JP2009012382A - 流体噴射装置及び流体噴射装置におけるフラッシング処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体噴射装置における流体の利用効率を向上させることを目的とする。
【解決手段】複数のノズル開口からなるノズル群を複数有するラインヘッド13と、ラインヘッド13に対向配置されるキャップ部材43と、を備えたインクジェットプリンタ100において、各ノズル群は、異なる種類の流体をそれぞれ噴射可能とされ、キャップ部材43は、各ノズル群にそれぞれ対応して設けられ、各ノズル群の複数のノズル開口から噴射されるインクを収容可能とされた複数の流体受け部71を有し、各流体受け部71に溜まったインクは、各流体受け部71にそれぞれ連通する複数の排出流路36によって排出可能とされている。
【選択図】図5

Description

本発明は、流体噴射装置及び流体噴射装置におけるフラッシング処理方法に関するものである。
流体噴射装置として、記録ヘッド(噴射ヘッド)に形成されたノズルより記録媒体にインクを噴射するインクジェット式記録装置が知られている。流体噴射装置においては、記録ヘッドの各ノズルの状態を好適に保ち、常に所望の液量のインク滴が吐出されてドット抜けが発生しないように、記録(印刷)の開始前、途中又は終了後等に、各ノズルからインクを吐出することでノズルの目詰まりを防止する、いわゆるフラッシング処理が行われている。
特開2002−234188号公報
従来の技術では、フラッシング処理によって排出される全ての色のインクが混ざって回収されるために、印字へのインクの再利用は不可能であった。
また、特に記録ヘッドがラインヘッドである場合には、ノズル数が多いために各インクの排出量も大量となってしまい、多くのインクが無駄になっていた。そのため、インクの利用効率が悪くコストが掛かるという問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、流体噴射装置における流体の利用効率を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、複数のノズル開口からなるノズル群を複数有する流体噴射ヘッドと、流体噴射ヘッドに対向配置されるキャップ部材と、を備えた流体噴射装置において、各ノズル群は、異なる種類の流体をそれぞれ噴射可能とされ、キャップ部材は、各ノズル群にそれぞれ対応して設けられ、各ノズル群の複数のノズル開口から噴射される流体を収容可能とされた複数の流体受け部を有し、各流体受け部に溜まった流体は、各流体受け部にそれぞれ連通する複数の排出流路によって排出可能とされていることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、キャップ部材に、流体噴射ヘッドの各ノズル群に対応する複数の流体受け部が設けられているので、ノズルの目詰まりを防止するために行われるフラッシング処理において、各ノズル群から排出される流体を種類ごとに受けることが可能となる。従来のように、各種類の流体がキャップ部材内で混合することがないので各流体の再利用が可能となる。そのため、例えばフラッシング処理において、ノズルの目詰まりを確実に回避するためにノズル群から大量の流体が噴射された場合や、ノズル数の多いラインヘッドの場合であっても、各種の流体を無駄にすることなく利用することができるようになる。これにより、ノズルの良好な噴射精度を確保できるとともに流体に掛かるコストを抑えることができる。
上記目的を達成するために、本発明は、複数のノズル開口からなるノズル列を複数有する流体噴射ヘッドと、流体噴射ヘッドに対向配置されるキャップ部材と、を備えた流体噴射装置において、各ノズル列は、異なる種類の流体をそれぞれ噴射可能とされ、キャップ部材は、複数のノズル列に対応して設けられ、各ノズル列の複数のノズル開口から噴射される流体を収容可能とされた複数の流体受け部を有し、キャップ部材に溜まった流体は、各流体受け部にそれぞれ連通する複数の排出流路によって排出可能とされていることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、キャップ部材に、流体噴射ヘッドの各ノズル列に対応する複数の流体受け部が設けられているので、ノズルの目詰まりを防止するために行われるフラッシング処理において、各ノズル列から排出される流体を種類ごとに受けることが可能となる。従来のように、各種類の流体がキャップ部材内で混合することがないので各流体の再利用が可能となる。そのため、ノズルの目詰まりを確実に回避するためにノズル列から大量の流体が噴射された場合や、ノズル数の多いラインヘッドの場合でも、各種の流体を無駄にすることなく利用することができるようになる。これにより、ノズルの良好な噴射精度を確保できるとともに流体に掛かるコストを抑えることができる。
また、本発明においては、キャップ部材の各流体受け部に、排出流路を介して接続されるとともに流体を種類毎に貯留する複数の流体貯留部を備えているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、各流体貯留部に流体を種類毎に貯留することが可能となるので、キャップ部材の各流体受け部に溜まった流体を混合させることなく回収することができる。
また、本発明においては、複数の流体貯留部内の流体を、各ノズル群にそれぞれ供給する供給流路を備えているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、キャップ部材の各流体受け部に溜まった流体を、流体貯留部及び供給流路を介して各ノズル群へと直接供給することが可能となり、流体の再利用を効率良く行うことが可能となる。
また、本発明においては、排出流路内の流体を送流可能とする送流手段を備えるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、送流手段の作用による各排出流路内の流体の強制的な送流が可能となるため、キャップ部材に溜まった流体を短時間で排出させることができる。また、キャップ部材に溜まった流体を短時間で各流体貯留部へと送ることが可能になる。
また、本発明においては、キャップ部材を傾けて、各流体受け部内の流体を各排出流路へと流出させる傾動手段を備えるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、傾動手段の作用により、キャップ部材を傾けるだけで流体受け部内の流体を各排出流路へと流出させることができるので、各流体受け部に溜まった流体を確実に各流体貯留部へと送ることができる。
また、本発明においては、複数のノズル群あるいは複数のノズル列の配列方向にキャップ部材を移動可能とする移動手段を備えるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、流体噴射ヘッドにおける各ノズル群(各ノズル列)の配列ピッチが非常に狭い場合であっても、対応するノズル群(ノズル列)と流体受け部とを確実に位置合わせすることができる。これにより、各種流体の混合を避け、種類ごとに流体を回収することができる。
また、本発明においては、ノズル群ごとにフラッシング処理を行う制御部を備えるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、フラッシングの必要なノズル群のみにフラッシング処理を施すことが可能となる。そのため、定期メンテナンスに要する時間を短縮することができる。
また、本発明においては、キャップ部材は、異なる種類の流体を一括して保持する共通受け部を有しているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、フラッシング処理時に流体受け部が流体で一杯になった場合でも、共通受け部が各流体受け部の予備として機能し、流体を受けることができる。これにより、流体受け部から流体を溢れ出させることなく処理を行うことができる。
上記目的を達成するために、本発明は、複数のノズル開口からなるノズル群を複数有する流体噴射ヘッドに対向配置されるキャップ部材に向けてノズルから流体を噴射してフラッシング処理を行う、流体噴射装置におけるフラッシング処理方法であって、異なる種類の流体を噴射可能とする複数のノズル群を備えた流体噴射ヘッドに、各ノズル群に対応する複数の流体受け部を備えたキャップ部材を対向させる工程と、フラッシング処理を行うノズル群と、当該ノズル群に対応して設けられ、各ノズル群の複数のノズルから噴射される流体を収容可能とされた流体受け部とを位置合わせする工程と、ノズル群から流体受け部に対して流体を噴射してフラッシング処理を行う工程と、を備えることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、流体噴射ヘッドの各ノズル群と、キャップ部材の各流体受け部とを位置合わせした状態でフラッシング処理を施すことにより、各ノズル群から排出される流体を種類ごとに受けることが可能となる。従来のように、各種類の流体がキャップ部材内で混合することがないので各流体の再利用が可能となる。そのため、ノズルの目詰まりを確実に回避するためにノズル群から大量の流体が噴射された場合や、ノズル数の多いラインヘッドの場合であっても、各種の流体を無駄にすることなく利用することができるようになる。これにより、ノズルの良好な噴射精度を確保できるとともに流体に掛かるコストを抑えることができる。
上記目的を達成するために、本発明は、複数のノズル開口からなるノズル列を複数有する流体噴射ヘッドに対向配置されるキャップ部材に向けてノズルから流体を噴射してフラッシング処理を行う、流体噴射装置におけるフラッシング処理方法であって、異なる種類の流体を噴射可能とする複数のノズル列からなる流体噴射ヘッドに、複数のノズル列の各々に対応して設けられ、各ノズル列の複数のノズルから噴射される流体を収容可能とされた複数の流体受け部を備えたキャップ部材を対向させる工程と、フラッシング処理を行うノズル列と、当該ノズル列に対応する流体受け部とを位置合わせする工程と、ノズル列から流体受け部に対して流体を噴射してフラッシング処理を行う工程と、を備えることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、流体噴射ヘッドの各ノズル群のノズル列と、キャップ部材の各流体受け部とを位置合わせした状態でフラッシング処理を施すことにより、各ノズル列から排出される流体を種類ごとに受けることが可能となる。従来のように、各種類の流体がキャップ部材内で混合することがないので各流体の再利用が可能となる。そのため、ノズルの目詰まりを確実に回避するためにノズル列から大量の流体が噴射された場合や、ノズル数の多いラインヘッドの場合であっても、各種の流体を無駄にすることなく利用することができるようになる。これにより、ノズルの良好な噴射精度を確保できるとともに流体に掛かるコストを抑えることができる。
以下、本発明に係る流体噴射装置の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。本実施形態では、本発明に係る流体噴射装置として、インクジェット式プリンタを例示する。
図1は、本実施形態のインクジェット式プリンタ(以下、インクジェットプリンタ100という)の概略構成図、図2は、ラインヘッド周辺の要部平面図、図3は、ラインヘッドのノズル形成面を示す平面図である。
本実施形態においてインクジェットプリンタ100は、図1及び図2に示すように、記録紙12への記録を行う記録部10と、記録部10のフラッシング処理を行うメンテナンス部11とを備える。
記録部10は、インク滴を噴射して流体噴射対象物である記録紙12に画像形成するラインヘッド13(流体噴射ヘッド)と、記録紙12を搬送する記録紙搬送機構14と、ラインヘッド13に供給するインク(流体)を貯留したインク貯留部15とを備えて構成されている。
記録紙搬送機構14は、紙送りモータ(不図示)やこの紙送りモータによって回転駆動される紙送りローラ等から構成され、記録(印字・印刷)動作に連動させて、記録紙12をラインヘッド13に対向するように順次送り出す。
インク貯留部15は、プリンタ本体16の一側に配置され、不図示のインク供給手段により後述のラインヘッド13へインクを供給する。このインク貯留部15は、インクジェットプリンタ100の各色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K1:染料系)、黒(K2:顔料系))に対応する色のインクを貯蔵するインクタンク(流体貯留部)15Y,15M,15C,15K1,15K2を有しており、後述のインク供給部を介してラインヘッド13と連通している。
ラインヘッド13は、インクジェットプリンタ100が対象とする最大サイズの記録紙12の少なくとも一辺を越える長さ(最大記録紙幅W)に亘ってノズルが多数配列されたライン型の記録ヘッドである。本実施形態においては、少なくとも各色(Y、M、C、K1、K2)に対応した5つの印字部5Y,5M,5C,5K1,5K2を備えている。各印字部5Y,5M,5C,5K1,5K2は、インク滴を噴射するためのノズル17を多数整列配置してなるノズル群L(図3参照)をそれぞれ有しており、記録紙12の搬送方向に沿って順に配設されている。ノズル群Lは、ノズル17による1列のライン又はノズル17による複数列のラインであって、ノズル17の数やラインの数は適宜設定される。図3はノズル群Lの一実施例を示すものであり、ノズル17による複数列のラインを示している。ライン数を増やすことにより、一度に広範囲の記録が可能になるとともに、画像の解像度も高まる。なお、ここで言うノズル列のラインとは、記録紙の搬送方向に直交する方向に配列するノズル開口17のラインである。
ラインヘッド13は、最大記録紙幅Wに対応する長さ方向を記録紙12の搬送方向と直交する方向に配置され、各ノズル群Lのノズル開口17からインク滴が記録紙12に噴射されることにより記録紙12に画像が記録される。
インク貯留部15とラインヘッド13とを連通するインク供給部は、複数のインク供給流路34(図5参照)を有しており、各インクタンク15Y,15M,15C,15K1,15K2から各印字部5Y,5M,5C,5K1,5K2へとインクが供給されるようになっている。
以下、図4を参照してラインヘッドの構成について詳述する。図4は、ラインヘッドの一部を示す断面図である。
ラインヘッド13は、ヘッド本体18と、振動板19、流路基板20、及びノズル基板21を含む流路形成ユニット22とを備えている。インクを噴射するノズル開口17はノズル基板21に形成され、ノズル基板21の下面がノズル形成面21Aとされている。流路形成ユニット22は、振動板19、流路基板20、及びノズル基板21を積層し、接着剤等で接合して一体にしたものである。
ラインヘッド13は、ヘッド本体18の内部に形成された収容空間23と、収容空間23に配置された駆動ユニット24とを備えている。駆動ユニット24は、複数の圧電素子25と、圧電素子25の上端を支持する固定部材26と、駆動信号を圧電素子25に供給する柔軟なケーブル27とを備えている。圧電素子25は、複数のノズル開口17のそれぞれに対応するように設けられている。
また、ヘッド本体18の内部に形成され、インクタンクからインク供給流路を介して供給されたインクが流れる内部流路28と、振動板19、流路基板20、及びノズル基板21を含む流路形成ユニット22によって形成され、内部流路28と接続された共通インク室29と、流路形成ユニット22によって形成され、共通インク室29と接続されたインク供給口30と、流路形成ユニット22によって形成されてインク供給口30と接続された圧力室31とを備えている。圧力室31は、複数のノズル開口17に対応するように複数設けられている。複数のノズル開口17のそれぞれは、複数の圧力室31のそれぞれに接続されている。
ヘッド本体18は、合成樹脂で形成されている。振動板19は、例えばステンレス鋼等の金属製の支持板上に弾性フィルムをラミネート加工したものである。振動板19の圧力室に対応する部分には、圧電素子25の下端と接合される島部32が形成されている。振動板19の少なくとも一部は、圧電素子25の駆動に応じて弾性変形する。振動板19と内部流路28の下端近傍との間にはコンプライアンス部33が形成されている。
流路基板20は、内部流路28の下端とノズル開口17とを接続する共通インク室29、インク供給口30、及び圧力室31それぞれの空間を形成するための凹部を有する。本実施形態においては、流路基板20は、シリコンを異方性エッチングすることで形成されている。
ノズル基板21は、所定方向に所定間隔(ピッチ)で形成された複数のノズル開口17を有する。本実施形態のノズル基板21は、例えばステンレス鋼等の金属で形成された板状の部材である。
各インクタンクから各々のインク供給流路を介して供給されたインクは、内部流路28の上端に流入する。内部流路28の下端は、共通インク室29に接続されており、インクタンクからインク供給流路を介して内部流路28の上端に流入したインクは、内部流路28を流れた後、共通インク室29に供給される。共通インク室29に供給されたインクは、インク供給口30を介して、複数の圧力室31のそれぞれに分配されるように供給される。
ケーブル27を介して圧電素子25に駆動信号が入力されると、圧電素子25が伸縮する。これにより、振動板19が圧力室に接近する方向及び離れる方向に変形(移動)する。これにより、圧力室31の容積が変化し、インクを収容した圧力室31の圧力が変動する。この圧力の変動によって、ノズル開口17からインクが噴射される。
このように、本実施形態の圧電素子25(駆動素子)は、ノズル開口17よりインクを噴射するために、入力される駆動信号に基づいて、ノズル開口17に接続された圧力室31(空間)の圧力を変動させる。そして、ノズル開口17から噴射されたインクによって記録紙12に所望の画像が形成される。
次に、図5及び図6を参照してメンテナンス部11の構成について詳述する。
メンテナンス部11は、ノズル開口17の乾燥防止又はノズル開口17近傍のインク粘度上昇を防止するためのキャッピング機構40と、キャッピング機構40に溜まったインクを排出するためのインク排出部41とを含めたメンテナンス装置42、インク排出部41によって排出されたインクを回収する廃インクタンク39等を備えている。
キャッピング機構40は、図5に示すように、樹脂等によって成型されたキャップ部材43を備えている。キャップ部材43は、ラインヘッド13のノズル形成面21Aを覆うことができるとともに、ノズル形成面21Aとの間に空間を形成可能である。
キャップ部材43は、ラインヘッド13側に開口する複数のインク受け部71(71Y,71M,71C,71B1、71B2)と共通受け部72とを設けており、ノズル形成面21Aとの間に複数の空間を形成可能な構成となっている。本実施形態においては、ラインヘッド13における印字部5Y,5M,5C,5K1,5K2の各ノズル群Lにそれぞれ対応する5つのインク受け部71と、各ノズル群Lに共通して対応可能な共通受け部72とを備えている。
これらインク受け部71及び共通受け部72は、ノズル形成面21Aに対向する上面43Aに、キャップ部材43の周縁部43aや仕切り部43bによって囲まれた複数の開口部43cを有しており、各開口部43c(すなわち、各インク受け部71及び共通受け部72の開口面積)が各ノズル群Lのノズル形成領域全体を覆うほどの大きさあるいはそれ以上の大きさで形成されている。そのため、各インク受け部71及び共通受け部72の配列ピッチは、各印字部5Y,5M,5C,5K1,5K2の配列ピッチよりも大きい。
また、印字部5Y,5M,5C,5K1,5K2の配列順と、これに対応するインク受け部71(71Y,71M,71C,71B1、71B2)の配列順は異なっており、例えば、印字部5Mに対応するインク受け部71Mは、印字部5Yに対応するインク受け部71Yから一つおきに配置されている。すなわち、各印字部5Y,5M,5C,5K1,5K2と、各インク受け部71及び共通受け部72の配列ピッチとの配列ピッチとが異なっているために、互いの対応関係も異なってくる。例えば、図8に示すように、印字部5Yにインク受け部71Yを対向させると、インク受け部71Yに隣り合うインク受け部は印字部5Cに対向するということになる。
なお、各インク受け部71と各印字部5Y,5M,5C,5K1,5K2との対応関係は、キャップ部材43やラインヘッド13の構成により適宜設定されるものである。
また、キャップ部材43は、ラインヘッド13による記録動作前や記録動作中等において、増粘したインク2や気泡等を排出するためにインク滴Dを噴射するフラッシング処理においてインク滴Dを受ける。そのため、キャップ部材43の各インク受け部71及び共通受け部72の内部に、インクを吸収可能なスポンジ状部材や多孔部材等を設けておいてもよい。
さらに、隣り合うインク受け部71において、互いに受けるインクが混色することを避けるために、キャップ部材43の上面43Aを撥水加工しておいてもよい。
キャッピング機構40は、キャップ部材43を、ラインヘッド13のノズル形成面21Aに対して近接する方向または離間する方向に相対的に移動させる第1の操作(上下移動)を行うとともに、ラインヘッド13に対して水平方向(ノズル形成面21Aの面方向)に相対的に移動させる第2の操作(水平移動)を行う不図示の駆動機構(移動手段)を備えている。
駆動機構は、第1の操作において、キャップ部材43を、所定の退避位置とラインヘッド13の下方のメンテナンス位置(ラインヘッド13に対向する位置)との間を往復移動させる。キャップ部材43のメンテナンス位置は、電源オフ時や長時間に亘って記録(インク噴射処理)が行われない場合にラインヘッド13のメンテナンス処理を行うための場所であって、ラインヘッド13のノズル基板21(図4参照)の表面(即ち、ノズル形成面21A)にキャップ部材43が近接(当接)する位置である。
キャップ部材43の退避位置は、ラインヘッド13による記録紙への記録(インク噴射処理)が行われている間に待機する場所であって、ラインヘッド13との間に記録紙の搬送経路(図1の二点鎖線の矢印で示す)を形成すべく、記録紙の搬送経路よりも下方のラインヘッド13から離間した位置に設定される。
また駆動機構は、第2の操作において、メンテナンスを行う印字部5Y,5M,5C,5K1,5K2の各ノズル群Lと、これらノズル群Lに対応するキャップ部材43のインク受け部71とを対向させるべく、キャップ部材43をノズル形成面21Aの面方向に沿って水平移動させる。このような第2の操作によって、ラインヘッド13に対するキャップ部材43の位置の微調整を行う。
以下、図5及び図6を参照してインク排出部について詳述する。図6は、キャップ部材に連結されたポンプの構成を示す図である。
インク排出部41は、キャップ部材43に接続してインク受け部71および共通受け部72内に溜まったインクを排出する複数の排出流路36、各インク受け部71に溜まったインクを各排出流路36内に吸引するための複数のポンプ49等を備えている。
キャップ部材43の底壁には、インク受け部71及び共通受け部72内に溜まったインク2を排出する突出部46が下方に向かって突設されており、その内部には排出通路46aが形成されている。
インク受け部71に連通する突出部46には、上記排出流路36として機能する、可撓性材料等からなる排出チューブ47の一端部が接続されており、排出チューブ47の他端部は、各インクタンク15Y,15M,15C,15K1,15K2内に挿入されている。
キャップ部材43と各インクタンク15Y,15M,15C,15K1,15K2と間には、チューブポンプ式のポンプ49が配設されている。ポンプ49は、円筒状のケース50を有しており、このケース50内には平面視で円形状をなすポンプホイル51がケース50の軸心に設けられたホイル軸52を中心に回動可能に収容されている。そして、このケース50内に、排出チューブ47の中間部47aがケース50の内周壁50aに沿うようにして収容されている。
ポンプホイル51には、一対の外側に膨らむ円弧状をなすローラ案内溝53,54がホイル軸52を挟んで対向するように形成されている。各ローラ案内溝53,54は、一端がポンプホイル51の外周側に位置しており、他端がポンプホイル51の内周側に位置している。すなわち、両ローラ案内溝53,54は、それらの一端から他端に向かうほど、徐々にポンプホイル51の外周部から遠ざかるように延びている。
両ローラ案内溝53,54内には、押圧手段としての一対のローラ55,56が、それぞれ回動軸55a,56aを介して挿通支持されている。なお、両回動軸55a,56aは、それぞれ両ローラ案内溝53,54内を摺動自在になっている。
そして、ポンプホイル51を、正方向(矢印方向)に回動させると、両ローラ55,56が両ローラ案内溝53,54の一端側(ポンプホイル51の外周側)に移動し、排出チューブ47の中間部47aを上流側から下流側へ順次押し潰しながら(押圧しながら)回動するようになっている。この回動により、ポンプ49より上流側の排出チューブ47の内部が減圧されるようになっている。
これにより、キャップ部材43内に溜まったインク2は、ポンプホイル51の正方向の回動動作により、徐々に各インクタンク15Y,15M,15C,15K1,15K2方向へ排出されるようになっている。
また、各排出チューブ47には、メッシュ状に構成されたフィルタFがそれぞれ配設されており、各インク受け部71から排出されたインク2に含まれる異物(インクの固まり・ゴミ・気泡等)がフィルタFによって除去されるようになっている。
また、ポンプホイル51を逆方向(矢印方向とは反対方向)に回動させると、両ローラ55,56が両ローラ案内溝53,54の他端側(ポンプホイル51の内周側)に移動するようになっている。この移動により、両ローラ55,56がそれぞれ排出チューブ47の中間部47aに軽く接した状態となり、排出チューブ47の内部の減圧状態が解消されるようになっている。
なお、ポンプホイル51は、記録紙搬送機構14の紙送りモータによって回転駆動されるようになっている。
一方、共通受け部72に連通する突出部46には、上記排出流路36として機能する、可撓性材料等からなる排出チューブ47の一端部が接続されており、排出チューブ47の他端部は、ポンプを経て、廃インクタンク39内に挿入されている。
なお、廃インクタンク39内には、多孔質部材からなる廃インク吸収材(不図示)が収容されており、この廃インク吸収材により回収されたインク2が吸収されるようになっている。
図7は、インクジェットプリンタ100の電気的な構成を示すブロック図である。
本実施形態のインクジェットプリンタ100は、全体の動作を制御する制御装置60(制御部)を備えている。制御装置60には、ラインヘッド13、記録紙搬送機構14、メンテナンス装置42等が接続されており、このような制御装置60によって、記録処理、メンテナンス処理などが実行されるようになっている。
以上のような構成のインクジェットプリンタ100は、記録紙に対する記録(印字・印刷)中に、所定の時間毎にメンテナンス装置42を用いてラインヘッド13に対するメンテナンス処理を実行可能である。メンテナンス装置42は、ラインヘッド13の噴射特性を維持あるいは回復するために、ラインヘッド13と協働して、ノズル開口17よりインクを排出させる動作を含むメンテナンス処理を実行する。
メンテナンス処理は、ノズル開口17からインクをキャップ部材43に噴射するフラッシング処理、メンテナンス装置42のキャップ部材43中の共通受け部72及びポンプ49によるインクの吸引処理の少なくとも一方を含む。また、本実施形態においては、キャップ部材43によるノズル開口17の保湿も保湿動作としてメンテナンス処理に含まれる。
ラインヘッド13によるフラッシング動作は、ノズル開口17からのインクを記録紙に供給する前に、ノズル形成面21Aがキャップ部材43中の共通受け部72に対向する状態において、ノズル開口17よりインクをキャップ部材43に予め噴射する動作を含む。これにより、印字中又は待機中において、特定のノズル開口17の使用頻度が低くなり、そのノズル開口17付近の粘度が増大したインクが排出され、ノズル開口17の噴射特性が維持又は回復される。
吸引動作は、ノズル形成面21Aがキャップ部材43中の共通受け部72によって封止された状態において、ノズル形成面21Aとキャップ部材43との間に形成された空間をポンプ49を用いて負圧にすることによって、ノズル形成面21Aのノズル開口17からインクを吸引する動作を含む。これにより、フラッシング処理では排出しきれなかった粘度が増大したインク、ノズル開口17内に侵入したゴミ、ラインヘッド13内の気泡等が、ノズル開口17よりインクとともに排出され、ノズル開口17の噴射特性が維持又は回復される。
保湿動作は、キャップ部材43中の共通受け部72にインク2が溜まった状態において、ノズル形成面21Aとキャップ部材43との間に閉空間を形成することによって、ノズル開口17が晒される環境を保湿する動作を含む。これによってノズル開口17の乾燥が抑制され、ノズル開口17の噴射特性が維持される。
キャップ部材43にインク2が溜まると、このインク2が溢れる前に、ポンプ49を駆動してインク2を排出するように制御される。上述したように、ポンプ49は、紙送りモータにより駆動されるため、給紙・排紙を含む記録(印字・印刷)処理を停止して行う必要がある。このため、キャップ部材43にできるだけ多くのインク2を溜めて、排出処理の頻度を抑えることが要求される。
また、メンテナンス処理は、不図示のワイピング装置を用いて、残留したインク等、ノズル形成面21Aに付着している異物を拭き取ったり払ったりする、ワイピング処理を含むようにしてもよい。
次に、上述の構成を有するインクジェットプリンタの動作の一例について、フラッシング動作を含むメンテナンス部の動作を中心にして、図8に示すフローチャート図を参照しながら説明する。図8はフラッシング処理を示すフローチャートである。また、説明において図5及び図9を適宜参照する。図9はキャッピング機構の動作を示す説明図である。
[フラッシング処理]
図7において、外部から印刷データが送信されると、制御装置60(制御装置)は、ドットパターンに対応した噴射データに展開してラインヘッド13に送信する。そして、ラインヘッド13では、受信した噴射データに基づき、記録(印字・印刷)処理、すなわち記録紙に対するインク滴Dの噴射を実行する(ステップS1)。
そして、予め設定されている時間が経過すると(ステップS2)、定期メンテナンス処理を開始する。
定期メンテナンス処理が開始すると、制御装置60はキャッピング機構40の第1の操作を開始して、図5に示すように、キャップ部材43をラインヘッド13の下方のメンテナンス位置まで移動させ、ノズル形成面21Aに近接対向させる(ステップS3)。
なお、ステップS3においては、図5に示すようにラインヘッド13のノズル形成面21Aとキャップ部材43の上面43Aとが一定の距離だけ離間された状態であっても良いし、ラインヘッド13のノズル形成面21Aとキャップ部材43の上面43Aとが当接された状態であっても良い。すなわち、上記メンテナンス位置が、ラインヘッド13のノズル形成面21Aとキャップ部材43の上面43Aとが一定の距離だけ離間される位置に設定されていても良いし、ラインヘッド13のノズル形成面21Aとキャップ部材43の上面43Aとが当接された位置に設定されていても良い。
ステップS3にてノズル形成面21Aとキャップ部材43とが対向あるいは当接されると、制御装置60はキャッピング機構40の第2の操作を開始して、ラインヘッド13に対しするキャップ部材43の位置を調整する(ステップS4)。
より詳細には、制御装置60は、図9(a)に示すように、キャップ部材43を水平方向に移動させて、ラインヘッド13における特定の印字部(ノズル群L)と、この印字部(ノズル群L)に対応するキャップ部材43のインク受け部71とが対向するように位置決めする。例えば、印字部5Yとインク受け部71Y、印字部5Cとインク受け部71Cとを上下方向において互いに対向させ、実際にフラッシング処理を行うための位置決めを行う。
続いて、制御装置60は、印字部5Y及び印字部5Cに対するフラッシング処理を行う(ステップS5)。制御装置60は、圧電素子を駆動させて印字部5Y及び印字部5Cの各ノズル群Lから同時にインク滴Dを連続吐出する。フラッシング処理におけるインク滴Dの吐出回数は、インク2の増粘状態に応じて設定する。例えば、ノズル開口17内におけるインク2の増粘状態が最も悪い場合を想定して規定してもよい。
フラッシング処理によって、印字部5Y,5Cの各ノズル群Lから吐出されたインク2は、キャップ部材43の各インク受け部71Y,71Cに一時貯留される。
そして、印字部5Y,5Cに対するフラッシング処理が完了すると、制御装置60は、キャッピング機構40の第2の操作を再び開始して、キャップ部材43の位置を再調整する(ステップS6)
より詳細には、制御装置60は、キャップ部材43を水平方向に移動させて、図9(b)に示すように、印字部5Mとインク受け部71M、印字部5K1とインク受け部71K1、印字部5K2とインク受け部71K2とが上下方向において互いに対向するように位置決めする。
続いて、制御装置60は、印字部5M、印字部5K1、印字部5K2に対するフラッシング処理を行う(ステップS7)。制御装置60は、圧電素子を駆動させて印字部5M、印字部5K1、印字部5K2の各ノズル群Lから同時にインク滴Dを連続吐出する。フラッシング処理によって、印字部5M、5K1、5K2の各ノズル群Lから吐出されたインク2は、各々に対向するキャップ部材43の各インク受け部71M,71K1,71K2に一時貯留される。
なお、フラッシング処理中、処理を行っている印字部に対応するインク受け部71内がインクで一杯になった場合には、制御装置60は一旦フラッシング処理を停止してキャップ部材43を水平移動させ、共通受け部72を上記印字部に対向させる。つまり、共通受け部は、インクをそれ以上受けられなくなったインク受け部71の代わりとして、フラッシングによって吐出されるインクを貯留する。共通受け部72は、どの印字部にも対応することができ、一色あるいは混色した状態でインクを貯留することになる。
続いて、制御装置60は、キャップ部材43内に溜まったインクを排出する処理を行う(ステップS8)。制御装置60は、図5に示すように、ポンプ49を駆動することによって各インク受け部71から排出流路36へとインクを強制的に排出させる動作を行うと同時に、各インク受け部71から排出したインクを各インク受け部71に連通する排出流路36を介して各インクタンク15Y,15M,15C,15B1,15B2へと送流させる。途中、各排出流路36に備えられているフィルタFによってインクが濾過され、インク内の気泡や固まり・ゴミなどが除去され、リサイクル可能なインクとなる。
なお、共通受け部72内に溜まったインクは、混色した状態であることが殆どであるため、共通受け部72に連通する排出流路36を介して廃インクタンク39へと随時排出される。
そして、フラッシング処理が完了すると、制御装置60は、キャップ部材43を下降させることによってノズル形成面21Aからキャップ部材43を離間させ、キャップ部材43を所定の退避位置に移動させる(ステップS9)。
その後、再び記録処理に戻る。記録処理では、定期フラッシング処理を行うか否か(ステップS2)、記録処理が完了するか否か(ステップS10)を判断することを繰り返す。
また、メンテナンス部11による吸引動作は、上記フラッシング動作と同様に、キャッピング機構40を操作してラインヘッド13の各印字部(ノズル群L)にキャップ部材13の共通受け部72を対向させた状態で行う。ノズル開口17からインクを強制的に吸引する吸引動作の場合には、ノズル形成面21Aとキャップ部材43(インク受け部71)との間に形成される空間を負圧状態にする必要があるため、キャップ部材43の上面43Aをノズル形成面21Aに当接させて行うことが好ましい。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタ100によれば、キャップ部材43に、ラインヘッド13の各ノズル群Lに対応する複数のインク受け部71が設けられているので、ノズル開口17の目詰まりを防止するために行われるフラッシング処理において、各ノズル群Lから排出されるインクを色ごとに受けることが可能となる。従来のように、キャップ部材43内でインクが混色することがないので印字への再利用が可能となる。そのため、例えばノズル開口17の目詰まりを確実に回避可能とするために大量のインクがノズル群Lから噴射された場合であっても、各色のインクを無駄にすることなく利用することができるようになる。また、混色することによって固まる性質を有するインクであっても効率的に回収することができる。これにより、インクを色別に回収することができるので再利用可能となり、インクに掛かるコストを抑えることができる。
また、キャップ部材43に溜まった各色のインクが排出流路36を介して各インクタンク15Y〜15BK2へと直接戻されるため、キャップ部材43からインクを色毎に回収し、その後インクタンク15Y〜15BK2へ充填するというような作業を省くことができ、インクを効率的に再利用することが可能となる。
また、ポンプ49を用いることで、排出流路36内のインクの強制的な送流が可能となるため、キャップ部材43の各インク受け部71に溜まったインクを短時間で各インクタンクへと送ることができる。
また、本実施形態では、複数の印字部(ノズル群L)に対して同時にフラッシング処理を実行可能なため、定期メンテナンス処理に掛かる時間を短縮することができる。また、制御装置60により、印字部(ノズル群L)毎にメンテナンス処理を行うことが可能なため、例えば、メンテナンスの必要な印字部(ノズル群L)のみにフラッシング処理を施すことも可である。これにより、定期メンテナンスに掛かる時間をさらに短縮することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもなく、上記各実施形態を組み合わせても良い。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態においては、各印字部5Y,5M,5C,5B1,5B2のノズル群L全体を、キャップ部材43の各インク受け部71Y,71M,71C,71K1,71K2によってそれぞれキャッピング可能な構成となっているが、各印字部5Y,5M,5C,5B1,5B2における各ノズル群Lが複数のノズル列L1〜L6からなる場合、1つのノズル列毎あるいは複数のノズル列毎にキャッピング可能なインク受け部71を複数有するキャップ部材43を備える構成としてもよい。
図10に示すように、例えば印字部5Yを例に挙げて述べると、印字部5Yのノズル列L1〜L3、ノズル列L4〜L6に対して、各々1つずつのインク受け部71Yが対応することになる。これにより、クリーニングの必要なノズル列に対してだけメンテナンス処理を行うことが可能となり、メンテナンス処理に要する時間をより短縮することができる。
また、上記実施形態においては、キャップ部材43の各インク受け部71に連通する複数の排出流路36が各色に対応したインクタンク15Y〜15BK2へと接続され、共通受け部72に連通する排出流路36が廃インクタンク39に接続された構成になっているが、図11(a)に示すように、キャップ部材43の各インク受け部71及び共通受け部72に連通する各排出流路36が、インクタンク15Y〜15BK2とは異なる回収タンク75に接続される構成になっていてもよい。この回収タンク75は、色毎にインクを貯留可能とする。
また、上記実施形態においては、キャップ部材43内のインクをポンプ49等を用いて排出する構成としたが、例えば、キャッピング機構40にキャップ部材43を傾動させる不図示の傾動装置(傾動手段)を備えるようにしてもよい。この場合、例えば図11(b)に示すように、キャップ部材43の各インク受け部71及び共通受け部72に連通する排出流路36全てをキャップ部材43の長手方向一方に偏るように配設する。そして、傾動装置により、排出流路36側が下方になるようにしてキャップ部材43を傾動させることで、各インク受け部71及び共通受け部72内に溜まったインクを各排出流路36へと流出させることが可能である。キャップ部材43から排出されたインクは、各排出流路36を介して、色毎にインクを貯留可能とする回収タンク75に回収するようにしても良いし、各ポンプ49の作用によりインクタンク15Y〜15BK2へと送るようにしても良い。共通受け部72内に溜まったインクは、廃インクタンクにて回収され、破棄される。
また、上記傾動装置を備えた構成において、例えば図11(c)に示すように、メンテナンス処理終了後、インクの溜まったキャップ部材43をインク貯留部15よりも高位置に移動させ、その位置でキャップ部材43を傾動させることでインクを各インクタンク15Y〜15BK2へと流し込むようにしても良い。
また、例えば図11(d)に示すように、キャップ部材43の各インク受け部71及び共通受け部72に連通する複数の第1サブ排出流路36aと、複数の第1サブ排出流路36aの下流側端部に接続される本流路36bと、本流路36bから分岐して各インクタンク15Y,15M,15C,15B1,15B2、及び廃インクタンク39にそれぞれ接続する複数の第2サブ排出流路36cとからなる排出流路部76を備えた構成としても良い。上記本流路36bにはポンプ49が配設され、各第1サブ排出流路36a及び各第2サブ排出流路36cにはバルブ77が配設されている。
このような構成の場合、例えば黄色のインクについて述べると、キャップ部材43のインク受け部71Yに連通する第1サブ排出流路36aのバルブ77を開放するとともに、インク貯留部15のインクタンク15Yに連通する第2サブ排出流路36cのバルブ77を開放し、それ以外のバルブ77は閉塞しておく。この状態で、ポンプ49を駆動させれば、インク受け部71Y内のインクがインクタンク15Yへと送られることになる。このように、バルブ77の開閉を制御することによって、特定のインク受け部71とインクタンクとを連通させることができる。このような構成によれば、一つのポンプ49でキャップ部材43内における全てのインクを排出することができ、設備費を抑えることができる。
また、上記実施形態においては、キャップ部材43を上下に移動させることによって、ラインヘッド13とキャップ部材43との相対移動を実現する構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ラインヘッド13を上下に移動させることによって、ラインヘッド13とキャップ部材43との相対移動を実現させても良い。また、ラインヘッド13を上下動させてキャップ部材43と対向させた後、ラインヘッド13を水平移動させてキャップ部材43との位置の微調整を行うようにしても良いし、ラインヘッドを上下動させてキャップ部材43と対向させた後、キャップ部材43を水平移動させてラインヘッド13との位置の微調整を行うようにしても良い。
また上記実施形態においては、ラインヘッド13が、各色(Y,M,C,K1,K2)に対応する5つのラインヘッドを備えていてもよい。
また、図12(a)に示すように、単一のラインヘッドが複数のユニット90に分割されていても良い。また、図12(b)に示すように、各ユニット90がラインヘッド13の長手方向に沿って千鳥配置されていても良い。
例えば、上記実施形態においては、単一のラインヘッドを備え、当該ラインヘッドから全ての種類のインクが噴射される構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、インクの種類ごとにラインヘッドを設置する構成であっても良い。このような場合には、各ラインヘッドごとにキャップ部材43が設置されることとなる。
また、本発明は、ラインヘッド方式のインクジェットプリンタに限られるものではなく、シリアル方式のインクジェットプリンタに適用することも可能である。
また、上記実施形態では、圧電駆動方式のインクジェットプリンタ100を例に採り説明したが、これに限定されない。例えば、静電駆動方式であっても、バブルジェット(登録商標)方式(サーマルインクジェット方式)であってもよい。
また、上記実施形態においては、インクジェット式記録装置がインクジェット式プリンタである場合を例にして説明したが、インクジェット式プリンタに限られず、複写機及びファクシミリ等の記録装置であってもよい。
また、上述の各実施形態においては、流体噴射装置が、インク等の流体を噴射する流体噴射装置(流体噴射装置)である場合を例にして説明したが、本発明の流体噴射装置は、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置に適用することができる。流体噴射装置が噴射可能な流体は、液体、機能材料の粒子が分散又は溶解されている液状体、ジェル状の流状体、流体として流して噴射できる固体、及び粉体(トナー等)を含む。
また、上述の各実施形態において、流体噴射装置から噴射される流体としては、インクのみならず、特定の用途に対応する流体を適用可能である。流体噴射装置に、その特定の用途に対応する流体を噴射可能な噴射ヘッドを設け、その噴射ヘッドから特定の用途に対応する流体を噴射して、その流体を所定の物体に付着させることによって、所定のデバイスを製造可能である。例えば、本発明の流体噴射装置(流体噴射装置)は、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、及び面発光ディスプレイ(FED)の製造等に用いられる電極材、色材等の材料を所定の分散媒(溶媒)に分散(溶解)した流体を噴射する流体噴射装置に適用可能である。
また、流体噴射装置としては、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる流体を噴射する流体噴射装置であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置、トナーなどの粉体を例とする固体を噴射するトナージェット式記録装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体噴射装置に本発明を適用することができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図。 本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタが備えるラインヘッド周辺の要部平面図。 本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタが備えるラインヘッドのノズル形成面を示す平面図。 本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタが備えるラインヘッドの要部断面図。 本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図。 本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタが備えるポンプの概略構成図。 本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタにおけるフラッシング処理の一例を説明するためのフローチャート図。 本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの電気的構成を説明するブロック図。 キャッピング機構の動作を説明するための説明図。 キャップ部材の他の構成を説明するための説明図。 インクジェットプリンタの他の構成を示す概略構成図。 ラインヘッドの他の構成を示す平面図。
符号の説明
100…インクジェットプリンタ(流体噴射装置)、17…ノズル開口、13…ラインヘッド(流体噴射ヘッド)、36…排出流路、43…キャップ部材、49…ポンプ(送流手段)、60…制御装置(制御部)、71…インク受け部(流体受け部)、72…共通受け部、L…ノズル群、L1〜L6…ノズル列、5Y,5M,5C,5B1,5B2…インクタンク(流体貯留部)

Claims (11)

  1. 複数のノズル開口からなるノズル群を複数有する流体噴射ヘッドと、前記流体噴射ヘッドに対向配置されるキャップ部材と、を備えた流体噴射装置において、
    前記各ノズル群は、異なる種類の流体をそれぞれ噴射可能とされ、
    前記キャップ部材は、前記各ノズル群にそれぞれ対応して設けられ、前記各ノズル群の前記複数のノズル開口から噴射される流体を収容可能とされた複数の流体受け部を有し、
    前記各流体受け部に溜まった流体は、前記各流体受け部にそれぞれ連通する複数の排出流路によって排出可能とされていることを特徴とする流体噴射装置。
  2. 複数のノズル開口からなるノズル列を複数有する流体噴射ヘッドと、前記流体噴射ヘッドに対向配置されるキャップ部材と、を備えた流体噴射装置において、
    前記各ノズル列は、異なる種類の流体をそれぞれ噴射可能とされ、
    前記キャップ部材は、前記複数のノズル列に対応して設けられ、前記各ノズル列の前記複数のノズル開口から噴射される流体を収容可能とされた複数の流体受け部を有し、
    前記キャップ部材に溜まった流体は、前記各流体受け部にそれぞれ連通する複数の排出流路によって排出可能とされていることを特徴とする流体噴射装置。
  3. 前記キャップ部材の前記各流体受け部に、前記排出流路を介して接続されるとともに流体を種類毎に貯留する複数の流体貯留部を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の流体噴射装置。
  4. 前記複数の流体貯留部内の流体を、前記各ノズル群にそれぞれ供給する供給流路を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  5. 前記排出流路内の流体を送流可能とする送流手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  6. 前記キャップ部材を傾けて、前記各流体受け部内の流体を前記各排出流路へと流出させる傾動手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  7. 前記複数のノズル群あるいは前記複数のノズル列の配列方向に前記キャップ部材を移動可能とする移動手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  8. 前記ノズル群ごとにフラッシング処理を行う制御部を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  9. 前記キャップ部材は、異なる種類の流体を一括して保持する共通受け部を有していることを特徴とする請求項1または2記載の流体噴射装置。
  10. 複数のノズル開口からなるノズル群を複数有する流体噴射ヘッドに対向配置されるキャップ部材に向けて前記ノズルから流体を噴射してフラッシング処理を行う、流体噴射装置におけるフラッシング処理方法であって、
    異なる種類の流体を噴射可能とする前記複数のノズル群を備えた前記流体噴射ヘッドに、前記各ノズル群に対応する複数の流体受け部を備えた前記キャップ部材を対向させる工程と、
    フラッシング処理を行う前記ノズル群と、当該ノズル群に対応して設けられ、前記各ノズル群の前記複数のノズルから噴射される流体を収容可能とされた前記流体受け部とを位置合わせする工程と、
    前記ノズル群から前記流体受け部に対して流体を噴射してフラッシング処理を行う工程と、を備えることを特徴とする流体噴射装置におけるフラッシング処理方法。
  11. 複数のノズル開口からなるノズル列を複数有する流体噴射ヘッドに対向配置されるキャップ部材に向けて前記ノズルから流体を噴射してフラッシング処理を行う、流体噴射装置におけるフラッシング処理方法であって、
    異なる種類の流体を噴射可能とする前記複数のノズル列からなる前記流体噴射ヘッドに、前記複数のノズル列の各々に対応して設けられ、前記各ノズル列の前記複数のノズルから噴射される流体を収容可能とされた複数の流体受け部を備えた前記キャップ部材を対向させる工程と、
    フラッシング処理を行う前記ノズル列と、当該ノズル列に対応する前記流体受け部とを位置合わせする工程と、
    前記ノズル列から前記流体受け部に対して流体を噴射してフラッシング処理を行う工程と、を備えることを特徴とする流体噴射装置におけるフラッシング処理方法。
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