JP2005289021A - 無機質化粧板の製造方法 - Google Patents

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Katsuto Oshima
克仁 大島
Mitsuru Harada
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Abstract

【課題】 鉱物質繊維と無機質粉状体と結合剤とを必須成分とし、表面に塗装や印刷により化粧層が設けられた装飾性の良い無機質化粧板を、生産性良く、また化粧層との密着性良く製造することができる無機質化粧板の製造方法を提供する。
【解決手段】
鉱物質繊維と無機質粉状体と結合剤とを必須成分として含む原料を水中に混合分散させて調整したスラリーを湿式抄造してウェットマットに形成し、該ウェットマットを、含水率が10重量%未満となるように乾燥してドライボードに形成し、該ドライボードの表面に塗装、又は/及び印刷を施した後、加熱圧縮して結合剤を硬化させることにより、化粧層との密着性が良く、装飾性の良い無機質化粧板を生産性良く製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、住宅等建築物の内装材、造作材、開口部材、家具等の化粧板として用いるに好適な、装飾性、密着性に優れた無機質化粧板を、生産性良く製造することができる無機質化粧板の製造方法の技術に関する。
従来から、住宅等建築物の内装仕上げ材や家具等の化粧面材の基板として石膏ボードや合板が汎用されている。しかしながら、石膏ボードは、重くて施工し難く、また水を吸収すると曲げ強度等の強度的性質が顕著に低下するため、キッチン等水回りに使用するには問題があった。一方、合板は、軽くて施工し易い反面、燃え易く、腐り易いという欠点を有していた。
このため、本出願人は、特許文献1に記載のあるように、表裏層の間に軽量な中層をサンドイッチ状に積層した積層体を、連続プレスで圧締して成形した後、乾燥により結合剤を硬化させる、軽量高強度な3層構成の無機質板の製造方法を提案した。しかしながら、上記方法で、特に厚さが10mm以下の薄い無機質板を製造する場合、薄い分軽量であるので、軽量な中層の必要性が低くなる上に、3層構成に形成するためには、製造装置が煩雑となり、生産性も悪くなるという欠点があった。
このため、湿式抄造した単層のウェットマットを熱風乾燥機で乾燥した後、得られたドライボードを加熱圧縮して、薄くて強度のある無機質板に形成することが考えられるが、乾燥後のドライボードの含水率が高い場合には、ドライボードが柔らかくなり、加熱圧縮のためにホットプレス等の熱圧装置に搬送し、セットする際の取り扱い時において、ドライボードが破損することがあり取り扱いが難しいという問題があった。また、加熱圧縮時においてドライボードに多く含まれる水分の急激な蒸発によって、パンク現象や、側端部に湾曲状の変形現象を生じることがあり、その生産性や生産歩留まりを低下させるという問題があった。
一方、ドライボードを十分に乾燥した場合には、上記問題は解決できるが、このようなドライボードを熱圧して得た無機質板の表面に、塗装・印刷、化粧シートの貼着等により化粧層を設けると、加熱圧縮によって無機質板表面層に細かな破損等を生じて該表面層が脆弱になる結果、上記化粧層と無機質板との密着性が悪くなって、化粧層が剥がれ易くなるという問題を生じることがあった。
また、このようなドライボードをエンボス型により加熱加圧した場合には、成形された無機質板の表面に更に割れや亀裂を生じたり、無機質板自体が脆弱化したりする問題があった。
このため、本出願人は、特許文献2に示すように、結合剤に熱硬化性樹脂を使用し、ウェットマットを、熱硬化性樹脂結合剤が硬化しない状態で含水率が10重量%未満となるように乾燥してドライボードに形成し、このドライボードを加熱圧縮することで上記問題が解決できること、また、その表面に良好に化粧層を設けることができることを提案した。
特開平5−50417 特願2003−363013
しかしながら、上記ドライボードの表面を、皺(しぼ)状模様などの細かな凹凸模様が刻設されたエンボス型により加熱加圧して、上記細かな凹凸模様が表面に転刻された無機質板に形成し、この無機質板の表面を塗装して化粧層を設けようとした場合、塗料によって細かな凹凸模様が埋められ、この結果、上記細かな凹凸模様がシャープに再現されず、その装飾性が著しく低下するという問題があった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みなされたもので、また上記特許文献2に記載された発明を更に改良するためになされたものであり、鉱物質繊維と無機質粉状体と結合剤とを必須成分として形成された無機質化粧板、特に厚さが10mm以下の装飾性に優れた薄物無機質化粧板を、塗装、又は/および印刷による化粧層との密着性が良く、且つ生産性、生産歩留まり良く製造することができる無機質化粧板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するために、請求項1の発明に係る無機質化粧板の製造方法は、鉱物質繊維と無機質粉状体と結合剤とを必須成分として含む原料を水中に混合分散させて調整したスラリーを湿式抄造してウェットマットに形成し、該ウェットマットを、含水率が10重量%未満となるように乾燥してドライボードに形成し、該ドライボードの表面に塗装、又は/および印刷を施した後、加熱圧縮して結合剤を硬化させることを特徴とする。
請求項2の発明に係る無機質化粧板の製造方法は、請求項1の発明において、結合剤が熱硬化性樹脂結合剤であり、乾燥後のドライボードの少なくとも表層の熱硬化性樹脂結合剤が未硬化の状態にあることを特徴とする。
請求項3の発明に係る無機質化粧板の製造方法は、請求項1又は2の発明において、加熱圧縮をエンボス型により行うことを特徴とする。
請求項4の発明に係る無機質化粧板の製造方法は、請求項1乃至3のいずれか1つの発明において、ドライボードの表面をサンディングにより平滑にした後、該ドライボードの表面に塗装、又は/および印刷を施すことを特徴とする。
請求項5の発明に係る無機質化粧板の製造方法は、請求項1乃至4のいずれか1つの発明において、表面に塗装、又は/及び印刷を施した、加熱圧縮前のドライボードの少なくとも表面に、水又は樹脂水溶液を塗布することを特徴とする。
請求項6の発明に係る無機質化粧板の製造方法は、請求項1乃至5のいずれか1つの発明において、ドライボードを、厚さ1.5mm以上10mm以下、比重0.4以上1.8以下になるように加熱圧縮することを特徴とする。
請求項7の発明に係る無機質化粧板の製造方法は、請求項1乃至6のいずれか1つの発明において、得られた無機質化粧板の表面に、透明ないしは半透明の合成樹脂塗料を塗布することを特徴とする。
請求項1の発明に係る無機質化粧板の製造方法によれば、乾燥後の含水率が10重量%未満となるようにウェットマットを乾燥してドライボードに形成しているので、ドライボードが薄い場合でも、乾燥装置からホットプレス等熱圧装置にドライボードを運び、セットする際の取り扱い時にドライボードが破損するのを防止することができる。
また熱圧装置へのドライボードの持込水分量が少ないので、加熱圧縮時のパンク現象や、加熱圧縮時に側端面に生じる湾曲状等の変形現象の発生を防止することができ、生産性と生産歩留まりを顕著に向上させることができる。
更に、ドライボードの表面に塗装、又は/および印刷を施した後、加熱圧縮して結合剤を硬化させているので、一旦硬化した結合剤により結合された無機質板組成物同士の結合が、加熱圧縮により破損して脆弱化するのを防止することができ、基板である無機質板との密着性の良い塗装、又は/および印刷による化粧層を有する無機質化粧板に形成することができる。
請求項2の発明に係る無機質化粧板の製造方法によれば、熱硬化性樹脂を結合剤として用い、少なくとも表層の熱硬化性樹脂結合剤が未硬化状態になるように乾燥してドライボードに形成するので、上記請求項1の発明の効果を一層良好に発現することができるとともに、さらに耐水性や耐水強度に優れた無機質化粧板に形成することができる。
請求項3の発明に係る無機質化粧板の製造方法によれば、エンボス型により加熱圧縮しているので、上記請求項1又は2の発明の効果に加えて、所望の凹凸模様を亀裂や割れを生じることなくシャープに無機質板に転刻することができ、塗装仕上げや印刷模様等と相俟って、その装飾性を一層向上させることができる。
特に、エンボス型に皺(しぼ)状凹凸模様等の細かな凹凸模様が刻設されたものを用いた場合には、エンボス型で加熱圧縮する前のドライボードに塗装、又は/および印刷が施されているので、この種エンボス型で加熱圧縮した後の細かな凹凸模様が施された無機質板の表面に、塗装、又は/および印刷を施す場合のように細かな凹凸模様が塗料やインクで埋まることはなく、シャープで細かな凹凸模様を有する塗装、又は/および印刷仕上げ外観の、装飾性の高い無機質化粧板に形成することができる。
請求項4の発明に係る無機質化粧板の製造方法によれば、塗装や印刷を施す前のドライボードの表面をサンディングにより平滑にしているので、請求項1乃至3の発明の効果に加えて、塗装、又は/および印刷を一層良好に行うことができる。
特に、皺(しぼ)状凹凸模様等、細かなエンボス模様が刻設されたエンボス型を用いて加熱圧縮する場合は、粗面であるドライボードの表面に直接塗装や印刷を施す場合に較べて、細かなエンボス模様をより一層正確且つ良好に転刻することができる。また、粗面であるドライボード表面に対して、ロールコーターやグラビア印刷装置等の接触型塗装機や印刷機を適用すると、塗装ムラや印刷ムラを生じるが、このような問題もなく、非接触型は勿論のこと接触型塗装機や印刷機を用いて良好に塗装や印刷を行うことができる。
請求項5の発明に係る無機質化粧板の製造方法によれば、ドライボードの表面に塗装、又は/および印刷を施した後で、加熱圧縮前のドライボードの表裏面に、水又は樹脂水溶液を塗布するので、加熱圧縮前のドライボードの表面だけを水分によって軟化させることができ、このため、請求項1乃至4の発明の効果に加えて、表面に割れや亀裂等を生じることなく、塗膜や印刷模様との密着性に優れ、且つ所望のエンボス模様が一層良好に転刻された無機質化粧板に形成することができる。
請求項6の発明に係る無機質化粧板の製造方法によれば、請求項1乃至5のいずれか1つの発明において、ドライボードを、厚さ1.5mm以上10mm以下、比重0.4以上1.8以下に加熱圧縮しているので、請求項1乃至5のいずれか1つの発明の効果に加えて、薄くて、軽量で、強度的性質にも優れた無機質化粧板に形成することができる。
請求項7の発明の無機質化粧板の製造方法によれば、請求項1乃至6のいずれか1つの発明において、得られた無機質化粧板の表面に、透明ないしは半透明の合成樹脂塗料を塗布しているので、上記請求項1乃至6の発明の効果に加えて、さらにこれら化粧層が強固に保護された無機質化粧板に形成することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、例示であり、本発明がこの実施形態によって制限されることを意図するものでは全くない。
図1は、本発明の実施形態に係る無機質化粧板の製造方法により製造された無機質化粧板(A)の部分斜視図を示す。この無機質化粧板(A)は、鉱物質繊維と無機質粉状体と結合剤とを必須成分として含む、厚さ1.5mm以上10mm以下、比重0.4以上1.8以下の無機質基板(1)の表面に、ストライプ状に異なった2色の印刷模様層(2a)(2b)からなる化粧層(2)が設けられてなるとともに、一方の印刷模様層(2a)の表面には、細かな皺(しぼ)状の凹凸模様(3)が設けられ、さらに、化粧層(2)の全面に透明性塗膜層(4)が設けられて形成されている。
そして、透明性塗膜層(4)を介して、化粧層(2)により被覆着色された細かな皺(しぼ)状の凹凸模様(3)が印刷模様層(2a)上にシャープに現出した、装飾性に優れた外観を現出するように形成されている。
次に、本発明の実施形態に係る、上記無機質化粧板(A)の製造方法について説明する。先ず、鉱物質繊維と無機質粉状体と結合剤とを必須成分として含む原料を大量の水に混合してスラリーを調整し、このスラリーを丸網式湿式抄造装置、又は長網式湿式抄造装置を用いて湿式抄造し、含水率が約80重量%のウェットマットを形成する。
ここで用いる鉱物質繊維としては、ロックウール、スラッグウール、グラスウール等を挙げることができる。そして、これらの鉱物質繊維は、スラリー中の固形成分に対して、20〜80重量%加えられる。添加量が20重量%未満になると、鉱物質繊維同士の絡み合いが少なくなって曲げ強度が弱くなり、また80重量%を超えると無機質粉状体の添加割合が少なくなって、表面の緻密性が低くなり化粧性が損なわれるので好ましくない。
無機質粉状体としては、炭酸カルシウム、マイクロシリカ、水酸化アルミニウム、スラグ粉等を用いることができる。これら無機質粉状体は、スラリー中の固形成分に対して、10〜70重量%加えられる。添加量が10重量%未満になると、形成される無機質板表面の緻密性が低くなって化粧性が損なわれ、また70重量%を超えると鉱物質繊維の添加割合が少なくなって曲げ強度が弱くなるので好ましくない。
また、結合剤としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂結合剤、又はポリビニルアルコール、スターチ類、ポリアクリルアマイド、ポリスチレン樹脂等の水溶性乃至は水分散性の高分子結合剤、或いはこれら結合剤を併用して用いることができる。特に、熱硬化性樹脂結合剤は、得られる無機質化粧板の耐水性、耐水強度を向上させることができるので、キッチンや洗面所等水回り用の内装材に用いる場合に好適である。
このような結合剤は、スラリー中の固形成分に対して2〜20重量%、好ましくは7〜15重量%程度加えられる。結合剤の添加量が7重量%未満となると、曲げ強度等の強度的性質が低くなり、15重量%を超えると防火性が悪くなるためである。尚、本実施形態の説明では、以下、結合剤として熱硬化性樹脂結合剤を用いた場合について説明する。
この他に、必要に応じてスラリー中に添加することのできる固形成分として、ポリプロピレン、ポリエステル、ビニロン等の合成樹脂繊維、麻や木質繊維等の植物質繊維、凝集剤、サイズ剤、消泡剤等を挙げることができる。
次に、上記で湿式抄造されたウェットマットを、熱風循環式ドライヤーに搬入して、含水率が10重量%未満、好ましくは4重量%未満となるように乾燥し、ドライボードを形成する。このウェットマットの乾燥は、ウェットマット中に含まれる熱硬化性合成樹脂結合剤が未硬化の状態、好ましくはプレキュアーしていない状態になるように乾燥する。このような乾燥条件は、結合剤の種類によって、乾燥温度、乾燥時間、乾燥スケジュールを適宜設定して行うことができる。例えば結合剤としてフェノール樹脂粉末を用いた場合には、ウェットマットの表裏面層及び内部層の温度が60℃〜140℃の温度範囲となるように乾燥する。これにより、ウェットマット中のフェノール樹脂粉末がプレキュアーしていない状態のドライボードに形成することができる。
このようにして得られたドライボードは、含水率が10重量%未満、好ましくは4重量%未満となるように乾燥されているので、熱硬化性樹脂結合剤が未硬化の状態にも拘らず、鉱物質繊維の絡み合い等により適度な曲げ強度等の強度的性質を備えたものとなり、後述する加熱圧縮工程への運搬や、熱圧装置へのセットなどの取り扱い時に破損することはない。即ち、ドライボードは含水率が10重量%を超えると、自重が増すとともに軟弱化し、上記取り扱い時に破損し易くなるので、このような取り扱いに必要な強度的性質を得るために含水率を10重量%未満、好ましくは4重量%未満となるように乾燥することが必要となる。
次に、上記ドライボードの表面に、異なった2色のストライプ状の印刷模様層(2a)(2b)を印刷機により印刷して化粧層(2)を形成する。
ここにおいて、湿式抄造されたウェットマットの表面は、細かな凹凸が多数存在する粗面であるため、これをそのまま乾燥したドライボードの表面も上記多数の細かな凹凸が存在する粗面に形成されている。このため、上記化粧層(2)を形成する前のドライボードの表面を、サンディングにより平滑にしておくことが望ましい。このサンディングによるドライボード表面の平滑化によって、上記印刷を、ムラなく良好に行うことができる。また、その採用できる印刷手段を拡げることができる。
即ち、上記化粧層(2)の形成は、インクジェット印刷等の非接触型印刷機を用いて行うことができるのは勿論のこと、グラビアオフセット印刷やスクリーン印刷等の接触型印刷機を用いて行うことのできるものであるが、ドライボード表面が上記したような粗面に形成されていると、上記接触型印刷機を用いて印刷を行った場合、ドライボード表面の上記粗面に起因して、印刷にカスレやムラを生じるためである。
尚、本実施形態では、化粧層(2)を印刷によって形成する場合を示したが、これに限るものではない。印刷の他に、化粧層(2)を塗装、或いは塗装と印刷を併用して形成することができるのは勿論である。また、印刷の場合と同様に、塗装においても、スプレーコーターやフローコーター等の非接触型塗装機で行うことができるのは勿論のこと、ドライボードの表面を予めサンディングしておく場合には、ロールコーター等の接触型塗装機を用いても、ムラ等が生じることなく良好な塗装面を形成できるものである。
次に、このようにして塗装や印刷を施したドライボードを、多段式ホットプレス等の熱圧装置の熱盤間に挿入し、表面に細かな皺(しぼ)状凹凸模様を有するエンボス型を用いて、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度で加熱圧縮する。
この加熱圧縮は、加熱圧縮前のドライボードの熱硬化性樹脂結合剤がプレキュアーしていない状態にあるので、表面に亀裂や割れなどを生じることなく、良好に行うことができる。そして、エンボス型の上記細かな凹凸模様がその表面にシャープに転刻された無機質化粧板に形成することができる。
ここにおいて、加熱圧縮前のドライボードの表裏面に、水或いは水溶性樹脂液を均一に塗布しておくことができる。このような水等の塗布により、上記表面に化粧層を設けたドライボードの表裏面だけを柔らかくすることができ、一層良好に亀裂や割れを生じることなく加熱圧縮を行うことができるとともに、エンボス型の細かな凹凸模様をさらにシャープに転刻することができる。
尚、用いるエンボス型は、上記細かな皺(しぼ)状凹凸模様を有するものに限らず、種々のものを用いることができる。例えば、タイル模様、幾何学模様、花模様その他任意の印刷模様に同調させた凹凸模様を有するエンボス型や、深絞り形状等の大きな凹凸差を有するエンボス型、或いは表面が全面平滑面であるフラット型を用いることもできる。
この加熱圧縮により、厚さ1.5mm以上10mm以下、比重0.4以上1.8以下の無機質基板(1)の表面に、2色のストライプ状の印刷模様(2a)(2b)による化粧層(2)が形成され、上記印刷模様(2a)には、細かな皺(しぼ)状の凹凸模様(3)がシャープに形成された無機質化粧板を得ることができる。尚、ここにおいて、無機質基板(1)の厚さが1.5mm未満となったり、比重が0.4未満となると、曲げ強度等の強度的性質が低下し、これを補うために結合剤を多量に混合すると防火性が低下するので好ましくない。また、無機質基板(1)の厚さが10mmを超えたり、比重が1.8以上となると、重くなりまた高価になるので好ましくない。
また、ドライボードの含水率を10重量%未満としているので、この加熱圧縮装置への持込水分量が少なくなり、パンク現象や、側端面の湾曲状の変形を生じることもなく、生産性や、生産歩留まりよく無機質化粧板を形成することができる。
次に、上記で得られた無機質化粧板の表面に、アクリル系合成樹脂、ウレタン系合成樹脂等の合成樹脂からなる、クリアー塗料或いはカラークリアー塗料を塗布して、図1の本実施形態に係る無機質化粧板(A)を得ることができる。
このようにして得られた本実施形態に係る無機質化粧板(A)は、鉱物質繊維と無機質粉状体と結合剤とを必須成分として含む、厚さ1.5mm以上10mm以下、比重0.4以上1.8以下の無機質基板(1)の表面に、2色のストライプ状の印刷模様(2a)(2b)からなる化粧層(2)が形成され、上記印刷模様(2a)には、細かな皺(しぼ)状の凹凸模様(3)がシャープに形成されており、さらに化粧層(2)の表面には透明性塗膜層(4)が形成されており、透明性塗膜層(4)を介して、上記化粧層(2)と細かな皺(しぼ)状の凹凸模様(3)が表面に現出した、装飾性に優れた外観を有している。
スラグウール50重量%、炭酸カルシウム39重量%、粉末フェノール樹脂6重量%、スターチ4重量%、熱融着繊維としてのポリエステル繊維1重量%、凝集剤とからなる原料を大量の水中に添加して攪拌し、固形分濃度3重量%のスラリーを得た。次いで、丸網式湿式抄造装置を用いてこのスラリーを抄造し、ウェットプレスで厚み調整を行って、厚さ10mm、含水率80重量%のウェットマットを形成した。
次いで、このウェットマットを、熱風循環式ドライヤーに搬入し、ウェットマットの表面層の温度が80℃〜135℃の温度範囲で20分間乾燥し、含水率が3%のドライボードに形成した。このドライボードは、少なくともその表面層の粉末フェノール樹脂が、プレキュアー状態にも至っていない未硬化の状態であり、その表面は、細かな凹凸のある粗面であった。
次いで、得られたドライボードをサンディングし、その表面を平滑面に形成した。サンディングは、ドライボードの含水率が3%にまで乾燥されているため、目詰まりを生じることなく良好に行えた。
次いで、上記サンディングを行ったドライボードの表面に、アクリル樹脂からなる白色のシーラーを固形分換算で50g/mの割合で塗布し、乾燥後、グラビアオフセット印刷機を用いて、ベタ刷りの2色印刷を施した。印刷は、ドライボード表面が平滑に形成されているとともにシーラーによって強化されているため、カスレやムラを生じることなく、所望の模様を鮮明に印刷することができた。
次いで、この印刷を施したドライボードを、多段式ホットプレス装置に搬送し、このドライボードの表裏面のそれぞれに片面100g/mの水を均一に塗布した後、上記ホットプレスの熱盤間に挿入し、印刷柄に同調した凹凸模様と細かな皺模様とが刻設されたエンボス型を介して、200℃の温度条件下で5分間加熱圧縮して、フェノール樹脂粉末を充分硬化させるとともに、厚さ5mm、比重1.0の無機質化粧板に形成した。
ここにおいて、このドライボードをホットプレスに搬入し、熱盤間に挿入する一連の取り扱い時において、ドライボードは含水率が3重量%と充分に乾燥されているため、破損を生じることはなく、良好に取り扱うことができた。また、ホットプレスによる加熱圧縮時に、パンク現象や側端部の湾曲状の変形を生じることもなく、生産性良く無機質化粧板に形成することができた。また、得られた無機質化粧板の表面には、割れや亀裂の発生はなく、印刷柄に同調した凹凸模様と細かな皺模様とがシャープに転刻された良好な外観を有していた。
次いで、上記で得られた無機質化粧板の表面に、アクリルシリコン樹脂からなるクリアー塗料を固形分換算で25g/m)の割合で塗布し、乾燥して本実施例に係る無機質化粧板を得た。このようにして得られた無機質化粧板は、上記クリアー塗膜層を介して、鮮明な印刷柄と、シャープに転刻された印刷柄同調凹凸模様と細かな皺模様とが現出した装飾性の良い外観を呈していた。
また、このようにして得られた無機質化粧板について、JIS K5600(塗料一般試験方法)に準じて碁盤目テストを行った結果、基材剥離を生じることはなく、無機質基板と印刷柄やクリアー塗膜との密着性は良好であった。
比較例1
上記実施例で得られたものと同じウェットマットを、200℃のドライヤーで10分間乾燥して、含水率15重量%のドライボードを得た。このドライボードを実施例と同様にしてサンディング、シーラー塗装、グラビアオフセット印刷、表裏面の水打ち、エンボス型による加熱圧縮を行い、実施例と同様の厚さ5.0mm、比重1.0の無機質化粧板に形成し、この無機質化粧板の表面に実施例と同様にしてクリアー塗装を行い、本比較例1に係る無機質化粧板を得た。
この無機質化粧板は、ホットプレスへの搬送等取り扱い時にその一部が破損し、また、加熱圧縮時に、その一部にパンク現象と側端部の曲面状の変形が発生し、生産歩留まりが悪いものであった。
比較例2
上記実施例で得られたものと同じウェットマットを、200℃のドライヤーで20分間乾燥して、含水率が2重量%のドライボードを得た。このドライボードを実施例と同様にしてサンディング、シーラー塗装、グラビアオフセット印刷、表裏面の水打ち、エンボス型による加熱圧縮を行い、実施例と同様の厚さ5.0mm、比重1.0の無機質化粧板に形成し、この無機質化粧板の表面に実施例と同様にしてクリアー塗装を行い、本比較例2に係る無機質化粧板を得た。
この無機質化粧板には、ホットプレスへの搬送等の取り扱い時に破損は生ぜず、加熱圧縮時のパンク現象、側端部の変形も生じることはなかった。一方、実施例と同様に碁盤目テストを行った結果、化粧層の裏面に無機質基板の表面層が一部付着した状態で剥離し、加熱圧縮に伴って表面層が脆弱化し、基材剥離を生じ易くなっていることが認められた。
比較例3
実施例で得られたものと同じウェットマットを、実施例と同じ条件で乾燥して、実施例と同じ含水率が3重量%のドライボードを得た。次いで、このドライボードにグラビアオフセット印刷を行わず、実施例と同じエンボス型を用いて実施例と同様の水打ち並びに加熱圧縮条件で加熱圧縮して、実施例と同じ凹凸模様が転刻された、実施例と同じ厚さと比重の無機質基板を得た。
次いで、この無機質基板の表面に、アクリルシリコン系着色合成樹脂塗料を(固形分換算で、50g/m)塗布し、さらに実施例と同様のクリアー塗装を行って、比較例3に係る無機質化粧板を得た。
このようにして得られた比較例3に係る無機質化粧板は、碁盤目テストの結果、基材剥離はなく、無機質基板と塗膜との密着性は良好であった。しかし、エンボス凹凸模様は、塗布された塗料によって部分的に埋設され、特に皺(しぼ)模様等の細かな凹凸模様は不鮮明となって、装飾性に劣るものであった。
製造された無機質化粧板の部分斜視図である。
符号の説明
(A) 無機質化粧板
(1) 無機質基板
(2) 化粧層
(2a)(2b) 印刷模様
(3) 凹凸模様
(4) 透明性塗膜層

Claims (7)

  1. 鉱物質繊維と無機質粉状体と結合剤とを必須成分として含む原料を水中に混合分散させて調整したスラリーを湿式抄造してウェットマットに形成し、該ウェットマットを、含水率が10重量%未満となるように乾燥してドライボードに形成し、該ドライボードの表面に塗装、又は/および印刷を施した後、加熱圧縮して結合剤を硬化させることを特徴とする無機質化粧板の製造方法。
  2. 結合剤が熱硬化性樹脂結合剤であり、乾燥後のドライボードの少なくとも表層の熱硬化性樹脂結合剤が未硬化の状態にあることを特徴とする請求項1に記載の無機質化粧板の製造方法。
  3. 加熱圧縮を、エンボス型により行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の無機質化粧板の製造方法。
  4. ドライボードの表面をサンディングにより平滑にした後、該ドライボードの表面に塗装、又は/および印刷を施すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の無機質化粧板の製造方法。
  5. 表面に塗装、又は/及び印刷を施した、加熱圧縮前のドライボードの少なくとも表面に、水又は樹脂水溶液を塗布することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の無機質化粧板の製造方法。
  6. ドライボードを、厚さ1.5mm以上10mm以下、比重0.4以上1.8以下になるように加熱圧縮することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の無機質化粧板の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の無機質化粧板の製造方法において、得られた無機質化粧板の表面に、透明ないしは半透明の合成樹脂塗料を塗布することを特徴とする無機質化粧板の製造方法。
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JP2013544990A (ja) * 2010-10-18 2013-12-19 ユーエスジー・インテリアズ・エルエルシー 耐水性天井タイル

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