JP5240904B2 - ハニカムフィルタ - Google Patents

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本発明は、ハニカムフィルタに関する。
従来、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、パティキュレートマター(以下、PMともいう)が含まれており、近年、このPMが環境や人体に害を及ぼすことが問題となっている。
そこで、排ガス中のPMを捕集して排ガスを浄化するフィルタとして、コージェライト製や炭化珪素製などのセラミックハニカムフィルタを用いたフィルタが種々提案されている。
また、無機繊維からなる積層部材を積層させた積層型のハニカム構造体を用いたハニカムフィルタが知られている(特許文献1、特許文献2)。
このような無機繊維を用いたハニカムフィルタでは、その気孔率を高くすることができるために、圧力損失の低い排ガス浄化フィルタとすることができる。
特許文献1には、主に無機繊維からなる積層部材が多数積層され、積層された積層部材がその両端から端部用部材により加圧されて金属容器内に固定されてなるハニカムフィルタが開示されている。
また、特許文献2には、無機繊維が貫通孔の形成方向に比べて垂直方向により多く配向した積層部材を用いたハニカムフィルタが開示されている。
図10(a)は、従来(特許文献1参照)のハニカムフィルタを構成する積層部材と端部用部材とを模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示す積層部材と端部用部材とを用いてハニカムフィルタを製造する様子を模式的に示す斜視図である。
なお、図10(b)においては、円筒形状の金属容器の上部を省略して描いている。
図10(b)に示すように、特許文献1に記載のハニカムフィルタ300では、図10(a)に示した多数の貫通孔11b及び貫通孔11bを隔てる壁部13bを有するシート状の積層部材10bが、長手方向(図10(b)中、矢印aで示した方向)に貫通孔11bが重なり合うように積層されて積層体110bが形成されている。
ここで、貫通孔11bが重なり合うように積層部材10bが積層されているとは、隣り合う積層部材10bに形成された各貫通孔11b同士が連通するように積層されていることをいう。
そして、積層体110bの端部には貫通孔11cが市松模様に形成された端部用部材10cが配設され、端部用部材10cは積層体110bの長手方向に加圧された状態で金属容器23と固定されている。
従って、積層体110bの連通した貫通孔のいずれか一方の端部は端部用部材10cによって目封じされている。
このような構成のハニカムフィルタ300では、一方の端面側が開口した貫通孔11bに流入した排ガスが壁部13bを通過して他方の端面側が開口した別の貫通孔11bから流出することとなる。排ガスがこのように壁部13bを通過して流れると、排ガス中のPMは壁部13bで捕捉されるため、排ガスが浄化されることとなる。
国際公開第2005/005018号パンフレット 国際公開第2005/000445号パンフレット
ここで、特許文献1又は特許文献2に例示されるようなハニカムフィルタを構成する無機繊維からなる積層部材は、無機繊維、有機バインダ、無機バインダ等に充分量の水を加えたスラリーをメッシュを用いて抄造する方法によって製造されるが、上記方法によって製造される積層部材の表面部には、積層部材の内部に比べて無機繊維が密に分布しやすくなる。
このような積層部材を複数枚積層し、加圧してハニカムフィルタとする場合、無機繊維が密に分布している表面部同士が圧縮されるため、積層部材間の境界面(積層界面)には、他の部分に比べて無機繊維が密に分布することとなる。そして、このような無機繊維が比較的密に分布する部位を排ガスが通過することは、他の部位を排ガスが通過することよりも難しいため、無機繊維が密に分布している積層部材からなるハニカムフィルタは、セラミックを用いたハニカムフィルタよりも圧力損失は低いものの、排ガスを浄化するフィルタとして用いるには、圧力損失が充分低いとは言えないという問題があった。
本発明者らは、上記問題を解決すべく検討した結果、主に無機繊維からなる材料を一体成形してハニカム成形体の長尺体を作製し、上記ハニカム成形体を所定の長さに切断した後、乾燥、熱処理することによって、積層界面を有さない柱状のハニカム構造体を作製することができることを見出した。
図1(a)は、主に無機繊維からなる柱状のハニカム構造体と端部用部材とを模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示すハニカム構造体と端部用部材とを用いてハニカムフィルタを製造する様子を模式的に示す斜視図である。
図1(a)に示すように、ハニカム構造体10aは主に無機繊維100からなる材料が柱状に一体成形されてなり、複数の貫通孔11aが壁部13aを隔てて長手方向に並設されている。また、端部用部材10cには、円盤状の金属部材に貫通孔11cが市松模様状に形成されている。
そして、本発明者らは、図1(b)に示すように、ハニカム構造体10aを金属容器23内に配設するとともに、端部用部材10cを用いてハニカム構造体10aの貫通孔13aの端部のいずれか一方を目封じすることにより、ハニカムフィルタ200とした。
このハニカムフィルタ200は、積層界面を有さないハニカム構造体10aから主に構成されていることから、圧力損失が低いハニカムフィルタとすることができた。
しかしながら、このようなハニカムフィルタにおいては、PMの捕集効率が低くなるという問題があった。そのため、本発明者らは、このようにPMの捕集効率が低くなる原因について検討した。
図2は、図1(b)に示すハニカムフィルタをその長手方向に対して平行な向きに切断した際の端面近傍を模式的に示す拡大断面図である。
ハニカム構造体10aの端面14aを観察すると、ハニカム構造体10aの端面14aは、平らな面ではなく、凹凸を有する面となっていた。また、端部用部材10cの端面14cはほぼ平らな面となっていた。
そして、図2に示すようにハニカムフィルタ200の端面近傍を観察すると、ハニカム構造体10aの端面14aが凹凸を有することに由来して、ハニカム構造体の端面14aと端部用部材10cの端面14cとの間に隙間15が生じていた。
そして、隙間15が生じていると、ハニカムフィルタの一方の端面側が開口した貫通孔11(ガス流入側貫通孔)からハニカムフィルタ200に流入した排ガスGは、本来通るべき経路である壁部13aを通過する経路(矢印Bで示す経路)ではなく、矢印Aで示すような隙間15を通過する経路を通ることがあると考えられた。
そして、矢印Aで示すような隙間15を通過する経路を通った排ガスGは、壁部13aを通過せずにハニカムフィルタの他方の端面側が開口した貫通孔(ガス流出側貫通孔)からハニカムフィルタ200の外に流出してしまうものと考えられ、このことが、PMの捕集効率が低くなる原因と考えられた。
本発明は、上記検討結果を踏まえてなされたものであり、圧力損失が低く、かつ、PMの捕集効率が高いハニカムフィルタを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するための請求項1に記載のハニカムフィルタは、主として無機繊維からなり、複数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設され、各々の貫通孔における端部のいずれか一方が目封じされてなる柱状のハニカムフィルタであって、
上記無機繊維が、貫通孔の形成方向により多く配向し、一体成形された柱状のハニカム構造体と、
上記無機繊維が、貫通孔の形成方向に対して垂直方向により多く配向し、貫通孔が上記ハニカム構造体の貫通孔と重なり合うように上記ハニカム構造体の両端面にそれぞれ積層される積層部材と、
上記ハニカム構造体及び上記積層部材が配設される金属容器と、
上記金属容器の両端部に固定された端部用部材とからなり、
上記金属容器内で、上記ハニカム構造体と上記積層部材とが、上記端部用部材により固定されていることを特徴とする。
この請求項1に記載のハニカムフィルタによると、ハニカムフィルタは、主に無機繊維からなる一体成形された柱状のハニカム構造体から構成される。一体成形されたハニカム構造体には積層界面、すなわち無機繊維が比較的密に分布する部位が存在しないため、圧力損失の低いハニカムフィルタとすることができる。
図3は、請求項1に記載のハニカムフィルタの一例をその長手方向に平行に切断した際の端面近傍を模式的に示した拡大断面図である。
図3に示すハニカムフィルタにおいては、ハニカム構造体10aが金属容器23に配設され、金属容器23の両端部に端部用部材10cが固定されていることに加えて、積層部材10bがハニカム構造体10aの両端面に、すなわちハニカム構造体10aと端部用部材10cとの間に積層されている。
ハニカム構造体10aは、その主な構成材料が無機繊維からなり、ハニカム構造体を構成する無機繊維100(100a)はその貫通孔11aの形成方向により多く配向している。
このようなハニカム構造体10aは、その貫通孔11aの形成方向に加圧された場合、加圧された方向に縮みにくく、また、元に戻ろうとする復元力が小さい部材である。
積層部材10bは、その主な構成材料が無機繊維からなり、積層部材を構成する無機繊維100(100b)はその貫通孔11bの形成方向に対して垂直方向により多く配向している。
このような積層部材10bは、その貫通孔11bの形成方向に加圧された場合、加圧された方向に縮みやすく、また、元の形状に戻ろうとする復元力が大きい部材である。
従って、ハニカムフィルタ1の貫通孔11の形成方向に加圧された場合、ハニカム構造体10aと比べて、積層部材10bの方が、貫通孔の形成方向に大きな弾性を有することとなる。
そして、ハニカム構造体10aが金属容器23に配設され、金属容器23の両端部に端部用部材10cが固定され、積層部材10bがハニカム構造体10aと端部用部材10cとの間に積層されているハニカムフィルタ1においては、ハニカム構造体10aはその貫通孔の形成方向に対し変形しにくいのに対し、積層部材10bは上述したような大きな弾性を有するためにハニカム構造体10aの端面14aに存在する凹凸の形状や端部用部材10cの端面14cの形状に合わせて変形した状態で存在することができる。
すなわち、積層部材10bは、ハニカム構造体10aと端部用部材10cとの間に積層されることによってハニカム構造体10aの端面14a及び端部用部材10cの端面14cと密着し、ハニカム構造体10aと端部用部材10cとの間に生じた隙間を埋める役割を果たすこととなる。
このように積層部材10bとハニカム構造体10aとの間、及び、積層部材10bと端部用部材10cとの間が密着したハニカムフィルタ1においては、各部材間の隙間が無いように各部材を積層することができるので、貫通孔11からハニカムフィルタ1に流入した排ガスGは各部材間の隙間に流入せずに、矢印Cで示すように壁部13(ハニカム構造体10aの壁部13a又は積層部材10bの壁部13b)を通過して別の貫通孔11からハニカムフィルタ1から流出することとなる。そのため、壁部13で排ガスG中のPMが捕集されて、PMの捕集効率の高いハニカムフィルタとすることができる。
請求項2に記載のハニカムフィルタでは、上記ハニカム構造体の端面に積層される上記積層部材の貫通孔の形成方向における全体の長さが、一方の端面側及び他方の端面側で、それぞれ上記ハニカム構造体の貫通孔の形成方向における長さの1〜10%である。
上記積層部材の貫通孔の形成方向における全体の長さが、一方の端面側及び他方の端面側で、それぞれ上記ハニカム構造体の貫通孔の形成方向における長さの1%以上であると、
積層部材がハニカム構造体の端面に存在する凹凸の形状や端部用部材の端面の形状に合わせて充分に変形した状態で存在することができる。
そのため、上記ハニカム構造体と上記積層部材とが密着し、かつ、上記積層部材と上記端部用部材との間が密着したハニカムフィルタとすることができる。
従って、排ガスが各部材間の隙間に流入することが少なく、PMの捕集効率が高いハニカムフィルタとすることができる。
また、上記積層部材の貫通孔の形成方向における全体の長さが、一方の端面側及び他方の端面側で、それぞれ上記ハニカム構造体の貫通孔の形成方向の長さの10%以下であると、貫通孔の形成方向における長さが同じ積層部材を複数枚積層させる場合に、ハニカムフィルタを構成する上記積層部材の積層枚数を少なくすることができ、無機繊維が密に分布している積層界面の数をより少なくすることができる。従って、圧力損失のより低いハニカムフィルタとすることができる。
請求項3のハニカムフィルタでは、上記ハニカム構造体の貫通孔と上記積層部材の貫通孔とが重なり合うように連通してなる貫通孔の端部のいずれか一方が、上記端部用部材によって目封じされている。
この請求項3に記載のハニカムフィルタにおいては、ハニカム構造体の貫通孔と積層部材の貫通孔が連通してなる貫通孔のいずれか一方の端部が端部用部材によって目封じされているため、ハニカム構造体の壁部及び積層部材の壁部で排ガス中のPMを捕集することができる。
請求項4のハニカムフィルタでは、上記ハニカム構造体の貫通孔の端部のいずれか一方が、上記端部用部材及び上記積層部材によって目封じされている。
この請求項4に記載のハニカムフィルタにおいては、積層部材及び上記端部用部材により、上記ハニカム構造体の貫通孔の端部のいずれか一方が目封じされているため、ハニカム構造体の貫通孔の端部がより確実に目封じされる。
請求項5に記載のハニカムフィルタにおいて、上記端部用部材は、溶接及び/又はネジによって、上記金属容器と固定されている。
請求項5に記載のハニカムフィルタでは、上記金属容器と上記端部用部材とが強固に固定されるので、上記積層部材の貫通孔の形成方向に強い圧力が加わって、上記積層部材がその弾性によって変形しやすくなる。その結果、各部材同士がより密着することとなる。
請求項6に記載のハニカムフィルタにおいては、上記ハニカムフィルタに触媒が担持されている。
請求項6に記載のハニカムフィルタでは、上記ハニカムフィルタに触媒が担持されているため、上記触媒と上記ハニカムフィルタに捕集されたPMとが接触することによって、上記ハニカムフィルタの再生処理でPMの燃焼に必要な活性化エネルギーを低下させることができる。このため、より低温で効率良く、PMを燃焼させることができる。また、上記触媒が担持された上記ハニカムフィルタは、排ガス中の又はPMの燃焼過程において発生したCO、HC及びNOx等を浄化するための触媒コンバータとしても機能することができる。
(第一実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第一実施形態について、図4、図5を参照しながら説明する。
図4(a)は、本発明のハニカムフィルタの一例を模式的に示した斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示すハニカムフィルタのD−D線断面図である。
図5(a)は、本発明のハニカムフィルタを構成するハニカム構造体、積層部材及び端部用部材の一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示すハニカム構造体、積層部材及び端部用部材を用いてハニカムフィルタを製造する様子を模式的に示す斜視図である。
図4(a)に示すように、ハニカムフィルタ1は円柱形状であり、その側面部分は金属容器23により構成され、また、その端面部分は端部用部材10cにより構成されている。
また、金属容器23の内部には、図4(b)及び図5(b)に示すように、ハニカム構造体10aと、ハニカム構造体10aの両端面に位置する積層部材10bとが配設されている。
このハニカムフィルタ1においては、図4(b)に示すように、端部用部材10cの貫通孔11c、積層部材10bの貫通孔11b、ハニカム構造体10aの貫通孔11aが連通してなる貫通孔11が形成されており、貫通孔11の一端が端部用部材10cによって目封じされている。
また、積層部材10bの壁部13b、ハニカム構造体10aの壁部13aからなる壁部13が形成されており、各貫通孔11は壁部13によって隔てられている。
このため、一の貫通孔11に流入した排ガスは、必ず貫通孔11を隔てる壁部13を通過した後、他の貫通孔11から流出するようになっている。従って、排ガスがこの壁部13を通過する際にPMが壁部13の内部で捕集され、排ガスが浄化されることとなる。
以下、ハニカムフィルタ1を構成する各部材について詳しく説明する。
まず、ハニカム構造体10aについて説明する。図5(a)に示すように、ハニカム構造体10aは、主に無機繊維100(100a)が一体成形された構造体として成形されたものであり、その形状は円柱形状である。そして、その内部には、ハニカム構造体10aの長手方向と平行な方向に一方の端面から他方の端面まで貫通し、壁部13aにより隔てられた多数の貫通孔11aを有している。また、ハニカム構造体10aを構成する無機繊維100(100a)は、貫通孔11aの形成方向により多く配向している。
ここで、無機繊維の配向について図面を用いて説明する。
図6(a)は、図5(a)に示すハニカム構造体の正面図であり、(b)は、(a)に示すハニカム構造体のE−E線断面図である。
無機繊維が貫通孔の形成方向により多く配向しているとは、図6(b)に示すように、図6(a)に示すハニカム構造体10aを壁部13aに沿って切断したE−E線破断面を観察した際に、無機繊維100のうち、貫通孔11aの形成方向と無機繊維の繊維方向とのなす角度αが0〜45°となるように配向している無機繊維100aを貫通孔の形成方向に配向している無機繊維とし、上記角度αが45〜90°となるように配向している無機繊維100bを貫通孔の形成方向に対して垂直方向に配向している無機繊維とした際に、貫通孔の形成方向に配向している無機繊維100aが貫通孔の形成方向に対して垂直方向に配向している無機繊維100bよりも多いことを意味する。
なお、ハニカム構造体の破断面における無機繊維の配向の確認は、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて行うことができる。
また、ハニカム構造体10aは、主に無機繊維からなる部材であるが、ハニカム構造体10aには無機繊維の他に無機物が含まれ、この無機物を介して無機繊維同士が固着されることによってその形状が保持されている。
次に、積層部材10bについて説明する。図5(a)に示すように、積層部材10bは、主に無機繊維からなる円盤状のシート状物であり、その端面14bの直径は、円柱状のハニカム構造体10aの端面14aの直径と略同一である。そして、積層部材10bの一方の端面から他方の端面まで貫通し、壁部13bにより隔てられた多数の貫通孔11bを有している。
また、積層部材10bを構成する無機繊維100は、貫通孔11bの形成方向に対して垂直方向により多く配向している。
なお、積層部材10bの無機繊維の配向方向を定める方法は、上述したハニカム構造体10aについて無機繊維の配向を定めた方法と同様であり、無機繊維が貫通孔の形成方向に対して垂直方向により多く配向しているとは、貫通孔の形成方向に対して垂直方向に配向している無機繊維100bが貫通孔の形成方向に配向している無機繊維100aよりも多いことを意味する。
また、積層部材10bは、主に無機繊維からなる部材であるが、積層部材10bには無機繊維の他に無機物が含まれ、この無機物を介して無機繊維同士が固着されることによってその形状が保持されている。
次に、金属容器23について説明する。金属容器23は、主に金属からなり、図5(b)に示すように、その形状は、円筒状である。そして、その内径は、ハニカム構造体10aの端面14a及び積層部材10bの端面14bの直径と略同一となっており、また、その長さは、ハニカム構造体10aの長手方向の長さと略同一となっている。なお、図5(b)においては、金属容器23を形成する筒部の上部を省略して描いているものである。
続いて、端部用部材10cについて説明する。端部用部材10cは、主に金属からなり、図5(a)に示すように、その形状は、円盤状である。また、その端面14cの直径は、金属容器23の外径と略同一である。さらに、端部用部材10cの一方の端面から他方の端面まで貫通した貫通孔11cが、市松模様状に形成されている。
以上述べた各部材からなるハニカムフィルタ1の構成について、図5(b)を用いて説明する。
図5(b)に示すように、ハニカムフィルタ1においては、金属容器23内でハニカム構造体10aのそれぞれの端面14aに3枚ずつ積層部材10bが積層されている。
このとき、ハニカム構造体10aと全ての積層部材10bとは、それぞれの貫通孔の位置が重なり合うように位置を合わせて積層されている。即ち、ハニカム構造体10aの貫通孔11a及び6枚の積層部材10bの貫通孔11bが全て重なり合うように連通していることとなる。
ハニカムフィルタ1においては、最も外側に位置する積層部材10bのさらに外側に端部用部材10cが1枚ずつ配設されている。そして、端部用部材10cの側面14cと金属容器23の端部とが溶接によって固定されている。
市松模様状に形成された貫通孔11cを有する端部用部材10cは、貫通孔11cと積層部材10bの貫通孔11bとの位置が重なるように、かつ、ハニカムフィルタ1の両端の端部用部材10cの貫通孔11c同士の位置が重ならないように固定されている。端部用部材10cがこのような位置に固定されていることによって、ハニカム構造体10aと積層部材10bの貫通孔が連通してなる貫通孔の一方の端部が目封じされることとなる。
従って、ハニカムフィルタ1の貫通孔11は、隣り合う貫通孔11同士がそれぞれ異なる端部で互い違いに目封じされていることとなる。
以下、本実施形態のハニカムフィルタ1の製造方法について説明する。
(1)ハニカム構造体の作製工程
まず、アルミナファイバ、ガラスファイバ、有機バインダ、可塑剤、潤滑剤及び水を混合し、充分攪拌することによって、混合物を調製する。
次に、上記混合物をプランジャー式押出成形機の混合物タンクよりシリンダー内に投入し、ピストンをダイス側に押し込んで円柱状のダイスより混合物を押し出し、複数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設された円柱状のハニカム成形体の長尺体を作製する。
次に、上記ハニカム成形体の長尺体を、切断ディスクが切断部材として備えられた切断装置により所定の長さに切断した後、得られたハニカム成形体をマイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機により、100〜200℃、大気雰囲気下、5〜60分乾燥する。
次に、上記乾燥させたハニカム成形体を脱脂炉中で、200〜600℃、大気雰囲気、1〜5時間脱脂した後、焼成炉中で、900〜1050℃で焼成する。
さらに、得られたハニカム成形体を1〜10mol/lの塩酸溶液に、0.5〜24時間浸漬させることによって酸処理を施した後に、再度焼成炉中で、900〜1050℃で焼成することにより、ハニカム構造体10aを作製する。
このようにして作製したハニカム構造体は、無機繊維が貫通孔の形成方向により多く配向したハニカム構造体となる。
(2)積層部材の作製工程
まず、アルミナファイバを水に分散させ、そのほかに無機バインダ、有機バインダを添加する。さらに、凝結剤、凝集剤をともに少量添加し、充分撹拌することにより抄造用スラリーを調製する。
上記工程で得られた抄造用スラリーを、円形の穴開きメッシュにより抄き、得られたものを100〜200℃で乾燥する。これにより、積層部材の一方の面から他方の面まで貫通し、壁部により隔てられた多数の貫通孔を有するシート状の積層部材を作製する。このようにして作製した積層部材10bは、無機繊維が貫通孔の形成方向に対して垂直方向により多く配向した積層部材となる。
(3)端部用部材の作製工程
主にステンレス等の金属からなる略円盤形状の多孔質金属板を準備し、これをレーザ加工することによって、図5(a)に示すように貫通孔が市松模様状に形成された端部用部材を作製する。
(4)積層工程
まず、金属容器の一方の端部に端部用部材の端面を合わせて1つ配設し、溶接により固定する。
次に、この金属容器を、端部用部材を固定した面が下になるように立てて、この端部用部材の貫通孔と積層部材の貫通孔とが重なり合い、かつ、それぞれの積層部材の貫通孔同士が重なり合うように、金属容器内に積層部材を3枚積層する。
次に、ハニカム構造体を、ハニカム構造体の貫通孔が積層部材の貫通孔と重なり合うようにして金属容器内に積層する。
さらに、このハニカム構造体の上側に露出した端面上に、ハニカム構造体の貫通孔と積層部材の貫通孔とが重なり合うように、かつ、それぞれの積層部材の貫通孔同士が重なり合うようにして積層部材を3枚積層する。
その後、端部用部材をその貫通孔が積層部材の貫通孔(下側の端部用部材の貫通孔とその位置が重なっていない貫通孔)と重なり合うように、積層部材の端面の上に積層する。
(5)加圧工程
このように各部材を積層した状態では、最上部に位置する端部用部材は金属容器の端部よりも上方に存在しているため、端部用部材の上面に対して下向きに、すなわち貫通孔の形成方向に平行の向きに圧力を加える。すると、積層部材がその弾性によって変形するため、端部用部材が金属容器と接触する位置まで下方に移動する。この加圧工程では、端部用部材が下方に移動して金属容器と接した時点で圧力を弱めて、端部用部材がその位置から移動しないようにする。
(6)固定工程
端部用部材と金属容器とが接している状態で、端部用部材と金属容器の端部とを溶接して固定する。以上の工程により円柱状のハニカムフィルタを製造する。
以下、第一実施形態のハニカムフィルタについての作用効果を列挙する。
(1)ハニカムフィルタが主に無機繊維からなる一体成形された柱状のハニカム構造体から構成されており、一体成形されたハニカム構造体には積層界面、すなわち無機繊維が比較的密に分布する部位が存在しないため、圧力損失の低いハニカムフィルタとすることができる。
(2)積層部材を構成する無機繊維が貫通孔の形成方向に対して垂直方向により多く配向しているため、積層部材はその貫通孔の形成方向に加圧された場合に元の形状に戻ろうとする復元力(弾性)が大きい。
また、ハニカム構造体は無機繊維が貫通孔の形成方向により多く配向しており、その貫通孔の形成方向に加圧された場合に縮みにくく、また、復元力(弾性)が小さい。
また、端部用部材は、加圧によりほとんど縮むことがなく、また、復元力(弾性)を有さない。
そして、本実施形態のハニカムフィルタでは、このような大きな弾性を有する積層部材が小さな弾性しか有さないハニカム構造体と端部用部材との間に積層されているため、積層部材がハニカム構造体の凹凸の形状や端部用部材の端面の形状に合わせて変形した状態で存在することができ、ハニカム構造体と積層部材とが密着し、積層部材と端部用部材とが密着するので、ハニカムフィルタに流入させた排ガスが各部材間の隙間に流入することがない。従って、PMの捕集効率の高いハニカムフィルタとすることができる。
(3)また、本実施形態のハニカムフィルタは、その両端部に端部用部材が配設されており、ハニカム構造体の貫通孔と積層部材の貫通孔が連通してなる貫通孔のいずれか一方の端部が端部用部材によって目封じされている。
そのため、ハニカム構造体の壁部及び積層部材の壁部で排ガス中のPMを捕集することができ、PMの捕集効率が高いハニカムフィルタとすることができる。
以下、本発明の第一実施形態をより具体的に開示した実施例を示すが、本実施形態はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)ハニカム構造体の作製
(1−1)混合工程
まず、アルミナ72%とシリカ28%とからなるアルミナファイバ(平均繊維長:0.3mm、平均繊維径:5μm)12.3重量部、ガラスファイバ(平均繊維径:9μm、平均繊維長:3mm)6.2重量部、有機バインダ(メチルセルロース)11.7重量部、造孔剤(アクリル樹脂)7.1重量部、可塑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)を8.1重量部、潤滑剤(グリセリン)を3.8重量部及び水50.9重量部を混合し、充分撹拌することにより混合物を調製した。
(1−2)押出成形工程
(1−1)で得られた混合物をプランジャー式押出成形機の混合物タンクよりシリンダー内に投入し、ピストンをダイス側に押し込んでダイスより混合物を押し出し、貫通孔を有する、円柱状のハニカム成形体の長尺体を作製した。
(1−3)切断工程
(1−2)で得られた円柱状のハニカム成形体の長尺体を、切断ディスクを切断部材として備えた切断装置を用いて切断した。これにより、ハニカム成形体を得た。
(1−4)乾燥工程
(1−3)で得られた円柱状のハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機により、大気雰囲気下、200℃で3時間乾燥処理し、ハニカム成形体中に含まれる水分を除去した。
(1−5)脱脂工程
(1−4)で得られた円柱状のハニカム成形体を、電気炉中で、大気雰囲気下、400℃で3時間加熱処理し、ハニカム成形体中に含まれる有機物を除去した。
(1−6)熱処理及び酸処理工程
(1−5)で得られた円柱状のハニカム成形体に対し、焼成炉中で、大気雰囲気下、950℃で5時間の条件で加熱処理を行った。
その後、得られたハニカム成形体を90℃、4mol/lのHCl溶液に1時間浸漬することにより酸処理を施し、さらに、1050℃、5時間の条件で再度熱処理を行って、長手方向に平行な方向に4.5mm×4.5mmの貫通孔を有する、直径160mm、貫通孔の形成方向における長さが58mmの大きさのハニカム構造体を作製した。
なお、このようにして作製したハニカム構造体の無機繊維の配向方向を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、図7に示すように無機繊維の配向方向が確認でき、無機繊維は貫通孔の形成方向により多く配向していた。
図7は、ハニカム構造体の貫通孔の表面より1.5mm内部の壁内の状態を示したSEM写真である。
(2)積層部材の作製
(2−1)抄造用スラリーの調製工程
アルミナファイバを水1リットルに対して10gの割合で分散させ、そのほかに無機バインダとして、シリカゾルをファイバの量に対して5wt%、有機バインダとしてアクリルラテックスを3wt%の割合で添加した。さらに、凝結剤として硫酸アルミニウム、凝集剤としてポリアクリルアミドを、ともに少量添加し、充分撹拌することにより抄造用スラリーを調製した。
(2−2)抄造工程
(2−1)で得られた抄造用スラリーを、4.5mm×4.5mmの穴が互いに2mmの間隔でほぼ全面に形成された直径160.0mmの穴開きメッシュにより抄き、得られたものを150℃で乾燥することにより、4.5mm×4.5mmの貫通孔が互いに2mmの間隔で全面に形成された1mmの厚さの積層部材を作製した。
この積層部材を積層部材Aとした。
なお、このようにして作製した積層部材Aの無機繊維の配向方向を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、無機繊維は貫通孔の形成方向に対して垂直方向により多く配向していた。
(3)端部用部材の作製
(3−1)端部用部材の作製工程
Ni−Cr合金製金属板を、直径165mm×厚さ1mmの円盤状に加工した後、レーザ加工することで、4.5mm×4.5mmの孔が市松模様に形成された端部用部材を作製した。この工程で、端部用部材は2枚作製し、それぞれの端部用部材には、下記の積層工程で端部用部材を積層した際に、ハニカムフィルタの排ガスの入口側の端面と出口側の端面とで封止箇所が異なる形態となるように、互いに異なる位置に貫通孔を形成した。
(4)ハニカムフィルタの製造
(4−1)積層工程
外径165mm(内径160mm)×長さ60mmの円筒状のケーシング(金属容器)の一方の端部に、上記(3)の工程で得た端部用部材を1つ配設し、溶接により固定した。このケーシングを端部用部材を固定した面が下になるように立てた。この端部用部材の貫通孔と積層部材の貫通孔とが重なり合い、かつ、それぞれの積層部材の貫通孔同士が重なり合うように、上記(2)の工程で得た積層部材Aをケーシング内に3枚積層した。次に、上記(1)の工程で作製したハニカム構造体を、ハニカム構造体の貫通孔が、上記積層部材の貫通孔と重なり合うようにケーシング内に積層した。さらに、このハニカム構造体の上に、ハニカム構造体の貫通孔と積層部材の貫通孔が重なり合うように、かつ、それぞれの積層部材の貫通孔同士が重なり合うように、積層部材を3枚積層した。
その後、もう1つの端部用部材をその貫通孔が積層部材の貫通孔と重なり合うように積層部材の端部に積層した。
(4−2)加圧工程、固定工程
この端部用部材をケーシングと端部用部材とが接するまで加圧し、溶接により金属容器の端部と端部用部材とを固定することによって、上記ハニカム構造体及び上記積層部材を金属容器内に固定し、直径165mm×長さ62mmのハニカムフィルタを製造した。
なお、この工程ではハニカムフィルタの排ガスの入口側の端部と出口側の端部とで封止箇所が異なるように(重なりあった貫通孔のいずれか一方のみが封止されるように)、端部用部材を配設した。
(比較例1)
円柱状のハニカム構造体を用いずに、上記(2)の工程で作製した積層部材Aのみを金属容器内に積層した他は実施例1と同様にして、図10(b)に示すような構成のハニカムフィルタを製造した。なお、積層部材Aは計96枚積層した。
(比較例2)
積層部材を用いずに、上記(1)と略同様にして作製した直径160mm、貫通孔の形成方向における長さが、60mmの大きさのハニカム構造体のみを金属容器内に積層した他は実施例1と同様にして、図1(b)に示すような構成のハニカムフィルタを製造した。
各実施例及び比較例で製造したハニカムフィルタについて、圧力損失とPMの捕集効率の測定を行い、その特性を評価した。
(圧力損失の評価)
図8に示したような圧力損失測定装置170を用いて圧力損失を測定した。図8は、圧力損失測定装置の説明図である。
この圧力損失測定装置170は、送風機176の排気ガス管177に、ハニカムフィルタ1を固定して配置し、ハニカムフィルタ1の前後の圧力を検出可能にするため、圧力計178を取り付けたものである。
そして、送風機176を排気ガスの流速が10m/sになるように運転し、運転開始から5分後の差圧(圧力損失)を測定した。
その結果、実施例1、比較例1、2で製造したハニカムフィルタの圧力損失はそれぞれ40kPa、47kPa、38kPaであった。
(PMの捕集効率の評価)
図9に示したようなPMの捕集効率測定装置230を用いてPMの捕集効率を測定した。図9は、PMの捕集効率測定装置の説明図である。
このPMの捕集効率測定装置230は、2L(リットル)のコモンレール式ディーゼルエンジン231と、エンジン231からの排ガスを流通する排ガス管232と、ハニカムフィルタ1を流通する前の排ガスをサンプリングするサンプラー235と、ハニカムフィルタ1を流通した後の排ガスをサンプリングするサンプラー236と、サンプラー235、236によりサンプリングされた排ガスを希釈する希釈器237と、希釈された排ガスに含まれるPMの量を測定するPMカウンタ238(TSI社製、凝集粒子カウンタ3022A−S)とを備えた走査型モビリティ粒子径分析装置(Scanning Mobility Particle Sizer SMPS)として構成されている。
そして、ハニカムフィルタ1が排ガス管232の途中に固定して配置されている。
次に、測定手順を説明する。エンジン231を回転数が2000min−1、トルクが47Nmとなるように運転し、エンジン231からの排ガスをハニカムフィルタ1に流通させた。このとき、ハニカムフィルタ1を流通する前のPM量Pと、ハニカムフィルタ1を通過した後のPM量PとをPMカウンタ238を用いて測定した。そして、下記計算式を用いてPMの捕集効率を算出した。
PMの捕集効率(%)=(P−P)/P×100
その結果、実施例1、比較例1、2で製造したハニカムフィルタのPMの捕集効率はそれぞれ、80%、78%、65%であった。
これらの結果から、実施例1のハニカムフィルタでは、圧力損失が低く、かつ、PMの捕集効率が高いハニカムフィルタとすることができた。
これに対し、比較例1のハニカムフィルタでは、圧力損失が高くなっていた。
また、比較例2のハニカムフィルタでは、PMの捕集効率が低くなっていた。
(第二実施形態)
次に、本発明の一実施形態である第二実施形態について説明する。
本実施形態では、第一実施形態におけるハニカム構造体の端面に積層される積層部材の貫通孔の形成方向における全体の長さが、一方の端面側及び他方の端面側で、それぞれハニカム構造体の貫通孔の形成方向における長さの1〜10%となっている。
本実施形態においても、第一実施形態において説明した効果(1)〜(3)を発揮することができる。
また、以下の効果を発揮することができる。
(4)本実施形態のハニカムフィルタは、ハニカム構造体の端面に積層される積層部材の貫通孔の形成方向における全体の長さが、一方の端面側及び他方の端面側で、それぞれ上記ハニカム構造体の貫通孔の形成方向における長さの1%以上である。
よって、積層部材がハニカム構造体の端面に存在する凹凸の形状や端部用部材の端面の形状に合わせて充分に変形した状態で存在することができる。
そのため、上記ハニカム構造体と上記積層部材とが密着し、かつ、上記積層部材と上記端部用部材との間が密着したハニカムフィルタとすることができる。
従って、排ガスが各部材間の隙間に流入することが少なく、PMの捕集効率が高いハニカムフィルタとすることができる。
(5)また、積層部材の貫通孔の形成方向における全体の長さが、一方の端面側及び他方の端面側で、それぞれハニカム構造体の貫通孔の形成方向における長さの10%以下である。
そのため、貫通孔の形成方向における長さが同じ積層部材を複数枚積層させる場合に、ハニカムフィルタを構成する上記積層部材の積層枚数を少なくすることができ、無機繊維が密に分布している積層界面の数をより少なくすることができる。
従って、圧力損失のより低いハニカムフィルタとすることができる。
以下、本発明の第二実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本実施形態は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
各実施例及び参考例においては、ハニカム構造体の両端面側に積層する積層部材の長さ(貫通孔の形成方向における全体の長さ)を変更してハニカムフィルタを製造し、その特性を評価した。
(実施例2、3、参考例1〜4)
まず、実施例1の工程(2)における抄造の条件を変更し、貫通孔の形成方向における長さが0.5mmである積層部材を作製した。
この積層部材を積層部材Bとした。
ハニカムフィルタとした後の、一の端面側でのハニカム構造体の貫通孔の形成方向における長さに対する積層部材の貫通孔の形成方向における全体の長さの割合(%)(表1には、積層部材の割合と表記)が、表1に示す値となるように、ハニカム構造体の左側端面、右側端面に積層部材A又は積層部材Bをそれぞれ表1に示す枚数だけ積層し、ハニカム構造体の貫通孔の形成方向における長さを表1に示す長さに変更した他は、実施例1と同様にして、ハニカムフィルタを製造した。そして、製造した各ハニカムフィルタについて、圧力損失とPMの捕集効率を測定した。その結果を実施例1及び比較例1、2の結果と合わせて表1に示した。
Figure 0005240904
表1の結果から、実施例1〜3で製造したハニカムフィルタは、圧力損失がきわめて低く、PMの捕集効率がきわめて高くなっていることがわかる。
これに対し、参考例1、2で製造したハニカムフィルタでは、片方又は両方の端面側に積層した積層部材の長さが1%未満であったため、PMの捕集効率がやや低くなっていた。
また、参考例3、4で製造したハニカムフィルタでは、片方又は両方の端面側に積層した積層部材の長さが10%を超えていたため、圧力損失がやや高くなっていた。
(第三実施形態)
次に、本発明の一実施形態である第三実施形態について説明する。
本実施形態では、第一実施形態において、ハニカム構造体の貫通孔と積層部材の貫通孔が連通してなる貫通孔の端部のいずれか一方が端部用部材によって目封じされた構成となっていることに代えて、ハニカム構造体の貫通孔の端部のいずれか一方が、端部用部材及び積層部材により目封じされた構成を有している。
本実施形態において用いられる積層部材は、ハニカム構造体の貫通孔と略同形状の貫通孔が市松模様状に、すなわちハニカム構造体の貫通孔の半分の数だけ形成されている。これは、第一実施形態における端部用部材の貫通孔の配置と略同様である。
本実施形態におけるハニカムフィルタの製造方法において、このような形状の積層部材を作製する方法としては、例えば、所定形状の穴が市松模様状に形成されているメッシュを用いて、第一実施形態で用いたものと同様の組成の抄造用スラリーを抄造する方法等が挙げられる。
そして、上記方法等によって作製した積層部材を、その貫通孔の位置を端部用部材の貫通孔の位置と合わせて配置する他は、第一実施形態と同様の方法を用いることによってハニカムフィルタを製造することができる。
本実施形態においても、第一実施形態において説明した効果(1)〜(3)を発揮することができる。
(第四実施形態)
次に、本発明の一実施形態である第四実施形態について説明する。
本実施形態では、第一実施形態に加えて、ハニカム構造体を構成する無機繊維及び/又は積層部材を構成する無機繊維に触媒が担持された構成を有している。
ハニカム構造体の無機繊維に触媒を担持させる方法としては、ハニカム構造体を触媒を適量含む溶液に5分間浸漬し、その後、500℃で焼成処理を施すことで、酸化物触媒として無機繊維に担持させる方法が挙げられる。
また、積層部材の無機繊維に触媒を担持させる方法としては、無機繊維を触媒を含む無機酸化物スラリーに含浸させた後、500℃で加熱することにより触媒が付着した無機繊維を調製し、この無機繊維を用いて積層部材を作製する方法が挙げられる。
本実施形態においても、第一実施形態において説明した効果(1)〜(3)を発揮することができる。
また、以下の効果を発揮することができる。
(6)本実施形態のハニカムフィルタは、触媒が担持されているため、上記触媒とハニカムフィルタに捕集されたPMとが接触することによって、上記ハニカムフィルタの再生処理でPMの燃焼に必要な活性化エネルギーを低下させることができる。
従って、より低温で効率良く、PMを燃焼させることができる。
また、上記触媒が担持された上記ハニカムフィルタは、排ガス中の又はPMの燃焼過程において発生したCO、HC及びNOx等を浄化するための触媒コンバータとしても機能することができる。
(その他の実施形態)
本発明のハニカムフィルタを構成するハニカム構造体、積層部材及び端部用部材、並びに、本発明のハニカムフィルタの長手方向に対して垂直な断面形状は、特に円形に限られるものではなく、矩形等、種々の形状とすることができるが、曲線のみ又は曲線と直線とで囲まれた形状であることが望ましい。
その具体例として、円形以外には、例えば、楕円形、長円形(レーストラック形)、楕円形又は長円形等の単純閉曲線の一部が凹部を有する形状(concave形状)等を挙げることができる。
本発明のハニカムフィルタの開口率の望ましい値は、下限が30%であり、上限が60%である。
上記開口率が30%未満では、ハニカムフィルタに排ガスが流入出する際の圧力損失が大きくなる場合があり、60%を超えると、ハニカムフィルタを構成するハニカム構造体及び積層部材の強度が低下したりする場合がある。
上記ハニカム構造体は、主に無機繊維からなるとともに、この無機繊維と無機物とからなることが望ましい。
上記無機繊維の材質としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物セラミック、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の窒化物セラミック、炭化珪素等の炭化物セラミック、玄武岩等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、炭化珪素、アルミナ、玄武岩、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア及びジルコニアよりなる群から選ばれた少なくとも1種が望ましい。
これらを用いたハニカム構造体は耐熱性に優れるからである。
上記無機物としては、例えば、上記無機繊維が溶融又は昇華しない温度で溶融するものを用いることができる。また、上記無機物は、上記無機繊維の耐熱温度以下で溶融するものが望ましい。
上記無機物としては、シリカを含有するものが望ましく、その具体例としては、例えば、珪酸ガラス、珪酸アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス等の無機ガラス等が挙げられる。
また、上記ハニカム構造体においては、無機物が溶融固化することで、無機繊維同士の交差部分又はその近傍を固定していることが望ましい。
上記無機物が溶融固化して上記無機繊維同士を固定することで、上記無機繊維同士の結合強度が高くなり、上記無機繊維の解繊がさらに防止されて、上記ハニカム構造体の強度がより向上することとなるからである。
上記ハニカム構造体の引張強度は、0.3MPa以上であることが望ましく、0.4MPa以上であることがより望ましい。
上記引張強度が0.3MPa未満では、上記ハニカム構造体をハニカムフィルタに用いた場合に、充分な信頼性を得ることができない場合がある。
なお、上記引張強度は、上記ハニカム構造体をシート状に加工し、その両端を治具で固定し、インストロン型万能試験機により測定することができる。
上記ハニカム構造体の無機繊維の繊維長の望ましい下限値は0.1mmであり、望ましい上限値は100mmである。
上記繊維長が0.1mm未満では、無機繊維同士を無機物を介して固着することが困難になり、充分な強度を得ることができない場合があり、一方、上記繊維長が100mmを超えると、均質なハニカム構造体を作製することが難しく、充分な強度を有するハニカム構造体とすることができない場合があるからである。
上記繊維長のより望ましい下限値は0.5mmであり、より望ましい上限値は50mmである。
上記無機繊維の繊維径の望ましい下限値は0.3μmであり、望ましい上限値は30μmである。
上記繊維径が0.3μm未満では、無機繊維自身が折れ易く、その結果、得られたハニカム構造体が風食され易くなり、一方、上記繊維径が30μmを超えると、無機繊維同士が無機物を介して固着することが困難になり、充分な強度を得ることができない場合がある。上記繊維径のより望ましい下限値は0.5μmであり、より望ましい上限値は15μmである。
上記ハニカム構造体のみかけの密度は、望ましい下限が0.04g/cmであり、望ましい上限が0.4g/cmである。
0.04g/cm未満では、強度が不充分となり破壊されやすくなることがある。また、0.4g/cm以下では、連続的にPMを燃焼させるのにより適しているので望ましい。
なお、みかけ密度とは、試料の質量(g)を試料のみかけ容積(cm)で除した値をいい、みかけ容積とは、試料の貫通孔と気孔とを含んだ容積をいう。
上記ハニカム構造体の気孔率は、望ましい下限が75%であり、望ましい上限が95%である。
上記気孔率が75%未満であると、ハニカムフィルタの再生時にPMを燃焼させるのに必要な温度までハニカムフィルタ内温度が上昇しにくく、また、PMが気孔内部まで入り込みにくいので、ハニカムフィルタの連続再生能力が低下するおそれがある。一方、気孔率が95%を超えると気孔の占める割合が大きくなり、ハニカム構造体全体の強度を維持することができにくくなる。
また、上記ハニカム構造体の平均気孔径は、特に限定されず、望ましい下限は1μmであり、望ましい上限は100μmである。1μm未満では、貫通孔の壁部(セル壁)内部の深層においてPMが濾過されず、セル壁内部に担持した触媒と接触することができない場合がある。一方、100μmを超えると、PMが気孔を通り抜けてしまい、これらPMを充分に捕集することができず、フィルタとして機能しないことがある。
なお、気孔率や平均気孔径は、水銀ポロシメータを用いた水銀圧入法、アルキメデス法、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等の従来公知の方法により測定することができる。
また、上記ハニカム構造体において、隣接する貫通孔間の距離(すなわち、壁部の厚さ)は、0.2mm以上であることが望ましい。0.2mm未満では、ハニカム構造体の強度が低下することがあるからである。
一方、上記隣接する貫通孔間の距離(セル壁の厚さ)の望ましい上限は5.0mmである。セル壁の厚さが厚すぎると貫通孔(セル)の開口率及び/又は濾過面積が小さくなり、それに伴って圧力損失が増加することがある。また、PMを燃焼させた際に生じるアッシュが、気孔に深く入り込んで抜けにくくなる。
上記ハニカム構造体において、貫通孔の形成方向に対して垂直な面における貫通孔(セル)の密度は特に限定されず、望ましい下限は、0.16個/cm(1.0個/in)、望ましい上限は、93個/cm(600個/in)、より望ましい下値は、0.62個/cm(4.0個/in)、より望ましい上限は、77.5個/cm(500個/in)である。
また、上記ハニカム構造体において、貫通孔の形成方向に対して垂直な面における貫通孔の大きさは特に限定されないが、望ましい下限は0.8mm×0.8mm、望ましい上限は16.0mm×16.0mmである。
また、上記ハニカム構造体を構成する貫通孔の内表面に凹凸を形成した場合、濾過面積が大きくなり、PMを捕集した際の圧力損失をさらに低くすることが可能となると考えられる。また、凹凸により排ガスの流れを乱流にすることができるため、ハニカムフィルタ内の温度差を小さくし、熱応力による損傷を効果的に防止することができると考えられる。
なお、上記貫通孔の平面視形状については特に四角形に限定されず、例えば、三角形、六角形、八角形、十二角形、円形、楕円形、星型等の形状を挙げることができる。
また、上記ハニカム構造体は、耐熱温度が1200℃以上であることが望ましい。
上記耐熱温度が1200℃未満では、再生処理を行った際、特に、一度に多量のPMを燃焼させる再生処理を行った際に、ハニカム構造体に溶損等の破損が発生する場合があるからである。
ハニカム構造体に担持させることのできる触媒の種類は特に限定されるものでないが、少なくともCeOを含む酸化物触媒であることが望ましい。
上記酸化物触媒としては、PMの燃焼温度を低下させることができるものであれば特に限定されず、例えば、CeO、KO、ZrO、FeO、Fe、CuO、CuO、Mn、MnO、組成式A1−nCO(式中、AはLa、Nd、Sm、Eu、Gd又はYであり、Bはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、CはMn、Co、Fe又はNi)で表される複合酸化物等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよいが、少なくともCeOを含むものであることが望ましい。
このような酸化物触媒を担持させることにより、ハニカムフィルタの再生処理の際のPMの燃焼温度を低下させることができる。
上記触媒の上記ハニカム構造体のみかけ体積に対する担持量は、10〜200g/lが望ましい。
上記担持量が10g/l以下では、ハニカム構造体の壁部に対して上記触媒が担持されていない部分が多くなるため、PMと上記触媒とが接触しない部分が生じ、充分にPMの燃焼温度を低下することができない場合があり、一方、200g/lを超えてもPMと上記触媒との接触効率はさほど向上しないからである。
また、本発明のハニカム構造体には、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属からなる触媒が担持されていてもよく、上記酸化物触媒と上記貴金属触媒が両方担持されていても良い。
また、ハニカム構造体の作製工程において、ハニカム成形体の長尺体を作製する際に用いる装置は、特に限定されるものではなく、単軸スクリュー式押出成形機、多軸スクリュー式押出成形機、プランジャー式成形機等を挙げることができる。この中でも、プランジャー式成形機を特に好適に用いることができる。
また、ハニカム成形体の長尺体を切断する際に用いる切断部材としては、特に限定されるものではなく、例えば、切断部分に刃が形成されているカッタ、レーザ、線状体等が挙げられる。また、ディスクが回転しながら切断するカッタを用いることもできる。
ハニカム構造体及び積層部材を作製する工程において用いる乾燥機としては、特に限定されるものではないが、例えば、マイクロ波加熱乾燥機、熱風乾燥機、赤外線乾燥機等を挙げることができ、複数の装置を組み合わせてもよい。
ハニカム構造体及び積層部材を作製する工程においてハニカム成形体や積層部材の前駆体を乾燥させる際には、熱風が各部材の貫通孔の形成方向にあたり、熱風が貫通孔を通過できるように乾燥機が設置されていることが望ましい。熱風が貫通孔を通過することにより、乾燥が効率よく進行するからである。
ハニカム構造体を作製する工程において、脱脂処理は、通常、有機物を酸化分解することができるように、大気雰囲気等の酸化雰囲気下で行うことが望ましい。また、脱脂炉は、特に限定されるものではなく、バッチ形式の脱脂炉でもよいが、連続的に処理を行うことができるように、ベルトコンベアを備えた連続炉により行うことが望ましい。脱脂は、設定温度200〜600℃、大気雰囲気下で、1〜5時間乾燥することにより行うことが望ましい。
また、ハニカム構造体を作製する工程においては、必要に応じて、作製したハニカム成形体に対して酸処理を行ってもよい。
上記酸処理を行うことにより、ハニカム成形体の耐熱性が向上することとなるからである。
上記酸処理は、例えば、塩酸、硫酸等の溶液中に上記ハニカム成形体を浸漬することにより行うことができる。
上記酸処理条件としては、無機物として無機ガラスを用いる場合、処理溶液の濃度は1〜10mol/lであることが望ましく、処理時間は0.5〜24時間が望ましく、処理温度は70〜100℃であることが望ましい。
このような条件で酸処理を施すことにより、シリカ以外の成分を溶出し、その結果、ハニカム成形体の耐熱性が向上することとなるからである。
上記酸処理は、ハニカム成形体の焼成の間に行っても良い。具体的には、1次焼成工程を950℃、5時間行い、その後に上記酸処理工程を行い、さらに2次焼成工程として再度1050℃、5時間の熱処理を行うことが望ましい。この処理によりハニカム成形体の耐熱性を向上させることができる。
本発明のハニカムフィルタを構成する積層部材は、主に無機繊維からなる。
上記無機繊維としては、特に限定されるものではないが、例えば、本発明のハニカム構造体と同様の材質のものを用いることができる。
また、上記積層部材は、無機粒子及び金属粒子を少量含んでいてもよい。上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物、酸化物等を挙げることができ、具体的には、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等からなる無機粉末等を挙げることができる。金属粒子としては、例えば、金属シリコン、アルミニウム、鉄、チタン等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記積層部材を構成する無機繊維としては、上記ハニカム構造体を構成する無機繊維として好適に用いることのできる無機繊維と同様の繊維長又は繊維径を有するものを好適に使用することができる。
また、上記積層部材の望ましいみかけ密度、気孔率、平均気孔径、隣接する貫通孔間の距離(壁部の厚さ)、貫通孔の密度、貫通孔の大きさ、貫通孔の平面視形状は上記ハニカム構造体と同様である。
また、上記積層部材には、上記ハニカム構造体と同様の種類の触媒が担持されていてもよく、積層部材の見かけ体積に対する触媒担持量の望ましい範囲は上記ハニカム構造体と同様である。
また、本発明のハニカムフィルタにおいて、上記積層部材は、無機の接着剤等により接着成形されていてもよく、単に物理的に積層されているのみであってもよい。
本発明のハニカムフィルタを構成する端部用部材の材質としては、特に限定されないが、主に緻密質の板状体からなることが望ましい。
なお、本明細書において、緻密質とは、上記ハニカム構造体及び上記積層部材よりも気孔率が小さいものをいい、その具体的な材料としては、例えば、金属やセラミック等が挙げられる。
上記緻密質の板状体を用いた場合には、上記端部用部材を薄くすることができる。
また、上記端部用部材としては、緻密質の金属からなるものが望ましい。
金属からなる端部用部材を用いた場合には、長時間使用しても風食されにくいからである。
また、上記端部用部材には、金属容器の端部と溶接及び/又はネジによって固定されるための溶接部位及び/又はネジ穴等を有していてもよい。
金属からなり、市松模様状に貫通孔が形成された上記端部用部材を作製する方法としては、厚さが0.1〜20mmの主に金属からなる多孔質金属板をレーザ加工又は打ち抜き加工する方法を挙げることができる。
本発明のハニカムフィルタを構成する金属容器の材質としては、特に限定されないが、例えばステンレス(SUS)、アルミニウム、鉄等の金属類が挙げられる。また、その形状に関しても、特に限定されないが、上記金属容器の内径と上記ハニカム構造体及び上記積層部材の直径とが略同一となっていることが望ましい。
さらに、上記金属容器と上記端部用部材とを溶接及び/又はネジにより固定するのに適した形状としてもよく、上記金属容器は、溶接部位及び/又ネジ穴等を有していてもよい。
(a)は、主に無機繊維からなる柱状のハニカム構造体と端部用部材とを模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示すハニカム構造体と端部用部材を用いてハニカムフィルタを製造する様子を模式的に示す斜視図である。 図1(b)に示すハニカムフィルタをその長手方向に対して平行な向きに切断した際の端面近傍を模式的に示す拡大断面図である。 本発明のハニカムフィルタの一例をその長手方向に平行に切断した際の端面近傍を模式的に示した拡大断面図である。 (a)は、本発明のハニカムフィルタの一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示すハニカムフィルタのD−D線断面図である。 (a)は、本発明のハニカムフィルタを構成するハニカム構造体、積層部材及び端部用部材の一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示すハニカム構造体、積層部材及び端部用部材を用いてハニカムフィルタを製造する様子を模式的に示す斜視図である。 (a)は、図5(a)に示すハニカム構造体の正面図であり、(b)は、(a)に示すハニカム構造体のE−E線断面図である。 ハニカム構造体の貫通孔の表面より1.5mm内部の壁内の状態を示したSEM写真である。 圧力損失測定装置の説明図である。 PMの捕集効率測定装置の説明図である。 (a)は、従来(特許文献1参照)のハニカムフィルタを構成する積層部材と端部用部材とを模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示す積層部材と端部用部材とを用いてハニカムフィルタを製造する様子を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
1 ハニカムフィルタ
10a ハニカム構造体
10b 積層部材
10c 端部用部材
11、11a、11b、11c 貫通孔
13、13a、13b 壁部
14a ハニカム構造体の端面
14b 積層部材の端面
14c 端部用部材の端面
23 金属容器
100 無機繊維
100a 貫通孔の形成方向に配向している無機繊維
100b 貫通孔の形成方向に対して垂直に配向している無機繊維

Claims (6)

  1. 主として無機繊維からなり、複数の貫通孔が壁部を隔てて長手方向に並設され、各々の貫通孔における端部のいずれか一方が目封じされてなる柱状のハニカムフィルタであって、
    前記無機繊維が、貫通孔の形成方向により多く配向し、一体成形された柱状のハニカム構造体と、
    前記無機繊維が、貫通孔の形成方向に対して垂直方向により多く配向し、貫通孔が前記ハニカム構造体の貫通孔と重なり合うように前記ハニカム構造体の両端面にそれぞれ積層される積層部材と、
    前記ハニカム構造体及び前記積層部材が配設される金属容器と、
    前記金属容器の両端部に固定された端部用部材とからなり、
    前記金属容器内で、前記ハニカム構造体と前記積層部材とが、前記端部用部材により固定されていることを特徴とするハニカムフィルタ。
  2. 前記ハニカム構造体の端面に積層される前記積層部材の貫通孔の形成方向における全体の長さが、一方の端面側及び他方の端面側で、それぞれ前記ハニカム構造体の貫通孔の形成方向における長さの1〜10%である請求項1に記載のハニカムフィルタ。
  3. 前記ハニカム構造体の貫通孔と前記積層部材の貫通孔とが重なり合うように連通してなる貫通孔の端部のいずれか一方が、前記端部用部材によって目封じされる請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
  4. 前記ハニカム構造体の貫通孔の端部のいずれか一方が、前記端部用部材及び前記積層部材によって目封じされる請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
  5. 前記端部用部材は、溶接及び/又はネジによって、前記金属容器と固定される請求項1〜4に記載のハニカムフィルタ。
  6. 触媒が担持されてなる請求項1〜5に記載のハニカムフィルタ。
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