JP2008510539A - 注射器用のプランジャ及び注射器 - Google Patents
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Abstract
本発明は胴部を有する注射器のためのプランジャに関する。プランジャは、周面(20)を有するコア要素(8)を含む。プランジャは、所定距離でコア要素(8)を囲む外周面(21)を有するリング要素(11)を含む。リング要素(11)は、外周面(21)が潤滑剤(22)でコーティングされる。コア要素(8)とリング要素(11)はアーム(19)によって相互に連結されている。
【選択図】図2
【選択図】図2
Description
本発明は、注射器用のプランジャ/プラグに関し、かつそのようなプランジャが挿入される注射器に関する。
注射器用のプランジャ及びそのようなプランジャが挿入される注射器は、例えば、参照によってここに組み込まれるWO 98/17339 A1から知られる。
注射器のプランジャとシリンダー内壁との間の摩擦力が大きいことは注射器における一般的な問題である。したがって、従来、注射器の少なくともシリンダー内壁はシリコーンオイルによってコーティングされた。しかし、注射器の中身を患者に投与するときにシリコーンオイルも同時に投与されるかどうかはっきりしない。したがって、上記WO 98/17339 A1では、シリコーンオイルを用いずに、適当なプランジャの材料を用いて摩擦を減らすことが提案されている。プランジャをポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から作ることが提案されている。PTFEは、特に“テフロン(登録商標)”という商品名で知られている。しかし、PTFEは射出成形によって成形できないという欠点がある。PTFEは旋盤で“固体”から旋削加工しなければならない。PTFEは比較的高価なので、これはプランジャの製造コストを高くする。さらに、固体片からの旋削加工のスクラップも高い。PTFEの場合、特別な廃棄物として処分しなければならない。これもコストを増大させる。
1992年4月9日に公開されたドイツ特許DE 3346 351では、テフロン(登録商標)コーティングが少なくとも部分的に施されたプランジャが記載されている。このようなプランジャは、シリンダー内壁に特定の圧力を及ぼすビーズによってシリンダー内壁と接触し、それによって封止効果が保証される。ビーズはプランジャから離れる方へ向かうビーズ面による垂直線が胴部の壁の方に向かうように作られる。この特許はテフロン(登録商標)を用いて媒体とプランジャのゴム部分との間に保護面を形成する。この場合、保護面はもっぱら絶縁作用をする、テフロン(登録商標)の優れた滑動性能はここではそれ以上考慮されなかった。この公開特許では、シリコーン化(siliconization)のコンセプトには言及されなかった。したがって、この場合、当業者はこのテキストを読んで、これはその他の点で一般的な技術的知識(例えば、DIN規格 13 098, part 1, item 4.4)に対応する注射器であり、それがシリンダー内壁でも同様にシリコーン化されると理解したと考えられる。オートクレーブ法(autoclaving)には言及されていない。
11/23/1967の日付のDE GM 19 73 042では、人工樹脂から作られる、針用の開口とプランジャ開口を有するプラスチック・シリンダー、プランジャ及びピストンから成るプラスチックの注射器が記載されている。この注射器は、重要な特徴として、シェル(shell)又はカップの形に作られ、商業的に市販されている材料から成るプランジャを有する。しかし、このような封止リップは潤滑剤、特にシリコーンオイル、と組み合わせて作ることしかできない。シリコーンが存在しない場合、封止リップは大きな摩擦のために変化し、小さくなり、力に対して側方へ降伏する。この公開特許でも、シリコーン化のコンセプトには言及されていない。したがって、ここでも、当業者はこのテキストを読んで、これはその他の点で一般的な技術的知識(例えば、DIN規格 13 098, part 1, item 4.4)に対応する注射器であり、それがシリンダー内壁でも同様にシリコーン化されると理解すると考えられる。オートクレーブ法には言及されていない。
特許AT-E 68 979では、充填され、最終的に滅菌される注射器が記載されている。この注射器はプラスチックから成る。注射器は、先端に注射器出口ピースがあるシリンダーを有する。注射器出口ピースは蓋で封止されている、充填する前に、注射器の内壁はシリコーンオイルでコーティングされる。注射器は、シリコーンオイルによってシリンダー内で滑動できる可撓性ゴム・プランジャの装填の後に封止される。
充填され、最終的に滅菌される注射器を製造する方法は、蓋とプランジャからスクラップ粒子やその他の不純物を除去することから始まる。蓋とプランジャに付着した微生物不純物は滅菌される。複数の水ジェットでシリンダーを洗浄して、発熱性物質(pyrogen)とスクラップ粒子が除去される。次に、シリコーンオイルが注射器の内壁に塗布される。その後、蓋が注射器出口ピースにかぶせられる。注射器には、その基端を通して造影剤が充填される。次に、注射器はプランジャと共に封止される。このように組み立てられ、充填された注射器はオートクレーブで滅菌される。そのときに、通常のオートクレーブ圧力の他に追加の補助圧力がオートクレーブ内に生成される。
VentenとHoppertの論文(E. VENTEN and J. HOPPERT (1978) Pharm. Ind. Vol. 40, No. 6, pages 665 to 671)から、内壁にシリコーンオイル層が設けられた、予め充填され、最終的に滅菌された一回投与の使い捨て注射器が知られている。基端にプランジャを有する一回投与の使い捨て注射器は、先端からロールエッジ(roll edge)を通して充填される。次にロールエッジがガスケットとガスケットをロールエッジに固定するフランジによって封止される。(M. JUNGA (1973) Pharm. Ind. Vol. 35, No. 11a, pages 824 to 829)。次に、予め充填された一回投与の使い捨て注射器はオートクレーブに移される。このオートクレーブは温度と圧力を制御できる。
ヨーロッパ特許出願EP 0553 926 (1/26/1993出願)は、造影剤を含む、予め充填されたプラスチック又はガラス注射器の最終の滅菌プロセスを記載している。この使い捨て注射器の内壁はシリコーンオイルでコーティングされている。注射器は、注射器出口ピースを先端に有する胴部から成る。さらに、一回投与の使い捨て注射器は、以前にVentenとHoppertにすでに記載された形態で引用されている。使い捨て注射器は、開放した基端を有し、使い捨て注射器内でスライドできるプランジャによって閉鎖できる。プランジャはピストンに連結されている。
WO 95/12482は、造影剤が充填される予め充填されたプラスチック注射器を製造する方法を記載している。注射器の内壁はシリコーンオイルでコーティングされる。注射器は、シリンダーと、針を取り付けるために準備される先端の注射器出口ピースとから成る。さらに、注射器は、シリンダー内でスライドできるプランジャを含む。これが注射器の基端を封止する。注射器は、発熱原を含まない対象に導く方法に従って製造された。同様に、もはや粒子も存在しない。注射器は基端を通して充填される。この場合、注射器出口ピースは蓋で封止される。充填された注射器はプランジャで封止される。
注射器の部品が鋳型から出てくると、気体を吹き付けて粒子を除去する。次に、注射器は洗浄され、潤滑剤が塗布される。その後注射器は滅菌され、さらに、所望により処理、貯蔵、又は輸送される。
公知の注射器の欠点は、シリコーンオイルを用いてプランジャと注射器の内壁との間の摩擦を減らさなければならないということである。弾性力に関してゴムのプランジャに利点があると同程度に、スライドによる摩擦に関する挙動は問題がある。粘着性の摩擦はさらに不利である。特にプランジャを挿入した状態で注射器を長期貯蔵する場合、粘着性の摩擦が非常に重要な役割を演ずる。さらに、ゴム製プランジャの場合、低温流動挙動にも注意しなければならない。これは無視することができない量であるから、かなりのプレテンションを欠けたゴム製プランジャを使用しなければならない。ゴム製プランジャが挿入された充填注射器を次にオートクレーブで滅菌する場合、これはさらに重要になる。ゴム製プランジャの低温流動挙動は温度に関係する。この場合の高いプレテンション(pretension)はプランジャを挿入するときに必要である。ここでは、すべての場合に摩擦が非常に大きく、シリコーンオイルなしでは注射器の操作が不可能である。
ゴムの封止リップを用いても、静的状態では十分に封止せず、又は低温流動挙動が、特にオートクレーブ滅菌で問題になる。この場合、かなりのプレテンションを用いなければならないので、この場合もシリコーンオイルが不可欠である。
テフロン(登録商標)で作られる中実プランジャは、熱負荷にさらされる注射器で大きな問題がある。この場合、-10℃から+40℃までの温度変動により、注射器の壁のプラスチックが非常に硬いテフロン(登録商標)材に対して十分に膨張する。オートクレーブ滅菌は特にプランジャ又は注射器にとって特に負荷になり、両者のうち一方が低温流動挙動を示して、注射器の冷却後に漏れが生ずる。プランジャを効果的に封止するには、固体テフロン(登録商標)製プランジャの低い弾性挙動のために高いプレテンションが必要であり、それは高い摩擦を生ずる。プラスチック注射器の場合、プラスチック注射器の低温流動挙動のためにオートクレーブ滅菌の際にプラスチック注射器の壁がプランジャのレベルで注射器の内径を増大させるので、このようなテフロン(登録商標)製プランジャは使用できない。このようにしてギャップが生じ、それを通って液体が注射器から制御されずに流れ出す可能性がある。この理由により、空気も制御されないで吸い込まれる可能性がある。このような低温流動挙動を示さないガラスの注射器でも、非常に高いプレテンションによって生ずる摩擦を減らすためにシリコーンオイルでコーティングしなければならない。このような注射器をオートクレーブ滅菌すると、テフロン(登録商標)製プランジャが低温流動挙動によって硬いガラスに対して降伏する。この場合も、やはり、冷却後に注射器を漏れやすくするスペースやギャップが生ずる。
したがって、本発明の目的は、例えばシリコーンオイルという形での潤滑剤の添加を不要にし、しかも注射器内のプラスチックから成るプランジャのスライド性能に悪影響を及ぼさず、さらに注射器の外側領域に対する注射器の中身の十分な封止が確保される、予め充填された滅菌医療用注射器を提供することである。
この目的は、請求項1に記載のプランジャによって達成される。
このプランジャの好ましい実施形態は従属する請求項2乃至16に示される。
この目的は、また請求項17に記載の注射器によって達成される。
この注射器の有利な実施の形態は請求項18に示される。
本発明による注射器は、容易に造影剤を充填して最終的に滅菌されてよい。造影剤の好ましい例は、アミドトリゾ酸、ガドペンテト酸、ガドブノール、ガドリニウム、イオパミドール、イオプロミド、イオトロラン、及びイオトロクス酸、などである。
本発明によるプランジャはコア要素を有する。リング要素がコア要素を所定距離で取り囲む。二つの要素がアームによって連結される。
この手順は、プランジャが中実として作られないという利点がある。プランジャを製造する従来の材料、例えば熱可塑性プラスチック、は高い熱膨張係数を有する。したがって、もしも熱可塑性プラスチックの中実プランジャを備えた注射器が最後にオートクレーブで121℃で滅菌された場合、熱可塑性プラスチックのプランジャは高い熱膨張係数のために大きく変形して壊れてしまう。
さらに本発明によるリング要素は、その外周面が潤滑剤でコーティングされる。潤滑剤は、プランジャが注射器のシリンダー内で容易に動くことができるようにする。これは、プランジャの周面が熱可塑性プラスチックで構成されるとしたならば、熱可塑性プラスチックはガラス又はプラスチックの胴部の材料に対して高い摩擦係数を有するので、不可能であろう。リング要素の周面が高価な潤滑剤でコーティングされるので、コストを低く抑えることができる。
コア要素とリング要素は相互から分離し、両者間には所定距離があるので、コア要素とリング要素の中実材料は少なくなる。材料の半径方向の拡がりは小さく、半径より小さい。したがって、同じ膨張係数でも、長さが短くなるため、熱膨張は減少する。したがって、本発明によるプランジャを有する注射器は、加熱されてもプランジャが熱膨張によって壊れることはない。
プランジャ・ロッドをねじ込むことができる硬いコアは、注射の際にプランジャ・ロッドがプランジャを変形させないようにし、プランジャとシリンダー壁との間の摩擦を増大させる。
アームがコア要素からリング要素へ半径方向に延在する場合、アームは圧縮することによって熱膨張を吸収できる。
アームがコア要素に対して接線方向に取り付けられる場合、アームは内側から外側へ半径方向には延在しない。コア要素とリング要素が熱膨張を受けると、アームが取り付け点で曲げられる。したがって、アームの圧縮は全く不要である。
リング要素が一体で作られる場合、射出成形物は容易に製造できる。
リング要素が内周方向に離隔する複数のリング・セグメントに分割されている場合、リング・セグメントは、熱膨張の際に破壊につながる可能性がある半径方向の変形でなく接線方向に変形できるので破壊は起こらない。
リング要素が半径方向に周辺突出部を有する場合、特にアンダーカットを有する突出部を有する場合、潤滑剤はリング要素の外周面に良く付着する。
潤滑剤が封止リップを有する場合、特に良好な封止を達成することが可能である。特に、プランジャが注射器の先端の方へ動かされるときに起こる動的な封止を達成することが可能である。これは、潤滑剤と注射器のシリンダー壁との間の摩擦係数が低い潤滑剤の場合に特に有利である。
コア要素、アーム及びリング要素を同じ材料で一片として作られる場合、この一体的構成要素のために特に経済的な射出成形法が可能である。
コア要素、アーム及びリング要素の好ましい材料は、熱可塑性プラスチック、ポリプロピレン又はポリカーボネートである。
スライド要素として好ましい材料は、熱可塑性エラストマーである。好適例は次のようなものである。Evoprene 968, Cawiton PR 6173 B, Cawiton PR 6173 D, Cawiton PR 6173 F, Thermoflex 55 1A5+900, Uniprene 7010 RS 70+801 (SEBS), Santoprene 181-57 W180 (TPV)。
注射器は、通常は回転対称であり、指を保持する装置、装置保持器具、及び場合によっては注射器出口ピース、だけが対称から外れる。このように注射器出口ピースは偏心的に配置されることができる。ルアロック(Luer-Lock)は、造影剤を投与するときに機械ポンプ装置を用いる場合に効果を現すので特に好ましい。手動で投与する場合でも、ルアロックとそれに連結されたチューブは、医師の意図しない動きが直接に針に伝わることを防止する。さらに、単純なルア(Luer)ノズル及び記録ノズルも知られている。
注射器出口ピースを溶接して封止することも可能である。その場合、注射器出口ピースに刻みを付けて、使用する前に注射器出口ピースを容易に開封できるようにすると有利である。
注射器の基端と先端は封止可能でなければならない。先端は、注射器出口ピースにかぶせることができる蓋によって封止される。この工業所有権における注射器出口ピースは、胴部のカバーも包含する。さらに、注射器出口ピースは、針又はホースに導くチューブ、針又はホースと接触しているエンドピース、及び内側にねじ山を有するシリンダー、例えば、エンドピースを囲みルアロックのためのねじ山を有するシリンダー、を包含する。ここで、注射器出口ピースは、一片であっても、複数片であってもよい。カバーは丸い、平ら、又は角錐状のものであってもよい。混合形態も考えられる。プランジャが注射器の基端を封止する。プランジャは、シリンダーの内部でスライドすることができ、確実に媒体を環境から隔離しなければならない。プランジャは気体及び液体に対して可能な限り不透過性でなければならない。温度変動は故障しないで対処されなければならない。従来、注射器が機械的に空にされるとき、プランジャはそれ自身のピストンを備えていない。むしろ、プランジャの運動が容易に可能になるように、ポンプ装置の一部であるピストンはプランジャ内の蓋に嵌め込まれている(EP 0 584 531を参照)。
基端と先端という用語は治療する医師の観点から定義される。先端には、注射器出口ピースがあり、それに、例えば、針又は針につながるホースが連結される。基端には、投与の際に媒体を先端を通して押し出すプランジャがある。プランジャの運動は、手動で行われるか、そうでなければ機械的に行われる。プランジャという表現は複数のプランジャも含む。注射器の手動による操作では、注射器が基端に指保持装置を有すると操作者にとって助けになる。ここで、指保持装置は、通常、人差し指と中指の当接面として少なくとも一つの表面を有し、指保持装置の表面は実質的に胴部の軸に対して直角である。機械的ポンプ装置としては色々なモデルが知られている。その場合、注射器は好ましくは一つ以上の装置保持装置を好ましくは基端に担持する。そのような機械的ポンプはEP 0584 531(Reilly at al. 7/12/1993出願)にきわめて良く記載されている。指保持装置と装置保持装置の混合形態も可能である。
充填された注射器内の媒体は流体媒体と少なくとも一つの気体の混合物である。この場合、気体の体積はできるだけ小さくなければならない。ゼロという値をとる気体体積が望ましい。媒体は、液体、溶液、懸濁液、又はエマルジョンであってよい。これらの外観形態は、W. SCHROTER et al., (1987) Chemistry、 Facts and Laws, 14th Edition, Leipzig, pages 23 ffに記載されている。
媒体は造影剤であることが好ましい。これに関連して、次の一般的名称の造影剤がある。アミドトリゾ酸、ガドペンテト酸、ガドブノール、ガドリニウム、EOB-DTPA、イオパミドール、イオプロミド、イオトロラン、及びイオトロクス酸。
本発明による医療用注射器は、プランジャを完全に押し下げても注射器から除去できない残留体積を最小にするように、プランジャが注射器の先端の形に対応するように作られるという利点がある。
本発明による医療用注射器は、プランジャが凹面、平面、又は凸面制作又は角錐、円錐、切頭角錐、切頭円錐又は半球の形態を有し、注射器の端のデザインによって先端又は基端に突起もしくは突出部を有する。
本発明による注射器は、注射器をオートクレーブで滅菌できるものが好ましい。
本発明による注射器は、注射器を支持圧力でオートクレーブ滅菌できるものが好ましい。
少なくとも注射器本体は滅菌室において少なくとも250℃で鋳造又は射出成形することが良い考え方である。
本発明による注射器は、無菌の注射器を少なくとも一つの気体透過性の、しかし細菌を透過しない壁を有する無菌容器にパッケージできるものが有利である。
注射器から異物を除去しなければならない。異物とは、注射器の材料及び媒体及び注射器から離脱した断片から作られていないすべての粒子である。
発熱原(pyrogen)は、バクテリアの断片としてヒトの免疫反応を誘発する物質である。発熱原は特に、リポポリサッカライド、すなわち、グラム陰性菌の細胞壁成分である。
注射器が部分的に組み立てられた後、必要ならば異物を再び注射器から除去することが可能である。異物とは、注射器の材料及び媒体及び注射器から離脱した断片から作られていないすべての粒子である。
放射線滅菌及び化学滅菌プロセスは滅菌プロセスとして特に適している。
化学滅菌プロセスは、酸化エチレン、プロパン-3-olide、及びジエチル・ジカーボネート、さらに過酸化水素及びオゾン/スチーム混合物による処理が知られている。
高エネルギー放射線による滅菌も可能である。ここでは、ガンマ線及びX-線が知られている。
選択的に、注射器のパーツは細菌を通さないが気体を透過するフィルム又はアルミニウムに包装される。滅菌は熱及び/又は化学滅菌を用いて、ガンマ線、又はX-線、中性子線、又はベータ線、又は上記の放射線の混合によって、行われる。過酸化水素又はオゾン/スチーム混合物による処理が好ましい。
次に、注射器本体が先端又は基端によって装填され、プランジャ又は蓋でその反対端を封止する。次に、装填開口が蓋又はプランジャによって封止される。
先端は蓋により又は先端の溶接によって封止される。溶接では、先端は溶接部の近くに刻みを付ける。このようにして、溶接後先端を容易に開封できる。
次の工程で、注射器又はカートリッジはオートクレーブ又は滅菌器で、熱風又はマイクロ波によって滅菌される。
プランジャがシリンダー内で動かないように滅菌の際にプランジャを固定するのが有利である。
選択的に、オートクレーブ又は滅菌チャンバの滅菌スペースに滅菌スペースの気体による支持圧力を生成し、注射器の外面での圧力が注射器の内面での圧力より大きく、等しく、又は小さくなるようにすることが可能である。支持圧力は、滅菌スペースにおける分圧の和、マイナス、スチームの分圧に対応する圧力として形成される。
滅菌後にプランジャを再調整することが有益である。これは、プランジャが最適位置にあることを保証する。場合によって、プランジャとシリンダー間の摩擦が大きく、注射器の内側と外側間に圧力差のない安定位置にプランジャを調整することが自動的に行われないことがある。
この時点で光学的なチェックを行うことが有益である。これは、注射器内にある粒子を確実に検出する。この場合、粒子を含む注射器は廃棄すべきである。
滅菌された注射器のコンテナへのパッケージングと、充填されたコンテナの滅菌は特に重要である。このプロセスは滅菌室で行うことができる。このようにして初めて、外的に無菌の注射器を扱う医師に安全性を提供できるので、この工程は特に有益である。このようにして汚染の危険を減らすことができる。機械的に空にされる注射器に関しても、医師はやはり注射器に触れるのでこの有益性はあてはまる。しばしば、機械的に空にされる注射器は、無菌手術室で用いられる。滅菌室には、滅菌又は消毒されたものだけを持ち込むことができる。このように、機械的に空にされる注射器も外部で絶対に無菌でなければならない。
さらに、充填され、最終的に充填された注射器は、選択的に無菌条件の下で無菌のプラスチック・フィルム及び/又はアルミニウム・ホイルにパッケージすることが有益である。この場合、注射器はできるだけ無菌のブリスター(blister)に、必要ならば無菌条件が支配している状態で、パッケージすることが有益である。
次に、コンテナ内の注射器が、酸化エチレン、プロパン-3-オリド(olide)、及びジエチル・ジカーボネートによって処理することで外部から再滅菌される。さらに過酸化水素及びオゾン/スチーム混合物が知られている。
滅菌された注射器のコンテナへのパッケージング、及び充填されたコンテナの滅菌は滅菌室で行うことができる。このようにして初めて、外部でも無菌注射器を扱う医師に安全性を提供できるので、この工程は特に有益である。このようにして汚染の危険を減らすことができる。機械的に空にされる注射器に関しても、医師はやはり注射器に触れるのでこの有益性はあてはまる。しばしば、機械的に空にされる注射器は、無菌の手術室で使用される。手術室には、滅菌又は消毒された物だけを持ち込むことができる。このように、機械的に空にされる注射器も外部で絶対無菌でなければならない。
化学的滅菌方法は、酸化エチレン、プロパン-3-オリド(olide)、及びジエチル・ジカーボネートによって処理することを含む。さらに過酸化水素及びオゾン/スチーム混合物が知られている。これらの方法は以下に記載されている。
G. SPICHER (1990) 古典的滅菌法と比較した気体及び電離放射線による滅菌の可能性と限界、Pharma Technologie, 11巻, 4号, 50-56頁、
H. HOERATH (1990) 酸化エチレンとホルムアルデヒドによる滅菌の正しい条件、Pharma Technologie, 11巻, 4号, 57-64頁、
J. SCHUSTER (1990) 酸化エチレン滅菌の実際とその最適化のテスト、Pharma Technologie, 11巻, 4号, 65-71頁、
M. MARCZINOWSKI (1990) ホルムアルデヒド滅菌実施の実際、Pharma Technologie, 11巻, 4号, 72-76頁。
G. SPICHER (1990) 古典的滅菌法と比較した気体及び電離放射線による滅菌の可能性と限界、Pharma Technologie, 11巻, 4号, 50-56頁、
H. HOERATH (1990) 酸化エチレンとホルムアルデヒドによる滅菌の正しい条件、Pharma Technologie, 11巻, 4号, 57-64頁、
J. SCHUSTER (1990) 酸化エチレン滅菌の実際とその最適化のテスト、Pharma Technologie, 11巻, 4号, 65-71頁、
M. MARCZINOWSKI (1990) ホルムアルデヒド滅菌実施の実際、Pharma Technologie, 11巻, 4号, 72-76頁。
高エネルギー放射線による滅菌も同様に可能である。ここで、ガンマ線とX-線が知られている。同様に、中性子線、ベータ線、及びアルファ線も用いられる。
本発明は同様に、以下の特徴を有する予め充填された無菌の注射器を製造するプロセスを包含する、
a) 注射器パーツの無菌製造及び製造された注射器パーツの洗浄と滅菌、
b) パーツの組立、
(i) この場合、基端充填では先端が封止される、又は
(ii) 先端充填では基端がプランジャで封止される、
c) 選択的に、組み立てられた注射器の滅菌、
d) まだ残っている開口に応じて、基端充填又は先端充填、
e) プランジャによる基端封止、又は出口の蓋又は出口の溶接による先端封止、
f) 充填され封止された注射器の滅菌、
g) 選択的に、少なくとも一つの気体を透過するが細菌を透過しない表面を有するコンテナに注射器を無菌パッケージングする。
a) 注射器パーツの無菌製造及び製造された注射器パーツの洗浄と滅菌、
b) パーツの組立、
(i) この場合、基端充填では先端が封止される、又は
(ii) 先端充填では基端がプランジャで封止される、
c) 選択的に、組み立てられた注射器の滅菌、
d) まだ残っている開口に応じて、基端充填又は先端充填、
e) プランジャによる基端封止、又は出口の蓋又は出口の溶接による先端封止、
f) 充填され封止された注射器の滅菌、
g) 選択的に、少なくとも一つの気体を透過するが細菌を透過しない表面を有するコンテナに注射器を無菌パッケージングする。
このような方法は、EP 0 227 401, EP 0553 926, 及びUS Patent 5,207,983に詳細に記載されている。同様に、E. Venten and J. Hoppert, Pharm. Ind. 40巻, 6号 (1978),の論文も参照される。この論文には、そこで引用されている文献も含めて、滅菌方法が詳しく考察されている。VentenとHoppertの論文は引用によって本願の一部を構成する。組み合わせが本発明による注射器とinjectomat(登録商標)連結部材から構成される投与装置から成る場合は特に有利である。injectomat(登録商標)はポンプ・システムであり連結部材は注射器の出口を患者に連結する。そのようなinjectomat(登録商標)は、例えばEP 0 192 786に記載されている。
本発明はさらに、予め充填され、最終的に滅菌された本発明による注射器と、injectomat(登録商標)と連結部材から構成される投与装置の組み合わせを含み、injectomat(登録商標)はポンプ・システムであり連結部材は注射器の出口を患者に連結する。そのようなポンプ・システムは、文献EP 0 584 531に記載されている。
本発明のその他の特徴と機能は、実施形態について図面を参照して以下に説明される。
図1は、本発明に使用される注射器を示す。
図1に示されているように、注射器1はシリンダー2とプランジャ3を有する。シリンダー1は先端に中央開口があるキャップ4を有し、針又はホースを保持するためのノズル5を有する。シリンダー2の基端には、モーターで作動する要素(図示せず)を保持する又はそれに挿入するためのフランジ6がある。基端側からプランジャ・ロッド7がプランジャ3にねじ込まれる。さらに詳しい説明は、Venten and Hoppert, 1978, Pharm. Int. Vol. 40, No. 6, pages 665 to 671を参照する、その論文の内容は参照によってここに組み込まれる。
以下で用いられる用語、“上部”、“下部”、及び“側部”、は図1に示されているような注射器1の位置に関する。このことは、“上部”が先端への方向に関し、“下部”が基端への方向に関することを意味する。
次に、プランジャ3の一般的な構造について図2を参照して説明する。
プランジャ3は、下部へ開放された概ねカップ形のコア要素8を有する。コア要素8の内周面にはプランジャ・ロッド7をねじ込むことができる内ねじ山9がある。コア要素8は側周面10を有する。
コア要素8の側周面10は、所定距離で環状リング要素11によって囲まれている。リング要素11は、垂直に、すなわち、基端12から先端13へ、コア要素8が基端14から先端15へ延在するのと実質的に同じ高さまで延在する。リング要素11は上部先端セクション上に、放射状に周辺に延在する突出部又はフランジ16を有する。リング要素11はその下部基端セクション上に、アンダーカット18を有する周辺突出部17を有する。
コア要素8とリング要素11は複数のアーム19によって連結されている。アームは実質的にリング要素11又はコア要素8の高さにわたって延在する。しかし、ある変形例では、アーム19はコア要素8及びリング要素11よりも小さな高さで延在する。
コア要素8、リング要素11及びアーム19は、熱可塑性プラスチックから射出成形によって一体的に形成される。熱可塑性プラスチックとしてはポリプロピレンが特に適している。
潤滑剤の層22がコア要素8の上部外面20とリング要素11の側部外周面21に塗布される。ある変形例では、潤滑剤の層22は、リング要素11の側部外周面21だけに塗布される。
上部セクション上の潤滑剤の層22は周辺封止リップ23を有する。図2で、封止リップ23を囲む円がXと表示されている。円Xは図3に拡大図で示されている。図3に見られるように、封止リップ23は、上方及び外方へ実質的に斜めに延在する断面を有し、長方形の上方先端は面取りされている。封止リップ23は、潤滑剤で作られた層22の上部と共に、V-字形の周辺凹み24を形成する。封止リップ23は比較的長く形成され、プランジャ3に対して比較的平らな角を有する。このようにして二つの機能が行われる。動的挙動は、注射器1が作動するとき、すなわち、プランジャ3が先端へ押されるとき、封止リップはシリンダーの内壁に押し付けられる。静的状態で、すなわち、運動していないとき、封止リップ23は、その弾性によってシリンダーの内壁に押し付けられて封止を安全保護する。
さらに、潤滑剤の層22の外周面の高さのほぼ半分のところに、付加的な周辺封止リップ25が外側へ突出している。図2で、封止リップ25を囲む円は、Yと表示されている。円Yが図4に拡大図で示されている。封止リップ25は、注射器のシリンダー2に対してプランジャ3が封止されるときの追加の安全手段を形成する。
図2に示されているように、潤滑剤で作られる層22はアンダーカット18へ延在する。このこと、及び周辺突出部16を設けることが、リング要素11上の潤滑剤による層22の良好保持を確保する。潤滑剤による層22は、コア要素8,アーム19及びリング要素11の射出成形の後にコア要素8とリング要素11から成るまだ暖かい成形ピースにスプレー塗布される。このようにして、潤滑剤の層22とコア要素8とリング要素11の特に緊密な連結が得られる。
潤滑剤の層22は、熱可塑性エラストマーから形成される。これによって、潤滑剤の層22と注射器1のシリンダー2の内壁との間により小さな摩擦係数μが達成できる。
コア要素8,アーム19及びリング要素11の構成の実施形態が以下で図5乃至13を参照して説明される。
図5は潤滑剤の層22が塗布される前の第一実施形態のプランジャを下方から示し、図6は潤滑剤の層22が塗布される前の第一実施形態のプランジャを上方から示している。プランジャ26は、コア要素27とリング要素28を有し、それらが4つのアーム29a,29b,29c,29dで連結されている。コア要素27は、プランジャ全体に比べて比較的小さい。その直径は、プランジャの直径のほぼ1/8である。上部には(図6を参照)、溝30が示されており、潤滑剤による層22はスプレーされたときにそこまで入り込み、潤滑剤による層22はプランジャ26の上部側に確実に保持される。アーム29aから29dはコア要素27からリング要素28まで半径方向(radially)に延在する。第一実施形態のプランジャが加熱されると、アーム29aから29dは長さ方向に圧縮されて、それによって熱膨張を吸収する。図5と6に示されている第一実施形態では、4つのアーム29aから29dが設けられている。しかし、ある変形例では、3つ、又は5つ以上のアームが可能である。周面上で、潤滑剤の層22はフランジ16及び突出部17によって保持される。
図7は、第二実施形態のプランジャ31を上方から示している。第二実施形態のプランジャ31は、第一実施の形態のプランジャ26と実質的に同一に形成されている。したがって、同じ特徴についての説明は繰り返さない。しかし、第二実施形態のプランジャ31は、第一実施形態のプランジャ16とは、アーム32a,32b,32c,及び32dがコア要素27からリング要素28へ半径方向ではなく、アーム32aから32dはコア要素27に接線方向に取り付けられている点で異なる。この方法は、コア要素27とリング要素28が加熱されて膨張したときにアーム32aから32dが圧縮されず、コア要素27に対して回転運動を及ぼす利点がある。したがって、加熱されたときのプランジャ31の熱膨張をより良く吸収できる。
図8は、第三実施形態のプランジャ33を上方から示している。第三実施形態のプランジャ33は、実質的に第一実施形態のプランジャ26に対応している。したがって、同じ特徴についての説明は繰り返さない。しかし、第三実施形態のプランジャ33は、第一実施形態のプランジャ26と、リング要素34がつながった形で作られず、内周方向に相互に離隔したリング・セグメント35a,35b,35c,35d,35e,及び35fに分割されている点で異なる。アーム36a,36b,36c,36d,36e,及び36fはコア要素27からリング・セグメント35aから35fまでに半径方向に延在する。第三実施形態は、リング要素34が熱膨張を受けるとき、リング・セグメント35aから35fの間のギャップがその膨張を吸収できる利点を有する。熱膨張時にプランジャ33への力をより良く吸収できる。図8に示された第三実施形態には、6つのリング・セグメント35aから35fと6つのアーム36aから36fがある。しかし、ある変形例では、3つから5つ、又は7つ以上のリング・セグメントとアームが設けられてよい。
図9は、第四実施形態のプランジャ37を示している。第四実施形態のプランジャ37は、実質的に第三実施形態のプランジャ33に対応している。したがって、同じ特徴についての説明は繰り返さない。しかし、第四実施形態のプランジャ37は、第三実施形態のプランジャ33と、アーム38a,38b,38c,38d,38e,及び38fがコア要素37に対して半径方向に作用せず、第二実施形態のプランジャ31のようにアーム38aから38fはコア要素27に対して接線方向に作用する点が異なる。したがって、第四実施形態のプランジャ37は、第二実施形態と第三実施形態が有する利点を組み合わせている。コア要素27とリング要素34の熱膨張はきわめて良く吸収される。
図10は、第五実施形態のプランジャ39を上方から示している。第五実施形態のプランジャ39は、実質的に第一実施形態のプランジャ26に対応している。したがって、同じ特徴についての説明は繰り返さない。しかし、第五実施形態のプランジャ39は、コア要素40がプランジャ39全体に比べて大きく作られている点で、第一実施形態のプランジャ26と異なっている。第五実施形態のコア要素40の直径は第五実施形態のプランジャ39の直径のほぼ2/3に対応する。これによってコア要素40の高い安定性が可能になる。アーム41a,41b,41c及び41dは非常に短く作ることができる。この実施形態は、大きな温度上昇が予定されず熱膨張が限られている場合に有利である。
第五実施形態の変形例では、アーム41aから41dはコア要素40に対して半径方向に取り付けられず、第二実施形態のように接線方向に設けられている。したがって、この変形例では、第二実施形態と同様な利点が得られる。
図11は、第六実施形態のプランジャ42を示している。第六実施形態のプランジャ42は、第五実施形態のプランジャ39に対応している。したがって、同じ特徴についての説明は繰り返さない。しかし、第六実施形態のプランジャ42は、第四実施形態のプランジャ37のように、リング・セグメント35aから35fに分割されたリング要素34を有する。第六実施形態のプランジャ42では、アーム43a,43b,43c,43d,43e,及び43fはリング要素40に対して接線方向に取り付けられている。しかし、第四実施形態のプランジャ37と異なり、アーム43aから43fはリング・セグメント35aから35fの中央に取り付けられず、図11に示されているようにアーム43aから43fはそれぞれリング・セグメント35aから35fの一端に取り付けられている。したがって、第六実施形態のプランジャ42の手法は、さらにリング・セグメント35aから35fがその自由端で内側に曲折できる利点を有する。すなわち、熱膨張時にリング・セグメント35aから35fは熱膨張をより良く吸収できる。
第六実施形態の変形例では、リング・セグメント35aから35fは図11に示されているように一様な厚さではなく、リング・セグメント35aから35fはそれらの自由端で内側に面取りされている。このようにして、アーム43aから43fがピボットとして使用され、リング・セグメント35aから35fは内側へより良く回転できる。
図12と13は、第七実施形態のプランジャ44を示している。第七実施形態のプランジャ44は、第六実施形態のプランジャ42に対応している。したがって、同じ特徴についての説明は繰り返さない。しかし、第七実施形態のプランジャ44は、第六実施形態のプランジャ42と、アーム45a,45b,45c,45d,45e,及び45fがコア要素40をリング・セグメント35aから35fに連結するが、半径方向に整列せず、半径方向に対して少し傾斜している点が異なる。アーム45aから45fはそれぞれリング・セグメント35aから35fの中央に取り付けられる。アーム45aから45fはそれほど大きく傾斜せず、コア要素40に対して接線方向に取り付けられているが、半径方向に若干近づけて位置決めされる。第七実施形態のプランジャ44によって、プランジャと注射器が加熱されるときに熱膨張は吸収される。
Claims (17)
- 胴部(2)を有する注射器(1)のためのプランジャ(3,26,31,33,37,39,42,44)であって、
外周面(10)を有するコア要素(8,27,40)、及び
所定距離で前記コア要素を囲む、外周面(21)を有するリング要素(11,28,34)を含み、
前記リング要素はその外周面が潤滑剤(22)でコーティングされ、
前記コア要素と前記リング要素はアーム(19,29,32,36,38,41,43,45)によって連結されているプランジャ。 - 前記アーム(29,36,41)は前記コア要素(27,40)から半径方向に前記リング要素(28,34)まで延在する、請求項1に記載のプランジャ。
- 前記アーム(32,38,43)は前記コア要素(27,40)の周面(20)から接線方向に前記リング要素(28,34)まで延在する、請求項1に記載のプランジャ。
- 前記リング要素(28)は一片で形成されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプランジャ。
- 前記リング要素(34)は円周方向に離隔し複数のリング・セグメント(35a,35b,35c,35d,35e,35f)を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプランジャ。
- 前記注射器(1)の基端に対面する下部を含み、
前記注射器(1)の先端に対面する上部を含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプランジャ。 - 前記リング要素(11)の外周面(21)の上部に対面するセクション上に、前記リング要素(11)の外周面(21)のまわりで放射状に突出する突出部(23)が設けられている、請求項6に記載のプランジャ。
- 前記リング要素(11)の外周面(21)に、前記リング要素(11)の前記外周面(21)の底部に対面するセクションにアンダーカット(18)を有する前記リング要素(11)の外周面(21)のまわりで半径方向に延在する突出部(17)が設けられている、請求項6又は7に記載のプランジャ。
- 前記コア要素(8)は底部に対して開放し、プランジャ・ロッド(7)を保持するための内側ねじ山(9)を有する、請求項6乃至8のいずれか1項に記載のプランジャ。
- 前記潤滑剤(22)は前記コア要素(8)及び前記リング要素(11)の上部に形成されている、請求項6乃至9のいずれか1項に記載のプランジャ。
- 前記潤滑剤(22)は前記アンダーカット(18)の中へ延在する、請求項8乃至10のいずれか1項に記載のプランジャ。
- 前記潤滑剤(22)は上部に対面するセクション上に環状封止リップ(23)を有し、前記封止リップ(23)は前記胴部(2)の内壁に隣接してシールを形成している、請求項6乃至11のいずれか1項に記載のプランジャ。
- 前記コア要素(8)、前記アーム(19)及び前記リング要素(11)が同一材料から一片に形成されている、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のプランジャ。
- 前記材料は熱可塑性プラスチック、好ましくはポリプロピレンである、請求項13に記載のプランジャ。
- 前記潤滑剤(22)は熱可塑性エラストマー、好ましくはSantoprene(商標)、である請求項1乃至14のいずれか1項に記載のプランジャ。
- ガラス又はプラスチックで形成された胴部(2)と前記胴部(2)に挿入される請求項1乃至15のいずれか1項に記載のプランジャ(3)を含む注射器(1)。
- 予め充填されている、請求項16に記載の注射器。
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