JP2008304071A - 粉粒体材料の除湿乾燥方法、及び粉粒体材料の除湿乾燥システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粉粒体材料を貯留させた乾燥ホッパに供給される処理ガスの循環経路内に、吸着体を配した除湿ユニットを設け、該循環経路内で、該乾燥ホッパから排気された処理ガスを、該除湿ユニットの吸着体を通過させた後に、前記乾燥ホッパ内循環供給する粉粒体の除湿乾燥システムにおいて、前記除湿ユニットは、吸着除湿処理する除湿処理ゾーンと、加熱再生する加熱再生ゾーンと、加熱再生された後の吸着体に再生用冷却ガスを通過させて冷却再生する冷却再生ゾーンと、前記処理ガス、再生用加熱ガス及び再生用冷却ガスのそれぞれを、前記各ゾーンのそれぞれに対応して配された吸着体に導入、通過させるための導入口及び導出口を備るようにした。また前記冷却再生ゾーン通過後の再生用冷却ガスを、前記ホッパ上方に設けた吐出口から吐出させるようにした。
【選択図】図1
Description
このような粉粒体材料の除湿乾燥システムでは、吸着剤(乾燥剤、吸湿剤)を充填あるいは配設した吸着体に、乾燥ホッパ内で粉粒体材料の除湿乾燥に使用されて排気された処理ガスを通過させ、吸着体で水分を吸着して、処理ガスを除湿し、その除湿された処理ガスを乾燥ホッパに再導入して粉粒体材料を除湿乾燥する構成とした処理ガスの循環経路を備えたものが知られている。
この従来の除湿乾燥装置について、以下、図2に基づいて説明する。
図例の除湿乾燥装置1は、大略的に、粒状材料を貯留する乾燥ホッパ2と、乾燥空気(除湿空気)を生成する乾燥機(除湿ユニット)3と、これらを連通連結する複数の空気管10〜14とを備えている。
乾燥機3は、モレキュラシーブ(商品名)などの乾燥剤(吸着剤)が含有されたロータ(吸着体)を有し、該ロータは、時計方向(白抜矢印方向)に回転する構成とされ、ロータ内を通過する空気の水分の吸着と、水分を吸着した乾燥剤の再生とを連続的に行う構成としている。
すなわち、乾燥機3では、乾燥ゾーン3aで、乾燥空気(除湿空気)を生成し、再生ゾーン3bで、乾燥剤の再生を行い、冷却ゾーン3cで、乾燥剤の冷却を行う構成としている。
乾燥ゾーン3aを通過した空気は、乾燥剤によって除湿(水分を吸着)されて乾燥空気として、空気管10を経由し、乾燥ホッパ2に付設された加熱器4により加熱され、乾燥ホッパ2内に導入されて粒状材料の除湿乾燥に使用される。
このように、乾燥機3の上流側に冷却器6を介在させているのは、その下流側に位置するブロア7の保護と、再生された乾燥剤の温度を下げて吸着量を増大させるためであり、空気管14は、後記する冷却ゾーン3cに冷却空気を導入する空気管14bと、前記乾燥ゾーン3aに冷却空気を導入する空気管14aとに分岐されている。
この際、再生ゾーン3bを通過させて排気された空気の温度を温度検出器15aで検出し、その検出した温度に基づいて、再生用ブロア8で吸引した外気の再生ゾーン3bへの供給量を弁15bの開閉により調節、あるいは再生用ブロア8の回転数を可変させることにより調節する構成としている。
また、前記のように再生ゾーン3bで温風により再生された乾燥剤は、冷却ゾーン3cに至り、乾燥剤の吸着能力を高めるため、空気管14bを経由して導入された冷却空気により冷却がなされる。この冷却に使用された冷却空気は、空気管12を経由して、空気管13で、空気管11を送気される乾燥ホッパ2内で粒状材料の乾燥処理に使用された空気と合流し、循環フィルタ5、冷却器6、ブロア7をこの順で経由して、空気管14により、再度、乾燥機3に導入される。
また、再生ゾーン3bを通過させて排気された空気の温度を温度検出器15aで検出し、その検出した温度に基づいて、再生用ブロア8で吸引した外気の再生ゾーン3bへの供給量を、弁15bの開閉により調節、あるいは再生用ブロア8の回転数を可変させることにより調節する構成としているので、冷却ゾーン3cでの乾燥剤の冷却の際に余分な熱エネルギが失われなくなるとされている。すなわち、再生ゾーン3bを通過して排気された空気の温度が所定の温度よりも高ければ、十分に乾燥剤の再生がなされているので、弁15bあるいは再生用ブロア8を調節することにより、温風の供給量を減少させて、乾燥剤が過熱されることを防ぎ、この結果、冷却ゾーン3cでの余分な熱エネルギの損失を防止できるとされている。
これに対して、本発明に係る粉粒体材料の除湿乾燥方法、及び除湿乾燥システムでは、前記吸着体の冷却再生に使用された再生用冷却ガスを、前記乾燥ホッパ内の処理ガスの吐出口よりも上方より吐出させて、その再生用冷却ガスで、前記乾燥ホッパ内に貯留された除湿乾燥前の粉粒体材料を予熱するので、前記乾燥ホッパ内では、処理ガスの吐出口から吐出されたガスと、その上方から吐出された再生用冷却ガスとにより、粉粒体材料の予熱と、除湿乾燥とを行うことができる。
このように、乾燥ホッパ内の上部に貯留された粉粒体材料が予備加熱されることにより、乾燥ホッパ導入前に、処理ガスを加熱するための加熱ヒータの出力を下げたり、また、消費電力の小さい小型の加熱ヒータを適用したりすることが可能となり、省エネルギ化が図られる。
特に、処理ガスの除湿処理と、吸着体の加熱再生と、吸着体の冷却再生とが並列的かつ切り替えられてなされる構成としたものに本発明を適用すれば、乾燥ホッパ内には、常に、下部の吐出口から除湿された処理ガスの供給と、その吐出口よりも上方から高温となった再生用冷却ガスの供給とがなされることとなる。これによれば、再生用冷却ガスの熱エネルギを、効率的に利用でき、乾燥時間の短縮を図ることも可能となり、更なる省エネルギ化を図ることができる。
すなわち、例えば、時系列的に処理ガスの除湿処理と、吸着体の再生とを繰り返す構成とした場合や、複数の吸着塔を切り替えて処理ガスの除湿処理と、吸着体の再生とを並列的に行う構成とした場合は、乾燥ホッパ内へ供給される処理ガスの露点が一定ではなく、不安定なものとなるが、本発明によれば、安定した露点の処理ガスを供給することができる。
従って、例えば、粉粒体材料の間を通過して水分を含んで乾燥ホッパから排気されたガスよりも、一般的に露点のさらに高い外気を、再生用冷却ガスとして、直接あるいは冷却手段等を介して、吸着体に導入して冷却再生するものと比べて、加熱再生された吸着体への水分の吸着量を低減させることができる。
また、外気を導入するためのブロアなどの吸引手段を、吸着体の冷却再生のために配設する必要もなく、低コストなものとなる。
このように、再生用冷却ガスと粉粒体材料との熱交換が行われて、再生用冷却ガス自身が冷却されることで、冷却された再生用冷却ガスと合流して乾燥ホッパから吸着体へ向けて送気されるガス自体の温度も下がる。この結果、乾燥ホッパから排気されたガスを冷却するための冷却手段の出力を下げたり、消費電力の小さい小型の冷却手段を適用したりすることが可能となり、省エネルギ化を図ることが可能となる。すなわち、前記特許文献1に記載のような従来の除湿乾燥装置1のように、乾燥剤(吸着剤)からの熱エネルギを受容して高温となった冷却空気を、乾燥ホッパ2内で粒状材料の乾燥処理に使用された空気と合流させて、冷却器6により冷却する構成としたものと比べて、冷却器への負荷を低減させることができる。
図1は、本発明に係る粉粒体材料の除湿乾燥システムの一例を模式的に示す概略説明図である。
図例の粉粒体材料の除湿乾燥システムAは、大略的に、乾燥ホッパユニット20と、除湿ユニット30と、処理ガス供給経路40、処理ガス再生経路41及び処理ガス再生経路の一部を構成する除湿側分岐管41bからなる処理ガスの循環経路40,41,41bと、前記処理ガス再生経路41から分岐されて形成された再生側分岐管41cと、再生用冷却ガス経路42と、再生用加熱ガス経路43とを備えている。
ホッパ本体21の上方には、材料タンク(不図示)などから材料輸送管29を介して輸送されてくる粉粒体材料mを一時的に貯留する捕集器27が接続されており、捕集器27の下方に形成された材料投入バルブ22の開閉により、粉粒体材料mがホッパ本体21内に順次投入される。
ホッパ本体21内に順次投入され貯留された粉粒体材料mは、後記するように除湿乾燥処理がなされて、ホッパ本体21の下方に形成された材料排出バルブ23の開閉により、次工程である樹脂成形機などへ向けて順次排出される。
ここに、粉粒体材料mは、合成樹脂ペレットなどの粉体・粒体等を指すが、これに限らず、微小薄片・短繊維片のものや、加工食品材料・医薬品材料の粉粒体等、製造工程で除湿乾燥処理が必要な材料を含む。
尚、上記のような粉粒体材料mの投入と排出は、ホッパ本体21内の貯留量がある程度の貯留量となるようにして、連続的あるいは間歇的になされるものとしてもよい。
さらに、下部側吐出口24よりも上方位置であるホッパ本体21内の上部21bには、後記する再生用冷却ガス経路42を介して送気される再生用冷却ガスを、ホッパ本体21内に吐出する上部側吐出口25が設けられている。
下部側吐出口24及び上部側吐出口25のそれぞれは、円筒状に形成されたホッパ本体21の平面視略中心に配置され、それぞれのガス経路40、42を経て送気されてくるガスを、遠心方向に向けて、均一に分散して給気する構成とされている。
ここに、ホッパ本体21内の上部21b及び下部21aは、ホッパ本体21内に順次投入されて貯留した粉粒体材料mの貯留量を基準として、その貯留量が半分以上の部位を上部21b、半分未満の部位を下部21aとしており、下部側吐出口24及び上部側吐出口25のそれぞれの配設位置は、図示のものに限られず、この範囲内で適宜、配設すればよい。
また、符号44乃至47は、それぞれ各経路を流れるガスの温度を検出する温度センサであり、これらセンサの検出温度に基づいて、加熱ヒータ28及び再生用加熱ヒータ36のPID制御がなされて、各ヒータで加熱された各ガスの温度が所定の値となるように制御し、過熱を防止する構成としている。
ハニカムロータ31に使用される吸着剤としては、シリカゲル、チタニウムシリカゲル、リチウムクロライド、合成ゼオライト(商品名モレキュラシーブ)などが挙げられるが、固体のもので、水分の吸着が可能かつ再生用加熱ガスの通過による再生が可能なものであれば、どのようなものでもよい。
蓋体32は、除湿ユニット30に対して固定されており、ハニカムロータ31が蓋体32に対して回転することで、蓋体32に形成された3つの仕切壁32dによって、ハニカムロータ31を、上記3つの区画(ゾーン)に区分けする構成としている。
尚、蓋体32は、上下一対として図示の下側の蓋体32にも上側の蓋体32に形成された3つの仕切壁32dに対応させて、同様の3つの仕切壁32dが形成されている。
また、上記のようなハニカム式の除湿ユニットの具体的構成についての詳述は省略するが、例えば、実開昭60−115526号公報、実開平1−167318号公報、実開平2−13994号公報に開示があるハニカム式の除湿ユニットを本実施形態に適用してもよい。
処理ガス再生経路41には、循環フィルタ37、冷却器38、メインブロア39がこの順で配され、メインブロア39の下流側には、分配手段を構成する分岐部41aが形成されている。
分岐部41aの下流側には、後記する冷却再生ゾーン32cに連通される再生側分岐管41cが更に形成されている。
すなわち、以下に説明するように、各経路40乃至43は、ハニカムロータ31の回転に伴い、互いに気密状態とされた3つの区画(除湿乾燥ゾーン32a、加熱再生ゾーン32b、冷却再生ゾーン32c)と、それぞれ連続的に連通する構成とされている。
除湿乾燥ゾーン32aに導入された処理ガスは、そこに位置するハニカムロータ31内の吸着剤が配されたガス流通路を通過して、吸着剤により水分が吸着され、除湿済みの処理ガスとして、処理ガス供給経路40に向けて送気される。
処理ガス供給経路40の経路途中には、処理ガスを加熱する前記加熱ヒータ28が配設されており、加熱された処理ガスは、処理ガス供給経路40の下流側端部に形成された下部側吐出口24からホッパ本体21内に給気される。
加熱再生ゾーン32bでは、再生用加熱ガス経路43を経て前記再生用加熱ガスが導入され、水分を吸着した吸着剤が加熱乾燥されて、吸着剤の再生がなされる。
再生用加熱ガス経路43を経て、加熱再生ゾーン32bに位置するハニカムロータ31内の吸着剤が配されたガス流通路を通過した再生用加熱ガスは、装置外へ排気される。
冷却再生ゾーン32cでは、処理ガス再生経路41を経て、送気される処理ガスを、冷却器38を介して冷却し、その冷却されたガスが、分岐部41aで分配されて再生側分岐管41cを経て導入され、加熱再生された吸着剤の冷却再生がなされる。
このように、処理ガスを冷却するのは、メインブロア39の保護のため、及び、上記した合成ゼオライト等の吸着剤は低温であるほどその吸着量が増大する特性があり、吸着剤の除湿能力(吸着効率)を高めるためである。従って、冷却器38は、メインブロア39の上流側に配置することが好ましい。
尚、冷却器38としては、水冷式や空冷式など公知の冷却器の適用が可能である。
再生用冷却ガス経路42の下流側端部には、前記した上部側吐出口25が形成されており、該上部側吐出口25からホッパ本体21内に再生用冷却ガスが給気される。
すなわち、ホッパ本体21内では、前記したように、処理ガス供給経路40を介して下部側吐出口24から給気された処理ガスと、再生用冷却ガス経路42を介して上部側吐出口25から給気された再生用冷却ガスとにより、上方に形成された材料投入バルブ22から順次投入されて貯留した粉粒体材料mの予熱処理と、除湿乾燥処理とがなされる構成としている。つまり、ホッパ本体21内に貯留されている上部側に位置する粉粒体材料mは、後記するように再生用冷却ガスにより予備加熱されて、上記したように、最下層の粉粒体材料mが順次排出されるに従い、下部側に移動し、下部側では、除湿された処理ガスにより所望の水分率に除湿乾燥処理がなされて、材料排出バルブ23から排出される。
すなわち、本実施形態に係る除湿乾燥システムAでは、メインブロア39の駆動により、ホッパ本体21内で粉粒体材料mの予熱処理、除湿乾燥処理に使用されたガスは、処理ガス再生経路41及び除湿側分岐管41bを経て、除湿乾燥ゾーン32aに位置するハニカムロータ31内の吸着剤が配されたガス流通路を通過して除湿乾燥され、処理ガス供給経路40を経て、再度、ホッパ本体21内の下部側吐出口24から吐出される。
このように、冷却再生ゾーン32cでハニカムロータ31内の吸着剤の冷却に使用された再生用冷却ガスを、ホッパ本体21内の上部側吐出口25から吐出する再生用冷却ガス経路42を形成している。
ここで、上記のように、加熱再生ゾーン32bで加熱されて再生されたハニカムロータ31内の吸着剤に、冷却再生ゾーン32cで再生用冷却ガスを通過させて冷却すると、加熱されて昇温したハニカムロータ31内の吸着剤が配されたガス流通路を通過した再生用冷却ガスは、加熱されたハニカムロータ31内の吸着剤やガス流通路などから熱エネルギを受容し高温となる。
ここで、冷却再生ゾーン32cに位置する吸着剤は、冷却再生途中であるため、冷却再生されて除湿乾燥ゾーン32aに至った吸着剤よりも、水分の吸着効率が低い。そのため、冷却再生ゾーン32cに位置する吸着剤が配されたガス流通路を通過した再生用冷却ガスは、ホッパ本体21内に貯留された粉粒体材料mを所望の乾燥状態とするために除湿乾燥する処理ガスとしては適さないが、上方から順次投入される、室温程度の粉粒体材料m、すなわち、ホッパ本体21内の上部側に位置する除湿乾燥処理がなされる前の粉粒体材料mを予備加熱するためのガスとしては、十分に適用できる。
また、本実施形態では、処理ガスの除湿処理と、ハニカムロータ31の加熱再生と、ハニカムロータ31の冷却再生とが、並列的かつこの順で循環的に連続してなされる構成としているので、ホッパ21内には、常に、下部側吐出口24から除湿された処理ガスの供給と、上部側吐出口25から再生用冷却ガスの供給とがなされることとなる。これにより、再生用冷却ガスの熱エネルギを、効率的に利用でき、乾燥時間の短縮を図ることも可能となり、更なる省エネルギ化を図ることができる。あるいは、メインブロア39の出力を下げることも可能となる。
このように、再生用冷却ガスと粉粒体材料mとの熱交換が行われて、再生用冷却ガス自身が冷却されることで、冷却された再生用冷却ガスと合流してホッパ本体21からハニカムロータ31へ向けて送気されるガス自体の温度も下がる。この結果、冷却器38への負荷を低減することが可能となり、冷却器38の出力を下げたり、消費電力の小さい小型の冷却手段を適用したりすることが可能となり、省エネルギ化を図ることが可能となる。
また、ホッパ本体21内で予熱処理、除湿乾燥処理に使用されて排気されたガスを、再生用冷却ガスとして循環利用する構成としているので、例えば、粉粒体材料の間を通過して水分を含んだガスよりも、一般的に露点のさらに高い外気を、再生用冷却ガスとして直接あるいは冷却手段等を介して、吸着体を通過させて冷却再生するものと比べて、加熱再生されて冷却再生ゾーン32cに至ったハニカムロータ31内の吸着剤への水分の吸着量を低減させることができる。
また、処理ガスの送気・供給と、再生用冷却ガスの送気・供給とが、メインブロア39の駆動により、循環してなされるので、外気を導入するためのブロアなどの吸引手段を更に配設する必要もなく、低コストなものとなる。
また、上記各経路を介して送気される各ガスの温度や露点は、乾燥処理する粉粒体材料mの種類及び初期水分や、ホッパ本体21の容量、各ヒータ及び各ブロアの出力、ハニカムロータ31の形状等に応じて、適宜、設定される。
特に、一定の低水分率とする要望が高い合成樹脂ペレット等を除湿乾燥処理する場合には、除湿された処理ガスの露点が、例えば、−10℃〜−60℃程度、好ましくは、−40℃以下となるようにしてもよい。
さらに、上記のような各条件に応じて、冷却器38を配設しない構成としてもよい。
また、除湿ユニットを複数の吸着塔を有した多塔式のものとして、前記各経路と各吸着塔との切り替えを、切り替え弁により行うものや、各経路に対して各吸着塔を回転させて、各経路と各吸着塔とを順次、循環させて連通させるものとして、冷却再生に使用した再生用冷却ガスを、乾燥ホッパ内の上部側に吐出するようにしてもよい。
このような多塔式の除湿ユニットとしては、例えば、特開昭60−178009号公報や特開昭60−132622号公報に開示がある。
また、前記した多塔式のものでも、前記各経路と各吸着塔との切り替えを、切り替え弁によって行ったり、各経路に対して各吸着塔を回転させたりすることにより、各吸着塔のそれぞれが、各ゾーンのそれぞれを構成することとなる。
さらに、本実施形態では、再生用冷却ガスとして、ホッパ本体21内で使用されたガスを、循環利用する構成としているが、再生用冷却ガスとして外気を、直接あるいは冷却手段等を介して、吸着体を通過させて冷却再生し、その吸着体を通過後の再生用冷却ガスを、乾燥ホッパ内の上部側に吐出するようにしてもよい。
図3(a)は、本実施形態に係る粉粒体材料の除湿乾燥システムAを示し、同システムにおける各ガスの経路及び各機器をそれぞれ通過するガスの温度を例示する概略説明図、(b)は、従来の除湿乾燥システムBを示し、同システムにおける各ガスの経路及び各機器をそれぞれ通過するガスの温度を例示する概略説明図である。
尚、図3(b)に示す従来の除湿乾燥システムBでは、説明を容易とするため、本実施形態に係る除湿乾燥システムAと同様の構成については、同一の符号を付している。
また、いずれのシステムもホッパ本体に略同量の粉粒体材料(PET樹脂)を貯留し、いずれもホッパ本体内で同じ乾燥時間で所望の水分率に乾燥がなされるものとして説明する。
さらにまた、再生用加熱ヒータ36によって、加熱された外気の温度が220℃、冷却器38に導入されて冷却されたガスの温度が50℃、ホッパ本体21内の下方から吐出される処理ガスの温度が180℃となるように制御されている。
また、除湿乾燥ゾーン32aを通過して除湿処理がなされた処理ガスの露点が、−40℃以下となるように制御されている。
このように、高温となった再生用冷却ガスは、再生用冷却ガス経路42を経て、ホッパ本体21内の上部21bに設けられた上部側吐出口25からホッパ本体21内に吐出される。
また、ホッパ本体21内では、処理ガス供給経路40を経て、加熱ヒータ28で180℃に加熱された処理ガスが、下部側吐出口24から吐出されている。
90℃前後に昇温され、順次下方に移動し、下部21aに位置する下部側粉粒体材料mLは、下方からの処理ガスが間を通過することで、90℃前後から180℃前後に昇温され、所望の水分率に除湿乾燥がなされる。
すなわち、ホッパ本体21内の粉粒体材料mL、mUの温度は、下部21aでは、90℃前後から180℃前後、上部21bでは、20℃前後から90℃前後となる。
また、処理ガス供給経路40を経て、加熱ヒータ28で180℃に加熱された処理ガスは、ホッパ本体21内の下部に設けられた吐出口24から吐出され、ホッパ本体21内に貯留された粉粒体材料mL、mUの間を通過して、80℃〜90℃程度で排気口26から排気され、空気管11を送気される。
90℃前後に昇温され、順次下方に移動し、下部21aに位置する下部側粉粒体材料mLは、下方からの処理ガスが間を通過することで、90℃前後から180℃前後に昇温され、所望の水分率に除湿乾燥がなされる。
この85℃〜100℃程度となったガスは、冷却器38によって、50℃前後に冷却され、メインブロア39を介して60℃前後で、除湿乾燥ゾーン32a、冷却再生ゾーン32cに分配されて導入される。
すなわち、ホッパ本体21内の粉粒体材料mL、mUの温度は、下部21aでは、90℃前後から180℃前後、上部21bでは、20℃前後から90℃前後となる。
これにより、各システムのホッパ本体21内の粉粒体材料mL、mUの温度分布及び乾燥時間を同じようにした場合、本実施形態に係る除湿乾燥システムAでは、ホッパ本体21内に、再生用冷却ガスが導入されて、上部側に位置する粉粒体材料を昇温するので、従来の除湿乾燥システムBよりも下部側吐出口24から吐出させる処理ガスの風量を減少させる、すなわち、メインブロア39の出力を下げることができる。つまり、ホッパ本体21内の粉粒体材料mL、mUの温度分布及び乾燥時間を同じとして、ホッパ本体21から排出される粉粒体材料を、所望の水分率とするには、従来の除湿乾燥システムBでは、本実施形態に係る除湿乾燥システムAよりも、下部側吐出口24から吐出させる処理ガスの風量を多く必要とする。
あるいは、処理ガスの風量を同量とした場合は、上方で再生用冷却ガスによって、予熱されるので、下方に移動した下部側粉粒体材料mLを所望の水分率にすべく、約180℃に昇温するための乾燥時間を、従来の除湿乾燥システムBに比べて、短縮することが可能となる。すなわち、上部21bで予熱されるため、下部21aでの昇温時間を短縮することが可能となる。または、加熱ヒータ28の出力を下げることも可能である。
以上から明らかなように、本実施形態に係る除湿乾燥システムAでは、従来の除湿乾燥システムBに比べて、省エネルギ化を図ることができる。
24 下部側吐出口(処理ガスの吐出口)
25 上部側吐出口(再生用冷却ガスの吐出口)
26 排気口
30 除湿ユニット
31 ハニカムロータ(吸着体、円筒体)
32 蓋体(導入口、導出口)
32a 除湿乾燥ゾーン
32b 加熱再生ゾーン
32c 冷却再生ゾーン
32d 仕切壁(区画形成手段)
38 冷却器(冷却手段)
40 処理ガス供給経路(処理ガスの循環経路)
41 処理ガス再生経路(処理ガスの循環経路)
41a 分岐部(分配手段)
41b 除湿側分岐管(分配手段、処理ガス再生経路、処理ガスの循環経路)
41c 再生側分岐管(分配手段)
42 再生用冷却ガス経路
43 再生用加熱ガス経路
A 除湿乾燥システム
m 粉粒体材料
Claims (6)
- 粉粒体材料を貯留させた乾燥ホッパに供給される処理ガスの循環経路内に、吸着体を配した除湿ユニットを設け、該循環経路内で、該乾燥ホッパから排気された処理ガスを、該除湿ユニットの吸着体を通過させた後に、前記乾燥ホッパ内に設けた吐出口から繰り返し供給する構成にした、粉粒体材料の除湿乾燥方法において、
前記除湿ユニットでは、除湿処理ゾーンに対応して配された吸着体に前記乾燥ホッパから排気された処理ガスを通過させる除湿処理と、処理ガスの除湿処理後の加熱再生ゾーンに対応して配された吸着体に再生用加熱ガスを通過させる加熱再生処理と、加熱再生処理がなされた後の冷却再生ゾーンに対応して配された吸着体に再生用冷却ガスを通過させる冷却再生処理とがなされ、
前記冷却再生処理で前記吸着体を通過させた再生用冷却ガスを、前記乾燥ホッパ内の処理ガスの吐出口よりも上方より吐出させて、その再生用冷却ガスで、前記乾燥ホッパ内に貯留された除湿乾燥前の粉粒体材料を予熱することを特徴とする粉粒体材料の除湿乾燥方法。 - 請求項1において、
前記除湿ユニットは、前記吸着体を、無数のガス流通路をハニカム状に形成した1つの円筒体で構成しており、
該円筒体は、その回転軸を中心にして、除湿処理、加熱再生、冷却再生の3つのゾーンに区分けされ、これら3つのゾーンのそれぞれに、前記処理ガス、前記再生用加熱ガス、前記再生用冷却ガスを通過させて、前記円筒体を連続回転させることで、前記処理ガスの除湿処理、該円筒体の加熱再生処理、該円筒体の冷却再生処理が並列的かつ循環的になされるようにしている粉粒体材料の除湿乾燥方法。 - 請求項1または2において、
前記乾燥ホッパ内に吐出され、該乾燥ホッパ内を通過した前記処理ガスと、前記再生用冷却ガスとは、合流して該乾燥ホッパから排気され、前記処理ガスの循環経路内で、冷却された後に、前記除湿ユニットの除湿処理ゾーン、冷却再生ゾーンのそれぞれに対応して配された前記吸着体に分配されて導入されるようにしている粉粒体材料の除湿乾燥方法。 - 粉粒体材料を貯留させた乾燥ホッパに供給される処理ガスの循環経路内に、吸着体を配した除湿ユニットを設け、該循環経路内で、該乾燥ホッパから排気された処理ガスを、該除湿ユニットの吸着体を通過させた後に、前記乾燥ホッパ内に設けた吐出口から繰り返し供給する構成にした、粉粒体材料の除湿乾燥システムにおいて、
前記除湿ユニットは、前記乾燥ホッパから排気された処理ガスを、吸着体に通過させて除湿処理する除湿処理ゾーンと、処理ガスの除湿処理後の吸着体に再生用加熱ガスを通過させて加熱再生する加熱再生ゾーンと、加熱再生された後の吸着体に再生用冷却ガスを通過させて冷却再生する冷却再生ゾーンと、前記処理ガス、前記再生用加熱ガス及び前記再生用冷却ガスのそれぞれを、前記除湿処理ゾーン、前記加熱再生ゾーン及び前記冷却再生ゾーンのそれぞれに対応して配された吸着体に導入し、通過させるための導入口及び導出口とを備えており、
前記乾燥ホッパ内の処理ガスの吐出口よりも上方に設けた吐出口を有し、前記冷却再生ゾーンに対応して配された前記吸着体を通過後の再生用冷却ガスを、前記上方に設けた吐出口から吐出させて該乾燥ホッパ内に供給する再生用冷却ガス経路を設けたことを特徴とする粉粒体材料の除湿乾燥システム。 - 請求項4において、
前記除湿ユニットは、前記吸着体を、無数のガス流通路をハニカム状に形成した1つの円筒体で構成しており、
該円筒体の両端部には、円筒体の回転軸を中心にして、除湿処理、加熱再生、冷却再生の3つのゾーンに区分けする区画形成手段が配設され、それぞれのゾーンには、前記処理ガス、前記再生用加熱ガス、前記再生用冷却ガスを通過させるために、導入口と、導出口とを対応して設け、前記円筒体を連続回転させることで、前記処理ガスの除湿処理、該円筒体の加熱再生処理、該円筒体の冷却再生処理が並列的かつ循環的に実行される構成にしている粉粒体材料の除湿乾燥システム。 - 請求項4または5において、
前記乾燥ホッパは、前記乾燥ホッパ内に吐出され、該乾燥ホッパ内を通過した前記処理ガスと、前記再生用冷却ガスとを合流させて前記処理ガスの循環経路に向けて排気する排気口を更に備えており、
前記処理ガスの循環経路内には、前記乾燥ホッパから排気されたガスを冷却する冷却手段と、その冷却されたガスを、前記除湿ユニットの除湿処理ゾーン、冷却再生ゾーンのそれぞれに対応して配された前記吸着体に分配して導入する分配手段とが更に設けられている粉粒体材料の除湿乾燥システム。
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