JP2008529557A - 白血病の診断、予後診断および処置選択のための方法およびシステム - Google Patents

白血病の診断、予後診断および処置選択のための方法およびシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、急性骨髄性白血病(AML)またはその他のタイプの白血病の予後診断、診断および処置選択のための方法、システムおよび機器を提供する。また、白血病患者の臨床転帰の予後遺伝子は、本発明によって同定することができる。これらの遺伝子は、疾患に関連していないヒトに比べて、AML患者のPBMC中で特異的に発現する。これらの遺伝子は、AMLの診断、または発達、進行若しくは処置の監視に使用することができる。

Description

(関連出願の引用)
本出願は、米国仮特許出願第60/653,117号(2005年2月16日出願)の優先権を主張する。
(技術分野)
本発明は、白血病の診断及び予後遺伝子、並びにAML又はその他のタイプの白血病の診断、予後診断及び処置選択のための遺伝子を使用する方法に関する。
(背景)
急性骨髄性白血病(AML)は、骨髄中の未成熟な白血病性芽球の過剰増殖によって特徴付けられる異種クローン性疾患である。全てのAMLの症例の約90%が、CD33芽球の増殖を示している。このCD33は、骨髄芽球及び骨髄始原細胞において特異的に発現すると思われる細胞表面抗原であるが、正常な造血幹細胞には存在しない。ゲムツズマブオゾガマイシン(Mylotarg(登録商標)又はGO)は、AML患者のCD33芽球を破壊するために特異的にターゲティングするように設計された、抗CD33抗体が結合したカリケアマイシンである。概説については、非特許文献1及び非特許文献2を参照されたい。
ゲムツズマブオゾガマイシンは、進行性のAMLを患う患者における有効性が証明されているが、単独投与薬剤としては完全に有効ではない場合がある。in vitro及びin vivoの両試験では、p糖タンパク質の発現及び多剤耐性(MDR)表現型が、ゲムツズマブオゾガマイシンによる治療に対する反応性の減少に関連していることが証明されており、この機序によるゲムツズマブオゾガマイシンの押出しが、ゲムツズマブオゾガマイシン耐性の幾つかの重要な分子経路の1つである場合があることが示唆されている(非特許文献3及び非特許文献4)。しかし、MDR表現型は、全ての症例でゲムツズマブオゾガマイシン耐性が見られるわけではない。ゲムツズマブオゾガマイシンは、Mylotarg(登録商標)療法を受ける患者の大多数において有利な安全プロフィールを示す(非特許文献5)が、この治療に供した後に肝静脈閉塞性疾患を発症した症例が少数ながら有意数報告されている(非特許文献6)。最近では、単剤療法として投与されるGOの有効性を増大させる試みとして、アントラサイクリン及びシタラビンとの併用においてGOが評価されている(非特許文献7)。
Matthews,LEUKEMIA,1998年,第12巻,第1補遺,S33−S36 Bernstein,LEUKEMIA,2000年,第14巻,p.474−475 Naitoら,LEUKEMIA,2000年,第14巻,p.1436−1443 Linenbergerら,BLOOD,2001年,第98巻,p.988−994 Sieversら,J.CLIN.ONCOL.,2001年,第19巻,第13号,p.3244−3254 Neumeisterら,ANN.HEMATOL.,2001年,第80巻,p.119−120 Alvaradoら,CANCER CHEMOTHER PHARMACOL.,2003年,第51巻,p.87−90
(発明の要旨)
従って、本発明の目的は、遺伝子発現と治療に対する反応との関係を評価するための薬物遺伝的解析を提供することである。
本発明の目的は、その発現が、抗癌剤療法を受けている白血病患者の臨床転帰を予測する、白血病の予後遺伝子を同定することである。
本発明の更なる目的は、白血病患者の臨床転帰を予測する方法、及び、薬物遺伝的解析に基づいて白血病患者の処置を選択する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、白血病の診断遺伝子を同定し、診断遺伝子の発現レベルの解析に基づいて、白血病を診断する、又は白血病の発症、発達、進行若しくは処置を監視する方法を提供することである。
従って、一実施形態において、本発明は、白血病の処置に応じた臨床転帰を予測する方法を提供する。この方法は以下の手順を含む:即ち、(1)処置前患者に由来する末梢血単核細胞試料における白血病の1つ以上の予後遺伝子の発現レベルを測定する手順;及び(2)対応する対照レベルと各発現レベルを比較する手順(この場合、比較の結果が臨床転帰の予測である)。本出願で言及される「予後遺伝子」は、異なる臨床転帰を有する白血病患者の末梢血単核細胞(PBMC)又は他の組織中で特異的に発現される任意の遺伝子を意味するが、これらに限定されない。特に、予後遺伝子には、白血病患者のPBMC又は他の組織中の発現レベルが患者の臨床転帰と相関する遺伝子が含まれる。具体的な予後遺伝子は、表1、表2、表3、表4、表5及び表6に示される。本出願で言及する「臨床転帰」には、任意の白血病処置に対する任意の応答が含まれるが、これらに限定されない。
本発明は、急性白血病、慢性白血病、リンパ性白血病又は非リンパ性白血病を含む、任意の白血病の予後診断に適している。特に、本発明は、急性骨髄性白血病(AML)の予後診断に適している。通常、臨床転帰は、抗癌剤療法に対する反応によって測定される。例えば、抗癌剤療法には、抗CD33抗体、ダウノルビシン、シタラビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、アントラサイクリン、及びピリミジン又はプリンヌクレオチド類似体からなる群から選択される1つ以上の化合物の投与が含まれる。1つの特定の具体例において、本発明は、ゲムツズマブオゾガマイシン(GO)併用療法に対する反応を予測するために使用することができる。
一実施形態において、本発明に適した1つ以上の予後遺伝子には、第一のクラスから選択される少なくとも第一の遺伝子、及び第二のクラスから選択される第二の遺伝子が含まれる。第一のクラスには、処置反応におけるより少ない所望の臨床転帰を有すると予測される患者における末梢血単核細胞中の、より高い発現レベルを有する遺伝子が含まれる。具体的な第一のクラスの遺伝子は、表1及び表3に示される。第二のクラスには、処置反応におけるより多くの所望の臨床転帰を有すると予測される患者における末梢血単核細胞中の、より高い発現レベルを有する遺伝子が含まれる。具体的な第二のクラスの遺伝子は、表2及び4に示される。一実施形態において、第一の遺伝子は表3から選択され、第二の遺伝子は表4から選択される。
特定の一実施形態において、第一の遺伝子は、亜鉛フィンガータンパク質217、ペプチドトランスポーター3、フォークヘッドボックスO3A、T細胞受容体α遺伝子座及び推定上のケモカイン受容体/GTP結合タンパク質からなる群から選択され、第二の遺伝子は、メタロチオネイン、脂肪酸不飽和酵素1、Affymetrix ID216336に対応する未特定の遺伝子、奇形の上皮性自己調節因子1及び増殖停止及びDNA損傷誘発性αからなる群から選択される。他の実施形態において、第一の遺伝子はグルココルチコイド調節キナーゼであり、第二の遺伝子がメタロチオネイン1X/1Lである。
幾つかの実施形態において、予後遺伝子のそれぞれの発現レベルが、数的な閾値である、対応するコントロールレベルと比較される。
幾つかの実施形態において、本発明の方法は、処置反応における白血病患者の有害事象の発症を予測するために使用することができる。例えば、この方法は、肝静脈閉塞症(VOD)の発達の可能性を評価するために使用することができる。VODの具体的な予後遺伝子は表5及び表6に示される。特定の一実施形態において、VODの危険を予測するために、p−セレクチンリガンドの発現が測定される。
他の実施形態において、本発明は、以下の手順を含むことによる白血病の臨床転帰の予測方法を提供する。(1)白血病を患う患者の末梢血試料から遺伝子発現プロフィールを作成する手順;及び(2)この遺伝子発現プロフィールを、1つ以上の基準発現プロフィールと比較する手順を含む、白血病の臨床転帰を予想する方法であって、前記遺伝子発現プロフィール及び1つ以上の基準発現プロフィールが、末梢単核細胞における白血病の1つ以上の予後遺伝子の発現パターンを含み、前記遺伝子発現プロフィール及び1つ以上の基準発現プロフィールの間の相違点又は類似点が患者の臨床転帰を示す。
一実施形態において、1つ以上の予後遺伝子の遺伝子発現プロフィールは、例えば、k−最近傍解析又は加重投票アルゴリズムによって、1つ以上の基準発現プロフィールと比較される。通常、1つ以上の基準発現プロフィールは、既知又は測定可能な臨床転帰を示す。幾つかの実施形態において、患者からの遺伝子発現プロフィールが、それぞれが異なる臨床転帰を表す、少なくとも2個の基準発現プロフィールと比較される。例えば、各基準発現プロフィールは、抗癌剤療法に対する反応における5%芽球未満の寛解;抗癌剤療法に対する反応における5%芽球以上の寛解の寛解;及び抗癌剤治療に対する反応における無寛解からなる群から選択される、異なる臨床転帰を表すことができる。幾つかの実施形態において、1つ以上の基準発現プロフィールには、白血病を患っていないヒトを表す基準発現プロフィールが含まれる。
幾つかの実施形態において、遺伝子発現プロフィールは、核酸アレイを使用して作成される。通常、遺伝子発現プロフィールは、抗癌剤療法を受ける前の患者の末梢血試料から作成される。
一実施形態において、1つ以上の予後遺伝子には、表3又は表4から選択される1つ以上の遺伝子が含まれる。他の実施形態において、1つ以上の予後遺伝子には、表3又は表4から選択される10以上の遺伝子が含まれる。更に他の実施形態において、1つ以上の予後遺伝子には、表3又は表4から選択される20以上の遺伝子が含まれる。
更に他の実施形態において、本発明は、白血病患者の処置を選択する方法を提供する。この方法には以下の手順が含まれる:即ち、(1)白血病患者から由来する末梢血液試料から遺伝子発現プロフィールを作成する手順;(2)遺伝子発現プロフィールを、それぞれが多数の処置のうちの1つに対する反応において臨床転帰を示す多数の基準発現プロフィールと比較する手順;(3)多数の治療から、手順(2)の比較に基づいて、白血病患者に有利な臨床転帰を有する処置を選択する手順(この場合、遺伝子発現プロフィール及び1つ以上の基準発現プロフィールは、末梢血単核細胞中における白血病の1つ以上の予後遺伝子の発現パターンからなる)。一実施形態において、遺伝子発現プロフィールは、例えば、k−最近傍解析又は加重投票アルゴリズムによって、遺伝子発現プロフィールが、複数の基準発現プロフィールと比較される。
一実施形態において、1つ以上の予後遺伝子には、表3又は表4から選択される1つ以上の遺伝子が含まれる。他の実施形態において、1つ以上の予後遺伝子には、表3又は表4から選択される10以上の遺伝子が含まれる。更に他の実施形態において、1つ以上の予後遺伝子には、表3又は表4から選択される20以上の遺伝子が含まれる。
別の態様において、本発明は、白血病を診断する、又は白血病の発症、発達、進行若しくは処置を監視する方法を提供する。この方法には以下の手順が含まれる:即ち、(1)白血病を患う患者の末梢血液試料から、遺伝子発現プロフィールを作成する手順:及び(2)前記遺伝子発現プロフィールを、1つ以上の基準発現プロフィールと比較する手順を含み、前記遺伝子発現プロフィール、及び1つ以上の基準発現プロフィールが、末梢血単核細胞において白血病の1つ以上の診断遺伝子の発現パターンを含み、前記遺伝子発現プロフィール及び1つ以上の基準発現プロフィールの間の相違点又は類似点が、患者における白血病の有無、発症、発達、進行又は処置の有効性を示す。一実施形態において、白血病はAMLである。本出願で使用される「診断遺伝子」には、種々の病状を有する白血病患者の末梢血単核細胞(PBMC)又はその他の組織において特異的に発現する任意の遺伝子が含まれるが、これらに限定されない。特に、診断遺伝子には、白血病でない患者のPBMCに対して、白血病患者のPBMC又は他の組織においえ特異的に発現される遺伝子が含まれる。具体的な診断遺伝子を表7、表8及び表9に示す。診断遺伝子は又、本出願において疾病遺伝子としても言及される。
通常、1つ以上の基準発現プロフィールには、病気でないヒトを表わす基準発現プロフィールが含まれる。通常、1つ以上の診断遺伝子には、表7から選択される1つ以上の遺伝子が含まれる。好ましくは、1つ以上の診断遺伝子には、表8又は表9から選択される1つ以上の遺伝子が含まれる。幾つかの実施形態において、1つ以上の診断遺伝子には、表8又は表9から選択される10以上の遺伝子が含まれる。好ましくは、1つ以上の診断遺伝子には、表8又は表9から選択される10以上の遺伝子が含まれる。
他の実施形態において、本発明は、AML患者についての臨床転帰を予測するための方法に使用されるアレイを提供する。本発明のアレイは、複数のアドレスを有する基板を含み、この基板は、そこに配列される異なるプローブを有する。幾つかの実施形態において、少なくとも15%の複数のアドレスが、末梢血単核細胞中のAMLの診断に関連する遺伝子を特異的に検出することができるプローブ上に配列されている。幾つかの実施形態において、少なくとも30%の複数のアドレスが、末梢血単核細胞中のAMLの診断に関連する遺伝子を特異的に検出することができるプローブ上に配列されている。幾つかの実施形態において、少なくとも50%の複数のアドレスが、末梢血単核細胞中のAMLの診断に関連する遺伝子を特異的に検出することができるプローブ上に配列されている。幾つかの実施形態において、予後遺伝子は、表1、表2、表3、表4、表5又は表6から選択される。本発明に適切なプローブは、核酸プローブであってもよい。又、本発明に適切なプローブは抗体プローブであってもよい。
更なる実施形態において、本発明は、複数のアドレスを有する基板を含み、核アドレスがそこに配列される異なるプローブを有する、AMLの診断方法に使用するためのアレイを提供する。幾つかの実施形態において、少なくとも15%の複数のアドレスが、末梢血単核細胞中のAMLの予後遺伝子を特異的に検出することができるプローブ上に配列されている。幾つかの実施形態において、少なくとも30%の複数のアドレスが、末梢血単核細胞中のAMLの予後遺伝子を特異的に検出することができるプローブ上に配列されている。幾つかの実施形態において、少なくとも50%の複数のアドレスが、末梢血単核細胞中のAMLの予後遺伝子を特異的に検出することができるプローブ上に配列されている。幾つかの実施形態において、診断遺伝子は、表7、表8又は表9から選択される。本発明に適切なプローブは核酸プローブであってもよい。又、本発明に適切なプローブは抗体プローブであってもよい。
更に他の実施形態において、本発明は、複数のデジタルコード化された発現シグナルを有する、デジタルコード化された発現プロフィールを含み、発現シグナルのそれぞれが、末梢血単核細胞中のAMLの予後遺伝子の発現を表わす値を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。幾つかの実施形態において、複数のデジタルコード化された発現シグナルは、表1、表2、表3、表4、表5又は表6から選択される予後遺伝子を表わす値を有する。幾つかの実施形態において、複数のデジタルコード化された発現シグナルのそれぞれは、既知又は測定可能な臨床転帰を伴う患者の末梢血単核細胞中のAMLの予後遺伝子の発現を表わす値を有する。幾つかの実施形態において、本発明のコンピュータ読み取り可能な媒体は、少なくとも10個のデジタルコード化された発現シグナルを含む、デジタルコード化された発現プロフィールを含む。
他の実施形態において、本発明は、複数のデジタルコード化された発現シグナルを有する、デジタルコード化された発現プロフィールを含み、発現シグナルのそれぞれが、末梢血単核細胞中のAMLの診断遺伝子の発現を表わす値を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。幾つかの実施形態において、複数のデジタルコード化された発現シグナルのそれぞれは、表7、表8又は表9から選択される診断遺伝子を表わす値を有する。幾つかの実施形態において、複数のデジタルコード化された発現シグナルのそれぞれは、AMLを患っていないヒトの末梢血単核細胞中のAMLの診断遺伝子の発現を表わす値を有する。幾つかの実施形態において、本発明のコンピュータ読み取り可能な媒体は、少なくとも10個のデジタルコード化された発現シグナルを含む発現プロフィールを含む。
更に他の実施形態において、本発明は、白血病、例えば、AMLの予後診断用キットを提供する。このキットは、a)末梢血単核細胞中のAMLの予後遺伝子を特異的に検出することができる1つ以上のプローブ;及びb)1つ以上のプローブによって検出される、予後遺伝子の基準発現レベルを、それぞれ表わす1つ以上のコントロールを含む。幾つかの実施形態において、本発明のキットは、表1、表2、表3、表4、表5又は表6から選択される、予後遺伝子を特異的に検出することができる、1つ以上のプローブを含む。
他の実施形態において、本発明は、白血病、例えばAMLの診断用キットを提供する。このキットは、a)末梢血単核細胞中のAMLの診断遺伝子を特異的に検出することができる1つ以上のプローブ;及びb)1つ以上のプローブによって検出される、予後遺伝子の基準発現レベルを、それぞれ表わす1つ以上のコントロールを含む。幾つかの実施形態において、本発明のキットは、表7、表8又は表9から選択される、診断遺伝子を特異的に検出することができる、1つ以上のプローブを含む。
本発明の、他の特徴、目的及び利点は、以下の詳細な説明において明らかである。しかし、詳細な説明は本発明の具体例を示すが、説明の目的でのみで提供され、本発明を限定するものではない。詳細な説明から、本発明の範囲内で、種々の変形及び修飾が当業者にとって明らかとなるであろう。
本発明は、AML又はその他のタイプの白血病の予後診断又は処置の選択に有用な方法、試薬及びシステムを提供する。これらの方法、試薬及びシステムは、種々の臨床転帰を有する白血病患者の末梢血液試料において特異的に発現する、白血病の予後遺伝子を使用する。又、本発明は、AML又はその他のタイプの白血病を診断する、又は白血病の発症、発達、進行若しくは処置を監視するための方法、試薬及びシステムを提供する。これらの方法、試薬及びシステムは、種々の病状を伴う白血病患者の末梢血液試料中で特異的に発現する診断遺伝子を使用する。従って、本発明は、臨床薬物遺伝学及び白血病の処置において有意な進歩を示す。
本発明の種々の実施態様は、以下のサブセクションにおいて更に詳細に開示される。サブセクションの使用は本発明を限定することを意味しない。各サブセクションは、本発明の任意の実施態様を提供する。本出願において、特に記載がない限り、「又は」は「及び/又は」を意味する。
白血病及び白血病の処置
本発明に受け入れられる白血病のタイプには、急性白血病、慢性白血病、リンパ性白血病又は非リンパ性白血病(例えば、骨髄性、単核球性又は赤血球性)が含まれるが、これらに限定されない。急性白血病には、例えば、AML又はALL(急性リンパ芽球性白血病)が含まれる。慢性白血病には、例えば、CML(慢性骨髄性白血病)、CLL(慢性リンパ性白血病)又はヘアリーセル白血病が含まれる。又、本発明は、骨髄異形成症候群(MDS)を患った患者の臨床転帰の予後遺伝子を意図する。
白血病の処置計画は、本発明によって解析することができる。これらの白血病処置の具体例には、化学療法、薬物療法、遺伝子療法、免疫療法、生物学的治療、放射線治療、骨髄移植、手術又はそれらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。臨床試験に基づく処置を含めたその他の通常の、通常でない、新規の、又は実験的治療も又、本発明によって評価することができる。
白血病を処置するために、種々の抗癌剤が用いられ得る。これらの薬剤の具体例には、アルキル化剤、アントラサイクリン、抗生物質、ビホスホネート、葉酸拮抗剤、無機ヒ酸塩、微小管阻害剤、ニトロソウレア、ヌクレオシド類似体、レチノイド又はトポイソメラーゼ阻害剤が含まれるがこれらに限定されない。
アルキル化剤の具体例には、ブスルファン(マイレラン、ブスルフェクス)、クロラムブシル(ロイケラン)、シクロホスファミド(サイトキサン、ネオサール)、メルファラン、L−PAM(アルケラン)、ダカルバジン(DTIC−ドーム)、及びテモゾラマイド(テモダール)が含まれるが、これらに限定されない。アントラサイクリンの具体例には、ドキソルビシン(アドリアマイシン、ドキシル、ルベックス)、ミトキサントロン(ノバントロン)、イダルビシン(イダマイシン)、バルルビシン(バルスター)、及びエピルビシン(エレンス)が含まれるが、これらに限定されない。抗生物質の具体例には、ダクチノマイシン、アクチノマイシンD(コスメゲン)、ブレオマイシン(ブレノキサン)、及びダウノルビシン、ダウノマイシン(セルビジン、ダヌオキソーム)が含まれるが、これらに限定されない。ビホスホネート阻害剤の具体例には、ゾレドロネート(ゾメタ)が含まれるが、これに限定されない。葉酸拮抗剤の具体例には、メトトレキセート及びトレメトレキサートが含まれるが、これらに限定されない。無機ヒ酸塩の具体例には三酸化ヒ素(トリセノックス)が含まれるが、これに限定されない。微小管の組み立て又は分解の何れかを阻害する微小管阻害剤の具体例には、ビンクリスチン(オンコビン)、ビンブラスチン(ベルバン)、パクリタクセル(タキソール、パキセン)、ビノレルビン(ナベルビン)、ドセタキセル(タキソテール)、エポチロンB又はD又はそれらの誘導体、及びディスコデルモリド又はその誘導体が含まれるが、これらに限定されない。ニトロソウレアの具体例には、プロカルバジン(マツラン)、ロムスチン、CCNU(CeeBU)、カルムスチン(BCNU、BiCNU、Gliadel Wafer)、及びエストラムスチン(Emcyt)が含まれるが、これらに限定されない。ヌクレオシド類似体の具体例には、6−MP(プリネトール)、フルオロウラシル、5−FU(アドルシル)、チオグアニン、6−TG(チオグアニン)、ヒドロキシ尿素(ハイドレア)、シタラビン(シトザール−U、DepoCyt)、フロクスウリジン(FUDR)、フルダラビン(フルダラ)、ペントスタチン(ニペント)、クラドリビン(ロイスタチン、2−CdA)、ゲムシタビン(ジェムザール)、及びカペシタビン(キセローダ)が含まれるが、これらに限定されない。レチノイドの具体例には、トレチノイン、ATRA(ベサノイド)、アリトレチノイン(パンレチン)、及びベキサロテン(タルグレチン)が含まれるが、これらに限定されない。トポイソメラーゼ阻害剤の具体例には、エトポシド、VP−16(ベペシド)、テニポシド、VM−26(ブモン)、リン酸エトポシド(エトポフォス)、トポテカン(ハイカムチン)、及びイリテカン(カンプトスター)が含まれるが、これらに限定されない。これらの抗癌剤の何れかの使用を含めた治療は、本発明に従って評価することができる。
白血病は又、罹患又は不要細胞を特異的に認識する抗体によっても処置される。この目的に適切な抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、特異的モノクローン抗体、特異的ポリクローン抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、一本鎖抗体、キメラ抗体、合成抗体、組換え抗体、ハイブリッド抗体、突然変異抗体、移植抗体、又はin vitro生成抗体が含まれるが、これらに限定されない。又、適切な抗体は、Fab、F(ab’)、Fv、scFv、Fd、dAb、又は抗原結合部位を保持した他の断片であってもよい。多くの場合、本発明で使用される抗体は、少なくとも10−6−1、10−7−1、10−8−1、10−9−1、又はより強い結合親和性で、罹患又は不要細胞上の特異的抗原(例えば、骨髄芽球又は骨髄前駆体細胞上のCD33抗原)と結合することができる。
本発明で使用される多くの抗体は、細胞を死滅させるか、細胞の増殖又は分裂を抑制することができる、細胞毒性又は他の抗細胞薬と結合される。細胞毒性又は抗細胞薬の具体例には、前述の抗腫瘍剤、及び他の化学療法剤、放射性同位元素又は細胞毒素が含まれるが、これらに限定されない。2種以上の異なる細胞毒性部分を抗体に結合することができ、従って、可変、又は等しく向上した抗癌活性に適合する。
抗体に対する1つ以上の細胞毒性部分の連結又は結合は、種々の機序によって、例えば、共有結合、親和結合、インターカレーション、配位結合及び錯体化によって達成することができる。好ましい結合方法は、化学的架橋剤、天然ペプチド又はジスルフィド結合を使用した、共有結合を含むものである。
共有結合は、例えば、存在する側鎖の直接縮合、又は外部の架橋分子の取り込みによって達成することができる。多くの二価又は多価の薬剤が、タンパク質分子を、他のタンパク質、ペプチド又はアミン基と結合させるのに有用である。非限定的な、カップリング剤の具体例は、カルボジイミド、ジイソシアネート、グルタルアルデヒドジアゾベンゼン、及びヘキサメチレンジアミンである。
一実施形態において、本発明で使用される抗体は、細胞毒性部分と接触する前に、まず誘導体化される。「誘導体化」は、適当な架橋剤を使用した、抗体基質の化学的修飾を意味する。この方法において使用される架橋剤の具体例には、ジスルフィド結合含有リンカー、SPDP(N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート)及びSMPT(4−スクシンイミジル−オキシカルボニル−α−メチル−α(2−ピリジルジチオ)トルエン)が含まれる。又、抗体が、いったん標的細胞と結合するか入ると、細胞毒性部分が放出できるように、臨床的に活性な抗体を作成するために、生物学的に放出可能な結合を使用することができる。この目的のために、多数のタイプの結合構築物が知られている(例えば、ジスルフィド結合)。
白血病の処置計画において使用される抗腫瘍剤は、標的組織又は細胞が投与経路によって利用できる限りは、何れかの通常の投与経路によって投与することができる。これには、静脈注射、カテーテル法、同所、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、腫瘍内、経口、経鼻、頬、直腸、経膣又は局所的投与が含まれるが、これらに限定されない。抗腫瘍剤及び投与計画の選択は、種々の因子、例えば、使用される薬物の組み合わせ、処置する特定の疾患、及び患者の状態及び以前の病歴に依存する。既知の承認された抗腫瘍剤についての特定の投与計画については、Physician’s Desk Reference, Medical Economics Company, Inc., Oradell, N.J.の最新版に記載されている。
又、白血病処置計画は、化学療法及び抗体療法等の、異なるタイプの治療を組み合わせて含むことができる。本発明は、全てのタイプの白血病処置計画のための予後遺伝子の同定を意図する。
一実施形態において、本発明は、抗癌剤の処置を受けたAML患者の臨床転帰を予後診断する遺伝子の同定を特徴とする。寛解誘導治療の目的は、血液又は骨髄中の白血病細胞を死滅させることによって、寛解を達成することである。寛解後療法の目的は、活性ではないが、再増殖し、再発を引き起こす、残存する白血病細胞を死滅させることによって、寛解を維持することである。
AML患者の標準的な寛解誘導治療には、併用化学療法、幹細胞移植、高濃度の併用化学療法、全トランスレチノイン酸(ATRA)及び化学療法、又は髄腔内化学療法が含まれるが、これらに限定されない。標準的な寛解後療法には、併用化学療法、高濃度化学療法及び供与者の幹細胞を使用した幹細胞移植、又は放射線療法の有り又は無しでの高濃度化学療法及び患者の幹細胞を使用した幹細胞移植が含まれるが、これらに限定されない。再発性AML患者については、標準的な処置には、併用化学療法、モノクローナル抗体を使用した生物学的療法、幹細胞移植、症状を軽減し、生活の質を改善するための一時的な治療法としての低線量放射線療法、又は三酸化ヒ素療法が含まれるが、これらに限定されない。臨床試験下での非標準的な治療法は又、本発明によって意図される。
多くの実施形態において、米国特許出願公開第20040152632号に開示された処置計画が、AML又はMDSを処置するために使用される。これらの処置計画における患者の転帰の予後遺伝子は、本発明によって確認することができる。一実施例において、処置計画には、少なくとも1種の化学療法剤、及び細胞毒性薬と結合した抗CD33抗体の投与が含まれる。化学療法剤は、アントラサイクリン、及びピリミジン又はプリンヌクレオシド類似体からなる群から制限なしで選択することができる。例えば、細胞毒性薬はカリケアマイシン又はエスペラマイシンであり得る。
AML又はMDSの処置に適したアントラサイクリンには、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、アクラルビシン、ゾルビシン、ミトキサントロン、エピルビシン、カルビシン、ノガラマイシン、メノガリル、ピタルビシン、及びバルルビシンが含まれるが、これらに限定されない。AML又はMDSの医療に有用なピリミジン又はプリンヌクレオシド類似体には、シタラビン、ゲムシタビン、トリフルリジン、アンシタビン、エノシタビン、アザシチジン、ドキシフルリジン、ペントスタチン、ブロクスウリジン、カペシタビン、クラドリビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、グウゲロチン、プロマイシン、テガフール、チアゾフリン、又はツベルシジンが含まれるが、これらに限定されない。又、他のアントラサイクリン及びピリミジン/プリンヌクレオシド類似体も、本発明において使用することができる。
更なる実施例において、処置を必要とする患者へのAML/MDSの処置計画には、ゲムツズマブオゾガマイシン(GO)、ダウノルビシン及びシタラビンの投与が含まれる。ゲムツズマブオゾガマイシンは、制限はないが、1日当たり、約3mg/m〜約9mg/mの量で、例えば、約3、4、5、6、7、8又は9mg/m投与することができる。例えば、ダウノルビシンは、1日当たり、約45mg/m〜約60mg/mの量、例えば、約45、50、55又は60mg/m投与することができる。シタラビンは、制限はないが、1日当たり、約100mg/m〜200mg/mの量、例えば、約100、125、150、175又は200mg/m投与することができる。一実施例において、処置計画において使用されるダウノルビシンは塩酸ダウノルビシンである。
臨床転帰
白血病患者の臨床転帰は、判定基準の数によって評価することができる。臨床転帰の測定の具体例には、完全寛解、部分的寛解、非寛解、生存、有害事象の発達、又はそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。完全寛解を有する患者は、処置後に、骨髄中に5%未満の芽球を示す。部分的寛解を有する患者は、特定の程度に対する芽球の割合の減少を示すが、5%未満の芽球を伴う正常な造血を達成しない。非寛解患者の骨髄中の芽球の割合は、処置に反応して有意な方法で減少しない。
多くの場合、予後遺伝子の同定のために使用される末梢血液思慮は、「ベースライン」又は「処置前」試料である。これらの試料は、治療的処置前にそれぞれの白血病患者から分離され、そのベースラインの末梢血液発現プロフィールが、処置に反応して白血病患者の臨床転帰と関連する、遺伝子を同定するために使用することができる。その他の処置又は病気の段階において分離される末梢血液試料も、白血病の予後遺伝子を同定するために使用することができる。
種々のタイプの末梢血液試料が本発明において使用され得る。一実施形態において、末梢血液試料は全血試料である。他の実施形態において、末梢血液試料は、PBMCを豊富に含む。「豊富に含む」に関しては、試料におけるPBMCの割合は、全血中のものよりも高いことを意味する。ある場合、豊富に含む試料中のPBMCの割合は、全血中のものよりも、少なくとも1、2、3、4、5倍、又はそれ以上高い。幾つかの他の場合、豊富に含む試料中のPBMCの割合は、少なくとも90%、95%、98%、99%、99.5%以上である。PBMCを豊富に含む血液試料は、フィコール密度勾配遠心法又はCPTs(細胞精製チューブ)等の、当業界で公知の任意の方法を使用して製造することができる。
遺伝子発現解析
末梢血液遺伝子発現プロフィールと患者の転帰との関係は、全体的な遺伝子発現解析を使用することによって評価することができる。この目的に適した方法には、核酸アレイ(cDNA又はオリゴヌクレオチドアレイ等)、2次元SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動/質量分析法、及び他の、高い処理能力のヌクレオチド又はポリペプチド検出技術が含まれるが、これらに限定されない。
核酸アレイは、一度に多くの遺伝子の発現レベルを定量的に検出することを可能にする。核酸アレイの具体例には、Affymetrix(米国カリフォルニア州サンタクララ)のGeneChip(登録商標)マイクロアレイ、Agilent Technologies(米国カリフォルニア州アロアルト)のcDNAマイクロアレイ、及び米国特許第6,288,220号及び第6,391,562号に記載されたビーズアレイが含まれるが、これらに限定されない。
核酸とハイブリダイズするポリヌクレオチドは、1つ以上の標識部分により標識することができ、ハイブリダイズしたポリヌクレオチド複合体の検出を可能にする。この標識部分には、分光学的、光化学的、生化学的、生体電子的、免疫化学的、電気的、光学的、又は化学的方法によって検出可能な組成物が含まれる。具体的な標識部分には、放射性同位元素、化学発光化合物、標識結合タンパク質、重金属原子、蛍光マーカー等の分光学的マーカー、色素、磁気標識、結合した酵素、質量分析タグ、スピン標識、電子移動供与体及び受容体等が含まれる。非標識ポリヌクレオチドも使用することができる。ポリヌクレオチドは、DNA、RNA、又はそれらの修飾形態であり得る。
ハイブリダイゼーション反応は、絶対的な(absolute)、又は差別的な(differential)ハイブリダイゼーションフォーマットにおいて実施することができる。絶対的なハイブリダイゼーションフォーマットにおいては、選択された転帰のクラスにおける患者由来のPBMC等の、試料から由来するポリヌクレオチドは、核酸アレイ上のプローブとハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション複合体の形成後に検出されるシグナルは、試料中のポリヌクレオチドレベルと関連する。差別的なハイブリダイゼーションフォーマットにおいては、第一の転帰のクラスにおける患者由来のもの、及び第二の転帰のクラスにおける患者から由来する他のもの等の、2種の生物学的試料から由来するポリヌクレオチドは、異なる標識部分で標識される。異なるポリヌクレオチドで標識されたポリヌクレオチドの混合物を核酸アレイに加える。次いで、2種の異なる標識からの発光が個々に検出可能な条件下で核酸アレイを試験する。一実施形態において、蛍光色素分子Cy3及びCy5(Amersham Pharmacia Biotech[米国ニュージャージー州ピスカタウェイ])が、差別的ハイブリダイゼーションフォーマットのための標識部分として使用される。
核酸アレイから収集したシグナルを、Affymetrix又はAgilent Technologiesによって提供されれているような、市販されているソフトウェアを使用して解析することができる。スキャン感度、プローブ標識及びcDNA/RNA定量等のコントロールをハイブリダイゼーション実験に含ませることができる。例えば、同一の試験条件下で1つ以上のアレイを使用する場合、ハイブリダイゼーション強度における変化を配慮するために、各遺伝子についての発現シグナルを規格化することができる。又、個々のポリヌクレオチド複合体ハイブリダイゼーションも、各アレイに含まれる内部規格化コントロールから誘導される強度を使用して規格化することができる。更に、試料の全域での相対的な一致した発現を有する遺伝子を、他の遺伝子の発現レベルを規格化するために使用することができる。一実施形態において、平均が0であり、標準偏差が1であるように、試料の全域で遺伝子の発現レベルが規格化される。他の実施形態において、核酸アレイにより検出される発現データは、全ての試料の全域での最小の、又は無意味な変化を示す遺伝子を除外する変化フィルターにかけられる。
相関分析
核酸アレイから収集した遺伝子発現データは、種々の方法を使用した臨床転帰と関連させることができる。この目的のために適した方法には、統計的方法(スピアマンの順位相関、Cox比例ハザード回帰モデル、ANOVA/t試験、又は他の順位試験又は生存モデル等)、及びクラスに基づいた、相関測定基準(最近傍解析等)が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、特定の白血病(例えば、AML)を患う患者は、治療的処置に対する応答に基づいて少なくとも2つのクラスに分類される。次いで、末梢血遺伝子発現(例えば、PBMC遺伝子発現)及び患者の転帰のクラスの関係が、監視されたクラスター又は学習アルゴリズムによって解析される。この目的に適した、監視されたアルゴリズムには、最近傍解析、サポートベクタマシン、SAM法、人工的なニューラルネットワーク、及びSPLASHが含まれるが、これらに限定されない。監視された解析下では、各患者の臨床転帰は、公知であるか測定可能である。別のクラスの患者と比べた任意のクラスの患者の末梢血細胞(例えば、PBMC)において特異的に発現される遺伝子を同定することができる。これらの遺伝子は、対象となる白血病患者の臨床転帰を予想するための代わりのマーカーとして使用することができる。このようにして同定された多くの遺伝子は、異なる転帰のクラスの患者におけるこれらの遺伝子の理想化された発現パターンを表す階級差と関連する。
別の実施形態において、特定の白血病(例えば、AML)を患う患者は、その臨床転帰又は末梢血遺伝子発現プロフィールに基づいて、少なくとも2つのクラスに分類することができる。この目的に好適な方法には、自己管理された遺伝子地図(SOMs)、k−方法、主成分分析、及び階層クラスタリング等の非監視クラスタリングアルゴリズムが含まれる。1つのクラス中の相当数(例えば、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上)の患者は第一の臨床転帰を有し、他のクラスは第二の臨床転帰を有する。別のクラスの患者と比べた任意のクラスの患者の末梢血細胞において特異的に発現する遺伝子を同定することができる。これらの遺伝子は、対象となる白血病患者の臨床転帰を予測するための予後マーカーとして使用することができる。
更に別の実施形態において、特定の白血病(例えば、AML)を患う患者は、その臨床転帰又は末梢血遺伝子発現プロフィールに基づいて、3つ以上のクラスに分類することができる。マルチクラスの関連規格は、他のクラスと比較して1つのクラスの患者において特異的に発現される遺伝子を同定するために使用される。具体的なマルチクラス関連規格には、Whitehead InstituteのMIT Center for Genome Research(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)によって供給されるGeneCluster2ソフトウェアによって使用されるものが含まれるが、これらに限定されない。
更なる実施形態において、最近傍解析(近傍解析としても知られる)が、白血病患者の臨床転帰についての末梢血遺伝子発現プロフィールと関連させるために使用される。最近傍解析のためのアルゴリズムは、Golub, et al., SCIENCE, 286:531−537 (1999);Slonim, et al., PROCS. OF THE FOURTH ANNUAL INTERNATIONAL CONFERENCE ON COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY, Tokyo, Japan, April 8−11, 0263−272 (2000);及び米国特許第6,647,341号に開示されている。近傍解析の1つのバージョンにおいて、各遺伝子の発現プロフィールは、発現ベクターg=(e、e、e、・・・、e)(ここで、eはI番目の試料における遺伝子gの発現レベルと関連する)によって表わすことができる。クラスの識別(Class distinction)は、i番目の試料がクラス0又はクラス1から分離されているかどうかに依存し理想化された発現パターンc=(c、c、c、・・・、c)(ここで、c=1又は−1である)によって表わすことができる。クラス0は、第一の臨床転帰を有する患者を含み、クラス1は、第二の臨床転帰を有する患者を含む。クラスの識別の他の形態も使用することができる。通常、クラスの識別は、1つのクラスにおける試料について遺伝子の発現レベルが一様に高く、他のクラスにおける試料について一様に低い、理想化された発現パターンを表す。
遺伝子“g”及びクラスの識別は、信号対雑音スコアによって測定することができる。
P(g,c)=[μ(g)−μ(g)]/[σ(g)+σ(g)]
上記式において、μ(g)及びμ(g)は、それぞれ、クラス0及びクラス1における遺伝子“g”の対数変換した発現レベルの平均値を表し、σ(g)+σ(g)は、それぞれ、クラス0及びクラス1における遺伝子“g”の対数変換した発現レベルの標準偏差を表す。信号対雑音スコアの高い絶対値は、遺伝子が他のクラスよりも1つのクラスにおいてより高く発現されることを示す。一実施例において、信号対雑音スコアを得るために使用される試料は、濃縮された、又は生成されたPBMCを含み、それ故、信号対圧音スコアP(g、c)は、クラスの識別及びPBMCにおける遺伝子“g”の発現レベルの関係を表す。
遺伝子“g”及びクラスの識別の関係は又、他の方法、例えば、当業者に評価されているような、パーソン相関係数又はユークリッド距離によって測定することができる。
末梢血遺伝子発現プロフィール及びクラスの識別の間の関係の優位性は、ランダム置換試験によって評価することができる。ランダムパターンと比較し、クラスの識別の近傍内の遺伝子の非常に高い密度は、多くの遺伝子が、クラスの識別と有意に関連する発現パターンを有していることを示す。遺伝子及びクラスの識別の関係は、y−軸がクラスの識別の種々の近辺中に存在する遺伝子の数を表し、x−軸が、近傍のサイズ(即ち、P(g,c)を示す、近傍解析プロットを通じて図解的に示すことができる。ランダムに順序を変えたクラスの識別の関連する近傍中の遺伝子の数についての異なる優位性を示す曲線は、プロット中に含まれる。
多くの実施形態において、本発明において使用される予後遺伝子は、近傍解析プロットにおける、中央の有意なレベルを超えている。これは、各予後遺伝子についての相関測定P(g,c)が、P(g,c)のサイズを有するクラスの識別の近傍中の遺伝子の数が、中央の有意なレベルにおける、ランダムに順序を変えるクラスの識別の対応する近傍内の遺伝子の数よりも多いことを意味する。他の多くの実施形態において、本発明において使用される予後遺伝子は、40%、30%、20%、10%、5%、2%、又は1%の有意なレベルを超えている。本明細書で使用される通り、x%有意なレベルは、x%のランダムな近傍が、クラスの識別の周辺の真実の近傍と同じくらい多くの遺伝子を含むことを意味する。
クラス予測の判断材料は、本発明の予後遺伝子を使用して構成され得る。これらのクラス予測の判断材料は、対象となる白血病患者を転帰クラスに割り当てるために使用することができる。一実施形態において、クラス予測の判断材料において使用される、予後遺伝子は、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%、又は50%の有意なレベルを超えるような置換試験によって、クラスの識別と有意に関連するように見えるものに限定される。他の実施形態において、クラス予測の判断材料における、各予後遺伝子のPBMC発現レベルは、1つのクラスの患者においては、他のクラスの患者よりも実質的に高いか、又は実質的に低い。更なる他の実施形態において、クラス予測の判断材料における、予後遺伝子は、P(g,c)を超える絶対値を有する。更に他の実施形態において、クラス予測の判断材料における、各予後遺伝子についてのスチューデントt−試験下のp値は、0.05、0.01、0.005、0.001、0.0005、0.0001しかないか、又はそれより小さい。各予後遺伝子について、p値は、他のクラスの患者に対する1つのクラスの患者における遺伝子の平均的なPBMC発現プロフィールの間に観察される相違の統計学的な有意性を示す。小さいp値は、異なるクラスの白血病患者の間に観察される相違について統計的な有意性を示す。
SAM法は又、末梢血遺伝子発現プロフィールを、種々の転帰クラスと相互に関連付けることができる。次いで、マイクロアッセイ(PAM)法の予測解析は、予め定義された転帰クラスを特徴付けることができ、新規な試料のクラスのメンバーを予測することができる、クラス予測の判断材料を同定するために使用することができる。Tibshirani, et al., PROC. NATL. ACAD. SCI. U.S.A., 99:6567−6572 (2002)を参照されたい。
多くの実施形態において、本発明のクラス予測の判断材料は、1つを除いたリーブ・ワン・アウト相互検証の下で、10倍の相互検証、又は4倍の相互検証を有する。例えば、本発明のクラス予測の判断材料は、リーブ・ワン・アウト検証の下で、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%の精度を有し、10倍の相互検証又は4倍の相互検証を有する。通常のk−倍相互検証においては、データはほぼ同等のサイズのkサブセットに分割される。モデルは、訓練されたk倍であり、それぞれは、予測誤差を計算するための試験試料としての除外されたサブセットの訓練及び使用からのサブセットの1つを除外する。kがサンプルのサイズで有る場合、それはリーブ・ワン・アウト検証となる。
他のクラスに基づく相互関係測定基準又は統計的方法も又、末梢血試料中でのその発現プロフィールが白血病患者の臨床転帰と関連する、予後遺伝子を同定するために使用することができる。これらの方法の多くは、市販の、又は公的に利用できるソフトウェアを使用することによって実施することができる。
白血病の予後遺伝子を同定することのできる他の方法には、RT−PCR、ノーザンブロット、インサイチューハイブリダイゼーション、及びELISA、RIA又はウェスタンブロット等の免疫アッセイが含まれるが、これらに限定されない。これらの遺伝子は、他のクラスの患者と関連して、1つのクラスの患者の末梢血細胞(例えば、PBMC)中で特異的に発現する。多くの場合は、1つのクラスの患者中のこれらの各遺伝子の平均的な末梢血発現レベルは、他のクラスの患者のものと統計的に異なっている。例えば、相違が観測された、適切な統計的に有意な試験(例えば、スチューデントt試験)の下でp値は、0.05、0.01、0.005、0.001、0.0005、0.0001しかないか、又はそれより小さい。他の場合、このようにして同定された予後遺伝子のそれぞれは、1つのクラスの患者と他のクラスの患者の間の平均的PBMC発現レベルにおいて、少なくとも2、3、4、5、10又は20倍の相違を有する。
HG−U133Aマイクロアレイを使用したAML予後遺伝子の同定
具体例として、本発明は、GOと当時に投与した、ダウノルビシン及びシタラビン導入療法からなる化学療法計画に応じた寛解を示す、AML患者の末梢血中の形跡を特徴付ける。特に、本発明は、処置計画に対して効果を示す陽性と関連がある、AML患者から得られる末梢血試料中の転写パターンを同定するために薬物遺伝的手法を使用する。
薬物遺伝的解析に同意した36名のAML患者のうち、36日間の導入療法の後、28名は陽性反応を達成し、8名は処置計画への応答に失敗した。ジェネクラスターの初期設定相関測定基準(Genecluster’s default correlation metric)(Golub, et al., SCIENCE,286:531−537 (1999))が、試料の全てのセットにおける応答者及び非応答者と非常に関連する発現レベルを有する遺伝子を同定するために使用された。薬物遺伝的解析に同意した患者中の非応答者の少ない数は、あらかじめ処理された試料の訓練及び試験セットへの前処理を不可能にする。従って、効果を示さない試料に対して効果を示す試料の分類のために高い精度を示す遺伝子分類を確認するために使用される。
表1は、治療に対して効果を示すAML患者(5%芽球未満の寛解)に比べて、GO併用化学療法に対して最終的に効果を示さないAML患者(非寛解又は部分的寛解)における、処置前PBMC発現レベルが高い遺伝子を示す。ベースラインPBMCにおいて非応答患者において最大の上昇を示す遺伝子を表3に示す。表2は、治療に対して効果を示さないAML患者に比べて、最終的にGO併用化学療法に効果を示すAML患者の処置前PBMC発現レベルが高い転写物を示す。ベースラインPBMCにおいて効果を示す患者において最大の上昇を示す遺伝子を表4に示す。倍率変化(NR/R)は、効果を示す患者において、効果を示さないAML患者のPBMCにおける遺伝子の平均的発現レベルの比を示す。倍率変化(R/NR)は、効果を示さない患者において、効果を示すAML患者のPBMCにおける平均的発現レベルの比を表す。各表中、転写物は、実施例に記載された、監視されたアルゴリズムによって計算された信号対雑音測定基準のオーダーで表される。表1〜4に示される各遺伝子及び対応する単一の遺伝子は、Affymetrixのアノテーションに従って同定される。
表1及び表2から選択される遺伝子からなる分類は、クラス予測精度について構築され、評価される。各分類には、表1中の上位n種の遺伝子、及び表2中の上位n種の遺伝子が含まれる(ここで、nは1つ以上の整数を表す)。例えば、第一の分類は、遺伝子番号1及び78を含んで評価され、第二の分類は、遺伝子番号1〜2及び78〜79を含み、第三の分類は、遺伝子番号1〜3及び78〜80を含み、第四の分類は、遺伝子番号1〜4及び78〜81等を含む。このように構築された分類は有意な予測精度をもたらす。例えば、表1及び2中の全ての154個の遺伝子からなる分類は、本試験で使用される末梢血プロフィールでの4倍の相互検証によって、81%の全体予測精度がもたらされる。
有害事象の発生を含む、処置前転写性パターンと臨床転帰との間の相関分析を更に実施例において議論する。更なる分類は実施例でも開示する。
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肝臓静脈閉塞症の発症に関連する遺伝子
肝臓静脈閉塞症(VOD)は、造血幹細胞の移植後の最も重篤な合併症の1つであり、その重症型における非常に高い死亡率と関連する。VODを患った経験のある白血病患者からの処置前PBMCプロフィールと、VODを患った経験のない患者からのPBMCプロフィールとの比較は、処置前重大な有害事象と関連すると思われる重大な転写物を同定する。
VODを患った経験のある患者と、VODを患った経験のない患者との間のベースラインでの発現における有意な相違を有する転写物を同定するために、VODを患った経験のある患者と、VODを患った経験のない患者との間の平均倍率差を、ベースラインVODプロフィールにおける発現の平均レベルを、ベースライン非VODプロフィールにおける発現の平均レベルで割ることによって計算する。スチューデントt−試験(2個の試料、不等分散)を使用して、群の間の発現の相違における有意性を評価した。
発現レベルが、VOD患者中のベースラインにおいて有意に上昇した(p<0.05)遺伝子を表5に示す。発現レベルが、VOD患者中のベースラインにおいて有意に抑制された(p<0.05)遺伝子を表6に示す。対象となるP−選択リガンドは、VODを患った経験を有する患者中のベースラインにおいて最も有意に上昇する転写物の1つであった。理論に束縛されることを望まないが、この転写物における上昇は、移植片対宿主拒絶反応、敗血症及びVODといった移植に関連する疾患において役割を果たすことが示唆されている内皮障害を示すバイオマーカーとなる場合がある。
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白血病診断遺伝子の同定
又、前述の方法は白血病の診断遺伝子(疾病遺伝子ともいう)を同定するために使用することができる。これらの遺伝子のそれぞれは、白血病を患っていないか、又は疾病を患っていないヒトのPBMCに比べ、白血病患者のPBMCにおいて特異的に発現している。多くの場合、白血病遺伝子の平均的PBMC発現レベルは、白血病を患っていないか、又は疾病を患っていないヒトにおけるものよりも統計的に異なっている。例えば、観察される相違についてのスチューデントt−試験のp値は、0.05、0.01、0.005、0.001、0.0005、0.0001しかないか、又はそれより小さい。多くの他の場合、白血病患者中の白血病遺伝子、及び白血病を患っていないヒトのものの平均的PBMC発現レベルの間の相違は、少なくとも2、3、4、5、10、20倍又はそれ以上である。本発明の白血病遺伝子は、対象となるヒトにおける白血病の有無を検出する、又は白血病の発達、進行若しくは処置を監視するために使用することができる。
白血病遺伝子は又、クラスベースの相関測定基準(例えば、最近傍解析又はマイクロアッセイ(SAM)の重要な方法)下のクラスの識別を使用した、関連するPBMC発現プロフィールによって同定することができる。クラスの識別は、白血病患者及び疾病を患っていないヒトのPBMC中の理想化された遺伝子発現パターンを表す。多くの実施例において、白血病遺伝子のPBMC発現プロフィール及びクラスの識別の間の相関は、並べかえ検定において、1%、5%、10%、25%、又は50%の有意なレベルを超える。遺伝子の分類は、本発明の白血病遺伝子を使用して構築することができる。これらの分類は、対象となるヒトのクラスの一員(例えば、白血病を患っていないに対して、白血病患者)を効率的に予測することができる。
HG−U133Aマイクロアレイを使用したAML診断遺伝子の同定
具体例として、末梢血中のAML関連発現パターンを、U133A遺伝子チッププラットフォームを使用することによって同定した。疾病を患っていないボランティア(n=20)の群からのPBMC中のベースライン遺伝子発現の平均的レベルを、AML患者(n=36)からのPBMC中の対応するベースライン遺伝子発現の平均的レベルと比較した。健常なコントロールと比較し、AML患者のPBMC中で上昇又は減少を示した転写物が同定された。これらの転写物の具体例を表7に示す。表7中の各転写物は、AML PBMCと疾病を患っていないヒトのPBMCとの間(AML/疾病を患っていない)の発現の平均的レベルにおいて少なくとも2倍の相違を有する。観察された相違についてのスチューデントt−試験のp値(P値)も、表7に示す。「COV」は、変動係数を意味する。
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各HG−U133A限定子は、HG−U133A遺伝子チップ上にセットされたオリゴヌクレオチドプローブを表す。HG−U133A限定子に対応する遺伝子のRNA転写物は、核酸アレイハイブリダイゼーション条件下で、限定子の少なくとも1個のオリゴヌクレオチドプローブ(PM又は完全に整合するプローブ)とハイブリダイズすることができる。好ましくは、この遺伝子の転写物は、核酸アレイハイブリダイゼーション条件下で、ミスマッチのpMプローブのミスマッチプローブ(MM)とハイブリダイズしない。ミスマッチプローブは、ミスマッチプローブの中心又はその近くにおける単一相同的置換を除き、対応するPMプローブと同一である。25量体のPMプローブについては、MMプローブは、13位に相同的塩基置換を有する。
多くの場合、遺伝子のRNA転写物は、核酸アレイハイブリダイゼーション条件下で、限定子のPMプローブの全ての少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又は100%とハイブリダイズすることができるが、それらのPMプローブのミスマッチプローブとはハイブリダイズしない。その他多くの場合、全体ハイブリダイゼーション強度(即ちPM+MM)の全体にわたって、対応するプローブ対のハイブリダイゼーション強度の相違の比によって測定されるように、それらのPMプローブのそれぞれについての識別スコア(R)は0.015、0.02、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5以上又はそれ以上である。一実施例において、製造業者の説明書に従ってHG−U133A遺伝子チップとハイブリダイズした場合、遺伝子のRNA転写物は、初期設定下にプレゼントコールを引き起こし、即ち、閾値τは0.015であり、有意水準αは0.4である。全体が参考として本明細書に組み入れられる、GeneChip(登録商標) Expression Analysis−Data Analysis Fundamentals (Part No. 701190 Rev.2, Affymetrix, Inc., 2002)を参照されたい。
HG−U133A遺伝子チップ上の各PMプローブの配列、及びPMプローブから由来する、対応する標的配列は、Affymetrixの配列データベースから得ることができる。例えばwww.affymetrix.com/support/technical/byproduct.affx?product=hgu133を参照されたい。これらの全ての標的及びオリゴヌクレオチドプローブ配列は参考として本明細書に組み入れられる。
更に、その発現が、疾患を患っていない患者と比較し、AML患者のPBCs中で有意に上昇している(p<0.001)遺伝子を表8に示す。その発現が、疾患を患っていない患者と比較し、AML患者のPBCs中で有意に低下している(p<0.001)遺伝子を表9に示す。
表7、8及び9に記載される遺伝子、及び対応する単一遺伝子を、HG−U133A遺伝子チップのアノテーションに基づいて同定する。単一遺伝子は、遺伝子群の重複していないセットからなる。各単一遺伝子クラスターは、単一遺伝子を表す配列を含むと思われる。又、表7、8及び9に記載される各遺伝子、及び対応する単一遺伝子は、Entrez Gene及びNational Center for Biotechnology Information(NCBI;米国メリーランド州ベセスダ)のUnigeneデータベースから得られる。
Affimetrixのアノテーションに加え、HG−U133A限定子に対応する遺伝子は、ヒトの遺伝子配列データベースに対する限定子の標的配列を検索するBLASTによって同定することができる。この目的に適したヒトゲノム配列データベースには、NCBIヒトゲノムデータベースが含まれるが、これに限定されない。NCBIは又、その配列データベースを検索するための“blastn”等のBLASTプログラムを提供する。一実施形態において、NCBIヒトゲノムデータベースのBLASTサーチは、限定子の標的遺伝子の明白な断片(例えば、最も長い明白な断片)を使用することにより実施される。有意な配列同一性を有する明白な断片に対して整列化される遺伝子を同定することができる。多くの場合、同定された遺伝子は、明白な断片に対し、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の配列同一性を有する。
本明細書で使用される通り、表に記載される全ての遺伝子には、明確に示された遺伝子だけでなく、表に記載されていないが、表中の限定子に対応するものも含まれる。これらの全ての遺伝子は、AMLを診断する、又は発達、進行若しくは処置を監視するための生物学的マーカーとして使用することができる。
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AML又はその他の白血病の予後、診断、及び処置選択
本発明の予後遺伝子は、対象となる白血病患者の臨床転帰の予測のために使用することができる。予測は、通常、対象となる白血病患者における1つ以上の予後遺伝子の末梢血発現プロフィールと、少なくとも1種の基準発現プロフィールとの比較を含む。本発明において使用される、予後遺伝子のそれぞれは、異なる臨床転帰を有する白血病患者の末梢血試料において特異的に発現する。
一実施形態において、臨床転帰の予測のために使用される、予後遺伝子は、各予後遺伝子の末梢血発現プロフィールが、クラス識別が、異なる臨床転帰を有する白血病患者の末梢血試料中の選択された遺伝子の理想化された発現パターンを示す、クラスベースの相関分析(最近傍解析等)と関連するように選択される。多くの場合、選択された予後遺伝子は、ランダム置換試験において、50%、25%、10%、5%又は1%の有意なレベルを超える、クラス識別と関連する。
又、予後遺伝子は、白血病患者の1つのクラスの末梢血試料中の各予後遺伝子の平均的発現プロフィールが、他のクラスの白血病患者におけるものと有意に異なるように選択することができる。例えば、観察された相違についてのスチューデントt試験におけるp値は、0.05、0.01、0.005、0.001又はそれ以下であり得る。更に、予後遺伝子は、患者の1つのクラスにおける、各予後遺伝子の平均的な末梢血発現レベルが、他のクラス患者におけるものと、少なくとも2、3、4、5、10又は20倍異なるように選択することができる。
対象となる患者の発現プロフィールは、1つ以上の基準発現プロフィールと比較することができる。基準発現プロフィールは、対象となる患者の発現プロフィールを同時に決定することができる。又、基準発現プロフィールは、電気的又は他のタイプの記憶媒体に、予め決定又は予め記録することができる。
基準発現プロフィールは、個々の患者における、末梢血遺伝子発現パターンを表す、平均的発現プロフィール又は個々のプロフィールを含むことができる。一実施形態において、基準発現プロフィールは、公知又は決定できる臨床転帰を有する、基準の白血病患者の末梢血中の予後遺伝子の平均的な発現プロフィールを含む。相加平均、調和平均、絶対値の平均、対数変換値の平均又は加重平均等の、任意の平均化法を使用することができる。一実施例において、基準の白血病患者は、同一の臨床転帰を有する。他の具体例においては、基準の白血病患者は少なくとも2つのクラスに分けることができ、各クラスの患者は、それぞれ異なる臨床転帰を有する。各クラスの患者における平均的末梢血発現プロフィールは、別個の基準発現プロフィールを構成し、対象となる患者の発現プロフィールは、これらの基準発現プロフィールのそれぞれからなる。
他の実施形態において、基準発現プロフィールは多数の発現プロフィールを含み、それぞれは、その臨床転帰が公知であるか、又は決定できる、特定の白血病患者における、予後遺伝子の末梢血発現プロフィールを表わす。他のタイプの基準発現プロフィールも、本発明において使用することができる。更に他の実施形態において、本発明は、コントロールレベルとして、数値的閾値を使用する。
対象となる患者の発現プロフィール及び基準発現プロフィールは、任意の形態で構成され得る。一実施形態において、発現プロフィールは、転帰予測において使用される、それぞれの予後遺伝子の発現レベルを含む。発現レベルは、絶対的であるか、規格化されるか、又は相対レベルであり得る。適切な規格化手順には、核酸アレイ遺伝子発現解析において使用されているか、又はHill, et al., GENOME BIOL,2:research0055.1−0055.13 (2001)に記載されているものが含まれるが、これらに限定されない。一実施例において、発現レベルは、平均が0であり、標準偏差が1であるように規格化される。他の実施例において、発現レベルは、当業者によって評価されるように、内部又は外部コントロールを基準として規格化される。更なる他の実施例において、発現レベルは、血液試料における対象となる公知の過剰量を有する、1つ以上のコントロール転写物に対して規格化される。多くの場合は、対象となる患者の発現プロフィール及び基準発現プロフィールは、同一又は類似の方法論を使用して構築される。
他の実施形態において、各発現プロフィールは、異なる予後遺伝子の発現プロフィールの間の1つ以上の比を含んで比較される。又、発現プロフィールは、遺伝子発現パターンを表わすことのできる、他の手段を含むことができる。
本発明において使用される、末梢血試料は、全血試料又はPBMCを豊富に含む資料であってもよい。一実施例において、基準発現プロフィールを作成するために使用される末梢血試料は、PBMCを豊富に含むか精製されており、対象となる患者の発現プロフィールを作成するために使用されるは全血試料である。他の実施例において、転帰予測において使用される末梢血試料の全ては、PBMCを豊富に含むか精製されている。多くの場合、末梢血試料は、同一又は類似の手順を使用して、対象となる患者、及び基準患者から調製される。
その他のタイプの血液試料も、本発明において使用することができ、これらの血液試料における遺伝子発現プロフィールは、患者の転帰と統計的に有意に関連がある。
本発明において使用される末梢血試料は、任意の疾患又は処置段階において、それぞれの患者から分離することができ、これらの末梢血試料中の遺伝子発現パターンと臨床転帰との間の相関は統計的に有意である。多くの実施形態において、臨床転帰は、治療的処置に対する患者の反応によって測定され、転帰予測において使用される全ての血液試料は、治療的処置の前に分離される。従って、これらの血液試料から由来する発現プロフィールは、治療的処置についてのベースライン発現プロフィールである。
発現プロフィールの構築は、通常、転帰予測において使用される各予後遺伝子の発現レベルの定量を含む。この目的のために、多数の方法が利用可能である。例えば、遺伝子の発現レベルは、遺伝子のRNA転写物のレベルを測定することによって定量することができる。適切な方法には、定量的RT−PCR、ノーザンブロット、インサイチューハイブリダイゼーション、スロット−ブロット法、ヌクレアーゼ保護アッセイ、及び核酸アレイ(ビーズアレイを含む)が含まれるが、これらに限定されない。又、遺伝子の発現レベルは、遺伝子によりコードされるポリペプチドのレベルを測定することによって測定する定量することができる。適切な方法には、免疫アッセイ(例えば、ELISA、RIA、FACS又はウェスタンブロット)、2−次元ゲル電気泳動、質量分析法又はタンパク質アッセイが含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、予後遺伝子の発現レベルは、末梢血試料中の遺伝子のRNA転写物レベルを測定することによって定量される。RNAは、種々の方法を使用して、末梢血試料から分離される。具体的な方法には、グアニジンイソチオシアネート/酸性フェノール法、TRIZOL(登録商標)試薬(Invitrogen)、又はMicro−FastTrackTM2.0又はFastTrackTM20mRNA分離キット(Invitrogen)が含まれる。分離されたRNAは、全RNA又はmRNAの何れかである。分離されたRNAは、後に続く検出又は定量の前に、cDNA又はcRNAに増幅することができる。増幅は、特異的又は非特異的の何れかであり得る。適切な増幅方法には、逆転写酵素PCR(RT−PCR)、等温増幅、リガーゼ連鎖反応、及びQβレプリカーゼが含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、増幅プロトコールは逆転写酵素を使用する。分離されたmRNAは、逆転写酵素を使用して、cDNA及びオリゴ(dT)及びファージT7プロモーターをコードする配列を含むプライマーに逆転写される。従って、作成されたcDNAは一本鎖である。cDNAの第二の鎖は、DNAポリメラーゼを使用して合成され、RNアーゼと結合し、DNA/RNAハイブリッドを切断する。二本鎖cDNAを合成した後、T7RNAポリメラーゼを加え、次いで、二本鎖cDNAの第二の鎖からcRNAを転写する。増幅されたcDNA又はcRNAは、標識されたプローブへのハイブリダイゼーションによって検出又は定量され得る。cDNA又はcRNAは増幅手順の際に標識され、次いで、検出又は定量される。
他の実施形態において、対象となる予後遺伝子のRNA転写レベルを検出又は比較するために、定量的RT−PCR法(例えば、TaqMan,ABI)が使用される。定量的RT−PCR法は、RNAのcDNAへの逆転写に続く、相対的定量PCR(RT−PCR)を必要とする。
PCRにおいては、増幅された標的DNA分子の数が、幾つかの試薬が制限されるまで、反応の各サイクルと共に、2倍近くに増加する。従って、増幅速度は、サイクル間の増幅された標的の増加がなくなるまで、だんだんと減少する。サイクル数をX軸に、増幅された標的DNAの濃度の対数をY軸に、グラフをプロットする場合、プロットされた点を結ぶことにより、特徴的な形態の曲線が形成される。最初のサイクルから開始し、線の勾配は正及び一定である。これは、曲線の直線部分であると言える。ある試薬が制限された後は、線の勾配は減少し始め、最終的に0になる。この点で、増幅された標的DNAの濃度は、幾つかの固定された値で漸近的になる。これは、曲線のプラトー部分であると言える。
PCRの直線部分における標的DNAの濃度は、RPCが開始される前の標的の開始濃度に比例する。同じサイクル数で、直線の範囲で完了するPCR反応における標的DNAのPCR産物の濃度を定量することにより、最初のDNA混合物における特異的標的配列の相対的濃度を定量することが可能である。DNA混合物が、異なる組織又は細胞から分離されたRNAから合成されたcDNAである場合、標的配列が誘導される標的からの特異的mRNAの相対量は、それぞれの組織又は細胞について測定される。PCR産物の濃度及びmRNAの相対量の濃度の間の、この直接的な量は、PCR反応の直線範囲部分において真実である。
曲線の水平域における標的DNAの最終的な濃度は、反応混合物中の試薬の利用可能性によって定量され、標的DNAの最初の濃度に依存しない。従って、一実施形態において、増幅されたDNA産物のサンプリング及び定量は、PCR反応がそれらの曲線の直線部分にある時に実施される。更に、増幅可能なcDNAの相対的濃度は、内部的に存在するRNA種又は外部から導入されたRNA種に基づく、幾つかの独立的な標準に規格化することができる。特定のmRNA種の量は又、試料中の全てのmRNAの平均的な量に対して決定される。
一実施形態において、PCR増幅は、標的とほぼ同じ量である内部のPCR標準を使用する。PCR増幅の産物が直線位相の間にサンプリングされる場合、この方法は効果的である。反応が水平域相に達した時に産物をサンプリングする場合、比較的少ない産物が比較的過剰に現れる場合がある。異なる発現についてRNA試料を検査する場合のように、多くの異なるRNA試料において行われる相対量の比較は、RNAの相対的な量が実際にあるよりも少なく見えるように変形される場合がある。内部標準が標的よりも遥かに多い場合には、これを向上させることができ、内部標準が標的よりも比較的多い場合には、RNA試料間で直接的な直線比較が行われる場合がある。
臨床試料に固有の問題は、試料の量及び質が様々に異なることである。この問題は、内部標準が標的cDNA断片よりも大きな増幅cDNA断片であり、且つ内部標準をコードするmRNAの量が、標的をコードするmRNAよりもおよそ5〜100倍多いという、内部標準を使用した定量的RT−PCR相対的定量RT−PCRとしてRT−PCRが実施される場合に、克服することができる。このアッセイは相対的な量を測定し、それぞれのmRNA種の絶対的な量を測定するものではない。
別の実施形態において、相対的定量RT−PCRは外部標準プロトコールを使用する。このプロトコールにおいては、PCR産物は、それらの増幅曲線の直線部分においてサンプリングされる。サンプリングのために最適であるPCRサイクルの数は、各標的cDNA断片によって経験的に決定することができる。更に、種々の試料から分離された、それぞれのRNA集団の転写産物は、増幅可能なcDNAの相当する量に規格化することができる。増幅曲線及びcDNA調製の規格化の直線範囲の経験的な決定は退屈であり、時間のかかる手順であるが、特定の場合において、結果として得られるRT−PCRアッセイが、内部標準を使用した相対的定量RT−PCRから得られる結果よりも優れている場合がある。
更に他の実施形態において、核酸アレイ(ビーズアレイを含む)が、対象となる予後遺伝子の発現プロフィールを定量又は比較するために使用される。核酸アレイは、市販のオリゴヌクレオチド又はcDNAアレイであり得る。それらは又、本発明の予後遺伝子のための濃縮されたプローブを含む外注のアレイであってもよい。多くの実施例において、本発明の外注のアレイ上の、全プローブの少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、又はそれ以上が、白血病の予後遺伝子のためのプローブである。これらのプローブは、ストリンジェントな条件下、又は核酸アレイハイブリダイゼーション条件下で、RNA転写物、又はその相補体、又は対応する予後遺伝子の相補体とハイブリダイズすることができる。
本明細書で使用される通り、「ストリンジェントな条件」は、少なくともストリンジェントな程度であり、例えば、表10中に示す条件G〜Lである。「高ストリンジェント」は、少なくとも、表10中に示す条件A〜Fの程度である。ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション条件下で4時間実施し、次いで対応する洗浄条件下(洗浄温度、及び緩衝液)で20分間2回洗浄する。
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:ハイブリッドの長さは、ハイブリダイズするポリヌクレオチドのハイブリダイズする領域について予測されるものである。ポリヌクレオチドが、未知の配列の標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズする場合、ハイブリッドの長さは、ハイブリダイズするポリヌクレオチドの長さであると仮定される。公知の配列のポリヌクレオチドがハイブリダイズする場合、ハイブリッドの長さは、ポリヌクレオチド配列を一列に並べ、最適な配列相補性の領域を同定することにより決定することができる。
;ハイブリダイゼーション及び洗浄緩衝液中で、SSC(1×SSCは0.15M NaCl及び15mM クエン酸ナトリウムである)を、SSPE(1×SSPEは0.15M NaCl,10mM NaHPO,及び1.25mM EDTA,pH7.4である)に代えることができる。
−T ;長さにおいて50塩基対未満と予想されるハイブリッドのためのハイブリダイゼーション温度は、ハイブリッドの融点(T)よりも5〜10℃低いべきである。ここで、Tは以下の式に従って決定される。長さにおいて18塩基対未満のハイブリッドについては、T(℃)=2(A+T塩基の#)+4(G+C塩基の#)である。長さにおいて18〜49塩基対のハイブリッドについては、T(℃)=81.5+16.6(log10[Na])+0.41(G+C%)−(600/N)であり、ここで、Nはハイブリッド中の塩基の数であり、[Na]はハイブリダイゼーション緩衝液中のナトリウムイオン濃度である(1×SSCについての[Na]=0.165Mである)。
一実施例において、本発明の核酸アレイは、少なくとも2、5、10又はそれ以上の異なるプローブを含む。これらのプローブのそれぞれは、ストリンジェント条件下又は核酸アレイハイブリダイゼーション条件下で、本発明の、異なるそれぞれの予後遺伝子とハイブリダイズすることができる。同じ予後遺伝子についての複数のプローブは、同一の核酸アレイ上で使用することができる。アレイ上のプローブ密度は任意の範囲であり得る。
本発明の予後遺伝子についてのプローブは、DNA、RNA、PNA又はそれらの修飾形態等の核酸プローブであり得る。各プローブ中のヌクレオチド残基は、天然の残基(デオキシアデニレート、デオキシシチジレート、デオキシグアニレート、デオキシチミジレート、アデニレート、シチジレート、グアニレート及びウリジレート等)、又は所望の塩基対関係を形成し得る、合成的に製造された類似体の何れかであり得る。これらの類似体の具体例には、アザ及びデアザピリミジン類似体、アザ及びデアザプリン類似体、及び他の複素環式塩基類似体(プリン及びピリミジン環の1つ以上の炭素及び窒素原子は、酸素、イオウ、セレン及びリン等のヘテロ原子で置換されている。)が含まれるが、これらに限定されない。同様に、プローブのポリヌクレオチド骨格は、天然(5’から3’への結合等)又は修飾のものの何れかであり得る。例えば、ヌクレオチド単位は、結合がハイブリダイゼーションを妨害しない限りは、5’から2’への結合等の、通常でない結合によって結合することができる。他の例については、構成要素である塩基が、ホスホジエステル結合よりも、ペプチド結合によって結合したペプチド核酸を使用することができる。
予後遺伝子についてのプローブは、核酸アレイ上で、別個の領域に、安定に結合することができる。「安定に結合」については、ハイブリダイゼーション及びシグナル検出の際のプローブが、ハイブリダイゼーション及びシグナル検出の際に、結合した別個の領域に関してその位置が維持されるようにプローブが維持することを意味する。核酸アレイ上の、それぞれの別個の領域の位置は、公知であるか決定可能であり得る。当業界における、任意の公知の方法は、本発明の核酸アレイを製造するために使用することができる。
他の実施形態において、ヌクレアーゼ保護アッセイが、末梢血試料中のRNA転写物レベルを定量するために使用される。多くの異なるバージョンのヌクレアーゼ保護アッセイがある。ヌクレアーゼ保護アッセイの共通の特徴は、定量すべきRNAとのアンチセンス核酸のハイブリダイゼーションを含むことである。次いで、得られたハイブリッド二本鎖分子を、二本鎖分子よりも一本鎖核酸を効率的に消化するヌクレアーゼを使用して消化する。消化に耐え抜いたアンチセンス核酸の量が、定量すべき標的RNA種の量の程度である。適切なヌクレアーゼ保護アッセイの具体例には、Ambion, Inc.(米国テキサス州オースティン)により供給されるRNアーゼ保護アッセイが含まれる。
本発明の予後遺伝子のためのハイブリダイゼーションプローブ又は増幅プライマーは、当業界で公知の方法を使用することにより製造することができる。その遺伝子位置が決定されておらず、その同一性が、単にEST又はmRNAデータに基づく、予後遺伝子について、これらの遺伝子のプローブ/プライマーは、対応する限定子の標的配列、又は対応するEST又はmRNA配列から由来する。
一実施形態において、予後遺伝子についてのプローブ/プライマーは、他の予後遺伝子の配列から有意に異なっている。これは、NCBIにおけるEntrezデータベース等の、ヒトゲノム配列データベースに対する、可能なプローブ/プライマー配列を調査することにより実現することができる。この目的に適切な1つのアルゴリズムはBLASTアルゴリズムである。このアルゴリズムは、データベース配列中に、同じ長さの単語により整列する場合、幾つかの正の値の閾値スコアTに適合するか満たす、疑問のある配列中の長さWのショートワードを同定することにより、ハイスコアリングシークエンスペア(HPS)を同定することを含む。Tは、近傍ワードスコア閾値として言及される。最初の近傍ワードヒットは、それらを含む、長いHSPsを見つかるための検索を開始するための種として作用する。次いで、ワードヒットは、蓄積性の配列スコアを上昇するためのそれぞれの配列に沿って両方向に延長される。ヌクレオチドについての、累積性スコアは、パラメータM(一致する残基の対についての報酬スコア、通常は>0)及びN(一致しない残基についてのペナルティスコア、通常は<0)を使用して計算される。BLASTアルゴリズムパラメータ、W、T及びXは、配列の感度及び速度を決定する。これらのパラメータは、当業者によって評価されるように、種々の目的のために調整される。
他の実施形態において、予後遺伝子のためのプローブは、抗体プローブ等の、天然のポリペプチドであり得る。従って、本発明の予後遺伝子の発現レベルは、予後遺伝子によってコードされるポリペプチドのレベルを測定することによって定量される。この目的に適した方法には、ELISA、RIA、FACS、ドットブロット、ウェスタンブロット、免疫組織化学、及び抗体をベースとした放射性イメージング等の免疫アッセイが含まれるが、これらに限定されない。更に、ハイスループットタンパク質配列決定、2−次元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、質量分析法、又はタンパク質アレイを使用することができる。
一実施形態において、標的タンパク質のレベルを定量するために、ELISAが使用される。ELISAの具体例においては、標的タンパク質と結合し得る抗体が、ポリスチレン又は塩化ポリビニルのマイクロタイタープレート中のウエル等の、表面提示タンパク質アフィニティー上に固定化される。次いで、試験される試料がウエルに加えられる。結合、及び非特異的に結合した免疫複合体を除去するための洗浄の後、結合した抗原を検出することができる。検出は、標的タンパク質に特異的であり、検出可能な標識を結合した二次抗体を添加することにより実現することができる。又、検出は、二次抗体を加え、次いで、二次抗体について結合親和性を有する、検出可能な標識を結合した三次抗体を加えることにより実現することができる。マイクロタイタープレートに加える前に、試料中の細胞を溶解するか、抽出し、潜在的に妨害する物質から標的タンパク質を分離する。
他の具体的なELISAにおいては、標的タンパク質を含むと推測される試料を、ウエルの表面に固定化し、次いで、抗体と接触させる。結合、及び非特異的に結合した免疫複合体を除去した後、結合した抗原が検出される。一次抗体が検出可能な標識と結合している場合、免疫複合体は直接検出することができる。又、免疫複合体は、一次抗体に対する結合親和性を有する、検出可能な標識を結合した二次抗体を使用して検出することができる。
他の具体的なELISAには、検出における抗体競合の使用が含まれる。このELISAにおいては、標的タンパク質はウエルの表面に固定化される。標識された抗体をウエルに加え、標的タンパク質に結合させ、それらの標識を使用して検出する。次いで、未知の試料中の標的タンパク質の量を、コーティングしたウエルをインキュベーションする前又は最中に、標識した抗体を試料と混合することによって検出する。公知の試料中の標的タンパク質の存在は、ウエルに結合することが可能な抗体の量を減少させ、そのため、最終的なシグナルが減少する。
種々のELISAフォーマットは、コーティング、インキュベーション又は結合、非特異的結合腫の除去のための洗浄、及び免疫複合体の検出といった、共通する特定の特徴を有する。例えば、抗原又は抗体の何れかを使用したプレートのコーティングにおいて、プレートのウエルを抗原又は抗体の溶液と共に一晩又は特定の時間インキュベートすることができる。次いで、プレートのウエルを、不完全に吸着された物質を除去するために洗浄する。ウエルの残存する利用可能な表面を非特異的なタンパク質でコーティングし、抗原的に中和する。これらの非特異的なタンパク質の具体例には、牛血清アルブミン(BSA)、カゼイン及びミルクパウダーの溶液が含まれる。このコーティングは、固定化された表面上の非特異的吸着部位をブロックし、これにより、抗血清の表面への非特異的結合に引き起こされるバックグラウンドを減少する。
ELISAにおいて、二次又は三次検出方法を使用することができる。タンパク質又は抗体をウエルに結合させた後、非反応性材料をコーティングし、バックグラウンドを減少し、結合していない物質を除去するために洗浄し、固定化された表面を、コントロール又は臨床的又は生物学的試料と接触させ、免疫複合体(抗原/抗体)形成を許容するのに効果的な条件下で試験を行った。例えば、これらの条件は、抗原及び抗体を、BSA、牛γグロブリン(BGG)及び食塩加生理食塩水(PBS)/Tween等の溶液で希釈し、抗体及び抗原を、室温で1〜4時間、又は4℃で一晩インキュベートする。免疫複合体の検出は、標識された二次的な結合リガンド又は抗体、又は標識された三次抗体又は三次的な結合リガンドと共に、二次的な結合リガンド又は抗体を使用することにより、促進される。
ELISAにおける全てのインキュベート抗体に続き、染色した表面は、非複合体物質を除去するために、接触した表面を洗浄することができる。例えば、表面を、PBS/Tween、又はホウ酸緩衝液を使用して洗浄することができる。試験試料と、最初に結合した物質との間の特異的免疫複合体の形成に続き、洗浄を行い、免疫複合体の発生量を定量することができる。
検出方法を供給するため、二次又は三次抗体は、検出を可能にする、関連標識を有することができる。一実施形態において、標識は、適切な色素生産性基質とインキュベートすることにより発色する酵素である。従って、例えば、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ又は水素ペルオキシダーゼを結合した抗体と接触し、更なる免疫複合体形成の発生を補助する時間及び条件下でインキュベートすることができる(例えば、PBS−Tween等のPBS−含有溶液中で、室温で2時間インキュベーション)。
標識した抗体とインキュベーションし、結合していない物質を除去するための洗浄を行った後、酵素標識としてペルオキシダーゼの場合、例えば、尿素、及びブロモクレゾールパープル又は2,2’−アジド−ジ−(3−エチル)−ベンズチアゾリン−6−スルホン酸(ABTS)及びH等の色素生産性基質とインキュベートすることにより、標識の量を定量することができる。定量は、例えば、分光光度計を使用して、発色の程度を測定することによって実現することができる。
ポリペプチドレベルを検出するための適切な他の方法はRIA(ラジオイムノアッセイ)である。具体的なRIAは、抗体の限られた量に結合するための、放射標識したポリペプチドと、非標識のポリペプチドとの間の競合に基づく。適切な放射標識には、I125が含まれるが、これに限定されない。一実施形態において、一定の濃度のI125−標識されたポリペプチドを、ポリペプチドに特異的な抗体の一連の希釈液とインキュベートする。非標識のポリペプチドをシステムに加えた場合、抗体に結合するI125−標識されたポリペプチドの量が減少する。この標準曲線から、未知の試料のポリペプチドの濃度を定量することができる。RIAを実施するためのプロトコールは当業界で公知である。
本発明のために適切な抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、一本鎖抗体、Fab断片、又はFab発現ライブラリーによって製造された断片が含まれるが、これらに限定されない。中和抗体(即ち、二量体形成を阻害する抗体)も使用することができる。これらの抗体の製造方法は当業界で公知である。一実施形態において、本発明の抗体は、対応する予後遺伝子の産物、又は少なくとも10−1、10−1、10−1、10−1、又はそれ以上の結合親和性を有する、他の好ましい抗原と結合することができる。
本発明の抗体は、1つ以上の検出可能な部分を使用して標識することができ、抗体−高原複合体の検出を可能にする。検出可能な部分には、分光学的、酵素的、光化学的、生化学的、生体電気的、免疫化学的、電気的、光学的又は化学的手段が含まれる。検出可能な部分には、放射性同位元素、化学発光化合物、標識結合タンパク質、重金属原子、蛍光マーカー及び色素等の分光学的マーカー、磁気標識、結合酵素、質量スペクトルタグ、スピン標識、電子伝達供与体及び受容体等が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の抗体は、予後遺伝子の発現プロフィールを検出するためのタンパク質アレイを構築するためのプローブとして使用することができる。タンパク質アレイ又はバイオチップの製造方法は当業界において周知である。多くの実施形態において、本発明のタンパク質アレイ上のプローブの本質的な部分は、予後遺伝子の産物に特異的な抗体である。例えば、タンパク質アレイ上の、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、又はそれ以上のプローブが、予後遺伝子の産物に特異的な抗体であり得る。
他の実施形態において、予後遺伝子の発現レベルは、これらの遺伝子の生物学的機能又は活性を測定することによって定量される。遺伝子の生物学的機能又は活性が公知である場合、前記機能又は活性を評価するために、適切なin vitro又はin vivoアッセイを開発することができる。これらのアッセイは、引き続き、予後遺伝子の発現レベルを評価するために使用することができる。
それぞれの予後遺伝子の発現レベルを定量した後、発現プロフィールを比較するために、多数の手法を使用することができる。基準発現プロフィールに対する、対象となる患者の発現プロフィールの比較は、手動で、又はコンピュータを使用して実施することができる。一実施例において、比較は、基準発現プロフィールにおける、対応する成分に対する、1つの発現プロフィールの各成分を比較することによって実施される。前記成分は、予後遺伝子の発現レベル、2種の予後遺伝子の発現レベルの比、又は遺伝子の発現パターンを表すことのできる他の測定であり得る。遺伝子の発現レベルは、絶対的であるか、又は規格化されるか、又は相対値を有する。2種の対応する成分の相違は、倍率の変化、絶対的相違、又は他の適切な手段によって評価することができる。
又、基準配列プロフィールに対する、対象となる患者の発現プロフィールの比較は、Armstrong, et al., NATURE GENETICS,30:41−47 (2002)に記載されたような、k−最近傍アルゴリズム、又は、後述するような加重投票アルゴリズム等の、パターン認識又は比較プログラムを使用して実施することができる。更に、遺伝子発現の連続分析(SAGE)技術、GEMTOOLS遺伝子発現解析プログラム(Incyte Pharmaceuticals)、the GeneCalling and Quantitative Expression Analysis Technology(Curagen)、及び他の適切な方法、プログラム又はシステムを、発現プロフィールを比較するために使用することができる。
発現プロフィールの比較において、多数の予後遺伝子を使用することができる。例えば、2、4、6、8、10、12、14又はそれ以上の予後遺伝子を使用することができる。更に、比較に使用される予後遺伝子は、比較的小さいp値を有するように選択することができる(例えば、両側p値)。多くの実施例において、p値は、患者の異なるクラスにおける、遺伝子発現レベルの間の相違の統計的な重要性を示した。多くの他の実施例において、p値は、遺伝子発現パターンと、臨床転帰との間の相関の統計的な重要性を示した。一実施形態において、比較に使用される予後遺伝子は、0.05、0.01、0.001、0.0005、0.0001以下、又はそれ未満のp値を有する。0.05を超えるp値を有する予後遺伝子も使用することができる。例えば、これらの遺伝子は、比較的少ない数の血液試料を使用することによって同定することができる。
対象となる患者の発現プロフィールと、基準発現プロフィールとの間の同一性又は相違は、対象となる患者のクラスメンバーシップを示す。同一性又は相違は、任意の適切な手段によって決定することができる。比較は、定性的、定量的、又は両方であり得る。
一実施例において、基準プロフィール中の成分は平均値であり、対象となる患者の発現プロフィール中の対応する成分は、平均値の標準偏差内にある。このような場合、対象となる患者の発現プロフィールは、特定の成分に関して、基準プロフィールと同一であると考えられる。他の判定基準、例えば、標準偏差の特定の割合の程度が上昇又は減少する、多数又は分画は、同一性を測定するために使用することができる。
他の実施例において、対象となる患者の発現プロフィール中の成分の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、70%、80%、90%又はそれ以上)が、基準プロフィール中の対応する成分と同一であると考えられる。これらの環境下で、対象となる患者の発現プロフィールは基準プロフィールと同一であると考えられる。発現プロフィール中の異なる成分は、比較のために異なる重要性を有する。場合によっては、低い割合閾値(例えば、全成分の50%未満)が、同一性を決定するために使用される。
予後遺伝子及び同一性判断基準は、転帰予測の精度(補正された、及び補正されていないコールの全てに対する、補正されたコールの比)が比較的高くなるように、選択することができる。例えば、予測の精度は、少なくとも、50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上である。
又、転帰予測の有効性は、感度及び特異性によって評価することができる。予後遺伝子、及び比較判断基準は、転帰予測の感度及び特異性の両方が、比較的高くなるように選択することができる。例えば、感度及び特異性は、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又はそれ以上であり得る。本明細書で使用される通り、「感度」は、明確なコール及び正しくない否定的なコールの全てに対する、補正された明確なコールの比を意味し、「特異性」は、真実の否定的なコール及び正しくない明確なコールの全てに対する、補正された否定的なコールの比を意味する。
更に、末梢血発現プロフィールをベースとする転帰予測は、その他の臨床的証拠、又は予後診断方法と組み合わせ、転帰予測の有効性又は精度を向上させることができる。
多くの実施形態において、対象となる患者の発現プロフィールを、少なくとも2種の基準発現プロフィールと比較する。それぞれの基準発現プロフィールは、平均的発現プロフィール、又は特定のAML患者又は疾患を患っていないヒト中の末梢血遺伝子発現パターンを表す、個々の発現プロフィールのセットを含むことができる。1つの発現プロフィールを、2以上の基準発現プロフィールと比較するための適切な方法には、加重投票アルゴリズム、又はk−最近傍アルゴリズムが含まれるが、これらに限定されない。これらのアルゴリズムを実施することのできるソフトウェアには、GeneCluster2ソフトウェアが含まれるが、これに限定されない。GeneCluster2ソフトウェアは、Whitehead InstituteにおけるGenome ResearchについてのMTTセンターから入手可能である(例えば、www−genome.wi.mit.edu/cancer/software/genecluster2/gc2.html)。
加重投票アルゴリズム及びk−最近傍アルゴリズムは何れも、対象となる患者を任意の転帰クラスに効率的に割り当てることのできる遺伝子分類子を使用する。「効率的に」に関しては、クラスの割り当てが統計的に有意であることを意味する。一実施例において、クラスの割り当ての有効性は、リーブ・ワン・アウト相互検証又はk−倍相互検証によって評価される。これらの相互検証における予測精度は、例えば、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又はそれ以上であり得る。又、これらの相互検証における予測感度又は特異性は、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又はそれ以上であり得る。例えば、50%未満の低い割り当て感度/特異性、又は相互検証精度を有する、予後遺伝子又はクラス判断材料も、本発明において使用することができる。
加重投票アルゴリズムの1バージョンの下では、クラス判断材料における各遺伝子は、2つのクラス(クラス0及びクラス1)の1つについての加重投票を投じる。遺伝子“g”の投票は、V=a(x−b)と定義される。(式において、aはP(g,c)と同等であり、遺伝子、“g”の発現レベルと2つのクラスの間のクラス識別の相関を示し、bはb=[x0(g)+x1(g)]/2として計算され、クラス0及びクラス1における、遺伝子“g”の発現レベルの中間の対数の平均を表し、Xは対象となる試料中の遺伝子“g”の発現レベルの規格化された対数である。正のvはクラス0についての投票を示し、負のVはクラス1についての投票を示す。V0は、全ての正の投票の合計を示し、V1は全ての負の投票の合計を示す。予測強度PSは、PS=(V0−V1)/(V0+V1)として定義される。従って、予測強度は−1〜1の間で変化し、1つのクラス(例えば、正のPS)又は他のクラス(例えば、負のPS)についての支持を示す。0に近い予測強度は、狭い克服の限界(margin of victory)を示し、1又は−1に近い予測挙℃は、広い克服の限界を示す。Slomin, et al., PROC. OF THE FOURTH ANNUAL INTERNATIONAL CONFERENCE ON COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY, TOKYO, Japan, April 8−11, p263−272 (2000);及びGolub, et al., SCIENCE, 286:531−537 (1999)を参照されたい。
適切な予測強度閾値は、予測強度に対して累積的な相互検証エラー率をプロットすることにより、評価することができる。一実施形態において、対象となる試料についてのPSの絶対値が0.3未満である場合に、正の予測がもたらされる。他のPS閾値、例えば、0.1、0.2、0.4又は0.5未満は、クラス予測のために選択され得る。多くの実施形態において、閾値は、予測の精度が最適化され、偽陽性及び偽陰性結果の両方の頻度が最小化されるように選択される。
本発明に従って構築された、任意のクラス判断材料は、対象となる白血病患者のクラス割り当てのために使用することができる。多くの実施例において、本発明で使用されるクラス判断材料には、近傍解析によって定義されるn個(nは1を超える整数である)の予後遺伝子が含まれる。これらの予後遺伝子の半分は、最も大きいP(g,c)スコアを有し、他の半分は最も大きい−P(g,c)スコアを有する。従って、数字nは、クラス判断材料の定義においては、ただフリーなパラメータでしかない。
又、対象となる患者の発現プロフィールは、他の方法によって2以上の基準発現プロフィールと比較することができる。例えば、基準発現プロフィールは、患者の各クラスについての、平均的な末梢血発現プロフィールを含むことができる。対象となる患者の発現プロフィールが、1つの基準プロフィールについて、他より類似であるという事実は、後者の基準プロフィールに関連する臨床転帰よりも、前者の基準プロフィールに関連する臨床転帰を有すると思われる。
特定の一実施形態において、本発明は、対象となるAML患者の臨床転帰の予測を特徴とする。AML患者は、特定の処置計画に対するそれらの応答をベースとし、少なくとも2つのクラスに分けることができる。1つのクラスの患者(応答者)は処置に対する応答において完全な寛解を示し、他のクラスの患者(非応答者)は、処置に対する応答において、非寛解又は部分的な寛解を示す。これら2つのクラスの患者の間のクラス識別に関連する、AMLの予後遺伝子が同定され、次いで、対象となる患者を、これら2つの転帰クラスの1つに割り当てることができる。この目的に適した、AMLの予後遺伝子の具体例を表1及び2に示す。
一実施例において、処置計画には、少なくとも1種の化学療法剤(例えば、ダウノルビシン又はシタラビン)及び細胞毒性薬(例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン)と結合した抗CD33抗体の投与が含まれ、対象となるAML患者の発現プロフィールは、加重投票又はk−最近傍アルゴリズムを使用することにより、2以上の基準プロフィールと比較される。これらの全ての発現プロフィールは、処置計画前の末梢血遺伝子発現パターンを表すベースラインプロフィールである。表1から選択される少なくとも1種の遺伝子、及び表2から選択される少なくとも1種の遺伝子を含む判断材料を、転帰予測のために使用することができる。例えば、判断材料は、表1から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75又はそれ以上の遺伝子、及び表2から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75又はそれ以上の遺伝子を含む。表1から選択される遺伝子の合計数は、表2から選択される遺伝子の合計と同じであっても異なってもよい。
3つ以上の転帰クラスを区別することができる予後遺伝子又はクラス判断材料は又、本発明において使用することができる。これらの予後遺伝子は、多重クラス相関測定基準を使用して同定することができる。多重クラス相関解析を実施するのに適したプログラムには、GeneCluster2ソフトウェア(Whitehead InstituteのMIT Center for Genome Research[米国マサチューセッツ州ケンブリッジ])が含まれるが、これらに限定されない。解析においては、特定のタイプの白血病を患う患者は、少なくとも3つのクラスに分けられ、患者の各クラスはそれぞれ異なる臨床転帰を有する。多重相関解析によって同定された予後遺伝子は、他のクラスの患者のPBMCと比較し、1つのクラスの患者のPBMC中で異なって発現される。一実施形態において、同定された予後遺伝子は、順列試験において、少なくとも1%、5%、10%、25%、又は50%を超える有意なレベルのクラス差異を有して関連する。前記クラス識別は、異なる臨床転帰を有する患者の末梢血試料中の同定された遺伝子の理想的な発現パターンを表す。
例えば、図1A及び1Bでは、マイロターグ併用療法に対して応答するか、応答しない患者のPBMCを区別する遺伝子分類子の同定及び相互検証を例示する。図1Aは、98個のクラス関連遺伝子の相対的発現レベルを示す。グラフを使って表したように、49個の遺伝子が、非応答患者のPBMCに比較し、応答患者のPBMC中で上昇し、他の98個の遺伝子は、応答患者のPBMCに比較し、非応答患者のPBMC中で上昇した。図1Bは、表1及び2に示す154個の遺伝子からなるクラス予測子を使用した各試料の相互検証の結果を証明する。リーブ・ワン・アウト検証が実施され、各試料について予測強度が計算された。試料は、図1A中の最近傍解析と同じ順序で順序付けられた。
154個の遺伝子分類子は82%の感度を示し、本試験において28名中24名の真の応答者が正確に同定された。遺伝子分類子は又、75%の特異性を示し、本試験において8名中6名の非応答者が正確に同定された。同様の感度、特異性及び全般的な精度が、10倍及びリーブ・ワン・アウト相互検証手法によって同定された最適な遺伝子分類子により観察された。
前記試験では、処置前AML患者の末梢血試料中の発現パターンを評価し、治療の初期反応と関連する転写性シグネチャを同定した。この試験の結果は、薬物遺伝的な末梢血プロファイリング法が、GO併用療法に対する反応における陽性又は陰性転帰の可能性が高い患者の同定を可能にすることを証明した。
AMLの診断、又は発達、進行若しくは処置の監視
血液試料の調整、クラス判断材料の構築、及び発現プロフィールの構築及び比較を含む、前記方法は、AMLの診断、又は発達、進行若しくは処置の監視に容易に適応できる。これは、対象となる患者中の1つ以上のAML疾患遺伝子を、AML患者遺伝子の少なくとも1個の基準発現プロフィールと比較することによって実現することができる。前記基準発現プロフィールには、平均的発現プロフィール、又はそれぞれが、特定のAML患者又は疾患を患っていないヒト中のAML疾患遺伝子の末梢血遺伝子発現を表す、個々の発現プロフィールのセットが含まれる。対象となる患者の発現プロフィールと、基準発現プロフィールとの間の同一性は、AMLの存在又は非存在又は病状を示す。多くの実施形態において、AML診断に使用される疾患遺伝子は表7から選択される。
表7から選択される、1つ以上のAML疾患遺伝子は、AMLの診断又は疾患の監視に使用することができる。一実施形態において、各AML疾患遺伝子は、0.01、0.005、0.001、0.0005、0.0001未満、またはそれより小さいp値を有する。他の実施形態において、AML疾患遺伝子は、2以上の「AML/疾患なし」の比を有する少なくとも1個の遺伝子、及び、0.5以下の「AML/疾患なし」の比を有する少なくとも1個の遺伝子を含む。
本発明の白血病疾患遺伝子は、白血病の診断又は疾病の監視のために、単独で、又は他の臨床試験と組み合わせて使用することができる。白血病の検出又は診断のための従来の方法には、骨髄穿刺、骨髄生検、白血球細胞の異常なレベルについての血液検査、血小板又はヘモグロビン、細胞遺伝学、脊椎穿刺、胸部X−線、又はリンパ腺、脾臓及び肝臓の腫脹についての外診が含まれるが、これらに限定されない。白血病の診断の精度を向上させるため、本発明の方法に加え、他の従来の方法、又は非従来的な方法を使用することができる。
本発明は又、AML又はその他の白血病の予後、診断又は処置選択に有用な電子システムを特徴とする。これらのシステムには、対象となる患者の発現プロフィール又は基準発現プロフィールを受け取る入力又は通信装置が含まれる。基準発現プロフィールは、データベース又は他の記憶媒体に保存することができる。発現プロフィール間の比較は、プロセッサ又はコンピュータを通じる等により、電子的に実施することができる。プロセッサ又はコンピュータは、対象となる患者の発現プロフィールを基準発現プロフィールと比較する、1つ以上のプログラムを実施する。前記プログラムはメモリーに保存することができ又、インターネットサーバー等の他の情報源からダウンロードすることができる。一実施例において、プログラムは、k−最近傍又は加重投票アルゴリズムを含む。他の実施例において、電子システムは、核酸アレイと結合し、核酸アレイによって作成された発現データを受信又は処理することができる。

白血病の進行、診断又は処置選択のためのキット
更に、本発明は、AML又はその他の白血病の進行、診断又は処置選択のために有用なキットを特徴とする。それぞれのキットは、白血病の予後か、疾患遺伝子のための少なくとも1種のプローブ(例えば、表1、2、3、4、5、6、7、8又は9から選択される遺伝子)を含むか、基本的にそれらからなる。キットの使用を補助する試薬又は緩衝液も含まれる。本発明においては、ハイブリダイゼーションプローブ、増幅プライマー又は抗体等の、どのようなタイプのプローブも使用することができる。
一実施形態において、本発明のキットは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10種又はそれ以上のポリヌクレオチドプローブ又はプリマーを含むか、基本的にそれらからなる。それぞれのプローブ/プライマーは、ストリンジェントな条件下、又は核酸アレイハイブリダイゼーション条件下で、それぞれ異なる、白血病の予後又は疾患遺伝子とハイブリダイズすることができる。本明細書で使用される通り、ポリヌクレオチドが、遺伝子のRNA転写物又はその相補体とハイブリダイズすることができる場合、ヌクレオチドは遺伝子とハイブリダイズすることができる。他の実施形態において、本発明のキットには、それぞれ、異なる白血病の予後又は疾患遺伝子によってコードされるポリヌクレオチドと結合することができる、1つ以上の抗体が含まれる。
一実施例において、本発明のキットには、表2aから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75又はそれ以上の遺伝子についてのプローブ(例えば、ハイブリダイゼーション又はPCR増幅プローブ又は抗体)、及び表2bから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75又はそれ以上の遺伝子についてのプローブを含むか、基本的にそれらからなる。表2aから選択される遺伝子についてのプローブの合計数は、表2bから選択される遺伝子についてのプローブの合計数と同一であっても、異なってもよい。
本発明で使用されるプローブは、標識されていても、標識されていなくてもよい。標識されたプローブは、分光学的、光化学的、生化学的、生体電子的、免疫化学的、電気的、光学的、化学的又は他の適切な方法によって検出することができる。プローブについての標識部分の具体例には、放射性同位元素、化学発光化合物、標識結合タンパク質、重金属原子、蛍光マーカー及び色素等の分光学的マーカー、磁気標識、結合酵素、質量スペクトルタグ、スピン標識、電子伝達供与体及び受容体等が含まれる。
又、本発明のキットは、緩衝液又は報告手段を含む容器を有することができる。更に、このキットは、陽性又は陰性コントロールを実施するための試薬を含むことができる。一実施形態において、本発明で使用されるプローブが、1つ以上の支持基板に安定に接着している。前記支持基板上で、核酸ハイブリダイゼーション又は免疫アッセイを直接実施することができる。この目的のための適切な支持基板には、ガラス、シリカ、セッラミック、ナイロン、水晶ウェハー、ゲル、金属、紙、ビーズ、チューブ、線維、フィルム、膜、カラム基盤、又はマイクロタイタープレートが含まれるが、これらに限定されない。本発明のキットには又、キットに含まれる1つ以上のプローブによって検出可能な予後又は診断遺伝子の基準発現レベルをそれぞれ示す、1つ以上のコントロールも含まれる。
本発明は又、AML又はその他の白血病の個別の処置を可能とする。各処置計画についての予後遺伝子を同定するために、多数の処置オプション又は計画が、本発明によって解析される。対象となる患者における、予後遺伝子の末梢血発現プロフィールは、患者の臨床転帰を示し、従って、患者のために有利な予後を有する処置を選択するために使用することができる。本明細書で使用される通り、「有利な」予後は、対象となる患者のその他全ての利用可能な処置の大部分の予後よりも、良好な予後である。最小の予後を有する処置計画も、同定することができる。
処置選択は、手動で又はコンピュータを使用して実施することができる。遺伝子分類子の基準発現プロフィールは、データベースに保存することができる。k−最近傍又は加重投票アルゴリズム等のアルゴリズムを実施することのできるプログラムは、対象となる患者の末梢血発現プロフィールをデータベースと比較し、患者に使用するべき処置を決定するために使用することができる。
前述の実施態様、及び以下の実施例は、本発明を例示するために提供されるものであり、限定するために提供さえるものではないことが理解されるはずである。本発明の適用範囲に含まれる種々の変更及び修正は、本明細書の説明から当業者に明らかなはずである。
実施例1:臨床試験及びデータ収集
実験の設計
AML患者(女性13名及び男性23名)は、45歳の中央値(19〜66歳の範囲)を有する白色人種のみである。AML患者についての試験対象患者基準は、骨髄中に20%過剰の芽細胞を含み、FAB分類システム及びフローサイトメトリー解析によるAMLの形態学的診断は、陽性のCD33+状態を示す。臨床試験における関与は、オンサイトにおける病理学者、それに続く、骨髄穿刺の組織学的評価の両方による、一致したAMLの病理学的診断を必要とする。患者の細胞遺伝学的特徴の概要を表11に示す。
Figure 2008529557
以下の導入化学療法の標準コースを受けた全ての患者を、第36日に評価した。第1〜7日に、患者は100mg/m/日のシタラビンの連続的輸液を受けた。第1〜3日に45mg/mのダウノルビシンの静脈注射(IV 大量瞬時投与)を受けた。第4日にIV注射により、約2時間以上かけてゲムツズマブオゾガマイシン(6mg/m)が投与された。
PBMCの精製及び保存
疾患を患っていないヒト及びAMLの末梢血液試料の全てを一晩シッピングし、フィコール勾配精製によりPBMCを処理した。全血及び分離されたPBMC沈殿物を、血球アナライザーで測定し、分離したPBMCをこれらの試料からRNAが抽出されるまで−80℃で保存した。
RNA抽出
RNA抽出は、修飾RNeasyミニキット法(Qiagen[米国カリフォルニア州バレンシア])に従い実施した。即ち、PBMC沈殿物を、0.1%β−メルカプトエタノールを含むRLT溶解緩衝液で消化し、RNeasyミニキットを使用して分離した全RNAについて処理した。次いで、フェノール:クロロホルム抽出を行い、RNAを、RNeasyミニキット試薬を使用して再精製した。溶出したRNAは、A260/280OD値を監視する、Spectramax 96 well plate UV reader(Molecular Device[米国カリフォルニア州サニーベール])を使用して定量した。RNA試料の質は、ゲル電気泳動により評価した。
RNA増幅、及び遺伝子チップハイブリダイゼーションプローブの生成
オリゴヌクレオチドアレイについての標識された標的を、標準的な実験室的方法により調製した。即ち、2mgの全RNAを、5’末端にT7 DNAポリメラーゼプロモーターを含むオリゴ−(dT)24プライマーを使用して、cDNAに変換した。cDNAを、T7 DNAポリメラーゼキット(Ambion[米国テキサス州ウッドランド])、及びビオチニル化されたCTP及びUTPを使用して、in vitro転写のための鋳型として使用した(Enzo[米国ニューヨーク州ファーミングデール])。標識したcRNAを、40mM Tris−酢酸 pH8.0、100mM KOAc、30mM MgOAc中で、94℃で35分間、最終容量40mLで断片化した。10mgの標識された標的を、100mg/mLニシン精子DNA及び50mg/mLアセチル化BSAを含む1×MES緩衝液に希釈した。in vitroで合成された、11種の細菌遺伝子の転写物を、それぞれのハイブリダイゼーション反応中でインキュベートした。これらの転写物の量は、全ての転写物に対する、コントロールの転写物の数の点から、1:300000(3ppm)〜1:1000(1000ppm)の範囲である。標識されたプローブを99℃、5分間で変性し、次いで、Affymetrix GeneChip Analysis Suite User Guide(Affymetrix)に従い、22000を超えるヒト遺伝子からなる、HG_U133Aオリゴヌクレオチドアレイ(Affymetrix[米国カリフォルニア州サンタクララ])と45℃、5分間でハイブリダイズさせた。45℃で60rpmで撹拌しながら16時間、ハイブリダイズした。ハイブリダイゼーション後、ハイブリダイゼーション混合物を除去し、保存し、このアレイを洗浄し、GeneChip Fluidics Station 400(Affymetrix)を使用して、ストレプトアビジンR−フィコエリスリン(Molecular Probes)で染色し、製造業者の説明書に従い、HP GeneArray Scanner(Hewlett Packard[米国カリフォルニア州パロアルト])でスキャンした。これらのハイブリダイゼーション及び洗浄条件は、集団的に「核酸アレイハイブリダイゼーション条件」として言及される。
Affymetrixシグナルの生成
アレイスキャナーによって生成されたアレイの生の画像データ(.dat)ファイルが、MAS5のデスクトップバージョンを使用して、プローブの特徴レベル強度概要(.cel files)を減少するように、Affymetrix MicroArray Suite(MASS)ソフトウェアを使用して、アレイの画像を加工した。ユーザーは、図形のユーザーインターフェースとして、Gene Expression Data System(GEDS)を用い、試料の記述を、Expression Profiling Information and Knowledge System(EPIKS)Oracleデータベース、及び関連する説明を有する正しい.celファイルに供給する。次いで、データベースプロセスがMAS5ソフトウェアを利用してプローブセットサマリー値を形成する。プローブ強度は、核プローブセットについて、Affymetrix Affy Signalアルゴリズム及びAffymetrix Absolute Detection測定基準(Absent,Present,又はMarginal)を使用して要約される。MAS5は、100の値へのトリム平均に助―リングすることにより、初回通過規格化のためにも使用される。各ハイブリダイゼーション溶液中で上昇した、公知の量の11種のコントロールcRNAについての平均差を使用して、全体の較正曲線を生成する、スケール頻度規格化法(Hill, et al., Genome Biol., 2(12):research0055.1−0055.13 (2001))を使用して、それぞれの転写物についての平均差値は、頻度値に規格化される。次いで、全ての転写物についての平均差値を頻度推定に変換するために較正を用い、1:300,000(百万部当たり3部(ppm))から1:1000(1000ppm)の範囲のppm単位で示す。又、データベースプロセスは、一連のチップ品質管理基準について計算し、データベースにおける全ての生データ及び品質管理計算を保存した。QC判定基準を通過した、ハイブリダイズした試料のみを、解析に含ませる。
実施例2:AML PBMCにおける疾患に関連する転写物
36名のAML PBMC試料のU133Aに由来する転写性プロフィールを、20名のMDS PBMC及び45名の健常ボランティアのPBMCを使用した、スケール頻度規格化法を使用して共に規格化した。プロフィールの全域で、10ppm以上(1P、1≧10として示される)の最大頻度を有する、1つ以上のプロフィールにおいて、合計7879の転写物が検出された。
AML関連転写物を同定するため、AML及び正常なPBMCの間の平均倍率差を、AMLプロフィールにおける発現の平均レベルを、正常なプロフィールにおける発現の平均レベルで割ることによって計算した。スチューデントt−試験(2つの試料、不均等な変動)を使用して、群間の発現における相違の有意性を評価した。
監視されていない、階層的なクラスタリングについて、発現フィルター1P、1≧10ppmを満たす7879種の転写物が使用された。データを対数変換し、遺伝子発現値を中心値とし、プロフィールを、中心でない相互関係類似測定基準を使用した、平均結合クラスタリング手法を使用してクラスタリングした。
監視されていない、階層的なクラスタリングは、AML、MDS及び正常な健常な個人が、2つの主要なクラスター、即ち、正常なPBMCのみからなる第一のサブ群、及びAML、MDS及び正常なPBMCからなる第二のサブ群にクラスタリングすることを証明した(図2)。第二のサブ群は、更に2つの区別できるサブ群、即ち、主にAML PBMCプロフィールからなるAML様クラスター、主にMDS PBMCプロフィールからなるMDS様クラスターに分けられる。
末梢血中のAML関連転写物を、健常ボランティア(n=45)からのPBMC中の発現の平均レベルを、AML患者(n=36)からのPBMC中の発現の平均レベルと比較することによって同定した。有意性の上昇したレベルにおいて正常及びAML PBMCの間で少なくとも2倍の平均差を示す、多くの転写物を表2に示す。合計660種の転写物が、0.001未満の対になっていないスチューデントt−試験において、AMLプロフィールと正常PBMCプロフィールとの間で少なくとも2倍の平均差を有する。これらの転写物を、前述の表7に示す。もちろん、382種の転写物が、AMLにおいて2倍以上の発現の平均値の上昇を示し、より大きい倍数の上昇を有する50種の遺伝子が表8に示される。合計、278種の転写物が、AMLにおいて2倍以下の発現の平均値の減少を示し、より大きい倍数の減少を有する50種の遺伝子が表9に示される。
Figure 2008529557
これらの試験では、合計382種の転写物が、AML PBMCにおける有意に高い発現レベルを有していた。発現レベルの上昇は:1)循環PBMC中の転写活性の上昇、又は2)循環PBMC中の特定のサブタイプの細胞のレベルの上昇による場合がある。本試験において、AML PBMC中で上昇する、多くの転写物は、これらの患者の末梢循環中に存在する、白血病性芽細胞によってもたらされると思われる。多くの転写物は、未成熟又は白血病性芽細胞中で特異的に発現し、及び/又は疾病の経過と結びついていることが知られている(ミエロペルオキシダーゼ、v−myb骨髄芽球症癌原遺伝子、v−kit癌原遺伝子、fms関連チロシンキナーゼ、CD34)。更に、AML PBMC中で最も高い発現レベルを有する多くの転写物は、単球、B−細胞、T−細胞及び好中球の精製した集団中で検出できないか、非常に低いレベルであり(データは示さず)、健常なボランティアの観察試験においては低発現物として分類されていた。従って、AML PBMC中に高い量で存在することが観察される大部分の転写物は、主に転写活性に依存するのではなく、むしろAML患者の循環における白血病性芽細胞の存在に依存すると思われる。
逆に、AML PBMC中の有意に低レベルの疾患関連転写物は、通常、細胞精製チューブにより分離される正常なタイプの1つ以上の細胞中で高い発現レベルを示す転写物であると思われる。例えば、AML PBMC中で低いレベルの上位10種の転写物のうちの8種は、それぞれの精製した細胞タイプ中で、50ppmを超える平均的な発現レベルを有し、健常なボランティアの観察試験においては、高い発現物として分類されていた。従って、AML PBMC中で低いりょうで存在することが観察される大部分の転写物は、主に転写抑制に依存するのではなく、むしろ、AMLを患う患者の芽細胞が豊富な循環中の正常な単核細胞の存在の減少に依存すると思われる。
実施例3:治療の転写効果
合計27名のAML患者は、評価可能なベースライン及び第36日のPBMC試料を提供した。U133A誘導性の27対のAML PBMC思慮の転写性プロフィールは、スケール頻度規格化法を使用して、共に規格化される。1つ以上のプロフィール中で、プロフィールを超えて、10ppm以上(1P、1≧10ppmとして示される)の最大頻度を有する、合計8809種の転写物が検出された。
治療経過の間に変化する転写物を同定するため、ベースラインの第0日のプロフィールにおける平均的発現レベルを、第36日のプロフィールにおける平均的発現レベルで割ることによって、第0日及び第36日のPMBCプロフィールの間の平均的倍数相違を計算した。スチューデントt−試験(2個の試料、不等分散)を使用して、群の間の発現の相違における有意性を評価した。
同じAML患者からの、一対の処置前試料(n=27)からのPBMC中の平均的発現レベルと比較することによって、末梢血中の、GOベースの治療に関連する転写物を、ベースライン試料(n=27)からのPBMC中の平均的発現レベルを同定した。有意な上昇水準を有する、ベースラインと処置前PBMCとの間の少なくとも2倍の平均差を示す転写物の数を表13に示す。合計607種の転写物が、ベースライン及び処置前試料の間で少なくとも2倍の差異を有し、0.001未満の一対のスチューデントt−試験において有意性を有する。これらの中で、348種の転写物が、治療経過の間に2倍以上の平均的発現レベルの減少を示し、GO治療に続く、より大きい倍数の減少を有する50種の遺伝子が表14に示される。合計259種の転写物が、治療の間に2倍以上の平均的発現レベルの上昇を示し、より大きい倍数の上昇を有する50種の遺伝子が表15に示される。治療経過全体で最も強く変化する(平均的に3倍以上の誘導又は抑制)遺伝子は、遺伝子オンコロジーのアノテーションに従い、それらの細胞機能に関してアノテーションが付与され、それぞれの分類中の転写物の割合を図3に示す。
Figure 2008529557
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AML患者からの処置前及び処置後のPBMCプロフィールの比較は、治療経過全体にわたり転写物レベルの多くの差異を示した。遺伝子オンコロジーのアノテーションを使用した、治療経過全体にわたり明らかに抑制される遺伝子のアノテーションは、治療に続く、低いレベルの多くの転写物が、特徴付けられていない分類になることを証明した。更なる評価は、非常に多数のこれらの転写物が疾患に関連し、治療後の患者中の白血球性芽細胞の消失により、治療後に低い量で存在することを示した。観察と一致し、GO処置計画に続き、下方制御された上位50種中45種の転写物が、疾病(芽細胞)関連遺伝子であった。従って、v−kit、トリプターゼ、アルド−ケトレダクターゼ1C3、ホメオボックスA9、マイス1、ミエロペルオキシダーゼ、及び大きい倍率の減少を示す他の多数の転写物は、化学療法計画の転写性効果よりも、むしろ、循環における白血病性芽細胞の消失によると思われる。
治療後の高レベルのPBMC中の転写物の評価は、反対の傾向を示し、これらの転写物のほとんどが、治療した患者のほとんどにおいて、正常な単核細胞の再現により正常なPBMC発現と関連し、治療後の試料中に大量に存在することが示された。GO処置計画後の、上方制御された50種の転写物のうちの合計31種が、正常単核細胞発現と関連する転写物である。従って、TGF誘導したタンパク質(68kD)、トロンボモジュリン、推定上のリンパ球G0/G1スイッチ遺伝子、その他の多数の転写物は、化学療法計画の直接的な転写効果よりもむしろ、白血球病性芽細胞の消失及び正常細胞の再生によると考えられる。
少数の遺伝子では、転写活性化又は抑制が、転写レベルの差の原因である場合がある。例えば、チトクロームP4501A1(CYP1A1)は、治療後に誘導されるが、正常な単核細胞発現(即ち、CYP1A1は、正常なPBCDと比較し、AML PBMC中で有意に抑制されなかった)と有意に関連していない。CYP1A1は、ダウノルビシンの代謝に必要であり、ダウノルビシンは、CYP1A1の活性の代謝をベースとする不活性化因子である。従って、CYP1A1 mRNAの上昇は、本発明の処置計画にとって、フィードバック転写性応答を表す場合がある。インターフェロン誘導性タンパク質(インターフェロン誘導性タンパク質30、インターフェロン誘導性膜貫通タンパク質2)は又、治療経過の間に上昇し、これらの効果は、治療経過全体にわたってインターフェロン依存シグナル伝達経路活性の転写性誘導を表す場合もある。
芽細胞が消失するかどうかにより、PBMC転写物の幾つかにおける細胞数の上昇又は実際の転写の活性化又は抑制、変化は、AMLの進行において機能的な結果を有する場合がある。TGF−βは、細胞周期の停止を誘導し、白血病細胞のFLT3誘導性増殖を拮抗し、TGF0β誘導性タンパク質は、治療経過全体にわたりPBMC中の最も強い(7倍以上上昇)上方制御転写物であった。
実施例4:肝静脈閉塞症に関連する処置前発現パターン
36名のAML PBMC試料のU133A誘導性転写性プロフィールを、スケール頻度規格化法を使用して共に規格化した。プロフィールの全域で、10ppm(1P、1≧10として示される)の最大頻度を有する、1つ以上のプロフィールにおいて、合計7405の転写物が検出された。
肝静脈閉塞症(VOD)は、造血性幹細胞転写を付随する、重篤な合併症の1種であり、その重症形態中の非常に高い死亡率と関連している。最終的にVODを経験する4名の患者、及び32名の非VOD患者の間のベースラインにおける発現における有意な違いを有する転写物を同定するため、4名のVODプロフィールのベースラインにおける平均的発現レベルを、32名の非VODプロフィールのベースラインにおける平均的発現レベルで割ることにより、VOD及び非VOD患者プロフィールの間の平均倍率差を計算した。スチューデントt−試験(2つの試料、不均等な変動)を使用して、群間の発現における相違の有意性を評価した。
VODの発症に有意に関連するPBMCベースラインにおける転写物を、VODベースライン試料(n=4)からのPBMCにおける平均的発現レベルを、非VODベースライン試料(n=32)からのPBMCにおける平均的発現レベルと比較することにより同定した。有意な上昇水準を有する、VOD及び非VODのPBMCベースラインの間の少なくとも2倍の平均差を示す転写物の数を表16に示す。合計161種の転写物が、VODベースライン及び非VOD試料との間で少なくとも2倍の差異を有し、0.05未満の一対のスチューデントt−試験において有意性を有する。161種の転写物の中で、3種の転写物のみが、ベースラインにおいて、VOD PBMC中で、2倍以上の平均的発現レベルの上昇を示した。これら及び47種の他の転写物は2倍未満を示すが、表5に示すベースラインにおけるVOD患者野中では最も大きい上昇を示す。最終的にVODを経験する患者のPBMC中で有意に上昇すると思われる、潜在的に生物学的に関連する転写物であり、p−セレクチンリガンドのレベルを図4に示す。
Figure 2008529557
残りの158種の転写物は、ベースラインにおいて、VODのPBMC中で2倍以上の発現の平均的レベルの減少を示し、ベースラインにおけるVOD患者のPBMC中のより大きい減少を有する50種の遺伝子を表6に示す。この転写物のセットの評価は、多数の白血病性芽細胞関連マーカーを示した。マイクロアレイ解析による、この予測されない発見は、末梢芽細胞数が少ない患者が、GOベースの治療においてVODに対して影響を受けやすいことを示す。
実施例5:臨床反応に関連する、処置前転写パターン
前述の実施例のように、1つ以上のプロフィール中で、10ppm以上の最大頻度を有する、7405種の転写物が、更なる評価のために選択された。
応答しなかった(NR)8名の患者と、応答した(R)28名の患者との間のベースラインにおける発現における有意な相違を有する転写物を同定するため、NR及びR患者プロフィールの間の平均倍率差を、8名のベースラインNRプロフィールの平均的発現レベルを、28名のRプロフィールにおける平均的発現レベルで割ることにより計算した。スチューデントt−試験(2つの試料、不均等な変動)を使用して、群間の発現における相違の有意性を評価した。有意水準を有する、R及びNRのベースラインPBMCの間で少なくとも2倍の平均差を示す転写物の数を表17に示す。合計113種の転写物が、ベースラインR及びNR試料の間で少なくとも2倍の平均差を有し、0.05未満の一対のスチューデントt−試験において有意性を有する。113種の転写物の中で、6種の転写物が、ベースラインにおいて、応答しなかったPBMCの中で2倍以上に上昇した平均的発現レベルを示した。これら、及び2倍未満を示すが、ベースラインにおいて応答した患者において大きな上昇を示す転写物を表3に示す。合計107種の転写物が、ベースラインにおける応答しないPBMC中で2倍以上の平均的発現レベルの減少を示し、より大きな倍率減少を有する50種の遺伝子を表4に示す。
Figure 2008529557
なお、GOの代謝又は作用機序における潜在的な役割を有する遺伝子によりコードされる転写物の処置前レベルが特に調査される。MDR1薬物流出トランスポーターのレベルは、全てのPBMC試料中で低く、ベースラインにおける、応答者及び非応答者の間で有意な差でなかった。Affymetrix U133A遺伝子チップ上に含まれるABCトランスポーターファミリーの残りのメンバーも、他のABCトランスポーターが特異的に発現される事象において調査されたが、ベースラインにおける応答者及び非応答者の間で有意な差であるABCトランスポーターはなかった。CD33細胞表面受容体をコードスル転写物のレベルは、AML PBMC中で一般的に高いレベルで検出されたが、類似のMDR1、CD33転写物は、ベースラインにおけるR及びNRのPBMCの間で有意に差がなかった(図7)。
ベースライン遺伝子発現パターンの基礎において、応答者及び非応答者を区別することのできる遺伝子分類子を同定するため、以前に開示され、(http://www.genome.wi.mit.edu/cancer/software/genecluster2.html)で利用可能な、Geneclusterバージョン2.0を使用して、遺伝子の選択及び管理されたクラス予測を実施した。最近傍解析のために、ダウノルビシンと併用したGOの独立的な臨床試験からの36名のAML PBMCについての発現プロフィール、14名のAML PBMCについての発現プロフィールを、スケール頻度規格化法を使用して、共に規格化した。全ての発現データを、解析前にZ−スコア規格化した。ベースラインプロフィールを通じて5ppm以上の少なくとも1つの値における頻度を有する全ての転写物の含有に基づき、合計11382種の配列が本解析で使用される。36のPBMCベースラインプロフィールがトレーニングセットとして処理され、減少した数の特徴(転写配列)を含むモデルが、クラスの評価のための中央値を使用する、S2Nの類似測定基準を有する全ての手法に対する1種を使用して、構築された。次いで、36名のPBMCプロフィールの10倍の相互検証から起因する、最適に予測されたモデルを、他の臨床試験からの共に規格化されたプロフィールに適用し、処置前AML患者から得られた臨床試験の独立的なセットにおける、遺伝子識別の精度を評価した。
本試験において、末梢血AMLプロフィールの10倍の相互検証による高い全体予測精度(78%)を得るために、10種の遺伝子分類子が発見された。この遺伝子分類子は、86%の感度、50%の特異性、86%の陽性予測値、及び50%の陰性予測値を示す。又、この分類子は、GO及びダウノルビシンが治療計画を構成する独立試験からの14の未試験プロフィールにも適用され、その結果を図9に示す。これらの14のプロフィールにおいては、10遺伝子の分類子が、78%の全体予測精度、100%の感度、57%の特異性、70%の陽性予測値、及び100%の陰性予測値を証明した。
Figure 2008529557
将来に開発される、幾つかの薬物遺伝的共診断が、正確な分類が可能な少量の遺伝子の組み合わせを使用することができるqRT−PCRをベースとするアッセイを信頼すると思われる。より小さい分類子を同定するため、非応答者及び応答者のそれぞれからのAML PBMC中で過剰発現する、Affymetrixベースの2種の遺伝子の発現レベル(表19)、メタロチオネイン1X/1L及び血清グルココルチコイド調節キナーゼをプロットし、転写物のペアワイズ併用が分類を可能にするかどうかを決定する(図10、パネルA)。メタロチオネイン1X/1L及び血清グルココルチコイド調節キナーゼを使用する、2種の遺伝子を、1)応答者及び非応答者のそれぞれの分類の間の有意に上昇した、又は抑制された倍率差;及び2)公知のアノテーションを基礎にして選択する。各ベースラインのAML試料における、それぞれの転写物の個々の発現値(ppmに置き換えて)をプロットし、最も高い感度及びクラス割り当てのための特異性を与える、発現のカットオフを同定した。元の36名の患者から、8名の非応答者のうち6名が、<30ppmレベルの血清グルココルチコイド調節キナーゼ、及び>30ppmのメタロチオネイン1X/1Lレベルを有していた。28名の応答者のうちの2名のみが、同じレベルの遺伝子発現2を有する。これら36種類の試料について、明らかな88%全体精度、93%の感度、75%の特異性、93%の陽性と予測される値、及び75%の陰性と予想される値を示す。
Figure 2008529557
この2種の遺伝子分類子(血清グルココルチコイド調節キナーゼ<30ppm、メタロチオネイン1X、1L>30ppm)は、また14種の試験を行っていない、GO及びダウノルビシンが治療計画を更生する(図10、パネルB)、独立的な臨床試験からの14の未試験プロフィールが適用される。本試験においては、2種の遺伝子分類子は、78%の全体予測精度、100%の感度、57%の特異性、70%の陽性予測値及び100%の陰性予測値を有する、10遺伝子の分類子としての同一の全体性能を証明した。
36個の試料の第一のデータセットについての10遺伝子及び2遺伝子の両分類子の明らかな性能特性、及び14個の独立的な試料の評価における両方の分類子の実際の性能特性を表20に示す。
Figure 2008529557
この解析において、転写プロファイリングが、ベースラインの末梢血試料に適用され、見識、又はGO併用化学療法計画に対して応答する、又は応答しないAML患者の能力についてのバイオマーカーを供給する転写性パターンを特徴付けた。本試験においてかなりの割合の患者が正常な核型を有する(33%)が、他の染色体性異常性が、残りの患者に比較的一様に分散している。細胞遺伝学的背景の不均一性は、核型ベースの群に分離することなく、AMLプロフィールの完全な群の解析を可能にし、順番に、この複雑な病域において必要な分子の異常性と関係なく、GO併用計画に対する応答と関連する、転写性パターンについての調査を可能にする。AMLにおける種々の染色体異常と関連する発現シグネチャに関する最近の解説があるにもかかわらず、ホールマークシグネチャにおける個々の転写物の多くの発現が特定の核型に固有でないことが明らかである。更に、Bullinger, et al., (2004) N. Engl. J. Med. 350:1605−18では、重要なことに、彼らの最近の試験において、種々の細胞遺伝学的背景があるにもかかわらず、全体生存率に関連する比較的同質の転写パターンが、患者のAML試料中に検出可能であること、及びこれらの予後プロフィールが、患者の試験セット由来試料を、全体生存率における有意な相違を有する、良好及び不良の転帰に分離することを証明した。
本試験の目的は、一般的に全体生存率に関連する予後プロフィールを同定することを必要としないが、もし有効であれば、GO併用療法計画からの利益を受けた、又は受けない患者の同定を可能にする、末梢血内の転写パターンを同定する必要がある。応答者(即ち、寛解)及び非応答者のプロフィールの比較は、ベースラインにおいて、群間で有意に変化する転写物の数を同定する。
処置前応答した患者内に高いレベルで存在する転写物には、T−細胞受容体α座、血清/グルココルチコイド調節キナーゼ、アクアポリン9、フォークヘッドボックス03、IL8、TOTO(fas誘導性アポトーシスの調節因子)、IL1受容体アンタゴニスト、p21/cip1、IFN誘導性転写物の特異的サブセット及び他の調節性分子が含まれる。応答者の末梢血中で上昇する転写物のリストには、正常末梢血細胞(リンパ球、単球及び好中球)及び芽細胞特異的転写物等を含むように思われる。プロアポトーシス関連分子の高い割合は、最終的に治療に応答する患者の末梢血内で上昇した。FOX03は、IL2−媒介性T−細胞生存時に不活性化されると共に、最近になって骨髄性細胞の増殖のFLT3増殖性、PI3キナーゼ依存性刺激時に不活性化されることが証明された、重大なプロアポトーシス分子である。GO併用療法に対して最終的に応答するAML患者の末梢血内でFOX03が上昇するという発見は、アポトーシス的に刺激を受けた細胞が、GOベースの治療計画及びことによるとその他の化学療法の効果に対する感度が高くなるという理論の裏付けとなる。
治療に対する応答に失敗したAML患者の血液試料中でも、多くの転写物が増加した。最新のGO併用療法計画に対する応答に対する失敗と関連する転写物、及び全体生存率に関する不良の転帰の予測として最近報告された転写物の比較が実施された。本試験における、非応答者の末梢血試料中のホメオボックスB6中の上昇は、生存率に関連する不良の転帰を有する患者における多数のホメオボックス遺伝子の過剰発現と一致した。ホメオボックスB6は、正常な顆粒球生成及び単球生成の際に上昇するが、細胞の成熟に従い、通常は減少する。ホメオボックスB6は、相当な割合のAML試料中で無調節であると思われ、白血病誘発に役割を果たしていることが提案されている。
又、本発明の解析により、過剰発現がGO併用治療に応答しないことと関連すると思われ、全体生存率と関連しないと思われる、転写物の幾つかのファミリーが同定された。幾つかのメタロチオネインイソ型は、GO併用療法に応答しなかった患者の末梢血試料中で上昇した。GOの作用機序に基づき、上昇した酸化防止剤防御は、カレキアマイシン配向型細胞毒性接合体に逆効果を与えると予想される。しかし、これらの発見は、白血病を患う患者の他の薬剤耐性表現型の存在又は非存在の面において、完全な寛解と強く関連するメタロチオネインの過剰な発現を同定した、Goasguen, et al., (1996) Leuk. Lymphoma. 23 (5−6):567−76の報告結果とは異なる。メタロチオネインイソ型の過剰発現は、最近では、AMLにおけるt(15;17)染色体点座の顕著な特徴として特徴付けられたが本試験における患者は、この細胞遺伝学的以上を有するとして特徴付けられた患者はいなかった。しかし、この試験において、メタロチオネインイソ型の過剰発現は、t(15;17)点座に特異的ではなく、その他幾つかの核型中に発生する。
本発明の前述の説明は、例示及び解説を提供するものであり、排他的なものとして意図とされるわけでもなければ、開示された厳密な部分に本発明を限定するものとして意図されるわけでもない。修正及び変更は前記の教示内容に一貫したものであえるか、又は本発明の実施により得られる場合がある。従って、本発明の適用範囲は、特許請求の範囲及びその同等物によって定義されることに留意する。
図1Aは、表1及び2から選択された、98個の関連遺伝子の関連するPBMC発現を証明する。98個の遺伝子の中で、49個の遺伝子が、マイロターグ併用治療に対して応答しなかった患者(NR)と比較し、この治療に対して応答した患者(R)のPBMC中で発現レベルが上昇し、他の49個の遺伝子は、応答した患者(R)に比較し、応答しなかった患者(NR)のPBMC中で発現レベルが上昇した。図1Bは、表1及び2中の遺伝子からなる154個の遺伝子クラス予測子を使用した、各試料についての相互検証結果を示し、リーブ・ワン・アウト検証が実施され、各試料について予測強度が計算された。試料は、図1Aと同じ順序で順序付けられた。 図2は、10ppm以上の最大頻度を有する、1つ以上のプロフィールにおいて検出される7879種の転写物を使用した、正常患者、AMLを患う患者、又はMDSを患う患者からのPBMC遺伝子発現プロフィールの、監視されていない階層的なクラスタリングを示す。データは対数変換され、遺伝子発現値を中心値とし、プロフィールを、中心でない相互関係類似測定基準を使用した、平均結合クラスタリング手法を使用してクラスタリングした。正常及び正常でない2種の主要なクラスターが、クラスター1及び2として示される。圧倒的多数のAMLを有するクラスター2のサブ群はAML様として示されるが、圧倒的多数のMDSを有するクラスター2のサブ群はMDS様として示される。 図3は、AML患者のGO併用療法の間に変化する転写物の、遺伝子オントロジーに基づくアノテーションを示す。治療により3倍以上の発現を示す52種の転写物を、記載した23の分類のそれぞれにアノテーションを付与した。免疫応答分類中の転写物は、治療により上昇した転写物の群の中で最も有意に過剰に存在したが、未分類の転写物は、治療により抑制された転写物の群中で最も有意に過剰に存在した。 図4は、最終的に肝静脈閉塞症(VOD)を経験するAML患者の処置前PBMC中(左側のパネル)、及びVODを経験しない32名の患者の処置前PBMC中の処置前PBMC中(右側のパネル)のp−セレクチンリガンド転写物のレベルを示す。マイクロアレイ解析に基づく頻度(ppm)をy軸にプロットし、各群中のそれぞれの個々の試料中のp−セレクチンリガンドのレベルを、個々の記号としてプロットする。 図5は、応答に失敗した(NR)、8名のAML患者の処置前PBMC中、及び応答した(R)、28名の患者の処置前PBMC中のMDR1転写物のレベルを示す。マイクロアレイ解析に基づく頻度(ppm)をy−軸にプロットし、36名の処置前PBMC試料の個々のMDR1転写物のレベルを各カラムによって示した。p値は、対になっていない、不均等な変動を想定するスチューデントt−試験に基づく。 図6は、処置前AML患者のPBMC試料中の種々のABCカセットトランスポーターの転写物のレベルを示す。マイクロアレイ解析に基づく頻度(ppm)をy−軸にプロットし、NR及びR群中の各トランスポーターの平均レベル及び標準偏差を示した。U133Aにより評価された、ABCトランスポーターをコードする配列の何れについても、NR及びRの間の発現に有意な差は検出されなかった。 図7は、応答に失敗した(NR)8名の患者の処置前PBMC、及び応答した(R)28名の患者のPBMC中のCD33細胞表面抗原転写物のレベルを示す。マイクロアレイに基づく頻度(ppm)をy−軸にプロットし、36名の処置前PBMC試料の個々のCD33転写物のレベルを各カラムに示す。p値は、対になっていない、不均等な変動を想定するスチューデントt−試験に基づく。 図8は、処置前PBMCを、治療に対する最終的な応答者及び最終的な非応答者から区別するための10種の遺伝子分類子の精度を示す。AML患者由来のベースラインPBMCからのデータを、GOベースの治療を含む、2種の独立的な臨床試験のそれぞれからのベースラインプロフィールの全域で、少なくとも1個のプレゼントコール、及び10ppm以上の少なくとも1個の値を有する、合計11382種の配列を一緒に使用して、スケール頻度規格化を行った。解析は、Geneclusterのz−スコア規格化に従って実施した。パネルAは、クラス評価について中央値を使用した、S2N類似性測定基準を使用した、バイナリー分類手法を使用することで構築した、特徴の上昇した数を含むモデルのために36個のメンバートレーニングセットにおける、全ての精度を示す。最も高い精度が得られる最も小さい分類子(10遺伝子)が示される(矢印)。パネルBは、10種の遺伝子分類子の10倍相互検証精度を示す。10種の遺伝子分類子を使用したクラスメンバーシップを割り当てるために、加重投票アルゴリズムを使用した。各予測コールに対する信頼スコアは、下向きの偏差がNRのコールを示し、上向きの偏差がRのコールを示すカラムによって示される。真実の非応答者は、明るいカラムによって示され、真実の応答者は暗いカラムによって示される。この相互検証においては、8名中4名の非応答者が正確に同定され、28名中24名の応答者が正確に同定された。 図9は、独立的な臨床試験由来のAML患者からのベースラインPBMCを評価するための10種の遺伝子分類子の使用を示す。10種の遺伝子分類子を使用して、クラスメンバーシップを割り和照るために、加重投票アルゴリズムを使用した。各予測コールに対する信頼スコアは、下向きの偏差がNRのコールを示し、上向きの偏差がRのコールを示すカラムによって示される。真実の非応答者は、明るいカラムによって示され、真実の応答者は暗いカラムによって示される。この相互検証においては、7名中4名の非応答者が正確に同定され、7名中7名の応答者が正確に同定された。 図10は、GOベースの治療に対する応答に逆に関連する、AML PBMC中の2種の遺伝子の発現レベルを示す。パネルAは、AML患者由来のPBMC試料中の、血清/グルココルチコイド調節キナーゼ(Y−軸)Affymetrixベースの発現レベル(ppm)、及びメタロチオネイン1X、1L(X−軸)の2次元プロットを示す。各患者における各転写物のレベルを、非応答者が四角で、応答者が円で示されるようにプロットした。陰影は、最も多い非応答者及び最も少ない応答者を含むX−Yプロットの領域を示し、この一対の分類子のための境界線を定義する。30ppm未満の血清グルココルチコイド調節キナーゼについての発現レベル、及び30ppmを超える、メタロチオネイン1X、1Lについての発現レベルのための実施の必要条件では、36個の試料の元のデータセットにおいて、8名中6名の非応答者が首尾よく同定され、28名中2名の応答者のみが非応答者であると誤って同定されたと考えられる。パネルBは、独立的な臨床試験由来の14名のAML試料中の2種の遺伝子分類子の評価を示す。同様の必要条件の実施が、7名中4名の非応答者を正確に同定し、全ての応答者(7名中7名)も正確に同定した。

Claims (62)

  1. 白血病の処置に対する臨床転帰を予測する方法であって、
    (1)処置前患者に由来する末梢血単核細胞試料中の1つ以上の白血病の予後遺伝子の発現レベルを測定する手順;及び
    (2)対応する対照レベルと各発現レベルを比較する手順(この場合、比較の結果が臨床転帰の予測である)を含む、方法。
  2. 1つ以上の該予後遺伝子が、第一クラスから選択される少なくとも1種の第一遺伝子、及び第二クラスから選択される第二遺伝子を含み、
    該第一クラスが、処置に対するより望ましくない臨床転帰を有すると予想される患者における末梢血単核細胞中で高い発現レベルを有する遺伝子を含み、
    該第二クラスが、処置に対するより望ましい臨床転帰を有すると予想される患者における末梢血単核細胞中で高い発現レベルを有する遺伝子を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第一遺伝子が表3から選択され、前記第二遺伝子が表4から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第一遺伝子が、亜鉛フィンガータンパク質217、ペプチドトランスポーター3、フォークヘッドボックスO3A、T細胞受容体α遺伝子座及び推定上のケモカイン受容体/GTP結合タンパク質からなる群から選択され、前記第二遺伝子が、メタオチオネイン、脂肪酸不飽和酵素1、Affymetrix ID216336に対応する未特定の遺伝子、奇形の上皮性自己調節因子1ならびに増殖停止及びDNA損傷誘発性αからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  5. 前記第一遺伝子がグルココルチコイド調節キナーゼであり、前記第二遺伝子がメタロチオネイン1X/1Lである、請求項2に記載の方法。
  6. 前記臨床転帰が有害事象の発達である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記有害事象が肝静脈閉塞症である、請求項6に記載の方法、
  8. 1つ以上の予後遺伝子が、表5又は表6から選択される1つ以上の遺伝子を含む、請求項7に記載の方法
  9. 1つ以上の予後遺伝子がp−セレクチンリガンドを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記処置がゲムツズマブオゾガマイシン(GO)併用療法を含む、前記請求項の何れか1項に記載の方法。
  11. 前記対応する対照レベルが数的な閾値である、前記請求項の何れか1項に記載の方法。
  12. 白血病の臨床転帰を予想する方法であって、該方法が:
    (1)白血病を患う患者の末梢血試料から遺伝子発現プロフィールを作成する手順;及び
    (2)該遺伝子発現プロフィールを、1つ以上の基準発現プロフィールと比較する手順を含み、
    該遺伝子発現プロフィール及び1つ以上の基準発現プロフィールが、末梢単核細胞における白血病の1つ以上の予後遺伝子の発現パターンを含み、該遺伝子発現プロフィールと該1つ以上の基準発現プロフィールとの間の相違点又は類似点が患者の臨床転帰を示す、方法。
  13. 前記白血病が、急性白血病、慢性白血病、リンパ性白血病又は非リンパ性白血病である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記白血病が急性骨髄性白血病(AML)である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記臨床転帰が、抗癌剤療法に対する反応によって測定される、請求項12〜14の何れか1項に記載の方法。
  16. 前記抗癌剤療法が、抗CD33抗体、ダウノルビシン、シタラビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、アントラサイクリン、及びピリミジン又はプリンヌクレオチド類似体からなる群から選択される1つ以上の化合物の投与を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 1つ以上の前記予後遺伝子が、表3又は表4から選択される1つ以上の遺伝子を含む、請求項12〜16の何れか1項に記載の方法。
  18. 1つ以上の前記予後遺伝子が、表3又は表4から選択される10以上の遺伝子を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 1つ以上の前記予後遺伝子が、表3又は表4から選択される20以上の遺伝子を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記手順(2)が、k−最近傍解析又は加重投票アルゴリズムによって、前記遺伝子発現プロフィールを1つ以上の基準発現プロフィールと比較することを含む、請求項12〜19の何れか1項に記載の方法。
  21. 1つ以上の基準発現プロフィールが既知又は測定可能な臨床転帰を表す、請求項12〜19の何れか1項に記載の方法。
  22. 前記手順(2)が、遺伝子発現プロフィールを、それぞれ異なる臨床転帰を表す少なくとも2種の基準発現プロフィールと比較することを含む、請求項12〜19の何れか1項に記載の方法。
  23. 各基準発現プロフィールが、抗癌剤療法に対する反応における5%芽球未満の寛解;抗癌剤療法に対する反応における5%芽球以上の寛解;及び抗癌剤療法に対する反応における無寛解からなる群から選択される、異なる臨床転帰を表す、請求項22に記載の方法。
  24. 1つ以上の前記基準発現プロフィールが、白血病に罹患していないヒトを表す基準発現プロフィールを含む、請求項12〜19の何れか1項に記載の方法。
  25. 手順(1)が、核酸アレイを使用して遺伝子発現プロフィールを作成することを含む、請求項12〜19の何れか1項に記載の方法。
  26. 手順(1)が、抗癌剤療法の前に、患者の末梢血液試料から遺伝子発現プロフィールを作成することを含む、請求項15に記載の方法。
  27. 白血病患者の処置を選択する方法であって、該方法が:
    (1)白血病患者に由来する末梢血液試料から遺伝子発現プロフィールを作成する手順;
    (2)該遺伝子発現プロフィールを、多数の処置のうちの1種に対する臨床転帰をそれぞれ示す、多数の基準発現プロフィールと比較する手順;及び
    (3)手順(2)の比較をもとに、多数の処置から、白血病患者に有利な臨床転帰を有する処置を選択する手順を含み、
    該遺伝子発現プロフィール及び1つ以上の該基準発現プロフィールが、末梢血単核細胞中の白血病の1つ以上の予後遺伝子の発現パターンを含む、方法。
  28. 1つ以上の前記予後遺伝子が、表3又は表4から選択される1つ以上の遺伝子を含む、請求項27に記載の方法。
  29. 1つ以上の前記予後遺伝子が、表3又は表4から選択される10以上の遺伝子を含む、請求項28に記載の方法。
  30. 1つ以上の前記予後遺伝子が、表3又は表4から選択される20以上の遺伝子を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 手順(2)が、k−最近傍解析又は加重投票アルゴリズムによって、前記遺伝子発現プロフィールを多数の基準発現プロフィールと比較することを含む、請求項27〜30の何れか1項に記載の方法。
  32. 白血病を診断するか、又は白血病の発症、発達、進行若しくは処置を監視する方法であって、該方法が:
    (1)白血病を患う患者の末梢血液試料から遺伝子発現プロフィールを作成する手順:及び
    (2)該遺伝子発現プロフィールを1つ以上の基準発現プロフィールと比較する手順を含み、
    該遺伝子発現プロフィール及び1つ以上の該基準発現プロフィールが、末梢血単核細胞において白血病の1つ以上の診断遺伝子の発現パターンを含み、該遺伝子発現プロフィールと1つ以上の該基準発現プロフィールとの間の相違点又は類似点が、患者における白血病の有無、発症、発達、進行又は処置の有効性を示す、方法。
  33. 前記白血病がAMLである、請求項32に記載の方法。
  34. 1つ以上の前記診断遺伝子が、表7から選択される1つ以上の遺伝子を含む、請求項33に記載の方法。
  35. 1つ以上の前記診断遺伝子が、表8又は表9から選択される1つ以上の遺伝子を含む、請求項33に記載の方法。
  36. 1つ以上の前記該診断遺伝子が、表7から選択される10以上の遺伝子を含む、請求項33に記載の方法。
  37. 1つ以上の前記診断遺伝子が、表8又は表9から選択される10以上の遺伝子を含む、請求項33に記載の方法。
  38. 1つ以上の前記基準発現プロフィールが、疾患に罹患していないヒトを表わす基準発現プロフィールを含む、請求項32に記載の方法。
  39. AML患者の臨床転帰を予想する方法に使用するためのアレイであって、複数のアドレスを有する基板を含み、各アドレスがそこに配列される異なるプローブを含み、該複数のアドレスの少なくとも15%が、末梢血単核細胞中のAMLの予後遺伝子を特異的に検出できるプローブ上に配列されている、アレイ。
  40. 前記複数のアドレスの少なくとも30%が、末梢血単核細胞中のAMLの予後遺伝子を特異的に検出できるプローブ上に配列されている、請求項39に記載のアレイ。
  41. 前記複数のアドレスの少なくとも50%が、末梢血単核細胞中のAMLの予後遺伝子を特異的に検出できるプローブ上に配列されている、請求項39に記載のアレイ。
  42. 前記予後遺伝子が表3、4、5又は6から選択される、請求項39〜41の何れか1項に記載のアレイ。
  43. 前記プローブが核酸プローブである、請求項39〜41の何れか1項に記載のアレイ。
  44. 前記プローブが抗体プローブである、請求項39〜41の何れか1項に記載のアレイ。
  45. AMLの診断方法に使用するアレイであって、複数のアドレスを有する基板を含み、各アドレスがそこに配列される異なるプローブを含み、該複数のアドレスの少なくとも15%が、末梢血単核細胞中のAMLの診断遺伝子を特異的に検出できるプローブ上に配列されている、アレイ。
  46. 前記複数のアドレスの少なくとも30%が、末梢血単核細胞中のAMLの診断遺伝子を特異的に検出できるプローブ上に配列されている、請求項45に記載のアレイ。
  47. 前記複数のアドレスの少なくとも50%が、末梢血単核細胞中のAMLの診断遺伝子を特異的に検出できるプローブ上に配列されている、請求項45に記載のアレイ。
  48. 前記診断遺伝子が表7から選択される、請求項45〜47の何れか1項に記載のアレイ。
  49. 前記プローブが核酸プローブである、請求項45〜47の何れか1項に記載のアレイ。
  50. 前記プローブが抗体プローブである、請求項45〜47の何れか1項に記載のアレイ。
  51. コンピュータ読み取り可能媒体であって、複数のデジタルコード化された発現シグナルを含む、デジタルコード化された発現プロフィールを含み、該複数のデジタルコード化された発現シグナルがそれぞれ、末梢血単核細胞中のAMLの予後遺伝子の発現を表わす値を含む、媒体。
  52. 前記後遺伝子が表3、4、5又は6から選択される、請求項51に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  53. 前記値が、既知の又は測定可能な臨床転帰を伴う患者の末梢血単核細胞中のAMLの予後遺伝子の発現を表す、請求項51に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  54. 前記デジタルコード化された発現プロフィールが、少なくとも10個のデジタルコード化された発現シグナルを含む、請求項51に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  55. 複数のデジタルコード化された発現シグナルを含む、デジタルコード化された発現プロフィールを含むコンピュータ読み取り可能な媒体であって、複数のデジタルコード化された発現シグナルのそれぞれが、末梢血単核細胞中のAMLの診断遺伝子の発現を表わす値を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
  56. 前記診断遺伝子が表7から選択される、請求項55に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
  57. 前記値が、AMLを患っていないヒトの末梢血単核細胞中のAMLの診断遺伝子の発現を表す、請求項55に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
  58. 前記デジタルコード化された発現プロフィールが、少なくとも10個のデジタルコード化された発現シグナルを含む、請求項55に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  59. AML予後診断用キットであって、a)末梢血単核細胞中のAMLの予後遺伝子を特異的に検出することができる1つ以上のプローブ;及びb)1つ以上のプローブによって検出される予後遺伝子の基準発現レベルをそれぞれ表わす、1つ以上のコントロールを含む、キット。
  60. 前記予後遺伝子が表3、4、5又は6から選択される、請求項59に記載のキット。
  61. AML診断用キットであって、a)末梢血単核細胞中のAMLの診断遺伝子を特異的に検出することができる1つ以上のプローブ;及びb)1つ以上のプローブによって検出される予後遺伝子の基準発現レベルをそれぞれ表わす1つ以上のコントロールを含む、キット。
  62. 前記診断遺伝子が表7から選択される、請求項61に記載のキット。
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