JP2008302604A - 木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法 - Google Patents
木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008302604A JP2008302604A JP2007152289A JP2007152289A JP2008302604A JP 2008302604 A JP2008302604 A JP 2008302604A JP 2007152289 A JP2007152289 A JP 2007152289A JP 2007152289 A JP2007152289 A JP 2007152289A JP 2008302604 A JP2008302604 A JP 2008302604A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wood
- plastic
- core material
- woody
- core
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
【課題】木質系芯材に含まれる水分によりプラスチックの内面に気泡ができる欠点を解消して綺麗に被覆する。プラスチックを木質系芯材にしっかりと強固に結合しながら表面を被覆する。
【解決手段】木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法は、プラスチック2を押し出し成形する金型3の押出口10からプラスチック2と一緒に木質系芯材1を押し出して、木質系芯材1の表面を熱可塑性のプラスチック2で被覆する。この方法は、木質系芯材1を、横断面形状を同一とする縦に長い形状に加工すると共に、プラスチック2で被覆される被覆面1aを平滑面に加工し、平滑面に加工された木質系芯材1の表面に沿う形状の押圧面5aを有する加熱プレート5を木質系芯材1の表面に押圧して木質系芯材1の被覆面1aを加熱し、加熱状態にある木質系芯材1を金型3の押出口10から押し出して、被覆面1aを熱可塑性のプラスチック2で被覆する。
【選択図】図1
【解決手段】木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法は、プラスチック2を押し出し成形する金型3の押出口10からプラスチック2と一緒に木質系芯材1を押し出して、木質系芯材1の表面を熱可塑性のプラスチック2で被覆する。この方法は、木質系芯材1を、横断面形状を同一とする縦に長い形状に加工すると共に、プラスチック2で被覆される被覆面1aを平滑面に加工し、平滑面に加工された木質系芯材1の表面に沿う形状の押圧面5aを有する加熱プレート5を木質系芯材1の表面に押圧して木質系芯材1の被覆面1aを加熱し、加熱状態にある木質系芯材1を金型3の押出口10から押し出して、被覆面1aを熱可塑性のプラスチック2で被覆する。
【選択図】図1
Description
本発明は、木材やMDF等の木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法に関し、とくに、木質系芯材をプラスチックを成形する金型の押出口から押し出しして表面をプラスチックで被覆する方法に関する。
自然環境保護が不可欠な現在、木材の欠点である汚れや木目の不均一を解決するために、塗装や木目印刷フイルム貼り付け加工によるVOC発生防止だけでなく、建設土木に不可欠な木材製品にも、屑の抑制や再利用が要求されている。この社会情勢を反映した木材製品市場では、石油原料の使用を極力抑えた使いやすく安価な人工木材の供給が必要となっている。しかし、プラスチックや木粉を使った既存人工木材には、石油原料比率の高さや低生産性に起因する高価格と低製品強度、高比重が課題であり、木屑や未利用木材を原料にした新しい技術による高木材使用率の人工木材の供給が必要となっている。
人工木材として、発泡プラスチック成形製品には、高石油利用率の課題があり、MDFや集成木材及び塗装・ラッピング加工木製品には、接着剤からのVOC発散の課題があり、また、木粉とプラスチック混合原料押出し成形品には、低生産性・高コストの課題がある。また、何れの手法にも、木材の本来の良さである軽量・釘打ちなどの加工困難性・木本来の木目意匠の欠落などの課題がある。類似技術にあたるプラスチック二色押出し成形法(芯材の上に他のプラスチックを皮膜形成)には2種類の樹脂溶融温度をそろえて芯材の形状を崩さないようにする制約がある。
これらの課題を解決するために、木材の表面をプラスチックで被覆する方法が開発されている(特許文献1及び2参照)。この方法は、木屑や未利用木材を原料とした切削加工木製芯材の表面を、プラスチックで被覆することにより、木製芯材のサイズ・形状不安定や強度不足をカバーする木質材を実現するものである。また、木製芯材として、木屑や廃材を原料として再利用することで、リサイクル効果もある。さらに、木材の強度不足や汚れやすさという問題点を解決すると共に、塗料や接着剤を使わずVOCゼロの木材を実現できる特長がある。
特開2001−287207号公報
特開2003−19703号公報
特許文献1は、間伐材からなる芯材の表面に、被覆厚さを3〜15mmとするオレフィン系合成樹脂からなる被覆層を形成し、その被覆層に木肌状の模様を施す方法を記載している。金型の押出口からプラスチックと一緒に木材を押し出して、木材の表面をプラスチックで被覆する方法は、加熱して溶融されたプラスチックが木材を加熱して、木材に含まれる水分を蒸発させる。木材から蒸発した水分は、表面を被覆するプラスチックとの間に移行して、気泡を発生させる。このため、木材を被覆するプラスチックの内面に気泡ができて、綺麗に木材表面を被覆できなくなる。
この弊害は、特許文献2にも記載されるように、樹脂で被覆する前工程で、木材を熱風や乾燥炉内で強制的に乾燥させたり、木材表面をバーナー等の炎によりあぶったりして一時的に表面から水分を蒸発させる方法がある。ただ、この方法は、手間がかかる余分な方法が追加される上、木材乾燥のために多量のエネルギーを消費する欠点がある。また、この方法では、木材に割れが発生して木材の強度が低下し、また外観が悪化する欠点がある。さらに、炎により表面をあぶる方法では、各所における木材の乾燥度合いにばらつきが生じやすく、乾燥が不十分である箇所が残る欠点がある。
この弊害を避けるために、特許文献2の方法は、木材の表面をフィルムで被覆して、フィルムの表面をプラスチックで被覆する。この方法は、木質系芯材の表面を被覆するフィルムで、押し出し成形時に、木材中の水分が蒸発するのを防止する。すなわち、フィルムでもって、木材から蒸発しようとする水分をフィルムの内側に封じこめ、木材と被覆樹脂との間に気泡が生じるのを防止する。
この方法は、木材を乾燥することなくプラスチックで被覆できるが、水分の弊害を避けるために、木材の表面をフィルムで被覆する必要があり、この工程で極めて手間がかかる欠点がある。また、フィルムを使用することから材料コストも高くなる欠点がある。さらに、この方法は、木材の表面を被覆するプラスチックと木材との間にフィルムが介在することから、プラスチックと木材との結合が極めて弱くなる欠点がある。この欠点は、木材とプラスチックとが相対的に移動して、端部で木材がプラスチックから外部に突出し、あるいは反対にプラスチックが木材から突出するなどの弊害がある。さらに、プラスチックと木材が結合されないことから、プラスチックの強度も低下して破損しやすい欠点もある。
本発明は、さらにこの欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、フィルムを使用することなく、木質系芯材に含まれる水分による弊害、すなわちプラスチックの内面に気泡ができる欠点を解消して木質系芯材の表面をプラスチックで綺麗に被覆できる方法を提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、プラスチックを木質系芯材にしっかりと強固に結合しながら表面を被覆できる木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法を提供することにある。
さらに、本発明の他の大切な目的は、少ないエネルギーでもってプラスチック内面に気泡が発生するのを確実に防止できる木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法を提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、プラスチックを木質系芯材にしっかりと強固に結合しながら表面を被覆できる木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法を提供することにある。
さらに、本発明の他の大切な目的は、少ないエネルギーでもってプラスチック内面に気泡が発生するのを確実に防止できる木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法を提供することにある。
本発明の木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法は、プラスチック2を押し出し成形する金型3の押出口10からプラスチック2と一緒に木質系芯材1を押し出して、木質系芯材1の表面を熱可塑性のプラスチック2で被覆する。この方法は、木質系芯材1を、横断面形状を同一とする縦に長い形状に加工すると共に、プラスチック2で被覆される被覆面1aを平滑面に加工し、平滑面に加工された木質系芯材1の表面に沿う形状の押圧面5aを有する加熱プレート5を木質系芯材1の表面に押圧して木質系芯材1の被覆面1aを加熱し、加熱状態にある木質系芯材1を金型3の押出口10から押し出して、被覆面1aを熱可塑性のプラスチック2で被覆する。
本発明の請求項2の木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法は、木質系芯材1を被覆するプラスチック2に、木材切削粉と抗菌剤と香料の少なくともひとつを混合する。
本発明の請求項3の木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法は、木質系芯材1を、木材、パーチクルボード、MDFのいずれかとする。
本発明の請求項4の木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法は、木質系芯材1の内部に発光ダイオード6を埋設し、発光ダイオード6の埋設された木質系芯材1を透光性のプラスチック2で被覆する。
本発明の請求項5の木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法は、表面に天然木材の木目のある木質系芯材1を使用し、この木質系芯材1の表面を透光性のプラスチック2で被覆する。
本発明の請求項6の木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法は、木質系芯材1を被覆するプラスチック2の表面に、木目模様、凹凸模様、エンボス模様のいずれかを設ける。
本発明の請求項7の木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法は、コンクリート型枠、ブラインド、室内装飾材のいずれかに使用される木質系芯材1の表面をプラスチック2で被覆する。
本発明は、木質系芯材に含まれる水分による弊害、すなわちプラスチックの内面に気泡ができる欠点を解消して木質系芯材の表面をプラスチックで綺麗に被覆できる特長がある。それは、本発明が、木質系芯材の表面に沿う形状の押圧面を有する加熱プレートを木質系芯材の表面に押圧して木質系芯材の被覆面を加熱し、加熱状態にある木質系芯材を金型の押出口から押し出して、被覆面を熱可塑性のプラスチックで被覆するからである。この方法は、木質系芯材の被覆面を加熱プレートで加熱して、加熱状態にある木質系芯材の表層部の水分を気化させて除去した状態として、被覆面をプラスチックで被覆するので、プラスチックで被覆するときに、溶融されたプラスチックの熱で木質系芯材の水分が蒸発して気泡ができるのを確実に阻止できる。とくに、本発明の方法は、加熱プレートで木質系芯材の被覆面を押圧して加熱するので、少ないエネルギーでもって、短時間に効率よく、しかも斑なく加熱できる。したがって、木質系芯材の表面状態を悪化させることなく、理想的に加熱しながら、プラスチック内面に気泡が発生するのを確実に防止して、木質系芯材の表面をプラスチックで綺麗に被覆できる。
また、本発明の方法は、加熱プレートで加熱された木質系芯材を金型に供給するので、木質系芯材の表面の温度を高い状態としながら、表面をプラスチックで被覆できる。このため、表面に接触するプラスチックを急激に冷却して硬化させることなく、いいかえるとプラスチックを加熱された溶融状態に保持して、表面の微細な凹凸に侵入させることができる。このため、押出口から押し出しされる木質系芯材の表面の凹凸にプラスチックを圧入して、プラスチックを木質系芯材にしっかりと強固に結合しながら表面を被覆できる。
さらに、本発明の方法では、フィルムを使用しないので、従来のフィルムで被覆する方法に比較して、製造にかかる手間を省略して、材料コストを低減しながら、しかもプラスチックを木質系芯材にしっかりと強固に結合させて、表面を綺麗に被覆できる特長が実現できる。
本発明の請求項2の方法は、木質系芯材を被覆するプラスチックに、木材切削粉と抗菌剤と香料の少なくともひとつを混合するので、木質感などの天然素材の機能を持つ被覆や、表面が抗菌処理された被覆、あるいは香りのある被覆を実現して、多機能な製品を提供することができる。
本発明の請求項4の方法は、木質系芯材の内部に発光ダイオードを埋設し、発光ダイオードの埋設された木質系芯材を透光性のプラスチックで被覆するので、発光ダイオードを備える木質材として、多種多様な用途に利用可能な多機能な製品を実現できる。とくに、発光ダイオードの埋設された木質系芯材を透光性のプラスチックで被覆するので、優れた絶縁性と防水性とを実現できる。
本発明の請求項5の方法は、表面に天然木材の木目のある木質系芯材を使用し、この木質系芯材の表面を透光性のプラスチックで被覆するので、天然木に独特の木目意匠を有する外観として、高級感のある高品質な製品を実現できる。
本発明の請求項6の方法は、木質系芯材を被覆するプラスチックの表面に、木目模様、凹凸模様、エンボス模様のいずれかを設けるので、用途に合わせて天然木の表面に近似する外観とし、あるいは滑り止め凹凸などの表面加工を設けることにより、高付加価値の製品を実現できる。
本発明の請求項7の方法は、コンクリート型枠、ブラインド、室内装飾材のいずれかに使用される木質系芯材の表面をプラスチックで被覆するので、塗料や接着剤を使用しない建築資材や住宅の内装材として、安全かつ安心して使用できる製品を提供できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法を例示するものであって、本発明は木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法を以下の方法に特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図1は、本発明の一実施例にかかる木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する装置を示す断面図である。この図に示す装置は、プラスチック2を押し出し成形する金型3の押出口10から、プラスチック2と一緒に木質系芯材1を押し出して、木質系芯材1の表面を熱可塑性のプラスチック2で被覆する。図の押出装置は、木質系芯材1の表面をプラスチック2で被覆する金型3と、この金型3の押出口10から木質系芯材1を押し出しする押出機構4と、この押出機構4で押し出しされる木質系芯材1を加熱する加熱プレート5とを備える。
図1の装置で表面をプラスチック2で被覆する木質系芯材1は、木材、パーチクルボード、MDFとすることができる。木材は、天然の木材、合板、あるいは合板の製造工程で発生する廃材などが使用できる。木質系芯材1は、横断面形状を同一とする縦に長い形状に加工され、さらに、プラスチック2で被覆される被覆面1aを平滑面に加工している。平滑面は、平面状に加工され、あるいは所定の曲率半径で湾曲する湾曲面に加工される。木質系芯材1は、被覆面1aを研磨して鏡面状の平滑面とすることもできるが、研磨することなく、たとえば鋸で切削して平滑面とすることもできる。本明細書において「平滑面」とは、鋸で直線状に切削した状態、あるいは鋸で切削して表面を研磨した状態、あるいは又、表面をカンナ等の刃物で直線状に削った状態を意味する。
木質系芯材1は、用途に最適な形状に加工される。コンクリート型枠に使用される木質系芯材は、平面状に加工され、また、コンクリート型枠の面取り材に使用される木質系芯材1は、図2に示すように、横断面形状を直角三角形とする。また、ブラインドに使用される木質系芯材は、薄い板状に加工され、さらに、室内装飾材に使用される木質系芯材は、板状等の種々の形状に加工される。
さらに、木質系芯材1は、図3に示すように、内部に発光ダイオード6を埋設することもできる。この木質系芯材1は、所定の間隔で発光ダイオード6を埋設している。木質系芯材1は、貫通孔8を設けてここに発光ダイオード6を埋設している。さらに、木質系芯材1は、図4に示すように、発光ダイオード6に接続するリード線7を入れる溝9を設けて、この溝9にリード線7を配線している。発光ダイオード6の埋設された木質系芯材1は、図5の断面図に示すように、透光性のプラスチック2で被覆されて、プラスチック2の内部に防水状態で埋設される。
木質系芯材1の表面をプラスチック2で被覆する金型3は、加熱して溶融状態となったプラスチック2を供給するプラスチック2の供給機構(図示せず)を連結している。供給機構は、熱可塑性のプラスチック2を加熱して溶融状態とし、溶融状態のプラスチック2を金型3の成形室11に加圧状態で供給する。
金型3は、これを貫通するように、木質系芯材1を移送する移送路12を設けている。移送路12は、挿入側から排出側の押出口10に向かって直線状に開口している。挿入側の内形は、移送される木質系芯材1の外形に等しく、成形室11に供給されるプラスチック2が挿入側に漏れない構造としている。また内形を木質系芯材1の外形に等しくしている移送路12の挿入側は、木質系芯材1を所定の位置に配置して、押出口10から押し出しする。押出口10と木質系芯材1との相対位置がずれると、木質系芯材1の表面に設けられるプラスチック2の膜厚が変化する。木質系芯材1の表面を所定の膜厚のプラスチック2で被覆するために、木質系芯材1は押出口10の定位置にあって押し出しされることが大切である。木質系芯材1を押出口10の定位置に配置するために、移送路12は挿入側の内形を木質系芯材1の外形に等しくしている。この挿入側は、木質系芯材1の表面に接触して、木質系芯材1を押出口10の定位置に配置する。木質系芯材1は、挿入側の内面を滑りながら押出口10から押し出される。
移送路12の押出口10は、その内形を、木質系芯材1の外形よりも大きくしている。図2は金型3の押出口10と木質系芯材1の相対位置を示す正面図である。この図に示すように、押出口10の内面と木質系芯材1の外面との隙間(d)にプラスチック2が押し出されて、木質系芯材1の表面にプラスチック2が被覆される。隙間(d)は、木質系芯材1の表面を被覆するプラスチック2の厚さを特定する。したがって、この隙間(d)を広くして、木質系芯材1の表面を被覆するプラスチック2を厚くでき、反対に狭くしてプラスチック2を薄くできる。木質系芯材1は、好ましくは図2に示すように、その全周をプラスチック2で被覆する。全周がプラスチック2で被覆される木質系芯材1は、表面のプラスチック2で木質系芯材1の乾燥と吸水が阻止されて、収縮や歪みが防止される。ただし、本発明の方法は、必ずしも木質系芯材の全周をプラスチックで被覆する必要はなく、木質系芯材の一部、たとえば表面をプラスチックで被覆して、裏面をプラスチックで被覆しないようにすることもできる。
押出機構4は、木質系芯材1を金型3の移送路12に供給する。図1の押出機構4は、木質系芯材1の表面を押し出して移送する移送ロール13を備える。この移送ロール13は、モータ等の回転機構(図示せず)で木質系芯材1の移送方向に回転される。図の押出機構4は、一対の移送ロール13で木質系芯材1の対向面を挟むように押圧して、木質系芯材1を移送する。
押出機構4で移送される木質系芯材1は、加熱プレート5で加熱され、加熱された状態で金型3の移送路12に供給される。加熱プレート5は、木質系芯材1の表面に押圧される押圧面5aの表面温度を水の沸点である100℃よりも高温に加熱している。加熱プレート5は、ヒーター(図示せず)を内蔵し、あるいは加熱蒸気を通過させる通路を設けて、ヒーターや蒸気で加熱される。加熱プレート5は、平滑面に加工された木質系芯材1の表面に沿う形状の押圧面5aを有し、この押圧面5aを木質系芯材1の表面に押圧して木質系芯材1の被覆面1aを加熱する。加熱プレート5は、木質系芯材1を加熱する押圧面5a以外の部分を、断熱材(図示せず)で被覆して無駄な放熱を防止している。
さらに、加熱プレートは、図示しないが、押圧面に、遠赤外線放射塗料を塗布することもできる。この遠赤外線放射塗料は、加熱されると遠赤外線を放射する粉末を含有する塗料である。このように、押圧面に遠赤外線放射塗料を塗布している加熱プレートは、加熱される状態において、押圧面から遠赤外線を放射するので、さらに効率よく木質系芯材の被覆面を加熱することができる。
加熱プレート5の押圧面5aに面接触状態に接触する木質系芯材1は、加熱プレート5から熱伝導によって短時間に効率よく加熱されて、表層部の水分を気化させる。加熱プレート5は、木質系芯材全体を乾燥状態として水分を除去する必要はない。加熱プレート5は、表層部の水分を除去して、プラスチック2で被覆するときに水分蒸発で気泡が発生するのを阻止する。加熱プレート5で加熱して表層部の水分が除去された木質系芯材1は、金型3に移送されてプラスチック2で被覆するときに、水分が蒸発して気泡ができるのが阻止される。さらに、加熱プレート5は、表面を加熱状態として木質系芯材1を金型3に移送する。加熱プレート5で加熱された木質系芯材1は、成形室11を通過する状態で表面の温度が高い。この木質系芯材1は、成形室11を移送するときに、表面に接触するプラスチック2を冷却して硬化せず、プラスチック2を加熱された溶融状態に保持して、表面の微細な凹凸に侵入させる。このため、押出口10から押し出しされる木質系芯材1は、表面の微細な凹凸にプラスチック2が圧入され、プラスチック2の投錨効果で木質系芯材1とプラスチック2とが剥離しないように強固に接着される。
さらに、加熱プレート5の押圧面5aは、好ましくは、表面温度を成形室11の溶融プラスチック温度よりも高くする。この加熱プレート5は、押出口10から押し出される木質系芯材1とプラスチック2との間に気泡ができるのをより確実に阻止できる。とくに、水分率の高い木質系芯材1を使用しながら、プラスチック2の内面に気泡が発生するのを確実に阻止できる。それは、加熱プレート5の押圧面5aで、成形室11の溶融プラスチックよりも高温に加熱されているからである。木質系芯材1は、成形室11の溶融プラスチックに加熱されて水分を蒸発させるが、加熱プレート5で溶融プラスチックよりも高温に加熱された木質系芯材1は、すでに水分を蒸発させており、とくに溶融プラスチックよりも高温に加熱して水分を蒸発させていることから、加熱プレート5よりも低い温度に加熱されるプラスチックによっては水分の蒸発がなく、水分蒸発によるプラスチック内面の気泡を確実に防止できる。溶融プラスチックの温度は、プラスチックの種類により変化するが、加熱プレート5の温度が高すぎると、木質系芯材1の表面を焦がすので、加熱プレート5の押圧面5aの温度は、木質系芯材1の表面を焦がさない温度、たとえば、200℃よりも低く、好ましくは180℃よりも低く設定される。ただし、本発明は、木質系芯材の表面を焦がして茶色から黒色に着色して、その表面をプラスチックで被覆することもできるので、加熱プレート5の押圧面5aの温度は、木質系芯材1を焦がす以上の温度、たとえば180℃以上、あるいは200℃以上とすることもできる。加熱プレート5は、押圧面5aの木質系芯材1の移送方向における長さと移送速度で、木質系芯材1の加熱状態をコントロールできる。加熱プレート5は、押圧面5aを長く、木質系芯材1の移送速度を遅くして、木質系芯材1を高温に加熱できる。したがって、加熱プレート5の押圧面5aの温度は、押圧面5aを長く、木質系芯材1の移送速度を遅くして低温に、また押圧面5aを短く、移送速度を速くして高温にする。
図1に示す装置は、以下の方法で木質系芯材1の表面を熱可塑性のプラスチック2で被覆する。熱可塑性のプラスチック2には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂等を使用する。木質系芯材1には、合板の廃材であって、縦×横を1cmとする角材を使用する。この木質系芯材1は、横断面形状を四角形とする角棒に、鋸で加工して被覆面1aを平滑面としている。木質系芯材1の表面を、1mmの厚さのプラスチック2で被覆するので、金型3の押出口10は、11mm×11mmの四角形としている。この金型3の成形室11に溶融プラスチックを供給する状態で、押出機構4が木質系芯材1を加熱プレート5から金型3に向かって移送する。押出機構4は、5m/分の移送速度で木質系芯材1を移送する。加熱プレート5は、押圧面5aを木質系芯材1表面の被覆面1aに押圧して、被覆面1aを加熱する。加熱プレート5は、押圧面5aの表面温度を180℃、押圧面5aの移送方向の長さを50cmとし、さらに押圧面5aには、蒸気抜き穴として、5cm間隔で複数の貫通孔14を設けている。加熱プレート5は、木質系芯材1の表面に押圧されて、これを加熱して、表面の水分を除去する。加熱プレート5で加熱された木質系芯材1は、冷却することなく、加熱された状態で金型3の移送路12に移送される。金型3の移送路12を通過する木質系芯材1は、成形室11で表面に溶融プラスチックが付着される。溶融プラスチックは、加熱状態にある木質系芯材1の表面の凹凸に侵入する状態で付着される。さらに、木質系芯材1は、押出口10から押し出される状態で、表面に1mmの厚さにプラスチック2が付着されて、プラスチック2で被覆される。
以上の方法で木質系芯材1の表面を被覆するプラスチックは、木材切削粉、抗菌剤、香料等を単独で、あるいはこれ等の複数を一緒に混合して、木質系芯材の表面を抗菌処理し、あるいは香りのある状態に被覆することもできる。また、プラスチックに石を破砕した粉末を混合して、人工大理石に近似するプラスチックで木質系芯材の表面を被覆することもできる。さらに、表面に天然木材の木目のある木質系芯材を使用し、この木質系芯材の表面を透光性のプラスチックで被覆して、木質系芯材の木目で表面を綺麗に装飾することができる。また、プラスチックに顔料や染料を添加して、木質系芯材の表面を着色して装飾することもできる。さらに、本発明の方法は、木質系芯材を湾曲できる厚さの板状とし、この木質系芯材を湾曲形状の押出口から押し出して、表面のプラスチックで木質系芯材を湾曲する形状に保形しながら表面を被覆することもできる。この方法は、たとえばブラインドの板材を製造するのに適している。
木質系芯材の表面をプラスチックで綺麗に被覆することにより、表面をプラスチックで被覆してなる木材の生産性と普及を高め、これにより、木屑や未利用木材を廃棄せずに再利用率を向上させるだけでなく、木材製品の長寿命化により木材の使用量を減少化することができる。木材の利用率と繰り返し利用のリユース率の向上を図ると共に、既存石油製品の代替による石油消費の低減化や木材加工製品からのVOC放散量低減化を図ることができ、住環境の改善だけでなく地球環境の保全に貢献できる。
1…木質系芯材 1a…被覆面
2…プラスチック
3…金型
4…押出機構
5…加熱プレート 5a…押圧面
6…発光ダイオード
7…リード線
8…貫通孔
9…溝
10…押出口
11…成形室
12…移送路
13…移送ロール
14…貫通孔
2…プラスチック
3…金型
4…押出機構
5…加熱プレート 5a…押圧面
6…発光ダイオード
7…リード線
8…貫通孔
9…溝
10…押出口
11…成形室
12…移送路
13…移送ロール
14…貫通孔
Claims (7)
- プラスチック(2)を押し出し成形する金型(3)の押出口(10)からプラスチック(2)と一緒に木質系芯材(1)を押し出して、木質系芯材(1)の表面を熱可塑性のプラスチック(2)で被覆する方法であって、
木質系芯材(1)を、横断面形状を同一とする縦に長い形状に加工すると共に、プラスチック(2)で被覆される被覆面(1a)を平滑面に加工し、平滑面に加工された木質系芯材(1)の表面に沿う形状の押圧面(5a)を有する加熱プレート(5)を木質系芯材(1)の表面に押圧して木質系芯材(1)の被覆面(1a)を加熱し、加熱状態にある木質系芯材(1)を金型(3)の押出口(10)から押し出して、被覆面(1a)を熱可塑性のプラスチック(2)で被覆することを特徴とする木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法。 - 木質系芯材(1)を被覆するプラスチック(2)に、木材切削粉と抗菌剤と香料の少なくともひとつを混合している請求項1に記載される木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法。
- 木質系芯材(1)が木材、パーチクルボード、MDFのいずれかである請求項1に記載される木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法。
- 木質系芯材(1)の内部に発光ダイオード(6)を埋設し、発光ダイオード(6)の埋設された木質系芯材(1)を透光性のプラスチック(2)で被覆する請求項1に記載される木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法。
- 表面に天然木材の木目のある木質系芯材(1)を使用し、この木質系芯材(1)の表面を透光性のプラスチック(2)で被覆する請求項1に記載される木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法。
- 木質系芯材(1)を被覆するプラスチック(2)の表面に、木目模様、凹凸模様、エンボス模様のいずれかを設ける請求項1に記載される木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法。
- コンクリート型枠、ブラインド、室内装飾材のいずれかに使用される木質系芯材(1)の表面をプラスチック(2)で被覆する請求項1に記載される木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007152289A JP2008302604A (ja) | 2007-06-08 | 2007-06-08 | 木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007152289A JP2008302604A (ja) | 2007-06-08 | 2007-06-08 | 木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008302604A true JP2008302604A (ja) | 2008-12-18 |
Family
ID=40231727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007152289A Pending JP2008302604A (ja) | 2007-06-08 | 2007-06-08 | 木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008302604A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010005922A (ja) * | 2008-06-26 | 2010-01-14 | Yamamoto Tekkosho:Kk | 木芯プラスチック成形体の製造方法と木芯プラスチック成形体の製造装置 |
CN103619561A (zh) * | 2011-06-17 | 2014-03-05 | 乐金华奥斯株式会社 | 设有含木材纤维的表皮层的窗框型材 |
-
2007
- 2007-06-08 JP JP2007152289A patent/JP2008302604A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010005922A (ja) * | 2008-06-26 | 2010-01-14 | Yamamoto Tekkosho:Kk | 木芯プラスチック成形体の製造方法と木芯プラスチック成形体の製造装置 |
CN103619561A (zh) * | 2011-06-17 | 2014-03-05 | 乐金华奥斯株式会社 | 设有含木材纤维的表皮层的窗框型材 |
JP2014516001A (ja) * | 2011-06-17 | 2014-07-07 | エルジー・ハウシス・リミテッド | 木粉入りスキン層を有する窓戸用プロファイル |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4259388B2 (ja) | 化粧シート及びその製造方法及び床材 | |
JP6005155B2 (ja) | 装飾された壁、天井または床板の製造方法 | |
JP6928012B2 (ja) | 接着剤が不要でダストがない複合床材料システム | |
JP6923567B2 (ja) | 接着剤が不要でダストがない複合床材料システムの製造方法 | |
US11794395B2 (en) | Method of producing a glueless dustless composite flooring material system | |
US8445060B2 (en) | Process and apparatus for manufacturing decorative papers and/or panels for flooring or surfacing of furniture, walls, etc | |
KR20140096997A (ko) | 파우더 코팅 방법 및 파우더 코팅된 물품 | |
US11248380B2 (en) | Glueless dustless composite flooring material system | |
WO2021189503A1 (zh) | 一种具有 3d 效果的打印板材及其制备方法 | |
JP2008302604A (ja) | 木質系芯材の表面をプラスチックで被覆する方法 | |
CN102673082B (zh) | 一种以硅酸钙为基材板的饰面板制造工艺 | |
EP2265761B1 (en) | Method for manufacturing an overlaying material | |
JPH0547361B2 (ja) | ||
JP2009172947A (ja) | 木質複合床材の表面塗装方法 | |
JP2015048693A (ja) | 木質床材 | |
CN201620556U (zh) | 一种复合再生地板 | |
JP2022547765A (ja) | 接着剤が不要でダストがない複合床材料システムの製造方法 | |
JP2022522708A (ja) | 接着剤が不要でダストがない複合床材料システム | |
US20190194951A1 (en) | Glueless dustless composite flooring material system | |
DK141777B (da) | Fremgangsmåde ved belægning af kanterne af spån- og træfiberplader og lignende på cellulose baserede formlegemer. | |
Cao et al. | Architectural (decorative) natural fiber composites for construction | |
JP5820996B2 (ja) | 床材の製造方法 | |
JP2010005922A (ja) | 木芯プラスチック成形体の製造方法と木芯プラスチック成形体の製造装置 | |
CN109177364A (zh) | 一种增强型复合板材结构 | |
JP2005289021A (ja) | 無機質化粧板の製造方法 |