JP3804264B2 - インバータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、誘導電動機を可変速制御するインバータ装置に関し、特に、誘導電動機の低速時トルク特性を改善し、その駆動性能を良好にするインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のインバータ装置としては、図6に示すものがあった。図6において、1は交流電源、2は交流電源1から出力された交流を直流に変換する交流直流変換回路、3は交流直流変換回路2の出力側に並列接続した平滑用コンデンサ、4は平滑用コンデンサ3に充電された直流を新たな交流に変換する直流交流変換回路であり、以下、インバ−タ4と記載する。5はインバ−タ4から交流電力の供給を受ける誘導電動機である。
【0003】
6は誘導電動機5の回転速度の基準となる周波数feを設定する周波数設定回路、7は周波数設定回路6で設定された周波数feに滑らかに追従する指令周波数fを出力するクッション回路、8は入力された指令周波数fに対し、所定のV/f比の指令基準電圧Vaを出力する電圧周波数比率回路、9は平滑用コンデンサ3とインバ−タ4をつなぐ直流母線電流idcの計測器、10は計測された直流母線電流idcの計測値を入力して、そのピーク値を検出し、この検出電流に比例した電圧を出力する電流検出器である。
【0004】
11は誘導電動機5の無負荷時の電流値i0を設定する電流値設定回路、12は電流検出器10の出力より電流値設定回路11で設定された電流値を差し引いた電流増加分を検出する加減算器、13は加減算器12からの電流増加分に比例した補正電圧を出力する補正電圧出力回路であり、その比例定数は誘導電動機5の一次抵抗r1に略一致させている。14は電圧周波数比率回路8から出力された指令基準電圧Vaに補正電圧出力回路13から出力された補正電圧Vdを加算し、指令電圧Vとして出力する加算器である。
【0005】
15はクッション回路7から出力された指令周波数fと加算器14から出力された指令電圧Vとの入力によりPWM信号を発生し、インバ−タ4へ出力するPWM発生回路である。
【0006】
次に回路の動作について説明する。図6において、周波数設定回路6により周波数設定つまり速度設定がなされると、クッション回路7は、周波数設定回路6からの設定周波数feを入力とし、現時点におけるインバ−タ装置の運転速度を急変しないように、設定周波数feに滑らかに追従する指令周波数fを出力する。そして、電圧周波数比率回路8は、クッション回路7からの指令周波数fを受けて、予め定められた電圧周波数比率V/fに従って、指令基準電圧Vaが出力される。
【0007】
一方、電流検出器10は、脈動する直流母線電流idcの計測値を入力してそのピーク値ipを検出し、検出したピーク値ipに基づいて誘導電動機の一次電流iの基本波実効値Ieを算出する。
【0008】
つづいて、電流値設定回路11にて無負荷電流i0に相当する電流値を設定し、加減算器14により、電流検出器10が出力する誘導電動機の一次電流iの基本波実効値Ieより電流値設定回路11にて設定された無負荷電流i0相当の電流値を差し引き、誘導電動機5の負荷増加に起因する電流増加分△iを得る。補正電圧出力回路13は、前記電流増加分△iと誘導電動機5の1次抵抗値r1の積を求めて補正電圧Vdを出力する。そして加算器14において、電圧周波数比率回路8から出力された指令基準電圧Vaに補正電圧出力回路13から出力された補正電圧Vdを加算して指令電圧Vを得る。
【0009】
PWM発生回路15ではクッション回路7からの指令周波数fと加算器14からの指令電圧Vを受けて、インバ−タ4を構成するスイッチング素子をオン・オフするPWM信号を発生する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のインバータ装置は、以上のように構成されているので、インバ−タ4の交流出力で誘導電動機5を駆動する場合において、電流検出器10で直流母線電流idcのピーク値ipを検出し、演算により求めた誘導電動機の一次電流iの実効値Ieを、直接、制御に用いているので、負荷変動時における電流変動への追従が急峻となり、インバ−タ4の交流出力の電圧変動が大きく、誘導電動機5の動作が不安定となる場合がある等の問題点があった。
【0011】
また、すべり周波数補償を行っていないので、重負荷時にすべりSが大きくなり、誘導電動機5の回転数低下が大きくなる等の問題点があった。さらに、ノイズの影響によっては誘導電動機の一次電流iの実効値Ieを正確に演算できない場合がある等の問題点があった。
【0012】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、誘導電動機の負荷が急峻に変動するような場合や変動を繰り返すような場合等においても、誘導電動機を安定駆動すると共に、急峻な負荷増加時における回転数低下を抑え得るインバータ装置を得ることを目的とする。
【0013】
また、直流母線電流のピーク値の検出により、誘導電動機の一次電流の実効値を演算する場合において、ノイズの影響を除去し、実効値演算精度を向上させ得るインバータ装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係わるインバータ装置は、直流電源部と、該直流電源部からの直流入力を交流に変換し、誘導電動機に出力するインバータ部と、前記インバータ部へPWM信号を出力し、該インバータ部の交流出力を制御する制御部とを備え、該制御部が、前記直流入力を計測して前記誘導電動機の一次電流に応じた電流信号を出力する電流信号出力手段と、指令周波数を発生する指令周波数発生手段と、前記指令周波数の入力により所定のV/f比の指令基準電圧を得ると共に、前記電流信号より補正電圧を得て前記指令基準電圧に加算し、指令電圧として出力する指令電圧出力手段と、前記指令周波数及び前記指令電圧の入力によりPWM信号を発生し、前記インバータ部へ出力するPWM発生手段と有するインバ−タ装置において、前記電流信号出力手段が、前記誘導電動機の一次電流に所定の時定数をもって追従する電流信号を出力する電流フィルタを備え、前記指令電圧出力手段が、前記電流信号に比例した補正電圧を演算する補正電圧演算手段を備え、前記指令周波数発生手段が、前記電流信号に比例したすべり周波数を演算するすべり周波数演算手段と、別途入力された指令基準周波数に前記すべり周波数を加算し、指令周波数として出力する指令周波数補正手段を備え、自動トルクブ−スト制御とすべり周波数補償とを行なうものである。
【0015】
また、第2の発明に係わるインバータ装置は、第1の発明に係わるインバータ装置において、インバータ部が、複数のスイッチング素子にて構成され、並列に接続された複数のア−ムを備え、電流信号出力手段が、前記インバータ部における前記並列に接続された複数のア−ムの一括接続点と直流電源部の負極との間に接続され、前記インバータ部へ入力される脈動する直流電流を電流値比例電圧として計測する電流検出用抵抗器と、該電流検出用抵抗器により計測された電流値比例電圧のピ−ク値をホ−ルドするピ−クホ−ルド手段と、ホ−ルドした前記電流値比例電圧のピ−ク値を所定周期でサンプリングするサンプリング手段と、サンプリングされた所定数の前記ピ−ク値サンプルのうち、少なくとも最大電圧値のサンプルを除いたピ−ク値サンプルにより、前記誘導電動機の一次電流実効値を演算する電流演算手段と、演算された前記誘導電動機の一次電流実効値に所定の時定数をもって追従する電流信号を出力する電流フィルタとを備えたものである。
【0016】
第3の発明に係わるインバータ装置は、第1又は第2の発明に係わるインバータ装置において、電流演算手段が、所定周期でサンプリングされた電流値比例電圧における所定数のピ−ク値サンプルのうち、少なくとも最大電圧値のサンプルを除いたピ−ク値サンプルの平均電圧値により、前記誘導電動機の一次電流実効値を演算するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1を図1〜図5に基づき説明する。図1はインバータ装置の回路構成を示すブロック図、図2はインバータ装置における電流検出器の構成を示すブロック図である。また、図3は誘導電動機のT型等価回路を示す図、図4はインバータ装置の直流母線電流と、誘導電動機の一次電流Iu、Iv、Iw、および一次電流振幅値Isとの関係を示す波形図、図5はインバータ装置のすべり補償制御有無における速度−トルク特性曲線を示す図である。
図中、従来例と同じ符号で示されたものは従来例のそれと同一若しくは同等なものを示す。
【0018】
図1において、交流電源1から出力された交流を直流に変換する交流直流変換回路2および交流直流変換回路2の出力側に並列接続した平滑用コンデンサ3により直流電源部を構成する。また、平滑用コンデンサ3に充電された直流を新たな交流に変換するインバ−タ4によりインバータ部を構成する。なお、インバ−タ4は、2個のスイッチング素子4aが直列に接続され、その中間接続点を出力点とする3組のア−ム(図示せず)が並列に接続された構成を為す。
【0019】
9Aは、平滑コンデンサ3の負極3aとインバ−タ4における並列に接続された3組のア−ム(図示せず)の一括接続点4bとの間に接続され、脈動する直流母線電流idcを計測する電流検出用抵抗器である。
10Aは、電流検出用抵抗器9Aにより、その端子間電圧として計測された電流値比例電圧を入力してそのピーク値ipを検出し、検出したピーク値ipに基づいて誘導電動機5の一次電流振幅値Isを検出し、一次電流実効値Ieに換算して出力する電流検出器である。電流検出器10Aは、図2に示すごとく、ピ−クホ−ルド回路10a、サンプリング回路10bおよび電圧電流変換演算回路10cにより構成されている。
【0020】
16は電流検出器10Aで検出した一次電流実効値Ieの入力により一次遅れの電流信号Iefを出力する電流フィルタである。なお、電流検出用抵抗器9A、電流検出器10Aおよび電流フィルタ16により電流信号出力手段を構成している。
【0021】
17は電流フィルタ16から電流信号Iefを入力し、電流信号Iefに比例したすべり周波数fsを出力するすべり周波数演算手段としてのすべり周波数出力回路で、その比例定数として誘導電動機固有の係数kを設定している。18はクッション回路7から出力された指令基準周波数faにすべり周波数出力回路17から出力されたすべり周波数fsを加算するすべり周波数補正手段としての加算器であり、その加算結果として指令周波数fを出力する。なお、周波数設定回路6、クッション回路7、すべり周波数出力回路17および加算器18により指令周波数発生手段を構成している。
【0022】
補正電圧演算手段としての補正電圧出力回路13は電流フィルタ16から電流信号Iefを入力し、電流信号Iefに比例した補正電圧Vdを出力するが、その比例定数は図4に示した誘導電動機の一次抵抗r1と略一致させている。そして、電圧周波数比率回路8、補正電圧出力回路13および加算器14により指令電圧出力手段を構成している。
【0023】
図1、図2に示した回路の動作説明に先立ち、図3を用いて、本発明の根拠を説明する。図3に示した誘導電動機5の等価回路において、一次誘起電圧E1は、一次電流実効値をIeとすると
E1=V−(r1+jωL1)・Ie (3)
ただし、jω=2πf
r1:誘導電動機5の一次抵抗
L1:誘導電動機5の一次漏れインダクタンス
となる。ここで式(3)において一次漏れインダクタンスL1は一次抵抗r1と比較して小さいので無視すると
E1=V−r1・Ie
=V−Vd (4)
ここで、Vd=r1・Ie:降下電圧
となる。式(4)において、一次誘起電圧E1が指令電圧Vと等しくなるように、近似的に、指令基準電圧Vaに一次電流実効値Ieに比例した電圧降下分Vdを電圧補正するのが、自動トルクブ−スト制御である。
【0024】
また、誘導電動機5の実回転周波数fmは、すべり周波数fs分だけ低下しとなる。式(5)において、誘導電動機5の実回転周波数fmが指令周波数fに等しくなるよう近似的に、指令基準周波数faに一次電流実効値Ieに比例した応じたすべり周波数fsを補償するのが、すべり周波数補償制御である。
【0025】
本発明は、上記自動トルクブ−スト制御、すべり周波数補償制御において、一次電流実効値Ieを直接用いる代わりに、一次遅れの電流フィルタ16を通すことにより得られる、一次電流実効値Ieの急峻な変動に対して、所定の時定数をもって滑らかに追従する電流信号Iefを用い、補正電圧Vd(=r1・Ief:電圧降下分)およびすべり周波数fs(fs=k・Ief)を演算して用いたものであり、負荷変動に起因する急峻な電流変動時においても、誘導電動機5を所定の時定数をもって滑らかに追従するように制御し、かつ、すべりSによる誘導電動機5の回転数低下を抑制し、さらに、低速トルク特性の改善を図ったものである。
【0026】
次に、図1、図2に示した回路の動作を説明する。まず、図1に示した電流検出用抵抗器9Aにより脈動する直流母線電流idc計測し、電流検出器10Aは直流母線電流idcの計測値を入力してそのピーク値ipを検出し、検出したピーク検出したピーク値ipに基づいて誘導電動機5の一次電流実効値Ieを検出して出力する。
【0027】
即ち、図4から明らかなごとく、電流検出用抵抗器9Aにより計測された脈動する直流母線電流idcのピ−ク値ipは誘導電動機の一次電流振幅値Isと一致しているので、まず、図2に示すピ−クホ−ルド回路10aにて、直流母線電流idcのピ−ク値ipを検出してホールドする。次に、サンプリング回路10bにて、所定サンプリング周期ごとにサンプリングしてサンプリング値を得る。次に、電圧電流変換演算回路10cにて、複数個のサンプリング値のうちの少なくとも最大値を除いたサンプリング値の平均値を求め、この平均値に基づき、一次電流実効値Ieを求める。
【0028】
次に、電流検出器10Aから出力された一次電流実効値Ieをフィルタ16に入力し、誘導電動機5における一次電流の急峻な変動に対して所定の時定数をもって滑らかに追従する電流信号Iefを出力する。
【0029】
次に、すべり周波数出力回路17にて、入力された電流信号Iefをk倍してすべり周波数fsを出力する。そして、加算器18において、クッション回路7から出力された指令基準周波数faにすべり周波数出力回路17から出力されたすべり周波数fsを加算して、指令周波数fを得る。
【0030】
次に、指令周波数fを電圧周波数比率回路8に入力し、所定のV/f比の指令基準電圧Vaを出力する。一方、補正電圧出力回路13にて、電流信号Iefと比例定数r1との積により補正電圧Vdを演算して出力する。次に、加算器14で電圧周波数比率回路8から入力された指令基準電圧Vaに補正電圧出力回路13から入力された補正電圧Vdを加算して指令電圧Vを得る。
【0031】
次に、PWM発生回路15にて、指令周波数fおよび指令電圧Vの入力によりPWM信号を発生し、インバ−タ4へ出力する。このPWM信号により、インバ−タ4を構成するのスイッチング素子4bをオン・オフすることにより、インバ−タ4から誘導電動機5へ指令電圧V、指令周波数fに応じた出力電圧および出力周波数を供給し、誘導電動機5を駆動する。
【0032】
図5における5aは実施の形態1に示したインバータ装置における、5bは従来のインバータ装置の誘導電動機5における速度NとトルクTとの関係を示したものであるが、図より明らかなごとく、5bに示したすべり補償制御していない従来のインバータ装置に比較して、5aに示したすべり補償制御を行った実施の形態1のインバータ装置は、すべりSの零近傍におけるトルクTの立ち上がりが急峻であり、良好な自動トルクブ−スト制御およびすべり周波数補償制御の効果を示している。
【0033】
以上のように、実施の形態1に示したインバータ装置は、指令電圧Vを補正する補正電圧Vdの演算に、電流検出器10Aで検出した誘導電動機5の一次電流実効値Ieを直接用いず、一次電流実効値Ieを一次遅れの電流フィルタ16を通して得た電流信号Iefを用いたので、誘導電動機5の負荷変動に対して電流変動を滑らかに追従させることができ、電圧変動が比較的小さく、誘導電動機5を安定に駆動させることができる。
【0034】
また、電流信号Iefを用いて補正電圧Vdを演算し、指令電圧Vを補正すると共に、同じく、電流信号Iefを用いてすべり周波数fsを演算し、得られたすべり周波数fsにより指令周波数fを補正したので、自動トルクブ−スト制御と共に、良好なすべり周波数補償制御が行われ、指令電圧V、指令周波数fが安定制御され、誘導電動機5を安定駆動することができると共に、すべりSによる誘導電動機5の回転数低下を抑制し、さらに、低速トルク特性を改善することができる。
【0035】
また、実施の形態1に示したインバータ装置においては、直流電源の負極3aとインバ−タ4を構成する各ア−ムの一括接続点4bとの間に電流検出用抵抗器9Aを接続して直流母線電流idcを計測したので、また、電流検出器10Aにおいては、直流母線電流idcの計測値を入力し塔vリング値の平均値により誘導電動機5の一次電流実効値Ieを演算したので、ノイズによる一次電流実効値Ieの演算精度への影響を除去できる。
【0036】
なお、図2に示した電流検出器10Aにおける電圧電流変換演算回路10cにおいて、サンプリングにより得られた複数個のサンプリング値のうちの少なくとも最大値を除いたサンプリング値の平均値を用いた例を示したが、連続する複数のサンプリング値を大きな値順番に、若しくは、小さな値順番に並び換えたうちの中間値を示すサンプリング値を用いることによっても、ノイズによる一次電流実効値Ieの演算精度への影響を除去できる。
【0037】
また、実施の形態1に示したインバータ装置は、制御部における電流検出器10A、電流フイルタ16、等をH/Wで構成したが、必ずしもH/Wにて構成する必要はなく、インバ−タ4の指令電圧V,指令周波数fを演算するまでの過程の機能を、マイクロプロセッサを用い、所定のプログラムを実行することにより得られる機能と置換えても同様の効果が得られる。
【0038】
【発明の効果】
第1の発明によれば、直流母線電流を計測して得た、誘導電動機の一次電流に対して所定の時定数をもって追従する電流信号を演算し、この電流信号を用いて、すべり周波数および補正電圧を演算し、別途入力された指令基準周波数に前記すべり周波数を加算して指令周波数とし、この指令周波数より得られた所定のV/f比の指令基準電圧に前記補正電圧を加算して指令電圧とし、この指令電圧および前記指令周波数によりPWM信号を発生してインバータ部を制御したので、良好な自動トルクブ−スト制御と共にすべり周波数補償を行なうことができ、誘導電動機の負荷変動に対して電圧変動が比較的小さく、誘導電動機を安定に駆動させることができると共に、すべりによる回転数の低下を抑制し、さらに、低速トルク特性を改善できるものが得られる効果がある。
【0039】
また、第2の発明によれば、直流電源の負極とインバ−タを構成する各ア−ムの一括接続点との間に電流検出用抵抗器を接続して脈動する直流母線電流を計測し、この計測値より、そのピーク値を検出してサンプリングし、サンプリングにより得られた複数個のサンプリング値のうちの少なくとも最大値を除いたサンプリング値により誘導電動機の一次電流実効値を演算したので、一次電流実効値の演算精度へ与えるノイズの影響を減じることができるものが得られる効果がある。
【0040】
また、第3の発明によれば、サンプリングにより得られた複数個のサンプリング値のうちの少なくとも最大値を除いたサンプリング値の平均値により誘導電動機の一次電流実効値を演算したので、一次電流実効値の演算精度へ与えるノイズの影響をさらに減じることができ、より高精度の一次電流実効値が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1としてのインバータ装置の回路ブロック図である。
【図2】 図1に示したインバータ装置における電流検出器の回路ブロック図である。
【図3】 誘導電動機のT型等価回路を示す図である。
【図4】 インバータ装置の検出電流、誘導電動機の一次電流振幅値Isを示す波形図である。
【図5】 インバータ装置のすべり補償制御有無における速度−トルク特性曲線を示す図である。
【図6】 従来のインバータ装置の回路ブロック図である。
【符号の説明】
1 交流電源、2 交流直流変換回路、3 平滑コンデンサ、4 直流交流変換回路、5 誘導電動機、6 速度設定器、7 クッション回路、8 電圧周波数比率回路、9A 電流検出用抵抗器、10A 電流検出器、13 補正電圧出力回路、14 加算器、15 PWM発生回路、16 電流フィルタ、17 すべり周波数出力回路、18 加算器。

Claims (3)

  1. 直流電源部と、該直流電源部からの直流入力を交流に変換し、誘導電動機に出力するインバータ部と、前記インバータ部へPWM信号を出力し、該インバータ部の交流出力を制御する制御部とを備え、該制御部が、前記直流入力を計測して前記誘導電動機の一次電流に応じた電流信号を出力する電流信号出力手段と、指令周波数を発生する指令周波数発生手段と、前記指令周波数の入力により所定のV/f比の指令基準電圧を得ると共に、前記電流信号より補正電圧を得て前記指令基準電圧に加算し、指令電圧として出力する指令電圧出力手段と、前記指令周波数及び前記指令電圧の入力によりPWM信号を発生し、前記インバータ部へ出力するPWM発生手段と有するインバ−タ装置において、前記電流信号出力手段は、前記誘導電動機の一次電流に所定の時定数をもって追従する電流信号を出力する電流フィルタを備え、前記指令電圧出力手段は、前記電流信号に比例した補正電圧を演算する補正電圧演算手段を備え、前記指令周波数発生手段は、前記電流信号に比例したすべり周波数を演算するすべり周波数演算手段と、別途入力された指令基準周波数に前記すべり周波数を加算し、指令周波数として出力する指令周波数補正手段を備え、自動トルクブ−スト制御とすべり周波数補償とを行なうことを特徴とするインバ−タ装置。
  2. 請求項1記載のインバータ装置において、インバータ部は、複数のスイッチング素子にて構成され、並列に接続された複数のア−ムを備え、電流信号出力手段は、前記インバータ部における前記並列に接続された複数のア−ムの一括接続点と直流電源部の負極との間に接続され、前記インバータ部へ入力される脈動する直流電流を電流値比例電圧として計測する電流検出用抵抗器と、該電流検出用抵抗器により計測された電流値比例電圧のピ−ク値をホ−ルドするピ−クホ−ルド手段と、ホ−ルドした前記電流値比例電圧のピ−ク値を所定周期でサンプリングするサンプリング手段と、サンプリングされた所定数の前記ピ−ク値サンプルのうち、少なくとも最大電圧値のサンプルを除いたピ−ク値サンプルにより、前記誘導電動機の一次電流実効値を演算する電流演算手段と、演算された前記誘導電動機の一次電流実効値に所定の時定数をもって追従する電流信号を出力する電流フィルタとを備えたことを特徴とするインバータ装置。
  3. 請求項2に記載のインバータ装置において、電流演算手段は、所定周期でサンプリングされた電流値比例電圧における所定数のピ−ク値サンプルのうち、少なくとも最大電圧値のサンプルを除いたピ−ク値サンプルの平均電圧値により、前記誘導電動機の一次電流実効値を演算することを特徴とするインバータ装置。
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