JP2008178857A - ハニカム構造体、ハニカム構造体の製造方法、ケーシング及び排ガス浄化装置 - Google Patents

ハニカム構造体、ハニカム構造体の製造方法、ケーシング及び排ガス浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】積層後の各積層部材の各貫通孔相互間の位置関係にずれがなく、圧力損失が少なく、セルの塞がりのないハニカム構造体を提供すること。
【解決手段】複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、上記積層部材は、略円板形状であり、上記積層部材の外周側面に平面部を設けたことを特徴とするハニカム構造体。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガスを浄化する目的で用いられるハニカム構造体、該ハニカム構造体の製造方法、該ハニカム構造体を収納するためのケーシング、及び、上記排ガス中のパティキュレートマター(以下、PMともいう)を浄化する目的で用いられる排ガス浄化装置に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中にはスス等のPMが含まれており、近年、このPMが環境や人体に害を及ぼすことが問題となっている。
そこで、排ガス中のPMを捕集して排ガスを浄化するフィルタとして、コージェライト製や炭化珪素製などのセラミックハニカムフィルタを用いたフィルタが種々提案されている。また、貫通孔を有する積層部材を積層させることにより作製したハニカム構造体を用いたフィルタも種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図18(a)は、貫通孔を有する無機繊維集合体からなる円板形状の積層部材を積層させることにより作製した積層型のハニカム構造体の具体例を模式的に示した斜視図であり、図18(b)は、図18(a)に示したハニカム構造体のA−A線断面図である。
ハニカム構造体100は、いずれか一端が目封じされた多数のセル111が壁部113を隔てて長手方向に並設された円柱形状のものである。
すなわち、図18(b)に示したように、セル111は、排気ガスの入口側又は出口側に相当する端部のいずれかが目封じされ、一のセル111に流入した排気ガスは、必ずセル111を隔てる壁部113を通過した後、他のセル111から流出し、壁部113がフィルタとして機能するようになっている。
そして、ハニカム構造体100は、厚さが0.1〜20mmのシート状の積層部材110aを積層することにより形成されている積層体であり、長手方向に貫通孔が重なり合ってセルを形成するように積層部材110aが積層されている。
ここで、貫通孔が重なり合うように積層されているとは、積層部材に形成された貫通孔と隣接する積層部材に形成された貫通孔とを、該積層部材に垂直な方向から投影図を描いた際、各貫通孔が少なくとも一部重複する領域を有するように積層部材が積層され、セルが形成されていることをいう。
図19(a)は、ハニカム構造体を構成する積層部材を示す斜視図であり、図19(b)は、図19(a)に示す積層部材を積層してハニカム構造体を作製する様子を示す斜視図である。
各積層部材同士を積層体とするには、排気管に装着するためのケーシング123(金属製の筒状体)内で積層部材110aを積層し、端部に貫通孔が市松模様に形成された端部用の積層部材110bを追加し、圧力を加える。これによりハニカム構造体が形成される。
このような構成のハニカム構造体からなる排ガス浄化フィルタが内燃機関の排気通路に設置されると、内燃機関より排出された排気ガス中のPMは、このハニカム構造体を通過する際に壁部113により捕捉され、排気ガスが浄化される。
特に、無機繊維集合体からなるハニカム構造体は、その気孔率が高く、PMを壁内部に多く取り入れることができる。従って、気孔率の低いハニカム構造体からなる場合と比較して壁内部に担持された触媒とPMが接触する確率が高くなるため、効率よくPMを燃焼させることができる。
WO2005/000445 A
ここで、上述のような従来のハニカム構造体は、ハニカム構造体の形状を円柱形状とするために、円板形状の積層部材110を製造し、上記積層部材を上述のようにケーシング内で積層して製造されるものであった。
この際、セルを形成するためには、各積層部材の各貫通孔の位置を合わせる必要がある。貫通孔の位置がずれると、セルの一部の断面面積が小さくなり、ガスの流路が局部的に狭くなって圧力損失が増大するとともに、最悪の場合にはセルが途中で塞がれてしまうという問題があるためである。
しかし、上記円板形状の積層部材は、その形状ゆえに、独自にケーシング内で回転することが可能であり、貫通孔の位置ずれが生じるおそれがあった。そのため、各積層部材の積層はその各貫通孔の位置がずれないように慎重に行う必要があり、作業効率の悪い工程となっていた。
また、このように慎重に積層作業を行った場合であっても、積層後の加圧工程の際に加わる振動などにより、各貫通孔の位置ずれが生じる場合があり、そのようなハニカム構造体を用いた排ガス浄化装置は不良品となってしまうことが問題となっていた。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、積層後の各積層部材の各貫通孔相互間の位置関係にずれがなく、圧力損失が低く、セルの塞がりのないハニカム構造体、該ハニカム構造体を作業効率よく製造する製造方法、該ハニカム構造体を収納するためのケーシング、及び、上記ハニカム構造体を用いた排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
以下、本発明のハニカム構造体、該ハニカム構造体の製造方法、ケーシング及び排ガス浄化装置について説明するが、本明細書中、第一〜第九の本発明とは、以下のものを示す。第一の本発明は、ハニカム構造体、上記ハニカム構造体を覆う排ガス浄化装置のケーシング、及び、上記ケーシングを用いて上記ハニカム構造体を製造する方法の三つの概念を含む発明である。
第二、第三の本発明についても、第一の本発明と同様の上記した三つの概念を含む発明である。
第四の本発明は、ハニカム構造体と上記ハニカム構造体の製造方法の二つの概念を含む発明である。
第五の本発明は、ハニカム構造体、上記ハニカム構造体の製造方法の二つの概念を含む発明である。
第六の本発明は、ハニカム構造体の製造方法に関する発明である。
第七の本発明は、ハニカム構造体と上記ハニカム構造体の製造方法の二つの概念を含む発明である。
第八及び第九の本発明は、ハニカム構造体を用いた排ガス浄化装置に関する発明である。
第一の本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
上記積層部材は、略円板形状であり、上記積層部材の外周側面に平面部を設けたことを特徴とする。
第一の本発明のケーシングは、上記ハニカム構造体を覆う排ガス浄化装置のケーシングであって、上記積層部材を積層する部位に、位置決め用の平面部を有することを特徴とする。
第一の本発明のハニカム構造体の製造方法は、第一の本発明のハニカム構造体の製造方法であって、
上記積層部材の外周側面に設けられた平面部をケーシングに設けられた平面部に載置するようにして、上記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とする。
第二の本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
上記積層部材は、略円板形状であり、上記積層部材の外周側面に突起部を設けたことを特徴とする。
第二の本発明のケーシングは、上記ハニカム構造体を覆う排ガス浄化装置のケーシングであって、上記積層部材を積層する部位に、位置決め用の溝部を有することを特徴とする。
第二の本発明のハニカム構造体の製造方法は、第二の本発明のハニカム構造体の製造方法であって、
上記積層部材の位置決め用の突起部をケーシングに設けられた位置決め用の溝部に嵌めこみ、上記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とする。
第三の本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
上記積層部材は、略円板形状であり、上記積層部材の外周側面に切り欠き部を設けたことを特徴とする。
第三の本発明のケーシングは、上記ハニカム構造体を覆う排ガス浄化装置のケーシングであって、上記積層部材を積層する部位に、位置決め用の突出部を有することを特徴とする。
第三の本発明のハニカム構造体の製造方法は、第三の本発明のハニカム構造体の製造方法であって、
上記積層部材の位置決め用の切り欠き部をケーシングに設けられた位置決め用の突出部に嵌めこみ、上記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とする。
第四の本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
上記積層部材は、位置決め用の切り欠き部を有する略円板形状であり、該切り欠き部同士が重なり合うように積層されるとともに、
積層された上記切り欠き部と略同一の形状の切り欠き充填部材が、積層された上記切り欠き部に嵌挿されていることを特徴とする。
第四の本発明のハニカム構造体の製造方法は、上記積層部材の位置決め用の切り欠き部に、上記切り欠き充填部材が嵌挿されるように、上記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とする。
第五の本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
上記複数のセルの少なくとも一のセルに、該セルの一方の端部から他方の端部までを貫通する位置合わせ用の棒状部材が挿通されていることを特徴とする。
第五の本発明のハニカム構造体の製造方法は、第五の本発明のハニカム構造体の製造方法であって、
上記積層部材の積層前又は後に、位置合わせ用の棒状部材を上記貫通孔の少なくとも1つに挿通させて上記貫通孔の位置合わせを行う工程を含むことを特徴とする。
第六の本発明のハニカム構造体の製造方法は、複数の貫通孔を有する円板形状の積層部材を積層して複数のセルを有する柱状のハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記積層部材の積層前又は後に、位置合わせ用の棒状部材を上記貫通孔の少なくとも1つに挿通させて上記貫通孔の位置合わせを行う位置合わせ工程と、
上記棒状部材が上記貫通孔に挿通した上記積層部材をケーシング内で加圧して貫通孔の位置を固定しセルを形成する加圧工程と、
上記加圧工程で形成されたセルから上記棒状部材を引き抜いて除去する棒状部材除去工程と
を含むことを特徴とする。
第七の本発明のハニカム構造体は、円柱を分割するように上記円柱の長手方向に平行に設置された挿入体と、
上記挿入体によって分割された上記円柱の長手方向に垂直な断面と同様の分割円板形状の積層部材が、上記積層部材の側面平面部が上記挿入体に当接するように設置されて積層されてなる積層体であって、上記積層部材の複数の貫通孔が連通して複数のセルが形成されている積層体と
からなることを特徴とする。
第七の本発明のハニカム構造体の製造方法は、挿入体によって分割された円柱の長手方向に垂直な断面と同様の分割円板形状である積層部材の側面平面部を上記挿入体に当接させて上記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とする。
第八の本発明の排ガス浄化装置は、第一〜第五の本発明及び第七の本発明のいずれかに記載のハニカム構造体が排ガス流路のケーシングに設置されていることを特徴とする。
第九の本発明の排ガス浄化装置は、第一〜第七の本発明のいずれかに記載の製造方法で製造されたハニカム構造体が排ガス流路に設置されていることを特徴とする。
第一の本発明では、ハニカム構造体を構成する積層部材は、外周側面に位置決め用の平面部を有する略円板形状であるために、外周側面に設けられた平面部をケーシングに設けられた位置決め用の平面部に合わせることにより、各積層部材の貫通孔の位置合わせを行うことができる。
そのため、積層後の各積層部材の貫通孔相互間の位置関係にずれがなく、圧力損失が低く、セルの塞がりのないハニカム構造体を確実に提供することができる。
また、貫通孔の位置合わせが容易であるため、ハニカム構造体を作業効率よく製造することができる。
第二の本発明では、ハニカム構造体を構成する積層部材は、位置決め用の突起部を有する略円板形状であるために、その突起部をケーシングに設けられた位置決め用の溝部に合わせることにより各積層部材の貫通孔の位置合わせを行うことができる。
そのため、積層後の各積層部材の貫通孔相互間の位置関係にずれがなく、圧力損失が低く、セルの塞がりのないハニカム構造体を確実に提供することができる。
また、貫通孔の位置合わせが容易であるため、ハニカム構造体を作業効率よく製造することができる。
第三の本発明では、ハニカム構造体を構成する積層部材は、位置決め用の切り欠き部を有する略円板形状であるために、各積層部材の切り欠き部が位置を合わせて積層されてなる溝状の切り欠き部にケーシングに設けられた位置決め用の突出部を嵌挿することにより各積層部材の貫通孔の位置合わせを行うことができる。
そのため、積層後の各積層部材の貫通孔相互間の位置関係にずれがなく、圧力損失が低く、セルの塞がりのないハニカム構造体を確実に提供することができる。
また、貫通孔の位置合わせが容易であるため、ハニカム構造体を作業効率よく製造することができる。
第四の本発明では、ハニカム構造体を構成する積層部材は、位置決め用の切り欠き部を有し、各積層部材の切り欠き部が位置を合わせて積層されてなる溝状部位に溝状部位と略同一形状の切り欠き充填部材を嵌挿することにより各積層部材の貫通孔の位置合わせを行うことができる。
そのため、積層後の各積層部材の貫通孔相互間の位置関係にずれがなく、圧力損失が低く、セルの塞がりのないハニカム構造体を確実に提供することができる。
また、貫通孔の位置合わせが容易であるため、ハニカム構造体を作業効率よく製造することができる。
第五の本発明では、ハニカム構造体を構成する積層部材の貫通孔に位置合わせ用の棒状部材を挿通させて各積層部材の貫通孔の位置合わせを行ってハニカム構造体を形成するため、積層後の各積層部材の貫通孔相互間の位置関係にずれがなく、圧力損失が低く、セルの塞がりのないハニカム構造体を確実に提供することができる。
第六の本発明では、ハニカム構造体を構成する積層部材の貫通孔に位置合わせ用の棒状部材を挿通させて各積層部材の貫通孔の位置合わせを行った後に、ケーシングの押え用金具に設けられた孔より棒状部材を除去することによって、セルに垂直な断面の形状が真円であり、かつ、全てのセルにガスを流通させることのできるハニカム構造体を確実に製造することができる。
また、貫通孔の位置合わせが容易であるため、ハニカム構造体を作業効率よく製造する製造方法を提供することができる。
第七の本発明では、セルに垂直な断面の形状が円形であるハニカム構造体が、その円形を分割する形状の挿入体と、その円形が分割された断面の形状と同様の分割円板形状からなる積層部材で構成されているため、各積層部材の側面平面部を挿入体に当接させる態様で、各積層部材の各貫通孔相互間の位置関係にずれがないように積層することで、圧力損失が低く、セルの塞がりのないハニカム構造体を確実に提供することができる。
また、貫通孔の位置合わせが容易であるため、ハニカム構造体を作業効率よく製造する製造方法を提供することができる。
第八及び第九の本発明の排ガス浄化装置では、積層後の各積層部材の各貫通孔相互間の位置関係にずれがなく、圧力損失が低く、セルの塞がりのないハニカム構造体が設置されているので、長期にわたって高い効率で排ガスの浄化を行うことができる。
本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
上記セルに垂直な断面の外郭線の大部分は、その断面中の一点を中心とする円弧からなり、かつ、上記外郭線の残りの部分は、上記中心からの距離が上記円弧の半径と異なる線分からなることを特徴とする。
ここで、上記大部分とは、特にその範囲を限定するものではないが、上記外郭線の長さの80%以上であることを一つの基準とする。
上記円弧の半径と異なる線分とは、その形状を特に限定されるものではなく、後述する第一の本発明の弦部(図1(a)参照)のように、平面から構成されていてもよく、曲面から構成されていてもよい。また、曲面の形状も全く限定されない。弦部に相当する部分の他の具体例については、以下に、第二又及び第三の本発明として例示している。
なお、本明細書中、第一の本発明のハニカム構造体を構成する略円板形状の積層部材(端部用積層部材を含む)の外周側面に設けられた平面部を、弦部ということとする。
以下、本発明のハニカム構造体の一形態である第一〜第七の本発明のハニカム構造体について説明する。
まず、第一の本発明のハニカム構造体、上記ハニカム構造体の製造に用いるケーシング、及び上記ハニカム構造体の製造方法について説明する。なお、下記するハニカム構造体の特性、材質等は、全てのハニカム構造体に共通するため、ここで詳しく説明し、第二の本発明以降の発明では、必要な部分のみ説明する。
第一の本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
上記積層部材は、位置決め用の弦部を有する略円板形状であり、かつ、
上記弦部が重なり合うように積層されてなることを特徴とする。
第一の本発明のケーシングは、上記ハニカム構造体を覆う排ガス浄化装置のケーシングであって、上記積層部材を積層する部位に、位置決め用の平面部を有することを特徴とする。
第一の本発明のハニカム構造体の製造方法は、第一の本発明のハニカム構造体の製造方法であって、
上記積層部材の位置決め用の弦部を、ケーシングに設けられた位置決め用の平面部に載置するようにして、上記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とする。
図1(a)は、位置決め用の弦部を有する略円板形状である積層部材からなる、第一の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示すハニカム構造体のA−A線断面図である。
図2(a)は、第一の本発明のハニカム構造体を構成する積層部材を模式的に示した斜視図であり、図2(b)は、図2(a)に示す積層部材を第一の本発明のケーシングに積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。
第一の本発明のハニカム構造体1は、略円柱形状であり、壁部(セル壁)12により隔てられた多数の貫通孔17aを有する積層部材15aが、貫通孔17aが重なるように積層されて構成されている。積層部材に形成された貫通孔17aの各々は、ハニカム構造体1の一方の端部から他方の端部まで連通してセル11を形成しており、この連通しているセル(以下、連通セルともいう)のいずれか一端は端部用積層部材15bにより目封じされている。なお、端部用積層部材の詳細については後述する。
図1(b)に示したように、連通したセル11は排ガスの流入側又は流出側に相当する端部のいずれかが目封じされており、一のセル11に流入した排ガスは、セル11を隔てるセル壁12を通過した後、他のセル11から流出する。すなわち、セル壁12はフィルタとして機能する。
このハニカム構造体1を構成する積層部材15aは、略円板形状であり、この積層部材15aの側面には、平面からなる位置決め用の弦部16aが設けられている。そして、この弦部16aの位置を合わせて、積層部材15aが積層されることによりハニカム構造体1の弦部13が形成されている。
この弦部16aは、各積層部材に設けられる貫通孔17aの位置を合わせるために設けられた部位であり、各積層部材15aの製造時に、各積層部材に設けられる貫通孔17aと弦部16aとの位置関係が同一になるように積層部材を形成しておけば、積層時に各積層部材15aの弦部16aの位置を合わせることで、全ての貫通孔17aの位置を合わせ、セル11を形成することができる。
積層された積層部材15aの両端には、さらに、市松模様に形成された貫通孔17bを有する端部用積層部材15bが積層されていることが望ましい。
端部用積層部材15bを積層することによって、端部用積層部材15bを積層する前に端部に位置していた積層部材15aの貫通孔を封止材等で封止することなく、積層部材が積層されて形成された連通セルのいずれか一方の端部を封止することができる。
この際、端部用積層部材15bの所定の位置にも積層部材15aと同形状の弦部16bを設けておけば、積層部材15aの貫通孔17aの位置と端部用積層部材15bの貫通孔17bとの位置を、位置ずれを生じることなく合わせることができる。
このように、積層部材と同形状の弦部を有する端部用積層部材を使用することにより、いずれか一端が目封じされた多数のセル11が壁部12を隔てて長手方向に並設された略円柱形状のハニカム構造体であって、圧力損失が低く、セルの塞がりのないハニカム構造体を確実に製造することができる。
続いて、第一の本発明のハニカム構造体の構造、特性、材質等についてさらに詳細に説明する。
第一の本発明のハニカム構造体は、主に無機繊維からなる積層部材(以下、無機繊維積層部材ともいう)、及び/又は、主に金属からなる積層部材(以下、金属積層部材ともいう)が積層されて構成されていることが望ましい。このような積層部材を使用することで、耐熱性や高気孔率とした場合の強度に優れるハニカム構造体を製造することができる。
各積層部材を積層する際には、無機繊維積層部材のみを積層してもよいし、金属積層部材のみを積層してもよい。さらに、無機繊維積層部材と金属積層部材とを組み合わせて積層してもよい。両者を組み合わせて積層する場合、それらの積層順序は特に限定されない。
上記積層部材の厚みとしては、0.1〜20.0mmが望ましいが、積層部材の材質等によっては、20.0mmを超える厚さの積層部材を積層することによりハニカム構造体を作製しても良い。
上記ハニカム構造体のみかけ密度は、望ましい下限が0.04g/cmであり、望ましい上限が0.4g/cmである。
0.04g/cm未満では、強度が不充分となり破壊されやすくなることがある。また、0.4g/cm以下では、連続的にPMを燃焼させるのにより適しているので望ましい。なお、本明細書において、見掛け密度とは、試料の質量(g)を試料の見掛け容積(cm)で除した値をいい、見掛け容積とは、試料の気孔と開口(セル)とを含んだ容積をいう。
また、上記ハニカム構造体の気孔率は、70〜95%であることが望ましい。
気孔率が70%未満であると、フィルタ再生時にPMを燃焼させるのに必要な温度までフィルタ内温度が上昇しにくく、また、PMが気孔内部まで入り込みにくいので、ハニカム構造体の連続再生能力が低下するおそれがある。一方、気孔率が95%を超えると気孔の占める割合が大きくなり、ハニカム構造体全体の強度を維持することができにくくなる。
さらに、上記それぞれの気孔率の範囲でガス流出側の気孔率がガス流入側の気孔率より大きいと、堆積したPMを燃焼させる時にハニカム構造体の積層方向において温度差が生じることを抑制することができ、ハニカム構造体の破損を防止することができるため、有効である。
また、上記ハニカム構造体において、隣接するセル間の距離(すなわち、セル壁の厚さ)は、0.2mm以上であることが望ましい。0.2mm未満では、ハニカム構造体の強度が低下することがあるからである。
一方、上記隣接するセル間の距離(セル壁の厚さ)の望ましい上限は5.0mmである。セル壁の厚さが厚すぎるとセルの開口率及び/又は濾過面積が小さくなり、それに伴って圧力損失が増加することがある。また、PMを燃焼させた際に生じるアッシュが、気孔に深く入り込んで抜けにくくなる。さらにPMを深層濾過することができる範囲をスス捕集に対する壁の有効領域とすると、ハニカム構造体において有効領域の占める比率が低下することとなる。
また、上記ハニカム構造体での平均気孔径は特に限定されず、望ましい下限は1μmであり、望ましい上限は100μmである。1μm未満では、セル壁内部の深層においてPMが濾過されず、セル壁内部に担持した触媒と接触することができない場合がある。一方、100μmを超えると、PMが気孔を通り抜けてしまい、これらPMを充分に捕集することができず、フィルタとして機能しないことがある。
なお、気孔率や平均気孔径は、例えば、水銀ポロシメータによる測定、重量法、アルキメデス法、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等、従来公知の方法により測定することができる。
上記ハニカム構造体において、積層部材の積層面に平行な面におけるセル密度は特に限定されず、望ましい下限は、0.16個/cm(1.0個/in)、望ましい上限は、93.0個/cm(600.0個/in)、より望ましい下値は、0.62個/cm(4.0個/in)、より望ましい上限は、77.5個/cm(500.0個/in)である。
また、上記ハニカム構造体の積層部材の積層面に平行な面におけるセルの大きさは特に限定されないが、望ましい下限は0.8mm×0.8mm、望ましい上限は16.0mm×16.0mmである。
上記ハニカム構造体の開口率の望ましい値は、下限が30%であり、上限が60%である。
上記開口率が30%未満では、ハニカム構造体に排ガスが流入出する際の圧力損失が高くなる場合があり、60%を超えると、ハニカム構造体の強度が低下したりする場合がある。
上記無機繊維積層部材を構成する無機繊維の材質としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物セラミック、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の窒化物セラミック、炭化ケイ素等の炭化物セラミック、玄武岩等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記無機繊維の繊維長の望ましい下限は、0.1mm、望ましい上限は、100mm、より望ましい下限は、0.5mm、より望ましい上限は、50mmである。また、上記無機繊維の繊維径の望ましい下限は、0.3μm、望ましい上限は、30μm、より望ましい下限は、0.5μm、より望ましい上限は、15μmである。
上記無機繊維積層部材は、上記無機繊維に加えて、一定の形状を維持するためにこれらの無機繊維同士を結合するバインダを含んでもよい。
上記バインダとしては特に限定されず、例えば、ケイ酸ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス等の無機ガラス、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル等が挙げられる。
上記無機繊維積層部材は、無機粒子及び金属粒子を少量含んでいてもよい。
また、上記無機繊維積層部材では、無機繊維同士がシリカを含有する無機物等により固着されていてもよい。この場合、無機繊維の長さ方向に沿ってある程度の長さの範囲(又は無機繊維表面の全体)にわたって無機繊維同士が固着しているのではなく、無機繊維の交差部又はその近傍で固着されていることが望ましい。これにより、強度及び柔軟性に優れた無機繊維積層部材が得られる。
交差部又はその近傍での固着とは、無機繊維同士の交差部(無機繊維同士が接触していても、接触していなくてもよい)に局在(存在)する無機物を介して無機繊維同士が固着している状態、無機繊維同士の交差部の近傍に局在(存在)する無機物を介して無機繊維同士が固着している状態、又は、無機繊維同士の交差部及びその近傍の領域全体に局在(存在)する無機物を介して無機繊維同士が固着している状態をいう。
上記シリカを含有する無機物としては、例えば、ケイ酸ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス等の無機ガラスが挙げられる。
上記金属積層部材の材料としては特に限定されず、例えば、クロム系ステンレスやクロムニッケル系ステンレス等が挙げられる。
また、上記金属積層部材は、上記金属からなる金属繊維が3次元に入り組んで構成された構造体や、造孔材によって貫通気孔が形成された上記金属からなる構造体、上述したような金属からなる金属粉末を気孔が残るように焼結させた構造体等であることが望ましい。
積層された上記無機繊維積層部材や上記金属積層部材の両端には、さらに、市松模様に形成された貫通孔を有する端部用積層部材が積層されていることが望ましい。
上記端部用積層部材を積層することによって、端部用積層部材を積層する前に端部に位置していた積層部材の貫通孔を封止材等で封止することなく、積層部材が積層されて形成された連通セルのいずれか一方の端部を封止することができる。
上記端部用積層部材は、上記無機繊維積層部材や上記金属積層部材と同様の材質、あるいは緻密質で構成されていて、貫通孔が市松模様に形成されていることが望ましい。
なお本明細書において緻密質とは、積層部材を構成する材質よりも気孔率が小さい材質をいい、その具体的な材料としては、例えば、金属やセラミック等が挙げられる。
上記緻密質を用いた場合には、上記端部用積層部材を薄くすることができる。
上記端部用積層部材としては、緻密質の金属からなるものが望ましい。
上記積層部材と上記端部用積層部材との組み合わせとしては、(1)上記積層部材として無機繊維積層部材を用い、上記端部用積層部材として、貫通孔が市松模様に形成された無機繊維積層部材、金属積層部材又は緻密質からなる端部用積層部材を用いる組み合わせ、(2)上記積層部材として金属積層部材を用い、上記端部用積層部材として、貫通孔が市松模様に形成された無機繊維積層部材、金属積層部材又は緻密質からなる端部用積層部材を用いる組み合わせ、(3)上記積層部材として無機繊維積層部材と金属積層部材とを組み合わせて用い、上記端部用積層部材として、貫通孔が市松模様に形成された無機繊維積層部材、金属積層部材又は緻密質からなる端部用積層部材を用いる組み合わせが挙げられる。
上記組み合わせのうち望ましい組み合わせとしては、(1)の組み合わせが望ましい。ハニカム構造体を構成するのに必要な積層部材の種類が少なくてすみ、積層部材の作製が容易となるからである。
また、上記端部用積層部材として、緻密質からなる端部用積層部材を用いた場合には、封止部からススが漏れることを防止することができるので望ましい。
また、上記積層部材として金属積層部材のみを用いた場合や、積層された無機繊維積層部材や金属積層部材の両端に、さらに貫通孔が市松模様に形成された金属積層部材や緻密質の金属からなる端部用積層部材を積層した場合には、長時間使用しても風食又は浸食されにくくなる。
また、上記組み合わせを用いると高温時(使用時)において、熱膨張差に起因して金属ケーシングとハニカム構造体との間に隙間が生じたり、各積層部材間に隙間が生じたりすることを防止することができる。その結果、排ガス中のPMが漏れ出して、PMの捕集効率が低下してしまうことを防止することができる。
なお、上記セルの平面視形状については特に四角形に限定されず、例えば、三角形、六角形、八角形、十二角形、円形、楕円形、星型等の任意の形状であってよい。
上記ハニカム構造体を構成する積層部材には触媒が担持されていることが望ましい。
触媒は全ての積層部材に担持されていてもよいし、一部の積層部材に担持されていてもよい。また、単一の積層部材については、積層部材の表面の全部又は一部に触媒が担持されていればよい。
上記触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び酸化物、又は、これらの組み合わせが挙げられる。
さらに上記酸化物としては、CeO、ZrO、FeO、Fe、CuO、CuO、Mn、MnO等の金属酸化物や、組成式A1−nCO(式中、AはLa、Nd、Sm、Eu、Gd又はYであり、Bはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、CはMn、Co、Fe又はNi)で表される複合酸化物等が挙げられる。上記酸化物触媒を積層部材に担持させると、PMの燃焼温度を低下させることができる。
これらの触媒は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記ハニカム構造体のみかけの体積に対する上記触媒の担持量は、10〜200g/l(リットル)が望ましい。
上記担持量が10g/l未満では、ハニカム構造体に対して触媒が担持されていない部分が多く存在することになり、PMと触媒とが接触する確率が低下するので、PMの燃焼温度を充分に低下することができない場合がある。一方、200g/lを超えると触媒量が過剰になり、PMと触媒との接触確率はさほど向上しないことが多い。
また、上記ハニカム構造体は、耐熱温度が1000℃以上であることが望ましい。
上記耐熱温度が1000℃未満では、特に、一度に多量のPM(例えば、3g/l以上)を燃焼させて再生処理を行う際に、ハニカム構造体に溶損等の破損が発生する場合がある。
特に、ハニカム構造体に酸化物触媒を担持させるとハニカム構造体の温度が上がり易くなるので、上記範囲の耐熱温度を有することが望ましい。
なお、内燃機関の燃費の低下を避けるため、ハニカム構造体の再生処理は、PMが2〜3g/l堆積した状態で行なうことが望ましい。
上記各積層部材は、無機接着材等を使用して互いに接着されていてもよいし、単に機械的に積層されているだけでもよいが、単に機械的に積層されているだけであることが望ましい。単に機械的に積層されているだけであると、接着材等を塗布した接合部(又は接着部)が排ガスの流れを阻害し圧力損失の上昇を引き起こすことを防止することができる。なお、単に各積層部材を機械的に互いに積層して積層体とするには、後述する金属ケーシング内で積層して圧力を加えればよい。
上記ハニカム構造体は、通常、筒状の金属ケーシング内に設置される。
上記金属ケーシングの材質としては、例えば、ステンレス(SUS)、アルミニウム、鉄等の金属類が挙げられる。
また、上記金属ケーシングの形状は、一体型の筒状体であってもよいし、2個又はそれ以上の分割体に分割可能な筒状体(例えば、クラムシェル型の金属ケーシング等)であってもよい。
第一の本発明のハニカム構造体を設置するために用いる、第一の本発明のケーシング101は、その断面形状が平面部18を有する略円筒形状であることが望ましく、その平面部18の形状は積層する積層部材15aの弦部16aの形状によって決定すべきである。
図2(b)は、ケーシング101を形成する筒部19の上部を省略して描いており、実際のケーシングは、積層する積層部材の外郭部の全周を覆う形状の筒部を有する。ケーシング101を用いて各積層部材の貫通孔の位置合わせを行う方法については、後述する製造方法の項で述べる。
次に、第一の本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。
(1)無機繊維積層部材、及び、無機繊維からなる端部用積層部材の製造方法
まず抄造用スラリーを調製する。具体的には、例えば、無機繊維と無機ガラス等の無機物とを充分に混合し、必要に応じて、適量の水や有機バインダ、無機バインダ等をさらに添加して充分に攪拌することにより抄造用スラリーを調製する。
次に、上記抄造用スラリーを用いて、主に無機繊維からなる積層部材を抄造する。
具体的には、まず、上記抄造用スラリーを抄き、位置決め用の弦部を有する略円板形状の無機繊維集合体を得る。得られたものを100〜200℃の温度で乾燥し、さらに、打ち抜き加工によりほぼ全面に貫通孔を等間隔で形成し、その後、900〜1050℃で加熱処理することにより、図2(a)に示すような、貫通孔が高密度で形成され、位置決め用の弦部を有する所定厚さの無機繊維積層部材を得る。
また、無機繊維を用いて端部用積層部材を製造する場合には、例えば、上記抄造用スラリーをメッシュにより抄き、位置決め用の弦部を有する略円板形状の無機繊維集合体を得る。得られたものを100〜200℃の温度で乾燥し、さらに、打ち抜き加工により市松模様に貫通孔を形成する。その後、900〜1050℃で加熱処理することにより、所定の貫通孔が低密度で形成された端部用積層部材を製造する。
無機繊維積層部材の気孔率を調整する方法としては、例えば、上記無機繊維の抄造工程において、得られる抄造物の厚さを抄造回数により調整したり、上記加熱処理工程において、抄造された無機繊維積層部材を圧縮しながら加熱処理したりする方法を挙げることができる。
このような方法により、無機繊維が無機ガラス等の無機物により無機繊維の交差部又はその近傍で互いに固着された無機繊維積層部材15a及び端部用積層部材15bを作製することができる。
加熱処理を施した無機繊維積層部材及び端部用積層部材には、その後に酸処理や焼きしめ処理を行ってもよい。
必要に応じて、上記無機繊維積層部材及び端部用積層部材を製造後に触媒を担持させる。
触媒を担持させる場合には、構成材料であるアルミナファイバ等の無機繊維に予め触媒を担持させてもよい。抄造前に無機繊維に触媒を担持させると、より均一に分散した状態で触媒を付着させることができる。
構成材料としての上記無機繊維、又は、上記無機繊維積層部材に触媒を担持させる方法としては、例えば、触媒を含むスラリーに無機繊維又は無機繊維積層部材を浸漬した後、引き上げて加熱乾燥する方法等が挙げられる。スラリーへの浸漬と加熱乾燥を繰り返すことで、無機繊維又は無機繊維積層部材の触媒担持量を調整することができる。触媒は、無機繊維又は無機繊維積層部材の全部又は一部のいずれに担持されていてもよい。なお、触媒は抄造後に担持させてもよい。
(2)金属積層部材、及び、金属からなる端部用積層部材の製造方法
まず、厚さが0.1〜20.0mmで、主に金属からなる、位置決め用の弦部を有する略円板形状の多孔質金属板を準備し、これをレーザー加工又は打ち抜き加工することで、ほぼ全面に貫通孔を互いにほぼ等間隔で形成し、図2(a)に示すような貫通孔が高密度で形成された積層部材を製造する。
また、ハニカム構造体の端面近傍に位置し、セルの封止部を構成する端部用積層部材を製造する場合には、レーザー加工の際に貫通孔を市松模様に形成し、貫通孔が低密度で形成された端部用積層部材を製造する。
そして、この貫通孔が低密度で形成された端部用積層部材を1枚〜数枚端部に用いれば、端部の所定のセルを塞ぐという工程を行うことなく、フィルタとして機能するハニカム構造体を得ることができる。
端部積層用部材は、上述した無機繊維で構成されたものではなく、セラミック、金属等の緻密な素材からなる板状体であってもよい。
次に、必要に応じて金属積層部材に触媒を担持させる。
酸化物触媒を担持する方法としては、例えば、CZ(nCeO・mZrO)10g、エタノール1l(リットル)、クエン酸5g及びpH調整剤を適量含む溶液に、金属積層部材を5分間浸漬し、その後、500℃で焼成処理を施す方法等が挙げられる。
なお、この場合、上記した浸漬、焼成工程を繰り返すことにより、担持させる触媒量を調整することができる。
なお、上記触媒は、一部の金属積層部材にのみ担持させてもよいし、全ての金属積層部材に担持させてもよい。
(3)積層工程
図2(b)に示すように、ガス流入側の端部に押え用金具を有する略円筒状の金属ケーシング101を用い、(1)〜(2)のようにして製造した端部用積層部材15b及び積層部材15aを金属ケーシング101内に積層していく。ここでの積層部材は、無機繊維積層部材でも金属積層部材でもよく、又は、これらの組み合わせであってもよい。
まず、ガス流入側の端部において、端部用積層部材15bの弦部16bとケーシング101の平面部18の位置を合わせて、押え用金具に接するように端部用積層部材15bを1枚〜数枚積層し、積層部材15aをその弦部16aとケーシング101の平面部18の位置を合わせて所定枚数積層する。
さらに端部用積層部材15bをその弦部16bとケーシング101の平面部18の位置を合わせて積層する。この際、端部用積層部材15bを積層する向きに注意して、セルのいずれか一端が目封じされた構造となるように積層する。
その後、所定のみかけ密度となるように積層部材の集合体を圧縮し、圧縮した状態を維持しながら、ガス流出側の端部において押え用金具を設置し固定する。上記工程により、所定の積層構造が保持されたハニカム構造体を製造することができる。
第一の本発明の積層工程では、各積層部材の弦部16とケーシングの平面部18の位置を合わせることで、対応する貫通孔17が重なるように各積層部材を積層することができる。また、端部用積層部材として、金属製の緻密体の板状体を用いた場合には、これを溶接することで押え用金具とすることもできる。
第一の本発明のハニカム構造体の製造方法によると、平面部18の形状に合わせて弦部16が固定されるため、積層部材15がケーシング内で回転することがなく、各貫通孔17同士の位置関係にずれが生じることがないので、圧力損失が低く、セルの塞がりのない第一の本発明のハニカム構造体を確実に製造することができる。
また、第一の本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、積層部材同士の位置合わせを、積層部材15の弦部16とケーシング101の平面部18との位置を合わせるのみで行うことができるため、積層部材の積層に要する時間を大幅に短縮することができ、第一の本発明のハニカム構造体を作業効率よく製造することができる。
続いて、第二の本発明のハニカム構造体、上記ハニカム構造体の製造に用いるケーシング、及び上記ハニカム構造体の製造方法について説明する。
第二の本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
上記積層部材は、位置決め用の突起部を有する略円板形状であり、
上記突起部同士が重なり合うように積層されてなることを特徴とする。
第二の本発明のケーシングは、上記ハニカム構造体を覆う排ガス浄化装置のケーシングであって、上記積層部材を積層する部位に、位置決め用の溝部を有することを特徴とする。
第二の本発明のハニカム構造体の製造方法は、第二の本発明のハニカム構造体の製造方法であって、
上記積層部材の位置決め用の突起部をケーシングに設けられた位置決め用の溝部に嵌めこみ、上記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とする。
図3(a)は、位置決め用の突起部を有する略円板形状である積層部材からなる、第二の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、図3(b)は、図3(a)に示したハニカム構造体のA−A線断面図である。
図4(a)は、第二の本発明のハニカム構造体を構成する積層部材を模式的に示した斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示す積層部材を第二の本発明のケーシングに積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。
ハニカム構造体2は、積層部材25aが積層され、セル21が形成されており、その積層部材(積層部材の積層面)の外郭線の大部分が、その断面中の一点を中心とする円弧であり、かつ、上記外郭線の残りの部分が、上記中心からの距離が上記円弧の半径と異なる線分からなるものである。
図3(a)及び(b)に示す、第二の本発明のハニカム構造体2においては、上記残りの部分として、上記外郭線の一部に突起部23が設けられている。なお、セルのいずれかの一端部は、端部用積層部材25bによって封止されている。
この突起部23は、ハニカム構造体2を構成する積層部材25aに設けられた突起部26aの位置を合わせて、積層部材25aが積層されることにより形成されている。
この突起部23は、各積層部材に設けられる貫通孔27aの位置を合わせるために設けられた部位であり、各積層部材25aの製造時に、各積層部材に設けられる貫通孔27aと突起部26aとの位置関係が同一になるように積層部材を形成しておけば、積層時に各積層部材25aの突起部26aの位置を合わせることで、全ての貫通孔27aの位置を合わせ、セル21を形成することができる。
なお、突起部の形状は、特に限定されるものでなく、略半円形、略三角形、略四角形等の任意の形状とすることができる。また、突起部の大きさも、特に限定されるものでなく、後述するようにケーシングに設けられた溝部に突起部を嵌めこんだ際に積層部材が回転しないような大きさであれば構わない。
第二の本発明のハニカム構造体を設置するために用いる、第二の本発明のケーシング102は、その断面形状が位置決め用の溝部28を有する略円筒形状であることが望ましく、その溝部28の形状は積層する積層部材25aの突起部26aと略同一形状であり、突起部26aを嵌挿可能である形状であることが望ましい。
第二の本発明のハニカム構造体の製造方法は、その積層工程において、
まず、ガス流入側の端部において、端部用積層部材25bの突起部26bとケーシング102の溝部28の位置を合わせて、押え用金具に接するように端部用積層部材25bを1枚〜数枚積層し、積層部材25aをその突起部26aとケーシング102の溝部28の位置を合わせて所定枚数積層し、
さらに端部用積層部材25bをその突起部26bとケーシング102の溝部28の位置を合わせて積層する。
その後、所定のみかけ密度となるように積層部材の集合体を圧縮し、圧縮した状態を維持しながら、ガス流出側の端部において押え用金具を設置し固定する。上記工程により、所定の積層構造が保持されたハニカム構造体を製造することができる。
第二の本発明の積層工程では、各積層部材の突起部26とケーシングの溝部28の位置を合わせることで、対応する貫通孔27が重なるように各積層部材を積層することができる。
第二の本発明のハニカム構造体の製造方法によると、溝部28の形状に合わせて突起部26aが固定されるため、積層部材25aがケーシング内で回転することがなく、各貫通孔27a同士の位置関係にずれが生じることがないので、圧力損失が低く、セルの塞がりのない第二の本発明のハニカム構造体を確実に製造することができる。
また、第二の本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、積層部材同士の位置合わせを、積層部材25aの突起部26aとケーシング102の溝部28との位置を合わせるのみで行うことができるため、積層部材の積層に要する時間を大幅に短縮することができ、第二の本発明のハニカム構造体を作業効率よく製造することができる。
その他、第二の本発明のハニカム構造体の構造、特性、並びに材質等、ケーシング、及びハニカム構造体の製造方法については、第一の本発明の積層部材及び端部用積層部材に設けられた弦部に代わって突起部が形成され、ケーシングに設けられる平面部に代わって溝部が形成され、かつ、積層工程が異なる他は、先述した第一の本発明と同様であるので、その説明は省略する。
続いて、第三の本発明のハニカム構造体、上記ハニカム構造体の製造に用いるケーシング、及び上記ハニカム構造体の製造方法について説明する。
第三の本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
上記積層部材は、位置決め用の切り欠き部を有する略円板形状であり、かつ、
上記切り欠き部同士が重なり合うように積層されてなることを特徴とする。
第三の本発明のケーシングは、上記ハニカム構造体を覆う排ガス浄化装置のケーシングであって、上記積層部材を積層する部位に、位置決め用の突出部を有することを特徴とする。
第三の本発明のハニカム構造体の製造方法は、第三の本発明のハニカム構造体の製造方法であって、
上記積層部材の位置決め用の切り欠き部をケーシングに設けられた位置決め用の突出部に嵌めこみ、上記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とする。
図5(a)は、位置決め用の切り欠き部を有する略円板形状である積層部材からなる、第三の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示すハニカム構造体のA−A線断面図である。
図6(a)は、第三の本発明のハニカム構造体を構成する積層部材を模式的に示した斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に示す積層部材を第三の本発明のケーシングに積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。
ハニカム構造体3は、積層部材35aが積層され、セル31が形成されており、その積層部材(積層部材の積層面)の外郭線の大部分が、その断面中の一点を中心とする円弧であり、かつ、上記外郭線の残りの部分が、上記中心からの距離が上記円弧の半径と異なる線分からなるものである。
図5(a)及び(b)に示す、第三の本発明のハニカム構造体3においては、上記残りの部分として、上記外郭線の一部に切り欠き部33が設けられている。なお、セルのいずれかの一端部は、端部用積層部材35bによって封止されている。
この切り欠き部33は、ハニカム構造体3を構成する積層部材35aに設けられた切り欠き部36aの位置を合わせて、積層部材35aが積層されることにより形成される溝状の部位である。
この溝状になっている切り欠き部33には、後述するケーシング103に設けられた位置決め用の突出部38を嵌挿することができるため、各積層部材35aの切り欠き部の位置を正確に合わせることができる。
よって、各積層部材35aの製造時に、各積層部材に設けられる貫通孔37aと切り欠き部36aとの位置関係が同一になるように積層部材を形成しておけば、積層時に各積層部材35aの切り欠き部36aの位置を合わせて溝状の切り欠き部33を形成し、溝状の切り欠き部33にケーシング103に設けられた位置決め用の突出部38を嵌挿することで、全ての貫通孔37aの位置を合わせ、セル31を形成することができる。
なお、切り欠き部の形状は、特に限定されるものでなく、略半円形、略三角形、略四角形等の任意の形状とすることができる。また、切り欠き部の大きさも特に限定されるものでなく、後述するようにケーシングに設けられた突出部を切り欠き部に嵌めこんだ際に積層部材が回転しないような大きさであれば構わない。
第三の本発明のハニカム構造体を設置するために用いる、第三の本発明のケーシング103は、その断面形状が位置決め用の突出部38を有する略円柱形状であることが望ましく、その突出部38の形状は積層する積層部材35aの切り欠き部36aが位置を合わせて積層されてなる溝状の切り欠き部33と略同一形状であり、切り欠き部33に嵌挿可能である形状であることが望ましい。
第三の本発明のハニカム構造体の製造方法は、その積層工程において、
まず、ガス流入側の端部において、端部用積層部材35bの切り欠き部36bとケーシング103の突出部38の位置を合わせて、押え用金具に接するように端部用積層部材35bを1枚〜数枚積層し、積層部材35aの切り欠き部36aが位置を合わせて積層されてなる溝状の切り欠き部33にケーシング103の突出部38を嵌挿すると同時に積層部材35aを所定枚数積層し、
さらに端部用積層部材35bをその切り欠き部36bとケーシング103の突出部38の位置を合わせて積層する。
その後、所定のみかけ密度となるように積層部材の集合体を圧縮し、圧縮した状態を維持しながら、ガス流出側の端部において押え用金具を設置し固定する。上記工程により、所定の積層構造が保持されたハニカム構造体を製造することができる。
第三の本発明の積層工程では、各積層部材の切り欠き部36が位置を合わせて積層されてなる溝状の切り欠き部33にケーシングの突出部38を嵌挿することで、対応する貫通孔37が重なるように各積層部材を積層することができる。
第三の本発明のハニカム構造体の製造方法によると、各積層部材の切り欠き部36が位置を合わせて積層されてなる溝状の切り欠き部33が突出部38の形状に合わせて固定されるため、積層部材35aがケーシング内で回転することがなく、各貫通孔37a同士の位置関係にずれが生じることがないので、圧力損失が低く、セルの塞がりのない第三の本発明のハニカム構造体を確実に製造することができる。
また、第三の本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、積層部材同士の位置合わせを、各積層部材の切り欠き部36が位置を合わせて積層されてなる溝状の切り欠き部33にケーシング103の突出部38を嵌挿するのみで行うことができるため、積層部材の積層に要する時間を大幅に短縮することができ、第三の本発明のハニカム構造体を作業効率よく製造することができる。
その他、第三の本発明のハニカム構造体の構造、特性、並びに材質等、ケーシング、及びハニカム構造体の製造方法については、第一の本発明の積層部材及び端部用積層部材に設けられる弦部に代わって切り欠き部が形成され、ケーシングに設けられる平面部に代わって突出部が形成され、かつ、積層工程が異なる他は、先述した第一の本発明と同様であるので、その説明は省略する。
続いて、第四の本発明のハニカム構造体及び上記ハニカム構造体の製造方法について説明する。
第四の本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
上記積層部材は、位置決め用の切り欠き部を有する略円板形状であり、該切り欠き部同士が重なり合うように積層されるとともに、
積層された上記切り欠き部と略同一の形状の切り欠き充填部材が、積層された上記切り欠き部に嵌挿されていることを特徴とする。
第四の本発明のハニカム構造体の製造方法は、上記積層部材の位置決め用の切り欠き部に、上記切り欠き充填部材が嵌挿されるように、上記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とする。
図7(a)は、位置決め用の切り欠き部を有する略円板形状である積層部材と切り欠き充填部材とからなる、第四の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、図7(b)は、図7(a)に示すハニカム構造体のA−A線断面図である。
図8(a)は、第四の本発明のハニカム構造体を構成する積層部材と切り欠き充填部材を模式的に示した斜視図であり、図8(b)は、図8(a)に示す積層部材をケーシングに設置した切り欠き充填部材に合わせて積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。
第四の本発明のハニカム構造体4は、第三の本発明のハニカム構造体を構成する積層部材と同形状である、切り欠き部36aを有する積層部材35aと、上記切り欠き部と略同一の断面形状を有する切り欠き充填部材44とからなり、上記ハニカム構造体のセルに垂直な断面の形状は円形である。
また、ハニカム構造体4は、積層部材35aに設けられた切り欠き部36aの位置を合わせて、積層部材35aが積層されて、セル41が形成されてなるものである。
なお、セルのいずれかの一端部は、端部用積層部材45bによって封止されている。
この切り欠き部36は、各積層部材に設けられる貫通孔37aの位置を合わせるために設けられた部位であり、この位置を合わせて積層部材35aを積層することで溝状部位を形成することができる。
この溝状部位には、切り欠き充填部材44を嵌挿することができるため、各積層部材35aの切り欠き部の位置を正確に合わせることができる。
よって、各積層部材35aの製造時に、各積層部材に設けられる貫通孔37aと切り欠き部36aとの位置関係が同一になるように積層部材を形成しておけば、積層時に各積層部材35aの切り欠き部36aの位置を合わせて溝状部位を形成し、溝状部位に切り欠き充填部材44を嵌挿することで、全ての貫通孔37aの位置を合わせ、セル41を形成することができる。
なお、切り欠き充填部材を構成する材質は、積層部材として用いられる材質と同様の、無機繊維又は金属であることが望ましい。積層部材と同様の材質とすることで、熱膨張率差による隙間の発生を防止することができるためである。
また、ケーシングと同様の材質であってもよい。
なお、切り欠き充填部材の形状は、特に限定されるものでなく、略半円形、略三角形、略四角形等の任意の形状とすることができる。積層する積層部材35aの切り欠き部36aが位置を合わせて積層されてなる溝状部位と略同一形状であり、切り欠き部36aに嵌挿可能である形状であることが望ましい。また、切り欠き充填部材の大きさも、特に限定されるものでなく、積層部材の切り欠き部に嵌めこんだ際に、積層部材が回転しないような大きさであれば構わない。
第四の本発明のハニカム構造体を設置するために用いるケーシング104は、その形状を特に限定されるものではないが、その形状が円柱形状であると、円柱形状のハニカム構造体の設置に好適に使用できるため望ましい。
第四の本発明のハニカム構造体の製造方法は、その積層工程において、
まず、ハニカム構造体を設置するケーシング104に、切り欠き部36aの形状に対応した切り欠き充填部材44を載置する。
続いて、ガス流入側の端部において、端部用積層部材35bの切り欠き部36bと、ケーシング104に設置した切り欠き充填部材44の位置を合わせて、押え用金具に接するように端部用積層部材35bを1枚〜数枚積層し、積層部材35aの切り欠き部36aが位置を合わせて積層されてなる溝状部位に切り欠き充填部材44を嵌挿すると同時に積層部材35aを所定枚数積層し、
さらに端部用積層部材35bをその切り欠き部36bと切り欠き充填部材44の位置を合わせて積層する。
その後、所定のみかけ密度となるように積層部材の集合体を圧縮し、圧縮した状態を維持しながら、ガス流出側の端部において押え用金具を設置し固定する。上記工程により、所定の積層構造が保持されたハニカム構造体を製造することができる。
第四の本発明の積層工程では、各積層部材の切り欠き部36が位置を合わせて積層されてなる溝状部位に切り欠き充填部材44を嵌挿することで、対応する貫通孔37が重なるように各積層部材を積層することができる。
第四の本発明のハニカム構造体の製造方法によると、各積層部材の切り欠き部36が位置を合わせて積層されてなる溝状部位が切り欠き充填部材44の形状に合わせて固定されるため、積層部材35aがケーシング内で回転することがなく、各貫通孔37a同士の位置関係にずれが生じることがないので、圧力損失が低く、セルの塞がりのない第四の本発明のハニカム構造体を確実に製造することができる。
また、第四の本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、積層部材同士の位置合わせを、各積層部材の切り欠き部36が位置を合わせて積層されてなる溝状部位に切り欠き充填部材44を嵌挿するのみで行うことができるため、積層部材の積層に要する時間を大幅に短縮することができ、第四の本発明のハニカム構造体を作業効率よく製造することができる。
また、第四の本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、セルに対する垂直断面形状が真円である第四の本発明のハニカム構造体を製造することができる。
その他、第四の本発明のハニカム構造体の構造、特性及び材質等については、先述した第三の本発明と同様であるので、その説明は省略する。
また、第四の本発明のハニカム構造体の製造方法については、上述した積層工程において、突出部を有するケーシングを用いる代わりに、ケーシングに予め切り欠き充填部材を載置して、載置した切り欠き充填部材に各積層部材の切り欠き部を合わせて各積層部材を積層する他は、先述した第三の本発明と同様であるので、その説明は省略する。
続いて、第五の本発明のハニカム構造体及び上記ハニカム構造体の製造方法について説明する。
第五の本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
上記複数のセルの少なくとも一のセルに、該セルの一方の端部から他方の端部までを貫通する位置合わせ用の棒状部材が挿通されていることを特徴とする。
第五の本発明のハニカム構造体の製造方法は、第五の本発明のハニカム構造体の製造方法であって、
上記積層部材の積層前又は後に、位置合わせ用の棒状部材を上記貫通孔の少なくとも1つに挿通させて上記貫通孔の位置合わせを行う工程を含むことを特徴とする。
図9(a)は、そのセルの一部に位置合わせ用の棒状部材が挿通された、第五の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、図9(b)は、図9(a)に示すハニカム構造体のA−A線断面図である。
図10(a)は、第五の本発明のハニカム構造体を構成する積層部材と棒状部材とを模式的に示した斜視図であり、図10(b)は、図10(a)に示す積層部材の貫通孔に、ケーシングに固定した棒状部材を通すと同時に積層部材を積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。
第五の本発明のハニカム構造体5は、円板形状の積層部材55aが積層され、セル51が形成されてなり、かつ、セルの一方の端部から他方の端部までに位置合わせ用の棒状部材54aが挿通されている。
なお、セルのいずれかの一端部は、端部用積層部材55bによって封止されている。
ハニカム構造体5は、各積層部材55aに設けられた貫通孔57aを棒状部材54aが挿通することによって、各積層部材相互間の位置関係が固定されるように構成されている。
各積層部材55aの製造時に、各積層部材に設けられる貫通孔57a同士の位置関係が同一になるように積層部材を形成しておけば、積層時に1つ以上の各積層部材55aの貫通孔の位置を合わせて棒状部材54aを挿通させることで、全ての貫通孔57aの位置を合わせ、セル57を形成することができる。
上記棒状部材は、各積層部材の貫通孔に貫通できる形状であればその形状は特に限定されないが、貫通孔の断面形状と略同一の断面形状を有し、貫通孔に挿通した後の棒状部材の可動範囲ができるだけ小さいことが望ましい。上記可動範囲が小さければ、より正確に各貫通孔の位置合わせができるためである。
なお、棒状部材の本数は特に限定されるものでないが、各積層部材相互間の位置関係を正確に固定するためには本数が多いほどが望ましく、二本以上を用いることが望ましい。
上記棒状部材を挿通させる位置は、特に限定されるものではないが、一本のみを用いる場合は積層部材の貫通孔の長手方向に対する垂直断面形状の中心部以外とすることが望ましい。中心部付近であると積層部材が棒状部材を中心としてケーシング内で回転する可能性があるためである。
また、複数の棒状部材を用いる場合は、積層部材内における棒状部材の相対位置に偏りがないように配置することが望ましい。
また、棒状部材が挿通されるセルは、棒状部材が挿通されない他のセルと同じ大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。また、規則正しく配列されたセルの一つに棒状部材を挿通するように構成されていてもよいし、規則正しく配列されたセル以外に棒状部材を挿通するためのセルが別途設けられていてもよい。
なお、棒状部材を構成する材質は、積層部材として用いられる材質と同様の無機繊維又は金属であることが望ましい。また、ケーシングと同様の材質であってもよい。
また、棒状部材はケーシングと一体形成して製造されるなどして、ケーシングと一体になっているものであっても良い。
また、棒状部材は単にセルに挿通されているだけであっても良いし、接着剤等によって積層部材と接着されていても良い。
また、シール材等によってセルと棒状部材との隙間が埋められていても良い。
続いて、第五の本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。
第五の本発明のハニカム構造体の製造方法は、積層工程を行う前、又は積層工程と同時に、積層部材の貫通孔57aに棒状部材54を挿通させる位置合わせ工程を含む製造方法であり、その具体的な手順としては、以下の手順が挙げられる。
まず、ハニカム構造体を設置するケーシング104に、棒状部材54aを接着剤等により保持させておく。ここで、棒状部材54a(図10(a)及び(b)参照)は、棒状部材であってその長さが積層された積層部材の長さと等しくなるものを示す。
次に、上記棒状部材54aを端部用積層部材55bの貫通孔57bに通しながら端部用積層部材55bを積層し、続いて上記棒状部材を積層部材55aの貫通孔57aに通しながら積層部材55aを積層する。
続いて、先に積層した端部用積層部材55bに貫通孔がない部位の、積層部材55aの貫通孔57aに、別の棒状部材54aを挿通する。
その後、後に挿通した棒状部材54aに端部用積層部材55bの貫通孔57bを通して端部用積層部材55bを積層することで、位置合わせ工程及び積層工程が完了する。
また、ケーシング外で上記手順と同様にして、棒状部材54aを各積層部材の貫通孔57に通しながら積層部材を所定枚数積層して、その両端から棒状部材が挿通されている状態が見える積層体を作り、その後、上記積層体をケーシング内に載置する方法によっても、位置合わせ工程及び積層工程を行うことができる。
その後、貫通孔57の位置を合わせて積層された上記積層体を、所定のみかけ密度となるように圧縮し、圧縮した状態を維持しながら、ガス流出側の端部において押え用金具を設置し固定する加圧工程を行う。上記工程により、所定の積層構造が保持された第五の本発明のハニカム構造体を製造することができる。
第五の本発明の位置合わせ工程及び積層工程では、各積層部材の貫通孔57に棒状部材54を挿通させることで、対応する貫通孔57が重なるように各積層部材を積層することができる。
第五の本発明のハニカム構造体の製造方法によると、各積層部材55aに設けられた貫通孔57aを棒状部材54aが挿通することによって、各積層部材相互間の位置関係が固定されるため、積層部材55aがケーシング内で回転することがなく、各貫通孔57a同士の位置関係にずれが生じることがないので、圧力損失が低く、セルの塞がりのない第五の本発明のハニカム構造体を確実に製造することができる。
また、第五の本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、積層部材同士の位置合わせを、各積層部材55aの貫通孔57aに棒状部材54aを挿通させることのみで行うことができるため、積層部材の積層に要する時間を大幅に短縮することができ、第五の本発明のハニカム構造体を作業効率よく製造することができる。
また、第五の本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、セルに垂直な断面の形状が真円である第五の本発明のハニカム構造体を確実に製造することができる。
次に、第六の本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。
第六の本発明のハニカム構造体の製造方法は、複数の貫通孔を有する円板形状の積層部材を積層して複数のセルを有する柱状のハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記積層部材の積層前又は後に、位置合わせ用の棒状部材を上記貫通孔の少なくとも1つに挿通させて上記貫通孔の位置合わせを行う位置合わせ工程と、
上記棒状部材が上記貫通孔に挿通した上記積層部材をケーシング内で加圧して貫通孔の位置を固定しセルを形成する加圧工程と、
上記加圧工程で形成されたセルから上記棒状部材を引き抜いて除去する棒状部材除去工程と
を含むことを特徴とする。
第六の本発明のハニカム構造体の製造方法では、積層部材をケーシング内で加圧して貫通孔の位置を固定した後、第五の本発明のハニカム構造体の製造方法において所定の貫通孔に挿通させた棒状部材を除去する工程を行うことで、積層部材相互間の位置が正確に固定され、全ての貫通孔が開放されたハニカム構造体を製造することができる。
図11(a)は、第六の本発明のハニカム構造体の製造方法に用いる積層部材と棒状部材とを模式的に示した斜視図であり、図11(b)は、図11(a)に示す積層部材の貫通孔に、押え用金具の孔に貫通させた棒状部材を挿通させると同時に積層部材を積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。
この場合は、棒状部材としてその長さがケーシングの全長よりも長い棒状部材54bを用いる(図11(b)参照)。
また、ケーシング105として、押え用金具107に棒状部材54bを貫通させることができる孔108が形成されているものを用いる。
この孔108を利用すると、棒状部材54bと一体となって各積層部材の貫通孔同士の位置合わせがなされた状態で形成されたハニカム構造体から、棒状部材54bを抜き取って除去することができる。
なお、孔108は、押え用金具107に接する端部用積層部材と同位置かつ同形状であることが望ましい。棒状部材を除去した後に、ハニカム構造体のセルと連通してセルの一部を形成することができるためである。
続いて、上記製造方法の具体的な手順について説明する。
まず、ハニカム構造体を設置するケーシング105の一方の押え用金具107に設けられた孔108に、棒状部材54bを予め貫通させて保持させておく。
次に、上記棒状部材を端部用積層部材55bの貫通孔57bに通しながら端部用積層部材55bを積層し、続いて棒状部材54bを積層部材55aの貫通孔57aに挿通させながら積層部材55aを積層する。
続いて、先に積層した端部用積層部材55bに貫通孔がない部位の、積層部材55aの貫通孔57aに、別の棒状部材54bを挿通する。
その後、後に挿通した棒状部材54bを端部用積層部材55bの貫通孔57bに挿通して端部用積層部材55bを積層する。
最後に、ケーシング105の一方の押え用金具107に設けられた孔108に、後に挿入した棒状部材54bを貫通させて、位置合わせ工程及び積層工程が完了する。
また、ケーシング外で上記手順と同様にして、棒状部材54bを各積層部材の貫通孔57に挿通しながら積層部材を所定枚数積層して、その両端に棒状部材54bが飛び出している状態の積層体を作り、その後、棒状部材54bを孔108に貫通させて、積層部材をケーシング内に載置する方法によっても、位置合わせ工程及び積層工程を行うことができる。
位置合わせ工程及び積層工程後に、他方の図示しない押え用金具を設置するが、この際に、上記押え用金具にも設けられた孔にも、棒状部材54bを貫通させる。
次に、棒状部材54bを積層部材55と孔108に挿通及び貫通させたまま、加圧工程を行う。上記工程により、所定の積層構造が保持されたハニカム構造体とすることができる。
最後に、棒状部材54bを両側の孔108よりそれぞれ引き抜き、棒状部材54をハニカム構造体から除去する。上記方法によって、所定の積層構造が保持され、かつ、全てのセルにガスを流通させることのできるハニカム構造体を製造することができる。
第六の本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、加圧工程後に、ケーシングの押え用金具107に設けられた孔108より棒状部材54bを除去することができるため、セルに垂直な断面の形状が真円であり、かつ、全てのセルにガスを流通させることのできる第六の本発明のハニカム構造体を確実に製造することができる。
その他、第五の本発明のハニカム構造体、及び、第六の本発明のハニカム構造体の製造方法により得られるハニカム構造体の構造、特性及び材質等については、切り欠き部及び切り欠き充填部材を有さず、代わりに一部のセル内に棒状部材を有する他は、先述した第四の本発明と同様であるので、その説明は省略する。
また、第五の本発明及び第六の本発明のハニカム構造体の製造方法については、上述した積層工程において、ケーシングに予め切り欠き充填部材を載置して、載置した切り欠き充填部材に各積層部材の切り欠き部を合わせて各積層部材を積層する代わりに、位置合わせ用の棒状部材を積層部材の貫通孔に挿通させて積層部材の位置合わせを行う他は、先述した第四の本発明と同様であるので、その説明は省略する。
続いて、第七の本発明のハニカム構造体及び上記ハニカム構造体の製造方法について説明する。
第七の本発明のハニカム構造体は、円柱を分割するように上記円柱の長手方向に平行に設置された挿入体と、
上記挿入体によって分割された上記円柱の長手方向に垂直な断面と同様の分割円板形状の積層部材が、上記積層部材の側面平面部が上記挿入体に当接するように設置されて積層されてなる積層体であって、上記積層部材の複数の貫通孔が連通して複数のセルが形成されている積層体と
からなることを特徴とする。
第七の本発明のハニカム構造体の製造方法は、挿入体によって分割された円柱の長手方向に垂直な断面と同様の分割円板形状である積層部材の側面平面部を上記挿入体に当接させて上記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とする。
図12(a)は、挿入体と、円が上記挿入体によって二分割された分割円板形状である積層部材とからなる、第七の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、図2(b)は、図12(a)に示すハニカム構造体のA−A線断面図である。
図13(a)は、第七の本発明のハニカム構造体を構成する挿入体と、円が上記挿入体によって二分割された分割円板形状である積層部材とを模式的に示した斜視図であり、図13(b)は、図13(a)に示す挿入体と積層部材とをケーシングに積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。
図14は、挿入体と、円が上記挿入体によって四分割された分割円板形状である積層部材とからなる、第七の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図である。
図15(a)は、第七の本発明のハニカム構造体を構成する挿入体と、円が上記挿入体によって四分割された分割円板形状である積層部材とを模式的に示した斜視図であり、図15(b)は、図15(a)に示す挿入体と積層部材をケーシングに積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。
以下、図12(a)及び(b)、図13(a)及び(b)を参照して、第七の本発明のハニカム構造体について説明する。
第七の本発明のハニカム構造体6は、挿入体64とその上下に積層されている積層部材65aとからなり、セルのいずれかの一端部は、端部用積層部材65bによって封止されている。
図12(a)及び(b)並びに13(a)及び(b)に示す挿入体64は、ハニカム構造体6の円柱形状を長手方向に平行に切断する方向に形成されている板状体であり、上記円柱形状の長手方向の一端から他端までの連続面からなる。
積層部材65は、円が挿入体64で分割された分割円板形状を有するものであり、側面平面部63が挿入体64のそれぞれ上下に接する態様で積層されて、ハニカム構造体6を形成するための部材である。
この側面平面部63は、ハニカム構造体6を構成する積層部材65aに設けられた側面平面部66a同士の位置を合わせて、積層部材65aが積層されることで形成されている。
この側面平面部63は、各積層部材に設けられる貫通孔67aの位置を合わせるための部位であり、各積層部材65aの製造時に、各積層部材に設けられる貫通孔67aと側面平面部66aとの位置関係が同一になるように積層部材を形成しておけば、積層時に各積層部材65aの側面平面部66aの位置を合わせることで、全ての貫通孔67aの位置を合わせることができる。
挿入体64は、その厚みは特に限定されるものではない。
また、その材質も特に限定されるものでないが、積層部材として用いられる材質と同様の、無機繊維又は金属であることが望ましい。また、ケーシングと同様の材質であってもよい。
また、挿入体はケーシングと一体形成して製造されるなどして、ケーシングと一体になっているものであっても良い。
第七の本発明のハニカム構造体の製造方法は、上記積層部材の分割円板形状を構成する側面平面部を、上記挿入体に当接させて、上記積層部材を積層する工程を含む。
上記積層工程において、上記側面平面部を上記挿入体に当接させる具体的な方法としては、例えば、ハニカム構造体を設置するケーシング106に、予め挿入体64を接着剤等で固定しておき、挿入体64に側面平面部66を当接させてケーシング106内に積層部材65aを積層する方法を挙げることができる。
第七の本発明の積層工程では、各積層部材の側面平面部66を挿入体64に当接させて積層することで、対応する貫通孔67が重なるように各積層部材を積層することができる。
第七の本発明のハニカム構造体の製造方法によると、挿入体64の形状に合わせて側面平面部66aが固定されるため、積層部材65aがケーシング内で回転することがなく、各貫通孔67a同士の位置関係にずれが生じることがないので、圧力損失が低く、セルの塞がりのない第七の本発明のハニカム構造体を確実に製造することができる。
また、第七の本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、積層部材同士の位置合わせを、積層部材65aの側面平面部66aと挿入体64との位置を合わせるのみで行うことができるため、積層部材の積層に要する時間を大幅に短縮することができ、第七の本発明のハニカム構造体を作業効率よく製造することができる。
その他、第七の本発明のハニカム構造体に用いられる積層部材、端部用積層部材及びハニカム構造体の構造、特性並びに材質等については、切り欠き部及び切り欠き充填部材を有さず、代わりに挿入体を有する他は、先述した第四の本発明と同様であるので、その説明は省略する。
また、第七の本発明のハニカム構造体の製造方法については、上述した積層工程において、切り欠き充填部材を用いる代わりに、ケーシングに予め挿入体を載置して、載置した挿入体に各積層部材の側面平面部を合わせて各積層部材を積層する他は、先述した第四の本発明と同様であるので、その説明は省略する。
なお、図14及び図15(a)及び(b)に示すハニカム構造体は、挿入体の形状74の形状が図12(a)及び(b)に示す挿入体64をその長手方向を同一にして2枚重ねた形状であり、円が挿入体74によって四分割された円板形状である積層部材75a、75bが積層されてなるものである他は、図12(a)及び(b)並びに13(a)及び(b)に示すハニカム構造体と同様の構造のハニカム構造体であるため、その説明は省略する。
本発明のハニカム構造体の用途は特に限定されず、例えば、車両の排ガス浄化装置に用いることができる。
次に、上記ハニカム構造体を用いた第八及び第九の本発明の排ガス浄化装置について説明する。
第八の本発明の排ガス浄化装置は、第一〜第五の本発明及び第七の本発明のいずれかに記載のハニカム構造体が排ガス流路のケーシングに設置されていることを特徴とする。
第九の本発明の排ガス浄化装置は、第一〜第七の本発明のいずれかに記載の製造方法で製造されたハニカム構造体が排ガス流路に設置されていることを特徴とする。
図16は、本発明のハニカム構造体が設置された車両用の排ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。
図16に示したように、排気ガス浄化装置200では、ハニカム構造体220の外方をケーシング223が覆っており、ケーシング223の排気ガスが導入される側の端部には、エンジン等の内燃機関に連結された導入管224が接続されており、ケーシング223の他端部には、外部に連結された排出管225が接続されている。なお、図16中、矢印は排気ガスの流れを示している。
このような構成からなる排気ガス浄化装置200では、エンジン等の内燃機関から排出された排気ガスは、導入管224を通ってケーシング223内に導入され、ハニカム構造体220のセル壁を通過して、このセル壁でPMが捕集されて浄化された後、排出管25を通って外部へ排出されることとなる。
そして、ハニカム構造体220のセル壁にPMが堆積すると、ハニカム構造体220の再生処理を行う。
ハニカム構造体220の再生処理とは、捕集したPMを燃焼させることを意味するが、本発明のハニカム構造体を再生する方法としては、例えば、ポストインジェクション方式、排気ガス流入側に設けた加熱手段によりハニカム構造体を加熱する方式等が挙げられる。繰り返しこの処理を行うことにより、ハニカム構造体の排ガス浄化機能を長期間に渡って維持することができる。
第八及び第九の本発明の排ガス浄化装置では、積層後の各積層部材の各貫通孔相互間の位置関係にずれがなく、圧力損失が低く、セルの塞がりのないハニカム構造体が設置されているので、上記方式によって、長期にわたって高い効率で排ガスの浄化を行うことができる。
以下に実施例を掲げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(I)積層部材の作製
(a)無機繊維積層部材15aの作製(図2(a)及び(b)参照)
(1)抄造用スラリーの調製工程
まず、アルミナファイバ50重量部、ガラスファイバ(平均繊維径:9μm、平均繊維長:3mm)50重量部及び有機バインダ(ポリビニルアルコール系繊維)10重量部を充分量の水に分散させ、充分撹拌することにより抄造用スラリーを調製した。
(2)抄造工程及び貫通孔形成工程
工程(1)で得られたスラリーを、直径143mmの円の一部に長さ30mmの弦部を有する形状のメッシュにより抄き、得られたものを135℃で乾燥することにより、略円板形状のシート状無機複合体を得た。
次に、打ち抜き加工によって、4.5mm×4.5mmの貫通孔を2mmの間隔で、略円板形状のシート状無機複合体の略全面に形成した。
(3)加熱処理工程
工程(2)で得られた略円板形状のシート状無機複合体を加圧しながら950℃で1時間加熱処理し、無機繊維積層部材を得た。なお、この工程を経ることで、ガラスを介してアルミナファイバが互いに固着される。
(4)酸処理及び焼きしめ処理
工程(3)で得られた無機繊維積層部材を90℃、4mol/l(リットル)のHCl溶液に1時間浸漬することにより酸処理を施し、さらに1050℃で5時間の条件で焼きしめ処理を行った。
これにより、気孔率が90%で、厚さが1mmの無機繊維積層部材15a(開口率37.5%)を作製した。
(b)無機繊維積層部材25a〜75aの作製
抄造工程(2)におけるメッシュの形状を変更して、無機繊維積層部材15aの作製手順に従いながら、それぞれ表1に示す形状である、突起部を有する積層部材25a(図4(a)参照)、切り欠き部を有する積層部材35a(図6(a)参照)、円板形の積層部材55a(図10(a)参照)、円板を2分割した形状である分割円板形の積層部材65a(図13(a)参照)、及び、円板を4分割した形状である分割円板形の積層部材75a(図15(a)参照)を作製した。
Figure 2008178857
(II)端部用積層部材(金属板状体)の作製
(a)端部用積層部材15bの作製
Ni−Cr合金製金属板を、直径143mmの円の一部に長さ30mmの弦部を有する形状に加工した後、レーザー加工することで、4.5mm×4.5mmの孔が市松模様に形成された略円板形状の端部用積層部材15b(金属板状体)を製造した。
(b)端部用積層部材25b〜75bの作製
金属板の加工形状を変更して、端部用積層部材15bの作製手順に従いながら、それぞれ表1に示す形状である、突起部を有する積層部材25b(図4(a)参照)、切り欠き部を有する積層部材35b(図6(a)参照)、円板形の積層部材55b(図10(a)参照)、円板を2分割した形状である分割円板形の積層部材65b(図13(a)参照)、及び、円板を4分割した形状である分割円板形の積層部材75b(図15(a)参照)を作製した。
なお、端部用積層部材15b、25b、35b、55b、75bはその外周形状が、それぞれ積層部材15a、25a、35a、55a、75aと同じものであり、貫通孔を市松模様に形成しているので、セル密度が積層部材15a、25a、35a、55a、75aの略半分となっている。
(III)積層部材への触媒の担持
まず各種積層部材に、酸化物触媒としてLaCoOを担持させた。0.01molのLa(NO・6HO、0.01molのCo(OCOCH・4HO、0.024molのC・HO(クエン酸)を20mlの割合で、エタノール溶媒中で混合攪拌し、LaCoO前駆体ゾルを調製した。このゾルに各種積層部材を浸漬し、引き上げた後、余分なゾルを吸引によって取り除き、100℃で乾燥させ、600℃で1時間焼成処理を施す方法を用いた。
なお、X線回折測定により、LaCoOのペロブスカイト構造が確認された。
上記触媒が担持された積層部材を使用してハニカム構造体を作製した。
(IV)ケーシングの作製
(a)ケーシング101(図2(b)参照)の作製
各種積層部材を装着するためのケーシングとして、金属加工により、筒部の長手方向に垂直な断面形状が長さ32mmの弦部を有する内径145mmの略円形であり、その弦部により筒の内周面に32mm×70cmの平面部が形成されている図2(b)に記載した形状のケーシング101を作製した。
(b)ケーシング102〜106の作製
金属加工時の加工形状を変更して、それぞれ、筒部の長手方向に垂直な断面形状が表2に示す形状である、溝部を有するケーシング102(図4(b)参照)、突出部を有するケーシング103(図6(b)参照)、円柱形状のケーシング104(図8(b)参照)、押え用金具に貫通孔を有する円柱形状のケーシング105(図10(b)参照)、及び、円の内径寸法が異なる円柱形状のケーシング106(図13(b)及び15(b)参照)を作製した。
Figure 2008178857
(V)切り欠き充填部材44(図8(a)及び(b)参照)の作製
ケーシングの作製に用いたものと同様の材料を加工することによって、長さが70cmで、垂直断面形状が直径5mmの半円形状である切り欠き充填部材44(図8(a)及び(b)参照)を作製した。
(VI)棒状部材54a及び54bの作製
ケーシングの作製に用いたものと同様の材料を加工することによって、4.2mm×4.2mm×70cmの棒状部材54aと、4.2mm×4.2mm×100cmの棒状部材54bを作製した。
(VII)挿入体64及び74の作製
(a)ケーシングの作製に用いたものと同様の材料を加工することによって、70cm×143.0mm×3.0mmの直方体形状である挿入体64を作製した。
(b)同様にして、70cm×146.0mm×3.0mmの直方体形状が重なり、長手方向に垂直な断面形状が、146.0mm×3.0mmの長方形がその対角線の交点が同一になるように、垂直に交わった形状(十字形状)である挿入体74を作製した。
(実施例1(図2(a)及び(b)参照))
まず、ガス流入側に押え用金具が取り付けられた、(IV)の工程で得た金属ケーシング101(円筒状の金属容器)を、金具が取り付けられた側が下になるように立てた。そして、(II)の工程で得た端部用積層部材a(金属板状体)を、ケーシング101の平面部と端部用積層部材15bの弦部の位置を合わせて1枚積層した後、(I)の工程で得た無機繊維積層部材15aをケーシング101の平面部と積層部材15aの弦部の位置を合わせて105枚積層し(積層長さ105mm)、最後に端部用積層部材15b(金属板状体)を、ケーシング101の平面部と端部用積層部材15bの弦部の位置を合わせて1枚積層し、その後、ガス流出側にも、押え用金具を設置して、加圧・固定することにより、積層全長70mmのハニカム構造体を得た。
この方法を繰り返し行って、ハニカム構造体を10個製造した。
(実施例2(図4(a)及び(b)参照))
金属ケーシング102、端部用積層部材25b及び無機繊維積層部材25aを使用し、ケーシング102の溝部と各積層部材の突起部の位置を合わせて、基本的には実施例1と同様の工程によって積層を行い、ハニカム構造体を10個製造した。
(実施例3(図6(a)及び(b)参照))
金属ケーシング103、端部用積層部材35b及び無機繊維積層部材35aを使用し、各積層部材の切り欠き部が位置を合わせて積層されてなる溝状の切り欠き部にケーシング103の突出部を嵌挿して、基本的には実施例1と同様の工程によって積層を行い、ハニカム構造体を10個製造した。
(実施例4(図8(a)及び(b)参照))
金属ケーシング104、端部用積層部材35b、無機繊維積層部材35a及び切り欠き充填部材44を使用し、
金属ケーシング104の内周部に、接着剤を用いて切り欠き充填部材44を固定した後に、
各積層部材の切り欠き部が位置を合わせて積層されてなる溝状部位に切り欠き充填部材44を嵌挿して、基本的には実施例1と同様の工程によって積層を行い、ハニカム構造体を10個製造した。
(実施例5(図10(a)及び(b)参照))
金属ケーシング104、端部用積層部材55b、無機繊維積層部材55a及び棒状部材54aを使用し、
端部用積層部材55bの外周部であって、円の中心を挟んで対面になる2箇所の貫通孔に棒状部材54aをそれぞれ挿通した。
次に、棒状部材を無機繊維積層部材55aの貫通孔に挿通させながら、無機繊維積層部材55aを105枚積層した。
その後、無機繊維積層部材55aの外周部であり、先に積層した端部用積層部材55bに貫通孔がなく、かつ先に貫通させた棒状部材54aとの間隔が均等になる部位の貫通孔2カ所に、棒状部材54aをそれぞれ挿通した。
最後に、後に通した棒状部材54aを別の端部用積層部材55bの貫通孔に挿通させて端部用積層部材55bを積層し、その両端からそれぞれ2本の棒状部材54aが挿通されている状態が見える積層体を形成した。
この積層体を、金属ケーシング104の内周部に設置し、実施例1と同様の工程によって固定を行い、ハニカム構造体を10個製造した。
(実施例6(図11(a)及び(b)参照))
金属ケーシング105、端部用積層部材55b、無機繊維積層部材55a及び棒状部材54bを使用し、
実施例5と同様の工程によって積層を行い、その両端からそれぞれ2本の棒状部材54bが飛び出している状態の積層体を形成した。
この積層体の飛び出した一端の棒状部材を、ガス流入側の押え用金具に設けられた孔に貫通させてケーシング105に設置し、さらにガス流出側の押え用金具に設けられた孔に他端の棒状部材を貫通させて押え用金具を設置し、加圧・固定した。
その後、その両端の押え用金具から飛び出している棒状部材54bを引き抜いて除去し、ハニカム構造体を10個製造した。
(実施例7(図13(a)及び(b)参照))
金属ケーシング106、端部用積層部材65b、無機繊維積層部材65a及び挿入体64を使用し、
ガス流入側に押え用金具が取り付けられた金属ケーシング106を、金具が取り付けられた側が下になるように立てて、その内周部に挿入体64を立てた。
次に、挿入体64で区切られた半円柱形状領域のそれぞれに端部用積層部材65b、無機繊維積層部材65a、端部用積層部材65bを積層して、実施例1と同様の工程によって固定を行い、ハニカム構造体を10個製造した。
(実施例8(図15(a)及び(b)参照))
金属ケーシング106、端部用積層部材75b、無機繊維積層部材75a及び挿入体74を使用し、
実施例7と同様の工程によって、ハニカム構造体を10個製造した。
(比較例1(図19(a)及び(b)参照))
金属ケーシング104、端部用積層部材55b及び無機繊維積層部材55aを使用し、
金具が取り付けられた側が下になるように立てた金属ケーシング104に、端部用積層部材55bを1枚、無機繊維積層部材55aを105枚、端部用積層部材55bを1枚、それぞれの積層部材の貫通孔の位置が合うように目視で注意しながら積層した。その後、押え用金具を設置して、加圧・固定することにより、積層全長70mmのハニカム構造体を10個製造した。
Figure 2008178857
(評価)
初期圧力損失の測定
図17に示したような圧力損失測定装置170を用いて測定した。図17は、圧力損失測定装置の説明図である。
この圧力損失測定装置170は、送風機176の排気ガス管177に、ハニカム構造体220を金属ケーシング171内に固定して配置し、ハニカム構造体220の前後の圧力を検出可能になるように圧力計178が取り付けられている。
そして、送風機176を排気ガスの流通量が750m/hになるように運転し、運転開始から5分後の差圧(圧力損失)を測定した。
上記測定を実施例1〜8及び比較例1によって製造したハニカム構造体10個のそれぞれについて行い、圧力損失の10個の平均値、最大値及び最小値を比較した。
結果は、表3に示した通りである。
表3に示したように、実施例1〜8に係るハニカム構造体では、初期圧力損失の圧力損失の平均値が低く、特に最大値が低い。これは、セルが塞がれて極端に圧力損失が高くなる不良品が生じることなく、圧力損失の低いハニカム構造体を確実に製造することができることを示している。
これに対し、比較例1に係るハニカム構造体では、実施例に係るハニカム構造体と比較して、最小値には差がないものの、平均値がやや高く、特に最大値が高い。
これは、比較例に係るハニカム構造体の品質にばらつきが大きいことを示しており、特に圧力損失の高いハニカム構造体では、セルの大部分が塞がれてガスの流路が狭くなっているものと考えられ、排ガス浄化フィルタとして使用することはできないと考えられる。
(a)は、位置決め用の弦部を有する略円板形状状である積層部材からなる、第一の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。 (a)は、第一の本発明のハニカム構造体を構成する積層部材を模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示す積層部材を第一の本発明のケーシングに積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。 (a)は、位置決め用の突起部を有する略円板形状である積層部材からなる、第二の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。 (a)は、第二の本発明のハニカム構造体を構成する積層部材を模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示す積層部材を第二の本発明のケーシングに積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。 (a)は、位置決め用の切り欠き部を有する略円板形状である積層部材からなる、第三の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。 (a)は、第三の本発明のハニカム構造体を構成する積層部材を模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示す積層部材を第三の本発明のケーシングに積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。 (a)は、位置決め用の切り欠き部を有する略円板形状である積層部材と切り欠き充填部材とからなる、第四の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。 (a)は、第四の本発明のハニカム構造体を構成する積層部材と切り欠き充填部材を模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示す積層部材をケーシングに設置した切り欠き充填部材に合わせて積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。 (a)は、そのセルの一部に位置合わせ用の棒状部材が挿通された、第五の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。 (a)は、第五の本発明のハニカム構造体を構成する積層部材と棒状部材とを模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示す積層部材の貫通孔に、ケーシングに固定した棒状部材を通すと同時に積層部材を積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。 (a)は、第六の本発明のハニカム構造体の製造方法に用いる積層部材と棒状部材とを模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示す積層部材の貫通孔に、押え用金具の孔に貫通させた棒状部材を挿通させると同時に積層部材を積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。 (a)は、挿入体と、円が上記挿入体によって二分割された分割円板形状である積層部材とからなる、第七の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。 (a)は、第七の本発明のハニカム構造体を構成する挿入体と、円が上記挿入体によって二分割された分割円板形状である積層部材とを模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示す挿入体と積層部材とをケーシングに積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。 は、挿入体と、円が上記挿入体によって四分割された分割円板形状である積層部材とからなる、第七の本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図である。 (a)は、第七の本発明のハニカム構造体を構成する挿入体と、円が上記挿入体によって四分割された分割円板形状である積層部材とを模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示す挿入体と積層部材をケーシングに積層してハニカム構造体を製造する様子を示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体が設置された車両用の排ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。 圧力損失測定装置の説明図である。 (a)は、貫通孔を有する無機繊維集合体からなる円板形状の積層部材を積層させることにより作製した積層型のハニカム構造体の具体例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。 (a)は、ハニカム構造体を構成する積層部材を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示す積層部材を積層してハニカム構造体を作製する様子を示す斜視図である。
符号の説明
1〜7、100、220 ハニカム構造体
11、21、31、41、51、61、71、111 セル
12、22、32、42、52、62、72、113 壁部
13、16、16a、16b 弦部
15、25、35、55、65、110 積層部材
15a、25a、35a、55a、65a、75a、110a 積層部材
15b、25b、35b、55b、65b、75b、110b 端部用積層部材
17、27、37、57、67、77、117 貫通孔
17a、27a、37a、57a、67a、77a、117a 貫通孔
17b、27b、37b、57b、67b、77b、117b 貫通孔
18 平面部
19、29、39、49、149 筒部
23、26、26a、26b 突起部
28 溝部
33、36、36a、36b 切り欠き部
38 突出部
44 切り欠き充填部材
54、54a、54b 棒状部材
63、66、66a、66b、73、76、76a、76b 側面平面部
64、74 挿入体
101〜106、123、171、223 ケーシング
107 押え用金具
108 孔
170 圧力損失測定装置
176 送風機
177 排気ガス管
178 圧力計
200 排ガス浄化装置
224 導入管
225 排出管

Claims (18)

  1. 複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
    前記積層部材は、略円板形状であり、前記積層部材の外周側面に平面部を設けたことを特徴とするハニカム構造体。
  2. 請求項1に記載のハニカム構造体を覆う排ガス浄化装置のケーシングであって、前記積層部材を積層する部位に、平面部を有することを特徴とするケーシング。
  3. 請求項1に記載のハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
    前記積層部材の外周側面に設けられた平面部をケーシングに設けられた平面部に載置するようにして、前記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  4. 複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
    前記積層部材は、略円板形状であり、前記積層部材の外周側面に突起部を設けたことを特徴とするハニカム構造体。
  5. 請求項4に記載のハニカム構造体を覆う排ガス浄化装置のケーシングであって、前記積層部材を積層する部位に、溝部を有することを特徴とするケーシング。
  6. 請求項4に記載のハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
    前記積層部材の前記突起部をケーシングに設けられた溝部に嵌めこみ、前記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  7. 複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
    前記積層部材は、略円板形状であり、前記積層部材の外周側面に切り欠き部を設けたことを特徴とするハニカム構造体。
  8. 請求項7に記載のハニカム構造体を覆う排ガス浄化装置のケーシングであって、前記積層部材を積層する部位に突出部を有することを特徴とするケーシング。
  9. 請求項7に記載のハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
    前記積層部材の前記切り欠き部をケーシングに設けられた突出部に嵌めこみ、前記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  10. 複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
    前記積層部材は、切り欠き部を有する略円板形状であり、該切り欠き部同士が重なり合うように積層されるとともに、
    積層された前記切り欠き部と略同一の形状の切り欠き充填部材が、積層された前記切り欠き部に嵌挿されていることを特徴とするハニカム構造体。
  11. 前記積層部材の切り欠き部に前記切り欠き充填部材が嵌挿されるように、前記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とする請求項10に記載のハニカム構造体の製造方法。
  12. 複数の貫通孔を有する積層部材が積層され、複数のセルが形成されてなる柱状のハニカム構造体であって、
    前記複数のセルの少なくとも一のセルに、該セルの一方の端部から他方の端部までを貫通する棒状部材が挿通されていることを特徴とするハニカム構造体。
  13. 請求項12に記載のハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
    前記積層部材の積層前又は後に、棒状部材を前記貫通孔の少なくとも1つに挿通させて前記貫通孔の位置合わせを行う工程を含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  14. 複数の貫通孔を有する円板形状の積層部材を積層して複数のセルを有する柱状のハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
    前記積層部材の積層前又は後に、棒状部材を前記貫通孔の少なくとも1つに挿通させて前記貫通孔の位置合わせを行う位置合わせ工程と、
    前記棒状部材が前記貫通孔に挿通した前記積層部材をケーシング内で加圧して貫通孔の位置を固定しセルを形成する加圧工程と、
    前記加圧工程で形成されたセルから前記棒状部材を引き抜いて除去する棒状部材除去工程と
    を含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  15. 円柱を分割するように前記円柱の長手方向に平行に設置された挿入体と、
    前記挿入体によって分割された前記円柱の長手方向に垂直な断面と同様の分割円板形状の積層部材が、前記積層部材の側面平面部が前記挿入体に当接するように設置されて積層されてなる積層体であって、前記積層部材の複数の貫通孔が連通して複数のセルが形成されている積層体と
    からなることを特徴とするハニカム構造体。
  16. 挿入体によって分割された円柱の長手方向に垂直な断面と同様の分割円板形状である積層部材の側面平面部を前記挿入体に当接させて前記積層部材を積層する工程を含むことを特徴とする請求項15に記載のハニカム構造体の製造方法。
  17. 請求項1、4、7、10、12又は15に記載のハニカム構造体が排ガス流路のケーシングに設置されていることを特徴とする排ガス浄化装置。
  18. 請求項3、6、9、11、13、14又は16に記載のハニカム構造体の製造方法で製造されたハニカム構造体が排ガス流路のケーシングに設置されていることを特徴とする排ガス浄化装置。
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