JP2008503889A - 半導体材料の予めパッシベーション化された表面を金属被覆するための方法及びその方法によって得られる材料 - Google Patents

半導体材料の予めパッシベーション化された表面を金属被覆するための方法及びその方法によって得られる材料 Download PDF

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Abstract

本発明は、半導体材料の予めパッシベーション化した表面を金属被覆するための方法及びその結果得られる材料に関する。本発明は、マイクロエレクトロニクスに適用可能であり、材料(2)の表面を前処理することにより、材料内に水素原子又は金属元素を吸着可能な結合を形成するステップ、表面をパッシベーション化化合物に露出することにより、好ましくは表面の直下に位置する一又は複数の層をパッシベーション化するステップ、及び表面(4)を水素原子へ又は金属元素に露出することにより、該表面を金属被覆するステップを含むことを特徴とする。

Description

発明の説明
技術分野
本発明は、半導体材料の表面を金属被覆するための方法、特に水素を用いて金属被覆する方法、並びに前記方法により得られる金属被覆された表面を有する材料に関する。
以下に説明するように、本発明は多数の用途、特にマイクロエレクトロニクスの分野における用途を有する。
従来技術
デバイス、特に、MOS、MOSFET、及びMESFETトランジスタ等の半導体に基づくバイポーラトランジスタ及びユニポーラトランジスタを製造するためには、金属性の「接点」を形成することが必要である。これは一般的に、特にAu、Al、Cu、及び遷移金属(Ti、W、及びNi等の)から選択可能な金属の層を蒸着することにより行われる。
微小化を目指す傾向により、益々薄い層が使用されるようになり、金属/半導体間のインターフェースに益々急峻な界面構造が求められている。
しかしながら、1つの問題が生じている。すなわち、大抵の金属、いずれにしろ最も有利な金属は、堆積された基板と合金を形成する。この結果、界面構造の急峻さが殆ど失われ、よって性能が低下する。
従って、例えば、MOSトランジスタを形成するには、半導体上に堆積させた酸化物の上に金属層を堆積させることが必要である。
本発明の開示
本発明は、上記の欠点を克服することを目的としている。
本発明の方法により、非常に薄い金属層の使用が可能になるだけでなく、急峻な界面構造を得ることができる。
本発明の方法により、原子規模で、従って原子層のレベルで、精度の高い作業を行うことが可能になる。よって、別個の電気特性を有する2つの層の間に急峻な界面構造を得ることができる。例えば、金属層と半導体層の間に急峻な界面構造を得ることができる。
一般に認められているように、半導体材料の表面処理方法は、次の文献から既知であり、ここにこの文献を引用文献とする。
(1)国際特許出願PCT/FR02/01323(2002年4月17日出願、発明者:V. Derycke及びP. Soukiassian、国際公開番号WO02/086202A)
この文献(1)において、半導体材料の表面のパッシベーション化剤としての周知の役割とは反対に、水素原子が、特定の欠陥を生成することにより炭化ケイ素の表面を金属被覆できることが示された。
しかしながらこの場合、水素による急峻な界面構造は、金属層と半導体層(SiC層)との間でのみ可能である。
具体的には、本発明は、半導体材料を処理することにより、半導体材料の表面を導電状態にする方法に関する。この方法は、
− 前記表面の前処理を行うことにより、表面内に水素原子又は少なくとも1つの金属元素の原子を吸着可能な結合を形成する前処理ステップ、
− 前記表面をパッシベーション化化合物に露出することにより、好ましくは表面の直下の一又は複数の層をパッシベーション化するパッシベーション化ステップ、
− 水素原子又は金属元素の原子に露出することにより、表面を金属被覆する金属被覆ステップ
を含み、
表面の前処理と、表面の水素又は金属元素との結合とにより、表面の導電状態が得られ、
方法はまた、パッシベーション化された層を部分的に脱パッシベーション化(depassivation)するステップを、パッシベーション化ステップの後に有する、
ことを特徴とする。
上記のステップはどのような順序で行うこともできる。すなわち、本方法においては、例えばこれらのステップに次の順序を用いることが可能である。
− 順に、前処理、パッシベーション化、任意で脱パッシベーション化、及び金属被覆、或いは、
− 順にパッシベーション化、任意で脱パッシベーション化、前処理、及び金属被覆。
このようにして、本発明の特定の一実施形態によれば、脱パッシベーション化ステップはパッシベーション化ステップの後に行われ、脱パッシベーション化ステップの後に前処理ステップが行われ、次いで金属被覆ステップが行われる。
半導体材料は好ましくは単結晶である。
本発明の第1の特定の実施形態によれば、層のパッシベーション化は、表面を酸化化合物に露出することにより、一又は複数の層を酸化することによって行われる。
本発明の第2の特定の実施形態によれば、層のパッシベーション化は、表面を酸窒化化合物に露出することにより、前記一又は複数の層を酸窒化することによって行われる。
本発明の第3の特定の実施形態によれば、層のパッシベーション化は、表面を窒化化合物に露出することにより、前記一又は複数の層を窒化することによって行われる。
水素原子又は金属元素の原子を吸着可能な結合は、好ましくはダングリング結合である。
本発明の好ましい実施形態によれば、半導体材料は炭化ケイ素である。
好ましくは、炭化ケイ素の表面を、原子規模で対称な3x2の制御された組織を有するように前処理する。
本発明において、パッシベーション化される層は表面の直下に位置する層である。
本発明の好ましい実施形態によれば、金属被覆されている表面を酸素に露出することにより表面の金属被覆を補強する。
本発明はまた、本発明の処理方法によって表面を金属被覆した半導体材料、好ましくは単結晶の半導体材料に関する。
本発明はまた、表面を金属被覆した半導体基板を含む固体複合材料に関する。この材料は、前記表面が基板の一又は複数の原子層を覆っており、これらの原子層がパッシベーション化され且つ好ましくは前記表面の直下に位置すること、及びパッシベーション化された原子層と基板の間の界面構造、並びにパッシベーション化された原子層と金属被覆された表面の間の界面構造が急峻であることを特徴とする。
本発明において、「急峻な界面構造」とは、界面の各側に存在する2つの材料の間で、組成及び/又は構造が急激に変化する界面構造を意味する。
一般に、このような急激な変化は2〜3の単原子層からなる空間に生じる。
一般に、金属被覆された層の厚さは、1〜3の単原子層の厚さに相当する。
表面は好ましくはダングリング結合を有し、この表面を、水素原子又は金属元素の原子の吸着によって金属被覆し、すなわち導電性にする。
材料は好ましくは立方構造を有する炭化ケイ素であり、この表面は、原子規模で対称な3x2の制御された組織を有する
本発明はまた、半導体材料の表面に電気接点を生成する方法に関し、本方法では、本発明の処理方法によって材料の表面を金属被覆することにより、前記接点を生成する。
本発明はまた、半導体材料と生物学的材料の間の界面構造を生成する方法に関し、本方法では、本発明の処理方法によってこの材料のこの表面を金属被覆することにより、前記界面構造を生成する。
本発明はまた、半導体材料の表面の摩擦係数を減少させる方法に関し、本方法では、本発明の処理方法によって前記表面を金属被覆する。
本発明は、添付図面を参照して、非限定的実施例として提供する以下の実施形態の説明を読むことにより、更に深く理解することができる。
特定の実施形態の詳細な説明
以下に、本発明による半導体材料の処理方法を説明する。本方法は、前記材料の表面を導電状態にすることができる。この材料は、例えば炭化ケイ素であり、好ましくは単結晶である。
本方法の第1のステップでは、材料の表面を処理することにより、表面内に水素原子を吸着可能な結合を形成する。これらの結合は、好ましくはダングリング結合である。
これらの結合を得るには、次のような手順で進めることが可能である。すなわち、1300℃に加熱されたシリコン源を用いて、複数のシリコン単層を基板の表面上に堆積させる。熱的アニーリング処理により、堆積させたシリコンの一部分を、制御下で、表面が原子規模で対称な3x2の組織を有するまで蒸着する(再構築)。このような表面の対称性は、電子線回折により制御できる。
第2のステップでは、第1のステップで前処理した表面を、前記パッシベーション化を可能にする適切な化合物に露出することにより、前記表面の直下の一又は複数の層のパッシベーション化を行う。このステップについては後述する。
第3のステップでは、このように前処理した表面を、水素原子に露出することにより金属被覆する。
これを行うには、次のような手順で進めることが可能である。すなわち、対称な3x2の表面を、原子状水素に露出する。この原子状水素を生成するには、超純粋分子水素を用いる。この超純粋分子水素は、試料から2cm離れた位置に配置される白熱タングステンフィラメントにより分解される。この露出の間、表面は300℃に等しい温度に保つ。
表面の前処理と、この表面と水素との結合により、表面の導電状態が得られる。
上述のような本発明の方法の利点について以下に説明する。
文献(1)に記載の方法の場合には、金属層と半導体層との間に急峻な界面構造が1つだけ可能であったのに対し、本発明による方法では、2つの急峻な界面構造、すなわち、
− 概してバルク形状である、元来の材料から構成される半導体層と、本方法の実施中に得られるパッシベーション化層との間の第1の急峻な界面構造、及び
− 同じパッシベーション化層と、本発明による方法の最終ステップの間に得られる外側の金属被覆層との間の第2の急峻な界面構造
を共に含む材料を得ることができる。
これは、1つの金属層を酸化物上に堆積させ、酸化物を半導体の上に堆積させるMOS(金属−酸化物−半導体)トランジスタの生成に、当然ながら極めて有利である。
直下に位置する層をパッシベーション化するには、好ましくは次のステップを行う。すなわち、
i)表面を、例えば分子酸素に、又はHO、CO、又はCO等の酸素を含む分子に露出することにより、前記層を酸化するか、
ii)表面を、例えばNO、又はNOに露出することにより、前記層を酸窒化するか、又は
iii)表面を、例えばNH、又はNに露出することにより、前記層を窒化する。
上記のi)において、酸素を含む分子は気体に限定されないことに注意されたい。そのような分子は、微細液滴、すなわち霧又は飽和大気(例えば水蒸気)の形態であってよい。
材料が炭化ケイ素である場合、水素原子を吸着できるように前処理される表面は、好ましくは、前処理により原子規模で対称な3x2の制御された組織を有する表面である。
特に、材料は、シリコンに富む、3x2の3C−SiC(100)表面を有することができる。
このような前処理は次のようにして行うことができる。すなわち、1300℃に加熱したシリコン源を用いて、複数のシリコン単層を基板の表面上に堆積する。熱的アニーリング処理により、表面が原子規模で対称な3x2の組織を有するまで、堆積させたシリコンの一部分を制御下で蒸発させる(再構築)。表面のこのような対称性は、電子線回折により制御できる。
しかし、本発明は、別の表面、例えば3x3の六方晶系SiC表面、及び6H−SiC(0001)4x3表面上の4x3のSi層上でも実施可能である。
これについて、以下の文献を引用する。
(2)WO 01/39257A(「Silicon layer highly sensitive to oxygen and method for obtaining same」、発明者:F. Amy, C. Brylinski, G. Dujardin, H. Enriquez, A. Mayne及びP. Soukiassian)。
好ましくは、表面の直下に位置する層から選択される一又は複数の層をパッシベーション化する。
有利には、上部の層をパッシベーション化せずに残したまま、3又は4番目の層をパッシベーション化する。
加えて、金属被覆の形成は最外部の層に限定されない。すなわち、複数の原子層に対して行うことができ、例えば最初の3つの層に亘って行うことができる。
金属被覆を表面上の第1の層、すなわち最外部の層に限定して行う場合、最外部の金属被覆層と、もっと深い位置にあるパッシベーション化層との間に、半導体層を挿入することが可能である。
随意で、一又は複数の半導体材料の層を、金属被覆表面とその下方のパッシベーション化層との間に挿入することが可能である。従って、具体的にSi終端処理されたSi型の半導体材料の場合、材料の構造は次のようになる。すなわち、
Siから構成される最初の3つの層(材料がSi終端処理されているため)、次いでSiC領域、次いでその下方のパッシベーション化領域、次いで最後に、元来のSiC基板。
例えば、SiC基板により、前記基板の表面の下方を酸化し、表面に酸化されないSi層を残すことができる。
水素原子の代わりに、金属元素を用いることができる。
この金属元素は、例えば、バンドdがフルである金属、ジェリウム型金属、アルカリ金属(Cs、Rb、K、又はNa等、特にNa及びK)、遷移金属、及び銀から選択することができる。
この場合、表面の前処理により、表面内に金属元素の原子を吸着できる結合を形成するには、次のような手順で進めることが可能である。すなわち、1300℃に加熱したシリコン源を用いて、複数のシリコン単層を基板の表面上に堆積させる。熱的アニーリング処理により、表面が原子規模で対称な3x2、又はc(4x2)の組織を有するまで、堆積させたシリコンの一部分を制御下で蒸発させる(再構築)。表面のこのような対称性は、電子線回折により制御できる。
加えて、前処理した表面を金属被覆するには、次のような手順で進めることが可能である。すなわち、金属元素源を用いて、複数の単層を基板の表面上に堆積させる。熱的アニーリング処理を行うことにより、金属元素の一部分を制御下で蒸発させ、堆積を組織化することができる。
水素原子又は金属元素の原子により得られた金属被覆をもう一度酸素に露出することによって補強することが可能である。
実際に、例えば、水素により、予め酸化させたSiCの表面を金属被覆した後、同じ表面を再び酸素に露出した。水素を除去するために、つまり金属被覆を除去するために、更に高温でのアニーリングが必要であることが分かった。
実際に、水素を除去するには600℃より低い温度での加熱が通常必要である。
しかしながら、更に酸素に露出した後、水素を除去するため、つまり金属被覆を除去するためには、900℃を超える温度まで上げることが必要で、これにより酸素も除去される。
従って、再酸化は、金属被覆を保護するか、又はいわば前記金属被覆をパッシベーション化する。
従って、文献(1)に記載の方法に関し、金属被覆が補強される。
以下に、炭化ケイ素を用いる実施例に基づいて、たとえ炭化ケイ素の表面が予めパッシベーション化されているとしても、文献(1)の場合のように水素により表面的な金属被覆が生じることを示す。
この実施例においては、表面的な酸化によりSiCの表面をパッシベーション化する。しかしながら、酸素への露出によるこのような酸化は、室温(20℃前後)、又は高温(25℃〜1200℃)において、HO(気体状態)、NO、NO、CO、CO等の酸素を含む分子によっても行うことができる。
加えて、水素により起こる金属被覆が、酸化又は電子を受け入れる他の吸着質によって除去されないことが分かっている。
考慮される本実施例によれば、清浄な、シリコンに富むか又はSi終端処理されたSiC表面を、25℃〜800℃に保ち、1〜1000ラングミュア(1ラングミュア(1L)=10−6トル秒、すなわち約10−4Pa・s)の酸素に露出することにより、前もって軽く酸化する。
次いで、このようにして酸化した表面を、原子状水素(白熱タングステンフィラメントで二水素を励起することで取得可能)に露出する。この露出は、数ラングミュア〜数百ラングミュアである。前もって酸化された表面はこうして金属被覆される。
本発明の別の実施例を次に示す。
清浄なSiC表面の前処理は自然の酸化物を除去することからなり、これは扱いにくい作業である。
この別の実施例においては、単純な高温での迅速な熱的アニーリングによって(又は適切な化学的方法によって)自然の酸化物の一部を除去するだけで、そのような酸化物の大部分を除去することができ、次いで上述のように原子状水素に表面を露出する。
終了時に自然の酸化物が得られていると考えられる第2のパッシベーションステップが終了したら、高温での迅速な熱的アニーリング作業から構成される追加的な「脱パッシベーション」ステップを行い、自然酸化物を部分的に除去する。
このステップの後には当然ながら、表面前処理ステップと金属被覆ステップを行う。
この別の実施例では、ステップの順が「パッシベーション化、次いで脱パッシベーション化、次いで前処理、次いで金属被覆」であるから、本発明の方法のステップを「前処理、次いでパッシベーション化、次いで金属被覆」の順に行わなくてもよいことは明白である。
この別の実施例で行われる自然酸化物の部分的除去は、前記酸化物の全体の除去より単純且つ早い作業であり、これは生産において特に有利である。
このようにして得られる下方のパッシベーション化された領域は、比較的に局所的であり、多くても数層に亘るに過ぎない。従って、これは、界面構造が依然として十分に急峻であることから、MOSトランジスタの生産に有益である。
この別の実施例において、熱的アニーリングの継続時間は数秒〜数分の規模であり、このアニーリングの間の温度は700〜1300℃とすることができる。
本発明のまた別の実施例を以下に示す。
シリコンに富む、前もって酸化された3C−SiC(100)の3x2の表面を、自然酸化物の部分的な熱的除去を行うことにより前処理する。次いで、各々がシリコンを堆積させた後でアニーリング処理を行うシークエンスを複数回に亘って実行する。
このプロトコルにより、2つの酸化状態を有し且つLEED(低エネルギー電子回折)による3x2パターンを有するSi−rich 3C−SiC(100)表面が得られる。
原子状水素への露出は、研究用の等級の二水素を用いて300℃で行われる。この二水素は、加熱したタングステンフィラメントにより分離されたものである。
この発明は、新規で、非常に独創的な特性を実証するものであり、これによってエレクトロニクス、機械工学、生体適合性学、ナノテクノロジー、及びマイクロ加工の分野における応用に道が開かれる。
以前は酸化/パッシベーション化されていた半導体の表面の金属被覆が、絶対的に先例のない特性を構成する。
このことは、いずれにせよその役割を部分的にしか担わない金のような希少で高価な金属を用いる必要なく、半導体材料の表面に、「オーム」接触と呼ばれる、腐食及び/又は湿気に対して自然な抵抗性を有する接触の生成に道を開くため、事実上非常に重要である。
添付の単一図面は、例えば立方構造を有する、炭化ケイ素基板2を示す。その表面4は、本発明により、原子状水素又は金属元素の原子を用いて金属被覆されている。この図面は、金属被覆に先立ってパッシベーション化されている層5も示す。
オーム接触は、基板上で局部的に行われるこのような金属被覆から得られる。
加えて、水素による金属被覆は、生体適合性に関する分野での、電気材料と生物学的材料との間に界面構造を有するデバイスの生産に非常に有利である。たいていの金属と異なり、水素は生体適合性を有し(これは生物に必須の要素である)、同じことは炭化ケイ素にもいえる。
添付図面に示すように、水素により金属被覆された表面4は、材料2と生物学的材料6との間にそのような界面構造を構成できる。
最後に、摩擦学では、金属の性質を有する表面の摩擦係数が絶縁表面又は半導体表面の摩擦係数よりもずっと低いことが知られている。
従って、本発明による水素を用いた金属被覆により、SiC表面及び他の半導体、特にダイアモンドの摩擦係数を減少させることができる。
従って、機械工学への応用、特にマイクロ加工又はナノ加工、例えばナノモータ又はナノジャイロスコープの生産用のナノ加工への応用が、非常に有益である。この場合水素原子は「原子規模の潤滑剤」として機能する。
本発明によって表面を金属被覆した半導体材料を概略的に示す。

Claims (18)

  1. 半導体材料を処理することにより、前記材料の表面を導電状態にする方法であって、
    − 前記表面を前処理することにより、表面内に水素原子又は金属元素の原子を吸着可能な結合を形成する前処理ステップ、
    − 前記表面をパッシベーション化化合物に露出することにより、一又は複数の層、好ましくは前記表面の直下に位置する一又は複数の層をパッシベーション化するパッシベーション化ステップ、及び
    − 水素原子又は金属元素原子に露出することにより、表面を金属被覆する金属被覆ステップ
    を含み、
    表面の前処理と、水素又は金属元素との表面の結合とにより、表面が導電状態となり、
    更に随意で、パッシベーション化ステップの後で、パッシベーション化された層を部分的に脱パッシベーション化するステップを含む
    ことを特徴とする方法。
  2. 半導体材料が単結晶である、請求項1に記載の方法。
  3. 層のパッシベーション化を、表面を酸化化合物に露出することにより前記層を酸化することによって行う、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 層のパッシベーション化を、表面を酸窒化化合物に露出することにより前記層を酸窒化することによって行う、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 層のパッシベーション化を、表面を窒化化合物に露出することにより前記層を窒化することによって行う、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 水素原子又は金属元素の原子を吸着可能な結合がダングリング結合である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 半導体材料が炭化ケイ素である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 炭化ケイ素の表面を、原子規模で対称な3x2の制御された組織を有するように前処理する、請求項7に記載の方法。
  9. パッシベーション化される層が表面の直下の層である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 金属被覆した表面を酸素に露出することにより前記表面の金属被覆を補強する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。
  11. パッシベーション化ステップの後で脱パッシベーション化ステップを行い、脱パッシベーション化ステップの後で前処理ステップを行い、次いで金属被覆ステップを行う、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法によって表面(4)を金属被覆した半導体材料(2)であって、好ましくは単結晶の半導体材料。
  13. 表面を金属被覆した半導体基板を含む固体複合材料であって、前記表面が基板の一又は複数の原子層を覆っており、原子層がパッシベーション化された、好ましくは表面の直下に位置する層であること、及びパッシベーション化された原子層と表面との間の界面構造並びにパッシベーション化された原子層と金属被覆された表面との間の界面構造が急峻であることを特徴とする、固体複合材料。
  14. 表面がダングリング結合を有し、前記表面が水素原子又は金属元素の原子の吸着によって金属被覆されている、請求項13に記載の材料。
  15. 材料(2)が立方構造を有する炭化ケイ素であり、炭化ケイ素の表面が、原子規模で対称な3x2の制御された組織を有する、請求項14に記載の材料。
  16. 半導体材料(2)の表面に電気接点(4)を生成する方法であって、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法によって材料の表面を金属被覆することによって前記接点を生成する方法。
  17. 半導体材料(2)と生物学的材料(6)との間の界面を生成する方法であって、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法によって材料の表面を金属被覆することによって前記界面(4)を生成する方法。
  18. 半導体材料の表面の摩擦係数を減少させる方法であって、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法によって前記表面を金属被覆する方法。
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