JP2008308811A - フランジ付きスライダチャネルを有する複合針 - Google Patents

フランジ付きスライダチャネルを有する複合針 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、容易に製作されることができ、スライダの正確な案内を確保する複合針を提供することである。
【解決手段】本発明による複合針(1)は、2つの横壁(8、9)によって画定されるスライダチャネル(5)を有する。横壁(8、9)の少なくとも1つは、その上縁領域(11、12)に低減された厚さ(d1)を有する。横壁(8)の縁(11)は、他方の横壁(9)に向かってそれぞれ曲げられる。低減された厚さ(d1)のために、狭い曲げ半径が達成されることができ、その結果、スライダチャネル(5)の断面を今まで可能であったものより矩形の形状により近づけることができる。これは、スライダ(4)がスライダチャネル(5)のクリアランス高さをよりよく利用することを可能にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、編目形成機械、特に編み機、たとえば丸編機、クロシェガロン編機(crocheting Galon machine)、又は他の編機、編目形成繊維機械などにおいて用いるための複合針に関する。複合針は、編目形成のために用いられるフックを有する針本体を有する。フックは、制御された様式で開閉されなければならないフックの内側空間を画定する。これは、針本体の上に支持されるスライダによって達成され、上記のスライダは、針本体に沿ってシフトされることができるような様式で支持される。針本体およびスライダはそれぞれ、針ロックによって作動されることができる脚部を有する。スライダと針本体との間の相対的な移動は、フックの内部空間を開閉する。
そのようなスライダ針は、たとえば、独国特許第1 635 847 A1号の文献から知られている。この特許は、管形状の断面を有する針基部を備えた複合針を開示している。この管形状の断面は、スライダを収容する長手方向に整列された楕円形のチャネルを包囲する。管形状の断面を画定する壁は、管断面の外周の周囲にわたって均一な厚さを有する。
このタイプのスライダチャネルは、スライダチャネルの上フロアおよび下フロアで比較的大きな曲げ半径をもたらす結果となる。スライダチャネルにおいて容易に移動可能であるようなスライダの配置を可能にするために、スライダは、平行な様式で正確に整列されるフランジを有していなければならない。スライダの最大高さは、スライダチャネルのそれぞれの上部曲部および下部曲部の開始位置まで延びるだけであってもよい。したがって、この設計は、比較的小さなスライダ高さを有することから、スライダの安定性および機能性を低下させる。
しかし、スライダ用にさらに空間を形成するために(又は、スライダの故障を生じさせる可能性のある丸みを帯びた面を回避するために)、たとえば、その上側でスライダチャネルを開放したままにすることもまた、良い考えではない。スライダチャネルが開放されているとき、スライダが複合針から外れる可能性があることを考慮しなければならない。たとえば、針が機械に配置されている場合または機械から外されている場合には、これが当てはまる。
独国特許第33 25 767 C1号の文献は、上述の技術的な問題に対する解決策を開示しており、上記の解決策は、短いスライダ収容空間の場合に適している。この場合には、針本体は、スライダチャネルを形成するために互いに補完する重なるミリング切削加工(milled−out)部分を備える。より長い複合針に関して、この設計は市場では容認されていない。
独国特許第1 635 847 A1号 独国特許第33 25 767 C1号
このことを考慮して、本発明の目的は、容易に製作されることができ、スライダの正確な案内を確保する複合針を提供することである。
本目的は、請求項1に記載の複合針によって達成される。
本発明による複合針は、上記のチャネルにおいてシフトされることができるように、スライダが配置されるスライダチャネルを備えた針本体を有する。スライダチャネルは、2つの横壁によって画定される。横壁の少なくとも1つは、その上端に厚さを低減した縁(縁部、上縁部)を有する。上部でスライダチャネルを閉止するために、この縁は、他方の横壁に向かって湾曲している。
この設計を用いて、任意の長さのきわめて安定な複合針が製作されることができる。上縁の厚さを低減した結果として、上記の縁は小さな曲げ半径で曲げることができる。その結果、スライダチャネルの構造は、概ね矩形である。スライダチャネルにおいて支持されるスライダは、比較的大きな高さを有しうる。これは、一方ではスライダの簡単な案内を可能にし、他方ではその安定な設計を可能にする。
さらに、複合針の製作を考えると、低減した厚さのために、スリット壁のフランジングは、力をより小さくすることができ、これにより、横壁が不適切に曲げられることを防止する。厚さは横壁の縁領域においてのみ低減されるため、横壁の安定性は、実質的に損なわれないか、または全く損なわれない。
本発明による複合針を考えると、均一な横壁の厚さを有し、上部の対向するフランジを備える横壁を有する針の場合には、スライダの高さは、より高く選択されてもよい。そのそれぞれの上縁における横壁の厚さの低減は、スライダによって占められうる自由空間を形成する。より低いスライダ高さで十分である場合には、対照的に、さらに得られる自由空間は、編目形成領域における編み機の針の軸の高さ(顎の高さ(jaw height))の全体的な寸法をより小さくすることを可能にする。
複合針の上縁は、上記の縁が互いに接触している可能性がある場合には、たとえば、ギャップ(間隙)の形の接合部を共に画定しうる。これは、たとえば、レーザ溶接スポットまたは他の接続手段によって、共に接合されうることを可能にする。しかし、互いに重なるように、複合針の上縁を設計して形成することもまた、可能性である。一方では、これはまた、スライダチャネルの特に安全な機械的な閉鎖および互いの間の横壁の縁の連結を可能にする。他方では、2つの縁の間のギャップを開放したままにすることも可能であるが、そのために、上記のギャップはスライダチャネルより狭い。たとえば、潤滑油がスライダチャネルに出入りすることになっている場合には、そのようなギャップは、望ましい場合がある。
好ましくは、横壁の厚さは、段差、傾斜または類似の手段によって低減される。壁の厚さを変化させるために用いられる段差、傾斜または他の形状は、横壁の内側に位置決めされることが好ましい。この結果として、屈曲縁の曲線領域は、矩形の内部空間またはスライダチャネルの断面から移すことができ、したがって、スライダによって用いられることができるスライダチャネルの断面の表面積を最大にする。
好ましくは、両方の横壁は、それぞれの上縁で低減された厚さを有し、その結果、低減された厚さを有する2つの縁は互いに対して曲げられることができるようになっている。好ましい実施形態を参照すると、複合針の横壁は、互いに対しておよび中心平面に対して対称に構成される。これにより、負荷を受けて、または予定外の使用において、スライダ針の任意のねじれを回避する。
好ましくは、オフセット領域における横壁の厚さは、0.1mm未満であるべきではない。しかし、特殊な場合には、0.1mm未満であってもよい。0.05mmまでの厚さの低減は、スライダが段差の上の空間もまた用いることができるようにするのに十分である。したがって、スライダは、スライダチャネルの総高さの2/3を超える高さであってもよい。
本発明の好都合な実施形態のさらなる詳細は、特許請求の範囲、図面および説明から明白である。図面は、本発明の例示の実施形態を示す。その際、説明は、本発明の本質的な態様および種々の状況に限定される。図面は、さらなる詳細を開示し、補足的なものであることを考慮することになっている。
図1は、編目形成機械において用いるように設計される複合針1を示している。複合針1は、細長い形状を有し、その端部にフック3を有する針本体2を有する。このフックは、スライダ4に関連付けられる。スライダ4は、針本体2の上または中に支持されるか、または針本体2に沿って移動可能であるようになっている。スライダ4の端部は、たとえば、図2または図4において明白であるように、スライダチャネル5から突出しており、フック3の先端に向かってまたはフック3の先端から離れるように移動することができる。針本体2およびスライダ4を共にかつ互いに対しても移動するために、針本体2およびスライダ4にはそれぞれ、脚部6、7が設けられ、上記の脚部は、動作中、針棒または針ロックと係合状態にある。
図2によって示されているように、スライダチャネル5は、長手方向において、針本体2の中を通って延在している。上記のチャネルは、横壁8、9(図4)によって画定され、それによって、好ましくは本質的に平面または平坦なフロア10が、上記の横壁の間に形成される。
横壁8、9は、それらの間にスリットを画定する。横壁は平坦な内面を有し、互いに対して好ましくは平行に整列される。スライダ4は、横壁8、9の間に最小の遊びで支持される。
しかし、図4によって示されているように、横壁8、9の少なくとも1つ、好ましくは両方は、それぞれの横壁8または9の厚さd2より薄い厚さd1を有する上縁11、12を有する。図5の実施例から明白であるように、厚さd1またはd2は、対応する壁部品に垂直にそれぞれ測定される。
厚さd2を厚さd1へと低減するために、たとえば、段差13、14の形状を有する適切な成形要素が好ましくは、各横壁8、9の内側に設けられる。横壁8、9の厚さd2は、段差13、14で好ましくは、0.1mm以上である厚さd1に変化する。しかし、個別の場合において、厚さd1はまた、たとえば、0.05mmなどのより小さな値まで低減されてもよい。各縁11、12のほか、各横壁8、9も、互いに対して平行な平坦な側面を有する。縁11、12はまたは、くさび形状であってもよい。すなわち、縁11、12は、段差13、14から末端縁に向かって次第に細くなってもよく、場合によって次第に太くなってもよい。
特に、図4によって示されているように、そのような様式で構成される縁11、12は、互いに対して曲線を描いている。その際、縁11、12はスライダチャネル5に面するスロート(喉部)15、16を画定する。この円筒形の曲面またはスロート15、16の半径は好ましくは、針本体2の厚さd3の2分の1より小さい。図4によれば、厚さd3は、上記の針本体の好ましくは平坦な横面17、18の間で測定される距離である。
2つの縁11、12は、互いに接触してもよく、または、図3および図4によって示されるように共にギャップを画定してもよい。このギャップ19は、潤滑油がスライダチャネル5に入ったり、スライダチャネル5から出たりすることを可能にするために用いられてもよい。
複合針1を製作するために、特に、スライダチャネル5の形成のために、針本体2には、最初に、その狭い上側にスリットが設けられる。その際およびその後、上縁(縁部、上縁部)11、12は、低減された厚さを有するように構成される。次に、断面を有するスライダ4が、スライダチャネル5に配置され、上記の断面は好ましくは、その上側でのみ、矩形であり、楕円または曲線を描いている。最後に、縁11、12は、上部に向かってスライダチャネル5を閉鎖するために、互いに向かって曲げられる。
縁11、12の再形成後にのみ、スライダ4がスライダチャネル5に配置される実施形態もまた、考えられる。
複合針1のこれまで記載してきた例示の実施形態を考えると、特に、縁11、12の形成に関して、さまざまな改変が可能である。図4による例示の実施形態を参照すると、段差13、14は、同一の高さに位置し、それによって、スライダ4は、段差13、14を越えて突出してもよい。しかし、段差13、14はまた、異なる高さに位置してもよい。これは、図5によって示されているように、縁11、12が重なることになっている場合には好都合である場合がある。その際、縁11、12は、図4による例示の実施形態によって示されているものより大きな高さまたは長さを有してもよい。この場合には、横壁8、9は、その縁11、12も含め、中心平面Mに向かって対称に配置されるのに対して、図5による複合針1の横壁8、9は、同中心平面に対して非対称に配置される。段差13、14は、異なる高さに設けられてもよい。縁11、12は、互いに重なってもよい。縁11、12は、互いの上にしまりなく(間隙を有して)置かれ、互いとの距離を画定してもよく、または断面または点で全長に沿って互いに連結されてもよい。
図6は、別の実施形態を示している。この場合には、横壁8にのみ、縁11が設けられるのに対して、横壁9は低減された厚さの縁12を有していない。横壁8の厚さd2から厚さd1への移行は、段差で生じてもよく、または図示されているように、たとえば、曲線20の構造を有する別の成形要素で生じてもよい。縁11は、スライダチャネル5の一部を包囲してもよく、または、図示されているように、横壁9の上部の平坦な前面21の上に置かれてもよい。そこでは、上記の縁は、前面21に軽く支持されてもよく、面または点で全長に沿って適切な連結手段、たとえば、レーザ溶接によって、前面21に連結されてもよい。
他の実施形態、すなわち縁11が、たとえば、図6における平坦な水平断面において、厚さd2に相応するか、または少なくとも略相応する厚さを有する場合もまた可能であることを指摘しておく。縁11の厚さの低減は、1つの位置、たとえば曲線20に限定されてもよい。この「位置」は、長手方向において、横壁8の内側および/または外側に線状の溝の形状で設けられてもよい。このタイプの厚さの低減はまた、本願明細書に記載される他の実施形態のすべてに用いられてもよい。
さらに、図7による改変が可能である。この場合には、横壁8、9はまた、互いに対して非対称に構成され、それによって、横壁8には、長い縁11が設けられ、横壁9には、短い縁12が設けられる。短い縁12は、長い縁11の周囲に延在し、横壁9で上記の長い縁を保持する。
複合針1の他の詳細に関するさらなる改変が可能であり、上記の改変は、スライダチャネル5の構成に必ずしも関係せず、したがって、この点で特別な言及を必要としない。一例としてのみ、脚部6、7(図では異なっている)はまた、異なる方向に向けられてもよく、スライダ4またはフック3の先端が図示されているものとは異なる形状を有してもよく、針本体2に凹部、開口部などの他の成形要素が設けられてもよいことを指摘しておく。
本発明による複合針1は、2つの横壁8、9によって画定されるスライダチャネル5を有する。横壁8、9の少なくとも1つは、その上縁領域11、12において、低減された厚さd1を有する。横壁8の縁11は、他方の横壁9に向かってそれぞれ曲げられる。低減された厚さd1のために、狭い曲げ半径が達成されることができ、その結果、スライダチャネル5の断面を今まで可能であったものより矩形の形状により近づけることができる。これは、スライダ4がスライダチャネル5のクリアランス高さをよりよく利用することを可能にする。
複合針の概略側面図である。 異なるサイズで示された図1による、複合針の詳細な長手方向断面図である。 図2による複合針の詳細を示す平面図である。 図1による複合針の説明のために大きく拡大された断面図である。 図1による複合針の改変実施形態に関する、スライダがない場合の拡大した詳細の断面図である。 図1による複合針のさらなる実施形態に関する、スライダがない場合の拡大断面図である。 図1による複合針のさらなる実施形態に関する、スライダがない場合の拡大断面図である。
符号の説明
1 複合針
2 針本体
3 フック
4 スライダ
5 スライダチャネル
6、7 脚部
8、9 横壁
10 フロア
11、12 縁
13、14 段差
15、16 スロート
17、18 横面
19 接合部(ギャップ)
M 中心平面
20 曲線
21 前面

Claims (10)

  1. 2つの横壁(8、9)によって画定され、スライダ(4)がシフトされることができるように構成されるスライダチャネル(5)を備える針本体(2)を有し、
    前記横壁(8、9)の少なくとも一方の上縁(11、12)が、他方の横壁(8、9)の前記上縁(12、11;21)に向かって曲げられ、前記スライダチャネル(5)を閉止するようになっており、
    前記横壁(8、9)は、その曲げられた前記上縁(11、12)の、少なくとも1つの位置において低減された厚さ(d1)を有する、複合針(1)。
  2. 前記上縁(11、12)は、互いに接触する場合に、前記縁が共に接合部を形成することを特徴とする、請求項1に記載の複合針。
  3. 前記上縁(11、12)は、互いに重なることを特徴とする請求項1に記載の複合針。
  4. 前記上縁(11、12)は、前記スライダチャネル(5)より狭い間隙(19)を共に形成することを特徴とする、請求項1に記載の複合針。
  5. 前記横壁(8、9)は、段差(13、14)を有し、その前記段差で前記横壁(8、9)の厚さ(d2)が、前記縁(11、12)のより薄い厚さ(d1)まで低減されることを特徴とする、請求項1に記載の複合針。
  6. 前記段差(13、14)は、前記横壁(8、9)の側面に設けられ、前記側面は、前記スライダチャネル(5)に面していることを特徴とする、請求項5に記載の複合針。
  7. 前記2つの横壁(8、9)は、それぞれの上縁(11、12)で低減された厚さ(d1)を有することを特徴とする、請求項1に記載の複合針。
  8. 前記複合針(1)の前記横壁(8、9)は、中心平面(M)に対して互いに対称であるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の複合針。
  9. 前記横壁(8、9)は、低減された厚さを有するその縁(11、12)でのみ曲げられ、それ以外では曲げられないことを特徴とする、請求項1に記載の複合針。
  10. 前記上縁(11、12)の前記低減された厚さ(d1)は、0.1mmより大きいことを特徴とする、請求項1に記載の複合針。
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