JP4813305B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学素子の製造技術に関し、たとえば、ガラス型を用いてガラス製の光学素子を製造する技術に関する。
従来、円筒状のスリーブにガラス素材を狭持した上型および下型を対向させて挿入し、所定の成形温度で挟圧することで光学素子を成形する技術に関しては、たとえば、特許文献1等数多くの出願がなされている。
ガラス製の成形型(ガラス型)を、超硬合金などでできたスリーブに対して用いると、線膨張係数が異なるために熱間でのスリーブとガラス型のクリアランスを小さくできる効果があり、例えば特許文献2では下型にガラス型を用い、下型をスリーブに焼き嵌め状態にして成形する方法が提案されている。
しかし、ガラス型とスリーブの嵌合クリアランスを小さく設定し、成形時の温度で焼き嵌めとした場合、スリーブと比較して弾性力の大きい(剛性の小さい)ガラス型が変形し、ガラス型から光学素子に転写される光学面の面精度が得られないという技術的課題がある。
一方、スリーブ内に光学素材を挟持した状態で挿入して、加熱およびプレスすることで光学素子を得るガラス型を、型成形で製作した場合、成形後にアニール処理しない状態で利用すると、ガラス型の成形時に当該ガラス型に発生した歪が、光学素子の成形時に開放されて徐々に変形するため、必要な光学素子の品質が継続して得られないという不具合がある。
そこで、アニール処理を施してガラス型の成形時に残留した熱歪を除去しておけば、歪の解放によるガラス型の変形が発生せず、当該ガラス型を用いて長期間安定した光学素子の成形が可能となる。
しかし、ガラス型の成形後の収縮に加え、アニール処理でもガラス型は大きく収縮し、その収縮量は、形状、成形条件により一品一様で異なる。さらにスリーブに線膨張係数の異なる材料を用いた場合、実際に光学素子を成形する温度での嵌合クリアランス(成形型とスリーブとの間の隙間)が把握できず、光学素子の偏心精度が出るまでスリーブを何度も作り直して精度を追い込まなければならず、コストが増大し、リードタイムも長くなるという技術的課題があった。
特公平2−1780号公報 特開2004−277242号公報
本発明の目的は、筒体の内部でガラス素材とガラス型を所定の温度で挟圧して光学素子を得る光学素子の製造方法において、光学素子の偏心精度を向上させることにある。
本発明の他の目的は、筒体の内部でガラス素材とガラス型を所定の温度で挟圧して光学素子を得る光学素子の製造方法において、良好な光学素子の偏心精度を与える筒体の内径寸法を短期間に精度良く決定して、生産性を向上させることにある。
本発明は、第1筒体の第1内径D1を実測する工程と、
前記第1筒体の内部でマスタ型と第1ガラス素材を挟圧してガラス型を成形する工程と、
前記ガラス型をアニールする工程と、
アニール後の前記ガラス型の外径D2を実測する工程と、
実測された前記第1筒体の第1内径D1及び前記ガラス型の外径D2を用いて、前記ガラス型の仮の線膨張係数αgkを算出する算出工程と、
前記ガラス型の仮の線膨張係数αgkを用いて第2筒体の第2内径D3を決定する工程と、
前記第2内径D3を有する前記第2筒体を得る工程と、
得られた前記第2筒体の内部で、前記ガラス型と第2ガラス素材を挟圧することで光学素子を成形する工程と、を有し、
前記算出工程では、前記ガラス型の仮の線膨張係数αgkは、前記第1筒体の線膨張係数をα、前記ガラス型の第1成形温度をT1、前記光学素子の第2成形温度をT2、室温をT0とすると、
αgk={D1×(1+α(T1−T0))−D2}/{D2×(T1−T0)}により算出され
前記第2内径と前記ガラス型の外径との摺動クリアランスをC、とするとき、
D3=D2×{1+α gk (T2−T0)}/{1+α (T2−T0)}+C
として、前記第2内径を決定し、
前記第1筒体と前記第2筒体は同じ素材からなる光学素子の製造方法を提供する。
すなわち、本発明では、一例として、あらかじめガラス製の成形型(ガラス型)を成形するための第1筒体の内径を測定しておく。
ガラス型の材料の屈伏点温度以上の温度(第1成形温度)でガラス型を成形し、アニール処理したガラス型の外径寸法を測定する。第1筒体の線膨張係数αを温度に関係なく一定の値と仮定し、ガラス型の成形時の第1成形温度での第1筒体の径を算出する。
算出した第1筒体の内径寸法とアニール後のガラス型の外径寸法の差より、線膨張係数αgkを算出する。
この算出した線膨張係数αgkを用いて光学素子の第2成形温度での第2筒体の内径を算出し、光学素子成形用の第2筒体を製作する。
さらに、必要に応じて、第2筒体の線膨張係数αとガラス型の線膨張係数αgkの差による第2成形温度でのガラス型と第2筒体の嵌合クリアランスの変化を利用し、第2成形温度の変化による光学素子の偏心精度の変化より第2筒体の内径寸法をさらに高精度に設定し、光学素子成形用の当該第2筒体の寸法を修正し、最適化する。
また、簡易的に、アニール後の前記ガラス型の外径と第1内径の差分に、(第1成形温度 − 第2成形温度)/第1成形温度、を乗じた値を、第1内径から減じて得られる第2内径を有する第2筒体を得ることにより、光学素子成形用の当該第2筒体の寸法を修正し、最適化する。
本発明によれば、筒体の内部でガラス素材とガラス型を所定の温度で挟圧して光学素子を得る光学素子の製造方法において、光学素子の偏心精度を向上させることができる。
また、筒体の内部でガラス素材とガラス型を所定の温度で挟圧して光学素子を得る光学素子の製造方法において、良好な光学素子の偏心精度を与える筒体の内径寸法を短期間に精度良く決定して、生産性を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である光学素子の製造方法に用いられるガラス型成形装置の構成の一例を示す断面図であり、図2は、本実施の形態の光学素子の製造方法に用いられるマッフル炉の構成の一例を示す断面図、図3は、本実施の形態の光学素子の製造方法に用いられる光学素子成形装置の構成例を示す断面図である。
本実施の形態の光学素子の製造方法では、ガラス型成形装置10を用いてガラス型31を製作した後、当該ガラス型31を、マッフル炉40を用いてアニールする。
そして、マッフル炉40でアニールされたガラス型31を、下ガラス型31aおよび上ガラス型31bとして用いる光学素子成形装置50にて、光学素子素材60から光学素子61の成形を行う。
最初に本実施の形態の光学素子の製造方法に用いられるガラス型成形装置10、マッフル炉40、光学素子成形装置50の構成について説明する。
図1に例示されるように、本実施の形態のガラス型成形装置10は、台座11、ガラス型成形用スリーブ12(第1筒体)、ガラスチューブ13、赤外線ヒータ14、加熱炉蓋15、プレス軸16を備えている。
台座11の上には、たとえば、所定の肉厚の円筒状の超硬合金等で構成されたガラス型成形用スリーブ12が、軸を鉛直方向にして載置されている。
ガラス型成形用スリーブ12の内部には、ガラス型材料30を挟んで上下方向に対向するように、マスタ型21およびプレス型22が配置され、下側のマスタ型21の下端は、台座11に指示されている。
上側のプレス型22の外端部には、ガラス型成形用スリーブ12の軸方向に上下動するプレス軸16が当接されており、プレス型22とマスタ型21の間のガラス型材料30を軸方向に加圧することが可能になっている。
台座11およびガラス型成形用スリーブ12は、耐熱のガラスチューブ13および加熱炉蓋15の内部に収容され、ガラスチューブ13の外部に配置された赤外線ヒータ14からの輻射熱によって所望の温度に加熱される構成となっている。
図2に例示されるように、本実施の形態のマッフル炉40は、密閉空間を構成する炉体41の内部にマッフル棚43を配置した構成となっている。炉体41の壁面には、ヒータ42が埋め込まれており、炉体41の内部のマッフル棚43に載置された後述のガラス型31を所望の温度に加熱することが可能になっている。
図3に例示されるように、本実施の形態の光学素子成形装置50は、ベースプレート51、下ヒータ52、下ヒータブロック53、下プレスブロック54、光学素子成形用スリーブ55(第2筒体)、上プレスブロック56、上ヒータ57、上ヒータブロック58、プレス軸59を備えている。
ベースプレート51の上には、下ヒータ52が埋設された下ヒータブロック53が載置され、この下ヒータブロック53の上に、軸を鉛直方向にした光学素子成形用スリーブ55が搭載されている。
光学素子成形用スリーブ55は、たとえば、上述のガラス型成形用スリーブ12と同じ材質の超硬合金等で構成され、所定の肉厚を有する円筒状を呈している。
光学素子成形用スリーブ55の内部には、下ヒータブロック53に下端部が当接する下プレスブロック54と、上プレスブロック56が上下方向に対向して配置されている。
上プレスブロック56の外端部は、上ヒータ57が埋設された上ヒータブロック58に当接しているとともに、プレス軸59によって、上プレスブロック56の軸方向に駆動される構成となっている。
光学素子成形用スリーブ55の内部における下プレスブロック54と上プレスブロック56の間には、光学面32が上下方向に対向する姿勢で、下ガラス型31a(ガラス型31)および上ガラス型31b(ガラス型31)が配置されている。
下ガラス型31aおよび上ガラス型31bの対向する光学面32の間には、光学素子素材60が挟持されている。
そして、下プレスブロック54および上プレスブロック56を介して、下ヒータブロック53および上ヒータブロック58から下ガラス型31aおよび上ガラス型31bを所望の成形温度に加熱しつつ、プレス軸59の推力によって光学素子素材60を下ガラス型31aと上ガラス型31bの間で挟圧することで、光学面32が転写された光学素子61が成形される。
なお、本実施の形態の場合、一例として、下ガラス型31aおよび上ガラス型31bは、同一のガラス型31からなり、光軸直交する面に関して対称な光学面を有する光学素子61が成形されるが、下ガラス型31aと上ガラス型31bとが異なる光学面32を有する形状としてもよい。
以下、本実施の形態の光学素子の製造方法の作用の一例について説明する。図4は、本実施の形態の作用の一例を示すフローチャートである。
図1を参照して、ガラス型材料30からガラス型31を製造する工程について説明する。
たとえば、線膨張係数α=5.0×10−6の超硬合金等を用いてガラス型成形用スリーブ12を製作する。そして、あらかじめ、このガラス型成形用スリーブ12の内径寸法D1(第1内径)を精密に測定しておく(ステップ101)。
このガラス型成形用スリーブ12にマスタ型21、ガラス型材料30、プレス型22を挿入し、台座11に載置したのち、内部を台座11、プレス軸16、加熱炉蓋15、ガラスチューブ13で密閉し、窒素ガスで置換した後、赤外線ヒータ14で、ガラス型材料30の屈伏点温度以上の成形温度T1に加熱し、プレス軸16を下降駆動してプレス成形することで、マスタ型21から光学面32が転写されたガラス型31を得る(ステップ102)。
本実施の形態ではガラス型材料30として、屈伏点温度が625℃のほう珪酸ガラスを用い、成形温度T1を640℃とした。
成形温度T1からの冷却後、ガラス型成形装置10で成形されたガラス型31は、図2に示すように、マッフル炉40のマッフル棚43に搬入され、ガラス型材料30の徐冷点温度以上、転移点温度以下の設定温度(本実施の形態では、一例として565℃)で一定時間だけ保持した後、1時間当たり60℃の冷却速度で徐冷し、成形時にガラス型31の内部に残留した歪を除去した(ステップ103)。
ここで、アニールによって歪を除去したガラス型31の外形寸法D2を測定し(ステップ104)、ガラス型31の成形時のガラス型成形用スリーブ12の成形温度T1から算出したガラス型31の外形寸法との差より、ガラス型31の仮の線膨張係数αgkを、
αgk={D1×(1+α(T1−T0))−D2}/{D2×(T1−T0)} ・・・式(1)
として算出する。ただし、この式(1)において、T0は室温で、たとえば20℃である。
光学素子成形装置50の光学素子成形用スリーブ55の内径寸法D3(第2内径)を、αgkと成形する光学素子素材60の成形温度T2を用いて、
D3=D2×{1+αgk(T2−T0)}/{1+α(T2−T0)}+C ・・・式(2)
で加工する(ステップ105)。
だたし、式(2)において、Cは、光学素子成形用スリーブ55の内径とガラス型31の外径との間の摺動クリアランス(軸方向に円滑に摺動させるための隙間)である。
すなわち、内径寸法D3は、成形温度T2におけるガラス型31の外径寸法に、上ガラス型31bの光学素子成形用スリーブ55の内部軸方向の円滑な摺動変位に必要な最小限の摺動クリアランスCを加えた値に設定される。このため、光学素子成形用スリーブ55の内部における径方向のガラス型31の位置のばらつきは最小限に抑制され、後述のようにガラス型31によって成形される光学素子61の偏心精度が向上する。
ここで、ガラス型31の仮の線膨張係数αgkは、図5に例示されるように、室温T0と成形温度T1の間で漸増するガラス型成形用スリーブ12の線膨張係数αを、室温T0と成形温度T1の間で直線近似したものであり、室温T0と成形温度T1の全区間で、線膨張係数αgk>線膨張係数α、となる。
このため、上述の式(2)のように、成形温度T2における光学素子成形用スリーブ55の内径寸法D3(>D2)を決定することで、成形温度T2と室温T0の間では、ガラス型31の外周と、光学素子成形用スリーブ55の内周との間には、常に隙間が形成され、焼き嵌め状態にならない。
すなわち、剛性の大きな光学素子成形用スリーブ55の収縮変形によってガラス型31が径方向に圧縮変形を受けることがなく、ガラス型31の光学面32の転写精度を維持できる。
たとえば、光学素子素材60として燐酸系ガラス(Tg:480℃)を用いて成形温度T2が550℃で光学素子61を成形する場合に、上述の式(1)、(2)を当てはめる。
ただし、内径寸法D1が20mmのガラス型成形用スリーブ12を用いて成形した結果、外径が19.94mmのガラス型31が製造され、アニール後の外形寸法D2が、19.90mmになったとする。
線膨張係数αgk={20×(1+5×10−6×(640−20))−19.90}/{19.90×(640−20)}=13.13×10−6
内径寸法D3=19.90×{1+13.13×10−6×(550−20)}/{1+5×10−6×(550−20)}+C=19.986+C(mm)
このようにして、内径寸法D3が決定される。
次に、図3に示すように内径寸法D3に加工された光学素子成形用スリーブ55の内部に、同じガラス型31からなる下ガラス型31aおよび上ガラス型31bと、上下それぞれの上プレスブロック56、下プレスブロック54を、光学素子素材60を挟持した状態で挿入し、ベースプレート51の上に設けられ、下ヒータ52を内蔵した下ヒータブロック53の上に載置する。
そして、プレス軸59に上下方向に摺動自在に接続され、上ヒータ57を内蔵した上ヒータブロック58で軸方向にプレスし、下ガラス型31aと上ガラス型31bとの間で光学素子素材60を挟圧することにより、図6に例示されるような、光学面32が両面に転写された偏心精度のよい、光学素子61(この場合、光学面32が転写されて形成された光学面62を有する凸レンズ)を得ることができる(ステップ106)。
さらに高精度の偏心精度が光学素子61に必要な場合は、光学素子61の偏心精度δを測定し(ステップ107)、測定された光学素子61の偏心精度δが目標値よりも低い場合には、
D3=D3−(δ/2) ・・・ 式(3)
として、δ/2を現在の光学素子成形用スリーブ55の内径寸法D3から減じて、式(3)で与えられる新たな内径寸法D3を設定し(ステップ109)、上述のステップ105では、この新たな内径寸法D3を有するとする光学素子成形用スリーブ55を作成する。
これにより、必要最小限の試行により、光学素子61の目的の偏心精度δを与える光学素子成形用スリーブ55を作成することができる。
ここで、光学素子61の偏心精度δとは、光学素子61の光軸63の光学面62の中心軸に対する位置ずれ量を示す。下ガラス型31aおよび上ガラス型31bの各々の光学面32の転写によって形成される光学素子61の一対の光学面62は、下ガラス型31a、上ガラス型31bの径方向の位置ずれによって、径方向に位置ずれする可能性があり、光軸63は、光学面62の中心に対して位置ずれする可能性がある。
また、下ガラス型31a、上ガラス型31bの光学素子成形用スリーブ55内における倒れに起因する偏心量を偏心精度δに加味して当該偏心精度δを評価してもよい。
さらに高精度の偏心精度が光学素子61に必要な場合における内径寸法D3の決定例を図7のフローチャートに例示する。この図7のフローチャートにおいて、ステップ101〜ステップ108は、上述の図4の場合と同様であり、ステップ107で光学素子61の偏心精度δがNG(精度不足)と判定された場合の処理が異なっている。
すなわち、図7のステップ107において、現在の内径寸法D3の光学素子成形用スリーブ55を用いて成形された光学素子61の偏心精度δがNGと判定された場合には、光学素子61の成形温度T2をΔTだけ増加させて、光学素子61を成形し(ステップ121)、成形された光学素子61の偏心精度δを測定する(ステップ122)。
そして、偏心精度δが許容範囲内でないならば(ステップ123)、ステップ121に戻って、さらに成形温度T2に加算するΔTを増やして、光学素子61の成形を試みる。
そして、ステップ123にて、光学素子61の偏心精度δが許容範囲と判定されたら、成形温度T2の温度変化量ΔTと、温度の変化の前後の偏心精度δの変化量に基づいて、光学素子成形用スリーブ55の新たな内径寸法D3を決定し(ステップ124)、ステップ105に戻って、ステップ124で新たに決定された内径寸法D3を有する光学素子成形用スリーブ55を製作する。
すなわち、光学素子61の成形温度T2を上下に決められた温度だけ高く変更して成形を実施する。光学素子成形用スリーブ55(線膨張係数α)と、ガラス型31(下ガラス型31a、上ガラス型31b)の線膨張係数αgk(>α)の差により、成形温度T2を高くすると内側のガラス型31と外側の光学素子成形用スリーブ55の間のクリアランスは小さくなり、光学素子61の偏心精度δが向上する。偏心精度δと嵌合クリアランスの関係は、図8のように、求められるので成形温度T2の温度上昇によって小さくなったクリアランスの量をフィードバックし、光学素子成形用スリーブ55の内径寸法D3を修正加工することにより、より偏心精度の高い光学素子61が成形可能になる。
具体的には、偏心精度δが、成形温度T2でδ1(NG)、成形温度T2+ΔTでδ2(OK)の場合、前記式(2)において得られた内径寸法D3から、成形温度T2+ΔTの偏心量δ2を減じて新たな内径寸法D3を決定して(ステップ124)、光学素子成形用スリーブ55の内径寸法D3の加工を行う(ステップ105)。
これにより、ガラス型31の仮想的な線膨張係数αgkと、成形温度T2+ΔTで実測された偏心精度δ2を用いて、成形温度T2における光学素子61の高い成形精度を与える光学素子成形用スリーブ55の内径寸法D3を簡便に、効率よく決定することができる。
なお、上述の図4および図7のフローチャートでは、ガラス型31によって成形された光学素子61の偏心精度δが精度不足の場合(ステップ107)、ステップ105に戻って光学素子61を成形する光学素子成形用スリーブ55の内径寸法D3を小さくするように再加工する方法を例示したが、ガラス型31の成形工程に遡って(ステップ101)、ガラス型31の外径(すなわち、ガラス型成形用スリーブ12の内径)を大きくするように作り直す補正を行うようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態の光学素子の製造方法によれば、ガラス型31の製作時の成形温度T1からの収縮量より、光学素子61の成形時の成形温度T2におけるガラス型31の径(線膨張係数αgk)を仮想的に設定し、光学素子61の成形時の光学素子成形用スリーブ55(内径寸法D3)とガラス型31(外形寸法D2)との微小な嵌合クリアランスを簡単に高い精度で設定することが可能となり、良好な偏心精度の光学素子61が得られる。
すなわち、光学素子成形用スリーブ55の内部で光学素子素材60とガラス型31を所定の温度(成形温度T2)で挟圧して光学素子61を得る光学素子の製造方法において、光学素子61の偏心精度を向上させることができる。
また、光学素子成形用スリーブ55の内部で光学素子素材60とガラス型31を所定の温度(成形温度T2)で挟圧して光学素子61を得る光学素子の製造方法において、良好な光学素子61の偏心精度を与える光学素子成形用スリーブ55の内径寸法D3を短期間に精度良く決定して、生産性を向上させることができる。
本実施の形態の変形例として、以下のようにして、上述のステップ105における内径寸法D3の決定を行うようにしてもよい。
すなわち、アニール後のガラス型31の外径D2と内径寸法D1の差分に、(成形温度T1−成形温度T2)/成形温度T1、を乗じた値を、内径寸法D1から減じて得られる内径寸法D3を有する光学素子成形用スリーブ55を製作することで、簡易的に内径寸法D3を決定する。
この変形例においても、上述の場合と同様の効果が得られる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明の一実施の形態である光学素子の製造方法に用いられるガラス型成形装置の構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態である光学素子の製造方法に用いられるマッフル炉の構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態である光学素子の製造方法に用いられる光学素子成形装置の構成例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態である光学素子の製造方法の作用の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態である光学素子の製造方法の作用の一例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光学素子の製造方法にて得られる光学素子61の構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態である光学素子の製造方法の作用の変形例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態である光学素子の製造方法の作用の変形例を示す概念図である。
符号の説明
10 ガラス型成形装置
11 台座
12 ガラス型成形用スリーブ
13 ガラスチューブ
14 赤外線ヒータ
15 加熱炉蓋
16 プレス軸
21 マスタ型
22 プレス型
30 ガラス型材料
31 ガラス型
31a 下ガラス型
31b 上ガラス型
32 光学面
40 マッフル炉
41 炉体
42 ヒータ
43 マッフル棚
50 光学素子成形装置
51 ベースプレート
52 下ヒータ
53 下ヒータブロック
54 下プレスブロック
55 光学素子成形用スリーブ
56 上プレスブロック
57 上ヒータ
58 上ヒータブロック
59 プレス軸
60 光学素子素材
61 光学素子
62 光学面
63 光軸
C 摺動クリアランス
D1 ガラス型成形用スリーブ12の内径寸法
D2 ガラス型31のアニール後の外形寸法
D3 光学素子成形用スリーブ55の内径寸法
T0 室温
T1 ガラス型31の成形温度
T2 光学素子61の成形温度
ΔT 成形温度T2の温度変化量
αgk ガラス型31の仮想的な線膨張係数
α ガラス型成形用スリーブ12と光学素子成形用スリーブ55の線膨張係数

Claims (3)

  1. 第1筒体の第1内径D1を実測する工程と、
    前記第1筒体の内部でマスタ型と第1ガラス素材を挟圧してガラス型を成形する工程と、
    前記ガラス型をアニールする工程と、
    アニール後の前記ガラス型の外径D2を実測する工程と、
    実測された前記第1筒体の第1内径D1及び前記ガラス型の外径D2を用いて、前記ガラス型の仮の線膨張係数αgkを算出する算出工程と、
    前記ガラス型の仮の線膨張係数αgkを用いて第2筒体の第2内径D3を決定する工程と、
    前記第2内径D3を有する前記第2筒体を得る工程と、
    得られた前記第2筒体の内部で、前記ガラス型と第2ガラス素材を挟圧することで光学素子を成形する工程と、を有し、
    前記算出工程では、前記ガラス型の仮の線膨張係数αgkは、前記第1筒体の線膨張係数をα、前記ガラス型の第1成形温度をT1、前記光学素子の第2成形温度をT2、室温をT0とすると、
    αgk={D1×(1+α(T1−T0))−D2}/{D2×(T1−T0)}により算出され
    前記第2内径と前記ガラス型の外径との摺動クリアランスをC、とするとき、
    D3=D2×{1+α gk (T2−T0)}/{1+α (T2−T0)}+C
    として、前記第2内径を決定し、
    前記第1筒体と前記第2筒体は同じ素材からなることを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 請求項記載の光学素子の製造方法において、
    前記第2筒体と前記ガラス型を用いて、前記第2成形温度を変化させて成形した前記光学素子の偏心量を測定し、前記第2成形温度の変化量と前記偏心量から算出されるクリアランス量で、前記第2筒体の前記第2内径を補正することを特徴とする光学素子の製造方法。
  3. 請求項記載の光学素子の製造方法において、
    前記第2筒体と前記ガラス型を用いて、前記第2成形温度を変化させて成形した前記光学素子の偏心量を測定し、前記第2成形温度の変化量と前記偏心量から算出されるクリアランス量で、前記第1筒体の前記第1内径を補正して前記ガラス型を得ることを特徴とする光学素子の製造方法。
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