JP2008308463A - 歯磨剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】デキストラナーゼを含有する歯磨剤組成物に、ラウリル硫酸ナトリウムと、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜30モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、炭素数が14〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜8モルのポリオキシエチレンアルキルエーテルと、炭酸水素ナトリウムを組成物全体の0.1〜1.0質量%とを配合したことを特徴とする歯磨剤組成物。
更に、シリカ系研磨剤及び水酸化アルミニウムから選ばれる研磨剤を配合した上記の歯磨剤組成物。
【効果】本発明の歯磨剤組成物は、デキストラナーゼが安定化配合され、歯垢除去効果に優れると共に使用後の異味が少なく、口腔内の清掃実感が高い。
【選択図】なし

Description

本発明は、製剤中でのデキストラナーゼの安定性が高く、歯垢除去効果に優れ、使用後の異味が少なく、口腔内の清掃実感が高い歯磨剤組成物に関する。
デキストラナーゼは、プラークを分解することでう蝕予防効果を発揮することから、口腔用組成物に有効成分として配合されている。
一方、口腔用組成物には、使用感、使用性の観点から界面活性剤が配合されており、とりわけ歯磨剤組成物には研磨剤が多量に配合されていることから、十分な発泡性確保のためラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤が配合されている。しかし、多くのアニオン性界面活性剤を配合した歯磨剤組成物においては、そのタンパク変性作用によって酵素の経時安定性を維持することが難しいという欠点があり、デキストラナーゼ含有の歯磨剤組成物においてもデキストラナーゼの経時安定性の低下が課題であった。
このため、デキストラナーゼを配合した歯磨剤組成物においては、製剤中において酵素であるデキストラナーゼを安定化する技術が不可欠であり、安定化には特定の非アニオン性界面活性剤を配合するのが有用であることが知られている。例えば、カルボン酸型両性界面活性剤(特許文献1;特開昭58−225007号公報)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(特許文献2;特開昭61−176518号公報)、グリセリン脂肪酸エステル(特許文献3;特開平3−181413号公報)や、脂肪酸アルカノールアミドなどを配合した例(特許文献4;特開2005−187360号公報)などが提案されている。
しかしながら、これらの技術手段では、アニオン性界面活性剤によるタンパク変性作用はある程度改善される場合もあるものの、ノニオン性界面活性剤を多量に配合すると、特有の異味が生じると共に製剤の口腔内分散性を充分確保することができず、また、両性界面活性剤を多量に配合すると、特有の苦味が生じて使用感が悪くなる傾向があるという課題があり、デキストラナーゼの安定化技術としては満足できるものではなかった。
また、グルカナーゼとラウリル硫酸ナトリウムを含有する口腔用組成物において、ラウリル硫酸ナトリウムの良好な発泡量を確保しつつ、酵素安定性を確保することができる歯磨剤組成物を提供する方法として、前記歯磨剤組成物に炭素数14〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの付加モル数が3〜8であるポリオキシエチレンアルキルエーテルと、エチレンオキサイドの付加モル数が10〜80であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とを予め混合分散させる技術が開示されている(特許文献5;特開2005−41787号公報)。
更に、グルカナーゼとノニオン界面活性剤を含有する口腔用組成物において、酵素安定性を確保するとともに、香料による刺激を抑え、かつ香り立ちを良好にする歯磨剤組成物を提供する技術として、グルカナーゼと、炭素数14〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの付加モル数が3〜8であるポリオキシエチレンアルキルエーテルと、エチレンオキサイドの付加モル数が10〜30であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有する歯磨剤組成物に、炭素数7〜11の脂肪酸トリグリセライドと香料とを質量比0.10〜0.48で含有させる技術が提案されている(特許文献6;特開2005−179290号公報)。
しかしながら、上記グルカナーゼの酵素安定性を確保する提案においては、歯磨き後にノニオン界面活性剤特有の異味が残り、口腔内がさっぱりした清掃実感を得ることが難しく、歯磨剤の使用感に大きく影響を与える使用後の味と清掃実感を同時に維持することは困難であった。
一方、炭酸水素ナトリウムは、口中のさっぱり感を保持する成分として公知であり(特許文献7:特開平11−49654号公報参照)、また、高い舌苔除去効果が得られることも知られている(特許文献8:特開平10−182384号公報参照)。
しかしながら、上記技術手段においては、口腔内のさっぱり感等の清掃実感を保つためには炭酸水素ナトリウムを多量に配合する必要があるが、この場合は製剤のpHが高くなりすぎるため、酵素を安定配合することはできず、かかる技術を酵素配合組成に適用することは困難であった。
このため、デキストラナーゼを配合した歯磨剤組成物において、デキストラナーゼの安定化と口中のサッパリ感(清掃実感)とを満足に両立させることは困難であった。従って、デキストラナーゼの安定性が高く、優れた歯垢除去効果を発揮し、歯磨き後の異味がほとんどなく、かつ優れた清掃実感が得られる歯磨剤組成物の開発が求められていた。
特開昭58−225007号公報 特開昭61−176518号公報 特開平3−181413号公報 特開2005−187360号公報 特開2005−41787号公報 特開2005−179290号公報 特開平11−49654号公報 特開平10−182384号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、製剤中でのデキストラナーゼの経時安定性が高く、歯垢除去効果に優れる上、使用後の異味が少なく、口腔内の清掃実感が高い歯磨剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を進めた結果、(A)デキストラナーゼを含有する歯磨剤組成物に、(B)ラウリル硫酸ナトリウムと、(C)エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜30モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、(D)炭素数が14〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜8モルのポリオキシエチレンアルキルエーテルと、(E)炭酸水素ナトリウムを組成物全体の0.1〜1.0質量%とを配合することによって、デキストラナーゼの経時での安定性が従来技術より高くなり、優れた経時安定性が得られ、しかも、優れた歯垢除去効果を発揮すると共に、歯磨き後のノニオン界面活性剤由来の異味がほとんどなく良好な使用感を有し、かつ口腔内のさっぱり感(清掃実感)も高くなることを知見し、本発明をなすに至った。
本発明においては、上記(A)〜(E)成分を組み合わせて配合することによって、後述の実施例から明らかなように、これら成分が相乗的に作用して、デキストラナーゼを格段に安定配合できる上、ストレプトコッカス ソブライナス(Streptococcus.sobrinus)等の口腔内う蝕原因菌によって形成される歯垢に対する高い歯垢除去効果が得られ、しかも、ノニオン界面活性剤由来の異味がほとんど感じられず良好な使用感であると共に、歯磨き後の口腔内のさっぱり感(清掃実感)も高くなるという、格別の作用効果を達成できるもので、本発明のこのような作用効果は、特にデキストラナーゼの歯垢除去力が向上することと炭酸水素ナトリウムの有する洗浄効果に由来するものと考えられる。
従って、本発明は、デキストラナーゼを含有する歯磨剤組成物に、ラウリル硫酸ナトリウムと、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜30モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、炭素数が14〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜8モルのポリオキシエチレンアルキルエーテルと、炭酸水素ナトリウムを組成物全体の0.1〜1.0質量%とを配合したことを特徴とする歯磨剤組成物を提供する。
本発明の歯磨剤組成物は、デキストラナーゼが安定化配合され、歯垢除去効果に優れると共に、使用後の異味がほとんどなく、口腔内の清掃実感が高く、使用性に優れている。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の歯磨剤組成物は、練歯磨、液状歯磨等の歯磨類、特に練歯磨として好適に調製されるもので、
(A)デキストラナーゼ、
(B)ラウリル硫酸ナトリウム、
(C)エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜30モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、
(D)炭素数が14〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜8モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び
(E)炭酸水素ナトリウムを組成物全体の0.1〜1.0質量%
を含有してなるものである。
(A)デキストラナーゼとしては、ケトミウム属、ペニシリウム属、アスペルギルス属、スピカリア属、ラクトバチルス属、セルビブリオ属等に属する公知のデキストラナーゼ生産菌より公知の方法により得られるデキストラナーゼを好適に使用できるが、他の微生物より生産されたデキストラナーゼも使用することができ、市販品としては三共(株)製のものなどを用いることができる。
デキストラナーゼの配合量は、組成中2〜200単位/g(U/g)、特に10〜50単位/gであることが好ましい。2単位/g未満であると、十分な歯垢除去効果が得られず、歯磨き後の清掃実感に劣る場合があり、200単位/gを超えると、安定性が十分でなくなる場合がある。ここで、デキストラナーゼ1単位とは、デキストランを基質として反応を行った場合に、1分間あたりにグルコース1μmolに相当する遊離還元糖を生じるデキストラナーゼの量である。通常、13000単位/gのものを使用すると、デキストラナーゼの配合量は、組成物全体の0.0154〜1.54%(質量%、以下同様。)が好適である。
(B)ラウリル硫酸ナトリウムとしては、例えば東邦化学工業(株)製、第一製薬(株)製などの市販のラウリル硫酸ナトリウムが使用できる。
ラウリル硫酸ナトリウムの配合量は、組成物全体の0.3〜2.0%が好ましく、特に0.3〜1.5%の範囲であることがより好ましい。配合量が0.3%未満では十分な歯垢除去効果と清掃実感が得られない場合があり、2.0%を超える場合にはデキストラナーゼの安定性が劣る場合がある。
次に、(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、歯磨剤の安定性とデキストラナーゼの安定化効果の点で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜30モル、好ましくは20〜30モルのものを使用する。エチレンオキサイドの平均付加モル数が10モル未満では、特有の異味が生じて製剤の味が悪くなり、また、平均付加モル数が30を超えると、デキストラナーゼの安定化効果に劣る。
このようなポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、例えば日光ケミカルズ(株)製のHCO−10,HCO−20,HCO−30,日本エマルジョン(株)製のHC−10,HC−20,HC−30,青木油脂工業(株)製のBLAUNON RCW−20などが挙げられる。
上記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合量は、組成物全体の0.3〜3%、特に0.5〜2%とすることが好適である。配合量が0.3%未満であるとデキストラナーゼ安定性が低下する場合があり、3%を超えると特有の異味が生じるなどして使用感に問題が生じる場合がある。
本発明の歯磨剤組成物で用いる(D)ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、下記一般式(1)
R−O−(EO)nH (1)
(式中、Rは炭素数14〜18のアルキル基であり、nは3〜8、EOは酸化エチレンを表す。)
で示されるものが使用される。
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、歯磨剤の安定性とデキストラナーゼの安定性の点から炭素数14〜18、好ましくは炭素数16〜18のアルキル基を有するものを使用する。アルキル基の炭素数が14未満では特有の異味が生じるなどして使用感に問題が生じる場合があり、またアルキル基の炭素数が18を超える場合にはデキストラナーゼ安定性に劣る。
また、上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルのエチレンオキサイドの平均付加モル数は、歯磨剤の安定性とデキストラナーゼ安定性の点から、3〜8モル、好ましくは5〜8モルの範囲である。平均付加モル数が3モルより低い場合には、製剤中に液分離が生じる場合があり、デキストラナーゼ安定性に劣る。また、8モルを超えるとデキストラナーゼ安定性に劣り、歯磨き後に異味が生じる場合がある。
このようなポリオキシエチレンアルキルエーテルとして具体的には、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等が挙げられ、特にポリオキシエチレンステアリルエーテルが好適である。このようなポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、市販品を用いることができ、例えば日本エマルジョン(株)製のポリオキシエチレン(3)セチルエーテル(EMALEX103)、ポリオキシエチレン(5)セチルエーテル(EMALEX105)、ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル(EMALEX107)、ポリオキシエチレン(3)ステアリルエーテル(EMALEX603)、ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル(EMALEX605)、ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル(EMALEX606)、ポリオキシエチレン(8)ステアリルエーテル(EMALEX608)などが挙げられる。この中でも、デキストラナーゼの安定性及び使用感の点から、エチレンオキサイドの平均付加モル数が5〜8モルであり、アルキル鎖長の炭素数が16〜18であるものが特に好ましい。
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルの配合量は、組成物全体の0.3〜3%、特に0.5〜2%とすることが好適である。配合量が0.3%未満であるとデキストラナーゼ安定性が低下する場合があり、3%を超えると味などの使用感が悪くなる傾向があると共に、デキストラナーゼ安定性に劣る場合がある。
(E)炭酸水素ナトリウムとしては、具体的に旭硝子(株)製、東ソー(株)製等の市販品を用いることができる。
炭酸水素ナトリウムの配合量は、組成物全体の0.1〜1.0%であり、好ましくは0.1〜0.6%である。配合量が0.1%未満であると、ノニオン界面活性剤特有の異味が生じたり、歯垢除去効果や歯磨き後の清掃実感に劣り、1.0%を超えると製剤やデキストラナーゼの安定性が悪くなる。
本発明の歯磨剤組成物は、上記必須成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で任意成分としてその他の添加剤を剤型に応じて配合できる。例えば練歯磨に調製する場合は、研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、甘味剤、防腐剤、有効成分、色素、香料等を配合でき、これら成分と水とを混合し、常法により製造できる。
研磨剤としては、例えば第2リン酸カルシウム2水和物、第2リン酸カルシウム無水和物、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、2酸化チタン、結晶性ジルコニウムシリケート、ポリメチルメタアクリレート、不溶性メタリン酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、第3リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損アパタイト、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、第8リン酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤、沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、ジルコノシリケートなどが挙げられる。これら研磨剤の中では、デキストラナーゼの安定性の観点からシリカ系研磨剤及び水酸化アルミニウムから選ばれる研磨剤が好ましく使用される。
これら研磨剤の配合量は、組成物全体の10〜50%が好適である。
粘稠剤としては、グリセリン、ソルビット、プロピレングリコール、平均分子量200〜6000のポリエチレングリコール、エチレングリコール、還元でんぷん糖化物等の多価アルコール等の少なくとも1種が使用できる。通常、これらの粘稠剤の配合量は、組成物全体の10〜40%である。
粘結剤としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、キサンタンガム、カーボポール、グアガム、ゼラチン、アビセル等の有機粘結剤や、モンモリロナイト、カオリン、ベントナイト等の無機粘結剤等が挙げられる。通常、これら粘結剤の配合量は組成物全体の0.5〜3%である。
界面活性剤としては、上記必須成分である(B)ラウリル硫酸ナトリウム、(C)特定のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、(D)特定のポリオキシエチレンアルキルエーテルに加えて、本発明の効果を妨げない範囲で他の界面活性剤を添加することができる。例えば、他のアニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム以外のアルキル硫酸塩、ラウロイルサルコシン塩、ミリスチルサルコシン塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、N−ラウロイルタウリン塩、α−オレフィンスルホン酸塩等が挙げられる。他のノニオン性界面活性剤としては、例えばアルキル基の炭素数が8〜16であるアルキルグリコシド、ショ糖モノ又はジラウレート等の脂肪酸基の炭素数が12〜18であるショ糖脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ステアリン酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ラウロイルジエタノールアミド等のアルキロイルエタノールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ラウリン酸デカグリセリル等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えばアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
これら任意成分としての他の界面活性剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて配合することができ、配合量は通常、組成物全量に対して0.1〜3%であるが、(B)、(C)及び(D)成分の界面活性剤と上記した他の界面活性剤との合計配合量が組成物全体の0.9〜10%となる範囲で配合することが好ましい。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパラテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ぺリラルチン等、防腐剤としては、ブチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン類、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、トリクロサン等の非イオン性抗菌剤、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム等のカチオン性抗菌剤、精油成分等が配合可能である。
各種有効成分としては、必須成分である(A)デキストラナーゼ以外にも他の有効成分を添加することができる。例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第1錫、フッ化ストロンチウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物、トラネキサム酸、イプシロン−アミノカプロン酸、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチオール、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、酢酸dl−トコフェロール、ジヒドロコレステロール、α−ビサボロール、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、アズレン、グリチルレチン、グリチルレチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、クロロフィル、グリセロホスフェートなどのキレート性リン酸化合物、グルコン酸銅等の銅化合物、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、ゼオライト、メトキシエチレン、無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エピジヒドロコレステリン、塩化ベンゼトニウム、塩化ナトリウム、ジヒドロコレステロール、トリクロロカルバニリド、クエン酸亜鉛、トウキ軟エキス、オウバクエキス、カミツレ、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の抽出物などが挙げられる。なお、これらの有効成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
香料は、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及びこれら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料や、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1.2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、メチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、歯磨剤組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができ、実施例の香料に限定されない。
また、香料の配合量も特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料としては、製剤組成中に0.1〜2.0%使用するのが好ましい。
着色剤としては赤色2号、赤色3号、赤色225号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、黄色205号、青色1号、青色2号、青色201号、青色204号、緑色3号が例示される。なお、これら成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
〔実施例、比較例〕
表1,2に示す組成の歯磨剤組成物を下記方法で調製し、最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる直径26cmのラミネートチューブ(LDPE55/PET12/LDPE20/白LDPE60/EMAA20/AL10/EMAA30/LDPE20/LLDPE30,厚み257μm(大日本印刷(株)製))に50g充填し、デキストラナーゼ安定化効果、歯垢除去効果、使用後の異味のなさ、口腔内の清掃実感を以下の方法により評価した。結果を表1,2に示す。
(1)試験歯磨剤組成物の調製
歯磨剤組成物の調製は、精製水にサッカリンナトリウム、ソルビット等の水溶性物質を溶解させた後、アルギン酸ナトリウムなどの粘結剤を分散させたプロピレングリコール液を加え、炭酸水素ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを添加して撹拌した。その後、香料、研磨剤、デキストラナーゼ、ラウリル硫酸ナトリウムの順に加え、更に減圧下(40mmHg)で撹拌し、歯磨剤組成物を得た。なお、製造にはユニミキサー(FM−SR−25、POWEREX CORPORATION社)を用いた。
これらの歯磨剤組成物の調製には、デキストラナーゼ(三共(株)製)、ラウリル硫酸ナトリウム(東邦化学(株)製)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日本エマルジョン(株)製)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(日本エマルジョン(株)製)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(日本エマルジョン(株)製)、炭酸水素ナトリウム(旭硝子(株)製)を用いた。その他、モノフルオロリン酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、プロピレングリコール、ソルビット、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチル、水は、化粧品原料基準規格品を用いた。ソルビットについては、70%水溶液品を用いて歯磨剤を調製しており、表中には70%水溶液の配合量を示した。
使用したラミネートチューブの層構成における略号と名称は以下の通りであり、略号に続く数字は各層の厚み(μm)を示したものである。
LDPE:低密度ポリエチレン
白LDPE:白色低密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン
AL:アルミニウム
EAA:エチレン・アクリル酸の共重合体樹脂
PET:ポリエチレンテレフタレート
EMAA:エチレン・メタクリル酸の共重合体樹脂
SiOx−PET:ガラス蒸着ポリエチレンテレフタレート
(2)デキストラナーゼ安定化効果の評価方法
歯磨剤組成物を、最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる直径26mmのラミネートチューブに50g充填し、40℃で1ヶ月間保存した後、歯磨製剤0.6gを0.1Mリン酸緩衝液15mLで懸濁し、その遠心上清を被検液とした。この被検液1mLを1%デキストラン溶液2mLに加え、40℃の恒温槽で正確に10分間反応させ、生じた還元糖量をソモギーネルソン法を用いて測定した。デキストラナーゼ1単位は、1分間あたりにグルコース1μmolに相当する遊離還元糖を生じるデキストラナーゼの量とし、繰り返し3回の平均値を以下の基準で評価した。
評価基準
◎:デキストラナーゼ残存率95%以上
○:デキストラナーゼ残存率85%以上95%未満
△:デキストラナーゼ残存率75%以上85%未満
×:デキストラナーゼ残存率75%未満
(3)歯垢除去効果の評価方法
ストレプトコッカス ソブライナス(Streptococcus.sobrinus) ATCC 6715を接種し、37℃で16時間培養した培養液50μLを、1%スクロースを含む培地3mLに接種し、37℃で16時間傾斜培養してモデル歯垢を作成した。そこに歯磨製剤を精製水で4倍に希釈した上清液4mLを添加し、37℃で3分間浸漬した後、pH6.0の0.1Mリン酸緩衝液中に37℃で16時間静置した。その後、精製水で剥離した歯垢を洗浄除去した。精製水4mLを加えてから残存歯垢を超音波で分散し、懸濁液の濁度をOD550nmで測定した。歯磨製剤上清液の代わりに精製水で処置したサンプルをコントロールとし、以下の式にて歯垢除去率を算出し、繰り返し6回の平均値で評価した。
歯垢除去率(%)=(1−サンプル濁度/コントロール濁度)×100
評価基準
◎:歯垢除去率40%以上
○:歯垢除去率30%以上40%未満
△:歯垢除去率20%以上30%未満
×:歯垢除去率20%未満
(4)使用後の異味のなさの評価方法
専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。歯磨剤約1gを市販品歯ブラシにのせて3分間ブラッシングを行い、使用後に感じた異味について対照品(比較例7)との比較で下記の4段階で評価し、10名の平均点を次の基準に従い、◎、○、△、×で表に示した。
評価基準
◎:3.5点以上〜4.0点以下
○:3.0点以上〜3.5点未満
△:2.0点以上〜3.0点未満
×:2.0点未満
使用後の異味のなさ(対照品:比較例7)
4:対照品の異味と比較して異味が全くなかった
3:対照品の異味と比較して異味がほとんどなく問題なかった
2:対照品の異味と比較して同等の異味があった
1:対照品の異味と比較してより強い異味があった
(5)口腔内の清掃実感(さっぱり感)の評価方法
専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。歯磨剤約1gを市販品歯ブラシにのせて3分間ブラッシングを行い、使用後に感じた口腔内の清掃実感(さっぱり感)について対照品(比較例5)との比較で下記の4段階で評価し、10名の平均点を次の基準に従い、◎、○、△、×で表に示した。
評価基準
◎:3.0点以上〜4.0点以下
○:2.0点以上〜3.0点未満
△:1.5点以上〜2.0点未満
×:1.5点未満
使用後の口腔内の清掃実感の高さ(対照品:比較例5)
4:対照品の清掃実感と比較して清掃実感が非常に高かった
3:対照品の清掃実感と比較して清掃実感がかなり高かった
2:対照品の清掃実感と比較して清掃実感がやや高かった
1:対照品の清掃実感と比較して同等もしくはそれ以下の清掃実感であった
表1,2の結果から、本発明の(A)〜(E)成分を組み合わせて配合した歯磨剤組成物(実施例1〜16)は、デキストラナーゼの安定化効果が高く、しかも、口腔内のう蝕原因菌に対する歯垢除去効果に優れ、歯磨き後の異味がほとんどなく、口腔内がさっぱりした感覚が満足に得られ、清掃実感も高いことを確認した。
Figure 2008308463
Figure 2008308463
デキストナラーゼ(13000U/g品);三共(株):デキストラナーゼ
ラウリル硫酸ナトリウム;東邦化学(株):ラウリル硫酸ナトリウム
ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油;
日本エマルジョン(株):EMALEX HC−5
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油;
日本エマルジョン(株):EMALEX HC−10
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油;
日本エマルジョン(株):EMALEX HC−20
ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油;
日本エマルジョン(株):EMALEX HC−30
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油;
日本エマルジョン(株):EMALEX HC−40
ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル;
日本エマルジョン(株):EMALEX602
ポリオキシエチレン(3)ステアリルエーテル;
日本エマルジョン(株):EMALEX603
ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル;
日本エマルジョン(株):EMALEX605
ポリオキシエチレン(8)ステアリルエーテル;
日本エマルジョン(株):EMALEX608
ポリオキシエチレン(11)ステアリルエーテル;
日本エマルジョン(株):EMALEX611
ポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル;
日本エマルジョン(株):EMALEX505H
ポリオキシエチレン(5)セチルエーテル;
日本エマルジョン(株):EMALEX705
炭酸水素ナトリウム;旭硝子(株):重炭酸ナトリウム

Claims (2)

  1. デキストラナーゼを含有する歯磨剤組成物に、ラウリル硫酸ナトリウムと、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜30モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、炭素数が14〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜8モルのポリオキシエチレンアルキルエーテルと、炭酸水素ナトリウムを組成物全体の0.1〜1.0質量%とを配合したことを特徴とする歯磨剤組成物。
  2. 更に、シリカ系研磨剤及び水酸化アルミニウムから選ばれる研磨剤を配合した請求項1記載の歯磨剤組成物。
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