JP5742311B2 - 熱間圧延ラインにおける圧延材の上反り防止方法及び装置 - Google Patents
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Description
そこで、圧延材の上反りを防止する熱間圧延ラインとして、例えば特許文献1の記載の技術が知られている。
特許文献1の熱間圧延ラインは、図5に示すように、加熱炉1と圧延機2とを備え、加熱炉で加熱された材料3は、圧延機2において所定厚さに圧延されて圧延材4が得られる。
図5の符号5は、加熱炉1を構成する8つのゾーン1a〜1hそれぞれの炉温制御を行なう炉温制御装置である。なお、炉温制御とは、各ゾーン内の炉内雰囲気温度に基づいてバーナに供給すべき燃料の流量を調整することで材料3を加熱制御するものである。
また、図5の符号17は、加熱炉1内における材料3の加熱予測演算部(伝熱モデル)であり、各ゾーン1a〜1hの炉温設定値を予測演算する。
炉温制御装置5は、図6に示すように、温度調整器(TIC)6と、ガス流量調整器(FIC)7及び燃焼空気流量調整器(FIC)8とで構成されている。
温度調整器6には、炉内温度を検出する温度センサ10から均熱帯下部ゾーン1hの炉内温度信号が入力する。そして、温度調整器6は、温度センサ10から入力した炉内温度信号、伝熱モデル17から入力した炉温設定値及び温度設定補正装置15から入力した温度設定値補正量に基づいて、均熱帯下部ゾーン1hに対するガス流量調整器7の設定値を演算する。
さらに、燃焼空気流量調整器8は、温度調整器6から入力した設定値に空気比Mを乗じた設定値が入力し、この設定値と、燃焼空気配管上の流量センサ11bから入力する流量信号とに基づいて弁開度を演算し、燃焼空気流量調節弁14の弁開度を連続的に調節する。
上記構成の熱間圧延ラインによると、各ゾーン1a〜1hに配置した炉温制御装置5が、圧延機2の出側で圧延材4の反り量を検出する反り検出器16からの検出結果を、温度設定補正装置15を用いて温度設定値に反映し、圧延機2に圧延される前の材料3の表面及び裏面が的確な温度差となるように加熱することで、圧延材4の上反りを防止するようにしている。
また、請求項2記載の熱間圧延ラインにおける圧延材の上反り防止方法は、前記均熱帯は、前記材料の表面を加熱する均熱帯上部ゾーンと、前記材料の裏面を加熱する均熱帯下部ゾーンとを備え、前記均熱帯下部ゾーンの炉温を計測する前記温度センサの出力値に基づいて前記炉温制御を行ない、前記均熱帯下部ゾーンの前記燃料の流量が増大して前記流量閾値を超えたときに炉温制御を停止し、前記流量閾値より小さな一定の流量設定値に制限する前記燃料流量制御を行なうようにした。
さらに、請求項4記載の熱間圧延ラインにおける圧延材の上反り防止装置は、前記均熱帯は、前記材料の表面を加熱する均熱帯上部ゾーンと、前記材料の裏面を加熱する均熱帯下部ゾーンとを備え、前記炉温制御部は、前記均熱帯下部ゾーンの炉温を計測する前記温度センサの出力値に基づいて前記バーナに供給すべき燃料の流量を調整し、前記燃料流量制御部は、前記均熱帯下部ゾーンの前記燃料の流量が増大して前記流量閾値を超えたときに炉温制御を停止し、前記流量閾値より小さな一定の流量設定値に制限するようにした。
図1に示すものは、本発明に係る熱間圧延ラインを示すものであり、符号20は、炉温・燃料流量制御装置である。
この炉温・燃料流量制御装置20は、図2に示すように、均熱帯上部ゾーン1g及び均熱帯下部ゾーン1hを通過する材料3を加熱制御する装置であり、他のゾーン1a〜1fは、炉温制御装置5により、各ゾーン内の炉内雰囲気温度に基づいてバーナ13に供給すべき燃料の流量を調整することで材料3を加熱制御している。
ここで、ガス流量閾値は、2000Nm3/hであり、このガス流量閾値は、圧延材4の反りが発生しやすい上限値である。
スイッチ制御部23は、ガス配管上の流量センサ11aから流量信号が入力しており、流量センサ11aの流量信号がガス流量閾値(2000Nm3/h)を超えたときに、スイッチ部22を、燃料流量設定出力部21とガス流量調整器7及び燃焼空気流量調整器8との接続に切り替える。
ガス流量調整器7は、温度調整器6から入力した設定値、或いは、燃料流量設定出力部21から入力したガス流量設定値(1500Nm3/h)から入力した設定値と、ガス配管上の流量センサ11aから入力する流量信号とに基づいて弁開度制御を演算し、ガス流量調節弁12の弁開度を連続的に調節する。これにより、均熱帯下部ゾーン1hの炉温を調節するガスバーナ13へのガス供給量を制御する。
ここで、本発明に係る炉温制御部が、温度調整器6、ガス流量調整器7及び燃焼空気流量調整器8に相当し、本発明に係る燃料流量制御部が、温度調整器6、ガス流量調整器7、燃焼空気流量調整器8、燃料流量設定出力部21と、スイッチ部22及びスイッチ制御部23に相当している。
なお、本実施形態との比較のために、炉温制御装置5のみを備えた従来の熱間圧延ラインの加熱炉1のガス流量変化を図4のグラフに示す。
図4の加熱炉1は、均熱帯下部ゾーン1hの初期位置(第2加熱帯下部ゾーン1f)から後半位置(加熱炉1の出側)まで、炉内温度に基づいて材料3を加熱制御する炉温制御を行なう。この際、均熱帯下部ゾーン1hの後半位置(加熱炉1の出側)は炉内雰囲気温度が低下しやすく、この低下した炉内雰囲気温度が温度センサ10の信号として炉温制御装置5に出力されると、ガス流量調節弁12に弁開度を大きくする指令が伝達されてガス流量が増大する。均熱帯下部ゾーン1hのガス流量が増大して材料の裏面が加熱されると、材料3の裏面温度が表面温度に比べて極めて高くなるので上反りが発生するおそれがある。
なお、図4のグラフでは均熱帯下部ゾーン1hのガス流量が増大していく場合を示したが、均熱帯上部ゾーン1gのガス流量が増大していく場合にも、炉温・燃料流量制御装置20が、炉温制御から燃料流量制御に切り替わる制御を行なうことで、圧延材4の上反りを確実に防止する。
また、本実施形態の加熱炉1は、材料3を表面及び裏面から加熱する8つのゾーン1a〜1hを有する加熱炉としたが、本発明の要旨がこれに限定されるものではない。
Claims (4)
- 材料を加熱する加熱炉と、この加熱炉で加熱した前記材料を圧延して圧延材を形成する圧延機とを備えた熱間圧延ラインにおいて、
前記加熱炉は、予熱帯、加熱帯及び均熱帯を有し、
前記予熱帯及び前記加熱帯は、それらの炉内雰囲気温度に基づいて炉温制御を行い、
前記均熱帯は、当該均熱帯の炉温を計測する温度センサの出力値に基づいてバーナに供給すべき燃料の流量を調整する炉温制御を行なうとともに、前記燃料の流量が、前記圧延材の上反りが発生しやすい所定の流量閾値を超えたときに前記炉温制御を停止し、前記流量閾値より小さな一定の流量設定値となるように前記燃料の流量を調整する燃料流量制御を行なうようにしたことを特徴とする熱間圧延ラインにおける圧延材の上反り防止方法。 - 前記均熱帯は、前記材料の表面を加熱する均熱帯上部ゾーンと、前記材料の裏面を加熱する均熱帯下部ゾーンとを備え、
前記均熱帯下部ゾーンの炉温を計測する前記温度センサの出力値に基づいて前記炉温制御を行ない、
前記均熱帯下部ゾーンの前記燃料の流量が増大して前記流量閾値を超えたときに炉温制御を停止し、前記流量閾値より小さな一定の流量設定値に制限する前記燃料流量制御を行なうことを特徴とする請求項1記載の熱間圧延ラインにおける圧延材の上反り防止方法。 - 材料を加熱する加熱炉と、この加熱炉で加熱した前記材料を圧延して圧延材を形成する圧延機とを備えた熱間圧延ラインにおいて、
前記加熱炉は、予熱帯、加熱帯及び均熱帯を有し、
前記予熱帯及び前記加熱帯は、それらの炉内雰囲気温度に基づいて炉温制御を行い、
前記均熱帯は、炉温・燃料流量制御装置を備え、
当該炉温・燃料流量制御装置は、
前記均熱帯の炉温を計測する温度センサの出力値に基づいてバーナに供給すべき燃料の流量を調整する制御を行なう炉温制御部と、
前記燃料の流量が、前記圧延材の上反りが発生しやすい所定の流量閾値を超えたときに前記炉温制御を停止し、前記流量閾値より小さな一定の流量設定値となるように前記燃料の流量を調整する制御を行なう燃料流量制御部と、
を備えていることを特徴とする熱間圧延ラインにおける圧延材の上反り防止装置。 - 前記均熱帯は、前記材料の表面を加熱する均熱帯上部ゾーンと、前記材料の裏面を加熱する均熱帯下部ゾーンとを備え、
前記炉温制御部は、前記均熱帯下部ゾーンの炉温を計測する前記温度センサの出力値に基づいて前記バーナに供給すべき燃料の流量を調整し、
前記燃料流量制御部は、前記均熱帯下部ゾーンの前記燃料の流量が増大して前記流量閾値を超えたときに炉温制御を停止し、前記流量閾値より小さな一定の流量設定値に制限することを特徴とする請求項3記載の熱間圧延ラインにおける圧延材の上反り防止装置。
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