JP2008523636A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】明細書
【発明の名称】燐光性OLED
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な有機発光装置(OLED)、燐光を発光できる新規な材料、並びにその装置及び新規な材料を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光共役ポリマーは、次世代の情報技術系商品のための発光ディスプレイ装置に使用される材料の技術的に重要な新しい分野である。無機半導体及び有機色素材料とは対照的に、ポリマーの使用の関心は、低コスト製造、膜形成材料の溶液処理の使用にある。この10年間、高効率の材料又は効率の高い装置構造の開発によってOLEDの発光効率を改良するために多大な努力がなされてきた。
【0003】
OLEDにおいては、電子及び正孔が対向電極から注入され、結合されて2種類の励起子、すなわち、理論比3:1のスピン対称3重項とスピン非対称1重項を形成する。1重項からの放射性崩壊は速いが(蛍光)、3重項からのもの(燐光)はスピン保存の要求によって公式的には禁止されている。
【0004】
最初に、OLEDの最大の内部量子効率は25%に限定されているという理解に刺激されて、1重項と3重項を共に燐光ドープ剤に変換するという考えが考案された。このようなドープ剤は、理想的には、有機材料から1重項及び3重項の励起子を共に受け取り、発光し、特に、両者から電界発光することができる。
【0005】
スピン非依存再結合モデルによって予測された3重項対1重項の比が3:1であることに疑問を抱く最近の研究がなされても、この考えは依然として高い応用可能性を有している。最近の研究は、小分子装置で生成される3重項励起子の割合が確かに75%に近いことを示している(Baldo,M.A.;O’Brien,D.F.;Thompson,M.E.;Forrest,S.R.Phys.Rev.B1999,60,14422)。他方、いくつかの電気的に励起された共役ポリマーにおいては約50%であることが示唆されている(Cao,Y.;Parker,I.D.;Yu,G.;Zhang,C.;Heeger,A.J.Nature 1999,397,414及びWilson,J.S.;Dhoot,A.S.;Seeley,A.J.A.B.;Khan,M.S.;Kohler,A.;Friend,R.H.Nature2001,413,828)。ポリマーLEDにおいて3重項励起子が大量に生成されるという証拠が、磁気的及び光学的な観察により得られている。
【0006】
この数年間において、燐光性材料の半導体層への混合による組み込みについて多くの研究がされてきた。混合物は、燐光性ドープ剤と小分子又は非共役ポリマーホストを含んでいる。ホスト材料は、電荷をドープ剤に輸送することが要求されている。良好な電荷輸送材料の典型的な例は、伸張した共役長を有するポリマーである。共役ポリマーは、例えば、1.1%の量子効率を有するCN−PPP中のEu(dnm)3phenの混合物のように、ホスト材料として開示されている(Adv.Mater.,1999,11,1349.)。同様に、Phys.Rev.B2001,63,235206は、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)がドープされたポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)を開示する。WO03/091355を参照してもよく、これは、ポリマー又はオリゴマー及び有機金属を含む発光できる材料であって、有機金属がポリマー又はオリゴマーに共有結合されており、材料中のポリマー又はオリゴマー、及び有機金属の性質、位置及び/又は割合は、発光が燐光が支配的になるように選択されることを特徴とする材料を開示している。この材料は、一般に燐光性ドープ剤を組み込むポリマーブレンドより優れているといわれている。これは、凝集及び相分離のような組織変化に関係する問題が避けられるためである。さらに、材料の制御された構造とは材料中の有機金属の位置及び移動が空間的に制御されていることを意味するものといわれている。この空間的制御は、ポリマー又はオリゴマーと有機金属の相互作用の制御を可能にする。
【0007】
しかしながら、共役ポリマーをホスト材料として用いるには問題がある。ホスト材料は、ドープ剤の消光を避けるために十分に高いT1エネルギー準位(最低の3重項励起状態のエネルギー準位)を有していなければならない。簡潔にいうと、ホスト材料のT1準位がドープ剤のT1より低いとき消光が生じることがあり、ドープ剤からホスト材料への3重項励起子の非放射性転移は放射性崩壊より好ましくなる。これは、赤色ドープ剤より広いバンドギャップ、すなわち、より高いT1準位を有する青色ドープ剤及び緑色ドープ剤にとって、特に問題となる。これは、良好な電荷輸送特性を有する典型的な良好なホスト材料は、通常、上記のように拡張された共役領域ゆえに相対的に低いT1準位を有するため、問題となる。したがって、青色及び緑色ドープ剤については、十分に高いT1準位を有するホスト材料を見いだすことは特に困難である。これまで、ポリビニルカルバゾールは、緑色ドープ剤との使用に適するようにするのに十分に高いT1準位を有するホスト材料として開示されている。しかしながら、ポリビニルカルバゾールは共役ポリマーに比較して劣った電荷輸送特性を有し、これは装置に使用されるとき短い寿命をもたらす。3重項発光体に対するホスト材料としてのカルバゾール化合物は、J.Am.Chem.Soc.2004,126,7718〜7727.の主題である。
【特許文献1】国際公開03/091355号パンフレット
【非特許文献1】J.Am.Chem.Soc.2004,126,7718〜7727.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、良好な電荷輸送特性と合わせて十分に高いT1準位を有する、緑色ドープ剤のようなより高い3重項エネルギー材料のためのホスト材料を提供する必要性があるものと理解される。
【0009】
この点において、良好な電荷輸送特性を有する材料は次の点の特徴を有しうる。
−ドープ剤のT1準位より低いT1準位、
−カソードの仕事関数に近いLUMO準位、
−アノードの仕事関数に近いHOMO準位、
−鎖間及び鎖内の高い配列、
−ある程度の共役。
【0010】
OLEDにおいて使用され、ドープ剤、特に、580nm以下の波長の燐光によって発光するドープ剤のための新しいホスト材料及びそのOLEDの製造方法を提供することによって、少なくとも部分的にこの必要性に応えることが本発明の目的の1つである。
【0011】
さらに、新しい材料を含む新しいOLED及びその製造方法を提供することが本発明の他の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
相分離発光層を有する有機発光装置であって、電荷輸送材料を含む電荷輸送相、及び、 前記電荷輸送相に分散された複数の区別される発光区域を含む発光相であって、各発光区域はホスト材料及び燐光によって発光する1又は2以上の金属錯体を含む発光相を備え、前記電荷輸送材料は金属錯体のT1エネルギー準位より低いT1エネルギー準位を有し、前記ホスト材料は金属錯体のT1エネルギー準位より高いT1エネルギー準位を有する有機発光装置を提供することにある。
【0014】
当業者は、電荷輸送材料、ホスト材料及び金属錯体のT1エネルギー準位を測定する適切な技術を知っている。例えば、“Fluorescence and Phosphorescence in Organic Materialas” Anna Kohler,Joanne S.Wilson and Richard Friend,Adv.Mater.2002,14 No.10,May 17は、ホスト材料中の非発光3重項状態のエネルギーを決めるための次の方法及び技術に言及している。すなわち、時間−分解検出、光学的に検出された磁気共振、電子常磁性共振、パルス放射分解及びエネルギー転移測定である。“Triplet Energies of conjugated polymers”,Phys.Rev.Lett.Vol86,No.7 12 February 2001 A.P Monkman et alは、異なる共役ポリマーの広い範囲における3重項エネルギーを測定するためにパルス放射分解及び3重項エネルギー転移の使用について言及している。
【0015】
発光層の相分離組織は、低い3重項エネルギー材料における相濃度の高い部分内で効率的な電荷輸送を維持しながら、高3重項エネルギー材料の濃度の高い領域からの効率的な3重項発光を許容する。発光層の相分離構造は、低3重項エネルギー電荷輸送材料による3重項状態の消光がほとんど無いか全く無い効率的な燐光性発光を可能にする。相分離はAFM顕微鏡によって観察され得る。
【0016】
第1の側面の装置は、金属錯体が相対的に高い3重項エネルギーを有し、特に緑色発光体、すなわち金属錯体が510〜580nm、好ましくは510〜570nmの範囲の波長を有する緑色光を発光することができる燐光性材料のときに特別有利であることが理解されよう。これは、上記で説明したように、緑色ドープ剤と共に使用するのに適した公知のホスト材料は良好な電荷輸送特性を有しないためである。本発明の装置は、電荷輸送ポリマーの望ましい特性と金属錯体からの高効率3重項発光を関連する消光を生じることなく結合することができるので、従来の装置に比較して十分な利点を示す。
【0017】
LEDは、アノード、カソード及びアノードとカソードの間に位置する発光層を有する。アノードは、例えば、インジウム錫酸化物の透明層である。カソードは、例えば、LiAlである。装置に注入される正孔と電子は、発光層において放射的に再結合する。正孔輸送層は、任意選択的にアノードと発光層の間に位置する。任意選択的に、ドープされたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)層のような正孔注入層、特に、ポリスチレンスルホン酸(PSS)がドープされたPEDOTが正孔輸送層とアノードの間に存在することができる。これは、アノードから注入された正孔が正孔輸送層及び発光層に到達するのを助けるエネルギー準位を提供する。
【0018】
LEDはカソードと発光層の間に位置する電子輸送層を有することもできる。これは、カソードから注入された電子が発光層に到達するのを助けるエネルギー準位を提供する。
【0019】
発光層は、それ自体、効果的に副層からなる積層を含むことができる。
【0020】
LEDは上記の層に加えて他の層を有することができる。例えば、LEDは1又は2以上の電荷又は励起子のブロッキング層を有することができる。
【0021】
溶液処理は相分離を可能にするので、電荷輸送材料、ホスト材料、及び金属錯体は、一般に、溶液処理が可能であると理解される。この目的のため、これらは、ベンゼン及びモノ又はポリアルキル化ベンゼン、特に、キシレン及びトルエンのような汎用有機溶媒に可溶性であることが好ましい。典型的には、溶液処理可能な電荷輸送材料は、C1〜C20アルキル及びアルコキシ基のような可溶化置換基を有する。
【0022】
典型的には、電荷輸送相は連続相であると理解される。電荷輸送相は電荷輸送材料からなっていてもよい。
【0023】
電荷輸送層について述べると、この相は正孔及び/又は電子を輸送することができる。電荷輸送相のための正確な電荷輸送要件は、発光装置の他の構成要素、特に、これら要素の相対的なエネルギー準位に依存する。好ましくは、電荷輸送相は電荷輸送ポリマーを有する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、電荷輸送相を形成することができる限り他の適切な電荷輸送材料(小分子又はデンドリマーのような)を使用することができる。
【0024】
好ましくは、電荷輸送ポリマーは共役されており、部分的、完全又は交差共役を有する。より好ましくは、電荷輸送ポリマーは全て又は実質的に全てのポリマー主鎖に沿って共役されている。一般的に、材料中の共役拡張部の増加は材料の3重項エネルギー準位を低くすると言われている。したがって、共役部の拡張の制御は、3重項エネルギー準位を少なくとも部分的に制御する有用な方法であり得る。共役電荷輸送ポリマーはこの分野で公知であり、当業者はポリマーに存在する適切な繰返し単位を知っている。
【0025】
電荷輸送ポリマーの共役部を増加させるためには、ポリマーは、1又は2以上の選択的に置換されるアリール又はヘテロアリール繰返し単位を有することが好ましい。
【0026】
置換基の例としては、分岐状、直鎖又は環式C 1 〜C 20 アルキル基、分岐状、直鎖又は環式C1〜C20アルコキシ基、ペルフルオロアルキル基、チオアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アルコキシアリール基、ヘテロアリール基又はヘテロアリールアルキル基が含まれる。随意に置換されたC4〜C20アルキル基及びアリール基が好ましい。C1〜C10アルキル基が最も好ましい。フッ素、ニトロ又はシアノのような電子誘引基、及びポリマーのガラス転移温度(Tg)を増加させる置換基。好ましいアリール又はヘテロアリール繰返し単位は、カルバゾール、2,7−結合9,9−2置換フルオレン、スピロフルオレン、インデノフルオレン、p−結合ジアルキルフェニレン、p−結合2置換フェニレン、フェニレンビニレン、2,5−結合ベンゾチアジアゾール、2,5−結合置換ベンゾチアジアゾール、2,5−結合2置換ベンゾチアジアゾール、2,5−結合置換又は未置換チオフェン又はトリアリールアミンからなる群から選択される基を含む。1つの実施態様において、本発明の材料は、好ましくは、ポリフルオレン又はポリフェニレン、最も好ましくは、ポリフルオレンホモポリマー/オリゴマー又はコポリマー/オリゴマーのようなより高い等級のポリマー/オリゴマーを含む。
【0028】
好ましいアリール繰返し単位は、置換又は未置換の2,7−結合フルオレン基、例えば、一般式Iを有する繰り返し単位を有する。
【化3】
これは、さらに置換されてよく、R及びR’は同じであるか、または異なっていてよく、R及びR’はそれぞれH又は置換基を表す。任意選択的に、R及びR’は結合され、例えば、R=R’=フェニルである。好ましくは、R及びR’の1又は2は、上記に説明した可溶化基又は電子誘引基を含む。
【0029】
好ましい電荷輸送ポリマーは、J.Appl.Phys.1996,79,934に開示されるアリーレン繰返し単位、特に、1,4−フェニレン繰返し単位、EP0842208に開示されるフルオレン繰返し単位、例えば、Macromolecules 2000,33(6),2016−2020に開示されるインデノフルオレン繰返し単位、及び例えば、EP0707020に開示されるスピロフルオレン繰返し単位から選択される第1繰返し単位を含む。これらの繰返し単位はそれぞれ選択的に置換される。
【0030】
9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジイルのホモポリマーのような第1繰返し単位のホモポリマーは電子輸送を提供するために利用され得る。
【0031】
カルバゾール繰返し単位及び第1繰返し単位を含むコポリマーは正孔輸送を提供するために利用され得る。
【0032】
第1繰返し単位及びトリアリールアミン繰返し単位、特に、一般式1〜6から選択される繰返し単位を含むコポリマーは正孔輸送を提供するために利用され得る。
【化4】
X、Y、A、B、C及びDは、独立してH又は置換基から選択される。より好ましくは、X、Y、A、B、C及びDの1又は2以上は、上記に説明した可溶化基及び電子誘引基からなる群から独立して選択される。
【0033】
このタイプの特に好ましい正孔輸送ポリマーは、第1の繰返し単位及び前述したトリアリールアミン又はカルバゾール繰返し単位の1つのABコポリマーである。
【0034】
第1の繰返し単位及びヘテロアリーレン繰返し単位を含むコポリマーは電荷輸送のために利用され得る。好ましいヘテロアリーレン繰返し単位は一般式7〜21から選択される。
【化5】
R6及びR7は、同じであるか又は異なっており、それぞれ独立して水素又は置換基である。好ましい置換基は、上記の可溶化基及び電子誘引基である。製造の容易性のため、R6及びR7は好ましくは同じである。より好ましくは、これらは同じであり、それぞれフェニル基である。
【化6】
【化7−1】
【化7−2】
【0035】
発光相について言えば、発光相はホスト材料及び金属錯体からなることができる。発光区域中で各金属錯体はホスト材料に共有結合されることが好ましい。WO03/091355号に記載されるように、好ましくは、ホスト材料は各金属錯体がポリマーホスト材料に結合されることができるポリマーである。これは、各金属錯体が相分離層中の区別された発光領域に存在することを保証し、これは電荷輸送相による消光を回避するのに不可欠である。金族錯体はホストポリマーからの分岐基であるか又はホストポリマーの主鎖の一部を形成することができる。これは、本発明の第3の側面の材料に関連して下記に詳細に説明される。
【0036】
【0037】
区別された発光区域における金属錯体の存在は、金属錯体が電荷輸送材料に低い溶解性を有し、ホスト材料に良好な溶解性を有するように、材料を適切に選択することによっても達成される。この実施態様において、ホスト材料は金属錯体に対する溶媒として効果的に機能する。この実施態様における電荷輸送材料及びホスト材料のための適切な材料は、電荷輸送材料及びホスト材料の1つが極性で他方が非極性材料であるものであり、これは極性置換基及び非極性置換基の提供によって達成される。例えば、非極性電荷輸送材料は極性ホスト材料との組み合わせで使用され得、これは極性金属錯体に対する溶媒として機能する。
【0038】
さらに、他の選択肢は、各金属錯体が静電非共有相互作用によって区別された発光区域に存在するように適切な材料を選択することである。
【0039】
水素結合は、静電非共有結合の例である。
【0040】
ホスト材料について言えば、これは好ましくはポリマーであり、部分的、完全又は交差共役を含む共役ポリマーであることができる。しかしながら、拡張された共役はT1エネルギー準位を低くする傾向にあり、これは、T1準位が金属錯体のT1エネルギー準位未満に落ちるならば、ポリマーをホスト材料としての使用に不適切なものに変えることがある。
【0041】
好ましいホストポリマーは、ポリマー主鎖に沿った共役に分断を提供する基を含む繰返し単位を含む。共役の分断はねじれたビフェニル基のようなねじれたアリーレン基によって供給される。共役の分断は共役長を限定するように働き、高いT1エネルギー準位を維持する。適切な繰返し単位の例は一般式IIを有する。
【化8】
【0042】
これは、さらに置換されることができ、Xは硫黄又は酸素を表す。一般式IIで示されるこのタイプのねじれたビフェニルはWO02/26856に開示されており、例えば、次のものである。
【化9】
【0043】
さらに好ましいホストポリマーは、ビニルカルバゾール(下記に示す)を含む繰返し単位、又はシクロデクストリン(C42H70O35)又はH原子の1又は2以上が置換基によって取り替えられたこれらの誘導体を含む。
【化10】
【0044】
金属錯体について言うと、通常、金属錯体基は炭素−金属結合を含む。しかしながら、これは本発明において必須ではない。いかなる適切な金属錯体ドープ剤も使用できる。
【0045】
金属錯体は適当な数のリガンドで囲まれた金属(M)として見なされ得る。
【0046】
重金属元素Mは、強いスピン−軌道カップリングを誘引し、急速な項間交差及び3重項からの発光(燐光)を許容する。適切な重金属Mは、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロジウム、ツリウム、エルビウム及びネオジウムなどのランタニド金属、及びd−ブロック金属、特に、第2周期及び第3周期のもの、すなわち、39ないし48及び72ないし80の元素、特に、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ及び金を含む。
【0048】
好ましくは、各金属錯体は、ランタニド、アクチニド又は遷移金属を含む。最も好ましくは、各金属錯体は遷移金属を含む。
【0049】
金属錯体におけるリガンドの性質は金属錯体とポリマー又はオリゴマーとの共存性を最適化するように選択され得る。
【0050】
金属錯体中のリガンドは単座、2座又は3座であり得る。
【0051】
好ましい金属錯体は、シクロメタル化β−ジケトネート、フェニルピリジン及び2−(2−ピリジル)−ベンゾ(b)チオフェン(btp)からなる群より選択されるリガンドを含む。
【0052】
好ましい金属錯体は2座リガンドを含む。
【0053】
好ましい金属錯体は、金属との配位のために少なくとも1つの窒素原子を含むリガンドを有する。
【0054】
f−ブロック金属のための適切な配位基は、カルボン酸、1,3−ジケトネート、ヒドロキシカルボン酸、アシルフェノール及びイミノアシル基を含むシッフ塩基のような酸素又は窒素供与体系を含む。知られているように、発光性ランタニド金属錯体は、金属イオンの1重項励起状態より高い3重項励起エネルギー準位を有する感光性基を必要とする。発光は、金属のf−f転移から生じ、発光色は金属の選択によって決まる。鋭い発光は通常狭く、ディスプレイへの応用に有益な純粋な色発光をもたらす。
【0055】
d−ブロック金属は、ポルフィリン又は一般式(IX)の2座リガンドのような炭素又は窒素供与体と錯体を形成する。
【化11】
Ar4及びAr5は、同じであるか又は異なっており、随意に置換されるアリール又はヘテロアリールから独立して選択される。X1及びY1は同じであるか又は異なっており、炭素又は窒素から独立して選択される。Ar4とAr5は縮合され得る。X1が炭素であり、Y1が窒素であるリガンドが特に好ましい。
【0056】
2座リガンドの例は下記に例示される。
【化12】
【0057】
Ar4及びAr5は、それぞれ1又は2以上の置換基を有することができる。特に好ましい置換基は、WO02/45466、WO02/44189、US2002−117662及びUS2002−182441に開示されるような錯体の発光の青色シフトに使用され得るフッ素又はトリフルオロメチル、JP2002−324679に開示されるアルキル又はアルコキシ基、WO02/81448に開示されるような発光材料に使用されるとき錯体への正孔輸送を促進するために使用され得るカルバゾール、WO02/68435及びEP1245659に開示されるような他の基の付着のためのリガンドを機能化するために働くことができる臭素、塩素又はヨウ素、並びにWO02/66552に開示されるような金属錯体の溶液処理性を得る又は高めるために使用され得るデンドロンを含む。
【0058】
d−ブロック元素と共に使用されるに適する他のリガンドは、ジケトン、特に、それぞれ置換され得るアセチルアセトン(acac)、トリアリールホスフィン及びピリジンを含む。
【0059】
上記に述べたように、本装置は、緑色ドープ剤に特に有利である。緑色発光金属錯体、例えば、Ir(ppy)3(ppy=2−フェニルピリジン)のようなIr錯体は、当業者に公知である。
【0060】
1つの実施態様において、各ホスト材料は電荷輸送材料、好ましくは電荷輸送ポリマーに共有結合するのが好ましい。しかしながら、これは本質的でなく、むしろホスト材料は、電荷輸送材料に単純に物理的に混合され得る。どちらの場合においても、相分離発光層を形成するためには、電荷輸送材料、ホスト材料及び金属錯体を含む溶液は、堆積させ、電荷輸送相及び複数の区別された発光区域を含む発光相を形成するために時間をかけて相分離する。したがって、本発明の第2の側面は、本発明の第1の側面に関連して定義される発光装置を製造する方法を提供する。第2の側面の方法は、電荷輸送材料、ホスト材料及び金属錯体を含む溶液の層を堆積させ、電荷輸送相及び複数の区別された発光区域を含む発光相を形成するために時間をかけて層を相分離する工程を含む。
【0061】
いくつかの場合において、相分離を促進し最適化するために発光層をアニールするのは有利であり得る。アニーリングは、層中における各ポリマーのTg未満の温度で実行することが好ましい。したがって、第2の側面の方法は、層中の各ポリマーのTg未満の温度における層のアニール工程を選択的に含む。
【0062】
第2の側面の方法において、好ましくは、発光層は溶液処理によって堆積させる。インクジェット印刷及びスピンコートが好ましい溶液処理技術である。
【0063】
スピンコートは、電子発光材料のパターニングが必要ない装置、例えば、照明装置又は単純なモノクロ区域ディスプレイには特に適切である。
【0064】
インクジェット印刷は、高度情報コンテントディスプレイ、特に、フルカラーディスプレイのために特に適切である。OLEDのインクジェット印刷は、例えば、EP0880303に開示されている。
【0065】
装置の多数層が溶液処理により形成される場合、当業者は隣接する層が相互に混合するのを防止する技術、例えば、次の層を堆積させる前に1つの層を架橋すること、又は第1の層を形成するための材料が第2の層の堆積のために使用される溶媒に溶解しないように隣接する層のための材料を選択することについて知り得るだろう。
【0066】
上記から、本発明の第1の側面の装置の少なくともいくつかの実施態様に新規な燐光性材料が使用されることが明らかであろう。
【0067】
したがって、本発明の第3の側面は新規な燐光性材料、特に、ポリマー及び発光のための金属錯体を含む燐光性材料を提供し、この燐光性材料は、前記ポリマーがホスト領域及び電荷輸送領域を含み、各金属錯体はホスト領域に共有結合し、各電荷輸送領域は前記金属錯体のT1エネルギー準位より低いT1エネルギー準位を有し、各ホスト領域は前記金属錯体のT1エネルギー準位より高いT1エネルギー準位を有することを特徴としている。
【0068】
前記ポリマーにおける電荷輸送領域は相分離後の電荷輸送相に相当する。また、前記ポリマーにおけるホスト領域及び金属錯体は相分離後の発光区域に相当する。
【0069】
前記ポリマーにおける各領域が異なったT1準位を有するために、通常、連続的なホスト領域と電荷輸送領域の間の共役部には分断が生じる。
【0070】
第3の側面の燐光性材料は、各ホストポリマーが電荷輸送ポリマーに共有結合している第1の側面に関連して上記に検討した実施態様に関連する。本発明の第3の側面の材料において、通常、各ホスト領域はホストポリマーを含み、各電荷輸送領域は電荷輸送ポリマーを含むことが理解されよう。
【0071】
第3の側面の燐光性材料は、電荷輸送ブロック(電荷輸送領域)及びホストブロック(ホスト領域)のブロックコポリマーと考えられる。電荷輸送領域は、通常、長さ及び分子量の分散を有する。また、ホスト領域は、通常、長さ及び分子量の分散を有する。相分離、及び区別されたホスト区域の形及び大きさは、領域の相対的な長さ及び分子量、領域の柔軟性及び相対的な極性、領域の化学構造及び溶媒に依存する可能性が高い。ミセル組織が好ましい。燐光性材料を溶液から層として堆積させるとき望ましい相分離を達成するためには、各領域の分子量は相対的に高くあるべきで、例えば、30,000〜50,000の範囲である。
【0072】
第1の側面に関連して検討したように、各金属錯体はホスト領域からの分岐であってよく、又はホスト領域のポリマーの主鎖の一部を形成することができる。
【0073】
金属錯体はホストポリマーに共役結合することが好ましい。
【0074】
ホスト領域におけるポリマーの主鎖からの分岐の金属錯体を選択するとき、ホスト領域は下記の一般式IIIで示される構造を有することができる。
【化13】
pは0以上である。
【0075】
材料の特性をさらに制御する観点から、スペーサー基が材料中の共役部を中断するために使用されてもよい。したがって、1つの実施態様において、非共役スペーサー基が供給される。
【0076】
スペーサー基の長さ、特にその長さは、ポリマー主鎖からの金属錯体の分離を一定のレベルまで制御するために使用され得る。ホストポリマーと金属錯体の距離の最適化は電荷の獲得を改良することができる。
【0077】
好ましいスペーサー基は、C1〜C10アルキレン基、特に(CH2)n、n=1ないし10、及びC1〜C10アルキレンオキシ基を含む。
【0078】
金属錯体がホストポリマーからの分岐である材料の選択は下記に示される。
【化14】
a、b、c及びdは、全て、ポリマーを溶液から層として堆積させるとき相分離を得るように選択される。
【0079】
金属錯体がポリマー主鎖からの分岐でない場合、ホスト領域は下記の一般式IV又は一般式Vの構造を有することができる。
【化15】
【化16】
【0080】
通常、一般式IV及びVにおいて、金属錯体は、ただ1つのリガンドによってポリマー又はオリゴマーの主鎖に加わる。しかしながら、金属錯体が2つのリガンドによってポリマー又はオリゴマーの主鎖に加わることが好ましい実施態様であることもある。
【0081】
一般式IV及びVで示される材料中の金属錯体繰返し単位は、構造XIVを有することができる。
【化17】
L及びL1はリガンドである。適切なリガンドは上記に検討される。好ましくは、Lは2座リガンドである。L及びL1リガンドは、お互いに同じであるか又は異なっている。1つの実施態様において、LはL1リガンド(又は、2以上のL 1 リガンドが存在する場合、少なくとも1つのL1リガンド)と同じではないことが好ましい。
【0082】
リガンドL1(互いに同じであるか又は異なっている)は金属の電価を満たすために組み込まれる。この点において、L1は2座又は単座リガンドであることができる。“q”は、金属の電価が満たされるように選ばれる数である。
【0083】
1つの態様において、好ましいL1基は、シクロメタル化β−ジケトンを含む。他の側面において、L及びL1は、LがL1より高いT 1 準位を有するように選ばれてもよい。これによってL1からの発光を獲得するために、エネルギーはLからL1へ移転される。例えば、Lはフェニルピリジンであり、L1は2−(2−ピリジル)−ベンゾ(b)チオフェン(btp)であり得る。
【0084】
上記のリガンドは、金属錯体がホストポリマー主鎖の一部を形成しない本発明の他の実施態様における使用にも適する。
【0085】
金属錯体がホストポリマー主鎖からの分岐ではない材料の選択は、下記の一般式VIIに示される。
【化18】
a、b、c及びdは、ポリマーを溶液からの層として堆積させるとき相分離が得られるように選択される。金属錯体が主鎖の一部を形成する場合の例は、下記の一般式VIIIに示される。
【化19】
Xは硫黄又は酸素を表す。R及びR’は同じであるか又は異なっており、R及びR’はそれぞれH又は置換基を表す。m、m’、n及びn’は、ポリマーを溶液からの層として堆積させるとき相分離を得るように選択される。好ましいR及びR’は、一般式Iに関連して上記で定義される。
【0086】
本発明の第3の側面の材料はOLEDにおいては非常に有益であり、特に、マトリックスディスプレイのような大面積装置には有益である。また、本発明の材料は、電気的有機レーザーに使用される。
【0087】
本発明の第4の側面は、第3の側面で定義される燐光性材料を製造する方法を提供し、前記方法は次の工程を含む。
(i)一般式X又はXIを含む1又は2以上の第1モノマーを第1モノマーと異なるホストモノマーと重合して、1又は2以上の金属錯体を含み、次の少なくとも2つの反応性末端基を有するホストポリマーを形成する工程。
【化20】
【化21】
X及びX’は、それぞれ反応性末端基を表す。pは、0より大きいか又は等しく、Arはアリール又はヘテロアリール基を表し、好ましくは、Arはねじれたアリール又はヘテロアリール基を表す。
(ii)工程(i)から得られたホストポリマーを、前記ホストポリマー上の反応性末端基によって占められる各位置において、電荷輸送モノマー、電荷輸送オリゴマー、又は電荷輸送ポリマーとカップリングさせる工程。
【0088】
第3の側面の燐光性材料は、公知のスズキカップリング反応、好ましくは、‘seeded’2工程手法を用いて製造され得る。スズキカップリング反応は、米国特許5,777,070に記載されており、この誘導体はWO00/53656に開示されている。
【0089】
好ましくは、工程(i)における重合、及び工程(ii)におけるカップリングはスズキカップリングを使用して実行される。
概略において、スズキカップリング反法は、パラジウム触媒及び塩基の存在においてモノマーの重合を含む。反応は、1つのモノマー上の反応基と他のモノマーの反応基を含む。有機塩基が好ましい。
スズキカップリング反応に含まれる反応性基の1つは、ボロン酸、ボロン酸エステル(好ましくはC1〜C6))、及びボラン(好ましくはC1〜C6)から選択されるボロン誘導基である。ボロン酸が好ましい。
【0090】
スズキカップリング反応に含まれる他の反応性基は、典型的にはハロゲン又はスルホン酸塩である。好ましいハロゲン基は臭素である。適切なスルホン酸塩反応基の例は、トリフレート、メシレート、フェニルスルホン酸塩及びトシレートを含む。
【0091】
各モノマーは少なくとも2つの反応基を有する。部分規則、ブロック及びランダムコポリマーを製造するためにスズキ重合が使用され得る。特に、各モノマーが1つの反応性ハロゲン又はスルホン酸塩基及び1つの反応性ボロン誘導基を含むとき、ホモポリマー又はランダムコポリマーが製造され得る。あるいは、第1モノマーの両反応基がボロン誘導基であり、第2モノマーの両反応基がハロゲン又はスルホン酸塩基であるとき、ブロック、部分規則、特に、ABコポリマーが製造され得る。
【0092】
電荷輸送ポリマー及びホストポリマー上の反応性末端基の性質は、ポリマーが燐光性材料中に一緒に結合して望ましい順番で電荷輸送領域及びホスト領域を形成するように選択され得る。好ましくは、燐光性材料は交互の電荷輸送領域とホスト領域を有する。
【0093】
ここで、本発明は、添付の図面を参照することにより、より詳細に説明される。
図1を参照すると、本発明の第1の側面のLEDの構造は、透明ガラス又はプラスチック基板1、インジウム錫酸化物のアノード2及びカソード4を有する。発光層3はアノード2とカソード4の間に供給される。電荷輸送、電荷注入又は電荷遮断層のような他の層がアノード2とカソード3の間に配置されてもよい。
【0094】
【0095】
特に、アノードからの正孔注入を促進するために、アノード2と発光層3の間に配置されるドープされた有機材料から形成される導電性正孔注入層を供給することが望ましい。ドープされた有機正孔注入材料の例としては、EP0901176及びEP0947123に開示されるポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)、特に、ポリスチレンスルホン酸塩(PSS)がドープされたPEDT、US5723873及びUS5798170に開示されるポリアニリンが挙げられる。
【0096】
もし存在するならば、アノード2と発光層3の間に配置される正孔輸送層は、好ましくは5.5eV以下、より好ましくは約4.8〜5.5eVのHOMO準位を有する。
【0097】
もし存在するならば、発光層3とカソード4の間に配置される電子輸送層は、好ましくは約3〜3.5eVのLUMO準位を有する。
【0098】
カソード4は、電子の電子発光層への注入を可能にする仕事関数を有する材料から選択される。他の要因は、カソードと電子発光材料との間の不利な相互作用の可能性のようにカソードの選択に影響を与える。カソードはアルミニウム層のような単一材料からなっていてもよい。あるいは、それは複数の金属、例えば、WO98/10621に開示されるようなカルシウムとアルミニウムの2層、WO98/57381、Appl.Phys.Lett.2002,81(4),634及びWO02/84759に開示されるようなバリウム元素、又は電子注入を促進するための誘電材料の薄膜、例えば、WO00/48258に開示されるフッ化リチウム又はAppl.Phys.Lett.2001,79(5),2001に開示されるフッ化バリウムを含むことができる。装置への効率的な電子の注入を供給するために、カソードは好ましくは3.5eV未満、より好ましくは、3.2eV未満、最も好ましくは3eV未満の仕事関数を有する。
【0099】
光学装置は、湿気及び酸素に敏感である傾向にある。したがって、湿気及び酸素の装置への浸入を防止するために、基板は、好ましくは良好な遮断特性を有する。基板は、通常ガラスであるが、特に、装置の柔軟性が望まれる場合には他の基板を使用することができる。例えば、基板は、交互のプラスチックと遮断層の基板を開示するUS6268695のようなプラスチック、又はEP0949850に開示されるような薄いガラスとプラスチックのラミネートを含むことができる。
【0100】
装置は、湿気と酸素の浸入を防止するために、好ましくは封止剤(図示しない)で封止される。適切な封止剤は、ガラス、例えば、WO01/81649に開示されるようなポリマーと誘電体の交互積層のような適切な遮断特性を有する薄膜、又は例えば、WO01/19142に開示されるような密封容器を含む。基板又はカプセル材を貫通し得る雰囲気の湿気及び/又は酸素の吸収のためのゲッター材料が基板とカプセル材の間に配置されることができる。
【0101】
実用的な装置において、光が発光されるように電極の少なくとも1つは半透明である。アノードが透明である場合、それは通常インジウム錫酸化物を含む。透明カソードの例は、例えば、GB2348316に開示されている。
【0102】
図1の実施態様は、最初に基板上にアノードを形成し、続いて電子発光層及びカソードを堆積させることにより形成される装置を例示するが、本発明の装置は最初に基板上にカソードを形成し、続いて電子発光層及びアノードを堆積させることにより形成されることも可能であることがわかる。
【0103】
図2を参照すると、第1の工程において、例えば、WO03/091355号に開示される方法に基づいて、分散された長さを有するホストポリマーが製造される。各ホストポリマーは1又は2以上の金属錯体を有する。各ホストポリマーの各末端の反応基を保持するようにホストポリマーが製造されるとき末端キャップ試薬は使用されない。
【0104】
第2の工程において、第1工程からの生成物に電荷輸送モノマーが加えられ、混合物は燐光性材料を形成するためにスズキカップリングを実施する。
【0105】
第3の工程として、第2の工程において末端キャップ試薬が使用されないならば、第1の工程が繰り返され得、その生成物は、第2の工程の生成物とスズキカップリングを実施することができる。第4の工程として、電荷輸送モノマーが第3の工程からの生成物に加えられ得、混合物はスズキカップリングを実施することができる。末端キャップ試薬がポリマーの末端をキャップするために第3又は第4の工程において使用され得る。
【0106】
図3を参照すると、第1の工程において、分散した長さを有し、各ポリマーの各末端に反応性末端基を有する電荷輸送ポリマーを形成するためにスズキカップリングによってモノマーを重合することにより、電荷輸送領域が形成される。また、それぞれ1又は2以上の金属錯体を含み、分散された長さを有するホストポリマーが、例えば、WO03/091355に記載の方法に基づいて製造される。各ホストポリマーの各末端における反応基を保持するために、ホストポリマーの製造のときに末端キャップ試薬は使用されない。
【0107】
第2の工程において、第1の工程からの生成物は燐光性材料を形成するためにスズキカップリングを実施する。
【0108】
図2及び3において、一般式Xを有するモノマーは、一般式XIを有するモノマーに置き換えられ得る。
【化22】
【化23】
X及びX’は、それぞれ反応性末端基を表す。pは0以上であり、Arはアリール又はヘテロアリール基を表す。好ましくは、Arはねじれたアリール又はヘテロアリール基を表す。
【0109】
図2及び3において、Ar及びAr’はそれぞれアリール又はヘテロアリール基を含む基を表す。
【0110】
実施例
実施例1−ホスト及び発光ブロックの生成
【化24】
3,9−ジブロモ−5,7−ジヒドロ−ジベンズ[c,e]オクセピン(モノマー1)がWO02/26856の実施例1の方法に基づいて製造された。
モノマー2は、WO02/068435の方法に基づいて製造された。
【0111】
モノマー1、2及び3が、43wt%:5wt%:52wt%の割合でスズキカップリングによって重合されて、それぞれボロン酸末端基を有する「ホスト及び発光ブロック」を形成した。
【0112】
実施例2−電荷輸送ブロックの生成
【化25】
モノマー4及びモノマー5は、52%:48%の割合でスズキカップリングによって重合させ、それぞれ臭素末端基を有する電荷輸送「ブロック」を形成した。
【0113】
実施例3−燐光性ポリマーの生成
実施例1及び2の生成物を合わせ、スズキカップリングによって反応させた。生成物は末端キャップ試薬を使用して末端キャップ化された。
【0114】
実施例4−燐光性ポリマーの生成
実施例1の生成物をモノマー4及び5と合わせた。B−A−Bブロックコポリマーを形成するためにスズキカップリングが実行された。Aは「ホスト及び発光ブロック」を表し、各Bは電荷輸送ブロックを表す。ホスト及び発光ブロックの長さは実施例1によって決められた。
【0115】
実施例4の生成物が末端キャップ試薬を使用して末端キャップ化された。
【0116】
もし望むなら、反応性末端基はB−A−Bブロックコポリマーの両末端に保持され得る。この場合、実施例1が繰り返され、この生成物は実施例4の生成物と結合されることがある。次いで、スズキカップリングが実行され、A−B−A−B−Aブロックコポリマーが形成されることがある。反応性末端基を保持するによって、A−B−A−B−Aブロックコポリマーがモノマー4及び5と結合され、スズキカップリングが実行されてB−A−B−A−B−A−Bブロックコポリマーが形成されることがある。同様の繰返しによって、他のA及びBブロックが加えられえる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明のOLEDの構造を示す。
【図2】本発明の第3の側面の燐光性材料を製造するための適切な手法を模式的に示す。
【図3】本発明の第3の側面の燐光性材料を製造するための他の適切な手法を模式的に示す。
【符号の説明】
【0118】
1 透明ガラス又はプラスチック基板
2 インジウム錫酸化物のアノード
3 発光層
4 カソード
【発明の名称】燐光性OLED
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な有機発光装置(OLED)、燐光を発光できる新規な材料、並びにその装置及び新規な材料を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光共役ポリマーは、次世代の情報技術系商品のための発光ディスプレイ装置に使用される材料の技術的に重要な新しい分野である。無機半導体及び有機色素材料とは対照的に、ポリマーの使用の関心は、低コスト製造、膜形成材料の溶液処理の使用にある。この10年間、高効率の材料又は効率の高い装置構造の開発によってOLEDの発光効率を改良するために多大な努力がなされてきた。
【0003】
OLEDにおいては、電子及び正孔が対向電極から注入され、結合されて2種類の励起子、すなわち、理論比3:1のスピン対称3重項とスピン非対称1重項を形成する。1重項からの放射性崩壊は速いが(蛍光)、3重項からのもの(燐光)はスピン保存の要求によって公式的には禁止されている。
【0004】
最初に、OLEDの最大の内部量子効率は25%に限定されているという理解に刺激されて、1重項と3重項を共に燐光ドープ剤に変換するという考えが考案された。このようなドープ剤は、理想的には、有機材料から1重項及び3重項の励起子を共に受け取り、発光し、特に、両者から電界発光することができる。
【0005】
スピン非依存再結合モデルによって予測された3重項対1重項の比が3:1であることに疑問を抱く最近の研究がなされても、この考えは依然として高い応用可能性を有している。最近の研究は、小分子装置で生成される3重項励起子の割合が確かに75%に近いことを示している(Baldo,M.A.;O’Brien,D.F.;Thompson,M.E.;Forrest,S.R.Phys.Rev.B1999,60,14422)。他方、いくつかの電気的に励起された共役ポリマーにおいては約50%であることが示唆されている(Cao,Y.;Parker,I.D.;Yu,G.;Zhang,C.;Heeger,A.J.Nature 1999,397,414及びWilson,J.S.;Dhoot,A.S.;Seeley,A.J.A.B.;Khan,M.S.;Kohler,A.;Friend,R.H.Nature2001,413,828)。ポリマーLEDにおいて3重項励起子が大量に生成されるという証拠が、磁気的及び光学的な観察により得られている。
【0006】
この数年間において、燐光性材料の半導体層への混合による組み込みについて多くの研究がされてきた。混合物は、燐光性ドープ剤と小分子又は非共役ポリマーホストを含んでいる。ホスト材料は、電荷をドープ剤に輸送することが要求されている。良好な電荷輸送材料の典型的な例は、伸張した共役長を有するポリマーである。共役ポリマーは、例えば、1.1%の量子効率を有するCN−PPP中のEu(dnm)3phenの混合物のように、ホスト材料として開示されている(Adv.Mater.,1999,11,1349.)。同様に、Phys.Rev.B2001,63,235206は、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)がドープされたポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)を開示する。WO03/091355を参照してもよく、これは、ポリマー又はオリゴマー及び有機金属を含む発光できる材料であって、有機金属がポリマー又はオリゴマーに共有結合されており、材料中のポリマー又はオリゴマー、及び有機金属の性質、位置及び/又は割合は、発光が燐光が支配的になるように選択されることを特徴とする材料を開示している。この材料は、一般に燐光性ドープ剤を組み込むポリマーブレンドより優れているといわれている。これは、凝集及び相分離のような組織変化に関係する問題が避けられるためである。さらに、材料の制御された構造とは材料中の有機金属の位置及び移動が空間的に制御されていることを意味するものといわれている。この空間的制御は、ポリマー又はオリゴマーと有機金属の相互作用の制御を可能にする。
【0007】
しかしながら、共役ポリマーをホスト材料として用いるには問題がある。ホスト材料は、ドープ剤の消光を避けるために十分に高いT1エネルギー準位(最低の3重項励起状態のエネルギー準位)を有していなければならない。簡潔にいうと、ホスト材料のT1準位がドープ剤のT1より低いとき消光が生じることがあり、ドープ剤からホスト材料への3重項励起子の非放射性転移は放射性崩壊より好ましくなる。これは、赤色ドープ剤より広いバンドギャップ、すなわち、より高いT1準位を有する青色ドープ剤及び緑色ドープ剤にとって、特に問題となる。これは、良好な電荷輸送特性を有する典型的な良好なホスト材料は、通常、上記のように拡張された共役領域ゆえに相対的に低いT1準位を有するため、問題となる。したがって、青色及び緑色ドープ剤については、十分に高いT1準位を有するホスト材料を見いだすことは特に困難である。これまで、ポリビニルカルバゾールは、緑色ドープ剤との使用に適するようにするのに十分に高いT1準位を有するホスト材料として開示されている。しかしながら、ポリビニルカルバゾールは共役ポリマーに比較して劣った電荷輸送特性を有し、これは装置に使用されるとき短い寿命をもたらす。3重項発光体に対するホスト材料としてのカルバゾール化合物は、J.Am.Chem.Soc.2004,126,7718〜7727.の主題である。
【特許文献1】国際公開03/091355号パンフレット
【非特許文献1】J.Am.Chem.Soc.2004,126,7718〜7727.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、良好な電荷輸送特性と合わせて十分に高いT1準位を有する、緑色ドープ剤のようなより高い3重項エネルギー材料のためのホスト材料を提供する必要性があるものと理解される。
【0009】
この点において、良好な電荷輸送特性を有する材料は次の点の特徴を有しうる。
−ドープ剤のT1準位より低いT1準位、
−カソードの仕事関数に近いLUMO準位、
−アノードの仕事関数に近いHOMO準位、
−鎖間及び鎖内の高い配列、
−ある程度の共役。
【0010】
OLEDにおいて使用され、ドープ剤、特に、580nm以下の波長の燐光によって発光するドープ剤のための新しいホスト材料及びそのOLEDの製造方法を提供することによって、少なくとも部分的にこの必要性に応えることが本発明の目的の1つである。
【0011】
さらに、新しい材料を含む新しいOLED及びその製造方法を提供することが本発明の他の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
相分離発光層を有する有機発光装置であって、電荷輸送材料を含む電荷輸送相、及び、 前記電荷輸送相に分散された複数の区別される発光区域を含む発光相であって、各発光区域はホスト材料及び燐光によって発光する1又は2以上の金属錯体を含む発光相を備え、前記電荷輸送材料は金属錯体のT1エネルギー準位より低いT1エネルギー準位を有し、前記ホスト材料は金属錯体のT1エネルギー準位より高いT1エネルギー準位を有する有機発光装置を提供することにある。
【0014】
当業者は、電荷輸送材料、ホスト材料及び金属錯体のT1エネルギー準位を測定する適切な技術を知っている。例えば、“Fluorescence and Phosphorescence in Organic Materialas” Anna Kohler,Joanne S.Wilson and Richard Friend,Adv.Mater.2002,14 No.10,May 17は、ホスト材料中の非発光3重項状態のエネルギーを決めるための次の方法及び技術に言及している。すなわち、時間−分解検出、光学的に検出された磁気共振、電子常磁性共振、パルス放射分解及びエネルギー転移測定である。“Triplet Energies of conjugated polymers”,Phys.Rev.Lett.Vol86,No.7 12 February 2001 A.P Monkman et alは、異なる共役ポリマーの広い範囲における3重項エネルギーを測定するためにパルス放射分解及び3重項エネルギー転移の使用について言及している。
【0015】
発光層の相分離組織は、低い3重項エネルギー材料における相濃度の高い部分内で効率的な電荷輸送を維持しながら、高3重項エネルギー材料の濃度の高い領域からの効率的な3重項発光を許容する。発光層の相分離構造は、低3重項エネルギー電荷輸送材料による3重項状態の消光がほとんど無いか全く無い効率的な燐光性発光を可能にする。相分離はAFM顕微鏡によって観察され得る。
【0016】
第1の側面の装置は、金属錯体が相対的に高い3重項エネルギーを有し、特に緑色発光体、すなわち金属錯体が510〜580nm、好ましくは510〜570nmの範囲の波長を有する緑色光を発光することができる燐光性材料のときに特別有利であることが理解されよう。これは、上記で説明したように、緑色ドープ剤と共に使用するのに適した公知のホスト材料は良好な電荷輸送特性を有しないためである。本発明の装置は、電荷輸送ポリマーの望ましい特性と金属錯体からの高効率3重項発光を関連する消光を生じることなく結合することができるので、従来の装置に比較して十分な利点を示す。
【0017】
LEDは、アノード、カソード及びアノードとカソードの間に位置する発光層を有する。アノードは、例えば、インジウム錫酸化物の透明層である。カソードは、例えば、LiAlである。装置に注入される正孔と電子は、発光層において放射的に再結合する。正孔輸送層は、任意選択的にアノードと発光層の間に位置する。任意選択的に、ドープされたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)層のような正孔注入層、特に、ポリスチレンスルホン酸(PSS)がドープされたPEDOTが正孔輸送層とアノードの間に存在することができる。これは、アノードから注入された正孔が正孔輸送層及び発光層に到達するのを助けるエネルギー準位を提供する。
【0018】
LEDはカソードと発光層の間に位置する電子輸送層を有することもできる。これは、カソードから注入された電子が発光層に到達するのを助けるエネルギー準位を提供する。
【0019】
発光層は、それ自体、効果的に副層からなる積層を含むことができる。
【0020】
LEDは上記の層に加えて他の層を有することができる。例えば、LEDは1又は2以上の電荷又は励起子のブロッキング層を有することができる。
【0021】
溶液処理は相分離を可能にするので、電荷輸送材料、ホスト材料、及び金属錯体は、一般に、溶液処理が可能であると理解される。この目的のため、これらは、ベンゼン及びモノ又はポリアルキル化ベンゼン、特に、キシレン及びトルエンのような汎用有機溶媒に可溶性であることが好ましい。典型的には、溶液処理可能な電荷輸送材料は、C1〜C20アルキル及びアルコキシ基のような可溶化置換基を有する。
【0022】
典型的には、電荷輸送相は連続相であると理解される。電荷輸送相は電荷輸送材料からなっていてもよい。
【0023】
電荷輸送層について述べると、この相は正孔及び/又は電子を輸送することができる。電荷輸送相のための正確な電荷輸送要件は、発光装置の他の構成要素、特に、これら要素の相対的なエネルギー準位に依存する。好ましくは、電荷輸送相は電荷輸送ポリマーを有する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、電荷輸送相を形成することができる限り他の適切な電荷輸送材料(小分子又はデンドリマーのような)を使用することができる。
【0024】
好ましくは、電荷輸送ポリマーは共役されており、部分的、完全又は交差共役を有する。より好ましくは、電荷輸送ポリマーは全て又は実質的に全てのポリマー主鎖に沿って共役されている。一般的に、材料中の共役拡張部の増加は材料の3重項エネルギー準位を低くすると言われている。したがって、共役部の拡張の制御は、3重項エネルギー準位を少なくとも部分的に制御する有用な方法であり得る。共役電荷輸送ポリマーはこの分野で公知であり、当業者はポリマーに存在する適切な繰返し単位を知っている。
【0025】
電荷輸送ポリマーの共役部を増加させるためには、ポリマーは、1又は2以上の選択的に置換されるアリール又はヘテロアリール繰返し単位を有することが好ましい。
【0026】
置換基の例としては、分岐状、直鎖又は環式C 1 〜C 20 アルキル基、分岐状、直鎖又は環式C1〜C20アルコキシ基、ペルフルオロアルキル基、チオアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アルコキシアリール基、ヘテロアリール基又はヘテロアリールアルキル基が含まれる。随意に置換されたC4〜C20アルキル基及びアリール基が好ましい。C1〜C10アルキル基が最も好ましい。フッ素、ニトロ又はシアノのような電子誘引基、及びポリマーのガラス転移温度(Tg)を増加させる置換基。好ましいアリール又はヘテロアリール繰返し単位は、カルバゾール、2,7−結合9,9−2置換フルオレン、スピロフルオレン、インデノフルオレン、p−結合ジアルキルフェニレン、p−結合2置換フェニレン、フェニレンビニレン、2,5−結合ベンゾチアジアゾール、2,5−結合置換ベンゾチアジアゾール、2,5−結合2置換ベンゾチアジアゾール、2,5−結合置換又は未置換チオフェン又はトリアリールアミンからなる群から選択される基を含む。1つの実施態様において、本発明の材料は、好ましくは、ポリフルオレン又はポリフェニレン、最も好ましくは、ポリフルオレンホモポリマー/オリゴマー又はコポリマー/オリゴマーのようなより高い等級のポリマー/オリゴマーを含む。
【0028】
好ましいアリール繰返し単位は、置換又は未置換の2,7−結合フルオレン基、例えば、一般式Iを有する繰り返し単位を有する。
【化3】
これは、さらに置換されてよく、R及びR’は同じであるか、または異なっていてよく、R及びR’はそれぞれH又は置換基を表す。任意選択的に、R及びR’は結合され、例えば、R=R’=フェニルである。好ましくは、R及びR’の1又は2は、上記に説明した可溶化基又は電子誘引基を含む。
【0029】
好ましい電荷輸送ポリマーは、J.Appl.Phys.1996,79,934に開示されるアリーレン繰返し単位、特に、1,4−フェニレン繰返し単位、EP0842208に開示されるフルオレン繰返し単位、例えば、Macromolecules 2000,33(6),2016−2020に開示されるインデノフルオレン繰返し単位、及び例えば、EP0707020に開示されるスピロフルオレン繰返し単位から選択される第1繰返し単位を含む。これらの繰返し単位はそれぞれ選択的に置換される。
【0030】
9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジイルのホモポリマーのような第1繰返し単位のホモポリマーは電子輸送を提供するために利用され得る。
【0031】
カルバゾール繰返し単位及び第1繰返し単位を含むコポリマーは正孔輸送を提供するために利用され得る。
【0032】
第1繰返し単位及びトリアリールアミン繰返し単位、特に、一般式1〜6から選択される繰返し単位を含むコポリマーは正孔輸送を提供するために利用され得る。
【化4】
X、Y、A、B、C及びDは、独立してH又は置換基から選択される。より好ましくは、X、Y、A、B、C及びDの1又は2以上は、上記に説明した可溶化基及び電子誘引基からなる群から独立して選択される。
【0033】
このタイプの特に好ましい正孔輸送ポリマーは、第1の繰返し単位及び前述したトリアリールアミン又はカルバゾール繰返し単位の1つのABコポリマーである。
【0034】
第1の繰返し単位及びヘテロアリーレン繰返し単位を含むコポリマーは電荷輸送のために利用され得る。好ましいヘテロアリーレン繰返し単位は一般式7〜21から選択される。
【化5】
R6及びR7は、同じであるか又は異なっており、それぞれ独立して水素又は置換基である。好ましい置換基は、上記の可溶化基及び電子誘引基である。製造の容易性のため、R6及びR7は好ましくは同じである。より好ましくは、これらは同じであり、それぞれフェニル基である。
【化6】
【化7−1】
【化7−2】
【0035】
発光相について言えば、発光相はホスト材料及び金属錯体からなることができる。発光区域中で各金属錯体はホスト材料に共有結合されることが好ましい。WO03/091355号に記載されるように、好ましくは、ホスト材料は各金属錯体がポリマーホスト材料に結合されることができるポリマーである。これは、各金属錯体が相分離層中の区別された発光領域に存在することを保証し、これは電荷輸送相による消光を回避するのに不可欠である。金族錯体はホストポリマーからの分岐基であるか又はホストポリマーの主鎖の一部を形成することができる。これは、本発明の第3の側面の材料に関連して下記に詳細に説明される。
【0036】
【0037】
区別された発光区域における金属錯体の存在は、金属錯体が電荷輸送材料に低い溶解性を有し、ホスト材料に良好な溶解性を有するように、材料を適切に選択することによっても達成される。この実施態様において、ホスト材料は金属錯体に対する溶媒として効果的に機能する。この実施態様における電荷輸送材料及びホスト材料のための適切な材料は、電荷輸送材料及びホスト材料の1つが極性で他方が非極性材料であるものであり、これは極性置換基及び非極性置換基の提供によって達成される。例えば、非極性電荷輸送材料は極性ホスト材料との組み合わせで使用され得、これは極性金属錯体に対する溶媒として機能する。
【0038】
さらに、他の選択肢は、各金属錯体が静電非共有相互作用によって区別された発光区域に存在するように適切な材料を選択することである。
【0039】
水素結合は、静電非共有結合の例である。
【0040】
ホスト材料について言えば、これは好ましくはポリマーであり、部分的、完全又は交差共役を含む共役ポリマーであることができる。しかしながら、拡張された共役はT1エネルギー準位を低くする傾向にあり、これは、T1準位が金属錯体のT1エネルギー準位未満に落ちるならば、ポリマーをホスト材料としての使用に不適切なものに変えることがある。
【0041】
好ましいホストポリマーは、ポリマー主鎖に沿った共役に分断を提供する基を含む繰返し単位を含む。共役の分断はねじれたビフェニル基のようなねじれたアリーレン基によって供給される。共役の分断は共役長を限定するように働き、高いT1エネルギー準位を維持する。適切な繰返し単位の例は一般式IIを有する。
【化8】
【0042】
これは、さらに置換されることができ、Xは硫黄又は酸素を表す。一般式IIで示されるこのタイプのねじれたビフェニルはWO02/26856に開示されており、例えば、次のものである。
【化9】
【0043】
さらに好ましいホストポリマーは、ビニルカルバゾール(下記に示す)を含む繰返し単位、又はシクロデクストリン(C42H70O35)又はH原子の1又は2以上が置換基によって取り替えられたこれらの誘導体を含む。
【化10】
【0044】
金属錯体について言うと、通常、金属錯体基は炭素−金属結合を含む。しかしながら、これは本発明において必須ではない。いかなる適切な金属錯体ドープ剤も使用できる。
【0045】
金属錯体は適当な数のリガンドで囲まれた金属(M)として見なされ得る。
【0046】
重金属元素Mは、強いスピン−軌道カップリングを誘引し、急速な項間交差及び3重項からの発光(燐光)を許容する。適切な重金属Mは、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロジウム、ツリウム、エルビウム及びネオジウムなどのランタニド金属、及びd−ブロック金属、特に、第2周期及び第3周期のもの、すなわち、39ないし48及び72ないし80の元素、特に、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ及び金を含む。
【0048】
好ましくは、各金属錯体は、ランタニド、アクチニド又は遷移金属を含む。最も好ましくは、各金属錯体は遷移金属を含む。
【0049】
金属錯体におけるリガンドの性質は金属錯体とポリマー又はオリゴマーとの共存性を最適化するように選択され得る。
【0050】
金属錯体中のリガンドは単座、2座又は3座であり得る。
【0051】
好ましい金属錯体は、シクロメタル化β−ジケトネート、フェニルピリジン及び2−(2−ピリジル)−ベンゾ(b)チオフェン(btp)からなる群より選択されるリガンドを含む。
【0052】
好ましい金属錯体は2座リガンドを含む。
【0053】
好ましい金属錯体は、金属との配位のために少なくとも1つの窒素原子を含むリガンドを有する。
【0054】
f−ブロック金属のための適切な配位基は、カルボン酸、1,3−ジケトネート、ヒドロキシカルボン酸、アシルフェノール及びイミノアシル基を含むシッフ塩基のような酸素又は窒素供与体系を含む。知られているように、発光性ランタニド金属錯体は、金属イオンの1重項励起状態より高い3重項励起エネルギー準位を有する感光性基を必要とする。発光は、金属のf−f転移から生じ、発光色は金属の選択によって決まる。鋭い発光は通常狭く、ディスプレイへの応用に有益な純粋な色発光をもたらす。
【0055】
d−ブロック金属は、ポルフィリン又は一般式(IX)の2座リガンドのような炭素又は窒素供与体と錯体を形成する。
【化11】
Ar4及びAr5は、同じであるか又は異なっており、随意に置換されるアリール又はヘテロアリールから独立して選択される。X1及びY1は同じであるか又は異なっており、炭素又は窒素から独立して選択される。Ar4とAr5は縮合され得る。X1が炭素であり、Y1が窒素であるリガンドが特に好ましい。
【0056】
2座リガンドの例は下記に例示される。
【化12】
【0057】
Ar4及びAr5は、それぞれ1又は2以上の置換基を有することができる。特に好ましい置換基は、WO02/45466、WO02/44189、US2002−117662及びUS2002−182441に開示されるような錯体の発光の青色シフトに使用され得るフッ素又はトリフルオロメチル、JP2002−324679に開示されるアルキル又はアルコキシ基、WO02/81448に開示されるような発光材料に使用されるとき錯体への正孔輸送を促進するために使用され得るカルバゾール、WO02/68435及びEP1245659に開示されるような他の基の付着のためのリガンドを機能化するために働くことができる臭素、塩素又はヨウ素、並びにWO02/66552に開示されるような金属錯体の溶液処理性を得る又は高めるために使用され得るデンドロンを含む。
【0058】
d−ブロック元素と共に使用されるに適する他のリガンドは、ジケトン、特に、それぞれ置換され得るアセチルアセトン(acac)、トリアリールホスフィン及びピリジンを含む。
【0059】
上記に述べたように、本装置は、緑色ドープ剤に特に有利である。緑色発光金属錯体、例えば、Ir(ppy)3(ppy=2−フェニルピリジン)のようなIr錯体は、当業者に公知である。
【0060】
1つの実施態様において、各ホスト材料は電荷輸送材料、好ましくは電荷輸送ポリマーに共有結合するのが好ましい。しかしながら、これは本質的でなく、むしろホスト材料は、電荷輸送材料に単純に物理的に混合され得る。どちらの場合においても、相分離発光層を形成するためには、電荷輸送材料、ホスト材料及び金属錯体を含む溶液は、堆積させ、電荷輸送相及び複数の区別された発光区域を含む発光相を形成するために時間をかけて相分離する。したがって、本発明の第2の側面は、本発明の第1の側面に関連して定義される発光装置を製造する方法を提供する。第2の側面の方法は、電荷輸送材料、ホスト材料及び金属錯体を含む溶液の層を堆積させ、電荷輸送相及び複数の区別された発光区域を含む発光相を形成するために時間をかけて層を相分離する工程を含む。
【0061】
いくつかの場合において、相分離を促進し最適化するために発光層をアニールするのは有利であり得る。アニーリングは、層中における各ポリマーのTg未満の温度で実行することが好ましい。したがって、第2の側面の方法は、層中の各ポリマーのTg未満の温度における層のアニール工程を選択的に含む。
【0062】
第2の側面の方法において、好ましくは、発光層は溶液処理によって堆積させる。インクジェット印刷及びスピンコートが好ましい溶液処理技術である。
【0063】
スピンコートは、電子発光材料のパターニングが必要ない装置、例えば、照明装置又は単純なモノクロ区域ディスプレイには特に適切である。
【0064】
インクジェット印刷は、高度情報コンテントディスプレイ、特に、フルカラーディスプレイのために特に適切である。OLEDのインクジェット印刷は、例えば、EP0880303に開示されている。
【0065】
装置の多数層が溶液処理により形成される場合、当業者は隣接する層が相互に混合するのを防止する技術、例えば、次の層を堆積させる前に1つの層を架橋すること、又は第1の層を形成するための材料が第2の層の堆積のために使用される溶媒に溶解しないように隣接する層のための材料を選択することについて知り得るだろう。
【0066】
上記から、本発明の第1の側面の装置の少なくともいくつかの実施態様に新規な燐光性材料が使用されることが明らかであろう。
【0067】
したがって、本発明の第3の側面は新規な燐光性材料、特に、ポリマー及び発光のための金属錯体を含む燐光性材料を提供し、この燐光性材料は、前記ポリマーがホスト領域及び電荷輸送領域を含み、各金属錯体はホスト領域に共有結合し、各電荷輸送領域は前記金属錯体のT1エネルギー準位より低いT1エネルギー準位を有し、各ホスト領域は前記金属錯体のT1エネルギー準位より高いT1エネルギー準位を有することを特徴としている。
【0068】
前記ポリマーにおける電荷輸送領域は相分離後の電荷輸送相に相当する。また、前記ポリマーにおけるホスト領域及び金属錯体は相分離後の発光区域に相当する。
【0069】
前記ポリマーにおける各領域が異なったT1準位を有するために、通常、連続的なホスト領域と電荷輸送領域の間の共役部には分断が生じる。
【0070】
第3の側面の燐光性材料は、各ホストポリマーが電荷輸送ポリマーに共有結合している第1の側面に関連して上記に検討した実施態様に関連する。本発明の第3の側面の材料において、通常、各ホスト領域はホストポリマーを含み、各電荷輸送領域は電荷輸送ポリマーを含むことが理解されよう。
【0071】
第3の側面の燐光性材料は、電荷輸送ブロック(電荷輸送領域)及びホストブロック(ホスト領域)のブロックコポリマーと考えられる。電荷輸送領域は、通常、長さ及び分子量の分散を有する。また、ホスト領域は、通常、長さ及び分子量の分散を有する。相分離、及び区別されたホスト区域の形及び大きさは、領域の相対的な長さ及び分子量、領域の柔軟性及び相対的な極性、領域の化学構造及び溶媒に依存する可能性が高い。ミセル組織が好ましい。燐光性材料を溶液から層として堆積させるとき望ましい相分離を達成するためには、各領域の分子量は相対的に高くあるべきで、例えば、30,000〜50,000の範囲である。
【0072】
第1の側面に関連して検討したように、各金属錯体はホスト領域からの分岐であってよく、又はホスト領域のポリマーの主鎖の一部を形成することができる。
【0073】
金属錯体はホストポリマーに共役結合することが好ましい。
【0074】
ホスト領域におけるポリマーの主鎖からの分岐の金属錯体を選択するとき、ホスト領域は下記の一般式IIIで示される構造を有することができる。
【化13】
pは0以上である。
【0075】
材料の特性をさらに制御する観点から、スペーサー基が材料中の共役部を中断するために使用されてもよい。したがって、1つの実施態様において、非共役スペーサー基が供給される。
【0076】
スペーサー基の長さ、特にその長さは、ポリマー主鎖からの金属錯体の分離を一定のレベルまで制御するために使用され得る。ホストポリマーと金属錯体の距離の最適化は電荷の獲得を改良することができる。
【0077】
好ましいスペーサー基は、C1〜C10アルキレン基、特に(CH2)n、n=1ないし10、及びC1〜C10アルキレンオキシ基を含む。
【0078】
金属錯体がホストポリマーからの分岐である材料の選択は下記に示される。
【化14】
a、b、c及びdは、全て、ポリマーを溶液から層として堆積させるとき相分離を得るように選択される。
【0079】
金属錯体がポリマー主鎖からの分岐でない場合、ホスト領域は下記の一般式IV又は一般式Vの構造を有することができる。
【化15】
【化16】
【0080】
通常、一般式IV及びVにおいて、金属錯体は、ただ1つのリガンドによってポリマー又はオリゴマーの主鎖に加わる。しかしながら、金属錯体が2つのリガンドによってポリマー又はオリゴマーの主鎖に加わることが好ましい実施態様であることもある。
【0081】
一般式IV及びVで示される材料中の金属錯体繰返し単位は、構造XIVを有することができる。
【化17】
L及びL1はリガンドである。適切なリガンドは上記に検討される。好ましくは、Lは2座リガンドである。L及びL1リガンドは、お互いに同じであるか又は異なっている。1つの実施態様において、LはL1リガンド(又は、2以上のL 1 リガンドが存在する場合、少なくとも1つのL1リガンド)と同じではないことが好ましい。
【0082】
リガンドL1(互いに同じであるか又は異なっている)は金属の電価を満たすために組み込まれる。この点において、L1は2座又は単座リガンドであることができる。“q”は、金属の電価が満たされるように選ばれる数である。
【0083】
1つの態様において、好ましいL1基は、シクロメタル化β−ジケトンを含む。他の側面において、L及びL1は、LがL1より高いT 1 準位を有するように選ばれてもよい。これによってL1からの発光を獲得するために、エネルギーはLからL1へ移転される。例えば、Lはフェニルピリジンであり、L1は2−(2−ピリジル)−ベンゾ(b)チオフェン(btp)であり得る。
【0084】
上記のリガンドは、金属錯体がホストポリマー主鎖の一部を形成しない本発明の他の実施態様における使用にも適する。
【0085】
金属錯体がホストポリマー主鎖からの分岐ではない材料の選択は、下記の一般式VIIに示される。
【化18】
a、b、c及びdは、ポリマーを溶液からの層として堆積させるとき相分離が得られるように選択される。金属錯体が主鎖の一部を形成する場合の例は、下記の一般式VIIIに示される。
【化19】
Xは硫黄又は酸素を表す。R及びR’は同じであるか又は異なっており、R及びR’はそれぞれH又は置換基を表す。m、m’、n及びn’は、ポリマーを溶液からの層として堆積させるとき相分離を得るように選択される。好ましいR及びR’は、一般式Iに関連して上記で定義される。
【0086】
本発明の第3の側面の材料はOLEDにおいては非常に有益であり、特に、マトリックスディスプレイのような大面積装置には有益である。また、本発明の材料は、電気的有機レーザーに使用される。
【0087】
本発明の第4の側面は、第3の側面で定義される燐光性材料を製造する方法を提供し、前記方法は次の工程を含む。
(i)一般式X又はXIを含む1又は2以上の第1モノマーを第1モノマーと異なるホストモノマーと重合して、1又は2以上の金属錯体を含み、次の少なくとも2つの反応性末端基を有するホストポリマーを形成する工程。
【化20】
【化21】
X及びX’は、それぞれ反応性末端基を表す。pは、0より大きいか又は等しく、Arはアリール又はヘテロアリール基を表し、好ましくは、Arはねじれたアリール又はヘテロアリール基を表す。
(ii)工程(i)から得られたホストポリマーを、前記ホストポリマー上の反応性末端基によって占められる各位置において、電荷輸送モノマー、電荷輸送オリゴマー、又は電荷輸送ポリマーとカップリングさせる工程。
【0088】
第3の側面の燐光性材料は、公知のスズキカップリング反応、好ましくは、‘seeded’2工程手法を用いて製造され得る。スズキカップリング反応は、米国特許5,777,070に記載されており、この誘導体はWO00/53656に開示されている。
【0089】
好ましくは、工程(i)における重合、及び工程(ii)におけるカップリングはスズキカップリングを使用して実行される。
概略において、スズキカップリング反法は、パラジウム触媒及び塩基の存在においてモノマーの重合を含む。反応は、1つのモノマー上の反応基と他のモノマーの反応基を含む。有機塩基が好ましい。
スズキカップリング反応に含まれる反応性基の1つは、ボロン酸、ボロン酸エステル(好ましくはC1〜C6))、及びボラン(好ましくはC1〜C6)から選択されるボロン誘導基である。ボロン酸が好ましい。
【0090】
スズキカップリング反応に含まれる他の反応性基は、典型的にはハロゲン又はスルホン酸塩である。好ましいハロゲン基は臭素である。適切なスルホン酸塩反応基の例は、トリフレート、メシレート、フェニルスルホン酸塩及びトシレートを含む。
【0091】
各モノマーは少なくとも2つの反応基を有する。部分規則、ブロック及びランダムコポリマーを製造するためにスズキ重合が使用され得る。特に、各モノマーが1つの反応性ハロゲン又はスルホン酸塩基及び1つの反応性ボロン誘導基を含むとき、ホモポリマー又はランダムコポリマーが製造され得る。あるいは、第1モノマーの両反応基がボロン誘導基であり、第2モノマーの両反応基がハロゲン又はスルホン酸塩基であるとき、ブロック、部分規則、特に、ABコポリマーが製造され得る。
【0092】
電荷輸送ポリマー及びホストポリマー上の反応性末端基の性質は、ポリマーが燐光性材料中に一緒に結合して望ましい順番で電荷輸送領域及びホスト領域を形成するように選択され得る。好ましくは、燐光性材料は交互の電荷輸送領域とホスト領域を有する。
【0093】
ここで、本発明は、添付の図面を参照することにより、より詳細に説明される。
図1を参照すると、本発明の第1の側面のLEDの構造は、透明ガラス又はプラスチック基板1、インジウム錫酸化物のアノード2及びカソード4を有する。発光層3はアノード2とカソード4の間に供給される。電荷輸送、電荷注入又は電荷遮断層のような他の層がアノード2とカソード3の間に配置されてもよい。
【0094】
【0095】
特に、アノードからの正孔注入を促進するために、アノード2と発光層3の間に配置されるドープされた有機材料から形成される導電性正孔注入層を供給することが望ましい。ドープされた有機正孔注入材料の例としては、EP0901176及びEP0947123に開示されるポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)、特に、ポリスチレンスルホン酸塩(PSS)がドープされたPEDT、US5723873及びUS5798170に開示されるポリアニリンが挙げられる。
【0096】
もし存在するならば、アノード2と発光層3の間に配置される正孔輸送層は、好ましくは5.5eV以下、より好ましくは約4.8〜5.5eVのHOMO準位を有する。
【0097】
もし存在するならば、発光層3とカソード4の間に配置される電子輸送層は、好ましくは約3〜3.5eVのLUMO準位を有する。
【0098】
カソード4は、電子の電子発光層への注入を可能にする仕事関数を有する材料から選択される。他の要因は、カソードと電子発光材料との間の不利な相互作用の可能性のようにカソードの選択に影響を与える。カソードはアルミニウム層のような単一材料からなっていてもよい。あるいは、それは複数の金属、例えば、WO98/10621に開示されるようなカルシウムとアルミニウムの2層、WO98/57381、Appl.Phys.Lett.2002,81(4),634及びWO02/84759に開示されるようなバリウム元素、又は電子注入を促進するための誘電材料の薄膜、例えば、WO00/48258に開示されるフッ化リチウム又はAppl.Phys.Lett.2001,79(5),2001に開示されるフッ化バリウムを含むことができる。装置への効率的な電子の注入を供給するために、カソードは好ましくは3.5eV未満、より好ましくは、3.2eV未満、最も好ましくは3eV未満の仕事関数を有する。
【0099】
光学装置は、湿気及び酸素に敏感である傾向にある。したがって、湿気及び酸素の装置への浸入を防止するために、基板は、好ましくは良好な遮断特性を有する。基板は、通常ガラスであるが、特に、装置の柔軟性が望まれる場合には他の基板を使用することができる。例えば、基板は、交互のプラスチックと遮断層の基板を開示するUS6268695のようなプラスチック、又はEP0949850に開示されるような薄いガラスとプラスチックのラミネートを含むことができる。
【0100】
装置は、湿気と酸素の浸入を防止するために、好ましくは封止剤(図示しない)で封止される。適切な封止剤は、ガラス、例えば、WO01/81649に開示されるようなポリマーと誘電体の交互積層のような適切な遮断特性を有する薄膜、又は例えば、WO01/19142に開示されるような密封容器を含む。基板又はカプセル材を貫通し得る雰囲気の湿気及び/又は酸素の吸収のためのゲッター材料が基板とカプセル材の間に配置されることができる。
【0101】
実用的な装置において、光が発光されるように電極の少なくとも1つは半透明である。アノードが透明である場合、それは通常インジウム錫酸化物を含む。透明カソードの例は、例えば、GB2348316に開示されている。
【0102】
図1の実施態様は、最初に基板上にアノードを形成し、続いて電子発光層及びカソードを堆積させることにより形成される装置を例示するが、本発明の装置は最初に基板上にカソードを形成し、続いて電子発光層及びアノードを堆積させることにより形成されることも可能であることがわかる。
【0103】
図2を参照すると、第1の工程において、例えば、WO03/091355号に開示される方法に基づいて、分散された長さを有するホストポリマーが製造される。各ホストポリマーは1又は2以上の金属錯体を有する。各ホストポリマーの各末端の反応基を保持するようにホストポリマーが製造されるとき末端キャップ試薬は使用されない。
【0104】
第2の工程において、第1工程からの生成物に電荷輸送モノマーが加えられ、混合物は燐光性材料を形成するためにスズキカップリングを実施する。
【0105】
第3の工程として、第2の工程において末端キャップ試薬が使用されないならば、第1の工程が繰り返され得、その生成物は、第2の工程の生成物とスズキカップリングを実施することができる。第4の工程として、電荷輸送モノマーが第3の工程からの生成物に加えられ得、混合物はスズキカップリングを実施することができる。末端キャップ試薬がポリマーの末端をキャップするために第3又は第4の工程において使用され得る。
【0106】
図3を参照すると、第1の工程において、分散した長さを有し、各ポリマーの各末端に反応性末端基を有する電荷輸送ポリマーを形成するためにスズキカップリングによってモノマーを重合することにより、電荷輸送領域が形成される。また、それぞれ1又は2以上の金属錯体を含み、分散された長さを有するホストポリマーが、例えば、WO03/091355に記載の方法に基づいて製造される。各ホストポリマーの各末端における反応基を保持するために、ホストポリマーの製造のときに末端キャップ試薬は使用されない。
【0107】
第2の工程において、第1の工程からの生成物は燐光性材料を形成するためにスズキカップリングを実施する。
【0108】
図2及び3において、一般式Xを有するモノマーは、一般式XIを有するモノマーに置き換えられ得る。
【化22】
【化23】
X及びX’は、それぞれ反応性末端基を表す。pは0以上であり、Arはアリール又はヘテロアリール基を表す。好ましくは、Arはねじれたアリール又はヘテロアリール基を表す。
【0109】
図2及び3において、Ar及びAr’はそれぞれアリール又はヘテロアリール基を含む基を表す。
【0110】
実施例
実施例1−ホスト及び発光ブロックの生成
【化24】
3,9−ジブロモ−5,7−ジヒドロ−ジベンズ[c,e]オクセピン(モノマー1)がWO02/26856の実施例1の方法に基づいて製造された。
モノマー2は、WO02/068435の方法に基づいて製造された。
【0111】
モノマー1、2及び3が、43wt%:5wt%:52wt%の割合でスズキカップリングによって重合されて、それぞれボロン酸末端基を有する「ホスト及び発光ブロック」を形成した。
【0112】
実施例2−電荷輸送ブロックの生成
【化25】
モノマー4及びモノマー5は、52%:48%の割合でスズキカップリングによって重合させ、それぞれ臭素末端基を有する電荷輸送「ブロック」を形成した。
【0113】
実施例3−燐光性ポリマーの生成
実施例1及び2の生成物を合わせ、スズキカップリングによって反応させた。生成物は末端キャップ試薬を使用して末端キャップ化された。
【0114】
実施例4−燐光性ポリマーの生成
実施例1の生成物をモノマー4及び5と合わせた。B−A−Bブロックコポリマーを形成するためにスズキカップリングが実行された。Aは「ホスト及び発光ブロック」を表し、各Bは電荷輸送ブロックを表す。ホスト及び発光ブロックの長さは実施例1によって決められた。
【0115】
実施例4の生成物が末端キャップ試薬を使用して末端キャップ化された。
【0116】
もし望むなら、反応性末端基はB−A−Bブロックコポリマーの両末端に保持され得る。この場合、実施例1が繰り返され、この生成物は実施例4の生成物と結合されることがある。次いで、スズキカップリングが実行され、A−B−A−B−Aブロックコポリマーが形成されることがある。反応性末端基を保持するによって、A−B−A−B−Aブロックコポリマーがモノマー4及び5と結合され、スズキカップリングが実行されてB−A−B−A−B−A−Bブロックコポリマーが形成されることがある。同様の繰返しによって、他のA及びBブロックが加えられえる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明のOLEDの構造を示す。
【図2】本発明の第3の側面の燐光性材料を製造するための適切な手法を模式的に示す。
【図3】本発明の第3の側面の燐光性材料を製造するための他の適切な手法を模式的に示す。
【符号の説明】
【0118】
1 透明ガラス又はプラスチック基板
2 インジウム錫酸化物のアノード
3 発光層
4 カソード
Claims (20)
- 相分離発光層を有する有機発光装置であって、
電荷輸送材料を含む電荷輸送相、及び
前記電荷輸送相中に分散された複数の区別された発光区域を含む発光相であって、各発光区域はホスト材料及び燐光によって発光する1又は2以上の金属錯体を含む発光相
を備え、
前記電荷輸送材料は前記金属錯体のT1エネルギー準位より低いT1エネルギー準位を有し、前記ホスト材料は前記金属錯体のT1エネルギー準位より高いT1エネルギー準位を有する有機発光装置。 - 前記金属錯体は、510〜580の範囲の波長を有する緑色の光を発光する金属錯体である請求項1に記載の装置。
- 前記電荷輸送材料は電荷輸送ポリマーである請求項1又は2に記載の装置。
- 前記電荷輸送ポリマーは共役されている請求項3に記載の装置。
- 前記電荷輸送ポリマーは1又は2以上のアリール又はヘテロアリールの繰返し単位を含む請求項4に記載の装置。
- 前記1又は2以上のアリール又はヘテロアリールの繰返し単位は置換又は未置換のフルオレン基を含む請求項5に記載の装置。
- 各金属錯体基は、発光区域中においてホスト材料に共有結合している請求項1ないし6のいずれかに記載の装置。
- 前記ホスト材料は、ねじれたビフェニル基を有する繰返し単位を含む請求項1ないし7のいずれかに記載の装置。
- 各金属錯体基は遷移金属を有する請求項1ないし8のいずれかに記載の装置。
- 前記遷移金属はIrである請求項9に記載の装置。
- 各ホスト材料は前記電荷輸送材料に共有結合している請求項1ないし10のいずれかに記載の装置。
- 請求項1ないし11のいずれかで定義される装置の製造方法であって、
前記電荷輸送材料、ホスト材料及び金属錯体を含む溶液の層を堆積させ、前記層を時間をかけて相分離させて、電荷輸送相と複数の区別された発光区域を有する発光相を形成する工程を含む製造方法。 - 前記層を前記層中の各ポリマーのTg未満の温度でアニールする工程をさらに含む請求項12に記載の方法。
- ポリマー、及び
発光のための金属錯体を含む燐光性材料であって、
前記ポリマーはホスト領域及び電荷輸送領域を含み、各金属錯体はホスト領域に共有結合しており、各電荷輸送領域は前記金族錯体のT1エネルギー準位より低いT1エネルギー準位を有する電荷輸送ポリマーを有し、各ホスト領域は前記金属錯体のT1エネルギー準位より高いT1エネルギー準位を有するホストポリマーを有することを特徴とする燐光性材料。 - 各金属錯体はホストポリマーからの分岐である請求項14に記載の材料。
- スペーサー基が各金属錯体とそれが分岐しているホストポリマーの間に存在する請求項15に記載の材料。
- 各金属錯体は前記ホストポリマーの主鎖の一部を形成する請求項14に記載の材料。
- 一般式VIIIで示される式を有する請求項17に記載の材料。
- 請求項14ないし18のいずれかで定義される燐光性材料を製造する方法であって、
(1)一般式X又はXIを有する1又は2以上の第1のモノマーと第1のモノマーと異なるホストモノマーを重合することによって、1又は2以上の金属錯体と少なくとも2つの反応性末端基を有するホストポリマーを形成する工程
(2)工程(1)からの前記ホストポリマーと電荷輸送モノマー、電荷輸送オリゴマー、又は電荷輸送ポリマーを前記ホストポリマーの反応末端基によって占められている各位置においてカップリングする工程、
を含む方法。 - 工程(1)における重合及び工程(2)におけるカップリングをスズキカップリングによって行う請求項19に記載の方法。
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