JP2008308731A - 鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】先行鋼帯11の後端部と後行鋼帯12の先端部を溶接して連続鋼帯13を形成し、連続鋼帯13を鋼帯連続熱処理炉の加熱帯を通過させながら加熱し、ブロア14で冷却風が吹込まれる徐冷帯15を通過させながら徐冷する鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法において、徐冷帯15に設けたヒータ16による炉温の変更及び徐冷帯15に吹込まれる冷却風の総風量を決定するブロア回転数の変更を行なわない定常運転時には徐冷帯15の板温調整をフィードバック制御で行ない、ブロア回転数のみを変更する操業条件変更時、又はブロア回転数及び徐冷帯15の炉温を変更する操業条件変更時には、フィードバック制御を中断してブロア回転数又は徐冷帯15の炉温をフィードフォワード制御する。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1には、徐冷帯内の鋼帯への熱伝達を示す熱伝達モデル式中の総括熱伝達係数と徐冷帯内の鋼帯に吹付ける冷却風量との関係を表す関係式を予め求めておき、操業条件の変更毎に、すなわち、処理中の先行鋼帯の後端部に続いて次に処理を行なう後行鋼帯の先端部が徐冷帯に進入した場合に予測される総括熱伝達係数の予測値を前記関係式に代入して冷却風量を求めて後行鋼帯の最適な冷却を行なう鋼帯連続熱処理炉の徐冷帯における鋼帯の温度制御方法が提案されている。
前記ブロア回転数、前記徐冷帯内を通過する前記連続鋼帯に冷却風を吹付けて冷却する際の強制対流熱伝達係数、及び冷却風の放出口から前記連続鋼帯までの吹付け距離の関係を表す実験式を予め求めておき、
前記フィードバック制御は、前記徐冷帯から出る前記連続鋼帯の出側板温に基づいてPID制御することで行ない、
前記フィードフォワード制御時の前記ブロア回転数は、前記操業条件変更毎に、前記徐冷帯に進入する前記連続鋼帯の板厚、該徐冷帯に進入する該連続鋼帯のライン速度、該徐冷帯に進入する該連続鋼帯の入側板温設定値、該徐冷帯から出る該連続鋼帯の出側板温設定値、及び該連続鋼帯に吹付ける冷却風の風温度をパラメータとして含む強制対流熱伝達係数予測式から算出される強制対流熱伝達係数を前記実験式に代入して得られる予測回転数に0.9以上1.1以下の係数を乗じて得られる範囲内の値に設定し、
前記ブロア回転数が予め設定された最小回転数未満で、かつ前記徐冷帯から出る前記連続鋼帯の出側板温が前記出側板温設定値未満の場合は、前記ブロア回転数を前記最小回転数に設定し前記ヒータにより前記徐冷帯の炉温の調整を行なう。
ここで、前記後行鋼帯用のブロア回転数が前記先行鋼帯用のブロア回転数を超える場合、前記フィードフォワード制御は前記先行鋼帯の後端部と前記後行鋼帯の先端部との溶接部が前記徐冷帯の入側所定位置に到達した場合に開始し、前記後行鋼帯用のブロア回転数が前記先行鋼帯用のブロア回転数未満の場合、前記フィードフォワード制御は前記溶接部が前記徐冷帯の出側所定位置に到達した場合に開始することが好ましい。
ここで、前記後行鋼帯用の徐冷帯炉温設定値が前記先行鋼帯用の徐冷帯炉温設定値未満の場合、前記フィードフォワード制御は前記先行鋼帯の後端部と前記後行鋼帯の先端部との溶接部が前記徐冷帯の入側所定位置に到達した場合に開始し、前記後行鋼帯用の徐冷帯炉温設定値が前記先行鋼帯用の徐冷帯炉温設定値より高い場合、前記フィードフォワード制御は前記溶接部が前記徐冷帯の出側所定位置に到達した場合に開始することが好ましい。
N=αx・exp(y)・dz
とすることができる。
ここで、x、y、及びzは前記徐冷帯において定まる固有のパラメータである。
TFSV=TSAVE+M・t・(60V)・(QSdel−QSent)/(2Lf・β)+δ
ここで、TSAVEは前記徐冷帯内の前記連続鋼帯の平均温度(℃)、Mは該連続鋼帯の密度(kg/m3)、tは該連続鋼帯の板厚、Vは該連続鋼帯のライン速度(m/分)、QSentは該徐冷帯に進入する該連続鋼帯の顕熱(Kcal/kg)、QSdelは該徐冷帯から出る該連続鋼帯の顕熱(Kcal/kg)、Lfは該徐冷帯内の該連続鋼帯の長さ(m)、βは総括熱伝達係数(Kcal/m2hr℃)、δはバイアス(℃)である。
請求項6記載の鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法においては、徐冷帯の温度応答特性に応じて、フィードフォワード制御期間を設定することができる。
請求項7記載の鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法においては、実験式に含まれるパラメータ数が少なく、徐冷帯において定まる固有のパラメータを求める試運転調整期間を短くすることができる。
請求項8記載の鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法においては、徐冷帯に固有のパラメータは総括熱伝達係数βのみに含まれるため、短い試運転調整期間で総括熱伝達係数βを求めることができる。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法を適用する鋼帯連続熱処理炉の徐冷帯温度制御設備の構成図である。
先行鋼帯11の後端部と後行鋼帯12の先端部を溶接して形成した連続鋼帯13を鋼帯連続熱処理炉の徐冷帯15で連続して徐冷処理を行なうに際し、後端部側を除いた先行鋼帯11の熱処理を行なう場合、図示しない生産管理制御装置から先行鋼帯11の情報が冷却処理管理制御装置17に入力され、冷却処理管理制御装置17において徐冷帯15の徐冷パターン、先行鋼帯11が徐冷帯15から出る時の出側板温設定値の設定が行なわれ、徐冷パターンの設定信号はブロア14毎に設けられたブロア操作器23に入力され、徐冷帯15から出る時の出側板温設定値は板温用温度調節器19に入力される。
N=αx・exp(y)・d(k)z・・・・・(1)
と表される。なお、x、y、及びzは徐冷帯15において定まる固有のパラメータであり、徐冷帯15で連続鋼帯13が実際に徐冷される際の状況を学習させることにより決定した最適値を使用する。
また、強制対流熱伝達係数予測式は、次式で表される。
α={M・t(k+1)・60V(k+1)・Cp/(2Lf)}・Ln[(TSent(k+1)−Tgas(k))/(TSdel(k+1)−Tgas(k))]・・・・・(2)
ここで、Mは密度(kg/m3)であり、先行鋼帯11と後行鋼帯12で実質的に同一としている。Lfは徐冷帯15内の鋼帯の長さ(m)、Cpは後行鋼帯12の比熱(kcal/kg℃)で、次式で算出される。
Cp=A3+2A4TSdel(k+1)+3A5TSdel(k+1)2+4A6TSdel(k+1)3
なお、A3、A4、A5、A6は定数で、それぞれ0.16264、−0.25417×10−3、0.5943×10−6、−2.82×10−10である。
TFSV(k+1)=TSAVE(k+1)
+M・t・(60V)・(QSdel−QSent)/(2Lf・β)+δ
・・・・・(3)
ここで、TSAVE(k+1)は後行鋼帯12の徐冷帯15内の平均温度(℃)で、{TSent(k+1)+TSdel(k+1)}/2である。
また、Mは後行鋼帯12の密度(kg/m3)、Lfは徐冷帯15内の鋼帯の長さ(m)、tは後行鋼帯12の板厚(m)、Vは後行鋼帯12のライン速度、QSentは徐冷帯15に進入する後行鋼帯12の顕熱(Kcal/kg)、QSdelは徐冷帯15から出る後行鋼帯12の顕熱(Kcal/kg)、βは総括熱伝達係数(Kcal/m2hr℃)、δはバイアス(℃)である。
なお、QSent、QSdelは、それぞれ次式から求まる。ここで、A2は定数で−2.118である。また、総括熱伝達係数βは現場にて求める定数である。
QSdel=A2+A3TSdel(k+1)+A4TSdel(k+1)2+A5TSdel(k+1)3+A6TSdel(k+1)4
QSent=A2+A3TSent(k+1)+A4TSent(k+1)2+A5TSent(k+1)3+A6TSent(k+1)4
すなわち、後行鋼帯12用の徐冷帯炉温設定値TFSV(k+1)が先行鋼帯11用の徐冷帯炉温設定値TFSV(k)より高い場合、フィードフォワード制御は溶接部24が徐冷帯15の出側所定位置、例えば、徐冷帯15の出側に設けた出側板温計18の測温部27から上流側に一定距離の位置に到達した場合に開始する。このとき、フィードフォワード制御する徐冷帯炉温設定値TFSVは(3)式から求まる。なお、フィードフォワード制御の期間は、例えば、徐冷帯炉温設定値TFSVに到達するのに要する時間とする。
Claims (8)
- 先行鋼帯の後端部と後行鋼帯の先端部を溶接して連続鋼帯を形成し、前記連続鋼帯を鋼帯連続熱処理炉の加熱帯を通過させながら加熱し、ブロアで冷却風が吹込まれる徐冷帯を通過させながら徐冷する際に、前記徐冷帯に設けたヒータによる炉温の変更及び前記徐冷帯に吹込まれる冷却風の総風量を決定するブロア回転数の変更を行なわない定常運転時には前記徐冷帯の板温調整をフィードバック制御で行ない、前記ブロア回転数のみを変更する、又は前記ブロア回転数及び前記徐冷帯の炉温を変更する操業条件変更時には、前記フィードバック制御を中断して前記ブロア回転数又は前記徐冷帯の炉温をフィードフォワード制御する鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法であって、
前記ブロア回転数、前記徐冷帯内を通過する前記連続鋼帯に冷却風を吹付けて冷却する際の強制対流熱伝達係数、及び冷却風の放出口から前記連続鋼帯までの吹付け距離の関係を表す実験式を予め求めておき、
前記フィードバック制御は、前記徐冷帯から出る前記連続鋼帯の出側板温に基づいてPID制御することで行ない、
前記フィードフォワード制御時の前記ブロア回転数は、前記操業条件変更毎に、前記徐冷帯に進入する前記連続鋼帯の板厚、該徐冷帯に進入する該連続鋼帯のライン速度、該徐冷帯に進入する該連続鋼帯の入側板温設定値、該徐冷帯から出る該連続鋼帯の出側板温設定値、及び該連続鋼帯に吹付ける冷却風の風温度をパラメータとして含む強制対流熱伝達係数予測式から算出される強制対流熱伝達係数を前記実験式に代入して得られる予測回転数に0.9以上1.1以下の係数を乗じて得られる範囲内の値に設定し、
前記ブロア回転数が予め設定された最小回転数未満で、かつ前記徐冷帯から出る前記連続鋼帯の出側板温が前記出側板温設定値未満の場合は、前記ブロア回転数を前記最小回転数に設定し前記ヒータにより前記徐冷帯の炉温の調整を行なうことを特徴とする鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法。 - 請求項1記載の鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法において、前記ブロア回転数が前記最小回転数以上の場合、前記フィードフォワード制御の開始時刻は、前記実験式に前記先行鋼帯の強制対流熱伝達係数を代入して設定した先行鋼帯用のブロア回転数と前記実験式に前記後行鋼帯の強制対流熱伝達係数を代入して設定した後行鋼帯用のブロア回転数との回転数大小関係から設定することを特徴とする鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法。
- 請求項2記載の鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法において、前記後行鋼帯用のブロア回転数が前記先行鋼帯用のブロア回転数を超える場合、前記フィードフォワード制御は前記先行鋼帯の後端部と前記後行鋼帯の先端部との溶接部が前記徐冷帯の入側所定位置に到達した場合に開始し、前記後行鋼帯用のブロア回転数が前記先行鋼帯用のブロア回転数未満の場合、前記フィードフォワード制御は前記溶接部が前記徐冷帯の出側所定位置に到達した場合に開始することを特徴とする鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法。
- 請求項1記載の鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法において、前記ブロア回転数が前記最小回転数未満で、かつ前記徐冷帯から出る前記連続鋼帯の出側板温が前記出側板温設定値未満の場合、前記フィードフォワード制御の開始時刻は、前記先行鋼帯用の徐冷帯炉温設定値と前記後行鋼帯用の徐冷帯炉温設定値との温度大小関係から設定することを特徴とする鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法。
- 請求項4記載の鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法において、前記後行鋼帯用の徐冷帯炉温設定値が前記先行鋼帯用の徐冷帯炉温設定値未満の場合、前記フィードフォワード制御は前記先行鋼帯の後端部と前記後行鋼帯の先端部との溶接部が前記徐冷帯の入側所定位置に到達した場合に開始し、前記後行鋼帯用の徐冷帯炉温設定値が前記先行鋼帯用の徐冷帯炉温設定値より高い場合、前記フィードフォワード制御は前記溶接部が前記徐冷帯の出側所定位置に到達した場合に開始することを特徴とする鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法。
- 請求項2〜5のいずれか1項に記載の鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法において、前記フィードフォワード制御の終了時刻はタイマーで設定することを特徴とする鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法において、前記実験式は、前記ブロア回転数をN(回/分)、前記強制対流熱伝達係数をα(Kcal/m2hr℃)、及び前記吹付け距離をd(m)として、
N=αx・exp(y)・dz
であることを特徴とする鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法。
ここで、x、y、及びzは前記徐冷帯において定まる固有のパラメータである。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法において、前記ヒータにより前記徐冷帯の炉温の調整を行なう場合の徐冷帯炉温設定値TFSVは、次式で求めることを特徴とする鋼帯連続熱処理炉の温度制御方法。
TFSV=TSAVE+M・t・(60V)・(QSdel−QSent)/(2Lf・β)+δ
ここで、TSAVEは前記徐冷帯内の前記連続鋼帯の平均温度(℃)、Mは該連続鋼帯の密度(kg/m3)、tは該連続鋼帯の板厚、Vは該連続鋼帯のライン速度(m/分)、QSentは該徐冷帯に進入する該連続鋼帯の顕熱(Kcal/kg)、QSdelは該徐冷帯から出る該連続鋼帯の顕熱(Kcal/kg)、Lfは該徐冷帯内の該連続鋼帯の長さ(m)、βは総括熱伝達係数(Kcal/m2hr℃)、δはバイアス(℃)である。
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