JP2008304023A - 合成樹脂部品の取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】合成樹脂部分だけを、残らず、取付相手部材から取り外すことのできる合成樹脂部品の取付構造を提供する。
【解決手段】取付ブラケット20に形成したネジ挿通孔21にネジ軸部32を挿通させてボルト30を締め付け、このボルト30の頭部31と車体パネル10との間に取付ブラケット20を挟持することにより、合成樹脂部品を車体パネル10に固定したプロテクタ等の合成樹脂部品の取付構造であって、合成樹脂部品に一体に形成された樹脂製のブラケット本体20Aのネジ挿通孔21の内周に、補強用の金属カラー22が嵌め込まれた合成樹脂部品の取付構造において、金属カラー22の外周の直径Aを、ボルト30の頭部31の直径Bよりも大きく設定した。
【選択図】図1
【解決手段】取付ブラケット20に形成したネジ挿通孔21にネジ軸部32を挿通させてボルト30を締め付け、このボルト30の頭部31と車体パネル10との間に取付ブラケット20を挟持することにより、合成樹脂部品を車体パネル10に固定したプロテクタ等の合成樹脂部品の取付構造であって、合成樹脂部品に一体に形成された樹脂製のブラケット本体20Aのネジ挿通孔21の内周に、補強用の金属カラー22が嵌め込まれた合成樹脂部品の取付構造において、金属カラー22の外周の直径Aを、ボルト30の頭部31の直径Bよりも大きく設定した。
【選択図】図1
Description
本発明は、主に車両に搭載されるワイヤーハーネスプロテクタ等の合成樹脂部品の車体等への取付構造に関するものである。
車両にワイヤーハーネスを固定する場合、合成樹脂製のプロテクタを用いて行うことが多く、プロテクタに一体に形成した取付ブラケットのボルト挿通孔にボルトのネジ軸部を通し、そのボルトで取付ブラケットを車体に締結することにより、プロテクタを固定し、ワイヤーハーネスを車体に固定している。また、車体側にネジ軸部を設けておき、そのネジ軸部にナットを締め付けることにより、取付ブラケットを車体に締結する場合もある。
このような場合、樹脂製の取付ブラケットは、ボルトやナットの締め込みにより破損しやすいので、それを防ぐために、ボルト挿通孔の内周に補強用の金属カラーを嵌め込むことが広く行われている(例えば、特許文献1参照)。
図9はその場合の例を示している。
図9において、符号120で示すものは、合成樹脂製のプロテクタ(図示略)に一体に形成された取付ブラケットであり、この取付ブラケット120の樹脂製のブラケット本体120Aのボルト挿通孔121の内周に、補強用の金属カラー122が嵌め込まれている。金属カラー122は、ボルト挿通孔121の内周に、インサート成形によって、あるいは、圧入によって嵌め込まれており、金属カラー122の外周の直径Aは、ボルト30の頭部31の直径Bよりも小さく設定されている。
そして、プロテクタを車体パネル10に固定するに当たっては、ボルト30のネジ軸部31の先端を、金属カラー122のネジ挿通孔123に挿通させ、車体パネル10の貫通孔11に通して、車体パネル10の裏側に溶接してあるナット35に螺合させ、ボルト30の頭部31と車体パネル10との間に取付ブラケット120を挟持することにより、プロテクタを車体パネル10に固定している。
また、金属カラーではないが、取付ブラケットに形成した貫通孔に、軟質合成樹脂材料よりなる補助部材を嵌合しておき、この補助部材を介してボルトを車体パネルに締結することにより、取付ブラケットを一体に有する電気接続箱を車体パネルに固定する例が特許文献2に開示されている。
図10は同文献2に記載された取付構造を示している。
この図10の電気接続箱200には取付ブラケット220が設けられており、取付ブラケット220の樹脂製のブラケット本体220Aに形成された貫通孔221に、軟質合成樹脂材料よりなる補助部材222が雄雌ネジを介して嵌合固定されている。そして、補助部材222に形成されたネジ挿通孔223にボルト30の先端を挿通させ、ボルト30の先端を車体パネル10の貫通孔11を通して、車体パネル10の裏側に溶接してあるナット35に締結することにより、電気接続箱200を車体パネル10に固定している。
実開昭57−73406号公報
特開2000−78721号公報
ところで、図9に例示したような従来の金属カラー付きプロテクタは、車体から取り外すことを考慮していなかったため、車両のリサイクル等の要請に応じて車体から取り外す際に、取り付けボルトを外してから、プロテクタを取り外さざるを得ず、解体作業が煩わしいという問題があった。即ち、ボルト30の頭部31より小さい外径の金属カラー122を使用しているため、ボルト30を取り外さない限り、取付ブラケット120を取り外せなかった。また、強引にプロテクタを引き外そうとした場合、プロテクタの一部や取付ブラケット120の一部が車体側に残る形で破損してしまい、きれいに取り外せないという問題があった。
また、図10に例示した取付構造では、取付ブラケット220の貫通孔221に軟質合成樹脂材料よりなる補助部材222を嵌合しているので、取付ブラケット220を強引に引き外そうとした場合に、補助部材222からきれいに取付ブラケット220を取り外すことができるが、樹脂部品である補助部材222が車体側に残ってしまうという問題があった。
本発明は、上記事情を考慮し、合成樹脂部分だけを残らず、取付相手部材から取り外すことのできる合成樹脂部品の取付構造を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、取付ブラケットに形成したネジ挿通孔にネジ軸部を挿通させて締結部材を締め付け、前記締結部材の頭部と取付相手部材との間に前記取付ブラケットを挟持することにより、合成樹脂部品を取付相手部材に固定した合成樹脂部品の取付構造であって、前記合成樹脂部品に一体に形成された樹脂製のブラケット本体の前記ネジ挿通孔の内周に、補強用の金属カラーが嵌め込まれた合成樹脂部品の取付構造において、前記金属カラーの外周の直径を、前記締結部材の頭部の直径よりも大きく設定したことを特徴とする。ここで、締結部材の頭部の直径とは、ボルトの頭部またはナットの最大径を指す。また、座金を使用する場合は、座金を含めて最大となる径を指す。
請求項2の発明は、請求項1に記載の合成樹脂部品の取付構造であって、前記金属カラーの外周と前記樹脂製のブラケット本体のネジ挿通孔の内周との間に、該金属カラーとブラケット本体の結合強度を増す係合構造が設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の合成樹脂部品の取付構造であって、前記合成樹脂部品が、ワイヤーハーネスを保護しつつ車体に固定するプロテクタであることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、金属カラーの外周の直径を締結部材の頭部の直径よりも大きく設定しているので、締結部材を取り外さないでも、樹脂製のブラケット本体を、締結部材の頭部に干渉しない状態で、きれいに取り外すことができる。つまり、金属カラーだけを取付相手部材側に残し、樹脂部を一切残さずに、合成樹脂部品を取付相手部材から取り外すことができる。
請求項2の発明によれば、金属カラーの外周と樹脂製のブラケット本体のネジ挿通孔の内周との間に係合手段を設けているので、通常使用時において、金属カラーと樹脂製のブラケット本体とを所定の強度で結合しておくことができ、合成樹脂部品を取付対象部材に取り付けた際に所要の取付強度を発揮することができる。
請求項3の発明によれば、ワイヤーハーネスプロテクタに適用したので、ワイヤーハーネスにフックを引っ掛けて強く引っ張り上げるだけで、金属カラーだけを車体側に残して、ワイヤーハーネスと共にプロテクタの樹脂部分だけをきれいに回収することができ、プロテクタのリサイクル性の向上が図れる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態の取付構造の取付時の状態を示す断面図、図2は同取付構造の離脱時の状態を示す断面図である。
図1、図2に示す取付ブラケット20のブラケット本体20Aは、合成樹脂製のプロテクタ(合成樹脂部品)に一体に成形されたもので、ネジ挿通孔21を有している。この樹脂製のブラケット本体のネジ挿通孔21の内周には、中心にネジ挿通孔23を有する補強用の環状の金属カラー22が嵌め込まれており、この金属カラー22の外周の直径Aは、締結部材である六角ボルト30の頭部31の直径(内接円の直径)Bよりも大きく設定されている。
そして、図1に示すように、ボルト30のネジ軸部32の先端を、金属カラー22のネジ挿通孔23に挿通させ、取付相手部材である車体パネル10の貫通孔11にネジ軸部32を通して、車体パネル10の裏側に溶接してあるナット35に螺合させることで、ボルト30の頭部31と車体パネル10との間に取付ブラケット20を挟持し、それにより、プロテクタを車体パネル10に固定している。
このように、金属カラー22の外周の直径Aをボルト30の頭部31の直径Bより大きく設定している場合、図2に示すように、ボルト30を取り外さないでも、ワイヤーハーネスにフックを引っ掛けてプロテクタを強く引っ張り上げるだけで、樹脂製のブラケット本体20Aを、ボルト30の頭部31に干渉しない状態で、きれいに取り外すことができる。つまり、金属カラー22だけを車体パネル10側に残して、樹脂部を一切残さずに、合成樹脂部品であるプロテクタを車体からきれいに取り外して回収することができ、プロテクタのリサイクル性の向上が図れる。
通常の取付時においては、金属カラー22とブラケット本体20Aとが所要の強度で結合している必要があるので、金属カラー22の外周と樹脂製のブラケット本体20Aのネジ挿通孔21の内周との間には、金属カラー22の結合強度を増す係合構造を設けている。
その係合構造の例を、図3〜図8に挙げる。
図3に示す例では、金属カラー22Aの外周にローレット22aを形成した上で、金属カラー22Aを樹脂製のブラケット本体20Aのネジ挿通孔21に圧入している。
図4(a)、(b)に示す例では、金属カラー22Bの外周に爪22bを周方向の複数個突設した上で、金属カラー22Bを樹脂製のブラケット本体20Aのネジ挿通孔21に圧入している。この場合、各爪22bの高さH2は、金属カラー22Bの高さH1より小さく設定されており、圧入した状態で金属カラー22Bがブラケット本体20Aから飛び出さないようになっている。
図5に示す例では、金属カラー22Cの外周にテーパ部22cを形成した上で、金属カラー22Cを樹脂製のブラケット本体20Aのネジ挿通孔21のテーパ部21cに嵌合させている。この場合、テーパ部21c、22cがあることにより、金属カラー22Cがブラケット本体20Aから飛び出さないようになっている。
図6(a)、(b)に示す例では、金属カラー22Dの外周に環状溝22dを形成した上で、金属カラー22Dを、超音波を利用しながら樹脂製のブラケット本体20Aのネジ挿通孔21の中に嵌め込んでいる。この場合は、超音波の作用で溶けた樹脂が環状溝22dに入り込むことにより、金属カラー22Dと樹脂(ブラケット本体20A)が強く結合されている。なお、金属カラー22Dを組み込んだ状態で樹脂製のブラケット本体20Aをインサート成形することによっても、同様の構造を得ることができる。
図7(a)、(b)に示す例では、金属カラー22Eを例えば円形に形成すると共に、樹脂製のブラケット本体20Aのネジ挿通孔21を、楕円形や長円形に形成した上で、金属カラー22Eを樹脂製のブラケット本体20Aのネジ挿通孔21の中に無理嵌めし、樹脂の応力で金属カラー22Eを保持するようにしている。
図8に示す例では、金属カラー22Fを樹脂製のブラケット本体20Aのネジ挿通孔21に圧入した上で、金属カラー22Fの一部をプレスして、金属カラー22Fの周縁に複数の爪部22fを設けることにより、金属カラー22Fを抜けにくくしている。
なお、上記実施形態では、締結部材としてボルト30を使用し、ボルト30の頭部31の直径Bよりも金属カラー22の外周の直径Aが大きくなるように設定した場合を示したが、締結部材として、車体側に設けたネジ軸部に螺合するナットを使用し、ナットの直径よりも金属カラー22の外周の直径Aが大きくなるように設定してもよい。その場合は、締結部材の頭部がナットに相当する。また、ボルトやナットに組み合わせて座金を使用する場合は、座金を含めて締結部材の頭部と見なす。
10 車体パネル(取付相手部材)
20 取付ブラケット
20A 樹脂製のブラケット本体
21 ボルト挿通孔
22 金属カラー
23 ボルト挿通孔
30 六角ボルト(締結部材)
31 頭部
32 ネジ軸部
A 金属カラーの外周の直径
B 締結部材の頭部の直径
22A〜22F 金属カラー
22a ローレット(係合構造)
22b 爪(係合構造)
22c テーパ部(係合構造)
22d 環状溝(係合構造)
22f 爪部(係合構造)
20 取付ブラケット
20A 樹脂製のブラケット本体
21 ボルト挿通孔
22 金属カラー
23 ボルト挿通孔
30 六角ボルト(締結部材)
31 頭部
32 ネジ軸部
A 金属カラーの外周の直径
B 締結部材の頭部の直径
22A〜22F 金属カラー
22a ローレット(係合構造)
22b 爪(係合構造)
22c テーパ部(係合構造)
22d 環状溝(係合構造)
22f 爪部(係合構造)
Claims (3)
- 取付ブラケットに形成したネジ挿通孔にネジ軸部を挿通させて締結部材を締め付け、前記締結部材の頭部と取付相手部材との間に前記取付ブラケットを挟持することにより、合成樹脂部品を取付相手部材に固定した合成樹脂部品の取付構造であって、前記合成樹脂部品に一体に形成された樹脂製のブラケット本体の前記ネジ挿通孔の内周に、補強用の金属カラーが嵌め込まれた合成樹脂部品の取付構造において、
前記金属カラーの外周の直径を、前記締結部材の頭部の直径よりも大きく設定したことを特徴とする合成樹脂部品の取付構造。 - 請求項1に記載の合成樹脂部品の取付構造であって、
前記金属カラーの外周と前記樹脂製のブラケット本体のネジ挿通孔の内周との間に、該金属カラーとブラケット本体の結合強度を増す係合構造が設けられていることを特徴とする合成樹脂部品の取付構造。 - 請求項1または2に記載の合成樹脂部品の取付構造であって、
前記合成樹脂部品が、ワイヤーハーネスを保護しつつ車体に固定するプロテクタであることを特徴とする合成樹脂部品の取付構造。
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JP2007153645A JP2008304023A (ja) | 2007-06-11 | 2007-06-11 | 合成樹脂部品の取付構造 |
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- 2007-06-11 JP JP2007153645A patent/JP2008304023A/ja active Pending
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