JP2008521725A - 印刷機上で処理されるシートの配向および／または位置を制御する方法 - Google Patents

Abstract

印刷機上で処理するシート（１）の配向および／または位置を制御する方法に関し、各シート（１）がシート内に埋設された少なくとも一つのマーキング（１２，１５）を有し、マーキング（１２，１５）が印刷機上でシート処理を行う前にシート製造時にシート内に埋設される。マーキング（１２，１５）がシートの選択された場所に配置されかつシートの固有の配向および／または位置を形成している。前記方法は、シート上の選択された場所におけるマーキング（１２，１５）の存否、かつ／またはマーキング（１２，１５）の特徴的特質の存否をチエックする工程、およびマーキング（１２，１５）が選択された場所で検出されない場合、またはマーキング（１２，１５）の特徴的特質が選択された場所で検出されない場合に、警告信号を発生する工程を含む。本発明はシートに既に埋設された特質（例えば金属および／または磁気細片または糸、透かし模様等）をシートの配向および／または位置を制御するために制御マーキングとして使用できる利点を有する。

Description

本発明は、証券、銀行券、パスポート、ＩＤおよび他の同様証書の製造に使用されるシート等、印刷機上で処理されるシート（sheet)の配向および／または位置を制御する方法に関する。

紙等のシートを証券および他の同様証書用の印刷機で印刷するときに、一つの機械から他の機械へ移動するシートが他の機械に間違った側が載置されたりまたは間違って配置されたりすることは回避されなければならない。実際に、印刷作業が同一印刷機で実行されることはなく、従って、印刷されたシートは一つの機械から他の機械へ運搬されるか、または一つの機械で問題があればその機械から排出される。このような理由から、印刷シートは、印刷機に対して、常時、所定または既知位置にあり、紙の同一側そして表裏面に揃えて継続的に印刷するために基準となる印刷機に対して基準側が、確実に、適正に整合する必要がある。

従って、仮に継続シートを相互に他の手段により運搬または移動する場合であっても、一つの機械に導入するときにそれらを確実に適正位置へ設置する必要がある。そうでない場合には、機械が停止するかまたは不適性位置のシートは紙の損失を回避するために印刷されるべきでない。

シート上、特にシートの無印刷領域（マージンまたはシート上の印刷間スペース等）に、印刷マーキングを付与することが知られている。このマーキングは適宜読取りユニットにより読取ることができる。（例えば、ＵＳ４，１６５，４６５またはＵＳ６，６０１，５０７参照）。

選択的に、適宜検出手段により検出されるノッチ、カットアウト、またはエンボス領域を設けることが知られている（例えば、ＵＳ５，１９６，８６８またはＧＢ９５６１４５参照）。

しかしながら、両解決策は付与するマーキングを制御するために印刷機上にシートの付加的予備処理を必要とする。かかる予備処理は、シートを最初に処理する第一印刷機の入力時に必ず実行されなければならない。従って、ハードウエア資源を必要としかつ制御マーキング付与の実行のための消耗品を必要とする。

更に、制御マーキングが印刷に抵触すべきでない場合には、制御マーキングはシートの無印刷領域（例えばマージンまたは印刷欄または列間等に）に付与されなければならない。従って、このことは、シートの配向および／または位置を制御する可能性、そして印刷機上へ必要マーキングおよび読取りステーションを配置する能力を制限する。

本発明の課題は、シートの位置検出のための既知手段を改良することにある。

本発明の他の課題は、印刷されているシートの位置の早期検出により不適性な印刷シートを回避することである。

本発明の更に他の課題は、印刷されるシートの位置のチエックを可能にする単純な手段を提供することである。

本発明の他の課題は効果的制御手段を提供することである。

この課題から、本発明は請求項に記載の発明に従う。

課題を解決するための本発明による方法は、概ね、次の工程を含む。
−印刷機にシートを供給する工程、
供給される各シートは印刷機上でシートを処理する前に製造時にシート内に埋設された少なくとも一つのマーキングを既に有し、前記マーキングがシートの選択された場所に配置されかつシートの固有の配向および／または位置を形成している、
−シート上の選択された場所における前記マーキングの存在または不存在、かつ／または前記マーキングの特徴的特質（マーキングの形状またはマーキングの物理的属性、例えば金属または磁気特性、反射特性、透過性等）の存在または不存在をチエックする工程、および
−前記マーキングが選択された場所で検出されない場合、または前記マーキングの特徴的特質が選択された場所で検出されない場合に、警告信号を発生する工程。

本発明の思想は、印刷機上でシートを処理する前にシートの配向および／または位置を制御するためのマーキングとして、印刷されるシートに既に埋め込まれた特質の存在を利用する。「シートに埋設したマーキング」は、本発明の特許請求の範囲において、印刷機上でシートを処理する前の、シート製造時にシートに埋め込むマーキングを意味する。即ち、シート製造時に付与または形成する等によりシートそのものに密接に埋め込まれかつ一体化されたマーキングを意味する。シートの配向および／または位置を制御するためにマーキングが提示しなければならないマーキングの一つの特質は、マーキングがシートの独自の配向および／または位置を形成するものであることである。換言すれば、マーキングは、シート上のその場所、または空間的かつ／または物理的特性において、ある種の非対称形状を提示する。

本発明は、次に図面を参照する例示実施形態の説明から最良に理解されるであろう。

図１に概略的に示されたように、証券、特に銀行券の製造に使用されるシート（sheet)１０は、典型的には、プリント１１の行列状（matrix-like)配置を有する。ここではプリントの８行につき５列のアレイのプリントが示され、各プリントは印刷されるべき特定証券に対応する。製造時に、シート１０は、この例において、プリント１１の各列に沿って五つの平行細片または糸（threads)１２を有する。かる細片または糸１２は、典型例として金属および／または磁気細片であり製造時にシート内に直接的に埋め込まれる。かかる細片１２はシートに完全または一部が埋め込まれ、かつ特定名／シンボルもしくは所定貨幣価値等の可視マーキング、磁気コードまたはシンボル等の不可視マーキングを有してよい。この場合に、シートの固有の配向および位置は、シート上の細片１２の場所により形成され、かつ細片１２上に設けたマーキングにより形成可能である。細片有無の制御のために単一検出器が五つの細片１２のいずれか一つの通路に沿って設けられてよく、かつ従って、シートが適正配向されているかかつ／または適正位置にあるかを表示する。選択的または付加的に、検出器は細片１２上の可視または不可視マーキングを感知するために使用できる。言うまでもなく、使用される検出器は検出すべき特質、または少なくとも署名の有無をチエックすることのできるものである。

印刷機において、シート１０は基準マーキングまたは、またはストッパ４と整合する。基準マーキングまたはストッパは、各シートの基準位置を提供しかつ印刷機へ侵入するときに適正位置決めを確実にするために、印刷作業前にシートに整合する。これは、シートの先縁が整合する前ストッパ、およびシートの後縁が整合する少なくとも一つの後ストッパにより印刷機の供給場所で、通常、実行され、それによりシートは印刷前に精確に位置決めされ、それによりシートの適正レジスタを確実にする。

シート１０が適正位置に位置決めされたならば、簡単な読取り手段、例えば光学手段により、到来シート１０上でマーキング１２が検出できるか否かをチエックできる。マーキング１２が予期位置に存在しない場合、これはシートが間違って配向されているか、または上下逆になっているか（間違った配向か否か）、またはシートが欠陥を有するが故に印刷されるべきでないかを意味する。

全印刷工程時に、即ち複数の連続的印刷機内でのシートの全処理を通して、マーキング１２の存在は各印刷作業前に系統的にチエックされ印刷機に供給されるシートが適正に位置決めされていることを確認する。

図２は、行列配置にプリント１４を受ける証券製造に使用できるシート１３の他の実施形態を概略的に示す。図２の図示例において、シート１３の配向および／または位置を制御する目的に使用されるマーキングは、透かし模様１５である。透かし模様１５は図解目的から三角形で示されている。当然ながら、他の形状の透かし模様が本発明の目的を遂行するために想定できる。かかる透かし模様は、シート製造時にシート内に埋め込まれた例えばポートレート、またはその他のいずれのシンボルであってよい。

図２の例において、各プリント１４はそれぞれ透かし模様１５を有する。シート上の透かし模様１５の場所は、シートの独自配向および／または位置を形成し、かつ制御マーキングとして利用できる。更に、そのような透かし模様１５の形状は、その非対称形状によりシートの独自配向および／または位置を形成する。任意非対称形状が予測されている。

マーキングの検出は、適宜の選択可能検出手段により可視または不可視スペクトルで形成できる。選択的に、図１に示された金属および／または磁気細片として、金属または磁気特性を有するマーキングの場合に、マーキングそれ自体の物理的属性が、例えば適宜磁気検出器により、チエックされる。

図１および２との関連で安全糸および透かし模様の変形形態として、制御マーキングとして、シート製造時にシートに埋設された他のマーキングを使用できる。例えば、所謂ＯＶＤ（即ち、ホログラム等の光学的可変装置）をシート製造時にシートに一体化することが知られている。かかるＯＶＤの存否、および／またはかかるＯＶＤの特徴的特質（形状、反射性、光学微小構造等）が、シートの配向および／または位置を制御する目的のために本発明の範囲内で利用できる。

同様に、半または全透明窓領域を有するシートを提供することが知られている。この場合、同様に、窓領域は、シートの配向および／または位置を制御する目的のために本発明の範囲内で利用できる。この後者の例において、窓領域を照明するために簡単な照明装置およびシートの他の側に設置された適宜受光器が使用でき、かかる窓領域の通過を検出しかつそれによりシートが適当位置にあるか否かを表示できる。

更に一般的レベルで、シートは複数の連続的印刷機上で継続的に処理され、かつ好適にはその印刷機上の印刷作業を開始する前に（即ち、供給場所で）、制御マーキングのチエックおよび警告信号の発生は連続的印刷機の各々で実行される。

かかる文脈から、銀行券の製造のためのシートの処理、または同様証券のシート処理は、典型的には、オフセット印刷機（代表例としてＥＰ０９４４９０６９に例示として開示された同時表裏印刷するための印刷機）上でシートをオフセット印刷し、凹版印刷機（例えばＥＰ０４０６１５７に開示されたような）上で凹版印刷し、かつナンバリング機（例えばＥＰ１３６４８０９）上で番号を付けする。シートは、更に、他の印刷または処理機、例えばシート上にフォイルまたはパッチを付与するためのフォイルスタンピング機、シルクスクリーン印刷により要素を印刷するためのスクリーン印刷機、シート上にワニスまたはラッカーを塗布するワニス塗布機、同様に、特にシートを個別証券に切断しかつ証券を収集かつ包装して束またはパックにする仕上げ設備で処理されてよい。

当業者に自明なように特許請求の範囲に記載の発明の範囲から逸脱することなく上記実施形態に種々の改変および／または改良が可能であることは理解されるであろう。

シート内で相互に平行に埋設された複数の金属および／または磁気細片または糸を含む銀行券の製造に使用される例示シートを概略的に示す。 シート内で埋設された行列状 配置の複数の透かし模様を含む銀行券の製造に使用される例示シートを概略的に示す。 本発明による方法の概略的ブロック図を示す。

Claims (14)

1. 印刷機上で処理するシート（１）の配向および／または位置を制御する方法であって、
   各シート（１）がシート内に埋設された少なくとも一つのマーキング（１２，１５）を有し、
   前記マーキング（１２，１５）が印刷機上でシート処理を行う前にシート製造時にシート内に埋設され、
   前記マーキング（１２，１５）がシートの選択された場所に配置されかつシートの固有の配向および／または位置を形成している、方法において、
   シート上の選択された場所における前記マーキング（１２，１５）の存在または不存在、かつ／または前記マーキング（１２，１５）の特徴的特質の存在または不存在をチエックする工程、および
   前記マーキング（１２，１５）が選択された場所で検出されない場合、または前記マーキング（１２，１５）の特徴的特質が選択された場所で検出されない場合に、警告信号を発生する工程を含む、方法。
2. シートが銀行券または有価証券の製造に使用される、請求項１の方法。
3. 前記マーキングがシートに埋設された金属および／または磁気細片または糸（１２）である、請求項１または２の方法。
4. 各シートは、シート内に相互に平行に埋設された複数の金属および／または磁気細片（１２）を含む、請求項３の方法。
5. 前記マーキングはシートに埋め込まれた透かし模様（１５）である、請求項１または２の方法。
6. 各シートは、シート内に埋め込まれた複数の透かし模様（１５）を含み、透かし模様（１５）は行列状（matrix-like)に配置されている、請求項５の方法。
7. シート上の前記マーキング（１２，１５）の場所はシートの独自位置および配向を形成する、請求項１から６のいずれか１の方法。
8. 前記マーキング（１５）は、シートの独自位置および配向を形成する非対称形状を有する、請求項１から７のいずれか１の方法。
9. 前記印刷機はシート上に行列状配置のプリント（１１，１４）を印刷し、プリント（１１，１４）の各々が少なくとも一つのマーキング（１２，１５）を有する、請求項１から８のいずれか１の方法。
10. シートを複数の連続的印刷機で継続的に処理し、かつ前記マーキングのチエックおよび警告信号の発生を連続的印刷機の各々で実施する、請求項１から９のいずれか１の方法。
11. 複数の前記連続的印刷機は、少なくとも、シートのオフセット印刷を実施するためのオフセット印刷機、シートの凹版印刷を実施するための凹版印刷機、およびシートに番号を付けるナンバリング機を含む、請求項１０の方法。
12. 印刷機上でのシート処理時にシートの配向および／または位置を制御するために証券の製造が意図されたシートに埋設されるマーキング（１２，１５）を使用する方法であって、前記マーキング（１２，１５）が、印刷機上でシート処理する前の、シート製造時に埋め込まれる、マーキングの使用法。
13. 前記マーキングが、シート内に埋め込まれた金属および／または磁気細片または糸（１２）である、請求項１２の使用法。
14. 前記マーキングはシートに埋め込まれた透かし模様（１５）である、請求項１２の使用法。

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