JP2008302355A - ハニカムフィルタ - Google Patents

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智一 大矢
Kazutake Oku
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Abstract

【課題】
本発明は、低い圧力損失と、高いPMの捕集効率とを両立したハニカムフィルタを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明のハニカムフィルタは、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、上記セルのいずれか一方の端部が目封じされ、一方の端面側から流入したガスが他方の端面側から流出する柱状のハニカム本体と、上記セル壁に担持されたセラミック粒子とを備え、上記ハニカム本体のセル壁の気孔率は、75〜95%であり、上記セラミック粒子は、上記セル壁の上記ガスの流出側が開口したセル側から上記ガスの流入側が開口したセル側に向かって、濃度が低くなるように担持されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハニカムフィルタに関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有されるパティキュレートマター(以下、単にパティキュレート又はPMともいう)が環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
そこで、排ガス中のパティキュレートを捕集して、排ガスを浄化することができるフィルタとして、多孔質セラミックからなるハニカムフィルタ(ハニカム構造体)が種々提案されている。
特許文献1には、主に無機繊維からなり、多数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム構造体であって、上記ハニカム構造体を構成する無機繊維は、上記貫通孔の形成方向に対して平行な面に比べて、上記貫通孔の形成方向に対して垂直な面に沿ってより多く配向していることを特徴とするハニカム構造体が開示されている。
特許文献1に開示されたハニカム構造体は、充分な強度を有する高気孔率のハニカム構造体を実現すべく、主に無機繊維から構成されている。
また、特許文献1には、排ガスを浄化するために、ハニカム構造体を構成する上記無機繊維に触媒を付着させてもよいことが記載されている。
WO2005/000445号公報
特許文献1に開示されたハニカム構造体は、高気孔率のハニカム構造体であり、そのため、ハニカムフィルタとして使用する際に、圧力損失を低く維持することができる。
しかしながら、高気孔率のハニカムフィルタでは、排ガス中のPMを捕集しようとした際に、PMの捕集漏れが発生することがある。
このように、従来のハニカムフィルタにおいては、低い圧力損失と、高い捕集効率という相反する特性を両立させることが困難であった。
そこで、本発明者らは、ハニカムフィルタにおいて、低い圧力損失と、高い捕集効率との相反する特性を両立させるべく鋭意検討を行い、本発明を完成した。
即ち、請求項1に記載のハニカムフィルタは、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、上記セルのいずれか一方の端部が目封じされ、一方の端面側から流入したガスが他方の端面側から流出する柱状のハニカム本体と、上記セル壁に担持されたセラミック粒子とを備え、
上記ハニカム本体のセル壁の気孔率は、75〜95%であり、
上記セラミック粒子は、上記セル壁の上記ガスの流出側が開口したセル(以下、ガス流出セルともいう)側から上記ガスの流入側が開口したセル(以下、ガス流入セルともいう)側に向かって、濃度が低くなるように担持されていることを特徴とする。
請求項1に記載のハニカムフィルタでは、気孔率が75〜95%である高気孔率のハニカム本体のセル壁に、ガスの流出側が開口したセル側からガスの流入側が開口したセル側に向かって、濃度が低くなるようにセラミック粒子が担持されている。この場合、排ガス中のPMを捕集した際に、PMがセル壁の内部に入り込みつつ捕集され(深層濾過され)るため、PMがセル壁を通り抜けることがなく、PMの捕集漏れを回避することができる。
また、PMを深層濾過した場合、セル壁の表面にPM層が形成されにくいため、ハニカムフィルタの圧力損失は増加しにくい。そのため、上記ハニカムフィルタでは、長期間に渡って、低い圧力損失を維持することができる。
請求項2に記載のハニカムフィルタは、上記セラミック粒子が酸化物触媒からなる粒子(以下、酸化物触媒粒子ともいう)である。
請求項2に記載のハニカムフィルタでは、上記セラミック粒子が酸化物触媒粒子であるため、請求項1に記載のハニカムフィルタが奏する効果に加え、排ガス中のPMの燃焼、除去を促進し、さらに長期間に渡って、低い圧力損失を維持することができる。
請求項3に記載のハニカムフィルタは、上記セラミック粒子がセリア(CeO)を含む粒子である。
請求項3に記載のハニカムフィルタでは、上記セラミック粒子がセリアを含む粒子であるため、請求項1に記載のハニカムフィルタが奏する効果に加え、排ガス中のPMの燃焼、除去を促進し、さらに長期間に渡って、低い圧力損失を維持することができる。
請求項4に記載のハニカムフィルタは、上記ハニカム本体が主に無機繊維からなる。
請求項4に記載のハニカムフィルタでは、上記ハニカム本体が主に無機繊維からなるため、上記ハニカム本体を高気孔率とするのに特に適している。
請求項5に記載のハニカムフィルタでは、上記ハニカム本体が、一体成形されたハニカム部材を備えている。
請求項5に記載のハニカムフィルタによれば、上記一体成形されたハニカム部材を押出成形等により製造することができるため、ハニカム部材の製造が容易となる。
請求項6に記載のハニカムフィルタでは、上記ハニカム本体は、貫通孔が設けられた積層部材が、上記貫通孔同士が重なり合うように長手方向に複数枚積層されてなるハニカム部材を備えている。
請求項6に記載のハニカムフィルタのように、ハニカムフィルタを構成するハニカム本体が上記積層部材が積層されたハニカム部材を備えていると、再生処理等の際にハニカムフィルタ全体に大きな温度差が生じても、それぞれの積層部材に生じる温度差は小さく、それによる熱応力も小さいため、破損しにくい。
請求項7に記載のハニカムフィルタでは、上記ハニカム本体の両端部には、端部用部材が配設されている。
請求項7に記載のハニカムフィルタのように、端部用部材が配設することにより、ハニカム本体の各セルのいずれか一方の端部を確実に封止することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第一実施形態)
図1(a)は、第一実施形態に係るハニカムフィルタの一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。
図1(a)、(b)に示すように、第一実施形態に係るハニカムフィルタ1は、(A)複数のセル11a、11bがセル壁13を隔てて長手方向(図1(a)中、矢印a参照)に並設された、主に無機繊維からなり、一体成形された円柱状のハニカム部材10a、及び、セル11a、11bのいずれか一方の端部を目封じすべくハニカム部材10aの両端面に配設された金属製の端部用部材10bからなるハニカム本体10と、(B)セル壁13に担持されたセラミック粒子であるセリア粒子(図示せず)とを備えている。
ハニカムフィルタ1では、ハニカム本体10の一方の端面側(図1(b)中、左側)からセル11a(ガス流入セル11a)内に流入した排ガスGは、セル11aとセル11bとを隔てるセル壁13を通過した後、他方の端面側(図1(b)中、右側)が開口したセル11b(ガス流出セル11b)から外部へと流出するようになっている。
従って、ハニカムフィルタ1では、セル壁13において、排ガスG中のPMが捕集されることとなる。
さらに、セル壁13には、セラミック粒子としてセリア粒子が担持されている。
ここで、セリア粒子は、セル壁13の排ガスGの流出側が開口したセル(ガス流出セル11b)側から排ガスGの流入側が開口したセル(ガス流入セル11a)側に向かって、濃度が低くなるように担持されている。
次に、上記セリア粒子がセル壁に担持されている態様を図面を参照しながら説明する。
図2(a)は、第一実施形態のハニカムフィルタにおいて、セル壁に担持されたセリア粒子の態様を説明するための模式図である。なお、図2(a)は、図1(b)の一部を拡大した模式図である。また、図2(b)は、図2(a)中のBの部分をさらに拡大した模式図である。
図2(a)に示すように、セル壁13では、ガス流出セル側13bからガス流入セル側13aに向かって濃度が低くなるように、セリア粒子14が担持されている。
このように、セル壁13に担持されたセリア粒子14にガス流出セル側13bからガス流入セル側13aに向かって、濃度が低くなるように濃度勾配が形成されていると、セル壁13は、ガス流出セル側13bからガス流入セル側13aに向かって気孔率及び気孔径が徐々に小さくなっていることとなる。
従って、セル壁13で排ガスG中のPMを捕集すると、PMは、ガス流入セル側13aからセル壁13の内部へと入り込むものの、セルを通ってガス流出セル側13bへとは通り抜けることができない。
なお、図2(a)中、セリア粒子14は黒点で示している。
なお、本発明において、セラミック粒子が、上記セル壁のガス流出セル側からガス流入セル側に向かって、濃度が低くなるように担持されているとは、セル壁の断面を観察した際に、そのセル壁の断面をガス流出セル側からガス流入セル側に渡って同一面積の複数の領域に区分すると(例えば、図2(b)では3つの領域A〜Cに区分している)、ガス流出セル側の領域内で観察されるセラミック粒子の数が、この領域のガス流入セル側に隣接する領域内で観察されるセラミック粒子の数よりも多いことをいう。
また、本発明のハニカムフィルタにおいては、必ずしもセル壁の全体に渡ってセラミック粒子が担持されている必要はないが、上記濃度勾配が形成されるように、セル壁の全体に渡って担持されていることが望ましく、特に、セラミック粒子が酸化物触媒粒子である場合には、上記濃度勾配が形成されるように、セル壁の全体に渡って担持されていることが望ましい。
酸化物触媒粒子が、セル壁のガス流出セル側の近傍にのみ担持されている場合や、セル壁のガス流出セル側に露出した面に膜状に担持されている場合には、酸化物触媒粒子とPMとの接点が少なくなるからである。
ハニカム本体10を構成するハニカム部材10aは、主に無機繊維からなるものであり、
ハニカム本体10のセル壁13は、75〜95%の高い気孔率を備えている。
ハニカム本体10のセル壁13の気孔率(セラミック粒子が担持されていない状態のセル壁の気孔率)が75%未満では、PMの深層濾過が困難になるとともに、ハニカムフィルタに再生処理を施す際に、PMの燃焼に必要な温度までハニカムフィルタ内の温度が上昇しにくく、連続再生能力が低下することとなる。
一方、ハニカム本体10のセル壁13の気孔率が95%を超えると、ハニカムフィルタ内で気孔の占める割合が極めて大きくなるため、ハニカムフィルタの強度を確保することが困難になる。
また、ハニカム本体10のセル壁13の平均気孔径は、10〜60μmであることが望ましい。これは、PMを深層濾過するのに適しているからである。
このハニカム部材10aの構成について、もう少し詳しく説明する。
ハニカム部材10aは、主に無機繊維からなるものであるが、詳細には、無機繊維であるアルミナファイバ同士が、無機物であるガラスを介して固着されている。
ここで、アルミナファイバ同士が固着されている部分は、ハニカム部材10a全体で一様ではないが、主にアルミナファイバの交差部又はその近傍であり、無機物であるガラスがアルミナファイバの交差部又はその近傍に局在している。
なお、無機繊維同士が交差部又はその近傍で無機物を介して固着されているとは、無機繊維同士の交差部(無機繊維同士が接触していても、接触していなくてもよい)に局在(存在)する無機物を介して無機繊維同士が固着している状態、無機繊維同士の交差部の近傍に局在(存在)する無機物を介して無機繊維同士が固着している状態、又は、無機繊維同士の交差部及びその近傍の領域全体に局在(存在)する無機物を介して無機繊維同士が固着している状態をいう。
図3は、ハニカム部材10aの一部であって、無機繊維同士が無機物を介して固着された態様の一例を模式的に示す断面図である。なお、図3に示した断面図には、交差する無機繊維を長さ方向に切断した断面を示している。
図3に示す例では、無機繊維であるアルミナファイバ51同士の交差部又はその近傍に無機物であるガラス52が固着しており、交差部又はその近傍に固着したガラス52が同時に2本のアルミナファイバを交差部又はその近傍で結合させる役割を果たしている。
ここで、ガラス52は、溶融固化することにより、アルミナファイバ同士の交差部又はその近傍に固着している。
そして、図3に示すように、ガラス52がアルミナファイバ51同士の交差部又はその近傍に局在している場合、多くのアルミナファイバ51は、他のアルミナファイバ51との交差部又はその近傍がガラス52により被覆され、その他の大部分にはほとんどガラスが固着していないこととなる。
なお、本明細書において、無機繊維同士の交差部又はその近傍とは、無機繊維同士が最近接する部位から、概ね無機繊維の繊維径の10倍以内の距離の領域のことをいう。
また、ハニカム部材10aでは、無機繊維であるアルミナファイバ同士が、無機物であるガラスで固着される部分の数は、1本のアルミナファイバにつき1ヶ所のみでなく、2ヶ所以上にガラスが固着しているアルミナファイバも存在する。その結果、ハニカム部材10aでは、多くのアルミナファイバが複雑にからみ合い、アルミナファイバの解繊が防止されるとともに、優れた強度も備えることとなる。
ハニカム本体10を構成する端部用部材10bは、ハニカム本体10の両端部(ハニカム部材10aの両端面)に配設される部材であり、所定の位置に貫通孔が形成された金属製の板状体である。
端部用部材10bにおいて、上記貫通孔は、ハニカム部材10aの両端面に配設した際に、ハニカム部材10aの所定のセルのみと連通する部分に形成されている。具体的には、排ガスGが流入する端面側(図1(b)中、左側)に配設された端部用部材10bは、ハニカム部材10aのガス流入セル11aと連通する位置に貫通孔が形成されており、排ガスGが流出する端面側(図1(b)中、右側)に配設された端部用部材10bは、ハニカム部材10aのガス流出セル11bと連通する位置に貫通孔が形成されている。従って、ハニカム部材10aの両端面に配設された端部用部材10bのそれぞれは、貫通孔の形成位置が異なることとなる。そして、このような端部用部材10bを配設することにより、各セルは、いずれか一方の端部が目封じされることとなる。
また、図1(a)、(b)に開示したハニカムフィルタでは、セラミック粒子としてセリア粒子が担持されているが、本実施形態において、セル壁に担持されるセラミック粒子は、セリア粒子以外にも、KO/CeO、CuO/CeO等からなる粒子(セリアを含む粒子)や、セリア以外の酸化物触媒粒子等であってもよい。
上記酸化物触媒としては、例えば、KO、ZrO、FeO、Fe、CuO、CuO、Mn、MnO、及び、組成式A1−nCO(式中、AはLa、Nd、Sm、Eu、Gd又はYであり、Bはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、CはMn、Co、Fe又はNi)で表される複合酸化物等が挙げられる。
セラミック粒子として、これらの酸化物触媒を担持させることにより、パティキュレートの燃焼温度を低下させることができる。
また、図1(a)、(b)に示したハニカムフィルタでは、ハニカム部材を構成する無機繊維がアルミナファイバであるが、無機繊維の材質はアルミナに限定されるわけではなく、アルミナ以外に、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物セラミック、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の窒化物セラミック、炭化ケイ素等の炭化物セラミック、玄武岩等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
次に、第一実施形態に係るハニカムフィルタを製造する方法について説明する。
(1)まず、ハニカム本体を主に構成する無機繊維であるアルミナファイバ、後工程を経てアルミナファイバ同士を固着することとなるガラスファイバ、有機バインダ及び水を混合し、さらに、必要に応じて、造孔剤、可塑剤、潤滑剤等を混合することにより成形用混合物を調製する。
(2)次に、上記成形用混合物をプランジャー式成形機に投入し、プランジャー式成形機に取り付けられた所定の孔が形成されたダイスを介して上記成形用混合物を連続的に押し出すことにより、長手方向に多数のセルが形成された柱形状の成形体を作製する。
(3)次に、押し出された成形体を所定の長さに切断する切断処理、成形体中の水分を除去する乾燥処理、及び、成形中の有機物を除去する脱脂処理を行う。
なお、上記乾燥処理及び上記脱脂処理は、必ず行わなければならないわけではない。
ここで、上記切断処理は、例えば、切断部分に刃が形成されているカッタ、レーザ、線状体等の切断部材を用いて行うことができる。
さらに、上記切断処理は、上記押出し成形にて成形された成形体が移動する先に、レーザ、カッタ等の切断手段を備えた成形体切断機を設けておき、上記切断手段が成形体押出速度に同期した速度で移動しながら、上記成形体を切断手段により切断する方法で行うことが望ましい。上記機構を有する切断装置を用いると、連続して切断工程を行うことができ、量産性が向上するからである。
また、上記乾燥処理は、例えば、マイクロ波加熱乾燥機、熱風乾燥機、赤外線乾燥機等を用いて行えばよく、この際、複数の装置を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、熱風乾燥機を用いる場合には、例えば、設定温度100〜150℃、大気雰囲気下、5〜60分間乾燥することにより行えばよい。この場合、熱風が上記成形体の長手方向に平行に当たり、熱風がセルを通過できるように設置されていることが望ましい。熱風が上記成形体のセルを通過することにより、上記成形体の乾燥が効率よく進行することとなる。
また、上記脱脂処理は、通常、有機物を酸化分解することができるように、大気雰囲気等の酸化雰囲気下で行うことが望ましい。具体的には、例えば、設定温度200〜600℃、大気雰囲気下で、1〜5時間加熱することにより行えばよい。このとき、使用する脱脂炉は、特に限定されるものではなく、バッチ形式の脱脂炉でもよいが、連続的に処理を行うことができるように、ベルトコンベアを備えた連続炉により行うことが望ましい。
(4)次に、上記成形体を上記アルミナファイバ等の無機繊維の耐熱温度より低く、かつ、上記ガラスファイバ等の無機物の耐熱温度以上で加熱する加熱処理を行う。
具体的には、例えば、900〜1050℃で、5〜15時間の条件で行えばよい。
この加熱処理を行うことにより、アルミナファイバ同士が、ガラスファイバと同一材料からなる無機物を介して固着されたハニカム部材を製造することができる。
また、このような方法でハニカム部材を作製した後には、必要に応じて、上記ハニカム部材に酸処理を施してもよい。
この酸処理は、例えば、塩酸、硫酸等の溶液に上記ハニカム部材を浸漬することにより行うことができる。具体的には、例えば、濃度1〜10mol/lの溶液中を使用し、処理時間0.5〜24時間、処理温度70〜100℃で酸処理を施せばよい。
このような酸処理を施すことにより、シリカ以外の成分が溶出し、その結果、ハニカム部材の耐熱性が向上することとなるからである。
また、上記酸処理は、上記加熱処理の途中で行ってもよい。
具体的には、例えば、950℃、5時間の条件で1回目の加熱処理を行い、その後上記酸処理を行い、さらに、1050℃、5時間の条件で2回目の加熱処理を行えばよい。
(5)上記(1)〜(4)の工程とは別に、端部用部材を作製する。
具体的には、金属板を所定のサイズの円盤状に加工した後、レーザ加工や打ち抜き加工により所定の位置に貫通孔を形成することにより作製する。
(6)次に、ハニカム部材の両端面に上記端部用部材を配設し、ハニカム本体とする。
ハニカム部材の両端面への端部用部材の配設は、端部用部材とハニカム部材との両者の位置合せを行いながら、金属製のケーシング内で行う。
この方法について、図面を参照しながら説明する。
図4(a)は、ハニカム本体を構成するハニカム部材と端部用部材とを模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示すハニカム本体の両端部に端部用部材を配設する方法を説明するための斜視図である。
図4(a)に示すような、ハニカム部材10aと、2枚の端部用部材10bを作製するとともに、別途、図4(b)に示すような、片側に押え用金具を有する金属製で円筒状のケーシング123を用意し、まず、1枚の端部用部材10bをケーシング123内の押さえ用金具123a側に配設し、次に、ハニカム部材10aを先にケーシング123内に収納した端部用部材10bと位置合せを行いながら配設し、その後、もう一枚の端部用部材を位置合せを行いながら配設する。そして、押え用金具が配設された側と反対側にも押え用金具を設置、固定する。
(7)次に、上記ハニカム本体のセル壁に、セラミック粒子として酸化物触媒粒子を担持させることにより、ハニカム本体と、上記ハニカム本体のセル壁に担持された酸化物触媒粒子とを備えたハニカムフィルタを完成する。
具体的には、下記の方法を用いることにより、セル壁のガス流出セル側からガス流入セル側に向かって、酸化物触媒粒子の濃度が低くなるように担持させる。
ここで、上記酸化物触媒としては、CeO、KO/CeO、CuO/CeO等のセリアを含む触媒や、KO、ZrO、FeO、Fe、CuO、CuO、Mn、MnO、組成式A1−nCO(式中、AはLa、Nd、Sm、Eu、Gd又はYであり、Bはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、CはMn、Co、Fe又はNi)で表される複合酸化物等を用いることができる。
まず、酸化物触媒物質を適宜粉砕した後、水等に分散させてスラリー状にし、これを、スプレー法等により、ガス(例えば、空気、不活性ガス等の気体状の媒体)の中に分散させて気体状触媒分散体を調製する。
次に、この気体状触媒分散体をキャリアガスに乗せて、ハニカム本体の一方の端面側からハニカム本体内に流入させる。
この処理において、上記キャリアガスは、ハニカム本体のガス流出側の端面から流入し、セル壁を通過した後、ガス流入側の端面から放出されることとする(図1(b)における排ガスGの経路と逆の経路を通ることとなる)。
そして、上記キャリアガスがセル壁を通過する際に、上記キャリアガスに分散している気体状触媒分散体が、上記セル壁に付着することとなる。
その後、乾燥処理を施し、さらに必要に応じて、焼成処理を施すことにより酸化物触媒粒子が上記セル壁に担持されることとなる。
このような方法を用いることにより、セル壁のガス流出セル側からガス流入セル側に向かって濃度が低くなるように、酸化物触媒粒子を担持させることができる。
また、この方法では、キャリアガスの流入速度を適宜変更することにより、セル壁内での酸化物触媒粒子の濃度勾配を調整することができる。
上記流入速度を遅くするほど、酸化物触媒粒子はセル壁の表面付近に担持されやすくなるため、セル壁内での酸化物触媒粒子の濃度勾配が大きくなり、逆に、上記流入速度を早くするほど、酸化物触媒粒子はセル壁の内部まで浸透して担持される割合が増えるため、セル壁内での酸化物触媒粒子の濃度勾配が小さくなる。
以下、本実施形態のハニカムフィルタの作用効果について列挙する。
(1)ハニカム本体のセル壁が高気孔率であるので、PMを深層濾過にて捕集するのに適している。そのため、ハニカムフィルタの圧力損失が増大しにくい。
(2)ハニカム本体のセル壁に、ガス流出セル側からガス流入セル側に向かって、濃度が低くなるようにセラミック粒子が担持されているため、PMの深層濾過を行いつつ、PMの捕集漏れを回避することができ、さらに、上記セラミック粒子がセリア粒子等の酸化物触媒粒子であると、PMの燃焼、除去を促進し、排ガスの浄化を促進することができる。
(3)ハニカム部材を主に構成するアルミナファイバ等の無機繊維同士が、ガラス等の無機物を介して固着されているため、高気孔率とともに高い強度を備えることとなる。
以下に実施例を掲げて、第一実施形態について、さらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
A.ハニカム部材の作製
(1)まず、アルミナ72%とシリカ28%とからなるシリカ−アルミナファイバ(平均繊維長:0.3mm、平均繊維径:5μm)12.3重量部、ガラスファイバ(平均繊維径:9μm、平均繊維長:3mm)6.2重量部、有機バインダ(メチルセルロース)11.7重量部、造孔剤(アクリル)7.1重量部、可塑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)を8.1重量部、潤滑剤(グリセリン)を3.8重量部、及び、水50.9重量部を混合し、充分撹拌することにより成形用混合物調整した。
(2)上記成形用混合物をプランジャー式押出成形機の混合物タンクよりシリンダー内に投入し、ピストンをダイス側に押し込んでダイスより混合物を押し出し、長手方向に垂直な面におけるセルの大きさ4.5mm×4.5mmを2mm間隔で有する、円柱形状の成形体(円の直径:160mm)を作製した。
(3)上記円柱形状の成形体を、切断ディスクを切断部材として備えた切断装置を用いて長さ60mmに切断した。これにより、直径160mm×長手方向の長さ60mmの成形体を得た。
(4)上記(3)の工程で得た円柱形状の成形体を、マイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機を用いて、大気雰囲気下、200℃で3時間乾燥処理し、成形体中に含まれる水分を除去した。
(5)上記乾燥処理を施した成形体を、電気炉内で、大気雰囲気下、400℃で3時間の条件で加熱し、成形体中に含まれる有機物を除去する脱脂処理を施した。
(6)上記脱脂処理を施した成形体を、まず、焼成炉中で、大気雰囲気下、950℃で5時間の条件で加熱し、次に、90℃、4mol/lのHCl溶液に1時間浸漬する酸処理を施し、さらに、焼成炉中で、大気雰囲気下、1050℃で5時間の条件で再度加熱することより、ハニカム部材を完成した。
なお、この(6)の工程を経ることにより、アルミナファイバ同士がガラスを介して固着されることとなる。
また、このような(1)〜(6)を経て完成したハニカム部材について、下記の方法により、気孔率及び平均気孔径を測定した。勿論、測定サンプル用のハニカム部材については、別に作製している。
即ち、JIS R 1655に準じ、水銀圧入法による細孔分布測定装置(島津製作所社製、オートポアIII 9405)を用い、ハニカム部材の中央部分を1cmの幅の立方体となるように切断してサンプルとし、水銀圧入法により、細孔直径0.2〜500μmの範囲で細孔分布を測定し、そのときの平均細孔径を(4V/A)として計算し、気孔率及び平均気孔径を算出した。なお、サンプル数は10個とした。
結果を表1に示した。
B.端部用部材の作製
Ni−Cr合金製金属板を、直径160mm×厚さ1mmの円盤状に加工した後、レーザー加工することで、4.5mm×4.5mmの貫通孔が所定の位置に形成された端部用部材を製造した。
ここでは、端部用部材を2枚作製し、それぞれの端部用部材には、後工程で、ハニカム部材の両端面に端部用部材を配設した際に、ハニカム本体の一方の端面側と他方の端面側とでセルの封止箇所が異なる形態となるように、互いに異なる位置に貫通孔を形成した。
C.ハニカム本体の作製
片側に押え用金具が取り付けられた円筒状のSUS製ケーシング(図4(b)参照)を用意し、これを押え用金具が取り付けられた側が下になるように立てた。そして、まず、上記Bの工程で得た端部用部材を1枚収納し、その後、この端部用部材の上に、端部用部材の貫通孔とハニカム部材のセルとの位置合せを行いながら、上記Aの工程で得たハニカム部材を収納し、最後にもう1枚の端部用部材をハニカム部材の上に収納し、その後、ケーシングのもう片側にも、押え用金具を設置、固定することにより、ケーシング内に収納されたハニカム本体を完成した。
なお、この工程ではハニカム本体の入口側端面と出口側端面とでセルの封止箇所が異なるように(即ち、各セルのいずれか一方の端部のみが封止されるように)、端部用部材を配設した。
D.ハニカムフィルタの作製
上記ハニカム本体のセル壁に、セル壁のガス流出セル側からガス流入セル側に向かってセリア粒子の濃度が低くなるように、平均粒子径0.1μmのセリア粒子を担持させ、ハニカムフィルタを完成した。
具体的には、平均粒子径0.1μmのセリア(CeO)粒子を水に分散させて、CeOのスラリーを準備した。次に、このスラリーを分散させた気体をキャリアガスにのせて、ハニカム本体の一方の端面(完成後、ガスが流出することとなる側の端面)から流入させた。このとき、キャリアガスは空間速度72000(1/h)で流入させた。
その後、スラリーが付着したハニカム本体を700℃で加熱し、セリア粒子が担持されたハニカム本体を完成した。
なお、本実施例では、セリア粒子をハニカム本体1リットルあたり60グラムの割合で担持した。
ハニカムフィルタの評価
(セリア粒子の担持状態(濃度))
セリア粒子を担持したセル壁をハニカムフィルタの長手方向に沿ってクロスカットし、その断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を写真にとり、この写真について、市販の画像解析ソフト(住友金属テクノロジー社製、粒子解析III)を用いて、空間部分(細孔部分)と粒子部分(セラミック粒子等)とを区別して2値化し、画像解析することにより、空間部分の占める割合(%)を算出した。
このとき、SEM写真において、セル壁の2mm四方の範囲をランダムに10箇所選択し、図2(b)に示す部分拡大図に示すように、セル壁を厚さ方向に3等分して領域A〜Cの3つの領域(領域A:3等分した領域のうち最もガス流入セルに近い領域、領域B:3等分した領域の中間の領域、領域C:3等分した領域のうちに最もガス流出セルに近い領域)に区分し、各領域における空間部分の占める割合を算出した。
結果を表1に示した。
なお、この評価では、上記空間部分の占める割合を算出することにより、単位面積あたりの気孔の占める割合が算出されることとなる。
(PMの捕集効率の測定)
図5に示したような捕集効率測定装置230を用いてPMの捕集効率を測定した。図5は、捕集効率測定装置の説明図である。
この捕集効率測定装置230は、2L(リットル)のコモンレール式ディーゼルエンジン231と、エンジン231からの排ガスを流通する排ガス管232と、金属ケーシング123内にハニカム本体10が配設され、排ガス管232に接続されたハニカムフィルタ1と、ハニカムフィルタ1内を通過する前の排ガスをサンプリングするサンプラー235と、ハニカムフィルタ1内を通過した後の排ガスをサンプリングするサンプラー236と、サンプラー235、236によりサンプリングされた排ガスを希釈する希釈器237と、希釈された排ガスに含まれるPMの量を測定するPMカウンタ238(TSI社製、凝集粒子カウンタ3022A−S)とを備えた走査型モビリティ粒子径分析装置(Scanning Mobility Particle Sizer SMPS)として構成されている。
次に、測定手順を説明する。エンジン231を回転数が2000min−1、トルクが47Nmとなるようにエンジン231を運転し、エンジン231からの排ガスをハニカムフィルタ1に流通させた。このとき、ハニカムフィルタ1を通過する前のPM量Pと、ハニカムフィルタ1を通過した後のPM量PとをPMカウンタ238を用いて把握した。そして、下記計算式(1)を用いて捕集効率を算出した。結果を表1に示した。
捕集効率(%)=(P−P)/P×100・・・(1)
(実施例2)
実施例1のDの工程において、セリア粒子をセル壁に担持させる際に、キャリアガスの空間速度を5000(1/h)に変更した以外は実施例1と同様にしてハニカムフィルタを製造した。
そして、実施例2のハニカムフィルタに対して、実施例1と同様の評価を行った。
(比較例1)
実施例1のAの工程と同様にしてハニカム部材を製造した後、実施例1のDの工程で使用したCeOのスラリーと同様のスラリー中に、ハニカム部材を浸漬し、その後、110℃で2時間の乾燥処理、及び、700℃で1時間の焼成処理を施し、ハニカム部材にセリア粒子を担持させた。
次に、実施例1のBの工程と同様にして端部用部材を準備し、さらに、実施例1のCの工程と同様の方法を用いて、ケーシング内にセリア粒子を担持したハニカム部材と端部用部材を収納し、ハニカムフィルタを完成した。
そして、比較例1のハニカムフィルタに対して、実施例1と同様の評価を行った。
Figure 2008302355
表1に示したように、実施例1、2に係るハニカムフィルタでは、担持されたセリア粒子の量(濃度)が、セル壁のガス流出セル側からガス流入セル側に向かって少なく(低く)なっており、比較例1に係るハニカムフィルタでは、セル壁に均一にセリア粒子が担持されている。このことから、実施例1、2では、セル壁のガス流出セル側からガス流入セル側に向かって気孔の占める割合が大きくなっており、比較例1では、セル壁全体で気孔の占める割合が同一であることが明らかである。
そして、実施例1、2に係るハニカムフィルタのように、セル壁に濃度勾配を設けてセリア粒子を担持させた場合には、高い捕集効率を達成することができるのに対し、比較例1のハニカムフィルタのように、セル壁に均一にセリア粒子を担持させた場合には、捕集効率が低くなることが明らかとなった。
(第2実施形態)
第一実施形態のハニカムフィルタは、ハニカムフィルタを構成するハニカム本体が、主に無機繊維からなる一体成形されたハニカム部材と、ハニカム本体の両端部に配設された端部用部材とからなるものであるが、これに対して、本実施形態のハニカムフィルタは、ハニカム本体を構成するハニカム部材が、複数枚の積層部材が積層された積層体からなるものである。
なお、本実施形態のハニカムフィルタの構成は、ハニカム本体の構成が異なる以外は、第一実施形態のハニカムフィルタの構成と同様である。従って、以下の説明においては、ハニカム本体を中心に本実施形態のハニカムフィルタの説明を行う。
以下、第二実施形態のハニカムフィルタについて、図面を参照しながら説明する。
図6(a)は、第二実施形態に係るハニカムフィルタの一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、そのC−C線断面図である。
図6(a)、(b)に示すように、第二実施形態に係るハニカムフィルタ101は、複数のセル111a、111bがセル壁113を隔てて長手方向(図6(a)中、矢印b参照)に並設され、各セルのいずれか一方の端部が目封じされた円柱形状のハニカム本体110と、セル壁113に担持されたセリア粒子等のセラミック粒子(図示せず)とを備えている。
そして、ハニカム本体110は、厚さが0.1〜20mmの円板状の積層部材110aが複数枚積層されてなるハニカム部材と、このハニカム部材の両端面に配設された端部用部材110bとから構成されている。ここで、各積層部材110aは、それぞれに設けられた貫通孔同士が互いに重なり合うことにより、セルを構成するように積層されており、さらに、所定の位置に貫通孔が設けられた端部用部材110bは、セルのいずれか一方の端部のみを目封じするように配設されている。
このハニカムフィルタ101では、ハニカム本体110の一方の端面側(図6(b)中、左側)からセル111a(ガス流入セル111a)内に流入した排ガスGは、セル111aとセル111bとを隔てるセル壁113を通過した後、他方の端面側(図6(b)中、右側が開口した111b(ガス流出セル111b)から外部に流出するようになっている。
従って、ハニカムフィルタ101では、セル壁113において、排ガスG中のPMが捕集されることとなる。
さらに、ハニカム本体110では、ハニカム本体110のセル壁113の気孔率(セラミック粒子が担持されていない状態の気孔率)が75〜95%と高気孔率であるため、PMを深層濾過することができる。
ハニカムフィルタ101において、ハニカム本体110を構成する積層部材110aは、主に無機繊維からなるものであり、所定枚数積層されている。
ここで、各積層部材110a同士は、無機接着材等により接着されていてもよいし、単に物理的に積層されているのみであってもよいが、単に物理的に積層されているのみであることが望ましい。単に物理的に積層されているのみであると、接着材等からなる接合部により排ガスの流れが阻害されて圧力損失が高くなってしまうことがないからである。なお、各積層部材同士が単に物理的に積層されているのみである場合、ハニカム部材とするには、金属ケーシング内で積層し、圧力を加える。
なお、各積層部材110aは、上記長手方向の長さが異なる(厚さが薄い)以外は、第一実施形態のハニカムフィルタを構成するハニカム部材と同一である。
ハニカム本体110を構成する端部用部材110bは、第一実施形態のハニカムフィルタを構成する端部用部材10bと同一である。
次に、本実施形態のハニカムフィルタの製造方法について簡単に説明しておく。
(1)最初に、積層部材を必要枚数作製する。
まず、アルミナファイバ等の無機繊維と、ガラスファイバ等の無機物とを充分に混合し、さらに、必要に応じて、適量の水、有機バインダ、無機バインダ等を添加し、充分に攪拌することにより抄造用スラリーを調製する。
次に、上記抄造用スラリーをメッシュにより抄き、得られたものを100〜200℃の温度で乾燥し、さらに、打ち抜き加工によりほぼ全面にセルを等間隔で形成し、その後、上記アルミナファイバ等の無機繊維の耐熱温度より低く、かつ、上記ガラスファイバ等の無機物の耐熱温度以上(例えば、900〜1050℃)で加熱処理することにより積層部材を作製する。
(2)上記積層部材の作製とは別に、端部用部材を作製する。
上記端部用部材は、第一実施形態のハニカムフィルタの製造方法の(6)の工程と同様の方法で作製する。
(3)次に、ケーシング内で積層部材を積層するとともに、その両端に端部用部材を配設し、ハニカム本体を作製する。
具体的には、第一実施形態のハニカムフィルタの製造方法でも使用した図4(b)に示したような、片側に押え用金具を有する金属製で円筒状のケーシング123を用意し、まず、ケーシング123内に端部用部材を1枚配設し、その後、積層部材を所定枚数積層する。そして、最後に端部用部材を1枚配設し、さらにプレスを行い、その後、もう片方にも、抑え用の金具を設置、固定することにより、ハニカム本体を作製することができる。もちろん、この工程では、貫通孔同士が重なり合うように、各積層部材を積層する。
なお、プレス時には積層部材は薄くなり、その気孔率が減少することとなるため、この減少分を考慮して積層部材を製造しておく必要がある。
(4)次に、上記ハニカム本体のセル壁に、セル壁のガス流出セル側からガス流入セル側に向かって、セリア粒子等のセラミック粒子の濃度が低くなるようにセラミック粒子を担持させ、ハニカムフィルタを完成する。
ここで、セリア粒子等のセラミック粒子の担持は、第一実施形態のハニカムフィルタの製造方法の(5)の工程と同様の方法により行えばよい。
以下、本実施形態のハニカムフィルタの作用効果について列挙する。
(1)本実施形態のハニカムフィルタにおいても、第一実施形態のハニカムフィルタと同様の作用効果(1)〜(3)を発揮することができる。
(2)また、ハニカム本体が長手方向に積層部材が積層されたハニカム部材を備えるため、再生処理等の際にハニカムフィルタ全体に大きな温度差が生じても、それぞれの積層部材に生じる温度差は小さく、それによる熱応力も小さいため、破損しにくい。
(その他の実施形態)
本発明のハニカムフィルタにおいて、ハニカム本体のセル壁に担持されるセラミック粒子は、必ずしもセリア粒子等の酸化物触媒粒子である必要はない。
従って、上記セラミック粒子は、例えば、ムライト、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物セラミック等からなる粒子であってもよい。
上記セラミック粒子の平均粒子径は、上記ハニカム部材の平均気孔径より小さいことが望ましい。セル壁にセラミック粒子を担持させた際に、上記セラミック粒子が確実にセル壁の内部に担持されることとなるからである。
具体的には、上記セラミック粒子の平均粒子径は、0.05〜0.2μmが望ましい。
上記ハニカム本体が主に無機繊維からなるものである場合、上記無機繊維の繊維長の望ましい下限値は0.1mmであり、望ましい上限値は100mmである。
上記繊維長が0.1mm未満では、無機繊維同士が相互に絡み合いにくく、無機繊維同士を無機物を介して固着することが困難になり、ハニカム部材の強度が不充分となる場合があり、一方、上記繊維長が100mmを超えると、均質なハニカム部材を作製することが難しく、充分な強度を有するハニカム本体とすることができない場合があるからである。
上記繊維長のより望ましい下限値は0.5mmであり、より望ましい上限値は50mmである。
上記ハニカム本体が主に無機繊維からなるものである場合、上記無機繊維の繊維径の望ましい下限値は0.3μmであり、望ましい上限値は30μmである。
上記繊維径が0.3μm未満では、無機繊維自身が折れ易いため、ハニカム部材が風食され易くなり、一方、上記繊維径が30μmを超えると、無機繊維同士をガラス等の無機物を介して固着することが困難になり、充分な強度を得ることができない場合がある。
上記繊維径のより望ましい下限値は0.5μmであり、より望ましい上限値は15μmである。
上記ハニカム部材の平均気孔径は、1〜100μmが望ましい。
上記平均気孔径が1μm未満では、PMが深層濾過されず、圧力損失が短時間で上昇してしまうことがある。一方、上記平均気孔径が100μmを超えると、PMが気孔を通り抜けてしまい、フィルタとして機能しないことがある。
なお、気孔率や平均気孔径は、水銀ポロシメータを用いた水銀圧入法、アルキメデス法、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等の従来公知の方法により測定することができる。
また、上記ハニカム本体において、セル壁の厚さは0.2mm以上であることが望ましい。0.2mm未満では、ハニカム本体の強度か不充分になることがあるからである。
また、上記セル壁の厚さは、5.0mm未満であることが望ましい。セル壁の厚さが厚すぎると、圧力損失が大きくなりすぎることがある。また、PMを燃焼させた際に生じるアッシュが気孔に深く入り込んで抜けにくくなる。
また、上記ハニカム本体のセルの望ましい開口率は、30〜60%である。
上記開口率が30%未満では、ハニカムフィルタの圧力損失が大きくなりすぎることがあり、60%を超えると、ハニカムフィルタの強度が不充分となる場合がある。
上記ハニカム本体が主に無機繊維からなるものである場合、上記セルの長手方向に垂直な面におけるセル密度は特に限定されず、望ましい下限は、0.16個/cm(1.0個/in)、望ましい上限は、93個/cm(600個/in)、より望ましい下値は、0.62個/cm(4.0個/in)、より望ましい上限は、77.5個/cm(500個/in)である。
上記ハニカム本体が主に無機繊維からなるものである場合、上記セルの長手方向に垂直な面におけるセルの大きさは特に限定されないが、望ましい下限は0.8mm×0.8mm、望ましい上限は16mm×16mmである。
上記ハニカム本体が主に無機繊維からなるものである場合、上記ハニカム本体のみかけ密度は、0.04〜0.4g/cmが望ましい。
上記みかけ密度が0.04g/cm未満では、強度が不充分となる場合があり、一方、上記みかけ密度が0.4g/cmを超えると、再生処理時において、ハニカムフィルタの温度が上昇しにくく、連続的にPMを燃焼させる際に不利である。
なお、ハニカム本体のみかけ密度とは、ハニカム本体の質量(g)をハニカム本体のみかけ容積(cm)で除した値をいう。また、ハニカム本体のみかけ容積は、ハニカム本体の外形より算出される容積であり、セル及び気孔を含む容積である。
上記ハニカム本体が主に無機繊維からなるものである場合、上記ハニカム本体を構成するハニカム部材の引張強度は、0.3MPa以上であることが望ましく、0.4MPa以上であることがより望ましい。上記引張強度が0.3MPa未満では、上記ハニカムフィルタの信頼性が不充分となる場合がある。
なお、上記引張強度は、上記ハニカム部材をシート状に加工し、その両端を治具で固定し、インストロン型万能試験機により測定することができる。
上記ハニカムフィルタにおいて、上記セルの上記長手方向に垂直な断面の形状は、四角形に限定されるわけではなく、例えば、三角形、六角形、八角形、十二角形、円形、楕円形、星型等の形状であってもよい。
本発明のハニカムフィルタの長手方向に垂直な断面の形状は、円形に限定されるわけではなく、矩形等、種々の形状とすることができるが、曲線のみ又は曲線と直線とで囲まれた形状であることが望ましく、その具体例としては、円形以外には、例えば、楕円形、長円形(レーストラック形)、楕円形又は長円形等の単純閉曲線の一部が凹部を有する形状(concave形状)等が挙げられる。
上記ハニカム本体を構成する端部用部材は、所定の位置に貫通孔が形成されているものであればよく、その材質は、例えば、上記ハニカム部材と同様の材質であってもよいし、多孔質や緻密質の金属やセラミックであってもよい。
なお、端部用部材として、金属製の端部用部材を用いる場合には、端部用部材を金属ケーシング内に配設する際に溶接することにより、この端部用部材に押え用金具としての役割も合せて付与することができる。
また、上記ケーシングの材質としては、例えば、SUS(ステンレス)、アルミニウム、鉄等の金属等が挙げられる。
上記ハニカム部材の製造工程において、成形用混合物を押出成形する際に使用するプランジャー式成形機について、図面を参照しながらもう少し詳しく説明しておく。
図7は、プランジャー式成形機を模式的に示す断面図である。
プランジャー式成形機70は、シリンダー71とシリンダー内を前後(図面上では左右方向)に往復運動することができる機構を備えたピストン73と、シリンダーの先端に設けられ、長手方向に多数のセルが形成された柱形状の成形体を押出し成形することができるように孔が形成されたダイス74と、シリンダー71の上部に位置し、シリンダー71からの配管75が接続された混合物タンク72とを含んで構成されている。そして、混合物タンク72のすぐ下には、シャッタ76が設けられ、混合物タンク72からの混合物の投入を遮断することができるようになっている。また、配管75には、羽根77aを有するスクリュー77が配設されており、モータ78により回転するようになっている。羽根77aの大きさは、配管の径とほぼ同じであるため、混合物79は、上に逆流しにくくなっている。なお、混合物タンク72には、上記混合工程で得られた混合物が投入されている。
プランジャー式成形機70を用いて成形体を作製する際には、まず、シャッタ76を開け、スクリューを回転させることより上記混合工程で得られた混合物を、混合物タンク72よりシリンダー71に投入する。このとき、投入量に合わせてピストン73を図7中、右側のシリンダー71端部まで移動させる。
混合物がシリンダー71内に充填されると、シャッタ76を閉めると同時にスクリュー77の回転を停止する。このように混合物79がシリンダー71内に満たされた状態でピストン73をダイス側へ押し込むと、ダイス74より混合物が押し出されて、複数のセルが壁部を隔てて長手方向に複数形成された柱形状の成形体が連続的に形成される。この際、ダイスに形成した孔の形状に応じて、その形状のセルが形成される。この工程を繰り返すことにより、成形体を作製することができる。粘度等によっては、シリンダ73を停止させ、スクリュー77を回転させることにより、連続的に成形体を作製することもできる。
なお、ピストン73の移動させるための駆動源として、図7に示したプランジャー式成形機70では、オイルシリンダ80を用いているが、エアーシリンダを用いてもよく、ボールネジ等を用いてもよい。
成形用混合物を押出成形する際に使用する成形機としては、プランジャー式成形機以外に、例えば、単軸スクリュー式押出成形機、多軸スクリュー式押出成形機等であってもよい。
第一実施形態のハニカムフィルタの製造方法では、成形用混合物をプランジャー式成形機で成形した後、乾燥処理、脱脂処理、焼成処理を施すことによりハニカム部材を作製しているが、上記ハニカム部材は他の方法により作製してもよい。
ハニカム部材を作製する他の方法としては、例えば、ハニカム部材のセルを形成するための柱体が、主面に対して垂直、かつ、平面視格子状に立設された底板体と、上記底板体と上記柱体の周囲を包囲するように設けられた外枠体とからなる型枠体を用いる方法(以下、型枠体による作製方法ともいう)が挙げられる。以下、この方法についてもう少し詳しく説明する。
図8(a)(I)〜(V)は、型枠体を用いるハニカム部材の作製方法における工程の一部を説明するための模式図であり、(b)は、柱体が立設された型枠体内を模式的に示す上面図である。
この型枠体による作製方法では、
(1)まず、ハニカム本体を主に構成する無機繊維、後工程を経て無機繊維同士を固着することとなる無機物、熱硬化性樹脂を混合し、さらに、必要に応じて、溶剤や分散剤、硬化剤等を混合することにより熱硬化性樹脂含有成形用混合物を調製する。
(2)次に、上記熱硬化性樹脂含有成形用混合物を型枠体に充填する。
上記型枠体としては、ハニカム部材のセルを形成するための柱体231が、底板体の主面に対して垂直になり、かつ、平面視格子状(図8(a)(I)及び図8(b)参照)になるように立設された底板体232と、底板体232と柱体231の周囲を包囲するように設けられた外枠体233(図8(a)(I)参照)とからなる型枠体230を使用する(図8(a)(II)参照)。
そして、型枠体230内に熱硬化性樹脂含有成形用混合物222を充填する(図8(a)(III)参照)。
なお、型枠体としては、金属製のものを好適に使用することができる。
(3)次に、型枠体230内に充填した熱硬化性樹脂含有成形用混合物中の熱硬化性樹脂を硬化させ、型枠体230内で樹脂硬化体223を形成する(図8(a)(IV)参照)。
(4)次に、型枠体230を樹脂硬化体223から脱離させる。
柱体231を脱離させることで、それまで柱体231が占めていた部位にセルが形成され、これを後工程を経てハニカム部材のセルとすることができる(図8(a)(V)参照)。
この際、樹脂硬化体223から柱体231を容易に抜くことができるように、予め柱体231に2°ほどの抜きテーパを形成しておくことが望ましい。
また、外枠体233を脱離させることで柱形状の成形体224が形成される。
そして、このようにして成形体224を形成した後、第一実施形態のハニカムフィルタの製造方法と同様、脱脂処理及び焼成処理を行うことにより、主に無機繊維からなるハニカム部材を作製することができる。
また、型枠体による作製方法において、柱体231に代えて、鋳物の鋳造に用いられる中子砂や、樹脂材料、低融点金属、高圧プレス成型した水溶性の塩類等からなる中子を使用し、樹脂硬化体223を形成した後、柱体231を抜く代わりに、洗溶出、焼失、熱融出等の方法より中子を除去する方法を用いてもよい。
また、ハニカム部材を作製する他の方法としては、例えば、槽本体と、上記槽本体の底部に形成されたメッシュと、上記メッシュに対して垂直、かつ、平面視格子状にメッシュに立設され、ハニカム部材のセルを形成するための柱状マスクと、上記メッシュを底面とし、かつ、上記柱状マスクで囲まれた空間であり、混合物を投入するための液充填部とを備えた槽を用いる方法(以下、立体抄造による作製方法ともいう)も挙げられる。以下、この方法についてもう少し詳しく説明する。
図9(a)は、立体抄造による作製方法で用いる槽を模式的に表した図であり、(b)は、立体抄造による作製方法で使用するプレス板を模式的に表した上面図である。
この槽による作製方法では、
(1)まず、成形用混合物を調製する。上記成形用混合物は、第一実施形態のハニカムフィルタの製造方法と同様の方法で調製することができるが、その際、水の配合量を増やし、抄造可能な程度まで粘度を低下させた成形用混合物を調製する。
(2)次に、上記成形用混合物を図9(a)に示した槽240の液充填部243に投入する。
図9(a)に示した槽240は、槽本体247と、槽本体247の底部に形成されたメッシュ242と、メッシュ242に対して垂直になり、かつ、平面視格子状になるようにメッシュ242に立設された、ハニカム部材のセルを形成するための柱状マスク241と、メッシュ242を底面とし、かつ、柱状マスク241で囲まれた空間であり、混合物を投入するための液充填部243とを備えている。
また、槽240は柱状マスク241に対応する部分に格子状に貫通孔244aが形成された板からなるプレス板244と、排水をするためのコック245及びポンプ246と、プレス板244を槽本体247に押し込むためのプレス駆動部と、槽本体に振動を与えるための図示しない揺動部とを備えている。
なお、上記(1)の工程の成形用混合物の調製は、槽240内で行ってもよい。
そして、成形用混合物を投入した後には、必要に応じて、液充填部243に充填された混合物を攪拌する。攪拌は、槽本体に振動を与えるための図示しない揺動部を作動させて行えばよい。具体的な揺動部としては、例えば、超音波振動子を備えた発振器や、バイブレーターなどが挙げられ、槽本体247の側面に設置することができる。また、槽本体247の内部に設置してもよい。
(3)次に、上記成形用混合物の水分を吸引して上記成形用混合物内の水をメッシュ242を通じて排出する脱水処理を行う。
この際には、メッシュ242の下側に設けられたコック245を開き、ポンプ246を作動させる。これにより、液充填部243に充填されている上記成形用混合物が吸引濾過されて、上記成形用混合物に含まれる水分がメッシュ242を通じて下に落下し、コック245を通じて排出される。その結果、上記成形用混合物に含まれている水が抜けた状態になり、液充填部の底部から所定の高さの脱水体が形成される。
また、上記脱水処理の後に、上記脱水工程で脱水された上記脱水体を上面より上記プレス板にて加圧圧縮するプレス工程を行っても良い。加圧圧縮することで所定の長さ、適当な密度、気孔率を有する圧縮体を形成することができる。
プレス工処理に用いる装置及び方法は以下に限定されるものでないが、図9(a)に示す槽240では、プレス駆動部として、モータ249とモータ249に結合したボールネジ248が4本設けられており、4本のボールネジ248は、プレス板244に形成された4個のネジ孔244bに螺嵌されており、4個のボールネジ248が同期しながら回転することにより、プレス板244が上下することができるようになっている。
また、プレス板244は、図9(b)に示すような、柱状マスク241に対応する部分に格子状に貫通孔が形成された板である。
従って、4個のモータ249を同期させながら駆動させると、プレス板244は下方に降下し、上記脱水体は槽本体下部247aの部分で圧縮され、圧縮体となる。槽本体下部247aは、図9(a)に示すように、ハニカム部材の形状となっており、プレス板244がモータ249が配設されている部分まで下がることにより、円柱形状の圧縮体が形成される。
なお、槽本体下部247aは、円筒形状をなしており、脱水体がプレス板244によって圧縮されて、槽本体下部247aに充填されることによりハニカム部材の形状となる。
(4)次に、上記脱水体から上記柱状マスクを取り外すことにより、長手方向に多数のセルが形成された柱形状の成形体を形成するマスク脱離工程を行う。これにより、所定形状のセル、所定の長さ及び密度を有する柱形状の成形体を得ることができる。
そして、このようにして成形体を形成した後、第一実施形態のハニカムフィルタの製造方法と同様、乾燥処理、脱脂処理及び焼成処理を行うことにより、主に無機繊維からなるハニカム部材を作製することができる。
ここまで、本発明のハニカムフィルタを構成するハニカム本体について、主に無機繊維からなるハニカム本体について説明したが、本発明のハニカムフィルタを構成するハニカム本体は、主に無機繊維からなるものに限定されず、セル壁の気孔率が75〜95%であれば、多孔質セラミックからなるものであってもよい。
上記多孔質セラミックの具体的な材質としては、例えば、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、金属と窒化物セラミックの複合体、金属と炭化物セラミックの複合体等であってもよい。
また、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等のセラミック原料も多孔質セラミックの材料として挙げられる。また、コージェライトやチタン酸アルミニウム等であってもよい。
(a)は、第一実施形態に係るハニカムフィルタの一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 (a)は、第一実施形態のハニカムフィルタにおいて、セル壁に担持されたセリア粒子の態様を説明するための模式図である。(b)は、図2(a)中のBの部分をさらに拡大した模式図である。 無機繊維同士が無機物を介して固着された態様の一例を模式的に示す断面図である。 (a)は、ハニカム本体を構成するハニカム部材と端部用部材とを模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示すハニカム本体の両端部に端部用部材を配設する方法を説明するための斜視図である。 捕集効率測定装置の説明図である。 (a)は、第二実施形態に係るハニカムフィルタの一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、そのC−C線断面図である。 プランジャー式成形機を模式的に示す断面図である。 (a)(I)〜(V)は、型枠体を用いるハニカム部材の作製方法における工程の一部を説明するための模式図であり、(b)は、柱体が立設された型枠体内を模式的に示す上面図である。 (a)は、立体抄造による作製方法で用いる槽を模式的に表した図であり、(b)は、立体抄造による作製方法で使用するプレス板を模式的に表した上面図である。
符号の説明
1、101 ハニカムフィルタ
10 110 ハニカム本体
10a ハニカム部材
10b 110b 端部用部材
11a、11b、111a、111b セル
13、113 セル壁
110a 積層部材
123 ケーシング
G 排ガス

Claims (7)

  1. 複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、前記セルのいずれか一方の端部が目封じされ、一方の端面側から流入したガスが他方の端面側から流出する柱状のハニカム本体と、前記セル壁に担持されたセラミック粒子とを備え、
    前記ハニカム本体のセル壁の気孔率は、75〜95%であり、
    前記セラミック粒子は、前記セル壁の前記ガスの流出側が開口したセル側から前記ガスの流入側が開口したセル側に向かって、濃度が低くなるように担持されていることを特徴とするハニカムフィルタ。
  2. 前記セラミック粒子は、酸化物触媒からなる粒子である請求項1に記載のハニカムフィルタ。
  3. 前記セラミック粒子は、セリアを含む粒子である請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
  4. 前記ハニカム本体は、主に無機繊維からなる請求項1〜3のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
  5. 前記ハニカム本体は、一体成形されたハニカム部材を備えている請求項4に記載のハニカムフィルタ。
  6. 前記ハニカム本体は、貫通孔が設けられた積層部材が、前記貫通孔同士が重なり合うように長手方向に複数枚積層されてなるハニカム部材を備えている請求項4に記載のハニカムフィルタ。
  7. 前記ハニカム本体の両端部には、端部用部材が配設されている請求項1〜6のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
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