JP2008310021A - 液体現像剤、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非水系絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤において、トナー粒子が実質上球形で、体積基準粒子径(D50)が0.5〜4.0μmで、体積基準粒度分布におけるD75/D25が1.3以下である、液体現像剤を提供する。このような液体現像剤は、非水系絶縁性液体中にて着色剤の存在下、スチレン、又はアクリル系モノマーの分散重合によって得ることができる。また、この製造方法においては、トナー粒子が分散した非水系絶縁性液体を、溶媒置換せずに、キャリア液として使用可能である。
【選択図】なし
Description
しかし、乾式現像法では、粉末の現像剤の粒径が小さくなるにつれ、粉末間における凝集作用等により、微粒子の保存が困難となる。
また、粉砕法ではトナー粒子が分散メディアに付着する他、分散メディアの磨耗によるコンタミネーションが現像剤性能に悪影響を及ぼす可能性がある。更に、粒度分布がブロードとなったり、トナー粒子形状が不定形になる等の問題が発生する。
液体現像剤において、一般的に用いられる非水系絶縁性液体には、パラフィンオイル、イソパラフィンオイル等が挙げられ、具体例としてアイソパー等がある。前記非水系絶縁性液体は、極性の低い、非水溶性のスチレン、及び/又はアクリル系モノマーとは相溶し、これらモノマーの重合体であるポリマーを溶解しない特性を持つ。本発明では上記の特性に着目し、分散重合によりトナー粒子を作製するものである。
また、着色剤は上記モノマー100質量部に対し、0.1〜50質量部使用することが好ましい。
その後、このポリマー微粒子が液体中に溶解したモノマーにより、膨潤し成長し、液体中のモノマーの重合が進行、完結すると、ポリマー微粒子がトナー粒子となる。こうして溶媒置換することなく、キャリア液にトナー粒子が分散した液体現像剤となる。
尚、実質上球形とは、円形度が0.98以上であることを示している。
円形度とは、粒子の円形度を下記式(1)により求め、さらに測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値である。本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定を行った。
円形度a=L0/L (1)〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
トナー粒子が球形に近いほど画質が向上し、画像形成時の文字の中抜け等が少なくなる。更に、体積基準粒子径が0.5μm以上だと体積基準粒度分布がシャープになり、4.0μm以下であると、粒子径が小さいため、トナー消費効率が良く、かつ画像形成時のリソッド均一性が良好となる。また、体積基準粒度分布におけるD75/D25が1.3以下であると粒子の分散が均一となり、画像形成時のリソッド均一性が良好となる。
また、粒子径の制御因子は重合初期の重合速度であり、重合速度が速い、つまり、重合開始剤濃度が高く、重合温度が高い程、初期に析出する粒子数が多くなり、粒子径の小さいトナー粒子を得ることができる。特に限定はしないが、重合温度は50〜90℃、重合時間は1〜20時間程度が好ましい。
また、本発明液体現像剤中のトナー粒子は、分散重合法による合成であるので、実質上球形なトナー粒子が得られ、転写効率を向上させることが可能である。更に、上記製法によれば、粒度分布が極めてシャープで粒径の小さいトナー粒子が得られ、ソリッド均一性に代表される画質の向上を実現できる。
湿式画像形成装置1は、給紙機構11、垂直搬送路12、レジストローラ対13、ベルト搬送機構14、画像形成機構15〜18、二次転写機構19、定着機構20、排出搬送路21、排出トレイ22、中間転写クリーニングユニット23、キャリアタンク51、貯留タンク52〜55、及び廃液タンク56を有して概略構成されている。
給紙機構11内にセットされた用紙は、垂直搬送路12からレジストローラ対13を介して、二次転写機構19に搬送される。
感光体ドラム31は、主帯電装置32によって帯電され、帯電した感光体ドラム31の表面にLPH33から画像情報に応じた光が照射されることにより、感光体ドラム31の表面に静電潜像が形成される。
そして、感光体ドラム31上で静電潜像から現像されたトナー像は、一次転写機構35とのニップによってベルト搬送機構14の中間転写ベルト14aに転写される。
前記転写操作が、画像形成機構15〜18各々で行われ、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラックに対応する画像が感光体ドラム31上に現像され、中間転写ベルト14a上に位置ずれなく繰り返して転写され、二次転写機構19によって、垂直搬送路12、レジストローラ13を介して搬送された用紙に、中間転写ベルト14aから、フルカラー画像が転写される。
フルカラー画像転写後の用紙は、定着機構20に搬送され、画像の定着を行った後、排出経路21を介して、排出トレイ22に送られる。
モノマーとして、スチレン:80質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート:20質量部、着色剤として、カーボンブラック:20質量部、架橋剤として、ジビニルベンゼン:0.5質量部の混合溶液をボールミルで十分に分散させた後、重合開始剤2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):6質量部を加え、以上の混合物を非水系絶縁性液体であるアイソパーG(エクソンモービル製):360質量部に加えて溶解し、更に分散安定剤として、DisperBYK−116(BYK社製):3質量部と、電荷付与剤として、ナフテン酸ジルコニウム:1.0質量部とを加えた後、窒素雰囲気下において、温度:70℃、圧力:100rpmの条件で10時間重合反応を行い、重合を完結させ、D50:1.5μm、D75/D25:1.15である、ブラック液体現像剤を得た。
実施例1において、着色剤であるカーボンブラック:20質量部をC.I.Pigment Yellow17:20質量部に変えた他は同様にして、D50:1.5μm、D75/D25:1.22である、イエロー液体現像剤を得た。
実施例1において、着色剤であるカーボンブラック:20質量部をC.I.Pigment Red122:20質量部に変えた他は同様にして、D50:1.5μm、D75/D25:1.25である、マゼンダ液体現像剤を得た。
実施例1において、着色剤であるカーボンブラック:20質量部をC.I.Pigment Blue15−3:20質量部に変えた他は同様にして、D50:1.5μm、D75/D25:1.20である、シアン液体現像剤を得た。
実施例1において、重合開始剤2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):6質量部を3質量部に変えた他は同様にして、D50:3.8μm、D75/D25:1.09である、ブラック液体現像剤を得た。
実施例1において、重合開始剤2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):6質量部を2.5質量部とし、重合反応条件を、温度:65℃、反応時間:15時間に変えた他は同様にして、D50:4.3μm、D75/D25:1.03である、ブラック液体現像剤を得た。
モノマーとして、スチレン:80質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート:20質量部、着色剤として、カーボンブラック:20質量部、架橋剤として、ジビニルベンゼン:0.5質量部の混合溶液をボールミルで十分に分散させた後、重合開始剤2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル):5質量部を加え、以上の混合物を、精製水:400質量部に加え、更に懸濁安定剤とし第三リン酸カルシウム:10質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:1.0質量部を加え、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8000rpmで20分攪拌した後、窒素雰囲気下において、温度:70℃、圧力:100rpmの条件で10時間重合反応を行い、ろ過、洗浄、乾燥することで、D50:2.5μm、D75/D25:1.32である、トナー母粒子を得た。このトナー母粒子を、アイソパーG(エクソンモービル製)360質量部に加え、更に、分散安定剤としてDisperBYK−116(BYK社製):3質量部と、電荷付与剤としてナフテン酸ジルコニウム:1.0質量部を加え、混合攪拌することで、D50:2.3μm、D75/D25:1.39のブラック液体現像剤を得た。
通常の混錬粉砕法により、カーボンブラックをバインダー樹脂100質量部に対して、20質量部含有する、平均粒子径7.0μmのトナー母粒子を得た。このトナー母粒子をアイソパーG(エクソンモービル製):360質量部に加え、更に分散安定剤としてDisperBYK−116(BYK社製):3質量部と、電荷付与剤としてナフテン酸ジルコニウム:1.0質量部を加え、ボールミルで24時間湿式分散することで、D50:2.8μm、D75/D25:1.47のブラック液体現像剤を得た。
液体現像剤の粒度分布計測は、液体現像剤をアイソパーGを用いて希釈した後、レーザー回折式粒度分測定器:LA−700(堀場製作所)にて、測定を行った。
得られた液体現像剤を、図1に示す画像形成装置に入れ、実写テストを行い、以下のように目視により評価を行った。
○:濃度のムラ無し
△:濃度ムラ若干あり
×:濃度ムラあり
〔転写性〕
○:文字の中抜け無し
×:文字の中抜け発生
一方、体積基準粒子径(D50)が大きい比較例1においては、リソッド均一性において、濃度のムラが若干見られた。また、懸濁重合を行った比較例2においては、粒度分布がブロードとなり、リソッド均一性において、濃度のムラが若干見られた。
更に、粉砕法を行った比較例3においては、粒度分布がブロードとなり、リソッド均一性において、濃度のムラが見られただけでなく、トナー粒子の形状が不定形なため、転写の際、文字の中抜けが発生した。
42・・・液体現像剤
Claims (4)
- 非水系絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤であり、
前記トナー粒子が実質上球形で、
体積基準粒子径(D50)が0.5〜4.0μmであり、
体積基準粒度分布におけるD75/D25が1.3以下である、液体現像剤。 - 前記トナー粒子が、非水系絶縁性液体中にて着色剤の存在下、スチレン、及び/又はアクリル系モノマーの分散重合によって得られる、請求項1記載の液体現像剤。
- 請求項1記載の液体現像剤の製造方法であって、トナー粒子を得る際、非水系絶縁性液体中にて着色剤の存在下、スチレン、及び/又はアクリル系モノマーを分散重合することを特徴とする液体現像剤の製造方法。
- トナー粒子が分散した非水系絶縁性液体を、溶媒置換せずに、キャリア液として使用することを特徴とする、請求項3記載の液体現像剤の製造方法。
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