JP2008310053A - メニスカスレンズおよびメニスカスレンズの成形方法 - Google Patents

メニスカスレンズおよびメニスカスレンズの成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成形性に優れたメニスカスレンズ、さらに成形性に優れたメニスカスレンズを成形することができるメニスカスレンズの成形方法を提供すること。
【解決手段】本発明のメニスカスレンズ1は、一方の面10に、凹面11と、この凹面11の外周に位置する第1の外周面12とが形成され、他方の面20に、凸面21と、この凸面21の外周に位置する第2の外周面22とが形成されており、光軸Aと、凹面11の縁部における接線とのなす角度をθとし、光軸Aと、第2の外周面22とのなす角度をθとしたとき、θ≦60°で、かつ、|θ−θ|≦25°なる関係を満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、メニスカスレンズおよびメニスカスレンズの成形方法に関するものである。
近年、デジタルカメラ等に用いられるレンズの設計では、メニスカス形状の非球面レンズが採用されるようになってきている。
このようなメニスカス形状のレンズは、例えば、円柱状のレンズ材料(プリフォーム)を用意し、このレンズ材料を加熱軟化させた状態でプレス成形する方法が知られている(例えば、引用文献1参照。)。
より具体的には、次のようにしてメニスカス形状のレンズ(レンズ)を形成する方法が知られている。
まず、図6(a)に示すように、有底筒状をなす第1の型101と、この第1の型101内に挿入される第2の型102とを有する金型100を用意し、この第1の型101の成形面111上にレンズ材料103を配置した状態で、第2の型102を、第1の型101内に挿入する。
次に、図示しない加熱手段により、レンズ材料103を軟化させた後、第1の型101と第2の型102との距離を接近させる。このように、これらの部材101、102同士の距離を接近させると、加熱軟化したレンズ材料103が、成形面111、121の形状に対応して変形することとなる。
その後、変形したレンズ材料103を冷却することにより、図6(b)に示すような、成形面111の形状に対応した凸面と、成形面121の形状に対応した凹面とを備えるメニスカス形状のレンズ104をプレス成形することができる。
このような金型100を用いた成形方法では、得られるレンズ104の転写性(成形性)を向上させることを目的に、例えば、以下のような構成となっている。
I:第2の型102を、成形面121の外側に、形成すべきレンズ104の光軸方向(鉛直方向)に対してほぼ垂直をなす外周面122を有するものとする。
かかる構成とすることにより、軟化したレンズ材料103が外周面122に当接する際に、レンズ材料103の延びが規制されるようになる。その結果、レンズ104の成形性を向上させることができる。
II:第1の型101を、第1の型101と第2の型102とを接近させることにより形成されるレンズ104形成領域の外周を取り囲む内壁面112を有するものとする。
かかる構成とすることにより、第1の型101と第2の型102とを接近させる成形方向ばかりでなく、内壁面112からも圧力を付与することができるようになる。その結果、レンズ104の成形性を向上させることができる。
しかしながら、上記のようなIおよびIIのような構成としたとしても、前記光軸方向と、前記凹面の縁部における接線とのなす角度θが小さい(特に、60°以下)のレンズ104を形成する場合では、前記凹面の縁部において、プレス成形時に第1の型101および第2の型102から圧力を十分に付与することができず、レンズ104の転写性(成形性)が低下するという問題があった。
特開平9−249424号公報
本発明の目的は、成形性に優れたメニスカスレンズ、さらに成形性に優れたメニスカスレンズを成形することができるメニスカスレンズの成形方法を提供することにある。
このような目的は、下記の(1)〜(12)の本発明により達成される。
(1) 一方の面に、凹面と、該凹面の外周に位置する第1の外周面とが形成され、他方の面に、凸面と、該凸面の外周に位置する第2の外周面とが形成されたメニスカスレンズであって、
光軸と、前記凹面の縁部における接線とのなす角度をθとし、光軸と、前記第2の外周面とのなす角度をθとしたとき、
θ≦60°で、かつ、|θ−θ|≦25°なる関係を満足することを特徴とするメニスカスレンズ。
|θ−θ|≦25°なる関係を満足することにより、たとえ角度θが60°以下となるようなメニスカスレンズであったとしても、メニスカスレンズを成形する際に、凹面の縁部に対して圧力が十分に付与されることとなる。その結果、凹面の縁部におけるメニスカスレンズの転写性が向上することから、成形性に優れたメニスカスレンズとすることができる。
(2) 前記凹面と前記凸面との距離が、中心部でその外側よりも厚くなっている上記(1)に記載のメニスカスレンズ。
メニスカスレンズを、|θ−θ|≦25°なる関係を満足する形状のものとすれば、凸型のメニスカスレンズを形成する場合においても、凹面の縁部に対して圧力を十分に付与することができ、凹面の縁部におけるメニスカスレンズの成形性を向上させることができる。
(3) 前記第2の外周面は、前記凸面の縁部における接線よりも前記一方の面側に位置する上記(1)または(2)に記載のメニスカスレンズ。
(4) 前記第2の外周面と、前記凸面の縁部における接線とのなす角度をθとしとき、θが5〜30°である上記(3)に記載のメニスカスレンズ。
これにより、凹面の縁部における転写性が向上するとともに、凸面の縁部における転写性が向上する。
(5) 前記第1の外周面は、光軸に対してほぼ垂直をなす上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のメニスカスレンズ。
これにより、|θ−θ|を25°以下とすることによる効果が相乗的に得られ、凹面の縁部における転写性がより向上する。
(6) 前記凹面の縁部の外径と、前記凸面の縁部の外径とでは、前記凸面の縁部の外径のほうが大きい上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のメニスカスレンズ。
かかる形状のメニスカスレンズにおいて、|θ−θ|を25°以下とすることにより得られる効果が、より顕著に認められることとなる。
(7) 前記第1の外周面、前記第2の外周面、および、当該メニスカスレンズの側面とで取り囲まれる領域によりコバ部が構成される上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のメニスカスレンズ。
本発明のメニスカスレンズは、このようなコバ部を有していることから、メニスカスレンズの鏡筒への組み込みを、後工程での芯取り作業を不要にして行うことができるという利点もある。
(8) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のメニスカスレンズの成形方法であって、
有底筒状をなし、前記凸面を形成するための凹面を備えた第1の型と、該第1の型内に挿入され、前記凹面を形成するための凸面を備えた第2の型とを有する成形型と、
前記第1の型に挿入され、前記第2の外周面を形成するための傾斜面を備えた補助具とを用いて、加熱軟化したレンズ材料を加圧成形することにより、
前記第1の型が備える凹面、前記第2の型が備える凸面および前記補助具が備える傾斜面の形状に対応して、それぞれ、前記凸面、前記凹面および前記第2の外周面が形成されることを特徴とするメニスカスレンズの成形方法。
このような本発明のメニスカスレンズの成形方法では、成形型を用いてメニスカスレンズを成形する際に、第1の型内に補助具を挿入した状態で成形する。この際、傾斜面の形状に対応して形成される、第2の外周面が|θ−θ|≦25°なる関係を満足した状態で成形させるように、傾斜面の形状が設定されている。そのため、たとえ角度θが60°以下となるようなメニスカスレンズを成形する場合であったとしても、凹面の縁部に対して圧力を十分に付与することができ、凹面の縁部におけるメニスカスレンズの成形性を向上させることができる。
(9) 前記補助具は、中心部に孔を有する筒状をなし、前記孔の孔径が当該補助具の一端側に向かって漸減することにより、前記孔の内面で、前記傾斜面が構成される上記(8)に記載のメニスカスレンズの成形方法。
(10) 前記補助具の外径は、前記第1の型の内径とほぼ等しいかまたは前記第1の型の内径よりも若干小さい上記(9)に記載のメニスカスレンズの成形方法。
これにより、第1の型内に補助具を確実に挿入できるとともに、加熱軟化したレンズ材料をプレス成形する際に、このレンズ材料が第1の型と補助具との間に入り込み、メニスカスレンズの転写性および離型性等が低下するのを確実に防止することができる。
(11) 前記補助具の最小内径は、前記凹面の縁部の外径よりも大きい上記(8)ないし(10)のいずれかに記載のメニスカスレンズの成形方法。
かかる形状の補助具を用いることにより、傾斜面から第2の型が備える凸面に対する圧力の伝達をより確実に行うことができる。その結果、形成されるメニスカスレンズにおける凹面の縁部での転写性(成形性)がより向上することとなる。
(12) 前記レンズ材料を加圧成形する際に、前記補助具は、前記レンズ材料の位置決めを行う位置決め機能を有する上記(8)ないし(11)のいずれかに記載のメニスカスレンズの成形方法。
これにより、加熱軟化したレンズ材料をプレス成形する際に、レンズ材料が第1の型が備える凹面からズレてしまうのを確実に防止することができる。このような状態で、レンズ材料をプレス成形することができることから、成形性に優れたメニスカスレンズを成形することができる。
本発明のメニスカスレンズのような形状とすれば、すなわち、|θ−θ|≦25°なる関係を満足すれば、たとえθが60°以下の場合であったとしても、成形性に優れたメニスカスレンズとすることができる。
また、本発明のメニスカスレンズの成形方法によれば、たとえθが60°以下のメニスカスレンズを形成する場合であったとしても、|θ−θ|≦25°なる関係を満足した状態でメニスカスレンズを成形することができ、成形性に優れたメニスカスレンズが得られる。
以下、本発明のメニスカスレンズおよびメニスカスレンズの成形方法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明のメニスカスレンズについて説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明のメニスカスレンズの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のメニスカスレンズの第1実施形態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すメニスカスレンズ1は、一方の面10に、凹面11と、この凹面11の外周に位置する第1の外周面12とが形成され、他方の面20に、凸面21と、この凸面21の外周に位置する第2の外周面22とが形成されている。
そして、本実施形態では、このメニスカスレンズ1は、凹面11と凸面21との距離が、中心部でその外側よりも薄く(肉薄に)なっている凹型のメニスカスレンズである。すなわち、凹面11’の曲率半径よりも、凸面21’の曲率半径の方が大きくなっている凹型のメニスカスレンズである。
本発明では、このようなメニスカスレンズ1において、光軸Aと、凹面11の縁部における接線Bとのなす角度をθとし、光軸Aと、第2の外周面22とのなす角度をθとしたとき、θ≦60°で、かつ、|θ−θ|≦25°なる関係を満足する。
ここで、上述した従来技術で説明したように、角度θが60°以下となるようなメニスカスレンズをプレス成形で成形すると、成形に用いられる成形型から、凹面11の縁部に対して圧力を十分に付与することができず、凹面11の縁部において形成されるメニスカスレンズの成形性(転写性)が低下するという問題があった。
これに対して、本発明のメニスカスレンズ1では、第2の外周面22を備え、この外周面22と光軸Aとのなす角度θと、角度θとが、|θ−θ|≦25°なる関係を満足するようになっている。かかる関係を満足することにより、たとえ角度θが60°以下となるようなメニスカスレンズ1であったとしても、メニスカスレンズ1を成形する際に、凹面11の縁部に対して圧力が十分に付与されることとなる。その結果、凹面11の縁部におけるメニスカスレンズ1の転写性が向上することから、成形性に優れたメニスカスレンズ1とすることができる。
なお、|θ−θ|は、25°以下であればよいが、15°以下であるのが好ましく、5°以下であるのがより好ましい。かかる関係を満足することにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
また、本実施形態では、第2の外周面22は、凸面21の縁部における接線Cよりも一方の面10側に位置している。
このように、第2の外周面22が接線Cよりも一方の面10側に位置している際に、第2の外周面22と、接線Cとのなす角度をθとしたとき、θは、5〜30°程度であるのが好ましく、10〜20°程度であるのがより好ましい。これにより、凹面11の縁部における転写性が向上するとともに、凸面21の縁部における転写性が向上する。
さらに、第1の外周面12は、光軸Aに対してほぼ垂直をなしている。これにより、|θ−θ|を25°以下とすることによる効果が相乗的に得られ、凹面11の縁部における転写性がより向上する。
また、凹面11の縁部の外径と、凸面21の縁部の外径とでは、凸面21の縁部の外径の方が大きくなっている。かかる形状のメニスカスレンズ1において、|θ−θ|を25°以下とすることにより得られる効果が、より顕著に認められることとなる。
このようなメニスカスレンズ1において、第1の外周面12、第2の外周面22、および、メニスカスレンズ1の側面13とで取り囲まれる領域によりコバ部が構成される。本発明のメニスカスレンズ1は、このようなコバ部を有していることから、メニスカスレンズ1の鏡筒への組み込みを、後工程での芯取り作業を不要にして行うことができるという利点もある。
以上のようなメニスカスレンズ1は、以下に示すような成形型を用いた本発明のメニスカスレンズの成形方法により成形することができる。
図2は、本発明のメニスカスレンズの成形方法を説明するための縦断面図である。なお、以下の説明では、図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、本発明のメニスカスレンズの成形方法について詳細に説明する。
[1] まず、有底筒状をなす第1の型6と、第1の型6内に挿入される第2の型7とを有する成形型5を用意する。
第1の型6は、図2に示すように、円柱状をなす底部61と、筒状をなす胴部62とで構成され、胴部62がその下側で底部61に固定されている。
そして、円柱状をなす第2の型7が、胴部62の上側から挿入されるようになっている。
このような成形型5において、得られるメニスカスレンズ1に凹面11および凸面21が形成されるように、これらの形状に対応して、第2の型7は、その下面に凸面71を、さらには、底部61(第1の型6)は、その上面に凹面65を備えている。
本実施形態では、凹型のメニスカスレンズ1が形成されるように、凹面65の曲率半径が凸面71の曲率変形よりも大きく形成されている。
また、メニスカスレンズ1に第1の外周面12が形成されるように、第2の型7は、凸面71を取り囲むように、外周面72を備えている。
なお、凸面71および凹面65には、形成されるメニスカスレンズ1の光透過性を向上させることを目的に、最大表面粗さ(Rmax)が0.02μm以下となるように鏡面加工が施されている。
成形型5(第1の型6および第2の型7)の構成材料としては、高硬度材料からなるものが好ましく、例えば、炭化珪素、窒化珪素、炭化チタン、窒化チタン、炭化タングステン等の炭化物、タングステンカーバイド系の超硬合金、モリブデン、タングステン、タンタル等の金属等やその合金やアルミナ、ジルコニア等の酸化物系セラミックス、窒化物セラミックス等を用いることができる。これにより、成形型5の耐久性、耐熱性、耐食性等を大幅に向上させることができる。また、光学素子の成形時に成形型の摺動部において生じる、かじり、片当り、噛みつき等を防止することができる。
[2] 次に、傾斜面81を備えた補助具8を用意し、この補助具8を第1の型6(胴部62)内に、傾斜面81が上側を向くように挿入する。
この補助具8が備える傾斜面81の角度および形状等が、形成される第2の外周面22の角度および形状に対応している。すなわち、|θ−θ|≦25°なる関係を満足するような角度および形状となっている。
この補助具8は、本実施形態では、その全体形状が、中心部に孔を有する筒状(リング状)をなしており、この孔の孔径が補助具8の一端側に向かって漸減することにより、孔の内面で、傾斜面81が構成される。
また、補助具8は、その外径が、胴部62(第1の型6)の内径とほぼ等しいか、またはそれよりも若干小さくなっている。これにより、第1の型6内に補助具8を確実に挿入できるとともに、後工程[6]において、加熱軟化したレンズ材料3をプレス成形する際に、このレンズ材料3が第1の型6と補助具8との間に入り込み、メニスカスレンズ1の転写性および離型性等が低下するのを確実に防止することができる。
さらに、本実施形態では、補助具8は、その最小内径が凹面11(凸面71)よりも大きくなっている。かかる形状の補助具8を用いることにより、傾斜面81から凸面71に対する圧力の伝達がより確実に行うことができる。その結果、形成されるメニスカスレンズ1における凹面11の縁部での転写性(成形性)がより向上することとなる。
補助具8の構成材料としては、成形型5の構成材料として説明したのと同様のものを用いることができる。
[3] 次に、補助具8が挿入された第1の型6に、図示しない搬送手段によりレンズ材料3を搬送し、底部61が備える凹面(成形面)65上に配置(供給)する。
レンズ材料3は、ガラス材料、樹脂材料のいずれであってもよいが、ガラスを主成分とするものがより好ましい。これにより、より高精度かつ耐熱性に優れたメニスカスレンズ1を成形することができる。
[4] 次に、レンズ材料3が配置されたら、図2(a)に示すように、第2の型7を下方へ移動させ、第2の型7が備える凸面71がレンズ材料3に接触しない程度に接近させる。
[5] 次に、図2(a)に示すような状態で、図示しないヒータに通電することにより、成形型5全体を加熱し、レンズ材料3を転移点以上とすることで軟化させる。
この際、成形型5の加熱は、不活性ガス雰囲気下で行われるのが好ましい。これにより、レンズ材料3および成形型5の構成材料の酸化反応等を抑制することができる。
また、不活性ガスとしては、例えば、希ガスや窒素ガスおよびこれらの混合ガス等が挙げられる。
レンズ材料3の加熱温度(成形温度)は、所定の成形条件に適した温度に設定され、400〜800℃程度とすることが好ましい。
[6] 次に、レンズ材料3が軟化したら、第2の型7をさらに下降させて、形成すべきメニスカスレンズ1の形状に対応したキャビティー(空隙)が第1の型6、第2の型7および補助具8で形成されるように、第1の型6と第2の型7との離間距離を設定することにより、加熱軟化したレンズ材料3を加圧(プレス)成形する。
このようにして、レンズ材料3のプレス成形を行うと、加熱軟化したレンズ材料3は、次第に流動しながら押しつぶされて、最終的には図2(b)に示すように、キャビティーの形状に対応して変形する。すなわち、第1の型6が備える凹面65、第2の型7が備える凸面71および補助具8が備える傾斜面81の形状に対応して、レンズ材料3が変形する。
なお、補助具8は、底部61の凹面65を取り囲むように配置されている。そのため、加熱軟化したレンズ材料3をプレス成形する際に、レンズ材料3が凹面65からズレてしまうのを確実に防止することができる。すなわち、補助具8は、第1の型6内に位置し、レンズ材料3の位置決めを行う位置決め手段として機能する。その結果、かかる状態で、レンズ材料3をプレス成形することにより、成形性に優れたメニスカスレンズ1を成形することができる。
また、プレス成形の際の圧力は、成形するメニスカスレンズ1の大きさや個数等により適宜設定されるが、50〜2000kgf/cm2程度とすることが好ましい。
[7] 次に、プレス成形された状態の軟化したレンズ材料3を冷却する。これにより、レンズ材料3が固化することとなり、その結果、メニスカスレンズ1が形成されることとなる。
なお、レンズ材料3を冷却する過程において、プレス(加圧)状態を維持しておくことが好ましい。これにより、光学素子材料の熱収縮により生じるヒケを防止し、光学素子の光学機能面の面精度を保持することができる。
以上のようにしてメニスカスレンズ1が形成されるが、前記工程[6]において、第1の型6が備える凹面65、第2の型7が備える凸面71および補助具8が備える傾斜面81の形状に対応して、レンズ材料3が変形している。そのため、得られるメニスカスレンズ1において、これらの形状に対応して、それぞれ、凸面21、凹面11および第2の外周面22が形成される。
ここで、上述したように、角度θが60°以下となるようなメニスカスレンズを、補助具8を用いることなく、プレス成形で成形すると、成形型5から、凹面11の縁部に対して圧力を十分に付与することができず、凹面11の縁部において形成されるメニスカスレンズの転写性が低下するという問題があった。
これに対して、本発明のメニスカスレンズの成形方法では、成形型5を用いてメニスカスレンズ1を成形する際に、第1の型6内に補助具8を挿入した状態で成形する。この際、傾斜面81の形状に対応して形成される、第2の外周面22が|θ−θ|≦25°なる関係を満足した状態で成形させるように、傾斜面81の形状が設定されている。そのため、たとえ角度θが60°以下となるようなメニスカスレンズ1を成形する場合であったとしても、凹面11の縁部に対して圧力を十分に付与することができ、凹面11の縁部におけるメニスカスレンズ1の転写性を向上させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明のメニスカスレンズの第2実施形態について説明する。
図3は、本発明のメニスカスレンズの第2実施形態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第2実施形態について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図3に示すように、第2実施形態のメニスカスレンズ1’は、凹面11’と凸面21’との距離が、中心部でその外側よりも厚く(肉厚に)なっている凸型のメニスカスレンズであること以外は、前記第1実施形態のメニスカスレンズ1と同様である。すなわち、凹面11’の曲率半径よりも、凸面21’の曲率半径の方が小さくなっていること以外は、前記第1実施形態のメニスカスレンズ1と同様である。
メニスカスレンズ1’を、|θ−θ|≦25°なる関係を満足する形状のものとすれば、凸型のメニスカスレンズ1’を形成する場合においても、凹面11の縁部に対して圧力を十分に付与することができ、凹面11’の縁部におけるメニスカスレンズ1’の成形性を向上させることができる。
このような凸型のメニスカスレンズ1’は、図2に示したような成形型5’に代えて、図4に示すような成形型5’を用いる以外は、前記第1実施形態で説明したのと同様の成形方法により成形することができる。
具体的には、成形型5’では、底部61が備える凹面65’の曲率半径が、第2の型7が備える凸面71’の曲率半径よりも小さく形成されている。かかる構成の成形型5’を用いて、前記第1実施形態で説明したのと同様の成形方法により、凸型のメニスカスレンズ1’を確実に成形することができる。
以上、本発明のメニスカスレンズ、メニスカスレンズの成形方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
例えば、本発明のメニスカスレンズの各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成と置換することができ、その他の構成が付加されていてもよい。
また、本発明のメニスカスレンズの成形方法には、任意の目的の工程が1または2以上追加されてもよい。
さらに、本発明のメニスカスレンズの成形方法に用いられる補助具は、図2に示したような形状のものに限定されず、図2に示す補助具8の底面に脚部が設けられ、この脚部が第1の型6(底部61)に設けられた凹部に嵌入されるような構成のものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.メニスカスレンズの成形
(実施例)
<1> まず、図2に示すような、第1の型6と第2の型7とを有する成形型5を用意した。
なお、本実施例では、成形されるメニスカスレンズ1が備える凹面11の縁部における接線Bと、光軸Aとのなす角度θの大きさが30°となるような凸面71が形成された第2の型7を用意した。
<2> 次に、補助具8を用意し、第1の型6(胴部62)内に挿入した。
なお、本実施例では、成形させるメニスカスレンズ1が備える外周面22と、光軸Aとのなす角度θの大きさが30°となるような傾斜面81が形成された補助具8を用意した。すなわち、|θ−θ|が0°となるような傾斜面81が形成された補助具8を用意した。
<3> 次に、補助具8が挿入された第1の型6に、直径10mm×高さ4mmのレンズ材料3(「K−VC89」、株式会社住田光学ガラス製;ガラス転移点528℃、屈伏温度559℃)を搬送し、凹面65上に配置した。
<4> 次に、Nガス雰囲気下で、図2(a)に示すように第1の型6と第2の型7とを接近させた後、ヒータに通電することにより、レンズ材料3の温度が570℃となるように、成形型5全体を加熱した。
<5> 次に、レンズ材料3の温度が570℃となり軟化した時点で、第1の型6と第2の型7との離間距離が所定の距離となるまで第2の型7をさらに下降させることにより、加熱軟化したレンズ材料3を加圧(プレス)成形した。
なお、プレス成形の際の圧力は、200kgf/cm2とした。
<6> 次に、プレス成形された状態の軟化したレンズ材料3を冷却してレンズ材料3を固化させることにより、メニスカスレンズを得た。
(比較例)
前記工程<2>において、第1の型6(胴部62)内への補助具8の挿入を省略した以外は、前記実施例と同様にして、メニスカスレンズを成形した。
2.評価
実施例および比較例のメニスカスレンズについて、それぞれ、凹面11の縦断面の形状を測定した。
なお、凹面11の縦断面の測定は、超高精度三次元測定器(「UA3P−4」、松下電器産業株式会社製)を用いて行った。
実施例および比較例のメニスカスレンズにおいて測定された凹面11の縦断面の形状を示すグラフを、図5に示す。
なお、グラフ中のx軸の0点は凹面11の中心点を表し、+x方向は中心点から右方向、−x方向は中心点から左方向を表す。
また、y軸は、凹面11の中心点における厚さを0としたときの、厚さ方向へのズレの大きさを表す。
図5に示すように、実施例のメニスカスレンズでは、中心点から+x方向および−x方向にずれるにしたがって、ともに厚さは+y方向にずれる傾向を示し、さらに、この+y方向へのずれは、その大きさが左右対称となっていた。すなわち、転写性に優れた凹面11が成形されていた。
これに対して、比較例のメニスカスレンズでは、中心点から+x方向にずれるにしたがって、厚さは+y方向にずれる傾向を示したものの、−x方向では、厚さの+y方向へのずれは認められなかった。すなわち、転写性に劣る凹面11が成形されていた。
以上のことから、たとえ角度θが60°以下となるようなメニスカスレンズであったとしても、成形されるメニスカスレンズのθとθとの差が小さくなるように設定することにより、メニスカスレンズを成形する際に、凹面11の縁部に対して圧力を十分に付与することができ、メニスカスレンズ1の転写性が向上することが明らかとなった。
本発明のメニスカスレンズの第1実施形態を示す縦断面図である。 本発明のメニスカスレンズの成形方法を説明するための縦断面図である。 本発明のメニスカスレンズの第2実施形態を示す縦断面図である。 図3に示すメニスカスレンズを成形する際に用いられる成形型を説明するための縦断面図である。 実施例および比較例のメニスカスレンズにおける凹面の形状を示すグラフである。 従来のメニスカスレンズの成形方法を説明するための縦断面図である。
符号の説明
1、1’ メニスカスレンズ
10 一方の面
11、11’ 凹面
12 第1の外周面
13 側面
20 他方の面
21、21’ 凸面
22 第2の外周面
3 レンズ材料
5、5’ 成形型
6 第1の型
61 底部
62 胴部
65、65’ 凹面
7 第2の型
71、71’ 凸面
72 外周面
8 補助具
81 傾斜面
100 金型
101 第1の型
102 第2の型
103 レンズ材料
104 レンズ
111 成形面
112 内壁面
121 成形面
122 外周面

Claims (12)

  1. 一方の面に、凹面と、該凹面の外周に位置する第1の外周面とが形成され、他方の面に、凸面と、該凸面の外周に位置する第2の外周面とが形成されたメニスカスレンズであって、
    光軸と、前記凹面の縁部における接線とのなす角度をθとし、光軸と、前記第2の外周面とのなす角度をθとしたとき、
    θ≦60°で、かつ、|θ−θ|≦25°なる関係を満足することを特徴とするメニスカスレンズ。
  2. 前記凹面と前記凸面との距離が、中心部でその外側よりも厚くなっている請求項1に記載のメニスカスレンズ。
  3. 前記第2の外周面は、前記凸面の縁部における接線よりも前記一方の面側に位置する請求項1または2に記載のメニスカスレンズ。
  4. 前記第2の外周面と、前記凸面の縁部における接線とのなす角度をθとしとき、θが5〜30°である請求項3に記載のメニスカスレンズ。
  5. 前記第1の外周面は、光軸に対してほぼ垂直をなす請求項1ないし4のいずれかに記載のメニスカスレンズ。
  6. 前記凹面の縁部の外径と、前記凸面の縁部の外径とでは、前記凸面の縁部の外径のほうが大きい請求項1ないし5のいずれかに記載のメニスカスレンズ。
  7. 前記第1の外周面、前記第2の外周面、および、当該メニスカスレンズの側面とで取り囲まれる領域によりコバ部が構成される請求項1ないし6のいずれかに記載のメニスカスレンズ。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のメニスカスレンズの成形方法であって、
    有底筒状をなし、前記凸面を形成するための凹面を備えた第1の型と、該第1の型内に挿入され、前記凹面を形成するための凸面を備えた第2の型とを有する成形型と、
    前記第1の型に挿入され、前記第2の外周面を形成するための傾斜面を備えた補助具とを用いて、加熱軟化したレンズ材料を加圧成形することにより、
    前記第1の型が備える凹面、前記第2の型が備える凸面および前記補助具が備える傾斜面の形状に対応して、それぞれ、前記凸面、前記凹面および前記第2の外周面が形成されることを特徴とするメニスカスレンズの成形方法。
  9. 前記補助具は、中心部に孔を有する筒状をなし、前記孔の孔径が当該補助具の一端側に向かって漸減することにより、前記孔の内面で、前記傾斜面が構成される請求項8に記載のメニスカスレンズの成形方法。
  10. 前記補助具の外径は、前記第1の型の内径とほぼ等しいかまたは前記第1の型の内径よりも若干小さい請求項9に記載のメニスカスレンズの成形方法。
  11. 前記補助具の最小内径は、前記凹面の縁部の外径よりも大きい請求項8ないし10のいずれかに記載のメニスカスレンズの成形方法。
  12. 前記レンズ材料を加圧成形する際に、前記補助具は、前記レンズ材料の位置決めを行う位置決め機能を有する請求項8ないし11のいずれかに記載のメニスカスレンズの成形方法。
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