JP2008302807A - 燃費情報表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】配置自由度を低下させることなく燃料消費に関する相反した状態量をそれぞれ直接的且つ容易に認識することができる燃費情報表示装置を提供する。
【解決手段】車両に搭載され、燃料の消費に関する値をグラフで表示するエコメータ16を有する燃費情報表示装置において、エコメータ16は、車両の燃料噴射量のグラフを表示する燃料噴射量表示領域23と、車両の瞬間燃費値のグラフを表示する燃費表示領域21とを備え、燃料噴射量表示領域23に表示される車両の燃料噴射量のグラフの増加方向と、燃費表示領域21に表示され瞬間燃費値のグラフの増加方向とが、それぞれ相反する方向に設定されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両の燃費情報を表示する燃費情報表示装置に関するものである。
従来から、車両の燃費情報を表示する燃費情報表示装置が知られている。この種の燃費情報表示装置の中には、燃費情報を良好に運転者に知らせるために、例えば、瞬時の燃料噴射量/平均燃料噴射量のような同じ種類の対をなす値をグラフで表示するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−236054号公報
ところで、上述の燃費情報表示装置は、同じ種類の対をなす値をグラフで表示させるため、例えば、フューエルカットを行っている場合などに瞬間燃料噴射量のグラフが減少して「0」となり何も表示されない状態になってしまう。運転者によっては、この瞬間燃料噴射量の減少、および、平均燃料噴射量が微減することを見て間接的に燃費向上を認識することができるものの、瞬間燃料噴射量と平均燃料噴射量の両方が減少方向に変化するため、直接的に燃費の向上を認識することができないという課題がある。
一方、燃費の向上を直接的に認識できるように、例えば、瞬時の燃料噴射量のグラフを瞬時の燃費(km/l)のグラフに置き換えることで、燃費が向上したときにグラフを増加方向に変位させることができる。しかしながら、燃費の向上を直接的に認識することができるものの、車両停車時には何も表示されなくなるため、燃費悪化を直接的に認識することができない。
また、上述した瞬時の燃費と瞬時の燃料噴射量との表示を切換可能にする方法もあるが、表示部を注視する必要が生じてしまう。さらに、瞬時の燃費と瞬時の燃料噴射量との表示をそれぞれ個別に表示する方法もあるが、より広い表示スペースが必要となるため配置自由度が低下してしまうという課題がある。
そこで、この発明は、配置自由度を低下させることなく燃料消費に関する相反した状態量をそれぞれ直接的且つ容易に認識することができる燃費情報表示装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車両に搭載され、燃料の消費に関する値をグラフで表示するグラフ表示部(例えば、実施の形態におけるエコメータ16,116)を有する燃費情報表示装置において、前記グラフ表示部は、前記車両の燃料噴射量又はアクセル開度のグラフ(例えば、実施の形態における燃料噴射量のグラフ22,122、アクセル開度のグラフ222)を表示する第1表示領域(例えば、実施の形態における燃料噴射量表示領域23,123、アクセル開度表示領域223)と、前記車両の瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフ(例えば、実施の形態における瞬間燃費値のグラフ20,120)を表示する第2表示領域(例えば、実施の形態における燃費表示領域21,121)とを備え、前記第1表示領域に表示される前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフの増加方向と、前記第2表示領域に表示される瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフの増加方向とが、それぞれ相反する方向に設定されていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1表示領域(例えば、実施の形態における燃料噴射量表示領域123、アクセル開度表示領域223)に表示される前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフ(例えば、実施の形態における燃料噴射量のグラフ122、アクセル開度のグラフ222)と、前記第2表示領域(例えば、実施の形態における燃費表示領域121)に表示される前記瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフ(例えば、実施の形態における瞬間燃費値のグラフ120)とは、略帯状に表示されるグラフであり、前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフの始点は、前記グラフ表示部(例えば、実施の形態におけるエコメータ116)の一端側に設けられ、前記瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフの始点は、前記グラフ表示部の他端側に設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1表示領域(例えば、実施の形態における燃料噴射量表示領域23)に表示される前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフ(例えば、実施の形態における燃料噴射量のグラフ22a)と、前記第2表示領域(例えば、実施の形態における燃費表示領域21)に表示される前記瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフ(例えば、実施の形態における瞬間燃費値のグラフ20a)とは、略帯状に表示されるグラフであり、前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフの始点と、前記瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフの始点とは、前記前記グラフ表示部の略中央に設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフ(例えば、実施の形態における燃料噴射量のグラフ22)と、前記瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフ(例えば、実施の形態における瞬間燃費値のグラフ20)とは、増加方向に向かうほど幅広に表示されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフと前記瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフとは、それぞれ異なった色で表示されることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記第1表示領域と前記第2表示領域とは目盛りを備え、該目盛りのレンジおよび単位は変更可能に設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、燃料噴射量又はアクセル開度のグラフを表示する第1の表示領域と瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフを表示する第2表示領域とが同一のグラフ表示部に設けられていることで、個別の表示部に表示する場合と比較して設置スペースを縮小することができるため、設置自由度を向上することができる効果がある。
また、燃料噴射量又はアクセル開度のグラフと瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフとは、それぞれ増加タイミングが異なるため、燃料噴射量又はアクセル開度のグラフと、瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフとのうち少なくともいずれか一方のグラフが表示される状態となる。したがって、常に相反した燃費に関する値を運転者が直接的且つ容易に認識することができる効果がある。
さらに、燃料噴射量のグラフまたはアクセル開度のグラフと、瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフとの増加方向が相反する方向であり、例えば、一方のグラフが増加すれば同時に他方のグラフが減少するため、これらのグラフの変化状況を見ることで現在の運転の傾向がどのように推移しているかを容易に認識することができる効果がある。
請求項2に記載した発明によれば、第1表示領域のグラフが一端側から他端側に向かって増加方向となり、第2表示領域のグラフが一端側から他端側に向かって減少方向となるため、互いのグラフの増減による相乗効果で燃費の消費に関する値を、より一層運転者が認識し易くなるという効果がある。
また、燃料噴射量又はアクセル開度、瞬間燃費値又は平均燃費値の増減のタイミングがそれぞれ相反するため、増加方向が相反する方向となる略帯状の各グラフが重なるのを防止することができるため、視認性を向上させつつ、グラフ表示部の一端側から他端側までの距離を短縮することができ、配置自由度の向上を図ることができる。
請求項3に記載した発明によれば、グラフ表示部の略中央に各グラフの始点が設けられており、また、燃料噴射量又はアクセル開度、瞬間燃費値又は平均燃費値の増減のタイミングがそれぞれ相反するため、増加方向が相反する方向となる略帯状の各グラフが重なったり、並列に表示されることなしに運転者が燃料の消費に関する値を容易且つ直接的に認識することができる効果がある。
請求項4に記載した発明によれば、燃費に関する値が増加するほど視認性が向上するため、燃費の良し悪しが顕著な場合にこれを強調して表示することができる効果がある。
請求項5に記載した発明によれば、グラフ毎に異なった色で表示することでより一層容易に燃料消費に関する値を識別することができる効果がある。
請求項6に記載した発明によれば、運転者のニーズに合わせてレンジおよび単位を表示することができるため、商品性の向上を図ることができる効果がある。
次に、この発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、この第1の実施の形態では、燃費情報表示装置が車両の運転席前方の計器盤に設けられている一例を示している。
図1に示すように、計器盤1はいわゆるコンビネーションメータとして構成されたものであり、スピードメータ2、タコメータ3および燃料・水温計4を備えている。これらスピードメータ、タコメータおよび燃料・水温計は、いわゆる三連メータタイプの配置になっており、中央にスピードメータが配置され、その左側にタコメータ、右側に燃料・水温計が配置されている。さらに、これらスピードメータ2とタコメータ3と燃料・水温計4とは、いわゆるアナログメータを構成しており、それぞれ弧状に配置された目盛り5,6,7a,7bと当該目盛りを揺動自在に指し示す指針8,9,10a,10bとを備えている。
また、スピードメータ2、タコメータ3および燃料・水温計4には、それぞれの指針8,9,10a,10bの基端部側が目盛りの配置に沿った外形を有したパネル11,12,13で覆われている。そして、燃料・水温計4のパネル13上には、車両のシフトポジションを表示するポジション表示部14が配置されている。なお、上述した計器盤1のデザインは一例であって三連メータタイプ以外の配置であっても良い。
ところで、上述したスピードメータ2には、パネル12上に、種々の情報を表示可能なマルチインフォメーションディスプレイ15が配置されている。このマルチインフォメーションディスプレイ15は、車幅方向に沿って長尺な略矩形に形成され、燃費に関する値が表示可能になっている。
図2に示すように、マルチインフォメーションディスプレイ15には、燃費に関する値をグラフで表示するエコメータ(ECO METER)16が表示可能に構成されている。このエコメータ16は、横軸17が車幅方向に沿って設けられ、原点「0」を中心として右側には瞬間燃費値(km/L)の目盛り18が設けられ、原点「0」の左側には燃料噴射量(cc/min)の目盛り19が設けられている。
また、エコメータ16には、上述した横軸17の瞬間燃費値の目盛り18に沿って瞬間燃費値のグラフ20(図3参照)を表示するための燃費表示領域21と、燃料噴射量の目盛り19に沿って燃料噴射量のグラフ22を表示する燃料噴射量表示領域23とがそれぞれ設けられている。そして、マルチインフォメーションディスプレイ15によって表示される瞬間燃費値のグラフ20と、燃料噴射量のグラフ22とは、メータ制御部(図示せず)によって増減が制御される。ここで、メータ制御部は、燃料噴射量のグラフ22を、エンジンの制御を行うエンジン制御部(図示せず)の燃料噴射量の制御情報に基づいてその長さを変化させ、一方、瞬間燃費値のグラフ20を燃料噴射量および車速センサの検出結果などに基づいて算出した瞬間燃費値に基づいてその長さを変化させる。そして、上述の燃料噴射量と瞬間燃費値とはトレードオフの関係にあり、燃料噴射量が上昇すれば瞬間燃費値が低下し、燃料噴射量が低下すれば瞬間燃費値が上昇する。
燃費表示領域21は、上述した横軸17の原点から右側に向かって徐々に高さ方向の寸法が増加する略直角三角形状に形成されている。また、上述の瞬間燃費値のグラフ20は、燃費表示領域21に対応して瞬間燃費値が増加するほどグラフの高さ寸法、すなわちグラフの幅が増加する。
一方、燃料噴射量表示領域23は、上述の燃費表示領域21の形状に対して、原点を基準として左右対称形状に形成され、上述した横軸17の原点から左側に向かって徐々に高さが増加する略直角三角形状となっている。そして、上述の燃料噴射量のグラフ22は、燃料噴射量表示領域23に対応して燃料噴射量の値が増加するほど高さ寸法すなわちグラフの幅が増加する。なお、エコメータ16の横軸17の原点を基準として、燃費表示領域21を右側、燃料噴射量表示領域23を左側に配置した場合について説明したが、配置を左右反転しても良く、また、表示領域の形状は増加方向に高さ寸法が増加すればよく略直角三角形に限定されるものではない。
燃料噴射量のグラフ22と瞬間燃費値のグラフ20とは、運転者が一目でその差異を判別できるように、例えば、黒と白、赤と青、黄色と青など、それぞれ異なった色で表示されている。なお、燃料噴射量のグラフ22の色と瞬間燃費値のグラフ20の色とは、上記組み合わせに限られるものではなく、エコメータの背景色に応じて見易い組み合わせを適宜選定すればよい。
次に、図2〜図5に基づいて、上述した第1の実施の形態のエコメータの表示例を車両の状態ごとに説明する。なお、この表示例の説明において、燃料噴射量のグラフ22および瞬間燃費値のグラフ20の長さとは、横軸17に沿う方向の長さを示している。
図2は、車両が走行していないいわゆるアイドリング状態の場合に、上述したエコメータ16で表示されるグラフの一例を示したものである。このアイドリング状態のとき、エコメータ16の左側の燃料噴射量表示領域23には、エンジンのアイドリングに必要な燃料噴射量(例えば、20cc/min程度)を示す燃料噴射量のグラフ22が表示されている。一方、車両が走行していないため瞬間燃費値は「0」となり、エコメータの右側に配置された燃費表示領域21には何も表示されない。なお、冷間時のエンジン始動直後には、エンジンが暖機状態となるため、エンジン回転数が暖機後のアイドリング回転数よりも上昇し、燃料噴射量が大幅に増加する。この場合、表示される燃料噴射量のグラフ22は、図2に示す燃料噴射量のグラフ22よりも高い燃料噴射量を示し横軸方向に長いグラフとして表示されることとなる。
図3は、車両が加速状態の場合に、エコメータ16で表示されるグラフの一例を示したものである。車両が加速状態のときには、一般に、アクセルペダルが運転者によって深く踏み込まれている状態であるため、アクセルペダル開度に対応して車両の燃料噴射量の値は増加する。このとき、エコメータ16の左側の燃料噴射量表示領域23には、アイドリング状態の場合よりも高い燃料噴射量(図3中、200cc/min程度)を示す燃料噴射量のグラフ22が表示される。一方、燃費表示領域21には、低い瞬間燃費値(図3中、5km/L程度)を示す瞬間燃費値のグラフ20が表示される。ここで、燃料噴射量および瞬間燃費値が増加するほどそれぞれのグラフの高さ寸法(幅)が徐々に増加するので、車両の加速時には、瞬間燃費値のグラフ20の面積よりも、燃料噴射量のグラフ22の面積の方が大幅に広く表示されることとなる。なお、図3の各グラフ20,22が示す値は一例であって、燃料噴射量のグラフ22と瞬間燃費値のグラフ20とは、両者ともアクセルペダル開度に応じて変化する。
図4は、車両の減速時などに燃料噴射量がゼロとなるいわゆるフューエルカットモードである場合に、エコメータ16で表示されるグラフの一例を示したものである。このフューエルカットモードの場合には、アクセルペダルがオフ状態になるとともに燃料噴射が行われなくなるため、燃料噴射量はゼロとなり、一方、瞬間燃費値は燃料消費がゼロの状態で走行しているため無限大(∞)となる。よって、燃料噴射量のグラフ22は表示されず、瞬間燃費値のグラフ20は燃費表示領域21の全域、すなわちエコメータ16の中央から右端部に至る。
図5は、車両が加速も減速もしていないいわゆるクルーズモードの場合に、エコメータ16に表示されるグラフの一例を示したものである。車両がクルーズモードの場合には、車両の加速が終わった後の状態であるため、一般に、上述した加速状態のときよりもアクセルペダル開度が小さく且つ車速が高い状態に維持される。よって、車両がクルーズモードの場合には、燃料噴射量は加速状態のときよりも低い値で、且つ、アイドリング状態のときよりも高い値となる(図5中、70cc/min程度)。つまり、燃料噴射量のグラフ22は加速状態のときよりも短く、且つ、アイドリング状態の場合よりも長く表示される。また、クルーズモードでは相対的に燃料噴射量が少ない状態で高車速が維持されるため、瞬間燃費値は、車両の加速時よりも高い値となる(図5中、16km/L程度)。つまり、瞬間燃費値のグラフ20は、加速状態のときよりも長く、且つ、車両がフューエルカットモードのときよりも短く表示される。
ここで、車両がクルーズモードの場合には、アクセルペダル開度の影響が大きく、アクセルペダル開度が大きいほど、図5に示す値よりも燃料噴射量のグラフ22は長くなり、瞬間燃費値のグラフ20は短くなる。また、アクセルペダル開度が小さいほど、燃料噴射量のグラフ22は短くなり、瞬間燃費値のグラフ20は長くなる。なお、車両がクルーズモードの場合、燃料噴射量のグラフ22と瞬間燃費値のグラフ20との両者の面積が拮抗した状態となるように横軸17のレンジを設定するのが好ましい。
したがって、上述の第1の実施の形態によれば、燃料噴射量表示領域23と燃費表示領域21とが同一のエコメータ16上に設けられ、これら燃料噴射量表示領域23上および燃費表示領域21上、すなわちエコメータ16上に瞬間燃費値のグラフ20と燃料噴射量のグラフ22とが同時に表示されることで、それぞれのグラフを個別の表示スペースに表示する場合と比較して設置スペースを縮小することができるため、設置自由度を向上することができる。
また、燃料噴射量のグラフ22と、瞬間燃費値のグラフ20とにおける増加タイミングがそれぞれ相反するので、燃料噴射量のグラフ22と、瞬間燃費値のグラフ20とのうち少なくともいずれか一方のグラフがエコメータ16に表示される状態となり、相反した燃料噴射量と瞬間燃費値とを常に運転者が容易、且つ直接的に認識することができる。
さらに、エコメータ16の略中央に燃料噴射量のグラフ22および瞬間燃費値のグラフ20の原点が設けられており、また、燃料噴射量、瞬間燃費値の増加タイミングがそれぞれ相反するため、各グラフ20,22が重なるのを防止することができ、この結果、運転者が燃料の消費に関する値を容易、且つ直接的に認識することができる。
そして、燃料噴射量のグラフ22と瞬間燃費値のグラフ20とをそれぞれ異なった色で表示することで、燃料消費に関する値をより一層容易に識別することができる。
また、燃料噴射量のグラフ22と瞬間燃費値のグラフ20とは、増加するほど高さ方向の寸法(幅)が徐々に増加して視認性が向上するため、燃費の良し悪しが顕著な状態となった場合にこれを強調して表示することができ、この結果、燃費の良し悪しが顕著な状態であることを運転者に認識させることができる。
なお、上述した第1の実施の形態では、燃料噴射量のグラフ22と瞬間燃費値のグラフ20との示す値が増加するほどグラフの高さ寸法が徐々に増加する場合について説明したが、例えば、図6に示す変形例のように、等幅の棒グラフである燃料噴射量のグラフ22aと瞬間燃費値のグラフ20aとを用いるようにしても良い。
次に、図7〜図12を参照してこの発明の第2の実施の形態を説明する。この第2の実施の形態のエコメータも上述した第1の実施の形態のエコメータ16と同様に、スピードメータ2の中央部分に配置された水平方向に長尺のマルチインフォメーションディスプレイ15に表示されるものである。なお、上述した第1の実施の形態と同一部分に同一符号を付して説明する。
図7は、エンジン停止状態で車両が停車している場合のエコメータの一例を示している。図7に示すように、エコメータ116には、瞬間燃費値(km/L)のグラフを表示する表示領域(以下、単に燃費表示領域という)121と、燃料噴射量(cc/min)のグラフを表示する表示領域(以下、単に燃料噴射量表示領域という)123とが重なって配置されている。燃料噴射量表示領域123の上方には、燃料噴射量の横軸117aが設けられ、燃費表示領域121の下方には、瞬間燃費値の横軸117bが設けられている。これら燃料噴射量の横軸117aと瞬間燃費値の横軸117bとはそれぞれ車両の幅方向に沿って平行配置されている。
そして、上記燃料噴射量の横軸117aは、マルチインフォメーションディスプレイ15の一端側(図7中、右側)に原点「0」が配置され、この原点「0」からマルチインフォメーションディスプレイの他端側(図7中、左側)に向かってその数値が増加するようになっている。これに対して、瞬間燃費値の横軸はマルチインフォメーションディスプレイ15の他端側(図7中、左側)に原点「0」が配置され、この原点「0」からマルチインフォメーションディスプレイ15の一端側(図7中、右側)に向かってその数値が増加するようになっている。つまり、燃料噴射量表示領域123に表示される燃料噴射量のグラフ122(図9参照)と、燃費表示領域121に表示される瞬間燃費値のグラフ120(図9参照)とは、増加方向がそれぞれ相反する方向となる。
ここで、上述の燃料噴射量と瞬間燃費値とは、増加するタイミングが相反する値であり、燃料噴射量が上昇すれば瞬間燃費値が低下し、燃料噴射量が低下すれば瞬間燃費値が上昇するため、上述した燃料噴射量表示領域123に表示される燃料噴射量のグラフ122と燃費表示領域121に表示される瞬間燃費値のグラフ120とが重ならないように上述した各横軸117a,117bのレンジが設定されている。
図10に示すように、燃料噴射量表示領域123に表示される燃料噴射量のグラフ122と、燃費表示領域121に表示される瞬間燃費値のグラフ120とは、それぞれ略帯状に形成されたいわゆる棒グラフであり、それぞれのグラフの色は、上述した第1の実施の形態と同様に、一目で判別できるように例えば、白と黒、赤と青、黄色と青等、それぞれ異なった色の組み合わせで表示される。
次に、図8〜図11に基づいて、上述した第2の実施の形態のエコメータ116の表示例を車両の状態ごとに説明する。
図8は、車両がアイドリング状態の場合に、第2の実施の形態のエコメータ116に表示されるグラフの一例を示したものである。このアイドリング状態のとき、エコメータ116の右端側から、エンジンのアイドリングに必要な燃料噴射量(図8中、17cc/min程度)を示す燃料噴射量のグラフ122が表示される。一方、アイドリング状態のときには車両が走行していない状態であるため、エコメータ116の左端側には、瞬間燃費値のグラフ120が表示されない状態となっている。なお、冷間時のエンジン始動直後には、エンジンが暖機状態となるため、図8に示す燃料噴射量のグラフよりも燃料噴射量のグラフは増加方向に長く表示される。
図9は、車両が加速状態の場合に、エコメータ116に表示されるグラフの一例を示したものである。エコメータ116の燃料噴射量表示領域123には、アクセルペダル開度に対応した燃料噴射量となるため、燃料噴射量のグラフ122はアイドリング時よりも高い値(図9中、120cc/min程度)を示す。ここで、図9に示すエコメータ116では、燃料噴射量のグラフ122は燃料噴射量表示領域123の右端からエコメータの中央よりやや左側に至る長さで表示される。
さらに、車両が加速状態の場合の燃費表示領域121には、低い値(図9中、7km/L程度)を示す瞬間燃費値のグラフ120が表示される。なお、図9に示す燃料噴射量のグラフ122の値と瞬間燃費値のグラフ120との値は一例であってこれらの値に限られるものではなく、燃料噴射量のグラフ122と瞬間燃費値のグラフ120とは、アクセルペダル開度が大きいほど、燃料噴射量のグラフの長さが長く、且つ、瞬間燃費値のグラフ120の長さが短く表示される。
図10は、減速時などに車両の燃料噴射量がゼロとなるいわゆるフューエルカットモードである場合の、エコメータ116に表示されるグラフの一例を示したものである。このフューエルカットモードの場合には、アクセルペダルがオフ状態であるとともに燃料噴射が行われないため、燃料噴射量がゼロとなり、一方、瞬間燃費値は燃料消費がない状態で走行しているため無限大(∞)となる。よって、燃料噴射量のグラフ122は表示されず、瞬間燃費値のグラフ120は、その最大値を示し、燃費表示領域121の全域つまりエコメータ116の左端から右端に至る長さで表示される。
図11は、車両がクルーズモードの場合に、エコメータ116に表示されるグラフの一例を示したものである。車両がクルーズモードの場合には、一般に、上述した加速状態のときよりもアクセルペダル開度が小さく且つ車速が高い状態になる。そして、このクルーズモードでは、燃料噴射量は、加速状態よりも低く、且つ、アイドリング状態よりも高い値(図11中、50cc/min程度)となるため、燃料噴射量のグラフの長さは、加速状態よりも短く、且つ、アイドリング状態よりも長くなる。
また、車両のクルーズモードでは燃料噴射量が少ない状態で高車速が維持されるため、瞬間燃費値は、加速時よりも高く、且つフューエルカットモードの場合よりも低い値となるため、瞬間燃費値のグラフの長さは、加速時の瞬間燃費値のグラフより長く、且つ、フューエルカットモードのグラフよりも短くなる(図11中、18km/L程度)。ここで、アクセルペダル開度が大きいほど、燃料噴射量のグラフ122が長くなり瞬間燃費値のグラフ120が短くなる。また、アクセルペダル開度が小さいほど、燃料噴射量のグラフ122が短くなり瞬間燃費値のグラフ120が長くなる。なお、クルーズモードのときに、燃料噴射量のグラフ122と瞬間燃費値のグラフ120との両者の面積が拮抗した状態となるように横軸117a,117bのレンジを設定するのが好ましい。
したがって、上述した第2の実施の形態によれば、燃料噴射量表示領域123に表示される燃料噴射量のグラフ122がエコメータ116の右端側から左端側に向かって増加方向となり、燃費表示領域121に表示される瞬間燃費値のグラフ120が右端側から左端側に向かって減少方向となることで、グラフ120,122のうち一方が増加するときに他方が減少するため、これらの相乗効果で燃費の消費に関する値をより一層運転者が認識し易くなる。
また、燃料噴射量と瞬間燃費値との増減のタイミングがそれぞれ相反してトレードオフの関係となり、また、これらの増加方向が相反する方向となるため、略帯状の各グラフ120,122が重なって見辛くなるのを防止することができる。また、各グラフ120,122の増減方向に沿って略帯状の各グラフ120,122が平行に表示されることもないため、視認性を向上させつつ、エコメータ116の右端側から左端側までの距離を短縮することができ、この結果、エコメータ116の配置自由度の向上を図ることができる。
なお、上述した各実施の形態では、燃料噴射量のグラフ22,122と瞬間燃費値のグラフ20,120とを表示する場合について説明したが、表示するグラフの単位は燃費に関してトレードオフの関係になる単位であればよい。例えば、図12に示すように、上述した燃料噴射量に代えてアクセル開度(%)の横軸117cとして、アクセル開度表示領域223にアクセル開度のグラフ222を表示するようにしてもよく、さらに、瞬間燃費値のグラフに代えて、予め設定された所定時間内の平均燃費のグラフ(図示せず)を表示するようにしてもよい。
また、各目盛りのレンジおよび単位は、運転者の好みに応じて変更可能に構成してもよく、このように構成した場合、更なる商品性の向上を図ることができる。
そして、上記各実施の形態では、各グラフが横軸に沿って直線的に増減する場合について説明したが、例えば、円グラフや、弧状に増加するグラフなど、直線的に増加するもの以外のグラフに適用しても良い。
さらに、上記各実施の形態のグラフは、増加方向を車幅方向に設定していたが、これに限られるものではなく、例えば、計器盤上の配置スペースの都合に合わせて上下方向や斜め方向など適宜設定しても良い。
本発明の第1の実施の形態における計器盤の正面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるアイドリング時のエコメータの正面図である。 本発明の第1の実施の形態における加速時のエコメータの正面図である。 本発明の第1の実施の形態における減速時のエコメータの正面図である。 本発明の第1の実施の形態における巡航時のエコメータの正面図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例におけるエコメータの正面図である。 本発明の第2の実施の形態におけるエンジン停止状態で停車時のエコメータの正面図である。 本発明の第2の実施の形態におけるアイドリング時のエコメータの正面図である。 本発明の第2の実施の形態における加速時のエコメータの正面図である。 本発明の第2の実施の形態における減速時のエコメータの正面図である。 本発明の第2の実施の形態における巡航時のエコメータの正面図である。 本発明の各実施の形態の変形例におけるエコメータの説明図である。
符号の説明
16,116 エコメータ(表示部)
22,22a,122 燃料噴射量のグラフ
23,123 燃料噴射量表示領域(第1表示領域)
222 アクセル開度のグラフ
223 アクセル開度表示領域(第1表示領域)
20,20a,120 瞬間燃費値のグラフ
21,121 燃費表示領域(第2表示領域)

Claims (6)

  1. 車両に搭載され、燃料の消費に関する値をグラフで表示するグラフ表示部を有する燃費情報表示装置において、
    前記グラフ表示部は、前記車両の燃料噴射量又はアクセル開度のグラフを表示する第1表示領域と、
    前記車両の瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフを表示する第2表示領域とを備え、
    前記第1表示領域に表示される前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフの増加方向と、前記第2表示領域に表示される瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフの増加方向とが、それぞれ相反する方向に設定されていることを特徴とする燃費情報表示装置。
  2. 前記第1表示領域に表示される前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフと、前記第2表示領域に表示される前記瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフとは、略帯状に表示されるグラフであり、
    前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフの始点は、前記グラフ表示部の一端側に設けられ、
    前記瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフの始点は、前記グラフ表示部の他端側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃費情報表示装置。
  3. 前記第1表示領域に表示される前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフと、前記第2表示領域に表示される前記瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフとは、略帯状に表示されるグラフであり、
    前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフの始点と、前記瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフの始点とは、前記グラフ表示部の略中央に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃費情報表示装置。
  4. 前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフと、前記瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフとは、増加方向に向かうほど幅広に表示されることを特徴とする請求項3に記載の燃費情報表示装置。
  5. 前記燃料噴射量又はアクセル開度のグラフと前記瞬間燃費値又は平均燃費値のグラフとは、それぞれ異なった色で表示されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃費情報表示装置。
  6. 前記第1表示領域と前記第2表示領域とは目盛りを備え、該目盛りのレンジおよび単位は変更可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃費情報表示装置。
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