JP2015210035A - 炉内圧力調節装置及び炉内圧力調節方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】急激な炉内圧力の変動に対応することができ、且つダンパによる圧力損失を低減する炉内圧力調節方法及び炉内圧力調節装置を提供する。【解決手段】本発明に係る炉内圧力調節装置40は、炉内の気体を炉外に送出するための誘引送風機35と、誘引送風機35の吸い込み口側に位置するダンパ34とを備えた焼却システム30の炉内の圧力を調節するための炉内圧力調節装置40であって、炉内の圧力に基づいてダンパ34の開度を調節する調節器41と、ダンパ34の開度を平均化処理するとともに、誘引送風機35の回転数を制御する演算器42と、を有する。演算器42は、平均化処理されたダンパ34の開度と予め設定された所定値とを比較し、比較結果に基づいて、ダンパ34の開度が所定値に近づくように、誘引送風機35の回転数を制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、平衡通風により運用される廃棄物の焼却炉等の炉内の圧力を調節する炉内圧力調節装置及び炉内圧力調節方法に関する。
焼却炉は、炉内圧力を制御するために、炉内の空気を炉外に送出して炉内圧力を調節可能な誘引送風機と誘引送風機により送出される空気量を調節するためのコントロールダンパを備えている。従来、焼却炉では炉内圧力が検知され、この検知された炉内圧力に基づいてコントロールダンパの開度及び/又は誘引送風機の回転数を、炉内圧力が一定となるように調節することが知られている。
例えば、平衡通風式の燃料ボイラにおいて、負荷(燃焼量)に応じた空気量指令に基づいてダンパの予定開度と誘引送風機予定回転数とを設定し、ダンパ開度が予定開度となるように、炉内圧力に基づくダンパ開度指令とダンパ予定開度との偏差を演算して誘引送風機の回転数を補正することが知られている(特許文献1参照)。
上記燃料ボイラでは、負荷が急変する場合には、入口ダンパの開度制御によって炉内圧を迅速に制御している。一方で、負荷変動中には、誘引送風機の回転数の過調整による不安定さを抑制するために、信号切替器を使用して誘引送風機の回転数補正信号を出さないようにしている。即ち、この制御方法では負荷が変動している間は誘引送風機の回転数が補正されず、入口ダンパの開度制御のみによって炉内圧が制御されるので、炉内圧を制御するために入口ダンパの開度が圧力損失の大きい範囲まで調節される場合がある。
また、炉内圧力を一定にするために誘引ファンの回転数を制御するとともに、調節弁の開度を制御し、圧力調整計の出力(回転数制御指令)が所定範囲を超えないようにする、焼却炉の炉内圧力の調整方法が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、この方法では、炉内圧は誘引ファンの回転数により制御し、圧力調整計の出力が所定範囲を超える場合にのみ調節弁の開度の制御が行われるので、急激な炉内圧変動に対応することが難しい。また、調節弁の開度の範囲についての記載はないが、調節弁の開度が小さい場合は調節弁の圧力損失が大きくなり、誘引ファンの消費動力が大きくなることがある。
また、排ガス用ダンパと誘引送風機とを有する廃棄物焼却炉の炉内圧制御装置において、排ガス用ダンパの開度が許容範囲を超えたとき、排ガス用ダンパの開度が許容範囲内に設定された基準開度に向かうように誘引送風機の回転数を調節することが知られている(特許文献3参照)。この炉内圧制御装置では、排ガス用ダンパの開度が基準開度に到達したときに、誘引送風機の回転数の変更が停止される。
しかしながら、この炉内圧力制御装置では、排ガス用ダンパの開度は許容範囲内の全範囲で変動し、開度が許容範囲を超えて初めて回転数が変更される。また、排ガス用ダンパの開度が許容範囲内の中央値である基準開度に到達すると、誘引送風機の回転数は固定され、再び排ガス用ダンパの開度が許容範囲を超えるまではその回転数が維持される。したがって、誘引送風機の回転数の変更が断続的に行われることになるので、誘引送風機の回転数が省エネの観点から適切な回転数に常に制御されるわけではない。また、排ガス用ダンパの開度の許容範囲が線形動作範囲に設定されているので、ダンパにおける圧力損失が大きくなる。
コントロールダンパの圧力損失は、その開度に影響される。このため、コントロールダンパの開度が圧力損失の小さい開度(例えば開度50%から70%程度)に維持されることが好ましい。しかしながら、上述従来技術では、コントロールダンパによる圧力損失を小さくすることは考慮されていない。
以上のように、従来は、急激な炉内圧力変動に対応することができ、且つダンパによる圧力損失を小さくすることができる技術は存在しなかった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、急激な炉内圧力の変動に対応することができ、且つダンパによる圧力損失を低減する炉内圧力調節方法及び炉内圧力調節装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の第1形態に係る炉内圧力調節装置は、炉内圧力を調節するように構成された誘引送風機と、前記誘引送風機の吸い込み口側に位置するダンパとを備えた焼却炉の炉内の圧力を調節するための炉内圧力調節装置であって、前記炉内の圧力に基づいてダンパの開度を調節する調節部と、前記ダンパの開度を平均化処理する演算部と、前記誘引送風機の回転数を制御する制御部と、を有し、前記演算部は、前記平均化処理された前記ダンパの開度と予め設定された所定値とを比較し、前記制御部は、前記演算部の比較結果に基づいて、前記平均化処理されたダンパ開度が前記所定値に近づくように、前記誘引送風機の回転数を制御する。
上記目的を達成するため、本発明の第2形態に係る炉内圧力調節装置は、第1形態に係る炉内圧力調節装置において、前記演算部が、前記ダンパの開度の単純移動平均値を演算する。
上記目的を達成するため、本発明の第3形態に係る炉内圧力調節装置は、第1形態又は第2形態に係る炉内圧力調節装置において、前記所定値が、50%以上70%以下の値である。
上記目的を達成するため、本発明の第4形態に係る炉内圧力調節装置は、第1形態ないし第3形態のいずれかに係る炉内圧力調節装置において、前記制御部が、前記炉内の圧力が変動している間に前記誘引送風機の回転数を常に変動させる。
上記目的を達成するため、本発明の第5形態に係る炉内圧力調節方法は、炉内圧力を調節するように構成された誘引送風機と、前記誘引送風機の吸い込み口側に位置するダンパとを備えた焼却炉の炉内の圧力を調節するための炉内圧力調節方法であって、前記炉内の圧力に基づいてダンパの開度を調節する調節工程と、前記ダンパの開度の値を平均化処理する演算工程と、前記誘引送風機の回転数を制御する制御工程と、を有し、前記演算工程は、前記平均化処理された前記ダンパの開度の値と予め設定された所定値とを比較する工程を有し、前記制御工程は、前記演算工程での比較結果に基づいて、前記平均化処理され
た前記ダンパ開度の値が前記所定値に近づくように、前記誘引送風機の回転数を制御する。
た前記ダンパ開度の値が前記所定値に近づくように、前記誘引送風機の回転数を制御する。
上記目的を達成するため、本発明の第6形態に係る炉内圧力調節装置は、第5形態に係る炉内圧力調節方法において、前記演算工程が、前記ダンパの開度の単純移動平均値を演算する。
上記目的を達成するため、本発明の第7形態に係る炉内圧力調節装置は、第5形態又は第6形態に係る炉内圧力調節方法において、前記所定値が、50%以上70%以下の値である。
上記目的を達成するため、本発明の第8形態に係る炉内圧力調節装置は、第5形態ないし第7形態のいずれかに係る炉内圧力調節方法において、前記制御工程が、前記炉内の圧力が変動している間に前記誘引送風機の回転数を制御する。
本発明によれば、急激な炉内圧力の変動に対応することができ、且つダンパによる圧力損失を低減する炉内圧力調節方法及び炉内圧力調節装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る炉内圧力調節装置を備えた焼却システムにおける気体の流れを示す概略図である。図示のように、焼却システム30は、例えば、炉本体31と、炉本体31内の圧力を検知するための圧力計37と、炉本体31からの排気ガスの温度を低下させる減温装置32と、温度が低下した排気ガスを処理する排気ガス処理装置33と、炉本体31内の排気ガス等の気体を炉外に送出するための誘引送風機35と、誘引送風機35により誘引された排気ガスを炉外に排出するための煙突36と、を備えている。さらに、焼却システム30は、誘引送風機35の吸い込み口側に、誘引送風機35で誘引する空気量を制御するためのダンパ34を備えている。
本実施形態に係る炉内圧調節装置40は、ダンパ34の開度を調節する調節計41(調節部)と、ダンパ34の開度の値を平均化処理する演算器42(演算部及び制御部)と、を備える。演算器42は、誘引送風機35と電気的に接続され、誘引送風機35の回転数を制御可能に構成される。
調節計41は、圧力計37が検知した炉本体31内の圧力値PVを受信し、この圧力値PVと炉内圧力設定値SVpに基づいて、ダンパ34の開度を調節するダンパ操作信号MVdをダンパ34に送信する。
演算器42は、ダンパ34の開度の値PVdを、ダンパ34から受信可能に構成される。本実施形態においては、演算器42は、ダンパ34からダンパ34の開度の値PVdを所定時間毎(例えば1秒毎)に受信し、このダンパ34の開度の値を平均化処理する。ここで平均化処理とは、受信したダンパ34の開度の複数の値を平均化して値を算出するこ
とをいい、例えば、単純移動平均等の移動平均処理をいう。本実施形態では、単純移動平均を行うものとするが、これに限らず、加重移動平均や指数移動平均等を行ってもよい。また、受信したダンパ34の開度の値PVdのうち所定値以上及び/又は所定値以下の値を処理対象から除外するようにフィルタ処理を行い、フィルタ処理されたダンパ34の開度の値PVdに移動平均処理を行うようにしてもよい。
とをいい、例えば、単純移動平均等の移動平均処理をいう。本実施形態では、単純移動平均を行うものとするが、これに限らず、加重移動平均や指数移動平均等を行ってもよい。また、受信したダンパ34の開度の値PVdのうち所定値以上及び/又は所定値以下の値を処理対象から除外するようにフィルタ処理を行い、フィルタ処理されたダンパ34の開度の値PVdに移動平均処理を行うようにしてもよい。
なお、演算器42は、ダンパ34から開度の値PVdを受信するように構成されているが、これに限らず、ダンパ操作信号MVdを調節計41から受信するように構成されていてもよい。
次に、焼却システム30における気体の流れを説明する。焼却システム30の炉本体31には、廃棄物53が投入され、炉本体31内で焼却される。炉本体31には、押込送風機51及び二次送風機52から燃焼を行わせるために必要な気体(空気)が送風され、炉本体31に投入された廃棄物53の燃焼が行われる。
炉本体31で発生した燃焼排ガス等を含む気体は、誘引送風機35によって減温装置32及び排ガス処理装置33を介して煙突36に導かれる。これにより、炉本体31内は大気圧よりも低い圧力(負圧)に常に維持される。炉本体31内の圧力は圧力計37により計測され、炉内圧力値PVが炉内圧力信号発信器37aから調節計41に送信される。調節計41は、受信した炉内圧力値PVと炉内圧力設定値SVpとの偏差に基づいて、PID(Proportional Integral Derivative)制御によりダンパ34の開度を調節する。
演算器42は、ダンパ34の開度の値PVdを所定時間毎に受信し、これらを平均化処理する。演算器42は、平均化処理されたダンパ34の開度の値ave.PVdとダンパ開度平均値の設定値SVdとの偏差に基づいて、誘引送風機35の回転数を制御する。炉本体31内の排ガスの排気量(流量)は、ダンパ34の開度及び誘引送風機35の回転数によって調節される。したがって、炉本体31の炉内圧力PVは、ダンパ34の開度及び誘引送風機35の回転数によって調節されることになる。
次に、図1に示した炉内圧力調節装置40による炉内圧力調節方法について説明する。
図2は、本実施形態に係る炉内圧力調節方法を示すフロー図である。
図2は、本実施形態に係る炉内圧力調節方法を示すフロー図である。
まず、炉本体31の炉内圧力PVが、圧力計37により計測され、計測された炉内圧力PVが炉内圧力信号発信器37aから調節計41に送られる(ステップS11)。調節計41は、受信した炉内圧力PVが、予め設定された炉内圧力設定値SVpより小さいか否かを判定する(ステップS12)。なお、炉内圧力設定値SVpは、例えば調節計41内部のメモリに予め記憶されており、その値は例えば−1kPa(ゲージ圧)といった負圧に設定される。
調節計41は、炉内圧力PVと炉内圧力設定値SVpとの偏差に対する比例動作、積分動作、及び微分動作、つまりPID動作によりダンパ34にダンパ操作信号MVdを送信する。したがって、炉内圧力PVが炉内圧力設定値SVpより小さいと判定された場合は(ステップS12,Yes)、調節計41は、炉内圧力PVを炉内圧力設定値SVpに近づけるように(炉内圧力を増加させるように)、ダンパ34の開度を閉じる方向の開度操作信号MVdをダンパ34に送信し、ダンパ34の開度を小さくする(ステップS13)。
一方で、炉内圧力PVが炉内圧力設定値SVpより小さくない(大きい)と判定された場合は(ステップS12,No)、調節計41は、炉内圧力PVを炉内圧力設定値SVp
に近づけるように(炉内圧力を減少させるように)、ダンパ34の開度を開く方向の開度操作信号MVdをダンパ34に送信し、ダンパ34の開度を大きくする(ステップS14)。
に近づけるように(炉内圧力を減少させるように)、ダンパ34の開度を開く方向の開度操作信号MVdをダンパ34に送信し、ダンパ34の開度を大きくする(ステップS14)。
ダンパ34の開度が調節された後(ステップS13,S14)、再度炉本体31の炉内圧力PVが計測され、これに基づいて同様のダンパ34の開度調節が繰り返され、ダンパ開度は連続して調節される(ステップS11〜ステップS14)。
ダンパ34の開度の値PVdが、ダンパ34から演算器42に送信される(ステップS21)。したがって、ステップS11からステップS14によるダンパ34の開度制御が繰り返される毎に、ダンパ34の開度の値PVdが演算器42に送信される。
演算器42は、受信したダンパ34の開度の値PVdに対して単純移動平均処理を行い、ダンパ開度平均値ave.PVdを算出する(ステップS22)。移動平均処理は、例えば10秒間以上30分間以下の間に取得した直近のダンパ開度の値に対して行うことができる。
ステップS13又はステップS14において、調節計41からダンパ34に送信されるダンパ操作信号MVdを同時に演算器42にも送信するようにしてもよい(ステップS21)。
ステップS13又はステップS14において、調節計41からダンパ34に送信されるダンパ操作信号MVdを同時に演算器42にも送信するようにしてもよい(ステップS21)。
続いて、演算器42は、算出されたダンパ開度平均値ave.PVdが予め設定されたダンパ開度設定値SVdより小さいか否かを判定する(ステップS23)。なお、ダンパ開度設定値SVdは、例えば、演算器42内部のメモリに予め記憶されており、その値は50%以上70%以下の値に設定される。ダンパ開度平均値ave.PVdが50%より小さいとダンパ34による圧力損失が大きくなり、またダンパ開度平均値ave.PVdが70%より大きいとダンパ34における圧力損失が小さすぎてダンパ34による炉内圧力調節ができなくなる。このため、本実施形態では、ダンパ34の開度の平均値ave.PVdが、50%以上70%以下に設定されたダンパ開度設定値SVdに近づくように、誘引送風機35の回転数を制御する。
演算器42は、ダンパ開度平均値ave.PVdとダンパ開度設定値SVdとの偏差に比例動作、積分動作、及び微分動作、つまりPID動作を行う。続いて演算器42は、ダンパ開度平均値ave.PVdとダンパ開度設定値SVdとの差が小さくなるように、PID動作がなされた偏差に対応する誘引送風機35の回転数操作信号MVrを送信する。したがって、ダンパ開度平均値ave.PVdがダンパ開度設定値SVdより小さいと判定された場合は(ステップS23,Yes)、演算器42は、ダンパ開度平均値ave.PVdを大きくするようにダンパ開度設定値SVdとの偏差に応じて誘引送風機35の回転数を減少させる回転数操作信号MVrを誘引送風機35に送信し、誘引送風機35の回転数を下げる(ステップS24)。誘引送風機35の回転数を下げることにより、炉内圧力が高くなる。炉内圧力を低い状態にするために、調節計41によりダンパ34の開度を開く方向のダンパ操作信号MVdがダンパ34に送信される(ステップS12、S14)。これにより、ダンパ34の開度の平均値ave.PVdが大きくなるように調節され、ダンパ34により炉内圧力の調節を適切に行うことのできるダンパ開度設定値SVdに近づくことになる。
一方で、ダンパ開度平均値ave.PVdがダンパ開度設定値SVdより小さくない(大きい)と判定された場合は(ステップS23,No)、演算器42は、ダンパ開度平均値ave.PVdとダンパ開度設定値SVdとの偏差に応じて誘引送風機35の回転数を増やす回転数操作信号MVrを誘引送風機35に送信し、誘引送風機35の回転数を上げる(ステップS25)。誘引送風機35の回転数を上げることにより炉内圧力が低くなる
。炉内圧力を高い状態にするために、調節計41によりダンパ34の開度を閉じる方向のダンパ操作信号MVdをダンパ34に送信される(ステップS12、S13)。これにより、ダンパ34の開度の平均値ave.PVdが小さくなるように調節され、ダンパ34により炉内圧力の調節を適切に行うことのできるダンパ開度設定値SVdに近づくことになる。
。炉内圧力を高い状態にするために、調節計41によりダンパ34の開度を閉じる方向のダンパ操作信号MVdをダンパ34に送信される(ステップS12、S13)。これにより、ダンパ34の開度の平均値ave.PVdが小さくなるように調節され、ダンパ34により炉内圧力の調節を適切に行うことのできるダンパ開度設定値SVdに近づくことになる。
誘引送風機35に回転数操作信号MVrが送信されて(ステップS24,25)、誘引送風機35の回転数が制御されると、新たに受信したダンパ34の開度の値に対して移動平均処理が行われる(ステップS21,S22)。このようにして、ステップS21からステップS25までの処理が繰り返される。
図3及び図4は、ストーカ炉やキルン炉等に比較して炉内圧力変動の大きな流動床式焼却炉において、図2に示した炉内圧力調節方法で調節された誘引送風機35の回転数操作信号MVr、ダンパ34のダンパ操作信号MVd、及び炉内圧力を示すグラフであり、図3はA施設における結果を示し、図4はA施設とは異なるB施設における結果を示す。これらのグラフでは、横軸が時刻を示し、縦軸が誘引送風機35の回転数操作信号MVr(最大回転数に対する割合、%)、ダンパ34のダンパ操作信号MVd(%)及び炉内圧力(kPa)を示している。また、図3及び図4に示される回転数操作信号MVrは、直近の15秒間に取得したダンパ34の開度を平均化処理したダンパ開度の移動平均値に基づいて発信された回転数操作信号を示している。本実施例は流動床式焼却炉に本発明を適用した例であるが、本実施例に限らず本発明はストーカ炉やキルン炉等の他の炉形式にも適用できる。
図3及び図4に示すように、炉内圧力が上がると、ダンパ34が開くように(開度が大きくなるように)ダンパ操作信号MVdが送信される。一方で、炉内圧力が下がると、ダンパ34が閉まるように(開度が小さくなるように)ダンパ操作信号MVdが送信される。即ち、ダンパ操作信号MVdは、炉内圧力を示すグラフに追従するように類似した形状となる。
また、ダンパ34の開度の平均値ave.PVdが設定値SVdより小さいときは誘引送風機35の回転数を下げる回転数操作信号MVrが送信され、ダンパ34の開度の平均値ave.PVdが設定値より大きいときは誘引送風機35の回転数を上げる回転数操作信号MVrが送信される。これにより、ダンパ34の開度の平均値ave.PVdが50%以上70%以下の設定値SVdに近づくように調節される。
上述したように、特許文献3に記載された炉内圧制御装置では誘引送風機の回転数の変更が断続的に行われる。これに対して、図3及び図4に示されるように、本実施形態に係る炉内圧力調節装置40及び炉内圧力調節方法によれば、炉内の圧力が変動している間、即ちダンパ34の開度が調節されている間、ダンパ34の開度の平均値ave.PVdが圧力損失の小さい開度(設定値)になるように、誘引送風機35の回転数が常に調節され、変動する。これにより、誘引送風機35の消費電力をより低減することができる。
以上で説明したように、本実施形態に係る炉内圧力調節装置40及び炉内圧力調節方法によれば、ダンパ34の開度が炉内圧力に基づいて調節されるので、急激な炉内圧力の変動に対応することができる。また、ダンパ34の開度の値が平均化処理され、平均化処理されたダンパ34の開度の値に基づいて誘引送風機35の回転数が制御される。このため、炉内圧力が急変してダンパ34の開度が一時的に大きく又は小さくなったときでも、この一時的な開度の値による誘引送風機35の回転数に対する影響を少なくすることができる。したがって、誘引送風機35の回転数を一時的な開度の値に追従させることなく、誘引送風機35に適切な制御を行うことができ、ダンパ34の開度を圧力損失の小さい値に
近づけることができる。ひいては、焼却施設においてダンパ34による圧力損失を小さくすることができ、全体の消費動力のうち比較的大きな割合を占める誘引送風機35の消費動力を低減することができる。
近づけることができる。ひいては、焼却施設においてダンパ34による圧力損失を小さくすることができ、全体の消費動力のうち比較的大きな割合を占める誘引送風機35の消費動力を低減することができる。
本実施形態に係る炉内圧力調節装置40及び炉内圧力調節方法によれば、平均化処理されたダンパ34の開度ave.PVdと所定のダンパ開度設定値SVdとの偏差に応じて、誘引送風機35の回転数を制御する。これにより、誘引送風機35の回転数の変化によって、ダンパ34の開度の平均値ave.PVdを圧力損失の小さい所定値に近づけることができる。したがって、焼却施設においてダンパ34による圧力損失を小さくすることができ、全体の消費動力のうち比較的大きな割合を占める誘引送風機35の消費動力を低減することができる。
本実施形態に係る炉内圧力調節装置40及び炉内圧力調節方法においては、所定のダンパ開度設定値SVdが、圧力損失の小さい50%以上70%以下の値であり、ダンパ34の開度の平均値ave.PVdがこの値に近づくように調節される。このため、ダンパ34における圧力損失を低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲及び明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、又は省略が可能である。
30…焼却システム
31…炉本体
34…ダンパ
35…誘引送風機
37…圧力センサ
40…炉内圧力調節装置
41…調節器
42…演算器
31…炉本体
34…ダンパ
35…誘引送風機
37…圧力センサ
40…炉内圧力調節装置
41…調節器
42…演算器
Claims (8)
- 炉内圧力を調節するように構成された誘引送風機と、前記誘引送風機の吸い込み口側に位置するダンパとを備えた焼却炉の炉内の圧力を調節するための炉内圧力調節装置であって、
前記炉内の圧力に基づいてダンパの開度を調節する調節部と、
前記ダンパの開度を平均化処理する演算部と、
前記誘引送風機の回転数を制御する制御部と、を有し、
前記演算部は、前記平均化処理された前記ダンパの開度と予め設定された所定値とを比較し、
前記制御部は、前記演算部の比較結果に基づいて、前記平均化処理されたダンパ開度が前記所定値に近づくように、前記誘引送風機の回転数を制御する、炉内圧力調節装置。 - 前記演算部は、前記ダンパの開度の単純移動平均値を演算する、請求項1に記載された炉内圧力調節装置。
- 前記所定値は、50%以上70%以下の値である、請求項1又は2に記載された炉内圧力調節装置。
- 前記制御部は、前記炉内の圧力が変動している間に前記誘引送風機の回転数を常に変動させる、請求項1ないし3のいずれか一項に記載された炉内圧力調節装置。
- 炉内圧力を調節するように構成された誘引送風機と、前記誘引送風機の吸い込み口側に位置するダンパとを備えた焼却炉の炉内の圧力を調節するための炉内圧力調節方法であって、
前記炉内の圧力に基づいてダンパの開度を調節する調節工程と、
前記ダンパの開度の値を平均化処理する演算工程と、
前記誘引送風機の回転数を制御する制御工程と、を有し、
前記演算工程は、前記平均化処理された前記ダンパの開度の値と予め設定された所定値とを比較する工程を有し、
前記制御工程は、前記演算工程での比較結果に基づいて、前記平均化処理された前記ダンパ開度の値が前記所定値に近づくように、前記誘引送風機の回転数を制御する、炉内圧力調節方法。 - 前記演算工程は、前記ダンパの開度の単純移動平均値を演算する、請求項5に記載された炉内圧力調節方法。
- 前記所定値は、50%以上70%以下の値である、請求項5又は6に記載された炉内圧力調節方法。
- 前記制御工程は、前記炉内の圧力が変動している間に前記誘引送風機の回転数を制御する、請求項5ないし7のいずれか一項に記載された炉内圧力調節方法。
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JP2014092384A JP2015210035A (ja) | 2014-04-28 | 2014-04-28 | 炉内圧力調節装置及び炉内圧力調節方法 |
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