JPS6341073Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は電気集塵部とサイクロン型集塵部を一
体に組合せた円筒型荷電集塵装置に関するもので
ある。

（従来の技術） 工場等から排出される媒煙等の含塵ガスによる
大気汚染を防止するため、従来から種々の集塵機
あるいは集塵装置が存在する。

これらのうち、比較的多く用いられるものに、
放電極と集塵極との間のコロナ放電を利用して、
含塵ガス中の帯電粒子を捕集する電気集塵機と、
遠心力の利用により集塵を行うサイクロン型集塵
機（以下サイクロンという）がある。

これらの集塵機は、もちろん、それぞれ単独で
用いることが可能であるが、集塵効率を高めるた
めにこれらを組合せて用いることもよく行なわれ
ている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記の組合せによる従来の集塵
装置においては、電気集塵機とサイクロンとが分
離されて別個に設置されていたため広いスペース
を必要とし、また経済的にもイニシヤルコストが
高くなるという問題点があつた。

本考案は、このような問題点を解決すべく電気
集塵機とサイクロンとを、一体にかつ効率的に組
合せた集塵装置を提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するための手段とし
て、円筒型排気塔下部のガス入口部に配設した第
一のサイクロン部を備え、該サイクロン部の上部
には放電極及び集塵極を有する電気集塵部と、該
電気集塵部の上部に第二のサイクロン部を配設し
たことを特徴とする。

（作用） かかる構成により、排気塔下部ガス入口部より
入つたガスは、まず第一のサイクロン部で脱塵が
行なわれ、次いで電気集塵部、さらに第二のサイ
クロン部により集塵が行われる。従つてこのよう
な構成をとることにより、円塔型排気塔内へ複数
且つ各種の集塵機を上下一対に直列的に配設する
ことができるので、自然通風の原理に則した低エ
ネルギーで集塵効率の高い集塵装置を狭いスペー
スに設置することが可能になる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図に基き説明する。円
筒型の排気塔１の下部にはガス入口部２が設けら
れており、ガス入口部２は接続流入式の第１のサ
イクロン部３に接続されている。サイクロン部３
の下部にはダストバンカ４が取付けられており、
また、上部には筒体５により連通路６が形成さ
れ、連通路６の上方には電気集塵部７が配設され
ている。

この電気集塵部７の構造を説明すると、まず中
央部付近に２個の高圧碍子８が取付けられ、該高
圧碍子８の上方には複数の針状放電極９と複数の
集塵極１０が設けられている。そして、高圧碍子
８の下方には針状放電極１１が連通路６内に吊下
されており、筒体５の内面が集塵極となつてい
る。

高圧碍子８の周囲には案内筒１２が取付けられ
ており、案内筒１２の内面及び外面には複数の螺
旋状案内羽根１３が設けられている。また、案内
筒１２の中間側面部にはブスダクト１４の一端が
接続され、ブスダクト１４の他端は途中から二つ
に分岐されて円筒型排気塔１の外部に設けられた
高電圧発生機１５及び送風機１６に接続してい
る。

ブスダクト１４内には高電圧発生機１５と高圧
碍子８部を接続するブスパイプ１７が配設され、
前述の放電極，集塵極間にコロナ放電を発生させ
るための高電圧が供給されるようになつている。
尚、送風機１６の吸入側には、吸入口に防塵装置
１８を設けた吸入路１９が取付けられ、清浄空気
がブスダクト１４内へ送り込まれるようになつて
いる。

電気集塵部７の上部には、軸流式第２のサイク
ロン２０が配設されている。２１は被処理ガスに
旋回流を与えるための螺旋状案内羽根である。

サイクロン部２０の下方側面部にはブローダウ
ン用ダクト２２が接続され、サイクロン２０内の
被処理ガスの一部が送風機２３によりブローダウ
ンサイクロン２４に送り込まれるようになつてい
る。

サイクロン２０の上部には被処理ガス案内装置
２５が取付けられており、さらにその上方には排
出口２６を有するフード２７が設けられている。

次に、以上のように構成される本円筒型荷電集
塵装置の集塵作用について説明する。

入口部２より流入する排ガスは、サイクロン部
３内を螺旋状に旋回しながら下方に移動し、この
際、排ガス中の比較的大きな粒子は遠心力により
分離され、ダストバンカ４内へ排出される。

次いで、排ガスは連通路６内を通つて上昇する
が、このとき放電極１１と筒体５内面の集塵極と
の間のコロナ放電により、さらに排ガス中の微粒
子は荷電され、集塵極に捕集される。

連通路６を通り抜けた排ガスは、さらに上昇し
ようとするが、案内筒１２の内部は清浄エアがや
や陽圧に充満しているために、排ガスは案内筒１
２の外側に設けられた案内羽根１３により旋回流
となつて螺旋状に上昇することとなる。

すなわち、送風機１６の働きにより、防塵装置
１８が設けられた吸入路１９からブスダクト１４
内へ清浄なエアが送りこまれる。このエアは案内
筒１２の内面に設けられた案内羽根１３の作用に
よつて旋回流となり、凹凸を有する高圧碍子８の
全表面を効率よく擦る状態で流れることになる。
そのため、高圧碍子８の表面には塵埃が付着する
ことがなく、また結露が生じることもない。した
がつて、塵埃の付着または結露の発生による絶縁
性能の低下を招くことがなく、さらに塵埃を除去
するための定期的な清掃も必要がなくなる。また
必要に応じ、図示したようにブスダクト１４にヒ
ータ２８を取付けてエアを加熱してやれば、結露
の防止は一層効果的となる。

案内筒１２の外側を螺旋状に上昇する排ガスに
含まれる微粒子は、放電極９と集塵極１０間のコ
ロナ放電によりイオン化され大径化されて、さら
に効率よく除去される。

そして、放電極９，集塵極１０を通り抜けた排
ガスは、さらに軸流式サイクロン部２０内に上昇
して、残存する粒子の除去が行われる。サイクロ
ン部２０内の排ガスは、例えば装置全体としての
処理ガス量が高く、従つて排ガス流速が著しく高
くて電気集塵部７で充分に捕集されえなかつた場
合でも、ダスト粒子は荷電され粒子同士が凝集し
て大径化されているので、当該サイクロン部２０
での除塵効率は高められることになる。その後、
排ガスは案内装置２５に導かれてフード部２７内
へ上昇し、排出口２６より大気へ排出される。

尚、サイクロン部２０内で分離された粒子は、
送風機２３の働きにより、ブローダウン用ダクト
２２からブローダウンダクト２４へ送り込まれ除
去される。

（考案の効果） 本考案は上述のように構成されたものであり、
以下の効果を有する。

電気集塵部とサイクロンを多段階的に組合せ
たことにより、極めて大きな集塵効果を得るこ
とができる。

円筒型排気塔内に、電気集塵部及びサイクロ
ン部を一体にかつ直列的に配設しているので、
それぞれの集塵装置を個別に設置した場合に比
べて、イニシヤルコストの低いものとなり、ま
た広いスペースも必要としない。

電気集塵部内の高圧碍子部に、清浄なエアを
吹き付ける構造を採用することができるので高
圧碍子部への集埃の付着による絶縁性能の低下
及び水滴等による結露を防止することができ
る。また、従来必要とされていた、高圧碍子部
の定期的な清掃を省くことができる。

【図面の簡単な説明】

図の本考案に係る実施例の円筒型荷電集塵装置
の構成を示した概略図である。 １……円筒型排気塔、２……ガス入口部、３…
…第１サイクロン部、７……電気集塵部、８……
高圧碍子、９，１１……放電極、１０……集塵
極、１４……ブスダクト、１６……送風機、２０
……第２サイクロン部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 円筒型排気塔下部のガス入口部に配設した第
   一のサイクロン型集塵部を備え、該集塵部の上
   部には電気集塵部と、該電気集塵部の上部に第
   二のサイクロン型集塵部を配設したことを特徴
   とする円筒型荷電集塵装置。 (2) 前記電気集塵部内の高圧碍子部に、前記円筒
   型排気塔外部に設けた送風装置のダクトを接続
   した実用新案登録請求の範囲第一項記載の円筒
   型荷電集塵装置。