JP2008308450A - 眼科用剤およびレチノールパルミチン酸エステルの安定性向上方法 - Google Patents

眼科用剤およびレチノールパルミチン酸エステルの安定性向上方法 Download PDF

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Takao Shimatani
隆夫 島谷
Shizuaki Watanabe
静秋 渡辺
Takashi Araki
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Abstract

【課題】角結膜乾燥症や夜盲症の治療等に有利に利用しうる、レチノールパルミチン酸エステルを安定に配合することのできる眼科用剤の提供。
【解決手段】レチノールパルミチン酸エステルおよびデキストランを含有する眼科用剤およびこれにさらに酢酸d−α−トコフェロールを含有する眼科用剤。レチノールパルミチン酸エステルを含有する眼科用剤において、デキストランを配合することを特徴とするレチノールパルミチン酸エステルの安定性向上方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、レチノールパルミチン酸エステルを含有する安定な眼科用剤に関する。
ビタミンAのエステルであるレチノールパルミチン酸エステルは、角結膜乾燥症や夜盲症に効果があると言われており、当該成分を含有する点眼剤が市販されている。しかしながら、レチノールパルミチン酸エステルには水溶液中での安定性が悪いという欠点があった。
そこで、従来より、種々の安定化手法が提案されている。例えば、非イオン界面活性剤により可溶化したビタミンA類水溶液に、脂溶性抗酸化剤および水溶性抗酸化剤の少なくとも1種以上を配合して容器に充填、密栓し、脱酸素剤とともに、包囲体により密封することを特徴とするビタミンA類可溶化水溶液の安定化法が特許文献1に開示されている。また、ビタミンAパルミテート、ビタミンE類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エチレンジアミン四酢酸またはその塩類を含有する点眼剤が特許文献2に開示されている。さらに、ビタミンA類1重量部に対し非イオン界面活性剤を6.5〜10重量部配合してなる水性製剤において、ビタミンA類またはビタミンA類及びビタミンA類以外の脂溶性ビタミン類の混合物を、非イオン界面活性剤と混合し、水に可溶化配合することを特徴とするビタミンA類可溶化水性点眼剤の調製方法が、特許文献3に開示されている。
しかしながら、上記各技術によってもその安定性効果は未だ十分とは言えず、より安定性の高い処方が求められていた。
特許3199475号 特許2939082号 特許3438264号
本発明は、レチノールパルミチン酸エステルを安定に配合することのできる眼科用剤を提供することをその課題とする。
本発明者らは、レチノールパルミチン酸エステルを安定に点眼液中に含有させることのできる手段について鋭意検討した結果、レチノールパルミチン酸エステルを含有する点眼剤に、デキストランを配合することにより、レチノールパルミチン酸エステルの安定性が向上することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明はレチノールパルミチン酸エステルおよびデキストランを含有する眼科用剤である。
また本発明は、上記眼科用剤に、さらに酢酸d−α−トコフェロールを含有する眼科用剤である。
更に本発明は、レチノールパルミチン酸エステルを含有する眼科用剤において、デキストランを配合することを特徴とするレチノールパルミチン酸エステルの安定性向上方法である。
本発明によれば、レチノールパルミチン酸エステルを安定に含有する眼科用剤を提供することが可能となる。そして、得られた眼科用剤は、水性の眼科用剤、例えば、点眼剤あるいは洗眼剤として角結膜乾燥症や夜盲症の治療等に有利に利用しうるものである。
本発明において、使用されるレチノールパルミチン酸エステル(レチノールパルミテート)は、既にビタミンA類として周知なものである。このレチノールパルミチン酸エステルの、眼科用剤中での配合量は、特に制約されるものではないが、通例、1,000〜100,000I.U./100mL、好ましくは5,000〜50,000I.U./100mL、特に好ましくは10,000〜30,000I.U./100mLの表示量濃度である。
また、本発明において利用されるデキストランも、既に周知の化合物であり、その分子量は通例、30,000〜110,000、好ましくは、45,000〜95,000であり、より好ましくは60,000〜80,000である。デキストランの分子量が上記範囲を超える場合、眼科用剤(薬液)の粘度に大きな影響を与えるため好ましくない。
このデキストランの眼科用剤中での濃度は、レチノールパルミチン酸エステルの安定化に十分な量であれば、その量は特に問わないが、通例0.01〜0.5w/v%、好ましくは0.03〜0.3w/v%、特に好ましくは0.05〜0.2w/v%である。デキストランの濃度が上記範囲を外れると、レチノールパルミチン酸エステルの安定性を担保することが難しくなる。
また、本発明の眼科用剤には、上記したレチノールパルミチン酸エステルおよびデキストランに加え、酢酸d−α−トコフェロールを配合することができる。この酢酸d−α−トコフェロールを配合することにより、眼科用剤に、抗酸化作用、血行促進作用という新しい作用を付加することができる。この酢酸d−α−トコフェロールを使用する場合の配合量は、眼科用剤中、0.005〜0.1w/v%が好ましく、特に0.01〜0.05w/v%が好ましい。
本発明の眼科用剤には、更に必要に応じて、公知の緩衝剤、pH調整剤、溶解補助剤、防腐剤等を適宜配合可能である。
本発明の眼科用剤の調製は、水性液製造の一般的な常法に従って行えばよいが、具体的な方法の一例としては、次の方法を挙げることができる。すなわち、例えば、レチノールパルミチン酸エステル(及び必要により酢酸d−α−トコフェロール)などの脂溶性物質を、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの非イオン界面活性剤により水に可溶化する。ついで、デキストラン等の水性物質を加えて水に溶解し、これに緩衝剤を加えてpHを調整することにより、安定なレチノールパルミチン酸エステル可溶化水性点眼剤を得ることができる。
上のようにして得られる本発明の眼科用剤のpHは、通例、3〜9、好ましくは5〜8であり、より好ましくは6.5〜7.5である。pHが上記範囲を外れると、レチノールパルミチン酸エステルの安定性が低下することがある。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(ニッコールHCO−60)0.2g、酢酸d−α−トコフェロール0.05g、レチノールパルミチン酸エステル(174万国際単位/g)0.0057gおよびジブチルヒドロキシトルエン0.005gの混合物を加温溶解した。
これに、デキストラン0.1g、クエン酸ナトリウム0.7g、グリセリン1.4g、グリチルリチン酸二カリウム0.1g、シアノコバラミン0.01gおよび50%濃ベンザルコニウム塩化物液0.01gを添加、混合し、精製水で全量を100mLとして点眼液を調製した。
この点眼液をガラスアンプルに充填し、50℃で1ケ月保存後、下記方法でレチノールパルミチン酸エステルの残存量を定量し、製造時のレチノールパルミチン酸エステル添加量からレチノールパルミチン酸エステル残存率(%)を測定した。この結果、本製剤のレチノールパルミチン酸エステルの残存率は83.5%であった。
残存率測定方法:
点眼液中のレチノールパルミチン酸エステルの残存量は、長さ150mm、直径3mmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲル充てんカラムを用い、カラム温度は50℃で、移動層には、メタノール/リン酸混液(1000:1)を用いる液体クロマトグラフ法により、280nmのUV吸収を測定することにより求め、これから残存率を算出した。
実 施 例 2
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(ニッコールHCO−60)0.2g、酢酸d−α−トコフェロール0.05g、レチノールパルミチン酸エステル(174万国際単位/g)0.0057gおよびジブチルヒドロキシトルエン0.005gの混合物を加温溶解した。
これに、デキストラン0.1g、クエン酸ナトリウム0.7g、グリセリン1.4g、グリチルリチン酸二カリウム0.1g、シアノコバラミン0.01g、L−アスパラギン酸カリウム0.2g、タウリン0.5g、コンドロイチン硫酸ナトリウム0.5gおよび50%濃ベンザルコニウム塩化物液0.01gを添加、混合し、精製水で全量を100mLとして点眼液を調製した。
この点眼液をガラスアンプルに充填し、50℃で1ケ月保存後、実施例1と同様にしてレチノールパルミチン酸エステルの残存量の定量を行い、レチノールパルミチン酸エステル残存率(%)を測定した。本製剤のレチノールパルミチン酸エステルの残存率は83.4%であった。
比 較 例 1
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(ニッコールHCO−60)0.2g、酢酸d−α−トコフェロール0.05g、レチノールパルミチン酸エステル(174万国際単位/g)0.0057gおよびジブチルヒドロキシトルエン0.005gの混合物を加温溶解した。
これに、クエン酸ナトリウム0.7g、ホウ砂0.02g、グリセリン1.4g、グリチルリチン酸二カリウム0.1g、シアノコバラミン0.01g、L−アスパラギン酸カリウム0.2g、タウリン0.5g、コンドロイチン硫酸ナトリウム0.5gおよび50%濃ベンザルコニウム塩化物液0.01gを添加、混合し、精製水で全量を100mLとして点眼液を調製した。
この点眼液をガラスアンプルに充填し、50℃で1ケ月保存後、実施例1と同様にしてレチノールパルミチン酸エステルの残存量の定量を行い、レチノールパルミチン酸エステル残存率(%)を測定した。本製剤のレチノールパルミチン酸エステルの残存率は71.5%であった。
比 較 例 2
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(ニッコールHCO−60)0.2g、レチノールパルミチン酸エステル(174万国際単位/g)0.0057gおよびジブチルヒドロキシトルエン0.005gの混合物を加温溶解した。
これにクエン酸ナトリウム0.7g、ホウ砂0.01g、グリセリン1.0g、グリチルリチン酸二カリウム0.1g、シアノコバラミン0.01g、L−アスパラギン酸カリウム0.2g、タウリン0.5g、コンドロイチン硫酸ナトリウム0.5gおよび50%濃ベンザルコニウム塩化物液0.01gを添加、混合し、精製水で全量を100mLとして点眼液を調製した。
この点眼液をガラスアンプルに充填し、50℃で1ケ月保存後、実施例1と同様にしてレチノールパルミチン酸エステルの残存量の定量を行い、レチノールパルミチン酸エステル残存率(%)を測定した。本製剤のレチノールパルミチン酸エステルの残存率は60.5%であった。
実施例1、2および比較例1、2の各点眼液について、その成分、性質および残存率を表1にまとめて示す。
Figure 2008308450
以上から明らかなように、デキストランを含有する実施例1および実施例2は、デキストランを含有しない比較例1に比べ、レチノールパルミチン酸エステルの残存率が高かった。さらに酢酸d−α−トコフェロールおよびデキストランを含有しない比較例2と比較した場合では、より顕著な差が認められた。
本発明により得られた、レチノールパルミチン酸エステルを安定に含有する眼科用剤は、点眼剤あるいは洗眼剤等として好適に利用しうるものである。

Claims (4)

  1. レチノールパルミチン酸エステルおよびデキストランを含有することを特徴とする眼科用剤。
  2. さらに酢酸d−α−トコフェロールを含有する請求項1に記載の眼科用剤。
  3. デキストランの分子量が30,000〜110,000である請求項1または2に記載の眼科用剤。
  4. レチノールパルミチン酸エステルを含有する眼科用剤において、デキストランを配合することを特徴とするレチノールパルミチン酸エステルの安定性向上方法。
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