JP4983331B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明はモータ駆動装置に関するもので、特に永久磁石モータのV/f制御によるモータ制御手段に関するものである。
従来、この種のモータ駆動装置は、インバータ回路出力電流を検出し、モータ電流をモータ印加電圧位相により座標変換し座標変換後のモータ電流が所定値となるようにV/f制御するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−236694号公報
しかし、従来のモータ駆動装置はモータ印加電圧位相に対応したモータ電流を瞬時に検出し、座標変換して直流成分に変換していたため、高速A/D変換手段、あるいは高速電流検知手段と高速座標変換手段が必要であり、インバータ回路を制御するマイクロコンピュータなどのプロセッサが高速高価格となる課題があった。さらに、座標変換後の有効電流ベクトルにより制御するため、無負荷、あるいは負荷が回転数に応じて変化するファン、あるいは、ポンプなどの制御において電流設定が複雑となる課題があった。
また、設定周波数とは無関係に周波数補正していたため、周波数が高くなると乱調し易くなる課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、基本的に座標変換無しでV/f制御により安定なモータ制御が可能であり、トルク変動の大きい負荷や、回転数に応じてトルクが変動する負荷でも複雑な制御をしなくても安定にモータ制御でき、低速かつ安価なプロセッサと簡単な制御プログラムでセンサレス正弦波駆動可能なモータ駆動装置を実現することを目的とするものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータ駆動装置は、直流電源と、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動される永久磁石同期モータと、前記モータにより駆動される負荷と、前記インバータ回路直流電流のピーク値を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号により前記インバータ回路を制御して前記モータを正弦波駆動する制御手段よりなり、前記制御手段は、前記モータのピーク電流値を設定する電流設定手段と、前記電流検出手段より検出した出力信号と前記電流設定手段の設定信号を比較する電流比較手段と、前記インバータ回路の出力周波数を設定する周波数設定手段と、前記電流比較手段の出力信号より前記周波数設定手段の出力周波数を補正する周波数補正手段よりなり、前記周波数補正手段はモータ駆動周波数に応じて制御ゲインを変更するようにしたものである。
本発明のモータ駆動装置は、モータ電流のピーク値あるいは回転磁界に相当するモータ電流を検知して設定値となるようにインバータ回路出力電圧と出力周波数を制御するものであり、座標変換無しで突極性あるいは非突極性モータに関わらず乱調せずに安定制御可能となり、さらに、進み角制御においても容易に安定制御可能となり、高速A/D変換手段や高速演算手段無しでも制御できるため、安価なプロセッサと簡単な制御プログラムでセンサレス正弦波駆動可能なモータ駆動装置を実現できる。また、簡単で安価な電流センサを使用でき、制御プログラムも簡単となるので安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現でき、さらに、プロセッサの負担が少ないので1つのプロセッサにより複数のモータを同時に制御でき、複数モータ同時駆動可能なシステムを簡単に構成できる。
第1の発明は、直流電源と、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動される永久磁石同期モータと、前記モータにより駆動される負荷と、前記インバータ回路直流電流のピーク値を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号により前記インバータ回路を制御して前記モータを正弦波駆動する制御手段よりなり、前記制御手段は、前記モータのピーク電流を設定する電流設定手段と、前記電流検出手段より検出した出力信号と前記電流設定手段の設定信号を比較する電流比較手段と、前記インバータ回路の出力周波数を設定する周波数設定手段と、前記電流比較手段の出力信号より前記周波数設定手段の出力周波数を補正する周波数補正手段よりなり、前記周波数補正手段はモータ駆動周波数に応じて制御ゲインを変更するようにしたものであり、V/f制御における乱調を防止でき、最大負荷から無負荷まで動作可能であり、電流検知手段とモータ制御プログラムが簡単になり安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現できる
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図を示すものである。
図1において、交流電源1より整流回路よりなる直流電源回路に交流電力を加えて直流電源2を構成し、3相フルブリッジインバータ回路3により直流電力を3相交流電力に変換し、永久磁石モータ4を駆動する。直流電源2は、全波整流回路20の直流出力端子にコンデンサ21a、21bを直列接続し、コンデンサ21a、21bの接続点を交流電源入力の一方の端子に接続して倍電圧整流回路を構成し、インバータ回路3への印加電圧を高くし電流を減らしてインバータ回路損失を減らす。モータ4はファン、あるいはポンプなどのモータ負荷5を駆動する。インバータ回路3の負電圧側に電流検出手段6を接続し、インバータ回路3に流れる電流を検出することによりインバータ回路3の出力電流、すなわち、モータ4のピーク電流Ip、あるいは、回転磁界に相当する駆動電流を検出する。
電流検出手段6は、いわゆる1シャント方式電流検知方式と呼ばれるもので、インバータ回路3の下アームトランジスタのエミッタ端子側に接続されたシャント抵抗60と、シャント抵抗60に流れる電流を検知する電流検知回路61より構成される。電流検知回路61は、マイクロコンピュータなどのプロセッサがA/D変換して電流検出するための信号レベル変換回路とピーク電流検出回路より構成されるが、詳細は後ほど説明する。
1シャント方式は、キャリヤ周波数が高い場合や、変調度が大きくなった場合には電流検出不可能領域が出現するので、各位相に対応した瞬時電流を検出する場合には3シャント方式の方が優れているが、本願発明においてはモータ正弦波電流のピーク値、あるいは回転磁界に対応した電流を検出するので、1シャント方式の方が回路構成が簡単となる。勿論、3シャント方式でも問題はない。
制御手段7は、モータ4のピーク電流Ip、あるいは、回転磁界に相当する駆動電流が設定値となるようにインバータ回路3の出力電圧を制御するもので、モータ駆動電流Iを設定する電流設定手段70の出力信号ipsと電流検出手段6の出力信号ipを比較する電流比較手段71の出力信号Δiを出力電圧制御手段72に加え、インバータ出力電圧制御信号Vδを制御する。インバータ出力電圧制御信号Vδはインバータ回路制御手段73に加えられ、インバータ回路3の3相出力電圧をPWM制御し正弦波駆動する。
周波数設定手段74はモータ駆動電流周波数を設定するもので、ロータの極数pと回転数nに応じた駆動周波数fに設定される。モータ4の印加電圧Vaは、モータ誘起電圧Vmとほぼ同等、あるいは、モータ誘起電圧Vmよりも少し高い電圧を印加すればよいので、V/f制御手段75により、モータ回転数n、すなわち、インバータ回路駆動周波数fにほぼ比例した電圧Vf(Vf=Ke×f)を出力電圧制御手段72に加え、モータ回転数に応じてインバータ出力電圧制御信号Vδを制御する。Vδは数式1より求められる。
Figure 0004983331
すなわち、モータ電圧制御信号Vδは、V/f制御電圧Vfに電流誤差信号Δiの比例積分制御値を加えて求められ、モータ駆動電流Iが設定値Ipsとなるようにフィードバック制御される。比例ゲインKpを大きくするとノイズに弱くなり発振し易くなるので、比例ゲインKpを小さくして積分ゲインKiを大きくすることにより耐ノイズ性能を向上させる。
電流比較手段71の出力信号Δiと周波数設定手段74の出力信号fは、周波数補正手段76に加えられ、周波数補正手段76の出力信号f1は位相生成手段77に加えられる。
位相生成手段77は、周波数補正手段76の出力信号f1に応じた位相信号θを発生させるもので、角周波数ωの積分値、あるいは、零位相からの時間tと角周波数の積ωtより位相θを求め、インバータ回路制御手段73に位相信号を加えてPWM制御する。モータ各相電圧制御信号は数式2より求められる。
Figure 0004983331
周波数補正手段76は、電流誤差信号Δiに比例してインバータ駆動周波数を補正変更し安定化制御するもので乱調防止動作を行う。すなわち数式3に従い、モータ電流ipが設定値ipsよりも増加すると(Δiは負になるので)駆動周波数を低下させ、モータ電流ipが設定値ipsよりも低下すると(Δiは正になるので)逆に駆動周波数を増加させる。
Figure 0004983331
周波数補正手段76は、比例積算部76aと加算部76bよりなり、比例積算部76aは、電流誤差信号Δiと周波数設定手段74の出力信号fの積に比例定数kを掛けて求め、加算部76bは、周波数設定手段74の出力信号fに、比例積算部76aの出力信号を加算してインバータ駆動周波数f1を求める。数式3に示すKfは、周波数設定手段74の出力信号fと比例定数kの積に等しい(Kf=f・k)。数式3は、設定周波数fに比例して周波数制御ゲインKfが大となることを意味する。
図2は本発明を示す表面磁石同期モータの制御ベクトル図であり、モータの磁石軸d−q座標とモータ印加電圧γ−δ座標の関係を示している。モータ印加電圧座標(γ−δ座標)はd−q座標よりも負荷角δ進角し、モータ印加電圧Vaはδ軸電圧と等しく、δ軸のみ制御するため、Va=Vδ、Vγ=0となるので座標逆変換は不要である。モータ誘起電圧Emはq軸上となり、モータ電流Iのベクトルは、定格負荷でほぼq軸電流Iqと等しくなるように設定する。図2において、モータ電流ベクトルIはq軸より位相γ遅れて表示している。モータ印加電圧Vaと電流Iの位相はφで表示している。
本発明は、モータ電流ベクトルIを設定値に制御するもので、モータ相電流Iu、Iv、Iwのピーク値を制御することを意味する。また、回転磁界の磁束ΨはインダクタンスLと電流Iの積、すなわち、Ψ=L・Iなので、電流Iを制御することは回転磁束Ψを一定に制御することを意味する。モータ相電流Iu、Iv、Iwのピーク値に限らず、実効値でも同じとなることは明白である。
従来方式、すなわち、δ軸電流Iδを所定値に制御する場合、負荷変動によりδ軸電流Iδが変動するため負荷状態に応じてIδ設定値を変更する必要が生じるが、電流ベクトルIに応じたモータ電流(あるいは、モータピーク電流Ip)を一定に制御する場合には負荷角δと位相φが負荷に応じて自動的に変化するため電流値を変更する必要がない特長がある。
無効電流成分Iγを一定に制御する場合でも、定格負荷から無負荷まで負荷角δが自動的に変化し無効電流設定値を変える必要がなく安定に動作するが、電流ベクトルI、あるいは電流ピーク値Ipを制御する方法が安定化し易い。特に、無効電流Iγ一定制御においては、負荷が増大し、電流ベクトルIが増加する進角制御においては、無効電流値Iγが減少してトルク変動に対応した無効電流成分変化率は減少するため安定化が困難となる。しかし、電流ベクトルI、あるいは電流ピーク値Ipを制御する本発明においては、トルク変動や負荷角変動の影響が電流ベクトルI、あるいはピーク電流Ipの変動として直接現れるため負荷変動の検出に優れており、負荷変動に対する安定化に優れる特長がある。特に、電流ベクトルIがq軸よりも進角する進角制御において、Iδ制御、Iγ制御よりI制御の方がトルク変動が顕著となるので制御対象として有利となる。
電流設定値ipsは負荷に応じて設定すると高効率運転できるので、負荷トルクと回転数に応じて変更するとよい。しかし本発明によれば、起動時から電流設定手段70の設定値を一定にすると、起動トルクを大きくでき、さらに進角制御領域までモータ電流を一定に制御しても安定動作する特長がある。
周波数補正動作についてさらに説明を加えると、設定値ipsよりもモータ電流ipが増加すると誤差信号Δiは負の値となり周波数補正信号Δf(Δf=Kf×Δi)も負の値となるので、f1=f+Δfの制御より補正後の周波数f1は低下し、γ−δ軸はd−q軸に近づき負荷角δが減少してモータ電流Iは減少するので電流一定制御動作となる。V/f制御においてトルク変動があると乱調が発生するが、周波数制御を加えることにより乱調が抑制され回転数変動が非常に少なくなる特長があり、トルク変動に対して乱調による脱調現象も抑制される。さらに、周波数補正信号Δfは、設定周波数fに比例して増加するので、周波数が高くなるほど制御ゲインが増加する。図2のベクトル図におけるモータコイル電圧ベクトルωLIは周波数に比例するため、本願発明はモータコイル電圧ベクトルに比例してモータ駆動周波数を補正していると考えられる。言い換えれば、駆動周波数が高くなるほどモータコイル電圧ベクトルωLIが増加し、モータコイル電圧ベクトルωLIと負荷角δは相関関係にあるので、負荷角変動、すなわち、乱調現象もモータコイル電圧ベクトルωLIに比例する。よって、モータコイル電圧ベクトルωLIに比例して周波数を補正すれば乱調を減らせることがわかる。
図3はモータ印加電圧と周波数、及び周波数補正ゲインの起動制御方法を示す。
起動開始してから目標回転数まで直線的に印加電圧と駆動周波数を増加させる、いわゆるV/f制御を行い、周波数補正ゲインKfも駆動周波数に比例して増加させる。モータ電流設定値は一定にしても構わない。ファン、あるいはポンプ負荷の場合には、駆動周波数に応じて電流設定値を変更させると高効率運転制御ができる。目標回転数に達するまでの起動時間tsは、負荷の慣性モーメントに応じて変化させることにより乱調を減少させることができる。すなわち、慣性モーメントが大きいほど起動時間tsを長くすると乱調を低くすることができる。
駆動周波数に応じて周波数補正ゲインKfを変更することにより、起動低速時におけるモータ回転数変動を低下させることができ、モータ電流を正弦波に近づけて起動電流を大きくすることができる特長がある。図3のKfaに示すように、時間に比例して直線的に制御ゲインを上げず、起動初期の制御ゲインはほぼ零に設定し、Kfbに示すように起動途中から制御ゲインを大きくしてもよい。なお、比例制御ゲインを大きくすると発振し易くなり、かつ、ノイズに弱くなるので、ローパスフィルターやリミッターを適宜設けるとよい。
図4は、本発明による1シャント方式ピーク電流検知回路の詳細な実施例を示す。
図4は、モータピーク電流の検出を演算増幅器とピークホールド回路により行うもので、1シャント方式にすると電流検出の部品点数が少なく、プロセッサの高速A/D変換ユニットも1ヶでよい特長があり、さらに、A/D変換タイミングの設定がフレキシブルとなる。
シャント抵抗60に発生する電圧vnのピーク値はインバータ回路3の各相出力電流のピーク値に対応している。マイクロコンピュータ等のプロセッサ内蔵のA/D変換回路は所定のDC電圧範囲内で動作するので、DC電圧の範囲内に対して変化するように増幅してレベルシフトさせる必要がある。言い換えれば、A/D変換回路の入力ダイナミックレンジ内で、モータ電流信号ピーク値が変化するように設定すればよい。以下、ピーク電流検知回路61aの詳細な説明を行う。
シャント抵抗60と並列関係にコンデンサ600を接続し、シャント抵抗60と抵抗601、602を直列関係に接続してピーク電流検知回路61aの直流電源(Vcc)に抵抗601をプルアップ接続する。抵抗601(抵抗値R1)と抵抗602(抵抗値R2)の接続点を高速演算増幅器603の+入力端子に接続し、高速演算増幅器603の出力端子と−入力端子間に帰還抵抗604a(抵抗値R4)を接続し、−入力端子と接地電位間に抵抗604b(抵抗値R3)を接続し非反転増幅器として使用する。シャント抵抗抵抗値をRoの端子電圧vnは、電流をIとするとvn=Ro×Iとなり、抵抗601と抵抗602の分圧比kをk=R2/(R1+R2)、帰還増幅率KをK=R4/R3、高速演算増幅器603の出力ダイオード電圧降下をvdとすると、電流検知回路61の出力電圧vpは数式4で表される。
Figure 0004983331
ここで、分圧比kと帰還増幅率Kの積、すなわち、k×K=vd/Vccとなるようにすれば、ダイオード電圧降下vdをキャンセルでき、モータピーク電流に対応した直流電圧信号vpに変換される。
高速演算増幅器603の出力ダイオード605と出力コンデンサ606、及び並列抵抗607はピークホールド回路を構成し、並列抵抗607は積分時間設定用である。ダイオード608a、608bは電流検知回路61の出力に接続されるプロセッサのA/D変換回路の過電圧保護のために接続している。出力ダイオード605の電圧降下、あるいは温度特性の影響を小さくするにはショットキーダイオードにする方がよい。さらに、出力ダイオード605の温度特性の影響を低減させるには、抵抗601あるいは抵抗602と直列関係に温度補償用ダイオードを接続するとよい。
図4に示したピーク電流検知回路61aを使用すると、キャリヤ信号のピーク、あるいは谷において電流検出することによりインバータスイッチングノイズの影響を受けずにモータ電流ピーク値が検出でき、従来の1シャント方式の如きキャリヤ信号1周期内で数回電流検知する必要がなく、電流検知アルゴリズムが簡単になる特長がある。特に、複数モータ同時駆動においては電流検知タイミング制御が複雑となり、場合によれば、電流検知時に他のインバータ回路のスイッチングノイズの影響を受ける問題が発生するが、本願発明によれば電流検知タイミングをキャリヤ信号のピークあるいは谷に設定することによりスイッチングノイズの影響を受けなくなる。
以上述べたように、本発明は永久磁石モータをV/f制御によりセンサレス正弦波駆動するために、モータピーク電流あるいは回転磁束に応じたモータ電流を所定値に制御するもので、モータ電流設定値との誤差信号によりモータ印加電圧とモータ駆動周波数をそれぞれ制御することにより定出力電流制御し、モータ駆動周波数制御ゲインを設定周波数に応じて変更することにより乱調を防止し安定化させる。本発明によれば、突極性モータ、非突極性モータに関わらず安定化制御可能であり、かつ、進角制御も容易となる。起動時から出力電流設定値を一定にしても起動から定格まで安定動作し、突極性モータにおいては、遅れ角から進み角まで自動的に変化し安定化動作する特長がある。
以下、本発明の第2の実施の形態について図5から図8を用いて説明する。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置の電流検知回路の詳細な実施例を示す。
図5は電流検出のレベル変換回路61bを示し、図4に示したピーク電流検知回路61aからピークホールド回路を除いたもので詳細は省略する。レベル変換回路61bの出力信号をマイクロコンピュータなどのプロセッサ内蔵のA/D変換器に加え、A/D変換後のモータ電流信号をプロセッサのプログラムによりピーク電流検出する実施例を示す。
図6、図7は2相変調時のシャント抵抗電圧波形と電流検知タイミングを示す。
図6、図7においてcは三角波キャリヤ信号、vu、vvはそれぞれu相、v相の変調信号を示す。w相下アームトランジスタは強制的に導通させるので、w相変調信号は示されていない。
2相変調においてモータピーク電流が現れるパターンは、図6、図7の2種類あり、図6はキャリヤ信号cのピークタイミング(零ベクトル)t3にてモータ電流ピーク値が現れるので、時間t3に電流検出できる。よって、モータ駆動周波数の1周期間において、キャリヤ信号ピーク時t3のA/D変換後の電流信号の大小比較を行い、最大値をモータ電流ピーク値と設定するとよい。しかし、キャリヤ信号ピーク時検出方法は、1周期に1回しかデータが取れないので、キャリヤ周波数が低い場合や低速時にはデータの信頼性が低下する課題がある。
キャリヤ信号ピークだけではなく、図7に示す電流パターンのピーク値も検出すると電流ピーク値検知精度が向上する。すなわち、キャリヤ信号ピーク時t3の後、PWM制御レベルコンパレータが動作するt4からt6の間のタイミングt5にて電流検出するとよい。
図8は本発明によるピーク電流検知プログラムのフローチャートを示す。
ステップ100より、キャリヤ信号cのピークt3に同期してキャリヤ信号割込処理プログラムが開始し、ステップ101にてA/D変換入力処理が実行される。次にステップ102に進んでA/D変換された電流信号がデータメモリIに記憶され、次にステップ103に進んで電流信号Iを最大値Ipと比較し、大ならばステップ104に進んで電流信号Iを最大値Ipとする。次に、ステップ105に進んでキャリヤ信号cと変調信号vu、あるいはvvとの比較割込信号を許可する。次にステップ106に進んで比較割込信号があれば、ステップ107に進んで数マイクロ秒の所定時間遅延させ、次にステップ108に進んでA/D変換し電流検出する。プロセッサは、図7の時間t4にて比較割込信号が発生するように構成されている。また、時間t4から所定時間遅れて自動的にA/D変換処理動作するプロセッサも実現できる。次に、ステップ109に進んでA/D変換された信号をデータメモリIに記憶し、ステップ110にて電流値Iと最大値Ipを比較し、電流値Iが最大値Ipより大ならばステップ111に進んで電流値Iを最大値Ipに置き換える。キャリヤ信号毎に上記動作を実行し、求めた最大値Ipと設定値Ipsを比較し印加電圧と駆動周波数を変更する。
なお、最大値は駆動周波数の1周期毎に求め更新するとよい。
以上述べたように、ピーク電流検出はプログラム処理から求めることができるので、高速A/D変換が必要となる課題はあるが、図4に示したピークホルダーからなる外付け回路方式よりも部品点数が減少し検知精度が向上する特長がある。なお、以上2相変調について説明したが、3相変調でも同様である。
以上述べたように、本発明によれば、モータピーク電流、あるいはモータ回転磁界に応じたモータ駆動電流が設定値となるようにモータ印加電圧を制御するようにしたので、自動的にモータ負荷に応じた負荷角となり、γ−δ軸とd−q軸の位相関係が負荷に応じた所定値となりセンサレス正弦波駆動が可能となる。特に、無負荷から定格負荷までモータ負荷が大きく変動しても、電流一定制御だけで動作可能なので制御が非常にシンプルとなる特長がある。また、電流誤差信号により駆動周波数を補正する周波数補正ゲインを駆動周波数に応じて変更することにより高速領域の乱調が抑制され、回転数変動が非常に小さくなる特長がある。また、モータ電流を座標変換、あるいはベクトル分解する必要がないので、演算をほとんど必要とせず制御プログラムが簡単となり8bitマイクロコンピュータでも容易にモータ制御できる特長がある。
本願発明はロータ位置推定しないV/f制御なのでモータパラメータをほとんど使用せず、さらに、回転数オープンループ制御なので回転数変動が非常に少なくなり、制御方式がシンプルで、かつ電流検知も簡単となり低騒音、低価格、高信頼性のモータ駆動装置を実現できる。特に、突極性モータと非突極性モータに関わらず制御でき、進角制御も容易であり、モータ制御プログラムと電流検知が簡単となるのでプロセッサの負担が軽くなるので、ヒートポンプ式洗濯乾燥機の如き圧縮機モータ、洗濯モータ、乾燥ファンモータ同時正弦波駆動方式に適用することができ、安価で信頼性の高い複数モータ同時駆動装置を実現できる。
以上のように、本発明のモータ駆動装置は、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路により永久磁石モータをセンサレス正弦波駆動し、モータ電流のピーク値あるいは回転磁界に相当するモータ電流を検知して設定値となるようにインバータ回路出力電圧とモータ駆動周波数を制御するものであるから、永久磁石モータを駆動するほとんどのモータ駆動装置に適用可能であり、食器洗い機の洗浄ポンプ駆動装置や洗濯機のモータ駆動装置、掃除機のモータ駆動装置、換気扇や燃焼機等のファンモータ駆動装置、空気調和機や冷蔵庫の圧縮機モータ駆動装置に適用できる。さらに、ヒートポンプ式洗濯乾燥機や空気調和機の如き複数モータ同時駆動方式にも適用できる。
本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置のブロック図 本発明によるモータ駆動装置のモータ制御ベクトル図 本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置の起動制御方法のグラフ 本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置のピーク電流検知回路図 本発明の第2の実施の形態におけるモータ駆動装置の電流検知回路図 本発明の第2の実施の形態におけるシャント抵抗電圧波形と電流検知タイミングのグラフ 本発明の第2の実施の形態におけるシャント抵抗電圧波形と電流検知タイミングのグラフ 本発明の第2の実施の形態における電流検知プログラムのフローチャート
2 直流電源
3 インバータ回路
4 モータ
5 モータ負荷
6 電流検出手段
7 制御手段
70 電流設定手段
71 電流比較手段
72 出力電圧制御手段
74 周波数設定手段
76 周波数補正手段

Claims (1)

  1. 直流電源と、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動される永久磁石同期モータと、前記モータにより駆動される負荷と、前記インバータ回路直流電流のピーク値を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号により前記インバータ回路を制御して前記モータを正弦波駆動する制御手段よりなり、前記制御手段は、前記モータのピーク電流を設定する電流設定手段と、前記電流検出手段より検出した出力信号と前記電流設定手段の設定信号を比較する電流比較手段と、前記インバータ回路の出力周波数を設定する周波数設定手段と、前記電流比較手段の出力信号より前記周波数設定手段の出力周波数を補正する周波数補正手段よりなり、前記周波数補正手段はモータ駆動周波数に応じて制御ゲインを変更するようにしたモータ駆動装置。
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