JP3794735B2 - 既充填シリンジの滅菌方法および既充填シリンジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬液が予め充填されている既充填シリンジ(Prefilled Syringe)と、その滅菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アンプルやバイアル瓶に充填されている薬液を注射剤として使用する場合、使用時にアンプルやバイアル瓶を開封し、薬液をシリンジ(注射器)に充填して、人体などに投与している。しかし、アンプルやバイアル瓶を開封し、シリンジに薬液を充填する操作は煩雑である。特に緊急時にかような煩雑な操作をすることは好ましくない。また、アンプルやバイアル瓶の開封時に、薬液中にガラスの微粉などの異物が混入する恐れもある。このため、例えば特開昭49−28194号公報においては、外筒の内部に薬液が充填され、該外筒の一端側に設けられたノズルがキャップで封止され、外筒の他端側がガスケットで封止された既充填シリンジが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
既充填シリンジは、薬液が充填された外筒の両端がキャップとガスケットで封止された状態で滅菌されなければならない。既充填シリンジの滅菌は、一般にはオートクレーブを用いて、高温高圧の蒸気下で行われる。しかし、ノズル部分の形状が複雑な場合は、キャップの裏面とノズルの外面との間に滅菌のための蒸気が簡単には入り込まなくなる。また、ガスケットの形状が複雑な場合は、ガスケットの周面とシリンジ内面との間に滅菌のための蒸気が簡単には入り込まなくなる。従って、ノズル部分の形状が複雑な場合やガスケットの形状が複雑な場合は、オートクレーブによる既充填シリンジの滅菌に適用される通常の滅菌条件(滅菌時間、滅菌温度)では、既充填シリンジを十分に滅菌することが困難になり、滅菌に長時間を要するか、あるいは滅菌温度を過剰に高めることが必要になっていた。
【0004】
本発明の目的は、既充填シリンジにおけるキャップの裏面とノズルの外面との間、およびガスケットの周面とシリンジ内面との間を通常の滅菌条件で十分に滅菌できる既充填シリンジの滅菌方法および既充填シリンジを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1によれば、一端側にノズルが形成され他端側に開放端を有する外筒を備えた既充填シリンジの滅菌方法であって、前記外筒のノズルをキャップで封止する工程と、前記外筒の内部に薬液を充填する工程と、前記外筒の開放端をガスケットで封止して既充填シリンジを組み立てる工程と、前記既充填シリンジ全体を蒸気滅菌する工程を含む方法において、前記外筒のノズルを封止する前に、前記キャップを、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法の何れかの方法によって前記キャップの表面を濡らす工程と、前記外筒の開放端を封止する前に、前記ガスケットを、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法の何れかによって前記ガスケットの表面を濡らす工程とを含み、前記外筒のノズルをキャップで封止する工程においては、前記ノズルに、濡れた状態にされたキャップを取り付け、前記外筒の開放端をガスケットで封止して既充填シリンジを組み立てる工程においては、前記ガスケットは濡らされた状態にあることを特徴とする既充填シリンジの滅菌方法が提供される。
【0006】
請求項2によれば、一端側にノズルが形成され他端側に開放端を有する外筒を備えた既充填シリンジの滅菌方法であって、前記外筒の開放端をガスケットで封止する工程と、前記外筒の内部に薬液を充填する工程と、前記外筒のノズルをキャップで封止して既充填シリンジを組み立てる工程と、前記既充填シリンジ全体を蒸気滅菌する工程を含む方法において、前記外筒の開放端を封止する前に、前記ガスケットを、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法の何れかの方法によって前記ガスケットの表面を濡らす工程と、前記外筒のノズルを封止する前に、前記キャップを、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法の何れかの方法によって前記キャップの表面を濡らす工程とを含み、前記外筒の開放端をガスケットで封止する工程においては、前記ガスケットは濡らされた状態にあり、前記外筒のノズルをキャップで封止して既充填シリンジを組み立てる工程においては、前記ノズルに、濡れた状態にされたキャップを取り付けることを特徴とする既充填シリンジの滅菌方法が提供される。
【0007】
請求項3によれば、一端側にノズルを有し他端側に開放端を有する外筒を備えた既充填シリンジであって、前記外筒の内部には薬液が充填され、前記ノズルはキャップで封止され、前記外筒の開放側はガスケットで封止されたものにおいて、前記キャップの表面は、前記外筒のノズルを封止する前に、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法の何れかの方法によって濡れた状態にされており、濡れた状態にされたキャップが前記ノズルに取り付けられ、前記ガスケットの表面は、前記外筒の開放端を封止する前に、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法の何れかの方法によって濡れた状態にされており、濡らされた状態のガスケットによって前記開放端が封止されたことを特徴とする既充填シリンジが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の好ましい実施の形態を説明する。図1に示されるように、既充填シリンジ1は、外筒2、キャップ3、およびガスケット4を備える。外筒2の一端側5(図示の例では左側)にはノズル6が設けられ、外筒2の他端側7(図示の例では右側)は開放端8に形成される。そして、既充填シリンジ1は、外筒2の内部に薬液9が充填された状態で、外筒2の一端側5のノズル6がキャップ3で封止され、開放端8がガスケット4で封止された構成を備えている。
【0012】
外筒2は、ガラス製またはプラスチック製である。また、外筒2は、プラスチック製の筒体の内部にガラス製の筒体をはめ込んだ、複合材料製としても良い。
【0013】
外筒2の一端側5に設けられたノズル6には、図示しない注射針が装着可能である。このため、ノズル6の外面には、注射針を装着するための、例えばねじ溝10などが形成されている場合もある。
【0014】
キャップ3およびガスケット4は、ゴムや弾性プラスチックなどの適当な弾性材料で構成される。ガスケット4の周面には、外筒2の内部に充填された薬液9を封止した際の密閉性を向上させるために、例えばリング状の溝11などが形成されている場合もある。
【0015】
次に、この実施の形態における既充填シリンジ1は、以下に説明する滅菌方法1もしくは滅菌方法2に従って滅菌される。
[滅菌方法1]
図2に示すように、外筒2は、ステップ20において、例えば高速の水噴射を受けて洗浄され、外筒2の表面に付着する発熱物質を含む汚染物質が除去される。
【0016】
キャップ3は、好ましくは、ステップ21において蒸留水に浸漬された後、ステップ22において蒸気滅菌される。キャップ3の蒸気滅菌には、コッホ殺菌釜、オートクレーブなどが好適に用いられる。
【0017】
また、工程を簡略させる場合には、キャップ3の表面は、図2において点線23で示されるように、ステップ24において蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法、の何れかの方法によって濡れた状態にされる。ステップ24においてキャップ3を蒸気滅菌させるためには、コッホ殺菌釜、オートクレーブなどが好適に用いられる。
【0018】
ガスケット4は、好ましくは、ステップ25において蒸留水に浸漬された後、ステップ26において蒸気滅菌される。ガスケット4の蒸気滅菌にも、コッホ殺菌釜、オートクレーブなどが好適に用いられる。
【0019】
また、工程を簡略させる場合には、ガスケット4の表面は、図2において点線27で示されるように、ステップ28において、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法、の何れかの方法によって濡れた状態にされる。ステップ28においてガスケット4を蒸気滅菌させるためには、コッホ殺菌釜、オートクレーブなどが好適に用いられる。
【0020】
そして、ステップ29においては、既にステップ20で洗浄済みの外筒2のノズル6に、既にステップ21で蒸留水に浸漬されステップ22で蒸気滅菌されたキャップ3、または、既にステップ24で濡れた状態にされたキャップ3を取り付ける操作が行われる。なお、ステップ22で蒸気滅菌されたキャップ3、またはステップ24で濡れた状態にされたキャップ3を一旦クリンベンチ(clean bench)内に放置させた後、ステップ29においてノズル6にキャップ3を取り付けるようにしても良い。こうしてステップ29では、外筒2の一端側5に形成されているノズル6がキャップ3で封止される。そして次のステップ30では、外筒2の他端側7の開放端8から外筒2の内部に薬液9が充填される。
【0021】
次にステップ31では、通常は減圧下においてガスケット4が外筒2の開放端8から外筒2の内部に挿入され、外筒2の開放端8が封止される。ガスケット4は、既にステップ25で蒸留水に浸漬されステップ26で蒸気滅菌された状態、または、既にステップ28で濡らされた状態にある。なお、ステップ26で蒸気滅菌されたガスケット4、またはステップ28で濡れた状態にされたガスケット4を一旦クリンベンチ内に放置させた後、ステップ31において外筒2の開放端8にガスケット4を挿入するようにしても良い。
【0022】
こうしてステップ31において組み立てが完了した既充填シリンジ1は、次にステップ32において、全体的に滅菌される。このステップ32における既充填シリンジ1の滅菌も、コッホ殺菌釜、オートクレーブなどを用いた蒸気滅菌とすることができる。また蒸気滅菌の条件は、外筒2の大きさ、キャップ3およびガスケット4の形状等により異なるが、例えば滅菌温度121℃で滅菌時間30分程度とすることができる。なお、蒸気滅菌の際に高温となった薬液9の内圧によるガスケット4の抜け落ちを防ぐために、また、外筒2がプラスチック製である場合は、薬液9の内圧によって外筒2が変形しないように、滅菌室の内圧を適宜高めることが必要である。
【0023】
[滅菌方法2]
次に、滅菌方法2は図3をもとにして以下のように説明される。先に説明した滅菌方法1と同様に、ステップ40において、外筒2が洗浄されて、外筒2の表面の汚染物質が除去される。キャップ3は、好ましくは、ステップ41において蒸留水に浸漬された後、ステップ42において蒸気滅菌される。また、工程を簡略させる場合には、キャップ3は、図3において点線43で示されるように、ステップ44において蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法、の何れかの方法によって濡れた状態にされる。ガスケット4は、好ましくは、ステップ45において蒸留水に浸漬された後、ステップ46において蒸気滅菌される。また、工程を簡略させる場合には、ガスケット4は、図3において点線47で示されるように、ステップ48において、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法、の何れかの方法によって濡れた状態にされる。
【0024】
そして、ステップ49では、既にステップ40で洗浄済みの外筒2の開放端8から外筒2の内部にガスケット4を挿入する操作が行われる。ガスケット4は、既にステップ45で蒸留水に浸漬されステップ46で蒸気滅菌された状態、または、既にステップ48で濡らされた状態にある。なお、ステップ46で蒸気滅菌されたガスケット4、またはステップ48で濡れた状態にされたガスケット4を一旦クリンベンチ内に放置させた後、ステップ49において外筒2の開放端8にガスケット4を挿入するようにしても良い。こうして、ステップ49ではガスケット4によって外筒2の開放端8が封止される。そして、次のステップ50において、ノズル6を介して外筒2の内部に薬液9が充填される。
【0025】
次に、ステップ51において、既にステップ41で蒸留水に浸漬されステップ42で蒸気滅菌されたキャップ3、または、既にステップ44で濡れた状態にされたキャップ3をノズル6に取り付ける操作が行われる。なお、ステップ42で蒸気滅菌されたキャップ3、またはステップ44で濡れた状態にされたキャップ3を一旦クリンベンチ内に放置させた後、ステップ51においてノズル6にキャップ3を取り付けるようにしても良い。
【0026】
こうしてステップ51において組み立てが完了した既充填シリンジ1は、次にステップ52において、全体的に滅菌される。このステップ52における既充填シリンジ1の滅菌も、コッホ殺菌釜、オートクレーブなどを用いた蒸気滅菌とすることができ、蒸気滅菌の条件は、例えば滅菌温度121℃で滅菌時間30分程度とすることができる。
【0027】
【実施例】
本発明の実施例として、ゴム製のキャップおよびガスケットを約30秒間蒸留水に浸漬させ、浸漬後、キャップおよびガスケットをオートクレーブ内で121℃で20分間蒸気滅菌した。ガスケットは外筒の内面に対する密着性が比較的低いタイプAと外筒の内面に対する密着性が比較的高いタイプBを用いた。滅菌後、キャップおよびガスケットをクリンベンチ内に約1時間放置した。そして、外筒のノズルに予め蒸気滅菌したキャップを取り付けて、外筒の一端側を封止した。ノズルにキャップを取り付ける際に、キャップ内面とノズル外周面の間に形成された隙間にバイオロジカル インディケータ(Biological Indicater,3M社製(以下同じ))のストリップを挿入した。キャップの取り付け後、外筒内部に蒸留水を約100ml充填し、減圧下で外筒の開放端から外筒の内部に予め蒸気滅菌したガスケットを挿入して外筒の他端側を封止することにより、実施例の既充填シリンジを組み立てた。外筒の開放端にガスケットを挿入する際にも、ガスケット周面と外筒内面の間に形成された隙間にバイオロジカル インディケータのストリップを挿入した。なお、実施例の既充填シリンジはタイプAのガスケットとタイプBのガスケットについてそれぞれ三本づつ組み立てた。
【0028】
一方、比較例においては、キャップとガスケットは何れも蒸留水に浸漬させず、かつ蒸気滅菌も行わなわなかった。実施例と同様に、ガスケットはタイプAとタイプBを用いた。そして、ノズルにキャップを取り付けた後、外筒内部に蒸留水を約100ml充填し、減圧下で外筒の開放端をガスケットで封止することにより、比較例の既充填シリンジを組み立てた。実施例と同様に、比較例の既充填シリンジにおいても、キャップ内面とノズル外周面の間に形成された隙間、およびガスケット周面と外筒内面の間に形成された隙間にバイオロジカル インディケータのストリップを挿入した。なお実施例と同様に、比較例の既充填シリンジもタイプAのガスケットとタイプBのガスケットについてそれぞれ三本づつ組み立てた。
【0029】
こうして組み立てられた実施例の既充填シリンジ、および比較例の既充填シリンジをオートクレーブで121℃、30分間蒸気滅菌した。滅菌後、それぞれのストリップを取り出して、培養温度55〜60℃、培養時間48時間の条件で培養し、試験菌であるBacillus stearothermophilusの発育の有無を調べたところ、表1の結果を得た。
【0030】
【表1】
【0031】
本実施例の既充填シリンジは、菌の成育が認められず、完全な滅菌がなされたことが明らかである。これに対して、比較例の既充填シリンジは、菌が成育しており、滅菌が不十分である。
【0032】
次に、キャップとガスケットについて滅菌をしなかった比較例の既充填シリンジをオートクレーブで121℃で蒸気滅菌するに際し、滅菌時間を変化させて滅菌時間と滅菌効果の関係を調べた。その結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
比較例は、ガスケット周面と外筒内面の間に形成された隙間を完全に滅菌するためには、タイプAでは60分、タイプBでは180分を要し、実施例に比べて滅菌時間が2倍から6倍も要することが分かった。また、比較例は、キャップ内面とノズル外周面の間に形成された隙間を完全に滅菌するためには90分を要し、実施例に比べて滅菌時間が3倍も要することが分かった。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、キャップの裏面とノズルの外面との間、およびガスケットの周面とシリンジ内面との間を既充填シリンジの滅菌に適用される通常の条件で十分に滅菌することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】既充填シリンジ1の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる滅菌方法1を示す流れ図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる滅菌方法2を示す流れ図である。
【符号の説明】
1 既充填シリンジ
2 外筒
3 キャップ
4 ガスケット
5 一端側5
6 ノズル
7 他端側
8 開放端
9 薬液
10 ねじ溝
11 リング状の溝
Claims (3)
- 一端側にノズルが形成され他端側に開放端を有する外筒を備えた既充填シリンジの滅菌方法であって、
前記外筒のノズルをキャップで封止する工程と;
前記外筒の内部に薬液を充填する工程と;
前記外筒の開放端をガスケットで封止して既充填シリンジを組み立てる工程と、
前記既充填シリンジ全体を蒸気滅菌する工程を含む方法において、
前記外筒のノズルを封止する前に、前記キャップを、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法の何れかの方法によって前記キャップの表面を濡らす工程と、
前記外筒の開放端を封止する前に、前記ガスケットを、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法の何れかの方法によって前記ガスケットの表面を濡らす工程とを含み、
前記外筒のノズルをキャップで封止する工程においては、前記ノズルに、濡れた状態にされたキャップを取り付け、
前記外筒の開放端をガスケットで封止して既充填シリンジを組み立てる工程においては、前記ガスケットは濡らされた状態にあることを特徴とする既充填シリンジの滅菌方法。 - 一端側にノズルが形成され他端側に開放端を有する外筒を備えた既充填シリンジの滅菌方法であって、
前記外筒の開放端をガスケットで封止する工程と、
前記外筒の内部に薬液を充填する工程と、
前記外筒のノズルをキャップで封止して既充填シリンジを組み立てる工程と、
前記既充填シリンジ全体を蒸気滅菌する工程を含む方法において、
前記外筒の開放端を封止する前に、前記ガスケットを、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法の何れかの方法によって前記ガスケットの表面を濡らす工程と、
前記外筒のノズルを封止する前に、前記キャップを、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法の何れかの方法によって前記キャップの表面を濡らす工程とを含み、
前記外筒の開放端をガスケットで封止する工程においては、前記ガスケットは濡らされた状態にあり、
前記外筒のノズルをキャップで封止して既充填シリンジを組み立てる工程においては、前記ノズルに、濡れた状態にされたキャップを取り付けることを特徴とする既充填シリンジの滅菌方法。 - 一端側にノズルを有し他端側に開放端を有する外筒を備えた既充填シリンジであって、前記外筒の内部には薬液が充填され、前記ノズルはキャップで封止され、前記外筒の開放側はガスケットで封止されたものにおいて、
前記キャップの表面は、前記外筒のノズルを封止する前に、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法の何れかの方法によって濡れた状態にされており、濡れた状態にされたキャップが前記ノズルに取り付けられ、
前記ガスケットの表面は、前記外筒の開放端を封止する前に、蒸留水に浸漬する方法、蒸気に曝す方法、もしくは蒸留水に浸漬させた状態で蒸気滅菌する方法の何れかの方法によって濡れた状態にされており、濡らされた状態のガスケットによって前記開放端が封止されたことを特徴とする既充填シリンジ。
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