児、病者、虚弱体質の健常者、体調不良の健常者、妊産婦、高齢者(典型的には60歳以上)、慢性疾患患者(例えば、心疾患、呼吸器疾患、腎機能障害、免疫機能障害、又は糖尿病などの代謝性疾患を有する患者)等、並びにその家族及び他の密接な接触者(医療従事者、育児・教育従事者、生活支援従事者など)による摂取のためのものであってもよい。本発明に係る食品は、例えば、病者用食品、妊産婦・授乳婦用粉乳、乳児用調製粉乳、乳児用調製乳、高齢者用食品、介護用食品等の特別用途食品であってもよい。本発明に係る食品は、粉ミルク、流動食、半流動食、粉末流動食、介護食、幼児食、とろみ調整食品、エネルギーペースト、栄養パウダー、栄養強化食品、液体ミルク等であってもよい。
本発明に係るビフィドバクテリウム・ビフィダム又は抗インフルエンザウイルス剤は、当業者が利用可能である任意の適切な方法によって、食品に含有させればよい。例えば、本発明のビフィドバクテリウム・ビフィダムを、液体状、ゲル状、固体状、粉末状または顆粒状に調製した後、それを食品に配合してもよい。あるいは本発明に係るビフィドバクテリウム・ビフィダム又は抗インフルエンザウイルス剤を、飲食品の原料中に直接混合又は溶解してもよい。本発明に係るビフィドバクテリウム・ビフィダム又は抗インフルエンザウイルス剤は、飲食品に塗布、被覆、浸透又は吹き付けてもよい。本発明に係るビフィドバクテリウム・ビフィダム又は抗インフルエンザウイルス剤は、飲食品中に均一に分散させてもよいし、偏在させてもよい。本発明に係るビフィドバクテリウム・ビフィダム又は抗インフルエンザウイルス剤を入れたカプセルなどを調剤してもよい。本発明に係るビフィドバクテリウム・ビフィダム又は抗インフルエンザウイルス剤を、可食フィルムや食用コーティング剤などで包み込んでもよい。また本発明に係るビフィドバクテリウム・ビフィダム又は抗インフルエンザウイルス剤に適切な賦形剤等を加えた後、錠剤などの形状に成形してもよい。本発明に係るビフィドバクテリウム・ビフィダム又は抗インフルエンザウイルス剤を含有させた飲食品はさらに加工してもよく、そのような加工品も本発明の範囲に包含される。一実施形態では、本発明に係るビフィドバクテリウム・ビフィダム菌体濃縮物を加熱処理したものを、食品原料(例えば、粉ミルク調合液、流動食原料等)に添加し、加熱殺菌し、濃縮乾燥してもよい。
本発明に係るビフィドバクテリウム・ビフィダム又は抗インフルエンザウイルス剤の食品への配合量は特に限定されず、場合に応じて様々であってよい。本発明に係るビフィドバクテリウム・ビフィダム又は抗インフルエンザウイルス剤の具体的な配合量は、食品の種類や求める味や食感を考慮して、当業者が適宜定めることができる。通常は、ビフィドバクテリウム・ビフィダムの配合量は、食品の総重量に対して配合するビフィドバクテリウム・ビフィダムの菌体乾燥重量相当量(菌体固形分)の比率で0.0001〜100重量(質量)%、例えば0.0005〜100重量(質量)%、又は0.001〜99重量(質量)%とすることができる。一実施形態では、食品の総重量に対して配合するビフィドバクテリウム・ビフィダムの菌体乾燥重量相当量(菌体固形分)の比率で、0.0001〜100重量(質量)%、例えば0.001〜99重量(質量)%、0.01〜10重量(質量)%、又は0.01〜0.1重量(質量)%のビフィドバクテリウム・ビフィダムを、固形食品、例えば、粉末状食品(調製粉乳、粉末調味料等)、顆粒状食品、フレーク状食品、易崩壊性固形食品等に配合してもよい。そのような固形食品は、水又は飲料等の飲用可能な液状媒体に溶解し、飲料(液体ミルク(液状乳)、経口補水液など)、液体食品(スープ、カレーなど)、液体調味料、流動食、半流動食、とろみ調整食品等として調製した後に摂取するためのものであってもよい。別の一実施形態では、食品の総重量に対して配合するビフィドバクテリウム・ビフィダムの菌体乾燥重量相当量(菌体固形分)の比率で、0.0001〜100重量(質量)%、例えば0.0005〜10重量(質量)%、又は0.001〜5重量(質量)%のビフィドバクテリウム・ビフィダムを、液状又は半液状食品、例えば、スープ、カレー、発酵乳、飲料(液体ミルク(液状乳)、経口補水液など)、液体調味料、流動食、半流動食、とろみ調整食品等に配合してもよい。なお、菌体乾燥重量相当量で表したビフィドバクテリウム・ビフィダムの上記の配合量は、ビフィドバクテリウム・ビフィダムを乾燥菌体の形態で食品等に配合することを限定的に意味するものではなく、本発明に係るビフィドバクテリウム・ビフィダムは抗インフルエンザウイルス作用、特に、呼吸器におけるインフルエンザウイルス増殖抑制作用及び/又はインフルエンザの重症化を抑制する作用、を保持する限り任意の形態で食品等に配合することができる。
本発明に係る食品は、任意の食品成分をさらに含んでもよい。本発明に係る食品は、水、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類等を含んでもよい。タンパク質としては、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、カゼイン、ホエイ粉、ホエイタンパク質、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質分離物、α−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼイン、β−ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミン、ラクトフェリン、大豆タンパク質、鶏卵タンパク質、肉タンパク質等の動植物性タンパク質、これらの加水分解物、バター、乳清ミネラル、クリーム、ホエイ、非タンパク態窒素、シアル酸、リン脂質、乳糖等の各種乳由来成分等が挙げられる。糖質としては、一般の糖類、加工澱粉(デキストリン、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等)、食物繊維等が挙げられる。脂質としては、例えば、ラード、魚油等、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の動物性油脂;パーム油、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の植物性油脂等が挙げられる。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸等が挙げられ、ミネラル類としては、例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレン、乳清ミネラル等が挙げられる。有機酸としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸等が挙げられる。これらの成分は、単独でも2種以上を組み合わせても用いることができる。
本発明に係る医薬は、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、カプセル剤等の固形製剤、ジェル剤、又は液剤、懸濁剤、シロップ剤等の液体製剤等の任意の剤形であってよい。本発明における「医薬」は医薬組成物であってもよい。
本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、及び医薬は、抗インフルエンザ作用を有する他の物質をさらに含んでもよい。
本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、及び医薬は、経口投与用であっても、非経口投与用であってもよいが、好ましくは経口投与用である。
本発明は、本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、又は医薬を対象に投与することを含む、インフルエンザを治療又は予防する方法も提供する。本発明はまた、本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、又は医薬を対象に投与することを含む、インフルエンザの重症化を抑制する方法も提供する。本発明において「投与」とは、食品に対して用いられる「摂取」、及び医薬に対して用いられる「投与」、細胞や組織のin vivoでの「処理」をいずれも包含する。本発明において「経口投与」(経口・経腸投与とも称される)は、口からの投与又は摂取の他、鼻チューブや胃ろう又は腸ろうチューブ等を介した経管栄養法による投与も含むものとする。本発明はまた、本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、又は医薬を対象に投与することを含む、インフルエンザの重症化のリスクを低減する方法も提供する。本発明はさらに、本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、又は医薬の製造における、本発明に係る上記のビフィドバクテリウム・ビフィダム、例えばビフィドバクテリウム・ビフィダムOLB6378株の使用も提供する。
本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、及び医薬の投与量は、投与する対象の年齢及び体重、投与経路、投与回数等を考慮しながら、当業者の裁量によって広範囲に変更することができる。本発明に係るビフィドバクテリウム・ビフィダムの投与量としては、特に限定されないが、例えば、1用量当たり1×105〜1×1011細胞、1×106〜1×1010細胞、又は1×107〜1×1010細胞となる量であってよい。
一実施形態において、本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、及び医薬は、1日1回以上、例えば1日2回又はそれ以上で、対象に投与されてもよい。本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、及び医薬は、対象に継続的に投与されてもよく、例えば、毎日投与されてもよい。本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、及び医薬は、1週間、2週間、3週間、若しくは4週間又はそれ以上(例えば1年以上)にわたって、対象に投与してもよい。
本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、及び医薬は、インフルエンザウイルスへの感染の前後にかかわらず対象に投与することができるが、インフルエンザウイルス感染の前に投与することが好ましい。
本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、及び医薬を投与する対象は、任意の動物、好ましくは、ヒト、ゴリラ、チンパンジー等の霊長類、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウサギ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ等を始めとする哺乳動物又はその細胞等であってよい。本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、及び医薬を投与する対象は、インフルエンザに罹患しやすいか又は罹患したときにインフルエンザが重症化しやすい対象であってよい。好ましい実施形態では、ヒト対象は、上述のような、新生児、乳児、幼児、小児、病者、虚弱体質の健常者、体調不良の健常者、妊産婦、高齢者、慢性疾患患者等、並びにその家族及び他の密接な接触者であってよいが、対象はこれらに限定されず、本発明に係る抗インフルエンザ剤、食品、及び医薬はインフルエンザへの罹患のリスクがある幅広い対象に向けて使用することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]OLB6378濃縮粉末の調製
ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)OLB6378株(受託番号NITE BP-31)を、ホエイタンパク質分解培地(酵素分解したホエイタンパク質を主窒素源とする培地)中で、嫌気的に中和培養し、濃縮菌液を得た。濃縮菌液を80℃で10分以上インキュベートした後、凍結乾燥を行った。得られた凍結乾燥物は2.5×1011細胞/gを超える菌体濃度を示した。このようにして調製した、加熱処理OLB6378菌株の凍結乾燥物を、OLB6378濃縮粉末と称し、後述のとおり抗インフルエンザウイルス作用について試験した。
[実施例2]OLB6378濃縮粉末の抗インフルエンザウイルス作用の評価
実施例1で調製したOLB6378濃縮粉末の抗インフルエンザウイルス作用を、インフルエンザウイルス感染後の「生存率」と「呼吸器での感染性ウイルス価(ウイルス増殖レベル)」の点から評価した。
a) 生存率
BALB/cマウス(雌性、8週齢)(日本クレア)に、水(水投与群)又はOLB6378濃縮粉末の20%懸濁液(OLB6378/ビフィズス菌投与群)を0.2 ml/個体/日の用量で4週間にわたり連日経口投与した。経口投与開始後3週間の時点でマウスを麻酔薬ソムノペンチル(R)(有効成分ペントバルビタールナトリウム量で5 mg/kg体重)の腹腔内投与により麻酔し、マウス馴化インフルエンザウイルス株A/PR/8/34(H1N1)懸濁液20 μl(2×LD50 [半数致死量の2倍量相当]、0.1% BSA-PBS)を右側鼻腔に経鼻接種し、インフルエンザウイルスの下気道感染を引き起こした。また陽性対照として、水又はOLB6378濃縮粉末の20%懸濁液の投与に代えて、抗インフルエンザ薬である「オセルタミビル」(1 mg/kg体重/日)を上記と同様のインフルエンザウイルス接種の1時間前から6日後まで経口投与した。ウイルス接種開始から21日間マウスの生存率を記録した。生存検定はKaplan-Meier法のlog-rank検定により行った。
結果を図1に示す。水を経口投与したマウス(水投与群)では、ウイルス接種(感染)の8日後からマウスの死亡が観察され始め、感染10日後には生存率が約11%に急激に低下し、感染20日後には全てのマウスが死亡した(生存率0%)。これに対し、OLB6378濃縮粉末の20%懸濁液を経口投与したマウス(OLB6378投与群)では、ウイルス接種(感染)の9日後からマウスの死亡が観察され始めたものの、感染10日後の生存率はなお約56%であり、感染21日後でも約22%の生存率を示した。OLB6378濃縮粉末の投与による生存率の改善は、水投与群と比べて統計学的に有意であった(p=0.05、図1)。
なお抗インフルエンザ薬「オセルタミビル」を経口投与したマウスにインフルエンザウイルスを下気道感染させた陽性対照群では、マウスの死亡は観察されなかった(図1)。
b) 感染性ウイルス価(ウイルス増殖レベル)
BALB/cマウス(雌性、8週齢)(日本クレア)に、水(水投与群)又はOLB6378濃縮粉末の20%懸濁液(OLB6378投与群;試験群)を0.2 ml/個体/日の用量で25日間(ウイルス接種21日前から3日後まで)連日経口投与した。経口投与開始後3週間の時点でマウスを麻酔薬ソムノペンチル(R)(有効成分ペントバルビタールナトリウム量で5 mg/kg体重)の腹腔内投与により麻酔し、マウス馴化インフルエンザウイルス株A/PR/8/34(H1N1)懸濁液20 μl(2×LD50 [半数致死量の2倍量相当]、0.1% BSA-PBS)を右側鼻腔に経鼻接種し、インフルエンザウイルスの感染を引き起こした。また陽性対照として、水又はOLB6378濃縮粉末の20%懸濁液の投与に代えて、抗インフルエンザ薬である「オセルタミビル」(1 mg/kg体重/日)を上記と同様のインフルエンザウイルス接種の1時間前から3日後まで経口投与した。ウイルス接種から4日後、マウスの気管支肺胞洗浄液(BALF)を調製した。気管支肺胞洗浄液の感染性ウイルス価をプラーク法により測定した。具体的には、MDCK細胞(イヌ腎臓尿細管上皮細胞由来の細胞株)を気管支肺胞洗浄液に暴露させた後、ウイルス感染による細胞変性により形成されたプラーク数をカウントし、気管支肺胞洗浄液1 mLあたりのプラーク形成数を感染性ウイルス価として評価した。統計学的処理は分散分析法(ANOVA)とDunnett検定により行った。
結果を図2に示す。インフルエンザウイルス感染の4日後、水を経口投与したマウス(水投与群)では気管支肺胞洗浄液中に高い感染性ウイルス価が認められ、下気道感染が確立したことが示された。一方、OLB6378濃縮粉末の20%懸濁液を経口投与したマウス(OLB6378投与群)では、水投与群に比べて気管支肺胞洗浄液中の感染性ウイルス価に統計学的に有意な低下(水投与群と比較して53%超の低下)が認められた(p < 0.01、図2)。
なお、抗インフルエンザ薬「オセルタミビル」を経口投与したマウスにインフルエンザウイルスを下気道感染させた陽性対照群でも、水投与群に比べて気管支肺胞洗浄液中の感染性ウイルス価の有意な低下が認められた(p < 0.001、図2)。
上記の生存率と感染性ウイルス価(ウイルス増殖レベル)の試験結果から、OLB6378菌株は、インフルエンザウイルス感染後の気管支及び肺でのウイルス増殖を抑制し、また、生存率を改善することが示された。このことは、OLB6378菌株が抗インフルエンザウイルス作用を有し、特に、インフルエンザの重症化を抑制する効果をもたらすことを示している。
本発明は、インフルエンザの重症化を抑制する効果のある抗インフルエンザ製品を提供するために用いることができる。本発明の抗インフルエンザウイルス剤は、食品等の形態で日常的に摂取することにより、インフルエンザウイルス感染時の症状の重症化を抑制することができる。本発明は、とりわけ、新生児(特に生後間もない新生児)、乳幼児、小児、病者、高齢者、慢性疾患患者等のインフルエンザが重症化しやすい対象におけるインフルエンザの症状の重症化の抑制に有用な抗インフルエンザ製品を提供することができる。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。

Claims (7)

  1. ビフィドバクテリウム・ビフィダムを有効成分として含有する、抗インフルエンザウイルス剤。
  2. ビフィドバクテリウム・ビフィダムが、呼吸器におけるインフルエンザウイルス増殖抑制作用を有する、請求項1に記載の抗インフルエンザウイルス剤。
  3. ビフィドバクテリウム・ビフィダムが、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)OLB6378株(受託番号NITE BP-31)である、請求項1又は2に記載の抗インフルエンザウイルス剤。
  4. インフルエンザの重症化を抑制するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗インフルエンザウイルス剤。
  5. ビフィドバクテリウム・ビフィダムが、ビフィドバクテリウム・ビフィダム菌体の培養物、加熱処理物、乾燥物、及び濃縮物、並びにそれらのうち2つ以上の組合せからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗インフルエンザウイルス剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗インフルエンザウイルス剤を含む、インフルエンザの重症化を抑制するための食品。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗インフルエンザウイルス剤を含む、インフルエンザの重症化を抑制するための医薬。
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