JP5316765B2 - 熱処理炉の雰囲気制御方法 - Google Patents

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この発明は、バッチ式の熱処理炉において、鋼材の熱処理時に炉内の雰囲気を制御する方法に関する。
従来、バッチ式の熱処理炉において、鋼材の熱処理時における炉内の雰囲気ガスの組成は、浸炭等の熱処理内容に応じてカーボンポテンシャルの指標値PFで管理するのが一般的である。この指標値PFは下記の式(1)に示すように、炉内雰囲気ガス中のCO濃度(%)とCO濃度(%)の二乗との比で定まる値である。
PF=(CO)/CO……(1)
そして熱処理炉の操業時には、炉内の雰囲気ガス中のCO濃度とCO濃度の検出値に基づいて算出したPF値の測定値を、熱処理内容に応じて予め定めたPF値の基準値に合致させるように、炉内へ送入する吸熱形変成ガスやNガスなどのカーボンポテンシャル調整用ガスの供給量を調節する。ところが上式から明らかなように炉内のCO濃度が減少すると、指標値PFの測定値が大幅に増加して制御過敏となり、PF制御にハンチング現象を生じるという問題点がある。そこでこれを解決するものとして、CO濃度の低下時に、その低下するCO濃度に対応させて低下させた制御ゲインを用いてガス供給量の調節をおこなうことにより、PF値のハンチングを防止する方法が、特許文献1に記載されている。
特公平7−5958号公報
しかし上記特許文献1に記載の制御方法によっても、炉内のCO濃度が僅少値(たとえば0.2%)に減少した場合は、PF値の測定値の大幅な変動は十分回避することができず、この結果生じるハンチングに加えて、CO濃度検出器(CO分析計)の検出精度にも限界があることからPF値の演算精度も不正確となり、所望の熱処理状態の鋼材が得られないという問題点を有するものであった。
この発明は上記の点にかんがみてなされたもので、炉内雰囲気ガスのカーボンポテンシャルの指標値を、CO濃度に起因するハンチングを生ずることなく精度よく基準値に維持することができる熱処理炉の雰囲気制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためにこの発明の熱処理炉の雰囲気制御方法は、熱処理炉内のカーボンポテンシャルの指標値を、炉内に供給する吸熱形変成ガスと窒素ガスのうちの少なくとも吸熱形変成ガス量を調節することにより基準値に制御する熱処理炉の雰囲気制御方法において、炉内のCO濃度が所定の設定値以下に低下したときに炉内へ空気を送入し、前記設定値とCO濃度の検出値の偏差に応じたフィードバック制御出力に、前記吸熱形変成ガスとNガスの炉内への送入量に応じたフィードフォワード制御出力を加えた総制御出力に基づいて、前記空気の送入量を調節することによりCO濃度を前記設定値を目標値として制御し、その後CO濃度が前記設定値より所定値以上大となったとき前記空気の送入を停止することにより、CO濃度を前記設定値以上に維持することを特徴とする。
このように構成することにより、先ず炉内のCO濃度が所定の設定値以下に低下したときに炉内へ送入される空気中の酸素により、炉内のCOガスを酸化させてCOガスを生成させ、CO濃度の設定値以下への低下を阻止できる。そしてCO濃度のフィードバック制御に加えて、吸熱形変成ガスとNガスの炉内への送入量に応じたフィードフォワード制御により空気の送入量を調節することにより、CO濃度は精度よく設定値に維持され、これに加えてCO濃度の設定値をCO濃度検出器の検出精度に応じた範囲で選定することができるので、PF値の演算精度も正確となり、カーボンポテンシャルの指標値をハンチングを生じることなく精度よく基準値に維持することができるのである。またCO濃度が設定値より所定値以上大となったときは、炉内への空気の送入を停止することにより、過剰な空気の送入による吸熱形変成ガスやNガスなどの不要な送入量制御を回避することができるのである。
以上説明したようにこの発明によれば、炉内雰囲気ガスのカーボンポテンシャルの指標値を、CO濃度に起因するハンチングを生ずることなく精度よく基準値に維持することができ、所望の熱処理状態の鋼材を得ることができる。
以下図1および図2に示す一例により、この発明の実施の形態を説明する。図1において1はバッチ式の熱処理炉で、周知の炉内加熱手段をそなえ鋼材からなる被処理物Wを、所定の炉内雰囲気ガス中で熱処理するものであり、その炉体に接続されたガス送入管2には、吸熱形変成ガス供給管3,Nガス供給管4,5、および空気供給管6が接続され、上記炉体に接続されたガス送出管7には排気ダンパ8が接続されている。
ガス供給管5は炉内パージや炉圧保持のために一定量QのNガスを、開閉弁10を経て炉内へ供給するものである。これに対して吸熱形変成ガス供給管3には流量調節弁11が、Nガス供給管4には流量調節弁12が、それぞれ設けてある。
炉内雰囲気制御時には、CO分析計13により測定した炉内のCO濃度(%)とCO分析計14により測定した炉内のCO濃度(%)の各測定信号を受けて、炉内PF演算・指示調節計15は前記式(1)に示すカーボンポテンシャルの指標値(PF)を算出し、熱処理炉1内の炉内温度や被処理物Wの熱処理内容・工程に応じて予め選定してあるカーボンポテンシャルの指標値の基準値(図2に示すPF設定パターン)に、上記算出した実測PF値を追従させるように、各流量調節弁開度制御用の制御出力MVを発し、この制御出力は調節弁出力換算器16,17によりそれぞれ吸熱形変成ガス調節弁開度制御出力MVおよびNガス調節弁開度制御出力MVとして、流量調節弁11,12にそれぞれ入力され、これら両流量調節弁を介して熱処理炉1内に供給される吸熱形変成ガスおよびNガスの流量を制御することにより、炉内雰囲気のPF制御がおこなわれる。
一方、図示しない送風機等の空気供給源に接続された空気供給管6の途中には、空気流量調節弁21を設けてあり、この空気流量調節弁21の開度を、CO制御期間決定要素22と、フィードバック制御用のCO指示調節計23と、フィードフォワード量演算器24とからなるCO制御手段20によって調節することにより、炉内のCO濃度を設定値SV(たとえば0.5%)以上に維持する。
以下その制御動作を、図1および図2により説明すると、熱処理炉1における被処理物Wの熱処理時に、前記の炉内PF演算・指示調節計15による流量調節弁11,12の開度制御により炉内のPF値を図2に示すPF設定パターン(基準値)に制御するPF制御期間内において、炉内のCO濃度が図2における「COの挙動」曲線に従って変動する場合、CO分析計14による炉内のCO濃度の検出値が、所定の設定値SV(たとえば0.5%)以下に低下したとき、この設定値SVを比較値として内蔵するCO制御期間決定要素22は、CO制御開始指令を、CO指示調節計23およびフィードフォワード量演算器24の出力部に接続した開閉器25に、それぞれ出力する。
CO指示調節計23は、上記設定値SVと、CO分析計14によるCO濃度の検出値の偏差に応じたフィードバック制御出力Sb を出力する。一方、フィードフォワード量演算器24においては、前記流量調節弁11に入力される吸熱形変成ガス調節弁開度制御出力MVを受けて流量換算要素26により吸熱形変成ガス流量値Q(工業単位)に換算し、同じく流量調節弁12に入力されるNガス調節弁開度制御出力MVを受けて流量換算要素27によりNガス流量値Qに換算し、これら両流量値と定流量Nガス供給用のNガス供給管5のNガス定流量値Qを加算して得られる総送気ガス量Qt の変化量ΔQ、およびシミュレーション等により予め選定したFFゲインKf に基づいて、FF出力換算およびゲイン要素28により、所定の頻度(たとえば1秒毎)で下記の式(2)によりフィードフォワード制御出力Sfを算出・出力し、これを上記フィードバック制御出力Sb に加算して得られる総制御出力Sにより、空気流量調節弁21の開度調節がおこなわれる。
Sf=Kf ×ΔQ/(Q+Q+Q)+Sfn−1
=Kf ×(Qt−Qtn−1)/(Q+Q+Q)+Sfn−1 ……(2)
但し
Sf=今回のFF制御出力量 Sfn−1=前回のFF制御出力量
Qt=今回の総送気ガス量 Qtn−1=前回の総送気ガス量
=流量調節弁11の開度最大時(MV=100%時)の吸熱形変成ガス流量
=流量調節弁12の開度最大時(MV=100%時)のNガス流量
上記の空気供給管6による熱処理炉1内への空気の送入により,炉内のCOガスが酸化されてCOガスが生成され、CO濃度の設定値SV以下への低下が阻止される。そしてCO制御手段20によるフィードバック制御と、空気の送入量との相関関係が強い吸熱形変成ガスとNガスの炉内への送入量に応じたフィードフォワード制御によって、空気の送入量を調節することにより、炉内のCO濃度は図2に示すように精度よくSV値に維持され、CO濃度が僅少値となってPF値が大幅に変動するのが回避され、さらに設定値SVをCO分析計14の検出精度上の許容範囲内で選定することにより、PF値の演算精度も正確となる。これによって、CO濃度に起因するハンチングを生じることなく、炉内のPF値を精度よく基準値に維持することができ、所望の熱処理状態の被処理物Wを得ることができるのである。
その後、CO分析計14により検出されるCO濃度がSV値より上昇して、図2に示すように設定値SVより所定値α(たとえば0.2%)以上大となったときは、CO制御手段20によるCO濃度制御を終了して空気供給管6による炉内への空気の送入を停止する。これによって過剰な空気の送入による吸熱形変成ガスやNガスなどの不要な送入量制御が回避される。
この発明は上記の例に限定されるものではなく、たとえば上記のCO制御期間内に、炉内雰囲気のPF制御が終了する場合は、その終了時点でCO制御も終了して空気の送入を停止するものとする。また上記の例は、PF制御時に吸熱形変成ガスとNガスの両方のガスの流量制御をおこなうものであるが、Nガスは定流量送入として吸熱形変成ガスの流量のみを制御することによりPF制御をおこなう熱処理炉の雰囲気制御方法にも、この発明は適用できるものである。
この発明の実施の形態の一例を示す熱処理炉の制御系統図である。 図1の熱処理炉による熱処理過程における時間の経過と炉内のCO濃度およびカーボンポテンシャルの指標値PFとの関係を示す線図である。
符号の説明
1…熱処理炉、3…吸熱形変成ガス供給管、4…Nガス供給管、5…Nガス供給管、6…空気供給管、11…流量調節弁、12…流量調節弁、13…CO分析計、14…CO分析計、15…炉内PF演算・指示調節計、20…CO制御手段、21…空気流量調節弁、22…CO制御期間決定要素、23…CO指示調節計、24…フィードフォワード量演算器、W…被処理物。

Claims (1)

  1. 熱処理炉内のカーボンポテンシャルの指標値を、炉内に供給する吸熱形変成ガスと窒素ガスのうちの少なくとも吸熱形変成ガス量を調節することにより基準値に制御する熱処理炉の雰囲気制御方法において、
    炉内のCO濃度が所定の設定値以下に低下したときに炉内へ空気を送入し、
    前記設定値とCO濃度の検出値の偏差に応じたフィードバック制御出力に、前記吸熱形変成ガスとNガスの炉内への送入量に応じたフィードフォワード制御出力を加えた総制御出力に基づいて、前記空気の送入量を調節することによりCO濃度を前記設定値を目標値として制御し、
    その後CO濃度が前記設定値より所定値以上大となったとき前記空気の送入を停止することにより、CO濃度を前記設定値以上に維持することを特徴とする熱処理炉の雰囲気制御方法。
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