JP2008307896A - 積層フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び該ラベルを装着した容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性、外観に優れ、かつ、高温で処理しても剥離しにくい積層フィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステル系樹脂を主成分とする外層と、熱可塑性樹脂を主成分とする内層と、前記外層と内層との間に配置された接着性樹脂を主成分とする接着層とを有する積層フィルムであって、引き取り方向の一端側の外層面と、引き取り方向の他端側の内層面又は外層面とを引き取り方向に平行となるようにシールして前記積層フィルム上に2〜7mm幅の重ね合わせ部を形成し、90℃で熱処理した後、常温に戻したときに、前記重ね合わせ部でシールされている外層の端面又は外層及び接着層の端面と、接着層及び内層端面又は内層端面との間のズレ幅を、重ね合わせ部の重ね幅の5%以内とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、優れた耐熱性と外観を有し、かつ高温で処理しても剥離しにくい積層フィルム、並びに該積層フィルムを用いた延伸フィルム、熱収縮性ラベル、成形品、及び前記熱収縮性ラベルを装着した容器に関する。
従来、包装材料、カード、容器、その他に広く使用されているプラスチック材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネートなど種々の材料が挙げられるが、これらの材料を単独で使用した場合には、十分な物性を得ることが困難な場合が多い。例えば、ポリエステル樹脂の1種であるポリ乳酸は、単独では脆く耐衝撃性に劣るといった欠点を有するため、これに軟質系樹脂を混合することによりその物性を改良することが知られている(特許文献1参照)。
また、材料単体で作製されたフィルムで生じ得る欠点を改良する手法として、異種材料を積層させたフィルムが知られている。例えば、特許文献2には、ポリスチレン系樹脂からなる内層の両側に、特定のモノマーからなるポリエステル系樹脂からなる外層が積層されたシュリンクラベルが開示されている。このシュリンクラベルは、ポリスチレン系樹脂からなる内層をポリエステル系樹脂からなる外層の間に介在させることにより、シュリンクラベルに要求される低温収縮性と、容器から容易にラベルを引き剥がすために設けられたミシン目におけるカット性に優れるという特徴を有する。さらにこの熱収縮性ラベルは、ポリスチレン系樹脂からなる内層がポリエステル系樹脂からなる外層に覆われているため、耐溶剤性、耐熱性にも優れているという特徴を有する。しかし、この熱収縮性ラベルを容器に装着した場合、該ラベル装着後の製品の輸送中でのフィルム同士の擦れや、人の爪等による引っ掻きにより、内層と外層が剥離してしまうという不具合が発生していた。
そのため、このような積層フィルムでは、通常、剥離を防止する目的で、外層と内層との間に接着を有する接着層を形成させる方法が採用されている。例えば、ポリスチレン系樹脂からなる内層に、オレフィン系樹脂からなる接着層を介してポリエステル系樹脂からなる外層が積層されてなる熱収縮性多層フィルムが開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、特許文献3の熱収縮性多層フィルムを容器に装着すると、熱収縮工程において、内層と外層とが剥離するといった不具合があり、十分な剥離防止効果と優れた外観は得られなかった。
特開平9−111107号公報 特開2002−351332号公報 特開昭61−41543号公報
最近の傾向としては、積層フィルムは、例えば、食品包装の用途として使用される場合、煮沸消毒、加温等の目的により、積層フィルムで食品を包装した状態で、高温雰囲気下で処理されることが多い。さらに、例えば、ペットボトルや金属缶等の容器に装着される熱収縮性フィルムとして用いられる場合でも、ラベリング工程における熱収縮工程を経由させる必要がある。したがって、接着層を介在させた積層フィルムにおいて、高温雰囲気下で処理しても十分な耐剥離性と優れた外観を有する積層フィルムの開発ニーズが高まっているが、満足のいくフィルムは得られていない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の課題は、優れた耐熱性と外観を有し、かつ、高温で処理しても剥離しにくい積層フィルムを提供することにある。
また、本発明のもう一つの課題は、前記積層フィルムを用いた成形品、延伸フィルム、熱収縮性フィルム、該熱収縮性フィルムからなる熱収縮性ラベル、及び該熱収縮性ラベルを装着した容器を提供することにある。
本発明の課題は、少なくとも1種のポリエステル系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる外層と、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる内層と、前記外層と内層との間に配置された、接着性樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる接着層と、を有する積層フィルムであって、フィルムの引き取り方向(MD)の大きさが165mm、その直角方向(TD)の大きさが235mmである矩形の前記積層フィルムにおいて、引き取り方向(MD)の一端側の外層面と、引き取り方向(MD)の他端側の内層面又は外層面とを引き取り方向(MD)に平行となるようにシールして前記積層フィルム上に2〜7mm幅の重ね合わせ部を形成し、90℃で熱処理した後、常温に戻したときに、前記重ね合わせ部でシールされている外層の引き取り方向(MD)の端面又は外層及び接着層の引き取り方向(MD)の端面と、接着層及び内層の引き取り方向(MD)の端面又は引き取り方向(MD)の内層の端面との間のズレ幅が、前記重ね合わせ部の重ね幅の5%以内であることを特徴とする積層フィルムによって解決される。
また、本発明のもう一つの課題は、本発明の積層フィルムを少なくとも一方向に延伸してなる延伸フィルム、熱収縮性フィルム、これらのフィルムを成形してなる成形品、熱収縮性フィルムからなる熱収縮性ラベル、該ラベルを装着した容器により解決される。
本発明によれば、ポリエステル系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる表面層と、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる内層と、接着性樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる接着層とを有する積層フィルムを所定の大きさの矩形フィルム片に切り出した後、該フィルム片のMDの一端側の外層と、他端側の内層又は外層とを所定の幅でシールして重ね合わせ部を形成し、熱処理して常温に戻したときに、該重ね合わせ部の重ね幅に対する外層のMD端面のズレ幅が5%以内であるため、優れた耐熱性と外観とを有し、かつ、高温で処理しても剥離しにくい積層フィルムが得られる。
また、本発明の積層フィルムを用いれば、優れた耐熱性と外観とを有し、高温で処理しても剥離しにくい延伸フィルム、熱収縮性フィルム、成形品、熱収縮性ラベル、及び該ラベルを装着した容器が得られる。
なお、一般に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で提供されるものを称し(日本工業規格JISK6900)、一般的に「シート」とは、日本工業規格(JIS)における定義上、薄く、通常はその厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品を称する。しかし、シートとフィルムの境界は定かではなく、本発明においても文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合、「シート」も含まれるものとする。
以下、本発明の実施形態の一例としての積層フィルム、延伸フィルム、熱収縮性フィルム、熱収縮性ラベル、成形品、前記熱収縮性ラベルを装着した容器(以下、「本発明の積層フィルム」、「本発明の延伸フィルム」、「本発明の熱収縮性フィルム」、「本発明の熱収縮性ラベル」、「本発明の成形品」、及び「本発明の容器」と省略する場合がある。)について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「主成分とする」とは、各層を構成する樹脂の作用・効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨である。さらに、この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、各層の構成成分全体の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上かつ100質量%以下を占める成分である。
[積層フィルム]
本発明の積層フィルムは、ポリエステル系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる外層と、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる内層と、前記外層と内層との間に配置された、接着性樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる接着層とを有する。
<外層>
本発明の積層フィルムの外層は、少なくとも1種のポリエステル系樹脂を主成分として構成される。ポリエステル系樹脂は、フィルム全体に剛性と耐破断性を付与するともに、熱収縮性フィルムの場合、低温収縮を付与しつつ自然収縮を抑える機能を有する。本発明において、ポリエステル系樹脂の種類は前記機能を付与し得るものであれば特に限定されない。ポリエステル系樹脂は単体に限られず、2種類以上のポリエステル系樹脂をブレンドした混合組成物であってもよい。好適なポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分とジオール成分とから誘導される共重合ポリエステル樹脂、ヒドロキシカルボン酸を重合して得られるポリ乳酸系樹脂(以下「PLA系樹脂」という。)、又はこれらの混合物が挙げられる。
ジカルボン酸成分の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレン−ビス−p−安息香酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
ジオール成分の例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−テトラメチル−1, 3−シクロブタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)などが挙げられる。
本発明の積層フィルムの外層で用いられるポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分の少なくとも一方が2種以上の成分からなる混合物であることが好ましい。本明細書では、前記2種以上の成分において、主成分、すなわち最も量(モル%)が多いものを第1成分とし、該第1成分より少量のものを第2成分以降の成分(すなわち、第2成分及びその他の成分であり、具体的には、第2成分、第3成分、・・・第n成分)とする。ジカルボン酸成分とジオール成分とをこのような混合物系にすることにより、得られるポリエステル系樹脂の結晶性が低く抑えることができ、外層を構成する樹脂中に配合された場合であっても、結晶化の進行を抑えることができるため好ましい。
好ましいジオール成分混合物は、第1成分として前記エチレングリコール、第2成分以降の成分として1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及び1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、中でも第2成分は1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
また、好ましいジカルボン酸成分混合物は、第1成分としてテレフタル酸、第2成分以降の成分としてイソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、及びアジピン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、中でも第2成分はイソフタル酸が好ましい。
前記第2成分以降の成分の総量は、前記ジカルボン酸成分の総量(100モル%)と前記ジオール成分の総量(100モル%)との合計(200モル%)に対して、10モル%以上、好ましくは20モル%以上であり、上限は40モル%、好ましくは35モル%であることが望ましい。前記下限値以上の第2成分以降の成分が含まれる場合には、適度な結晶化度を有するポリエステル系樹脂組成物が得られ、また前記上限値以下の第2成分以降の成分が含まれる場合には、第1成分の長所を活かすことができる。例えば、第1成分としてエチレングリコール、第2成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いる場合、1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は、エチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールの総量100モル%とジカルボン酸成分の総量(100モル%)との合計200モル%に対して10モル%以上40モル%以下、好ましくは25モル%以上35モル%以下の範囲である。かかる含有量の範囲内でエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとを使用することによって、得られるポリエステルの結晶性がほとんどなくなり、かつ耐破断性も向上される。
上記のポリエステル系樹脂の重量(質量)平均分子量は、30,000以上、好ましくは35,000以上であり、かつ80,000以下、好ましくは75,000以下、さらに好ましくは70,000以下である。重量(質量)平均分子量が30,000以上であれば、適度な樹脂凝集力が得られ、フィルムの強伸度が不足したり、脆化したりすることを抑えることができる。一方、重量(質量)平均分子量が80,000以下であれば、溶融粘度を下げることができ、製造、生産性向上の観点からは好ましい。
また上記のポリエステル系樹脂の極限粘度(IV)は、0.5dl/g以上、好ましくは0.6dl/g以上、さらに好ましくは0.7dl/g以上であり、かつ1.5dl/g以下、好ましく1.2dl/g以下、さらに好ましくは1.0dl/g以下である。極限粘度(IV)が0.5dl/g以上であれば、フィルム強度特性の低下を抑えることができる。一方、極限粘度(IV)が1.5dl/g以下であれば、延伸張力の増大に伴う破断等を防止できる。
外層で主成分として用いられるポリエステル系樹脂の屈折率は、1.56以上、好ましくは1.565以上であり、かつ1.58以下、好ましくは1.575以下であることが望ましい。上記ポリエステル系樹脂の屈折率が上記範囲内であれば、本発明の積層フィルムの耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂を内層へ添加(以下、「再生添加」と称する)した後の内層の屈折率を所定の範囲(1.55以上1.59以下の範囲)に調整することができる。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、「PETG copolyester6763」(イーストマンケミカル社製)、及び、「SKYGREEN PETG」(SKケミカル社製)等が市販されている。
本発明の積層フィルムの外層として使用されるポリエステル系樹脂が脂肪族ポリエステル系樹脂を主成分とする樹脂組成物である場合、脂肪族ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(ブチレン−サクシネート)(PBS)、ポリ(エチレン−サクシネート)(PES)、ポリ(ブチレン−サクシネート/アジペート)(PBSA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(ブチレン−サクシネート−(δ−オキシカプロエート))(PBSC)などを挙げることができるが、ヒドロキシカルボン酸を重合して得られるPLA系樹脂を好適に使用することができる。
本発明の積層フィルムの外層で好適に使用されるPLA系樹脂の種類は特に制限されないが、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸である共重合体(ポリ(DL−乳酸))、及びこれら共重合体の混合物を好適に用いることができる。
構造単位がL−乳酸及びD−乳酸である共重合体における、D−乳酸とL−乳酸との共重合比は、D−乳酸/L−乳酸=99.5/0.5〜85/15又はD−乳酸/L−乳酸=0.5/99.5〜15/85、好ましくはD−乳酸/L−乳酸=99/1〜87/13又はD−乳酸/L−乳酸=1/99〜13/87である。かかる共重合比のPLA系樹脂であれば、結晶性が低くなりすぎて耐熱性に劣り、フィルム同士の融着が起こるというような不具合が生じることがない。
また、PLA系樹脂として、L−乳酸(以下、L体と称すこともある)とD−乳酸(以下、D体と称すともある)の共重合比が異なる複数のPLA系樹脂をブレンドしたものを用いてもよい。この場合、複数のPLA系樹脂のL体とD体の共重合比の平均値が上記範囲に入るようにブレンドすることが好ましい。
上記PLA系樹脂は、縮合重合法、開環重合法等の各種の公知の方法を採用して重合することができる。例えば、縮合重合法では、L−乳酸又はD−乳酸、あるいはこれらの混合物等を直接脱水縮合重合して、任意の組成を有するPLA系樹脂が得られる。また、開環重合法(ラクチド法)では、乳酸の環状2量体であるラクチドを必要に応じて重合調整剤等を用いながら、適当な触媒、例えばオクチル酸スズ等を使用することによりPLA系樹脂が得られる。ラクチドには、L−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、さらに、L−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより任意の組成、結晶性を有するPLA系樹脂が得られる。
本発明において、耐熱性を向上させる等の目的で、上記PLA系樹脂の本質的な性質を損なわない範囲、すなわち、PLA系樹脂成分が外層全体に対して90質量%以上含有され得るような範囲内であれば、少量の共重合成分として、乳酸以外のα−ヒドロキシカルボン酸、テレフタル酸等の非脂肪族ジカルボン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の非脂肪族ジオール、エチレングリコール等の脂肪族ジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。また、分子量増大を目的として、少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物等を使用することもできる。
乳酸以外のα−ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、及び、ドデカン二酸等が挙げられる。
乳酸と、α−ヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジオール、又は脂肪族ジカルボン酸との共重合体の共重合比は乳酸:α−ヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジオール、又は脂肪族ジカルボン酸=90:10〜10:90の範囲であることが好ましく、80:20〜20:80の範囲であることがより好ましく、30:70〜70:30の範囲であることがさらに好ましい。共重合比が上記範囲内であれば、剛性、透明性、耐衝撃性などの物性バランスの良好なフィルムを得ることができる。
上記PLA系樹脂の重量(質量)平均分子量は、50,000以上、好ましくは75,000以上、さらに好ましくは100,000以上であり、かつ、400,000以下、好ましくは300,000以下、さらに好ましくは250,000以下である。PLA系樹脂の重量(質量)平均分子量が小さすぎると機械物性や耐熱性等の実用物性がほとんど発現されず、大きすぎると溶融粘度が高くなりすぎて成形加工性に劣ることがある。
本発明に好ましく使用されるPLA系樹脂の代表的なものとしては、三井化学社製の「レイシア」、Nature Works LLC社製の「Nature Works」等が商業的に入手されるものとして挙げられる。
また、本発明においては、耐衝撃性や耐寒性を向上させる等のために、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の脂肪族ポリエステル樹脂や、芳香族ポリエステル樹脂などを、PLA系樹脂100質量部に対して70質量部以下の範囲でブレンドしてもよい。このような脂肪族ポリエステル樹脂としては、例えば、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル等のPLA系樹脂を除く脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
具体的には、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステルは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオール、又はこれらの無水物や誘導体と、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、又はこれらの無水物や誘導体の中からそれぞれ1種類以上選んで縮合重合することにより得られる。この際に、必要に応じてイソシアネート化合物等を添加することにより、所望のポリマーを得ることができる。
また、耐熱性や機械強度を高めるために、ジカルボン酸成分として50モル%以下のテレフタル酸などの芳香族モノマー成分を共重合してもよい。このような成分を含むPLA系樹脂として、例えば、商品名「イースターバイオ」(イーストマンケミカルズ社製)や、商品名「エコフレックス」(BASF社製)が挙げられる。
また、環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステルとしては、環状モノマーとして、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等から1種類以上を選択して、重合することにより得られる脂肪族ポリエステルが挙げられる。このように、ε−カプロラクトンを開環縮合して得られるものとしては、例えば「セルグリーン」(ダイセル化学工業社製)などが商業的に入手できる。
また、合成系脂肪族ポリエステルとしては、無水コハク酸等の環状酸無水物と、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のオキシラン類との共重合体等が挙げられる。
さらに、本発明の積層フィルムは、PLA系樹脂とジオールとジカルボン酸の共重合体も好適に用いることができる。この共重合体の構造としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が挙げられ、いずれの構造でもよい。但し、フィルムの耐衝撃性及び透明性の観点から、ブロック共重合体又はグラフト共重合体が好ましい。
PLA系樹脂とジオールとジカルボン酸とのランダム共重合体の具体例としては、例えば「GS−Pla」(三菱化学社製)が挙げられ、またブロック共重合体又はグラフト共重合体の具体例としては、例えば「プラメート」(大日本インキ化学工業社製)が挙げられる。
<内層>
本発明の積層フィルムの内層は、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる。内層を構成する熱可塑性樹脂の種類としては、接着層を構成する接着性樹脂と接着し得る樹脂組成物であれば特に限定されないが、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂が好適に用いられる。
内層を構成する樹脂組成物としてポリスチレン系樹脂を用いる場合、熱収縮性フィルムとしての用途で使用可能とする観点からは、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体が好適に用いられる。なお、本明細書において使用される「ブロック共重合体」は、ブロックごとに樹脂がピュアーになっているピュアーブロック、共重合成分が混合してブロックを形成しているランダムブロック、共重合成分濃度がテーパーになったテーパードブロック等のいずれも含む。
スチレン系炭化水素としては、例えば、スチレン、(p−、m−又はo−)メチルスチレン、(2,4−、2,5−、3,4−又は3,5−)ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン;(p−、m−又はo−)メトキシスチレン、(o−、m−又はp−)エトキシスチレン等のアルコキシスチレン;(o−、m−、又はp−)カルボキシメチルスチレン等のカルボキシアルキルスチレン;p−ビニルベンジルプロピルエーテル等のアルキルエーテルスチレン;p−トリメチルシリルスチレン等のアルキルシリルスチレン;さらにはビニルベンジルジメトキシホスファイド等が挙げられる。該スチレン系炭化水素ブロックは、これらの単独重合体、これらの共重合体及び/又はスチレン系炭化水素以外の共重合可能なモノマーをブロック内に含んでいてもよい。
共役ジエン系炭化水素としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、共役ジエン系炭化水素ブロックは、これらの単独重合体、それらの共重合体及び/又は共役ジエン系炭化水素以外の共重合可能なモノマーをブロック内に含んでよい。
本発明で好ましく使用されるスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体の一つは、スチレン系炭化水素がスチレンであり、共役ジエン系炭化水素がブタジエンである、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体(SBS)である。SBSはスチレン/ブタジエンの質量%比が60〜95/5〜40程度であることが好ましく、より好ましくは60〜90/10〜40程度である。さらに、メルトフローレート(MFR)測定値(測定条件:温度200℃、荷重49N)は、2g/10分以上、好ましくは3g/10分以上であり、かつ15g/10分以下、好ましくは10g/10分以下であることが望ましい。
本発明において、内層の主成分を構成する樹脂組成物がポリスチレン系樹脂である場合、ポリスチレン系樹脂は単体であっても、2種以上の混合樹脂であっても構わない。但し、内層を構成するポリスチレン系樹脂の単体又は混合樹脂の屈折率は、良好な透明性を確保し、例えば、裏印刷された場合においても印刷柄を明確に視認できるため、優れた外観を得る観点からは、1.54以上、好ましくは1.55以上、より好ましくは1.56以上、さらに好ましくは1.57以上であり、かつ上限が1.59以下、好ましくは1.585以下、さらに好ましくは1.58以下であることが望ましい。
一般に、積層フィルムを製造する場合、クリップ部をスリットしたり、製品幅に応じてスリットを行ったりした場合には製品とならない部分(トリミングロス等)が発生する。このような非製品部分は、通常、押出時に再生品として添加(再生添加)される。本発明のように積層フィルムの場合には上記スリットされた非製品部分(再生品)に外層、内層、及び接着層の原料が混在することとなる。このような混在物を内層又は外層に再生添加すると透明性が低下することがある。そのため、透明性を必要とする用途においては、その透明性を維持するために外層、内層及び接着層を構成する樹脂の屈折率は可能な限り近づける必要がある。
外層を構成する樹脂の屈折率は、構成するポリエステル系樹脂の共重合モノマーによって多少変化するが、ポリエステル系樹脂の多くは1.55以上1.585以下の範囲となる。したがって、外層を構成する樹脂の屈折率を所定の範囲に設定することによって、外層樹脂と内層樹脂と接着層樹脂の混合品を内層及び/又は外層に再生添加した場合においてもフィルムの透明性を維持することが可能となる。
一方、内層をポリスチレン系樹脂で構成する場合、内層を構成する樹脂の屈折率を所定の範囲に調整するためには、前記スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体を用いることが好ましい。前記スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体は、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との組成比を調整することによって、その屈折率をほぼ所望の値に調整することが可能である。該所定の屈折率は、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体の単体、又は2以上の種類の混合樹脂でも達成することができる。したがって、内層の主成分として用いられるスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体の屈折率は、1.54以上、好ましくは1.55以上、より好ましくは1.555以上であり、かつ1.60以下、好ましくは1.59以下、さらに好ましくは1.585以下であることが望ましい。
内層を構成する樹脂として2以上のポリスチレン系樹脂を用いる場合、上記屈折率は、各単体の樹脂の屈折率を質量分率で加成計算することによって決定することができる。例えば、スチレン/ブタジエン=95/5のスチレン−ブタジエンブロック共重合体の場合にはブロック構造等によって変化するため一概には言えないが、おおよそ屈折率が1.587となるため、この共重合体を混合する場合には屈折率の低いスチレン−ブタジエンブロック共重合体等とブレンドすることにより、平均屈折率を所定の囲内に調整することができる。
上記スチレン−ブタジエンブロック共重合体は、例えば、旭化成ケミカルズ(株)社製:アサフレックスシリーズ、電気化学工業(株)社製:クリアレンシリーズ、シェブロンフィリップス社製:Kレジン、BASF社製:スタイロラックス、アトフィナ社製:フィナクリアなどが市販されている。
上記ポリスチレン系樹脂としては、スチレン−イソプレン−ブタジエンブロック共重合体(SIBS)も好適に用いることができる。SIBSにおいて、スチレン/イソプレン/ブタジエンの質量%比は、60〜85/10〜40/5〜30であることが好ましく、60〜80/10〜25/5〜20であることがさらに好ましい。また、メルトフローレート(MFR)測定値(測定条件:温度200℃、荷重49N)は2g/10分以上、好ましくは3g/10分以上であり、かつ15g/10分以下、好ましくは10g/10分以下である。ブタジエン含有量とイソプレン含有量とが上記範囲内であれば、押出機内部等で加熱されたブタジエンの架橋反応を抑制し、ゲル状物の発生を抑えられるほか、原料単価も低く抑えることができるので好ましい。
上記スチレン−イソプレン−ブタジエンブロック共重合体は、例えば、旭化成ケミカルズ(株)社製:アサフレックスIシリーズが市販されている。
上記ポリスチレン系樹脂の重量(質量)平均分子量(Mw)は、100,000以上、好ましくは150,000以上であり、500,000以下、好ましくは400,000以下、さらに好ましくは300,000以下の範囲である。ポリスチレン系樹脂の重量(質量)平均分子量が100,000以上であれば、フィルムの劣化が生じるような欠点もなく好ましい。さらに、ポリスチレン系樹脂の重量(質量)平均分子量が500,000以下であれば、流動特性を調整する必要なく、押出性が低下するなどの欠点もないため好ましい。
上記ポリスチレン系樹脂の0℃での貯蔵弾性率(E’)は、1.00×109Pa以上、好ましくは1.50×109Pa以上であり、3.00×109Pa以下、好ましくは2.50×109Pa以下である。0℃での貯蔵弾性率(E’)はフィルムの剛性、つまりフィルムの腰の強さを表す。上記下限値以上の貯蔵弾性率を有することにより、透明性に加え、剛性を備えたフィルムを得ることができる。かかる貯蔵弾性率は、上記のポリスチレン系樹脂、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素ブロック共重合体、2以上の混合樹脂、又は透明性を損なわない範囲で他の樹脂とのブレンドによって達成してよい。
混合樹脂系又は他の樹脂とのブレンド系にする場合には、耐破断性を担わせる樹脂と、剛性を担わせる樹脂を選択すると、良好な結果を得ることができることが見出された。すなわち、耐破断性の高いポリスチレン系樹脂等と、剛性の高いポリスチレン系樹脂等又は他の樹脂とを組み合わせて、所望の屈折率及び所望の貯蔵弾性率(E’)を満たすようにできる。
耐破断性を担うポリスチレン系樹脂等としては、0℃の貯蔵弾性率が1.00×108Pa以上1.00×109Pa以下で、損失弾性率のピーク温度の少なくとも一つが−20℃以下にある粘弾性特性を有するSBSが好ましい。損失弾性率のピーク温度において低温側の温度は主に耐破断性を示す。該特性は延伸条件によって変化するが、延伸前の状態で損失弾性率のピーク温度が−20℃以下であれば、十分なフィルム破断性を積層フィルムに付与することができる。
剛性を担うポリスチレン系樹脂等としては、0℃での貯蔵弾性率(E’)が2.00×109Pa以上のスチレン系炭化水素からなる共重合体、例えばブロック構造を制御したスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素ブロック共重合体、ポリスチレン、スチレン系炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体が例示される。
ブロック構造を制御したスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素ブロック共重合体としては、0℃での貯蔵弾性率(E’)が2.00×109Pa以上、好ましくは2.50×109Pa以上であり、4.00×109Pa以下、好ましくは3.00×109Pa以下であるSBSが挙げられる。これを満たすSBSのスチレン−ブタジエンの組成比は、スチレン/ブタジエン=95/5〜80/20程度で調整されることが好ましい。またブロック共重合体の構造及び各ブロック部分の構造としてはランダムブロック及びテーパードブロックであることが好ましい。
収縮特性を制御するためには、ポリスチレン系樹脂の損失弾性率のピーク温度が40℃以上にあることが好ましい。また、より好ましくは40℃以下には明確な損失弾性率のピーク温度がないことが好ましい。損失弾性率のピーク温度が40℃まで見かけ上存在しない場合、ほぼポリスチレンと同様な貯蔵弾性率特性を示すため、フィルムの剛性を付与することが可能となる。また、40℃以上、好ましくは40℃以上90℃以下に損失弾性率のピーク温度が存在する。このピーク温度は主に収縮率に影響を及ぼす因子であり、この温度が40℃以下にある場合には自然収縮が低下してしまい、また90℃以上にある場合には低温収縮性が低下してしまう。
上記粘弾性特性を満たすことが可能となる重合方法を以下に例示する。スチレン又はブタジエンの一部を仕込んで重合を完結させた後、スチレンモノマーとブタジエンモノマーとの混合物を仕込んで重合反応を続行させる。このようにすると重合活性の高いブタジエンの方から優先的に重合し、最後にスチレンの単独モノマーからなるブロックが生じる。例えば、先ずスチレンを単独重合させて重合を完結させた後、スチレンモノマーとブタジエンモノマーとの混合物を仕込んで重合を続行させると、スチレンブロックとブタジエンブロックとの間に、スチレンとブタジエンとのモノマー比が次第に変化するスチレン−ブタジエン共重合体部位をもつスチレン−ブタジエンブロック共重合体が得られる。このような部位を導入することによって上記粘弾性特性を持つポリマーを得ることが可能となる。この場合には前述した様なブタジエンブロックとスチレンブロックに起因する2つのピークが明確には確認することができず、見かけ上、一つのピークのみが存在するように見えるようになる。つまりピュアーブロックやブタジエンブロックが明確に存在するランダムブロックのSBSのようなブロック構造ではブタジエンブロックに起因するTgが0℃以下に主に存在してしまうため、0℃での貯蔵弾性率を所定値以上にすることが難しくなる。
また、重量(質量)平均分子量は、メルトフローレート(MFR)測定値(測定条件:温度200℃、荷重49N)が2g/10分以上15g/10分以下で調整される。この剛性を付与するスチレン−ブタジエンブロック共重合体のブレンド量は、その積層フィルムの特性に応じて適宜調整されるが、例えば、熱収縮性フィルムの場合、大体20質量%以上70質量%以下の範囲で調整されることが好ましい。ブレンド量が70質量%以下であれば、耐破断性を大幅に低下させることなく、フィルムの剛性を大幅に向上させることができる。また、20質量%以上であればフィルムに対する剛性付与効果がある。
剛性を担う樹脂としてブレンドされるポリスチレン系樹脂としては、重量(質量)平均分子量(Mw)が100,000以上500,000以下の一般用ポリスチレン樹脂(GPPS)が好ましい。該ポリスチレンはガラス転移温度(損失弾性率のピーク温度)が100℃程度と非常に高いため、ブレンド量としては20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下であることが望ましい。ブレンド量が20質量%以下であれば、積層フィルムの低温での熱収縮率を、すなわち70℃の温水に10秒間浸漬した後の熱収縮率を10%以上とすることができる。
剛性を担う樹脂としてブレンドされるスチレン系炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体におけるスチレン系炭化水素としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等が好ましく、脂肪族不飽和カルボン酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が好ましい。ここで、(メタ)アクリレートとはアクリレート及び/メタクリレートを示している。好ましくは、スチレンとブチル(メタ)アクリレートとの共重合体が使用される。より好ましくは、スチレンが70質量%以上90質量%以下の範囲であり、ガラス転移温度(損失弾性率のピーク温度)が50℃以上90℃以下、メルトフローレート(MFR)測定値(測定条件:温度200℃、荷重49N)が2g/10分以上15g/10分以下のものが使用される。
該スチレン系炭化水素と脂肪族カルボン酸エステル共重合体のブレンド量は、その組成比によって適宜調節されるが、内層を構成する樹脂の総質量に対し、20質量%以上70質量%以下の範囲で調整される。ブレンド量が70質量%以下であれば、耐破断性を大幅に低下させることなく、フィルムの剛性を大幅に向上させることができる。また、20質量%以上であれば、フィルム剛性効果を発現することができる。
また本発明の積層フィルムの内層は、ポリオレフィン系樹脂(以下「PO系樹脂」という。)を好適に用いることができる。
本発明の積層フィルムの内層で用いられるPO系樹脂の種類は特に限定されない。使用可能なPO系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体などのエチレン系共重合体が挙げられる。中でも、熱収縮率と成形性との観点から、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、又はこれらの混合物を用いることが好ましい。ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂は、重合方法や共重合成分などにより多様な種類が存在するため、その範囲に特に限定されるものではない。好ましい種類を以下に示す。
本発明の積層フィルムの内層で用いられるポリエチレン系樹脂としては、通常、密度が0.94g/cm3以上0.97g/cm3以下の高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、密度が0.92g/cm3以上0.94g/cm3以下の中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、密度が0.92g/cm3未満の低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)が挙げられる。この中でも延伸性、フィルムの耐衝撃性、透明性等の観点からは、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)が特に好適に用いられる。
上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)としては、エチレンと炭素数3以上20以下、好ましくは炭素数4以上12以下のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が例示される。この中でも1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好適に用いられる。また、共重合するα−オレフィンは1種のみを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いても構わない。
また、上記ポリエチレン系樹脂の好ましい密度としては、下限が、0.800g/cm3以上が好ましく、0.850g/cm3以上がより好ましく、0.900g/cm3以上がさらに好ましく、また上限が、0.950g/cm3以下が好ましく、0.940g/cm3以下がより好ましく、0.930g/cm3以下がさらに好ましい。例えば、熱収縮性フィルムの場合、密度が0.800g/cm3以上であれば、フィルム全体の腰(常温での剛性)や耐熱性を著しく低下させないため、実用上好ましい。一方、密度が0.950g/cm3以下であれば、低温での延伸性が維持され、実用温度域(70℃以上90℃以下程度)において十分な熱収縮率が得られる点で好ましい。
上記ポリエチレン系樹脂は、メルトフローレート(MFR:JIS K7210、温度:190℃、荷重:21.2N)が0.1g/10分以上10g/10分以下のものが好適に用いられる。MFRが0.1g/10分以上であれば、押出加工性を良好に維持でき、一方、MFRが10g/10分以下であれば積層フィルムの厚み斑や力学強度の低下を起こしにくく、好ましい。
次に、本発明の積層フィルムの内層で用いられるポリプロピレン系樹脂としては、ホモプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンゴムなどが挙げられる。これら中でも延伸性、透明性、剛性などの観点から、ランダムポリプロピレン樹脂が特に好適に使用される。
上記ランダムポリプロピレン樹脂において、プロピレンと共重合させるα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数2以上20以下、より好ましくは炭素数4以上12以下のものが挙げられ、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどを例示できる。本発明においては、延伸性、熱収縮特性、フィルムの耐衝撃性や透明性、剛性等の観点から、α−オレフィンとしてエチレン単位の含有率が2質量%以上10質量%以下のランダムポリプロピレンが特に好適に用いられる。また、共重合するα−オレフィンは1種のみを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いても構わない。
また、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、MFR(JIS K7210、温度:230℃、荷重:21.2N)は、好ましくは0.5g/10分以上、より好ましくは1.0g/10分以上であり、かつ、好ましくは15g/10分以下、より好ましくは10g/10分以下である。
これらポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂は、より具体的には、ポリエチレン系樹脂として、商品名「ノバテックHD、LD、LL」「カーネル」「タフマーA,P」(日本ポリエチ社製)、「サンテックHD,LD」(旭化成社製)、「HIZEX」「ULTZEX」「EVOLUE」(三井化学社製)、「モアテック」(出光興産社製)、「UBEポリエチレン」「UMERIT」(宇部興産社製)、「NUCポリエチレン」「ナックフレックス」(日本ユニカー社製)、「Engage」(ダウケミカル社製)等として市販されている。また、ポリプロピレン系樹脂として、商品名「ノバテックPP」「WINTEC」「タフマーXR」(日本ポリプロ社製)、「三井ポリプロ」(三井化学社製)、「住友ノーブレン」「タフセレン」「エクセレンEPX」(住友化学社製)、「IDEMITSU PP」「IDEMITSU TPO」(出光興産社製)、「Adflex」「Adsyl」(サンアロマー社製)等として市販されている。これらの共重合体は、各々単独に、又は2種以上を混合して使用することができる。
また、PO系樹脂としては、エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体も好適に用いることができる。エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体を例示すれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性、経済性の観点からエチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好適に使用される。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体のエチレン含有率は50質量%以上、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、かつ95質量%以下、好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下であるものが望ましい。エチレン含有率が50質量%以上であれば、フィルム全体の剛性と耐熱性とを良好に維持できる。またエチレン含有率が95質量%以下であれば、フィルムの耐破断性に対する効果が十分に得られるほか、透明性も維持できるため好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の市販品としては、例えば、「エバフレックス」(三井デュポンポリケミカル社製)、「ノバテックEVA」(三菱化学社製)、「エバスレン」(大日本インキ化学工業社製)、「エバテート」(住友化学社製)が挙げられる。また、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)の市販品としては、例えば「エバフレックスEEA」(三井デュポンポリケミカル社製)、エチレン−メチルアクリレート共重合体としては「エルバロイAC」(三井デュポンポリケミカル社製)等がそれぞれ挙げられる。
上記エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体のMFRは、特に制限されるものではないが、MFR(JIS K7210、温度:190℃、荷重:21.2N)は、好ましくは0.5g/10分以上、より好ましくは1.0g/10分以上であり、かつ、好ましくは15g/10分以下、より好ましくは10g/10分以下である。
上記PO系樹脂の重量平均分子量は、50,000以上、好ましくは100,000以上であり、700,000以下、好ましくは600,000以下、さらに好ましくは500,000以下である。PO系樹脂の重量平均分子量が上記範囲内であれば、所望の機械物性や耐熱性等の実用物性を発現でき、また適度な溶融粘度が得られ、良好な成形加工性が得られる。
また、上記PO系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等が挙げられる。
さらに、本発明においては、PO系樹脂に収縮率を調整するなどの用途のため、必要に応じて石油樹脂などを適当量添加することができる。石油樹脂を添加することにより、低温での延伸性が維持でき、熱収縮特性の向上が期待できる。
上記石油樹脂としては、シクロペンタジエン又はその二量体からの脂環式石油樹脂やC9成分からの芳香族石油樹脂が挙げられる。石油樹脂は、PO系樹脂等に混合した場合に比較的良好な相溶性を示すことが知られているが、色調、熱安定性及び、相溶性から水素添加誘導体を用いることが好ましい。
具体的には、三井化学社製の商品名「ハイレッツ」、「ペトロジン」、荒川化学工業社製の商品名「アルコン」、出光石油化学社製の商品名「アイマーブ」、トーネックス社製の商品名「エスコレッツ」等の市販品を用いることができる。
石油樹脂は、主に分子量に応じて種々の軟化温度を有するものがあるが、本発明においては、軟化温度が100℃以上150℃以下、好ましくは110℃以上140℃以下のものが好適に用いられる。ここで、軟化温度が100℃以上であれば、PO系樹脂に混合した際に、シート表面に石油樹脂がブリードし、ブロッキングを招いたり、シート全体の機械的強度が低下して破れやすくなったりすることがなく、実用的好ましい。一方、150℃以下であれば、PO系樹脂との相溶性が良好に維持され、経時的にフィルム表面に石油樹脂がブリードし、ブロッキングや透明性の低下を招いたりすることがなく、好ましい。
上記石油樹脂の混合量は、内層を構成するPO系樹脂100質量部に対し、5質量部以上80質量部以下であることが好ましい。ここで、石油樹脂の混合量が5質量部以上であれば、フィルム表面の光沢度や収縮特性の向上効果が得られる。一方、80質量部以下であれば、経時的にフィルムの表面に石油樹脂がブリードし、フィルム同士がブロッキングしやすくなったり、耐衝撃性が低下したりするなどの問題の発生を抑えることができる。これらのことから内層に添加する石油樹脂の混合量は、内層を構成するPO系樹脂100質量部に対し、10質量部以上60質量部以下であることがより好ましい。
内層を構成する樹脂組成物がPO系樹脂である場合、良好な透明性及び再生添加時の透明性を維持する観点からは、PO系樹脂の屈折率は、1.40以上、好ましくは1.45以上、より好ましくは1.47以上であり、かつ1.55以下、好ましくは1.53以下、さらに好ましくは1.50以下であることが望ましい。
本発明の積層フィルムでは、内層を構成する熱可塑性樹脂としてポリアミド系樹脂(以下、「PA系樹脂」という。)を用いることもできる。PA系樹脂としては、耐ピンホール性の観点からはナイロン系樹脂(Ny)を用いることが好ましい。Nyとしては、例えば、6ナイロン、66ナイロン、69ナイロン、6−66ナイロン、12ナイロン、11ナイロン、610ナイロン、612ナイロン、6I−6Tナイロン、MXD6ナイロン等の縮合単位の重合体又はこれら2種以上との共重合体、さらにはこれらの混合物を挙げることができる。中でも6ナイロンや6−66ナイロンを用いることが好ましい。
本発明の積層フィルムは、内層に外層で用いられる樹脂組成物を含ませることもできる。内層に外層で用いられる樹脂組成物を含ませることにより、フィルムのリサイクルに貢献するとともに、フィルムの耐破断性の向上が期待できる。内層に添加できる外層を構成する樹脂の含有量は、内層を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは23質量部以下である。内層を構成する樹脂100質量部に対し、外層を構成する樹脂を30質量部以下とすることにより、得られる積層フィルムの透明性を維持できる。
<接着層>
本発明の積層フィルムにおいて、接着層で使用される接着性樹脂は、外層のポリエステル系樹脂に対して反応性又は親和性を有する部位と、内層の熱可塑性樹脂と親和性を有する部位とを兼ね備えた樹脂が好適に用いられる。
ここで、「ポリエステル系樹脂に対し反応性又は親和性を有する」とは、ポリエステル系樹脂と親和性の高い官能基又はポリエステル系樹脂と反応し得る官能基を有することを意味する。このような特性を有する官能基の例としては、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸塩化物基、カルボン酸アミド基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸塩化物基、スルホン酸アミド基、スルホン酸塩基、エポキシ基、アミノ基、イミド基、又はオキサゾリン基などの官能基が挙げられ、中でも酸無水物基、カルボン酸基、又はカルボン酸エステル基が好ましい。
また、「熱可塑性樹脂と親和性を有する部位」とは、例えば、内層を形成する熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合、ポリオレフィン系樹脂と親和性のある連鎖を有することを意味し、また、例えば、内層を形成する熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂である場合、ポリスチレン系樹脂と親和性のある連鎖を有することを意味する。内層にポリオレフィン系樹脂を用いた場合にて、より詳しく述べるならば、直鎖又は分岐した飽和炭化水素部位を主鎖、あるいはブロック鎖、グラフト鎖として有することを意味する。具体例としては、ポリオレフィン系樹脂あるいはスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体を水素添加した樹脂、例えば、スチレン−エチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体などが挙げられる。
上記接着性樹脂としては、下記の(a−1)、(a−2)及び(a−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の共重合体又は樹脂組成物が好適に用いられる。
(a−1)芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体の水素添加物、及び、それら芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体もしくはその水素添加物に極性基を導入した樹脂化合物
(a−2)エチレン単量体単位と、酢酸ビニル、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エチル、メチル(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸グリシジルからなる群より選ばれる1種の単位とからなる共重合体(以下「エチレン系共重合体」という。)
(a−3)変性ポリオレフィン樹脂
まず、芳香族系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体若しくはこれらの共重合体の水素添加誘導体(a−1)について説明する。
芳香族系炭化水素としては、スチレンが好適に用いられ、α−メチルスチレン等のスチレン系同族体等も用いることができる。また、共役ジエン系炭化水素としては、1,3−ブタジエン、1,4−ブタジエン、1,2−イソプレン、1,4−イソプレン、1,3−ペンタジエン等が用いられ、これらは水素添加誘導体であってもよい。これらは単独で、又は2種以上を混合して用いてもよい。
上記芳香族系炭化水素と共役ジエン炭化水素との共重合体又はその水素添加誘導体において、芳香族炭化水素の含有量は、共重合体全体の質量を基準(100質量%)として、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、かつ、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下である。
芳香族系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体の水素添加誘導体としては、スチレン−共役ジエン系共重合体の水素添加誘導体を好ましく用いることができる。スチレン−共役ジエン系共重合体の水素添加誘導体の詳細な内容及びその製造方法については、特開平2−158643号公報、特開平2−305814号公報及び、特開平3−72512号公報に開示されている。
芳香族系炭化水素−共役ジエン系炭化水素共重合体は、上記例示した各々の共重合体を単独に、又は、2種以上を混合して使用することができる。2種以上を混合して使用する場合には、混合樹脂全体として芳香族炭化水素の含有量が上記の範囲になるように配合比が調整される。
芳香族系炭化水素−共役ジエン系炭化水素共重合体の市販品としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体として、商品名「タフプレン」(旭化成ケミカル社製)、商品名「アサフレックス」(旭化成ケミカル社製)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加誘導体として、商品名「タフテックH」(旭化成ケミカルズ社製)、商品名「クレイトンG」(クレイトンジャパン社製)、スチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加誘導体として、商品名「ダイナロン」(JSR社製)、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添加誘導体として、商品名「セプトン」(クラレ社製)、スチレン−ビニルイソプレンブロック共重合体エラストマーとして、商品名「ハイブラー」(クラレ社製)、等が挙げられる。
また、上記芳香族系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体又はその水素添加誘導体に極性基を導入したものとしては、無水マレイン酸変性SEBS、無水マレイン酸変性SEPS、エポキシ変性SEBS、エポキシ変性SEPS等が代表的に挙げられる。これらの共重合体は、各々単独に、又は2種以上を混合して使用することができる。無水マレイン酸で酸変性を行う場合には、無水マレイン酸変性量は0.5質量%以上、好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上であり、5.0質量%以下、好ましくは4.0質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以下であることが望ましい。無水マレイン酸変性量が上記範囲であれば、層間剥離の問題も生じることなく、良好な剥離強度を維持することができる。
具体的には、商品名「タフテックM」(旭化成ケミカルズ社製)、「エポフレンド」(ダイセル化学社製)等が市販されている。
次に、エチレン系共重合体(a−2)について説明する。上記エチレン系共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(EMA)、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メチル(メタ)アクリル酸共重合体(EMMA)、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体が挙げられる。中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(EMA)、エチレン−メチル(メタ)アクリル酸共重合体(EMMA)を好適に使用できる。
上記エチレン系共重合体は、エチレン単量体単位の含有率が50質量%以上、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上であり、95質量%以下、好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下であることが望ましい。エチレン単量体単位の含有率が95質量%以下であれば、柔軟性を十分に維持でき、フィルムに応力が加わった場合に、外層と内層の間に生じる応力への緩衝作用が働くため、常温における層間剥離を抑制することができる。
上記エチレン系共重合体は、MFR(JIS K7210、温度:190℃、荷重:21.2N)が0.1g/10分以上10g/10分以下のものが好適に用いられる。MFRが0.1g/10分以上であれば、押出加工性を良好に維持でき、一方、MFRが10g/10分以下であれば積層フィルムの厚み斑や力学強度の低下を起こしにくく、好ましい。
上記エチレン系共重合体の市販品としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体として、商品名「エバフレックス EV40LX」(三井・デュポンポリケミカル社製)、エチレン−アクリル酸共重合体として、商品名「NUCコポリマー」(日本ユニカー社製)、「エバフレックス−EEA」(三井・デュポンポリケミカル社製)、「レクスパールEAA」(日本ポリエチレン社製)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体として、商品名「エルバロイ」(三井・デュポンポリケミカル社製)、「レクスパールEMA」(日本ポリエチレン社製)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体として、商品名「レクスパールEEA」(日本ポリエチレン社製)、エチレン−メチル(メタ)アクリル酸共重合体として、商品名「アクリフト」、(住友化学社製)、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸三元共重合体として、商品名「ボンダイン」(住友化学社製)、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体として、商品名「ボンドファースト」(住友化学社製)などが挙げられる。
次に、変性ポリオレフィン樹脂(a−3)について説明する。本発明において、変性ポリオレフィン樹脂とは、不飽和カルボン酸又はその無水物、あるいはシラン系カップリング剤で変性されたポリオレフィンを主成分とする樹脂をいう。不飽和カルボン酸又はその無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、あるいはこれらの誘導体のモノエポキシ化合物と上記酸とのエステル化合物、分子内にこれらの酸と反応し得る基を有する重合体と酸との反応生成物等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用することができる。これらの中でも、無水マレイン酸がより好ましく用いられる。また、これらの共重合体は、各々単独に、又は2種以上を混合して使用することができる。
また、シラン系カップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリアセチルオキシシラン等を挙げることができる。
変性ポリオレフィン樹脂を製造するには、例えば、予めポリマーを重合する段階でこれらの変性モノマーを共重合させることもできるし、一旦重合したポリマーにこれらの変性モノマーをグラフト共重合体させることもできる。また変性は、これらの変性モノマーを単独で又は複数を併用し、その含有率が0.1質量%以上5質量%以下の範囲のものが好適に使用される。この中でもグラフト変性したものが好適に用いられる。
具体的には、商品名「アドマー」(三井化学社製)、「モディック」(三菱化学社製)等が市販されている。
上記(a−1)、(a−2)及び(a−3)の共重合体又は樹脂は、単独で又は2種以上を混合して使用することもでき、(a−1)と(a−2)又は(a−1)と(a−3)との混合樹脂組成物であることが好ましい。具体的には、常温付近又は常温以下に貯蔵弾性率と損失弾性率の比から算出される損失正接(tanδ)のピークが存在する、軟質の芳香族系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体、又はその水素添加物と、50℃から100℃における貯蔵弾性率(E’)が100Mpa以上である硬質の芳香族系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体との混合樹脂組成物であることがさらに好ましい。混合樹脂組成物中における前記軟質の芳香族系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体、またはその水素添加物と前記硬質の芳香族系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体の混合比は、80:20であることが好ましく40:60であることがより好ましく、30:70であることがさらに好ましい。混合比が上記範囲であれば、前記硬質の芳香族系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体により接着層の耐熱性が向上し、高温で積層フィルムの外層と内層が剥離することがなく、実用上好ましい。また、前記軟質の芳香族系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体、又はその水素添加物の混合比が減少するに従い、常温における剥離強度は低下するものの、ラベル装着後の製品の輸送中でのフィルム同士の擦れや、人の爪等による引っ掻きにより、内層と外層とが剥離することがなく、実用上、必要な接着強度を保持できる。
本発明の積層フィルムにおいて、接着層で使用される接着性樹脂は、ポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、若しくは極性基を有する変性剤により変性したポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、又はこれらの混合樹脂組成物を主成分とする樹脂組成物も好適に用いることができる。
接着層を構成する主成分としてポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、極性基を有する変性剤により変性したポリエステル系エラストマーを含有する樹脂、又はこれらの樹脂の混合樹脂組成物を主成分とする樹脂組成物を用いることにより、エラストマー特有の粘着力による層間剥離の抑制が可能となり、かつポリエステル系エラストマーを構成するポリエステル成分と、外層を構成するポリエステル系樹脂との親和性により、より強固な層間剥離強度を付与できる。
前記ポリエステル系エラストマーは、低いガラス転移温度を有し、エントロピー弾性を発現する柔軟なポリエーテル単位、ポリエステル単位、ポリカーボネート単位等からなるソフトセグメントと、塑性変形を防止する結晶性の硬質な高融点ポリエステルブロック単位からなるハードセグメントとにより構成されるブロック共重合体である。ポリエステル系エラストマーには極性基を有する変性剤により変性したポリエステル系エラストマーも含まれる。
前記ポリエステル系エラストマーを構成するハードセグメントとしては、例えば、ポリブチレンテレフタレート単位、ポリブチレンナフタレート単位、ポリブチレンイソフタレート単位等や、これらのハードセグメント単位骨格が共重合されたものが挙げられる。一方、ソフトセグメントとしては、例えば、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール単位、ポリ(ε−カプロラクトン)単位、脂肪族ポリカーボネートジオール単位等や、これらのソフトセグメント単位骨格が共重合されたものが挙げられる。前記共重合体はピュアーブロック共重合体、ランダムブロック共重合体、テーパードブロック共重合体、マルチブロック共重合体、さらには、上記ハードセグメント又は上記ソフトセグメント、あるいはその共重合体を主骨格とし、その側鎖に上記ソフトセグメント又は上記ハードセグメント、あるいはその共重合体を有するグラフト共重合体等を含み、共重合の形態は特に限定されない。また、そのブロック単位も繰り返し単位がいくつ重なってもよい。また、上記セグメントから構成されるポリエステル系エラストマー樹脂に極性基を有する変性剤により変性したポリエステル系エラストマーも含まれる。
中でもポリエステル系エラストマーとして、ポリブチレンテレフタレート−ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール共重合体やポリブチレンテレフタレート−ポリブチレンイソフタレート−ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール共重合体を好適に用いることができる。
前記ポリエステル系エラストマー中のハードセグメントの含有率は、ハードセグメントとソフトセグメント全量に対して50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは75質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上である。ハードセグメントの含有率が50質量%以上であれば、第2層を構成するポリエステル系樹脂との親和性の効果が十分に作用するとともに、高温雰囲気下においても、ポリエステル系エラストマーの耐熱性が保たれるため、高温雰囲気下での層間接着強度の低下が生じることなく、積層体の形状を十分に保持することができる。
前記ポリエステル系エラストマーのハードセグメントを構成するポリブチレンテレフタレート単位等の数平均分子量は、400以上、好ましくは1,000以上、さらに好ましくは2,000以上であり、10,000以下、好ましくは8,000以下、さらに好ましくは6,000である。ハードセグメントの数平均分子量が400以上10,000以下の範囲内にあれば、ポリエステル系エラストマーの耐熱性を保持することができ、高温雰囲気下での層間接着強度の低下が生じることなく、積層体の形状を十分に保持することができるため好ましい。
一方、前記ポリエステル系エラストマーのソフトセグメントを構成するポリアルキレンオキシグリコール単位等の数平均分子量は、500以上、好ましくは800以上、さらに好ましくは1,000以上であり、かつ3,000以下、好ましくは2,500以下、さらに好ましくは2,000以下である。ソフトセグメントの数平均分子量が500以上3,000以下であれば、エラストマー成分特有の粘着力を十分に得られることができ、層間剥離強度を向上させるため好ましい。
ポリエステル系エラストマーの具体的な商品を例示すれば、「プリマロイAシリーズ」「プリマロイBシリーズ」(三菱化学株式会社)、「ペルプレンPシリーズ」(東洋紡株式会社)、「ハイトレル」(東レ・デュポン株式会社)等が挙げられる。
また、極性基を有する変性剤により変性されたポリエステル系エラストマー(以下、「変性ポリエステル系エラストマー」という。)の極性基としては、例えば、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸塩化物基、カルボン酸アミド基、カルボン酸塩基、スルボン酸基、スルボン酸エステル基、スルボン酸塩化物基、スルボン酸アミド基、スルボン酸塩基、エポキシ基、アミノ基、イミド基、又はオキサゾリン基などの官能基が挙げられ、中でも酸無水物基、カルボン酸基、又はカルボン酸エステル基が好ましい。
変性ポリエステル系エラストマーの具体的な商品を例示すれば、例えば「プリマロイAPシリーズ」(三菱化学株式会社)等が挙げられる。
接着層で使用されるポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、又は変性ポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物は、これらの単体に限られず、2種類以上を混合して用いてもよい。その場合、混合量は用いる樹脂の特性に応じて適宜決定することができる。
本発明の積層フィルムにおける接着層は、ポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物及び変性ポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物以外に、例えば、炭化水素樹脂類、スチレン系樹脂類を0.1質量%以上40質量%以下含有することができる。炭化水素樹脂類を含有させた場合、ハードセグメントの結晶化を抑制し、柔軟性や粘着性を付与できる。また、スチレン系樹脂類を含有させた場合、ポリエステル系エラストマーの耐熱性を向上させ、第3層を構成するポリスチレン系樹脂との親和性を付与することができる。
本発明の積層フィルムにおいて、上記接着性樹脂組成物は、振動周波数10Hz、歪み0.1%の条件下での50℃から100℃の温度域における貯蔵弾性率(E’)が10MPa以上、好ましくは 50MPa以上、さらに好ましくは100MPa以上であり、2,000MPa以下、好ましくは1,500MPa以下、さらに好ましくは1,000MPa以下であることが望ましい。50℃から100℃における貯蔵弾性率(E’)が10MPa以上であれば、熱収縮ラベルとして用いた場合に、ボトルへの装着工程でフィルムを加熱収縮した際にも、フィルムの剛性が十分にあるため、シワや縦引けを抑制することができる。一方、貯蔵弾性率(E’)が1,000MPa以下であれば、低温での延伸性が良好であり、熱収縮率が確保できるため好ましい。
本発明の積層フィルムにおいて、50℃から100℃における貯蔵弾性率(E’)を前記範囲に調整するためには、接着層を構成する樹脂組成物を本発明で記載するように調整することで可能となるが、特に示差走査熱量計(DSC)にて測定した際、結晶融解ピークが80℃以上に少なくとも1つ以上有する熱可塑性樹脂を使用することで達成し易く、そのほかにフィルム全体に対する外層の厚み比率を上げるなどの手段を用いることも有効である。
<重ね合わせ部におけるズレ幅>
次に、本発明の積層フィルムにおける重ね部のズレ幅について図面を用いて説明する。
図1から図5において、符号100は本発明の積層フィルム片、符号2は外層、符号4は接着層、符号6は内層、符号8は重ね合わせ部、符号8wは重ね幅、符号10は外層2の端面、符号12は接着層4の端面、符号14は内層6の端面、符号16はシール部、符号18はズレ、符号18wはズレ幅、符号Aは一端側、符号Bは他端側をそれぞれ意味する。
図1から図4は、本発明の好適な実施態様を示す図面である。図1及び2は、上から外層2、接着層4、内層6の順に積層させたフィルムの重ね合わせ部8付近における断面図であり、図3及び4は、上から外層2、接着層4、内層、接着層4、外層2の順に積層させたフィルムの重ね合わせ部8付近における断面図である。また各図面のうち(a)は熱処理前の状態を示す図面であり、(b)は熱処理後に重ね合わせ部においてフィルムの外層又は外層及び接着層と内層との間でズレを生じた状態を示す図面である。図5(a)は、本発明の積層フィルムを引き取り方向(MD)165mm、その直角方向(TD)235mmの大きさの矩形に切り出したフィルム片100を示し、図5(b)は、フィルム片100を引き取り方向(MD)の一端側Aの外層面と、引き取り方向(MD)の他端側Bの内層面又は外層面とを引き取り方向(MD)に平行となるようにシールした積層フィルム上に2〜7mm幅の重ね合わせ部8を形成した状態を説明する図面である。
図5に示すように、本発明の積層フィルムは、製造されたフィルムロールから引き取り方向(MD)に165mm、その直角方向(TD)に235mmの矩形のフィルムを切り出し、フィルム片100とする。次いで、フィルム片100のMDの一端側Aの外層2の表面と、他端側Bの内層面又は外層面とをMDに平行となるようにシールして積層フィルム上に2〜7mm幅の重ね合わせ部8を形成し、90℃で熱処理を行う。本発明において「90℃で熱処理する」とは、90℃の温水、シリコンオイル又は熱風の中で、5秒間処理した状態を意味する。
90℃の熱処理後、常温に戻した場合、本発明の積層フィルムは、重ね合わせ部8でシールされている外層2のMDの端面10又は外層2及び接着層4のMDの端面10,12と、接着層2及び内層4のMDの端面12,14又は内層6の端面14との間のズレ18のズレ幅18wが、重ね合わせ部8の重ね幅8wに対して5%以内である。
図1は、外層2と内層6との間に接着層4を有する3種3層のフィルムの例である。本発明の積層フィルム片100を90℃で熱処理した後、常温に戻したときに、重ね合わせ部8でシールされている外層の引き取り方向(MD)の端面10と、接着層4及び内層6の引き取り方向(MD)の端面12,14との間にズレ18が生じた状態を示している。この場合、ズレ幅18が重ね合わせ部8の重ね幅8wに対して5%以内である。
図2は、図1と同様、3種3層の例であり、前記熱処理後、常温に戻したときに、重ね合わせ部8でシールされている外層2及び接着層4の引き取り方向(MD)の端面10,12と、内層6の引き取り方向(MD)の端面14との間にズレ18が生じた状態を示している。この場合においても、ズレ幅18は重ね合わせ部8の重ね幅8wに対して5%以内である。
図3及び4は、外層2、接着層4、内層6、接着層4、外層の3種5層の例を示す。図3は、前記熱処理後、常温に戻したときに、重ね合わせ部8でシールされている外層2の引き取り方向(MD)の端面10と、接着層4、内層6、接着層4、外層6の引き取り方向(MD)の端面12,14,12,10との間にズレ18が生じた状態を示している。図4は、前記熱処理後、常温に戻したときに、重ね合わせ部8でシールされている外層2及び接着層4の引き取り方向(MD)の端面10,12と、内層6、接着層4、外層6の引き取り方向(MD)の端面14,12,10との間にズレ18が生じた状態を示している。これらの場合においても、ズレ幅18は重ね合わせ部8の重ね幅8wに対して5%以内である。
従来のポリエステル系樹脂からなる外層を有する積層フィルムは、熱処理を施した場合、外層と接着層との間、又は接着層と内層との間で剥離するという現象が見られ、良好な外観が得られないという問題があった。これに対し、本発明の積層フィルムは、熱処理を施しても外層と接着層との間又は接着層と内層との間で剥離が起こりにくく、優れた外観が得られる。
本発明の積層フィルムにおいて、剥離のし易さは、シール後の外層と接着層、又は接着層と内層との間に生じるズレによって表すことができる。すなわち、本発明の積層フィルムでは、90℃で熱処理した後、常温に戻したときに、前記重ね合わせ部でシールされている外層の引き取り方向(MD)の端面又は外層及び接着層の引き取り方向(MD)の端面と、接着層及び内層の引き取り方向(MD)の端面又は引き取り方向(MD)の内層の端面との間のズレ幅が重ね合わせ部の重ね幅に対して5%以内、好ましくは3%以内、さらに好ましくは2%以内である。熱処理後の重ね合わせ部におけるズレが5%以内であれば、熱処理後においても一方の外層と接着層又は接着層と内層との間で剥離がなく、優れた外観を維持できる。
上記重ね合わせ部は、引き取り方向(MD)の一端側の外層面と、引き取り方向(MD)の他端側の内層面又は外層面とを引き取り方向(MD)に平行となるようにシールして前記積層フィルム上に2〜7mm幅で重ね合わせて形成される部分である。一端側の外層と他端側の内層又は外層をシールするために使用される溶媒としては、ペンタン、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸−n−プロピル、四塩化炭素、キシレン、酢酸エチル、トルエン、ベンゼン、メチルメチルケトン、酢酸メチル、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、アセトン、イソプロパノール、エタノール、メタノール、または、これら溶剤の少なくとも2種の溶剤からなる混合溶剤を挙げることができる。また、シール幅は少なくとも2mm幅以上、好ましくは3mm幅以上であり、7mm幅以下、好ましくは5mm以下である。
<フィルムの層構成>
本発明の積層フィルムは、外層(S層)と内層(M層)との間に接着層(AD層)を有する少なくとも3層構成のものであれば、特に限定されるものではない。ここで、内層(M層)は、単層でも多層でもよく、また多層の場合にはその中に外層(S層)と同様の層を有してもかまわない。
本発明において好適な積層構成は、外層(S層)/接着層(AD層)/内層(M層)/接着層(AD層)/表面層(S層)からなる5層構成であり、この層構成を採用することにより、本発明の目的である優れた耐熱性と外観とを併せ持ち、かつ高温で処理しても剥離しにくい積層フィルムを得ることができる。
次に、本発明の好適な実施形態の1つである外層(S層)と内層(M層)と接着層(AD層)からなる(S層)/(AD層)/(M層)/(AD層)/(S層)の5層構成のフィルムについて説明する。
各層の厚み比は、上述した効果及び作用を考慮して設定すればよく、特に限定されるものではない。本発明においては、外層(S層)のフィルム全体の厚みに対する厚み比は10%以上、好ましくは20%以上であり、上限が75%、好ましくは65%以下である。また内層(M層)のフィルム全体の厚みに対する厚み比は20%以上、好ましくは30%以上であり、上限は80%以下、好ましくは70%以下である。さらに接着層(AD層)はその機能から、0.5μm以上、好ましくは1μm以上であり、かつ6μm以下、好ましくは5μm以下の範囲である。各層の厚みが上記範囲内であれば、耐熱性と外観に優れ、かつ高温で処理した後においても剥離しにくい、積層フィルムが得られる。
本発明の積層フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、通常20μm以上、好ましくは30μm以上であり、かつ70μm以下、好ましくは60μm以下の厚さである。ここで、厚さが20μm以上であれば、フィルムのハンドリング性が良好であり、一方、60μm以下であれば透明性や収縮加工性に優れ、経済的にも好ましい。また、必要に応じて、コロナ処理、印刷、コーティング、蒸着等の表面処理や表面加工、さらには、各種溶剤やヒートシールによる製袋加工やミシン目加工などを施すことができる。
本発明の積層フィルムの透明性は、例えば、厚み50μmのフィルムを日本工業規格JIS K7105に準拠して測定した場合、ヘーズ値は10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。ヘーズ値が10%以下であれば、フィルムの透明性が得られ、ディスプレー効果を奏することができる。
また、本発明の積層フィルムは、外層と内層、接着層、好ましくは内層に、各層を構成する樹脂の総量に対し、30質量%以下、好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下の範囲でフィルムを再生添加した場合においても、厚み50μmのフィルムをJIS K7105に準拠して測定した場合におけるヘーズ値が10%以下、好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下であることが好ましい。再生添加後のヘーズ値が10%以下であれば、再生フィルムにおける良好な透明性を維持することができる。
<用途>
本発明の積層フィルムは、延伸することで引張強度、衝撃強度も上昇するので、延伸フィルムとして好適に使用することができる。また、延伸後、熱固定温度を調整することで熱収縮性フィルムとして使用することもできる。その他、各種の成形品にも好適に使用することができる。
次に、本発明の積層フィルムを熱収縮性フィルムとして使用する場合について説明する。
外層を構成するポリエステル系樹脂は、フィルムに剛性、耐破断性を付与し、低温収縮を付与しつつ自然収縮を抑えることが可能である。しかし、ポリエステル系熱収縮性フィルムでは、均一な収縮が得られないため、収縮ムラ等の収縮仕上がり不良の問題やラベル用途などでは主収縮方向と垂直な方向への収縮が生じてしまい、外観不良を起こす問題が生じる。そこで、外層をポリエステル系樹脂、内層を熱可塑性樹脂でそれぞれ主成分として構成することによって、上記課題を解決可能とする。すなわち、内層を主成分としてポリスチレン系樹脂で構成することにより、ポリエステル系樹脂のみでは解決が困難であった収縮仕上がり性、そして主にラベル用途において主収縮方向と直交する方向の熱収縮を抑えることが可能となり、その結果、剛性、耐破断性、低自然収縮性を兼ね備えつつ、収縮仕上がり性を向上させることが可能となる。
本発明の積層フィルムが熱収縮性フィルムである場合、80℃温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が10%以上、好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上であり、かつ75%以下、好ましくは70%以下、好ましくは65%以下であることが望ましい。また、70℃温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が5%以上、好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上であり、40%以下、好ましくは35%以下であることが望ましい。
なお、「主収縮方向」とは、フィルムの縦方向(長手方向)とフィルムの横方向(幅方向)のうち熱収縮率の大きい方向を意味し、例えば、ボトルに装着する場合にはその外周方向に相当する方向を意味し、「直交方向」とは主収縮方向と直交する方向を意味する。
上記温度における熱収縮率は、ペットボトルの収縮ラベル用途等の比較的短時間(数秒〜十数秒程度)での収縮加工工程への適応性を判断する指標となる。例えばペットボトルの収縮ラベル用途に適用される熱収縮性フィルムに要求される必要収縮率はその形状によって様々であるが一般に20%以上70%以下程度である。
また、現在ペットボトルのラベル装着用途に工業的に最も多く用いられている収縮加工機としては、収縮加工を行う加熱媒体として水蒸気を用いる蒸気シュリンカーと一般に呼ばれているものである。さらに熱収縮性フィルムは被覆対象物への熱の影響などの点からできるだけ低い温度で十分熱収縮することが必要である。しかしながら、温度依存性が高く、温度によって極端に収縮率が異なるフィルムの場合、蒸気シュリンカー内での温度斑により収縮挙動の異なる部位が発生し易いため、収縮斑、皺、アバタなどが発生し収縮仕上がり外観が悪くなる傾向にある。これら工業生産性も含めた観点から、熱収縮率が上記条件の範囲内にあるフィルムであれば、収縮加工時間内に十分に被覆対象物に密着でき、かつ収縮斑、皺、アバタが発生せず良好な収縮仕上がり外観を得ることが出来きるため、好ましい。
また、本発明の積層フィルムが熱収縮性ラベルとして使用される場合、縦方向(主収縮方向に対して垂直方向)の収縮率は、80℃温水中で10秒間加熱したときは10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、また70℃温水中で10秒間加熱したときは、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。ここで、主収縮方向と直交する方向の熱収縮率が10%以下のフィルムであれば、収縮後の主収縮方向と直交する方向の寸法自体が短くなったり、収縮後の印刷柄や文字の歪み等が生じやすかったり、角型ボトルの場合においては縦ひけ等のトラブルが発生し難く、好ましい。
本発明の積層フィルムが熱収縮性フィルムとして用いられる場合、剛性の点から、フィルムの主収縮方向と直交する方向の引張弾性率が1,300MPa以上であることが好ましく、1,400MPa以上であることがさらに好ましい。また、通常使用される熱収縮性フィルムの引張弾性率の上限値は、3,000MPa程度であり、好ましくは2,900 MPa程度であり、さらに好ましは2,800MPa程度である。フィルムの主収縮方向と直交する方向の引張弾性率が1,300MPa以上であれば、フィルム全体としての剛性を高くすることができ、特にフィルムの厚みを薄くした場合においても、ペットボトルなどの容器に製袋したフィルムをラベリングマシン等で被せる際に、斜めに被ったり、フィルムの腰折れなどで歩留まりが低下したりしやすいなどの問題点が発生し難く、好ましい。なお、各フィルムのMDおよび直交方向(TD)についての引張弾性率の平均値は1,500MPa以上であることが好ましく、1,700MPa以上であることがさらに好ましい。上記引張弾性率は、日本工業規格JIS K7127に準じて、23℃の条件で測定することができる。
また、フィルム主収縮方向の引張弾性率はフィルムの腰強さが出れば特に制限はないが、1,500MPa以上、好ましくは2,000MPa以上、さらに好ましくは2,500MPa以上であり、上限は6,000MPa以下、好ましくは4,500MPa以下、さらに好ましくは3,500MPa以下であることが好ましい。フィルムの主収縮方向の引張弾性率を上記範囲にすることにより、双方向においてフィルムの腰の強さを高めることができるため好ましい。
本発明の積層フィルムを熱収縮性フィルムとして使用した場合、その自然収縮率はできるだけ小さいほうが望ましい。しかしながら、一般的に熱収縮性フィルムの自然収縮率は、例えば、30℃で30日間保存した後の自然収縮率が1.5%以下、好ましくは1.0%以下であることが望ましい。上記条件下における自然収縮率が1.5%以下であれば作製したフィルムを長期保存する場合であっても容器等に安定して装着することができ、実用上問題を生じにくい。
本発明の積層フィルムを熱収縮性フィルムとして使用した場合における耐破断性は、引張破断伸度により評価され、0℃環境下の引張破断試験において、特にラベル用途ではフィルムの引き取り(流れ)方向(MD)で伸び率が100%以上、好ましくは200%以上、さらに好ましくは300%以上である。0℃環境下での引張破断伸度が100%以上であれば、印刷・製袋などの工程時にフィルムが破断するなどの不具合を生じにくくなり、好ましい。また、印刷・製袋などの工程のスピードアップにともなってフィルムに対してかかる張力が増加するような際にも、引張破断伸度が200%以上あれば破断し難く、さらに好ましい。
本発明の積層フィルムを熱収縮性フィルムとして使用した場合におけるシール強度は、後述する実施例で記載された測定方法(23℃50%RH環境下で、T型剥離法にてTD方向に試験速度200mm/分で剥離する方法)を用いて3N/15mm幅以上、好ましくは5N/15mm幅以上、より好ましくは7N/15mm幅以上である。また、層間剥離強度の上限は特に制限されないが、フィルム表面の耐溶剤性の観点から15N/15mm幅程度であることが好ましい。
本発明の積層フィルムは、シール強度が少なくとも3N/15mm幅であるため、使用時にシール部分が剥がれてしまう等のトラブルが生じることもない。また、本発明の積層フィルムを熱収縮させた後における層間剥離強度も良好であり、熱収縮前の前記層間剥離強度と同等の強度を維持することができる。
本発明の積層フィルムが熱収縮性フィルムである場合、被包装物によってフラット状から円筒状等に加工して包装に供される。ペットボトル等の円筒状の容器で印刷を要する物にとっては、まずロールに巻き取られた広幅のフラットフィルムの一面に必要な画像を印刷し、そしてこれを必要な幅にカットしつつ印刷面が内側になるように折り畳んでセンターシール(シール部の形状はいわゆる封筒貼り)して円筒状とすれば良い。センターシール方法としては、有機溶剤による接着方法、ヒートシールによる方法、接着剤による方法、インパルスシーラーによる方法が考えられる。この中でも、生産性、見栄えの観点から有機溶剤による接着方法が好適に使用される。
<積層フィルムの製造方法>
本発明の積層フィルムは、公知の方法によって製造することができる。フィルムの形態としては平面状、チューブ状の何れであってもよいが、生産性(原反フィルムの幅方向に製品として数丁取りが可能)や内面に印刷が可能という点から平面状が好ましい。平面状のフィルムの製造方法としては、例えば、複数の押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイから共押出し、チルドロールで冷却固化し、縦方向にロール延伸をし、横方向にテンター延伸をし、アニールし、冷却し、(印刷が施される場合にはその面にコロナ放電処理をして、) 巻取機にて巻き取ることによりフィルムを得る方法が例示できる。また、チューブラー法により製造したフィルムを切り開いて平面状とする方法も適用できる。また、内層を構成する樹脂および外層を構成する樹脂を別々にシート化した後にプレス法やロールニップ法などを用いて積層してもよい。
溶融押出された樹脂は、冷却ロール、空気、水等で冷却された後、熱風、温水、赤外線等の適当な方法で再加熱され、ロール法、テンター法、チューブラー法等の各方法により1軸又は2軸に延伸することができる。
PETボトル用熱収縮性ラベルのようにほぼ一軸方向の収縮特性を必要とする用途の場合でも、その垂直方向に収縮特性を阻害しない範囲で延伸をすることも効果的である。その延伸温度は、積層構成や配合樹脂にも依存するが、典型的には80℃以上110℃以下である。さらにその延伸倍率については大きくなるほど耐破断性は向上するものの、それに伴い収縮率が上がってしまい良好な収縮仕上がりを得ることが困難となることより1.03倍以上1.5倍以下であることが非常に好ましい。
[成形品、熱収縮性ラベル及び容器]
本発明の積層フィルムは、耐熱性、外観特性、透明性等に優れているため、その用途が特に制限されるものではないが、必要に応じて印刷層、蒸着層その他機能層を形成することにより、ボトル(ブローボトル)、トレー、弁当箱、総菜容器、乳製品容器等で用いられる様々な成形品として用いることができる。特に本発明の積層フィルムを食品容器(例えば清涼飲料水用または食品用のPETボトル、ガラス瓶、好ましくはPETボトル)用熱収縮性ラベルとして用いる場合、複雑な形状(例えば、中心がくびれた円柱、角のある四角柱、五角柱、六角柱など)であっても該形状に密着可能であり、シワやアバタ等のない美麗なラベルが装着された容器が得られる。本発明の成形品および容器は、通常の成形法を用いることにより作製することができる。
本発明の積層フィルムは、優れた耐熱性と外観を有するため、高温に加熱すると変形を生じるようなプラスチック成形品の熱収縮性ラベル素材のほか、熱膨張率や吸水性等が本発明の熱収縮性フィルムとは極めて異なる材質、例えば金属、磁器、ガラス、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれる少なくとも1種を構成素材として用いた包装体(容器)の熱収縮性ラベル素材として好適に利用できる。
本発明の積層フィルムが利用できるプラスチック包装体を構成する材質としては、上記の樹脂の他、ポリスチレン、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。これらのプラスチック包装体は2種以上の樹脂類の混合物でも、積層体であってもよい。
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に示すが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、実施例では積層フィルムの引き取り(流れ)方向をMD(Machine Direction)、その直角方向をTD(Transverse Direction)と記載する。
[評価方法]
(1)収縮率測定
得られたフィルムをMD100mm、TD100mmの大きさに切り出し、このサンプルを80℃の温水浴に10秒間浸漬させ、その後30秒間23℃の冷水に浸漬した後の標線間隔(A)を測定し、下式(1)により収縮率を算出した。
収縮率(%)=100×(100−A)/100・・・式(1)
(2)貯蔵弾性率(E’)
得られたフィルムをTD4mm、MD60mmの大きさに切り出し、サンプルとした。粘弾性スペクトロメーターDVA−200(アイティー計測(株)製)を用い、振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分、チャック間2.5cmの条件の下、測定温度が−150℃から150℃の範囲で、MDについて動的粘弾性を測定した。
(3)剥離評価
得られたフィルムをTDに235mm幅にスリットし、製袋機にてTDの両端を10mm重ねてフィルム端面を各種溶剤にて幅4mmでシールし、円筒状フィルムを作製した。この円筒状フィルムをMD(TD方向と直交する方向)に165mmに切り出し、容量500mLの円筒型ペットボトルに装着し、蒸気加熱方式の長さ3.2m(3ゾーン)の収縮トンネル中を回転させずに、約5秒間で通過させた。各ゾーンでのトンネル内雰囲気温度は、蒸気量を蒸気バルブで調整し、70〜105℃の範囲とした。フィルム被覆後は、下記基準で評価した。
◎:フィルムの重ね合わせ部の重ね幅に対して、装着ラベルの端面におけるズレ幅が0%以上2%未満である。
○:フィルムの重ね合わせ部の重ね幅に対して、装着ラベルの端面におけるズレ幅が2%以上5%以下である。
×:フィルムの重ね合わせ部の重ね幅に対して、装着ラベルの端面におけるズレ幅が5%より大きく、装着ラベルの外層と内層が剥離している。
(実施例1)
外層で使用する樹脂組成物として、ポリ乳酸「NatureWorks4060」(NatureWorks社製、D体比率12%;以下、「S−1」という。)を60質量%、ポリ乳酸「NatureWorks4042」(NatureWorks社製、D体比率4.25%;以下、「S−2」という。)を30質量%、及び、乳酸系共重合体「プラメートPD−150」(大日本インキ社製;以下「S−3」という。)を10質量%混合し、二軸押出機で混練りし、混合樹脂組成物ペレットを作製した(以下、「混合樹脂組成物A1」という。)。
接着層で使用する樹脂組成物として、スチレン−ビニルイソプレンブロック共重合体エラストマー「ハイブラー7125」(クラレ社製、SIS水素添加物;以下「AD−1」という。)30質量%、及びスチレン−ブタジエンブロック共重合体(スチレン単位とブタジエン単位の質量比:スチレン/ブタジエン=82/18、貯蔵弾性率E’(0℃):1.44×109Pa、損失弾性率E”のピーク温度:−84℃、200℃、荷重49NでのMFR=6.8g/10分;以下「AD−2」という。)70質量%を混合し、二軸押出機で混練りし、混合樹脂組成物ペレットを作製した(以下、「混合樹脂組成物B1」という。)。
内層で使用する樹脂組成物として、ポリエチレン樹脂「ユメリット0540F」(宇部興産社製;以下「M−1」という。)45質量%と、ポリプロピレン樹脂「ノーブレンFH3315」(住友化学社製;以下「M−2」という。)32質量%、及び、水添石油樹脂「アルコンP125」(荒川化学社製;以下「M−3」という。)14質量%、混合樹脂組成物A1:8質量%、混合樹脂組成物B1:1質量%とからなる混合樹脂組成物100質量部に対し、エチレン−メタクリル酸−グリシジルメタクリレート共重合体「ボンドファースト7M」(住友化学社製;以下「C−1」という。)と変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体「ダイナロン8630P」(JSR社製;以下「C−2」という。)をと半々ずつ混合した樹脂混合物2質量部を配合してなる樹脂組成物(以下、「樹脂組成物C1」という。)を二軸押出機で混練りし、混合樹脂組成物ペレットを作製した。
混合樹脂組成物A1、混合樹脂組成物B1、及び混合樹脂組成物C1を用いて、3台の押出機から各樹脂を押出し、混合樹脂組成物A1と混合樹脂組成物B1は各2つの流路に分離し、5層の口金内で再度積層して、外層(混合樹脂組成物A1)/接着層(混合樹脂組成物B1)/内層(混合樹脂組成物C1)/接着層(混合樹脂組成物B1)/外層(混合樹脂組成物A1)からなる5層積層シートを50℃のロールに密着し、各層の厚みが、30μm/5μm/180μm/5μm/30μmとなった無延伸フィルムを得た。
次いでこの無延伸フィルムを165mm×235mmの大きさに切り出し、両端部にアセトン/エタノールを体積分率にて半々で混合した溶剤(以下「溶剤1」という。)を塗布して外層同士を重ね合わせて重ね合わせ部(シール幅:4mm)を形成した後、90℃の温水中に5秒間浸して観察した。
その結果、ボイル処理後でも無延伸フィルム1の外層と内層は剥離せず、かつシール部における両層のズレ幅が重ね幅の0.5%であり、優れた外観を維持していた。これにより積層フィルム1の食品包装用途としての使用可能性を確認できた。
(実施例2)
実施例1における無延伸フィルムを京都機械株式会社製フィルムテンターにて、予熱温度80℃、延伸温度78℃で横一軸方向に5.0倍延伸後、90℃にて熱処理を行い、厚さ50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。
得られた熱収縮性積層フィルムをTDに235mm幅でスリットし、製袋機にて幅方向の両端を10mm重ねてフィルム端面を各種溶剤にてシール幅4mmでシールし、円筒状フィルムを作製した。この円筒状フィルムをMDに165mm幅で切り出し、容量500mLの円筒型ペットボトルに装着し、蒸気シュリンカーを経由させ、90℃の温度下で5秒間、熱処理して熱収縮させた熱収縮性積層フィルムを装着したボトルを得た。
熱収縮工程後における熱収縮性積層フィルムの重ね合わせ部を確認したところ、外層と内層が剥離することはなく、かつ両層のズレ幅が重ね幅の0.5%であった。また熱収縮性積層フィルムの80℃における収縮率は30%であった。これにより、本実施例の熱収縮性積層フィルムの熱収縮性ラベルとしての使用可能性を確認できた。
(実施例3)
実施例1における無延伸フィルムの接着層で使用される樹脂組成物を、AD−1:80質量%、AD−2:20質量%に変更した以外は、実施例1と同様の手法により無延伸フィルムを作製した。この無延伸フィルムを実施例2と同様の手法により延伸し、熱収縮性積層フィルムを得た。この熱収縮性積層フィルムを実施例2と同様の手法により、製袋後、シュリンカーによるラベル装着した。熱収縮工程後における熱収縮性積層フィルムのシール部を確認したところ、外層と内層は剥離しておらず、かつ、ズレ幅は重ね幅の4%であった。また、この熱収縮性積層フィルムの80℃における収縮率は30%であった。これより本実施例の熱収縮性積層フィルムの熱収縮性ラベルとしての使用可能性を確認できた。
(実施例4)
外層で使用する樹脂組成物として、ポリエチレンテレフタレート「S2008」(以下、「S−4」という。)を用い、また接着層で使用する樹脂組成物として、スチレン−ビニルイソプレンブロック共重合体エラストマー「ハイブラー5125」(クラレ社製、SIS;以下「AD−3」という。)40質量%、AD−2:60質量%を混合し、二軸押出機で混練りし、混合樹脂組成物ペレットを作製した(以下、「混合樹脂組成物B2」という。)。また、内層で使用する樹脂組成物として、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン単位とブタジエン単位の質量比:スチレン/ブタジエン=90/10、0℃の貯蔵弾性率(E’):3.15×109Pa、損失弾性率E”のピーク温度:55℃;以下「M−4」という。)40質量%、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン/ブタジエン=76/24(質量%)、0℃の貯蔵弾性率(E’):6.89×108Pa、損失弾性率E”のピーク温度:−74℃、MFR:6.8g/10分;以下「M−5」という。)60質量%を混合し、二軸押出機で混練りし、混合樹脂組成物ペレットを作製した(以下、「混合樹脂組成物C2」という。)。
樹脂組成物S−4、混合樹脂組成物B2、混合樹脂組成物C2を用いて、3台の押出機から各樹脂を押出し、樹脂組成物S−4と混合樹脂組成物B2は各2つの流路に分離し、5層の口金内で再度積層して、外層(S−4)/接着層(混合樹脂組成物B2)/内層(混合樹脂組成物C2)/接着層(混合樹脂組成物B2)/外層(S−4)からなる5層積層シートを50℃のロールに密着し、各層の厚みが、30μm/10μm/120μm/10μm/30μmとなった無延伸フィルムを得た。この無延伸フィルムを京都機械株式会社製フィルムテンターにて、予熱温度80℃、延伸温度78℃で横一軸方向に5.0倍延伸後、90℃にて熱処理を行い、厚さ50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。
得られた熱収縮性積層フィルムを実施例2と同様の方法でシールしてシュリンカーで熱収縮させ、熱収縮したフィルムを装着したボトルを得た。熱収縮工程後におけるフィルムの重ね合わせ部を確認したところ、外層と内層の剥離はなく、かつ、重ね合わせ部におけるズレ幅は重ね幅の1.6%であった。また、80℃における収縮率は50%であった。これより本実施例の熱収縮性積層フィルムの熱収縮性ラベルとしての使用可能性を確認できた。
(実施例5)
内層で使用する樹脂組成物として、M−1:50質量%と、M−2:35質量%、及び、M−3:15質量%を二軸押出機で混練りした混合樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の手法により無延伸フィルムを作製した。この無延伸フィルムを京都機械株式会社製フィルムテンターにて、予熱温度80℃、延伸温度75℃で横一軸方向に5.0倍延伸後、84℃にて熱処理を行い、厚さ50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。この熱収縮性積層フィルムを実施例2と同様の手法により、製袋後、シュリンカーによりラベル装着した。熱収縮工程後における熱収縮性積層フィルムのシール部を確認したところ、外層と内層は剥離しておらず、かつ、重ね合わせ部のズレ幅は重ね幅の0.4%であった。また熱収縮性積層フィルムの80℃における収縮率は40%であった。これより本実施例の熱収縮性積層フィルムの熱収縮性ラベルとしての使用可能性を確認できた。
(実施例6)
実施例5における無延伸フィルムの接着層で使用される樹脂組成物を、AD−1:50質量%、AD−2:50質量%に変更した以外は、実施例5と同様の手法により無延伸フィルムを作製した。この無延伸フィルムを実施例5と同様の手法により延伸し、熱収縮性積層フィルムを得た。この熱収縮性積層フィルムを実施例2と同様の手法により、製袋後、シュリンカーによるラベル装着した。熱収縮工程後におけるフィルムのシール部を確認したところ、外層と内層は剥離しておらず、かつ、重ね合わせ部のズレ幅は重ね幅の3.5%であった。また熱収縮性積層フィルムの80℃における収縮率は40%であった。これより本実施例の熱収縮性積層フィルムの熱収縮性ラベルとしての使用可能性を確認できた。
(実施例7)
実施例5における無延伸フィルムの外層で使用される樹脂組成物を、S−1:40質量%、S−2:50質量%、S−3:10質量%に変更した以外は、実施例5と同様の手法により無延伸フィルムを作製した。この無延伸フィルムを実施例5と同様の手法により延伸し、熱収縮性積層フィルムを得た。この熱収縮性積層フィルムを実施例2と同様の手法により、製袋後、シュリンカーによるラベル装着した。熱収縮工程後における熱収縮性積層フィルムのシール部を確認したところ、外層と内層は剥離しておらず、かつ、重ね合わせ部のズレ幅は重ね幅の3.5%であった。また熱収縮性積層フィルムの80℃における収縮率は40%であった。これより熱収縮性積層フィルムの熱収縮性ラベルとしての使用可能性を確認できた。
(実施例8)
内層で使用する樹脂組成物として、M−1:43質量%と、M−2:31質量%、及び、M−3:11質量%、混合樹脂組成物A1:12質量%、混合樹脂組成物B1:1質量%とからなる混合樹脂組成物100質量部に対し、エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルグラフト共重合体、商品名「モディパーA5200」(日本油脂社製;以下、「C−3」という。)とC−2をと半々ずつ混合した樹脂混合物2質量部を配合してなる樹脂組成物を二軸押出機で混練りした混合樹脂組成物を用いた以外は、実施例5と同様の手法により無延伸フィルムを作製した。この無延伸フィルムを実施例5と同様の手法により延伸し、熱収縮性積層フィルムを得た。この熱収縮性積層フィルムを実施例2と同様の手法により、製袋後、シュリンカーによるラベル装着した。熱収縮工程後における熱収縮性積層フィルムのシール部を確認したところ、外層と内層は剥離しておらず、かつ、重ね合わせ部のズレ幅は重ね幅の0.2%であった。また熱収縮性積層フィルムの80℃における収縮率は40%であった。これより本実施例の熱収縮性積層フィルムの熱収縮性ラベルとしての使用可能性を確認できた。
(実施例9)
実施例4における無延伸フィルムの接着層で使用される樹脂組成物を、ポリエステル系エラストマー、商品名「プリマロイB1900NS」(三菱化学社製;以下、「AD−5」という。)に変更した以外は、実施例4と同様の手法により無延伸フィルムを作製した。この無延伸フィルムを実施例4と同様の手法により延伸し、熱収縮性積層フィルムを得た。この熱収縮性積層フィルムを実施例4と同様の手法により、製袋後、シュリンカーによるラベル装着した。熱収縮工程後における熱収縮性積層フィルムのシール部を確認したところ、外層と内層は剥離しておらず、かつ、重ね合わせ部のズレ幅は重ね幅の0.1%以下であった。また熱収縮性積層フィルムの80℃における収縮率は50%であった。これより本実施例の熱収縮性積層フィルムの熱収縮性ラベルとしての使用可能性を確認できた。
(実施例10)
実施例4における無延伸フィルムの接着層で使用される樹脂組成物を、ポリエステル系エラストマー、商品名「プリマロイB1910N」(三菱化学社製;以下、「AD−6」という。)に変更した以外は、実施例4と同様の手法により無延伸フィルムを作製した。この無延伸フィルムを実施例4と同様の手法により延伸し、熱収縮性積層フィルムを得た。この熱収縮性積層フィルムを実施例4と同様の手法により、製袋後、シュリンカーによるラベル装着した。熱収縮工程後における熱収縮性積層フィルムのシール部を確認したところ、外層と内層は剥離しておらず、かつ、重ね合わせ部のズレ幅は重ね幅の0.1%以下であった。また熱収縮性積層フィルムの80℃における収縮率は50%であった。これより本実施例の熱収縮性積層フィルムの熱収縮性ラベルとしての使用可能性を確認できた。
(実施例11)
実施例4における無延伸フィルムの接着層で使用される樹脂組成物を、AD−5:70質量%、ポリエステル系エラストマー、商品名「プリマロイA1800NS」(三菱化学社製;以下、「AD−7」という。)30質量%に変更した以外は、実施例4と同様の手法により無延伸フィルムを作製した。この無延伸フィルムを実施例4と同様の手法により延伸し、熱収縮性積層フィルムを得た。この熱収縮性積層フィルムを実施例4と同様の手法により、製袋後、シュリンカーによるラベル装着した。熱収縮工程後における熱収縮性積層フィルムのシール部を確認したところ、外層と内層は剥離しておらず、かつ、重ね合わせ部のズレ幅は重ね幅の2%であった。また熱収縮性積層フィルムの80℃における収縮率は50%であった。これより本実施例の熱収縮性積層フィルムの熱収縮性ラベルとしての使用可能性を確認できた。
(実施例12)
実施例4における無延伸フィルムの接着層で使用される樹脂組成物を、AD−5:60質量%、AD−7:40質量%に変更した以外は、実施例4と同様の手法により無延伸フィルムを作製した。この無延伸フィルムを実施例4と同様の手法により延伸し、熱収縮性積層フィルムを得た。この熱収縮性積層フィルムを実施例4と同様の手法により、製袋後、シュリンカーによるラベル装着した。熱収縮工程後における熱収縮性積層フィルムのシール部を確認したところ、外層と内層は剥離しておらず、かつ、重ね合わせ部のズレ幅は重ね幅の2.5%であった。また熱収縮性積層フィルムの80℃における収縮率は50%であった。これより熱収縮性積層フィルムの熱収縮性ラベルとしての使用可能性を確認できた。
(比較例1)
実施例1の無延伸フィルム1の接着層を構成する樹脂組成物を、AD−1:100質量%に変更した以外は、無延伸フィルム1の場合と同様の手法で無延伸フィルムを作製した。この無延伸フィルム3を実施例2と同様の手法により延伸し、熱収縮性積層フィルムを得た。この熱収縮性積層フィルムを実施例2と同様の手法により、製袋後、シュリンカーによるラベル装着した。熱収縮工程後における熱収縮性積層フィルムのシール部を確認したところ、溶剤塗布面である外層と内層との端面のずれが生じ、さらには、フィルムの内層を対称面として溶剤塗布面に対して反対側の外層(最表面)がめくれ上がり、最表面をなす外層と内層が剥離する現象が確認された。
(比較例2)
実施例4における無延伸フィルム3の接着層で使用する樹脂組成物を、AD−3:100質量%に変更した以外は、無延伸フィルム3の場合と同様の手法により無延伸フィルムを作製した。この無延伸フィルムを実施例4と同様の手法により延伸し、熱収縮性積層フィルムを得た。この熱収縮性積層フィルムを実施例4と同様の手法により、製袋後、シュリンカーによるラベル装着した。熱収縮工程後における熱収縮性積層フィルムのシール部を確認したところ、比較例1と同様、外層と内層が剥離する現象が確認された。
(比較例3)
実施例1における無延伸フィルムの接着層で使用する樹脂組成物を、変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体「ダイナロン8630P」(JSR社製、変性SEBS;以下「AD−4」という。)に変更した以外は、無延伸フィルムの場合と同様の手法により無延伸フィルムを作製した。この無延伸フィルムを実施例2と同様の手法により延伸し、熱収縮性積層フィルムを得た。この熱収縮性積層フィルムを実施例2と同様の手法により、製袋後、シュリンカーによるラベル装着した。熱収縮工程後におけるフィルムの端部を確認したところ、比較例1と同様、外層と内層が剥離する現象が確認された。
Figure 2008307896
Figure 2008307896
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う積層フィルム、成形品、熱収縮性ラベル、該ラベルを装着した容器もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明のフィルムの好適な実施態様における重ね合わせ部付近の断面図(その1)である。 本発明のフィルムの好適な実施態様における重ね合わせ部付近の断面図(その2)である。 本発明のフィルムの好適な実施態様における重ね合わせ部付近の断面図(その3)である。 本発明のフィルムの好適な実施態様における重ね合わせ部付近の断面図(その4)である。 本発明のフィルムの好適な実施態様における重ね合わせ部を形成した状態を説明する説明図である。
符号の説明
100 フィルム片
2 外層
4 接着層
6 内層
8 重ね合わせ部
8w 重ね幅
10 外層の端面
12 接着層の端面
14 内層の端面
16 シール部
18 ズレ
18w ズレ幅
A 一端側
B 他端側

Claims (10)

  1. 少なくとも1種のポリエステル系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる外層と、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる内層と、前記外層と内層との間に配置された、接着性樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる接着層と、を有する積層フィルムであって、
    フィルムの引き取り方向(MD)の大きさが165mm、その直角方向(TD)の大きさが235mmである矩形の前記積層フィルムにおいて、引き取り方向(MD)の一端側の外層面と、引き取り方向(MD)の他端側の内層面又は外層面とを引き取り方向(MD)に平行となるようにシールして前記積層フィルム上に2〜7mm幅の重ね合わせ部を形成し、90℃で熱処理した後、常温に戻したときに、前記重ね合わせ部でシールされている外層の引き取り方向(MD)の端面又は外層及び接着層の引き取り方向(MD)の端面と、接着層及び内層の引き取り方向(MD)の端面又は引き取り方向(MD)の内層の端面との間のズレ幅が、前記重ね合わせ部の重ね幅の5%以内であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記内層を構成する熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂及びポリスチレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記接着層を構成する接着性樹脂が、下記(a−1)、(a−2)及び(a−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の共重合体又は樹脂である請求項1又は2に記載の積層フィルム。
    (a−1)芳香族系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体、芳香族ビニル系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体の水素添加物、又はこれらに極性基を導入した共重合体
    (a−2)エチレン単量体単位と、酢酸ビニル、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エチル、メチル(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、及び(メタ)アクリル酸グリシジルからなる群より選ばれる1種の単位とからなる共重合体。
    (a−3)変性ポリオレフィン樹脂
  4. 前記接着層を構成する接着性樹脂が、ポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、若しくは極性基を有する変性剤により変性したポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、又はこれらの混合樹脂組成物を主成分とする樹脂組成物である請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  5. 前記接着層を構成する接着性樹脂の振動周波数10Hz、歪み0.1%の条件下での50℃から100℃の温度域における貯蔵弾性率(E’)が、10MPa以上2000MPa以下である請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルムを少なくとも一方向に延伸してなることを特徴とする延伸フィルム。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルムを少なくとも一方向に延伸してなり、80℃の温水中に10秒間浸漬したときのフィルム主収縮方向の熱収縮率が20%以上であることを特徴とする熱収縮性フィルム。
  8. 請求項1〜5に記載の積層フィルム、請求項6に記載の延伸フィルム、又は請求項7に記載の熱収縮性フィルムを成形してなる成形品。
  9. 請求項7に記載の熱収縮性フィルムを基材として用いた熱収縮性ラベル。
  10. 請求項9に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
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