JP2008503343A - トンネルファン用静電式フィルタ - Google Patents

Abstract

本発明は、気体から粒状物質を濾過するための装置に関する。装置は、ほぼ軸方向に配置されたイオナイザ構造体を備える少なくとも一つの管と、前記少なくとも一つの管を通過する気体を推進するためのファンとを具備する。イオナイザ構造体は、管の少なくともかなりの部分に沿って軸方向に延在し、ブレード端部に沿って規則的に配置される非常に多数の鋭い歯を備える鋸歯の形状を有する平らなブレードを包含する。ブレードは、前記管に沿って流れるガス流に回転を付与するために、ブレード自体の長手方向の中心線を軸にして捩じられる。

Description

本願は、気体から粒状物質を濾過するための装置、より詳細にはフィルタに関していて、フィルタは、空気流中を高速で運ばれる微粒子を除去するようになっている。一般的に、これらのフィルタは、道路のトンネルジェットファン又はブースタファンのような、高速ファンに固定されて使用される。

先行技術は、速度10m/sまでの様々な気体、通常は空気中から微粒子を除去するために、静電原理を使用するフィルタを含む。ここで使用される原理は以下の通りである。空気が電界中を進み、そこで、空気中の微粒子が電荷を受容する。帯電した微粒子はコレクタ区域に移動し、そこでは、各々一つおきのプレートが微粒子と同一の極性で帯電をしていて、微粒子を撥ね返す。別のプレートの組は接地されていて、微粒子を収集する。それから、大部分の微粒子が取除かれた空気は、大気中に再導入される。汚染されたプレートは、洗浄によって、通常は水/洗剤、高圧空気又はその他の手段によって清掃される。微粒子は、環境とフィルタの位置に合わせて正極にも負極にも帯電が可能である。静電式フィルタは、長い年月を掛けて進化してきた一方で、二つの根本的な操作上の課題がある。一つには、空気の速度が増加すると効率が低減し、二つには、空気の速度が増加すると圧力損失が増加し、その結果、運転経費が非常に高くなる。10m/sを超える速度において、フィルタはもはや運転できないことが認知されてきた。

特許文献１は、静電力と遠心力の両方を利用する装置を開示する。電極は、管の中央に配置される。気体は、管までの接線方向入口配列によって、及び中央電極の周囲の螺旋形の流路設備によって螺旋運動になる。

同様の装置が、特許文献２で開示され、静電力と遠心力の両方を利用するために、管内に中央電極とブレードを包含する。

特許文献３は、入口の推進ブレードが、中央電極を備えるチャンバの内部に渦巻き空気流を供給する配置を開示する。

中央電極を備える、これら先行技術の解決策の全てに共通の特徴は、特別な回転空気発生器（接線方向気体入口、特別な螺旋形の流路装置又はプロペラ）が必要なことである。さらに、中央イオン化電極を備える装置において、この電極が管の軸方向に沿って位置するワイヤであることである。ワイヤの主な問題点は、それが切断することである。これは、高電圧によるワイヤ振動が原因である。ワイヤは、空気の動きがない場合でも振動する。

それ故に、堅固で自己安定型の中心電極が必要であり、及び一般的に先行技術によって開示されたよりも、単純で廉価な構造が必要である。

独国特許出願公開第１４５７３２５号明細書 独国特許発明第７１７４７７号明細書 国際公開第９９／６１１６０号パンフレット

従って、気体によって運ばれる微粒子を濾過するために、改良型の静電式フィルタを提供することが、本発明の目的である。
容易に組立できる、改良型の静電式フィルタを提供することが、本発明の別の目的である。
適切な組立に対して容易に試験が出来る、改良型の静電式フィルタを提供することが、本発明のさらなる目的である。
容易に破損しない要素となる、改良型の静電式フィルタを提供することが、本発明のさらに別の目的である。
経費を節約して製造することが出来る、改良型の静電式フィルタを提供することが、本発明のさらに別の目的である。
化石燃料の燃焼過程で発生する排気ガスから微粒子を取り除くことが、さらに本発明のさらなる目的である。
万一火事の場合に、トンネル内の空気から微粒子を取り除くことが、本発明のさらに別の目的である。
追加の部品無しに両面が使用可能な静電式フィルタであることが、さらに本発明のさらなる目的である。
ほとんどメンテナンスの必要のない静電式フィルタの機能であることが、本発明の別の目的である。

従って、本発明により、気体から粒状物質を濾過するための装置が提供され、装置は、ほぼ軸方向に配置されたイオナイザ構造体を備える少なくとも一つの管と、少なくとも一つの管を通過する気体を推進するためのファンとを包含する。本発明の装置は、イオナイザ構造体が、管の少なくともかなりの部分に沿って軸方向に延在し、ブレード端部に沿って規則的に配置された多数の鋭角な歯を備える鋸歯形状を有する平らなブレードを包含することと、ブレードが、管に沿って流れるガス流に回転を付与するために、ブレード自体の長手方向の中心線を軸として捩じられることとに特徴付けられる。

上記に画定されたイオナイザの構造体を備える濾過装置は、単純化された装置であり、中央のイオナイザがガス流を回転させ、同時にイオン化する。鋸歯は、気体に運ばれる微粒子をイオン化するために効果的である。この装置は、30m/sのガス流速又はそれより早い速度で使用することが出来る。さらなる利点は、捩じられたブレード構造体が、ワイヤよりも非常に堅固でより信頼性が高いことであり、ワイヤ電極と異なり振動を受けにくい。

ブレードの捩じり中心線は、通常、管の軸と一致するが、軸外構造を使用することもまた可能である。

好ましい実施形態において、ブレードは、管直径より十分に小さい、例えば1対10の割合の横寸法を有する。

帯電された粒状物質を受容するために、コレクタ構造体を管の内面に配置してもよい。この場合に、複合材料から管を製作してもよく、一方、管内部のコレクタ構造体は、電気接地点に接続される導電性材料から製作され、一方、イオナイザ構造体は、高電位に接続される

好適な実施形態において、捩じられたブレードは、ステーによって管の軸にほぼ支持され、同時にステーが、ブレードへの高電圧用導電体として機能する。

管は、円形、六角形、及び矩形のいずれかの形状の正面領域を有してもよい。本発明の装置は、規則的な最密充填の六角形正面領域を備える多数の管を包含する。

静電式フィルタは、管の中央部に延在する平らな「鋸歯」のイオナイザを備える一連の平行管を利用する。平らな「鋸歯」のイオナイザは、中心線を軸に捩じられ、それによって管に沿って流れる空気流に回転が生じる。この回転は、求心力によって空気流の中の何れの微粒子も管壁に向かって移動させる。
イオナイザは、管の電位と異なる電位を有する。これが、イオナイザの歯部と管壁との間で、コロナ放電の原因となる。
微粒子がコロナを通過する場合に、それらはイオナイザと同電位を有する電荷を付与される。これはイオナイザから微粒子を撥ね返す結果となり、同時に管壁にそれらを誘引する。帯電した微粒子が管壁に接触した場合に、空気がなお高速で流れている間は、微粒子は、電荷が取除かれる時まで管壁に付着するか、又は空気流によって飛沫同伴される大きさの塊になる。
管は、球形又は六角形となる。六角形なら、管は、ファンの直径に適合するように大きさが決められる。
それから管は、トンネルのジェットファンに取付けられる。
フィルタ用の電力は、高電圧電源からフィルタに直接供給され、機械的な取付け具、通常、ケーシングを直接貫通するボルトによって、高電圧接続箱に固定される。

本発明の静電式フィルタは、図３に示される。この図面において、図１で示されるイオナイザは、その水平軸の周りに回転され（図２）、イオナイザ支持部材によってコレクタの中央部で支持される（図５）。イオナイザ支持部材はまた、一つのイオナイザとそれに隣接するイオナイザとの間の電気的な接点としても機能する。図４は、流速1.54ｍ³/sを濾過することが可能なフィルタ用の一般的なアセンブリである。図６は、流速16.3ｍ³/sを濾過するための一般的なアセンブリである。図７は、流速54ｍ³/sを濾過するための一般的なアセンブリである。
図８は、ジェットファンに取付けられたジェットファンフィルタの実例である。
図９は、接点の引例である。接点は、電気絶縁箱の内側にある。それからケーブルが動力源に接続される。
図１０は、流速0.22ｍ³/sの空気流を備える円形管フィルタの一般的な断面である。

イオナイザ支持部材はまた、一つのイオナイザとそれに隣接するイオナイザとの間の電気的な接点としても機能する。
コレクタ区画は、トンネルのジェット又はブースタファンの円形の正面に適合することが可能な円形に近い正面を形成するために、組み合わされる六角形の管から成る。
各々の区画は、機械的な手段によって隣接物に固定される。それから、これらの区画は耐火性の複合材から製造される筐体に収納される。
イオナイザとコレクタとに高電圧を通電する電気設備は、複合材を貫通する。

捩じる前のイオナイザの平面図である。 360度捩じった後のイオナイザの平面図である。 筐体内に取付けられたイオナイザとコレクタを備える六角形管の断面図である。 1.54ｍ³/sの空気容積用フィルタアセンブリの断面図である。 1.54ｍ³/sの空気容積用アセンブリの一区画の正面領域図である。 16.3ｍ³/sの空気容積用アセンブリの正面領域図である。 54.2ｍ³/sの空気容積用アセンブリの正面領域図である。 一般的なトンネルのジェットファン/ブースタファンに取付けられたフィルタ構造図である。 一般的なフィルタの接点図である。 0.22ｍ³/sの空気容積用円筒形管フィルタの断面図である。

Claims (8)

1. 気体から粒状物質を濾過する装置であって、
   ほぼ軸方向に配置されたイオナイザ構造体を備える少なくとも一つの管と、前記少なくとも一つの管を通過する前記気体を推進するためのファンとを具備するものにおいて、
   前記イオナイザ構造体が、前記管の少なくともかなりの部分に沿って軸方向に延在し、ブレード端部に沿って規則的に配置された非常に多数の鋭い歯を備える鋸歯の形状を有する平らなブレードを具備し、前記ブレードが、前記管に沿って流れるガス流に回転を付与するために、ブレード自体の長手方向の中心線を軸にして捩じられることを特徴とする、気体から粒状物質を濾過する装置。
2. 前記ブレードの捩じりの中心線が、管の軸と一致することを特徴とする、請求項１に記載の装置。
3. 前記ブレードが、管直径より十分に小さい、例えば1対10の割合の横寸法を有することを特徴とする、請求項１に記載の装置。
4. 帯電した粒状物質を受容するために、コレクタ構造体が、前記管の内面に沿って配列されることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
5. 前記少なくとも一つの管が、複合材料から製作され、一方、各々の管の内部のコレクタ構造体が、電気接地点に接続される導電性材料から製作され、一方、前記イオナイザ構造体が、高電位点に接続されることを特徴とする、請求項４に記載の装置。
6. 前記捩じられたブレードが、ステーによって前記管の軸にほぼ支持され、同時に前記ステーが、前記ブレードへの高電圧用導電体として機能することを特徴とする、請求項１に記載の装置。
7. 前記管が、円形、六角形、及び矩形の形状のいずれかの正面領域を有することを特徴とする、請求項１に記載の装置。
8. 規則的な最密充填の六角形正面領域を備える多数の管を具備する、請求項１に記載の装置。

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