JP2008304159A - 熱交換器の製造方法 - Google Patents

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義浩 木下
Shoei Teshima
聖英 手島
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伸 竹若
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Shinya Noro
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Abstract

【課題】チューブ内壁面のろう付性を向上できる熱交換器の製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム製の板材31で成形されたチューブ11を備え、チューブ11の内壁面にろう付部30a、30bを有する熱交換器の製造方法であって、板材31の一方の板面に、フラックスを加熱して付着させるフラックス付着工程と、フラックス付着工程の後に行われ、フラックスが付着した板材31を、一方の板面が内方側を向くようにチューブ状に曲げ成形する曲げ成形工程と、曲げ成形工程の後に行われ、チューブ状に曲げ成形された板材31をろう付するろう付工程とを備える。これにより、バインダを用いることなくフラックスを均一に付着させることができるので、チューブ内壁面のろう付部を良好にろう付することができる。しかも、フラックスの蒸発や、フラックスが水蒸気や酸素と反応してフラックスの化学成分が変化してしまうことを抑制できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、アルミニウム製チューブの内壁面にろう付部を有する熱交換器の製造方法に関する。
従来、この種の熱交換器の製造方法が特許文献1、2に記載されている。
特許文献1の従来技術では、1枚のアルミニウム板材を折り曲げることによって断面扁平状のチューブを形成し、チューブの内部にアルミニウム板材を波形状に折り曲げ成形したインナーフィンを配置し、チューブの内壁面とインナーフィンとをろう付により接合している。これによると、チューブの内壁面にインナーフィンを接合しているので、チューブの耐圧強度を高めることができる。
また、特許文献1は、ろう付部にフラックスを均一に付着させるためにバインダを用いている。具体的には、フラックス成分を、樹脂系のバインダを含む溶剤中に溶かし込んでフラックス溶液を作り、このフラックス溶液を、ノズル式噴霧器による噴霧、または、浸漬等の方法によって塗布している。これによると、バインダを用いることによってフラックスを均一に付着させることができる。
一方、特許文献2の従来技術では、1枚のアルミニウム板材に多数個の打ち出し部を形成した後に、打ち出し部が外側を向くように板材を中央部で折り曲げて、打ち出し部以外の部位(基板部)同士を当接させ、さらにその後に、基板部同士をろう付により接合している。
これによると、基板部同士をろう付により接合しているので、インナーフィンを用いることなくチューブの耐圧強度を高めることができる。
特開2003−181629号公報 特開2004−3787号公報
しかしながら、本発明者による詳細な検討によると、内壁面にろう付部を有するチューブにおいては、バインダを含むフラックス溶液を塗布すると以下の問題が生じることがわかった。すなわち、ろう付加熱によってバインダがチューブ内部で蒸発すると、蒸発したバインダがチューブ外部に抜けずにチューブ内部に残留しやすい。
すると、チューブ内部に残留したバインダがチューブ内壁面に再付着して炭化してしまい、ろうの濡れ性を阻害してしまう。その結果、チューブ内壁面のろう付部にろう付不良が発生しやすいという問題がある。
また、特許文献2の従来技術では、アルミニウム板材に多数個の打ち出し部を形成するので開口部が小さく特許文献1の熱交換器よりもさらにバインダがチューブ内部に残存しやすい。このため、チューブ内壁面のろう付部にろう付不良が発生しやすいという問題がある。
本発明は、上記点に鑑み、チューブ内壁面のろう付性を向上できる熱交換器の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、アルミニウム製の板材(31)で成形されたチューブ(11)を備え、チューブ(11)の内壁面にろう付部(30a、30b)を有する熱交換器の製造方法であって、
板材(31)の一方の板面に、フラックスを加熱して付着させるフラックス付着工程と、
フラックス付着工程の後に行われ、フラックスが付着した板材(31)を、一方の板面が内方側を向くようにチューブ状に曲げ成形する曲げ成形工程と、
曲げ成形工程の後に行われ、チューブ状に曲げ成形された板材(31)をろう付するろう付工程とを備えることを特徴とする。
これによると、フラックス付着工程にて板材(31)の一方の板面にフラックスを付着させた後に、曲げ成形工程にて一方の板面が内方側を向くように板材(31)をチューブ状に曲げ成形するので、チューブ(11)の内壁面にフラックスを付着させることができる。
ここで、フラックス付着工程にてフラックスを加熱して付着させるので、アルミニウムとフラックスの分子間力によってフラックスを均一に付着させることができる。すなわち、バインダを用いることなくフラックスを均一に付着させることができる。
その結果、ろう付工程にてチューブ状の板材(31)をろう付加熱しても、バインダがチューブ内部で蒸発することがないので、バインダがチューブ(11)の内壁面に残留してろうの濡れ性を阻害することがない。このため、チューブ(11)の内壁面のろう付性を向上することができる。
本発明は、具体的には、フラックス付着工程において、フラックスを100〜600℃に加熱する。
これによると、温度が高いほどフラックスが軟化しアルミニウム表面に衝突する時の接触面積が増加し、密着強度は増加することから、フラックスをより均一に付着させることができる。
一方、600℃以下にしているのは、フラックスの蒸発を抑制し、フラックスが溶融して水蒸気や酸素と反応し、フラックスの化学成分が変化してしまうことを抑制するためである。なお、温度が高いほどエネルギー費が無駄なので極力低い温度で付着させることが好ましい。
また、本発明は、具体的には、フラックス付着工程の前に行われ、板材(31)に所定の打ち出し形状を成形する打ち出し成形工程と、
打ち出し成形工程とフラックス付着工程との間に行われ、所定の打ち出し形状が成形された板材(31)を脱脂する脱脂工程とを備える。
これによると、打ち出し成形工程にて板材(31)に付着した加工油を、脱脂工程にて脱脂することができるので、加工油によってフラックスの付着が阻害されることを回避できる。このため、フラックスの付着性を向上させることができるので、チューブ(11)の内壁面のろう付性を向上することができる。
また、本発明は、具体的には、フラックス付着工程と曲げ成形工程との間に行われ、フラックスが付着した板材(31)に所定の打ち出し形状を成形する打ち出し成形工程と、
打ち出し成形工程と曲げ成形工程との間に行われ、所定の打ち出し形状が成形された板材(31)を脱脂する脱脂工程とを備えてもよい。
また、本発明は、具体的には、フラックス付着工程と曲げ成形工程との間に行われ、一方の板面に対するフラックスの付着量を、蛍光X線分析法を用いて測定するフラックス付着量測定工程を備える。
これによると、フラックス付着工程を行った後に、フラックス付着量測定工程によりフラックスの付着量を測定するので、フラックスの付着量が十分か否かを判定することができる。このため、チューブ内壁面でろう付不良が発生することを確実に防止することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(一実施形態)
以下、本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明する。図1は本発明による熱交換器10の全体構造を示す斜視図である。この熱交換器10の基本的構成は、上記特許文献2に記載された熱交換器と同様である。
熱交換器10は、冷凍サイクルの圧縮機(図示せず)から吐出された高温高圧の冷媒と空気とを熱交換させて冷媒を凝縮させるものである。具体的には、冷媒が流れる冷媒通路を構成する複数の扁平状チューブ11と、複数のコルゲートフィン(以下フィンと略す)12との組み合わせからなる熱交換部13を有し、この熱交換部13のチューブ長手方向両端部にタンク部14、15を配置する構成になっている。
タンク部14、15は、チューブ11に対する冷媒の分配と集合とを行うものである。両タンク部14、15の長手方向両端部には、両タンク部14、15を結合して熱交換器10の矩形状の外形を保持するサイドプレート16、17がチューブ11と平行にそれぞれ配置される。これらの複数のチューブ11、複数のフィン12および両タンク部14、15は一体ろう付により接合されている。
両タンク部14、15はろう材(溶加材)がクラッド(被覆)されたアルミニウム系材料からなる円筒状容器である。両タンク部14、15には、両タンク部14、15の長手方向に並んで形成された複数の挿入穴(図示せず)から複数のチューブ11の両端部が挿入されている。
一方のタンク部14のうち長手方向一端側(図1の下端側)部位には、冷凍サイクルの圧縮機(図示せず)から吐出された高温高圧の冷媒をタンク内部に導入するための入口配管(図示せず)が接続される接続ブロック14aがろう付により接合されている。一方のタンク部14の長手方向一端部(図1の下端部)には、熱交換器10を車体に取り付けるための係合突起14bが設けられている。
他方のタンク部15のうち長手方向一端側(図1の上端側)部位には、タンク内部から冷凍サイクルの膨張弁(図示せず)側へ液相冷媒を流出させるための出口配管(図示せず)が接続される接続ブロック15aがろう付により接合されている。他方のタンク部15の長手方向他端部(図1の下端部)には、熱交換器10を車体に取り付けるための係合突起15bが設けられている。
図2は熱交換部13の要部斜視図である。チューブ11は、1枚のアルミニウム板材を中央部で折り曲げて第1板状部11aと第2板状部11bとが向かい合うように構成されている。本実施形態では、チューブ11を構成するアルミニウム板材は、両面にろう材がクラッドされたクラッド材である。
第1、第2板状部11a、11bはそれぞれ、平坦な基板部20と、基板部20から突出する複数個の打ち出し部21とを有しており、この第1、第2板状部11a、11bを打ち出し部21が互いに外側を向くように向かい合わせ、基板部20同士で面接触するように接合させている。そして、打ち出し部21相互の間に重合部分を設定して、第1、第2板状部11a、11bの間に冷媒が流れる冷媒通路を構成している。
複数個の打ち出し部21は、いずれも第1、第2板状部11a、11bのチューブ幅方向中央部にて基板部20から突出し、その突出頂部は平坦面を形成している。打ち出し部21のチューブ長手方向両端部には、それぞれ、蛇行しながら空気流れ方向に延びる曲面27が形成されている。
隣接する打ち出し部21同士の間、より具体的には、蛇行した曲面27同士の間には、蛇行しながら空気流れ方向(チューブ幅方向)に延びる空気通路部30が構成される。空気通路部30のうち蛇行形状の頂点部30aと両端部30bは基板部20によって構成されており、蛇行形状の頂点部30aと両端部30b以外の残余の部位はチューブ11の外方側に向かってわずかに打ち出された平坦面30cによって構成されている。
また、第1板状部11a側の空気通路部30と第2板状部11b側の空気通路部30とがチューブ長手方向にずれて配置されており、第1板状部11a側の空気通路部30と第2板状部11b側の空気通路部30は蛇行形状の頂点部30aおよび両端部30bで互いに重合している。
このため、第1、第2板状部11a、11bのそれぞれの表裏両面のうちチューブ内壁面を構成する側の面は、空気通路部30の蛇行形状の頂点部30aと両端部30bで互いに当接して接合されている。したがって、空気通路部30の頂点部30aと両端部30bは、本発明におけるろう付部に該当する。
空気通路部30の蛇行形状の頂点部30aおよび両端部30bと平坦面30cとの間には段差部30d、30eが形成されている。本例では、段差部30d、30eの高さ寸法をそれぞれ0.65mmに設定している。
チューブ11内部の冷媒通路は図2の矢印Bに示すように複雑に蛇行している。より具体的には、第1板状部11a側の空気通路部30と第2板状部11b側の空気通路部30とをチューブ長手方向にずらして配置しているので、冷媒通路がチューブ11の高さ方向(図2の上下方向)に蛇行しながらチューブ長手方向に延びている。
さらに、第1、第2板状部11a、11bは、空気通路部30の蛇行形状の頂点部30aで互いに接合されているので、冷媒通路が頂点部30aで分岐する。そして、分岐した冷媒通路は頂点部30aよりも下流側で再び合流する。この分岐と合流との繰り返しによって冷媒通路がチューブ幅方向に蛇行しながらチューブ長手方向に延びている。
複数のフィン12は、ろう材がクラッドされていない裸のアルミニウム系材料(ベア材)からなる薄板材を矩形波状に曲げ成形したコルゲートフィンで構成されている。したがって、フィン12のうち、チューブ11の打ち出し部21の突出頂部(平坦面)と接合する接合部12a、12bは平坦形状を有している。
フィン12のうちチューブ11の積層方向(図2の上下方向)に延びる平坦面12c、12dには、空気流れと対向するように切り起こされたルーバ(図示せず)が多数個形成されている。
次に、熱交換器10の製造方法について述べる。熱交換器10の製造方法は、(1)熱交換器構成部品の製造工程と、(2)熱交換器構成部品の組付工程と、(3)ろう付工程とに大別される。
最初に、熱交換器構成部品の製造工程について説明する。図3は、チューブ11の製造工程を示す模式図である。チューブ11の製造工程は、まず、コイル状に巻回されたアルミニウム製の板材31を巻き戻して、この板材31に対して所定の打ち出し成形加工を行う(打ち出し成形工程)。
より具体的には、図4に示すように、板材31を一組の成形ローラ32、33で押圧して、板材31に打ち出し部21と空気通路部30の平坦面30cとを連続的に打ち出し成形する。
より具体的には、板材31の短手方向における一方側の部位31aに第1板状部11a側の打ち出し部21と空気通路部30の平坦面30cとを打ち出し成形するとともに、板材31の短手方向における他方側の部位31bに第2板状部11b側の打ち出し部21と空気通路部30の平坦面30cとを打ち出し成形している。
一方の成形ローラ32には、打ち出し部21を打ち出すように大きく突出する第1凸部32aと、空気通路部30の平坦面30cを打ち出すようにわずかに突出する第2凸部32bとが円周方向に交互に設けられており、他方の成形ローラ33に成形ローラ32の第1、第2凸部32a、32bに対応する第1、第2凹部33a、33bが円周方向に交互に設けられている。
このため、成形ローラ32、33が連続して回転することによって、板材31の長手方向がチューブ長手方向になるように打ち出し部21と平坦面30cとが交互に繰り返し成形される。そして、板材31のうち打ち出し部21と平坦面30cを除く部位、すなわち成形ローラ32、33によって打ち出されない部分がチューブ11の基板部20となる。
なお、図4では、便宜上、一方の成形ローラ32の第1凸部32aと他方の成形ローラ33の第1凹部33aに実線のハッチングを施し、一方の成形ローラ32の第2凸部32bと他方の成形ローラ33の第2凹部33bに一点鎖線のハッチングを施している。
次に、板材31の脱脂を行う(脱脂工程)。すなわち、打ち出し成形工程において、成形性を確保するため、また、板材31と成形ローラ32、33の焼き付きを防止するために加工油が用いられるので、脱脂工程にてこの加工油を除去する。
本例では、高速の熱風を当てることにより高速に脱脂する、いわゆる加熱脱脂を行う。より具体的には、脱脂装置34にて、100〜500℃程度の熱源により加熱された熱風を30m/sec以上の流速で板材31表面に当てる。
次に、板材31の表裏両面にフラックスを付着させる(フラックス付着工程)。本例では、フラックスとして、フルオロアルミン酸カリウム系フラックス(KAlF4、K3AlF6、K2AlF5の混合物)を用いている。このフラックスは、常温では無吸湿性、非腐食性であり、溶融するとアルミ表面上の酸化皮膜を溶解し、ろう付温度(約600℃)でのろう材の濡れ、流れを促進する。
また、本例では、フラックスをプラズマ溶射により付着させる。図5は、プラズマ溶射に用いるノズル35を模式的に示す断面図である。ノズル35は、石英により形成された誘導体36内部に、矢印Eのようにエアーを導入し、白金にて形成された着火線37と電極38によりグロー放電プラズマ(低温プラズマ)を発生させるものである。そして、ノズル35のうち電極38よりも先端側(図5の右方側)に、フラックスを供給する供給口39が形成されており、矢印Fのように、供給口39から粉体状のフラックスがプラズマ中に供給される。
これにより、フラックスが100〜600℃に加熱されて、溶融する寸前の状態で板材31に付着する。本例では、板材31の表裏両面側にそれぞれノズル35を設け、板材31の表裏両面に同時にフラックスを付着させるようになっている。なお、フラックスを、水等の液体と混合した状態で供給口39から供給してもよい。また、誘導体36をステンレス等の金属より形成してもよい。
次に、フラックスの付着量を測定する(フラックス付着量測定工程)。より具体的には、蛍光X線分析装置40にて、蛍光X線分析法を用いて、板材31に付着したフラックス中のカリウムのX線強度を分析し、予め求められた較正曲線に基づいてカリウムのX線強度をフラックスの付着量(重量)に換算する。そして、フラックスの付着量が所定量以上か否かによって、良品、不良品の判定を行う。
次に、図6に示すように、板材31の短手方向両端部同士が当接するように、板材31をその短手方向中央部で折り曲げる(曲げ成形工程)。より具体的には、複数個の成形ローラ43で板材31を多段階に分けて徐々に曲げていく、いわゆるロールフォーミング加工によって板材31を折り曲げてチューブ状にする。
図示を省略しているが、この曲げ成形工程では、板材31を折り曲げ状態で仮固定するため、板材31の短手方向両端部の一部同士をかしめている。そして、切断装置44にて、板材31を所定長さに切断する(切断工程)。
図示を省略しているが、フィン12、両タンク部14、15およびサイドプレート16、17についても、アルミニウム素材に対して所定の成形加工を行った後に、フラックスを付着させる。なお、チューブ11以外の熱交換器構成部品12、14〜17に対するフラックスの付着は、必ずしもプラズマ溶射により付着させる必要はなく、樹脂系のバインダを含む溶剤中に溶かし込んでフラックス溶液を作り、このフラックス溶液をノズル式噴霧器により上記部品の表面に噴霧してフラックスを塗布する方法、あるいはフラックス溶液中に上記部品を浸漬してフラックスを塗布する方法等を使用できる。
次に、組付工程を説明すると、熱交換器の各構成部品を図1に示す所定構造に組み付け、その組付体(仮の組付状態)をワイヤ等の治具により締結して保持する。
次に、ろう付工程を説明すると、上記組付体を治具にて保持してろう付用加熱炉内に搬入して、熱交換器の各部品間を一体ろう付する。これと同時に、チューブ11の第1、第2板状部11a、11bがろう付接合される。
ここで、ろう付温度は各部品のアルミニウム材にクラッドされたろう材の融点を僅かに上回る600°C付近の温度であり、このろう付温度ではフラックスが溶融状態(液体状態)となって、各部品間の接合面に均一に行き渡る。
この溶融フラックス成分により、各部品のアルミニウム材表面の酸化皮膜を溶解して、溶融ろう材とアルミニウム母材表面との間の濡れ性を良好にする。また、ろう付用加熱炉内は窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気に維持されており、アルミニウム材表面の再酸化を防止する。以上により、各部品相互間の良好なろう付性を確保する。
上記組付体は所定のろう付時間の間加熱炉内に置かれ、このろう付時間が経過すると加熱炉から取り出され、上記組付体のろう付が終了する。これにより、アルミニウム熱交換器の組付が完成する。
次に、上記構成において、本実施形態の作動を簡単に説明する。冷凍サイクルの圧縮機(図示せず)から吐出された高温高圧の冷媒は、接続ブロック14aより熱交換器10内部に流入し一方のタンク部14で各チューブ11に分配されて各チューブ11内に流入する。
各チューブ11内を流れる冷媒は、チューブ11およびチューブ11に接合されているフィン12に熱を伝える。この熱がチューブ11の外面側においてチューブ長手方向と略直交する方向に流れる空気に伝達されて冷媒が凝縮液化する。凝縮液化した液相冷媒は、各チューブ11から他方のタンク部15に流入して集合され、接続ブロック15aより熱交換器10外部へと流出し膨張弁(図示せず)側へと流れる。
次に、熱交換器10の熱交換部13における冷媒と空気との間の熱交換作用を説明する。図2の矢印Bに示すように、チューブ11内部を流れる冷媒は複雑に蛇行しながら流れるので冷媒流れが撹乱される。このため、冷媒側の熱伝達率が向上するので、伝熱性能を向上できる。
一方、チューブ11外部を流れる空気のうちチューブ11から離れた領域を流れる空気は矢印Cのようにフィン12に沿って流れ、フィン12の熱を奪ってフィン12を冷却した後にフィン12の空気流れ下流側へ流出する。
チューブ11外部を流れる空気のうちチューブ11近傍を流れる空気はチューブ11の熱を奪ってチューブ11を冷却した後にチューブ11の空気流れ下流側へ流出する。
このとき、矢印Dのように空気が空気通路部30を蛇行して流れることにより空気流れが撹乱されるので、空気側の熱伝達率を向上することができ、伝熱性能を向上できる。
また、空気が空気通路部30に流入する際に生じる縮流によって空気側の熱伝達率を向上することができる。さらに、空気通路部30によってチューブ11の伝熱面積を拡大できるので、チューブ11から空気への放熱量を増加させることができる。
また、本実施形態では、空気通路部30に形成された段差部30d、30eによって空気通路部30を流れる空気の流れをさらに撹乱することができる。このため、空気側の熱伝達率をさらに向上することができる。
ところで、上述のように、本実施形態では、フラックス付着工程にて板材31の表裏両面にフラックスを付着させた後に、曲げ成形工程にて板材31を折り曲げてチューブ状にするので、チューブ11の内壁面にフラックスを付着させることができる。
ここで、フラックス付着工程にてフラックスを加熱して付着させるので、バインダを用いることなくフラックスを均一に付着させることができる。この理由は、フラックスを加熱することによって分子間力が大きくなるためと推定される。
その結果、ろう付工程にてチューブ状の板材31をろう付加熱しても、バインダがチューブ内部で蒸発することがないので、バインダがチューブ内壁面に残留してろうの濡れ性を阻害することがない。このため、チューブ内壁面のろう付性を向上することができる。
しかも、フラックスは、100〜600℃に加熱されて、板材31に付着する。このため、フラックスの蒸発を抑制できるとともに、フラックスが溶融して水蒸気や酸素と反応し、フラックスの化学成分が変化してしまうことを抑制できる。
また、本実施形態によると、脱脂工程により板材31の脱脂を行った後に、フラックス付着工程を行うので、加工油によってフラックスの付着が阻害されることを回避できる。このため、フラックスの付着性を向上させることができる。このため、チューブ内壁面のろう付性をより向上することができる。
さらに、本実施形態によると、フラックス付着工程を行った後に、フラックス付着量測定工程によりフラックスの付着量を測定するので、万が一、フラックスの付着量が足りなかったときには、不良品として取り除くことができる。このため、チューブでろう付不良が発生することを確実に防止することができる。
(他の実施形態)
(1)上記一実施形態では、チューブ内壁面の一部同士を当接させて接合するチューブに対して本発明を適用した例を示しているが、これに限定されることなく、例えば、特許文献1に記載されたチューブ、すなわち、チューブ内壁面とインナーフィンとをろう付により接合するチューブに対して本発明を適用することができる。
(2)上記一実施形態では、フラックス付着工程において、フラックスをプラズマ溶射にて付着させているが、プラズマ溶射に限定されるものではなく、フラックスを溶融する寸前の状態(100〜600℃)に加熱して付着させる方法を適宜用いればよい。例えば、高速フレーム溶射(HVOF)やサーマルスプレー等で付着させてもよい。
(3)上記一実施形態では、フラックス付着工程にて、板材31の表裏両面にフラックスを付着させているが、必ずしも同一工程にて板材31の表裏両面にフラックスを付着させる必要はなく、例えば、フラックス付着工程にて、板材31の一方の板面(チューブ内壁面を構成する板面)のみにフラックスを付着させ、板材31の他方の板面(チューブ外壁面を構成する板面)に対するフラックスの付着を曲げ成形工程の後に行ってもよい。
(4)上記一実施形態では、チューブ11を構成するアルミニウム板材として、両面にろう材がクラッドされたクラッド材を用いているが、チューブ11を構成するアルミニウム板材として、ろう材がクラッドされていない裸のアルミニウム系材料(ベア材)からなる板材を用い、フラックス付着工程にて、フラックスとろう材とを混合して付着させてもよい。
(5)上記一実施形態では、打ち出し成形工程および脱脂工程をフラックス付着工程の前に行っているが、打ち出し成形工程をフラックス付着工程と曲げ成形工程との間に行い、脱脂工程を打ち出し成形工程と曲げ成形工程との間に行うようにしてもよい。
この場合には、フラックス付着量測定工程をフラックス付着工程と曲げ成形工程との間に行えばよい。具体的には、フラックス付着工程と打ち出し成形工程との間、打ち出し成形工程と脱脂工程との間、および、脱脂工程と曲げ成形工程との間のいずれにおいても行うことができる。
(6)上記一実施形態では、本発明を冷媒凝縮器に適用した例を示しているが、これに限定されることなく、本発明は種々な用途の流体間の熱交換を行う熱交換器であって、内部ろう付箇所を有する熱交換器一般に広く適用可能であることはもちろんである。
本発明の一実施形態による熱交換器の全体構造を示す斜視図である。 図1の熱交換器の熱交換部の要部斜視図である。 本発明の一実施形態によるチューブの製造工程を示す模式図である。 図3の打ち出し成形工程を示す斜視図である。 図3のフラックス付着工程で用いるノズルの断面図である。 図3の曲げ成形工程を示す斜視図である。
符号の説明
11…チューブ、31…板材。

Claims (5)

  1. アルミニウム製の板材(31)で成形されたチューブ(11)を備え、前記チューブ(11)の内壁面にろう付部(30a、30b)を有する熱交換器の製造方法であって、
    前記板材(31)の一方の板面に、フラックスを加熱して付着させるフラックス付着工程と、
    前記フラックス付着工程の後に行われ、前記フラックスが付着した前記板材(31)を、前記一方の板面が内方側を向くようにチューブ状に曲げ成形する曲げ成形工程と、
    前記曲げ成形工程の後に行われ、チューブ状に曲げ成形された前記板材(31)をろう付するろう付工程とを備えることを特徴とする熱交換器の製造方法。
  2. 前記フラックス付着工程において、前記フラックスが100〜600℃に加熱されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の製造方法。
  3. 前記フラックス付着工程の前に行われ、前記板材(31)に所定の打ち出し形状を成形する打ち出し成形工程と、
    前記打ち出し成形工程と前記フラックス付着工程との間に行われ、前記所定の打ち出し形状が成形された前記板材(31)を脱脂する脱脂工程とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器の製造方法。
  4. 前記フラックス付着工程と前記曲げ成形工程との間に行われ、前記フラックスが付着した前記板材(31)に所定の打ち出し形状を成形する打ち出し成形工程と、
    前記打ち出し成形工程と前記曲げ成形工程との間に行われ、前記所定の打ち出し形状が成形された前記板材(31)を脱脂する脱脂工程とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器の製造方法。
  5. 前記フラックス付着工程と前記曲げ成形工程との間に行われ、前記一方の板面に対する前記フラックスの付着量を、蛍光X線分析法を用いて測定するフラックス付着量測定工程を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱交換器の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010212281A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Sanyo Electric Co Ltd 太陽電池モジュールの製造方法
JP2010243125A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Maruyasu Industries Co Ltd 多管式熱交換器
KR101171223B1 (ko) * 2009-01-14 2012-08-06 한라공조주식회사 차량용 열교환기 플럭스 도포장치 및 열교환기 제조방법

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