JP5686901B2 - 投影露光システム及び投影露光方法 - Google Patents

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Description

本発明は、投影露光システム及び投影露光方法に関する。
現在、マイクロリソグラフィ投影露光の方法及びシステムは、半導体構成要素及び他の微細にパターン形成された構成要素を製作するのに使用される。マイクロリソグラフィ露光処理は、結像される構造のパターンを担持又は形成するマスク(レチクル)を使用する段階を含む。このパターンは、投影露光システム内で照明系と投影対物系の間で投影対物系の物体平面の領域に位置決めされる。1次放射線源によって1次放射線が供給され、1次放射線は、照明系の光学構成要素によって変換され、照明視野内のマスクのパターンにもたらされる照明放射線が生成される。マスク及びパターンによって修正された放射線が投影対物系を通過し、投影対物系は、パターンの像を露光される基板が配置された投影対物系の像面内に形成する。基板は、通常、感放射線層(フォトレジスト)を担持する。
集積回路の製造においてマイクロリソグラフィ投影露光システムが使用される場合には、マスク(レチクル)は、集積回路の個々の層に対応する回路パターンを含むことができる。このパターンを基板として機能する半導体ウェーハ上の露光区域上に結像することができる。
多くの用途において、投影対物系は、倍率比|β|<1、例えば、4:1(|β|=0.25)又は5:1(|β|=0.2)の縮小でパターンの縮小像を基板上に形成する縮小投影対物系として設計される。単位倍率の投影対物系(|β|=1)を使用することができる。例えば、液晶ディスプレイパネル又は他の大きい微細構造化構成要素の製造では、倍率|β|>1を有する拡大投影対物系を使用することができる。
投影露光は、結像される特定の種類のパターンに対して適切に選択された所定の像側開口数NAに実施される。投影対物系は、特定の最大像側開口数(設計NA)を与えるために収差補正等に関して設計されるが、露光処理において実際に使用される有効開口数は、通常、投影対物系の瞳面、すなわち、投影対物系の像面とフーリエ変換関係にある位置又はその近くに配置された機械開口絞りによって定義される。固定直径の開口部を有する不変開口絞りを使用することができる。多くの場合に、開口部の直径を変更することを可能にする可変開口絞りが使用され、それによって特定の用途において、有効像側開口数を投影対物系の可能な最大像側NAよりも小さい値に設定することが可能になる。
投影対物系の瞳面における可変開口絞りは、露光に実際に使用される有効開口数の開口絞りを開く又は絞ることによる変化が、結像される視野の全ての視野点に対して実質的に同じ効果を有すること(視野一定の効果)を保証するように比較的良好に補正された瞳を必要とする。更に、機械開口絞りは、瞳面の領域内に設置空間を必要とする。従って、瞳面の領域内には、光学要素のいずれの屈折光学面又は反射光学面も存在してはならない。更に、瞳面に光学的に近い位置は、投影対物系の結像特性を意図的に(能動的に)変更するための瞳フィルタ要素及び/又は調節可能操作デバイスの好ましい位置とすることができる。従って、投影対物系の適切な瞳位置に可変又は不変の機械開口絞りを設けるのは困難である場合がある。
マスクパターンは、異なる種類の部分パターンを含む場合がある。例えば、パターンの1つの部分の中に密に詰まった平行線を有する線パターンが存在する場合があり、マスクの別の部分の中に接触孔のような分離した特徴部が存在する場合がある。小さいピッチを有する線パターンの結像は、十分な分解能での結像に向けて比較的高いNAを必要とする場合があるのに対して、分離した特徴部は、例えば、投影対物系の焦点深度(DOF)を高めるために比較的低いNA値で最適に結像することができる。密な線と分離した特徴部の両方を十分な品質で結像するのに適する妥協点のNAを求めるのは困難である場合がある。
更に、リソグラフィ製造工程の効率に対する益々高まる要求に起因して、光源のパワーを高める傾向がある。また、次第に短い波長が使用されている。様々なパターン種類に対して結像状態を最適化するために、特定の照明設定が使用される。その結果、投影光学系内で光学材料及び他の構成要素の特性の様々な時間依存の変化が見られ、この変化は、露光システムの結像品質に有意な影響を及ぼす場合がある。作動中の光学系の一部における高い吸収に起因するレンズ群及び他の透過光学要素の不均一な加熱(「レンズ加熱」)は、結像特性に動的に影響を及ぼす1つの効果である。
WO 2004/019128 A2 WO 2005/069055 A2
Michael J.Kidger著「基礎光学設計(Fundamental Optical Design)」、SPIE PRESS、米国ワシントン州ベリンハム(第2章)
本発明の1つの目的は、投影対物系の瞳面にある従来の機械開口絞りに対する要件によって課せられる制限を実質的に伴わずに、有効像側開口数NAに対して望ましい値を設定することを可能にする投影露光システム及び投影露光方法を提供することである。
本発明の別の目的は、様々な照明設定においてかつ異なる種類のマスク及びパターンを用いて安定した作動状態で作動するように構成された投影露光システム及び投影露光方法を提供することである。
本発明の別の目的は、光学構成要素及び他の構成要素の加熱によってもたらされる影響に対して低い感受性のみを有する投影露光システム及び投影露光方法を提供することである。
本発明の別の目的は、異なる種類の部分パターンを横並びで有するマスク構造を忠実に結像することができる投影露光システム及び投影露光方法を提供することである。
上記及び他の目的に対処するために、本発明の一形態により、本発明は、請求項1に記載の特徴を有する投影露光システム及び請求項19に記載の特徴を有する投影露光方法を提供する。好ましい実施形態を従属請求項に提供する。全ての請求項の文言は、引用によって本明細書に組み込まれている。
投影対物系の視野面又はその近くにあるフィルタ平面に角度選択的フィルタ配列が配置される。フィルタ平面又はその近くにある視野面は、パターンの像が基板上に形成される、投影対物系の像面と光学的に共役である。従って、フィルタ配列の位置は、瞳面から光学的に分離する。
「視野面に光学的に近い」位置を特徴付ける様々な手法がある。一般的に、フィルタ配列の面のような光学面の軸線方向位置をこの場合次式として定義される近軸部分口径比SARによって定義するのを有利とすることができる。
SAR=(signCRH)・(MRH/(|MRH|+|CRH|))
この定義では、パラメータMRHは、結像処理の近軸周辺光線高さを表し、パラメータCRHは、近軸主光線高さを表し、符号関数sign(x)は、xの符号を表し、この場合、sign(0)=1であると理解することができる。本出願の目的では、「主光線」という用語(主要光線としても公知である)は、有効使用物体視野の最外側視野点(光軸から最も分離した)から入射瞳の中心に延びる光線を表している。回転対称システムでは、主光線は、子午平面内の均等な視野点から選択することができる。物体側で基本的にテレセントリックである投影対物系では、主光線は、物体平面から光軸と平行又は非常に小さい角度で射出する。結像処理は、周辺光線の軌道によって更に特徴付けられる。本明細書に使用する「周辺光線」は、軸上物体視野点(光軸上の視野点)から開口絞りの縁部に延びる光線である。この周辺光線は、変形有効物体視野が使用される場合に周辺遮蔽に起因して像形成に寄与することができない。本明細書では主光線と周辺光線の両方を近軸近似に使用する。所定の軸線方向位置におけるそのような代表的な光線と光軸の間の半径方向距離をそれぞれ「主光線高さ」(CRH)及び「周辺光線高さ」(MRH)で表している。
近軸周辺光線及び近軸主光線の定義は、例えば、Michael J.Kidger著「基礎光学設計(Fundamental Optical Design)」、SPIE PRESS、米国ワシントン州ベリンハム(第2章)に見出すことができ、この文献は、引用によって本明細書に組み込まれている。
本明細書で定義する近軸開口部比は、光路に沿った位置の視野平面又は瞳平面それぞれまでの相対近接性を表す尺度を与える符号付きの量である。上記に提供した定義では、近軸部分口径比は、−1と1の間の値に正規化され、視野平面では条件SAR=0が成り立ち、SAR=−1からSAR=+1へ、又はSAR=+1からSAR=−1への急変を有する不連続点は、瞳平面に対応する。従って、視野平面(物体平面又は像面のような)の光学的に近くに位置決めされた光学面は、0に近い近軸部分口径比の値によって特徴付けられ、それに対して瞳面に光学的に近い軸線方向位置は、近軸部分口径比における1に近い絶対値によって特徴付けられる。近軸部分口径比の符号は、基準平面の光学的に上流又は下流の平面の位置を示している。例えば、瞳面の上流の僅かな距離の位置の近軸部分口径比と瞳面の下流の僅かな距離の位置の近軸部分口径比とは、同じ絶対値を有することができるが、主光線高さが瞳面を通過する時に、その符号を変化させることに起因して反対の符号を有することができる。この定義は、例えば、コマ光線の関連面上の交点の符号によって行うことができる。
従って、視野面に光学的に近い平面は、0に近い近軸部分口径比を有し、それに対して瞳面に光学的に近い平面は、1に近い絶対値を有する近軸部分口径比を有する。視野面に光学的に近い位置は、0に近い近軸部分口径比の絶対量、例えば、|SAR|≦0.4によって特徴付けることができる。
一部の実施形態において、フィルタ配列は、フィルタ配列の少なくとも1つの光学面が|SAR|<0.4である位置にくるように配置される。好ましくは、条件|SAR|<0.2又は更に条件|SAR|<0.1が満たされる。|SAR|が小さい場合には、異なる隣接視野点に対するフィルタリング効果の明確な分離を得ることができる。
フィルタ配列は、物体平面の光学的に下流の投影ビーム経路に配置される。作動時には、パターンは、物体平面に配置される。従って、作動時には、放射光線の角度分布に対するパターンの影響は、フィルタ配列による角度選択的フィルタリングにあると考えられる。特に、結像処理に望ましい最大回折角よりも大きい回折角を有する光線をフィルタ配列によって効率的に遮蔽することができる。また、フィルタ配列がマスクの下流に配置される場合には、マスク上の望ましくない歪みによってもたらされる迷光放射線を効率的に遮蔽することができる。
フィルタ配列は、放射線が、角度選択的フィルタ配列を通過した後に瞳面を通過するように、投影対物系の瞳面の光学的に上流に位置決めすることができる。この場合、フィルタ配列は、瞳面の物体側に位置決めされる。投影対物系が1つよりも多い瞳面を有する場合には、フィルタ配列に関連付けられる視野平面は、全ての瞳面の上流にあるものとするか又は少なくとも像面に最も近い最後の瞳面の上流にあるとすることができる。
実施形態において、角度選択的フィルタ配列に関連付けられる視野平面は、投影対物系の像平面である。この場合、角度選択的フィルタ配列は、光学的に像面に最も近い最後の瞳面と像面の間に配置される。フィルタ配列は、投影対物系の一部とすることができる。例えば、最後の光学要素の射出側の面は、フィルタコーティングで被覆することができる。フィルタ配列は、投影対物系の射出側と像面の間に配置することができる。この場合、フィルタ配列の変更が容易になる。
「角度選択的フィルタ配列」という用語は、フィルタ配列上に入射する光線の入射角AOIの所定のフィルタ関数に従って意図的かつ実質的に変化するフィルタリング効果を有するフィルタ配列を表している。入射角AOIは、フィルタ配列上に入射する光線と入射点における表面法線との間に挟まれる角度として定義される。フィルタ配列の表面法線が投影対物系の光軸と平行に整列する場合には、入射角の正弦(sin(AOI))は、フィルタ配列の入射側のそれぞれの光線の開口数に対応する。
フィルタ関数(又はフィルタ配列それぞれ)は、カットオフ入射角AOICUTよりも小さい入射角を有する光線に対して比較的高い入射放射線強度透過率(低い減衰率)を有する通過帯域と、カットオフ入射角よりも大きい入射角を有する光線に対して比較的低い入射放射線強度透過率(高い減衰率)を有する阻止帯域とを有する。通過帯域内の角度に対応する入射角を有する光線は、比較的僅かな強度損失しか伴わずにフィルタ配列を通過し、それに対して阻止帯域内に入射角を有する光線は、これらの光線の僅かな強度しか又はいずれの強度も角度選択的フィルタ配列の光学的に下流に存在しないようにフィルタ配列によって実質的に遮蔽される。これらの特性を有するフィルタ配列は、角度空間内でのローパスフィルタとして説明することができる。
「透過率」という用語は、フィルタ配列によってもたらされる光線の放射線強度損失の程度を意味する。透過率Tは、例えば、フィルタ配列の光学的に下流、すなわち、光線がフィルタ配列と相互作用した後の光線の射出側強度IOUTと、フィルタ配列の上流、すなわち、光線がフィルタ配列によって依然として影響を受けていない場所のそれぞれの光線の入射側強度IINとの間の比IOUT/IINによって定量化することができる。
フィルタ配列の構造は、通過帯域内に収まる光線の強度のうちの80%又はそれよりも多く、85%又はそれよりも多く、又は90%又はそれよりも多くが、フィルタ配列の光学的に下流の光線中に依然として存在するように設計することができる。一方、一般的に、阻止帯域内に収まる光線に対しては実質的な遮蔽効率が存在する。例えば、阻止帯域内に入射角を有する光線の強度は、これらの光線の強度のうちの10%未満、又は更に5%未満、又は2%未満しか角度選択的フィルタ配列の光学的に下流に存在しないように、一般的に、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%だけ低下する。
角度選択的フィルタ配列のフィルタ有効構造は、通過帯域と阻止帯域の間の移行部が、条件AOICUT=arcsin(NA×|β|)が成り立つような角度空間内のある一定の位置に収まるように設計される。この条件下では、|β|は、フィルタ配列又はその近くに位置する視野面と投影対物系の像面との間の像形成の倍率を表している。この条件が満たされる場合には、角度選択的フィルタ配列は、望ましい像側開口数NAでの像形成に寄与することにはならない伝播方向を有する光線を実質的に遮蔽し、それに対して像形成に望ましい伝播方向を有する光線は、角度選択的フィルタ配列を通過帯域内で通過して像形成に寄与することができる。
瞳面に配置された機械的開口絞りは、開口絞りの開口部の内側縁部の外側にある光線を遮蔽するのに有効であるのに対して、この形態による角度選択的フィルタ配列は、瞳面又はその近くにおける光線の入射位置によってではなく、視野面又はその近くにおける光線の入射角によってこれらの光線を区別することにより、角度空間内の開口絞りとして機能する。角度選択的フィルタ配列は、視野面又はそれに光学的に近い位置に配置され、視野面は、投影対物系の瞳面とフーリエ変換関係にあるので、この形態による角度選択的フィルタ配列は、像形成に寄与することが望ましくない放射線を有効に遮蔽することができる。
一部の実施形態において、フィルタ配列は、AOI>AOICUTにある阻止帯域内の全ての入射角からの放射線の積分透過率が、AOI<AOICUTにある通過帯域内の放射線の積分透過率の1%よりも大きくないように構成される。それによって非常に低レベルの迷光放射線が可能になる。「迷光放射線」という用語は、像形成には望ましくないがフィルタを通過する放射線を表している。処理要件に基づいて、より厳しい閾値を使用することができる。例えば、カットオフ角度は、AOI<AOICUTにある通過帯域内の放射線の積分透過率の0.2%よりも多くないものがフィルタ配列を通過するように定義することができる。
代替的又は追加的に、カットオフ角度は、フィルタ関数の透過率値が通過帯域内の最大透過率の50%又はそれ未満である入射角と定義することができる。一部の場合には、カットオフ角度は、フィルタ関数の透過率値が通過帯域内の最大透過率の20%である入射角と定義することができる。この場合、条件T(AOICUT)=0.2TMAXが成り立つ。低レベルの迷光放射線しか許容可能ではない場合には、より制限的な条件を定義することができる。例えば、条件T(AOICUT)=0.1TMAX又は条件T(AOICUT)=0.04TMAXを満たすことができる。
結像に望ましい実質的に全ての光線が僅かな強度損失しか伴わずに通過し、それに対して像形成に望ましくない光線が効率的に遮蔽されることを保証するために、通過帯域内の高い透過率(低い減衰率)と阻止帯域内の低い透過率(高い減衰率)との間に比較的急勾配の移行部を有することを望ましいとすることができる。一部の実施形態において、フィルタ関数は、最大透過率勾配を有する入射角の前後に通過帯域と阻止帯域の間の移行部を含み、最大減衰率(又は透過率)勾配は、入射角度当たり少なくとも40%の透過率である。移行部は、例えば、入射角度当たり少なくとも50%の透過率、又は入射角度当たり少なくとも55%の透過率、又はそれよりも多い最大減衰率勾配を有するより急勾配のものとすることができる。
一般的に、カットオフ入射角AOICUTの値は、フィルタリングが望ましい露光のシステム及び処理に依存する。一部の実施形態において、カットオフ入射角は、8°又はそれよりも大きく、10°又はそれよりも大きく、又は12°又はそれよりも大きい。一方、一般的なカットオフ入射角は、25°又はそれ未満、又は20°又はそれ未満とすることができる。4:1又は5:1のような有用な縮小比を有する乾式投影対物系又は液浸投影対物系に対して、広範囲の魅力的なNAを網羅することができる。例えば、NA=1.35で作動する4:1縮小投影対物系を有する193nm投影露光システムでは、物体平面の近くに配置されたフィルタ配列におけるカットオフ角度は、約19.7°のような20°の近くとすることができる。
一部の実施形態において、フィルタ配列は、投影対物系の物体平面に光学的に近い投影ビーム経路に配置される。「光学的に近い」という用語は、物体平面とフィルタ配列の間にいずれの他の光学面も存在しないことを意味する。これらの実施形態において、投影対物系に入射する全ての放射線は、所定のNA値における像形成に寄与することが望ましい伝播角度を有する光線に既に制限されたである。それによってレンズ加熱及び/又はコントラスト損失をもたらす潜在的に有害な放射線のレベルが効率的に低下する。
一部の実施形態において、フィルタ配列は、マスクと、投影対物系の光学要素の最初の湾曲光学面との間の光路に配置される。この場合、フィルタ配列上に入射する放射線は、依然として投影対物系の光学要素の屈折力による影響を受けておらず、フィルタ配列の角度制限効果を視野にわたって基本的に一定にすることができるという利点がもたらされる。
一部の実施形態において、フィルタ配列は、マスクと投影対物系の間の光路に配置される。この場合、フィルタ配列は、マスク及び投影対物系とは独立して装着することができ、それによってフィルタ配列の挿入、取り外し、及び/又は交換が容易になる。
投影対物系が、物体平面と像面の間に少なくとも1つの実中間像を発生させるように構成される場合には、フィルタ配列を中間像又は光学的にその近くに配置することができる。この選択肢は、例えば、物体平面又はマスクの近くの配置が例えば設置空間の欠如の理由から困難である場合に使用することができる。
本発明は、特許請求する本発明による投影露光システムを用いて実施することができる投影露光方法にも関する。本方法は、光学的に照明系と投影対物系の間にある所定のパターンを与えるマスクをパターンが投影対物系の物体平面に配置されるように配置する段階と、作動波長λを有する照明放射線でマスクを照明する段階と、パターンの像を投影対物系の像面に配置された感放射線基板上に像側開口数NAで投影する段階と、パターンの光学的に下流にある投影対物系の視野面又はそれに近いフィルタ平面内での角度選択的フィルタ配列を用いた放射線の角度選択的フィルタリング段階とを含み、角度選択的フィルタ配列は、フィルタ配列上に入射する放射線を角度選択的フィルタ関数に従ってフィルタリングするのに有効であり、フィルタ関数が、カットオフ入射角AOICUTよりも小さい入射角に対して比較的高い入射放射線強度透過率を有する通過帯域と、カットオフ入射角AOICUTよりも大きい入射角に対して比較的低い入射放射線強度透過率を有する阻止帯域とを含み、βが、投影対物系のフィルタの平面にあるか又はそれに隣接する視野面と像面の間の像形成の倍率である場合に、条件AOICUT=arcsin(NA*|β|)が成り立つ。
第1のカットオフ入射角を有する第1のフィルタ関数を有する第1のフィルタ配列が、第1のカットオフ入射角よりも大きいか又は小さい第2のカットオフ入射角を有する第2のフィルタ関数を有する第2のフィルタ配列と交換される場合に、処理の有効像側開口数は、可変機械的開口絞りを操作することなく変更する(増加又は低下させる)ことができる。
これは、第1のパターンを与える第1のマスクが、第1のパターンとは異なる第2のパターンを与える第2のマスクと交換され、第1のパターンと第2のパターンが最適な結像において異なるNA値を必要とする場合のマスク変更に関連して有利とすることができる。
この方法が適用される場合には、投影対物系内の可変機械開口絞りを省くことができる。一部の実施形態において、投影対物系はいずれの可変機械開口絞りも持たず、それによって構造が容易になり、システムの安定性が改善される。
以上の及び他の特性は、特許請求の範囲だけでなく、本明細書及び図面においても参照することができ、個々の特徴は、本発明の実施形態として、更に他の分野において単独で又は部分結合でのいずれでも使用することができ、個々に有利で特許可能な実施形態を表すことができる。
実施形態によるマイクロリソグラフィ投影露光システムの概略図である。 フィルタ配列及びペリクルがマスクと投影対物系の間に位置決めされた投影対物系の物体平面に近い領域の略詳細図である。 角度選択的ローパスフィルタ配列の一部の特徴の概略図である。 角度選択的透過フィルタ配列の第1の実施形態の入射角AOIと透過率T[%]の間の関数関係を示すグラフである。 平面フィルタ配列が投影対物系の最初の要素を形成する反射屈折投影対物系の物体側端部区画を示す図である。 最初のレンズの物体側入射面がフィルタコーティングによって被覆された反射屈折投影対物系の物体側端部区画を示す図である。 フィルタコーティングを担持する基板がペリクルである角度選択的フィルタ配列の実施形態を示す図である。 両側が角度選択的フィルタコーティングで被覆された透過フィルタ基板を含むフィルタ配列を示す図である。 マスクの異なる部分に対して隣接する異なる第1のフィルタコーティングと第2のフィルタコーティングとを設ける角度選択的フィルタ配列の図である。 第1及び第2のフィルタコーティングのフィルタ関数を示す図である。 小さい入射角において通過帯域を有し、大きい入射角において阻止帯域を有する異なる誘電体多層干渉コーティングのフィルタ関数の図である。 小さい入射角において通過帯域を有し、大きい入射角において阻止帯域を有する異なる誘電体多層干渉コーティングのフィルタ関数の図である。 小さい入射角において通過帯域を有し、大きい入射角において阻止帯域を有する異なる誘電体多層干渉コーティングのフィルタ関数の図である。 小さい入射角において通過帯域を有し、大きい入射角において阻止帯域を有する異なる誘電体多層干渉コーティングのフィルタ関数の図である。
以下に続く好ましい実施形態の説明では、「光軸」という用語は、光学要素の曲率中心を通過する直線又は一連の直線区間を意味する。光軸は、光軸のその後の直線区間の間に角度が含まれるように、折り返しミラー(偏向ミラー)によって折り返すことができる。以下に提供する例では、物体は、集積回路の層のパターン又はあらゆる他のパターンを担持するマスク(レチクル)である。物体の像は、フォトレジスト層で被覆された基板として機能するウェーハ上に投影されるが、液晶ディスプレイの構成要素又は光学格子のための基板のような他の種類の基板も利用可能である。「光学的に上流」及び「光学的に下流」という用語は、ビーム経路内での要素の相対位置を意味する。第1の要素が、第2の要素の光学的に上流にある場合には、第1の要素は、第2の要素の前に放射線の通過を受ける。第2の要素は、第1の要素の光学的に下流に位置決めされる。
図1は、ステップアンドスキャンモードにおける液浸リソグラフィを用いて大規模集積半導体構成要素を製作するために設けられたウェーハスキャナWSの形態にあるマイクロリソグラフィ投影露光システムを略示している。投影露光システムは、1次放射線源Sとしてλ≒193nmの作動波長を有するエキシマレーザを含む。他の実施形態において、例えば、約248nm、157nm、又は126nmで放出を行う他の1次放射線源が使用される。光源の光学的に下流にある照明系ILLは、その射出面ES内に下流の投影対物系POのテレセントリック要件に適応された大きい鮮明に境界が定められた均一に照明される照明視野を発生させる。照明系ILLは、照明モードを選択するためのデバイスを有し、この例では、可変のコヒーレンス度を有する従来の軸上照明と、変形照明、特に輪帯照明(照明系の瞳面内にリング形の照明区域を有する)、二重極照明、又は四重極照明との間で切り換えることができる。
照明系の下流には、マスク上に形成されたパターンが、投影対物系POの物体平面OSに対応する照明系の射出面ES内に位置するように、マスクMを担持し、かつ操作するためのデバイスRSが配置される。通常は「レチクル台」と呼ぶマスクを担持して操作するためのデバイスRSは、マスクホルダと、走査作動中に投影対物系の物体平面OSと平行に又は投影対物系及び照明系の光軸と垂直に走査方向(y方向)にマスクを移動することを可能にするスキャナドライバとを含む。
縮小投影対物系POは、マスクによって付与されるパターンの像を4:1の縮小スケールで、フォトレジスト層で被覆されたウェーハW上に結像するように設計される(倍率|β|=0.25)。他の縮小スケール、例えば、5:1又は8:1が可能である。感放射線基板として機能するウェーハWは、フォトレジスト層を有する微視的に平面の基板面SSが、投影対物系の平面像面ISと基本的に対応するように配置される。ウェーハは、ウェーハをマスクMと同期してマスクMと平行に移動するためのスキャナドライバを含むデバイスWST(ウェーハ台)によって担持される。ウェーハ台は、光軸OAと平行に基板を昇降させるzマニピュレータ手段と、光軸に対して垂直な2つの軸の回りに基板を傾斜させる傾斜マニピュレータ手段とを含む。
ウェーハWを担持するために設けられるデバイスWST(ウェーハ台)は、液浸リソグラフィにおける使用に向けて構成される。デバイスWSTは、スキャナドライバによって移動することができるレセプタクルデバイスRDを含み、レセプタクルデバイスRDの底は、ウェーハWを受け取るための平坦凹部を有する。周縁は、図示していないデバイスを用いてレセプタクル内に注入し、レセプタクルから排出することができる液体液浸媒質IMに対する平面の上方に開いた液密のレセプタクルを形成する。縁部の高さは、正しく設定された対物系射出面とウェーハ面との間の作動距離が与えられた場合に、満たされた液浸媒質が、ウェーハWの面SSを完全に覆うことができ、投影対物系POの射出側端部領域を液浸液中に浸すことができるように計寸される。
投影対物系POは、像面ISの最も近くに最後の光学要素を有し、この要素の平面の射出面は、投影対物系POの最後の光学面である。投影露光システムの作動中に、最後の光学要素の射出面は液浸液IM中に完全に浸漬され、液浸液IMによって湿潤される。
他の実施形態において、射出面は、投影対物系の射出面と基板面の間にガス充填間隙が置かれるように、ウェーハの基板面SSの上方数ミリメートルの作動距離の位置に配置される(乾式システム)。
図1の挿入図に略示すように、照明系ILLは、矩形形状を有する照明視野を発生させることができる。照明視野のサイズ及び形状は、マスク上のパターンの像を投影対物系の像面内に投影するのに実際に使用される投影対物系の有効物体視野OFのサイズ及び形状を決める。有効物体視野は、走査方向と平行に長さA*を有し、走査方向に対して垂直な走査直交方向に幅B*>A*を有し、光軸を含まない(変形視野)。
投影対物系POは、複数の略示するレンズ要素(レンズ要素の一般的な数は、多くの場合に10個よりも多く、又は15個よりも多い)を含むことができ、適切な場合は他の透過光学構成要素を含むことができる。投影対物系は、純屈折結像のもの(レンズ要素のみ)とすることができる。投影対物系は、レンズ要素に加えて、少なくとも1つの凹ミラーのような少なくとも1つの屈折力付き(湾曲)ミラーを含むことができ、それによって反射屈折投影対物系が形成される。
マイクロリソグラフィの分野における多くの用途では、投影対物系の像側開口数はNA>0.6であり、多くの実施形態においてNAは、約NA=0.65とNA=0.95の間にあり、そのようなNAは乾式対物系によって達成することができる。液浸システムを使用することにより、NA≧1.1、NA≧1.2、NA≧1.3、NA≧1.4、NA≧1.5、NA≧1.6、NA≧1.7又はそれよりも大きいようなNA≧1であるNA値を得ることが可能になる。像側NAと放射線源の波長との組合せに基づいて、約150nm、130nm、100nm、90nm、50nm、40nm、又はそれ未満までの細かい一般的な分解能も可能である。
投影対物系POは、物体平面OSに配置された物体の像を物体平面と光学的に共役な像面内に形成するように設計された光学結像システムである。結像は、中間像を形成することなく得ることができ、又は1つ又はそれよりも多くの中間像、例えば、2つの中間像を通じて得ることができる。
中間像を持たない投影対物系では、物体平面OSと像面ISの間に単一の瞳面が形成される。1つ又はそれよりも多くの中間像が形成される場合には、投影対物系は2つ又はそれよりも多くの瞳面を有する。一般的に、瞳面は、物体平面、中間像面、又は像面のような視野面に対するフーリエ変換平面にある。図1には瞳面Pを略示している。
例えば、図1及び図2に示すように、マスクMによって担持又は形成されるパターンPATの光学的に下流にある投影ビーム経路内で投影対物系の物体平面OSに光学的に近いフィルタ平面FPに角度選択的フィルタ配列FAが配置される。具体的にフィルタ配列は、マスクMと投影対物系POの間の光路内の投影対物系の光学要素の最初の湾曲面CSの上流に配置される(図2と比較されたい)。最初の湾曲面は、この実施形態では投影対物系の最初のレンズL1の凸の入射面であるが、凹面とすることができる。一部の実施形態において、フィルタ配列と最初のレンズL1との間に透過平面板を配置することができる。
マスクと投影対物系の間にフィルタ配列を固定するために、フィルタホルダFHが設けられる。任意的にフィルタ配列をマスクと投影対物系の間の空間内に挿入するか又はフィルタ配列を投影ビーム経路から取り出すために、フィルタホルダと作動可能に接続したフィルタ交換器システムFCSが設けられる。第1のフィルタ関数を有する第1のフィルタ配列を第1のフィルタ関数とは異なる第2のフィルタ関数を有する第2のフィルタ配列と交換することができるように、異なるフィルタ配列(すなわち、異なるフィルタ関数を有するフィルタ配列)を収納庫又はマガジン内に供給することができる。それによってフィルタ配列をマスク又は投影対物系のいずれと干渉することもなく、異なる光学効果を有する別のフィルタ配列と交換することができる。
図2の実施形態において、マスクMのパターン側のマスクとフィルタ配列FAの間には、ペリクルPELを形成する薄い透過フィルムが配置される。ペリクルがパターンからある距離の位置に設けられる場合には、ペリクルの外側上に堆積する各粉塵又は他の粒子は、マスク上に配置されたパターンPATが物体平面に配置される時に、投影対物系の物体平面OSの外側のある距離の位置に配置される。従って、これらの粒子は、基板上で正確に集束されるぴったりの位置に存在しないので、投影対物系によってウェーハ上に投影されるパターンの像は、粉塵粒子などによる悪影響を受けない。ペリクルを利用することによってマスクパターンは保護され、一般的に、半導体素子製造処理における生産力が改善される。
作動中に生成する熱を消散させるために、フィルタ配列を能動的に冷却するように構成された冷却デバイスを設けることができ、それによって光学性能は安定化する。更に、フィルタ配列とは別々の放射線吸収器を設けることかできる。放射線吸収器は、フィルタ配列によって遮蔽され、そこから反射される放射線を吸収するように構成することができる。放射線吸収器は能動的に冷却することができる。これらの要素によって熱安定性を改善することができ、望ましくない放射線のレベルを低減することができる。
角度選択的フィルタ配列FAは透過フィルタの形態にあり、図2の実施形態の場合には、作動波長における放射線に対して実質的に透過性を有する材料で作られた平行平面板によって形成されたフィルタ基板SUBを含む。フィルタ基板は、例えば、溶融シリカ又はフッ化カルシウムで作られた板とすることができる。マスクに向くフィルタ基板の平面の入射面には、角度選択的多層フィルタコーティングFCが付加される。他の実施形態において、単一のフィルタコーティングをフィルタ基板の射出側(すなわち、マスクから対向する面上)に付加することができる。基板は、両側をフィルタコーティングで被覆することができる。
単一の層の順序及び構造、並びに多層フィルタコーティングの材料の組合せは、角度選択的フィルタ配列が、マスク側からフィルタ配列上に入射する放射線を角度選択的フィルタ関数に従ってフィルタリングするのに有効であるように特定的に構成される。フィルタ関数は、放射線に対するフィルタ配列の透過率Tの依存性をフィルタ配列上に入射する放射線中のそれぞれの光線の入射角AOIの関数として定義する。
平面のフィルタコーティングは、フィルタ配列の表面法線が、フィルタ配列FA上の各点において光軸と平行であるように、投影対物系の光軸OAと垂直に向けられる。一般的に、入射角AOIは、フィルタ配列面上に入射する光線と入射点における表面法線の間に挟まれる角度として定義されるので、入射角AOIは、光線角度、すなわち、フィルタ配列上に入射する光線が光軸OAとなす角度に対応する。
角度選択的フィルタ配列FAは、入射角領域内の低域通過干渉フィルタとして設計される。図3は、この種のローパスフィルタの一部の特徴を略示している。フィルタ関数、すなわち、関数T=f(AOI)は、カットオフ入射角AOICUTよりも小さい入射角において入射放射線の強度の比較的高い透過率Tを有する通過帯域PBと、カットオフ角度よりも大きい入射角において比較的低い透過率を有する阻止帯域SBとによって特徴付けられる。その結果、フィルタ面上に比較的小さい入射角で入射する光線は、僅かな減衰率しか伴わずに透過フィルタ配列を通過することになり、それによってフィルタ配列の射出側に高い強度が与えられる。一方、カットオフ角度よりも大きい入射角に対応する光線は、これらの角度では透過率Tが非常に低いことに起因して、フィルタ配列によってほぼ遮蔽される。
その結果、フィルタ要素の下流(すなわち、フィルタ要素の像側)の放射線ビームは、主に通過帯域PB内の入射角に対応する入射角を有する(すなわち、AOI<AOICUT)光線で構成され、それに対してカットオフ角度よりも大きい光線角度を有する光線の強度は、僅かな強度しか、又は事実上いずれの強度も持たないことになる。
フィルタ配列の層構造は、角度空間内のカットオフ角度AOICUTの位置が、特定の処理における投影対物系の望ましい物体側開口数NAに対応するように構成される。特に、カットオフ角度は、AOICUT=arcsin NAOBJであるように選択され、ここでNAOBJは、処理における物体側の有効開口数である。物体平面と像面の間に像形成拡大率βを有する結像システムでは、これはAOICUT=arcsin(NA×|β|)という条件に対応し、この場合NAは、投影対物系の像側開口数である。
光学的に物体平面の近くに設けられたローパスフィルタ配列FAは、像側開口数NAに対して投影対物系の適切な瞳面内に設けられた機械開口絞りと類似の制限効果を有することができることが分る。瞳面内の機械開口絞りは、開口絞りの内側縁部の外側の位置で瞳面を通過しようとする全ての光線を遮蔽するのに対して、投影対物系の瞳面とフーリエ変換関係を有する位置又はその近くに位置決めされた角度選択的フィルタ要素は、カットオフ角度よりも大きい入射角を有する実質的に全ての光線を遮蔽し、カットオフ角度よりも小さい入射角を有する光線を透過させる。
本出願において説明する角度選択的フィルタ配列は、様々な理由から、投影対物系の瞳面内の従来の機械開口絞りよりも好ましいとすることができる。例えば、機械開口絞りは、投影対物系の瞳面の領域内に設置空間を必要とする。これは、更に、光学設計者に対して、投影対物系内でレンズ又は他の光学要素を配置する場所の自由度を制限する場合がある。角度選択的フィルタ配列を使用する実施形態において、瞳面にレンズ、ミラー、又は瞳フィルタを適正に配置することができる。
更に、機械開口絞りを使用する場合には、作動中に有効直径が変化するので、光学特性のドリフトを回避するために、通常は投影対物系内の瞳の妥当な補正状況を有することが好ましい。角度選択的フィルタ配列を使用する実施形態において、瞳の補正状況に対する要件はそれ程厳しくないとすることができる。
更に、投影対物系の物体平面又はその近くの角度選択的フィルタ配列を投影ビーム内の更に下流の投影対物系の適切な瞳面にある機械開口絞りの代わりに使用することにより、レンズ加熱に起因する問題を軽減することができる。機械開口絞りが投影対物系内に設けられる場合には、開口数の制限よりも大きい伝播角度を有する光線は、機械開口絞りの上流、すなわち、物体平面と開口絞りの間に配置された感受性の高いレンズのレンズ部分又はミラーを依然として加熱する場合がある。機械開口絞りの下流の領域内でのみ、光線の角度スペクトルは、開口絞りを通過することが許された光線に制限される。一方、角度選択的フィルタ配列が瞳面の上流、特に投影対物系の外側のマスクと投影対物系の間に配置される場合には、開口よりも大きい光線(すなわち、像形成に望ましくない光線角度に対応する光線)が、投影対物系に入射するのを防止することができ、又は少なくともこれらの光線によるレンズ加熱がほぼ排除される程度までこれらの光線の強度を低下させることができる。
図1の実施形態のような一部の実施形態において、投影対物系は、瞳面P又はその近くに投影ビームの断面を制限するいずれの可変機械開口絞りも持たない。固定開口絞りを設けてもよく、設けなくてもよい。
次に、数値例を図4に関連して説明する。図4は、透過性の角度選択的フィルタ配列の第1の実施形態の入射角AOIと透過率T[%]の間の関数関係を示すグラフである。フィルタ配列は、例えば、溶融シリカで作られた透過フィルタ基板と、この基板の片面に付加された角度選択的誘電体多層フィルタコーティングとを含む。多層干渉フィルタコーティングの構造を表すこの仕様を表1に提供している。フィルタ配列は、作動波長λ=93.4nmに向けて設計される。
(表1)
Figure 0005686901
表1では、最初の列は、基板側(層0)から反射層(40)の自由面に向うコーティングのそれぞれの層の番号を示している。他の列は、層の幾何学的な厚みd[nm]及びそれぞれの材料を示している。層10から40は、低屈折率材料(この場合チオリス(Na5Al314)と高屈折率材料(この場合Al23)との交替層を有する誘電体多層積層体を形成する。
パラメータn及びkは、材料の複素屈折率N=n−ikを定義し、ここでnは、複素屈折率の実数部分であり、kは、複素屈折率の虚数部分である。時に減衰係数とも呼ばれる無次元吸収係数kは、関係式k=(αλ)/4πによって有次元吸収係数αに関連付けられ、ここでλは、対応する光波長を表している。この場合、Al23ではn=1.85、k=0.001であり、チオリスではn=1.38、k=0である。
0°と約13°の間の全ての角度AOIにおいて透過率Tは96%又はそれよりも大きく、約AOI=16.6°まではほぼ90%よりも大きい。この領域の隣には入射角にわたる急な透過率勾配を有する移行部があり、ここでは最大勾配は、入射角度当たり約55%の透過率である(約AOI=17°において)。透過率は、AOI=18°において約28%であり、AOI=19°において約7%であり、約20°よりも大きい入射角では、透過率値はほぼ2%よりも小さい。透過率は、約AOI=17.6°において最大値の約50%まで降下してしまっており、約AOI=18.3°において最大値の約20%まで降下してしまっている。
第1の数値実施形態において、フィルタ配列は、片面上に被覆された表1のコーティングを有する平行平面板である。フィルタ配列は、マスクと投影対物系の間の物体平面に光学的に近い位置に挿入される。例示的な処理では、投影対物系は、有効像側開口数NA=1.25を有することが望ましい。この値は、液浸リソグラフィによって達成することができる。更に、投影対物系は4:1の縮小比を有し、すなわち、物体平面と像面の間の像形成の倍率βは、|β|=0.25である。
公称UV作動波長λ=193nmに向けて設計された適切な投影対物系が、国際特許出願WO 2004/019128 A2において、例えば、図19に示されており、実施形態5(表9及び表10)として解説されている。縮小倍率4:1において、サイズ26mm×4mmを有する矩形の変形像視野内で像側開口数NA=1.25が得られる。この参考文献のそれぞれの開示内容は、引用によって本明細書に組み込まれている。
例示的な処理では、1%よりも大きい迷光放射線は許容されない。これは、カットオフ角度よりも大きい(大きい入射角における)角度空間内の全ての透過率値の積分が、処理において発生する全ての入射角の透過率値の積分の1%よりも大きくないことになるフィルタを設けることによって達成することができる。別の要件形態では、カットオフは、透過率が、通過帯域内の透過率の最大値の20%まで降下してしまう入射角の位置が望ましい。
図4に示すフィルタ関数を有する角度選択的フィルタは、これらの要件を満たす。透過率は、約18.3°のAOIにおいて最大値の20%まで降下してしまっており、この値は、例示的な定義におけるカットオフ角度AOICUTに対応する。
sin(AOICUT)=0.313、sin(AOICUT)=NAOBJ、及びNA=1/|β|NAOBJの場合、これは、有効像側開口数NA=1.255に対応する。
許容迷光強度の量が最大で全体の強度の1%に制限される場合には、これは、18.2°のカットオフ入射角及びNA=1.249に対応することになる。
従って、図4に示すフィルタ関数を有する角度選択的フィルタ配列は、4:1縮小投影対物系の像側開口数を実質的にNA≒1.25に制限する。
次に、更に別の数値例を図5及び図6に関連して提供する。
図5は、国際特許出願WO 2004/019128 A2において図2に示され、表1及び表2に明記されている公称UV作動波長λ=193nmに向けて設計された反射屈折投影対物系の物体側入射区画を示している。図5は、参考文献にいて使用されている参照判断名を含む元の図の切り取り図に基づいている。縮小倍率4:1(|β|=0.25)において、矩形の変形像視野内で像側開口数NA=1.20が可能である。最大物体高さはY’=14.318mmである。この参考文献のそれぞれの開示内容は、引用によって本明細書に組み込まれている。
投影対物系は、物体平面OPに最も近い最初の光学要素を形成する透過平面板E201を含む。この透過平面板は、物体平面に光学的に近い。特に、定量化のために部分口径比SARを使用すると、物体平面に向く前面においてSAR=0.32であり、像側の後面においてSAR=0.33である。透過平面板のあらゆる側に表1のフィルタコーティングを形成することができる。この例では、前面が、フィルタコーティングFCによって被覆されている(挿入図を参照されたい)。
例示的な処理では、この液浸投影対物系は、有効像側開口数NA=1.20を有することが望ましい。処理公差は、透過率が、通過帯域内の透過率の最大値の50%まで降下してしまう入射角の位置にカットオフが望ましいように定義される。これは、表1のフィルタコーティングにおいてAOICUT≒17.6°に対応する。sin(AOICUT)=0.302、sin(AOICUT)=NAOBJ、及びNA=1/|β|NAOBJの場合には、これは、NA=1.20に近い有効像側開口数に対応する。
図6は、国際特許出願WO 2005/069055 A2において図32に示され、表32及び表3A2に明記されている公称UV作動波長λ=193nmに向けて設計された反射屈折投影対物系の物体側入射区画を示している。図6は、この参考文献に使用されている参照判断名を含む元の図の切り取り図に基づいている。縮小倍率4:1(|β|=0.25)において、矩形の変形像視野内で像側開口数NA=1.20が可能である。最大物体高さはY’=16.5mmである。この参考文献のそれぞれの開示内容は、引用によって本明細書に組み込まれている。
投影対物系は、物体平面1701に最も近い最初の光学要素を形成する溶融シリカで作られた薄い正の双凸レンズ1712を含む。このレンズは、物体平面に光学的に近い。特に、定量化のために部分口径比SARを使用すると、物体平面に向く前面においてSAR=0.13であり、像側の後面においてSAR=0.16である。レンズのあらゆる側に表1のフィルタコーティングを形成することができる。この例では、レンズはフィルタ基板を形成し、前面が被覆されている(挿入図を参照されたい)。
例示的な処理では、この液浸投影対物系は、有効像側開口数NA=1.20を有することが望ましい。処理公差は、透過率が、通過帯域内の透過率の最大値の50%まで降下してしまう入射角の位置にカットオフが望ましいように定義される。これは、表1のフィルタコーティングにおいてAOICUT≒17.6°に対応する。sin(AOICUT)=0.302、sin(AOICUT)=NAOBJ、及びNA=1/|β|NAOBJの場合には、これは、NA=1.20に近い有効像側開口数に対応する。
フィルタコーティングを支持する前面は、約585mmの曲率半径を有して若干湾曲している。曲面上の入射角は、光線が光軸となす光線角度に正確に対応しないので、この曲率は、フィルタコーティングの光学効果に影響を及ぼす。この効果は、照明系を射出する放射線のテレセントリック特性を調節することによって少なくとも部分的に補償することができる。特に、テレセントリック角度は、視野座標の関数として若干変化することができる。一般的に、フィルタコーティングが曲面上に形成される場合には、曲率は緩やかでなければならない(曲率が、例えば、400mmよりも大きく、又は500mmよりも大きく、又はそれよりも大きい場合には大きい半径である)。
本発明の実施形態を投影露光装置内に実施する様々な手法が存在する。概略図7の実施形態において、フィルタコーティングFCを担持する基板SUBは、ペリクルPELを形成する比較的薄いフィルムの形態にある。一般的に、ペリクルがフィルタ基板として使用される場合には、角度選択的フィルタ配列は、マスクパターンの非常に近くに位置決めすることができる。この実施形態において、ペリクル(フィルタ配列)をマスクのパターン側の小さい距離の位置の所定の位置に固定するために、保持構造HSが設けられる。保持構造はまた、マスクとフィルタ配列FAが、一緒に交換することができるユニットを形成するように、マスクの円周に係合する。フィルタコーティングのフィルタ関数は、パターンPATの特徴部を結像するのに最も適する有効像側開口数を与えるようにパターン構造に適応させることができる。
図には示していない別の実施形態において、角度選択的フィルタ配列のフィルタコーティングは、マスクとは独立して交換することができるペリクル上に形成される。
望ましいフィルタ関数に課せられる要件に基づいて、1つの角度選択的フィルタだけでは最適なフィルタ関数を得るのが困難である場合がある。一部の実施形態において、光路内に連続して配置された2つ又はそれよりも多くのフィルタ配列の連続体を設けることができる。例えば、光路内に連続して配置された2つのフィルタ配列のフィルタ関数をフィルタコーティングの各々が、阻止帯域内で遮蔽作用一部を与え、同時に両方のフィルタ配列が通過帯域内で高い透過率を有するように互いに対して適応させることができる。
図8に略図示の実施形態において、フィルタ配列は、両側に被覆された透過フィルタ基板SUBを含む。フィルタ基板は、第1の角度選択的フィルタコーティングFC1で被覆された第1の面S1と、第1の角度選択的フィルタコーティングとは異なる第2の角度選択的フィルタコーティングFC2で被覆された第2の面S2とを有し、第1のフィルタコーティングのフィルタ関数と第2のフィルタコーティングのフィルタ関数とは互いに補完し合って、フィルタ配列の全体としてのフィルタ関数(複合フィルタ関数)を発生させる。
一部の用途では、マスクは、横並びに配置されて異なる構造を有する2つ又はそれよりも多くの部分パターン(又はサブパターン)を有する場合がある。例えば、1つの部分パターンは、比較的高い像側開口数に対応する比較的高い分解能を必要とする密に詰まった平行線を含むことができ、それに対して別の部分パターンは、例えば、焦点深度(DOF)を高めるために、好ましくは、低い像側開口数で結像されることになる接触孔又は他の大まかな特徴部を有することができる。一部の実施形態による角度選択的フィルタ配列は、マスクの異なる部分に対して異なる像側開口数を与えるように使用することができる。図9Aに略図示の実施形態において、マスクMは、マスクの射出側に形成された異なるサブパターンPAT1及びPAT2を有する2つの互いに隣接するパターン区域を有する。この場合、第1のサブパターンPAT1は、密に詰まった平行線を有する。第2のサブパターンPAT2は、大きい線ピッチ及び大きい線幅を有する線パターン、すなわち、大まかなパターンを含む。
対応するフィルタ配列FAは、2つの対応するフィルタ区域FA1及びFA2それぞれを有する。第1のフィルタ区域FA1は、第1のサブパターンPAT1のすぐ下流の光路に配置され、それに対して第2のフィルタ区域FA2は、第2のパターン区域PAT2のすぐ下流に配置される。第1のフィルタ区域FA1内の第1のフィルタコーティングFC1は、高い分解能を与えるのに最適な比較的高い像側開口数NA1に対応するカットオフ入射角(AOICUT1)を与えるようになっている(図9Bを参照されたい)。第2のフィルタコーティングFC2は、異なる層構造及び/又は材料の組合せを有し、小さい像側開口数及び大きい焦点深度に対応する第2のカットオフ角度AOICUT2<AOICUT1を与えるように構成される。
この配列は、ステップアンドリピート処理とステップアンドスキャン処理の両方において有利とすることができる。ステップアンドリピート処理では、2つのパターン区域PAT1、PAT2は同時に結像され、この間に細かいパターンPAT1には大きいNAが有効であり、大まかなパターンPAT2には小さい分解能が与えられる。ステップアンドスキャン処理では、走査方向と隣接するサブパターンの間の相対的な向きに基づいて、パターン区域を同時に又は連続して結像することができる。
角度選択的フィルタ配列に適する誘電体フィルタコーティングは、様々な手法で構造化することができる。以下に、望ましい遮蔽効率及び望ましいカットオフ角度を有するフィルタ配列を提供するように変形を導出することができる一部の例を提供する。これらの例では、フィルタコーティングは、d(λ/4)=λ(nm)/(4**cosα’)と定義される4分の1波長厚d(λ/4)の数分の1を有する層を含み、ここでα’は、スネルの屈折の法則(n0 *sinα0=n*sinα’)における屈折角であり、α0は入射角であり、n0は、入射側の媒質の屈折率である。
作動波長に対して事実上いずれの透過率も持たない効率的な阻止帯域を有する適切な角度選択的フィルタコーティングは、非常に低い透過率を有する反射帯域(阻止帯域)の外側に高い透過率を有する(通過帯域)反射誘電体層構造から導出することができる。
多層構造に関する以下の表記では、「H」は、高屈折率材料を表し、「L」は、低屈折率材料、すなわち、高屈折率材料よりも低い屈折率を有する材料を表している。全ての実施形態は、Al23を高屈折率材料として、チオリスを低屈折率材料として計算したものである。上述のように、Al23ではn=1.85、k=0.001であり、チオリスではn=1.38、k=0である。
項(1H1L)は、1つの高屈折率層と低屈折率層とで構成される層対を表している。括弧の背後の数字は、層構造内のその後の対の数を表している。角度項(λ/4)41°は、4分の1波長厚が計算される角度を表している。項1Lは、単一の低屈折率4分の1波長層を表している。項1.70Lは、それぞれの角度において4分の1波長厚の1.7倍を有する低屈折率材料の層を表している。
図10は、片側が(1H1L)23(λ/4)41°に従うフィルタコーティングで被覆された基板のフィルタ関数のグラフを示している。この単純な設計は、狭い通過帯域、比較的滑らかな移行部、及び広い阻止帯域を有する。カットオフ入射角は約8°である。このシステムは、基準システムとして機能することができる。
通過帯域の角度幅を増大させるために、誘電体ミラーにおける複数の層構造を基板の片側をその後の狭い帯域幅のコーティングで被覆するか、又は透過基板の両側を適宜被覆するかのいずれかによって組み合わせることができる。図11は、平行平面基板の前側(F)に第1のコーティングを有し、裏側(B)に第2のコーティングを有するフィルタ配列(図8を参照されたい)のフィルタ関数を略示している。第1のコーティングは、(1L1H)14 1L(λ/4)44°であり、第2のコーティングは、(1L1H)20(λ/4)44°である。得られる組合せフィルタ関数COMは、前側の第1のコーティングによる通過帯域幅及び通過帯域と阻止帯域の間の移行部の斜度を特徴として有し、それに対して50°よりも大きい入射角における挙動は、裏側のコーティングの特性によって判断される。カットオフ入射角は、約16°と18°の間にある。
通過帯域の帯域幅及び/又は通過帯域と阻止帯域の間の移行部の斜度に関する改善は、多層フィルタコーティングが、4分の1波長厚よりも大きいか又は下回る厚みを有する1つ又はそれよりも多くの層を含む場合に得ることができる。例えば、多層フィルタコーティングは、ファブリーペロー設計に従って構造化することができる。特に、フィルタコーティングは、対応する4分の1波長厚よりも大きい層厚を有する低屈折率材料の1つ又はそれよりも多くの単層を含むことができ、これらの低有効層は、高屈折率材料の2つの4分の1波長層の間に圧着される。基板の片側に形成されたファブリーペロー設計による多層フィルタコーティングのフィルタ関数を図12に示している。層構造は、(1H1L)11 1H1.70L 1H(1L1H)10 2.00L(1H’1L’)10 1H’1.73L’1H’(1L’1H’)10である。層H及びLは、(λ/4)47°に対して計算したものである。層H’及びL’は、(λ/4)57°に対して計算したものである。図12で分るように、高透過率の通過帯域は約14°まで延び、それに急勾配の移行部が続き、約18°よりも大きい入射角ではほぼ完全に透過率は存在しない。
図13は、両側が誘電体フィルタコーティングで被覆された透過基板を有するフィルタ配列の組合せフィルタ関数を示している。前側の第1のコーティングは、(λ/4)47°において(1H1L)11 1H1.7L 1H(1L1H)10に対応する。裏側の第2のコーティングは、(λ/4)54°において(1H1L)11 1H2L1H(1L1H)11に対応する。0°と約12°の間の入射角に対する通過帯域内の組合せ透過率は約85%であり、これは、片側のコーティングの個々の透過率からもたらされるが、コーティングのない裏側では反射損失を伴わない。急な透過率勾配を有する狭い移行部が、12°と約18°の間の入射角において存在する。阻止帯域は、非常に大きい入射角まで延び、フィルタコーティングの大きい角度の端は、裏側のコーティングの挙動に依存する。カットオフ入射角は約16°である。
4分の1波長ファブリーペロー設計に対する代替として、非4分の1波長ファブリーペロー設計を使用することができる。
好ましい実施形態の以上の説明は、一例として提供したものである。提供した開示内容から、当業者は、本発明及びそれに付随する利点を理解することになるだけでなく、開示した構造及び方法に対する明確な様々な変形及び修正を見出すことにもなろう。従って、全ての変形及び修正が、特許請求の範囲及びその均等物によって定義される本発明の精神及び範囲に収まるものとして網羅されることが求められている。
全ての特許請求の範囲の内容は、引用によって本明細書の一部とされ、以下の実施形態が考えられる。
(1)
投影露光システムであって、
1次放射線源(S)によって発生する作動波長λを有する1次放射線を受光し、かつ該1次放射線を形成して所定のパターン(PAT)を与えるマスク(M)上に入射する照明放射線を発生させるように構成された照明系(ILL)と、
投影対物系の物体平面(OS)に配置された前記パターンの像を投影対物系の像面(IS)に配置された感放射線基板(W)上に像側開口数NAで投影するように構成された投影対物系(PO)と、
前記物体平面の光学的に下流にある投影ビーム経路内の前記投影対物系の視野面又はその近くに配置された角度選択的フィルタ配列(FA)と、
を含み、
前記角度選択的フィルタ配列は、該フィルタ配列上に入射する放射線を角度選択的フィルタ関数に従ってフィルタリングするのに有効であり、該フィルタ関数は、
カットオフ入射角AOICUTよりも小さい入射角について、比較的高い入射放射線強度透過率を有する通過帯域(PB)と、該カットオフ入射角AOICUTよりも大きい入射角について、比較的低い入射放射線強度透過率を有する阻止帯域(SB)と、
を含み、
βが、前記投影対物系の前記フィルタ平面にあるか又はそれに隣接する前記視野面と前記像面との間の像形成の倍率であり、条件AOICUT=arcsin(NA*|β|)が成り立つ、
ことを特徴とする投影露光システム。
(2)
AOI>AOICUTにおける前記阻止帯域(SB)内の全ての入射角からの放射線の積分透過率が、AOI<AOICUTにおける前記通過帯域(PB)内の放射線の積分透過率の1%よりも大きくないことを特徴とする(1)に記載のシステム。
(3)
前記カットオフ角度(AOICUT)は、前記フィルタ関数の透過率値が前記通過帯域内の最大透過率の50%又はそれ未満、好ましくは20%又はそれ未満である入射角として定義されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のシステム。
(4)
前記フィルタ関数は、最大透過率勾配を有する入射角付近に前記通過帯域(PB)と前記阻止帯域(SB)の間の移行部を更に含み、
前記最大透過率勾配は、入射角当たり少なくとも40%の透過率である、
ことを特徴とする(1)から(3)のいずれか1項に記載のシステム。
(5)
前記フィルタ配列(FA)は、前記投影対物系の最後の瞳面(P)の光学的に上流に配置されることを特徴とする(1)から(4)のいずれか1項に記載のシステム。
(6)
前記フィルタ配列は、該フィルタ配列の少なくとも1つの光学面が、部分口径比が条件|SAR|<0.4を満たす位置にあるように配置され、
好ましくは、条件|SAR|<0.2が満足される、
ことを特徴とする(1)から(5)のいずれか1項に記載のシステム。
(7)
前記フィルタ配列(FA)は、前記物体平面(OS)に光学的に近い投影ビーム経路に配置されることを特徴とする(1)から(6)のいずれか1項に記載のシステム。
(8)
前記フィルタ配列(FA)は、前記マスク(M)と前記投影対物系(PO)の光学要素の最初の曲面(CS)との間の光路に配置されることを特徴とする(1)から(7)のいずれか1項に記載のシステム。
(9)
前記フィルタ配列(FA)は、前記マスク(M)と前記投影対物系(PO)の間の光路上に配置されることを特徴とする(1)から(8)のいずれか1項に記載のシステム。
(10)
前記フィルタ配列(FA)は、交換可能であることを特徴とする(1)から(9)のいずれか1項に記載のシステム。
(11)
第1のフィルタ関数を有する第1のフィルタ配列が該第1のフィルタ関数とは異なる第2のフィルタ関数を有する第2のフィルタ配列と交換可能であるように構成されたフィルタ交換システム(FCS)を更に含むことを特徴とする(1)から(10)のいずれか1項に記載のシステム。
(12)
前記フィルタ配列(FA)は、前記作動波長での放射線に対して実質的な透過性を有する材料で作られて少なくとも1つの基板面と該基板面に付加された角度選択的多層フィルタコーティング(FC)とを有するフィルタ基板(SUB)を含むことを特徴とする(1)から(11)のいずれか1項に記載のシステム。
(13)
前記フィルタ基板は、平面板であることを特徴とする(12)に記載のシステム。
(14)
前記フィルタ基板は、ペリクル(PEL)であることを特徴とする(12)に記載のシステム。
(15)
前記フィルタ基板は、レンズ要素であることを特徴とする(12)に記載のシステム。
(16)
前記フィルタ基板は、第1の角度選択的フィルタコーティング(FC1)で被覆された第1の面(S1)と、該第1の角度選択的フィルタコーティングとは異なる第2の角度選択的フィルタコーティング(FC2)で被覆された第2の面(S2)とを有し、
前記第1及び第2のフィルタコーティングのフィルタ関数が、互いに補完して前記フィルタ配列の複合フィルタ関数を発生させる、
ことを特徴とする(12)から(15)のいずれか1項に記載のシステム。
(17)
前記マスクは、横並びに配置された第1の部分パターン(PAT1)と少なくとも1つの第2の部分パターン(PAT2)とを含み、該部分パターンは、異なる構造を有し、
前記フィルタ配列(FA)は、2つ又はそれよりも多くの対応するフィルタ区域を含み、第1のフィルタ区域(FA1)が、前記第1の部分パターン(PAT1)の下流の前記光路に配置され、第2のフィルタ区域(FA2)が、前記第2のパターン区域(PAT2)の下流に配置され、
前記第1のフィルタ区域(FA1)内の第1のフィルタコーティング(FC1)が、第1の像側開口数(NA1)に対応する第1のカットオフ入射角(AOICUT1)を与えるようになっており、第2のフィルタコーティング(FC2)が、該第1のカットオフ角度(AOICUT1)よりも大きいか又は小さい第2のカットオフ角度(AOICUT2)を与えるように構成される、
ことを特徴とする(1)から(16)のいずれか1項に記載のシステム。
(18)
前記投影対物系(PO)は、前記投影ビームの断面を瞳面に又はその近くに制限する可変機械開口絞りを持たないことを特徴とする(1)から(17)のいずれか1項に記載のシステム。
(19)
投影露光方法であって、
所定のパターンを与えるマスクを光学的に照明系と投影対物系の間に該パターンが該投影対物系の物体平面に配置されるように配置する段階と、
作動波長λを有する照明放射線で前記マスクを照明する段階と、
前記パターンの像を前記投影対物系の像面に配置された感放射線基板上に像側開口数NAで投影する段階と、
前記パターンの光学的下流の前記投影対物系の視野面又はその近くのフィルタ平面内で角度選択的フィルタ配列を用いて放射線を角度選択的フィルタリングする段階と、
を含み、
前記角度選択的フィルタ配列は、該フィルタ配列上に入射する放射線を角度選択的フィルタ関数に従ってフィルタリングするのに有効であり、該フィルタ関数は、
カットオフ入射角AOICUTよりも小さい入射角に対して比較的高い入射放射線強度透過率を有する通過帯域と、該カットオフ入射角AOICUTよりも大きい入射角に対して比較的低い入射放射線強度透過率を有する阻止帯域と、
を含み、
βが、前記投影対物系の前記フィルタ平面にあるか又はそれに隣接する前記視野面と前記像面との間の像形成の倍率である場合に、条件AOICUT=arcsin(NA*|β|)が成り立つ、
ことを特徴とする方法。
(20)
第1のカットオフ入射角を有する第1のフィルタ関数を有する第1のフィルタ配列を該第1のカットオフ入射角よりも大きいか又は小さい第2のカットオフ入射角を有する第2のフィルタ関数を有する第2のフィルタ配列と交換し、それによって有効像側開口数を変更する段階、
を更に含むことを特徴とする(19)に記載の方法。
(21)
第1のパターンを与える第1のマスクを該第1のパターンとは異なる第2のパターンを与える第2のマスクと交換する段階、
を更に含むことを特徴とする(20)に記載の方法。
(22)
(1)から(18)のいずれか1項に記載の投影露光システムを用いて実施されることを特徴とする(19)から(21)に記載の方法。
AOI 入射角
AOICUT カットオフ入射角
PB 通過帯域
SB 阻止帯域
T 透過率

Claims (18)

  1. 投影露光システムであって、
    1次放射線源(S)によって発生する作動波長λを有する1次放射線を受光し、かつ該1次放射線を形成して所定のパターン(PAT)を与えるマスク(M)上に入射する照明放射線を発生させるように構成された照明系(ILL)と、
    投影対物系の物体平面(OS)に配置された前記パターンの像を投影対物系の像面(IS)に配置された感放射線基板(W)上に像側開口数NAで投影するように構成された投影対物系(PO)と、
    前記物体平面の光学的に下流にある投影ビーム経路内の前記投影対物系の視野面又はその近くに配置された角度選択的フィルタ配列(FA)と、
    を含み、
    前記角度選択的フィルタ配列は、該フィルタ配列上に入射する放射線を角度選択的フィルタ関数に従ってフィルタリングするのに有効であり、該フィルタ関数は、
    カットオフ入射角AOICUTよりも小さい入射角について、比較的高い入射放射線強度透過率を有する通過帯域(PB)と、該カットオフ入射角AOICUTよりも大きい入射角について、比較的低い入射放射線強度透過率を有する阻止帯域(SB)と、
    を含み、
    βが、前記投影対物系の前記フィルタ平面にあるか又はそれに隣接する前記視野面と前記像面との間の像形成の倍率であり、条件AOICUT=arcsin(NA*|β|)が成り立ち、
    AOI>AOICUTにおける前記阻止帯域(SB)内の全ての入射角からの放射線の積分透過率が、AOI<AOICUTにおける前記通過帯域(PB)内の放射線の積分透過率の1%よりも大きくな
    前記マスクは、横並びに配置された第1の部分パターン(PAT1)と少なくとも1つの第2の部分パターン(PAT2)とを含み、該部分パターンは、異なる構造を有し、
    前記フィルタ配列(FA)は、2つ又はそれよりも多くの対応するフィルタ区域を含み、第1のフィルタ区域(FA1)が、前記第1の部分パターン(PAT1)の下流の前記光路に配置され、第2のフィルタ区域(FA2)が、前記第2のパターン区域(PAT2)の下流に配置され、
    前記第1のフィルタ区域(FA1)内の第1のフィルタコーティング(FC1)が、第1の像側開口数(NA1)に対応する第1のカットオフ入射角(AOI CUT 1)を与えるようになっており、第2のフィルタコーティング(FC2)が、該第1のカットオフ角度(AOI CUT 1)よりも大きいか又は小さい第2のカットオフ角度(AOI CUT 2)を与えるように構成される、
    ことを特徴とする投影露光システム。
  2. 投影露光システムであって、
    1次放射線源(S)によって発生する作動波長λを有する1次放射線を受光し、かつ該1次放射線を形成して所定のパターン(PAT)を与えるマスク(M)上に入射する照明放射線を発生させるように構成された照明系(ILL)と、
    投影対物系の物体平面(OS)に配置された前記パターンの像を投影対物系の像面(IS)に配置された感放射線基板(W)上に像側開口数NAで投影するように構成された投影対物系(PO)と、
    前記物体平面の光学的に下流にある投影ビーム経路内の前記投影対物系の視野面又はその近くに配置された角度選択的フィルタ配列(FA)と、
    を含み、
    前記角度選択的フィルタ配列は、該フィルタ配列上に入射する放射線を角度選択的フィルタ関数に従ってフィルタリングするのに有効であり、該フィルタ関数は、
    カットオフ入射角AOICUTよりも小さい入射角について、比較的高い入射放射線強度透過率を有する通過帯域(PB)と、該カットオフ入射角AOICUTよりも大きい入射角について、比較的低い入射放射線強度透過率を有する阻止帯域(SB)と、
    を含み、
    βが、前記投影対物系の前記フィルタ平面にあるか又はそれに隣接する前記視野面と前記像面との間の像形成の倍率であり、条件AOICUT=arcsin(NA*|β|)が成り立ち、
    前記カットオフ角度(AOICUT)は、前記フィルタ関数の透過率値が前記通過帯域内の最大透過率の50%又はそれ未満である入射角として定義され
    前記マスクは、横並びに配置された第1の部分パターン(PAT1)と少なくとも1つの第2の部分パターン(PAT2)とを含み、該部分パターンは、異なる構造を有し、
    前記フィルタ配列(FA)は、2つ又はそれよりも多くの対応するフィルタ区域を含み、第1のフィルタ区域(FA1)が、前記第1の部分パターン(PAT1)の下流の前記光路に配置され、第2のフィルタ区域(FA2)が、前記第2のパターン区域(PAT2)の下流に配置され、
    前記第1のフィルタ区域(FA1)内の第1のフィルタコーティング(FC1)が、第1の像側開口数(NA1)に対応する第1のカットオフ入射角(AOI CUT 1)を与えるようになっており、第2のフィルタコーティング(FC2)が、該第1のカットオフ角度(AOI CUT 1)よりも大きいか又は小さい第2のカットオフ角度(AOI CUT 2)を与えるように構成される、
    ことを特徴とする投影露光システム。
  3. 前記カットオフ角度(AOICUT)は、前記フィルタ関数の透過率値が前記通過帯域内の最大透過率の20%又はそれ未満である入射角として定義されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシステム。
  4. 前記フィルタ関数は、最大透過率勾配を有する入射角付近に前記通過帯域(PB)と前記阻止帯域(SB)の間の移行部を更に含み、
    前記最大透過率勾配は、入射角当たり少なくとも40%の透過率である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシステム。
  5. 前記フィルタ配列(FA)は、前記投影対物系の最後の瞳面(P)の光学的に上流に配置されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシステム。
  6. 前記フィルタ配列は、該フィルタ配列の少なくとも1つの光学面が、部分口径比が条件|SAR|<0.4を満たす位置にあるように配置されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシステム。
  7. 前記フィルタ配列は、該フィルタ配列の少なくとも1つの光学面が、部分口径比が条件|SAR|<0.2を満たす位置にあるように配置されることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
  8. 前記フィルタ配列(FA)は、前記物体平面(OS)に光学的に近い投影ビーム経路に配置されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のシステム。
  9. 前記フィルタ配列(FA)は、前記マスク(M)と前記投影対物系(PO)の光学要素の最初の曲面(CS)との間の光路に配置されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のシステム。
  10. 前記フィルタ配列(FA)は、前記マスク(M)と前記投影対物系(PO)の間の光路上に配置されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のシステム。
  11. 前記フィルタ配列(FA)は、交換可能であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のシステム。
  12. 第1のフィルタ関数を有する第1のフィルタ配列が該第1のフィルタ関数とは異なる第2のフィルタ関数を有する第2のフィルタ配列と交換可能であるように構成されたフィルタ交換システム(FCS)を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のシステム。
  13. 前記フィルタ配列(FA)は、前記作動波長での放射線に対して実質的な透過性を有する材料で作られて少なくとも1つの基板面と該基板面に付加された角度選択的多層フィルタコーティング(FC)とを有するフィルタ基板(SUB)を含むことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のシステム。
  14. 前記フィルタ基板は、平面板であることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
  15. 前記フィルタ基板は、ペリクル(PEL)であることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
  16. 前記フィルタ基板は、レンズ要素であることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
  17. 前記フィルタ基板は、第1の角度選択的フィルタコーティング(FC1)で被覆された第1の面(S1)と、該第1の角度選択的フィルタコーティングとは異なる第2の角度選択的フィルタコーティング(FC2)で被覆された第2の面(S2)とを有し、
    前記第1及び第2のフィルタコーティングのフィルタ関数が、互いに補完して前記フィルタ配列の複合フィルタ関数を発生させる、
    ことを特徴とする請求項13から請求項16のいずれか1項に記載のシステム。
  18. 前記投影対物系(PO)は、前記投影ビームの断面を瞳面に又はその近くに制限する可変機械開口絞りを持たないことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のシステム。
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