JP2008302617A - ステッチ縫合装飾製品の製造方法およびその方法で製造されたステッチ縫合装飾製品 - Google Patents

ステッチ縫合装飾製品の製造方法およびその方法で製造されたステッチ縫合装飾製品 Download PDF

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Abstract

【課題】疑似縫合部の形状ばらつきが生じにくく、より簡単に製造することが可能な、ステッチ縫合装飾製品の製造方法、ならびに当該製造方法によって製造されたステッチ縫合装飾製品を得る。
【解決手段】基礎表皮貼付工程P1では、表皮シート4を、当該表皮シート4同士の縫合部5を含む表皮縫製部分10と、当該縫合部5を含まない一般表皮部分11と、で分割してモデル3に貼り付け、ステッチ形成工程P6では、表皮縫製部分10と一般表皮部分11との境界に対応する境界対応部13に後付けステッチ12を施す。
【選択図】図4

Description

本発明は、型枠成形された疑似表皮を用いたステッチ縫合装飾製品の製造方法およびその方法で製造されたステッチ縫合装飾製品に関する。
従来、インストルメントパネル等の自動車用内装部材の表面を革装して、表皮部分にステッチによる縫製部分を設けることにより高級感を醸し出す方法があるが、革装は製造コストが高くなる。
このため、合成樹脂等によって革装を模擬した疑似表皮を形成する技術がある。その場合、実際にステッチによる縫製部分を設けた本革を用いて内装部材の形状に沿ったモデルを革装し、その革装した表面の形状を写し取って成形型を作成し、疑似表皮部材をその成形型を用いて合成樹脂等にて成形する。
こうすることで、疑似表皮部材には皮しぼ等の本革の表面模様やステッチによる縫合部が形出されることになり、この疑似表皮部材を実際の内装部材本体の表面に取り付けることによって、安価にして高級感を醸し出すことができる。
さらには、より一層の高級感を引き出すために、疑似表皮部材のステッチ部分に後付けステッチを施すようにしたステッチ縫合装飾製品を製造する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−58620号公報
かかる従来のステッチ縫合装飾製品にあっては、元となる型を取るために、内装部材の形状に沿ったモデルの表面に、複数の本革が相互に縫合した状態で貼り付けられる。
ところが、本革は伸縮性や形状追従性に乏しいのに対して、モデルの表面は、インストルメントパネル等の場合、3次元的に複雑な湾曲面を有している。このため、モデル表面の湾曲面に沿って本革を貼り付ける際には、本革を部分的に強く引き伸ばしながら行うことになる。
しかし、このように本革を部分的に強く引き伸ばすため、本革同士の縫合部分のうち強く引き伸ばされた部分だけ縫合部分の隙間が広げられたり、縫合部分の境界両側の山の高さが低くなったりして、縫合部分の長手方向に沿って形状ばらつきが生じてしまう。そして、このような形状ばらつきを有する縫合部分が転写されることで、疑似表皮の疑似縫合部にも形状ばらつきが生じてしまう。このような疑似縫合部を有する疑似表皮は美観が損なわれ、商品価値が低下してしまう。
また、このような形状ばらつきがなるべく生じないように本革を貼り付けるのは極めて難しく、手間取ることになり、作業時間が長くなる上、製造コストが増大する一因ともなっていた。
そこで、本発明は、疑似縫合部の形状ばらつきが生じにくく、より簡単に製造することが可能な、ステッチ縫合装飾製品の製造方法、ならびに当該製造方法によって製造されたステッチ縫合装飾製品を得ることを目的とする。
請求項1の発明にあっては、基礎となる外形状に沿ったモデル(3)の表面(3b)に、複数の表皮シート(4)を貼り付ける基礎表皮貼付工程(P1)と、前記モデル(3)に貼り付けた表皮シート(4)の表面形状を反転して転写した凹型(6)を形成する凹型形成工程(P2)と、前記凹型(6)の内面形状を反転して転写し前記モデル(3)の表面(3b)に貼り付けた表皮シート(4)の表面形状に沿ったマスター型(7)を形成するマスター型形成工程(P3)と、前記マスター型(7)の表面形状を反転して転写した電気鋳造金型(8)を形成する電鋳型形成工程(P4)と、前記電気鋳造金型(8)の内面形状を反転して転写し疑似表皮部材(2)を成形する疑似表皮部材成形工程(P5)と、前記疑似表皮部材成形工程(P5)で成形した疑似表皮部材(2)に後付けステッチ(12)を施すステッチ形成工程(P6)と、を備えたステッチ縫合装飾製品の製造方法において、前記基礎表皮貼付工程(P1)では、前記表皮シート(4)を、当該表皮シート(4)同士の縫合部(5)を含む表皮縫製部分(10)と、当該縫合部(5)を含まない一般表皮部分(11)と、で分割してモデル(3)に貼り付け、前記ステッチ形成工程(P6)では、前記表皮縫製部分(10)と一般表皮部分(11)との境界に対応する境界対応部(13)に後付けステッチ(12)を施すことを特徴とする。
請求項2の発明にあっては、前記表皮縫製部分(10)に対応する表皮シート(4a)に本革を用いるとともに、前記一般表皮部分(11)に対応する表皮シート(4b)に合成樹脂表皮革を用いたことを特徴とする。
請求項3の発明にあっては、前記モデル(3)の表面(3b)に、後付けステッチ(12)に対応する太凹溝(3c)を形成しておくことを特徴とする。
請求項4の発明にあっては、前記太凹溝(3c)の内壁面に、相互に対向する一対の凸部(3f,3f)を形成しておくことを特徴とする。
請求項5の発明にあっては、前記太凹溝(3c)の幅方向略中央部に、細凹溝(3e)を形成しておくことを特徴とする。
請求項6の発明にあっては、上記ステッチ縫合装飾製品の製造方法で成形されたステッチ縫合装飾製品である。
請求項1の発明によれば、表皮縫製部分が一般表皮部分から分離されているため、一般表皮部分を引き伸ばして貼り付けた場合にも、その際の引張力が表皮縫製部分には作用しない。このため、表皮縫製部分の形状ばらつき、ひいては美観が損なわれるのを抑制することができる。
また、表皮縫製部分の形状ばらつきを考慮することなく表皮シートの貼り付けを行うことができるため、作業性が著しく向上し、作業時間の短縮、ひいてはコスト低減にも資する。
さらに、表皮縫製部分と一般表皮部分との境界に対応する境界対応部は、後付けステッチで隠すことができるため、転写された境界の形状が露出することによって美観が損なわれるのを抑制することができる。
請求項2の発明によれば、表皮縫製部分に本革を用いることで、より本物に近い外観を呈することができる。また、一般表皮部分を本革より柔軟な合成樹脂表皮を用いることで、モデルの形状への追従性を高めて美観の向上に資するとともに、作業性を向上させて、作業時間の短縮、ひいては製造コストの低減にも資する。
請求項3の発明によれば、モデルの、表皮縫製部分と一般表皮部分との境界線に対応する部分に太凹溝を形成したことにより、最終的に成形する疑似表皮部材にも太凹溝を形成することができる。したがって、疑似表皮部材に後付けステッチを施す際に上記太凹溝に沿って縫製することができ、後付けステッチをより精度良く綺麗に施すことができる。
請求項4の発明によれば、一対の凸部を疑似表皮部材にも形成することができる。したがって、それら凸部を後付けステッチを施す際の外観上の目標として後付けステッチのステッチラインを決定し易くなる。また、凸部で断面略円形の後付けステッチを太凹溝の幅方向中心側に取り込んで、後付けステッチをより精度良く綺麗に施すことも可能となる。
請求項5の発明によれば、細凹溝を疑似表皮部材にも形成することができる。したがって、この細凹溝を後付けステッチを施す際の外観上の目標として後付けステッチのステッチラインを決定しやすくなる。また、細凹溝を、表皮縫製部分および一般表皮部分の境界より外側にはみ出した余長部分を切除する際の切断工具のガイドとして利用することができる。
請求項6の発明によれば、上記ステッチ縫合装飾製品の製造方法で成形したステッチ縫合装飾製品は、疑似縫合部の形状ばらつきが抑制されており、しかも比較的安価に得ることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図8は、本発明の第1実施形態にかかるステッチ縫合装飾製品の製造方法およびその方法で成形されたステッチ縫合装飾製品を示している。このうち、図1は疑似表皮で覆ったインストルメントパネルの斜視図、図2は、ステッチ縫合装飾製品の製造方法の各工程を示す概略図、図3は、ステッチ縫合装飾製品の製造方法で製造された疑似表皮の平面図である。なお、以下では、図1に示すように、ステッチ縫合装飾製品が、自動車の内装部材であるインストルメントパネル1の疑似表皮2である場合について例示する。
まずは、ステッチ縫合装飾製品2の製造方法の概要について、図2を参照しながら説明する。
図2の(a)に示すように、インストルメントパネル1の外側形状に沿って、例えば、NC加工等により制作した木型のモデル3を用意する。
そして、図2の(b)に示すように、そのモデル3の表面に実際の表皮シート4を貼り付ける基礎表皮貼付工程P1が行われる。本実施形態では、表皮シート4は、複数の革を縫製したものを模擬しており、図1に示すように、疑似縫合部5Vを、インストルメントパネル1の形状変化部分の輪郭を成すように配置してある。
次に、図2の(c)に示すように、モデル3に貼り付けた表皮シート4の表面形状を反転して転写した凹型6を形成する凹型形成工程P2が行われる。この凹型6は、モデル3の表皮シート4の外面にシリコンを注入(塗布)して硬化させることによって得られる。凹型6の内面は、モデル3に貼り付けた表皮シート4の表面を反転した形状や模様となる。
次に、図2の(d)に示すように、凹型6の内面形状を反転して転写し表皮シート4の表面形状に沿ったマスター型7を形成するマスター型形成工程P3が行われる。このマスター型7はマンドレルとも称されており、凹型6の内側に、例えば、熱可塑性樹脂を充填して、その熱可塑性樹脂が硬化した後に凹型6から離型することによって得られる。マスター型7の表面は、モデル3に貼り付けた表皮シート4の形状や模様となる。
次に、図2の(e),(f)に示すように、マスター型7の表面形状を反転して転写した電気鋳造金型8を形成する電鋳型形成工程P4が行われる。電気鋳造金型8は、マスター型7の表面を通電処理した後に、例えば、2.5〜6(mm)程度の厚みを電気メッキし、その電気メッキ部分をマスター型7から離型することにより形成される。電気鋳造金型8の内面は、シリコンによる凹型6と同様に、モデル3に貼り付けた表皮シート4の表面を反転した形状や模様となっている。
次に、図2の(g),(h)に示すように、電気鋳造金型8の内面形状を反転して転写し、疑似表皮2を成形する疑似表皮部材成形工程P5が行われる。疑似表皮2は、電気鋳造金型8に図示しない熱媒循環配管を取り付けるとともに、その金型8の開放口8aに閉塞型8bを結合して密閉空間となるパウダースラッシュ成形型9を用いて成形する。具体的には、電気鋳造金型8を、例えば、200〜380(゜C)程度に加熱した状態で、パウダースラッシュ成形型9を回転軸Shを中心に回転することにより、内部に収容した樹脂粉末によって電気鋳造金型8の内側に所定厚をもって疑似表皮2が成形される。
なお、本実施形態ではパウダースラッシュ成形型9を用いて疑似表皮2を成形したが、これに限ることなく真空成形型(凸引き・凹引き)、RIM型、射出成形、射出プレス型、若しくは、押し出しプレス型等の成形型や成形方法を用いることができる。
疑似表皮2は、冷却して硬化した後に電気鋳造金型8から離型して取り出される。このとき、疑似表皮2の表面は、マスター型7の表面と同様に、モデル3に貼り付けた表皮シート4の形状や模様となっている。
さらに、図2の(i)に示すように、疑似表皮2の表面の所定位置に縫製機SM等を用いて後付けステッチを施すステッチ形成工程(P6)が行われる。このステッチ形成工程(P6)では、図3に示すように、ステッチ12,12は、疑似縫合部5Vの境界線5aに沿って、その両側に相互に略平行に施される。境界線5aと二つのステッチラインSLとの距離Wはほぼ一定値となっている。
以上のようにして得られた疑似表皮2は、モデル3の全体形状に沿って、表皮シート4の表面模様や縫合部分の形状がほぼ忠実に再現されたものとなる。これをインストルメントパネル1の本体表面に取り付ける。
次に、本実施形態において特徴的な基礎表皮貼付工程P1の詳細について説明する。図4は、モデルおよび当該モデルに貼り付けた表皮シートの縫合部の境界線と垂直な断面図である。
基礎表皮貼付工程P1(図2(a),(b)参照)では、図3に示すように、表皮シート4が、縫合部5を含む表皮縫製部分10と、その表皮縫製部分10を含まない一般表皮部分11と、に分割されて、モデル3に貼り付けられる。
表皮縫製部分10は、二枚の帯状の細長いシート4a,4aを縫製糸Sを用いて縫合したものである。モデル3には、表皮縫製部分10の縫合代10aに対応する溝3aが形成されており、まずは、この溝3aに縫合代10aが嵌め込まれ、次いで、縫合部5の両側の短冊部10bが縫合部5を中心として広げられてモデル3の表面3bに貼り付けられる。
また、モデル3には、ステッチラインSL(後付けステッチ12)に対応する部分に、太凹溝3cが形成されている。表皮縫製部分10の幅は、モデル3の表面3bに貼り付けた短冊部10bの先端縁がこの太凹溝3cの最深部3dにほぼ到達する大きさに設定されており、モデル3の表面3bに貼り付けたシート4a,4aのうち最深部3dを超えた余長部分は、カッター(図示せず)等によって切除される。
また、この太凹溝3cの底部には、当該太凹溝3cの幅方向略中央となる位置に、断面略V字状の細凹溝3eが形成されている。この細凹溝3eは、シート4a,4aの余長部分を切除する際のガイドとして利用することができる。
表皮縫製部分10の貼り付けが完了した後、当該表皮縫製部分10以外の表皮シート4としての一般表皮部分11(シート4b)の貼り付けが行われる。貼り付けた一般表皮部分11の端縁は、太凹溝3cの最深部3dにほぼ対応して配置されるが、この場合も、シート4bのうち最深部3dを超えた余長部分は、カッター(図示せず)等によって切除される。この場合も、細凹溝3eが、シート4bの余長部分を切除する際のガイドとして機能することは勿論である。なお、太凹溝3cの内壁面には、相互に対向する一対の凸部3f,3fが形成されている。この凸部3f,3fは、太凹溝3cの延在方向に沿う凸条として形成するのが好適である。
ところで、本実施形態では、表皮縫製部分10を成すシート4a,4aを本革とし、一般表皮部分11を成すシート4bを合成樹脂皮革とするのが好適である。こうすることで、縫製糸Sを含んで形状が比較的複雑となる縫合部5に対応する部分は、本革を用いることでより本物に近付けることができる。一方、一般表皮部分11は、面積が広く、モデル3の表面3bの3次元的に複雑に湾曲する部分に貼り付けるため、本革より柔軟性(伸縮性)が高い合成樹脂皮革を用いることで、追従性が高くなるとともに、貼り付け作業の作業効率が高くなるという利点がある。
このようにして、表皮縫製部分10および一般表皮部分11がモデル3の表面3bに貼り付けられ、この表皮シート4が貼り付けられたモデル3(図2の(b)参照)を元にしてマスター型(マンドレル)7が製作され、このマスター型7の表面形状が転写された疑似表皮2が形成されることになる。
図5は、疑似表皮2の疑似縫合部5Vの境界線5aに垂直な断面(図3のV-V断面)であるが、この図5に示すように、疑似表皮2の表面2aにも、図4の太凹溝3cに対応する太凹溝2bが形成される。
すなわち、疑似表皮2には、太凹溝3cに対応する太凹溝2bが形成され、さらに、この太凹溝2b内には、細凹溝3eに対応する細凹溝2c、ならびに凸部3f,3fに対応する一対の凸部2d,2dが形成されることになる。この太凹溝2bは、基礎表皮貼付工程P1の表皮縫製部分10および一般表皮部分11の境界に対応する太凹溝3cに対応しており、本発明の境界対応部13に相当するものである。
そして、疑似表皮2に後付けステッチ12を施すステッチ形成工程(P6)では、太凹溝2b、すなわち境界対応部13に沿って後付けステッチ12が施される。
これら太凹溝2b、細凹溝2c、および凸部2d,2dは、ステッチ形成工程(P6)において、後付けステッチ12を施す際の目標あるいはガイドとして機能する。
すなわち、これら太凹溝2b、細凹溝2c、および凸部2d,2dは、いずれも、ステッチラインSLに沿って形成されており、ステッチ形成工程(P6)において縫製機SM等で後付けステッチ12を施す際に、外観上の目標とすることができるため、後付けステッチ12をより精度良く綺麗に施すことができる。
さらに、凸部2d,2dは、縫製の際に太凹溝2b内に進入してきた後付けステッチ12を太凹溝2bの中央側に向かわせるガイドとして機能するため、後付けステッチ12のずれが抑制されて、後付けステッチ12をより精度良く綺麗に施すことができる。
以上の本実施形態によれば、表皮縫製部分10が一般表皮部分11から分離されているため、一般表皮部分11を引き伸ばして貼り付けた場合にも、その際の引張力が表皮縫製部分10には作用しない。このため、表皮縫製部分10の形状ばらつき、ひいては美観が損なわれるのを抑制することができる。
また、表皮縫製部分10の形状ばらつきを考慮することなくモデル3に表皮シート4を貼り付けることができるため、作業性が著しく向上し、作業時間の短縮、ひいてはコスト低減にも資する。
さらに、表皮縫製部分10と一般表皮部分11との境界に対応する境界対応部13(太凹溝2b)は、後付けステッチ12で隠すことができるため、転写された境界の形状が露出することによって美観が損なわれるのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、表皮縫製部分10に本革を用いることで、より本物に近い外観を呈することができる。また、一般表皮部分11を本革より柔軟な合成樹脂表皮を用いることで、モデル3の形状への追従性を高めて美観の向上に資するとともに、作業性を向上させて、作業時間の短縮、ひいては製造コストの低減にも資する。
また、本実施形態によれば、モデル3の、表皮縫製部分10と一般表皮部分11との境界線に対応する部分に太凹溝3cを形成したことにより、最終的に成形する疑似表皮2にも太凹溝2bを形成することができる。したがって、疑似表皮2に後付けステッチ12を施す際に太凹溝2bに沿って縫製することができ、後付けステッチ12をより精度良く綺麗に施すことができる。
また、本実施形態によれば、一対の凸部2d,2dを疑似表皮2にも形成することができる。したがって、それら凸部2d,2dを後付けステッチ12を施す際の外観上の目標として後付けステッチ12のステッチラインSLを決定し易くなる。また、凸部2d,2dで断面略円形の後付けステッチ12を太凹溝2bの幅方向中心側に取り込んで、後付けステッチ12をより精度良く綺麗に施すことも可能となる。
また、本実施形態によれば、細凹溝2cを疑似表皮2にも形成することができる。したがって、この細凹溝2cを後付けステッチ12を施す際の外観上の目標として後付けステッチ12のステッチラインSLを決定しやすくなる。また、細凹溝3eを、表皮縫製部分10および一般表皮部分11の境界より外側にはみ出した余長部分を切除する際のカッター等の切断工具のガイドとして利用することができる。
また、本実施形態によれば、上記ステッチ縫合装飾製品の製造方法で成形した疑似表皮2は、疑似縫合部5Vの形状ばらつきが抑制されており、しかも比較的安価に得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、ステッチ縫合装飾製品としては、インストルメントパネルの装飾用に限ることなく、コンソールやドアトリム等の他の自動車用の内装部材にも適用でき、さらには、自動車の内装部材に限ることなく一般のステッチ縫合装飾製品にも適用することができる。
なお、本発明にかかるステッチ縫合装飾製品の製造方法では、表皮の合わせ縫い溝の表面にレーザー光を照射して変位を測定しつつ、ステッチ縫合装飾製品の縫い合わせた境界部の溝深さや幅など目標値内に成形することができる。
本発明の一実施形態にかかるステッチ縫合装飾製品の製造方法で製造された疑似表皮で覆ったインストルメントパネルの斜視図である。 本発明の一実施形態にかかるステッチ縫合装飾製品の製造方法の各工程を示す概略図である。 本発明の一実施形態にかかるステッチ縫合装飾製品の製造方法で製造された疑似表皮の平面図である。 本発明の一実施形態にかかるステッチ縫合装飾製品の製造方法の基礎表皮貼付工程におけるモデルと表皮シートの断面図である。 図3のV−V断面図である。
符号の説明
2 疑似表皮(疑似表皮部材,ステッチ縫合装飾製品)
3 モデル
3b (モデルの)表面
3c 太凹溝
3e 細凹溝
3f 凸部
4,4a,4b 表皮シート
5 縫合部
5V 疑似縫合部
6 凹型
7 マスター型
8 電気鋳造金型
10 表皮縫製部分
11 一般表皮部分
12 後付けステッチ
13 境界対応部
P1 基礎表皮貼付工程
P2 凹型形成工程
P3 マスター型形成工程
P4 電鋳型形成工程
P5 疑似表皮部材成形工程
P6 ステッチ形成工程

Claims (6)

  1. 基礎となる外形状に沿ったモデル(3)の表面(3b)に、複数の表皮シート(4)を貼り付ける基礎表皮貼付工程(P1)と、
    前記モデル(3)に貼り付けた表皮シート(4)の表面形状を反転して転写した凹型(6)を形成する凹型形成工程(P2)と、
    前記凹型(6)の内面形状を反転して転写し前記モデル(3)の表面(3b)に貼り付けた表皮シート(4)の表面形状に沿ったマスター型(7)を形成するマスター型形成工程(P3)と、
    前記マスター型(7)の表面形状を反転して転写した電気鋳造金型(8)を形成する電鋳型形成工程(P4)と、
    前記電気鋳造金型(8)の内面形状を反転して転写し疑似表皮部材(2)を成形する疑似表皮部材成形工程(P5)と、
    前記疑似表皮部材成形工程(P5)で成形した疑似表皮部材(2)に後付けステッチ(12)を施すステッチ形成工程(P6)と、
    を備えたステッチ縫合装飾製品の製造方法において、
    前記基礎表皮貼付工程(P1)では、前記表皮シート(4)を、当該表皮シート(4)同士の縫合部(5)を含む表皮縫製部分(10)と、当該縫合部(5)を含まない一般表皮部分(11)と、で分割してモデル(3)に貼り付け、
    前記ステッチ形成工程(P6)では、前記表皮縫製部分(10)と一般表皮部分(11)との境界に対応する境界対応部(13)に後付けステッチ(12)を施すことを特徴とするステッチ縫合装飾製品の製造方法。
  2. 前記表皮縫製部分(10)に対応する表皮シート(4a)に本革を用いるとともに、前記一般表皮部分(11)に対応する表皮シート(4b)に合成樹脂表皮革を用いたことを特徴とする請求項1に記載のステッチ縫合装飾製品の製造方法。
  3. 前記モデル(3)の表面(3b)に、後付けステッチ(12)に対応する太凹溝(3c)を形成しておくことを特徴とする請求項1または2に記載のステッチ縫合装飾製品の製造方法。
  4. 前記太凹溝(3c)の内壁面に、相互に対向する一対の凸部(3f,3f)を形成しておくことを特徴とする請求項3に記載のステッチ縫合装飾製品の製造方法。
  5. 前記太凹溝(3c)の幅方向略中央部に、細凹溝(3e)を形成しておくことを特徴とする請求項4に記載のステッチ縫合装飾製品の製造方法。
  6. 前記請求項1〜5のうちいずれか一つに記載のステッチ縫合装飾製品の製造方法で成形されたステッチ縫合装飾製品。
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