JP2008301593A - モータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータをV/f制御により最大効率運転する。
【解決手段】直流電源2を直流電力をインバータ回路3により交流電力に変換してモータ4を駆動しモータ負荷5を回転駆動し、電流検出手段6により直流電流のピーク値を検出して制御手段7によりインバータ回路3をV/f制御し、直流電流ピーク値とインバータ出力周波数と出力電圧からよりトルク電流を演算推定し、ピーク値がトルク電流となるように出力電圧と出力周波数を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明はモータ駆動装置に関するもので、特に永久磁石モータのV/f制御によるモータ制御手段に関するものである。
従来、この種のモータ駆動装置は、シャント抵抗によりインバータ回路直流電流を検出し、直流電流よりモータ有効電流Iδを推定演算してモータ電流が所定値となるようにV/f制御するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−218273号公報
しかし、従来のモータ駆動装置はインバータ回路スイッチング状態に応じて変化するシャント抵抗電圧から直流平均電流を検出するために、フィルター回路と積分回路(平均回路)を用いるため回路が複雑となり、電流検知精度を高くすると電流検知応答性が悪くなる課題があった。さらに、永久磁石モータのV/f制御はロータ位置を演算推定しないセンサレス制御方式のため乱調が発生し易く、制御応答性が悪いと乱調が発生し易くなるので、検知精度と制御応答性がトレードオフとなる課題があった。
また、従来方式はモータ有効電流Iδを推定演算して駆動周波数を変更する方式なので、負荷トルクが増加すると回転数が低下し目標回転数に制御できない課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、モータピーク電流に相当する直流ピーク電流を検知して所定値に制御しセンサレス正弦波駆動するものであり、電流検知精度と検知応答性に優れ、そのため制御応答性も良く、さらにトルク電流を検知して簡易的なベクトル制御により最大効率運転することを目的とするものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータ駆動装置は、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路により永久磁石モータをセンサレス正弦波駆動し、モータ電流のピーク値に相当する直流電流ピーク値を検知して設定値となるようにインバータ回路出力周波数と出力電圧の比を制御し、さらに、検知ピーク電流とインバータ出力周波数と出力電圧からモータトルクを推定演算し、モータピーク電流とトルク電流がほぼ等しくなるように制御するものである。
本発明のモータ駆動装置は、インバータ回路直流電流のピーク値を検知して設定値となるようにインバータ回路出力周波数と電圧の比を制御しセンサレス正弦波駆動するものであり、座標変換および座標逆変換無しで制御できるので制御プログラムが簡単で高速演算が不要の安価なプロセッサと電流検知手段により構成でき、安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現できる。さらに、検知ピーク電流とインバータ出力周波数と出力電圧からモータトルクを推定演算して最適運転制御するもので、モータ効率を最大にしてモータの発熱とインバータ回路の損失を減らし、負荷トルクに応じた運転制御が可能となる。
第1の発明は、直流電源と、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動される永久磁石モータと、前記モータにより駆動される負荷と、前記インバータ回路の直流電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号により前記インバータ回路を制御して前記モータを正弦波駆動する制御手段よりなり、前記制御手段は、前記インバータ回路の出力周波数を設定する周波数設定手段と、前記周波数設定手段の出力信号により前記インバータ回路出力電圧を制御する電圧制御手段と、前記インバータ回路直流電流のピーク値を設定する電流設定手段と、前記電流検出手段の出力信号より検出した直流電流ピーク値と前記電流設定手段の設定信号を比較する電流比較手段と、前記電流比較手段の出力信号より前記出力周波数あるいは出力電圧を補正するようにした補正手段と、前記電流検知手段の出力信号と前記インバータ出力設定信号よりモータトルクを演算推定するトルク演算手段よりなるものであり、プロセッサへの負担が軽くモータ負荷に応じた最適電流制御できるので、モータの発熱と騒音を減らし安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現できる。
第2の発明は、第1の発明におけるモータトルク演算手段は、電流検知手段により検知した電流ピーク値とインバータ出力設定信号とモータ定数よりトルク電流を演算推定し、前記電流ピーク値と前記トルク電流がほぼ等しくなるようにしたものであり、ベクトル制御と同じように最大効率運転が可能となり、モータとインバータ回路の損失を減らすことができ、モータとインバータ回路の小型化と低価格化が可能となる。
第3の発明は、第1の発明におけるモータトルク演算手段は、起動後所定回転数に達してからモータトルクを演算推定し、電流設定手段の設定値を変更するようにしたものであり、起動トルクと加速トルクが不明の起動時には最大ピーク電流に設定して最大トルクで起動し、起動後に負荷トルクを検知して最大効率運転するので、起動トルクが不足して脱調することがなく、定常時に最大効率運転となるのでモータ損失が大きい定常時の発熱を減らすことができる。
第4の発明は、第1の発明におけるモータトルク演算手段は、周期的にモータトルクを演算推定し、電流設定手段のピーク電流設定値を変更するようにしたものであり、負荷トルクが運転途中に変わった場合でも負荷トルクに応じたピーク電流に制御できるので、常に最適な運転制御ができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図を示すものである。
図1において、交流電源1より整流回路よりなる直流電源回路に交流電力を加えて直流電源2を構成し、3相フルブリッジインバータ回路3により直流電力を3相交流電力に変換し、永久磁石モータ4を駆動する。直流電源2は、全波整流回路20の直流出力端子にコンデンサ21a、21bを直列接続し、コンデンサ21a、21bの接続点を交流電源入力の一方の端子に接続して倍電圧整流回路を構成し、インバータ回路3への印加電圧を高くし電流を減らしインバータ回路とモータ損失を減らす。モータ4は空調機の圧縮機や洗濯機の洗濯脱水ドラム、あるいはファン・ポンプなどのモータ負荷5を駆動する。インバータ回路3の負電圧側に電流検出手段6を接続し、インバータ回路3に流れる直流電流を検出することによりインバータ回路3の出力電流、すなわち、モータ4のピーク電流Ip、あるいは、回転磁界に相当する駆動電流を検出する。
電流検出手段6は、いわゆる1シャント電流検知方式と呼ばれるもので、インバータ回路3の下アームトランジスタのエミッタ端子側に共通接続されたシャント抵抗60と、シャント抵抗60に流れる電流を検知する電流検知回路61より構成される。電流検知回路61は、マイクロコンピュータなどのプロセッサ内蔵のA/D変換回路により電流検出するための信号レベル変換回路と高速演算増幅回路より構成する。
1シャント電流検知方式は、キャリヤ周波数が高い場合や、変調度が大きくなった場合には電流検出不可能領域が出現するので、各位相に対応した瞬時電流を検出する場合には3シャント電流検知方式の方が優れているが、本願発明においてはモータ電流のピーク値を検出するので1シャント電流検知方式の方が回路構成が簡単で電流検出が容易となり、しかも、安価となる。さらに、インバータ回路のPWM制御を2相変調にするとピーク電流が出現するパルス幅が増加するのでピーク電流検出が容易となる。勿論、3相変調でも問題はない。
制御手段7は、マイクロコンピュータなどのプロセッサより構成し、モータ4のピーク電流に相当するシャント抵抗のピーク電流Ipを検知して検知電流が設定値となるようにインバータ回路3の出力周波数と出力電圧を制御するもので、インバータ回路出力周波数を設定する周波数設定手段70と、周波数設定手段70の出力信号ωに応じたインバータ出力電圧比を制御する電圧制御手段71と、直流電流ピーク値Ipを設定する電流設定手段72と、電流検出手段6の出力信号よりピーク値を検知するピーク電流検知手段73と、電流設定手段72の出力設定信号ipsとピーク電流検知手段73の出力信号ipを比較し誤差信号Δip(Δip=ips−ip)を発生する電流比較手段74と、電流比較手段74の出力信号Δipに応じて周波数設定手段70の出力信号ωを補正、あるいはインバータ回路出力電圧位相を補正する補正手段75と、電圧制御手段71の出力信号Vδに応じてインバータ回路3を正弦波状にPWM制御するインバータ制御手段76と、補正手段75の出力角周波数信号ω1を積分して位相信号θを発生させインバータ制御手段76に位相信号θを加える位相信号生成手段77より構成される。トルク演算手段78は、インバータ出力電圧と出力周波数ω、および、ピーク電流検知手段73の出力信号ipよりq軸電流Iq、すなわち、トルク電流を演算推定するもので、モータ効率が最大となるように電流設定手段72の設定値を変更制御する。また、トルク電流検出により負荷トルクが判別できるので、ポンプ負荷のエア噛み検出、あるいは、ファンの閉塞状態などの負荷状態の検出が容易となる。直流電圧検知手段79は、直流電源2の直流電圧Vdcを検知するもので、インバータ回路出力電圧Vaを正確に制御するために必要となる。言い換えれば、PWMインバータ回路の変調度を直流電源電圧Vdcに応じて制御することにより、駆動周波数と出力電圧の比を一定制御するV/f制御の制御精度を高めることができ、直流電源電圧変動に関わらず、インバータ出力電圧を一定制御することができる。
補正手段75は、電流誤差信号Δipを一定の比率Kfで増幅し周波数成分に変換する周波数補正手段75aと、その出力信号Δωを周波数設定手段70の出力信号ωに加算する加算手段75bと、電流誤差信号Δipを比例積分し電圧補正信号ΔVδに変換する電圧補正手段75cより構成される。加算手段75bの出力信号ω1は位相信号生成手段77に加えられ周波数補正により乱調を防止し、電圧補正手段75cの出力信号ΔVδは電圧制御手段71に加えられ検知ピーク電流Ipが設定値Ipsとなるようにフィードバック制御する。電圧制御手段71は、インバータ回路駆動周波数ωに誘起電圧定数Keを乗じた電圧に補正電圧ΔVδと起動電圧Vsを加えた制御電圧Vδに応じた電圧がモータ4に印加するようにインバータ制御手段75を制御する。Vδは数式1より求める。
Figure 2008301593
モータ各相電圧制御信号は電圧制御信号Vδと電気角θから数式2より与えられる。
Figure 2008301593
補正手段75の周波数補正手段75aにより、電流誤差信号Δipに比例してインバータ周波数を補正変更し安定化制御するもので乱調を防止できる。すなわち数式3に従い、モータ電流ipが設定値ipsよりも増加すると(Δipは負になるので)駆動周波数を低下させ、モータ電流ipが設定値ipsよりも低下すると(Δipは正になるので)逆に駆動周波数を増加させる。
Figure 2008301593
数式3に示すKfは、周波数設定手段70の出力信号ωと比例定数kの積(Kf=ω・k)から求める(図示せず)。すなわち、設定周波数ωに比例して周波数制御ゲインKfが大となることを意味し、低周波数では比例定数Kfを下げて周波数変化、あるいは位相変化を減らし、高周波数で比例定数Kfを大きくしてモータピーク電流が設定値Ipsとなるように制御する。ファン・ポンプ負荷では回転数の自乗にトルクが比例するので、トルク変動に対するダンピングが発生してV/f制御だけでも安定化できるが、定トルク負荷ではV/f制御だけでは乱調が発生するため安定化できない。しかし、周波数を負帰還制御すると安定化でき乱調を抑制することができる。
図2は、本発明による非突極性モータ(SPMSM)の制御ベクトル図であり、モータのロータ磁石軸座標(d−q座標)とモータ印加電圧軸座標(γ−δ座標)の関係を示している。モータ印加電圧軸座標(γ−δ座標)はd−q座標よりも負荷角δ進角し、モータ印加電圧(=インバータ回路出力電圧)Vaはδ軸電圧と等しく、δ軸の電圧ベクトルのみ制御するため、Va=Vδ、Vγ=0となるので座標逆変換は不要で数式2よりインバータ3相出力電圧を演算できる。モータ誘起電圧Emはq軸上となるので、モータ電流Iのq軸電流ベクトルIqをトルク電流と呼び、モータピーク電流と等しいインバータ直流電流ピーク値Ipの設定値Ipsをトルク電流Iqとほぼ等しくなるように設定すると簡易的なベクトル制御が可能となる。
モータ電流ベクトルIは、q軸より位相γ遅れて表示しており、モータ印加電圧Vaはモータ誘起電圧Vmの1.1倍以上に設定する。位相φはモータ印加電圧Vaと電流Iの位相(力率角)を示している。負荷トルクが一定ならばIq一定となるので、誘起電圧Emからのモータコイル電圧ベクトルωLIは1点鎖線上(ωLIq)となり、q軸と直角となるベクトル関係(I=Iq)で最大効率運転(γ=0)となり、その時のモータ印加電圧をVa0とすると、モータ印加電圧VaがVa0よりも小さくなると進み角となり、モータ印加電圧VaがVa0よりも大きくなると遅れ角となる。
本発明は、q軸からの電流位相γが零となるように、言い換えれば、電流ピーク値Ipがトルク電流Iqと等しくなるように簡易ベクトル制御するもので、モータ高速回転においてはコイルインピーダンスが高くなりモータ抵抗による電圧降下を無視できるため、モータ印加電圧Vaと、モータ誘起電圧Emと、モータピーク電流Ipから負荷角δ(あるいはsinδ)を演算し、トルク電流Iqを演算推定するものである。
従来の1シャント電流検知方式において、直流電流からIδを推定する方式では検知精度が悪い課題があり、インバータ回路のスイッチングベクトルに応じて電流検出し正弦波を再現する方法は、キャリヤ周波数が高くなると電流の再現が困難となる課題があった。しかし、電流ピーク値Ipを検出する方法は、回路も簡単で検知精度も高く、座標変換不要なのでプロセッサへの負担が軽くなる特長がある。電流ピーク値Ipを制御する本発明においては、トルク変動や負荷角変動の影響が電流ベクトルI、あるいはピーク電流Ipの変動として直接現れるため負荷変動の検出に優れており、負荷変動に対する安定化に優れる特長がある。Iδ制御、Iγ制御より本発明によるIp制御の方がトルク変動が顕著となり、かつ、座標変換不要なのでので電流制御方法として有利となる。
図3は、2相変調時のPWM信号とシャント抵抗電圧波形を示す。
図3において、vcは三角波キャリヤ信号、vu、vvはそれぞれu相、v相の変調信号、up、vp、wpはUVW各相の上アーム制御信号、Vshはシャント抵抗電圧波形を示す。w相下アームトランジスタを強制的に導通させるので、w相変調信号は示していない。
2相変調においてモータピーク電流が現れるパターンは、図3に示すように、1相の上アームのみオンしている区間(t0〜t2、t4〜t5)、あるいは2相の上アームがオンしている区間(t5〜t7)に現れる。2相変調は3相変調と異なり2相のみPWM制御されるのでピーク電流が現れる区間が広くなるのでピーク電流検出が容易となる。
図4は、UVW各相の2変調信号波形と各相電流がシャント抵抗に現れる位相を示している。0から1/3πまでの区間はW相電流IwとV相電流Iv、1/3πから2/3πまでの区間はU相電流IuとV相電流Iv、2/3πからπまでの区間はU相電流IuとW相電流Iwと、順次各相電流が現れる。電流ピーク値が現れる区間は図の矢印で示しているように、各相の中性点からの電圧がピークとなる位相から通常30度程度遅れるので、2相変調の2つのピーク近傍で正と負の各相電流のピーク値が出現する。すなわち、区間0から1/3πはIwのピーク値、区間1/3πから2/3πはIvのピーク値、区間2/3πからπまではIuのピーク値と、1周期で計6回ピーク値が出現する。電流位相が電圧位相よりも30度程度遅れた場合にはピーク電流の検出は容易であるが、60度遅れるとパルス幅が狭くなって電流検出が困難となることを示している。しかしながら、IPMSMの場合には、電圧位相と電流位相の力率角φは小さくなるので、電流ピーク値の検出は容易であり、SPMSMの場合は進角の程度はわずかなので力率角φが大きくなる場合は非常にまれであり、実用上ほとんど問題は発生しない。
1シャント電流検知方式で、かつ、電圧増幅器とピークホールド回路より構成する方式は、ハードウェア構成が簡単なだけではなくプロセッサのソフトウェアにも負担が少なく簡単となる特長がある。また、電流検出するA/D変換タイミングは、インバータ回路のスイッチングトランジスタが全てオン又はオフしているキャリヤ信号の谷、あるいはピーク(図3のt0、t3、t6)でよく、電流検出が簡単で、かつ、ノイズにも強い特長がある。
図5は、モータ電流制御のフローチャートを示し、図6は、トルク電流演算サブルーチンのフローチャートを示す。
図5において、ステップ100からモータ回転制御が開始し、次にステップ101に進んで起動電流Ipを設定し、次にステップ102に進んで起動制御サブルーチンを実行する。起動制御サブルーチンは、定常回転数まで時間と共に駆動周波数ωをほぼ零から設定周波数まで直線的に増加させ、モータ印加電圧Vaも駆動周波数ωに対して一定比率にして時間と共に増加させる。この時、シャント抵抗電流ピーク値Ipは起動時に設定した値となるように誤差信号Δipによりモータ印加電圧Vaを補正し、誤差信号Δipによる駆動周波数ωの補正は行わない。次に、ステップ103に進んで所定回転数に達したかどか判定し、所定回転数に達したならばステップ104に進んでトルク電流演算サブルーチンを実行する。
図6は、トルク電流演算サブルーチンの詳細フローチャートで、ステップ200よりサブルーチンが開始し、ステップ201にてシャント抵抗のピーク電流を検知し、次にステップ202に進んで直流電源2の直流電圧Vdcを検知し、次にステップ203に進んで直流電圧Vdcと出力電圧指令値VδとPWM変調度よりインバータ出力電圧Vaを演算する。次にステップ204に進んで駆動周波数ωとモータ誘起電圧定数よりモータ誘起電圧Emを求め、ステップ205に進んで数式4に示した余弦定理より負荷角δの余弦cosδと正弦sinδを求める。
Figure 2008301593
本発明による制御方法は、基本的にはV/f制御でありモータ誘起電圧とモータ印加電圧の電圧比kをほぼ一定制御するもので、電圧kがわかれば数式4はもっと簡単な数式で表現でき、プロセッサの負担も軽くなる。数式5はモータ誘起電圧とモータ印加電圧の比kを求めるもので、V/f制御比k0に電圧補正値ΔVaと誘起電圧定数Keと駆動周波数ωの補正値を加えた値で表現される。
Figure 2008301593
プロセッサの演算能力が足りない場合には、ωとΔVδからルックアップテーブルFkにより求めることもできる。
数式6は電圧比kと電流ピーク値Ipからcosδを求めるもので、ここに示す定数kLは誘起電圧定数KeとモータコイルインダクタンスLの比率(Ke/L)で、モータの励磁能力を示すモータ定数である。プロセッサの演算能力がなければ、予め計算しておいたkとIpのルックアップテーブルFδからcosδを求めることができる。
Figure 2008301593
cosδがわかればsinδは対応テーブルから求めることができるので、ステップ206に進み、数式7よりトルク電流Iqを求める。同様に数式7は、電圧比kとピーク値IpのルックアップテーブルFiからトルク電流Iqを求めることができることを表している。次に、ステップ207に進んで電流ピーク値の設定値IpsをIq、あるいは、Iqに少し余裕をみた値に変更し、ステップ208に進んでサブルーチンをリターンし図5に示すメインルーチンに戻る。
Figure 2008301593
ステップ105以降は、シャント抵抗電流ピーク値Ipを設定値Ipsに制御する電流制御を示すもので、ステップ105にて電流ピーク値Ipを検出し、ステップ106にて設定値との誤差信号Δipを演算し、次にステップ107に進んで誤差信号Δipが所定値以内となるようにモータ制御電圧Vδを制御し、次にステップ108に進み誤差信号Δipに比例して駆動周波数ω1を制御し安定化制御を行う。次にステップ109に進んでインバータ回路3のPWM制御を行い、インバータ回路3の出力電圧と駆動周波数を制御し、ステップ110に進んでモータ制御運転が終了したかどうか判定し、終了ならばモータ駆動を中止して次工程に移行し、終了でなければステップ104に戻ってモータ電流制御を行う。
以上のように、周期的にモータの負荷トルクに応じたトルク電流を求め設定電流を周期的に変更するので、常に負荷トルクに応じたトルク電流となるように設定値が変更され最大効率運転が行われる。
以上述べたように、本発明は永久磁石モータをV/f制御によりセンサレス正弦波駆動するために直流電流ピーク電流を所定値に制御するもので、さらに、モータ負荷に応じたトルク電流を演算で求め、トルク電流Iqと直流電流ピーク値Ipが等しくなるように制御するので、モータピーク電流がトルク電流とほぼ等しくなり電流最小に制御され、モータとインバータ回路の損失を減らし最大効率運転が可能となる。
本発明は、モータの正弦波電流を再現する必要がないので、電流検出が非常に簡単でかつ、座標変換などの複雑な演算も無く電流一定制御するだけでセンサレス正弦波駆動が可能となるので、安価なプロセッサでセンサレス正弦波駆動が実現でき、安価なモータと安価な制御手段により高効率、低騒音、低価格のモータ駆動装置を実現できる。
なお、本実施の形態において、モータ電圧は周波数補正前の信号ωによりV/f制御したが、補正後の信号ω1によりV/f制御しても効果は同様である。
また、インバータ出力電圧Vaをほぼモータ誘起電圧Emと等しくなるように設定し、電流Ipが所定値となるように周波数制御すると所定進み角に設定することができるので、突極性モータの簡易ベクトル制御も可能となる。
本発明は、ロータ位置推定しないV/f制御なのでモータパラメータをほとんど使用せず、さらに、回転数オープンループ制御なので回転数変動が非常に少なくなり、制御方式がシンプルで、かつ電流検知も簡単となり制御プログラムの開発とチューニング工数を低減でき、安価なプロセッサ、あるいは、半導体集積回路で実現できる。よって、制御システムとインバータ回路が一体となったパワーモジュールの実現も容易となる。
特に、突極性モータと非突極性モータに関わらず制御でき、進み角制御も容易なので弱め界磁により回転数制御範囲を高速領域に広げることができ、モータ制御プログラムと電流検知が簡単となるのでプロセッサの負担が軽くなり、ヒートポンプ式洗濯乾燥機の如き圧縮機モータ、洗濯モータ、乾燥ファンモータ同時正弦波駆動方式に適用することができ、安価で信頼性の高い複数モータ同時駆動装置を実現できる。
以上のように、本発明のモータ駆動装置は、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路により永久磁石モータをセンサレス正弦波駆動し、モータ電流のピーク値あるいは回転磁界に相当するモータ電流を検知して設定値となるようにインバータ回路出力電圧とモータ駆動周波数を制御するものであるから、永久磁石モータを駆動するほとんどのモータ駆動装置に適用可能であり、食器洗い機の洗浄ポンプ駆動装置や洗濯機のモータ駆動装置、掃除機のモータ駆動装置、換気扇や燃焼機等のファンモータ駆動装置、空気調和機や冷蔵庫の圧縮機モータ駆動装置に適用できる。さらに、ヒートポンプ式洗濯乾燥機や空気調和機の如き複数モータ同時駆動方式にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図 同モータ駆動装置のモータ制御ベクトル図 同モータ駆動装置のシャント抵抗電圧波形と電流検知タイミング図 同モータ駆動装置の2相変調時の電流検知タイミング図 同モータ駆動装置のモータ制御のフローチャート 同モータ駆動装置のトルク電流演算のフローチャート
符号の説明
2 直流電源
3 インバータ回路
4 モータ
5 モータ負荷
6 電流検出手段
7 制御手段
70 周波数設定手段
71 電圧制御手段
72 電流設定手段
74 電流比較手段
75 補正手段
78 トルク演算手段

Claims (4)

  1. 直流電源と、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動される永久磁石モータと、前記モータにより駆動される負荷と、前記インバータ回路の直流電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号により前記インバータ回路を制御して前記モータを正弦波駆動する制御手段よりなり、前記制御手段は、前記インバータ回路の出力周波数を設定する周波数設定手段と、前記周波数設定手段の出力信号により前記インバータ回路出力電圧を制御する電圧制御手段と、前記インバータ回路直流電流のピーク値を設定する電流設定手段と、前記電流検出手段の出力信号より検出した直流電流ピーク値と前記電流設定手段の設定信号を比較する電流比較手段と、前記電流比較手段の出力信号より前記出力周波数あるいは出力電圧を補正するようにした補正手段と、前記電流検知手段の出力信号と前記インバータ出力設定信号よりモータトルクを演算推定するトルク演算手段よりなるモータ駆動装置。
  2. モータトルク演算手段は、電流検知手段により検知した電流ピーク値とインバータ出力設定信号とモータ定数よりトルク電流を演算推定し、前記電流ピーク値と前記トルク電流がほぼ等しくなるようにした請求項1記載のモータ駆動装置。
  3. モータトルク演算手段は、起動後所定回転数に達してからモータトルクを演算推定し、電流設定手段の設定値を変更するようにした請求項1記載のモータ駆動装置。
  4. モータトルク演算手段は、周期的にモータトルクを演算推定し、電流設定手段のピーク電流設定値を変更するようにした請求項1記載のモータ駆動装置。
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