JP2008517466A - ウェハ温度制御のための方法およびシステム - Google Patents

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Abstract

ウェハの温度を制御するためのシステムおよび方法を開示する。これらのシステムおよび方法は、1つ以上のプロセスチャンバにおけるウェハの温度を制御するようタンデムに動作可能なサブシステムおよびコントローラを含む裏側ウェハ圧力制御システム(BSWPC)を用い得る。当該サブシステムは、ウェハの裏側へのガスの流れを制御するための機械的な構成要素を含み得るが、当該コントローラは、これらの機械的な構成要素を制御するのに用いられて、プロセスチャンバにおけるウェハ温度を制御し得る。さらに、これらのシステムおよび方法の実施例はまた、粗い温度制御および細かな温度制御をもたらすよう冷却器とコントローラとを併用してもよい。

Description

関連出願および特許
本願は、2004年10月14日に出願され「一体的な圧力および温度制御のための方法およびシステム(″Method and System for Integrated Pressure and Temperature Control″)」と題され、引用によりこの明細書中に十分に引用されるケネス・E・ティンズリー(Kenneth E. Tinsley)およびスチュアート・A・チゾン(Stuart A. Tison)による米国仮特許出願第60/619,414号の優先権を米国特許法第119条のもとで主張する。
発明の技術分野
この発明は、概して、処理環境におけるウェハの温度を制御するための方法およびシステムに関し、より特定的には、細かいまたは粗い精度の温度制御のためのシステム化された方法およびシステムに関する。
発明の背景
現代の製造プロセスでは、しばしば、特定の製造段階中に正確な化学量論的比率が必要となる。これは、プロセスチャンバを用いる半導体製造時には特に当てはまる。これらの正確な化学量論的比率が必要とされるので、製造中の(しばしばウェハと称される)対象物の温度が重要となる。というのも、プロセスチャンバおよびウェハに関する活性な化学的性質がプロセスチャンバおよびウェハ自体の両方の温度によって影響を被ってしまうからである。
より具体的には、ウェハの温度は、堆積またはエッチングの適用中には特に重要であり得る。したがって、これらのような製造プロセス中にウェハの温度を制御することが大いに所望される。温度制御は、これらのウェハに関する場合、ウェハの平均温度に対して重要となる可能性がある。しかしながら、ウェハの特定の位置に対してウェハの温度を制御することも重要となり得る。たとえば、特定のプロセス中にウェハ表面に亘って温度勾配を設けることが所望されるかもしれない。
現在、ウェハの温度の制御は、概して、2つの技術を用いることによって達成される。これらのうち第1のものとして(冷却器として公知の)熱交換器が含まれる。これらの冷却器は、ウェハチャックを冷却するためのさまざまな手段を用いて、当該チャック上のウェハの温度を制御し得る。しかしながら、これらの種類の技術にはいくらか問題があるかもしれない。というのも、冷却器の使用が、プロセスチャンバにおけるウェハの温度の大まかな制御にしか適していない可能性があるからである。
ウェハの温度を制御するための別の方法は、ウェハとウェハチャックとの間に圧力制御された(通常は不活性の)ガスを導入することである。ウェハチャックの上に通気口が付いていてもよく、ここを通じてガスをウェハの裏側に出すことができる。ウェハの裏側に流れ出すガスの圧力を制御することにより、ウェハの温度を制御することができる。この技術にも問題がある。ウェハの裏側に流れ出すガスの圧力を制御しても、極めて細かな温度制御しか行なうことができないかもしれない。このため、いくつかの製造プロセスにおいては、ウェハの温度が、裏側の冷却ガスを用いる温度制御システムの冷却能力を上回ってしまう可能性がある。さらに、場合によっては、ウェハが大型であれば、所望のウェハ
温度を維持するためにウェハの複数のゾーンを設け、これらのゾーンの各々におけるガスの圧力を制御することが必要となり、これらの温度制御システムがさらに一層複雑になる可能性がある。
ウェハのための温度制御システムは、大抵の場合、プロセスチャンバごとに実現されるので、実現するのにもかなり費用がかかってしまう可能性がある。言い換えれば、ウェハ温度制御の実現が所望される各々のプロセスチャンバのために、ウェハ温度制御に必要な物理的なハードウェアを組込むことが必要になるかもしれない。
上述の温度制御方法のいくつかの制約は、これらのシステムに利用可能なデータが不足していることに起因する。典型的には、ウェハ自体の実際の温度を判定するための方法がないので、これらのシステムは、典型的にはウェハの温度自体を考慮に入れていない制御アルゴリズム、または、ウェハの温度に影響を及ぼし得る他のプロセス変数を用いる。加えて、用いられるプロセス変数の数が限られているので、これらの制御アルゴリズムは、クロストークの問題を被る可能性がある。
こうして、上述のように、ウェハの温度または他のプロセス変数を考慮に入れることのできる、ウェハの温度を制御するための低コストのシステムおよび方法が必要とされる。
発明の概要
ウェハの温度を制御するためのシステムおよび方法を開示する。これらのシステムおよび方法は、1つ以上のプロセスチャンバにおけるウェハの温度を制御するようタンデムで動作可能なサブシステムおよびコントローラを含む裏側ウェハ圧力制御システム(BSWPC)を用い得る。当該サブシステムは、ウェハの裏側へのガスの流れを制御するための機械的な構成要素を含み得るが、当該コントローラは、これらの機械的な構成要素を制御するのに用いられて、プロセスチャンバにおけるウェハ温度を制御し得る。さらに、これらのシステムおよび方法の実施例はまた、粗い温度制御と細かな温度制御とをもたらすよう冷却器とコントローラとを併用してもよい。
一実施例においては、ウェハの温度を含み、プロセスチャンバに関連付けられるプロセス変数の組が検知され、設定値と当該プロセス変数の組とを用いて誤差が算出され得る。この誤差に基づいて、ウェハに流れ出すガスの圧力が、当該誤差を減ずるよう調整され得る。
他の実施例においては、当該誤差に基づいて冷却器が制御されてもよい。
この発明の或る実施例は、ウェハの温度に関するデータを検知するための温度センサと、ウェハに流れ出すガスの圧力を調節するよう動作可能なサブシステムと、設定値およびプロセス変数の組を用いて誤差を算出し、当該算出された誤差に基づいて当該サブシステムを制御するよう動作可能な制御システムとを用い得る。
いくつかの実施例においては、当該制御システムは、一次熱伝導方程式を用いてもよい。
この発明の実施例は、ウェハの温度を制御する際に、ウェハの温度またはその代用物および他のプロセス変数を考慮に入れることを可能にするといった技術的な利点を提供し得る。ウェハの裏側へのガスの圧力を調節するよう意図された冷却器およびサブシステムを一緒に用いることにより、この発明の或る実施例はまた、粗い精度の温度制御と細かい精度の温度制御とを併用できるようにするといった技術的な利点を提供し得る。粗い精度の
温度制御と細かい精度の温度制御とをともに可能にすることにより、温度設定値と実際の温度との間の誤差をより有効に小さくするだけでなく、必要とされるいかなる温度変化についての勾配をもより容易に最適化することができる。
さらに、この発明の実施例のうちのいくつかは、ガスの流れを調節することを意図したサブシステムと、プロセスチャンバ、およびこれらのサブシステムを制御するためのコントローラとを組合せることによってシステム化され得る。これにより、これらのようなシステム化されたウェハ温度制御システムをツールコントローラから分離することが可能となり、こうして、ウェハ温度制御システムと、これによりプロセスツール自体とのコストおよび複雑さを低減させることが可能となり得る。
同様に、この発明の実施例が、ガスの流れを調節することを意図したサブシステムをプロセスチャンバの中に分散させることを可能にし得る一方で、これらのサブシステムを制御するよう意図された制御システムは、中心に集められ、ツールコントローラから分離され得る。これにより、この種類の実施例がさらに長い応答時間を呈することを可能にしながらも、コストおよび複雑さの低減を可能にする。
この発明のこれらおよび他の局面は、以下の説明および添付の図面に関連して考慮されると、よりよく認識かつ理解されるだろう。以下の説明は、この発明のさまざまな実施例およびその多数の特定の詳細を示しながらも、限定ではなく例示を目的として記載される。多くの代替例、変更例、追加例または再構成例はこの発明の範囲内で作製され得、この発明は、このような代替例、変更例、追加例または再構成例をすべて含む。
添付の図面およびこの明細書の形成部分は、この発明のいくつかの局面を示すために組込まれている。この発明、ならびにこの発明を備える構成要素およびシステムの動作についてのより明瞭な印象は、添付の図面に示される例示的、かつこれにより非限定的な実施例を参照することによってより容易に明らかとなるだろう。この添付の図面においては、同一の参照番号は同じ構成要素を示す。なお、図面に示された特徴が必ずしも縮尺通りには描かれていないことに留意されたい。
詳細な説明
この発明ならびにそのさまざまな特徴および有利な詳細が、添付の図面に示され以下の記載において詳述される非限定的な実施例に関連して、より十分に説明される。周知の出発原料、処理技術、構成要素および機器の説明は、この発明の詳細を不必要に不明瞭にするのを避けるために省かれている。しかしながら、詳細な説明および特定の例が、この発明の好ましい実施例を示しながらも、限定ではなく例示を目的として記載されていることが理解されるべきである。明細書を読んだ後には、添付の特許請求の範囲から逸脱することのないさまざまな代替例、変更例、追加例および再構成例が、この開示から、当業者により明らかとなるだろう。
ここで、ウェハの温度を制御するためのシステムおよび方法に注目されたい。これらのシステムおよび方法は、1つ以上のプロセスチャンバにおけるウェハの温度を制御するようタンデムに動作可能な機械的なサブシステムおよびコントローラを含む裏側ウェハ圧力制御システム(BSWPC)を用い得る。当該機械的なサブシステムは、ウェハの裏側へのガスの流れを制御するための機械的な構成要素を含み得、当該コントローラは、これらの機械的な構成要素を制御するのに用いられて、プロセスチャンバにおけるウェハ温度を制御し得る。さらに、これらのシステムおよび方法の実施例はまた、冷却器とコントローラとを併用して、粗い温度制御と細かな温度制御とをもたらし得る。
BSWPCのコントローラは、1つ以上のプロセスチャンバにおけるウェハの温度を制御するための閉ループ制御アルゴリズムを用いてもよい。当該制御アルゴリズムは、ウェハ温度またはその代用物を含む複数のプロセス変数を用いて、ウェハの裏側におけるガスの圧力および/または冷却器を制御して、ウェハの温度を(直接的または間接的に)制御し得る。
裏側ウェハ圧力制御を実現するための複数の方法と、冷却器/チャック温度制御システムを実現するための複数の方法とがあり、一実施例においては、この発明が、任意の数のプロセス変数入力を用いて閉ループシステムにおけるウェハ温度を制御、監視、調整または補正するようこれらの種類のシステムのうちの1つまたは両方を制御するコントローラを提供することを当業者は理解するだろう。より具体的には、ウェハ温度が設定値の或る警告範囲から外れた場合、この発明は、フィードバック情報を用いてウェハ温度を補正および調整することができる。BSWPCをシステム化することにより、プロセスツールの複雑さを軽減してウェハ製造プロセスを向上させつつ、同時に、これらのプロセスまたはこれらのプロセスを実現するシステムのコストを低減させ得る。
図1を参照すると、この発明の裏側ウェハ圧力制御(BSWPC)システムの一実施例を含むプロセスツール100のブロック図が示される。プロセスツール100はプロセスチャンバ14を含み得る。当該プロセスチャンバ14の各々はウェハチャック12を含み得る。BSWPCシステム10は、ウェハチャック12上に配置されたウェハ(または、この実施例には図示されない冷却器)の裏側に送出されるガスの圧力と、これにより、ウェハの温度とを制御するよう動作可能であり得る。
BSWPCシステム10は、プロセスチャンバ14のうちのいずれか1つに送出されるガスの圧力を制御するためのコントローラと、ウェハチャック12上のウェハの裏側への所望の圧力を達成するのに適切な流れを供給するための(機械的等の、たとえばバルブ/センサであり得るが、機械的なサブシステムと総称され得る)構成要素を含むサブシステムとを含み得る。図示のとおり(各々のウェハ(図示せず)のための)各々のウェハチャック12は、ライン16を介してBSWPCシステム10に接続される。こうして、特定のライン16を介してガスの流れを調節または制御することにより、BSWPCシステム10は、特定のチャック12上のウェハの裏側へのガスの圧力を制御し得る。
一実施例においては、プロセスツール100は、ライン18を介してウェハ温度またはその代用物を信号入力としてBSWPCシステム10に供給するために各プロセスチャンバ14のための温度センサ20を含み得る。温度センサ20は、プロセス環境において、局所化されたウェハ温度情報または局所化されたウェハ温度に関するデータをBSWPCシステム10に供給することのできる光学温度センサまたは他のいかなる温度センサであってもよく、ウェハの温度またはウェハの温度に関する情報、たとえば、チャックの温度、ガスの温度、またはガス温度に対して代用物として用いられ得るプラズマパワーなどを供給する温度センサを含み得る。プロセスツール100はまた、圧力遷移を補償するのに用いられ得る使用ポイント(POU)の圧力を与えるための圧力センサ42を含み得る。BSWPCシステム10が、単一のガスラインによって供給されるガスを用いて各プロセスチャンバ14への裏側のウェハ圧力を調節し得るので、BSWPCシステム10はまた、単一の上流の圧力センサ40からのデータを用いて上流の圧力遷移を補償し、付随するコストを下げることができる。
動作中に、BSWPCシステム10は、ツールコントローラ30から、1つ以上のプロセスチャンバ14またはウェハチャック12上のウェハに関連付けられる設定値(たとえば、圧力または温度)を受信し得る。この設定値に基づいて、BSWPCシステム100は、温度センサ20、圧力センサ40、42またはツールコントローラ30によって供給
されるものを含むプロセス変数を用いて、そのプロセスチャンバ14に関連付けられる圧力制御装置を制御することにより、ウェハチャック12上の1つ以上のウェハの裏側におけるガスの圧力を制御し得る。したがって、BSWPCシステム10は、(以下により十分に説明されるとおり)BSWPCシステム10で受信された入力に基づいてウェハ温度における誤差を実際に制御しかつ補正することができる。温度センサ20または圧力センサ40、42によって与えられるデータがBSWPCシステム10に直接供給されて、ツールコントローラ30が要する計算の複雑さを減らし得ることに留意することが重要である。
この実施例において、BSWPCシステム10がコントローラおよびサブシステムをともに含むので、この実施例は、(BSWPCシステム10から)ツールコントローラ30へのインターフェイスを1つにすることと、単一の上流の圧力センサ40を使用することとを可能にして、BSWPCシステム10についての空間要件と、プロセスツール100の複雑さと、これに応じてプロセスツール100のコストとを低減させ得る。
図1に関連して説明されるこの発明の実施例は、プロセスツールのコストを低減させることが重要な問題点である場合に有用であり得るが、他の場合には、より迅速な応答時間および温度制御を達成することが望ましいかもしれない。これらの目的を達成するために、この発明のいくつかの実施例においては、BSWPCシステムの機械的なサブシステムが分散されてもよい。
図2は、この発明の代替的な実施例のブロック図を示す。プロセスツール100はプロセスチャンバ14を含み得る。プロセスチャンバ14の各々はウェハチャック12を含み得る。BSWPCシステムは、ウェハチャック12上に配置されたウェハの裏側に送出されるガスの圧力と、これによりウェハの温度とを制御するよう動作可能であり得る。
BSWPCシステムは、BSWPCサブシステム24を制御するための単一のコントローラ22を含み得る。当該コントローラ22は、別個であり離れているBSWPCサブシステム24の各々のために制御機能を提供する。当該BSWPCサブシステム24の各々はプロセスチャンバ14に結合されている。BSWPCサブシステム24は、コントローラ22によって指示されるとおりに流れの調整を行なって、それぞれのプロセスチャンバ14におけるウェハチャック12上のウェハでの裏側の圧力を制御するための装置(機械的、等)を備える。
一実施例においては、BSWPCサブシステム24は、圧力変換器、バルブおよび流量計/センサを含む。別の実施例においては、BSWPCサブシステム24は、図4Aまたは図4Bに示される(以下により詳細に説明される)一体化された圧力制御装置のうちの1つを含み得る。
動作中に、BSWPCコントローラ22は、ツールコントローラ30から、1つ以上のプロセスチャンバ14またはウェハチャック12上のウェハに関連付けられる設定値(たとえば、圧力または温度)を受信し得る。これらの設定値に基づき、BSWPCコントローラ22は、温度センサ20、圧力センサ40、42またはツールコントローラ30によって与えられるデータを含むプロセス変数を用いて、ウェハチャック12上の1つ以上のウェハの裏側におけるガスの圧力を調節するために1つ以上のBSWPCサブシステム24を制御し得る。したがって、BSWPCコントローラ22は、サブシステム24を制御することにより、(以下により十分に説明されるとおり)受信された入力に基づいてウェハ温度における誤差を実際に制御および補正し得る。コントローラ22がサブシステム24とは別個であるので、この実施例はまた、ツールコントローラ30に対して単一のインターフェイスを可能にする。
以上のように、図2に示されるこの発明の実施例は、小型のBSWPCサブシステム24をウェハチャック12の隣りまたはその近傍に直接設置しながらも、コントローラ22にある遠隔の電子機器および制御によって制御することを可能にする。図1に示されるこの発明の実施例と比べて、図2の実施例が、BSWPCサブシステム24とウェハチャック12との間のガス量を減らし、こうして、より迅速な応答時間による改善された圧力制御を可能にすることが分かるだろう。
図1および図2に関連して示されるこの発明の実施例はウェハチャック上のウェハの温度を調節するのに有効であるが、ウェハの裏側に導入されるガスの圧力を調節することによる温度制御の使用は、比較的小さな窓内でウェハの温度を調節するのに最も有用であり得、高精度の制御をもたらし得る。しかしながら、多くの製造プロセスでは、異なる段階間において比較的大きな温度の変動が必要とされる可能性がある。このため、ウェハの温度を制御するための能力においてより粗い精度を達成する方法がまた、所望される。
図3は、このような制御を有するこの発明の一実施例を示す。プロセスツール100は、図1のBSWPCシステム10を含むが、ここでは、ウェハチャック12およびBSWPCシステム10の両方に結合された冷却器60を含む。図3のBSWPCシステム10は、図1に関連して記載されたとおり、BSWPCコントローラを用いて、裏側のウェハ圧力(および、これによりウェハ温度)を制御する。加えて、この実施例においては、BSWPCコントローラは、ウェハチャック12の温度(および、これによりウェハ温度)を調節するよう冷却器60を制御する。BSWPCコントローラは、冷却器60に設定値を送信することによって当該冷却器60を調節し得るか、または、BSWPCコントローラは冷却器60の構成要素を制御し得る(たとえば、個々のチャンバ温度を制御するのに必要な冷却器60の個々の熱変換器および圧縮器を制御し得る)。
動作中に、BSWPCシステム10は、ツールコントローラ30から、1つ以上のプロセスチャンバ14またはウェハチャック12上のウェハに関連付けられる圧力または温度設定値を受信し得る。これらの設定値に基づいて、BSWPCシステム10は、温度センサ20、圧力センサ40、42またはツールコントローラ30によって供給されるものを含むプロセス変数を用いて、ウェハチャック12上の1つ以上のウェハの裏側におけるガスの圧力と冷却器60とを制御し得る。この態様では、BSWPCコントローラは、高度な温度制御、粗調整能力および微調整能力、ならびに、特定のプロセスに必要とされ得る温度のいかなる変化についての勾配をも最適化するための能力を有するだろう。
図3に示されるこの発明の実施例は図1の単一の一体化されたBSWPCを用いているが、図3に示され同様の効果を有する単一の一体化されたコントローラ/サブシステムの代わりに、図2の分散された遠隔のBSWPCコントローラおよび個々のBSWPCサブシステムが用いられてもよいことが、当業者に明らかとなるだろう。
ここで図4Aを参照すると、BSWPCサブシステム24内でまたはBSWPCシステム10のサブシステムとともに用いられ得る圧力制御装置70の一実施例の機能図が示される。図4Aは、ガスライン26から入って空気制御バルブ72へと進んでいくガスを示す。当該空気制御バルブ72は、ガスが制御装置70を通って流れることを可能にするオン/オフバルブであり得る。当該ガスは、空気バルブ72から質量流量計74(たとえば、熱センサ)と比例制御バルブ76とを通って流れ、その後、通気口78を介してウェハチャック12に向かう(他の実施例においては、比例制御バルブ76は質量流量計74の上流に配置されてもよい)。制御装置70はPOUまたは使用ポイント圧力センサ52を含み得る。当該圧力センサ52は、ウェハチャック12に到る通気口78と、真空ポンプに到る固定オリフィス(孔)を介する接続部とを通って流れるガスの圧力を検知するよう
動作可能であり得る。通気口78を通って流れるガスの圧力が調整され得るように、固定オリフィスを用いてガスを抜いてもよい。
しかしながら、場合によっては、制御装置70における固定オリフィスの使用は、制御装置70の遷移時間または制御装置70の動的範囲に関する制限要因となるおそれがある。というのも、固定オリフィスは、制限された組のパラメータに対してしか最適化され得ないからである。固定オリフィスを利用することの制限のうち、すべてではないにしてもいくつかを軽減するために、固定オリフィスではなくスロットル(絞り)オリフィスを制御装置70とともに用いてもよい。図4Bは、BSWPCサブシステム24内でまたはBSWPCシステム10のサブシステムとともに用いることができ、スロットルオリフィスを用いる圧力制御装置70の一実施例の機能図を示す。通気口78を通って流れるガスの圧力が調整され得るように、固定オリフィスではなくスロットルオリフィスを用いてガスを抜くことにより、制御装置70は、より広い動的範囲内で動作可能かつ有効となり得る。
図4Aおよび図4Bに示される一体化された圧力制御装置70は、ウェハの裏側における圧力を制御するのに用いられる場合に特に有効であり得るが、裏側のウェハ圧力を制御するために他の同様の装置がこの発明の実施例とともに用いられてもよい。加えて、裏側のウェハ圧力を制御するための能力は公知であり、先行技術で提供されるものを含む開発すべき公知の方法を用いてこの発明の実施例において実行可能となるが、この発明のシステムおよび方法の他の実施例では新しく新規な方法を用いてもよい。
ここで、図1〜図3に示されるこの発明のシステムおよび図4Aの圧力制御装置についての新規な実施例とともに、裏側のウェハ圧力を制御するためのこれらの先行技術の方法のうちの1つを説明することが有用であり得る。図5は、ウェハの裏側へのガスの圧力を制御するための先行技術のこのような圧力制御サブシステム45を示す。圧力設定値入力46は、ツールコントローラ30によって比較器または加算器48に供給される。比較器48はまた、POU圧力センサ52またはPOU圧力センサ42からPOU圧力信号を受信する。(検知された圧力と圧力設定値とを比較する)比較器48からの結果が、比例制御バルブ76を制御するよう比例積分微分(PID)コントローラ54に送信され得る。POU圧力センサ52はまた、ツールコントローラ30を含むシステムの他の部分に、圧力出力56として圧力信号を送信し得る。また、図5に図示のとおり、質量流量計74は、フロー出力信号58を当該システムの別の部分(たとえば、ツールコントローラ30)に供給し、このプロセスにおいて公知の曲線適合関数を用いることができる。
図5に関連して示される圧力制御方法はガスの圧力を制御するのにいくらか有効であるが、ウェハの温度を生じさせるためにガスの圧力を制御する場合、ウェハ自体の温度を含む多種多様なプロセス変数を制御アルゴリズムとともに用いることが特に有用であり得る。
図6は、この発明に従ったチャンバ動作(たとえば、堆積、エッチングなど)中のウェハ温度を制御するのに用いられる閉ループ制御システム80の一実施例を示す。閉ループ制御システムは、特に、プロセスチャンバ12のうちの1つにおけるウェハの温度の調節に関連して、図1〜図4に示されるこの発明のシステムとともに説明される。
ツールコントローラ30(または全体的なシステムコントローラ)は設定値入力82を供給し得る。ツールコントローラ30からのこの設定値入力82は、圧力設定値、温度設定値またはフロー設定値であってもよい。特定の種類の設定値は指数値で示されてもよい。たとえば、各々の設定値入力についての指数は以下のとおりである。
設定値タイプ 指数
圧力 0
流れ 1
ウェハ温度 2
一実施例においては、この発明はセレクタ(たとえば、比較器/加算器/誤差算出装置84の一部であり得るかまたは比較器84とは別個であり得るプロセッサおよびソフトウェアまたは他の翻訳機構)を含み得る。当該セレクタは、どんな種類の設定値情報がツールコントローラ30から生じていたかを特定する情報を受信し得る。一例として、セレクタへのこのような情報のフォーマットはSP<x,y>であってもよく、この場合、xは指数を表わし(たとえば、変数として、0は圧力を示し、1は流れを示し、2はウェハ温度を示す)、yは適切な変数において所望される設定値を示す(たとえば、SP<1,200>は、設定値変数が流れであり、所望の設定値が200sccmであることを示し得る)。以下の説明のために、設定値入力82は温度設定値として記載される。
設定値を受信した後、閉ループ制御システム80は、測定または算出されたさまざまなプロセス変数を用いて、(たとえば、フロー制御によって)裏側のウェハ圧力または(たとえば、冷却器制御によって)チャック温度のうちの1つまたは両方を調節することにより、プロセスチャンバ14におけるウェハの温度を制御し得る。
一実施例においては、比較器84は、ツールコントローラ30からの入力設定値82と、検知されたPOU圧力(裏側のウェハ圧力)85、質量流量信号87、ウェハ温度89および上流の圧力91のような、圧力、流れおよび温度のプロセス変数(たとえば、検知された信号または変更され検知された信号)とを取得する。
POU圧力85(裏側のウェハ圧力)はPOU圧力センサ52またはPOU圧力センサ42から受信され得る。質量流量信号87は、質量流量センサ88によって検知され、1つ以上の補正係数または曲線適合アルゴリズムによって補正される質量流量であり得る。ウェハ温度89は温度センサ20によって検知され得、上流の圧力91は上流の圧力センサ40によって検知され得る。これらのプロセス変数の各々は、対応するセンサまたはツールコントローラ30から直接送信されてもよい。
これらのプロセス変数から、比較器84は、設定値入力82に関する誤差を算出し得る。この誤差の算出は、一実施例においては、以下の形式の一次熱伝導方程式を用いることによって行なわれてもよい。
E(t) = Setpoint - K1 *POU_Pressure - K2 *Mass_Flow - K3 *Wafer_Temp - K4 *Up_Pressure
いくつかの実施例においては、一次熱伝導方程式は以下の形式であってもよい。
E(t) = Setpoint ? K1*POU_Pressure ? K2*Mass_Flow ? K3*Wafer_Temp - K4*Up_Pressure
この場合、K1、K2、K3およびK4についての値の範囲は、システム量、システム質量、システム概略、材料および所望の応答特性に応じて異なっていてもよいが、典型的には、実質的に0から実質的に10,000の範囲である。
誤差を算出する際に比較器84が用いるアルゴリズムで用いられる各々のプロセス変数が係数Kを用いることに留意されたい。誤差アルゴリズムにおけるこれら第K項の値は、所望のプロセス制御を達成するようスケーリングされてもよい。また、特定のプロセス変数とともに0のKを用いることにより、そのプロセス変数が誤差の算出から取除かれ得ることにも留意されたい。
こうして、上述の方程式の形を用いることにより、比較器84は、誤差値を決定するために入力82、85、87、89および91(またはその部分集合)を用いて誤差値を決定することができる。次いで、この誤差値がコントローラ94に供給され得る。コントローラ94は、この誤差値に基づいて、(コントローラ94から受取った入力に基づいて冷却器60または冷却器60のサブコンポーネント(たとえば熱変換器)に制御信号を出力するよう動作可能である)温度コントローラ98、ならびに/または、圧力制御装置70の圧力および/もしくは流れを制御するための制御バルブ76、のうちの1つまたは両方に適切な出力を供給し得る。この態様では、ウェハ温度制御システム80は、細かな(裏側のウェハ圧力)温度制御および粗い(冷却器)温度制御でもってウェハ温度を制御することができる。図6に図示のとおり、一体化されたウェハ温度制御システム80はまた、ツールコントローラ30への出力として圧力94および質量流量96の信号を供給し得る(図示されていないが、ウェハ温度および上流の圧力もまたツールコントローラ30に供給され得る)。
なお、図6の閉ループ制御システムを図1〜図3および図4Aに関連して記載してきたが、閉ループ制御システムは、他のBSWPCシステムとともに用いられてもよく、図1〜図3のBSWPCシステムは、図4Aおよび図4Bに関連して記載される以外の圧力制御装置と、図6に関連して記載される以外の制御システムとともに用いられてもよい。
以上の明細書においては、特定の実施例を参照してこの発明を説明してきた。しかしながら、当業者であれば、さまざまな変形例および変更例が、添付の特許請求の範囲に記載のとおり、この発明の範囲から逸脱することなく実施可能であることを認識する。したがって、この明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で捉えられるべきであり、このような変形例はすべて、この発明の範囲内に含まれるよう意図されている。
利益、他の利点および問題の解決策を特定の実施例に関連して上述してきた。しかしながら、当該利益、利点、問題の解決策、および、いかなる利益、利点または解決策をも想起させ得るかまたはより明白にさせ得るいかなる構成要素も、クレームのいずれかまたはすべてについての重要な、所要の、または本質的な特徴または構成要素として解釈されるべきではない。
一体化された裏側ウェハ圧力制御システムの一実施例を示すブロック図である。 機械的なサブシステムが分散されている裏側ウェハ圧力制御システムの一実施例を示すブロック図である。 冷却器を含む一体化された裏側ウェハ圧力制御システムの一実施例を示すブロック図である。 この発明の実施例とともに用いられ得る一体化された圧力制御装置の実施例を示す概略図である。 この発明の実施例とともに用いられ得る一体化された圧力制御装置の実施例を示す概略図である。 先行技術の圧力制御システムを示す図である。 ウェハ温度制御システムの一実施例を示す図である。

Claims (29)

  1. プロセスチャンバにおけるウェハの温度を制御する方法であって、
    ウェハの温度を含み、プロセスチャンバに関連付けられるプロセス変数の組を検知するステップと、
    設定値および前記プロセス変数の組を用いて誤差を算出するステップと、
    前記誤差に基づいて、ウェハに流れ出すガスの圧力を制御するステップとを含む、方法。
  2. 前記誤差に基づいて冷却器を制御するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記誤差に基づいて前記冷却器のための制御信号を算出するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. ガスの圧力を制御するステップは、圧力制御装置を制御するステップを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記圧力制御装置は固定オリフィスを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記圧力制御装置はスロットルオリフィスを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記圧力制御装置のための制御信号を算出するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  8. 前記プロセス変数は、使用ポイント(POU)の圧力、質量流量および上流の圧力を含む、請求項2に記載の方法。
  9. 前記質量流量は、曲線適合アルゴリズムを用いて補正されている、請求項8に記載の方法。
  10. 誤差を算出するステップは、係数で前記プロセス変数の各々を変更するステップを含む、請求項2に記載の方法。
  11. 誤差を算出するステップは、一次熱伝導方程式を用いて行なわれる、請求項10に記載の方法。
  12. 誤差を算出するステップは、E(t) = Setpoint - K1 *POU_Pressure - K2 *Mass_Flow - K3 *Wafer_Temp - K4 *Up_Pressure、の形式の方程式を用いて行なわれる、請求項10に記載の方法。
  13. プロセスチャンバにおけるウェハの温度を制御するためのシステムであって、
    ウェハの温度に関するデータを検知するための温度センサと、
    前記ウェハに流れ出すガスの圧力を調節するよう動作可能なサブシステムと、
    設定値、および前記ウェハの温度に関するデータを含むプロセス変数の組を用いて誤差を算出し、前記誤差に基づいて前記サブシステムを制御するよう動作可能な制御システムとを含む、システム。
  14. 冷却器をさらに含み、前記制御システムはさらに、前記誤差に基づいて前記冷却器を制御するよう動作可能である、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記制御システムおよび前記サブシステムが一体化されている、請求項14に記載のシステム。
  16. 前記サブシステムが分散される、請求項14に記載のシステム。
  17. 前記制御システムはさらに、前記誤差に基づいて前記冷却器のための制御信号を算出するよう動作可能である、請求項14に記載のシステム。
  18. 前記サブシステムは圧力制御装置を含む、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記圧力制御装置は固定オリフィスを含む、請求項18に記載のシステム。
  20. 前記圧力制御装置はスロットルオリフィスを含む、請求項19に記載のシステム。
  21. 前記コントローラはさらに、前記圧力制御装置のための制御信号を算出するよう動作可能である、請求項18に記載のシステム。
  22. 使用ポイント(POU)圧力センサ、質量流量圧力センサおよび上流の圧力センサをさらに含む、請求項21に記載のシステム。
  23. 前記圧力制御装置は前記POU圧力センサを含む、請求項22に記載のシステム。
  24. 誤差を算出するステップは、係数で前記プロセス変数の各々を変更するステップを含む、請求項18に記載のシステム。
  25. 誤差を算出するステップは、一次熱伝導方程式を用いて行なわれる、請求項24に記載のシステム。
  26. 誤差を算出するステップは、E(t) = Setpoint - K1 *POU_Pressure - K2 *Mass_Flow - K3 *Wafer_Temp - K4 *Up_Pressure、の形式の方程式を用いて行なわれる、請求項24に記載のシステム。
  27. プロセスチャンバにおけるウェハの温度を制御するためのシステムであって、
    温度センサの組を含み、各々の温度センサは、プロセスチャンバにおけるウェハの温度に関するデータを検知するよう動作可能であり、前記システムはさらに、
    冷却器と、
    一体化された裏側ウェハ圧力制御システムとを含み、前記一体化された裏側ウェハ圧力制御システムは、
    サブシステムの組を含み、各々のサブシステムはプロセスチャンバに関連付けられ、前記プロセスチャンバにおけるウェハに流れ出すガスの圧力を調節するよう動作可能な圧力コントローラ装置を含み、前記一体化された裏側ウェハ圧力制御システムはさらに、
    制御システムを含み、前記制御システムは、プロセスチャンバの組のうちの1つ以上に対応する誤差を、設定値と、1つ以上のサブシステムにおけるウェハの温度に関するデータを含み前記1つ以上のプロセスチャンバの組に関連付けられるプロセス変数の組とを用いて算出するよう動作可能であり、さらに、前記算出された誤差に基づいて前記1つ以上のプロセスチャンバおよび前記冷却器に関連付けられる前記サブシステムを制御するよう動作可能である、システム。
  28. プロセスチャンバにおけるウェハの温度を制御する方法であって、
    ウェハの温度、前記ウェハの裏側におけるガスの圧力およびウェハチャックへのガスの
    流れに関するデータを含み、プロセスチャンバに関連付けられるプロセス変数の組を検知するステップと、
    設定値および前記プロセス変数の組を用いて誤差を算出するステップと、
    前記誤差に基づいて前記ウェハに流れ出すガスの圧力を制御するステップとを含む、方法。
  29. 前記ウェハの温度に関するデータは、チャックの温度、ガスについての温度、またはプラズマパワーを含む、請求項28に記載の方法。
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