JP4983322B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明はモータ駆動装置に関するもので、特にそのモータ制御手段に関するものである。
従来、この種のモータ駆動装置は、インバータ回路出力電流を検出し、モータ電流をモータ印加電圧位相により座標変換し座標変換後のモータ電流を制御するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−236694号公報
しかし、従来の方式のモータ駆動装置はモータ印加電圧位相に対応したモータ電流を瞬時に検出し、座標変換して直流成分に変換していたため、高速A/D変換手段、あるいは高速電流検知手段と高速演算手段が必要であり、インバータ回路を制御するマイクロコンピュータなどのプロセッサが高価格となる課題があった。さらに、複数のモータを同時に制御するためにはさらに高速のプロセッサが必要となる課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、基本的には座標変換無しでモータ制御するので、高速A/D変換手段や高速演算手段無しで制御できるため、安価なプロセッサと簡単な制御プログラムで正弦波駆動可能なモータ駆動装置を実現することを目的とするものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータ駆動装置は、直流電源と、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され永久磁石からなるロータより構成される永久磁石同期モータと、前記永久磁石同期モータにより駆動されるファンあるいはポンプ負荷と、前記インバータ回路直流電流のピーク値を検出する電流検出手段と、前記電流ピーク値を設定する電流設定手段と、前記電流検出手段の出力信号と前記電流設定手段の出力信号を比較する電流比較手段と、前記電流比較手段の出力信号により前記インバータ回路の電圧を比例積分制御するインバータ出力電圧制御手段により前記インバータ回路を制御して前記モータを所定周波数で正弦波駆動する制御手段よりなり、前記モータの電流ピーク値が負荷トルクに応じた最適値となるようにインバータ回路出力電圧を制御するものである。
本発明のモータ駆動装置は、モータ電流のピーク値あるいは回転磁界に相当するモータ電流を検知して設定値となるようにインバータ回路出力電圧を制御するものであり、座標変換無しでも電流検出可能となり、さらに、高速A/D変換手段や高速演算手段無しで制御できるため、安価なプロセッサと簡単な制御プログラムでセンサレス正弦波駆動可能なモータ駆動装置を実現できる。また、簡単で安価な電流センサを使用でき、制御プログラムも簡単となるので安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現でき、さらに、1つのプロセッサにより複数のモータを同時に制御でき、複数モータ同時駆動可能なシステムを簡単に構成できる。
第1の発明は、直流電源と、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され永久磁石からなるロータより構成される永久磁石同期モータと、前記永久磁石同期モータにより駆動されるファンあるいはポンプ負荷と、前記インバータ回路直流電流のピーク値を検出する電流検出手段と、前記電流ピーク値を設定する電流設定手段と、前記電流検出手段の出力信号と前記電流設定手段の出力信号を比較する電流比較手段と、前記電流比較手段の出力信号により前記インバータ回路の電圧を比例積分制御するインバータ出力電圧制御手段により前記インバータ回路を制御して前記モータを所定周波数で正弦波駆動する制御手段よりなり、前記モータの電流ピーク値が負荷トルクに応じた最適値となるようにインバータ回路出力電圧を制御するようにしたものであり、最大負荷から無負荷まで動作可能であり、電流検知手段とモータ制御プログラムが簡単になり安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現できる。
第2の発明は、第1の発明におけるインバータ回路は3相フルブリッジインバータ回路より構成し、電流検出手段は前記3相フルブリッジインバータ回路の負電位側端子に接続したシャント抵抗と電流検知回路より構成し、前記シャント抵抗に流れる電流の最大値を検出することにより永久磁石同期モータの電流ピーク値を検出し、前記電流ピーク値が負荷トルクに応じた最適値となるようにインバータ回路出力電圧を比例積分制御するようにしたものであり、シャント抵抗1ヶよりなる簡単な電流検知手段によりモータピーク電流、あるいは、回転磁界に対応した駆動電流を制御できるので制御手段を簡単にでき安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現できる。
第3の発明は、第1の発明における制御手段は、電流比較手段の出力信号により前記インバータ回路の出力周波数を設定する周波数設定手段と、前記周波数設定手段の出力周波数を補正する周波数補正手段よりなり、前記モータの電流ピーク値が前記電流設定手段の設定値となるように前記インバータ回路出力周波数を制御するようにしたものであり、トルク変動の大きい負荷においても安定な回転動作が得られ、回転数変動の少ないモータ制御が可能となる。
第4の発明は、第1の発明における制御手段は、インバータ回路出力電圧、あるいは変調度が所定値よりも異常に高く、あるいは低くなると無負荷、あるいは脱調と検知する異常検知手段を備えたものであり、モータ電圧あるいはその制御信号より異常を判別できるのでモータ制御プログラム、あるいは制御回路を簡単にすることができ、安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現できる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるモータ駆動装置のブロック図を示すものである。
図1において、交流電源1より整流回路よりなる直流電源回路に交流電力を加えて直流電源2を構成し、3相フルブリッジインバータ回路3により直流電力を3相交流電力に変換して永久磁石より構成されたロータよりなるモータ4を駆動する。直流電源2は、全波整流回路20の直流出力端子にコンデンサ21a、21bを直列接続し、コンデンサ21a、21bの接続点を交流電源入力の一方の端子に接続して倍電圧整流回路を構成し、インバータ回路3への印加電圧を高くし電流を減らしてインバータ回路損失を減らす。モータ4はファン、あるいはポンプなどのモータ負荷5を駆動する。インバータ回路3の負電圧側に電流検出手段6を接続し、インバータ回路3に流れる電流を検出することによりインバータ回路3の出力電流、すなわち、モータ4のピーク電流、あるいは、回転磁界に相当する駆動電流を検出する。
電流検出手段6は、いわゆる1シャント方式と呼ばれるもので、インバータ回路3の下アームトランジスタのエミッタ端子側に接続されたシャント抵抗60と、シャント抵抗60に流れる電流を検知する電流検知回路61より構成される。
1シャント方式は、キャリヤ周波数が高い場合や、変調度が大きくなった場合には電流検出不可能領域が出現するので、各位相に対応した瞬時電流を検出する場合には3シャント方式の方が優れているが、本願発明においてはモータ正弦波電流のピーク値、あるいは回転磁界に対応した電流を検出するので、1シャント方式の方が回路構成が簡単となる。勿論、後ほど述べるように3シャント方式でも問題はない。
制御手段7は、モータ4のピーク電流、あるいは、回転磁界に相当する駆動電流が設定値となるようにインバータ回路3の出力電圧を制御するもので、モータ駆動電流Iを設定する電流設定手段70の出力信号isと電流検出手段6の出力信号iを比較する電流比較手段71の出力信号Δiをインバータ出力電圧制御手段72に加え、インバータ出力電圧制御信号Vδを制御する。インバータ出力電圧制御信号Vδはインバータ回路制御手段73に加えられ、インバータ回路3の3相出力電圧をPWM制御し正弦波駆動する。
周波数設定手段74はモータ駆動電流周波数を設定するもので、ロータの極数pと回転数nに応じた駆動周波数fに設定される。モータ4の印加電圧Vaは、モータ誘起電圧Vmとほぼ同等、あるいは、モータ誘起電圧Vmよりも少し高い電圧を印加すればよいので、V/f制御手段75により、モータ回転数n、すなわち、インバータ回路駆動周波数fにほぼ比例した電圧Vf(Vf=Ke×f)をインバータ出力電圧制御手段72に加え、モータ回転数に応じてインバータ出力電圧制御信号Vδを制御する。Vδは式1より求められる。
Figure 0004983322
すなわち、モータ電圧制御信号Vδは、V/f制御電圧Vfに電流誤差信号Δiの比例積分制御値を加えて求められ、モータ駆動電流Iが設定値Isとなるようにフィードバック制御される。
位相生成手段76は、周波数設定手段74の出力に応じた位相信号θを発生させるもので、角周波数ωの積分値、あるいは、零位相からの時間tと角周波数の積ωtより位相θを求め、インバータ回路制御手段73に位相信号を加えてPWM制御する。モータ各相電圧制御信号は式2より求められる。
Figure 0004983322
図2は本願発明を示す表面磁石同期モータの制御ベクトル図であり、モータの磁石軸d−q座標とモータ印加電圧γ−δ座標の関係を示している。モータ印加電圧座標(γ−δ座標)はd−q座標よりも負荷角δ進角し、モータ印加電圧Vaはδ軸電圧と等しく、δ軸のみ制御するため、Va=Vδ、Vγ=0となるので座標逆変換は不要である。モータ誘起電圧Emはq軸上となり、モータ電流Iのベクトルは、定格負荷でほぼq軸電流Iqと等しくなるように設定する。図2において、モータ電流ベクトルIはq軸より位相γ遅れて表示している。モータ印加電圧Vaと電流Iの位相はφで表示している。
本願発明は、モータ電流ベクトルIを設定値に制御するもので、モータ相電流Iu、Iv、Iwのピーク値を制御することを意味する。また、回転磁界の磁束ΨはインダクタンスLと電流Iの積、すなわち、Ψ=L・Iなので、電流Iを制御することは回転磁束Ψを一定に制御することを意味する。モータ相電流Iu、Iv、Iwのピーク値に限らず、実効値でも同じとなるこは明白である。
従来方式、すなわち、δ軸電流Iδを所定値に制御する場合、負荷変動によりδ軸電流Iδが変動するため負荷状態に応じてIδを変更する必要が生じるが、電流ベクトルIに応じたモータ電流(例えば、モータピーク電流Ip)を一定に制御する場合には負荷角δと位相φが負荷に応じて自動的に変化するため電流値を変更する必要がない特長がある。
無効電流成分Iγを一定に制御する場合でも、定格負荷から無負荷まで負荷角δが自動的に変化し無効電流設定値を変える必要がなく安定に動作するが、電流ベクトルI、あるいは電流ピーク値Ipを制御する方法が安定化し易い。無効電流一定制御においては、負荷が増大し、電流ベクトルIが増加する進角制御においては、無効電流値Iγが減少してトルク変動に対応した無効電流成分変化率は減少するため安定化が困難となるが、電流ベクトルIを制御する場合は、トルク変動や負荷角変動の影響が電流ベクトルI、あるいはピーク電流Ipの変動となるので負荷変動に対する安定化に優れる特長がある。特に、電流ベクトルIがq軸よりも進角する進角制御において、Iδ制御、Iγ制御より有利となる。
また、起動時から電流設定手段70の設定値を一定にすると、起動トルクを大きくでき、さらに進角制御領域までモータ電流を一定に制御できる特長がある。
以上述べたように、本発明による実施の形態1においては、モータ電流のピーク値あるいは回転磁界に相当するモータ電流を検知して設定値となるようにインバータ回路出力電圧を制御するものであり、座標変換無しで制御可能となり、さらに、高速A/D変換手段や高速演算手段無しで制御できるため、安価なプロセッサと簡単な制御プログラムでセンサレス正弦波駆動可能なモータ駆動装置を実現できる。また、1シャント方式の如き簡単で安価な電流センサによりモータピーク電流を検出すればよく、さらに、制御プログラムも簡単となるので安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現できる。特に、負荷がファン、あるいはポンプの場合には、モータトルクが回転数の2乗に比例するためダンピング効果が大きくなるので安定化が容易となる特長がある。
(実施の形態2)
以下、本発明の第2の実施の形態について図3に示す制御ブロック図を用いて説明する。
図3は制御手段の詳細なブロック図で、第1の実施の形態に新たに周波数補正手段を設け、回転磁界に対応したモータ電流検出手段に変更したものである。周波数設定手段74の信号は、V/f制御手段75、電流設定手段70a、周波数補正手段77にそれぞれ加えられる。電流設定手段70aは、駆動周波数に応じて電流設定値を変更するようにしたもので、ファン、あるいはポンプ負荷の如き回転数により負荷トルクが変化する場合において、最大効率となる電流値Ip*を設定する。すなわち、負荷トルクに応じた最適値を設定する。電流比較手段71はモータ電流ピーク値Ipと設定値Ip*を比較して電流誤差成分ΔIpをインバータ出力電圧制御手段72に加える。インバータ出力電圧制御手段72はPI制御手段72aと電圧加算手段72bよりなり、電流誤差成分ΔIpをPI制御して制御信号ΔVδを演算し、電圧加算手段72bにて、V/f制御手段75の出力信号Vfと制御信号ΔVδを加算して出力信号Vδをインバータ制御手段73に加える。インバータ制御手段73は、正弦波生成手段73a、PWM制御手段73b、キャリヤ信号発生手段73cより構成され、信号Vδに応じた正弦波信号を発生させインバータ回路3をPWM変調させるゲート制御信号up、un、vp、vn、wp、wnを生成し、3相フルブリッジインバータ回路3の6ヶのトランジスタをスイッチングさせる。
電流比較手段71の出力信号ΔIpは、周波数補正手段77の比例制御手段77aに加えられ出力信号ΔIpに比例した周波数補正信号Δfを周波数加算手段77bに加えトルク変動に起因する乱調現象を抑制し安定性を高める。補正後の周波数信号f1を位相生成手段76に加え、位相信号θを発生させる。周波数加算手段77bの出力信号f1は、電流設定手段70aに加えてもよい。
周波数補正動作についてさらに説明を加えると、設定値Ip*よりもモータ電流Ipが増加すると誤差信号ΔIpは負の値となり周波数補正信号Δf(Δf=Kf×ΔIp)も負の値となるので、f1=f+Δfの制御より補正後の周波数f1は低下し、γ−δ軸はd−q軸に近づき負荷角δが減少してモータ電流Iは減少するので電流一定制御動作となる。V/f制御においてトルク変動があると乱調が発生するが、周波数制御を加えることにより乱調が抑制され回転数変動が非常に少なくなる特長があり、トルク変動に対して乱調による脱調現象も抑制される。
モータ電流演算手段78は、回転磁界に応じたモータ電流を正確に求めるためにモータ各相電流の瞬時値Iu、Iv、Iwを3相/2相変換手段78aに加え、γ−δ軸に座標変換してγ−δ座標の電流値Iγ、Iδを求め、Iγ、Iδを自乗平均演算手段78bに加えて式3よりモータ電流Iを演算する。
Figure 0004983322
式3で求めた電流値は極座標上の電流と等しく、ほぼ正確に回転磁界に対応した電流をDC成分として求めることができるので、連続的なフィードバック制御が可能となり、応答制御性能を高めることができる。
モータ各相電流の検出方法として1シャント方式、あるいは、3シャント方式どちらでもよいが、いずれにせよ、PWM信号に同期して高速A/D変換により電流検出する必要がある。1シャント方式にすると電流検出の部品点数が少なく、プロセッサの高速A/D変換ユニットも1ヶでよい特長があるが、3シャント式が検知タイミング処理が簡単で、かつ、検知精度に優れている。
実施の形態2に示す電流制御方法は座標変換が必要なため制御プログラムが複雑となる課題があるが、負荷角δの演算、あるいはモータ入力の演算が容易なので負荷量を容易に検知可能であり、無負荷状態も正確に検知できる特長がある。瞬時位相における回転磁界に対応した電流が検出できるので応答性も高くなる特長がある。
なお、図3の実施例では周波数を補正する実施例を示したが、位相成分を補正しても乱調防止となることは言うまでもない。
(実施の形態3)
以下、本発明の第3の実施の形態について図4、図5を用いて説明する。
図4は制御手段の詳細なブロック図で、第2の実施の形態に新たに異常検出手段79を設けたもので、さらに、電流検知手段6の詳細な実施例を図5に示す。実施の形態2と重複する内容の説明は省略する。
本願発明は、インバータ回路出力電圧Vaに対応した制御信号Vδの大小により異常を検出するもので、モータが回転停止した脱調時にはモータ誘起電圧Vmが減少するので、モータ電流一定制御するとモータ印加電圧Vaは減少するのでモータ印加電圧制御信号Vδも減少し、モータ印加電圧制御信号Vδが減少すると異常検知手段79により電圧低下を検出して脱調検知する。信号レベルの電圧検出、あるいは変調度の検出により脱調検知ができるので制御方式、あるいは制御プログラムが簡単になる特長がある。
また、無負荷時にはモータ誘起電圧位相とモータ印加電圧位相がほぼ等しくなるため、モータ電流一定制御するためにモータ印加電圧Vaは、モータ誘起電圧Vmとモータインダクタンスによる電圧VLの和に等しくなるのでモータ印加電圧は非常に大きくなる。よって、モータ電圧制御信号Vδが異常に高くなると無負荷状態、あるいは軽負荷状態と判断し、モータ運転を停止するなど処理に移行させることができる。例えば、ポンプ負荷においては、ポンプ動作終了判定やエア噛み判定が可能となる。
図5は、本願発明による1シャント方式ピーク電流検知回路の詳細な実施例を示す。
シャント抵抗60に発生する電圧vnのピーク値はインバータ回路3の各相出力電流のピーク値に対応している。マイクロコンピュータ等のプロセッサ内蔵のA/D変換回路は所定のDC電圧範囲内で動作するので、DC電圧の範囲内に対して変化するように増幅してレベルシフトさせる必要がある。言い換えれば、A/D変換回路の入力ダイナミックレンジ内で、モータ電流信号ピーク値が変化するように設定すればよい。以下、ピーク電流検知回路61aの詳細な説明を行う。
シャント抵抗60と並列関係にコンデンサ600を接続し、シャント抵抗60と抵抗601、602を直列関係に接続してピーク電流検知回路61aの直流電源(Vcc)に抵抗601をプルアップ接続する。抵抗601(抵抗値R1)と抵抗602(抵抗値R2)の接続点を高速演算増幅器603の+入力端子に接続し、高速演算増幅器603の出力端子と−入力端子間に帰還抵抗604a(抵抗値R4)を接続し、−入力端子と接地電位間に抵抗604b(抵抗値R3)を接続し非反転増幅器として使用する。シャント抵抗抵抗値をRoの端子電圧vnは、電流をIとするとvn=Ro×Iとなり、抵抗601と抵抗602の分圧比kをk=R2/(R1+R2)、帰還増幅率KをK=R4/R3、高速演算増幅器603の出力ダイオード電圧降下をvdとすると、電流検知回路61の出力電圧vpは式4で表される。
Figure 0004983322
ここで、分圧比kと帰還増幅率Kの積、すなわち、k×K=vd/Vccとなるようにすれば、ダイオード電圧降下vdをキャンセルでき、モータピーク電流に対応した直流電圧信号vpに変換される。
高速演算増幅器603の出力コンデンサ606はピークホールド用で、並列抵抗607は、積分時間設定用である。ダイオード608a、608bは電流検知回路61の出力に接続されるA/D変換回路の過電圧保護のために接続している。ピークホールド用ダイオードの影響を小さくするにはショットキーダイオードにする方がよい。また、高速演算増幅器603の出力ダイオード電圧降下の温度の影響を低減させるには、抵抗602と直列関係に温度補償用ダイオードを接続するとよい。
図5に示したピーク電流検知回路を使用すると、キャリヤ信号のピーク、あるいは谷において電流検出することによりモータ電流ピーク値が検出でき、従来の1シャント方式の如きキャリヤ信号1周期内で数回電流検知する必要がなく、電流検知アルゴリズムが簡単になる特長がある。特に、複数モータ同時駆動においては電流検知タイミング制御が複雑となり、場合によれば、電流検知時に他のインバータ回路のスイッチングノイズの影響を受ける問題が発生するが、本願発明によれば電流検知タイミングをキャリヤ信号のピークあるいは谷に設定することによりスイッチングノイズの影響を受けなくなる。
以上述べたように、本発明によれば、モータピーク電流、あるいはモータ回転磁界に応じたモータ駆動電流が設定値となるようにモータ印加電圧、あるいは、モータ印加電圧とモータ駆動周波数を制御するようにしたので、自動的にモータ負荷に応じた負荷角となり、γ−δ軸とd−q軸の位相関係が負荷に応じて一定となりセンサレス正弦波駆動が可能となる。特に、無負荷から定格負荷までモータ負荷が大きく変動しても、電流一定制御だけで動作可能なので制御が非常にシンプルとなる特長がある。また、電圧制御と周波数制御を併用することにより乱調が抑制され、回転数変動が非常に小さくなる特長がある。
本願発明はロータ位置推定しないV/f制御なのでモータパラメータをほとんど使用せず、さらに、回転数オープンループ制御なので回転数変動が非常に少なくなり、制御方式がシンプルで、かつ電流検知も簡単となり低騒音、低価格、高信頼性のモータ駆動装置を実現できる。特に、1つのプロセッサにより複数モータを同時駆動する場合には、モータ制御プログラムと電流検知が簡単となるのでプロセッサの負担が軽くなるので、ヒートポンプ式洗濯乾燥機の如きヒートポンプ、洗濯モータ、乾燥ファンモータ同時正弦波駆動方式に適用することができ、安価で信頼性の高い複数モータ同時駆動装置を実現できる。
以上のように、本発明のモータ駆動装置は、本発明のモータ駆動装置は、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路により永久磁石モータをセンサレス正弦波駆動し、モータ電流のピーク値あるいは回転磁界に相当するモータ電流を検知して設定値となるようにインバータ回路出力電圧とモータ駆動周波数を制御するものであるから、永久磁石モータを駆動するほとんどのモータ駆動装置に適用可能であり、食器洗い機の洗浄ポンプ駆動装置や洗濯機のモータ駆動装置、掃除機のモータ駆動装置、換気扇や燃焼機等のファンモータ駆動装置、空気調和機や冷蔵庫のヒートポンプモータ駆動装置に適用できる。さらに、ヒートポンプ式洗濯乾燥機や空気調和機の如き複数モータ同時駆動方式にも適用できる。
本発明の第1の実施の形態におけるモータ駆動装置のブロック図 本発明によるモータ駆動装置のモータ制御ベクトル図 本発明の第2の実施の形態におけるモータ駆動装置の制御手段のブロック図 本発明の第3の実施の形態におけるモータ駆動装置の制御手段のブロック図 本発明の第3の実施の形態におけるモータ駆動装置の電流検知回路図
2 直流電源
3 インバータ回路
4 モータ
5 モータ負荷
6 電流検出手段
7 制御手段

Claims (4)

  1. 直流電源と、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され永久磁石からなるロータより構成される永久磁石同期モータと、前記永久磁石同期モータにより駆動されるファンあるいはポンプ負荷と、前記インバータ回路直流電流のピーク値を検出する電流検出手段と、前記電流ピーク値を設定する電流設定手段と、前記電流検出手段の出力信号と前記電流設定手段の出力信号を比較する電流比較手段と、前記電流比較手段の出力信号により前記インバータ回路の電圧を比例積分制御するインバータ出力電圧制御手段により前記インバータ回路を制御して前記モータを所定周波数で正弦波駆動する制御手段よりなり、前記モータの電流ピーク値が負荷トルクに応じた最適値となるようにインバータ回路出力電圧を制御するようにしたモータ駆動装置。
  2. インバータ回路は3相フルブリッジインバータ回路より構成し、電流検出手段は前記3相フルブリッジインバータ回路の負電位側端子に接続したシャント抵抗と電流検知回路より構成し、前記シャント抵抗に流れる電流の最大値を検出することにより永久磁石同期モータの電流ピーク値を検出し、前記電流ピーク値が負荷トルクに応じた最適値となるようにインバータ回路出力電圧を比例積分制御するようにした請求項1記載のモータ駆動装置。
  3. 制御手段は、電流比較手段の出力信号により前記インバータ回路の出力周波数を設定する周波数設定手段と、前記周波数設定手段の出力周波数を補正する周波数補正手段よりなり、前記モータの電流ピーク値が前記電流設定手段の設定値となるように前記インバータ回路出力周波数を制御するようにした請求項1記載のモータ駆動装置。
  4. 制御手段は、インバータ回路出力電圧、あるいは変調度が所定値よりも異常に高く、あるいは低くなると無負荷、あるいは脱調と検知する異常検知手段を備えた請求項1記載のモータ駆動装置。
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