JP2007146204A - アルミニウム合金材の熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

アルミニウム合金材の熱処理装置および熱処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却歪みを抑制可能なアルミニウム合金材の熱処理装置および熱処理方法を提供する。
【解決手段】Al−Si系アルミニウム合金からなる薄肉鋳造品Wを共晶点近傍まで昇温させ、その温度で所定時間保持し、その後、複数のノズル5から鋳造品Wに対して冷却媒体を吹付けて急冷することにより溶体化処理を行うアルミニウム合金材の熱処理方法または熱処理装置であり、ワークWに対面させてワークWに冷却媒体を吹付ける複数のノズル5を設け、各ノズル5から吹付け供給する冷却媒体の冷却能力を、その流量、流速、温度の少なくともいずれか一つを変化させて、ワークWの当該冷却部位の肉厚に応じたものとした。
【選択図】図4

Description

本発明は、アルミニウム合金材の熱処理装置および熱処理方法に関し、特に、薄肉部品に好適なアルミニウム合金材の熱処理装置および熱処理方法に関するものである。
従来からAl−Si系のアルミニウム合金の鋳造鋳物を共晶点直下の温度まで急速に昇温し、該共晶点近傍に到達した後に急冷することで溶体化処理を行い、その後、各種の時効化処理を行うアルミニウム合金材の熱処理方法が知られている(特許文献1参照)。
これは、アルミニウム合金材を、鋳造機において鋳造する第1工程と、鋳造されたピストン鋳造品を昇温室内で、熱発生機から内部に流入循環した高熱ガスによって、共晶点(530℃)近傍の約520℃までに急速に加熱する第2工程と、急速高温になったピストン鋳造品を、保持室内で冷却ファン装置によって雰囲気温度が均一になるように制御しながら、約3分間、各ピストン鋳造品がそれぞれ約520℃の温度に保持される第3工程とを備える。そして、ピストン鋳造品を、保持室から冷却用水槽内に投入して急速に冷却する第4工程と、その後に、急冷却したピストン鋳造品を、時効化炉内に投入して所定温度、時間で時効化処理を行う第5工程を備え、これによって熱処理を行うようにして、処理時間の短縮化とエネルギー消費を抑制しつつアルミニウム合金鋳物の十分な硬度を確保するようにしている。
特開2005−133103号公報
ところで、上記従来例の熱処理方法を薄肉のアルミニウム合金材に適用した場合、第4工程において保持室から冷却用水槽内に投入して急速に冷却するものであるため、急速冷却に伴いワークに冷却歪みを生じ、特に、部品形状が複雑な場合には部品の部位の質量差により冷却速度に差が生じ、前記冷却歪みが顕著となることが懸念される。この冷却歪みは、冷却手段として冷却用水槽に代えて、冷却エアの吹付けにより急速冷却する場合においても、部品形状が複雑な場合には、同様に発生すると予想される。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、冷却歪みを抑制可能なアルミニウム合金材の熱処理装置および熱処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、アルミニウム合金からなる薄肉鋳造品を共晶点近傍まで昇温させ、その温度で所定時間保持し、その後、複数のノズルから鋳造品に対して冷却媒体を吹付けて急冷することにより溶体化処理を行うアルミニウム合金材の熱処理方法または熱処理装置であり、ノズルから吹付け供給する冷却媒体の冷却能力を、その流量、流速、温度の少なくともいずれか一つを変化させて、ワークの当該冷却部位の肉厚に応じたものとする。
したがって、本発明では、ノズルから吹付け供給する冷却媒体の冷却能力を、その流量、流速、温度の少なくともいずれか一つを変化させて、ワークの当該冷却部位の肉厚に応じたものとするアルミニウム合金材の熱処理方法または熱処理装置とすることにより、均一な冷却効果を発揮させることができ、ワークの歪変形の発生を抑制することができる。
以下、本発明のアルミニウム合金材の熱処理装置および熱処理方法を一実施形態に基づいて説明する。図1〜図6は、本発明を適用したアルミニウム合金材の熱処理装置および熱処理方法の第1実施形態を示し、図1は本実施形態の熱処理工程を示す工程図、図2は熱処理工程の急冷工程を示す平面図、図3はワークとしての自動車のドアビームの断面図および側面図、図4は急冷工程における第1実施例の冷却ブースの断面図、図5は急冷工程における第2実施例の冷却ブースの断面図、図6は冷却ノズルの概略断面図である。
図1において、アルミニウム合金材の熱処理方法は、アルミニウム合金材を鋳造機において鋳造し(S1)、凝固完了後に鋳造金型から薄肉鋳造品を取出し、湯口やバリを取り除いて仕上げ(S2)後に、加熱炉に投入し、内部に循環している高熱ガスによって共晶点近傍の例えば、約520℃まで加熱し、その状態で保温室において、例えば、60〜90分間保持される(S3)。
続いて、薄肉鋳造品は、搬送機によって保温室から冷却ブース内に一定の姿勢で投入されて、ここで、急速に冷却される(S4)。その後、急冷却された薄肉鋳造品を、時効化炉内に投入し、ここで、例えば、約200℃の温度で約1.5時間の時効化処理が行なわれる(S5)。これらの溶体化処理および時効処理よりなるアルミニウム合金材の熱処理方法は、一般的に実施されている工程である。
本実施形態の熱処理方法においては、前記急速冷却工程(S4)において、図2および図4に示す冷却ブース1により300〜400℃/minの冷却速度によりワークである薄肉鋳造品Wを冷却媒体である冷却空気により冷却することを特徴とする。
ここで、ワークである薄肉鋳造品Wについて、図3により説明する。図3に示す薄肉鋳造品Wは、車両の側面からの衝突時にドアパネルの室内侵入を抑えて乗員の生存空間を確保するために、自動車のドア内部に装備するドアビーム(ガードバー)を示している。このドアビームは、通常高張力鋼のパイプが使用されていたが、車両の軽量化および断面形状の自由度の高さからアルミニウム合金による薄肉鋳造品が用いられる場合もある。図3に示すドアビームにおいては、前端Fから後端Rまで一様な断面形状に形成された厚さ2mm前後の薄板(平面部W1)により形成され、上下方向中央部において車両外方に向かって薄板がやや湾曲させて突出され、その突出先端部分に形成した中央厚肉部W2と、上下方向下部側において厚板から車両の内外方向に形成した下部厚肉部W3とを備えるよう構成している。これらの厚肉部W2、W3および厚板に形成した湾曲部W4は、ドアビームの曲げ剛性を向上させるためのものである。
図2および図4に示す冷却ブース1は、前記加熱炉2および保温室3に連ねてその下流に配置されており、ブース1の中央を縦断させて配置したワーク搬送手段4と、搬送されるワークWに対して両側から冷却媒体としての冷却空気を吹付ける複数のノズル5と、各ノズル5に冷却空気をダクト6を介して供給するブロア7と、ノズル5から噴射する冷却空気量を調整する調整弁8と、ワークWの温度を測定する複数の温度センサ9と、温度センサ9よりの温度信号に基づき調整弁8の開度およびブロア7の送風量を調整するコントローラ10とを備える。なお、前記複数の温度センサ9は、代表的に一部のみを図示しているが、ワークWの搬送方向の全範囲にわたり且つ搬送されるワークWの各部の温度を測定可能に配置されているものである。
前記複数のノズル5は、複数本を冷却ブース1の上流域から下流域に沿って配列すると共に、冷却ブース1の上側領域から下側領域においても領域毎に配列している。そして、冷却ブース1の中央に搬送されるワークWの両側からワークWに対面しているノズル5群から冷却空気を一斉に吹付け、ワークWが搬送手段4により下流に移動するに連れて、即ち、ワーク搬送位置に応じた目標温度となるよう、温度低下させる。ワークW自体の温度は、その領域毎に配置されている温度センサ9により検出してコントローラ10にフィードバックされる。
前記上下領域に配置されたノズル5間では、図4に示すように、ワークWの厚肉部(中央厚肉部W2、下部厚肉部W3)に冷却空気を吹付ける流量および/または流速は、平面部W1に冷却空気を吹付ける流量および/または流速(ノズルの口径)より大きくなるよう、コントローラ10により各領域におけるノズル5の調整弁8の開度を調整する。具体的には、厚肉部W2、W3へ冷却空気を吹付けるノズル5(C〜F)の調整弁の開度を、平面部W1(薄肉部)へ冷却空気を吹付けるノズル5(A、B)の調整弁の開度より大きくするよう調整する。前記ノズル5(D)より吹出される冷却空気は、中央厚肉部W2の背面を冷却するとともに、中央厚肉部W2に連なる斜面部W4も冷却するよう作用する。
このようにワークWの厚肉部W2、W3と平面部W1とに吹付ける冷却空気の流量および/または流速を相違させることにより、平面部W1に対して質量が大きく温度降下が比較的緩慢となる厚肉部W2、W3および厚肉部W2、W3に連なる平面部W1の温度降下速度を増加させるようにしている。このため、厚肉部W2、W3(周辺の平面部W1も含めて)と平面部W1との温度およびその降下速度を均一化させ、ワークW全体を均一に冷却するようにしている。
なお、ワークWの厚肉部W2、W3へ冷却空気を吹付けるノズル5の口径を、ワークWの平面部W1に冷却空気を吹付けるノズル5の口径より大きく設定しておけば、調整弁8の開度に対する吹付け量特性を、厚肉部W2、W3側で平面部W1側より大きくすることができる。
以上の構成のアルミニウム合金材の熱処理装置による熱処理方法では、鋳造機において鋳造(S1)され、凝固完了後に鋳造金型から取出され、仕上げ(S2)により湯口やバリを取り除いた薄肉鋳造品Wのアルミニウム合金材が、図示しないロボットハンドにより加熱炉2に投入され、内部に循環している高熱ガスによって共晶点近傍の例えば、約520℃まで急速加熱され、その状態で保温室3において、例えば、60〜90分間保持された(S3)後、搬送手段4によって保温室3から冷却ブース1内に一定の姿勢で搬送されて投入される。
前記冷却ブース1では、投入側の所定領域に配置したノズル群Sからの冷却空気の吹出しが一時的に停止されており、後段領域に配置したノズル群Lからの冷却空気の吹出しが行われた状態としている。搬送手段4により投入されるワークWが部分的に冷却ブース1に入り込んだ状態では、投入側領域のノズル群Sからの冷却空気の吹出しは停止された状態を維持させ、ワークWの全体が冷却ブース1に入り込んだ時点から投入側領域のノズル群Sからの冷却空気の吹出しが再開される。この投入側領域のノズル群Sからの冷却空気の吹出しの一時停止は、ワークWが冷却ブース1へ投入される毎に実行され、冷却空気の吹出しによる冷却が、ワークWの一部(搬送方向先端側)から開始されることなく、ワークW全体から同時に開始されるようにしている。
ここでは、ブース1の上側領域に配置したノズル5(A、B)から吹出される冷却空気の流量および/または流速より、中央領域および下側領域に配置したノズル5(C〜F)より吹出される冷却空気の流量および/または流速を大きく設定されている。このため、ワークWの上部平面部W1の温度と中央肉厚部W2および下部肉厚部W3の温度とは略均一な温度状態に維持される。
搬送手段4によるワークWの下流への搬送に連れて、ワークWに冷却空気を吹出すノズル5が下流側のノズル5へと次々と更新され、ワークWの温度が降下され、温度センサ9によりその温度が検出される。そして、搬送位置に対応した温度となるよう温度降下されているかどうかコントローラ10により判定され、設定した温度より更に温度低下されている場合には、ブロア7よりの送風量を低下させるか、若しくは、各調整弁8の開度を絞り、設定した温度より温度低下が少ない場合には、ブロア7よりの送風量を増加させるか、若しくは、各調整弁8の開度を開き、ワークWの温度が目標降下温度となるよう制御する。
そして、ワークWが冷却ブース1の出口に至り、ワークWが冷却ブース1から搬出される。この時の温度としては、50℃程度に低下されていれば、溶体化処理が完了しており、ワークWは後工程の時効処理が開始される。
図5に示す第2実施例のアルミニウム合金材の熱処理装置においては、ワークWの平面部W1へ冷却空気を吹付けるノズルA1〜A3への冷却空気供給系統11と、ワークWの厚肉部W2、W3へ冷却空気を吹付けるノズルB1〜B3への冷却空気供給系統12と、ワークWの斜面部W4へ冷却空気を吹付けるノズルC1〜C4への冷却空気供給系統13と、を夫々独立させたものである。
即ち、図5において、ワークWの平面部W1への冷却空気供給系統11は、ワークWの上部平面部W1の両側に配置したノズルA1、A2とワークの下部平面部に対向させて配置したノズルA3へ冷却空気を供給するよう構成している。また、ワークWの厚肉部W2、W3への冷却空気供給系統12は、ワークW中央厚肉部W2に対向させて配置したノズルB1とワーク下部厚肉部W3に夫々対向させて配置したノズルB2、B3へ冷却空気を供給するよう構成している。更に、ワークWの斜面部W4への冷却空気供給系統13は、ワークWの上部平面部W1と中央厚肉部W2を繋ぐ斜面部W4を挟んで配置したノズルC1、C2とワークWの下部平面部W3と中央厚肉部W2を繋ぐ斜面部W4を挟んで配置したノズルC3、C4とへ冷却空気を供給するよう構成している。
前記夫々の冷却空気供給系統11〜13が独立していることにより、供給する冷却空気の温度・圧力・流量を個々に設定することができる。例えば、厚肉部W2、W3に供給する冷却空気は、最も低い温度であり、高い圧力(高い流速)と流量の冷却空気を使用し、平面部W1に供給する冷却空気は、若干高い温度であり、低い圧力(低い流速)と流量の冷却空気を使用し、斜面部W4に供給する冷却空気は、厚肉部W2、W3への冷却空気と平面部W1への冷却空気との中間の温度・圧力・流量の冷却空気を使用するようにしている。
即ち、ワークWの肉厚部W2、W3へは、温度が低く、流速・流量の大きい空気を供給することにより、厚肉部W2、W3の質量に見合った冷却能力を発揮させ、ワークWの斜面部W4へは、肉厚は平面部W1と同等でも平面部W1に比べ冷却空気の吹付け効率が低下(斜面下流側へのエア逃げが発生)するので、流速、流量を平面部W1の冷却能力に対し大きい冷却能力を付与して、ワークWに対する冷却能力が夫々その部位に見合ったものとして、ワークW全体が一様に冷却される(冷却条件が同じとなる)ようにしたものである。このように、各ノズル5にて吹付け冷却媒体の性状を変えて、ワークW全体を均一に冷却することでワークWの歪変形が抑制できる。
図5において、ワークWの斜面部W4を冷却するノズル5(C1〜C4)は、図6に示すように、吹出し口15をノズル本体16に対して手動若しくは自動的に変更可能に構成して、冷却空気の吹付け方向を変更可能としている。斜面部W4では、吹付ける冷却空気をワークWの斜面部W4に斜め方向から吹付けてワークW表面で吹付けられた冷却空気が斜面の下流方向に逃げることにより冷却効率が低下する。このような場合に、冷却空気の吹付け方向を斜面に対面するよう変更することにより、吹付けた冷却空気が斜面に正面から吹付けられ、斜面部W4の冷却効率を向上させることができる。
なお、上記実施形態において、冷却ブース1として、ワークWを搬送手段4により搬送しつつブース1側壁に配列したノズル5より吹付けた冷却空気により連続的に冷却するものについて説明したが、図示はしないが、搬送手段を冷却ブース内で停止させて冷却ブースの側壁に配列したノズルから冷却空気を予め設定した時間だけ吹付けて、ワークを冷却するものであってもよい。
また、上記実施形態において、熱処理する薄肉鋳造部品Wとして、ドアビームに対するものについて説明したが、図示はしないが、自動車のアルミニウム合金材よりなる各種補強部材(レインフォース)や構造部材、例えば、サスペンションメンバを対象とするものであってもよい。
さらに、上記実施形態において、冷却空気を吹付ける各ノズル5として、冷却ブース1の壁面に固定したものについて説明したが、図示はしないが、複数の薄肉部品を混流させて生産する混流ラインにおいて、搬送されてくる薄肉部品に対応して、ノズルを冷却ブースの壁面内で自動的に最適位置にシフト移動させて、冷却すべきワークに対して冷却空気を吹付けるものであってもよい。
また、ワークWとして、図示するように、一様な断面形状を備えるものに限られず、例えば、取付ボスのように、部分的に厚肉となっている部分が必要に応じてワーク面に対して散在させて配置されているものであっても、それら厚肉部に向けて冷却性状の高い冷却空気を供給するものであってもよい。この場合には、ワークは搬送装置により冷却位置で停止されているか、各ノズルが搬送手段と共に移動することが望ましい。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)アルミニウム合金からなる薄肉鋳造品Wを共晶点近傍まで昇温させ、その温度で所定時間保持し、その後、複数のノズル5から鋳造品Wに対して冷却媒体を吹付けて急冷することにより溶体化処理を行うアルミニウム合金材の熱処理方法または熱処理装置であり、ワークWに対面させてワークWに冷却媒体を吹付ける複数のノズル5を設け、各ノズル5から吹付け供給する冷却媒体の冷却能力を、その流量、流速、温度の少なくともいずれか一つを変化させて、ワークWの当該冷却部位の肉厚に応じたものとしている。このことにより、均一な冷却効果を発揮させることができ、ワークWの歪変形の発生を抑制することができる。
(イ)複数のノズル5に供給する冷却媒体を、複数の温度毎に異なる供給系統11〜13から該当する冷却媒体温度のノズル5へ供給するものとし、各ノズル5から供給する冷却媒体の流量および/または流量を、ノズル5の上流に配置した調整弁8により調整することにより、冷却媒体の冷却能力の調整幅を大きくでき、複雑な形状のワークWに対しても均一に冷却でき、熱処理による歪変形の発生を抑制できる。
(ウ)冷却部位の肉厚が同等であっても、吹付けた冷却媒体がワーク面に対して斜め方向となるノズル5から吹出す冷却媒体の冷却能力は、吹出す冷却媒体がワーク面に対して直交するノズル5よりの冷却媒体の冷却能力より大きく設定することにより、冷却媒体の斜面W4下流側への逃げを補って、平面部W1と同等に冷却することができる。
(エ)ワークWに正対して冷却媒体を吹付けるようノズル本体16に対してノズル5の吹出し口15の吹付け方向を変更可能な揺動機構を設け、ワークWへのノズル5からの冷却媒体の吹付けをワークWの平面に直交する方向から吹付けることにより、斜面部W4であっても冷却効率を向上させることができる。
本発明の一実施形態を示すアルミニウム合金材の熱処理方法の概略工程図。 同じく熱処理工程の急冷工程を示す平面図。 ワークとしての自動車のドアビームの断面図および側面図。 急冷工程における第1実施例の冷却ブースの断面図。 急冷工程における第2実施例の冷却ブースの断面図。 冷却ノズルの概略断面図。
符号の説明
1 冷却ブース
2 加熱炉
3 保温室
4 搬送手段
5 ノズル
6 ダクト
7 ブロア
8 調整弁
9 温度センサ
10 コントローラ

Claims (7)

  1. アルミニウム合金からなる薄肉鋳造品を共晶点近傍まで昇温させ、その温度で所定時間保持し、その後、複数のノズルから鋳造品に対して冷却媒体を吹付けて急冷することにより溶体化処理を行うアルミニウム合金材の熱処理方法であり、
    前記ノズルから吹付け供給する冷却媒体の冷却能力を、その流量、流速、温度の少なくともいずれか一つを変化させて、ワークの当該冷却部位の肉厚に応じたものとすることを特徴とするアルミニウム合金材の熱処理方法。
  2. 前記冷却部位の肉厚が同等であっても、吹付けた冷却媒体がワーク面に対して斜め方向となるノズルから吹出す冷却媒体の冷却能力は、吹出す冷却媒体がワーク面に対して直交するノズルよりの冷却媒体の冷却能力より大きく設定していることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金材の熱処理方法。
  3. 前記ワークへのノズルからの冷却媒体の吹付けは、ワークの平面に直交する方向から吹付けることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金材の熱処理方法。
  4. アルミニウム合金からなる薄肉鋳造品を共晶点近傍まで昇温させ、その温度で所定時間保持し、その後、複数のノズルから鋳造品に対して冷却媒体を吹付けて急冷することにより溶体化処理を行うアルミニウム合金材の熱処理装置であり、
    前記ワークに対面させてワークに冷却媒体を吹付ける複数のノズルを備え、
    これら複数のノズルに供給する冷却媒体は、その流量、流速、温度の少なくともいずれか一つを変化させて、当該ノズルで吹付けるワークの当該冷却部位の肉厚に応じてその冷却能力を相違させていることを特徴とするアルミニウム合金材の熱処理装置。
  5. 前記複数のノズルに供給する冷却媒体は、複数の温度毎に異なる供給系統から該当する冷却媒体温度のノズルへ供給するものであり、
    前期各ノズルから供給する冷却媒体の流量および/または流量は、ノズルの上流に配置した調整弁により調整するものであることを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム合金材の熱処理装置。
  6. 前記冷却部位の肉厚が同等であっても、吹付けた冷却媒体がワーク面に対して斜め方向となるノズルから吹出す冷却媒体の冷却能力を、吹出す冷却媒体がワーク面に対して直交するノズルよりの冷却媒体の冷却能力より大きくしたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のアルミニウム合金材の熱処理装置。
  7. 前記ノズルは、ワークに正対して冷却媒体を吹付けるようノズル本体に対して吹付け方向を変更可能な揺動機構を備えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のアルミニウム合金材の熱処理装置。
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