JP2008302599A - 射出成形機の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形環境の変化に対応した圧力補正が可能となり、成形開始時の短期的な大きな環境変化や、長期的な小さな環境変化の下でも高品質に成形することができる射出成形機の制御方法を提供する。
【解決手段】予め可塑化した樹脂をプランジャで金型内に注入する射出成形機の制御方法であって、圧力損失の変化に対応させて、樹脂の射出圧力が、基準圧力値Pに圧力補正値ΔPを加算した値となるように補正制御しながら成形する。この方法により、樹脂の粘性や金型温度の変動などの成形環境の変化により圧力損失が変化した場合に、この圧力損失に対応した圧力補正が可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、射出成形機の制御方法、特にその樹脂の射出圧力の制御方法に関するものである。
従来の射出成形機の制御方法は、例えば特許文献1〜3等に開示されている。
特許文献1には、金型温度が、複数の異なる値をとるときの最適の成形諸条件データ、例えば、保圧力、射出速度、冷却時間等のデータを予めそれぞれ求めて記憶させておき、それらのデータに基づいて、保圧力、射出速度、冷却時間等の各成形条件についての金型温度等に関する回帰式を作り、金型温度を測定しながら、この測定した金型温度に基づいて、前記回帰式から保圧力、射出速度、冷却時間を算出し、この算出値となるように制御する射出成形機の制御方法が開示されている。
特許文献2には、周期的に変化する環境条件に対して良好な成形を可能とする成形条件を、1周期の時間的な経過(例えば1日)に沿って切換える射出成形機の制御方法が開示されている。なお、条件の切換については直線的に徐々に行う。
特許文献3には、射出工程中のスクリュウやプランジャが受ける樹脂圧力や射出力、または保圧工程中のプランジャの移動量により、成形品の良否を判別する射出成形機の成形品良品判別方法が開示されている。
なお、特許文献3の第2図などに示されているように、射出成形機の成形工程は、射出工程と保圧工程とからなり、一般に保圧工程において樹脂の射出圧力が一定になるように制御される。
特開昭62−249722号公報 特開平1−288418号公報 特開平4−173316号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているような制御方法を行おうとすると、良好な回帰式を得るために、多量のデータを入力しなければならず、実際にこれらのデータを採取するには、実際にいろいろな環境条件において実際に成形してみて、極めて多種類のデータを取らなければならず、また、金型温度もその測定場所や金型の形状で異なることから、実際には良好な回帰式を得ることが困難である場合が多い。そして、パラメータとなる金型温度も、どの箇所を基準にすればよいか決定し難く、また、実際にキャビティ近傍箇所の金型の温度を正確に測定し難い欠点がある。
また、特許文献2に開示されているような制御方法は、周期的に変化する環境条件に対して、1周期の時間的な経過(例えば1日)に沿って切換える手法を採用しているため、成形開始時の急激な変化に対応できない短所がある。すなわち、周期的な環境変化が常に一定にあるわけではないので、周期的でない変動があると、成形不良を招いてしまう。
また、特許文献3では、成形品の良否を判別することはできるが、良好に成形するように制御できるわけではない。また、金属(フープ材)と樹脂の複合部品の成形を1工程で行うことのできるフープ成形等においては不良品の自動判別が困難であり、人が判別するために多くの手間や時間がかかるという課題もあった。
すなわち、上記特許文献1〜3に係る技術では、成形開始時の短期的な大きな環境変化や、長期的な小さな環境変化の下において、高品質に成形することが困難であるという問題がある。
例えば、射出成形機の成形開始の際には、一時的なトラブル等のために、一時的に射出成形機の設備を停止して(いわゆるチョコ停)、簡単な処置により現状復帰させて成形作業を再開させることがある。このように、射出成形機内に可塑化された樹脂が滞留した状態で成形開始前に一時的に停止させると、樹脂の溶融化が進むため、図7(a)に示すように、成形開始において樹脂温度が高くなり、これによって樹脂粘度が低下して圧力損失の減少を伴う。したがって、このような状況下では、図8(a)に示すように、成形開始時に金型内に樹脂が過剰に注入され、成形開始後の数ショットにおいては、製品重量が過大となった不良品を発生し易くなる。
また、射出成形機においては、成形開始前に樹脂を浄化するためのパージ作業を行う場合がある。この場合には、成形開始時において、射出成形機に導入された樹脂が新しくなり、樹脂の可塑化に対して多くの熱が奪われてしまうので、シリンダの温度が一時的に低くなり、その結果、図7(b)に示すように、成形開始時にシリンダ内の樹脂温度が低くなって、樹脂粘度が大きくなることによる圧力損失の増加を伴う。したがって、このような状況下では、図8(b)に示すように、成形開始時における金型内への樹脂の注入が不足して、成形開始後の数ショットにおいては、製品の厚さが少な目となったり、正規の場所に樹脂が注入されていない不良品を発生したりする不具合が発生し易くなる。
また、射出成形機を長期的に使用していると、樹脂粘性、金型温度、ゲート部の磨耗等の各種の圧力損失の変化を生じるが、この圧力損失の変化に対応した圧力補正が行われないと、製品重量が過大となった不良品や、正規の場所に樹脂が注入されていない不良品などを発生し易くなる。
本発明は上記欠点や課題を解消するもので、成形環境の変化に対応した圧力補正が可能となり、成形開始時の短期的な大きな環境変化や、長期的な小さな環境変化の下でも高品質に成形することができる射出成形機の制御方法を提供することを目的とする。
上記欠点や課題を解消するために、本発明は、予め可塑化した樹脂をスクリュウまたはプランジャで金型内に注入する射出成形機の制御方法であって、圧力損失の変化に対応させて、樹脂の射出圧力が、基準圧力値Pに圧力補正値ΔPを加算した値となるように補正制御しながら成形することを特徴とする。
この方法により、樹脂の粘性や金型温度の変動などの成形環境の変化により圧力損失が変化した場合に、この圧力損失に対応した圧力補正が可能となる。
また、本発明は、成形開始から一定ショット数の間、樹脂の射出圧力が、基準圧力値Pに圧力補正値ΔPを加算した値となるように制御しながら成形することを特徴とする。
この方法により、成形開始から一定ショット数の間に発生する、樹脂の粘性や金型温度の変動などの短期的な大きな成形環境変化によって発生する圧力損失に対応して樹脂の射出圧力を調整することができて、高品質に成形することが可能となる。
また、本発明は、樹脂の粘性および金型温度の少なくとも一方が安定するまでのショット数をNとし、1ショット目の圧力補正値をΔP0とした場合に、ショット数がnである際の圧力補正値ΔPが、ΔP=(1−(n−1)/N)^k・ΔP0 (kは近似式の次数)となるように制御しながら成形することを特徴とする。
この方法により、成形開始時の、樹脂の粘性および金型温度の変動に、良好に対応して高品質に成形することが可能となる。
また、本発明は、可塑化された樹脂が滞留した状態で成形開始前にt秒間の停止時間が存在した場合に、樹脂の粘性が安定化する放置時間をTとし、圧力補正基準値をΔPtとしたときに、1ショット目の圧力補正値ΔP0をΔP0=−(t/T)^k・ΔPtとすることを特徴とする。
この方法により、成形開始前の一時的な停止状態における樹脂の粘性の変化に対応して、高品質に成形することが可能となる。すなわち、成形開始前の停止時間tが、樹脂の粘性が安定化する放置時間Tよりも大きくなった場合には、樹脂温度が前記停止時間tに対応して高くなるため、樹脂の射出圧力が基準圧力値Pのままであると、成形開始時に金型内に樹脂が過剰に注入されて、製品重量が過大となった不良品を発生することがあるが、上記方法によれば、前記停止時間tに対応して樹脂の射出圧力が圧力補正値ΔP0だけ調整され、すなわち、(t/T)^k・ΔPtだけ下げられ、この結果、金型内に樹脂が良好に注入されて、前記した不具合(製品重量が過大となった不良品の発生)を防止できる。
また、本発明は、成形開始前に樹脂を浄化するためのパージ作業を行った場合に、樹脂の粘性が安定化する放置時間をTとし、成形開始前の停止時間をt秒とし、パージによる圧力補正基準値(パージ圧力補正基準値)をΔPpとし、成形開始前圧力補正基準値をΔPtとしたときに、1ショット目の圧力補正値ΔP0をΔP0=ΔPp−(t/T)^k・ΔPtとすることを特徴とする。
この方法により、成形開始前に樹脂を浄化するためのパージ作業を行った場合における樹脂の粘性の変化に対応して、高品質に成形することが可能となる。すなわち、成形開始前に樹脂を浄化するためのパージ作業を行った場合には、成形開始時において、射出成形機に導入された樹脂が新しくなり、樹脂の可塑化に対して多くの熱が奪われてしまうので、成形開始前の停止時間tが短い場合には樹脂温度が低くなるため、樹脂の射出圧力が基準圧力値Pのままであると、成形開始時に金型内への樹脂の注入が不足して、正規の場所に樹脂が注入されていない不良品を発生することがあるが、上記方法によれば、前記停止時間tが短い場合には樹脂の射出圧力がパージ圧力補正基準値ΔRpに近い値だけ高められ、この結果、金型内に樹脂が良好に注入されて、前記した不具合を防止できる。
また、本発明は、予め可塑化した樹脂をスクリュウまたはプランジャで金型内に注入する射出成形機の制御方法であって、射出工程の圧力損失の変化に対応させて、保圧工程の樹脂の射出圧力が、基準圧力値Pに圧力補正値ΔPを加算した値となるように補正制御しながら成形することを特徴とする。
この方法によれば、射出成形機を長期的に使用していて、樹脂粘性、金型温度、ゲート部の磨耗等の各種の圧力損失の変化を生じていた場合でも、射出工程における圧力損失の変化に対応させて保圧工程の樹脂の射出圧力を補正するので、金型内に樹脂が良好に注入されて、不良品の発生を防止することができて、高品質な成形が可能になる。
また、本発明は、樹脂を金型内へ注入する射出工程における所定時間経過した際の、基準となる成形時における基準射出圧力P10を予め測定して記憶するとともに実際の成形時における実射出圧力P1を測定し、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Pに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(P1−P10) (k1は任意の正の係数)となるように制御しながら成形することを特徴とする。
この方法により、射出工程における圧力損失の変化に対応させて保圧工程の樹脂の射出圧力を良好に補正することができる。
また、本発明は、樹脂を金型内へ注入する射出工程における所定時間t1からΔt秒間の間の、基準となる成形時における基準射出圧力を予め測定してその基準射出平均値Pvを記憶するとともに実際の成形時における射出圧力を測定してその実射出平均値Pjを算出し、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Pに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(Pj−Pv) (k1は任意の正の係数)となるように制御しながら成形することを特徴とする。
この方法によっても、射出工程における圧力損失の変化に対応させて保圧工程の樹脂の射出圧力を良好に補正することができ、特に、実射出平均値Pjに基づいて補正するので、ノイズ等による圧力測定値の検知誤差等の悪影響を最小限に抑えることができる。
また、本発明は、樹脂を金型内へ注入する射出工程において、プランジャが所定位置X1を通過した際の、基準となる成形時における基準射出圧力P10を予め測定して記憶するとともに、実際の成形時における前記所定位置X1を通過する際の実射出圧力P1を測定し、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Pに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(P1−P10) (k1は任意の正の係数)となるように制御しながら成形することを特徴とする。
この方法により、射出工程におけるプランジャの所定位置X1での圧力損失の変化に対応させて保圧工程の樹脂の射出圧力を良好に補正することができる。
また、本発明は、樹脂を金型内へ注入する射出工程において、プランジャが所定位置X1を通過してから所定距離ΔXだけ移動する間の、基準となる成形時における基準射出圧力を予め測定してその基準射出平均値Pvを記憶するとともに実際の成形時における射出圧力を測定してその実射出平均値Pjを算出し、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Pに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(Pj−Pv) (k1は任意の正の係数)となるように制御しながら成形することを特徴とする。
この方法により、射出工程におけるプランジャの所定位置X1を通過してから所定距離ΔXだけ移動する間での圧力損失の変化に対応させて保圧工程の樹脂の射出圧力を良好に補正することができ、特に、実射出平均値Pjに基づいて補正するので、ノイズ等による圧力測定値の検知誤差等の悪影響を最小限に抑えることができる。
以上のように本発明によれば、圧力損失の変化に対応させて、樹脂の射出圧力が、基準圧力値Pに圧力補正値ΔPを加算した値となるように補正制御しながら成形することにより、樹脂の粘性や金型温度の変動などの成形環境の変化により圧力損失が変化した場合に、この圧力損失に対応した圧力補正が可能となる。
また、成形開始から一定ショット数の間、樹脂の射出圧力が、基準圧力値Pに圧力補正値ΔPを加算した値となるように制御しながら成形することにより、成形開始から一定ショット数の間に発生する、樹脂の粘性や金型温度の変動などの短期的な大きな成形環境変化によって発生する圧力損失に対応して樹脂の射出圧力を調整することができて圧力指令値の適正化が図れ、金型の製品部(キャビティ)に常に適正な圧力を加えることが可能となり、1ショット目からの良品成形が可能となって、不良排出等の無駄な工程を省くことができ、またフープ成形等における成形工程後の検査等を省くことも可能となる。
また、樹脂の粘性および金型温度の少なくとも一方が安定するまでのショット数をNとし、1ショット目の圧力補正値をΔP0とした場合に、ショット数がnである際の圧力補正値ΔPが、ΔP=(1−(n−1)/N)^k・ΔP0 (kは近似式の次数)となるように制御しながら成形することにより、成形開始時の、樹脂の粘性および金型温度の変動に、良好に対応して高品質に成形することが可能となる。
また、可塑化された樹脂が滞留した状態で成形開始前にt秒間の停止時間が存在した場合に、樹脂の粘性が安定化する放置時間をTとし、圧力補正基準値をΔPtとしたときに、1ショット目の圧力補正値ΔP0をΔP0=−(t/T)^k・ΔPtとすることにより、成形開始前の一時的な停止状態における樹脂の粘性の変化に対応して、高品質に成形することが可能となる。
また、成形開始前に樹脂を浄化するためのパージ作業を行った場合に、樹脂の粘性が安定化する放置時間をTとし、成形開始前の停止時間をt秒とし、パージによる圧力補正基準値(パージ圧力補正基準値)をΔPpとし、成形開始前圧力補正基準値をΔPtとしたときに、1ショット目の圧力補正値ΔP0をΔP0=ΔPp−(t/T)^k・ΔPtとすることにより、成形開始前に樹脂を浄化するためのパージ作業を行った場合における樹脂の粘性の変化に対応して、高品質に成形することが可能となる。
また、射出工程の圧力損失の変化やプランジャの位置に対応させて、保圧工程の樹脂の射出圧力が、基準圧力値Pに圧力補正値ΔPを加算した値となるように補正制御しながら成形することにより、射出成形機を長期的に使用していて、樹脂粘性、金型温度、ゲート部の磨耗等の各種の圧力損失の変化を生じていた場合でも、金型内に樹脂が良好に注入されて、不良品の発生を防止することができて、高品質な成形が可能になる。
また、樹脂を金型内へ注入する射出工程における所定時間経過した際またはプランジャが所定位置を通過した際の、基準となる成形時における基準射出圧力P10を予め測定して記憶するとともに実際の成形時における実射出圧力P1を測定し、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Pに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(P1−P10)となるように制御しながら成形することにより、射出工程における圧力損失の変化に対応させて保圧工程の樹脂の射出圧力を良好に補正することができる。
また、樹脂を金型内へ注入する射出工程における所定時間t1からΔt秒間の間、またはプランジャが所定位置X1を通過してから所定距離ΔXだけ移動する間の、基準となる成形時における基準射出圧力を予め測定してその基準射出平均値Pvを記憶するとともに実際の成形時における射出圧力を測定してその実射出平均値Pjを算出し、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Pに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(Pj−Pv)となるように制御しながら成形することにより、射出工程における圧力損失の変化に対応させて保圧工程の樹脂の射出圧力を良好に補正することができる上に、実射出平均値Pjに基づいて補正するので、ノイズ等による圧力測定値の検知誤差等の悪影響を最小限に抑えることができ、より高精度で信頼性の高い成形が可能となる。
すなわち、本発明によれば、あらゆる成形環境の変化に対応した圧力補正が可能となるため、成形開始時の短期的な大きな環境変化や、長期的な小さな環境変化の下でも常に高品質な成形が可能になる。
発明の実施の形態
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る射出成形機の制御方法を実施する射出成形機および金型を簡略的に示す全体断面図である。
図1に示すように、この射出成形機はスクリュウ・プリプラ式であり、射出装置100と、この射出装置100に可塑化した成形材料を供給する予備可塑化装置200とから構成され、射出装置100から可塑化した成形材料が金型300のキャビティ301に射出注入されるよう構成されている。なお、射出成形機は、スクリュウ・プリプラ式に限定されるものではない。
射出装置100は、先端部に射出口11を有するシリンダ1と、駆動手段3により駆動され、シリンダ1内部の射出口11よりも基部側(本体内部側)においてシリンダ1の軸心方向に摺動するプランジャ2と、このプランジャ2を軸心方向に移動させる(図1においては昇降させる)駆動手段3とをそれぞれ備えている。シリンダ1におけるプランジャ2の摺動位置の途中箇所には、予備可塑化装置200からの可塑化された成形材料が供給される供給口12が設けられている。
駆動手段3は、シリンダ1の基端部から軸心方向に沿って上方に伸びた複数のスライドガイド軸31と、スライドガイド軸31の他端に取り付けられた支持台32と、この支持台32に設置された駆動モータ33と、一端が駆動モータ33に連結されて回転するねじ軸34と、ねじ軸34のねじ部分に噛み合ってねじ軸34の正逆回転によりスライドガイド軸31に沿って移動する移動部材35とを備えている。移動部材35の一端は、圧力検出器としてのロードセル36を介してプランジャ2の上端に連結されていて、その駆動力をプランジャ2に伝達して、プランジャ2を移動させる。なお、ロードセル36は、プランジャ2の射出シリンダ1内の樹脂(樹脂ペレット)側から受ける射出圧力(射出シリンダ1の圧力損失)を検出するための圧力検出器として機能する。また、駆動モータ33には、ねじ軸34の回転数および回転角度に基づいて、プランジャ2の位置を検出する位置検出器としてのエンコーダ37が取り付けられている。なお、エンコーダ37を設ける代わりに、プランジャ2の基端部または先端部などや、移動部材35の位置を検出する位置センサを配設してもよい。また、5は、駆動モータ33の駆動制御および後述する制御動作を行う制御部、4は成形材料としての樹脂溶融液が供給口12に逆流することを防止する逆流防止弁である。なお、駆動手段3は、上記構成に限られるものではなく、プランジャ2を所定位置に移動制御できて、プランジャ2に作用する樹脂射出圧力と、プランジャ2の位置とを認識できる構成であればよい。
予備可塑化装置200は、ホッパ201とスクリュウ202とスクリュウハウジング203とを備えており、ホッパ201に溜められた成形材料としての粒状の樹脂(樹脂ペレット)が、スクリュウ201によってスクリュウハウジング203内を可塑化されながら送られ、可塑化された樹脂がシリンダ1の供給口12を通じてシリンダ1内に送り込まれる。
なお、図示しないが、スクリュウハウジング203およびシリンダ1には、それぞれ加熱装置(例えばパネルヒータ)が外装されるなどして設けられており、成形時においてそれぞれ所定温度まで加熱される。
そして、上記構成において、予備可塑化装置200からシリンダ1内に可塑化された樹脂が供給口12を通じて供給され、シリンダ1内において可塑化された樹脂を満たした状態で、プランジャ2を射出口11側に移動させる(この実施の形態では下降させる)ことにより、1ショット分の可塑化された成形材料(樹脂)が金型300のキャビティ301に射出注入される。その後、金型300のキャビティ301内の樹脂が硬化するまで、プランジャ2によって射出圧力を保持させる。そして、樹脂が硬化した時点で、金型300を離型させてキャビティ301内の成形製品を取り出し、再度、金型300を組付けて、プランジャ2の移動、保持を行って射出工程、保持工程を繰り返すことで、成形動作を繰り返す。
特に、本発明のこの実施の形態においては、成形開始時から圧力検出器としてのロードセル36で樹脂の射出圧力を検出開始し、図2に示すように、成形環境(成形状況)の変化に対応させて樹脂の射出圧力が、一定ショット数の間だけ基準状態(例えば、連続成形中において、金型300やシリンダ1の温度が安定した状態)での樹脂射出圧力値である基準圧力値Pに圧力補正値ΔPを加算した値となるように制御部5により制御しながら成形する。なお、この実施の形態では、成形開始から一定ショット数の間の、射出工程においてのみ圧力を補正している。
また、その補正量としては、樹脂の粘性が安定するまでのショット数をNとし、1ショット目の圧力補正値をΔP0とした場合に、ショット数がnである際の圧力補正値ΔPが、ΔP=(1−(n−1)/N)^k・ΔP0 (kは近似式の次数で、1以上の値、例えば2)となるように制御しながら成形する(したがって、樹脂の粘性が安定した、ショット数nがN+1以上である場合には、ΔPは加算しない)。
そして、可塑化された樹脂がシリンダ1内で滞留している状態で、成形開始前にt秒間の停止時間が存在した場合に、樹脂の粘性が安定化する放置時間をTとし、圧力補正基準値をΔPtとしたときに、1ショット目の圧力補正値ΔP0をΔP0=−(t/T)^k・ΔPtとする(図2における一点鎖線部分を参照)。
また、成形開始前に樹脂を浄化するためのパージ作業を行った場合には、成形開始前の停止時間をt秒とし、パージによる圧力補正基準値をΔPpとしたときに、1ショット目の圧力補正値ΔP0をΔP0=ΔRp−(t/T)^k・ΔPtとする(図2における点線部分を参照)。
上記構成において、可塑化された樹脂が滞留した状態で成形開始前にt秒間の停止時間が存在し、この成形開始前の停止時間tが、樹脂の粘性が安定化する放置時間Tよりも大きい場合には、樹脂の溶融化が進むため、図7(a)に示すように、樹脂温度が前記停止時間tに対応して高くなり、樹脂粘度が低くなることによる圧力損失の減少を伴う。したがって、樹脂の射出圧力が基準圧力値Pのままであると、図8(a)に示すように、成形開始時に金型300内に樹脂が過剰に注入されて、製品重量が過大となった不良品を発生し易くなる。
これに対して、上記方法によれば、可塑化された樹脂がシリンダ1内で滞留している状態で、成形開始前にt秒間の停止時間が存在した場合には、前記停止時間tに対応して、樹脂の射出圧力が、圧力補正値ΔP=(1−(n−1)/N)^k・ΔP0だけ調整され、1ショット目には、圧力補正値ΔP0=(t/T)^k・ΔPtだけ下げられる(図2における一点鎖線部分を参照)。この結果、成形開始時に金型300内に樹脂が過剰に注入されることが抑制されて、金型300内に樹脂が良好に注入され、図3に示すように、成形開始直後から、良好な成形品を成形することができる。したがって、1ショット目からの良品成形が可能となり、不良排出等の工程を行わなくて済むので、その分だけ無駄を省くことができる。
また、上記構成において、成形開始前に樹脂を浄化するためのパージ作業を行った場合には、成形開始時において、シリンダ1に導入された樹脂が新しくなり、樹脂の可塑化に対して多くの熱が奪われてしまうので、シリンダ1の温度が低くなる。したがって、図7(b)に示すように、成形開始前の停止時間tに対応して樹脂温度が低くなり、樹脂粘度が高くなることによる圧力損失の増加を伴う。そのため、樹脂の射出圧力が基準圧力値Pのままであると、図8(b)に示すように、成形開始時における金型300内への樹脂の注入が不足して、正規の場所に樹脂が注入されていない不良品を発生し易くなる。
これに対して、上記方法によれば、成形開始前に樹脂を浄化するためのパージ作業を行った場合には、この際の成形開始前の停止時間tに対応して、樹脂の射出圧力が、圧力補正値ΔP=(1−(n−1)/N)^k・ΔP0だけ調整され、1ショット目には、圧力補正値ΔP0=ΔRp−(t/T)^k・ΔPtだけ増加される(図2における点線部分を参照)。なお、パージ作業を行った場合には、成形開始時においては、樹脂温度が下がるが、その後、成形開始までの経過時間(停止時間t)が充分にある場合には、樹脂の溶融化が進み、樹脂温度が上がるので、この現象を考慮した補正式となるよう設定している。
上記補正を行うことで、成形開始時に金型300内への樹脂の注入が不足することが抑制され、金型300内に樹脂が良好に注入され、成形開始直後から、良好な成形品(製品)を成形することができる。したがって、1ショット目からの良品成形が可能となり、不良排出等の工程を行わなくて済むので、その分だけ無駄を省くことができる。
また、何れの場合も、ショット数n(但しn≦N)が増加するにつれて、圧力補正値ΔPの絶対値が小さくなるが、近似式の次数kを1とすることで、ショット数に応じて、補正される圧力値が比例的に小さくなり、また、近似式の次数kとして大きな数字とすることで、2ショット目などのはじめのショット時のみ、下げられる圧力値が急激に小さくなる。したがって、この次数については、シリンダ1の熱容積などに対応させて設定すればよい。
なお、上記実施の形態においては、樹脂の粘性が安定するまでのショット数をNとした場合を述べたが、これに限るものではなく、金型温度が安定するまでのショット数としてもよく、さらには、樹脂の粘性および金型温度の両方が安定するまでのショット数としてもよい。
つまり、図7(a)、(b)に示すように、成形開始時においては、金型300の温度が低く、金型300が適温に達するためには、比較的長い時間が必要とされ、樹脂温度が適温に達するまでの時間よりも長い時間が必要である。したがって、樹脂の粘性および金型温度の両方が安定するまでの環境を考慮する場合には、以下のように制御する。金型温度が安定するまでのショット数をN’とし、1ショット目の金型300に関する圧力補正値をΔPkとした場合に(但し、N’>Nである)、成形開始後のショット数nが、樹脂の粘性が安定するまでのショット数N以下である場合には、
ΔP=(1−(n−1)/N)^k・ΔP0+(1−(n−1)/N’)^k’・ΔPk(k’は近似式の次数)となるように制御しながら成形する。
また、成形開始後のショット数nが、樹脂の粘性が安定するまでのショット数Nよりも大きく、金型温度が安定するまでのショット数N’以下である場合には、
ΔP=(1−(n−1)/N’)^k’・ΔPk(k’は近似式の次数)
となるように制御しながら成形する。なお、樹脂の粘性および金型温度が安定するが安定した、ショット数nがN+1以上である場合には、圧力補正値ΔPは加算しない。また、1ショット目の金型300に関する圧力補正値ΔPkについては、上記圧力補正値ΔP0の場合と同様にして設定する。
これにより、成形開始直後から、さらに良好な成形品を成形することができ、1ショット目からの良品成形が可能となる。なお、金型温度の安定のみを考慮する場合には、金型温度が安定するまでのショット数N’以下である場合に、圧力補正値ΔP=(1−(n−1)/N’)^k’・ΔPkとして補正制御すればよい。
次に、図4は本発明の他の実施の形態に係る制御方法を示すもので、この実施の形態においては、射出工程の圧力損失の変化に対応させて、保圧工程の樹脂の射出圧力が、基準圧力値Pに圧力補正値ΔPを加算した値となるように補正制御しながら成形する。
具体的には、樹脂を金型300内へ注入する射出工程において、予め成形開始から数十ショット以上の工程が経過して樹脂の粘性および金型温度が安定した状態での検出時間となるように時間t1を設定し、図5(a)に示すように、基準となる成形時(成形状態が安定しているとき)における、前記時間t1における基準射出圧力P10をロードセル36により予め測定してメモリに記憶するとともに、図5(b)に示すように、実際の成形時における実射出圧力P1を測定し、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Ppに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(P1−P10) (k1は任意の正の係数)となるように制御し、保圧工程の圧力Psとして、基準圧力値Ppに圧力補正値ΔPを加算して制御しながら成形する。
このように、上記補正式に基づいて、射出工程における実射出圧力P1が基準射出圧力P10よりも大きい場合には、保圧工程の樹脂の射出圧力も大きくし、射出工程における実射出圧力P1が基準射出圧力P10よりも小さい場合には、保圧工程の樹脂の射出圧力も小さくする。この結果、射出成形機を長期的に使用していて、樹脂粘性、金型温度、ゲート部の磨耗等の各種の圧力損失の変化を生じていた場合でも、保圧時における金型300のキャビティ301内に樹脂を良好に注入できて、樹脂の密度の安定化を図ることができ、不良品の発生を防止できて高品質な成形が可能になる。
つまり、射出工程における実射出圧力P1が基準射出圧力P10よりも大きくて、プランジャ2の圧力と実際のキャビティ301の圧力との差が大きい(すなわち圧力損失が大きい)時に、圧力損失が現在よりも小さい基準時と同等の保圧状態のままであると、金型300のキャビティ301内に注入された樹脂の密度が低くなり、保圧時(冷却時)において想定以上に成形物が収縮して不良となることがあるが、上記ように制御することによりこのような不具合が生じることを防止できる。
これにより、あらゆる成形環境の変化に対応した圧力補正が可能となるため、成形開始時等の短期的な大きな環境変化や、長期的な小さな環境変化の下でも高品質な成形が可能になる。
なお、上記実施の形態では、成形開始から所定時間t1経過した際の基準射出圧力P10を記憶し、実射出圧力P1を測定した場合を述べたが、これに代えて、成形開始後に、プランジャ2が所定位置X1(図1参照)を通過した際の、基準となる成形時における基準射出圧力P10を予め測定して記憶するとともに、実際の成形時における前記所定位置X1を通過する際の実射出圧力P1を測定し、上記と同様に、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Pに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(P1−P10) (k1は任意の正の係数)となるように制御しながら成形しても同様の作用効果を得ることができる。
なお、ここで、圧力を検出する際のプランジャ2の位置X1は、例えば、プランジャ2を進出させていない後退時(初期位置)の先端部の位置を原点X0(図1参照)として、この原点X0からの所定距離だけ突出(進出)させた(図1においては下方に移動させた)位置X1に達したこと、エンコーダ37の検知位置から算出するものとする。なお、この際の位置X1としては、樹脂を金型300内へ注入する射出工程において、予め成形開始から数十ショット以上の工程が経過して樹脂の粘性および金型温度が安定した状態での検出位置となるように設定することが望ましい。
また、さらにこれに代わるものとして、図6に示すように、樹脂を金型300内へ注入する射出工程における所定時間t1からΔt秒間の間の、基準となる成形時における基準射出圧力を予め測定してその基準射出平均値Pvを記憶するとともに実際の成形時における射出圧力を測定してその実射出平均値Pjを算出し、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Pに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(Pj−Pv) (k1は任意の係数)となるように制御しながら成形してもよい。
この方法によっても、射出工程における圧力損失の変化に対応させて保圧工程の樹脂の射出圧力を良好に補正することができ、特に、実射出平均値Pjに基づいて補正するので、ノイズ等による圧力測定値の検知誤差等の悪影響を最小限に抑えることができる。
また、これに代えて、樹脂を金型300内のキャビティ301へ注入する射出工程において、プランジャ2が所定位置X1を通過してから所定距離ΔXだけ移動する間の、基準となる成形時における基準射出圧力を予め測定してその基準射出平均値Pvを記憶するとともに実際の成形時における射出圧力を測定してその実射出平均値Pjを算出し、上記と同様に、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Pに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(Pj−Pv) (k1は任意の正の係数)となるように制御しながら成形してもよく、同様の作用効果を得ることができる。
また、上記実施の形態では、予め可塑化した樹脂をプランジャ2で金型300内に注入する射出成形機の場合を述べたが、これに限るものではなく、予め可塑化した樹脂をスクリュウで金型内に注入する射出成形機にも適用可能である(プランジャ2の位置で制御する場合を除く)。
本発明の射出成形機の制御方法は、射出時の圧力損失の変化に対応して圧力指令値を補正できるため、熱硬化性樹脂による半導体等の封止成形機等にも利用できる。
本発明の実施の形態に係る射出成形機の制御方法を実施する射出成形機および金型を簡略的に示す全体断面図 本発明の実施の形態の射出成形機の制御方法に係る射出圧力と時間との関係を示す図 本発明の実施の形態に係る射出成形機の制御方法を実施した場合の製品重量を示す図 本発明の他の実施の形態の射出成形機の制御方法に係る射出圧力と時間との関係を示す図 (a)と(b)は、同射出成形機の制御方法に係る基準圧力値記憶工程と実際の成形時動作とを概略的に示すフローチャート 本発明のその他の実施の形態の射出成形機の制御方法に係る射出圧力と時間との関係を示す図 (a)は、一時的に射出成形機の設備を停止して樹脂が滞留した状態の樹脂温度と金型温度とを簡略的に示す図、(b)は、パージ作業を行った後の状態の樹脂温度と金型温度とを簡略的に示す図 (a)は、一時的に射出成形機の設備を停止して樹脂が滞留した後に成形した場合の製品厚さを簡略的に示す図、(b)は、パージ作業を行った後に成形した場合の製品重量を簡略的に示す図
符号の説明
1 シリンダ
2 プランジャ
3 駆動手段
5 制御部
11 射出口
12 供給口
33 駆動モータ
35 移動部材
36 ロードセル(圧力検出器)
37 エンコーダ(位置検出器)
100 射出装置
200 予備可塑化装置
300 金型
301 キャビティ

Claims (10)

  1. 予め可塑化した樹脂をスクリュウまたはプランジャで金型内に注入する射出成形機の制御方法であって、圧力損失の変化に対応させて、樹脂の射出圧力が、基準圧力値Pに圧力補正値ΔPを加算した値となるように補正制御しながら成形することを特徴とする射出成形機の制御方法。
  2. 成形開始から一定ショット数の間、樹脂の射出圧力が、基準圧力値Pに圧力補正値ΔPを加算した値となるように制御しながら成形することを特徴とする請求項1記載の射出成形機の制御方法。
  3. 樹脂の粘性および金型温度の少なくとも一方が安定するまでのショット数をNとし、1ショット目の圧力補正値をΔP0とした場合に、ショット数がnである際の圧力補正値ΔPが、ΔP=(1−(n−1)/N)^k・ΔP0 (kは近似式の次数)となるように制御しながら成形することを特徴とする請求項2記載の射出成形機の制御方法。
  4. 可塑化された樹脂が滞留した状態で成形開始前にt秒間の停止時間が存在した場合に、樹脂の粘性が安定化する放置時間をTとし、圧力補正基準値をΔPtとしたときに、1ショット目の圧力補正値ΔP0をΔP0=−(t/T)^k・ΔPtとすることを特徴とする請求項3記載の射出成形機の制御方法。
  5. 成形開始前に樹脂を浄化するためのパージ作業を行った場合に、樹脂の粘性が安定化する放置時間をTとし、成形開始前の停止時間をt秒とし、パージによる圧力補正基準値をΔPpとし、成形開始前圧力補正基準値をΔPtとしたときに、1ショット目の圧力補正値ΔP0をΔP0=ΔPp−(t/T)^k・ΔPtとすることを特徴とする請求項3記載の射出成形機の制御方法。
  6. 予め可塑化した樹脂をスクリュウまたはプランジャで金型内に注入する射出成形機の制御方法であって、射出工程の圧力損失の変化に対応させて、保圧工程の樹脂の射出圧力が、基準圧力値Pに圧力補正値ΔPを加算した値となるように補正制御しながら成形することを特徴とする射出成形機の制御方法。
  7. 樹脂を金型内へ注入する射出工程における所定時間経過した際の、基準となる成形時における基準射出圧力P10を予め測定して記憶するとともに実際の成形時における実射出圧力P1を測定し、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Pに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(P1−P10) (k1は任意の正の係数)となるように制御しながら成形することを特徴とする請求項6記載の射出成形機の制御方法。
  8. 樹脂を金型内へ注入する射出工程における所定時間t1からΔt秒間の間の、基準となる成形時における基準射出圧力を予め測定してその基準射出平均値Pvを記憶するとともに実際の成形時における射出圧力を測定してその実射出平均値Pjを算出し、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Pに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(Pj−Pv) (k1は任意の正の係数)となるように制御しながら成形することを特徴とする請求項6記載の射出成形機の制御方法。
  9. 樹脂を金型内へ注入する射出工程において、プランジャが所定位置X1を通過した際の、基準となる成形時における基準射出圧力P10を予め測定して記憶するとともに、実際の成形時における前記所定位置X1を通過する際の実射出圧力P1を測定し、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Pに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(P1−P10) (k1は任意の正の係数)となるように制御しながら成形することを特徴とする請求項6記載の射出成形機の制御方法。
  10. 樹脂を金型内へ注入する射出工程において、プランジャが所定位置X1を通過してから所定距離ΔXだけ移動する間の、基準となる成形時における基準射出圧力を予め測定してその基準射出平均値Pvを記憶するとともに実際の成形時における射出圧力を測定してその実射出平均値Pjを算出し、保圧工程の樹脂射出圧力の基準圧力値Pに加算する圧力補正値ΔPが ΔP=k1・(Pj−Pv) (k1は任意の正の係数)となるように制御しながら成形することを特徴とする請求項6記載の射出成形機の制御方法。
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