JP2008310875A - 磁気記録媒体用基板の洗浄方法、および、それが用いられる洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】残留した研磨剤の砥粒等の異物を基板の表面から確実に除去することができること。
【解決手段】スクラブロール14、16および18が、それぞれ、円板状の基板10の記録面10Aおよび10Bにおける共通の環状領域10Eまたは環状領域10Fに当接し基板10の円周を横切るように配置される構成において、スクラブロール14、16および18の回転数が、基板10の回転数よりも大に設定されるもの。
【選択図】図1
【解決手段】スクラブロール14、16および18が、それぞれ、円板状の基板10の記録面10Aおよび10Bにおける共通の環状領域10Eまたは環状領域10Fに当接し基板10の円周を横切るように配置される構成において、スクラブロール14、16および18の回転数が、基板10の回転数よりも大に設定されるもの。
【選択図】図1
Description
本発明は、記録面に付着した異物をスクラブロールで除去する磁気記録媒体用基板の洗浄方法、および、それが用いられる洗浄装置に関する。
磁気記録媒体(ハードディスク)の一連の製造工程においては、一般に、ポリッシング工程、テクスチャリング工程などの研磨工程に洗浄工程が設けられ、研磨後に洗浄・乾燥された基板上に磁気記録層などを成膜することにより磁気記録媒体が製造される。そのような洗浄工程が行われる理由としては、基板の表面に研磨剤の一部の砥粒などの異物が残留した状態で成膜された場合、磁気ヘッドの浮上特性、および、電磁交換特性が悪化する虞があるので残留する砥粒を完全に除去するためである。
上述の洗浄工程においては、砥粒などの異物を除去するスクラブ材を備える洗浄装置が使用される。洗浄装置は、例えば、特許文献1にも示されるように、回転可能に支持される磁気記録媒体用基板の表面に対向して配され、スクラブヘッドを有するスクラブ材駆動機構を含んで構成されている。そのスクラブヘッドは、ポリウレタン等で作られたスクラブ材を一端に保持している。また、スクラブヘッドは、スクラブ材駆動機構により、基板の半径方向に沿って往復動可能に支持されている。
これにより、スクラブヘッドが回転せしめられる磁気記録媒体用基板の表面に対向し、スクラブ材の外周面が基板の表面に所定の圧力で当接された状態で、スクラブヘッドが基板の半径方向に沿って所定のストロークで往復動される場合、スクラブ材の外周面が基板の表面に摺接されるので基板の表面に残留する砥粒がスクラブ材の外周面に付着して剥離除去されることとなる。
上述のようなスクラブ材の外周面が、回転せしめられる基板の表面に押し付けられ、摺接されながら洗浄する方法においては、残留した一部の砥粒の形状が、基板の平坦面に対応し摩耗した平坦面を有する形状である場合、砥粒の平坦面と基板の表面とが互いに密着するので砥粒がスクラブ材の外周面に付着することによる剥離除去がなされることなく、一部の砥粒が基板の表面に残留する場合がある。
以上の問題点を考慮し、本発明は、記録面に付着した異物をスクラブロールで除去する磁気記録媒体用基板の洗浄方法、および、それが用いられる洗浄装置であって、残留した研磨剤の砥粒等の異物を基板の表面から確実に除去することができる磁気記録媒体用基板の洗浄方法、および、それが用いられる洗浄装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る磁気記録媒体用基板の洗浄方法は、多孔質物質で作られる第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールの外周部が、それぞれ、洗浄される円板状の磁気記録媒体用基板の記録面における共通の環状領域に当接するように第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールを記録面に配置する工程と、磁気記録媒体用基板を所定の方向に回転させながら、記録面に配置された第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールを磁気記録媒体用基板の回転数よりも大なる回転数で回転させることにより、第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールの外周部で記録面に残留する異物を記録面に対し摺動させつつ共通の環状領域を経由させて磁気記録媒体用基板から除去する工程と、を含んでなる。
また、本発明に係る磁気記録媒体用基板の洗浄装置は、スクラブロール機構支持体に回動可能に支持される多孔質物質の第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールにおける外周部を洗浄される円板状の磁気記録媒体用基板の記録面における共通の環状領域に当接させるようにスクラブロール機構支持体を移動させるスクラブロール機構支持体送り装置と、第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールを回動させるスクラブロール駆動部と、スクラブロール機構支持体送り装置およびスクラブロール駆動部の動作を制御する制御部と、を備え、第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールにおける外周部が磁気記録媒体用基板の記録面における共通の環状領域に当接する場合、制御部が、第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールの回転数を磁気記録媒体用基板の回転数に比して大となるようにスクラブロール駆動部に動作を行わせることにより、第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールの外周部で磁気記録媒体用基板の記録面に残留する異物を記録面に対し摺動させつつ共通の環状領域を経由させて磁気記録媒体用基板から除去することを特徴とする。
本発明に係る磁気記録媒体用基板の洗浄方法、および、それが用いられる洗浄装置によれば、多孔質物質で作られる第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールの外周部が、それぞれ、洗浄される円板状の磁気記録媒体用基板の記録面における共通の環状領域に当接した状態で、第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールを磁気記録媒体用基板の回転数よりも大なる回転数で回転させることにより、第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールの外周部で記録面に残留する異物を記録面に対し摺動させつつ共通の環状領域を経由させて磁気記録媒体用基板から除去するので残留した研磨剤の砥粒等の異物を基板の表面から確実に除去することができる。
図2は、本発明に係る磁気記録媒体用基板の洗浄方法の一例が適用された洗浄装置の一例を、洗浄される磁気記録媒体用基板とともに概略的に示す。
図2において、洗浄されるディスク状磁気記録媒体用基板(以下、基板ともいう)10は、例えば、相対向する記録面10Aおよび10Bを有する3.5インチの垂直磁気記録媒体用基板とされる。本装置により洗浄された基板10は、説明が省略される成膜工程において非磁性下地層、磁気記録層、保護層などが順次成膜されて磁気記録媒体とされることとなる。
基板10の材料は、NiPめっきを施したアルミニウム合金、強化ガラス、結晶化ガラスなどのハードディスク用の基板に一般的に用いられるものであってよい。
洗浄装置は、図3に示されるように、中央に孔10aを有する基板10を着脱可能に保持するチャック機構32と、チャック機構32に減速機構部34を介して連結され基板10とともにチャック機構32を回転させる回転駆動部36と、基板10の記録面10Aおよび10Bを洗浄すべく、スクラブロール14、16、および18を記録面10Aおよび10Bにそれぞれ、回転させながら押し付ける各スクラブロール機構を支持する一対のスクラブロール機構支持体12と、を含んで構成されている。
なお、図2においては、基板10の記録面10Aに対し対向するスクラブロール機構およびスクラブロール機構支持体12のみを示し、基板10の記録面10Bに対し対向するスクラブロール機構およびスクラブロール機構支持体の図示は、省略される。
また、各スクラブロール機構支持体12には、スクラブロール14、16、および18を伴ってスクラブロール機構支持体12をチャック機構32の中心軸線に沿って基板10の記録面10Aおよび10Bに対し近接または離隔させるスクラブロール機構支持体送り装置38が設けられている。
基板10の孔10aの中心軸線との共通の中心軸線上に配されるチャック機構32は、その基板10の記録面10Aおよび10Bがその中心軸線に対し略垂直となるように基板10を着脱可能に保持するものとされる。チャック機構32は、図4(A)および(B)に示されるように、基板10の孔10aの周縁を着脱可能に保持するジョー部材32A,32B,および32Cを共通の円周上に均等に有している。チャック機構32におけるジョー部材32A,32B,および32Cの構成は、例えば、特開2004−9151号公報に示される構成と同様な構成を備えている。
斯かる構成において、ジョー部材32A,32B,および32Cは、それぞれ、後述する空気圧回路部からの作動空気がチャック機構32に供給されるとき、互いに離隔し相互間に隙間CLが形成されるように、図4(A)において半径方向に沿って矢印の示す方向に移動せしめられる。これにより、基板10の孔10aの周縁がジョー部材32A,32B,および32Cに保持されるので基板10がロック状態とされることとなる。一方、空気圧回路部からの作動空気がチャック機構32に供給されないとき、ジョー部材32A,32B,および32Cは、それぞれ、互いに近接するように図4(B)において半径方向に沿って移動せしめられる。これにより、基板10の孔10aの周縁がジョー部材32A,32B,および32Cから解放されるので基板10がアンロック状態とされることとなる。
チャック機構32の内周部は、後述の駆動用モータの出力軸に連結される減速機構部34の回転軸の一端に連結されている。
回転駆動部36は、例えば、駆動用モータとされ、後述する制御ユニットにより制御される。洗浄工程においては、その基板10およびチャック機構32が、例えば、約60rpmで回転されるように駆動用モータが回転制御される。これにより、駆動用モータが作動状態とされる場合、基板10およびチャック機構32は、例えば、図2における矢印の示す方向、即ち、時計回り方向に回転せしめられる。
なお、チャック機構は、上述のような機械的な3爪式に限られることなく、基板の材質に応じて例えば、特開2002−93895号公報にも示されるような、電磁式の静電チャック装置であってもよい。
基板10を挟んで相対向して配される各スクラブロール機構支持体12は、互いに同一の構造を有するので一方側のスクラブロール機構支持体12についてのみ説明する。
スクラブロール機構支持体12は、チャック機構32により保持される基板10の記録面10Aに相対向し移動可能に構成されている。スクラブロール機構支持体12は、スクラブロール機構支持体送り装置38により、基板10の記録面10Aに対し近接または離隔可能とされる。
スクラブロール機構支持体送り装置38は、例えば、スクラブロール機構支持体12を支持するスライドテーブル部と、スライドテーブル部を移動させるボールネジを駆動する駆動用モータとを含んで構成されている。
スライドテーブル部は、スクラブロール機構支持体12がチャック機構32により保持される基板10の記録面10Aに対し略平行となるようにスクラブロール機構支持体12を支持している。その駆動用モータの出力軸は、後述する制御ユニットにより回転角度制御される。
スクラブロール機構支持体12における基板10の記録面10Aに対向して支持されるスクラブロール機構は、外周面を基板10の記録面10Aに所定の圧力で摺接させながら残留する異物を除去するスクラブロール14、16、および18と、スクラブロール14、16、および18をそれぞれ、回動させる駆動用モータ24、26、28と、を主な要素として含んで構成されている。
スクラブロール14は、円柱状の回転軸14S(図5参照)と、回転軸14Sの外周部に固着される清浄用ロール部材14Rとを含んで構成されている。回転軸14Sの両端は、それぞれ、スクラブロール機構支持体12における軸受部(不図示)により回動可能に支持されている。このように回転軸14Sの両端が支持されているので特許文献1に示されるようなスクラブ材が片持ちばりのように支持されている場合に比べて清浄用ロール部材14Rの外周面をより確実に記録面10Aおよび10Bに密着させることができることとなる。
スクラブロール14は、回転軸14Sの中心軸線の延長線とチャック機構32の中心軸線とが互いに交差し、かつ、基板10の半径方向に延びる回転軸14Sの中心軸線と基板10の記録面10Aとが互いに平行となるように配されている。また、スクラブロール14の一端は、チャック機構32の中心軸線近傍に配されている。
清浄用ロール部材14Rは、所定の空孔率を有する多孔質材料、例えば、樹脂製のスポンジ等で作られている。
回転軸14Sの他端には、減速機構14Mが設けられている。減速機構14Mは、ウォームホイールと、駆動用モータ24の出力軸に連結されるフレキシブルジョイント20の一端が連結されるウォームと、からなる。
スクラブロール16および18は、それぞれ、スクラブロール14の構造と同様な構造を有しており、円柱状の回転軸と、その回転軸の外周部に固着される清浄用ロール部材とを含んで構成されている。その各回転軸の両端は、それぞれ、スクラブロール機構支持体12における軸受部(不図示)により回動可能に支持されている。各回転軸の他端には、減速機構16M、18Mが設けられている。減速機構16M、18Mは、それぞれ、ウォームホイールと、駆動用モータ26、28の出力軸にそれぞれ連結されるフレキシブルジョイント22、30の一端が連結されるウォームと、からなる。
また、スクラブロール16は、その回転軸の中心軸線の延長線とチャック機構32の中心軸線とが互いに交差し、かつ、基板10の半径方向に延びる回転軸の中心軸線と基板10の記録面10Aとが互いに平行となるように配されている。スクラブロール16は、図2に示されるように、その回転軸の中心軸線とスクラブロール14の回転軸の中心軸線とが所定の中心角を形成するように時計回り方向に離隔した位置に配されている。その際、スクラブロール16の一部は、基板10においてスクラブロール14が対向する共通の環状領域10Eおよび後述する環状領域10Fに対向するように配され、従って、スクラブロール16は、スクラブロール14の位置よりも基板10における半径方向外方に向けて偏倚した位置に配されることとなる。
さらに、スクラブロール18は、その回転軸の中心軸線の延長線とチャック機構32の中心軸線とが互いに交差し、かつ、基板10の半径方向に延びる回転軸の中心軸線と基板10の記録面10Aとが互いに平行となるように配されている。スクラブロール18は、図2に示されるように、その回転軸の中心軸線とスクラブロール16の回転軸の中心軸線とが所定の中心角を形成するように時計回り方向に離隔した位置に配されている。その際、スクラブロール18の一部は、基板10においてスクラブロール16が対向する共通の環状領域10Fに対向するように配され、従って、スクラブロール18は、スクラブロール16の位置よりも基板10における半径方向外方に向けて偏倚した位置に配されることとなる。環状領域10Fの最外径は、上述の環状領域10Eの最外径よりも大である。これにより、上述のスクラブロール16は、基板10における上述の環状領域10Eおよび10F双方に対向するように配されることとなる。
なお、上述の基板10は、その一部が洗浄液等が満たされる容器内に浸漬された状態で配されてもよく、あるいは、基板10の記録面10Aおよび10Bとスクラブロール14、16および18の外周面との間に対して流水が適宜供給されるような構成であってもよい。このような構成により、基板10の記録面10Aおよび10Bに残留した異物が、スクラブロールによってより効率よく、かつ、容易に除去されることとなる。
本発明に係る磁気記録媒体用基板の洗浄方法の一例が適用された洗浄装置の一例においては、さらに、駆動用モータ24、26、28、スクラブロール機構支持体送り装置38、チャック機構32、駆動用モータ36の動作制御を行う制御ユニット50が備えられている。
制御ユニット50は、上述の動作制御を行わせる所定のプログラムのデータ等を格納するメモリ部、および、中央演算処理部(CPU)を備えている。
制御ユニット50には、図示が省略される生産管理用ホストコンピュータからの1枚の基板10に対する洗浄開始指令をあらわす指令信号Ss、洗浄終了指令をあらわす指令信号Sf、基板10のチャック機構32への装着が完了したことをあらわす信号Sc1、および、基板10のチャック機構32からの取り外し要求をあらわす信号Sc2が供給される。
制御ユニット50は、信号Sc1が供給されるとき、チャック機構32をロック状態とすべく、制御信号Caを形成し、それを空気圧制御部52に供給する。空気圧制御部52は、制御信号Caに基づいて駆動制御信号を形成し、それを空気圧回路部54に供給する。これにより、チャック機構32におけるジョー部材32A,32B,および32Cは、それぞれ、供給される作動空気により移動せしめられ、基板10をロック状態とすべく、基板10の孔10aの周縁を保持する。
次に、制御ユニット50は、スクラブロール機構支持体12を移動させるべく、指令信号Ssに基づいて制御信号Cdrを形成し、それをスクラブロール機構支持体送り装置38に供給する。スクラブロール機構支持体送り装置38は、制御信号Cdrに基づいてスクラブロール機構支持体12を、チャック機構32に保持された基板10の記録面10Aおよび10Bに向けて所定距離だけ移動させる。その所定距離は、例えば、基板10の記録面10Aおよび10Bに所定の圧力で当接されたスクラブロール14、16および18の外周部が所定量だけ潰される位置に設定される。その潰される所定量は、例えば、スクラブロール14、16および18の半径の約1/3程度とされる。
続いて、制御ユニット50は、スクラブロール14、16および18、チャック機構32を所定期間、例えば、30秒間、回転させるべく、駆動制御信号C1,C2,およびC3,駆動制御信号Cdcを形成し、それらを駆動用モータ24、26、28、駆動用モータ36に供給する。これにより、基板10は、例えば、60rpmで図2において時計回り方向に30秒間、回転され、スクラブロール14、16および18は、図5においてその回転数よりも大なる回転数、例えば、約90〜120rpmの範囲の回転数で時計回り方向に回転せしめられる。なお、図5においては、スクラブロール14、16および18、後述する異物40が、拡大誇張されて示されている。
これにより、図1において、例えば、基板10の記録面10Aにおける環状領域10Eよりも内側の領域にアルミナで作られた異物40が1個、残留している場合、異物40は、初期位置から基板10の回転に伴いスクラブロール14に向けて移送される。約1μm以下の大きさの異物40は、図6に拡大されて示されるように、記録面10Aに摺接される平坦面を有している。
異物40は、スクラブロール14の外周面に到達したとき(移送経路42における地点42a)、スクラブロール14の回転数と基板10の回転数との相対的な回転数差に応じて環状領域10E内(移送経路42における地点42b)まで斜めに記録面10Aを滑りながら移送される。その際、図6に拡大されて示されるように、例えば、矢印の示す方向に回転せしめられるスクラブロール14の外周面内の空隙14caおよび14cbのうちの空隙14caを形成する壁部により、記録面10Aに対し略平行な力が、異物40に矢印の示す方向に沿って作用される。これにより、異物40は、スクラブロール14の回転に伴い基板10の記録面10Aにおいて実線で示される位置から二点鎖線で示される位置まで摺接されることとなる。なお、異物40がスクラブロール14内の空隙14caを形成する壁部に付着した場合にあっては、そのままスクラブロール14への付着によって除去されることとなる。
異物40がスクラブロール14に付着することなく、移送経路42における地点42bに到達したとき、異物40は、スクラブロール14の外周面から離隔し基板10の回転に伴い移送され、スクラブロール16の外周部(移送経路42における地点42c)に到達する。
スクラブロール16の外周部に到達した異物40は、スクラブロール14の場合と同様な作用により、スクラブロール16の回転数と基板10の回転数との相対的な回転数差に応じて環状領域10F内(移送経路42における地点42d)まで斜めに記録面10Aを滑りながら移送される。
異物40がスクラブロール16に付着することなく、移送経路42における地点42dに到達したとき、異物40は、スクラブロール16の外周面から離隔し基板10の回転に伴い移送され、スクラブロール18の外周部(移送経路42における地点42e)に到達する。
スクラブロール18の外周部に到達した異物40は、スクラブロール14および16の場合と同様な作用により、図5にニ点鎖線で示されるように、基板10の記録面10Aから除去され外方に放出されることとなる。
そして、制御ユニット50は、洗浄終了指令をあらわす指令信号Sf、または、基板10のチャック機構32からの取り外し要求をあらわす信号Sc2が供給されるとき、スクラブロール機構支持体12を基板10に対し離隔する方向に移動させるべく、指令信号Sfに基づいて制御信号Cdrを形成し、それをスクラブロール機構支持体送り装置38に供給する。また、制御ユニット50は、チャック機構32をに対し基板10をアンロック状態とすべく、制御信号Caの空気圧制御部52への供給を停止する。これにより、チャック機構32におけるジョー部材32A,32B,および32Cは、それぞれ、移動せしめられ、基板10の孔10aの周縁を解放する。従って、洗浄された基板10がチャック機構32から取り外し可能状態となる。
なお、上述の例においては、3.5インチの垂直磁気記録媒体用基板に対して3個のスクラブロールが設けられているが、斯かる例に限られることなく、例えば、3.5インチよりも大なる垂直磁気記録媒体用基板においては、その半径に応じて4個以上のスクラブロールが上述のような複数の共通の環状領域に対向するように配置されてもよい。一方、
3.5インチの垂直磁気記録媒体用基板よりも小なる基板においては、その半径に応じて2個のスクラブロールが上述のような複数の共通の環状領域に対向するように設けられてもよい。
3.5インチの垂直磁気記録媒体用基板よりも小なる基板においては、その半径に応じて2個のスクラブロールが上述のような複数の共通の環状領域に対向するように設けられてもよい。
特許文献1にも示されるような従来の洗浄装置においても提案されるように、仮に、スクラブロール44が、図7および図8に二点鎖線で示されるように、同様な材質で作られ所定の1箇所に基板10に対向して配置される場合、上述の例のように、環状領域10Eよりも内側に残留するひとつの異物40を基板10の外周縁まで上述の例と同一の所要時間で移動させ外方へ放出するためには、異物40が図7における移送経路42よりも長い距離となる移送経路46を経由して放出されることが推測されるのでスクラブロール44は、基板10の半径以上の軸線方向の長さおよびスクラブロール14の直径よりも大なる直径を有することが必要となる。即ち、上述のスクラブロール44の場合、スクラブロールの製造コストが嵩むとともに、スクラブロールの配置における設計上の自由度が制約されるのに対し、一方、本発明の一例においては、そのような不都合がないという利点を有することとなる。
10 基板
10A,10B 記録面
10E,10F 環状領域
12 スクラブロール機構支持体
14、16、18 スクラブロール
24、26、28、36 駆動用モータ
38 スクラブロール機構支持体送り装置
50 制御ユニット
10A,10B 記録面
10E,10F 環状領域
12 スクラブロール機構支持体
14、16、18 スクラブロール
24、26、28、36 駆動用モータ
38 スクラブロール機構支持体送り装置
50 制御ユニット
Claims (8)
- 多孔質物質で作られる第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールの外周部が、それぞれ、洗浄される円板状の磁気記録媒体用基板の記録面における共通の環状領域に当接するように該第1のスクラブロールおよび該第2のスクラブロールを該記録面に配置する工程と、
前記磁気記録媒体用基板を所定の方向に回転させながら、前記記録面に配置された第1のスクラブロールおよび該第2のスクラブロールを前記磁気記録媒体用基板の回転数よりも大なる回転数で回転させることにより、該第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールの外周部で該記録面に残留する異物を該記録面に対し摺動させつつ前記共通の環状領域を経由させて該磁気記録媒体用基板から除去する工程と、
を含んでなる磁気記録媒体用基板の洗浄方法。 - 前記第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールが、それぞれ、前記磁気記録媒体用基板の半径方向に沿って互いに隣接し前記磁気記録媒体用基板の記録面における共通の環状領域に当接することを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体用基板の洗浄方法。
- 前記第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールの両端は、回動可能に支持されることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体用基板の洗浄方法。
- 洗浄液が、前記洗浄される磁気記録媒体用基板の記録面に供給されることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体用基板の洗浄方法。
- スクラブロール機構支持体に回動可能に支持される多孔質物質の第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールにおける外周部を洗浄される円板状の磁気記録媒体用基板の記録面における共通の環状領域に当接させるように該スクラブロール機構支持体を移動させるスクラブロール機構支持体送り装置と、
前記第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールを回動させるスクラブロール駆動部と、
前記スクラブロール機構支持体送り装置および前記スクラブロール駆動部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールにおける外周部が前記磁気記録媒体用基板の記録面における共通の環状領域に当接する場合、前記制御部が、該第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールの回転数を該磁気記録媒体用基板の回転数に比して大となるように前記スクラブロール駆動部に動作を行わせることにより、
該第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールの外周部で該磁気記録媒体用基板の記録面に残留する異物を該記録面に対し摺動させつつ前記共通の環状領域を経由させて該磁気記録媒体用基板から除去することを特徴とする磁気記録媒体用基板の洗浄装置。 - 前記第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールが、それぞれ、前記磁気記録媒体用基板の半径方向に沿って互いに隣接し前記磁気記録媒体用基板の記録面における共通の環状領域に当接することを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体用基板の洗浄装置。
- 前記第1のスクラブロールおよび第2のスクラブロールの両端は、前記スクラブロール機構支持体に回動可能に支持されることを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体用基板の洗浄装置。
- 洗浄液が、前記洗浄される磁気記録媒体用基板の記録面に供給されることを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体用基板の洗浄装置。
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---|---|---|---|
JP2007156545A JP2008310875A (ja) | 2007-06-13 | 2007-06-13 | 磁気記録媒体用基板の洗浄方法、および、それが用いられる洗浄装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007156545A JP2008310875A (ja) | 2007-06-13 | 2007-06-13 | 磁気記録媒体用基板の洗浄方法、および、それが用いられる洗浄装置 |
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JP2008310875A true JP2008310875A (ja) | 2008-12-25 |
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Family Applications (1)
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JP2007156545A Pending JP2008310875A (ja) | 2007-06-13 | 2007-06-13 | 磁気記録媒体用基板の洗浄方法、および、それが用いられる洗浄装置 |
Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108655047A (zh) * | 2018-03-12 | 2018-10-16 | 宁波中惠信息技术有限公司 | 一种自清洁仪表 |
CN108722919A (zh) * | 2018-03-12 | 2018-11-02 | 宁波中惠信息技术有限公司 | 一种自清洁仪表 |
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2007
- 2007-06-13 JP JP2007156545A patent/JP2008310875A/ja active Pending
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CN108655047A (zh) * | 2018-03-12 | 2018-10-16 | 宁波中惠信息技术有限公司 | 一种自清洁仪表 |
CN108722919A (zh) * | 2018-03-12 | 2018-11-02 | 宁波中惠信息技术有限公司 | 一种自清洁仪表 |
CN108655047B (zh) * | 2018-03-12 | 2021-01-15 | 宁波中惠信息技术有限公司 | 一种自清洁仪表 |
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