JP2008533728A - 投影露光方法及びそのための投影露光システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 視野依存型の特徴幅変化を従来システムと比べて低減又は排除することができるようにする投影露光方法及び投影露光システムを提供する。
【解決手段】 投影対物レンズの像面の領域内に配置された感光基板を、投影対物レンズの物体面の領域内に配置されたマスクのパターンの少なくとも1つの像で露光する投影露光方法において、第1サブパターンを備える第1パターン区域、及び前記第1パターン区域から側方にずらして配置された、第2サブパターンを備える少なくとも1つの第2パターン区域を有するマスクを前記投影対物レンズの前記物体面の前記領域内に配置する。前記マスクによって変化させた投影光を生じるために、照明系の照明野からの照明光によって前記マスクを照明する。前記照明光の明確に画定された局在照度分布を前記照明系のひとみ整形面上に設定する。最初に前記第1サブパターンを、その後に前記第2サブパターンを前記照明野の前記照明光で照射するようにして、前記マスクを走査する。前記第1照明時間中に前記第1サブパターンを照明する。前記第1サブパターンに当たる前記照明光の、前記第1サブパターンに適応させた第1角分布が、前記第1照明時間中に設定される、前記第1サブパターンを照明する。その後で、第2照明時間中に前記第2サブパターンを照明する。前記第2サブパターンに当たる前記照明光の、前記第2サブパターンに適応させた、前記第1角分布と異なる第2角分布が、前記第2照明時間中に設定される、第2サブパターンを照明する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、投影対物レンズの像面の領域内に配置された感光基板を、投影対物レンズの物体面の領域内に配置されたマスクのパターンの少なくとも1つの像で露光する投影露光方法、及びその方法を実行するのに適した投影露光システムに関する。
半導体部品及び他の微細構造部品の作製には、今日では主にマイクロリソグラフィ投影露光方法が使用される。結像すべき構造のパターン、たとえば半導体部品の層の線パターンを担持するマスク(レチクル)が利用される。マスクは、投影露光システム内の照明系及び投影対物レンズ間で、投影対物レンズの物体面の領域内に位置付けられて、照明系によって与えられる照明光で照明される。マスク及びパターンによって変化させた光は、投影光として投影対物レンズを通過して進み、投影対物レンズは、マスクのパターンを、通常は感光層(フォトレジスト)を担持している、露光すべき基板上に結像する。
リソグラフィ処理を設計しているとき、感光層内の所望の特徴寸法が、投影対物レンズによる結像後に、最適照明を使用することによって露光されるように、線幅をレチクルに適応させる。この処理では、マスクの同一特徴が、基板上の位置に関係なく、フォトレジスト上に直ちに結像されることが重要である。そうでなければ、価格を低下させる速度低下が発生し、最も不都合な場合、半導体部品に機能損失さえも発生するであろう。
フォトレジスト内の特徴の幅は、そこに加えられた放射エネルギーによって決まる。従来の概算では、フォトレジストは、特定量を超える放射エネルギーで露光され、それ未満では露光されないと想定されている。放射エネルギーの量の限界値は、「レジスト閾値」とも呼ばれる。フォトレジストの特定位置に加えられた放射エネルギーの大きさは、特に投影対物レンズの光学収差、露光放射光の偏光状態、及び散乱光及び二重反射の影響によって決まる。ここで決定的であるものは、全露光時間中での基板のある場所での積算放射強度である。
リソグラフィ処理は、処理中の、又は結像中の極めて小さい変化に非常に敏感に反応することが明らかになっている。このため、汚染又は劣化などの耐用寿命効果は、特徴幅の変化をそれらの周囲パラメータに応じて強弱させることができる。大きく異なる特徴を有するマスクをパターン内に使用する(レイアウト変化)時、特定の問題が追加されるであろう。たとえば、パターン内において、比較的密集した特徴を有するパターン区域が、離隔特徴を有するパターン区域に隣接して存在するときはいつも、これが当てはまる。
上記耐用寿命効果を回避するために、露光期間及び/又は露光エネルギーを適応させることにより、特徴幅の全般的なずれを除去することが試みられている。異なった環境での線幅の変化が大きすぎる場合、一般的にパターン用に新しいレイアウトを、したがって新しいレチクルを開発する必要がある。レイアウト変化に関して、パターン内に存在するすべての特徴について許容可能な結像を可能にするように照明を妥協させる処理が、一般的に選択される。これができない場合、パターンを、標準化されやすい特徴を含む2つ以上の個別パターンに分割する場合が多い。その後に、基板の二重露光又は多重露光が実行されて、最初に第1パターンを完全に転写し、その後で第2パターンを、また適当であれば、さらなるパターンを連続的に転写する。多重露光を行う方法の場合、露光基板のスループットが非常に低いという欠点がある。さらに、順次実行される露光(オーバーレイ)の場合、正確に位置付けて重ね合わせる露光に課せられる要求が非常に高く、その結果、処理が非常に高価になる。
位置依存型線幅変化を回避するために、多くの提案がすでになされている。これらは以下に「短寸法の変化」又は「CD変化」とも呼ばれる。したがって、視野全体で結像された同一特徴の均一幅、いわゆる「CD均一性(CDU)」が、リソグラフィ処理の重要な品質基準を構成する。
米国特許第6,049,374号は、マイクロリソグラフィ用の投影露光システムであって、位置に依存して設定されることができる透過率関数を有する透過フィルタを照明系の内部に配置した投影露光システムを記載している。投影対物レンズの像面上の照度分布の位置依存型測定に基づいて、透過フィルタの適当な位置依存型透過率の設定により、照度を位置の関数として設定することができ、それにより、結像特徴の線幅を位置依存式に制御することができる。この場合、ウェハステッパの照度を、結像すべき視野全体、又は結像すべき特徴全体で静的に変化される。また、視野面の領域内の適当なニュートラルフィルタを介して、予想線量変動を補償することが可能である。
米国特許第6,608,655B1号は、マイクロリソグラフィ用の投影露光システムであって、走査によってマスクのパターンを基板上に連続的に結像する投影露光システムを記載している。処理において、照明光は、スリット形照明野でマスクに当たり、マスクのパターン全体が、マスクと同期して移動する基板上に転写されるまで、マスクを照明野に対して移動させる。照明系の視野面上又はその付近で照明系内に配置された矩形ダイアフラム、及びこのダイアフラムの付近に配置されて、走査方向の開口幅を走査中に変化させることができるさらなる近視野ダイアフラムによって、照明野のスリット幅を走査処理中に変化させることができる。それにより、マスクの異なった領域に対して異なった露光時間を設定することが可能である。照明系の内部の交換式ひとみフィルタにより、それぞれの走査処理用に異なった照明設定を設定することができる。
米国特許第5,933,219号は、マイクロリソグラフィ用の投影露光システムであって、走査処理において、マスクのパターンを基板上に連続的に転写する投影露光システムを開示している。照明系は、偏光で働く。マスクは、側方にずれた領域において、異なった方向に延びるマスクパターンを有する。走査処理中に照明光の偏光方向を変化させ、それにより、個々のマスク領域がそれぞれ、偏光方向がそれぞれのサブパターンの長手方向に延びる偏光で照明されるようにする。
国際出願第WO02/05029号は、マイクロリソグラフィ用の露光方法であって、照明系のひとみ整形面上に、円形ひとみ内に4つの角形照明スポット(シェブロン)を有する照度分布が設定される露光方法を記載している。この照明は、線が互いに垂直をなす方向に存在している特徴用に最適化される。
米国特許第6,433,854B2号は、投影露光システムの照明系であって、照明光の強度の均一性を照明系の内部のフィルタによって改善しようとする照明系を記載している。
マイクロリソグラフィ投影露光システムの照明系のひとみ整形面上の局在照度分布に影響を与えるさらなる方法が、米国特許出願第2002/0126267A1号及び米国特許第6,583,855B2号に示されている。
投影光の強度分布の制御も、多くの他の文献で扱われている。国際出願第WO03/023832号は、スキャナシステムの走査方向に垂直な照明の均一性の短期変化を補正するための、トラフ形透過プロフィールを有する回転式プロフィールフィルタを設けた投影露光システムを示している。米国特許出願第2001/0055103A1号は、ウェハスキャナ用の投影露光システムであって、線パターンを設けた2つのフィルタを走査中に互いに逆方向に移動させる投影露光システムを示している。第3フィルタが、粗補正の目的を果たす。平行移動が照明の均一性の向上を目的とするのに対して、垂直移動はテレセントリック性を向上させる。フィルタは、照明系の視野面外で視野及びひとみ間に配置される。米国特許第6,396,567号は、ウェハに当たる光線量を制御するために、一部に透明材料を、又は一部に反射材料を見せる円環形状の減衰フィルタを設けた投影露光システムを示している。
米国特許出願第2003/0038225A1号、又は本出願人によるまだ未公開のドイツ特許出願第DE10343333.3号は、マイクロリソグラフィ投影露光システム用の照明系であって、主光源の光を受け取って、照明系のひとみ整形面上に可変設定することができる二次元強度分布を生じる配光装置が、個別に駆動可能な個別鏡を設けたマイクロミラー構造を有し、それが特に鏡素子に当たる放射光の角分布を変化させ、それにより、露光の開始前に所望の照度分布をひとみ整形面上に生じることができるようにした照明系を示している。
米国特許第6,049,374号 米国特許第6,608,655B1号 米国特許第5,933,219号 国際出願第WO02/05029号 米国特許第6,433,854B2号 米国特許出願第2002/0126267A1号 米国特許第6,583,855B2号 国際出願第WO03/023832号 米国特許出願第2001/0055103A1号 米国特許第6,396,567号 米国特許出願第2003/0038225A1号 ドイツ特許出願第DE10343333.3号
本発明の目的は、視野依存型の特徴幅変化を従来システムと比べて低減又は排除することができるようにする投影露光方法及び投影露光システムを提供することである。その目標は特に、レイアウト変化があるマスクを、改善された像忠実度で結像することができる投影露光方法及び投影露光システムを提供することである。本発明の別の目的は、基板に生じる線幅を、スキャナシステムの使用時の位置の関数として制御することができる投影露光方法及び投影露光システムを提供することである。
本発明の解決手段は、特許請求の範囲に例示されている。
発明の実施の形態
本発明の1つの形態によれば、本発明は、上記及び他の目的を達成する方法として、投影対物レンズの像面の領域内に配置された感光基板を、投影対物レンズの物体面の領域内に配置されたマスクのパターンの少なくとも1つの像で露光する投影露光方法であって、
第1サブパターンを備える第1パターン区域、及び第1パターン区域から側方にずらして配置された、第2サブパターンを備える少なくとも1つの第2パターン区域を有するマスクを投影対物レンズの物体面の領域内に配置するステップ、
マスクによって変化させた投影光を生じるために、照明系の照明野からの照明光によってマスクを照明するステップ、
照明光の明確に画定された局在照度分布を照明系のひとみ整形面上に設定するステップ、
第1照明時間中に第1サブパターンを照明することであって、第1サブパターンに当たる照明光の、第1サブパターンに適応させた第1角分布が、第1照明時間中に設定される、第1サブパターンを照明するステップ、及び
その後で、第2照明時間中に第2サブパターンを照明することであって、第2サブパターンに当たる照明光の、第2サブパターンに適応させた、第1角分布と異なる第2角分布が、第2照明時間中に設定される、第2サブパターンを照明するステップ、
を含む投影露光方法を提供する。
ここで考えられるタイプの投影露光方法では、主光源、特にレーザの光から、特定の照明パラメータによって画定されてマスクに向けられる照明光を形成する照明系によってマスクが照明される。照明野(明確に画定された形状及び寸法の表面)内の照明光はマスクに当たり、照明野の形状及び寸法は一般的に一定である、すなわち変化しない。たとえば、一般的に、照明野内の目標は、できるかぎり均一な強度分布であり、このため、均質化装置、たとえばハエの目コンデンサ及び/又はロッドインテグレータなどの光混合素子を照明系の内部に設けることが可能である。さらに、結像すべき特徴のタイプに応じて、照明系のひとみ整形面上の照明光の異なった空間強度分布によって特徴付けることができる異なった照明モードが必要である場合が多い。従来の照明設定の場合、これに関連して、たとえば照明系の光軸を中心にした異なった直径の丸形照明スポットがあり、また従来型ではないオフアクシスタイプの照明の場合、環状照明とともに有極強度分布、たとえば双極照明又は四極照明がある。ひとみ整形面上の各位置又は空間(二次元)照度分布は、ひとみ整形面が、フーリエ変換によってマスク面に変換された面の領域内、又はそれと同等の面上に位置するほどまで、マスクの位置における光の角分布に対応する。この角分布は、マスクとの相互作用後の投影光の角分布を実質的に決定し、投影光はさらに、マスクのパターンでの回折によって生成された情報をさらに含む。マスクのパターンの像を生成するために、投影光は、投影対物レンズを透過して、投影対物レンズによって投影対物レンズの像面上の感光基板上に統合される。
たとえば、露光中に照明系のマスク及び照明野間の相対移動によるマスクの走査を行って、最初に第1サブパターンを、その後に第2サブパターンを照明野の照明光で照射する場合、マスクの異なった場所又は異なった領域内で異なった瞬間に最適露光状態を設定することが可能である。もちろん、全露光動作中の3つ以上の照明時間内で3つ以上の異なった露光状態を実行することが可能である。
マスクのパターン全体を基板上に結像するために必要な露光時間を本明細書では「全露光時間」と呼ぶ。スキャナシステムにおいて、照明野は一方向(走査方向)においてマスクパターンより小さく、また、マスクはこの方向に走査され、それにより、互いに側方にずれたパターン区域が、時間的に連続して結像される。本発明に従った投影露光方法の場合、全露光時間が、直接的又は中断をおいて互いに続くとともに各々が全露光時間より短い少なくとも2つの照明時間に細分割される。第1露光時間中に、パターンに当たる照明光の第1角分布であって、たとえばひとみ整形面上の関連の照度分布によってほぼ決定されることができる第1角分布が設定される。それに続く第2露光時間中に、パターンに当たる照明光の、第1角分布と異なる第2角分布であって、必須ではないが一般的にひとみ整形面上に別の照度分布を伴う第2角分布がある。第1角分布を第1サブパターンに適応させて、第1サブパターンが最適に、又はほぼ最適に結像されるようにすることができるのに対して、妥当であっても、第1角分布は第2サブパターンの結像に最適ではない。反対に、第2角分布を第2サブパターンに適応させて、第2サブパターンが最適に結像されるようにすることができるのに対して、妥当であっても、第2角分布は、第1サブパターンの結像にあまり好適ではないであろう。したがって、異なった結像状態で多数の照明時間を時間的に並置することにより、一定時間にわたってマスクの各サブパターンに対して最適な結像状態を設定することが可能になり、それにより、全露光時間の経過後に、サブパターンのすべてが、それらにそれぞれ最適な結像状態で結像されている。
好適な変更形態の場合、次のステップが実行される。すなわち、
照明系のひとみ整形面上に、第1サブパターンに適応させた第1照度分布を設定するステップ、
第1照明時間内で第1サブパターンを第1照度分布で照明するステップ、
第1照度分布と異なる第2照度分布を生じるために、ひとみ整形面上の照度分布を変化させるステップ、及び
第1照明時間に続く第2照明時間内で第2サブパターンを第2照度分布で照明するステップ、
の方法ステップが実行される。
それにより、個々のマスクの照明動作中、照明ひとみの動的操作を実行することができる。「照明ひとみ」という用語は、本明細書では照明系のひとみ整形面上の照明光の明確に画定された位置(空間)照度分布を表す。それにより、レチクルの各パターン区域の走査中に現在露光しようとする対応のサブパターンの特徴に対して最適露光状態を連続的に設定するために、特に照明ひとみを走査処理中に特定のやり方で動的に適応させることが可能である。
それにより、異なった瞬間又は異なった時間内で異なった照明設定で、マスクの異なった場所を照明することが可能である。
マスク用に与えられた全露光時間内で照明設定を切り換えるために、従来の照明系で以前に一般的であったものより迅速な照明設定間の切り換えが可能でなければならない。光源として使用されるパルスレーザのクロック周波数の大きさの変化率が有利であろう。従来の照明系の場合、一般的に照明設定は露光前に設定されており、露光中はまったく変えられないので、従来の投影露光システムの照明系は、そのように迅速に設定を切り換えるように構成される必要がない。その場合、照明ひとみは、たとえば、それぞれの場合に露光前にズームアキシコンシステムを回折及び/又は屈折光学素子と組み合わせることによって設定されて、全露光時間中は一定のままである。全露光時間内でさまざまな照明設定間の迅速な切り換えを可能にするために、投影露光方法の好適な変更形では、
実質的に第1照度分布及び第2照度分布を重ね合わせたものである基本照度分布を照明系のひとみ整形面上に設定するステップ、
第1照度分布を生じるために、基本照度分布の、第2照度分布に対応する部分を遮蔽するステップ、及び
その後で、第2照度分布を生じるために、基本照度分布の、第1照度分布に対応する部分を基本照度分布から遮蔽するステップ、
が実行される。
基本照度分布は、従来のやり方で、たとえばズームアキシコンシステムを屈折及び/又は回折光学素子と組み合わせることによって設定されることができる。たとえば、それは実質的に、異なった寸法及び/又は光軸からの異なった距離、及び/又は光軸を基準にした異なった回転位置の極を有する2つの異なった双極照明の合計として作られることができる。最初に一方の照明スポットを、次に他方の照明スポットを交互に遮蔽することにより、マスクパターン内の、異なった配列の線特徴及び/又は異なった周期長の線特徴にそれぞれ適応させた2つ以上の異なった双極照明を連続的に実現することが可能である。
基本照度分布の一部分を迅速に遮蔽するために、たとえば空間的に可変な透過率関数を有する適当な透過フィルタ装置を使用することができる。代替又は追加して、空間的に可変な反射関数を有する少なくとも1つの反射フィルタ装置を使用することも可能である。位置依存式に変化することができる透過率関数を実現するための個別駆動可能な個別素子を有するフィルタアレイは、たとえばLCD素子又は他の制御可能な個別素子によって実現されることができる。反射フィルタ装置は、たとえばマイクロミラーアレイによって実現されることができる。フィルタ装置及び対応の制御装置は、全露光時間内でフィルタ関数の少なくとも1つの切り換えが可能であるように設計されるべきである。
別の実施形態では、たとえば、光軸を中心にして回転するダイアフラムのように構成することができる1つ又は複数の可動ダイアフラム装置によって、基本照度分布の一部分の遮蔽を実行することができる。この場合、基本照度分布に対して移動することができるダイアフラム開口を移動させ、それにより、ダイアフラム装置の移動中、たとえば光軸を中心にしたダイアフラムの回転中に、最初に第2照度分布に対応する部分を遮蔽して、第1照度分布に対応する部分だけを通過させる一方、その後の回転位置では、基本照度分布の、第1度分布に対応する部分を遮蔽して、第1照度分布に対応する部分を通過させるようにすることができる。全露光時間内の異なった瞬間で異なった照明設定を基本照度分布から「遮断する」そのようなダイアフラムは、移動、たとえば回転をパルスレーザ光源のパルス周波数及びパルス瞬間と連係させるようにして駆動されることが好ましい。
第1照明時間及び第2照明時間を含む全照明時間中、主光源の光を受け取り、且つ照明系のひとみ面上での可変設定可能な局在照度分布を生じる可変駆動可能な配光装置を使用して、最初に第1角分布に対応する第1照度分布を設定し、その後で、第2角分布に対応する第2照度分布を設定できるようにすることも可能である。
本目的は、一般的な全露光時間の一部分内で異なった照明設定に迅速に切り換えることができるようにする可変駆動可能な配光装置を必要とする。好適な実施形態では、配光装置は、空間ドメイン及び/又は角ドメイン内で入射光の強度分布を制御可能に変化させるための少なくとも1つの光操作装置を有し、この光操作装置は、全露光時間中に第1形態及びそれと異なる第2形態間で少なくとも1回は切り換えられる。
1つの発展において、光操作装置は、鏡構造であって、鏡構造に当たる光の角分布を変化させるための、一面に広がった個別制御可能な個別鏡を備える鏡構造を有する。そのようなマイクロミラー構造の個々の鏡は、ラスタのように一次元又は二次元的な広がりで配置されることができる。別の発展によれば、光変調器は、好ましくは一次元又は二次元的な広がりの配置(アレイ)の切り換え可能な回折格子、又は同様の広がりの音響光学素子を備える少なくとも1つの電気光学素子を有する。ラスタのように配置され、また、それに対応してラスタ素子とも呼ばれることができるこれらの個別素子の各々は、ラスタ素子の位置に、出力光の特定の角又は特定の角分布を発生させて、一般的に入射光のビーム偏向、すなわち伝播方向の変化をもたらす。たとえば、個別素子を電気的に駆動することにより、回折特徴を第1及び第2照明時間の間で変化させるために、出力光の角分布を可変に設定することができる。
一実施形態では、光変調器は、回折角分布を変化させるために、光を回折する回折構造を有するとともに外部駆動部によって短期的に駆動されることができる少なくとも1つの動的駆動可能な回折光学素子(DOE)を有する。たとえば、透明材料から形成された平行平面板を設け、その縁部の1点又はさまざまな点に圧電素子を取り付け、それにより、音波を板内に組み込むことができる。励起周波数の特定調整により、定常縦波が板内に発生し、その結果、板が透過光用の位相格子のように作用する。周波数を適合させることにより、回折角又は回折角分布を変化させることができる。振幅を変化させることにより、励起度をゼロ次回折に適応させることができる。たとえば、波パターンを異なった配列の線格子の形で発生する場合、それにより、時間的に連続して極の配列が異なる双極照明を生じることが可能である。
照明系のひとみ整形面上の明確に画定された局在照度分布を変化させる代替又は追加として、照明すべきパターンの上流側のビーム路で投影系の視野面の領域内に照明光の角依存型変化を発生させることにより、照明光の角分布を第1及び第2照明時間の間で変化させることも可能である。一実施形態では、この目的のために、空間的に変化する反射防止被膜が、マスクの、照明系に面する後面に設けられる。反射防止被膜は、第1サブパターンの領域内に反射減少作用の第1角依存性を、また第2サブパターンの領域内に反射防止作用の、第1角依存性と異なった第2角依存性を有する。それにより、それぞれの場合にすべてのサブパターンに対して最適光学結像状態を得るために、特定の照明角範囲を、割り当てられたサブパターンの形態に応じて増減させて減衰することが可能である。そのような反射防止被膜は、レチクルの後側の付近で別体の部材に、適当であれば交換可能に設けられることもできる。
スキャナシステムにおいて、上記形式の空間的に変化する層を有するマスクを走査方向に配置し、それにより、異なった活性の被膜の領域が照明野によって時間的に連続して覆われるようにすることができる。代替又は追加として、走査方向を横切る方向で、特に走査方向に対して垂直方向で側方にずらして配置されたパターン区域を設けることも可能である。側方にずらした少なくとも2つのサブパターンを備え、サブパターンの分布に適応させるとともに、サブパターンに割り当てられた領域で異なる空間変化光出力を有する層を割り当てられたマスクは、ウェハステッパに使用されることもでき、その場合、並置されたサブパターンに対して同時に異なった照度分布及び/又は異なった偏光分布を生じることができる。
投影対物レンズから出て基板上に送られる出力光の偏光状態、いわゆる「出力偏光状態」も同様に、像品質に対して、開口数を増加させるためにますます重要な役割を果たす影響を与えることが既知である。この文脈で、像を生成する電界のベクトル特性は、たとえばNA=0.85以上の値の高開口数の場合により明らかに顕著になる。たとえば、電界のs偏光成分は、それに対して垂直方向に振動するp偏光成分より効果的に干渉し、且つ良好なコントラストを生じる。反対に、p偏光は一般的に、フォトレジスト内により効果的に組み込まれる。したがって、出力偏光状態は、結像に影響を与えるためのマニピュレータとして使用されることができる。
一発展では、少なくとも1つの偏光操作装置によって投影露光システムでの出力偏光状態の可変設定を実行することができ、偏光操作装置は、全露光時間内に第1形態及びそれと異なる第2形態間で少なくとも1回は切り換えられ、それにより、第1サブパターンが第1出力偏光状態で結像され、第2サブパターンは、それと異なった第2出力偏光状態で結像されるようにする。特にこの目的のために、レチクル上に向けられた照明光の偏光特性を変化させることが行われ、その場合、この偏光状態は、サブパターンのタイプに応じて、全露光時間中に少なくとも1回は切り換わる。たとえば、照明系の内部に動的、すなわち切り換え可能な偏光器を設けることが可能であり、その場合は特に、圧電素子などによって金属基板上に、照明光の波長より短い周期であって(サブλ構造)、励起周波数によって変化させることができる周期を有する表面波が発生する。代替又は追加的に、回転偏光フィルタ又は回転遅延素子を設けることができる。回転偏光器が、入射する無偏光を、その素子が光軸を中心にして回転するのに伴って同様に光軸を中心にして回転する好適な画定偏光方向の射出偏光に変換するために使用されることができる。2つのサブパターンが好適な偏光方向の異なった配列で露光されるように、回転速度をパルスレーザ源のパルスの位相及び位相角と連係させることができる。入射光として円偏光を使用するときは回転四分の一波長板で、又は直線偏光を使用するときには回転二分の一波長板で、対応の効果を達成することができる。それぞれの場合、露光のための時間は、遅延素子の、複屈折作用に決定的である主結晶軸が所望方向を指すように設定される。
上記特徴及び他の特徴は、特許請求の範囲から明らかになるのに加えて、明細書及び図面からも明らかになり、その場合、個々の特徴は、それぞれ本発明の一実施形態及び他の分野において単独で、又は複数の小組み合わせの形で実現されることができるとともに、有利かつ本来的に特許性がある実施形態を構成することができる。本発明の例示的な実施形態を図面に示し、以下により詳細に説明する。
図1は、半導体部品及び他の微細構造部品の作製に使用されることができ、且つ1マイクロメートルの何分の一までの解像度を達成するために真空紫外線(VUV)領域からの光で動作するマイクロリソグラフィ投影露光システム100の第1例を示す。光源102として、作動波長が約193nmのArFエキシマレーザが役立ち、その直線偏光された光線は、照明系の光軸103と同軸的に並ぶ。たとえば、作動波長が157nmのF2レーザ、作動波長が248nmのKrFエキシマレーザ、又は作動波長が368nm又は436nmの水銀灯などの他のUV光源とともに、波長が157nm未満の光源も同様に可能である。光源102の直線偏光はビーム拡大器に入射し、これは、たとえば第DE4124311号に従った鏡構造の形であることができ、コヒーレンスの減少及びビーム断面の拡大のために使用される。ビーム路上でそれの下流側に配置された偏光回転器105については、より詳細に後述する。ビーム整形素子として使用されている第1回折光学バステン素子106が、ビーム路上においてそれの下流側に配置された対物レンズ108の物体面107上に配置されており、ひとみ整形ユニット155の可変設定可能な部分として構成され、これにより、照明光の明確に画定された空間(二次元)照度分布を、照明系の対物レンズ108の下流側に位置するひとみ整形面110上に設定することができる。ひとみ整形面110は、対物レンズ108の射出ひとみと一致する。射出ひとみ110のすぐ近くに、さらなるビーム整形素子として使用される屈折性の第2光学ラスタ素子109が配置されている。照明系のひとみ面であるひとみ整形面110上に、回転ダイアフラム115が配置されており、これは、可変ひとみフィルタとして使用され、それの構造及び機能についてはさらに詳細に後述する。その後方に配置された入射光学素子120が、光を中間視野面121に送り、中間視野面上にレチクル/マスキング系(REMA)122が配置されて、調節可能な視野ダイアフラムとして使用される。本実施形態では、照明光は、REMA系122から軸方向にわずかにずれるようにして視野中間面121の近傍に位置付けられ、且つ、後述するように、走査処理の積算作用と連携してレチクル(マスク)150の概ね均質な照明を可能にするように、光分布の特定の縁部領域を遮蔽するように調整される、又は設定されることができるダイアフラムユニットによって均質化される。この目的に適し、動的又は互いに独立的に視野内へ横方向に挿入されることができるロッド形の「フィンガダイアフラム」からなる装置が、ヨーロッパ特許出願第EP1020769A2に示されており、その内容は参照によって本明細書に援用される。
下流側結像対物レンズ130は、中間視野面121をマスキング系122によってレチクル150(マスク、リソグラフィマスタ)上に、たとえば2:1〜1:5であることができ、本実施形態では約1:1である縮尺で結像する。結像は、中間像を伴わないで行われ、照明系の射出面140に関してフーリエ変換された面であるまさに1つのひとみ面135が、結像対物レンズ130の物体面に対応する中間視野面121と、照明系の射出面に、また同時に下流側投影対物レンズ160の物体面に対応する結像対物レンズの像面140との間に位置する。このひとみ面135と像面140との間に配置され、光軸103に対して45°だけ傾斜した偏向鏡136により、比較的大きい照明系(長さが数メートル)を水平に設置し、且つレチクル150を水平に支持することができる。
レーザ102の光を受け取って、レチクル150に向けられる照明光をその光から形成する光学部品が、投影露光システムの照明系に対応付けられている。レチクル150の保持及び操作を行う装置171が、照明系の下流側に配置され、それにより、レチクル150上に配置されたパターン151が、投影対物レンズ160の物体面140上に位置して、走査方向(y−方向)へのスキャナ動作のために、スキャナ駆動部172によって光軸103(z−方向)に垂直であるこの物体面上を移動することができるようにしている。
レチクル面140の下流側に投影対物レンズ160が続き、これは、縮小対物レンズとして作用し、たとえば1:4又は1:5の縮尺で、マスク150上に配置されたパターン151の像を、フォトレジスト層で被覆されたウェハであって、その感光面が、投影対物レンズ160の像面165上に位置するようにしたウェハ190上に投影する。屈折、反射屈折及びカトプトリック投影対物レンズが可能である。他の縮尺、たとえば1:20まで、又は1:200までのより強度の縮小も可能である。
本例の場合は半導体基板190であることができる露光すべき基板は、ウェハをレチクル150と同期させながら光軸に対して垂直方向に移動させるためにスキャナ駆動部174を有する装置173によって保持されている。投影対物レンズ160の構造しだいで、この移動は平行又は非平行に行われることができる。「ウェハ台」とも呼ばれる装置173、及び「レチクル台」とも呼ばれる装置171は、走査制御装置175を介して制御されるスキャナ装置170の構成部品である。
可変設定することができる照明系の素子は、照明系制御装置180を介して駆動され、この装置180は、データを伝送するために走査制御装置173に接続され、それにより、レチクル150の照明形式を走査処理と連係させることができる。特に、バルスレーザのパルスシーケンス、及びパルス又はパルスシーケンスの一時位置、すなわちそれらの位相を、適当ならば走査制御装置173の信号の関数として設定することができるようにレーザ102を駆動する目的で、光源制御ユニット181が構成される。偏光回転器105を駆動するために、偏光制御ユニット182が使用される。本例の場合、ズームアキシコン系を含む対物レンズ108内の可動支持された光学部品の駆動部を制御するために、対物レンズ制御ユニット184が使用される。ひとみフィルタ制御ユニット185が、可変ひとみフィルタ115を駆動する目的で設計されており、特にスキャナ装置170及びパルスレーザ102の制御と連係させて駆動を実行することが可能である。
ひとみ整形ユニット155の素子は、照明系のひとみ整形面110内に照明光の明確に画定された空間照度分布を設定する目的に役立つ。この場合、ひとみ整形面110の上流側に位置する光学素子が基本照度分布を生じ、この分布は、空間分解ひとみフィルタ115の構造によってさらに変更されることができる。それから得られる空間照度分布は、以下では「照明ひとみ」とも呼ばれる。
ひとみ整形面は、直後のひとみ面135及び投影対物レンズ160の像側ひとみ面161と光学的に共役である位置又はその付近に位置する。それにより、投影対物レンズのひとみ161での空間(局在)光分布は、照明系のひとみ整形面上の空間光分布(局在分布)によって決定される。それぞれの場合にひとみ面110、135又は161間の位置で、それぞれのひとみ面に関してフーリエ変換された面である視野面が、光学ビーム路上にある。これは特に、ひとみ整形面110上の明確に画定された照度局在分布が、レチクル150に当たる照明光の固有角分布に対応する照明光の固有角分布を下流側視野面121の領域に生じることを意味する。
照明系の特別な特徴は、個別マスクのための照明動作中に、すなわち、マスクの走査中に、照明ひとみを動的に操作することができることにある。これについて、図2の概略的斜視図(同一縮尺ではない)によってさらに詳細に説明する。それぞれ照明系から、ひとみ整形面110の領域、及びレチクル150に向かう照明光を射出する結像対物レンズ(REMA対物レンズ)130の射出側端部が示されている。それぞれの場合、レチクルの下流側の光路上に、ウェハ台173によって保持されたウェハ190の小領域上にマスクパターンの縮小像を投影する投影対物レンズ160が見える。マスク150及び基板(ウェハ)190は、全露光時間中、走査装置によって光軸(z−方向)に対して垂直な非平行方向に移動させられ、それにより、照明系によって生じて矩形スリットの形をなす照明野135が、レチクル150上に存在するパターン全体の上方を移動し、前記パターンは、非平行に移動中の基板上に同時的且つ連続的に転写される。説明のために、概略図ではウェハ面全体が走査される。反対に、チップの作製中に、パターン化され、結果的に走査されるのは、それぞれの場合にウェハ面の1つの小領域だけであることは既知である。
レチクルのパターンは、相当な「レイアウト変化」、すなわちパターン内で大きく異なる構造部分を有する。本例の場合、レチクル上には、第1サブパターン151Aを有する第1パターン区域と、それから走査方向(y方向)にずれた位置の、第2サブパターン151Bを有する第2パターン区域とが互いに隣り合わせて配置されている。両方のサブパターンは線パターンであって、第1サブパターン151Aの線は走査方向にほぼ平行に延びる一方、第2サブパターン151Bの線は、走査方向に対して垂直、すなわちx方向に延びている。従来の投影系では、異なった配列の構造特徴を同一の結像品質で結像できるように照明光を照明系で設定することができないため、これらの条件下では、相当な視野依存型特徴幅変化(CD変化)が生じる可能性がある。本実施形態の場合、走査動作中、すなわち、全露光時間内で、ひとみ面110での照度の空間分布を変化させ、それにより、それぞれの場合において両方のサブパターンに対して最適な露光状態が広がることにより、この問題が解決される。図2(a)に示されている瞬間tで、走査動作の開始時に、第1サブパターン151Aが、照明野135の領域内に位置して転送される。このサブパターン用に照明ひとみ111Aが設定されて、2つの照明スポット(照度最大値)112A、113Aが、光軸103からオフアクシス式にx方向で互いに直径方向に向き合って位置する双極照明に対応する。第1サブパターン151Aの位置において、これにより、斜め照明が、主に構造特徴の配列に垂直である(すなわち、x方向に垂直である)方向から構造特徴に当たる照明光の角分布が生じる。それにより、この構造方向に関する最適解像度が可能である。
走査移動の進行に伴って、レチクルを照明野135に対して走査方向に連続移動させ、それにより、照明野が、第2照明時間で第2サブパターン151Bを掃引する。これが、第2照明時間内にある瞬間tについて図2(b)に示されている。この瞬間では、ひとみ整形面110内の照明ひとみの動的変化は、オフアクシス配置された照明スポットがこの時にそれぞれの場合に光軸103からy方向(走査方向)にずれている双極分布に対応する照度分布を設定している。したがって、この場合も同様に、照明野135内の照明光は、主に構造特徴の長手方向に対して垂直である方向から構造部分に当たる。それにより、第2サブパターン151Bに対しても照度の最適角分布が設定され、そのため、このサブパターンも最適結像品質で結像することができる。
本発明は、全露光時間中での照明ひとみの1回の変化に制限されない。しかしながら、走査掃引中に3つ以上の異なった照度分布を設定することも可能である。図3は、この文脈において、3つのパターン区域が互いに隣接して配置されて、サブパターン351A、351C及び351Bを有するレチクル350の概略を示す。それらについて、対応の照明ひとみ111A、111C、111Bが概略的に図示されている。構造方向が互いに垂直であって、それぞれの場合に走査動作の最初及び最後に転写され、また走査方向においてレチクルの外端部に配置された線パターン351A及び351Bは、それぞれの場合に異なった配列の双極照明で最適に照明されるのに対して、その間に位置し、x方向及びy方向にほぼ同一の構造寸法を有する構造特徴であって、その構造特徴間の間隔がほぼ等しい離隔構造特徴を有するサブパターン351Cの場合、最適照明は、互いに垂直に並べた2つの双極照明の重ね合わせ又は組み合わせとして記載されることができる4極照明(照明ひとみ111C)である。
ひとみ整形面における照度の異なった空間分布間の切り換え中、すなわち異なった照明ひとみ間の変化中の瞬間が特別な役割を果たす。光源としてパルスレーザを有する一般的なスキャナシステムは、たとえば露光すべき基板の1つの視野点が、1回の露光で約100パルスのレーザを受けるように設計されることができる。キロヘルツ(kHz)台の大きさのパルス周波数(パルスレート)とすると、これは、各視野点に対して、何分の1秒の露光時間(たとえば、4kHzのパルスレートの場合に1/40秒)に対応する。さらに、照明野の、走査方向に測定したスリット幅を一般的な値、たとえば40mmに設定した場合、1m/s〜10m/s以上(本例の場合は約1.6m/s)の大きさの走査速度で必要な露光時間を達成することが可能である。したがって、現時点で一般的であるマスク寸法である場合、走査プロセス中にマスクの全パターンを1回カバーする全露光時間は、何分の1秒になるにすぎない。異なった照明ひとみ間の切り換えは、この全露光時間内に少なくとも1回の変化を可能としなければならず、そのため、非常に迅速な切り換えが必要である。したがって、一般的な切り換え時間は、ズームアキシコン系内の光学素子の変位によって従来の照明及びオフアクシス照明間、及び/又は異なった従来照明設置間で切り換えるために従来のシステムで使用できる切り換え時間より1桁だけ短い。
図1に従った実施形態の場合に実行される、有効照明ひとみの迅速な切り換えを達成する可能性を図4によって説明する。この目的のために、光軸403を中心にして回転するダイアフラムの形の可変ひとみフィルタ415を利用する。ダイアフラム415は、4つの90°セクタに細分割され、直径方向に互いに対向する2つのダイアフラムセクタ415Oは不透明である一方、それらから90°だけずれたセクタ415Tは透明である。ダイアフラムは、ビーム方向においてひとみ整形面110のすぐ下流側に配置され、そのひとみ整形面には、上流側の光学素子のために、それぞれの場合に円周上で90°だけずらして光軸403の外側に配置された4つの照明スポット411X、411X、411Y、411Yを有する四極分布の形の基本光分布が配置されている。これらのオフアクシス照明面上には、レーザの各パルスに対して照度が存在する。回転ダイアフラム415は連続的に回転し、その回転速度はレーザのパルス周波数に合わせられ、それにより、各第2レーザパルスに対して回転ひとみフィルタ415の同一の角位置(回転位置)を生じることができる(回転速度=0.5パルス周波数)。レーザパルス及び回転ダイアフラムの位相を互いに調整し、それにより、それぞれの場合に不透明セクタ415Oが、ビーム路においてx方向に位置する照明スポット411X、411Xの下流側にあるようにすると、スポットは、回転ダイアフラムによって遮蔽され、そのため、y方向に位置する照明スポット411Y、411Yに存在する照度だけが、「有効照明ひとみ」として存在する。結果的に、照明極がy方向にずれている双極照明に対応する、図2(b)のものに似た有効照明ひとみが生じる。その結果、x方向に平行に延びる線パターンを特に好ましいやり方で照明することができる。この双極照明及び90°ずれた双極照明間で、x方向に位置する照明スポット411X、411Xだけが有効照明ひとみに寄与するようにする切り換えを達成するために、光源制御ユニット181によってレーザパルスシーケンスをパルス周波数の四分の一だけ短期的に遅らせる。この位相遅れのため、後続の各レーザパルスで、y方向にずれた照明スポット411Y、411Yの照度が不透明セクタ415Oによって遮蔽されるのに対して、x方向に位置する照明スポット411X、411Xの照度は、透明セクタ415Tの領域を通過する。これは、図2(a)に示された有効照明ひとみ111Aに対応する。したがって、短期的にレーザパルスシーケンスの位相を遅らせるだけで、異なった向きの双極照明間の迅速な切り換えが可能である。これは必要な速度で行われることができる。異なった照明設定を切り換えるために、照明系で何らかの機械的操作を実行する必要はまったくない。
回転ひとみフィルタ415は、中実ダイアフラムとして構成されることができ、その場合、不透明セクタは、たとえば適当な形状に金属板によって形成される。ひとみフィルタは、透明材料からなるディスクによって形成されることもでき、その場合、不透明セクタには、たとえば金属材料から形成された適当な不透明被膜が塗布される。
例示として本明細書に記載した原理は、特例領域を一時的に、且つひとみ整形面上に存在して全露光時間中に変化してはならない基本照度分布から迅速に変化させて遮蔽することにある。この目的のために、空間可変透過率関数を有し、且つ適当な迅速さで切り換えられることができる他の透過フィルタ装置を利用することも可能である。たとえば、電気駆動に基づいて透過率が「ピクセル状」に変化することができる適当なデジタルフィルタを使用することが可能である。迅速に切り換えられることができる反射フィルタ装置を使用することによって、遮蔽を実行することもできる。たとえば、図1の偏向鏡136をひとみ面135に十分に接近させて、空間分解ひとみフィルタリングが可能になるようにした場合、偏向鏡をマイクロミラー配置として構成することにより、照度の一部の選択的遮蔽を達成することが可能である(図9に関連した説明と比較されたい)。
またさらに、これらの方法を調節可能な視野絞り122(REMAブレード)のダイアフラム素子の移動と連係させることができ、それにより、移行領域をさらに明確に画定することが可能である。たとえば、開放している視野絞り122の場合、第1照明設定を最初に露光することができる。その後、絞り122を閉鎖して、照明ひとみを変化させる。次に、露光動作を続けることができるように、REMAブレードを再び開放する。走査方向に対して垂直方向の変化の場合、フィルタをさらに、x方向に移動することができるREMAブレードに、又は対物レンズ130内のズーム系を介して結合することができる。短寸法のより良好な制御(CD制御)を達成するため、達成可能な短寸法(CD性能)に関するドーズマッパーを使用することにより、本方法を改良することもできる。
上記例は、走査動作と連係させた照明系のひとみ面上の透過率の空間変化により、マスクの異なった並置構造領域の最適照明が可能になることを示す。マスク上の異なったパターン区域が照明光の異なった角分布で時間的に連続して露光されるように、マスク構造の上流側の視野面の領域に透過率の角依存型変化を導入するとき、同様の効果を達成することができる。図5〜図7により、この目的に適した特定マスクの実施形態を説明する。図5は、マスク550の断面の概略図を示す。これは、たとえば合成石英ガラス又はフッ化カルシウムから構成することができる平行平面板の形の透明基板555を有する。誘電反射防止被膜556が、基板555の、設置状態で照明系に面する入射側に塗布される。この側は、「レチクル後側」とも呼ばれる。マスクのパターン、すなわちマスク構造は、クロムなどから形成された不透明ウェブの形で、設置状態で投影対物レンズに対向して位置してそれに面する基板の射出側に塗布される。図示のマスクはレイアウト変化を有して、構造特徴が比較的互いに接近している第1サブ構造551Aを有する第1マスク領域に加えて、より粗い構造であるように構造特徴が互いにさらに離れた第2サブパターン551Bを有する第2マスク領域が配置されている。反射防止被膜556は、光出力が異なった多数の並置領域を有し、反射防止被膜ARAを有する第1被覆領域が第1サブパターン551Aの反対側に配置され、それと異なる第2反射防止被膜ARBを有する第2被覆領域は、より粗い第2サブパターン551Bの反対側に配置されている。
異なった光出力は、誘電多層スタックの個々の層の層厚及び/又は材料の違いによってもたらされる。反射防止被膜556の異なった領域の光学特徴を、反射防止被膜の透過率Tを入射照明光の入射角αの関数として概略的なグラフで示す図6によって説明する。より微細な構造551Aに割り当てられた被膜ARAは、限界入射角αA付近まで良好な透過率を示し、より大きい入射角の光を実質的にまったく通さない。反対に、より粗い構造に割り当てられた第2反射防止被膜ARBは、はるかに小さい入射角の場合に透過率がすでに大幅に低下しており、そのため、限界入射角αB<αAで実質的にまったく透過しないように構成されている。反射防止被膜の透過率の空間変化には、より微細なサブ構造551Aが、それに隣接した位置にあるより粗い構造551Bより幅広い角スペクトルで照明されるという効果がある。より微細な構造551Aに対しては照明光の広い角スペクトルが利用可能であるが、より粗い構造551Bの領域では、これらの構造を結像するいずれの場合にも必要がないとともに結像の干渉をもたらす可能性があるそれらの比較的大きい入射角は遮断される。ここでも同様に、マスクの並置されたサブ領域は、照明光の異なった角分布で照明される。多数のサブ領域が、効果が異なる被膜領域で覆われるように照明野の寸法を定めるとき、異なった角分布を空間的に並置された領域内に、ここでは同時に生じることができる。走査移動との組み合わせも同様に可能である。
そのような被膜を使用して、走査方向に対して垂直な照明角分布の変化を実現することも可能である。このタイプの被覆マスクは、ウェハステッパでも有利に使用されることができる。
図7(a)は、レチクル750の変更形であって、投影対物レンズの物体面上に配置されるべきレチクルの前側に異なったサブパターン751A、751Bを有するパターンを同様に担持しているレチクル750を示す。透明基板755の入射側に透明層756が設けられ、これは、異なった構造である第1サブ構造751A用のサブλ構造SUBA及びサブ構造751B用のサブλ構造SUBBの並置領域を有する。回折構造は構造複屈折を発生することができ、これは、回折構造の周期長が使用中の作動波長に照らして短いとき、特に顕著である。そのようなサブλ構造の場合、妨害となるより高次の回折がまったく発生しない。状況によっては、そのような層は、同時に反射防止効果を有することができる。サブλ構造SUBA及びSUBBは、透過光で入射位置に依存した光路長差を生じる異なった格子定数及び/又は特徴幅を有する線形格子として構成されることができる。サブ波長構造を有する個々のサブ領域は、多数の個別層を有する多層システムであって、個別層の一部又はすべてが、透過光の作動波長に照らして小さい光学層厚を有する、多層システムによって形成されることもできる。それにより、いわゆる形状複屈折を生じることが可能である。位置的に可変な偏光影響素子、すなわち偏光に対する効果が、放射光の入射位置によって左右される偏光影響素子が、たとえば本出願人による国際特許出願第PCT/EP03/11977号に示されており、これに関するそれの開示内容は、参照によって本説明に含まれる。
図7(b)は、結像すべきパターンのすぐ近くに、光出力が異なる並置領域を有する透明層を設ける代替の可能な方法を示す。図7(a)に従った実施形態と同様に、マスク構造750’のサブパターン751A’及び751B’は、透明基板755’の射出側(前側)に配置されている。異なった向きのサブλ構造SUBA’及びSUBB’を有する位置可変層756’が、基板755’から分離した透明平行平面板760に塗布されて、マスク基板755’と一緒に取り付け具770内に固定されている。適当ならば、板760をマスク基板755’上に締め付け、それにより、取り付け具を省くこともできる。たとえば、図5に関連して説明したように、このタイプの個別の光学素子が、位置可変反射防止被膜を担持することもできる。このタイプの交換可能な光学素子は、マスクの簡略化された作製、及び異なった被膜要件への容易な適応を促進する。
図1に示されたタイプの照明系の場合、走査動作に必要な全露光時間中に不変のままである基本照度分布をひとみ整形面110に生じるために、ひとみ整形装置155が使用される。異なったマスク領域に対して異なった効果の照明設定を実現するために、走査動作と同期したステップで基本光分布を短期的(動的)変更するために、可変ひとみフィルタ115が使用される。適当な場合に可変ひとみフィルタの使用を省くことができるように、基本照度分布の迅速な変化を生じる可能性を以下に説明する。
図1の照明系の場合、入射したレーザ光の広がり(Etendue)をわずかに増加させるとともに、たとえば、適当な円分布、環状分布又は四極分布を生じるように光分布の形状を変化させるために、第1回折ラスタ素子が設けられている。これらの照明モードを切り換えるために、第1ラスタ素子の交換を行うことができる。対物レンズ108の射出ひとみ上に配置された第2ラスタ素子109は、適当な光分布で照明されて、中間視野面121に望まれる照明野の矩形に対応する形状を有する矩形光分布を形成する。照明の環状性及び照明領域の寸法は、対物レンズ108の内部のズームアキシコンの調節によって調節されることができる。これらの基本機能を有する光学系が、たとえば本出願人の第EP0747772号から既知である。
空間領域内及び/又は角領域内での入射光の照度分布の制御可能な変化を一般的な全露光時間の何分の1以内で可能にする光操作装置を第1ラスタ素子106の代わりに用いることにより、照明モードを迅速に変化できるように、そのような光学系を変更することができる。
図8は、回折角分布の変化を生じるために、外部駆動によって短期的に変化させることができる放射光回折構造を有する動的駆動可能な回折光学素子(DOE)の形をした、効果機能を迅速に変化させるように構成された光変調器806の例示的な実施形態を示す。光変調器は、設置状態において、入射側821及び射出側822が照明系の光軸に対して垂直であるように並べられている、透明材料製の平行平面板820を有する。
y方向に対して垂直に並べられた方形板の側面に圧電素子PYが嵌め付けられ、x方向に対して垂直な近傍の側面に圧電素子Pxが嵌め付けられている。制御装置が、交流電圧を圧電素子Px及びPyに、互いに独立的に印加することができる。その結果、圧電素子によって音波を板820に組み込むことができる。励起周波数を個別に調整することにより、定常縦波が板内に発生し、その結果、板が透過光に対して位相格子のように作用する。それにより、光軸に平行に入射した光ビーム810は回折により、光軸803に関して同一の回折角で反対方向に進む2つの回折光ビーム811、812に切り分けられることができる。それにより、ひとみ整形面上に双極光分布を生じることができ、その回折角が、光軸と回折成分ビームによって形成される照明スポットとの間の半径方向空間を決定する。周波数を適応させることにより、回折角を変化させることができる。振幅を変化させることにより、励起度をゼロ次回折に適応させることができ、それにより、回折次数内での光強度の再分布の制御がさらに可能になる。
第1照明時間中、圧電素子PYが励起されると、これによって板内に縦波が発生し、これは、x方向に伸びるとともに、伝播方向を指定するその波動ベクトルは、y方向を指す(図8(b)上側)。それにより、光軸からy方向にずれた照明極を発生することができる。この場合、他方の圧電素子PXは不活動状態にある。反対に、素子PXが励起される一方、素子PYが不活性状態にある(図8(b)下側)場合、その結果として、音がx方向に平行に伝播し、波はy方向に進み、回折光ビームはx方向において光軸からずれる。
両方の圧電素子を、適当ならば異なった振幅及び/又は周波数で同時に励起することにより、さらなる照度分布が可能である。
図9は、照明系900の一実施形態を示し、そのひとみ整形ユニット950は、可変ひとみフィルタリングを必要とすることなく、ひとみ整形面910の異なった照明ひとみ間の切り換えを非常に迅速に行うことができるようにする。光源902、ビーム拡大器904、対物レンズ908及び第2ラスタ素子909に関して言うと、照明系の構造は図1の光学系の構造に対応し、そのため、この範囲ではそれの説明を参照されたい。ひとみ整形面910の下流側に配置された入射光学素子920は、その照度分布の光をロッド形光インテグレータ945の矩形入射面944に送り、光インテグレータは、合成石英ガラス又はフッ化カルシウムから作製されて、多重内部反射によって射出光の混合及び均質化を行う。ひとみ整形面910は、入射面944のフーリエ変換面であり、そのため、ひとみ整形面上の空間照度分布は、ロッド入口944で角分布に変換される。まさにロッド845の出口面946の位置に、図1の中間視野面121に対応する中間視野面921が位置し、この面にレチクルマスキングシステム922が設けられている。下流側の結像対物レンズ930、投影対物レンズ960及び走査システム970の構造及び機能は、図1の対応のサブアセンブリに符合し、そのため、図1の説明を参照されたい。
ビーム拡大器904の下流側に、テレスコープレンズ系916の二次元ラスタ構造915が設けられ、この構造は、拡大器ビーム914から、それぞれ互いに側方に離れた1組の規則的に配置された相互平行なビーム917を発生する。
ビーム917又は成分ビーム917に分離された光は、位置可変光変調器として機能する鏡構造920であって、マクロ的には光軸903に対して約45°の角度に並べられて、偏向鏡のように光軸を平均的に90°折り曲げる鏡構造920に当たる。他の角位置及び偏向角も可能である。鏡構造920は、非常に狭い間隔をおいて互いに隣接し、且つ鏡構造920に全体としてファセット反射面を与える多数の個別の小さい鏡、本例の場合、個別の平面鏡921を有する。マイクロミラーアレイ920の個別の鏡の各々は、互いに対して垂直に並べられた2つの傾斜軸を中心にして、その他の個別鏡から独立的に傾斜することができる。個別鏡の傾斜移動は、個別鏡の個別の駆動部への電気信号を介して制御装置922によって制御されることができる。鏡構造920は、ひとみ整形ユニット950の必須構成要素であって、特に鏡構造に当たる放射光の角分布を空間分解式に変化させるために使用される。鏡構造は、放射光の、鏡構造によって発生した角分布を、ひとみ整形面910上の空間分布に変換する対物レンズ908の物体面の領域内に配置される。
鏡制御装置922は、レチクルの各パターン区域についてひとみ整形面910上に最適に適合させた照度分布を設定できるようにして、個別鏡の位置を走査処理中に走査移動と連係させて変化させることができるように、ウェハスキャナ上の走査制御装置975に結合される。本方法は、ロッド形光インテグレータを備えていない照明系(たとえば、図1)の場合にも適用可能である。
走査中の強度照明ひとみの動的操作に加えて、図1の照明系は、マスクに当たる照明光の初期偏光状態を走査中に変化させて、マスクパターンのさまざまな並置サブ領域を異なった偏光状態の照明光で照射できるようにすることも可能である。図10によってその効果を説明する。走査動作に応じて偏光制御装置182によって駆動されることができる偏光回転器105は、光軸を中心にして回転することができる四分の一波長板を有する。レーザ102の直線偏光された入射光を、回転四分の一波長板に当たる円偏光に変換するために、ビーム拡大器104と偏光回転器との間にさらなる遅延装置が設けられている。四分の一波長板の回転速度は、ひとみフィルタ115の回転速度に対応するように設定される。それにより、四分の一波長板105の下流側で直線偏光された光の好適な偏光方向は、光軸を中心にして、四分の一波長板の回転速度の2倍の速度で回転する。この場合、この回転の初期位相は、回転可能なひとみフィルタの回転の初期位相に調整され、それにより、偏光フィルタ415が、y方向に位置する照明スポット411Y及び411Yの照度を通過させるときはいつも(図4と比較)、好適な偏光方向が、x方向に対して正確に平行に並び(図10(a)と比較)、またx極411X及び411Xの照度が通過するときはいつも、それがy方向に実質的に平行に並ぶ(図10(b)と比較)。これらの状況が、図10に概略的に示されており、両方向矢印は、それぞれ好適な偏光方向、すなわち、偏光の電界ベクトルの振動方向を記号表示している。このように、それぞれの場合に、照明光の入射面に対して垂直である、すなわちs偏光を示す好適な偏光方向で生成された双極照明が実施されることがわかるであろう。これは、特にコントラストがほぼ2ビーム干渉を介して生じる高開口数の投影系の場合に非常に有利であることがわかっている。
図1に示された実施形態では、四分の一波長板105’及び偏光回転器105は、拡大したビーム断面の領域内でビーム拡大器104及び第1回折光学ラスタ素子106間に互いに接近して配置されている。ラスタ素子106の下流側で射出面140までに、照明系は、たとえば図9に示されているタイプのロッド形インテグレータなどの、偏光を大きく変化させる影響を持つ光学素子をまったく有していない。そのような偏光保持光学系の場合、レーザ光源のすぐ近くで放射光の偏光状態に介入することができる。したがって、別の実施形態の場合、小さいビーム直径且つ小さいビーム発散を有する領域において、レーザ源とビーム拡大器104との間に、四分の一波長板及び偏光回転器の両方を配置することができる。この場合、これらの光学素子は、より小さく、したがってより低質量であるように構成されることができ、これは迅速な移動に好ましい。偏光/光学素子の作用の角依存性から生じる可能性がある影響を排除するための構造を平行ビーム路内に設けることが一般的に好ましい。
四分の一波長板の代替として、偏光回転器を、たとえば回転ビームスプリッタによって形成することもでき、この変更例は主に、光損失を許容することができる光学系用に考えられる。また、外部駆動可能な光学活性液を有する液晶ディスプレイ(LCD)のタイプの切り換え可能な偏光回転器も可能である。
結像すべきパターンが永久的に規定された構造として、たとえば透明基板上に構成されたクロム層の形で存在できるようにしたマスクを使用して、本発明を説明してきた。「マスク」という用語は、拡大した意味で、たとえば電子駆動部によって変化させることができるパターンを生じる調節可能な装置によって形成されるようなマスクを包含するものとする。たとえば、マスクは、一面に広がったLCD素子(LCDアレイ)で、又はいわゆる「マスクレスリソグラフィ」の場合に使用されるようなマイクロミラー(マイクロミラーアレイ)の二次元的広がりによって形成されることができる。この場合、マスクの「走査」も同様に、マスクと照明系の照明野との間の相対移動によって実行されることができる。代替として、パターンを生じる装置が全体として不動のままである一方、パターンを生じる装置の個別素子(たとえば、LCDセル又はマイクロミラー)を適当に駆動することにより、マスク構造の表面全体に広がるパターンを生成し、その場合、照明光の異なった角分布を、照明野内のパターンのタイプに応じて適当なやり方で生じることによって、走査処理を実行することも可能である。たとえば、図3で説明したように、パターンを3つ以上のサブパターンに、たとえば3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のサブパターンに細分割することができる。
本発明に従ったマイクロリソグラフィ投影露光システムの一実施形態の概略的な側面図を示す。 異なったサブパターンを備えるマスクが、照明極の配列が異なった双極照明で時間的に連続した照明時間内に照明される、本発明の投影露光システムの一実施形態の概略的な斜視図を示す。 異なった特徴タイプの3つの並置されたパターン区域を備えるマスク、及び走査動作中にひとみ整形面上に割り当てられた照度分布の概略を示す。 レーザ光源のパルスのパルスシーケンス及びパルス位置と連係した回転を行う回転ダイアフラムとして構成されたひとみフィルタを備える照明系の断面の概略図を示す。 異なったサブパターンを備える並置マスク領域であって、各サブパターンが、空間的に変化する角依存型透過率を有する反射防止被膜の一部分を割り当てられている、並置マスク領域を有するマスクの一実施形態を通る概略的断面図を示す。 図5の反射防止被膜の並置領域の角依存型透過率の概略を示す。 (a)において、サブλ構造を備える透明被膜の領域を各々が割り当てられている異なったサブパターンを有する並置パターン区域を有するマスクの、また(b)において、位置可変サブλ構造を備える透明被膜を担持する個別の板状素子を割り当てられている異なったサブパターンを有するマスクの別の実施形態の概略を示す。 (a)において、圧電式に発生させた音波によって光回折構造が生成される、音響光学素子として構成された回折光学素子の概略的な断面図を、また(b)において、図8(a)の音響光学素子の内部の定常波の異なったパターンを示す。 走査システムの信号の関数として駆動される、一面に広がった個別駆動可能な個別鏡を有する光変調器を照明系が有する投影露光システムの一実施形態を示す。 全露光時間中に連続的に設定されることができる双極特性を有し、それぞれの場合に設定照明光が、照明光の入射面に関してs偏光を示す、2つの照明ひとみの概略を示す。

Claims (36)

  1. 投影対物レンズの像面の領域内に配置された感光基板を、投影対物レンズの物体面の領域内に配置されたマスクのパターンの少なくとも1つの像で露光する投影露光方法であって、
    第1サブパターンを備える第1パターン区域、及び前記第1パターン区域から側方にずらして配置された、第2サブパターンを備える少なくとも1つの第2パターン区域を有するマスクを前記投影対物レンズの前記物体面の前記領域内に配置すること、
    前記マスクによって変化させた投影光を生じるために、照明系の照明野からの照明光によって前記マスクを照明すること、
    前記照明光の明確に画定された局在照度分布を前記照明系のひとみ整形面上に設定すること、
    最初に前記第1サブパターンを、その後に前記第2サブパターンを前記照明野の前記照明光で照射するようにして、前記マスクを走査すること、
    前記第1照明時間中に前記第1サブパターンを照明することであって、前記第1サブパターンに当たる前記照明光の、前記第1サブパターンに適応させた第1角分布が、前記第1照明時間中に設定される、前記第1サブパターンを照明すること、及び
    その後で、第2照明時間中に前記第2サブパターンを照明することであって、前記第2サブパターンに当たる前記照明光の、前記第2サブパターンに適応させた、前記第1角分布と異なる第2角分布が、前記第2照明時間中に設定される、第2サブパターンを照明すること、
    を含む投影露光方法。
  2. 前記照明系の前記ひとみ整形面上に、前記第1サブパターンに適応させた第1照度分布を設定すること、
    前記第1照明時間内で前記第1サブパターンを第1照度分布で照明すること、
    前記第1照度分布と異なる第2照度分布を生じるために、前記ひとみ整形面上の照度分布を変化させること、及び
    前記第1照明時間に続く第2照明時間内で前記第2サブパターンを前記第2照度分布で照明すること、
    を含む、請求項1に記載の投影露光方法。
  3. 実質的に前記第1照度分布及び前記第2照度分布を重ね合わせたものである基本照度分布を前記照明系の前記ひとみ整形面上に設定すること、
    前記第1照度分布を生じるために、前記基本照度分布の、前記第2照度分布に対応する部分を遮蔽すること、及び
    その後で、前記第2照度分布を生じるために、前記基本照度分布の、前記第1照度分布に対応する部分を前記基本照度分布から遮蔽すること、
    を含む、請求項1又は2に記載の投影露光方法。
  4. 前記基本照度分布の一部分を遮蔽するために、空間的に可変な透過率関数を有する少なくとも1つの透過フィルタ装置を使用する、請求項3に記載の投影露光方法。
  5. 前記初期照度分布の一部分を遮蔽するために、空間的に可変な反射関数を有する少なくとも1つの反射フィルタ装置を使用する、請求項3及び4のいずれか一方に記載の投影露光方法。
  6. 前記基本照度分布の一部分の遮蔽は、前記基本照度分布に対して移動することができる少なくとも1つのダイアフラム開口を有する少なくとも1つの可動ダイアフラム装置によって実行され、前記ダイアフラム開口は、前記ダイアフラム装置の移動中に、最初に照度の、前記第2照度分布に対応する部分を、その後で、前記第1照度分布に対応する部分を前記基本照度分布から遮蔽するように移動させられる、請求項3〜5のいずれか1項に記載の投影露光方法。
  7. 前記第1照明時間及び前記第2照明時間を含む全露光時間中、主光源の光を受け取り、且つ前記照明系の前記ひとみ整形面上での可変設定可能な局在照度分布を生じる可変駆動可能なひとみ整形ユニットを使用して、最初に前記第1角分布に対応する第1照度分布を設定し、その後で、前記第2角分布に対応する第2照度分布を設定できるようにする、先行する請求項のいずれか1項に記載の投影露光方法。
  8. 前記ひとみ整形ユニットは、入射光の強度分布を制御可能に変化させるための少なくとも1つの光操作装置を有し、前記光操作装置は、前記全露光時間中に第1形態及びそれと異なる第2形態間で少なくとも1回は切り換えられる、請求項7に記載の投影露光方法。
  9. 前記第1照明時間及び前記第2照明時間を含む全照明時間中、前記照明系の前記照明野は、形状及び/又は寸法に関して一定のままである、先行する請求項のいずれか1項に記載の投影露光方法。
  10. パターンの上流側の前記投影系の視野面の前記領域内で、前記第1照明時間及び前記第2照明時間の間に前記照明光の角度依存型変化が導入される、先行する請求項のいずれか1項に記載の投影露光方法。
  11. 出力偏光状態の可変設定が、少なくとも1つの偏光操作装置によって実行され、前記偏光操作装置は、全露光時間中に第1形態及び第2形態間で少なくとも1回は切り換えられ、それにより、前記第1サブパターンは第1出力偏光状態で結像され、前記第2サブパターンは、それと異なる第2出力偏光状態で結像されるようにする、先行する請求項のいずれか1項に記載の投影露光方法。
  12. 光軸から第1方向にずれた2つの照度最大値を有する双極照明が、前記第1照明時間内に設定され、前記光軸から第2方向にずれた2つの照度最大値を有する、前記第1双極照明から回転方向にずれた第2双極照明が、第2照明時間内に設定され、前記出力偏光状態は、各双極照明について、前記照明光の好適な偏光方向が、前記双極照明の照度最大値を結ぶ直線に対してほぼ垂直に並ぶように(s偏光)設定される、先行する請求項のいずれか1項に記載の投影露光方法。
  13. 投影対物レンズの像面の領域内に配置された感光基板を、投影対物レンズの物体面の領域内に配置されたマスクのパターンの少なくとも1つの像で露光する投影露光システムであって、
    照明野からの照明光で前記パターンを照明する照明系を有し、
    前記照明系には、主光源の光を受け取り、且つ前記照明系のひとみ整形面上での明確に画定された空間照度分布を生じるひとみ整形ユニットが設けられ、また
    前記像面の前記領域内に前記パターンの像を生じる投影対物レンズと、
    マスクを走査する走査装置であって、全露光時間中に、最初に第1サブパターンを備える前記マスクの第1パターン区域を、その後で、前記第1パターン区域から側方にずらして配置された、第2サブパターンを備える前記マスクの少なくとも1つの第2パターン区域を前記照明野の前記照明光で照射するようにして前記マスクを走査する走査装置と、
    を有しており、
    第1照明時間中に前記照明光の、前記第1サブパターンに適応させた前記第1角分布で第1サブパターンを照射し、前記第1照明時間に続く第2照明時間中に前記照明光の、前記第2サブパターンに適応させた、前記第1角分布と異なる前記第2角分布で前記第2サブパターンを照射する、投影露光システム。
  14. 前記ひとみ整形ユニットは、前記第1照明時間及び前記第2照明時間の間に前記ひとみ整形面上の前記照度分布を変化させるようにセットアップされている、請求項13に記載の投影露光システム。
  15. 前記ひとみ整形ユニットには、前記ひとみ整形面の前記領域、又は前記ひとみ整形面に対して光学的に共役関係にある前記照明系の前記ひとみ面の前記領域内で照度分布の可変空間分解強度フィルタリングを行うひとみフィルタリング装置が割り当てられ、
    前記全露光時間内で前記ひとみフィルタリング装置の空間分解フィルタリング関数を変化させることにより、マスクに当たる前記照明光の前記角分布を少なくとも1回は変化させることができるようにして、前記ひとみフィルタリング装置を走査装置にの機能としてひとみフィルタリング制御ユニットによって駆動することが可能である、請求項13又は14に記載の投影露光システム。
  16. 前記ひとみフィルタリング装置は、前記照明系の光軸を中心にして回転するダイアフラムであって、基本照度分布に対して移動することができる少なくとも1つのダイアフラム開口を有する少なくとも1つのダイアフラムを備え、前記ダイアフラムは、第1照明時間中の前記ダイアフラム装置の移動の際に、前記基本照度分布の、前記第1照度分布に対応する部分だけが通過し、またその後の第2照明時間中には、前記基本照度分布の、前記第2照度分布に対応する部分だけが通過するように構成される、請求項15に記載の投影露光システム。
  17. 前記主光源は、指定可能なパルス周波数及び指定可能なパルス瞬間のレーザパルスを出力するためのパルスレーザであり、前記レーザは、前記パルスレーザのレーザ光についての前記ひとみ整形ユニットの透過状態を表す信号の関数として制御される、請求項13〜16のいずれか1項に記載の投影露光システム。
  18. 前記ひとみ整形ユニットは、前記第1照明時間中に前記第1角分布に対応する第1照度分布を設定し、その後で、前記第2照明時間中に前記第2角分布に対応する第2照度分布を設定することができるように、前記全露光時間内に少なくとも1回は切り換えられることができるように構成される、請求項13〜17のいずれか1項に記載の投影露光システム。
  19. 前記ひとみ整形ユニットは、入射光の強度分布を制御可能に変化させる少なくとも1つの光操作装置を有し、前記光操作装置用の制御装置が、前記全露光時間中に前記光操作装置を、前記照明系の前記照明野に対する前記マスクの位置の関数として、第1形態及びそれと異なる第2形態間で少なくとも1回は切り換えることができるように構成される、請求項13〜18のいずれか1項に記載の投影露光システム。
  20. 光変調器は、鏡構造を有し、前記鏡構造は、前記鏡構造に当たる前記光の前記角分布を変化させるための、一面に広がった個別制御可能な個別鏡を備える、請求項19に記載の投影露光システム。
  21. 前記光変調器は、少なくとも1つの電気光学素子を有する、請求項19又は20に記載の投影露光システム。
  22. 前記電気光学素子は、一次元又は二次元的な広がりの切り換え可能な回折格子構造、又は一次元又は二次元的な広がりの音響光学素子を有する、請求項21に記載の投影露光システム。
  23. 前記光変調器は、光を回折する回折構造を回折光学素子上に生じ、且つ/又は変化させることができるように構成された、外部駆動によって動的駆動可能な少なくとも1つの回折光学素子を有する、請求項19〜22のいずれか1項に記載の投影露光システム。
  24. 前記回折光学素子は、透明材料から形成された平行平面板を有し、この板に少なくとも1つの圧電素子が伝音式に結合され、それにより、前記平行平面板を透過する前記光の回折角分布に影響を与える音波を前記板に組み込むことができるようにした、請求項23に記載の投影露光システム。
  25. 視野面内の視野位置の関数として前記照明光の角依存型変化を生じる装置が、照明すべき前記パターンの上流側でビーム路の前記視野面の前記領域内に設けられる、請求項13〜24のいずれか1項に記載の投影露光システム。
  26. マスク基板を有する少なくとも1つのマスクを割り当てられており、前記マスク基板は、第1サブパターンを備えた第1パターン区域と、前記第1パターン区域から側方にずらして配置された、第2サブパターンを備えた少なくとも1つの第2パターン区域とを前側に有しており、前記第1サブパターンの前記領域内に第1光出力を、また前記第2サブパターンの前記領域内に、第1光出力と異なった第2光出力を有する位置可変層が、前記マスク基板の、前記前側と反対側に位置する後側に設けられている、請求項13〜25のいずれか1項に記載の投影露光システム。
  27. マスク基板を有する少なくとも1つのマスクを割り当てられており、前記マスク基板は、第1サブパターンを備えた第1パターン区域と、前記第1パターン区域から側方にずらして配置された、第2サブパターンを備えた少なくとも1つの第2パターン区域とを前側に有しており、前記マスクには、前記マスクから分離している透明素子が割り当てられ、この透明素子に、前記第1サブパターンの前記領域内に第1光出力を、また前記第2サブパターンの前記領域内に、前記第1光出力と異なった第2光出力を有する位置可変層が設けられている、請求項13〜25のいずれか1項に記載の投影露光システム。
  28. 出力偏光状態を可変設定するための少なくとも1つの偏光操作装置を有しており、前記偏光操作装置は、全露光時間内で少なくとも1回は、第1形態及び第2形態間で切り換えられて、前記第1サブパターンを第1出力偏光状態で結像することができ、前記第2サブパターンをそれと異なった第2出力偏光状態で結像することができるようにすることが可能である、請求項13〜27のいずれか1項に記載の投影露光システム。
  29. 前記偏光操作装置は、動的に切り換えられることができる少なくとも1つの偏光器を有する、請求項28に記載の投影露光システム。
  30. 前記偏光操作装置は、少なくとも1つの回転偏光フィルタを有する、請求項28又は29に記載の投影露光システム。
  31. 前記偏光操作装置は、少なくとも1つの回転遅延素子を有する、請求項28〜30のいずれか1項に記載の投影露光システム。
  32. 前記偏光操作装置は、前記走査システムの走査速度と調和させた回転速度で回転する少なくとも1つの回転偏光素子を有し、それにより、前記第1サブパターン及び前記第2サブパターンは、前記照明光の好適な偏光方向の異なった配列で露光されるようにした、請求項28〜31のいずれか1項に記載の投影露光システム。
  33. 投影露光システムの照明系と投影対物レンズとの間に配置された視野面の領域内に配置されるマスクであって、
    第1サブパターンを備えた第1パターン区域と、前記第1パターン区域から側方にずらして配置された、第2サブパターンを備えた少なくとも1つの第2パターン区域とを前側に有するマスク基板を有しており、
    前記第1サブパターンの前記領域内に第1光出力を、また前記第2サブパターンの前記領域内に、前記第1光出力と異なった第2光出力を有する空間変化型光出力を有する層が、前記基板の、前記前側と反対側に位置する後側に設けられている、マスク。
  34. 前記層は、前記第1サブパターンの前記領域内に反射減少作用の第1角依存性を、また前記第2サブパターンの前記領域内に反射減少作用の、前記第1角依存性と異なった第2角依存性を有する空間変化型反射防止被膜である、請求項33に記載のマスク。
  35. 前記層は、前記第1サブパターンの前記領域内に第1偏光変化作用を、また前記第2サブパターンの前記領域内に、前記第1偏光変化作用と異なった第2偏光変化作用を有する、位置変化型偏光影響作用を有するサブ波長層である、請求項33又は34に記載のマスク。
  36. 投影露光システムの照明系と投影対物レンズとの間に配置された視野面の領域内に配置されるマスク構造であって、
    第1サブパターンを備えた第1パターン区域と、前記第1パターン区域から側方にずらして配置された、第2サブパターンを備えた少なくとも1つの第2パターン区域とを前側に有するマスク基板を有するマスクと、
    前記マスクから分離して、前記マスク基板の、前記前側と反対側に位置する後側の付近に配置された透明素子と、
    を備えており、
    分離している前記透明光学素子は、前記第1サブパターンの前記領域内に第1光出力を、また前記第2サブパターンの前記領域内に、前記第1光出力と異なった第2光出力を有する空間変化型光出力を有する層を担持している、
    マスク構造。
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