JP2008301551A - 電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】トルクの低下を招くことなく、磁性体を通過する磁束の高調波成分による鉄損を効果的に低減させる。
【解決手段】磁性体からなる固定子2や回転子3を通過する磁束と鎖交し、磁性体の一部を内包するように巻回された磁束フィルタ用巻線8を有する磁束フィルタ回路を備える。磁束フィルタ回路は、遮断周波数が永久磁石型同期電動機1のトルクに寄与する基本周波数よりも高く、且つ、インバータのスイッチング周波数等の高周波より低くなるように設定されることで、磁束の高調波成分のみを減衰させることができる。これにより、磁性体部分における鉄損を低減することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ制御により運転周波数が変化する電動機に関し、特に、固定子および可動子を構成する磁性体における鉄損を低減させる技術に関する。
電動機の鉄損は、固定子や可動子を構成する磁性体(コア材)を磁化したときに失われる電気エネルギであり、巻線の抵抗によって失われるエネルギ(銅損)と合わせて、電動機の効率低下の要因となることが知られている。鉄損は、ヒステリシス損失と渦電流損失の和として表されるが、特に渦電流損失は磁性体を通過する磁束の周波数が高くなるほど損失の比率が大きくなる。また、鉄損は磁性体の熱エネルギとして消費されるため、鉄損が大きくなると磁性体の発熱量が大きくなり、例えば永久磁石を備えた電動機では永久磁石の減磁による性能低下につながる。
そこで、磁性体を通過する磁束の高調波成分による鉄損を低減させる技術が種々検討されており、例えば特許文献1においては、集中巻の巻線を備えた回転電機において、固定子の突極部(ステータティース)の半径方向に沿って、例えばギャップを介在させる、或いは透磁率の低い部材を設置するなどの手法で磁気抵抗障壁を設けることで、ひとつの突極内で短絡してトルクに寄与しない磁束成分を低減させ、鉄損を低減させるという技術が提案されている。
特表2003−518904号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている技術では、磁気抵抗を増大させる磁気抵抗障壁を磁路中に設けるようにしているため、磁路を通過する磁束のトルクに寄与する基本波磁束成分までも低下させてしまい、トルクの低下を招くという問題点があった。
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、トルクの低下を招くことなく、磁性体を通過する周波数の高い磁束の高調波成分による鉄損を効果的に低減させることができる電動機を提供することを目的としている。
本発明に係る電動機は、固定子や回転子などの磁性体を通過する磁束と鎖交し、磁性体の一部を内包するように巻回された磁束フィルタ用巻線を有する磁束フィルタ回路を設けて、この磁束フィルタ回路により所定周波数以上の磁束の高調波成分を減衰させることによって前記課題を解決する。このような磁束フィルタ回路を備える電動機では、磁性体を通過する磁束の高調波成分のエネルギが磁束フィルタ用巻線に蓄えられ、その一部は磁束フィルタ用巻線のジュール損失として消費される。
本発明によれば、磁性体を通過する磁束のトルクに寄与する基本波成分を低下させることなく高調波成分のみを低下させることができるので、トルクの低下を招くことなく磁性体における鉄損を効果的に低減させることができる。また、磁束の高調波成分によるエネルギが磁束フィルタ用巻線に蓄えられるので、磁性体の発熱を磁束フィルタ用巻線の発熱として集約することができ、磁性体の熱を放熱するための機構を簡素化することが可能となり、また、永久磁石を備えた電動機では永久磁石の減磁抑制の効果が期待できる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、ここでは永久磁石型同期電動機に本発明を適用した例について説明するが、本発明は、永久磁石型同期電動機に限らず、巻線と、磁性体で構成される固定子および可動子とを備え、巻線の電流がインバータにより制御される構成のあらゆるタイプの電動機に対して広く適用可能である。
[第1の実施形態]
図1は、本発明を適用した永久磁石型同期電動機の一例を示す図であり、同永久磁石型同期電動機の回転軸方向に対して垂直な方向の断面図である。
この図1に示す永久磁石型同期電動機1は、磁性体の電磁鋼板を積層して構成された固定子2と、固定子2を格納するケース3と、磁性体の電磁鋼板を積層して内部に永久磁石5を埋め込んで構成された回転子4と、固定子2の回転子4側に突出する複数の突極部(ステータティース)2aに各々巻回され、インバータ制御により通電して磁束を発生させる固定子巻線6とを備える。そして、特に本発明を適用した永久磁石型同期電動機1に特徴的な構成として、固定子2の複数の突極部2aをその基端側で連結するバックヨーク部2bに、図2に示す磁束フィルタ回路7を構成する磁束フィルタ用巻線8が巻回されている。
磁束フィルタ回路7は、磁気回路を形成する固定子2や回転子4の磁性体を通過する磁束の高調波成分を減衰させるためのものであり、図2に示すように、固定子2のバックヨーク部2bに巻回された磁束フィルタ用巻線8と、この磁束フィルタ用巻線8を含む回路全体の導体抵抗9とから構成されている。
図3は、固定子2や回転子4の磁性体により形成される磁気回路と磁束フィルタ回路7との関係を模式的に示す図である。以下、この図3を用いて、磁束フィルタ回路7の作用を説明する。
固定子巻線6及び永久磁石5によって発生した磁束をΦとし、固定子2内の磁束の変化によって磁束フィルタ用巻線8に発生した誘起電圧に基づいて生じた磁束をΦとすると、固定子2内を通過する磁束Φは、下記式(1)により表される。
Φ=Φ−Φ ・・・(1)
また、各パラメータは下記式(2)〜(4)で表される。
Φ=Li ・・・(2)
(L:磁束フィルタ用巻線8のインダクタンス、i:磁束フィルタ用回路7の電流)
=dΦ/dt ・・・(3)
=Ri ・・・(4)
(v:磁束フィルタ用巻線8の誘起電圧、R:導体抵抗9)
式(2)〜(4)より、固定子2内を通過する磁束Φは、下記式(5)のようになる。
Figure 2008301551
式(5)より、磁束フィルタ回路7を設けた場合の、固定子巻線6及び永久磁石5によって発生した磁束をΦeに対する、固定子2内を通過する磁束Φのゲイン特性gは、下記式(6)のように表される。
Figure 2008301551
ゲイン特性gの一例を図4に示す。このようにゲイン特性gは1次遅れ要素のゲイン特性となるため、遮断周波数ωc付近より高い周波数で磁束Φが減衰する。この特性を利用し、遮断周波数ωcが永久磁石型同期電動機1のトルクに寄与する基本周波数よりも高く、且つ、インバータのスイッチング周波数等の高周波より低くなるように、磁束フィルタ回路7によるゲイン特性gを設定する。これにより、トルクを維持したまま磁束Φの高調波成分のみを減衰させることができ、固定子2や回転子4の磁性体部分における鉄損を低減することが可能となる。また、永久磁石5を内蔵する回転子4での鉄損が低減すれば、この回転子4の発熱に伴う永久磁石5の温度上昇も抑制することができ、永久磁石5の温度上昇による減磁を抑制する効果も期待できる。
磁束フィルタ回路7で吸収した磁束Φの高調波成分によるエネルギは、磁束フィルタ用巻線8に蓄えられ、一部は磁束フィルタ用巻線8のジュール損失として消費される。つまり、磁束フィルタ回路7は、これまで固定子2や回転子4の磁性体部分に分布していた鉄損による熱エネルギを磁束フィルタ用巻線8に集約する機能を有している。したがって、例えば図1に示すように、固定子2を格納するケース3に冷媒流路10を設け、この冷媒流路10内を流れる冷媒との熱交換により磁束フィルタ用巻線8の熱を放熱できるようにすれば、永久磁石型同期電動機1の運転に伴う熱を効率よく放熱することが可能となり、放熱機構の構造を簡素化することが可能となる。
なお、図1に示した例では、磁束フィルタ回路7の磁束フィルタ用巻線8を固定子2のバックヨーク部2bに巻回しているが、磁束フィルタ用巻線8は、磁気回路を形成する固定子2や回転子4の磁性体を通過する磁束Φと鎖交し、磁性体の一部を内包するように巻回されていればよく、様々な配置のバリエーションが考えられる。例えば図5に示すように、固定子2の突極部2aの先端に磁束フィルタ用巻線8を巻回するようにしてもよいし、図6に示すように、固定子2の突極部2aとバックヨーク部2bとの境界部分に磁束フィルタ用巻線8を巻回するようにしてもよい。また、図7に示すように、回転子4側に磁束フィルタ用巻線8を巻回することもできる。これら図5乃至図7の例のように、磁性体を内包するように磁束フィルタ用巻線8を巻回することで、図1に示した例と同様に、磁束Φの高調波成分を減衰させて、磁性体部分における鉄損を低減させることができる。
また、図5や図6の例のように、固定子2側に磁束フィルタ用巻線8を巻回した場合には、磁束Φの高調波成分による熱エネルギが固定子2側の磁束フィルタ用巻線8に集約されるので、図1に示した例と同様、固定子2を格納するケース3に冷媒が流通する冷媒流路10を設けて磁束フィルタ用巻線8の熱を放熱できるようにすれば、永久磁石型同期電動機1の運転に伴う熱を効率よく放熱することが可能となり、放熱機構の構造を簡素化することが可能となる。
一方、図7に示す例のように、回転子4側に磁束フィルタ用巻線8を巻回した場合には、磁束Φの高調波成分による熱エネルギが回転子4側の磁束フィルタ用巻線8に集約されるので、例えば、回転子4の中央に連結されたシャフト11内などに冷媒流路12を設けて、この冷媒流路12内を流れる冷媒との熱交換により磁束フィルタ用巻線8の熱を放熱できるようにすれば、上述した例と同様に、永久磁石型同期電動機1の運転に伴う熱を効率よく放熱することが可能となり、放熱機構の構造を簡素化することが可能となる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、本実施形態の磁束フィルタ回路7を示す簡易回路図であり、図9は、固定子2や回転子4の磁性体により形成される磁気回路と本実施形態の磁束フィルタ回路7との関係を模式的に示す図である。これら図8及び図9に示すように、本実施形態では、上述した第1の実施形態で説明した磁束フィルタ回路7に、抵抗値に温度依存性がある抵抗体20を追加して、回路全体の導体抵抗9を抵抗体20に置き換えている。なお、永久磁石型同期電動機1の基本構成は第1の実施形態で説明した構成(図1、図5乃至図7参照)と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
永久磁石型同期電動機1のトルクに寄与する基本周波数は、永久磁石型同期電動機1の運転状態(回転速度)に応じて変化するので、永久磁石型同期電動機1の広い運転範囲で磁束フィルタ回路7による鉄損低減の効果を適切に発揮させるためには、磁束フィルタ回路7によるゲイン特性gを永久磁石型同期電動機1の運転状態に合わせて変化させて、遮断周波数ωcを最適な値に設定できるようにすることが望ましい。
ここで、磁束フィルタ回路7のゲイン特性gを永久磁石型同期電動機1の運転状態に合わせて変化させるには、例えば磁束フィルタ用巻線8自体の抵抗値を変化させることで、磁束フィルタ用巻線8のインダクタンスLと抵抗値Rとの比率を調整してゲイン特性gを変化させることが考えられるが、磁束フィルタ用巻線8自体の抵抗値を変化させることは実際には困難である。そこで、本実施形態では、図8及び図9に示すように、温度によって抵抗値が変化する抵抗体20を磁束フィルタ回路7の磁束フィルタ用巻線8に直列に接続して、この抵抗体20の温度を温度調整機構によって調整することで抵抗値Rを変化させて、磁束フィルタ回路7によるゲイン特性gを永久磁石型同期電動機1の運転状態に合わせて変化させるようにしている。
図10(a)及び図10(b)は、抵抗体20の抵抗値Rに応じた磁束フィルタ回路7によるゲイン特性gの変化を示したものである。これら図10(a)と図10(b)とを対比すると分かるように、抵抗体20の抵抗値Rが大きいと遮断周波数ωcが高くなり、抵抗体20の抵抗値Rが小さくなれば遮断周波数ωcは低くなる。これを利用して、永久磁石型同期電動機1の運転状態に応じて抵抗体20の温度を調整し、低速回転時には抵抗体20の抵抗値Rを小さくして遮断周波数ωcを低く設定し、高速回転時には抵抗体20の抵抗値Rを大きくして遮断周波数ωcを高く設定することにより、トルクに寄与する基本周波数の磁束を維持したまま、広い運転範囲で磁性体内の高調波成分のみを減衰させることが可能となる。
図11は、抵抗体20を含む磁束フィルタ回路7の具体的な配置例を示す図であり、図12は、抵抗体20の温度調整を行うための温度調整機構を含む制御系のブロック図である。これら図11及び図12に示す例では、ケース3に設けられた冷媒流路10を流れる冷媒との熱交換により、抵抗体20の温度調整を行うようにしている。なお、抵抗体20の温度調整を行う機構は、これら図11及び図12に示す例に限らず、適宜変更が可能である。また、これら図11及び図12に示す例では、磁束フィルタ回路7の抵抗体20としてサーミスタを用いているが、抵抗体20としては、抵抗値が温度依存性を持つものであれば、サーミスタ以外のものも利用可能である。
図11に示すように、ケース3には、冷媒流路10の近傍の位置にサーミスタ埋め込み用の溝21が設けられている。そして、磁束フィルタ回路7の配線がこのサーミスタ埋め込み用の溝21まで引き伸ばされて、この溝21内にサーミスタ(抵抗体)20が収容されている。この溝21内に収容されたサーミスタ(抵抗体)20の温度は随時モニタリングされ、図12に示すヒータ温度制御部22に入力される。
冷媒流路10の経路中には、図12に示すように、ヒータ23及びラジエータ24が配置されており、ヒータ23で加熱された冷媒でサーミスタ(抵抗体)20の温度を上昇させ、或いはラジエータ24で冷却された冷媒でサーミスタ(抵抗体)20の温度を低下させる構成となっている。
永久磁石型同期電動機1は、モータ制御部25からのスイッチング素子駆動信号に応じて、インバータ26により電源27から固定子巻線6へと通電される通電電流が制御されることで、運転状態が制御される。モータ制御部25は、固定子巻線6の電流値や回転子角度検出部28で検出された回転子4の回転角度をモニタリングして、永久磁石型同期電動機1の運転状態を常時把握しており、所望の運転状態が維持されるようにフィードバック制御を行う。
また、ヒータ温度制御部22は、モータ制御部25から回転子回転速度を示す信号及び巻線電流指令値を示す信号を入力し、これらの信号をもとに永久磁石型同期電動機1の運転状態を把握し、それに基づいてサーミスタ(抵抗体)20の温度を決定する。そして、ヒータ温度制御部22は、サーミスタ(抵抗体)20の温度をモニタリングしながら、決定した温度になるように、ヒータ電源29に対してヒータ電流指令値を出力し、ヒータ23による冷媒の加熱量を制御する。
以上のような温度調整機構を備えることで、永久磁石型同期電動機1の運転状態に応じて、磁束フィルタ回路7のサーミスタ(抵抗体)20の温度を調整して遮断周波数ωcを最適な値に設定することができ、永久磁石型同期電動機1の広い運転範囲で、トルクに寄与する基本周波数の磁束を維持したまま高調波成分のみを減衰させて、磁性体部分における鉄損を効果的に低減させることができる。また、本実施形態では、磁束フィルタ回路7の磁束フィルタ用巻線8で吸収した磁束の高調波成分によるエネルギがサーミスタ(抵抗体)20に伝達され、一部がサーミスタ(抵抗体)20においてジュール損失として消費されるので、上述した温度調整機構がそのまま放熱機構として機能することになり、永久磁石型同期電動機1の運転に伴う熱を効率よく放熱することが可能となる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図13は、本実施形態の磁束フィルタ回路7を示す簡易回路図であり、図14は、固定子2や回転子4の磁性体により形成される磁気回路と本実施形態の磁束フィルタ回路7との関係を模式的に示す図である。これら図13及び図14に示すように、本実施形態では、上述した第2の実施形態で説明した磁束フィルタ回路7に対して、磁束フィルタ用巻線8や抵抗体20と並列に接続されたコンデンサ素子30を追加している。なお、永久磁石型同期電動機1の基本構成は第1の実施形態で説明した構成(図1、図5乃至図7参照)と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
磁束フィルタ回路7に対してコンデンサ素子30を追加した場合のゲイン特性gを上述した第1の実施形態と同様の手法で算出したものを図15に示す。この図15に示すように、磁束フィルタ回路7によるゲイン特性gは、磁束フィルタ用巻線8や抵抗体20に対してコンデンサ素子30を並列接続することで2次遅れ系の周波数特性となるため、第1の実施形態で説明したゲイン特性g(図4参照)と比べて、遮断周波数ωcより高い周波数での減衰が強く、磁束の高調波成分の抑制により効果的であることが分かる。したがって、このような磁束フィルタ回路7を設けることによって、永久磁石型同期電動機1のトルクに寄与する基本周波数の磁束を維持したまま高調波成分のみをより効果的に減衰させて、固定子2や回転子4の磁性体部分における鉄損をさらに効果的に低減させることができる。
また、磁束フィルタ回路7のコンデンサ素子30として、静電容量に温度依存性があるものを使用し、第2の実施形態で説明したような温度調整機構によってコンデンサ素子30の温度調整を行うようにすれば、抵抗体20の場合と同様に、永久磁石型同期電動機1の運転状態に応じて磁束フィルタ回路7によるゲイン特性gを最適な状態に可変させることもできる。
以上、本発明の具体的な適用例として第1乃至第3の実施形態を例示したが、本発明の技術的範囲は、以上の各実施形態の説明で開示した内容に限定されるものではなく、これらの開示から容易に導き得る様々な代替技術も含まれることは勿論である。例えば、以上の各実施形態は永久磁石型同期電動機に対して本発明を適用した例であるが、本発明は様々なタイプの電動機に対して有効に適用可能であり、磁束フィルタ回路7の構成や磁束フィルタ用巻線8、抵抗体20の配置などの詳細については、適用対象となる電動機の構造の違いなどに応じて適宜変更することが可能である。
本発明を適用した永久磁石型同期電動機の一例を示す図であり、同永久磁石型同期電動機の回転軸方向に対して垂直な方向の断面図である。 第1の実施形態における磁束フィルタ回路を示す簡易回路図である。 固定子や回転子の磁性体により形成される磁気回路と第1の実施形態における磁束フィルタ回路との関係を模式的に示す図である。 第1の実施形態における磁束フィルタ回路によるゲイン特性の一例を示す図である。 磁束フィルタ用巻線の配置のバリエーションを示す図である。 磁束フィルタ用巻線の配置のバリエーションを示す図である。 磁束フィルタ用巻線の配置のバリエーションを示す図である。 第2の実施形態における磁束フィルタ回路を示す簡易回路図である。 固定子や回転子の磁性体により形成される磁気回路と第2の実施形態における磁束フィルタ回路との関係を模式的に示す図である。 抵抗体の抵抗値に応じた磁束フィルタ回路によるゲイン特性の変化を示す図であり、(a)は抵抗体の抵抗値が大きいときのゲイン特性、(b)は抵抗体の抵抗値が小さいときのゲイン特性を示す図である。 抵抗体を含む磁束フィルタ回路の具体的な配置例を示す図である。 抵抗体の温度調整を行うための温度調整機構を含む制御系のブロック図である。 第3の実施形態における磁束フィルタ回路を示す簡易回路図である。 固定子や回転子の磁性体により形成される磁気回路と第3の実施形態における磁束フィルタ回路との関係を模式的に示す図である。 第3の実施形態における磁束フィルタ回路によるゲイン特性の一例を示す図である。
符号の説明
1 永久磁石型同期電動機
2 固定子
3 ケース
4 回転子
5 永久磁石
6 固定子巻線
7 磁束フィルタ回路
8 磁束フィルタ用巻線
9 導体抵抗
10,12 冷媒流路
20 サーミスタ(抵抗体)
22 ヒータ制御部
23 ヒータ
30 コンデンサ素子

Claims (6)

  1. 巻線と、磁性体で構成される固定子および可動子とを備え、前記巻線の電流がインバータにより制御される電動機において、
    前記磁性体を通過する磁束と鎖交し、前記磁性体の一部を内包するように巻回された磁束フィルタ用巻線を有する磁束フィルタ回路を備え、当該磁束フィルタ回路により、前記磁性体を通過する磁束のうち所定の遮断周波数以上の高調波成分を減衰させることを特徴とする電動機。
  2. 前記磁束フィルタ回路は、前記遮断周波数が電動機の運転状態に応じて可変とされていることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
  3. 前記磁束フィルタ回路は、前記フィルタ用巻線と直列に接続された抵抗体を有し、
    前記抵抗体の抵抗値が変化することにより、前記遮断周波数が可変とされていることを特徴とする請求項2に記載の電動機。
  4. 前記抵抗体がサーミスタで構成されていることを特徴とする請求項3に記載の電動機。
  5. 前記抵抗体の温度を調整する温度調整機構を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の電動機。
  6. 前記磁束フィルタ回路は、前記磁束フィルタ用巻線又は前記抵抗体と並列に接続されたコンデンサ素子を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電動機。
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