JP2008302654A - 流体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容積変化により、キャップ部材と噴射ヘッドとの間の隙間に充填可能とされる充填部80aと、充填部80aを容積変化させる駆動部81とを備える。
【選択図】図5
Description
また、流体噴射装置においては、ノズルの噴射特性の回復を図るために、上記キャップ部材が記録ヘッドに当接されることによって形成される閉空間を減圧し、ノズルからインクを強制吸引する場合がある。
特に記録ヘッドがラインヘッドである場合には、記録ヘッド及びキャップ部材が共に細長くなるため、記録ヘッド及びキャップ部材の形状に僅かな撓みが生じ易くなる。このため、キャップ部材と記録ヘッドとの間に隙間が形成される虞が増大する。
また、例えば、記録ヘッドのキャップ部材との当接面が平坦でなく凹凸を有する場合には、凹凸箇所における記録ヘッドのキャップ部材との密着性を確保することが困難となる。このため、キャップ部材と記録ヘッドとの間に隙間が形成される虞が増大する。
つまり、キャップ部材と噴射ヘッドとを当接させた状態において、キャップ部材と噴射ヘッドとの間の一部に隙間が形成された場合であっても、充填部によって当該隙間が充填される。このため、キャップ部材と噴射ヘッドとを確実に密着させることができる。
したがって、本発明によれば、流体噴射装置においてキャップ部材と噴射ヘッドとの密着性を確保することが可能となる。
このような構成を採用することによって、充填部と噴射ヘッド及びキャップ部材の少なくとも一方とが一体的に形成されるため、充填部を設置するために必要となるスペースを最小限に抑えることが可能となる。
このような構成を採用することによって、押し出し機構によってゲル状体の押し出し量が変化される。つまり、押し出し機構によって、噴射ヘッド及びキャップ部材の少なくとも一方の内部空間から外部へ押し出されたゲル状体の一部の容積が変化される。
そして、このようなゲル状体の一部がキャップ部材と噴射ヘッドとの間の隙間に充填される。
つまり、キャップ部材と噴射ヘッドとを当接させた状態において、キャップ部材と噴射ヘッドとの間の一部に隙間が形成された場合であっても、ゲル状体の一部によって当該隙間が充填される。このため、キャップ部材と噴射ヘッドとを確実に密着させることができる。
このような構成を採用することによって、キャップ部材と噴射ヘッドとが当接された場合に、キャップ部材と噴射ヘッドとによってノズルの形成領域を含む空間が形成される。そして、噴射ヘッドと該噴射ヘッドに直接当接される枠状部と間の隙間に充填部を充填し、キャップ部材と噴射ヘッドとを密着させることによって、上記空間を外部と隔離された閉空間とすることができる。
したがって、ノズルが晒される空間から外部への気体の漏出を防止し、これによってノズルが晒される空間の良好な保湿環境を形成できる。また、ノズルが晒される空間を十分に減圧することができ、これによって流体の良好な吸引が可能となる。
このような構成を採用することによって、ラインヘッドとキャップ部材との間の隙間が充填部によって充填されるため、ラインヘッドとキャップ部材とを確実に密着させることが可能となる。
本実施形態においてインクジェットプリンタ100は、図1及び図2に示すように、記録紙12への記録を行う記録部10と、記録部10のメンテナンス処理を行うメンテナンス部11とを備える。
ラインヘッド13は、ヘッド本体18と、振動板19、流路基板20、及びノズル基板21を含む流路形成ユニット22とを備えている。インクを噴射するノズル17はノズル基板21に形成され、ノズル基板21の下面がノズル形成面21Aとされている。流路形成ユニット22は、振動板19、流路基板20、及びノズル基板21を積層し、接着剤等で接合して一体にしたものである。
より詳細には、ラインヘッド13は、ラインヘッド移動機構70によって、印刷位置とメンテナンス位置との間において上下方向に移動可能とされている。
なお、印刷位置とは、ラインヘッド13のノズル17から記録紙12へインクを噴射することによって記録を行う位置であり、相対的にラインヘッド13が上方に移動された位置である。また、メンテナンス位置とは、以下に詳説するメンテナンス部11によってラインヘッド13のメンテナンス処理が行われる位置であり、相対的にラインヘッド13が可能に移動された位置である。
メンテナンス部11は、ノズル17の乾燥防止又はノズル17近傍のインク粘度上昇を防止するためのキャッピング機構40と、キャッピング機構40に溜まったインクを排出するためのインク排出部41とを含めたメンテナンス部42、インク排出部41によって排出されたインクを回収する廃インクタンク39等を備えている。
このようなキャップ部材43は、周縁部43aがノズル形成面21Aと当接することによってラインヘッド13のノズル形成領域を囲うことができ、これによってノズル形成面21Aとの間に空間を形成可能とされている。
そして、内部空間43bの内部には、上記開口部43cを介して一部80a(充填部)が外部に押出し可能なゲル状体80が収納されている。なお、ここでのゲル状体80の一部80aとは、外部に押し出された部位のことを言う。また、内部空間43bには、ゲル状体80の内部空間43bから外部への押出し量を規定するための押出部82が収納されている。この押出部82は、ピストン83によって内部空間43b内を移動可能とされている。そして、押出部82及びピストン83によって押出し機構81(駆動部)が構成されている。
また、ゲル状体80と押出部82とは固着されており、押出し機構81を逆駆動することによって、ゲル状体80を内部空間43bに引き戻すことができ、これによってゲル状体80の一部80aの量が減少する。
このように押出し機構81の駆動によって、キャップ部材43の外部に押し出されるゲル状体80の一部80aが容積変化する。
このゲル状体80は、ラインヘッド13が上述のメンテナンス位置に位置している場合において、ラインヘッド13とキャップ部材43の周縁部43aとの間の隙間が充填されるように押し出される。すなわち、ゲル状体80の一部80aは、ラインヘッド13とキャップ部材43の周縁部43aとの間の隙間が充填されるように容積変化される。
また、キャップ部材43とノズル形成面21Aとの間に形成される空間が閉空間とされることによって、後述の吸引ポンプ49を作動させた場合に閉空間が減圧される。このため、ラインヘッド13内のインク2をノズルから強制的に排出することも可能である。
以下、図7を参照してインク排出部について詳述する。図7は、キャップ部材に連結された吸引ポンプの構成を示す図である。
インク排出部41は、キャップ部材43に接続してキャップ部材43内に溜まったインクを排出するインク排出流路、キャップ部材43に溜まったインクをインク排出流路内に吸引するための吸引ポンプ49等を備えている。
突出部46には、上記インク排出流路として機能する、可撓性材料等からなる排出チューブ47(第2の排出流路)の一端部が接続されており、排出チューブ47の他端部は、廃インクタンク39内に挿入されている。
なお、廃インクタンク39内には、多孔質部材からなる廃インク吸収材48が収容されており、この廃インク吸収材48により回収されたインク2が吸収されるようになっている。
両ローラ案内溝53,54内には、押圧手段としての一対のローラ55,56が、それぞれ回動軸55a,56aを介して挿通支持されている。なお、両回動軸55a,56aは、それぞれ両ローラ案内溝53,54内を摺動自在になっている。
これにより、キャップ部材43内に溜まったインク2は、ポンプホイル51の正方向の回動動作により、徐々に廃インクタンク39方向へ排出されるようになっている。
なお、ポンプホイル51は、記録紙搬送機構14の紙送りモータによって回転駆動されるようになっている。
本実施形態におけるインクジェットプリンタ100は、図7に示すように、インクジェットプリンタ100全体の動作を制御する制御装置60を備えている。制御装置60には、インクジェットプリンタ100の動作に関する各種情報を入力する入力装置61と、インクジェットプリンタ100の動作に関する各種情報を記憶した記憶装置62と、時間の計測を実行可能な計測装置63とが接続されている。また、制御装置60には、上述した記録紙搬送機構14、キャップ部材43及び吸引ポンプ49を含むメンテナンス部42等が接続されている。また、インクジェットプリンタ100は、圧電素子25を含む駆動ユニット24に入力する駆動信号を発生する駆動信号発生器64を備えている。駆動信号発生器64は、制御装置60に接続されている。
外部から印刷データが送信されると、制御装置60は、ドットパターンに対応した噴射データに展開してラインヘッド13に送信する。そして、ラインヘッド13では、受信した噴射データに基づき、記録(印字・印刷)処理、すなわち記録紙に対するインク滴Dの噴射を実行する(ステップS1)。
そして、予め設定されている時間が経過すると(ステップS2)、定期メンテナンス処理を開始する。
なお、ステップS3においては、図11に示すようにラインヘッド13のノズル形成面21Aとキャップ部材43の周縁部43aとが一定の距離だけ離間された状態であっても良いし、ラインヘッド13のノズル形成面21Aとキャップ部材43の周縁部43aとが当接された状態であっても良い。すなわち、上記メンテナンス位置が、ラインヘッド13のノズル形成面21Aとキャップ部材43の周縁部43aとが一定の距離だけ離間される位置に設定されていても良いし、ラインヘッド13のノズル形成面21Aとキャップ部材43の周縁部43aとが当接された位置に設定されていても良い。
より詳細には、図5及び図6に示すように、制御装置60は、押出し機構81の一部であるピストン83を駆動させることによって、同じく押出し機構81の一部である押出部82が内部空間43bを上昇するように移動させる。これによって内部空間43bに収納されたゲル状体80が押し出され、開口部43cを介して突出するゲル状体80の一部80aの容積が増加する。そして、ゲル状体80の一部80aがノズル形成面21Aと周縁部43aとの間の隙間に充填される。
なお、ステップS3にてノズル形成面21Aとキャップ部材43とが当接される場合であっても、ラインヘッド13あるいはキャッピング機構40の製造精度や組み立て精度のばらつきに起因して、ノズル形成面21Aとキャップ部材43との間に隙間が形成される。
そして、上述のようにゲル状体80の一部80aがラインヘッド13とキャップ部材43の周縁部43aとの間の隙間が充填されることによって、キャップ部材43とノズル形成面21Aとの間に形成される空間Kを外部と隔離された閉空間とすることができる。
この際、上述のように、キャップ部材43とノズル形成面21Aとの間に形成される空間Kが閉空間とされているため、吸引ポンプ49を駆動させることによって空間Kを良好に減圧させることができる。このため、ラインヘッド13内のインク2をノズル17から良好に強制排出させることができる。
より詳細には、図5及び図6に示すように、制御装置60は、押出し機構81の一部であるピストン83を駆動させることによって、同じく押出し機構81の一部である押出部82が内部空間43bを下降するように移動させる。これによって内部空間43bに収納されたゲル状体80が引き戻され、開口部43cを介して突出するゲル状体80の一部80aの容積が減少し、ラインヘッド13とキャップ部材43の周縁部43aとの間の隙間が形成される。このようにラインヘッド13とキャップ部材43の周縁部43aとの間の隙間が形成されると、制御装置60は、ラインヘッド13を印刷位置まで移動させることによってノズル形成面21Aからキャップ部材43を離間させる。
この際、上述のように、キャップ部材43とノズル形成面21Aとの間に形成される空間Kが閉空間とされているため、空間Kを良好に保湿することができる。このため、ノズル17の乾燥を良好に抑制することができる。
つまり、キャップ部材43とラインヘッド13とを当接させた状態において、キャップ部材43とラインヘッド13との間の一部に隙間が形成された場合であっても、ゲル状体80の一部80aによって当該隙間が充填される。このため、キャップ部材43とラインヘッド13とを確実に密着させることができる。
したがって、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、キャップ部材43とラインヘッド13との密着性を確保することが可能となる。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタ100によれば、細長いために形状に僅かな撓みが生じ易くなるラインヘッド及びラインヘッド用のキャップ部材であっても、キャップ部材43とラインヘッド13とを確実に密着させることができる。
また、ノズル形成面21Aが仮に平坦でない場合であっても、キャップ部材43とラインヘッド13とを確実に密着させることができる。
なお、ゲル状体80及び押出し機構81をラインヘッド13側に設置し、キャップ部材43とゲル状体80の一部80aとを一体的に構成しても良い。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、キャップ部材が周縁部43aを備えず、キャップ部材の全面がノズル形成面21Aと当接される、いわゆる密着キャップを備えるインクジェットプリンタに適用することもできる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、キャップ部材43を上下に移動させることによって、ラインヘッド13とキャップ部材43との相対移動を実現させても良い。
また、図14(a)に示すように、単一のラインヘッドが複数のユニット90に分割されていても良い。また、図14(b)に示すように、各ユニット90がラインヘッド13の長手方向に沿って千鳥配置されていても良い。
また、本発明は、ラインヘッド方式のインクジェットプリンタに限られるものではなく、シリアル方式のインクジェットプリンタに適用することも可能である。
Claims (5)
- 複数のノズルを備えると共に前記ノズルから流体を噴射する噴射ヘッドと、前記ノズルの噴射特性を維持あるいは回復させるために前記噴射ヘッドに対して当接可能とされるキャップ部材とを備える流体噴射装置であって、
容積変化により、前記キャップ部材と前記噴射ヘッドとの間の隙間に充填可能とされる充填部と、
前記充填部を容積変化させる駆動部と
を備えることを特徴とする流体噴射装置。 - 前記噴射ヘッド及び前記キャップ部材の少なくとも一方に前記充填部を設置することを特徴とする請求項1記載の流体噴射装置。
- 前記充填部が、前記噴射ヘッド及び前記キャップ部材の少なくとも一方の内部空間から外部へと押出し出されたゲル状体の一部であり、
前記駆動部が、前記ゲル状体の前記内部空間から外部への押出し量を変化させる押出し機構である
ことを特徴とする請求項2記載の流体噴射装置。 - 前記キャップ部材が前記ノズルの形成領域を囲って前記噴射ヘッドに当接する枠状部を備え、
前記充填部は、前記枠状部と前記噴射ヘッドとの間の隙間に充填可能とされる
ことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の流体噴射装置。 - 前記噴射ヘッドは、ラインヘッドであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の流体噴射装置。
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