JP2008311367A - 有機電界発光素子及び表示装置 - Google Patents

有機電界発光素子及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い輝度を有し、安定性及び耐久性に優れ、大面積化が可能で製造容易な上に、更に製造上の欠陥の発生が少なく且つ素子性能の経時的劣化が小さい有機電界発光素子を提供。
【解決手段】有機化合物層がバッファ層及び発光層を少なくとも含む2以上の層からなり、有機化合物層の少なくとも一層が電荷輸送性ポリエーテルの少なくとも1種を含み、バッファ層が陽極と接して設けられ、且つ置換ケイ素基を有する電荷注入材料の少なくとも1種を用いて形成される架橋化合物を含む有機電界発光素子である。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機電界発光素子及び表示装置に関する。
電界発光素子は、自発光性の全固体素子であり、視認性が高く衝撃にも強いため、広く応用が期待されている。
有機化合物を用いた電界発光素子研究は、最初アントラセン等の単結晶を用いて始まったが、単結晶の場合、膜厚が1mm程度と厚く100V以上の駆動電圧が必要であった。そのため蒸着法による薄膜化が試みられている(非特許文献1参照)。
近年、正孔輸送性有機低分子化合物と電子輸送能を持つ螢光性有機低分子化合物の薄膜を真空蒸着法により順次積層した機能分離型の電界発光素子において、10V程度の低電圧で1000cd/m以上の高輝度が得られるものが報告されている(非特許文献2参照)。この研究報告以来、積層型の電界発光素子の研究・開発が活発に行われている。
これら積層型の素子は、電極から電荷輸送性の有機化合物からなる電荷輸送層を介して正孔と電子のキャリアバランスを保ちながら螢光性有機化合物からなる発光層に注入され、発光層中に閉じ込められた正孔と電子が再結合することにより高輝度の発光を実現している。
ところで、正孔輸送材料として安定なアモルファスガラス状態が得られるスターバーストアミンを用いたり(例えば、非特許文献3等参照)、ポリフォスファゼンの側鎖にトリフェニルアミンを導入したポリマーを用いたり(非特許文献4参照)した電界発光素子が報告されている。
また、工程を短縮できる単層構造の有機電界発光素子について研究・開発が進められ、ポリ(p−フェニレンビニレン)等の導電性高分子を用いた素子(例えば、非特許文献5等参照)や、正孔輸送性ポリビニルカルバゾール中に電子輸送材料と螢光色素を混入した(非特許文献6参照)素子が提案されている。
さらに、作製法という観点から、製造の簡略化、加工性、大面積化、コスト等の観点から湿式による塗布方式が検討されており、キャスティング法によっても素子が得られることが報告されている(非特許文献7,8参照)。
また、有機電界発光素子を用いた表示デバイスは、液晶等の他の表示デバイスと比較するとより小型化・薄型化に適しているため、内部電源で駆動する携帯型デバイスへの利用が期待されている。このような携帯型デバイスを実現する上では、より少ない消費電力で長時間駆動できることが重要である。
一方、有機電界発光素子の基本的な層構成は、ITOからなる透明電極(陽極)上に正孔輸送層(あるいは電荷輸送能を有する発光層)が設けられ、更に他の層が必要に応じて設けられた構成を有する。ここで、上述した用途への対応や、より一層の省エネ化を図る方法としては、透明電極と正孔輸送層(あるいは電荷輸送能を有する発光層)との間にバッファ層を設け、正孔輸送層(あるいは電荷輸送能を有する発光層)への電荷(正孔)注入効率を向上させる方法が知られており、これにより駆動電圧を下げることができる。このバッファ層を構成する代表的な材料としては、例えば、PEDOT(ポリエチレン・ジオキシチオフェン)、スターバーストアミン、CuPc(銅フタロシアニン)等が知られている。
Thin Solid Films, Vol.94, 171 (1982) Applied Physics Letter, Vol.51,913(1987) 第40回応用物理学関係連合講演会予稿集30a−SZK−14(1993) 第42回高分子討論会予稿集20J21(1993) Nature, Vol.357, 477(1992) 第38回応用物理学関係連合講演会予稿集31p−g−12(1991) 第50回応用物理学会学術講演予稿集,29p−ZP−5(1989) 第51回応用物理学会学術講演予稿集,28a−PB−7(1990)
本発明の課題は、高い輝度を有し、安定性及び耐久性に優れ、大面積化が可能で製造容易な上に、更に製造上の欠陥の発生が少なく且つ素子性能の経時的劣化が小さい有機電界発光素子及び表示装置を提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
請求項1に係る発明は、
少なくとも一方が透明又は半透明である一対の陽極及び陰極と、前記陽極及び陰極の電極間に挟まれたバッファ層及び有機化合物層と、を有し、
前記有機化合物層が、バッファ層及び発光層を少なくとも含む2以上の層からなり、
前記有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルの少なくとも1種を含み、
前記バッファ層が、前記陽極と接して設けられ、且つ下記一般式(III)で示される置換ケイ素基を有する電荷注入材料の少なくとも1種を用いて形成される架橋化合物を含む、
ことを特徴とする有機電界発光素子である。
Figure 2008311367
(一般式(I)中、Aは下記一般式(II−1)及び(II−2)で示される構造から選択される少なくとも1種を表し、Rは水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基、アシル基、又は、基−CONH−R’(ここで、R’は水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基を表す)を表し、pは5乃至5000の整数を表す。)
Figure 2008311367
(一般式(II−1)及び(II−2)中、Arは置換もしくは未置換の1価の芳香族基を表し、Xは置換もしくは未置換の2価の芳香族基を表し、k、m、lは0又は1を表し、Tは炭素数1乃至6の2価の直鎖状炭化水素又は炭素数2乃至10の分枝状炭化水素を表す。)
Figure 2008311367

(一般式(III)中、Rは水素、アルキル基、又は置換もしくは未置換のアリール基を示す。Qは加水分解性基を示す。aは1乃至3の整数を示す。)
請求項2に係る発明は、
前記電荷注入材料が、下記一般式(IV−1)乃至(IV−4)で示される芳香族アミン化合物の少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子である。
Figure 2008311367
(一般式(IV−1)乃至(IV−4)中、Arは置換もしくは未置換の1価の芳香族基を表し、Raは前記一般式(III)で表される置換ケイ素基の少なくとも1種を表し、m、lは0又は1を表し、Tは炭素数1乃至6の2価の直鎖状炭化水素又は炭素数2乃至10の分枝状炭化水素を表す。)
請求項3に係る発明は、
前記有機化合物層が、少なくともバッファ層、発光層、及び電子輸送層を前記陽極側からこの順に積層して構成され、
前記発光層及び前記電子輸送層の少なくとも1層が、前記一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルの少なくとも1種含有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子である。
請求項4に係る発明は、
前記発光層が、前記電荷輸送性ポリエーテル以外の電荷輸送性材料を含むことを特徴とする請求項3に記載の有機電界発光素子である。
請求項5に係る発明は、
前記有機化合物層が、少なくともバッファ層、正孔輸送層、発光層、及び電子輸送層を前記陽極側からこの順に積層して構成され、
前記正孔輸送層、前期発光層及び前記電子輸送層の少なくとも1層が、前記一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルの少なくとも1種含有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子である。
請求項6に係る発明は、
前記発光層が、前記電荷輸送性ポリエーテル以外の電荷輸送性材料を含むことを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子である。
請求項7に係る発明は、
前記有機化合物層が、少なくともバッファ層、正孔輸送層、及び発光層を前記陽極側からこの順に積層して構成され、
前記正孔輸送層及び前記発光層の少なくとも1層が、前記一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルの少なくとも1種含有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子である。
請求項8に係る発明は、
前記発光層が、前記電荷輸送性ポリエーテル以外の電荷輸送性材料を含むことを特徴とする請求項7に記載の有機電界発光素子である。
請求項9に係る発明は、
前記有機化合物層が、少なくともバッファ層、及び電荷輸送能を有する発光層をこの順に積層して構成され、
前記電荷輸送能を有する発光層が、前記一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルを少なくとも1種含有する
ことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子である。
請求項10に係る発明は、
前記電荷輸送能を有する発光層が、前記電荷輸送性ポリエーテル以外の電荷輸送性材料を含むことを特徴とする請求項9に記載の有機電界発光素子である。
請求項11に係る発明は、
マトリックス状に配置された有機電界発光素子と、前記有機電界発光素子を駆動させるための駆動手段と、を有し、
前記有機電界発光素子が、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の陽極及び陰極と、前記陽極及び陰極の電極間に挟まれた有機化合物層と、を有し、
前記有機化合物層が、バッファ層及び発光層を少なくとも含む2以上の層からなり、
前記有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルの少なくとも1種を含み、
前記バッファ層が、前記陽極と接して設けられ、且つ下記一般式(III)で示される置換ケイ素基を有する電荷注入材料の少なくとも1種を用いて形成される架橋化合物を含む、
ことを特徴とする表示装置。
Figure 2008311367
(一般式(I)中、Aは下記一般式(II−1)及び(II−2)で示される構造から選択される少なくとも1種を表し、Rは水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基、アシル基、又は、基−CONH−R’(ここで、R’は水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基を表す)を表し、pは5乃至5000の整数を表す。)
Figure 2008311367
(一般式(II−1)及び(II−2)中、Arは置換もしくは未置換の1価の芳香族基を表し、Xは置換もしくは未置換の2価の芳香族基を表し、k、m、lは0又は1を表し、Tは炭素数1乃至6の2価の直鎖状炭化水素又は炭素数2乃至10の分枝状炭化水素を表す。)
Figure 2008311367
(一般式(III)中、Rは水素、アルキル基、又は置換もしくは未置換のアリール基を示す。Qは加水分解性基を示す。aは1乃至3の整数を示す。)
本発明によれば、高い輝度を有し、安定性及び耐久性に優れ、大面積化が可能で製造容易な上に、更に製造上の欠陥の発生が少なく且つ素子性能の経時的劣化が小さい有機電界発光素子を提供できる、といった効果を奏する。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施の形態に係る有機電界発光素子は、
少なくとも一方が透明又は半透明(ここで、透明又は半透明とは、可視光の透過率が50%以上を意味する。以下、同様である。)である一対の陽極及び陰極と、前記陽極及び陰極の電極間に挟まれたバッファ層及び有機化合物層と、を有し、
前記有機化合物層が、バッファ層及び発光層を少なくとも含む2以上の層からなり、
前記有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルの少なくとも1種を含み、
前記バッファ層が、前記陽極と接して設けられ、且つ下記一般式(III)で示される置換ケイ素基を有する電荷注入材料の少なくとも1種を用いて形成される架橋化合物を含む、
ことを特徴としている。
本実施の形態に係る有機電界発光素子は、上記構成とすることで、高い輝度を有し、安定性及び耐久性に優れ、大面積化が可能で製造容易な上に、更に製造上の欠陥の発生が少なく且つ素子性能の経時的劣化が小さくなる。これは、以下のように検討した結果によるものである。
まず、バッファ層を設けた有機電界発光素子を作製した場合に、製造上での各種欠陥の発生や、素子性能の経時的劣化が起こる原因について鋭意検討した。そして、陽極上に形成されたバッファ層表面に、高分子系の電荷輸送性材料を用いて正孔輸送層あるいは電荷輸送能を有する発光層(以下、バッファ層上に直接あるいは他の層を介して間接的に形成される層を「隣接層」と略す場合がある)を形成しようとした場合の問題点について調査した。
その結果、使用する電荷輸送性高分子がビニル系骨格(例えば、PTPDMA(高分子論文集,Vol.52,216(1995)参照)やポリカーボネート系骨格(例えば、Et−TPAPEK(第43回応用物理学関係連合講演会予稿集27a−SY−19,pp.1126(1996)参照)等の場合ものでは、バッファ層と隣接層との密着性が不充分となり剥離欠陥が発生したり、また、ピンホールが生成したり凝集が発生する場合があることを確認した。この欠陥の原因としては、バッファ層と隣接層との界面でのなじみの悪さや、隣接層を構成する高分子の柔軟性の欠如が考えられる。
従って、これらの成膜上の欠陥防止という観点では、隣接層の形成に使用する電荷輸送性高分子としては、柔軟性の高い分子構造を有する材料を使用したり、あるいは、上述した柔軟性が低い分子構造を有する材料であっても分子自体のサイズを小さくする(分子量を小さくする)ことによって、分子の柔軟性を向上させたり、隣接層中での分子間の再配列を容易にすることで対応できると考えた。
また、素子性能の経時的劣化が発生する原因についても調査した。その結果、使用する電荷輸送性高分子が上述した場合と同様にビニル系骨格やポリカーボネート系骨格の場合、時間と共に駆動電圧が上昇し消費電力を増加させ、更には発光特性自体の低下を招いてしまう場合があることがわかった。
この原因について調査したところ、バッファ層に含まれる低分子成分(例えば、スターバーストアミンやCuPc(銅フタロシアニン)、あるいは、PEDOT(ポリエチレン・ジオキシチオフェン)と併用されるイオン性物質の対イオン)が、素子への電界印加時に生じるジュール熱又は電場によって時間と共に隣接層へとブリード(染み出し)することにより、隣接層本来の機能が発揮できなくなっていることがわかった。また、ブリードの発生は、バッファ層中の低分子成分がビニル系骨格やポリカーボネート系骨格の電荷輸送性高分子を用いて形成された隣接層内へと浸透し易いこと、言い換えれば、隣接層中の電荷輸送性高分子間の隙間が大きい/容易に形成されやすいことを意味している。
それゆえ、ブリードを抑制するためには、低分子成分の隣接層へのブリードが防止できるように、緻密で耐熱性の高い隣接層を形成することが重要であると考えた。この場合、低分子成分のブリードを促進する分子間の隙間を隣接層の形成に隙間無く埋められること、及び、一旦形成された隣接層内において、熱により分子間の相対的な移動が発生し分子間の隙間を発生させないことがブリードの防止には重要である。
従って、ブリード抑制の観点から、隣接層を形成する電荷輸送性高分子としては、耐熱性(ガラス転移温度)が高く、柔軟性と緻密性を兼ね備えた分子構造を有する材料を用いることが必要である。しかし、この条件は、成膜上の欠陥を抑制する選択肢のひとつである柔軟性が低い分子構造を有する分子量の小さい電荷輸送性高分子の利用と相反する関係にある。
また、抜本的なブリード抑制の為には、バッファ層に用いる電荷注入材料やその併用成分として、ブリードの原因となる低分子成分を含まない材料を利用することも考えられる。
加えて、電荷輸送性高分子は、有機電界発光素子の重要な発光特性を左右する電荷移動度を確保するために、分子中に電荷移動を担うホッピングサイトをある一定数以上有している必要がある。すなわち、言い換えれば、必然的にある程度以上の分子サイズ(分子量)が必要である。しかし、この条件も、ブリード抑制の場合と同様に、成膜上の欠陥を抑制する選択肢のひとつである柔軟性が低い分子構造を有する分子量の小さい電荷輸送性高分子の利用と相反する関係にある。
すなわち、分子構造の柔軟性に欠ける電荷輸送性高分子では、本質的にブリードを抑制するために緻密な隣接層を形成することが困難な一方、ブリードを抑制するために、分子量を小さくすると耐熱性の低下によるブリードの促進や、素子の基本的特性に係わる電荷移動度自体の低下を招くという根本的に解決し難いジレンマを抱えている。
それゆえ、バッファ層を設けた有機電界発光素子を得る上で発光特性という基本的特性の確保に加えて製造性や長期の使用に耐えうる実用性をも考慮した場合には、隣接層の形成に用いる電荷輸送性高分子としては、バッファ層としてブリードの原因となる材料を用いる場合には、十分な電荷移動度を有しているのみならず、柔軟性が高く緻密さを兼ね備えた分子構造及び高い耐熱性をも兼ね備えた材料を用いることが重要であると考えた。
この点、前記電荷輸送性ポリエーテルは下記に示す特徴を有する。
(1)機能部位間を連結するエーテル結合が強固な結合でかつ変形に対して耐性を有する。
(2)エーテル結合が非極性の結合で、なおかつ主鎖型であることからポリマー中に占める機能部位の割合が多いため電荷輸送に対する影響が側鎖型に比べ小さい。よって、電荷輸送性に優れている。
(3)エーテル結合が屈曲性に優れているため、緻密で均一な密着性に優れた薄膜を形成可能。
以上に示す点から、機能部位を主鎖中に取り入れたポリエーテルを電荷輸送性高分子として用いることは好適である。
更に、抜本的にブリードを抑制するためには、バッファ層をブリードの原因となる低分子成分の利用が基本的に必要の無い成分を用いて形成することが必要であると考え、例えば、電荷注入材料が低分子を含んだ状態で形成されるのではなく強固な結合により網状構造(ネットワーク)を形成させる材料を用いることが考えられる。
網状構造(ネットワーク)を形成させる材料として、三次元架橋性材料が挙げられるが、電荷注入材料に取り入れた具体的な例としては、例えば、
(A)特定の繰り返し構造を有し末端に水酸基もしくはカルボキシル基を有する電荷輸送性ポリエーテル、又は、ポリカーボネート等を1分子中に3官能以上のイソシアネート基もしくはエポキシ基等を有する架橋剤を用いて架橋させたタイプ(特開平8−176293号広報、特開平8−208820号公報、特開平8−253568号公報、特開平9−110974号)公報等参照)
(B)末端に熱もしくは光硬化性の官能基を有する電荷輸送剤を架橋させたタイプ(特開2000−147804号公報、特開2000−147813号公報等参照)
(C)オキセタンを有する電荷輸送材を光架橋させたタイプ(Macromol. Rapid Commun., 20, pp224−228(1999)参照)
(D)末端にアルコキシシリル基を有する電荷輸送材を加熱架橋させたタイプ(Adv. Mater., Vol.11, No.2, pp107−112(1999)、Adv. Mater., Vol.11, No.9, pp730−734(1999)、特開平9−124665号公報、特開平11−38656号公報等参照)、
等種々のものが挙げられる。
この点、前記置換ケイ素基を有する電荷注入材料を用いて、三次元架橋処理して形成されるバッファ層は、後述する一般式(III)で示される置換ケイ素基を有することで互いに架橋反応を起こし、3次元−Si−O−Si−結合、即ち効果的な無機ガラス質網状構造(ネットワーク)を形成可能であり、併せて無機材料を主体とする基板との接着性に優れる。即ち、三次元架橋により強固な結合を形成しかつ無機材料を主体に形成される陽極との密着性に優れていることから、有機電界発光素子の特性を向上させることができる観点からよいと考えられる。加えて、後述する一般式(IV−1)乃至(IV−4)で示される電荷注入材料を用いると、これによる三次元架橋構造中に芳香族アミン構造単位を形成・導入され、電子受容性材料を併用することによるドーピングの効果を利用した導電性の向上を必要とせず中性状態で良好な注入性を示すことから、併用成分として電子受容性材料を混合する場合と異なり、隣接する有機化合物層へのブリードを解消できる。
即ち、前記バッファ層を用いることにより電荷注入材料が隣接層にブリードせず陽極との密着性に優れ、併せて前記電荷輸送性ポリエーテルを用いて隣接する有機層を形成することにより有機EL素子として求められる十分な電荷移動度を確保できるだけで無くピンホールや凝集等の欠陥が少ない上にバッファ層との密着性に優れ、その結果長寿命かつ高性能な有機EL素子を構築できる。
そして、素子作製プロセスにおいて、有機化合物層を構成する材料全てに高分子化合物を使用することにより、有機化合物層形成を全て湿式による塗布方式で行うことが出来、製造の簡略化、加工性、大面積化、コスト等の観点から極めて有利となるが、前記電荷輸送性ポリエーテルでは、発光層として用いる発光材料の種類に関わらず安定した素子特性を発現できる。
以上の結果、本実施の形態に係る有機EL素子は、高い輝度を有し、安定性及び耐久性に優れ、大面積化が可能で製造容易な上に、更に製造上の欠陥の発生が少なく且つ素子性能の経時的劣化が小さくなる。
以下、一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルについて説明する。
なお、電荷輸送性ポリエーテルは、他種に比べ、結合部位が強固であり、かつ、屈曲性に優れるため、分子構造の柔軟性と高い耐熱性(ガラス転移温度)を兼ね備えていることから、薄膜形成能に優れ、湿式製膜プロセスの採用が容易であると共に、耐久性に優れた材料である。
また、電荷輸送性ポリエーテルは、後述するように、その分子構造を適宜選択することで、正孔輸送能、電子輸送能のいずれの機能をも付与することができる。このため、目的に応じて正孔輸送層、発光層、電荷輸送層等のいずれの層にも用いることができる。
電荷輸送性ポリエーテルにおいて得に好適なものは、正孔輸送性を有するポリエーテル(正孔輸送性ポリエーテル)である。
Figure 2008311367
但し、一般式(I)中、Aは下記一般式(II−1)及び(II−2)で示される構造から選択される少なくとも1種を表し、Rは水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基、アシル基、又は、基−CONH−R’(ここで、R’は水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基を表す)を表し、pは5乃至5000の整数を表す。
一般式(I)中、Aは下記一般式(II−1)及び(II−2)で示される構造から選択された少なくとも1種を表し、一つのポリマー中に2種類以上の構造Aが含まれてもよい。
まず、下記一般式(II−1)及び(II−2)で示される構造について詳細に説明する。
Figure 2008311367
但し、一般式(II−1)及び(I−2)中、Arは置換もしくは未置換の1価の芳香族基を表し、Xは置換もしくは未置換の2価の芳香族基を表し、k、m、lは0又は1を表し、Tは炭素数1乃至6の2価の直鎖状炭化水素又は炭素数2乃至10の分枝状炭化水素を表す。
一般式(II−1)及び(II−2)中、Arは置換もしくは未置換の1価の芳香族基を表す。
具体的には、Arは、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換の芳香族数2乃至10の1価の多核芳香族炭化水素、置換もしくは未置換の芳香族数2乃至10の1価の縮合環芳香族炭化水素、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環、又は、少なくとも1種の芳香族複素環を含む置換もしくは未置換の1価の芳香族基を表す。
ここで、一般式(II−1)及び(II−2)中において、Arを表す構造として選択される多核芳香族炭化水素及び縮合環芳香族炭化水素を構成する芳香環数は特に限定されないが、芳香環数が2乃至5のものが望ましく、縮合環芳香族炭化水素においては、全縮合環芳香族炭化水素が望ましい。なお、当該多核芳香族炭化水素及び縮合環芳香族炭化水素とは、本実施の形態においては、具体的には以下に定義される多環式芳香族のことを意味する。
即ち、「多核芳香族炭化水素」とは、炭素と水素とから構成される芳香環が2個以上存在し、これらの芳香環同士が、炭素−炭素の単結合によって結合している炭化水素化合物を表す。具体例としては、ビフェニル、ターフェニル等が挙げられる。
また、「縮合環芳香族炭化水素」とは、炭素と水素とから構成される芳香環が2個以上存在し、これらの芳香環同士が、1対の隣接して結合する2以上の炭素原子を共有している炭化水素化合物を表す。具体例としては、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン等が挙げられる。
また、「芳香族複素環」とは、炭素と水素以外の元素も含む芳香環を表す。その環骨格を構成する原子数(Nr)は、Nr=5及び/又は6が望ましく用いられる。また、環骨格を構成するC以外の元素(異種元素)の種類及び数は特に限定されないが、例えば、S、N、O等が望ましく用いられ、前記環骨格中には2種類以上及び/又は2個以上の異種原子が含まれていてもよい。特に5員環構造を持つ複素環としては、チオフェン、チオフィン及びフランもしくはこれらの3位及び4位の炭素をさらに窒素で置換した複素環、ピロールもしくはこれらの3位及び4位の炭素をさらに窒素で置換した複素環が望ましく用いられ、6員環構造をもつ複素環として、ピリジンが望ましく用いられる。
「芳香族複素環を含む芳香族基」とは、骨格を構成する原子団中に、少なくとも1種の前記芳香族複素環を含む結合基を表す。これらは、すべてが共役系で構成されたもの、もしくは少なくとも一部が非共役系で構成されたもののいずれでもよいが、電荷輸送性や発光効率の点で、すべてが共役系で構成されたものが望ましい。
フェニル基、多核芳香族炭化水素、縮合環芳香族炭化水素、芳香族複素環、又は、芳香族複素環を含む芳香族基の置換基としては、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、アリール基、アラルキル基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1乃至10のものが望ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。アルコキシル基としては、炭素数1乃至10のものが望ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。アリール基としては、炭素数6乃至20のものが望ましく、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる。アラルキル基としては、炭素数7乃至20のものが望ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。置換アミノ基の置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体例は前述の通りである。
一般式(II−1)及び(II−2)中、Xは置換もしくは未置換の2価の芳香族基を表す。具体的には、Xは、置換もしくは未置換のフェニレン基、又は置換もしくは未置換の芳香族数2乃至10の2価の多核芳香族炭化水素、又は置換もしくは未置換の芳香族数2乃至10の2価の縮合環芳香族炭化水素、又は置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環、又は少なくとも1種の芳香族複素環を含む置換もしくは未置換の2価の芳香族基を表す。
ここで、「多核芳香族炭化水素」「縮合環芳香族炭化水素」「芳香族複素環」「芳香族複素環を含む芳香族基」については前述に示す通りである。
一般式(II−1)及び(II−2)中、k、l、mは0又は1を示し、Tは炭素数1乃至6の2価の直鎖状炭化水素、又は、炭素数2乃至10の2価の分枝鎖状炭化水素基を示し、望ましくは炭素数が2乃至6の2価の直鎖状炭化水素基、及び、炭素数3乃至7の2価の分枝鎖状炭化水素より選択される。Tの具体的な構造を以下に示す。
Figure 2008311367
次に、一般式(I)に示す電荷輸送性ポリエーテルについて詳細に説明する。
一般式(I)中、Rは水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基、アシル基、又は、基−CONH−R’を表す。
アルキル基としては、炭素数1乃至10のものが望ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。アリール基としては、炭素数6乃至20のものが望ましく、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる、アラルキル基としては、炭素数7乃至20のものが望ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。また、置換アリール基、置換アラルキル基の置換基としては、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
アシル基としては、はRCO−で表される各種のものであればよく、とくに限定されないが、好ましくは、アセチル、プロピオニル、マロニル、ベンゾイルなどが挙げられる。
基−CONH−R’中のR’は、水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基を表す。基−CONH−R’中のR‘は具体的には、アルキル基としては直鎖、または分枝状の炭素数1乃至10のものが望ましく、メチル機、エチル機、イソプロピル基などが好ましい。アリール基としては炭素数6乃至20のものが望ましく、フェニル基、トルイル基などが好ましい。
アラルキル基とはアリール基で置換されている低級アルキル基を意味し、アリール基としては上述のとおりであり、具体的には、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナルチルエチル基等が挙げられる。
一般式(I)中、重合度を表わすpは5以上5,000以下の範囲であるが、望ましくは10以上1,000以下の範囲である。
また、電荷輸送性ポリエーテルの重量平均分子量Mは5,000以上1,000,000以下の範囲であることが望ましく、10,000以上300,000以下の範囲にあることがより望ましい。
なお、上記重量平均分子量Mwは以下の方法により測定することができる。
重量平均分子量の測定は、まず、電荷輸送性ポリエーテルの1.0質量%THF(テトラヒドロフラン)溶液を調製し、示差屈折率検出器(RI、TOSOH社製、商品名:UV‐8020)を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、標準サンプルとしてスチレンポリマーを用いて行った。
以上説明した一般式(I)並びに一般式(II−1)及び(II−2)において、合成容易性と素子特性を充足させることの出来る基礎物性を備える点から、一般式(I)においては、Rはメチル基、エチル基を表し、pは10乃至1,000の整数を表し、
Aが表す一般式(II−1)及び(II−2)においては、Arはフェニル、ビフェニル、ナフタレン、9,9’−ジメチルフルオレンを表し(芳香環の置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、メトキシ基が望ましい。)、Xは下記式(19)乃至(20)
Figure 2008311367
を表し、kは1、mは0、lは1を表し、Tはメチレン基又はジメチレン基を表す、ことが好適である。
ここで、一般式(I)の電荷輸送性ポリエーテルの具体例としては、例えば、特開2002−75654号、特開2002−313576号、特開2004−87395号、特開2004−199998号、特開2005−235645号などに開示されているものが挙げられる。
次に、電荷輸送性ポリエーテルの合成方法について説明する。電荷輸送性ポリエーテルは、下記構造式(V−1)又は(V−2)で示される電荷輸送性モノマーを、例えば、第4版実験化学講座第28巻(丸善、1992)等に記載された公知の方法で重合させることによって合成することができる。
なお、構造式(V−1)又は(V−2)中、Ar、X、T、k、l、mは、前記一般式(II−1)又は(II−2)におけるAr、X、T、k、l、mと同様である。
Figure 2008311367
ここで、一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルは、例えば、次のようにして合成することができる。
(合成法1)
電荷輸送性ポリエーテルの合成法としては、例えば、上記一般式(V−1)及び(V−2)のうち2個のヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送性化合物(電荷輸送性モノマー)を加熱脱水縮合する方法(合成法1)が挙げられる。
この場合、無溶媒で電荷輸送性モノマーを加熱溶融し、水の脱離による重合反応を促進させるため減圧下で反応させることが望ましい。
また、溶媒を使用する場合は、水の除去のため、水と共沸する溶媒、例えば、トリクロロエタン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効であり、電荷輸送性モノマー1当量に対して、望ましくは1当量以上100当量以下、より好ましくは2当量以上50当量以下の範囲で用いられる。
反応温度は特に限定されないが、重合中に生成する水を除去するために、溶媒の沸点で反応させるのが好ましい。重合が進まない場合には、反応系から溶媒を除去し、粘ちょう状態で加熱撹拌してもよい。
(合成法2)
電荷輸送性ポリエーテルの他の合成法としては、例えば、酸触媒として、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸等のプロトン酸、あるいは塩化亜鉛等のルイス酸を用い脱水縮合する方法(合成法2)が挙げられる。この場合、電荷輸送性モノマー1当量に対して、酸触媒を望ましくは1/10,000当量以上1/10当量以下、より好ましくは1/1,000当量以上1/50当量以下の範囲で用いる。
重合中に生成する水を除去するために、水と共沸可能な溶剤を用いるのが好ましい。溶剤としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効であり、電荷輸送性モノマー1当量に対して、望ましくは1当量以上100当量以下、より好ましくは2当量以上50当量以下の範囲で用いられる。
反応温度は特に限定されないが、例えば、重合中に生成する水を除去するために、溶剤の沸点で反応させることが好ましい。
(合成法3)
さらに、電荷輸送性ポリエーテルの他の合成法としては、例えば、イソシアン化シクロヘキシル等のイソシアン化アルキル、シアン化シクロヘキシル等のシアン化アルキル、シアン酸p−トリルや2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン等のシアン酸エステル、ジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)、トリクロロアセトニトリル等の縮合剤を用いる方法(合成法3)も挙げられる。この場合、縮合剤は、電荷輸送性モノマー1当量に対して、望ましくは1/2当量以上10当量以下、より好ましくは1当量以上3当量以下の範囲で用いられる。
溶剤として、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効であり、電荷輸送性モノマー1当量に対して、望ましくは1当量以上100当量以下、より好ましくは2当量以上50当量以下の範囲で用いられる。
反応温度は特に限定されないが、例えば、室温(例えば25℃)以上であり、かつ、溶剤の沸点以下である範囲の温度で反応させることが好ましい。
上記「合成法1」、「合成法2」、及び「合成法3」のうち、異性化や副反応が起こりにくいことから、「合成法1」又は「合成法3」が好ましい。特に「合成法3」は、反応条件が穏和なことからより好ましい。
反応終了後、溶剤を用いなかった場合は溶解可能な溶剤に溶解させたものを、溶剤を用いた場合にはそのままの溶液を、電荷輸送性ポリマーが溶解しにくい貧溶剤(例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類や、アセトン等)の中に滴下し、電荷輸送性ポリマーを析出させる。その後、電荷輸送性ポリマーを分離し、水や有機溶剤で十分に洗浄し、乾燥させる。さらに必要であれば、再沈澱処理(具体的には、適当な有機溶剤に溶解させ、貧溶剤中に滴下し、電荷輸送性ポリマーを析出させる処理)を繰り返してもよい。
再沈澱処理の際には、メカニカルスターラー等で効率よく攪拌しながら行うことが好ましい。
再沈殿処理の際に、電荷輸送性ポリマーを溶解させる溶剤は、電荷輸送性ポリマー1当量に対して、望ましくは1当量以上100当量以下、より好ましくは2当量以上50当量以下の範囲で用いられる。
また貧溶剤は、電荷輸送性ポリマー1当量に対して、望ましくは1当量以上1,000当量以下、より好ましくは10当量以上500当量以下の範囲で用いられる。
さらに上記反応において、電荷輸送性モノマーを2種以上、好ましくは2種乃至5種、さらに好ましくは2種乃至3種用いることにより、共重合ポリマーの合成も可能である。異種の電荷輸送性モノマーを共重合することによって、電気特性、成膜性、溶解性を制御することができる。
電荷輸送性ポリエーテルの末端基は、電荷輸送性モノマーと同様に、ヒドロキシル基(すなわち上記一般式(I)中のRが水素原子)であってもよいが、溶解性、成膜性、モビリティー等のポリマー物性に影響を及ぼす場合には、末端基Rを修飾し物性を制御することができる。
例えば、電荷輸送性ポリエーテルの末端のヒドロキシル基を、硫酸アルキル、ヨウ化アルキル等でアルキルエーテル化することができる。アルキルエーテル化するための具体的な試薬としては、例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル等が挙げられる。上記試薬は、末端のヒドロキシル基1当量に対して、望ましくは1当量以上3当量以下、より好ましくは1当量以上2当量以下の範囲で用いる。アルキルエーテル化の際、塩基触媒を用いることができるが、塩基触媒としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウム金属等が挙げられる。塩基触媒は、末端のヒドロキシル基1当量に対し、望ましくは0.9当量以上3当量以下、より好ましくは1当量以上2当量以下の範囲で用いられる。
アルキルエーテル化における反応温度は、例えば、0℃以上であり、かつ、使用する溶剤の沸点以下である範囲の温度で行うことができる。また、アルキルエーテル化の際に用いる溶剤として、例えば、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の不活性溶剤から選んだ単独溶剤、あるいは2種乃至3種の混合溶剤が使用できる。
また、必要に応じて、相間移動触媒としてテトラ−n−ブチルアンモニウムアイオダイド等の第4級アンモニウム塩を使用することもできる。
また、電荷輸送性ポリエーテルの末端のヒドロキシル基を、酸ハロゲン化物を用いてアシル化する(すなわち、上記一般式(I)中のRをアシル基とする)こともできる。
酸ハロゲン化物は特に限定するものではないが、例えば、アクリロイルクロリド、クロトノイルクロリド、メタクリロイルクロリド、2−フロイルクロリド、ベンゾイルクロリド、シクロヘキサンカルボニルクロライド、エナンチルクロリド、フェニルアセチルクロリド、o−トルオイルクロリド、m−トルオイルクロリド、p−トルオイルクロリド等が挙げられる。酸ハロゲン化物は、末端のヒドロキシル基1当量に対し、望ましくは1当量以上3当量以下、より好ましくは1当量以上2当量以下の範囲で用いる。
アシル化の際、塩基触媒を用いることができる。塩基触媒としては、例えば、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。塩基触媒は、酸ハロゲン化物1当量に対し、望ましくは1当量以上3当量以下、より好ましくは1当量以上2当量以下の範囲で用いる。
アシル化の際用いる溶剤として、例えば、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
アシル化における反応温度は、例えば、0℃以上であり、かつ、使用する溶剤の沸点以下である範囲の温度とすることができる。好ましくは、0℃以上30℃以下の範囲で反応を行う。
さらに、無水酢酸等の酸無水物を用いることによりアシル化することもできる。溶剤を用いる場合は、溶剤として具体的には、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン等の不活性溶剤が挙げられる。
酸無水物を用いてアシル化する際の反応温度としては、例えば、0℃以上であり、かつ、用いる溶剤の沸点以下である範囲の温度が挙げられる。好ましくは、50℃以上であり、かつ、用いる溶剤の沸点以下である範囲の温度である。
上記のように、電荷輸送性ポリエーテルの末端のヒドロキシル基をアルキルエーテル化又はアシル化する事の他に、モノイソシアネートを用いてウレタン残基を導入する(すなわち、上記一般式(I)中のRを基−CONH−R’とする)ことができる。
具体的なモノイソシアネートとしては、例えば、イソシアン酸ベンジルエステル、イソシアン酸n−ブチルエステル、イソシアン酸t−ブチルエステル、イソシアン酸シクロヘキシルエステル、イソシアン酸2,6−ジメチルエステル、イソシアン酸エチルエステル、イソシアン酸イソプロピルエステル、イソシアン酸2−メトキシフェニルエステル、イソシアン酸4−メトキシフェニルエステル、イソシアン酸n−オクタデシルエステル、イソシアン酸フェニルエステル、イソシアン酸イソプロピルエステル、イソシアン酸m−トリルエステル、イソシアン酸p−トリルエステル、イソシアン酸1−ナフチルエステル等が挙げられる。モノイソシアネートは、末端のヒドロキシル基1当量に対し、望ましくは1当量以上3当量以下、より好ましくは1当量以上2当量以下の範囲で用いる。
ウレタン残基を導入する際用いる溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができる。
ウレタン残基を導入する際の反応温度としては、例えば、0℃以上であり、かつ、使用する溶剤の沸点以下である範囲の温度が挙げられる。反応が進みにくい場合は、例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ(II)、オクチルスズ(II)、ナフテン酸鉛等の金属化合物、あるいは、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン等の3級アミンを触媒として添加することもできる。
以下、一般式(III)で示される置換ケイ素基を有する電荷注入材料について説明する。
一般式(III)で示される置換ケイ素基を有する電荷注入材料は、例えば、置換ケイ素基が加水分解性基を含むことから、互いに架橋反応を起こし、3次元−Si−O−Si−結合、即ち無機ガラス質網状構造(ネットワーク)を形成する三次元架橋性材料である。
Figure 2008311367
但し、一般式(III)中、Rは水素、アルキル基、又は置換もしくは未置換のアリール基を示す。Qは加水分解性基を示す。aは1乃至3の整数を示す。
一般式(III)中、Rで示されるアルキル基としては、例えば、炭素数1乃至10のものが望ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
一般式(III)中、Rで示されるアリール基としては、炭素数6乃至20のものが望ましく、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる。アリール基の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、アリール基、アラルキル基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
ここで、アリール基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1乃至10のものが望ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。アルコキシル基としては、炭素数1乃至10のものが望ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。アリール基としては、炭素数6乃至20のものが望ましく、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる。アラルキル基としては、炭素数7乃至20のものが望ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。置換アミノ基の置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体例は前述の通りである(一般式(I)参照)。
Qで示される加水分解性基としては、例えば、アルコキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ基、ハロゲン等が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1乃至10のものが望ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
一般式(III)で示される置換ケイ素基を有する電荷注入材料として具体的には、テトラフェニレンジアミン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、カルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、アリールヒドラゾン誘導体などの芳香族化合物が挙げられる。これらの中でも、下記一般式(IV−1)乃至(IV−4)で示される芳香族アミン化合物が好適である。
Figure 2008311367
但し、一般式(IV−1)乃至(IV−4)中、Arは置換もしくは未置換の1価の芳香族基を表し、Raは前記一般式(III)で表される置換ケイ素基の少なくとも1種を表し、m、lは0又は1を表し、Tは炭素数1乃至6の2価の直鎖状炭化水素又は炭素数2乃至10の分枝状炭化水素を表す。
一般式(IV−1)乃至(IV−4)中、Arは置換もしくは未置換の1価の芳香族基を表す。具体的には、Arは、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換の芳香族数2乃至10の1価の多核芳香族炭化水素、置換もしくは未置換の芳香族数2乃至10の1価の縮合環芳香族炭化水素、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環、又は、少なくとも1種の芳香族複素環を含む置換もしくは未置換の1価の芳香族基を表す。
ここで、「多核芳香族炭化水素」「縮合環芳香族炭化水素」「芳香族複素環」「芳香族複素環を含む芳香族基」については前述に示す通りである。
一般式(IV−1)乃至(IV−4)中、l、mは0又は1を示し、Tは炭素数1乃至6の2価の直鎖状炭化水素、又は、炭素数2乃至10の2価の分枝鎖状炭化水素基を示し、望ましくは炭素数が2乃至6の2価の直鎖状炭化水素基、及び、炭素数3乃至7の2価の分枝鎖状炭化水素より選択される。Tの具体的な構造としては上記と同様である。
以上説明した一般式(IV−1)乃至(IV−4)で示される芳香族アミン化合物は、共有結合を介し一般式(III)で示される置換ケイ素基を末端に有してなるものあり、芳香族アミン構造単位を有する三次元架橋物を形成し得る三次元架橋性電荷輸送材料である。
なお、一般式(IV−1)及び(IV−2)における芳香族アミン構造は、一般式(II−1)で示される構造のXで示される部分をビフェニルあるいはターフェニルとしたものであり、一般式(IV−3)及び(IV−4)における芳香族アミン構造は、一般式(II−2)で示される構造のXで示される部分をビフェニルあるいはターフェニルとしたものである。
ここで、一般式(IV−1)乃至(IV−4)で示される芳香族アミン化合物において、Arはフェニル、ビフェニル、ナフタレン、9,9’−ジメチルフルオレンを表し、(芳香環の置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、メトキシ基が望ましい。)
mは0、lは1を表し、
Tはメチレン基,ジメチレン基を表し、
Raは−Si(OCH3、−SiH(OCHを表す、
ことが好適である。
一般式(IV−1)乃至(IV−2)で示される芳香族アミン化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2008311367
一般式(IV−3)乃至(IV−4)で示される芳香族アミン化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2008311367
次に、本実施の形態に係る有機電界発光素子の層構成について詳記する。
本実施の形態に係る有機電界発光素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の陽極及び陰極からなる電極と、この一対の電極間に挾持された発光層及びバッファ層を含む2層以上からなる有機化合物層と、を含む層構成を持つ。そして、バッファ層は1種以上の一般式(III)で示される置換ケイ素基を有する電荷注入材料を含み、陽極と接して設けられる。また、有機化合物層の少なくとも一層は、少なくとも1種の前記電荷輸送性ポリエーテルを含む。
加えて、前記電荷輸送性ポリエーテルを含有する有機化合物層の内で最も陽極に近い側に位置する有機化合物層の膜厚を、20nm以上100nm以下の範囲(より望ましくは、20nm以上80nm以下、さらにより望ましくは20nm以上50nm以下)内とすることが望ましい。この有機化合物層は、有機化合物層が単層型の場合、電荷輸送能を有する発光層であり、機能分離型(積層型)の場合、正孔輸送層であることがよい。
本実施の形態に係る有機電界発光素子においては、有機化合物層がバッファ層及び発光層のみから構成される場合には、この発光層は電荷輸送能を有する発光層を意味し、この電荷輸送能を有する発光層が前記電荷輸送性ポリエーテルを含有してなる。
また、有機化合物層が、バッファ層及び発光層に加え、更に1層以上の他の層を有する場合(3層以上の機能分離型の場合)は、バッファ層及び発光層を除くその他の層は、キャリア輸送層、すなわち、正孔輸送層、電子輸送層、又は、正孔輸送層及び電子輸送層よりなるものを意味し、これらの少なくとも一層に前記電荷輸送性ポリエーテルが含まれる。
具体的には、有機化合物層は、例えば、少なくともバッファ層、発光層及び電子輸送層を含む構成、少なくともバッファ層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層を含む構成、もしくは、少なくともバッファ層、正孔輸送層及び発光層を含む構成であってもよい。この場合、これらの少なくとも一層(正孔輸送層、電子輸送層、発光層)に前記電荷輸送性ポリエーテルが含まれていることが望ましいが、好適には正孔輸送性材料として前記電荷輸送性ポリエーテルが含まれていることが望ましい。そして、特に、少なくともバッファ層と接する発光層、正孔輸送層に前記電荷輸送性ポリエーテルを含むことが好適である。
なお、バッファ層及び発光層のみから構成される場合、バッファ層は陽極と発光層との間に設けられる。また、少なくともバッファ層、発光層及び電子輸送層を含む構成の場合、バッファ層は陽極と発光層との間に設けられる。また、少なくともバッファ層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層を含む構成の場合、バッファ層は陽極と正孔輸送層との間に設けられる。また、少なくともバッファ層、正孔輸送層及び発光層を含む構成の場合、バッファ層は陽極と正孔輸送層との間に設けられる。
ここで、バッファ層、発光層及び電子輸送層を含む構成では、他の層構成に比べ、製造容易性と発光効率との両立が図られる。これは、全て機能分離した層構成に比べ層数が少ない一方で、一般に正孔に比較して移動度が低い電子の注入効率を補い、発光層での電荷の均衡が図られるためであると考えられる。
バッファ層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層を含む構成では、他の層構成の素子に比べ、発光効率に優れ、低電圧駆動が可能となる。これは、全て機能分離することで、他の層構成に比べ、電荷の注入効率が最も高くなり、発光層で電荷が再結合可能であるためであると考えられる。
バッファ層、正孔輸送層及び発光層を含む構成では、他の構成に比べ、製造容易性と耐久性との両立が図れる。これは、全て機能分離した層構成に比べ層数が少ない一方で、発光層への正孔の注入効率が向上し、発光層で過剰な電子の注入が抑制されるためであると考えられる。
バッファ層及び発光層のみから構成される場合では、他の層構成に比べ、素子の大面積化及び製造が容易である。これは、層数が少なく、例えば湿式塗布等により作製できるためのである。
さらに、本実施の形態に係る有機電界発光素子においては、発光層が、電荷輸送性材料(前記電荷輸送性ポリエーテル以外の正孔輸送性材料、電子輸送性材料)を含有してもよく、このような電荷輸送性材料の詳細については後述する。
以下、図面を参照しつつ、本実施の形態に係る有機電界発光素子についてより詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
図1乃至図4は、本実施の形態に係る有機電界発光素子の層構成を説明するための模式断面図であって、図1、図2、図3の場合は、有機化合物層が3層又は4層構成の場合の一例であり、図4の場合は、有機化合物層が2層構成の場合の例を示す。なお、図1乃至図4において、同様の機能を有するものは同じ符号を付して説明する。
図1に示す有機電界発光素子10は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、バッファ層3、発光層5、電子輸送層6及び背面電極8を順次積層してなる。
図2に示す有機電界発光素子10は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、バッファ層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6及び背面電極8を順次積層してなる。
図3に示す有機電界発光素子10は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、バッファ層3、正孔輸送層4、発光層5及び背面電極8を順次積層してなる。
図4に示す有機電界発光素子10は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、バッファ層3、電荷輸送能を持つ発光層7及び背面電極8を順次積層してなる。
なお、図1乃至4中、透明電極2が陽極を意味し、背面電極8が陰極を意味する。以下、各々を詳しく説明する。
また、前記電荷輸送性ポリエーテルが含まれる層は、その構造によっては、図1に示される有機電界発光素子10の層構成の場合、発光層5、電子輸送層6としていずれも作用することができ、図2に示される有機電界発光素子10の層構成の場合、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6としていずれも作用することができ、図3に示される有機電界発光素子10の層構成の場合、正孔輸送層4、発光層5としていずれも作用することができ、図4に示される有機電界発光素子10の層構成の場合、電荷輸送能を有する発光層7として作用することができる。特に、好適には正孔輸送材料として作用することができる。
透明絶縁体基板1は、発光を取り出すため透明なものが望ましく、ガラス、プラスチックフィルム等が用いられるがこれに限られるものではない。また、透明電極2は、透明絶縁体基板と同様に発光を取り出すため透明であって、かつ正孔の注入を行うため仕事関数(イオン化ポテンシャル)の大きなものが望ましく、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ(NESA)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の酸化膜、及び蒸着もしくはスパッタされた金、白金、パラジウム等が用いられるがこれに限られるものではない。
またバッファ層3は陽極(透明電極2)と接して形成され、1種以上の電荷注入材料を含有する。そして、電荷注入材料として、前記置換ケイ素基を有する電荷注入材料を用いて形成される。具体的には、例えば、バッファ層3は、前記置換ケイ素基を有する電荷注入材料によって形成される三次元架橋物を含んで構成されている。
また、電荷注入材料は、バッファ層3の陽極が設けられた側と反対側の面に接して設けられる層(すなわち、図1では発光層5、図2及び3では正孔輸送層4、図4では電荷輸送能を有する発光層7)への電荷の注入性を向上させるため、そのイオン化ポテンシャルは5.4eV以下であることが望ましく、5.1eV以下であることがより望ましい。また、バッファ層3の層数についても特に制限はないが、1層又は2層であることが望ましく、より望ましくは1層である。
なお、バッファ層3を構成する材料は、上記材料の他、さらにバインダー樹脂等、他の電荷注入性を有さない材料も必要に応じて用いることができる。
電子輸送層6は、目的に応じて機能(電子輸送能)が付与された前記電荷輸送性ポリエーテル単独で形成されていてもよいが、電気的特性をさらに改善する等の目的で、電子移動度を調節するために、電荷輸送性ポリエーテル以外の電子輸送材料を1重量%乃至50重量%の範囲で混合分散して形成されていてもよい。
このような電子輸送材料としては、好適には例えば、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェニルキノキサリン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体等が挙げられる。好適な具体例として、下記化合物(VII−1)乃至(VII−3)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、前記電荷輸送性ポリエーテルを用いずに電子輸送層6を形成する場合、電子輸送層6は、これら電子輸送性材料を用いて形成される。
Figure 2008311367

正孔輸送層4は、目的に応じて機能(正孔輸送能)が付与された電荷輸送性ポリエーテル単独で形成されていてもよいが、正孔移動度を調節するために電荷輸送性ポリエーテル以外の正孔輸送材料を1重量%乃至50重量%の範囲で混合分散して形成されていてもよい。
この正孔輸送材料としては、テトラフェニレンジアミン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、カルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、アリールヒドラゾン誘導体、ポルフィリン系化合物等、特に好適な具体例として下記化合物(VIII−1)乃至(VIII−7)が挙げられるが、電荷輸送性ポリエーテルとの相容性が良いことから、テトラフェニレンジアミン誘導体が望ましい。また、他の汎用の樹脂等と混合して用いてもよい。なお、前記電荷輸送性ポリエーテルを用いずに正孔輸送層4を形成する場合には、正孔輸送層4はこれら正孔輸送性材料を用いて形成されるが、正孔輸送層4はバッファ層3と接することから、少なくとも1種の電荷輸送性ポリエーテルを用いて形成されることが望ましい。なお、化合物(VIII−7)において、n(整数値)は10乃至100000の範囲内であることが望ましく、1000乃至50000の範囲内であることがより望ましい。
Figure 2008311367
発光層5は、他種と比べ、固体状態で高い蛍光量子収率を示す化合物が発光材料として用いられる。発光材料が有機低分子の場合、真空蒸着法もしくは低分子と結着樹脂を含む溶液又は分散液を塗布・乾燥することにより良好な薄膜形成が可能であることが条件である。また、高分子の場合、それ自身を含む溶液又は分散液を塗布・乾燥することにより良好な薄膜形成が可能であることが条件である。
好適には、有機低分子の場合、キレート型有機金属錯体、多核又は縮合芳香環化合物、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体等が、高分子の場合、ポリパラフェニレン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。好適な具体例として、下記の化合物(IX−1)乃至(IX−17)が用いられるが、これらに限定されるものではない。
なお、下記構造式(IX−13)乃至(IX−17)中、Ar、Xは、一般式(II−1)及び(II−2)中に示すAr、Xと同様の構造を有する一価基あるいは二価基を意味し、n及びxは1以上の整数を、yは0又は1を示す。
Figure 2008311367
Figure 2008311367
また、有機電界発光素子10の耐久性向上もしくは発光効率の向上を目的として、上記の発光材料中にゲスト材料として発光材料と異なる色素化合物をドーピングしてもよい。真空蒸着によって発光層を形成する場合、共蒸着によってドーピングを行い、溶液又は分散液を塗布・乾燥することで発光層を形成する場合、溶液又は分散液中に混合することでドーピングを行う。発光層中における色素化合物のドーピングの割合としては、望ましくは0.001重量%以上40重量%以下、より望ましくは0.01重量%以上10重量%以下である。
このドーピングに用いられる色素化合物としては、発光材料との相容性が良く、かつ発光層の良好な薄膜形成を妨げない有機化合物が用いられ、好適にはDCM誘導体、キナクリドン誘導体、ルブレン誘導体、ポルフィリン系化合物等が挙げられる。好適な具体例として、下記の化合物(X−1)乃至(X−4)が用いられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2008311367
また、発光層5は、前記発光性材料単独で形成されていてもよいが、電気特性及び発光特性をさらに改善する等の目的で、前記発光材料に前記電荷輸送性ポリエーテルを1重量%乃至50重量%の範囲で混合分散して形成、もしくは前記発光性高分子中に前記電荷輸送性ポリエーテル以外の電荷輸送材料を1重量%乃至50重量%の範囲で混合分散して形成させてもよい。
また、前記電荷輸送性高分子が発光特性も兼ね備えたものである場合、発光材料として用いても良く、その場合、電気特性及び発光特性をさらに改善する等の目的で、前記発光材料に前記電荷輸送性ポリエーテル以外の電荷輸送材料を1重量%ないし50重量%の範囲で混合分散して形成させてもよい。
電荷輸送能を有する発光層7は、例えば、目的に応じて機能(正孔輸送能、もしくは電子輸送能)が付与された前記電荷輸送性ポリエーテル中に、発光材料として前記発光材料(IX−1)乃至(IX−17)を50重量%以下分散させた材料を含むものであることが望ましい。この場合、有機電界発光素子10に注入される正孔と電子とのバランスを調節するために前記電荷輸送性ポリエーテル以外の電荷輸送材料を10重量%乃至50重量%分散させてもよい。
この電荷輸送材料としては、電子移動度を調節する場合、電子輸送材料として好適にはオキサジアゾール誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体等が挙げられる。好適な具体例として、前記化合物(VII−1)乃至(VII−3)が挙げられる。また、前記電荷輸送性ポリエーテルと強い電子相互作用を示さない有機化合物が用いられることが望ましく、より望ましくは下記化合物(XI)が用いられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2008311367
同様に正孔移動度を調節する場合、正孔輸送材料として好適にはテトラフェニレンジアミン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、カルバゾール誘導、スチルベン誘導体、アリールヒドラゾン誘導体、ポルフィリン系化合物等、特に好適な具体例として上記化合物(VIII−1)乃至(VIII−7)が挙げられるが、電荷輸送性ポリエーテルとの相容性が良いことから、テトラフェニレンジアミン誘導体が望ましい。
背面電極8には、真空蒸着可能で、電子注入を行うため仕事関数の小さな金属元素が使用されるが、特に望ましくはマグネシウム、アルミニウム、銀、インジウム及びこれらの合金、もしくフッ化リチウムや酸化リチウム等の金属ハロゲン化合物や金属酸化物が挙げられる。
また、背面電極8上には、さらに素子の水分や酸素による劣化を防ぐために保護層を設けてもよい。具体的な保護層の材料としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Alなどの金属、MgO、SiO、TiO等の金属酸化物、ポリエチレン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂が挙げられる。保護層の形成には、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ重合法、CVD法、コーティング法等が適用できる。
これら図1乃至図4に示される有機電界発光素子10の作製は、以下の手順で行われる。まず、透明絶縁体基板1上に予め形成された透明電極2の上にバッファ層3を形成する。具体的には例えば、バッファ層3を構成する材料を、溶媒中に溶解もしくは分散させて所定の濃度とし、得られた塗布液を用いて透明電極2上にスピンコーティング法、ディップ法等を用いて成膜する。そして必要に応じて、加熱などにより硬化させてバッファ層3を形成する。
バッファ層3を構成する材料としては、例えば、上記電荷注入材料に加えて、前述のように、必要により正孔のトラップにならない程度のバインダー樹脂や塗布性改良剤を併せて用いることができる。また、種々の目的で、他のシランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、チタネートカップリング剤などを添加することもできる。
次に、各有機電界発光素子10の層構成に応じて、バッファ層3上に、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、及び電荷輸送能を有する発光層7を順次形成する。
また、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6及び電荷輸送能を有する発光層7は、上述したようにこれら各層を構成する材料を真空蒸着法により用いて形成する。あるいは、この材料を有機溶媒中に溶解もしくは分散させて得られた塗布液を用いてスピンコーティング法、ディップ法等を用いて成膜することによって形成される。
また、電荷輸送材料、発光材料として高分子を用いる場合、各層形成は塗布液を用いた製膜法により行うことが望ましいが、インクジェット法を利用して製膜により行ってもよい。
また、形成されるバッファ層3の膜厚は、望ましくは1nm以上100nm以下であり、1nm以上15nm以下の範囲であることがより望ましい。
また、正孔輸送層4、発光層5及び電子輸送層6の膜厚は、それぞれ望ましくは20nm以上100nm以下であり、特に30乃至80nmの範囲であることがより望ましい。また、電荷輸送能を有する発光層7の膜厚は、望ましくは20nm以上200nm以下であり、30nm以上200nm以下がより望ましい。
ただし、バッファ層3と接する有機化合物層(正孔輸送層4、発光層5、又は、電荷輸送能を有する発光層7)が電荷輸送性ポリエーテルを含有する場合は、バッファ層3と接する有機化合物層の膜厚は、20nm以上100nm以下であること望ましく、30nm以上60nm以下であることがより望ましい。
上記各材料(前記電荷輸送性ポリエーテル、発光材料等)を有機溶媒中に分散させて塗布液を作製する場合、塗布液中における上記各材料の分散状態は、分子分散状態でも粒子分散状態でも構わない。
塗布液を用いた成膜法の場合、分子分散状態とするためには、分散溶媒は上記各材料の共通溶媒を用いる必要があり、粒子分散状態とするために分散溶媒は上記各材料の分散性及び溶解性を考慮して選択する必要がある。粒子状に分散するためには、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカー、アトライター、ホモジェナイザー、超音波法等が利用できる。
そして、最後に、発光層5、電子輸送層6又は電荷輸送能を有する発光層7の上に背面電極8を真空蒸着法により形成することにより図1乃至4に示す有機電界発光素子10を得ることができる。
−表示装置−
本実施の形態の表示装置は、上記本実施の形態の有機電界発光素子と、有機電界発光素子を駆動するための駆動手段と、を有する。
表示装置として具体的には例えば、図1乃至4に示すように、有機電界発光素子10の一対の電極(透明電極2、背面電極8)に連結され、当該一対の電極間に直流電圧を印加するための電圧印加装置9を、駆動手段として備えたものが挙げられる。
電圧印加装置9を用いた有機電界発光素子10の駆動方法としては、例えば、一対の電極間に、4V以上20V以下で、電流密度1mA/cm以上200mA/cm以下の直流電圧を印加することによって有機電界発光素子10を発光させることができる。
また、本実施の形態の有機電界発光素子は、最小単位(1画素単位)の構成について説明したが、例えば、当該1画素単位(有機電界発光素子)をマトリクス状に配置した表示装置に適用される。無論、電極対をマトリクス状に配置してもよい。
また、表示装置の駆動方式としては、従来公知の技術、例えば複数の行電極及び列電極を配し、行電極を走査駆動しながら各行電極に対応する画像情報に応じて列電極を一括して駆動させる単純マトリクス駆動や、各画素毎に配された画素電極によるアクティブマトリックス駆動等を利用することができる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
−電荷輸送性ポリエーテルの合成−
(合成例1)
下記化合物(XIII−1)2.0g、を50mlの三口ナスフラスコにいれ、4.8Paの減圧下、210℃で8時間加熱反応を続けた。その後、室温まで冷却し、モノクロ路ベンゼン50mlに加熱溶解し、不溶物を0.5μmのPTFEフィルターにてろ過し、ろ液を攪拌しているメタノール500ml中に滴下し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをろ過し、十分にメタノールで洗浄した後、乾燥させ、1.8gの電荷輸送性ポリエーテル(XIII−2)を得た。分子量分布はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定し、Mw=7.85×10(スチレン換算)であり、Mw/Mn=1.82であった。
Figure 2008311367
(合成例2)
下記化合物(XIV−1)2.0 g、を50mlの三口ナスフラスコにいれ、4.8Paの減圧下、210℃で8時間加熱反応を続けた。その後、室温まで冷却し、モノクロ路ベンゼン50mlに加熱溶解し、不溶物を0.5μmのPTFEフィルターにてろ過し、ろ液を攪拌しているメタノール500ml中に滴下し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをろ過し、十分にメタノールで洗浄した後、乾燥させ、1.8gの電荷輸送性ポリエーテル(XIV−2)を得た。分子量分布はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定し、Mw=9.24×10(スチレン換算)であり、Mw/Mn=1.90であった。
Figure 2008311367
(合成例3)
下記化合物(XVII−1)2.0g、を50mlの三口ナスフラスコにいれ、4.8Paの減圧下、210℃で8時間加熱反応を続けた。その後、室温まで冷却し、モノクロ路ベンゼン50mlに加熱溶解し、不溶物を0.5μmのPTFEフィルターにてろ過し、ろ液を攪拌しているメタノール500ml中に滴下し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをろ過し、十分にメタノールで洗浄した後、乾燥させ、1.8gの電荷輸送性ポリエーテル(XVII−2)を得た。分子量分布はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定し、Mw=1.04×10(スチレン換算)であり、Mw/Mn=2.04であった。
Figure 2008311367
(合成例4)
下記化合物(XV−1)2.0g、を50mlの三口ナスフラスコにいれ、4.8Paの減圧下、210℃で8時間加熱反応を続けた。その後、室温まで冷却し、モノクロ路ベンゼン50mlに加熱溶解し、不溶物を0.5μmのPTFEフィルターにてろ過し、ろ液を攪拌しているメタノール500ml中に滴下し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをろ過し、十分にメタノールで洗浄した後、乾燥させ、1.9gの電荷輸送性ポリエーテル(XV−2)を得た。分子量分布はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定し、Mw=8.65×10(スチレン換算)であり、Mw/Mn=1.88であった。
Figure 2008311367
(合成例5)
下記化合物(XVI−1)2.0g、を50mlの三口ナスフラスコにいれ、4.8Paの減圧下、210℃で8時間加熱反応を続けた。その後、室温まで冷却し、モノクロ路ベンゼン50mlに加熱溶解し、不溶物を0.5μmのPTFEフィルターにてろ過し、ろ液を攪拌しているメタノール500ml中に滴下し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをろ過し、十分にメタノールで洗浄した後、乾燥させ、1.9gの電荷輸送性ポリエーテル(XVI−2)を得た。分子量分布はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定し、Mw=8.15×10(スチレン換算)であり、Mw/Mn=1.78であった。
Figure 2008311367
−有機電界発光素子の作製−
次に、上記のようにして合成した電荷輸送性ポリエーテルを使用し、以下のようにして有機電界発光素子を作製した。
(実施例1)
バッファ層形成用の溶液として置換ケイ素基を有する電荷注入材料〔下記構造式(XIX)、イオン化ポテンシャル=5.0eV〕500mgと塩酸(1N)2mgをブタノール1mlに溶解して溶液を調製した。
Figure 2008311367
また、透明電極付基板として、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成した基板(以下、「ITO電極付ガラス基板」と略す)を準備した。
次に、上記溶液を用いて、洗浄後乾燥させたITO電極付ガラス基板のITO電極が設けられた側の面上に、スピンコート法により塗布して、120℃で1時間加熱し硬化することにより十分乾燥させた後、膜厚10nmのバッファ層を形成した。
次に、発光材料として発光性高分子〔下記化合物(XX)、ポリフルオレン系、Mw≒10〕を5重量%、及び電気特性及び発光特性をさらに改善する等の目的で正孔輸送性材料として前記電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XIII−2)(Mw=6.98×10)〕を1重量%併せて溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過して得られた溶液を、バッファ層上にスピンコート法により塗布して膜厚30nmの発光層を形成した。
Figure 2008311367
形成された発光層を十分乾燥させた後、電子輸送性材料として電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XIV−2)(Mw=9.45×10)〕を5重量%溶解させたジクロロエタン溶液を目開き0.1μmのPTFEフィルターで濾過した後に、この溶液を発光層上にスピンコート法により塗布し、膜厚30nmの電子輸送層を形成した。
最後にMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、150nm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機EL素子の有効面積は0.04cmであった。
(実施例2)
実施例1と同様に洗浄したITO電極付ガラス基板上に、前記構造式(XIX)〔イオン化ポテンシャル=5.0eV〕で示される置換ケイ素基を有する電荷注入材料によりバッファ層を形成した後、正孔輸送性材料として前記電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XIII−2)(Mw=6.98×10)〕を5重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過して得られた溶液を、バッファ層上にスピンコート法により塗布して膜厚30nmの正孔輸送層を形成した。
十分乾燥させた後、発光材料として発光性高分子〔前記化合物(XX)、ポリフルオレン系、Mw≒10〕を5重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのPTFEフィルターで濾過して得られた溶液を、正孔輸送層上にスピンコート法により塗布して膜厚50nmの発光層を形成した。
さらに電子輸送性材料として電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XIV−2)(Mw=9.45×10)〕を5重量%溶解させたジクロロエタン溶液を目開き0.1μmのPTFEフィルターで濾過して得られた溶液を、発光層上にスピンコート法により塗布し、膜厚30nmの電子輸送層を形成した。
最後にMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、150nm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機EL素子の有効面積は0.04cmであった。
(実施例3)
実施例1と同様に洗浄したITO電極付ガラス基板上に、前記構造式(XIX)〔イオン化ポテンシャル=5.0eV〕で示される置換ケイ素基を有する電荷注入材料によりバッファ層を形成した後、正孔輸送性材料として前記電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XIII−2)(Mw=6.98×10)〕を5重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過して得られた溶液を、バッファ層上にスピンコート法により塗布して膜厚30nmの正孔輸送層を形成した。
十分乾燥させた後、発光材料として発光性高分子〔前記化合物(XX)、ポリフルオレン系、Mw≒10〕を5重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのPTFEフィルターで濾過して得られた溶液を、正孔輸送層上にスピンコート法により塗布して膜厚50nmの発光層を形成した。
最後にMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、150nm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機EL素子の有効面積は0.04cmであった。
(実施例4)
実施例1と同様に洗浄したITO電極付ガラス基板上に、前記構造式(XIX)〔イオン化ポテンシャル=5.0eV〕で示される置換ケイ素基を有する電荷注入材料によりバッファ層を形成した後、正孔輸送性材料として電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XIII−2)(Mw=6.98×10)〕:0.5重量部と発光材料として発光性高分子〔化合物(XX)、ポリフルオレン系、Mw≒10〕:0.1重量部とを混合し、これらの混合物を10重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過することにより発光層形成用の溶液を準備した。
この溶液を用いて、バッファ層上にスピンコート法により塗布して膜厚50nmの電荷輸送能を持つ発光層を形成し、最後にMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、150nm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機EL素子の有効面積は0.04cmであった。
(実施例5)
バッファ層形成用の置換ケイ素基を有する電荷注入材料として下記構造式(XXI)、〔イオン化ポテンシャル=5.4eV〕に示す材料を用い、電荷輸送材料500mgと塩酸(1N)2mgをブタノール1mlに溶解して調製した溶液をスピンコート法により塗布して、120℃で1時間加熱し硬化することにより十分乾燥させた後、膜厚10nmのバッファ層を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
Figure 2008311367
(実施例6)
バッファ層形成用の置換ケイ素基を有する電荷注入材料として前記構造式(XXI)、〔イオン化ポテンシャル=5.4eV〕に示す材料を用い、電荷輸送材料500mgと塩酸(1N)2mgをブタノール1mlに溶解して調製した溶液をスピンコート法により塗布して、120℃で1時間加熱し硬化することにより十分乾燥させた後、膜厚10nmのバッファ層を形成した以外は、実施例2と同様にして有機EL素子を作製した。
(実施例7)
バッファ層形成用の置換ケイ素基を有する電荷注入材料として前記構造式(XXI)、〔イオン化ポテンシャル=5.4eV〕に示す材料を用い、電荷輸送材料500mgと塩酸(1N)2mgをブタノール1mlに溶解して調製した溶液をスピンコート法により塗布して、120℃で1時間加熱し硬化することにより十分乾燥させた後、膜厚10nmのバッファ層を形成した以外は、実施例3と同様にして有機EL素子を作製した。
(実施例8)
バッファ層形成用の加水分解性基を含む置換ケイ素基を有する電荷注入材料として前記構造式(XXI)、〔イオン化ポテンシャル=5.4eV〕に示す材料を用い、電荷輸送材料500mgと塩酸(1N)2mgをブタノール1mlに溶解して調製した溶液をスピンコート法により塗布して、120℃で1時間加熱し硬化することにより十分乾燥させた後、膜厚10nmのバッファ層を形成した以外は、実施例4と同様にして有機EL素子を作製した。
(実施例9)
発光材料として発光性高分子〔下記化合物(XXII)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)系、Mw≒10〕を5重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過して得られた溶液を、バッファ層上にスピンコート法により塗布して膜厚30nmの発光層を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
Figure 2008311367
(実施例10)
発光材料として発光性高分子〔化合物(XXII)、PPV系、Mw≒10〕を5重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過して得られた溶液を、正孔輸送層上にスピンコート法により塗布して膜厚30nmの発光層を形成した以外は、実施例2と同様にして有機EL素子を作製した。
(実施例11)
発光材料として発光性高分子〔化合物(XXII)、PPV系、Mw≒10〕を5重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過して得られた溶液を、正孔輸送層上にスピンコート法により塗布して膜厚30nmの発光層を形成した以外は、実施例3と同様にして有機EL素子を作製した。
(実施例12)
正孔輸送性材料として電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XIV−2)(Mw=9.45×10)〕:0.5重量部と発光材料として発光性高分子(XXII)、PPV系、Mw≒10〕:0.1重量部とを混合し、これらの混合物を10重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過することにより発光層形成用の溶液を調整した。
この溶液を用いて、バッファ層上にスピンコート法により塗布して膜厚50nmの電荷輸送能を持つ発光層を形成した以外は、実施例4と同様にして有機EL素子を作製した。
(実施例13)
バッファ層形成用の置換ケイ素基を有する電荷輸送材料として前記構造式(XXI)、〔イオン化ポテンシャル=5.4eV〕に示す材料を用い、電荷輸送材料500mgと塩酸(1N)2mgをブタノール1mlに溶解して調製した溶液をスピンコート法により塗布して、120℃で1時間加熱し硬化することにより十分乾燥させた後、膜厚10nmのバッファ層を形成した以外は、実施例11と同様にして有機EL素子を作製した。
(実施例14)
正孔輸送性材料として前記電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XVII−2)(Mw=1.04×10)〕を5重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過して得られた溶液を、バッファ層上にスピンコート法により塗布して膜厚30nmの正孔輸送層を形成した以外は、実施例11と同様にして有機EL素子を作製した。
(実施例15)
実施例1と同様に洗浄したITO電極付ガラス基板上に、前記構造式(XIX)〔イオン化ポテンシャル=5.0eV〕で示される置換ケイ素基を有する電荷輸送材料によりバッファ層を形成した後、正孔輸送性材料として前記電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XIII−2)(Mw=6.98×10)〕を5重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過して得られた溶液を、バッファ層上にスピンコート法により塗布して膜厚30nmの正孔輸送層を形成した。
十分乾燥させた後、発光材料として昇華精製したAlq(化合物(IX−1)をタングステンボードに入れ、真空蒸着法により蒸着して、正孔輸送層上に膜厚50nmの発光層を形成した。この時の真空度は10−5Torr、ボート温度は300℃であった。
最後にMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、150nm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機EL素子の有効面積は0.04cmであった。
(実施例16)
バッファ層形成用の置換ケイ素基を有する電荷輸送材料として前記構造式(XXI)、〔イオン化ポテンシャル=5.4eV〕に示す材料を用い、電荷輸送材料500mgと塩酸(1N)2mgをブタノール1mlに溶解して調製した溶液をスピンコート法により塗布して、120℃で1時間加熱し硬化することにより十分乾燥させた後、膜厚10nmのバッファ層を形成した以外は、実施例14と同様にして有機EL素子を作製した。
(実施例17)
正孔輸送性材料として前記電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XV−2)(Mw=8.65×10)〕を5重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過して得られた溶液を、バッファ層上にスピンコート法により塗布して膜厚30nmの正孔輸送層を形成した以外は、実施例11と同様にして有機EL素子を作製した。
(実施例18)
正孔輸送性材料として前記電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XVI−2)(Mw=8.15×10)〕を5重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過して得られた溶液を、バッファ層上にスピンコート法により塗布して膜厚30nmの正孔輸送層を形成した以外は、実施例11と同様にして有機EL素子を作製した。
(実施例19)
バッファ層形成用の置換ケイ素基を有する電荷注入材料として下記構造式(XXIII)、〔イオン化ポテンシャル=5.1eV〕に示す材料を用い、電荷輸送材料500mgと塩酸(1N)2mgをブタノール1mlに溶解して調製した溶液をスピンコート法により塗布して、120℃で1時間加熱し硬化することにより十分乾燥させた後、膜厚10nmのバッファ層を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
Figure 2008311367
(比較例1)
ITO電極付ガラス基板のITO電極が設けられた側の面上に、置換ケイ素基を有する電荷輸送材料を用いてバッファ層を形成することなく直接発光層からの形成を行った以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
(比較例2)
ITO電極付ガラス基板のITO電極が設けられた側の面上に、置換ケイ素基を有する電荷輸送材料を用いてバッファ層を形成することなく直接正孔輸送層からの形成を行った以外は、実施例2と同様にして有機EL素子を作製した。
(比較例3)
ITO電極付ガラス基板のITO電極が設けられた側の面上に、置換ケイ素基を有する電荷輸送材料を用いてバッファ層を形成することなく直接正孔輸送層からの形成を行った以外は、実施例3と同様にして有機EL素子を作製した。
(比較例4)
ITO電極付ガラス基板のITO電極が設けられた側の面上に、置換ケイ素基を有する電荷輸送材料を用いてバッファ層を形成することなく直接発光層からの形成を行った以外は、実施例4と同様にして有機EL素子を作製した。
(比較例5)
ITO電極付ガラス基板のITO電極が設けられた側の面上に、置換ケイ素基を有する電荷輸送材料を用いてバッファ層を形成することなく直接正孔輸送層からの形成を行った以外は、実施例11と同様にして有機EL素子を作製した。
(比較例6)
バッファ層形成用の電荷注入材料として、バイトロン(Baytron)P(PEDOT・PSS、バイエル株式会社製:ポリエチレンジオキサイドチオフェン〔下記化合物(XXIV)、イオン化ポテンシャル=5.1乃至5.2eV〕とポリスチレンスルホン酸とを含む混合水分散液)を用い、この溶液を洗浄後乾燥させたITO電極付ガラス基板のITO電極が設けられた側の面上に、スピンコート法により塗布して、200℃で10分加熱し硬化することにより十分乾燥させた後、膜厚10nmのバッファ層を形成した以外は、実施例3と同様にして有機EL素子を作製した。
Figure 2008311367
(比較例7)
バッファ層形成用の電荷注入材料として、バイトロン(Baytron)P(PEDOT・PSS、バイエル株式会社製:ポリエチレンジオキサイドチオフェン〔前記化合物(XXIV)、イオン化ポテンシャル=5.1乃至5.2eV〕とポリスチレンスルホン酸とを含む混合水分散液)を用い、この溶液を洗浄後乾燥させたITO電極付ガラス基板のITO電極が設けられた側の面上に、スピンコート法により塗布して、200℃で10分加熱し硬化することにより十分乾燥させた後、膜厚10nmのバッファ層を形成した以外は、実施例11と同様にして有機EL素子を作製した。
(比較例8)
バッファ層形成用の電荷注入材料として、低分子系注入材料:スターバースト系〔前記化合物(VIII−5)、MTDATA(4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)、イオン化ポテンシャル=5.1eV〕を5重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのPTFEフィルターで濾過することにより調整した溶液を用い、この溶液を洗浄後乾燥させたITO電極付ガラス基板のITO電極が設けられた側の面上に、スピンコート法により塗布して十分乾燥させた後、膜厚10nmのバッファ層を形成した以外は、実施例3と同様にして有機EL素子を作製した。
(比較例9)
バッファ層形成用の電荷注入材料として、低分子系注入材料:スターバースト系〔前記化合物(VIII−5)、MTDATA、イオン化ポテンシャル=5.1eV〕を5重量%溶解させたクロロベンゼン溶液を目開き0.1μmのPTFEフィルターで濾過することにより調整した溶液を用い、この溶液を洗浄後乾燥させたITO電極付ガラス基板のITO電極が設けられた側の面上に、スピンコート法により塗布して十分乾燥させた後、膜厚10nmのバッファ層を形成した以外は、実施例11と同様にして有機EL素子を作製した。
(比較例10)
正孔輸送性材料として電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XIII−2)〕の代わりに、ビニル骨格を有する電荷輸送性高分子〔下記化合物(XXV)、Mw=5.46×10(スチレン換算)〕を用いた以外は、実施例3と同様にして素子を作製した。
Figure 2008311367
(比較例11)
正孔輸送性材料として電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XIII−2)〕の代わりに、ポリカーボネート骨格を有する電荷輸送性高分子〔下記化合物(XXVI)、Mw=7.83×10(スチレン換算)〕を用いた以外は、実施例3と同様にして素子を作製した。
Figure 2008311367
(比較例12)
正孔輸送性材料として電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XIII−2)〕の代わりに、ビニル骨格を有する電荷輸送性高分子〔前記化合物(XXV)、Mw=5.46×10(スチレン換算)〕を用いた以外は、実施例11と同様にして素子を作製した。
(比較例13)
正孔輸送性材料として電荷輸送性ポリエーテル〔化合物(XIII−2)〕の代わりに、ポリカーボネート骨格を有する電荷輸送性高分子〔前記化合物(XXVI)、Mw=7.83×10(スチレン換算)〕を用いた以外は、実施例11と同様にして素子を作製した。
−評価−
以上のように作製した有機EL素子を、真空中(133.3×10−3Pa(10−5Torr))でITO電極側をプラス、Mg−Ag背面電極をマイナスとして直流電圧を印加して発光させた際の立ち上がり電圧(駆動電圧)、最高輝度、及び、最高輝度時の駆動電流密度を評価した。それらの結果を表3に示す。
また、乾燥窒素中で有機EL素子の素子寿命の測定を行った。素子寿命の評価は、初期輝度が50cd/mとなるように電流値を設定し、定電流駆動により輝度が初期値から半減するまでの時間を素子寿命(hour)とした。この時の素子寿命も表3に示す。
Figure 2008311367
表3からわかるように、実施例1乃至19に示す有機EL素子は、電荷注入材料が加水分解性基を含む置換ケイ素基を有することを特徴とする材料より構成され、硬化して隣接層にブリードせず陽極(ITO電極)との密着性に優れかつ電荷注入性に優れたバッファ層を形成することにより電荷の注入性や電荷バランスが改善され、バッファ層を設けなかった比較例1乃至5の有機EL素子よりもより安定的で高輝度、高効率な特性を示すことがわかった。
また、実施例3及び11と、比較例6乃至9との比較からわかるように、ブリードの原因となる低分子成分を含有する可能性のあるバッファ層に置き換えた場合においても、バッファ層として本実施の形態で用いられる電荷注入材料を用いた実施例3及び11の方が、素子寿命が優れていることがわかった。
さらに、実施例3及び11と、比較例10乃至13とのとの比較からわかるように、本実施の形態で用いられる電荷輸送性ポリエーテルを用いた実施例3及び11の方が、より素子寿命や発光輝度が優れていることがわかった。これは、バッファ層との密着性や電荷輸送性が本実施の形態における電荷輸送性ポリエーテルの向上しているためと考えられる。
加えて、いずれの実施例においても成膜時のピンホールや剥離欠陥も発生しないことがわかった。また、その作製に際してスピンコーティング法やディップ法等を用いて良好な薄膜を形成することができるため、ピンホール等の不良も少なく、大面積化容易であり、優れた耐久性と発光特性とを得ることができることがわかった。
本実施の形態に係る表示装置の層構成の一例を示す模式的断面図である。 本実施の形態に係る表示装置の層構成の一例を示す模式的断面図である。 本実施の形態に係る表示装置の層構成の一例を示す模式的断面図である。 本実施の形態に係る表示装置の層構成の一例を示す模式的断面図である。
符号の説明
1 透明絶縁体基板
2 透明電極
3 バッファ層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 電荷輸送能を持つ発光層
8 背面電極
9 電圧印加装置
10 有機電界発光素子

Claims (11)

  1. 少なくとも一方が透明又は半透明である一対の陽極及び陰極と、前記陽極及び陰極の電極間に挟まれた有機化合物層と、を有し、
    前記有機化合物層が、バッファ層及び発光層を少なくとも含む2以上の層からなり、
    前記有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルの少なくとも1種を含み、
    前記バッファ層が、前記陽極と接して設けられ、且つ下記一般式(III)で示される置換ケイ素基を有する電荷注入材料の少なくとも1種を用いて形成される架橋化合物を含む、
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 2008311367

    (一般式(I)中、Aは下記一般式(II−1)及び(II−2)で示される構造から選択される少なくとも1種を表し、Rは水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基、アシル基、又は、基−CONH−R’(ここで、R’は水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基を表す)を表し、pは5乃至5000の整数を表す。)

    Figure 2008311367

    (一般式(II−1)及び(II−2)中、Arは置換もしくは未置換の1価の芳香族基を表し、Xは置換もしくは未置換の2価の芳香族基を表し、k、m、lは0又は1を表し、Tは炭素数1乃至6の2価の直鎖状炭化水素又は炭素数2乃至10の分枝状炭化水素を表す。)
    Figure 2008311367

    (一般式(III)中、Rは水素、アルキル基、又は置換もしくは未置換のアリール基を示す。Qは加水分解性基を示す。aは1乃至3の整数を示す。)
  2. 前記電荷注入材料が、下記一般式(IV−1)乃至(IV−4)で示される芳香族アミン化合物の少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2008311367

    (一般式(IV−1)乃至(IV−4)中、Arは置換もしくは未置換の1価の芳香族基を表し、Raは前記一般式(III)で表される置換ケイ素基の少なくとも1種を表し、m、lは0又は1を表し、Tは炭素数1乃至6の2価の直鎖状炭化水素又は炭素数2乃至10の分枝状炭化水素を表す。)
  3. 前記有機化合物層が、少なくともバッファ層、発光層、及び電子輸送層を前記陽極側からこの順に積層して構成され、
    前記発光層及び前記電子輸送層の少なくとも1層が、前記一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルの少なくとも1種含有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記発光層が、前記電荷輸送性ポリエーテル以外の電荷輸送性材料を含むことを特徴とする請求項3に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記有機化合物層が、少なくともバッファ層、正孔輸送層、発光層、及び電子輸送層を前記陽極側からこの順に積層して構成され、
    前記正孔輸送層、前記発光層及び前記電子輸送層の少なくとも1層が、前記一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルの少なくとも1種含有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記発光層が、前記電荷輸送性ポリエーテル以外の電荷輸送性材料を含むことを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
  7. 前記有機化合物層が、少なくともバッファ層、正孔輸送層、及び発光層を前記陽極側からこの順に積層して構成され、
    前記正孔輸送層及び前記発光層の少なくとも1層が、前記一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルの少なくとも1種含有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  8. 前記発光層が、前記電荷輸送性ポリエーテル以外の電荷輸送性材料を含むことを特徴とする請求項7に記載の有機電界発光素子。
  9. 前記有機化合物層が、少なくともバッファ層、及び電荷輸送能を有する発光層をこの順に積層して構成され、
    前記電荷輸送能を有する発光層が、前記一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルを少なくとも1種含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  10. 前記電荷輸送能を有する発光層が、前記電荷輸送性ポリエーテル以外の電荷輸送性材料を含むことを特徴とする請求項9に記載の有機電界発光素子。
  11. マトリックス状に配置された有機電界発光素子と、前記有機電界発光素子を駆動させるための駆動手段と、を有し、
    前記有機電界発光素子が、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の陽極及び陰極と、前記陽極及び陰極の電極間に挟まれた有機化合物層と、を有し、
    前記有機化合物層が、バッファ層及び発光層を少なくとも含む2以上の層からなり、
    前記有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I)で示される電荷輸送性ポリエーテルの少なくとも1種を含み、
    前記バッファ層が、前記陽極と接して設けられ、且つ下記一般式(III)で示される置換ケイ素基を有する電荷注入材料の少なくとも1種を用いて形成される架橋化合物を含む、
    ことを特徴とする表示装置。

    Figure 2008311367

    (一般式(I)中、Aは下記一般式(II−1)及び(II−2)で示される構造から選択される少なくとも1種を表し、Rは水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基、アシル基、又は、基−CONH−R’(ここで、R’は水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基を表す)を表し、pは5乃至5000の整数を表す。)
    Figure 2008311367

    (一般式(II−1)及び(II−2)中、Arは置換もしくは未置換の1価の芳香族基を表し、Xは置換もしくは未置換の2価の芳香族基を表し、k、m、lは0又は1を表し、Tは炭素数1乃至6の2価の直鎖状炭化水素又は炭素数2乃至10の分枝状炭化水素を表す。)
    Figure 2008311367

    (一般式(III)中、Rは水素、アルキル基、又は置換もしくは未置換のアリール基を示す。Qは加水分解性基を示す。aは1乃至3の整数を示す。)
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